JP2005310406A - 除去版、有機el表示装置の製造方法、及び、有機el表示装置の製造装置 - Google Patents
除去版、有機el表示装置の製造方法、及び、有機el表示装置の製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 除去版の凸版表面に対するインクの濡れ性、密着性、転写再現性を高め、ブランケットから除去版へのインクの転写が均一にかつ精細に、また安定して行える。
【解決手段】 凸版反転オフセット法によって、有機EL表示装置を製造する際に用いられる除去版6aであって、
この除去版6aにおける除去面7aが金属で形成されていることを特徴とする除去版6aである。
【選択図】 図1
【解決手段】 凸版反転オフセット法によって、有機EL表示装置を製造する際に用いられる除去版6aであって、
この除去版6aにおける除去面7aが金属で形成されていることを特徴とする除去版6aである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、有機EL表示装置(有機電界発光素子)を凸版反転オフセット法によって製造する際に使用される除去版に関する。
凸版反転オフセット法により有機EL表示装置を製造する方法、製造する装置は、例えば特開2003−17248号公報などに開示されている。
以下、この製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、ガラス、透明プラスチックフィルムなどの透明基板1上にITOなどの透明導電膜を蒸着などによって形成し、これを所定のパターンにパターニングして陽極となる透明電極2を形成する。
まず、図4に示すように、ガラス、透明プラスチックフィルムなどの透明基板1上にITOなどの透明導電膜を蒸着などによって形成し、これを所定のパターンにパターニングして陽極となる透明電極2を形成する。
ついで、図5に示すように、この透明基板1の透明電極2上の全面に、ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体などのホール輸送材料からなる厚さ10〜200nmのホール輸送層3を設ける。これには、上記ホール輸送材料を含む溶液または分散液をスピンコート法、バーコード法などの塗布方法によって塗布し、さらに加熱、焼成する方法が採用される。
一方、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系などの蛍光性色素をポリスチレン、メチルメタクリレートなどのポリマーに溶解した高分子蛍光体、あるいはポリアリレーン系、ポリアリレーンビニレン系、ポリフルオレン系などの高分子蛍光体をトルエン、キシレン、アセトン、MEK、酢酸エチルなどの溶剤に溶解、分散した有機発光層を形成するインクを用意し、このインクを図6に示すように、シリコーンゴムなどからなるブランケット4の外周面に均一な厚さで塗布し、インク層5を形成する。
ついで、図7に示すように、このブランケット4を除去版6に転動させつつ接触させる。この除去版6の表面は、有機発光層のパターンが逆転したパターンが形成された凸部11を有する凹凸版となっている。
このブランケット4と除去版6との接触により、ブランケット4上のインク層5のうち、その一部の不要となるインク層5aが除去版6の凸部11表面に付着して除去され、ブランケット4の外周面には、必要となるインクが残り、このインクから構成されるインクパターン5bが形成される。
ついで、この状態のブランケット4を、図8に示すように、上述のホール輸送層3が形成された透明基板1に転動させつつ接触させる。この接触により、ブランケット4上の必要となるインクパターン層5aが透明基板1のホール輸送層3上に転写される。この転写されたパターン5cを加熱することで、所定のパターンの有機発光層が形成されることになる。
さらに、この有機発光層上に電子輸送層、陰極となる金属薄膜等を形成し、封止することで、有機EL素子が製造される。
さらに、この有機発光層上に電子輸送層、陰極となる金属薄膜等を形成し、封止することで、有機EL素子が製造される。
有機EL表示装置の構造については、種々のタイプがあり、有機発光層が電子輸送層を兼ねたタイプ、電子注入層、ホール注入層をさらに設けたタイプなどが知られている。
本発明における凸版反転オフセット法は、これらの有機EL表示装置の構成層の内、パターニングが必要とされる構成層の形成がその対象となるものである。
特開2003−17248号公報
本発明における凸版反転オフセット法は、これらの有機EL表示装置の構成層の内、パターニングが必要とされる構成層の形成がその対象となるものである。
ところで、このような凸版反転オフセット法による有機EL表示装置の製造にあっては、これに用いられる除去版6に関して、以下のような問題点があった。
除去版6の凸部11表面は、ガラスなどの表面がそのまま残った状態となっており、この表面へのインクの濡れ性、密着性がよくなかったり、また、ガラス表面には、使用前の洗浄の際などに付着した残渣などが残りやすく、ブランケット4からインクの均一で精細な転写が困難であり、また、ブランケット4から除去版6への転写率にばらつきが生じていた。
このため、ブランケット4上に残るインクパターン層5aのパターン精細度が劣ると共に、パターン再現性が劣ることになり、結果的に有機発光層のパターン精細度が劣ると共に、パターン再現性が劣ることになる。
このため、ブランケット4上に残るインクパターン層5aのパターン精細度が劣ると共に、パターン再現性が劣ることになり、結果的に有機発光層のパターン精細度が劣ると共に、パターン再現性が劣ることになる。
この問題を解決する方策として、インクに増粘剤などの転写促進作用を有する添加剤を添加させることが考えられる。
しかし、このような添加剤をインクに添加すると、得られる有機発光層に添加剤が残り、この添加剤が有機発光層の発光特性に悪影響を与えることにもなり、好ましい方策とは言えない。
しかし、このような添加剤をインクに添加すると、得られる有機発光層に添加剤が残り、この添加剤が有機発光層の発光特性に悪影響を与えることにもなり、好ましい方策とは言えない。
よって、本発明における課題は、インクに添加剤を添加する方法ではなく、除去版の凸版表面に対するインクの濡れ性、密着性を高め、また、ブランケットから除去版への転写率にばらつきが生じることを防止して、ブランケットから除去版へのインクの転写が均一にかつ精細に、かつ再現性良く行えるようにすることにある。
かかる課題を解決するため、本発明は、凸版反転オフセット法によって、有機EL表示装置を製造する際に用いられる除去版であって、
この除去版における少なくとも凸部除去面が金属で形成されていることを特徴とする除去版である。
この除去版における少なくとも凸部除去面が金属で形成されていることを特徴とする除去版である。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされているか、又は、除去版の基材が金属であっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材がガラス材質であっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材がガラス材質であっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材がセラミック材質であっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材が樹脂材質であっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材が樹脂材質であっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、金属コーティング法として、乾式めっき法が用いられていても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、金属コーティング法として、湿式めっき法が用いられていても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、銅、チタン、アルミニウム、金、白金、クロム、ニッケルの内の何れかの金属が、金属コーティングに用いられていても良い。
また、本発明において、除去版の凸部の高さが、1〜100μmであっても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、金属コーティング法として、湿式めっき法が用いられていても良い。
また、本発明において、除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、銅、チタン、アルミニウム、金、白金、クロム、ニッケルの内の何れかの金属が、金属コーティングに用いられていても良い。
また、本発明において、除去版の凸部の高さが、1〜100μmであっても良い。
また、本発明は、上記除去版を用いて、凸版反転オフセット法により有機EL表示装置を製造することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
また、本発明は、上記除去版を備え、凸版反転オフセット法により有機EL表示装置を製造することを特徴とする有機EL表示装置の製造装置である。
本発明において、除去版における凸部除去面が金属で形成されているので、除去版の凸版表面に対するインクの濡れ性、密着性を高め、また、ブランケットから除去版への転写率にばらつきが生じることを防止して、ブランケットから除去版へのインクの転写が均一にかつ精細に、かつ再現性良く行え、結果的に有機発光層のパターン精細度、パターン再現性を高めることができる。
また、本発明において、除去版の凸部の高さが、1〜100μmとした場合には、除去版の凸部の高さが1μm以上であるので、除去版における凸部以外の部分にインクが付着してしまうことを防止でき、除去版へのインクの転写を精細に行えると共に、除去版の凸部の高さが100μm以下であるので、除去版の凸部の加工を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態による除去版6につき、図面を参照して説明する。
これらの除去版6は、上述のように、有機EL表示装置を凸版反転オフセット法によって製造する際に使用されるものである。
これらの除去版6は、上述のように、有機EL表示装置を凸版反転オフセット法によって製造する際に使用されるものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態による除去版6aの製造工程を示している。
この実施の形態において、まず、平板状の基材9aの上面(インクとの接触側)に対し、金属コーティングを行い、金属コーティング部10を形成する。
この実施の形態において、まず、平板状の基材9aの上面(インクとの接触側)に対し、金属コーティングを行い、金属コーティング部10を形成する。
ここで使用される基材9aとしては、ガラス材質、セラミック材質、樹脂材質のうち、何れかが用いられる。
ガラス材質としては、例えば、ケイ酸ガラス、又は、ソーダ石灰ガラス等が用いられる。
セラミック材質としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭化窒素、炭化ホウ素等が用いられる。
樹脂材質としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。
ガラス材質としては、例えば、ケイ酸ガラス、又は、ソーダ石灰ガラス等が用いられる。
セラミック材質としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭化窒素、炭化ホウ素等が用いられる。
樹脂材質としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。
また、金属コーティングの際に用いられる金属としては、例えば、銅、チタン、アルミニウム、金、白金、クロム、ニッケル等があり得る。
また、基材に対する金属コーティング法としては、乾式メッキ法、又は、湿式メッキ法が用いられる。
また、基材に対する金属コーティング法としては、乾式メッキ法、又は、湿式メッキ法が用いられる。
ここで用いられる乾式メッキ法は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法の内、何れかである。ここで、真空蒸着法とは、基材を真空容器の中に入れた状態で、金属を蒸発させ、基材に対するメッキを行う方法である。また、スパッタリング法とは、加速されたイオンを金属に照射すると、金属表面の原子・分子が放出され(スパッタ蒸発)、この蒸発した物質を基材上に付着させて薄膜を形成する方法である。また、イオンプレーティング法とは、イオン化された金属蒸気とガスを基材表面に電圧で引き付けながら、膜を作る方法である。
また、ここで用いられる湿式メッキ法は、例えば、無電解めっき法等である。ここで、無電解めっき法とは、還元剤の働きにより、めっき液中の金属イオンを還元させて基材に金属皮膜を析出させる方法である。
平板状の基材9aの上面に対し金属コーティングを行った後、コーティングされた金属をパターニングすることにより、基材9a上の凸部11aを形成し、凸部除去面7aが金属である除去版6aが製造される。
ここで、パターニング方法としては、例えば、フォトリソグラフィー工程が用いられる。フォトリソグラフィー工程とは、回路パターンを写真技術を用いて焼き付けることにより、コーティングされた金属をパターニングする方法である。
ここで、パターニング方法としては、例えば、フォトリソグラフィー工程が用いられる。フォトリソグラフィー工程とは、回路パターンを写真技術を用いて焼き付けることにより、コーティングされた金属をパターニングする方法である。
ここで、製造された除去版6aにおける凸部11aの高さは1〜100μmとされる。このような高さとすることにより、除去版6aの凸部11aの高さが1μm以上であるので、除去版6aにおける凸部11a以外の部分にインクが付着してしまうことを防止でき、除去版6aへのインクの転写を精細に行えると共に、除去版6aの凸部11aの高さが100μm以下であるので、除去版6aの凸部11aの加工を容易に行うことができるものである。
図2は、本発明の第2の実施の形態による除去版6bの製造工程を示している。
この実施の形態において、まず、基材9bをエッチングすることにより、除去版6bにおける凸部11bのパターンに対応した形状の突状部12が形成される。その後、突状部12が形成された基板9bの上面に対し、金属コーティングを行うことにより、凸部11bを有し、凸部除去面7bが金属である除去版6bが製造される。
この実施の形態において、まず、基材9bをエッチングすることにより、除去版6bにおける凸部11bのパターンに対応した形状の突状部12が形成される。その後、突状部12が形成された基板9bの上面に対し、金属コーティングを行うことにより、凸部11bを有し、凸部除去面7bが金属である除去版6bが製造される。
ここで基材9bとしては、上記第1の実施の形態におけるものと同様に、ガラス材質、セラミック材質、樹脂材質のうち、何れかが用いられる。また、また、金属コーティングの際に用いられる金属としては、上記第1の実施の形態におけるものと同様に、例えば、銅、チタン、アルミニウム、金、白金、クロム、ニッケル等があり得る。また、基材9bに対する金属コーティング法としては、上記第1の実施の形態におけるものと同様に、乾式メッキ法、又は、湿式メッキ法が用いられる。ここで、製造された除去版における凸部11bの高さは、上記第1の実施の形態と同様に、1〜100μmとされる。
図3は、本発明の第3の実施の形態による除去版6cの製造工程を示している。
この実施の形態において、基材9c自体が金属からなり、金属をコーティングする工程を備えていない。このため、除去版6cの製造工程が簡略化されている。
ここで用いられる金属としては、例えば、ステンレス鋼などの鋼、アルミニウム合金、銅、銅合金などが挙げられる。
この実施の形態において、基材9c自体が金属からなり、金属をコーティングする工程を備えていない。このため、除去版6cの製造工程が簡略化されている。
ここで用いられる金属としては、例えば、ステンレス鋼などの鋼、アルミニウム合金、銅、銅合金などが挙げられる。
そして、平板状の基材9cをエッチングすることにより、金属製の凸部11c(除去版9c全体が金属製である。)を備え、凸部除去面7cが金属である除去版6cが製造される。ここで、製造された除去版における凸部11cの高さは、上記第1の実施の形態と同様に、1〜100μmとされる。
尚、上記のような、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態におけるように製造された除去版6a、6b、6cは、背景技術として述べたような、例えば特開2003−17248号公報などに開示されている、凸版反転オフセット法により有機EL表示装置を製造する方法、凸版反転オフセット法を用いて有機EL表示装置を製造する装置に適用される。
即ち、この有機EL表示装置の製造方法の概略につき、図4〜8を参照として再度説明すると、以下の通りである。透明基板1の透明電極2上の全面にホール輸送層3を設けておく。一方、ブランケット4の外周面にインク層5を形成し、ついで、このブランケット4を除去版6に転動させつつ接触させ、ブランケット4上のインク層5のうち、不要となるインク層5bが除去版6の凸部11表面に付着して除去され、ブランケット4の外周面には、必要となるインクが残ってインクパターン5aが形成される。ついで、この状態のブランケット4を、透明基板1に転動させつつ接触させることにより、ブランケット4上のインクパターン層5aが透明基板1のホール輸送層3上に転写され、ついで、これを加熱することで、所定のパターン5cの有機発光層が形成される。さらに、この有機発光層上に、必要に応じ電子輸送層、陰極となる金属薄膜等を形成し、封止することで、有機EL素子が製造される。また、有機EL表示装置の製造装置12は、この製造方法を実施するため、ブランケット4、除去版6等を備えた製造装置である。
即ち、この有機EL表示装置の製造方法の概略につき、図4〜8を参照として再度説明すると、以下の通りである。透明基板1の透明電極2上の全面にホール輸送層3を設けておく。一方、ブランケット4の外周面にインク層5を形成し、ついで、このブランケット4を除去版6に転動させつつ接触させ、ブランケット4上のインク層5のうち、不要となるインク層5bが除去版6の凸部11表面に付着して除去され、ブランケット4の外周面には、必要となるインクが残ってインクパターン5aが形成される。ついで、この状態のブランケット4を、透明基板1に転動させつつ接触させることにより、ブランケット4上のインクパターン層5aが透明基板1のホール輸送層3上に転写され、ついで、これを加熱することで、所定のパターン5cの有機発光層が形成される。さらに、この有機発光層上に、必要に応じ電子輸送層、陰極となる金属薄膜等を形成し、封止することで、有機EL素子が製造される。また、有機EL表示装置の製造装置12は、この製造方法を実施するため、ブランケット4、除去版6等を備えた製造装置である。
[実施例1]
図9(a)におけるように、コーニング社の1737ガラス基板14を50〜80℃に加熱し、フォトレジスト15として光硬化型ドライフィルム(東京応化工業株式会社製、OSBRフィルム)をラミネートした後、紫外線によりパターン露光を行った。露光条件は、365nmで測定した時に強度200μW/cm2 、照射量70mJ/cm2である。なお、上記ドライフィルムは基板14を加熱しながらラミネートした。続いて、現像工程で、無水炭酸ナトリウム0.2wt%水溶液により液温30〜50℃でスプレー現像を行った。以上の工程を経て、図9(b)におけるように、ピッチ幅318μmの凸部17幅106μm、凹部19幅212μm、深さ(凸部17高さ)約20μmのストライプパターンを作製した。図9(c)におけるように、この基板14上に真空蒸着法によりCrを約10μm成膜し、Cu膜18を形成した後、レジスト部分17を剥離し、図9(d)におけるように、ピッチ幅318μmの凸部18幅212μm、凹部20幅106μm、深さ(凸部高さ)10μmのストライプパターンで彫られた除去版6を得た。
図9(a)におけるように、コーニング社の1737ガラス基板14を50〜80℃に加熱し、フォトレジスト15として光硬化型ドライフィルム(東京応化工業株式会社製、OSBRフィルム)をラミネートした後、紫外線によりパターン露光を行った。露光条件は、365nmで測定した時に強度200μW/cm2 、照射量70mJ/cm2である。なお、上記ドライフィルムは基板14を加熱しながらラミネートした。続いて、現像工程で、無水炭酸ナトリウム0.2wt%水溶液により液温30〜50℃でスプレー現像を行った。以上の工程を経て、図9(b)におけるように、ピッチ幅318μmの凸部17幅106μm、凹部19幅212μm、深さ(凸部17高さ)約20μmのストライプパターンを作製した。図9(c)におけるように、この基板14上に真空蒸着法によりCrを約10μm成膜し、Cu膜18を形成した後、レジスト部分17を剥離し、図9(d)におけるように、ピッチ幅318μmの凸部18幅212μm、凹部20幅106μm、深さ(凸部高さ)10μmのストライプパターンで彫られた除去版6を得た。
水系の正孔(ホール)輸送材料インキとして知られるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下PEDOT/PSSという)が塗布された基材(ブランケット)を洗浄後の除去版6に押し当て、塗布膜(インク層)の除去実験を行った。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料がクロムの場合のように、除去版6による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版6へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
[実施例2−1]
図10(a)におけるように、コーニング社の1737ガラス基板14全面にクロムのべた膜(クロム層)21を真空蒸着法にて1μm蒸着した。その後Shipley社のS1813を1000rpm×10sで基板全面をコーティングし80℃で30minベークを行い、レジスト膜22とした。図10(b)におけるように、その後、ピッチ幅318μmで開口部が106μmのストライプパターンのCrフォトマスクを用い露光を行い、無機アルカリにて現像することによってパターニングを行った。図10(c)におけるように、その後クロム膜22を硝酸第2セリウムアンモンを165g過塩素酸(70%)+42ml+純水1000ml硝酸2セリウムアンモニウムの水溶液を用いてエッチングを行った。図10(d)におけるように、その後15%のフッ化水素酸にディップ法にて1μm/minで約20μmエッチングを行った。図10(e)におけるように、その後レジスト膜22を剥離することによりピッチ幅318μmの凸部23幅212μm、凹部24幅106μm、深さ(凸部23高さ)約20μmのストライプパターンの表面がCrコーティングされた除去版6を得た。
図10(a)におけるように、コーニング社の1737ガラス基板14全面にクロムのべた膜(クロム層)21を真空蒸着法にて1μm蒸着した。その後Shipley社のS1813を1000rpm×10sで基板全面をコーティングし80℃で30minベークを行い、レジスト膜22とした。図10(b)におけるように、その後、ピッチ幅318μmで開口部が106μmのストライプパターンのCrフォトマスクを用い露光を行い、無機アルカリにて現像することによってパターニングを行った。図10(c)におけるように、その後クロム膜22を硝酸第2セリウムアンモンを165g過塩素酸(70%)+42ml+純水1000ml硝酸2セリウムアンモニウムの水溶液を用いてエッチングを行った。図10(d)におけるように、その後15%のフッ化水素酸にディップ法にて1μm/minで約20μmエッチングを行った。図10(e)におけるように、その後レジスト膜22を剥離することによりピッチ幅318μmの凸部23幅212μm、凹部24幅106μm、深さ(凸部23高さ)約20μmのストライプパターンの表面がCrコーティングされた除去版6を得た。
ガラス基板14の材質は石英ガラス製、超硬質ガラス製、普通硬質ガラス製、並ガラス製等の適宜なものを用いることができ、材質に適合した加工手段を採用して所要のエッチングを行なうことができることは言うまでもない。
水系の正孔(ホール)輸送材料インキとして知られるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下PEDOT/PSSという)が塗布された基材(ブランケット)を洗浄後の除去版6に押し当て、塗布膜(インク層)の除去実験を行った。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料がクロムの場合のように、除去版6による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版6へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料がクロムの場合のように、除去版6による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版6へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
[実施例2−2]
前記実施例2−1ではレジスト膜22の下地としてクロム層21を挿入しているため、ガラスエッチング後レジスト膜22のみを剥離することによって、金属がコーティングされた除去版6が得られる。
前記実施例2−1ではレジスト膜22の下地としてクロム層21を挿入しているため、ガラスエッチング後レジスト膜22のみを剥離することによって、金属がコーティングされた除去版6が得られる。
この実施例2−2では、図11(a)におけるように、ガラス基板14直上にレジスト膜22をコーティングしてガラス版25を作製した後、図11(b)におけるように、フォトリソグラフィー法によるレジスト膜22のパターニング、図11(c)におけるように、ガラス基板14のエッチング、図11(d)におけるように、レジスト膜22の剥離を経て、図11(e)におけるように、蒸着によって金属(クロム)をコーティングしている。ガラス基板14を真空蒸着機にセットし、クロムを抵抗加熱法によって約1μm成膜し、クロム層26を形成した。
水系の正孔(ホール)輸送材料インキとして知られるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下PEDOT/PSSという)が塗布された基材(ブランケット)を洗浄後の除去版6に押し当て、塗布膜(インク層)の除去実験を行った。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料がクロムの場合のように、除去版6による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版6へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料がクロムの場合のように、除去版6による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版6へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
[実施例3]
板厚6mmの銅板をフォトリソグラフィー法およびウェットエッチング法によってピッチ幅318μmの凸部幅212μm、凹部幅106μm、深さ50μmのストライプパターンで彫られた除去版を得た。これにより、凸部を含めた全体が銅製の除去版を作製した。
板厚6mmの銅板をフォトリソグラフィー法およびウェットエッチング法によってピッチ幅318μmの凸部幅212μm、凹部幅106μm、深さ50μmのストライプパターンで彫られた除去版を得た。これにより、凸部を含めた全体が銅製の除去版を作製した。
即ち、銅板の表面にフォトレジストを約1μmの厚さにスピンコートし、105度の温度で、5分間プリベークした後、フォトレジストに露光し、その後現像する。このようにしてパターン化したフォトレジスト膜をマスクにして塩化第二鉄塩酸溶液で銅版をウェットエッチングする。その後、レジスト剥離液およびアセトン蒸気でフォトレジストを剥離する。水洗後、早めにスピンドライで乾燥する。以上の手順によって、銅版を作製した。
水系の正孔(ホール)輸送材料インキとして知られるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下PEDOT/PSSという)が塗布された基材(ブランケット)を洗浄後の除去版に押し当て、塗布膜(インク層)の除去実験を行った。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料が銅の場合のように、除去版による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
実験結果としては、後で述べる表1における表面材料が銅の場合のように、除去版による基材上の塗布膜の転写率が良く、また、転写率のばらつきも小さく、基材から除去版へのインクの転写を精細かつ安定して行うことができた。
除去版の除去面におけるメタル材質はSUS(ステンレス鋼)、アンバー(ニッケル鋼)、その他合金等の適宜なものを用いることができ、材質に適合した加工手段を採用して所要のエッチングを行なうことができることは言うまでもない。
1‥‥透明基板、2‥‥透明電極、3‥‥ホール輸送層、4‥‥ブランケット、5‥‥インク層、6、6a、6b、6c‥‥除去版、7a、7b、7c‥‥凸部除去面、9‥‥基材、10‥‥金属コーティング部、11‥‥凸部、21‥‥有機EL表示装置の製造装置
Claims (11)
- 凸版反転オフセット法によって、有機EL表示装置を製造する際に用いられる除去版であって、
この除去版における少なくとも凸部除去面が金属で形成されていることを特徴とする除去版。 - 除去版の基材に対し金属コーティングがされている、又は、除去版の基材が金属であることを特徴とする請求項1に記載の除去版。
- 除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材がガラス材質であることを特徴とする請求項2に記載の除去版。
- 除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材がセラミック材質であることを特徴とする請求項2に記載の除去版。
- 除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、除去版の基材が樹脂材質であることを特徴とする請求項2に記載の除去版。
- 除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、金属コーティング法として、乾式めっき法が用いられていることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の除去版。
- 除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、金属コーティング法として、湿式めっき法が用いられていることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の除去版。
- 除去版の基材に対し金属コーティングがされている場合、銅、チタン、アルミニウム、金、白金、クロム、ニッケルの内の何れかの金属が、金属コーティングに用いられていることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の除去版。
- 除去版の凸部の長さが、1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の除去版。
- 請求項1〜9の何れかに記載の除去版を用いて、凸版反転オフセット法により有機EL表示装置を製造することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
- 請求項1〜9の何れかに記載の除去版を備え、凸版反転オフセット法により有機EL表示装置を製造することを特徴とする有機EL表示装置の製造装置。
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- 2004-04-16 JP JP2004122185A patent/JP2005310406A/ja not_active Withdrawn
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