JPWO2008146459A1 - 光ディスク装置、及び光ディスク - Google Patents

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Abstract

本発明の光ディスク装置は、対物レンズと、対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、受光部と、各情報層に対してデータを記録、再生するために設定される各パラメータ群の値を、起動時に決定し、各情報層への記録禁止、あるいは再生禁止の設定管理を行うシステム制御部を備え、複数の積層された情報層を有する光ディスクに対して、各層のパラメータ群の値が決定できずエラーが起こっても、起動停止することなく、少なくともパラメータ群が正常に決定できた層に対しては、記録あるいは再生可能な設定をする構成とした。これにより、各情報層の状態を情報層毎に管理し、それぞれの層で、再生又は記録動作を速やかに開始して、多層ディスクを有効に使用することができる。

Description

本発明は、円盤状の情報担体(以下、「光ディスク」と称する。)に対するデータの記録、及び光ディスクに記録と再生を行う光ディスク装置に関する。特に本発明は、複数の情報層を備える大容量の光ディスクに対して、効率的なディスクのエラー処理方法と、それを実現することのできる光ディスク装置に関している。
光ディスクに記録されているデータは、比較的弱い一定の光量の光ビームを回転する光ディスクに照射し、光ディスクによって変調された反射光を検出することによって再生される。
再生専用の光ディスクには、光ディスクの製造段階でピットによる情報が予めスパイラル状に記録されている。これに対して、書き換え可能な光ディスクでは、スパイラル状のランド又はグルーブを有するトラックが形成された基材表面に、光学的にデータの記録/再生が可能な記録材料膜が蒸着等の方法によって堆積されている。書き換え可能な光ディスクにデータを記録する場合は、記録すべきデータに応じて光量を変調した光ビームを光ディスクに照射し、それによって記録材料膜の特性を局所的に変化させることによってデータの書き込みを行う。
なお、ピットの深さ、トラックの深さ、及び記録材料膜の厚さは、光ディスク基材の厚さに比べて小さい。このため、光ディスクにおいてデータが記録されている部分は、2次元的な面を構成しており、「記録面」と称される場合がある。本明細書では、このような記録面が深さ方向にも物理的な大きさを有していることを考慮し、「記録面」の語句を用いる代わりに、「情報層」の語句を用いることとする。一般の光ディスクは、このような情報層を少なくとも1つ有している。なお、1つの情報層が、現実には、相変化材料層や、反射層などの複数の層を含んでいてもよい。
記録可能な光ディスクにデータを記録するとき、又は、このような光ディスクに記録されているデータを再生するとき、光ビームが情報層における目標トラック上で常に所定の集束状態となる必要がある。このためには、「フォーカス制御」及び「トラッキング制御」が必要となる。「フォーカス制御」は、光ビームの焦点の位置が常に情報層上に位置するように対物レンズの位置を情報記録面の法線方向に制御することである。一方、トラッキング制御とは、光ビームのスポットが所定のトラック上に位置するように対物レンズの位置を光ディスクの半径方向(以下、「ディスク径方向」と称する。)に制御することである。
従来、高密度・大容量の光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD−R、+RW、+R等の光ディスクが実用化されてきた。また、CD(Compact Disc)は今も普及している。現在は、これらの光ディスクよりもさらに高密度化・大容量化されたブルーレイディスク(Blu‐ray Disc;BD)などの次世代光ディスクの開発・実用化が進められつつある。
これらの光ディスクは、その種類に応じて異なる多様な物理的構造を有している。例えば、トラックの物理的構造、トラックピッチ、情報層の深さ、即ち光ディスクの光入射側表面から情報層までの距離などが異なるものがある。このように物理的な構造の異なる複数種類の光ディスクから適切にデータを読み出し、又は、データを書き込むためには、光ディスクの種別に応じた開口数(NA)を有する光学系を用いて、適切な波長の光ビームを光ディスクの情報層に照射する必要がある。
近年、大容量の記録媒体として厚さ方向に2層の情報層を持つ光ディスクが登場し、この光ディスクに対応した光ディスク装置が広く市場に出回るようになってきた。
光ディスクの記録・再生を行うために必要なサーボ制御・信号の最適な状態は、光ディスク装置や光ディスク毎の特性のばらつき、記録・再生を行う際の温度条件などによって異なる。このため、光ディスクの情報層の記録・再生を行う際には、「起動処理」と呼ばれるサーボ(制御)・信号(記録)の初期調整を所定の手順で行う必要がある。起動処理を行うことにより、光ディスクの情報層の記録・再生を最適な状態で行うことが可能となる。しかしながら、ディスクの初期特性やアーカイバル特性上の問題、又は書き換え回数による劣化などの種々ファクタによって起動時に記録パワーや、サーボ調整エラーなどが発生することがある。
従来の特許文献1では、上記課題の一部を解決する技術を開示している。図15は、特許文献1に開示されている起動時の試し書きにエラーが所定回数以上発生した場合に、記録を禁止するような手順を含むフローチャートである。この技術を応用することで、記録エラーが出ても、そのディスクにおいては再生のみを実行させることによって、そのディスクの再生特性の劣化や、誤記録などの進行の可能性を遮断し、ユーザの手によってHDDなどの異なるメディアへのバックアップなどが促進できるようにしていた。
特開平6−36474号公報 米国特許第611533号公報
上記の従来技術では、2層、又は多層ディスクに適用した場合は、情報層毎に初期調整が行われることになるため、起動処理に要する時間が増大するとともに、ディスクの品質や特性上の問題、又は書き換え回数などの種々のファクタによって起動調整エラー、起動学習エラーが発生することがある。その確率は、情報層の数だけ上がっていく。具体的には、サーボのフォーカス、トラッキングに関する調整エラーは、起動停止させ、また試し書きでの記録パワーや、記録補償値である変調パルスの幅などが、所定値よりオーバするエラーが発生すると、所定の回数リトライし、それでもリカバリできない場合は、記録禁止させ、また重大なエラーの場合は起動停止させるようにしているが、このようにしていると、多層メディアほど起動エラーでの停止や、記録禁止となる頻度が多くなるという課題がある。
例えば2層ディスクの場合でも、容量の1/2にあたる1層目で全ての学習が正常に完了していても、2層目で学習が正常に完了しなかった場合は、2層目のみならず1層目にも記録することはできず、特にBDなどのように1層あたり25GBと大容量となると、1層目だけでもデジタルハイビジョン放送を2時間以上記録できるにもかかわらず、そのディスクを丸ごと記録不可にしていた。
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、各情報層の状態を情報層毎に管理し、それぞれの層で、再生又は記録動作を速やかに開始できるようにし、ディスクを有効に使用することができる光ディスク装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の光ディスク装置は、M(M≧2)個の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記M個の情報層のうち、少なくとも1つの情報層に対して、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、前記M個の情報層の各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、前記管理部は、前記制御部が行う学習結果に応じて、前記各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記制御部が、起動時に、前記各情報層のパラメータ群の値を決定できた場合には、前記管理部は、該決定できた各情報層のパラメータ群の値に応じて、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記制御部が、起動時に、前記情報層のいずれかでパラメータ群の値を決定できなかった場合には、前記管理部は、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記再生部が、起動時に、前記各情報層の特定の領域に記録された前記光ディスク又は前記情報層に特有の値が読めなかった場合には、前記管理部は、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記各情報層のパラメータとして、球面収差又はフォーカス制御に関するパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記各情報層のパラメータとして、記録パワー又は記録補償値に関するパラメータのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクの記録禁止又は再生禁止の層を飛ばして層間ジャンプを行い、データの記録、再生を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクのM個の情報層のうち、R(1≦R≦M)個の情報層にフラグが設定され、前記光ディスク装置が起動したとき、前記R個の情報層のうちのいずれかN(N≦R)個の情報層で、前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、該決定できなかった情報層を前記フラグによって隠蔽して、前記光ディスクを、(M−N)層ディスクとして、制御することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクが、2層の情報層を備える2層ディスクであり、前記2つの情報層のうち、前記光ディスクの光入射面から近い側の層で前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、前記光ディスクを、単層ディスクとして、制御することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記制御部が決定した前記各情報層の前記パラメータ群の値、及び前記制御部が前記各情報層の前記パラメータ群の値が決定できたか否かの情報を、前記光ディスクの所定の領域に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスク装置が起動したとき、前記R個の情報層のうちのいずれかN(N≦R)個の情報層で、前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして識別するための情報を、前記パラメータ群の値が決定できた情報層のうちのいずれかの情報層の所定の領域に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記管理部が設定した、前記各情報層の記録禁止、又は再生禁止の情報を、前記光ディスクの所定の領域に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、追記型の前記光ディスクの作製を完了させる処理を行うファイナライズ処理部をさらに備え、前記ファイナライズ処理部が、追記型の前記光ディスクの未記録領域に任意のデータを埋め込み、追記型の前記光ディスクの作製を完了させることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして、制御する場合、前記(M−N)層ディスクの情報層のうちの、前記パラメータ群の値が決定できた情報層の先頭の論理アドレスを、前記(M−N)層ディスクの開始アドレスとして、データの記録、再生を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして、データの記録、再生を制御する場合、前記(M−N)層ディスクの情報層のうちの、前記パラメータ群の値が決定できた層の最終論理アドレスを、前記(M−N)層ディスクの最終アドレスとして、データの記録、再生を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの再生を実行することができるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記光ディスクの識別を行う識別処理部とを備え、前記光ディスクの所定領域には、前記各情報層に対してデータを再生するために設定されるパラメータ群の値、及び前記各情報層に対してパラメータ群の値が決定できたか否かを示す識別情報が記録され、前記識別処理部は、前記識別情報を読み出して前記光ディスクを識別することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクに、前記識別情報として、前記M個の情報層のうちのいずれかN個の層(M>N)で前記パラメータ群の値が決定できなかったことを示す情報が記録されている場合、前記光ディスクを(M−N)層ディスクとして、制御することを特徴とする。
本発明の光ディスクは、予備の層を含むM個(M≧2)の層が積層されてなることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、前記M個の層として、該光ディスクの規格又は仕様上決められた層と、予備の層とを含み、所定の領域に、前記光ディスクの規格又は仕様上決められた層の数と、前記予備の層の数とを含む実際に積層された層の数を示す情報が記録されることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、前記M個の層のうち、N(M>N)個の層で、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値が決定されなかった場合に、(M−N)層ディスクとして識別されるための情報が記録されることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、パラレルトラックパス方式の多層ディスクであることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、オポジットトラックパス方式の多層ディスクであることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの再生を実行することができるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記光ディスクの層数を識別する規格層識別部とを備え、前記光ディスクは、予備の層を含むM個(M≧2)の層が積層され、前記M個の層として、該光ディスクの規格又は仕様上決められた層と予備の層とを含み、所定の領域に、前記光ディスクの規格又は仕様上決められた層の数と、前記予備の層の数とを含む実際に積層された層の数を示す情報が記録されるものであり、前記規格層数識別部が、前記層数に関する情報から、規格又は仕様上決められた層の数を識別し、前記規格層数識別部により識別された規格又は仕様上決められた数の層のみをデータの再生に使用することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクにおける、規格又は仕様上決められた層数の層のみのアドレスを用いて、不連続な物理的なアドレスを、連続した論理的なアドレスへ変換するアドレス変換処理部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記アドレス変換処理部が、前記光ディスクのトラックパスが互い違いのトラックパスになるように、規格又は仕様上決められた層数の層のみのアドレスを用いて、不連続な物理的アドレスを、連続した論理アドレスに変換することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行するものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記M個の情報層の各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータを、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記データ録再管理部が、前記各情報層にバックアップデータを記録する際に、前記記録データと前記バックアップデータとを同一にし、かつ、前記記録データの前記情報層への記録位置と前記バックアップデータの前記情報層への記録位置とを同一にするミラー記録を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、互いに物理的構造の異なるM個(M≧2)の情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記M層の情報層の各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータを、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記記録データを圧縮する記録データ圧縮部をさらに備え、前記データ録再管理部は、前記各情報層への記録データを前記記録データ圧縮部により圧縮した後、前記バックアップデータを記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録した記録データが再生できない場合に、前記記録データに対応するバックアップデータを再生することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記バックアップデータが、前記バックアップデータを記録した情報層のみ再生可能な光ディスク装置でも再生可能な記録フォーマットとすることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、互いに物理的構造の異なるM個(M≧2)の情報層を備えるものであって、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータが、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録され、前記バックアップデータが、前記バックアップデータを記録した情報層のみ再生可能な光ディスク装置でも再生可能な記録フォーマットで記録され、前記バックアップデータを記録する情報層の光透過層厚は、0.6mm±0.03mmであることを特徴とする。
本発明のディスク装置によれば、複数の情報層を備える光ディスクの記録・再生を行う光ディスク装置において、該装置の起動時に行う各種パラメータの調整又は学習が、各層で正常に完了したか、調整又は学習の収束値は適正なものかどうかの状況に応じて、記録も再生も可能となる層、記録は不可能で再生は可能となる層、記録も再生も不可能となる層という各情報層の状態を、情報層毎に的確に管理するので、留守録時などで起動エラーによる番組の取り逃し、録画期間の喪失などを低減するとともに、使いやすさを向上し、ディスクを有効に使用することができる効果が得られる。さらに今後、3層、4層の情報層を持った光ディスクが登場してくると、各層毎に記録再生の有効状態を管理、実行する発明の効果は、いっそう顕著になる。
また、本発明の光ディスクによれば、予備の情報層を積層するので、光ディスクに使用不可能な情報層が存在した場合でも、予備の情報層を用いて、規格又は仕様上の容量を損なわずに記録、再生することができる。また、該光ディスクに、規格又は仕様上決められた層数と、予備の情報層も含めた実際の層数とを記録しておくことで、光ディスク装置が比較的短時間で規格又は仕様上の層数を認識することができる。
また、本発明の光ディスク装置によれば、各情報層に記録する記録データのバックアップを、前記記録データを記録する情報層とは異なる情報層に記録するので、何らかの要因で、ある情報層への記録が失敗した場合や、記録したデータが再生できなくなった場合等においても、該データのバックアップデータを別の情報層から再生することができ、データの記録、再生の信頼性を向上させることができる。
図1は、光ディスク装置にロードされた光ディスク201と、対物レンズ202との間の概略的な位置関係を示す斜視図である。 図2は、複数の情報層を備える光ディスク201の構成を示す断面図である。 図3(a)は、球面収差が生じている状態を示す図であり、図3(b)は、球面収差が補正された状態を示す図である。 図4(a)は、光ディスク201の表面から相対的に浅い位置にある情報層上で、球面収差が最小化されている様子を示す図であり、図4(b)は、光ディスク201の表面から相対的に深い位置にある情報層上で、球面収差が最小化されている様子を示す図である。 図5(a)及び図5(b)は、収差補正のために光軸方向に移動した収差補正レンズ262を示す図であり、図5(c)は、収差補正レンズ262の位置と、球面収差が最小化される情報層の深さとの関係を示す図である。 図6は、実施の形態1による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態1の光ディスク装置における起動処理の概略を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態2による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図9は、実施の形態2における、記録のための学習を説明するための模式図である。 図10は、実施の形態2の光ディスク装置による起動処理の概略を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態3による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図12は、実施の形態4による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態5による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図14は、実施の形態5による光ディスクの物理層、及び論理層を示す図である。 図15は、特許文献1の光ディスク装置が行う光ディスクの起動処理時の試し記録の手順を示すフローチャートである。 図16は、実施の形態6による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図17は、実施の形態7による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図18は、実施の形態7による光ディスクの構成を示すブロック図である。 図19は、実施の形態5による規格層数より多い物理層数の光ディスクの一例を示す図である。 図20は、実施の形態5による規格層数より多い物理層数の光ディスクの一例を示す図である。 図21は、実施の形態1、2による多層ディスクの制御方法を説明するための図である。
符号の説明
100 実施の形態1の光ディスク装置
200 実施の形態2の光ディスク装置
300 実施の形態3の光ディスク装置
400 実施の形態4の光ディスク装置
500 実施の形態5の光ディスク装置
600 実施の形態6の光ディスク装置
700 実施の形態7の光ディスク装置
22 光ビーム
90 回路部
190 回路部
201、1001、1002、1003 光ディスク
201a 光入射側表面
202 対物レンズ
203 アクチュエータ
204 球面収差位置調整部
205 受光部
206 アクチュエータ駆動部
207 球面収差位置駆動部
208 フォーカス誤差生成部
209 トラッキング誤差生成部
210 信号再生部
211 データ再生部
212 サーボ制御部
213 システム制御部
214 ディスクモータ
215 光ピックアップ
216 調整パラメータ処理部
260 球面収差補正部
262 収差補正レンズ
290 回路部
301 半導体レーザ
302 レーザ駆動部
303 記録制御部
305 IF部
310 ホスト
390 回路部
401 識別処理部
402 規格層数識別部
403 アドレス変換処理部
490 回路部
501 ファイナライズ処理部
590 回路部
601 データ録再管理部
690 回路部
701 記録データ圧縮部
702 BDディスク
703 DVDディスク
本発明における光ディスクは、M個(M≧2)の積層された情報層を備えた多層光ディスクであり、各情報層には、「層別調整結果格納領域」が設けられている。
この層別調整結果格納領域は、自層で行った調整、学習結果のみならず、起動シーケンスによって他層で行った調整、学習結果がわかっている場合は、それらも併せて格納してする。したがって第1層から第n層まで順次学習して立ち上げるとすると、第1層は自層である第1層の学習結果、第2層はその前に学習を行なった第1層と自層である第2層の学習結果、第3層はその前に学習を行なった第1層、第2層と、自層である第3層の学習結果を格納し、第n層の層別調整結果格納領域には、全ての情報層の学習結果が格納されている。
起動時の学習とは、記録・再生の対象となる情報層である目的情報層における光ビームの集束状態を最適化するための、フォーカス位置、球面収差の補正量、レンズチルト補正量、サーボループゲイン、フォーカス、及びトラッキング制御のオフセット補正量、及び、記録を行うためのレーザパワー及びレーザ変調パルス信号の信号幅・間隔において、最適なパラメータを算出することである。
本発明の実施の形態においては、上記学習の中で記録と再生の両方に影響するフォーカス位置、及び球面収差補正量の学習を行う実施の形態1と、記録に影響する記録パワーの学習を行う実施の形態2を、例に挙げて説明を行う。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を説明する前に、まず、球面収差及びフォーカス位置に依存する光ビームの集束状態を最適化するために必要な情報について、説明する。
まず、一般的な光ディスク201と、対物レンズ202との配置関係について、該配置関係を模式的に示す斜視図である図1を参照して説明する。
図1において、対物レンズ202によって集束された光ビーム22は、光ディスク201の光入射側表面201aから光ディスク内部の情報層に照射され、情報層上に光ビームスポットを形成する。本発明で使用する光ディスク201の一例は、図2に示すように、光入射側表面201aから相対的に深い位置に設けられた第1の情報層(L0層)と、相対的に浅い位置に設けられた第2の情報層(L1層)とを備えているため、記録再生の対象となる情報層(L0層又はL1層)に適確に光ビーム22を集束するためには、対物レンズ202の光軸方向位置や情報面に対する光軸の傾斜角度を適宜調整する必要がある。
前述した各種の光ディスク201のうち、特にBDでは、開口数(NA)の高い対物レンズを使用して光ビーム22を集束するため、信号の再生品質が「球面収差」の影響を受けやすい。この球面収差を最小化するためには、BDに対応した光ディスク装置ではBDを光ビーム22で照射する構成であるため、光源(図示せず)と対物レンズ202との間に球面収差を補正する球面収差補正部260を設ける。
球面収差は、図3(a)に示すように、対物レンズ202の中心部を通過する光線と、対物レンズ202の周辺部を通過する光線との間で、焦点の位置が光軸方向に沿ってずれる現象であり、ずれの大きさ自体を「球面収差」と称する場合がある。球面収差は、光ビーム22の波長、対物レンズ202の開口数、光ディスク201の透過層厚、すなわち、ディスク表面から情報層までの距離によって変化する。特に、球面収差は開口数に大きく依存し、開口数の4乗に比例して変化する。このため、DVDやCDに比べて開口数の大きな対物レンズを用いるBDでは、球面収差が特に大きくなりやすく、その低減が不可欠である。
なお、本出願における「透過層厚」の用語は、上述のように、光ディスク201の光入射側表面201a(以下、「ディスク表面」と称する。)から情報層までの距離、言い換えると、「ディスク表面からの情報層記録層の深さ」を意味するものとする。1層の情報層を備える単層BDの場合、情報層は厚さ0.1mm(約100μm)のカバー層によって覆われているため、「透過層厚」は一義的に定まり、その大きさは0.1mmである。2層の情報層を備える2層BDの場合、ディスク表面から遠い情報層(L0層)の上に厚さ約25μmの光透過層が設けられており、その光透過層の上に情報層(L1層)が配置されている。このL1層は、厚さ約75μmの他の光透過層であるカバー層によって覆われている。このため、2層BDでは、L0層に着目した場合の「透過層厚」は約100μmであるが、L1層に着目した場合の「透過層厚」は約75μmである。
球面収差の大きさは、同じBD規格に基づいて作製された光ディスク201であっても、透過層厚が異なっていたり、光ビーム22の光軸が情報層に対して傾斜(チルト)するだけで変化する。このため、光ディスク装置によってロードされた光ディスク201に応じて、球面収差を最小化するように球面収差補正部260を制御し、収差補正量を最適化することが必要になる。図3(b)は、球面収差補正部260により球面収差が完全に補正された状態を、模式的に示している。
図4(a)は、光ディスク201の表面から相対的に浅い位置にある情報層上で球面収差が最小化されている様子を示し、図4(b)は、光ディスク201の表面から相対的に深い位置にある情報層上で球面収差が最小化されている様子を示している。このように、光ディスク201の表面から情報層までの距離が変化すると、球面収差補正部260の働きにより対物レンズ202に入射する光ビ−ム22の発散度を調整することによって、情報層上での球面収差を最小化する必要がある。
球面収差補正部260は、対物レンズ202に入射する光ビ−ム22の発散度を調整するために、例えば図5(a)、(b)に示す収差補正レンズ262を備えており、その光軸方向位置を変化させることにより光ビ−ム22の発散度を変化させ、最終的に情報層上における球面収差を調節することができる。
図5(a)に示す状態では、対物レンズ202から収差補正レンズ262を遠ざけることにより、光ディスク201の深い位置にあるL0層で球面収差を最小化している。
一方、図5(b)に示す状態では、対物レンズ202に収差補正レンズ262を近づけることにより、光ディスク201の浅い位置にあるL1層で球面収差を最小化している。
図5(c)に示すように、収差補正レンズ262の位置を制御することにより、球面収差が最小化される情報層の深さを変化させることができる。駆動中心に対して1.66mmだけ対物レンズ202から遠い位置に収差補正レンズ262を置くとき、L0層上で球面収差を最小化できる。一方、駆動中心に対して1.11mmだけ対物レンズ202に近い位置に収差補正レンズ262を置くときは、L1層上で球面収差を最小化できる。
ここでは、光ディスク表面からL0層までの距離又は深さは、「透過層厚100μm」と表され、光ディスク表面からL1層までの距離又は深さは、「透過層厚75μm」と表される。
したがって、光ビーム22の焦点をL1層に位置させる場合には、対物レンズ202の光軸方向位置を調整するだけではなく、透過層厚75μmに適合した収差補正を行なうために、収差補正レンズ262を駆動中心から対物レンズ側に1.11mm移動させる必要がある。そして、光ビーム22の焦点をL1層からL0層に移動させる場合には、対物レンズ202の光軸方向位置を調整するとともに、透過層厚100μmに適合した収差補正を行なうために、収差補正レンズ262を駆動中心に対して1.66mmだけ対物レンズ202から離れる位置に移動させるようにする。このとき、単に対物レンズ202の位置だけを調節し、収差補正を適切に行なわなかったとすると、L0層に集束する光ビーム22の球面収差が大きくなってしまう。
このようにBDでは、光ビーム22の集束点を目的情報層上に位置させるように対物レンズ202の位置を調整するだけでなく、その情報層において収差補正を最小化するように収差補正レンズ262の位置を調整する必要がある。
したがって、上記の例では、対物レンズ202の光軸方向位置、及び収差補正レンズ262の光軸方向位置が、光ビーム22の集束状態を規定する重要なパラメータとなる。本出願では、光ピックアップ内における対物レンズ202の光軸方向位置を、「フォーカス位置」又は「デフォーカス量」と称する場合がある。また、収差補正レンズ262の光軸方向位置を、「収差補正位置」又は「収差補正量」と称する場合もある。
なお、「デフォーカス量」は「フォーカスバランス」と称されることがあるため、本出願では、光ピックアップ内における対物レンズ202の光軸方向位置を「FBAL」で示す場合がある。また、収差補正レンズ262は、光ビーム22を広げるビームエキスパンド機能を有するため、「収差補正位置」又は「収差補正量」を、簡略的に「BE」と表現する場合がある。
また、対物レンズ202の光軸の向きの制御は、チルト制御と称されている。
対物レンズ202の光軸の向きの初期値は0°であるが、光ディスク201の情報面が対物レンズ202の光軸に対して垂直な面から傾斜している場合は、その傾斜角度に応じて対物レンズ202の光軸の向きを傾斜させる必要がある。このため、チルトの角度も光ビーム22の集束状態に影響を与えるパラメータの1つである。
光ビーム22の集束状態に大きな影響を及ぼす上記パラメータの値は、以下の表1に示す各種の要因によって変動し、この変動要因は、光ディスク装置に依存する要因、光ディスク201に依存する要因、及び使用環境に依存する要因に分けることができる。
Figure 2008146459
多層光ディスクに対して、実際にデータを記録したり、既に記録されているデータを再生するためには、光ディスク装置の起動直後、個々の情報層について、光ビーム22の集束状態を最適化するための調整を行う必要がある。すなわち、光ディスク装置にロードされた光ディスク201に応じて、「フォーカス位置(FBAL)」及び「収差補正位置(BE)」の値を調整し、対物レンズ202及び収差補正レンズ262の光軸方向位置を最適化する必要がある。
このようなレンズ位置の調整及び決定は、「学習」とも呼ばれ、レーザパワーの最適化など起動時に行う他の処理とともに、「起動処理」として実行される。
そして、このような調整、又は学習を行うことによって得た各情報層に関するFBAL及びBEの値は、その光ディスク201に記録するか、又は、光ディスク装置のメモリ内に保存され得るが、光ディスク201や光ディスク装置が変わると、あらためて調整又は学習を行う必要があり、同一の光ディスク201及び光ディスク装置であっても、起動のたびに光ディスク201の各情報層について、フォーカス位置及び収差補正位置の調整を行う必要がある。
よって、1枚の光ディスク201に含まれる情報層の数が2層以上に増えてゆくと、従来技術の問題として説明したように、1層目は調整OK、2層目は調整エラーになって起動停止となったり、1層目が調整エラーの場合には、たとえ2層目で調整OKとなる可能性があっても、その時点で起動エラーとして起動停止したりすることとなったりして、2層とも調整OKでないと、記録又は再生動作に移行することができなかった。
例えば、
1)1層目のL0層の厚みむらが少なく、2層目のL1層の厚みむらが多い
2)光ディスクの表面に塵や埃が付着し表面に近い側の2層目のL1層が影響を顕著に受ける
3)中間層の反射率が低い、すなわち透過率が高いため、1層目のL0層のパワーには余裕があるが、2層目のL1層には余裕がない
などの状況、条件を考慮すると、通常、1層目のL0層では、フォーカス位置及び球面収差の学習は正常に完了するが、2層目のL1層では、フォーカス位置や球面収差の学習が失敗し、さらにディスク要因によるジッタ劣化やパワーマージンの欠乏が想定され、記録パワーの学習を行ったとしても所定パワーをオーバすることが予想される。よって、フォーカス位置、及び収差補正位置の調整値が想定値をオーバした場合は、1層目のL0層は記録許可状態に、2層目L1層は記録禁止とする。
また、2層目のL1層で、フォーカス位置及び収差補正位置の調整途中でトラッキングサーボが外れるなどのエラーが発生し、調整ができなかった場合は、調整値を初期値に戻した後、2層目のL1層は、記録も再生も不可の状態に設定する。なお、この場合は、光ディスクを、単層ディスクとして取り扱うようにしてもよい。
なお、2層以上の多層ディスクの場合も同様にして、2層目のL1層、3層目のL2層、・・・、又はN層目のL(N−1)層でNGの場合、1層目L0層の単層ディスク、1層目L0層と2層目L1層の2層ディスク、又は、1層目L0層と2層目L1層と(N−1)層目L(N−2)層の(N−1)層ディスクとして取り扱うようにしてもよい。
また、その情報は、「層別学習結果領域」に保存し、その結果に従って、記録は1層目のみで、また、再生は1層、2層の両方で行うものとして、そのディスクを管理するようにしたものである。従って、たとえばBDディスクに留守録をする場合には、単層ディスクと同じ容量である録画時間までは、何らの支障もなくこの留守録を実行することができる。
また、再生専用のプレイヤーは、上記層別学習結果領域を読み込み、もし2層目でフォーカス位置、球面収差の学習を失敗していれば、該ディスクを単層ディスクとするようにしたものであり、これにより、容易に扱うことができる。
次に、上記の構成を具体的に実現する本発明の実施の形態1による光ディスク装置について説明する。図6は、本実施の形態1の光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。
図6に示される本実施の形態1の光ディスク装置100は、ロードされた光ディスク201を回転させるディスクモータ214と、光ディスク201に光学的にアクセスする光ピックアップ215と、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部90とを備えている。
光ピックアップ215は、図示しないレーザ光源から放射された光ビーム22を、光ディスク201に集束するための対物レンズ202と、光ディスク201から反射された光ビーム22を受けて各種の電気信号に変換する受光部205とを備えている。対物レンズ202と、受光部205との間には、球面収差位置調整部204が配置されている。球面収差位置調整部204は、光軸方向に移動可能な収差補正用レンズ(図5参照)を備えた装置であり、光ビーム22の集束・発散状態を調整することにより、光ディスク201の情報層における光ビーム22の収差を小さくすることができる。
受光部205から出力された電気信号は、フォーカス誤差生成部208に供給され、フォーカスエラー信号(FE信号)が生成される。同様に、受光部205から出力された電気信号は、トラッキング誤差生成部209、及び信号再生部210へ供給され、それぞれ、トラッキングエラー信号(TE信号)、再生信号(RF信号)が生成される。RF信号は、データ再生部211に供給され、データ再生部211は、RF信号に基づき光ディスク201に記録された情報を復号し、システム制御部213へ送る。システム制御部213は、信号再生部210や、データ再生部211から供給された信号を基に、ユーザデータの再生やジッタなどの信号品質の指標となる値の算出を行う。
FE信号は、例えば一般に非点収差法と呼ばれるフォーカス誤差検出方式によって生成することができる。また、TE信号は、例えば一般にプッシュプル法と呼ばれるトラッキング誤差検出方式によって生成することができる。FE信号、及びTE信号は、サーボ制御部212に供給され、対物レンズ202と、光ディスク201の記録面との相対距離を一定に保つフォーカスサーボ制御や、光ディスク201のトラック上にレーザ照射位置を追従させるトラッキングサーボ制御が行われる。サーボ制御部212からの制御信号は、アクチュエータ駆動部206に供給される。
アクチュエータ駆動部206は、光ピックアップ215に設けられた対物レンズ202のアクチュエータ203に駆動信号を送出し、対物レンズ202のアクチュエータ203を駆動する。すなわち、サーボ制御部212は、上記誤差信号により対物レンズ202のアクチュエータ203を作動させ、対物レンズ202を駆動することによって、フォーカス制御、トラッキング制御のサーボループが形成され、サーボ制御が実行される。
球面収差位置調整部204は、球面収差位置駆動部207からの駆動信号により収差補正量を変更し、それによって球面収差補正を実行する。
システム制御部213は、対物レンズ202の焦点位置を光ディスク201に接近離間せしめる三角波のフォーカスアップダウン信号を生成してサーボ制御部212へ送る。サーボ制御部212、及びアクチュエータ駆動部206は、フォーカスアップダウン信号に応じて対物レンズ202の焦点位置を、光ディスク201に接近離間させる。また、システム制御部213は、ディスクモータ214に対して回転指示や停止処理を行ったり、回転数の設定を行ったりすることで、ディスクモータ214の回転制御を行っている。
調整パラメータ処理部216は、L0層の調整結果を、すなわち調整が正常完了したかどうかを、また調整されたフォーカス位置や、球面収差の値が適切であるかどうかを判断し、L0層を、記録又は再生の、禁止又は許可にステータスフラグを設定し、L0層の起動を完了して、L1層の調整処理を継続する。
ここで、本実施の形態1においては、調整パラメータ処理部216はシステム制御部213に含まれているが、この調整パラメータ処理部216は、サーボ制御部212に含まれていてもよいし、独立した構成要素であってもよい。また、該調整パラメータ処理部216は、システム制御部213や、サーボ制御部212を構成する制御プログラムの一部によって実現されていてもよい。
次に、図7を参照しながら、本実施の形態1における光ディスク201の起動処理手順と、調整エラーが起こった場合の処置手順を、フォーカス、球面収差の調整を例にあげて説明する。図7は、本実施の形態1の光ディスク装置100を用いて光ディスク201の起動処理を行う手順を示したフローチャートである。
まず、ステップ701では、システム制御部213からディスクモータ214に対して回転数の設定と、回転開始指示を行う。
ステップ702では、図示していないレーザ光源から、光ディスク201に対してレーザの照射を開始する。ステップ703では、サーボ制御部212によりフォーカスサーボ制御を有効にする。
ステップ704では、TE信号の振幅やバランスが最適になるように、TE信号の調整を行う。
ステップ705では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ706では、対物レンズ202のアクチュエータ203によりフォーカス位置を調整し、球面収差位置調整部204により球面収差補正位置を調整する。この調整は、情報層における光ビーム22の集束状態をデータ再生のために最適化する調整である。
このフォーカス位置/球面収差補正位置調整(FBAL/BE調整)は、例えば、光ディスク201の光透過層の厚みばらつき(100μm±5μm)、また、レーザの波長ばらつき、さらにその温度変動による球面収差発生を吸収するものである。しかし、光ディスク201が想定以上にばらついたり、使用環境が厳しく、高い又は低い温度であった場合には、その調整値が、例えば、厚み換算で110μmといった、非常に高い値となったり、実際の調整時にフォーカス位置や球面収差補正位置の最適な点を探索するために、正負に揺動したときにTE信号、FE信号、又はRF信号の品質が悪くなり、調整途中でサーボが外れたり、又はアドレスリードができず現在位置がわからなくなったりして、調整エラーを生じることとなる。
ステップ707では、その調整が正常に完了したどうかを判断し、ステップ708で、サーボ外れなどで異常終了する場合には、L0層にリードプロテクト(録再禁止(記録禁止かつ再生禁止))のフラグを立てる(ステップ708)。
さらにステップ709では、正常終了した場合でも、調整値が大きく、記録パワーのマージン不足が十分想定される数値、例えば、球面収差が、基材厚90μm以下、110μm以上であるのであれば、ライトプロテクト(記録禁止かつ再生許可)のフラグを立てる(ステップ710)。
調整値は正常な場合は、ステップ711に進み、管理領域上にある「層別調整結果格納領域」に学習結果と、リード、ライトプロテクトOFFの状態を記録する(ステップ712)。
次に、ステップ713で、光ディスク201に記載されているコントロールデータを取得する。コントロールデータとは、例えば、ディスク種別や、ディスクに対するディスクメーカの推奨する記録再生に用いるパラメータである。
ステップ714では、そのコントロールデータが取得できたかどうかを判断している。コントロールデータが取得できなかった場合は、調整が失敗した場合と同様に、データ部の再生も保証することは困難であると判断し、L0層をリードプロテクトにする(ステップ715)。
正常終了した場合は、ライトプロテクトなしで記録可能(記録許可かつ再生許可)状態にし、球面収差の調整値が所定範囲に入らなかった場合は、ライトプロテクトで再生専用(記録禁止かつ再生許可)状態にし、調整途中でエラーとなったり、コントロールデータが取得できなかったりした場合は、リードプロテクト、すなわち記録も再生も禁止(記録禁止かつ再生禁止)状態でトラッキングをOFFし(ステップ716)、アクチュエータ203と、球面収差位置調整部204を駆動して、光ビームスポットを、L0層からL1層へ層間移動する(ステップ717)。
ステップ718では、層間移動した後のL1層で、TE信号の振幅やバランスが最適になるように、TE信号の調整を行う。
ステップ719では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ720では、L0層の場合と同様に、対物レンズ202のアクチュエータ203によりフォーカス位置を調整し、球面収差位置調整部204により球面収差補正位置を調整する。
ステップ721では、その調整が正常に完了したどうかを判断し、サーボ外れなどで異常終了した場合は、L1層にリードプロテクトのフラグを立てる(ステップ722)。
さらにステップ723では、正常終了した場合でも、調整値が大きく、記録パワーのマージン不足が十分想定される数値、例えば、球面収差が、基材厚65μm以下、85μm以上であるのであれば、ライトプロテクトのフラグを立てる(ステップ724)。
調整値が正常な場合は、ステップ725に進み、L1層の管理領域上にある「層別調整結果格納領域」に、L0層、L1層それぞれの学習結果と、L0層、L1層のリード、ライトプロテクトOFFの状態を記録する(ステップ726)。
次にステップ727で、光ディスク201のL1層にも記載されているコントロールデータを取得する。
ステップ728では、そのコントロールデータが取得できたかどうかを判断している。コントロールデータが取得できなかった場合は、調整が失敗した場合と同様に、データの記録だけでなく再生も保証することは困難であると判断し、L1層をリードプロテクトにする(ステップ729)。
その後、ステップ730、731で、L0層もリードプロテクトであったかどうかを判断し、L0層もL1層もリードプロテクトの場合は、いずれの動作もできないので、所定のエラーコードをホスト(図示せず)に返送して、起動をSTOPする。
また、L0層はリードプロテクトであるが、L1層はライトプロテクトの場合には、L1層からL0層への層間移動をせず、またL1層もL0層も、正常終了、又はライトプロテクトの場合には、層間移動をして、所定のトラック、通常はアドレス0付近で待機状態(READY)となる(ステップ732〜733)。
また、各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報、又は調整結果等は、その光ディスクの層別調整結果格納領域といった所定の領域に記録しても良い。
また、例えば、1層目が記録、再生ともに禁止の時、1層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を2層目に記録しても良い。又は逆に2層目が記録、再生ともに禁止の時、2層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を1層目に記録しても良い。
以上のように、本実施の形態1による光ディスク装置100は、光ビーム22を集束する対物レンズ202と、対物レンズ202を駆動するレンズアクチュエータ203と、光ディスク201で反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部205と、前記第1の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第1のパラメータ群、及び前記第2の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第2のパラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、2層ディスクの場合には、球面収差補正、フォーカス位置調整を、各情報層で行い、何れか1つの層でディスクのばらつき、ディフェクトなどのエラーが発生しても起動を異常終了させず、もう一方の正常調整を完了した層は記録可能となるように設定処理を情報層毎に行うようにしたので、録画期間の喪失などを低減させ大容量メディアの使用可能な情報層を有効に機能させることができ、かつ、留守録など人的操作で確認ができない状況の場合において、起動エラーによる番組の取り逃しを防止することができる。
なお、本実施の形態1では、球面収差、フォーカス位置の調整を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は、通常、装置の起動処理には、球面収差、フォーカス位置以外にも、各層毎にディスクの反りや、垂れに対してレンズを最適に傾けるチルト調整や、図7に示したようなTE調整をも実行していることから、これらの調整が失敗したり、調整値が不適切であったりしてエラーが発生した場合においても、同様に適用することができ、そのエラーが発生した層のみを記録又は再生の、禁止又は許可にすることができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1は、主にディスクの物理特性、すなわち層の厚みばらつきや、チルトのばらつきによって発生する球面収差、コマ収差や、それに依存するフォーカス位置の調整エラーが、多層ディスクの何れか1つの層で発生した場合に、これに対処する方法を提供するものであったが、本発明の実施の形態2は、記録膜の特性ばらつきで主に発生する記録パワー学習や、記録補償学習のエラーが、多層ディスクの何れか1つの層で発生した場合に、これに対処する方法を提供するものである。
以下、本実施の形態2による光ディスク装置について説明する。
図8は、本実施の形態2の光ディスク装置200の構成を示すブロック図である。図8において、図6の実施の形態1の光ディスク装置100と同様の構成要素については、同じ番号を付し、詳細な説明を省略する。
図8に示される本実施の形態2による光ディスク装置200は、ロードされた光ディスク201を回転させるディスクモータ214と、光ディスク201に光学的にアクセスする光ピックアップ215と、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部190とを、備えている。
光ピックアップ215は、半導体レーザ301から放射された光ビーム22を、光ディスク201に集束するための対物レンズ202と、光ディスク201から反射された光ビーム22を受けて各種の電気信号に変換する受光部205とを備えている。また、ホスト310からの転送データをパルス変調して、光ディスク201へ記録するための半導体レーザ301を備えている。半導体レーザ301は、複数の波長のものが搭載されることもあり、光ディスク201に応じてその波長を切り換える。
受光部205から出力された電気信号は、フォーカス誤差生成部208に供給され、フォーカスエラー信号(FE信号)が生成される。同様に、受光部205から出力された電気信号は、トラッキング誤差生成部209、及び信号再生部210へ供給され、それぞれ、トラッキングエラー信号(TE信号)、及び再生信号(RF信号)が生成される。RF信号は、データ再生部211に供給され、データ再生部211は、RF信号に基づき光ディスク201に記録された情報を復号し、システム制御部213へ送る。
システム制御部213は、調整パラメータ処理部216と、サーボ制御部212と、記録制御部303と、IF部305とを備える。システム制御部213は、ホスト310から転送されたデータや、映像音声情報などを、IF部305を介して記録制御部303で所定の記録信号に変調する。
レーザ駆動部302は記録制御部303からの記録信号に基づいて、半導体レーザ301を制御して、記録パワーを調整する。半導体レーザ301は調整した記録パワーで、光ディスク201のトラック上に記録マークを形成する。
記録方式は、最近ではCD−R、DVD−Rで代表される有機色素膜への追記方式と、DVD−RWや、DVD−RAMに代表される相変化膜への書換方式とが一般的である。
それらの記録信号は、図9(b)に示すような光出力であり、半導体レーザ301は、変調方式で一律決定される書き込む信号マーク、例えば、DVDであれば、8−16変調で3Tから14Tの信号マークの長さに応じて、必要なパルス数、パルス高さ、パルス幅を、レーザ駆動部302と、記録制御部303の制御に基づいて実現し、図9(a)のように、トラック上に信号マークを形成していく。
ここで、記録膜の特性や、半導体レーザ301を含む光学ピックアップのばらつき、及び光ディスク201の情報層の厚みのばらつきから発生する球面収差や、ディスクチルトによるコマ収差、又は面ぶれや、温度変化によって発生するフォーカスずれが存在しても、正しく記録を行う、すなわち、信号マークを形成するために、起動時に試し記録を行って最適な記録ができるように、光ディスク装置200は、図9で示すような記録パワーのパラメータであるピークパワーPwp、ボトムパワーPwb、バイアスパワーPwv、消去パワーPweなどを、最適になるように学習する記録パワー学習を行い、さらに、先頭パルス幅tsや、終端パルス幅teを、最適になるように学習する記録補償学習を行なう。
ここで、学習や、補正の方法としては種々の方法が実施されている。例えば、ディスクメーカがあらかじめ書き込んでいる記録条件を読み込んで、その値を基準値として、試し記録を数回行い、記録毎に信号再生部210、調整パラメータ処理部216によって、記録した信号の振幅やジッタなどを計測し、その値がベストになるようにパワーを振りながら処理を繰り返し決定する方法がある。また、同様に、記録補償学習の方法として、ディスクメーカがあらかじめ書き込んでいる記録条件を読み込んで、その値を基準値として試し記録を数回行い、記録毎に信号再生部210、調整パラメータ処理部216によって記録した信号の振幅やジッタなどを計測し、その値がベストになるようにパワーを振りながら処理を繰り返し決定する方法もあるが、ここでは、その詳細な説明は省略する。
通常、2層、又は多層ディスクの場合は、それぞれの層で記録膜の特性が異なるので、起動時に、あらかじめそれぞれの層をアクセスし、試し記録を行って学習を実施した後に、レコーダであれば、録画やダイビングなどの、また、PCであれば、保存や上書きなどの各動作に応じたデータの記録を開始する。
すなわち2層ディスクの場合は、L0層で試し記録を行って記録パワーであるピークパワーPwp、ボトムパワーPwbなどを最適になるように学習する記録パワー学習をおこない、その後、先頭パルス幅tsや終端パルス幅teを最適になるように学習する記録補償学習又は補正を実施した後に、L1層へ層間移動を行って、L1層でも試し記録を行って、記録パワーであるピークパワーPwp、ボトムパワーPwbなどを最適になるように学習する記録パワー学習をおこない、その後、先頭パルス幅tsや終端パルス幅teを最適になるように学習する記録補償学習又は補正を実施する。
ここで、L0層で、試し記録中にトラック飛びや、フォーカス外れなどのサーボエラーが生じたり、学習したパワー値や記録補償値が、所定の値より大きい値又は小さい値に収束したりした場合は、調整パラメータ処理部216は、上記したようにL0層の調整結果、すなわち調整が正常完了したどうか、また調整された記録パワーや記録補償値の値が適切であるかどうかを判断し、L0層を記録又は再生の、禁止又は許可にステータスフラグを設定し、L0層の起動を完了して、L1層の起動調整処理を継続する。L1層での記録学習でのエラー発生処理についても、また同様である。
また、本実施の形態2においては、調整パラメータ処理部216はシステム制御部213に含まれているが、この調整パラメータ処理部216はサーボ制御部212に含まれていてもよいし、独立した構成要素であってもよい。
また、調整パラメータ処理部216は、システム制御部213や、サーボ制御部212を構成する制御プログラムの一部によって実現されていてもよい。
次に、図10を参照しながら、本実施の形態2における光ディスク201の起動処理手順と、調整エラーが起こった場合の処置手順を、記録パワー学習、記録補償学習を、例にあげて説明する。
図10は、本実施の形態2の光ディスク装置200を用いて光ディスク201の起動処理を行う手順を示したフローチャートである。
まず、ステップ801では、システム制御部213からディスクモータ214に対して回転数の設定と、回転開始指示を行う。
ステップ802では、レーザ光源の半導体レーザ301から、光ディスク201に対してレーザの照射を開始する。
ステップ803では、サーボ制御部212によりフォーカスサーボ制御を有効にする。
ステップ804では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ805では、通常内周に位置しているコントロールトラックへアクセスし、ステップ806では、光ディスク201に記載されているコントロールデータを取得する。
コントロールデータとは、例えばディスク種別や、ディスクに対するディスクメーカの推奨する記録再生に用いるパラメータであり、そのうちの記録パワーと、記録補償値をリードして、次ステップで行う記録パワー学習、記録補償学習の初期値とする。
ステップ807では、上記コントロールデータのある領域の近傍に位置するPCA領域(Power Calibration Area)へ移動して試し記録を行い、記録パワー学習のあと、記録補償学習を1セットで実施する。
ステップ808では、それぞれの学習が正常に終了したかどうかを判断し、学習中のフォーカス飛びや、トラック流れが発生し、記録学習が正常終了しなかった場合は、ステップ809へ進んでL0層のライトプロテクトを設定する。
またステップ810では、使用環境が厳しく、高い又は低い温度であった場合や、ディスクの膜が繰り返しや、経時変化などによって劣化していた場合には、その調整値が、例えばBDの2層ディスクで、15mW以上、又は8mW以下のパワーであるような調整値に収束したり、該調整値が、開始や終端パルス幅が5ns以下といったあり得ない値となったりしたときに、正常な記録はできないと判断し、ステップ809へ進んで、L0層のライトプロテクトを設定する。
L0層の記録学習が正常に終了し、かつ学習値も、所定の範囲内に収束したときは、ステップ811、812で、管理領域へその結果を記録して、次のL1層への起動処理へと移行する。
なお、当然、学習が異常終了となった場合は、管理領域へは結果は書くことはできないが、L0層がライトプロテクトか否かの情報は、システム制御部213で管理している。
次にステップ813で、トラッキング制御をOFFし、ステップ814で、L0層からL1層へ層間移動を行う。
L1層に移動した後、ステップ815では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ816では、L1層の所定位置に位置しているコントロールトラックへアクセスし、ステップ817では、光ディスク201に記載されているコントロールデータを取得する。
コントロールデータとは、例えばディスク種別や、ディスクに対するディスクメーカの推奨する記録再生に用いるパラメータであり、そのうちのL1の記録パラメータ、すなわちパワーと、記録補償値をリードすることで、次ステップで行う記録パワー学習、記録補償学習の初期値とする。
なお、L0、L1の両層の記録パラメータがL0層のコントロールトラックにかかれている場合もあり、このときは、L1層でコントロールデータである記録パラメータを再度取得する必要はない。
ステップ818では、上記コントロールデータのある領域の近傍に位置するPCA領域(Power Calibration Area)へ移動して試し記録を行い、記録パワー学習のあと、記録補償学習を1セットで実施する。
L0層と同様に、ステップ819では、それぞれの学習が正常に終了したかどうかを判断し、学習中のフォーカス飛びや、トラック流れが発生し、記録学習が正常終了しなかった場合は、ステップ820へ進んで、L1層のライトプロテクトを設定する。
また、ステップ821では、使用環境が厳しく、高い又は低い温度であった場合や、ディスクの膜が繰り返しや、経時変化などによって劣化していた場合には、その調整値が、例えばBDの2層ディスクで、15mW以上、又は8mW以下のパワーであるような調整値に収束したり、又は該調整値が、開始や終端パルス幅が5ns以下、といったあり得ない調整値に収束したりしたときに、正常な記録はできないと判断し、ステップ820へ進んで、L1層のライトプロテクトを設定する。
さらにステップ822で、システム制御部213においてL0層もライトプロテクトであると判断された場合は、その光ディスク201は、はじめて再生専用ディスクとしての設定がされる。
またL0層はライトプロテクトされてない場合は、ステップ826においてL1層からL0層へ層間移動し、L0の所定領域、通常はトラックアドレス0、で待機する。
なお、L1層の記録学習が正常に終了し、かつ学習値も所定の範囲内に収束したときは、ステップ823で、L1の管理領域へその結果を記録した後、ステップ824でL1層は記録可能であるとの設定をして、ステップ825でL0層がライトプロテクトか否かを判断する。
システム制御部213においてL0層はライトプロテクトであると判断された場合は層間移動せず、L1層の所定領域、たとえばL1層のスタートアドレスに対応するトラック、で待機する。
また、前記実施の形態1、及び本実施の形態2に共通の処理として、ディスク内周の所定領域に配置されるコントロールトラックのコントロールデータをリードしている。
このコントロールデータは、ディスクを記録する上で重要な情報が入っているので、このコントロールデータがリードできなかった場合や、コントロールトラック自体にアクセスできなかった場合は、その層は少なくともライトプロテクトを設定するように構成してもよい。
また、各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報、又は調整結果等は、その光ディスクの層別調整結果格納領域といった所定の領域に記録しても良い。
また、例えば、1層目が記録、再生ともに禁止の時、1層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を2層目に記録しても良い。又は逆に2層目が記録、再生ともに禁止の時、2層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を1層目に記録しても良い。
以上のように、本実施の形態2による光ディスク装置200は、光ビーム22を集束する対物レンズ202と、対物レンズ202を駆動するレンズアクチュエータ203と、光ディスク201で反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部205と、前記第1の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第1パラメータ群、及び前記第2の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第2パラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、2層ディスクの場合には、記録パワー学習、記録補償学習を、L0層、L1層のそれぞれで行い、何れか1つの層でディスクのばらつき、膜特性、経時変化、温度環境などのエラーが発生しても、起動を異常終了させず、もう一方の正常調整を完了した層は記録可能となるように設定処理を情報層毎に行うようにしたので、録画期間の喪失などを低減させ大容量メディアの使用可能な情報層を有効に機能させることができ、かつ、留守録など人的操作で確認ができない状況の場合において、起動エラーによる番組の取り逃しを防止することができる。
また、上記本実施の形態1及び2では、具体例として2層ディスクの場合を挙げて説明しているが、2層以上の多層ディスクの場合も同様に扱ってよい。以下、M(M≧2)層の多層ディスクの記録、再生の制御について図21を用いて説明する。
図21は、L0〜L5の層からなる6層の光ディスク1003を示す。図21に示す光ディスク1003において、前記パラメータ群の値を決定する学習を行う層にフラグが設定される。全ての層にフラグを設定する必要なく、R(M≧R)個の層にフラグを設定する。ここでは、L0〜L3の4層にフラグを設定する場合について説明する。
まず、L0〜L3の層に対して、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値を決定する学習を行う。学習方法については、上述した2層ディスクでの方法と同様であるので、説明を省略する。次に、パラメータ群の値が決定できた層に再生許可又は記録許可のフラグを立て、パラメータ群の値が決定できなかった層に再生禁止又は記録禁止のフラグを立てる。図21は、L0層及びL2層に再生許可及び記録許可のフラグを立て、L1層に再生禁止及び記録禁止のフラグを立て、L3層に再生許可と記録禁止のフラグを立てた状態を示す。
次に、記録可能又は再生可能な層だけに論理アドレスを割り当てる。例えば、図21において、光ディスク1003を再生する場合、L1層が再生不可のため、L0層からL2、L3、L4、L5層と順番に連続する論理アドレスを割り当てる。同様に、記録する場合は、L1層とL3層が記録不可のため、L0層からL2、L4、L5層と順番に連続する論理アドレスを割り当てる。
さらに、記録する場合は、L4、L5、L0、L2層の順番に論理アドレスを割り当て、再生する場合は、L4、L5、L0、L2、L3層の順番に論理アドレスを割り当てるようにしてもよい。すなわち、L4、L5層は、常に記録可かつ再生可であるので、先に論理アドレスを割り当てる。L0〜L3層は、状況に応じて記録あるいは再生が不可になる可能性があるので、L4、L5層に割り当てた論理アドレスより後の論理アドレスを割り当てる。L0〜L3層の順番については、まず、記録可かつ再生可の状態の層を優先して論理アドレスを割り当て、その後で記録不可だが再生可の状態の層に論理アドレスを割り当てる。なお、記録可であるが、再生不可な状態は基本的に存在しない。
このように、フラグなしの層をフラグありの層より前に論理アドレスを割り当てるように順序付けすると、フラグの状態が後に変化した場合でも、フラグありの層の論理アドレスは再割り当てが発生するが、フラグなしの層の論理アドレスは変化しないために、これまでと同じ論理アドレスでアクセスできるという効果が得られる。
また、記録不可だが再生可の状態の層が存在する場合に、記録可かつ再生可の状態の層の後に論理アドレスを割り当てるように順序付けすると、記録再生装置と再生専用装置で論理アドレスの相違が発生しないという効果が得られる。記録又は再生の、禁止又は許可のフラグは、光ディスク上のいずれに書かれていても良い。また、各層の情報は、ある一層にまとめて書かれていても良い。
以上のように、M(M≧2)層ディスクに対して、R(R≦M、ただし、R≧1)個の層にフラグを設定し、N個(N≦R)の層がNGの時、該NGの層に再生、記録の禁止のフラグを立てて、前記NGの層を隠蔽し、M層ディスクを(M−N)層ディスクとして制御する。図21においては、再生時には、光ディスク1003を5層ディスクとして制御し、記録時には、光ディスク1003を4層ディスクとして制御する。
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2の光ディスク装置により作成された光ディスクを、他の光ディスク装置がその光ディスクに記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を読み出して識別することが可能である。以下、実施の形態3で説明を行う。
図11は、本実施の形態3の光ディスク装置300の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態1の光ディスク装置100の構成を示す図6と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図11を用いて本実施の形態3について説明をする。
図11に示す本実施の形態3の光ディスク装置300は、図6の実施の形態1の構成に加え、システム制御部213に、識別処理部401を備えている。なお、図11において、290は、図6の実施の形態1における回路部90に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
上記識別処理部401は、信号再生部210、又はデータ再生部211により読み出される光ディスク201に記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報をもとに、光ディスク201の識別を行う。
例えば、2層ディスクで2層目L1が記録も再生も不可(記録禁止かつ再生禁止)の情報を読み出した場合には、光ディスク201を単層ディスクとして識別する。
また、再生専用の光ディスク装置等において、実際には2層ディスクであったとしても、上記情報を元に単層ディスクとして識別することで、スムーズに再生を行うことが可能となる。
また、例えば、実際にはM(M≧2)層ディスクであったとしても、M個の層のうち、N個(M>N)の層が記録も再生も不可(記録禁止かつ再生禁止)の情報を読み出した場合には、光ディスク201を(M−N)層ディスクとして識別する。
また、再生専用の光ディスク装置等において、実際にはM層ディスクであったとしても、上記情報を元に(M−N)層ディスクとして識別することで、スムーズに再生を行うことが可能となる。
さらに、通常はフォーカスエラー信号(FE信号)を用いて光ディスクの識別を行う場合が多いが、この信号を信じるのではなく、上記情報を優先して識別するようにしても良い。その結果、容易に記録、再生が可能となり有効である。
以上のように、本実施の形態3による光ディスク装置300は、他の光ディスク装置により作製された光ディスクの識別を行う識別処理部401をさらに備え、識別処理部401は、前記光ディスクの所定の領域に記録された前記第1、第2のパラメータ群を含む各層毎の値、及びその決定の可否の結果、又は、前記光ディスクの所定の領域に記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を読み出して識別するので、他の光ディスク装置との互換性を持たせることができ、光ディスクに対して有効に記録、再生を行うことができる。
(実施の形態4)
前記実施の形態1、2、3の光ディスク装置により光ディスクを作成する際に、各層毎の記録禁止設定をディスクに記録する(かつ再生許可設定を記録しても良い)とともに追加処置として、追記型の光ディスクの場合には、他の光ディスク装置でも再生可能となるように、例えば未記録領域に対してNULL(ゼロ)データ等を記録してディスクの作成完了処理(以下、「ファイナライズ」と称する。)を行っても良い。以下、実施の形態4で説明を行う。
図12は本実施の形態4の光ディスク装置400の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態2の光ディスク装置200の構成を示す図8と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図12を用いて本実施の形態4について説明をする。
図12に示す本実施の形態4の光ディスク装置400は、図8の実施の形態2の構成に加え、システム制御部213にファイナライズ処理部501を備えている。なお、図12において、回路部390は、実施の形態2における回路部190に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
上記ファイナライズ処理部501は、例えば、記録制御部303を介して光ディスク201のファイナライズを行う。
記録エラーの場合、ファイナライズを行うことができるのかという問題も生じ得るが、ここでは、ファイナライズは記録品質には関係なくNULLデータを埋めるだけなので、記録品質は低くてもよい。
以上のように、本実施の形態4による光ディスク装置400は、追記型の光ディスクの作製を完了させる処理を行うファイナライズ処理部501をさらに備え、ファイナライズ処理部501は、該光ディスク装置における記録禁止の設定(かつ再生許可の設定を行っても良い)の追加処置として、追記型の前記光ディスクの未記録領域に任意のデータを埋め込み、ファイナライズを行うので、ディスク作成後に再生する場合や、別の再生専用の光ディスク装置で読み出す場合に、確実に読み出しを行うことができる。又はイナライズ処理後のディスクは、記録、未記録領域が混在しないためFE信号、TE信号も安定し、容易に再生の互換性を確保することができる。
なお、前記実施の形態1〜4の光ディスク装置で作成又は識別した光ディスクを記録再生する方法として、3層以上の多層のメディアにおいて途中の層の記録、再生禁止の状態が分かっている時には、その途中の層を一気にN層飛ばして層間ジャンプしてシームレスに記録、又は再生しても良く、大容量のメディアを有効に記録、再生させることができる。
また、前記実施の形態1〜4の光ディスク装置で作成又は識別した光ディスクを記録再生する方法として、例えば、2層ディスクにおいて2層目のみの単層ディスクと識別した場合に、2層目の先頭の論理アドレス(LA)をディスクの開始アドレスであるゼロとして扱っても良く、又は逆に、1層目のみの単層ディスクと識別した場合には、1層目の最終の論理アドレスをディスクの最終の論理アドレスとして扱っても良い。これにより、大容量のメディアをスムーズかつ有効に記録、再生させることができる。
なお、2層ディスクの例に限らず、2層以上の多層ディスクについても同様に扱ってよい。例えば、M層ディスクを(M−N)層ディスク(M>N)として制御する場合、(M−N)層の先頭の論理アドレスをディスクの開始アドレスであるゼロとして扱ってもよく、又は、逆に、(M−N)層の最終の論理アドレスをディスクの最終の論理アドレスとして扱っても良い。また、球面収差等のパラメータをディスクの所定の領域に記録する場合や、N個の層分がNGの時、N個の層分を隠蔽した(M−N)層ディスクという識別情報を残りの(M−N)層のうちのいずれかの層に記録する場合においても同様である。
また、前記実施の形態1〜2については、記録再生可能な光ディスク装置を想定した実施例を記載しているが、再生専用の光ディスク装置でも同様のことが実施可能である。
具体的には、記録再生可能な光ディスク装置が各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部を備えるのに対し、再生専用の光ディスク装置では各層への再生許可又は再生禁止の設定管理を行う管理部を備えることで、前記管理部によって各層毎に再生許可又は再生禁止の設定を行う。
ただし、再生専用の光ディスク装置のため、光ディスクへの記録を伴う制御は不可である。
同様に、前記実施の形態3についても、再生専用の光ディスク装置の場合には、前記実施の形態1、2の光ディスク装置により作成された光ディスクに記録された各層毎の再生許可又は再生禁止の情報を読み出して識別することが可能である。
(実施の形態5)
図13は、本実施の形態5の光ディスク装置500の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態3の光ディスク装置300の構成を示す図11と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図13を用いて本実施の形態5について説明をする。
図13に示す本実施の形態5の光ディスク装置500は、図11の実施の形態3の構成に加え、規格層数識別部402と、アドレス変換処理部403とを備えている。なお、図13において、回路部490は、図11の実施の形態3における回路部290に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
また、前提として、本実施の形態5では、複数積層による製造工程での歩留まり悪化を想定し、予備の層を含む複数の層が積層された光ディスクをも、発明の対象としている。
さらに、前記実施の形態1〜4に記載されている内容で作成された全ての光ディスクをも、合わせて発明の対象とする。
以下、本実施の形態5では、例えば、規格又は仕様上、4層の光ディスクに対して、1層分を予備として追加した5層の光ディスクを製造、使用する場合について説明する。
規格層数識別部402は、上記5層の光ディスクが、規格又は仕様上、4層の光ディスクであることを識別する。
識別方法については、光ディスクに記録されている情報を読み出して識別しても良い。この場合、あらかじめ光ディスクに予備の層数も含めた実際の層数と、規格又は仕様上の層数とを、別途記録しておいても良い。また、可能であれば、上述のフォーカスエラー信号(FE信号)を用いて識別しても良い。
前記実施の形態3と同様に、識別処理部401は、信号再生部210、又はデータ再生部211により読み出される光ディスク201に記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報をもとに光ディスク201の識別を行い、例えば、5層中の1層が記録も再生も不可の情報を読み出した場合には、上記規格層数識別部402の情報をもとに、4層として取り扱う。このように、物理的に存在する5層中の1層が、(再生可能であるか否かに関わらず)記録が不可能な状態(不良)であった場合に、不良であった1層を除く4層のディスクとして取り扱う。
なお、規格又は仕様に厳しい光ディスク201の使用者に対しては、5層全て問題ない場合でも規格又は仕様上の4層として扱うようにするか、又は3層しか正常に記録、再生できない場合には、使用不可として取り扱うようにしても良い。この場合、規格又は仕様上の品質を保証できるので有効である。
また、前述した識別処理部401による光ディスク201の識別は、光ディスクの生産工程において実施しておき、予め光ディスク201に識別結果を記録するようにしてもよい。例えば、光ディスクの生産工程において、各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を、光ディスク201上のディスク情報格納領域に書き込んでおくようにする。
このような光ディスク201を、再生又は記録する場合には、光ディスク201上のディスク情報格納領域から各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を読み出すことによって識別処理を行うよう識別処理部401を構成してもよい。そのようにすると、光ディスク装置に光ディスク201を挿入した後に、比較的短時間で規定の論理層数又は規格層数のディスクとして使用することが可能になる。
ここで、5層のうち1層が記録/再生不可のため4層として取り扱う際、例えば図14のように、物理層1〜5のうち物理層2が使用不可の場合、不連続となるアドレス空間の物理層1と3〜5を、ホスト又はユーザーが認識可能な連続したアドレス空間の論理層1〜4として割り当てて使用する。ホストから任意のアドレスへのデータ記録/再生が要求された場合、アドレス変換処理部403は、ホストが認識可能な論理層1〜4の連続したアドレス空間から、物理層1と3〜5の不連続となるアドレス空間へアドレス変換を行う。その後、サーボ制御部212を介して対物レンズ202等を動作させ、目的の物理アドレス空間へアクセスし、所望のデータを記録/再生する。
アドレス変換の具体的な処理の例としては、例えば、1つの物理層と1つの論理層のアドレス数を同じ数である10とし、物理層2が使用不可の場合、まず物理層2の先頭アドレス10を記憶しておく。
なお、1層あたりのアドレス数は通常もっと大きな数になるが、発明を実施する上で数値範囲に制限はないので、ここでは1層あたりのアドレス数を10として説明する。また、各層の構造が同じであれば各層のアドレス数は通常同じになるが、各層のアドレス数は必ずしも同じである必要はない。ホストから論理層のアドレス25が要求された場合、これを、記憶しておいた物理層2の先頭アドレス10と比較し、該要求されたアドレスが10以上の場合には、該要求されたアドレス25に+10の演算を行い物理層3のアドレス35へ変換する。
また、仮にホストから論理層のアドレス5が要求された場合、これを、記憶しておいた物理層2の先頭アドレス10と比較し、該要求されたアドレスが10未満の場合には、該要求されたアドレス5を、そのまま物理層1のアドレス5として変換する。
なお、上記のアドレス変換方法はあくまで一例として示したものである。このような、アドレス変換処理における、物理又は論理の先頭アドレスの情報を表にして、ディスク又は光ディスク装置内部に持つようにしてもよい。また、実際に記録や再生に使用される層にだけ番号を振ったものである論理層のアドレスから、ディスク中に物理的に存在する層に番号を振ったものであり、実際には記録や再生に使用されない層も含む物理層のアドレスへの変換が正しく行われる限り、どのようなアドレス変換方法のアルゴリズムを使用してもよい。
以上のように、本実施の形態5による光ディスク装置500は、光ディスクに対して、規格又は仕様上決められた情報層の数を識別する規格層数識別部をさらに備え、該規格層数識別部により識別した規格層数のみの情報層を使用するので、新品の状態の光ディスクに記録禁止等で使用不可の層が発生した場合にも、光ディスクの予備の情報層を使用することにより、使用者に対して規格又は仕様上の層数を提供可能となり、光ディスクを有効に記録、再生させることができる。
また、本実施の形態5による光ディスク装置500は、光ディスクに対して、実際に規格で決められた層数の情報層のみを使用し連続した論理的なアドレスから、不連続となる物理的なアドレスへ変換するアドレス変換処理部をさらに備えるので、複数層の光ディスクに使用不可の層が発生した際、使用不可能な情報層により物理的に不連続となるアドレスマッピングを、連続する論理的なアドレスマッピングへ変換することで、使用者からは物理層の数やどの層に不良があったかなどを意識することなく、規格の容量の光ディスクとして扱うことができる。
さらに、第1の情報層、及び第2の情報層を含む複数の情報層、及び予備の複数の情報層が、積層されてなる光ディスクを、本実施の形態5による光ディスク装置500にて使用することで、使用不可の層が発生した場合でも、規格又は仕様通りの光ディスクとして記録、再生することができるため、光ディスク普及の壁となる複数層を有する光ディスクの製造における歩留まり低下を実質的に解消し、光ディスクの生産性を向上させることができる。
以上のように説明した規格層数より多い物理層数を有する光ディスクは、パラレルトラックパス(全ての情報層の記録又は再生の方向が、「内周から外周」、又は「外周から内周」のどちらかに統一されている)を想定していた。しかし、オポジットトラックパス(各層の記録又は再生の方向が、「内周から外周」の次は「外周から内周」のように交互に行ったり来たりする)の場合でも、同様に規格層数より多い物理層数を有する光ディスクを提供することが可能である。次に、オポジットトラックパス構造を有する、規格層数より多い物理層数の光ディスクの一例を図19と図20を用いて説明する。
図19において、光ディスク1001はオポジットトラックパスを持つ多層光ディスクの一例を示したものである。物理層1は「内周から外周」、物理層2は「外周から内周」、物理層3は「内周から外周」、物理層4は「外周から内周」というトラックパスになっている。図19は物理層2が記録不可などの理由で使用不可(不良)の場合を示しており、この場合において、物理的に4層のディスクを論理上(規格上)3層のディスクとして扱う方法を説明する。まず、物理層2(「外周から内周」のトラックパス)が使用不可の場合、このディスクは「外周から内周」の層が「内周から外周」の層より少ないディスクとして扱わなければならないことがわかる。したがって、このディスクの論理アドレス割当てを、不良である物理層2のトラックパス「外周から内周」の逆である「内周から外周」から始める。「内周から外周」のトラックパスを持つ層は、物理層1と物理層3である。どちらから論理アドレス割当てを始めてもよいが、図19では物理層1から論理アドレス割当てを始める場合を例示する。物理層1から論理アドレス割当てをするので、物理層1が論理層1となり、内周である物理アドレス0を論理アドレス0に、外周の物理アドレス9を論理アドレス9に割当てる。「内周から外周」のトラックパスの次は「外周から内周」のトラックパスを選択する。物理層2が使用不可(不良)なので、光ディスク1001では物理層4が「外周から内周」のトラックパスを持つ唯一の層である。したがって、次の論理アドレスは物理層4から割当てる。すなわち、外周である物理アドレス30を論理アドレス10に、内周の物理アドレス39を論理アドレス19に割当てる。「外周から内周」のトラックパスの次は「内周から外周」のトラックパスを選択する。残っている使用可能な層は物理層3だけであり、物理層3は「内周から外周」のトラックパスになっている。したがって、次の論理アドレスは物理層3から割当てる。すなわち、内周である物理アドレス20を論理アドレス20に、外周である物理アドレス29を論理アドレス29に割当てる。このような論理アドレスの割当て方を行うことにより、物理的に4層の光ディスクのある一層(今回の説明では物理層2)が使用不可になっても、論理的に(規格として)3層の光ディスクを提供することが可能となる。パラレストラックパスの多層光ディスクの場合の説明と同様に、アドレス変換の割当て方(物理又は論理の先頭アドレスの情報など)は表にして、ディスク又は光ディスク装置内部に持つようにしてもよく、論理アドレス(論理層に割当てられたアドレス)と物理アドレス(物理層に割当てられたアドレス)への変換が正しく行われる限り、どのようなアドレス変換方法のアルゴリズムを使用して変換してもよい。
図20は、図19と同様に、オポジットトラックパスを持つ多層光ディスクの一例を示したものである。図20の光ディスク1002は、物理的には図19の光ディスク1001と同じトラックパス構造を持つが、光ディスク1002は、物理層3が記録不可などの理由で使用不可(不良)の場合を示している。以下、図19を用いて説明したのと同様に、この場合において、物理的に4層のディスクを論理上(規格上)3層のディスクとして扱う方法も説明する。まず、物理層3(「内周から外周」のトラックパス)が使用不可の場合、このディスクは「内周から外周」の層が「外周から内周」の層より少ないディスクとして扱わなければならないことがわかる。したがって、このディスクの論理アドレス割当てを、不良である物理層3のトラックパス「内周から外周」の逆である「外周から内周」から始める。「外周から内周」のトラックパスを持つ層は、物理層2と物理層4である。どちらから論理アドレス割当てを始めてもよいが、図19では物理層2から論理アドレス割当てを始める場合を例示する。物理層2から論理アドレス割当てをするので、物理層2が論理層1となり、外周である物理アドレス10を論理アドレス0に、内周の物理アドレス19を論理アドレス9に割当てる。「外周から内周」のトラックパスの次は「内周から外周」のトラックパスを選択する。物理層3が使用不可(不良)なので、光ディスク1002では物理層1が「内周から外周」のトラックパスを持つ唯一の層である。したがって、次の論理アドレスは物理層1から割当てる。すなわち、内周である物理アドレス0を論理アドレス10に、外周の物理アドレス9を論理アドレス19に割当てる。「内周から外周」のトラックパスの次は「外周から内周」のトラックパスを選択する。残っている使用可能な層は物理層4だけであり、物理層4は「外周から内周」のトラックパスになっている。したがって、次の論理アドレスは物理層4から割当てる。すなわち、外周である物理アドレス30を論理アドレス20に、内周である物理アドレス39を論理アドレス29に割当てる。このような論理アドレスの割当て方を行うことにより、物理的に4層の光ディスクのある一層(今回の説明では物理層3)が使用不可になっても、論理的に(規格として)3層の光ディスクを提供することが可能となる。
以上、図19と図20を用いた説明では物理的に4層のディスクを論理的に(規格上)3層として扱う方法を具体的に説明したが、同様の考え方で、物理的に偶数層のオポジットトラックパスのディスクを論理的に(規格上)「物理層数−1」層として扱うことが可能である。すなわち、本発明によれば、異なるトラックパスを持つ層の組を複数積層した光ディスク(つまり偶数層)のある一層を使用しないように論理アドレスを割当てた光ディスクを提供可能である。
また、以上の図19と図20を用いた説明では、同じトラックパス(「内周から外周」又は「外周から内周」)を持つ情報層が複数ある場合、どれを選択して論理アドレスを割当ててもよいとしたが、より効率的に光ディスクのアクセスをできるよう、情報層の選択(割当て)を行うことも可能である。具体的には、情報層をまたいで連続する論理アドレスを連続的にアクセスする場合に、情報層間のフォーカスジャンプ(ターゲットとする層にフォーカスサーボを合わせる)を行う必要があるが、そのフォーカスジャンプする際にまたぐ層数ができるだけ少なくなるように論理アドレスを割当てるようにするとよい。そのようにすると、情報層をまたいで連続する論理アドレスを連続的にアクセスする場合に、一時的なアクセススピードの劣化を最小限に抑えることが可能になる。
以上のように説明したような、複数の層を有しており規格上の層数に加えて予備の層を有する光ディスク(各層同じトラックパスを持つ光ディスクや、異なるトラックパスを持つ層の組を複数積層しておりその内のある一層を使用しないようにした光ディスク)を、光ディスク装置500において記録又は再生することができる。そのような場合、規格層数識別部にて光ディスクの規格上の層数を認識し、以上説明した物理アドレスと論理アドレスのマッピングに基づいて、アドレス変換処理部でホスト機器(PCやAVエンコーダ/デコーダなど)からアクセス要求のあった論理アドレスから、対応する物理アドレスへのアドレス変換を行うことで、物理アドレス位置に存在するブロック(セクタ)への記録又は再生が可能になる。
なお、実施の形態5では、記録再生可能な光ディスク装置を想定した実施例を記載しているが、再生専用の光ディスク装置についても同様の制御が可能である。
(実施の形態6)
図16は本実施の形態6の光ディスク装置600の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態1の光ディスク装置100の構成を示す図6と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図16を用いて本実施の形態6について説明をする。
図16に示す本実施の形態6の光ディスク装置600は、図6の実施の形態1の構成に加え、データ録再管理部601を備えている。また、調整パラメータ処理部216は不要である。なお、図16において、590は、図6の実施の形態1における回路部90に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
以下、本実施の形態6では、例えば、4層の光ディスクに対して、1層目のL0層又は2層目のL1層にデータを記録する場合について説明する。
データ録再管理部601は、L0層又はL1層にデータを記録する際、同時に同じデータをバックアップとして3層目のL2層又は4層目のL3層にも記録する。これにより、何らかの要因でL0層又はL1層への記録が失敗した場合や、記録したデータが再生できなくなった場合等においても、データ録再管理部601でデータの記録位置を管理することで、L2層又はL3層から所望のデータを再生することができるため、データの記録、再生における信頼性が向上し非常に有効である。
また、例えば、4層の光ディスクに対して、L0層とL1層の記録データを、L2層とL3層の全く同じアドレス位置、即ち各層の先頭アドレスを0とした場合の記録位置のアドレス、に同じデータを記録するミラー記録を行うようにすれば、データの記録、再生位置管理が容易になり、万一、1層目と2層目のデータが何らかの要因で再生できなくなっても、3層目と4層目からスムーズにデータの再生が可能となる。
また、実際の録画中に、上記ミラー記録を実施する場合、リアルタイム録画であっても、ハードディスク等を利用すればバックアップデータを記録する時間的な余裕を持たせることが可能であり、また仮にハードディスクが無い場合でも、例えば4倍速記録等の高倍速記録を行えば実現可能である。
以上、4層の場合について説明したが、もちろん、2層の場合や、その他の複数層の場合にも適用可能であり有効である。
さらに、例えば4層のうちL0層、L1層の2層が波長の短い青紫色半導体レーザを用いて記録、再生を行うBDディスクであり、4層のうちL2層、L3層の2層が波長の長い赤色半導体レーザを用いて記録、再生を行うDVDディスクであるといった、物理的構造の異なる情報層が複数存在する4層の光ディスクであるハイブリッドディスクに対して、データを記録する場合について説明する。
データ録再管理部601は、L0層又はL1層にデータを記録する際、同時に同じデータをバックアップとしてL2層又はL3層にも記録する。これにより、何らかの要因でL0層又はL1層に記録したデータが再生できなくなった場合でも、データ録再管理部601でデータの記録位置を管理することで、L0層又はL1層から所望のデータを再生することができ、有効である。
以上、4層のハイブリッドディスクの場合について説明したが、もちろん、2層のハイブリッドディスクの場合や、その他の複数層のハイブリッドディスクの場合にも適用可能であり有効である。
この場合、波長の長い赤色半導体レーザを用いてバックアップデータの記録、再生を行うため、波長の短い青紫色半導体レーザを用いて記録、再生をする場合よりも、データ記録、再生マージンが大きいため、データのバックアップを確実に実現することが可能となり有効である。なお、バックアップをとるL2層、L3層の光透過層厚は使用するレンズのNAによって0.1mm〜0.6mmの間に最適配置することが望ましい。
以上のように、本実施の形態6による光ディスク装置600は、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、前記データ録再管理部は、前記第1の情報層に記録するデータのバックアップとして前記第2の情報層にもデータを記録するので、何らかの要因でL0層又はL1層への記録が失敗した場合や、記録したデータが再生できなくなった場合等においても、L2層又はL3層から所望のデータを再生することができ、データの記録、再生の信頼性を向上することができる。また、前記データ録再管理部が、ミラー記録によりバックアップを行うことで、データの記録、再生位置管理が容易になり、さらにスムーズにデータを再生することができる。
(実施の形態7)
図17は本実施の形態7の光ディスク装置700の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態6の光ディスク装置600の構成を示す図16と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図17を用いて本実施の形態7について説明をする。
図17に示す本実施の形態7の光ディスク装置700は、図16の実施の形態6の構成に加え、記録データ圧縮部701を備えている。なお、図17において、690は、図16の実施の形態6における回路部590に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
以下、本実施の形態7では、例えば、図18に示すように前述の実施の形態6で説明したBDディスク702とDVDディスク703がそれぞれ2層ずつ存在する4層のハイブリッドディスクに対して、BD側のLb0層又はLb1層にデータを記録する場合について説明する。
データ録再管理部601は、Lb0層又はLb1層にデータを記録する際、同時にバックアップとしてDVD側のLr0層又はLr1層に記録を行うが、その際、Lb0層又はLb1層への記録データを記録データ圧縮部701により圧縮した後、Lr0層又はLr2層へデータを記録するようにする。さらに、その際、上記圧縮を、例えばBDディスクとDVDディスクの記録容量比に合わせて行うようにすれば、前述のミラー記録と同様のことを実現可能となる。つまり、実際に録画する場合を考えた場合、万一、BD側の記録失敗等が発生して再生不可となっても、画質は低下するが確実にDVD側への指定時間分の録画が行えるようになり、非常に有効である。
以上、4層のハイブリッドディスクの場合について説明したが、もちろん、2層のハイブリッドディスクの場合や、その他の複数層のハイブリッドディスクの場合にも適用可能であり有効である。
以上のように、本実施の形態7による光ディスク装置700は、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部と、前記第1の情報層への記録データを圧縮する記録データ圧縮部とを備え、前記データ録再管理部は、第1の情報層への記録データを前記記録データ圧縮部により圧縮した後、第2の情報層にデータを記録するので、BD側の情報層で記録失敗等が発生しても、DVD側の情報層に指定時間分の録画を確実に行うことにより、画質は低下するが確実に情報を記録し、再生することができる。
また、Lr0、Lr1にバックアップしたデータは、変調方式、エラー訂正方式、スクランブルなどのDVDと同じフォーマットで記録し、かつLr0層、及びLr1層の光透過層厚は、0.6±0.3mmのところに配置することで、レガシーのDVD機器でも再生することが可能となり、例えばリビングに設置してある最新のBD据置レコーダで取った番組を持ち出して、そのまま車載のDVD機器で再生することが可能となり、その利便性は大きい。
本発明にかかる光ディスク装置は、複数の層からなる光ディスクの起動処理を行う際に、第1の情報層と、第2の情報層での各々の学習結果によって、情報層毎に独立に、記録禁止、再生禁止などの状態管理を行うので、複数層内の1つの層だけでも記録又は再生できるようになり、ユーザの利便性が向上し、特に留守録や急に記録を開始する場合などで有用である。
本発明は、円盤状の情報担体(以下、「光ディスク」と称する。)に対するデータの記録、及び光ディスクに記録と再生を行う光ディスク装置に関する。特に本発明は、複数の情報層を備える大容量の光ディスクに対して、効率的なディスクのエラー処理方法と、それを実現することのできる光ディスク装置に関している。
光ディスクに記録されているデータは、比較的弱い一定の光量の光ビームを回転する光ディスクに照射し、光ディスクによって変調された反射光を検出することによって再生される。
再生専用の光ディスクには、光ディスクの製造段階でピットによる情報が予めスパイラル状に記録されている。これに対して、書き換え可能な光ディスクでは、スパイラル状のランド又はグルーブを有するトラックが形成された基材表面に、光学的にデータの記録/再生が可能な記録材料膜が蒸着等の方法によって堆積されている。書き換え可能な光ディスクにデータを記録する場合は、記録すべきデータに応じて光量を変調した光ビームを光ディスクに照射し、それによって記録材料膜の特性を局所的に変化させることによってデータの書き込みを行う。
なお、ピットの深さ、トラックの深さ、及び記録材料膜の厚さは、光ディスク基材の厚さに比べて小さい。このため、光ディスクにおいてデータが記録されている部分は、2次元的な面を構成しており、「記録面」と称される場合がある。本明細書では、このような記録面が深さ方向にも物理的な大きさを有していることを考慮し、「記録面」の語句を用いる代わりに、「情報層」の語句を用いることとする。一般の光ディスクは、このような情報層を少なくとも1つ有している。なお、1つの情報層が、現実には、相変化材料層や、反射層などの複数の層を含んでいてもよい。
記録可能な光ディスクにデータを記録するとき、又は、このような光ディスクに記録されているデータを再生するとき、光ビームが情報層における目標トラック上で常に所定の集束状態となる必要がある。このためには、「フォーカス制御」及び「トラッキング制御」が必要となる。「フォーカス制御」は、光ビームの焦点の位置が常に情報層上に位置するように対物レンズの位置を情報記録面の法線方向に制御することである。一方、トラッキング制御とは、光ビームのスポットが所定のトラック上に位置するように対物レンズの位置を光ディスクの半径方向(以下、「ディスク径方向」と称する。)に制御することである。
従来、高密度・大容量の光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD−R、+RW、+R等の光ディスクが実用化されてきた。また、CD(Compact Disc)は今も普及している。現在は、これらの光ディスクよりもさらに高密度化・大容量化されたブルーレイディスク(Blu‐ray Disc;BD)などの次世代光ディスクの開発・実用化が進められつつある。
これらの光ディスクは、その種類に応じて異なる多様な物理的構造を有している。例えば、トラックの物理的構造、トラックピッチ、情報層の深さ、即ち光ディスクの光入射側表面から情報層までの距離などが異なるものがある。このように物理的な構造の異なる複数種類の光ディスクから適切にデータを読み出し、又は、データを書き込むためには、光ディスクの種別に応じた開口数(NA)を有する光学系を用いて、適切な波長の光ビームを光ディスクの情報層に照射する必要がある。
近年、大容量の記録媒体として厚さ方向に2層の情報層を持つ光ディスクが登場し、この光ディスクに対応した光ディスク装置が広く市場に出回るようになってきた。
光ディスクの記録・再生を行うために必要なサーボ制御・信号の最適な状態は、光ディスク装置や光ディスク毎の特性のばらつき、記録・再生を行う際の温度条件などによって異なる。このため、光ディスクの情報層の記録・再生を行う際には、「起動処理」と呼ばれるサーボ(制御)・信号(記録)の初期調整を所定の手順で行う必要がある。起動処理を行うことにより、光ディスクの情報層の記録・再生を最適な状態で行うことが可能となる。しかしながら、ディスクの初期特性やアーカイバル特性上の問題、又は書き換え回数による劣化などの種々ファクタによって起動時に記録パワーや、サーボ調整エラーなどが発生することがある。
従来の特許文献1では、上記課題の一部を解決する技術を開示している。図15は、特許文献1に開示されている起動時の試し書きにエラーが所定回数以上発生した場合に、記録を禁止するような手順を含むフローチャートである。この技術を応用することで、記録エラーが出ても、そのディスクにおいては再生のみを実行させることによって、そのディスクの再生特性の劣化や、誤記録などの進行の可能性を遮断し、ユーザの手によってHDDなどの異なるメディアへのバックアップなどが促進できるようにしていた。
特開平6−36474号公報 米国特許第611533号公報
上記の従来技術では、2層、又は多層ディスクに適用した場合は、情報層毎に初期調整が行われることになるため、起動処理に要する時間が増大するとともに、ディスクの品質や特性上の問題、又は書き換え回数などの種々のファクタによって起動調整エラー、起動学習エラーが発生することがある。その確率は、情報層の数だけ上がっていく。具体的には、サーボのフォーカス、トラッキングに関する調整エラーは、起動停止させ、また試し書きでの記録パワーや、記録補償値である変調パルスの幅などが、所定値よりオーバするエラーが発生すると、所定の回数リトライし、それでもリカバリできない場合は、記録禁止させ、また重大なエラーの場合は起動停止させるようにしているが、このようにしていると、多層メディアほど起動エラーでの停止や、記録禁止となる頻度が多くなるという課題がある。
例えば2層ディスクの場合でも、容量の1/2にあたる1層目で全ての学習が正常に完了していても、2層目で学習が正常に完了しなかった場合は、2層目のみならず1層目にも記録することはできず、特にBDなどのように1層あたり25GBと大容量となると、1層目だけでもデジタルハイビジョン放送を2時間以上記録できるにもかかわらず、そのディスクを丸ごと記録不可にしていた。
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、各情報層の状態を情報層毎に管理し、それぞれの層で、再生又は記録動作を速やかに開始できるようにし、ディスクを有効に使用することができる光ディスク装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の光ディスク装置は、M(M≧2)個の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記M個の情報層のうち、少なくとも1つの情報層に対して、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、前記M個の情報層の各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、前記管理部は、前記制御部が行う学習結果に応じて、前記各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記制御部が、起動時に、前記各情報層のパラメータ群の値を決定できた場合には、前記管理部は、該決定できた各情報層のパラメータ群の値に応じて、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記制御部が、起動時に、前記情報層のいずれかでパラメータ群の値を決定できなかった場合には、前記管理部は、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記再生部が、起動時に、前記各情報層の特定の領域に記録された前記光ディスク又は前記情報層に特有の値が読めなかった場合には、前記管理部は、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記各情報層のパラメータとして、球面収差又はフォーカス制御に関するパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記各情報層のパラメータとして、記録パワー又は記録補償値に関するパラメータのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクの記録禁止又は再生禁止の層を飛ばして層間ジャンプを行い、データの記録、再生を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクのM個の情報層のうち、R(1≦R≦M)個の情報層にフラグが設定され、前記光ディスク装置が起動したとき、前記R個の情報層のうちのいずれかN(N≦R)個の情報層で、前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、該決定できなかった情報層を前記フラグによって隠蔽して、前記光ディスクを、(M−N)層ディスクとして、制御することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクが、2層の情報層を備える2層ディスクであり、前記2つの情報層のうち、前記光ディスクの光入射面から近い側の層で前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、前記光ディスクを、単層ディスクとして、制御することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記制御部が決定した前記各情報層の前記パラメータ群の値、及び前記制御部が前記各情報層の前記パラメータ群の値が決定できたか否かの情報を、前記光ディスクの所定の領域に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスク装置が起動したとき、前記R個の情報層のうちのいずれかN(N≦R)個の情報層で、前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして識別するための情報を、前記パラメータ群の値が決定できた情報層のうちのいずれかの情報層の所定の領域に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記管理部が設定した、前記各情報層の記録禁止、又は再生禁止の情報を、前記光ディスクの所定の領域に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、追記型の前記光ディスクの作製を完了させる処理を行うファイナライズ処理部をさらに備え、前記ファイナライズ処理部が、追記型の前記光ディスクの未記録領域に任意のデータを埋め込み、追記型の前記光ディスクの作製を完了させることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして、制御する場合、前記(M−N)層ディスクの情報層のうちの、前記パラメータ群の値が決定できた情報層の先頭の論理アドレスを、前記(M−N)層ディスクの開始アドレスとして、データの記録、再生を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして、データの記録、再生を制御する場合、前記(M−N)層ディスクの情報層のうちの、前記パラメータ群の値が決定できた層の最終論理アドレスを、前記(M−N)層ディスクの最終アドレスとして、データの記録、再生を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの再生を実行することができるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記光ディスクの識別を行う識別処理部とを備え、前記光ディスクの所定領域には、前記各情報層に対してデータを再生するために設定されるパラメータ群の値、及び前記各情報層に対してパラメータ群の値が決定できたか否かを示す識別情報が記録され、前記識別処理部は、前記識別情報を読み出して前記光ディスクを識別することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクに、前記識別情報として、前記M個の情報層のうちのいずれかN個の層(M>N)で前記パラメータ群の値が決定できなかったことを示す情報が記録されている場合、前記光ディスクを(M−N)層ディスクとして、制御することを特徴とする。
本発明の光ディスクは、予備の層を含むM個(M≧2)の層が積層されてなることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、前記M個の層として、該光ディスクの規格又は仕様上決められた層と、予備の層とを含み、所定の領域に、前記光ディスクの規格又は仕様上決められた層の数と、前記予備の層の数とを含む実際に積層された層の数を示す情報が記録されることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、前記M個の層のうち、N(M>N)個の層で、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値が決定されなかった場合に、(M−N)層ディスクとして識別されるための情報が記録されることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、パラレルトラックパス方式の多層ディスクであることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、オポジットトラックパス方式の多層ディスクであることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの再生を実行することができるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記光ディスクの層数を識別する規格層識別部とを備え、前記光ディスクは、予備の層を含むM個(M≧2)の層が積層され、前記M個の層として、該光ディスクの規格又は仕様上決められた層と予備の層とを含み、所定の領域に、前記光ディスクの規格又は仕様上決められた層の数と、前記予備の層の数とを含む実際に積層された層の数を示す情報が記録されるものであり、前記規格層数識別部が、前記層数に関する情報から、規格又は仕様上決められた層の数を識別し、前記規格層数識別部により識別された規格又は仕様上決められた数の層のみをデータの再生に使用することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記光ディスクにおける、規格又は仕様上決められた層数の層のみのアドレスを用いて、不連続な物理的なアドレスを、連続した論理的なアドレスへ変換するアドレス変換処理部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記アドレス変換処理部が、前記光ディスクのトラックパスが互い違いのトラックパスになるように、規格又は仕様上決められた層数の層のみのアドレスを用いて、不連続な物理的アドレスを、連続した論理アドレスに変換することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行するものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記M個の情報層の各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータを、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記データ録再管理部が、前記各情報層にバックアップデータを記録する際に、前記記録データと前記バックアップデータとを同一にし、かつ、前記記録データの前記情報層への記録位置と前記バックアップデータの前記情報層への記録位置とを同一にするミラー記録を行うことを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、互いに物理的構造の異なるM個(M≧2)の情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできるものであって、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、前記M層の情報層の各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータを、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記記録データを圧縮する記録データ圧縮部をさらに備え、前記データ録再管理部は、前記各情報層への記録データを前記記録データ圧縮部により圧縮した後、前記バックアップデータを記録することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録した記録データが再生できない場合に、前記記録データに対応するバックアップデータを再生することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、前記バックアップデータが、前記バックアップデータを記録した情報層のみ再生可能な光ディスク装置でも再生可能な記録フォーマットとすることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、互いに物理的構造の異なるM個(M≧2)の情報層を備えるものであって、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータが、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録され、前記バックアップデータが、前記バックアップデータを記録した情報層のみ再生可能な光ディスク装置でも再生可能な記録フォーマットで記録され、前記バックアップデータを記録する情報層の光透過層厚は、0.6mm±0.03mmであることを特徴とする。
本発明のディスク装置によれば、複数の情報層を備える光ディスクの記録・再生を行う光ディスク装置において、該装置の起動時に行う各種パラメータの調整又は学習が、各層で正常に完了したか、調整又は学習の収束値は適正なものかどうかの状況に応じて、記録も再生も可能となる層、記録は不可能で再生は可能となる層、記録も再生も不可能となる層という各情報層の状態を、情報層毎に的確に管理するので、留守録時などで起動エラーによる番組の取り逃し、録画期間の喪失などを低減するとともに、使いやすさを向上し、ディスクを有効に使用することができる効果が得られる。さらに今後、3層、4層の情報層を持った光ディスクが登場してくると、各層毎に記録再生の有効状態を管理、実行する発明の効果は、いっそう顕著になる。
また、本発明の光ディスクによれば、予備の情報層を積層するので、光ディスクに使用不可能な情報層が存在した場合でも、予備の情報層を用いて、規格又は仕様上の容量を損なわずに記録、再生することができる。また、該光ディスクに、規格又は仕様上決められた層数と、予備の情報層も含めた実際の層数とを記録しておくことで、光ディスク装置が比較的短時間で規格又は仕様上の層数を認識することができる。
また、本発明の光ディスク装置によれば、各情報層に記録する記録データのバックアップを、前記記録データを記録する情報層とは異なる情報層に記録するので、何らかの要因で、ある情報層への記録が失敗した場合や、記録したデータが再生できなくなった場合等においても、該データのバックアップデータを別の情報層から再生することができ、データの記録、再生の信頼性を向上させることができる。
本発明における光ディスクは、M個(M≧2)の積層された情報層を備えた多層光ディスクであり、各情報層には、「層別調整結果格納領域」が設けられている。
この層別調整結果格納領域は、自層で行った調整、学習結果のみならず、起動シーケンスによって他層で行った調整、学習結果がわかっている場合は、それらも併せて格納してする。したがって第1層から第n層まで順次学習して立ち上げるとすると、第1層は自層である第1層の学習結果、第2層はその前に学習を行なった第1層と自層である第2層の学習結果、第3層はその前に学習を行なった第1層、第2層と、自層である第3層の学習結果を格納し、第n層の層別調整結果格納領域には、全ての情報層の学習結果が格納されている。
起動時の学習とは、記録・再生の対象となる情報層である目的情報層における光ビームの集束状態を最適化するための、フォーカス位置、球面収差の補正量、レンズチルト補正量、サーボループゲイン、フォーカス、及びトラッキング制御のオフセット補正量、及び、記録を行うためのレーザパワー及びレーザ変調パルス信号の信号幅・間隔において、最適なパラメータを算出することである。
本発明の実施の形態においては、上記学習の中で記録と再生の両方に影響するフォーカス位置、及び球面収差補正量の学習を行う実施の形態1と、記録に影響する記録パワーの学習を行う実施の形態2を、例に挙げて説明を行う。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を説明する前に、まず、球面収差及びフォーカス位置に依存する光ビームの集束状態を最適化するために必要な情報について、説明する。
まず、一般的な光ディスク201と、対物レンズ202との配置関係について、該配置関係を模式的に示す斜視図である図1を参照して説明する。
図1において、対物レンズ202によって集束された光ビーム22は、光ディスク201の光入射側表面201aから光ディスク内部の情報層に照射され、情報層上に光ビームスポットを形成する。本発明で使用する光ディスク201の一例は、図2に示すように、光入射側表面201aから相対的に深い位置に設けられた第1の情報層(L0層)と、相対的に浅い位置に設けられた第2の情報層(L1層)とを備えているため、記録再生の対象となる情報層(L0層又はL1層)に適確に光ビーム22を集束するためには、対物レンズ202の光軸方向位置や情報面に対する光軸の傾斜角度を適宜調整する必要がある。
前述した各種の光ディスク201のうち、特にBDでは、開口数(NA)の高い対物レンズを使用して光ビーム22を集束するため、信号の再生品質が「球面収差」の影響を受けやすい。この球面収差を最小化するためには、BDに対応した光ディスク装置ではBDを光ビーム22で照射する構成であるため、光源(図示せず)と対物レンズ202との間に球面収差を補正する球面収差補正部260を設ける。
球面収差は、図3(a)に示すように、対物レンズ202の中心部を通過する光線と、対物レンズ202の周辺部を通過する光線との間で、焦点の位置が光軸方向に沿ってずれる現象であり、ずれの大きさ自体を「球面収差」と称する場合がある。球面収差は、光ビーム22の波長、対物レンズ202の開口数、光ディスク201の透過層厚、すなわち、ディスク表面から情報層までの距離によって変化する。特に、球面収差は開口数に大きく依存し、開口数の4乗に比例して変化する。このため、DVDやCDに比べて開口数の大きな対物レンズを用いるBDでは、球面収差が特に大きくなりやすく、その低減が不可欠である。
なお、本出願における「透過層厚」の用語は、上述のように、光ディスク201の光入射側表面201a(以下、「ディスク表面」と称する。)から情報層までの距離、言い換えると、「ディスク表面からの情報層記録層の深さ」を意味するものとする。1層の情報層を備える単層BDの場合、情報層は厚さ0.1mm(約100μm)のカバー層によって覆われているため、「透過層厚」は一義的に定まり、その大きさは0.1mmである。2層の情報層を備える2層BDの場合、ディスク表面から遠い情報層(L0層)の上に厚さ約25μmの光透過層が設けられており、その光透過層の上に情報層(L1層)が配置されている。このL1層は、厚さ約75μmの他の光透過層であるカバー層によって覆われている。このため、2層BDでは、L0層に着目した場合の「透過層厚」は約100μmであるが、L1層に着目した場合の「透過層厚」は約75μmである。
球面収差の大きさは、同じBD規格に基づいて作製された光ディスク201であっても、透過層厚が異なっていたり、光ビーム22の光軸が情報層に対して傾斜(チルト)するだけで変化する。このため、光ディスク装置によってロードされた光ディスク201に応じて、球面収差を最小化するように球面収差補正部260を制御し、収差補正量を最適化することが必要になる。図3(b)は、球面収差補正部260により球面収差が完全に補正された状態を、模式的に示している。
図4(a)は、光ディスク201の表面から相対的に浅い位置にある情報層上で球面収差が最小化されている様子を示し、図4(b)は、光ディスク201の表面から相対的に深い位置にある情報層上で球面収差が最小化されている様子を示している。このように、光ディスク201の表面から情報層までの距離が変化すると、球面収差補正部260の働きにより対物レンズ202に入射する光ビ−ム22の発散度を調整することによって、情報層上での球面収差を最小化する必要がある。
球面収差補正部260は、対物レンズ202に入射する光ビ−ム22の発散度を調整するために、例えば図5(a)、(b)に示す収差補正レンズ262を備えており、その光軸方向位置を変化させることにより光ビ−ム22の発散度を変化させ、最終的に情報層上における球面収差を調節することができる。
図5(a)に示す状態では、対物レンズ202から収差補正レンズ262を遠ざけることにより、光ディスク201の深い位置にあるL0層で球面収差を最小化している。
一方、図5(b)に示す状態では、対物レンズ202に収差補正レンズ262を近づけることにより、光ディスク201の浅い位置にあるL1層で球面収差を最小化している。
図5(c)に示すように、収差補正レンズ262の位置を制御することにより、球面収差が最小化される情報層の深さを変化させることができる。駆動中心に対して1.66mmだけ対物レンズ202から遠い位置に収差補正レンズ262を置くとき、L0層上で球面収差を最小化できる。一方、駆動中心に対して1.11mmだけ対物レンズ202に近い位置に収差補正レンズ262を置くときは、L1層上で球面収差を最小化できる。
ここでは、光ディスク表面からL0層までの距離又は深さは、「透過層厚100μm」と表され、光ディスク表面からL1層までの距離又は深さは、「透過層厚75μm」と表される。
したがって、光ビーム22の焦点をL1層に位置させる場合には、対物レンズ202の光軸方向位置を調整するだけではなく、透過層厚75μmに適合した収差補正を行なうために、収差補正レンズ262を駆動中心から対物レンズ側に1.11mm移動させる必要がある。そして、光ビーム22の焦点をL1層からL0層に移動させる場合には、対物レンズ202の光軸方向位置を調整するとともに、透過層厚100μmに適合した収差補正を行なうために、収差補正レンズ262を駆動中心に対して1.66mmだけ対物レンズ202から離れる位置に移動させるようにする。このとき、単に対物レンズ202の位置だけを調節し、収差補正を適切に行なわなかったとすると、L0層に集束する光ビーム22の球面収差が大きくなってしまう。
このようにBDでは、光ビーム22の集束点を目的情報層上に位置させるように対物レンズ202の位置を調整するだけでなく、その情報層において収差補正を最小化するように収差補正レンズ262の位置を調整する必要がある。
したがって、上記の例では、対物レンズ202の光軸方向位置、及び収差補正レンズ262の光軸方向位置が、光ビーム22の集束状態を規定する重要なパラメータとなる。本出願では、光ピックアップ内における対物レンズ202の光軸方向位置を、「フォーカス位置」又は「デフォーカス量」と称する場合がある。また、収差補正レンズ262の光軸方向位置を、「収差補正位置」又は「収差補正量」と称する場合もある。
なお、「デフォーカス量」は「フォーカスバランス」と称されることがあるため、本出願では、光ピックアップ内における対物レンズ202の光軸方向位置を「FBAL」で示す場合がある。また、収差補正レンズ262は、光ビーム22を広げるビームエキスパンド機能を有するため、「収差補正位置」又は「収差補正量」を、簡略的に「BE」と表現する場合がある。
また、対物レンズ202の光軸の向きの制御は、チルト制御と称されている。
対物レンズ202の光軸の向きの初期値は0°であるが、光ディスク201の情報面が対物レンズ202の光軸に対して垂直な面から傾斜している場合は、その傾斜角度に応じて対物レンズ202の光軸の向きを傾斜させる必要がある。このため、チルトの角度も光ビーム22の集束状態に影響を与えるパラメータの1つである。
光ビーム22の集束状態に大きな影響を及ぼす上記パラメータの値は、以下の表1に示す各種の要因によって変動し、この変動要因は、光ディスク装置に依存する要因、光ディスク201に依存する要因、及び使用環境に依存する要因に分けることができる。
Figure 2008146459
多層光ディスクに対して、実際にデータを記録したり、既に記録されているデータを再生するためには、光ディスク装置の起動直後、個々の情報層について、光ビーム22の集束状態を最適化するための調整を行う必要がある。すなわち、光ディスク装置にロードされた光ディスク201に応じて、「フォーカス位置(FBAL)」及び「収差補正位置(BE)」の値を調整し、対物レンズ202及び収差補正レンズ262の光軸方向位置を最適化する必要がある。
このようなレンズ位置の調整及び決定は、「学習」とも呼ばれ、レーザパワーの最適化など起動時に行う他の処理とともに、「起動処理」として実行される。
そして、このような調整、又は学習を行うことによって得た各情報層に関するFBAL及びBEの値は、その光ディスク201に記録するか、又は、光ディスク装置のメモリ内に保存され得るが、光ディスク201や光ディスク装置が変わると、あらためて調整又は学習を行う必要があり、同一の光ディスク201及び光ディスク装置であっても、起動のたびに光ディスク201の各情報層について、フォーカス位置及び収差補正位置の調整を行う必要がある。
よって、1枚の光ディスク201に含まれる情報層の数が2層以上に増えてゆくと、従来技術の問題として説明したように、1層目は調整OK、2層目は調整エラーになって起動停止となったり、1層目が調整エラーの場合には、たとえ2層目で調整OKとなる可能性があっても、その時点で起動エラーとして起動停止したりすることとなったりして、2層とも調整OKでないと、記録又は再生動作に移行することができなかった。
例えば、
1)1層目のL0層の厚みむらが少なく、2層目のL1層の厚みむらが多い
2)光ディスクの表面に塵や埃が付着し表面に近い側の2層目のL1層が影響を顕著に受ける
3)中間層の反射率が低い、すなわち透過率が高いため、1層目のL0層のパワーには余裕があるが、2層目のL1層には余裕がない
などの状況、条件を考慮すると、通常、1層目のL0層では、フォーカス位置及び球面収差の学習は正常に完了するが、2層目のL1層では、フォーカス位置や球面収差の学習が失敗し、さらにディスク要因によるジッタ劣化やパワーマージンの欠乏が想定され、記録パワーの学習を行ったとしても所定パワーをオーバすることが予想される。よって、フォーカス位置、及び収差補正位置の調整値が想定値をオーバした場合は、1層目のL0層は記録許可状態に、2層目L1層は記録禁止とする。
また、2層目のL1層で、フォーカス位置及び収差補正位置の調整途中でトラッキングサーボが外れるなどのエラーが発生し、調整ができなかった場合は、調整値を初期値に戻した後、2層目のL1層は、記録も再生も不可の状態に設定する。なお、この場合は、光ディスクを、単層ディスクとして取り扱うようにしてもよい。
なお、2層以上の多層ディスクの場合も同様にして、2層目のL1層、3層目のL2層、・・・、又はN層目のL(N−1)層でNGの場合、1層目L0層の単層ディスク、1層目L0層と2層目L1層の2層ディスク、又は、1層目L0層と2層目L1層と(N−1)層目L(N−2)層の(N−1)層ディスクとして取り扱うようにしてもよい。
また、その情報は、「層別学習結果領域」に保存し、その結果に従って、記録は1層目のみで、また、再生は1層、2層の両方で行うものとして、そのディスクを管理するようにしたものである。従って、たとえばBDディスクに留守録をする場合には、単層ディスクと同じ容量である録画時間までは、何らの支障もなくこの留守録を実行することができる。
また、再生専用のプレイヤーは、上記層別学習結果領域を読み込み、もし2層目でフォーカス位置、球面収差の学習を失敗していれば、該ディスクを単層ディスクとするようにしたものであり、これにより、容易に扱うことができる。
次に、上記の構成を具体的に実現する本発明の実施の形態1による光ディスク装置について説明する。図6は、本実施の形態1の光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。
図6に示される本実施の形態1の光ディスク装置100は、ロードされた光ディスク201を回転させるディスクモータ214と、光ディスク201に光学的にアクセスする光ピックアップ215と、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部90とを備えている。
光ピックアップ215は、図示しないレーザ光源から放射された光ビーム22を、光ディスク201に集束するための対物レンズ202と、光ディスク201から反射された光ビーム22を受けて各種の電気信号に変換する受光部205とを備えている。対物レンズ202と、受光部205との間には、球面収差位置調整部204が配置されている。球面収差位置調整部204は、光軸方向に移動可能な収差補正用レンズ(図5参照)を備えた装置であり、光ビーム22の集束・発散状態を調整することにより、光ディスク201の情報層における光ビーム22の収差を小さくすることができる。
受光部205から出力された電気信号は、フォーカス誤差生成部208に供給され、フォーカスエラー信号(FE信号)が生成される。同様に、受光部205から出力された電気信号は、トラッキング誤差生成部209、及び信号再生部210へ供給され、それぞれ、トラッキングエラー信号(TE信号)、再生信号(RF信号)が生成される。RF信号は、データ再生部211に供給され、データ再生部211は、RF信号に基づき光ディスク201に記録された情報を復号し、システム制御部213へ送る。システム制御部213は、信号再生部210や、データ再生部211から供給された信号を基に、ユーザデータの再生やジッタなどの信号品質の指標となる値の算出を行う。
FE信号は、例えば一般に非点収差法と呼ばれるフォーカス誤差検出方式によって生成することができる。また、TE信号は、例えば一般にプッシュプル法と呼ばれるトラッキング誤差検出方式によって生成することができる。FE信号、及びTE信号は、サーボ制御部212に供給され、対物レンズ202と、光ディスク201の記録面との相対距離を一定に保つフォーカスサーボ制御や、光ディスク201のトラック上にレーザ照射位置を追従させるトラッキングサーボ制御が行われる。サーボ制御部212からの制御信号は、アクチュエータ駆動部206に供給される。
アクチュエータ駆動部206は、光ピックアップ215に設けられた対物レンズ202のアクチュエータ203に駆動信号を送出し、対物レンズ202のアクチュエータ203を駆動する。すなわち、サーボ制御部212は、上記誤差信号により対物レンズ202のアクチュエータ203を作動させ、対物レンズ202を駆動することによって、フォーカス制御、トラッキング制御のサーボループが形成され、サーボ制御が実行される。
球面収差位置調整部204は、球面収差位置駆動部207からの駆動信号により収差補正量を変更し、それによって球面収差補正を実行する。
システム制御部213は、対物レンズ202の焦点位置を光ディスク201に接近離間せしめる三角波のフォーカスアップダウン信号を生成してサーボ制御部212へ送る。サーボ制御部212、及びアクチュエータ駆動部206は、フォーカスアップダウン信号に応じて対物レンズ202の焦点位置を、光ディスク201に接近離間させる。また、システム制御部213は、ディスクモータ214に対して回転指示や停止処理を行ったり、回転数の設定を行ったりすることで、ディスクモータ214の回転制御を行っている。
調整パラメータ処理部216は、L0層の調整結果を、すなわち調整が正常完了したかどうかを、また調整されたフォーカス位置や、球面収差の値が適切であるかどうかを判断し、L0層を、記録又は再生の、禁止又は許可にステータスフラグを設定し、L0層の起動を完了して、L1層の調整処理を継続する。
ここで、本実施の形態1においては、調整パラメータ処理部216はシステム制御部213に含まれているが、この調整パラメータ処理部216は、サーボ制御部212に含まれていてもよいし、独立した構成要素であってもよい。また、該調整パラメータ処理部216は、システム制御部213や、サーボ制御部212を構成する制御プログラムの一部によって実現されていてもよい。
次に、図7を参照しながら、本実施の形態1における光ディスク201の起動処理手順と、調整エラーが起こった場合の処置手順を、フォーカス、球面収差の調整を例にあげて説明する。図7は、本実施の形態1の光ディスク装置100を用いて光ディスク201の起動処理を行う手順を示したフローチャートである。
まず、ステップ701では、システム制御部213からディスクモータ214に対して回転数の設定と、回転開始指示を行う。
ステップ702では、図示していないレーザ光源から、光ディスク201に対してレーザの照射を開始する。ステップ703では、サーボ制御部212によりフォーカスサーボ制御を有効にする。
ステップ704では、TE信号の振幅やバランスが最適になるように、TE信号の調整を行う。
ステップ705では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ706では、対物レンズ202のアクチュエータ203によりフォーカス位置を調整し、球面収差位置調整部204により球面収差補正位置を調整する。この調整は、情報層における光ビーム22の集束状態をデータ再生のために最適化する調整である。
このフォーカス位置/球面収差補正位置調整(FBAL/BE調整)は、例えば、光ディスク201の光透過層の厚みばらつき(100μm±5μm)、また、レーザの波長ばらつき、さらにその温度変動による球面収差発生を吸収するものである。しかし、光ディスク201が想定以上にばらついたり、使用環境が厳しく、高い又は低い温度であった場合には、その調整値が、例えば、厚み換算で110μmといった、非常に高い値となったり、実際の調整時にフォーカス位置や球面収差補正位置の最適な点を探索するために、正負に揺動したときにTE信号、FE信号、又はRF信号の品質が悪くなり、調整途中でサーボが外れたり、又はアドレスリードができず現在位置がわからなくなったりして、調整エラーを生じることとなる。
ステップ707では、その調整が正常に完了したどうかを判断し、ステップ708で、サーボ外れなどで異常終了する場合には、L0層にリードプロテクト(録再禁止(記録禁止かつ再生禁止))のフラグを立てる(ステップ708)。
さらにステップ709では、正常終了した場合でも、調整値が大きく、記録パワーのマージン不足が十分想定される数値、例えば、球面収差が、基材厚90μm以下、110μm以上であるのであれば、ライトプロテクト(記録禁止かつ再生許可)のフラグを立てる(ステップ710)。
調整値は正常な場合は、ステップ711に進み、管理領域上にある「層別調整結果格納領域」に学習結果と、リード、ライトプロテクトOFFの状態を記録する(ステップ712)。
次に、ステップ713で、光ディスク201に記載されているコントロールデータを取得する。コントロールデータとは、例えば、ディスク種別や、ディスクに対するディスクメーカの推奨する記録再生に用いるパラメータである。
ステップ714では、そのコントロールデータが取得できたかどうかを判断している。コントロールデータが取得できなかった場合は、調整が失敗した場合と同様に、データ部の再生も保証することは困難であると判断し、L0層をリードプロテクトにする(ステップ715)。
正常終了した場合は、ライトプロテクトなしで記録可能(記録許可かつ再生許可)状態にし、球面収差の調整値が所定範囲に入らなかった場合は、ライトプロテクトで再生専用(記録禁止かつ再生許可)状態にし、調整途中でエラーとなったり、コントロールデータが取得できなかったりした場合は、リードプロテクト、すなわち記録も再生も禁止(記録禁止かつ再生禁止)状態でトラッキングをOFFし(ステップ716)、アクチュエータ203と、球面収差位置調整部204を駆動して、光ビームスポットを、L0層からL1層へ層間移動する(ステップ717)。
ステップ718では、層間移動した後のL1層で、TE信号の振幅やバランスが最適になるように、TE信号の調整を行う。
ステップ719では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ720では、L0層の場合と同様に、対物レンズ202のアクチュエータ203によりフォーカス位置を調整し、球面収差位置調整部204により球面収差補正位置を調整する。
ステップ721では、その調整が正常に完了したどうかを判断し、サーボ外れなどで異常終了した場合は、L1層にリードプロテクトのフラグを立てる(ステップ722)。
さらにステップ723では、正常終了した場合でも、調整値が大きく、記録パワーのマージン不足が十分想定される数値、例えば、球面収差が、基材厚65μm以下、85μm以上であるのであれば、ライトプロテクトのフラグを立てる(ステップ724)。
調整値が正常な場合は、ステップ725に進み、L1層の管理領域上にある「層別調整結果格納領域」に、L0層、L1層それぞれの学習結果と、L0層、L1層のリード、ライトプロテクトOFFの状態を記録する(ステップ726)。
次にステップ727で、光ディスク201のL1層にも記載されているコントロールデータを取得する。
ステップ728では、そのコントロールデータが取得できたかどうかを判断している。コントロールデータが取得できなかった場合は、調整が失敗した場合と同様に、データの記録だけでなく再生も保証することは困難であると判断し、L1層をリードプロテクトにする(ステップ729)。
その後、ステップ730、731で、L0層もリードプロテクトであったかどうかを判断し、L0層もL1層もリードプロテクトの場合は、いずれの動作もできないので、所定のエラーコードをホスト(図示せず)に返送して、起動をSTOPする。
また、L0層はリードプロテクトであるが、L1層はライトプロテクトの場合には、L1層からL0層への層間移動をせず、またL1層もL0層も、正常終了、又はライトプロテクトの場合には、層間移動をして、所定のトラック、通常はアドレス0付近で待機状態(READY)となる(ステップ732〜733)。
また、各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報、又は調整結果等は、その光ディスクの層別調整結果格納領域といった所定の領域に記録しても良い。
また、例えば、1層目が記録、再生ともに禁止の時、1層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を2層目に記録しても良い。又は逆に2層目が記録、再生ともに禁止の時、2層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を1層目に記録しても良い。
以上のように、本実施の形態1による光ディスク装置100は、光ビーム22を集束する対物レンズ202と、対物レンズ202を駆動するレンズアクチュエータ203と、光ディスク201で反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部205と、前記第1の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第1のパラメータ群、及び前記第2の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第2のパラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、2層ディスクの場合には、球面収差補正、フォーカス位置調整を、各情報層で行い、何れか1つの層でディスクのばらつき、ディフェクトなどのエラーが発生しても起動を異常終了させず、もう一方の正常調整を完了した層は記録可能となるように設定処理を情報層毎に行うようにしたので、録画期間の喪失などを低減させ大容量メディアの使用可能な情報層を有効に機能させることができ、かつ、留守録など人的操作で確認ができない状況の場合において、起動エラーによる番組の取り逃しを防止することができる。
なお、本実施の形態1では、球面収差、フォーカス位置の調整を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は、通常、装置の起動処理には、球面収差、フォーカス位置以外にも、各層毎にディスクの反りや、垂れに対してレンズを最適に傾けるチルト調整や、図7に示したようなTE調整をも実行していることから、これらの調整が失敗したり、調整値が不適切であったりしてエラーが発生した場合においても、同様に適用することができ、そのエラーが発生した層のみを記録又は再生の、禁止又は許可にすることができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1は、主にディスクの物理特性、すなわち層の厚みばらつきや、チルトのばらつきによって発生する球面収差、コマ収差や、それに依存するフォーカス位置の調整エラーが、多層ディスクの何れか1つの層で発生した場合に、これに対処する方法を提供するものであったが、本発明の実施の形態2は、記録膜の特性ばらつきで主に発生する記録パワー学習や、記録補償学習のエラーが、多層ディスクの何れか1つの層で発生した場合に、これに対処する方法を提供するものである。
以下、本実施の形態2による光ディスク装置について説明する。
図8は、本実施の形態2の光ディスク装置200の構成を示すブロック図である。図8において、図6の実施の形態1の光ディスク装置100と同様の構成要素については、同じ番号を付し、詳細な説明を省略する。
図8に示される本実施の形態2による光ディスク装置200は、ロードされた光ディスク201を回転させるディスクモータ214と、光ディスク201に光学的にアクセスする光ピックアップ215と、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部190とを、備えている。
光ピックアップ215は、半導体レーザ301から放射された光ビーム22を、光ディスク201に集束するための対物レンズ202と、光ディスク201から反射された光ビーム22を受けて各種の電気信号に変換する受光部205とを備えている。また、ホスト310からの転送データをパルス変調して、光ディスク201へ記録するための半導体レーザ301を備えている。半導体レーザ301は、複数の波長のものが搭載されることもあり、光ディスク201に応じてその波長を切り換える。
受光部205から出力された電気信号は、フォーカス誤差生成部208に供給され、フォーカスエラー信号(FE信号)が生成される。同様に、受光部205から出力された電気信号は、トラッキング誤差生成部209、及び信号再生部210へ供給され、それぞれ、トラッキングエラー信号(TE信号)、及び再生信号(RF信号)が生成される。RF信号は、データ再生部211に供給され、データ再生部211は、RF信号に基づき光ディスク201に記録された情報を復号し、システム制御部213へ送る。
システム制御部213は、調整パラメータ処理部216と、サーボ制御部212と、記録制御部303と、IF部305とを備える。システム制御部213は、ホスト310から転送されたデータや、映像音声情報などを、IF部305を介して記録制御部303で所定の記録信号に変調する。
レーザ駆動部302は記録制御部303からの記録信号に基づいて、半導体レーザ301を制御して、記録パワーを調整する。半導体レーザ301は調整した記録パワーで、光ディスク201のトラック上に記録マークを形成する。
記録方式は、最近ではCD−R、DVD−Rで代表される有機色素膜への追記方式と、DVD−RWや、DVD−RAMに代表される相変化膜への書換方式とが一般的である。
それらの記録信号は、図9(b)に示すような光出力であり、半導体レーザ301は、変調方式で一律決定される書き込む信号マーク、例えば、DVDであれば、8−16変調で3Tから14Tの信号マークの長さに応じて、必要なパルス数、パルス高さ、パルス幅を、レーザ駆動部302と、記録制御部303の制御に基づいて実現し、図9(a)のように、トラック上に信号マークを形成していく。
ここで、記録膜の特性や、半導体レーザ301を含む光学ピックアップのばらつき、及び光ディスク201の情報層の厚みのばらつきから発生する球面収差や、ディスクチルトによるコマ収差、又は面ぶれや、温度変化によって発生するフォーカスずれが存在しても、正しく記録を行う、すなわち、信号マークを形成するために、起動時に試し記録を行って最適な記録ができるように、光ディスク装置200は、図9で示すような記録パワーのパラメータであるピークパワーPwp、ボトムパワーPwb、バイアスパワーPwv、消去パワーPweなどを、最適になるように学習する記録パワー学習を行い、さらに、先頭パルス幅tsや、終端パルス幅teを、最適になるように学習する記録補償学習を行なう。
ここで、学習や、補正の方法としては種々の方法が実施されている。例えば、ディスクメーカがあらかじめ書き込んでいる記録条件を読み込んで、その値を基準値として、試し記録を数回行い、記録毎に信号再生部210、調整パラメータ処理部216によって、記録した信号の振幅やジッタなどを計測し、その値がベストになるようにパワーを振りながら処理を繰り返し決定する方法がある。また、同様に、記録補償学習の方法として、ディスクメーカがあらかじめ書き込んでいる記録条件を読み込んで、その値を基準値として試し記録を数回行い、記録毎に信号再生部210、調整パラメータ処理部216によって記録した信号の振幅やジッタなどを計測し、その値がベストになるようにパワーを振りながら処理を繰り返し決定する方法もあるが、ここでは、その詳細な説明は省略する。
通常、2層、又は多層ディスクの場合は、それぞれの層で記録膜の特性が異なるので、起動時に、あらかじめそれぞれの層をアクセスし、試し記録を行って学習を実施した後に、レコーダであれば、録画やダイビングなどの、また、PCであれば、保存や上書きなどの各動作に応じたデータの記録を開始する。
すなわち2層ディスクの場合は、L0層で試し記録を行って記録パワーであるピークパワーPwp、ボトムパワーPwbなどを最適になるように学習する記録パワー学習をおこない、その後、先頭パルス幅tsや終端パルス幅teを最適になるように学習する記録補償学習又は補正を実施した後に、L1層へ層間移動を行って、L1層でも試し記録を行って、記録パワーであるピークパワーPwp、ボトムパワーPwbなどを最適になるように学習する記録パワー学習をおこない、その後、先頭パルス幅tsや終端パルス幅teを最適になるように学習する記録補償学習又は補正を実施する。
ここで、L0層で、試し記録中にトラック飛びや、フォーカス外れなどのサーボエラーが生じたり、学習したパワー値や記録補償値が、所定の値より大きい値又は小さい値に収束したりした場合は、調整パラメータ処理部216は、上記したようにL0層の調整結果、すなわち調整が正常完了したどうか、また調整された記録パワーや記録補償値の値が適切であるかどうかを判断し、L0層を記録又は再生の、禁止又は許可にステータスフラグを設定し、L0層の起動を完了して、L1層の起動調整処理を継続する。L1層での記録学習でのエラー発生処理についても、また同様である。
また、本実施の形態2においては、調整パラメータ処理部216はシステム制御部213に含まれているが、この調整パラメータ処理部216はサーボ制御部212に含まれていてもよいし、独立した構成要素であってもよい。
また、調整パラメータ処理部216は、システム制御部213や、サーボ制御部212を構成する制御プログラムの一部によって実現されていてもよい。
次に、図10を参照しながら、本実施の形態2における光ディスク201の起動処理手順と、調整エラーが起こった場合の処置手順を、記録パワー学習、記録補償学習を、例にあげて説明する。
図10は、本実施の形態2の光ディスク装置200を用いて光ディスク201の起動処理を行う手順を示したフローチャートである。
まず、ステップ801では、システム制御部213からディスクモータ214に対して回転数の設定と、回転開始指示を行う。
ステップ802では、レーザ光源の半導体レーザ301から、光ディスク201に対してレーザの照射を開始する。
ステップ803では、サーボ制御部212によりフォーカスサーボ制御を有効にする。
ステップ804では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ805では、通常内周に位置しているコントロールトラックへアクセスし、ステップ806では、光ディスク201に記載されているコントロールデータを取得する。
コントロールデータとは、例えばディスク種別や、ディスクに対するディスクメーカの推奨する記録再生に用いるパラメータであり、そのうちの記録パワーと、記録補償値をリードして、次ステップで行う記録パワー学習、記録補償学習の初期値とする。
ステップ807では、上記コントロールデータのある領域の近傍に位置するPCA領域(Power Calibration Area)へ移動して試し記録を行い、記録パワー学習のあと、記録補償学習を1セットで実施する。
ステップ808では、それぞれの学習が正常に終了したかどうかを判断し、学習中のフォーカス飛びや、トラック流れが発生し、記録学習が正常終了しなかった場合は、ステップ809へ進んでL0層のライトプロテクトを設定する。
またステップ810では、使用環境が厳しく、高い又は低い温度であった場合や、ディスクの膜が繰り返しや、経時変化などによって劣化していた場合には、その調整値が、例えばBDの2層ディスクで、15mW以上、又は8mW以下のパワーであるような調整値に収束したり、該調整値が、開始や終端パルス幅が5ns以下といったあり得ない値となったりしたときに、正常な記録はできないと判断し、ステップ809へ進んで、L0層のライトプロテクトを設定する。
L0層の記録学習が正常に終了し、かつ学習値も、所定の範囲内に収束したときは、ステップ811、812で、管理領域へその結果を記録して、次のL1層への起動処理へと移行する。
なお、当然、学習が異常終了となった場合は、管理領域へは結果は書くことはできないが、L0層がライトプロテクトか否かの情報は、システム制御部213で管理している。
次にステップ813で、トラッキング制御をOFFし、ステップ814で、L0層からL1層へ層間移動を行う。
L1層に移動した後、ステップ815では、トラッキングサーボ制御をONにする。
ステップ816では、L1層の所定位置に位置しているコントロールトラックへアクセスし、ステップ817では、光ディスク201に記載されているコントロールデータを取得する。
コントロールデータとは、例えばディスク種別や、ディスクに対するディスクメーカの推奨する記録再生に用いるパラメータであり、そのうちのL1の記録パラメータ、すなわちパワーと、記録補償値をリードすることで、次ステップで行う記録パワー学習、記録補償学習の初期値とする。
なお、L0、L1の両層の記録パラメータがL0層のコントロールトラックにかかれている場合もあり、このときは、L1層でコントロールデータである記録パラメータを再度取得する必要はない。
ステップ818では、上記コントロールデータのある領域の近傍に位置するPCA領域(Power Calibration Area)へ移動して試し記録を行い、記録パワー学習のあと、記録補償学習を1セットで実施する。
L0層と同様に、ステップ819では、それぞれの学習が正常に終了したかどうかを判断し、学習中のフォーカス飛びや、トラック流れが発生し、記録学習が正常終了しなかった場合は、ステップ820へ進んで、L1層のライトプロテクトを設定する。
また、ステップ821では、使用環境が厳しく、高い又は低い温度であった場合や、ディスクの膜が繰り返しや、経時変化などによって劣化していた場合には、その調整値が、例えばBDの2層ディスクで、15mW以上、又は8mW以下のパワーであるような調整値に収束したり、又は該調整値が、開始や終端パルス幅が5ns以下、といったあり得ない調整値に収束したりしたときに、正常な記録はできないと判断し、ステップ820へ進んで、L1層のライトプロテクトを設定する。
さらにステップ822で、システム制御部213においてL0層もライトプロテクトであると判断された場合は、その光ディスク201は、はじめて再生専用ディスクとしての設定がされる。
またL0層はライトプロテクトされてない場合は、ステップ826においてL1層からL0層へ層間移動し、L0の所定領域、通常はトラックアドレス0、で待機する。
なお、L1層の記録学習が正常に終了し、かつ学習値も所定の範囲内に収束したときは、ステップ823で、L1の管理領域へその結果を記録した後、ステップ824でL1層は記録可能であるとの設定をして、ステップ825でL0層がライトプロテクトか否かを判断する。
システム制御部213においてL0層はライトプロテクトであると判断された場合は層間移動せず、L1層の所定領域、たとえばL1層のスタートアドレスに対応するトラック、で待機する。
また、前記実施の形態1、及び本実施の形態2に共通の処理として、ディスク内周の所定領域に配置されるコントロールトラックのコントロールデータをリードしている。
このコントロールデータは、ディスクを記録する上で重要な情報が入っているので、このコントロールデータがリードできなかった場合や、コントロールトラック自体にアクセスできなかった場合は、その層は少なくともライトプロテクトを設定するように構成してもよい。
また、各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報、又は調整結果等は、その光ディスクの層別調整結果格納領域といった所定の領域に記録しても良い。
また、例えば、1層目が記録、再生ともに禁止の時、1層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を2層目に記録しても良い。又は逆に2層目が記録、再生ともに禁止の時、2層目を記録再生禁止とした単層ディスクという識別情報を1層目に記録しても良い。
以上のように、本実施の形態2による光ディスク装置200は、光ビーム22を集束する対物レンズ202と、対物レンズ202を駆動するレンズアクチュエータ203と、光ディスク201で反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部205と、前記第1の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第1パラメータ群、及び前記第2の情報層に対してデータを記録、再生するために設定される第2パラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、2層ディスクの場合には、記録パワー学習、記録補償学習を、L0層、L1層のそれぞれで行い、何れか1つの層でディスクのばらつき、膜特性、経時変化、温度環境などのエラーが発生しても、起動を異常終了させず、もう一方の正常調整を完了した層は記録可能となるように設定処理を情報層毎に行うようにしたので、録画期間の喪失などを低減させ大容量メディアの使用可能な情報層を有効に機能させることができ、かつ、留守録など人的操作で確認ができない状況の場合において、起動エラーによる番組の取り逃しを防止することができる。
また、上記本実施の形態1及び2では、具体例として2層ディスクの場合を挙げて説明しているが、2層以上の多層ディスクの場合も同様に扱ってよい。以下、M(M≧2)層の多層ディスクの記録、再生の制御について図21を用いて説明する。
図21は、L0〜L5の層からなる6層の光ディスク1003を示す。図21に示す光ディスク1003において、前記パラメータ群の値を決定する学習を行う層にフラグが設定される。全ての層にフラグを設定する必要なく、R(M≧R)個の層にフラグを設定する。ここでは、L0〜L3の4層にフラグを設定する場合について説明する。
まず、L0〜L3の層に対して、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値を決定する学習を行う。学習方法については、上述した2層ディスクでの方法と同様であるので、説明を省略する。次に、パラメータ群の値が決定できた層に再生許可又は記録許可のフラグを立て、パラメータ群の値が決定できなかった層に再生禁止又は記録禁止のフラグを立てる。図21は、L0層及びL2層に再生許可及び記録許可のフラグを立て、L1層に再生禁止及び記録禁止のフラグを立て、L3層に再生許可と記録禁止のフラグを立てた状態を示す。
次に、記録可能又は再生可能な層だけに論理アドレスを割り当てる。例えば、図21において、光ディスク1003を再生する場合、L1層が再生不可のため、L0層からL2、L3、L4、L5層と順番に連続する論理アドレスを割り当てる。同様に、記録する場合は、L1層とL3層が記録不可のため、L0層からL2、L4、L5層と順番に連続する論理アドレスを割り当てる。
さらに、記録する場合は、L4、L5、L0、L2層の順番に論理アドレスを割り当て、再生する場合は、L4、L5、L0、L2、L3層の順番に論理アドレスを割り当てるようにしてもよい。すなわち、L4、L5層は、常に記録可かつ再生可であるので、先に論理アドレスを割り当てる。L0〜L3層は、状況に応じて記録あるいは再生が不可になる可能性があるので、L4、L5層に割り当てた論理アドレスより後の論理アドレスを割り当てる。L0〜L3層の順番については、まず、記録可かつ再生可の状態の層を優先して論理アドレスを割り当て、その後で記録不可だが再生可の状態の層に論理アドレスを割り当てる。なお、記録可であるが、再生不可な状態は基本的に存在しない。
このように、フラグなしの層をフラグありの層より前に論理アドレスを割り当てるように順序付けすると、フラグの状態が後に変化した場合でも、フラグありの層の論理アドレスは再割り当てが発生するが、フラグなしの層の論理アドレスは変化しないために、これまでと同じ論理アドレスでアクセスできるという効果が得られる。
また、記録不可だが再生可の状態の層が存在する場合に、記録可かつ再生可の状態の層の後に論理アドレスを割り当てるように順序付けすると、記録再生装置と再生専用装置で論理アドレスの相違が発生しないという効果が得られる。記録又は再生の、禁止又は許可のフラグは、光ディスク上のいずれに書かれていても良い。また、各層の情報は、ある一層にまとめて書かれていても良い。
以上のように、M(M≧2)層ディスクに対して、R(R≦M、ただし、R≧1)個の層にフラグを設定し、N個(N≦R)の層がNGの時、該NGの層に再生、記録の禁止のフラグを立てて、前記NGの層を隠蔽し、M層ディスクを(M−N)層ディスクとして制御する。図21においては、再生時には、光ディスク1003を5層ディスクとして制御し、記録時には、光ディスク1003を4層ディスクとして制御する。
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2の光ディスク装置により作成された光ディスクを、他の光ディスク装置がその光ディスクに記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を読み出して識別することが可能である。以下、実施の形態3で説明を行う。
図11は、本実施の形態3の光ディスク装置300の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態1の光ディスク装置100の構成を示す図6と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図11を用いて本実施の形態3について説明をする。
図11に示す本実施の形態3の光ディスク装置300は、図6の実施の形態1の構成に加え、システム制御部213に、識別処理部401を備えている。なお、図11において、290は、図6の実施の形態1における回路部90に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
上記識別処理部401は、信号再生部210、又はデータ再生部211により読み出される光ディスク201に記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報をもとに、光ディスク201の識別を行う。
例えば、2層ディスクで2層目L1が記録も再生も不可(記録禁止かつ再生禁止)の情報を読み出した場合には、光ディスク201を単層ディスクとして識別する。
また、再生専用の光ディスク装置等において、実際には2層ディスクであったとしても、上記情報を元に単層ディスクとして識別することで、スムーズに再生を行うことが可能となる。
また、例えば、実際にはM(M≧2)層ディスクであったとしても、M個の層のうち、N個(M>N)の層が記録も再生も不可(記録禁止かつ再生禁止)の情報を読み出した場合には、光ディスク201を(M−N)層ディスクとして識別する。
また、再生専用の光ディスク装置等において、実際にはM層ディスクであったとしても、上記情報を元に(M−N)層ディスクとして識別することで、スムーズに再生を行うことが可能となる。
さらに、通常はフォーカスエラー信号(FE信号)を用いて光ディスクの識別を行う場合が多いが、この信号を信じるのではなく、上記情報を優先して識別するようにしても良い。その結果、容易に記録、再生が可能となり有効である。
以上のように、本実施の形態3による光ディスク装置300は、他の光ディスク装置により作製された光ディスクの識別を行う識別処理部401をさらに備え、識別処理部401は、前記光ディスクの所定の領域に記録された前記第1、第2のパラメータ群を含む各層毎の値、及びその決定の可否の結果、又は、前記光ディスクの所定の領域に記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を読み出して識別するので、他の光ディスク装置との互換性を持たせることができ、光ディスクに対して有効に記録、再生を行うことができる。
(実施の形態4)
前記実施の形態1、2、3の光ディスク装置により光ディスクを作成する際に、各層毎の記録禁止設定をディスクに記録する(かつ再生許可設定を記録しても良い)とともに追加処置として、追記型の光ディスクの場合には、他の光ディスク装置でも再生可能となるように、例えば未記録領域に対してNULL(ゼロ)データ等を記録してディスクの作成完了処理(以下、「ファイナライズ」と称する。)を行っても良い。以下、実施の形態4で説明を行う。
図12は本実施の形態4の光ディスク装置400の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態2の光ディスク装置200の構成を示す図8と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図12を用いて本実施の形態4について説明をする。
図12に示す本実施の形態4の光ディスク装置400は、図8の実施の形態2の構成に加え、システム制御部213にファイナライズ処理部501を備えている。なお、図12において、回路部390は、実施の形態2における回路部190に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
上記ファイナライズ処理部501は、例えば、記録制御部303を介して光ディスク201のファイナライズを行う。
記録エラーの場合、ファイナライズを行うことができるのかという問題も生じ得るが、ここでは、ファイナライズは記録品質には関係なくNULLデータを埋めるだけなので、記録品質は低くてもよい。
以上のように、本実施の形態4による光ディスク装置400は、追記型の光ディスクの作製を完了させる処理を行うファイナライズ処理部501をさらに備え、ファイナライズ処理部501は、該光ディスク装置における記録禁止の設定(かつ再生許可の設定を行っても良い)の追加処置として、追記型の前記光ディスクの未記録領域に任意のデータを埋め込み、ファイナライズを行うので、ディスク作成後に再生する場合や、別の再生専用の光ディスク装置で読み出す場合に、確実に読み出しを行うことができる。又はイナライズ処理後のディスクは、記録、未記録領域が混在しないためFE信号、TE信号も安定し、容易に再生の互換性を確保することができる。
なお、前記実施の形態1〜4の光ディスク装置で作成又は識別した光ディスクを記録再生する方法として、3層以上の多層のメディアにおいて途中の層の記録、再生禁止の状態が分かっている時には、その途中の層を一気にN層飛ばして層間ジャンプしてシームレスに記録、又は再生しても良く、大容量のメディアを有効に記録、再生させることができる。
また、前記実施の形態1〜4の光ディスク装置で作成又は識別した光ディスクを記録再生する方法として、例えば、2層ディスクにおいて2層目のみの単層ディスクと識別した場合に、2層目の先頭の論理アドレス(LA)をディスクの開始アドレスであるゼロとして扱っても良く、又は逆に、1層目のみの単層ディスクと識別した場合には、1層目の最終の論理アドレスをディスクの最終の論理アドレスとして扱っても良い。これにより、大容量のメディアをスムーズかつ有効に記録、再生させることができる。
なお、2層ディスクの例に限らず、2層以上の多層ディスクについても同様に扱ってよい。例えば、M層ディスクを(M−N)層ディスク(M>N)として制御する場合、(M−N)層の先頭の論理アドレスをディスクの開始アドレスであるゼロとして扱ってもよく、又は、逆に、(M−N)層の最終の論理アドレスをディスクの最終の論理アドレスとして扱っても良い。また、球面収差等のパラメータをディスクの所定の領域に記録する場合や、N個の層分がNGの時、N個の層分を隠蔽した(M−N)層ディスクという識別情報を残りの(M−N)層のうちのいずれかの層に記録する場合においても同様である。
また、前記実施の形態1〜2については、記録再生可能な光ディスク装置を想定した実施例を記載しているが、再生専用の光ディスク装置でも同様のことが実施可能である。
具体的には、記録再生可能な光ディスク装置が各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部を備えるのに対し、再生専用の光ディスク装置では各層への再生許可又は再生禁止の設定管理を行う管理部を備えることで、前記管理部によって各層毎に再生許可又は再生禁止の設定を行う。
ただし、再生専用の光ディスク装置のため、光ディスクへの記録を伴う制御は不可である。
同様に、前記実施の形態3についても、再生専用の光ディスク装置の場合には、前記実施の形態1、2の光ディスク装置により作成された光ディスクに記録された各層毎の再生許可又は再生禁止の情報を読み出して識別することが可能である。
(実施の形態5)
図13は、本実施の形態5の光ディスク装置500の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態3の光ディスク装置300の構成を示す図11と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図13を用いて本実施の形態5について説明をする。
図13に示す本実施の形態5の光ディスク装置500は、図11の実施の形態3の構成に加え、規格層数識別部402と、アドレス変換処理部403とを備えている。なお、図13において、回路部490は、図11の実施の形態3における回路部290に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
また、前提として、本実施の形態5では、複数積層による製造工程での歩留まり悪化を想定し、予備の層を含む複数の層が積層された光ディスクをも、発明の対象としている。
さらに、前記実施の形態1〜4に記載されている内容で作成された全ての光ディスクをも、合わせて発明の対象とする。
以下、本実施の形態5では、例えば、規格又は仕様上、4層の光ディスクに対して、1層分を予備として追加した5層の光ディスクを製造、使用する場合について説明する。
規格層数識別部402は、上記5層の光ディスクが、規格又は仕様上、4層の光ディスクであることを識別する。
識別方法については、光ディスクに記録されている情報を読み出して識別しても良い。この場合、あらかじめ光ディスクに予備の層数も含めた実際の層数と、規格又は仕様上の層数とを、別途記録しておいても良い。また、可能であれば、上述のフォーカスエラー信号(FE信号)を用いて識別しても良い。
前記実施の形態3と同様に、識別処理部401は、信号再生部210、又はデータ再生部211により読み出される光ディスク201に記録された各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報をもとに光ディスク201の識別を行い、例えば、5層中の1層が記録も再生も不可の情報を読み出した場合には、上記規格層数識別部402の情報をもとに、4層として取り扱う。このように、物理的に存在する5層中の1層が、(再生可能であるか否かに関わらず)記録が不可能な状態(不良)であった場合に、不良であった1層を除く4層のディスクとして取り扱う。
なお、規格又は仕様に厳しい光ディスク201の使用者に対しては、5層全て問題ない場合でも規格又は仕様上の4層として扱うようにするか、又は3層しか正常に記録、再生できない場合には、使用不可として取り扱うようにしても良い。この場合、規格又は仕様上の品質を保証できるので有効である。
また、前述した識別処理部401による光ディスク201の識別は、光ディスクの生産工程において実施しておき、予め光ディスク201に識別結果を記録するようにしてもよい。例えば、光ディスクの生産工程において、各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を、光ディスク201上のディスク情報格納領域に書き込んでおくようにする。
このような光ディスク201を、再生又は記録する場合には、光ディスク201上のディスク情報格納領域から各層毎の記録又は再生の、禁止又は許可の情報を読み出すことによって識別処理を行うよう識別処理部401を構成してもよい。そのようにすると、光ディスク装置に光ディスク201を挿入した後に、比較的短時間で規定の論理層数又は規格層数のディスクとして使用することが可能になる。
ここで、5層のうち1層が記録/再生不可のため4層として取り扱う際、例えば図14のように、物理層1〜5のうち物理層2が使用不可の場合、不連続となるアドレス空間の物理層1と3〜5を、ホスト又はユーザーが認識可能な連続したアドレス空間の論理層1〜4として割り当てて使用する。ホストから任意のアドレスへのデータ記録/再生が要求された場合、アドレス変換処理部403は、ホストが認識可能な論理層1〜4の連続したアドレス空間から、物理層1と3〜5の不連続となるアドレス空間へアドレス変換を行う。その後、サーボ制御部212を介して対物レンズ202等を動作させ、目的の物理アドレス空間へアクセスし、所望のデータを記録/再生する。
アドレス変換の具体的な処理の例としては、例えば、1つの物理層と1つの論理層のアドレス数を同じ数である10とし、物理層2が使用不可の場合、まず物理層2の先頭アドレス10を記憶しておく。
なお、1層あたりのアドレス数は通常もっと大きな数になるが、発明を実施する上で数値範囲に制限はないので、ここでは1層あたりのアドレス数を10として説明する。また、各層の構造が同じであれば各層のアドレス数は通常同じになるが、各層のアドレス数は必ずしも同じである必要はない。ホストから論理層のアドレス25が要求された場合、これを、記憶しておいた物理層2の先頭アドレス10と比較し、該要求されたアドレスが10以上の場合には、該要求されたアドレス25に+10の演算を行い物理層3のアドレス35へ変換する。
また、仮にホストから論理層のアドレス5が要求された場合、これを、記憶しておいた物理層2の先頭アドレス10と比較し、該要求されたアドレスが10未満の場合には、該要求されたアドレス5を、そのまま物理層1のアドレス5として変換する。
なお、上記のアドレス変換方法はあくまで一例として示したものである。このような、アドレス変換処理における、物理又は論理の先頭アドレスの情報を表にして、ディスク又は光ディスク装置内部に持つようにしてもよい。また、実際に記録や再生に使用される層にだけ番号を振ったものである論理層のアドレスから、ディスク中に物理的に存在する層に番号を振ったものであり、実際には記録や再生に使用されない層も含む物理層のアドレスへの変換が正しく行われる限り、どのようなアドレス変換方法のアルゴリズムを使用してもよい。
以上のように、本実施の形態5による光ディスク装置500は、光ディスクに対して、規格又は仕様上決められた情報層の数を識別する規格層数識別部をさらに備え、該規格層数識別部により識別した規格層数のみの情報層を使用するので、新品の状態の光ディスクに記録禁止等で使用不可の層が発生した場合にも、光ディスクの予備の情報層を使用することにより、使用者に対して規格又は仕様上の層数を提供可能となり、光ディスクを有効に記録、再生させることができる。
また、本実施の形態5による光ディスク装置500は、光ディスクに対して、実際に規格で決められた層数の情報層のみを使用し連続した論理的なアドレスから、不連続となる物理的なアドレスへ変換するアドレス変換処理部をさらに備えるので、複数層の光ディスクに使用不可の層が発生した際、使用不可能な情報層により物理的に不連続となるアドレスマッピングを、連続する論理的なアドレスマッピングへ変換することで、使用者からは物理層の数やどの層に不良があったかなどを意識することなく、規格の容量の光ディスクとして扱うことができる。
さらに、第1の情報層、及び第2の情報層を含む複数の情報層、及び予備の複数の情報層が、積層されてなる光ディスクを、本実施の形態5による光ディスク装置500にて使用することで、使用不可の層が発生した場合でも、規格又は仕様通りの光ディスクとして記録、再生することができるため、光ディスク普及の壁となる複数層を有する光ディスクの製造における歩留まり低下を実質的に解消し、光ディスクの生産性を向上させることができる。
以上のように説明した規格層数より多い物理層数を有する光ディスクは、パラレルトラックパス(全ての情報層の記録又は再生の方向が、「内周から外周」、又は「外周から内周」のどちらかに統一されている)を想定していた。しかし、オポジットトラックパス(各層の記録又は再生の方向が、「内周から外周」の次は「外周から内周」のように交互に行ったり来たりする)の場合でも、同様に規格層数より多い物理層数を有する光ディスクを提供することが可能である。次に、オポジットトラックパス構造を有する、規格層数より多い物理層数の光ディスクの一例を図19と図20を用いて説明する。
図19において、光ディスク1001はオポジットトラックパスを持つ多層光ディスクの一例を示したものである。物理層1は「内周から外周」、物理層2は「外周から内周」、物理層3は「内周から外周」、物理層4は「外周から内周」というトラックパスになっている。図19は物理層2が記録不可などの理由で使用不可(不良)の場合を示しており、この場合において、物理的に4層のディスクを論理上(規格上)3層のディスクとして扱う方法を説明する。まず、物理層2(「外周から内周」のトラックパス)が使用不可の場合、このディスクは「外周から内周」の層が「内周から外周」の層より少ないディスクとして扱わなければならないことがわかる。したがって、このディスクの論理アドレス割当てを、不良である物理層2のトラックパス「外周から内周」の逆である「内周から外周」から始める。「内周から外周」のトラックパスを持つ層は、物理層1と物理層3である。どちらから論理アドレス割当てを始めてもよいが、図19では物理層1から論理アドレス割当てを始める場合を例示する。物理層1から論理アドレス割当てをするので、物理層1が論理層1となり、内周である物理アドレス0を論理アドレス0に、外周の物理アドレス9を論理アドレス9に割当てる。「内周から外周」のトラックパスの次は「外周から内周」のトラックパスを選択する。物理層2が使用不可(不良)なので、光ディスク1001では物理層4が「外周から内周」のトラックパスを持つ唯一の層である。したがって、次の論理アドレスは物理層4から割当てる。すなわち、外周である物理アドレス30を論理アドレス10に、内周の物理アドレス39を論理アドレス19に割当てる。「外周から内周」のトラックパスの次は「内周から外周」のトラックパスを選択する。残っている使用可能な層は物理層3だけであり、物理層3は「内周から外周」のトラックパスになっている。したがって、次の論理アドレスは物理層3から割当てる。すなわち、内周である物理アドレス20を論理アドレス20に、外周である物理アドレス29を論理アドレス29に割当てる。このような論理アドレスの割当て方を行うことにより、物理的に4層の光ディスクのある一層(今回の説明では物理層2)が使用不可になっても、論理的に(規格として)3層の光ディスクを提供することが可能となる。パラレストラックパスの多層光ディスクの場合の説明と同様に、アドレス変換の割当て方(物理又は論理の先頭アドレスの情報など)は表にして、ディスク又は光ディスク装置内部に持つようにしてもよく、論理アドレス(論理層に割当てられたアドレス)と物理アドレス(物理層に割当てられたアドレス)への変換が正しく行われる限り、どのようなアドレス変換方法のアルゴリズムを使用して変換してもよい。
図20は、図19と同様に、オポジットトラックパスを持つ多層光ディスクの一例を示したものである。図20の光ディスク1002は、物理的には図19の光ディスク1001と同じトラックパス構造を持つが、光ディスク1002は、物理層3が記録不可などの理由で使用不可(不良)の場合を示している。以下、図19を用いて説明したのと同様に、この場合において、物理的に4層のディスクを論理上(規格上)3層のディスクとして扱う方法も説明する。まず、物理層3(「内周から外周」のトラックパス)が使用不可の場合、このディスクは「内周から外周」の層が「外周から内周」の層より少ないディスクとして扱わなければならないことがわかる。したがって、このディスクの論理アドレス割当てを、不良である物理層3のトラックパス「内周から外周」の逆である「外周から内周」から始める。「外周から内周」のトラックパスを持つ層は、物理層2と物理層4である。どちらから論理アドレス割当てを始めてもよいが、図19では物理層2から論理アドレス割当てを始める場合を例示する。物理層2から論理アドレス割当てをするので、物理層2が論理層1となり、外周である物理アドレス10を論理アドレス0に、内周の物理アドレス19を論理アドレス9に割当てる。「外周から内周」のトラックパスの次は「内周から外周」のトラックパスを選択する。物理層3が使用不可(不良)なので、光ディスク1002では物理層1が「内周から外周」のトラックパスを持つ唯一の層である。したがって、次の論理アドレスは物理層1から割当てる。すなわち、内周である物理アドレス0を論理アドレス10に、外周の物理アドレス9を論理アドレス19に割当てる。「内周から外周」のトラックパスの次は「外周から内周」のトラックパスを選択する。残っている使用可能な層は物理層4だけであり、物理層4は「外周から内周」のトラックパスになっている。したがって、次の論理アドレスは物理層4から割当てる。すなわち、外周である物理アドレス30を論理アドレス20に、内周である物理アドレス39を論理アドレス29に割当てる。このような論理アドレスの割当て方を行うことにより、物理的に4層の光ディスクのある一層(今回の説明では物理層3)が使用不可になっても、論理的に(規格として)3層の光ディスクを提供することが可能となる。
以上、図19と図20を用いた説明では物理的に4層のディスクを論理的に(規格上)3層として扱う方法を具体的に説明したが、同様の考え方で、物理的に偶数層のオポジットトラックパスのディスクを論理的に(規格上)「物理層数−1」層として扱うことが可能である。すなわち、本発明によれば、異なるトラックパスを持つ層の組を複数積層した光ディスク(つまり偶数層)のある一層を使用しないように論理アドレスを割当てた光ディスクを提供可能である。
また、以上の図19と図20を用いた説明では、同じトラックパス(「内周から外周」又は「外周から内周」)を持つ情報層が複数ある場合、どれを選択して論理アドレスを割当ててもよいとしたが、より効率的に光ディスクのアクセスをできるよう、情報層の選択(割当て)を行うことも可能である。具体的には、情報層をまたいで連続する論理アドレスを連続的にアクセスする場合に、情報層間のフォーカスジャンプ(ターゲットとする層にフォーカスサーボを合わせる)を行う必要があるが、そのフォーカスジャンプする際にまたぐ層数ができるだけ少なくなるように論理アドレスを割当てるようにするとよい。そのようにすると、情報層をまたいで連続する論理アドレスを連続的にアクセスする場合に、一時的なアクセススピードの劣化を最小限に抑えることが可能になる。
以上のように説明したような、複数の層を有しており規格上の層数に加えて予備の層を有する光ディスク(各層同じトラックパスを持つ光ディスクや、異なるトラックパスを持つ層の組を複数積層しておりその内のある一層を使用しないようにした光ディスク)を、光ディスク装置500において記録又は再生することができる。そのような場合、規格層数識別部にて光ディスクの規格上の層数を認識し、以上説明した物理アドレスと論理アドレスのマッピングに基づいて、アドレス変換処理部でホスト機器(PCやAVエンコーダ/デコーダなど)からアクセス要求のあった論理アドレスから、対応する物理アドレスへのアドレス変換を行うことで、物理アドレス位置に存在するブロック(セクタ)への記録又は再生が可能になる。
なお、実施の形態5では、記録再生可能な光ディスク装置を想定した実施例を記載しているが、再生専用の光ディスク装置についても同様の制御が可能である。
(実施の形態6)
図16は本実施の形態6の光ディスク装置600の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態1の光ディスク装置100の構成を示す図6と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図16を用いて本実施の形態6について説明をする。
図16に示す本実施の形態6の光ディスク装置600は、図6の実施の形態1の構成に加え、データ録再管理部601を備えている。また、調整パラメータ処理部216は不要である。なお、図16において、590は、図6の実施の形態1における回路部90に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
以下、本実施の形態6では、例えば、4層の光ディスクに対して、1層目のL0層又は2層目のL1層にデータを記録する場合について説明する。
データ録再管理部601は、L0層又はL1層にデータを記録する際、同時に同じデータをバックアップとして3層目のL2層又は4層目のL3層にも記録する。これにより、何らかの要因でL0層又はL1層への記録が失敗した場合や、記録したデータが再生できなくなった場合等においても、データ録再管理部601でデータの記録位置を管理することで、L2層又はL3層から所望のデータを再生することができるため、データの記録、再生における信頼性が向上し非常に有効である。
また、例えば、4層の光ディスクに対して、L0層とL1層の記録データを、L2層とL3層の全く同じアドレス位置、即ち各層の先頭アドレスを0とした場合の記録位置のアドレス、に同じデータを記録するミラー記録を行うようにすれば、データの記録、再生位置管理が容易になり、万一、1層目と2層目のデータが何らかの要因で再生できなくなっても、3層目と4層目からスムーズにデータの再生が可能となる。
また、実際の録画中に、上記ミラー記録を実施する場合、リアルタイム録画であっても、ハードディスク等を利用すればバックアップデータを記録する時間的な余裕を持たせることが可能であり、また仮にハードディスクが無い場合でも、例えば4倍速記録等の高倍速記録を行えば実現可能である。
以上、4層の場合について説明したが、もちろん、2層の場合や、その他の複数層の場合にも適用可能であり有効である。
さらに、例えば4層のうちL0層、L1層の2層が波長の短い青紫色半導体レーザを用いて記録、再生を行うBDディスクであり、4層のうちL2層、L3層の2層が波長の長い赤色半導体レーザを用いて記録、再生を行うDVDディスクであるといった、物理的構造の異なる情報層が複数存在する4層の光ディスクであるハイブリッドディスクに対して、データを記録する場合について説明する。
データ録再管理部601は、L0層又はL1層にデータを記録する際、同時に同じデータをバックアップとしてL2層又はL3層にも記録する。これにより、何らかの要因でL0層又はL1層に記録したデータが再生できなくなった場合でも、データ録再管理部601でデータの記録位置を管理することで、L0層又はL1層から所望のデータを再生することができ、有効である。
以上、4層のハイブリッドディスクの場合について説明したが、もちろん、2層のハイブリッドディスクの場合や、その他の複数層のハイブリッドディスクの場合にも適用可能であり有効である。
この場合、波長の長い赤色半導体レーザを用いてバックアップデータの記録、再生を行うため、波長の短い青紫色半導体レーザを用いて記録、再生をする場合よりも、データ記録、再生マージンが大きいため、データのバックアップを確実に実現することが可能となり有効である。なお、バックアップをとるL2層、L3層の光透過層厚は使用するレンズのNAによって0.1mm〜0.6mmの間に最適配置することが望ましい。
以上のように、本実施の形態6による光ディスク装置600は、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、前記データ録再管理部は、前記第1の情報層に記録するデータのバックアップとして前記第2の情報層にもデータを記録するので、何らかの要因でL0層又はL1層への記録が失敗した場合や、記録したデータが再生できなくなった場合等においても、L2層又はL3層から所望のデータを再生することができ、データの記録、再生の信頼性を向上することができる。また、前記データ録再管理部が、ミラー記録によりバックアップを行うことで、データの記録、再生位置管理が容易になり、さらにスムーズにデータを再生することができる。
(実施の形態7)
図17は本実施の形態7の光ディスク装置700の構成を示すブロック図である。なお、前記実施の形態6の光ディスク装置600の構成を示す図16と同様の部分は、同じ番号を付し、説明を省略する。
以下、この図17を用いて本実施の形態7について説明をする。
図17に示す本実施の形態7の光ディスク装置700は、図16の実施の形態6の構成に加え、記録データ圧縮部701を備えている。なお、図17において、690は、図16の実施の形態6における回路部590に代わる、光ピックアップ215との間で信号のやりとりを行う回路部である。
以下、本実施の形態7では、例えば、図18に示すように前述の実施の形態6で説明したBDディスク702とDVDディスク703がそれぞれ2層ずつ存在する4層のハイブリッドディスクに対して、BD側のLb0層又はLb1層にデータを記録する場合について説明する。
データ録再管理部601は、Lb0層又はLb1層にデータを記録する際、同時にバックアップとしてDVD側のLr0層又はLr1層に記録を行うが、その際、Lb0層又はLb1層への記録データを記録データ圧縮部701により圧縮した後、Lr0層又はLr2層へデータを記録するようにする。さらに、その際、上記圧縮を、例えばBDディスクとDVDディスクの記録容量比に合わせて行うようにすれば、前述のミラー記録と同様のことを実現可能となる。つまり、実際に録画する場合を考えた場合、万一、BD側の記録失敗等が発生して再生不可となっても、画質は低下するが確実にDVD側への指定時間分の録画が行えるようになり、非常に有効である。
以上、4層のハイブリッドディスクの場合について説明したが、もちろん、2層のハイブリッドディスクの場合や、その他の複数層のハイブリッドディスクの場合にも適用可能であり有効である。
以上のように、本実施の形態7による光ディスク装置700は、光ビームを集束する対物レンズと、前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、前記第1、及び第2の情報層を含む各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部と、前記第1の情報層への記録データを圧縮する記録データ圧縮部とを備え、前記データ録再管理部は、第1の情報層への記録データを前記記録データ圧縮部により圧縮した後、第2の情報層にデータを記録するので、BD側の情報層で記録失敗等が発生しても、DVD側の情報層に指定時間分の録画を確実に行うことにより、画質は低下するが確実に情報を記録し、再生することができる。
また、Lr0、Lr1にバックアップしたデータは、変調方式、エラー訂正方式、スクランブルなどのDVDと同じフォーマットで記録し、かつLr0層、及びLr1層の光透過層厚は、0.6±0.3mmのところに配置することで、レガシーのDVD機器でも再生することが可能となり、例えばリビングに設置してある最新のBD据置レコーダで取った番組を持ち出して、そのまま車載のDVD機器で再生することが可能となり、その利便性は大きい。
本発明にかかる光ディスク装置は、複数の層からなる光ディスクの起動処理を行う際に、第1の情報層と、第2の情報層での各々の学習結果によって、情報層毎に独立に、記録禁止、再生禁止などの状態管理を行うので、複数層内の1つの層だけでも記録又は再生できるようになり、ユーザの利便性が向上し、特に留守録や急に記録を開始する場合などで有用である。
図1は、光ディスク装置にロードされた光ディスク201と、対物レンズ202との間の概略的な位置関係を示す斜視図である。 図2は、複数の情報層を備える光ディスク201の構成を示す断面図である。 図3(a)は、球面収差が生じている状態を示す図であり、図3(b)は、球面収差が補正された状態を示す図である。 図4(a)は、光ディスク201の表面から相対的に浅い位置にある情報層上で、球面収差が最小化されている様子を示す図であり、図4(b)は、光ディスク201の表面から相対的に深い位置にある情報層上で、球面収差が最小化されている様子を示す図である。 図5(a)及び図5(b)は、収差補正のために光軸方向に移動した収差補正レンズ262を示す図であり、図5(c)は、収差補正レンズ262の位置と、球面収差が最小化される情報層の深さとの関係を示す図である。 図6は、実施の形態1による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態1の光ディスク装置における起動処理の概略を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態2による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図9は、実施の形態2における、記録のための学習を説明するための模式図である。 図10は、実施の形態2の光ディスク装置による起動処理の概略を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態3による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図12は、実施の形態4による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態5による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図14は、実施の形態5による光ディスクの物理層、及び論理層を示す図である。 図15は、特許文献1の光ディスク装置が行う光ディスクの起動処理時の試し記録の手順を示すフローチャートである。 図16は、実施の形態6による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図17は、実施の形態7による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図18は、実施の形態7による光ディスクの構成を示すブロック図である。 図19は、実施の形態5による規格層数より多い物理層数の光ディスクの一例を示す図である。 図20は、実施の形態5による規格層数より多い物理層数の光ディスクの一例を示す図である。 図21は、実施の形態1、2による多層ディスクの制御方法を説明するための図である。
100 実施の形態1の光ディスク装置
200 実施の形態2の光ディスク装置
300 実施の形態3の光ディスク装置
400 実施の形態4の光ディスク装置
500 実施の形態5の光ディスク装置
600 実施の形態6の光ディスク装置
700 実施の形態7の光ディスク装置
22 光ビーム
90 回路部
190 回路部
201、1001、1002、1003 光ディスク
201a 光入射側表面
202 対物レンズ
203 アクチュエータ
204 球面収差位置調整部
205 受光部
206 アクチュエータ駆動部
207 球面収差位置駆動部
208 フォーカス誤差生成部
209 トラッキング誤差生成部
210 信号再生部
211 データ再生部
212 サーボ制御部
213 システム制御部
214 ディスクモータ
215 光ピックアップ
216 調整パラメータ処理部
260 球面収差補正部
262 収差補正レンズ
290 回路部
301 半導体レーザ
302 レーザ駆動部
303 記録制御部
305 IF部
310 ホスト
390 回路部
401 識別処理部
402 規格層数識別部
403 アドレス変換処理部
490 回路部
501 ファイナライズ処理部
590 回路部
601 データ録再管理部
690 回路部
701 記録データ圧縮部
702 BDディスク
703 DVDディスク

Claims (32)

  1. M(M≧2)個の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできる光ディスク装置において、
    光ビームを集束する対物レンズと、
    前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、
    前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、
    前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、
    前記M個の情報層のうち、少なくとも1つの情報層に対して、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値を決定する学習を、起動時に行う制御部と、
    前記M個の情報層の各層への記録又は再生の、禁止又は許可の設定管理を行う管理部とを備え、
    前記管理部は、前記制御部が行う学習結果に応じて、前記各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記制御部が、起動時に、前記各情報層のパラメータ群の値を決定できた場合には、前記管理部は、該決定できた各情報層のパラメータ群の値に応じて、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記制御部が、起動時に、前記情報層のいずれかでパラメータ群の値を決定できなかった場合には、前記管理部は、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記再生部が、起動時に、前記各情報層の特定の領域に記録された前記光ディスク又は前記情報層に特有の値が読めなかった場合には、前記管理部は、各情報層に、記録又は再生の、禁止又は許可の設定を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  5. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記各情報層のパラメータとして、球面収差又はフォーカス制御に関するパラメータの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  6. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記各情報層のパラメータとして、記録パワー、又は記録補償値に関するパラメータのうちの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  7. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクの記録禁止又は再生禁止の層を飛ばして層間ジャンプを行い、データの記録、再生を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  8. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクのM個の情報層のうち、R(1≦R≦M)個の情報層にフラグが設定され、前記光ディスク装置が起動したとき、前記R個の情報層のうちのいずれかN(N≦R)個の情報層で、前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、該決定できなかった情報層を前記フラグによって隠蔽して、前記光ディスクを、(M−N)層ディスクとして、制御する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  9. 請求項8に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクは、2層の情報層を備える2層ディスクであり、
    前記2つの情報層のうち、前記光ディスクの光入射面から近い側の層で前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、前記光ディスクを、単層ディスクとして、制御する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  10. 請求項8に記載の光ディスク装置において、
    前記制御部が決定した前記各情報層の前記パラメータ群の値、及び前記制御部が前記各情報層の前記パラメータ群の値が決定できたか否かの情報を、前記光ディスクの所定の領域に記録する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  11. 請求項10に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスク装置が起動したとき、前記R個の情報層のうちのいずれかN(N≦R)個の情報層で、前記パラメータ群の値を決定できなかった場合、前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして識別するための情報を、前記パラメータ群の値が決定できた情報層のうちのいずれかの情報層の所定の領域に記録する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  12. 請求項8に記載の光ディスク装置において、
    前記管理部が設定した、前記各情報層の記録禁止、又は再生禁止の情報を、前記光ディスクの所定の領域に記録する、
    ことを特徴とする光ディスク装置
  13. 請求項12に記載の光ディスク装置において、
    追記型の前記光ディスクの作製を完了させる処理を行うファイナライズ処理部をさらに備え、
    前記ファイナライズ処理部は、追記型の前記光ディスクの未記録領域に任意のデータを埋め込み、追記型の前記光ディスクの作製を完了させる、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  14. 請求項8に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして、制御する場合、前記(M−N)層ディスクの情報層のうちの、前記パラメータ群の値が決定できた情報層の先頭の論理アドレスを、前記(M−N)層ディスクの開始アドレスとして、データの記録、再生を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  15. 請求項8に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクを、(M−N)層のディスクとして、データの記録、再生を制御する場合、前記(M−N)層ディスクの情報層のうちの、前記パラメータ群の値が決定できた層の最終論理アドレスを、前記(M−N)層ディスクの最終アドレスとして、データの記録、再生を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  16. M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの再生を実行することができる光ディスク装置において、
    光ビームを集束する対物レンズと、
    前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、
    前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、
    前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、
    前記光ディスクの識別を行う識別処理部とを備え、
    前記光ディスクの所定領域には、前記各情報層に対してデータを再生するために設定されるパラメータ群の値、及び前記各情報層に対してパラメータ群の値が決定できたか否かを示す識別情報が記録され、
    前記識別処理部は、前記識別情報を読み出して前記光ディスクを識別する、
    ことを特徴とした光ディスク装置。
  17. 請求項16に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクに、前記識別情報として、前記M個の情報層のうちのいずれかN個の層(M>N)で前記パラメータ群の値が決定できなかったことを示す情報が記録されている場合、前記光ディスクを、(M−N)層ディスクとして、制御する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  18. 予備の層を含むM個(M≧2)の層が積層されてなる、
    ことを特徴とする光ディスク。
  19. 請求項18に記載の光ディスクにおいて、
    前記M個の層として、該光ディスクの規格又は仕様上決められた層と、予備の層とを含み、
    所定の領域に、前記光ディスクの規格又は仕様上決められた層の数と、前記予備の層の数とを含む実際に積層された層の数を示す情報が記録される、
    ことを特徴とする光ディスク。
  20. 請求項18に記載の光ディスクにおいて、
    前記M個の層のうち、N(M>N)個の層で、データを記録、再生するために設定されるパラメータ群の値が決定されなかった場合に、(M−N)層ディスクとして識別されるための情報が記録される、
    ことを特徴とする光ディスク。
  21. 請求項19に記載の光ディスクにおいて、
    パラレルトラックパス方式の多層ディスクである、
    ことを特徴とする光ディスク。
  22. 請求項19に記載の光ディスクにおいて、
    オポジットトラックパス方式の多層ディスクである、
    ことを特徴とする光ディスク。
  23. M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの再生を実行することができる光ディスク装置において、
    光ビームを集束する対物レンズと、
    前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、
    前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、
    前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、
    前記光ディスクの層数を識別する規格層識別部とを備え、
    前記光ディスクは、予備の層を含むM個(M≧2)の層が積層され、前記M個の層として、該光ディスクの規格又は仕様上決められた層と、予備の層とを含み、所定の領域に、前記光ディスクの規格又は仕様上決められた層の数と、前記予備の層の数とを含む実際に積層された層の数を示す情報が記録され、
    前記規格層数識別部は、前記層数に関する情報から、規格又は仕様上決められた層の数を識別し、
    前記規格層数識別部により識別された規格又は仕様上決められた数の層のみをデータの再生に使用する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  24. 請求項23に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクにおける、規格又は仕様上決められた層数の層のみのアドレスを用いて、不連続な物理的なアドレスを、連続した論理的なアドレスへ変換するアドレス変換処理部をさらに備える、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  25. 請求項24に記載の光ディスク装置において、
    前記アドレス変換処理部は、前記光ディスクのトラックパスが互い違いのトラックパスになるように、規格又は仕様上決められた層数の層のみのアドレスを用いて、不連続な物理的アドレスを、連続した論理アドレスに変換する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  26. M個(M≧2)の積層された情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできる光ディスク装置において、
    光ビームを集束する対物レンズと、
    前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、
    前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、
    前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、
    前記M個の情報層の各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、
    前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータを、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  27. 請求項26に記載の光ディスク装置において、
    前記データ録再管理部は、前記各情報層にバックアップデータを記録する際に、前記記録データと前記バックアップデータとを同一にし、かつ、前記記録データの前記情報層への記録位置と前記バックアップデータの前記情報層への記録位置とを同一にするミラー記録を行う、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  28. 互いに物理的構造の異なるM個(M≧2)の情報層を備える光ディスクに対して、データの記録、再生を実行することのできる光ディスク装置において、
    光ビームを集束する対物レンズと、
    前記対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、
    前記光ディスクで反射された光ビームを受け、電気信号に変換する受光部と、
    前記受光部の信号を処理して、前記光ディスク上の信号を再生する再生部と、
    前記M層の情報層の各層への記録、再生データの管理を行うデータ録再管理部とを備え、
    前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータを、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  29. 請求項28に記載の光ディスク装置において、
    前記記録データを圧縮する記録データ圧縮部をさらに備え、
    前記データ録再管理部は、前記各情報層への記録データを前記記録データ圧縮部により圧縮した後、前記バックアップデータを記録する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  30. 請求項28に記載の光ディスク装置において、
    前記データ録再管理部は、前記各情報層に記録した記録データが再生できない場合に、前記記録データに対応するバックアップデータを再生する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  31. 請求項28に記載の光ディスク装置において、
    前記バックアップデータは、前記バックアップデータを記録した情報層のみ再生可能な光ディスク装置でも再生可能な記録フォーマットとする、
    ことを特徴とする光ディスク装置
  32. 互いに物理的構造の異なるM個(M≧2)の情報層を備える光ディスクにおいて、
    前記各情報層に記録する記録データのバックアップデータが、該記録データを記録した情報層とは異なる情報層に記録され、
    前記バックアップデータは、前記バックアップデータを記録した情報層のみ再生可能な光ディスク装置でも再生可能な記録フォーマットで記録され、
    前記バックアップデータを記録する情報層の光透過層厚は、0.6mm±0.03mmである、
    ことを特徴とする光ディスク。
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