JPWO2008139955A1 - 投影露光方法、アライメント方法及び投影露光装置 - Google Patents

投影露光方法、アライメント方法及び投影露光装置 Download PDF

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Abstract

ステージの位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、基板を的確な位置に位置づけることができる投影露光装置及び投影露光方法を提供する。更に、非線形誤差が大きいプリント配線基盤に対しても、高速で精度良くアライメントできる投影露光装置及び投影露光方法を提供する。基準基板に形成された基準基板基準マークの位置に基づいて、載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し、載置台位置補正データと、露光基板に形成された露光基板基準マークの位置とに基づいて、露光基板基準マークの位置の線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する。

Description

露光基板にパターンを形成する投影露光方法、この投影露光のためのアライメント方法、及びこれらの方法を実現可能な投影露光装置に関する。
従来から、プリント配線板用の露光装置は、アライメント顕微鏡を用いて、レチクルに形成された基準マークの位置と露光基板に形成された基準マークの位置とを一致させて、その後、アライメント顕微鏡を退避させて露光を行うものであった。
特開2003−316014号公報
上述した投影露光装置は、ステージの位置を測定するための干渉計を要しないため、安価にでき、プリント配線板用の露光に多く用いられているが、基板の処理工程で伸縮が発生した場合には、精度良くステージを位置づけることができなかった。また、ステージの移動に誤差が生じた場合にも、精度良くステージを位置づけることができなかった。更に、プリント配線基板はウェハ基板と比べて非線形誤差が大きく、ウェハ基板用露光装置で利用される線形誤差補正のみのアライメントでは十分な精度が得られない場合もあった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ステージの位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、基板を的確な位置に位置づけることができ、また、非線形誤差が大きいプリント配線基板に対しても、高速で精度良くアライメントでき、更に、露光領域外にマークを設けても、非線形誤差が大きいプリント基板のアライメントができ、複数の重ね合せ露光を同一のマークを利用してアライメントを行って、全層での良好な位置合わせができる投影露光方法、アライメント方法及び投影露光装置を提供することにある。
以上のような目的を達成するため、本発明に係る投影露光方法は、
基板が載置される載置台を、少なくとも9つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも9つの露光領域を有し、
前記露光基板は、基板の変形を検出するための少なくとも9つの検出領域を有し、
前記露光基板基準マークは、前記少なくとも9つの露光領域の基準位置を示すと共に前記少なくとも9つの検出領域の基準位置を示し、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出する基準マーク位置算出ステップと、
前記露光基板の全体にわたって、前記露光基板基準マークの位置に基づき最小二乗法を用いて、前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける全体領域誤差パラメータ値を算出する全体領域誤差パラメータ値算出ステップと、
前記検出領域の各々において、少なくとも2つの前記露光基板基準マークの位置に基づき前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける検出領域誤差パラメータ値を算出する検出領域誤差パラメータ値算出ステップと、
前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値に基づき最小二乗法を用いて前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分を算出する検出領域誤差パラメータ値線形成分算出ステップと、
隣り合う二つの前記検出領域における前記検出領域誤差パラメータ値の少なくとも1階以上の差分を算出し、前記差分に基づき最小二乗法を用いて、差分線形成分を算出する差分線形成分算出ステップと、
前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値と、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和とに基づいて、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報を算出し、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報に基づき、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分に基づく誤差と基づかない誤差との大きさの割合を示す重み付け係数を算出する重み付け係数算出ステップと、
前記露光基板基準マークの位置と、前記全体誤差パラメータ値と、前記重み付け係数とに基づいて、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定ステップと、を含むことを特徴とする。
この処理(インテリジェントグローバル方式の処理)によって、基準マークの位置の誤差において、3次式などによって近似できるような誤差とランダムな誤差の大きさを基準にどちらの誤差が支配的であるかを判定し、その結果に基づき、露光位置の誤差を補正することができる。このため、露光の際の露光基板を載せた載置台を位置づける目標位置をより的確な位置とすることができる。
本発明に係る投影露光方法は、前記検出領域パラメータが、X方向の伸縮、Y方向の伸縮、X方向の回転、Y方向の回転、X方向のせん断変形およびY方向のせん断変形のうち少なくとも一つである。
本発明に係る投影露光方法は、
前記検出領域の各々について、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報が、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和との和を、前記検出領域誤差パラメータ値から、差し引いた値の標準偏差に基づいて算出され、
前記載置台を位置づける目標位置は、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分の累積和との和と、前記検出領域誤差パラメータ値との間で、前記重み付け係数に基づいて算出される。
上記の投影露光方法が実現可能な本発明に係る露光装置は、
パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
基板が載置される載置台を、少なくとも9つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも9つの露光領域を有し、
前記露光基板は、基板の変形を検出するための少なくとも9つの検出領域を有し、
前記露光基板基準マークは、前記少なくとも9つの露光領域の基準位置を示すと共に前記少なくとも9つの検出領域の基準位置を示し、
前記位置決定手段は、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出する基準マーク位置算出手段と、
前記露光基板の全体にわたって、前記露光基板基準マークの位置に基づき最小二乗法を用いて、前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける全体領域誤差パラメータ値を算出する全体領域誤差パラメータ値算出手段と、
前記検出領域の各々において、少なくとも2つの前記露光基板基準マークの位置に基づき前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける検出領域誤差パラメータ値を算出する検出領域誤差パラメータ値算出手段と、
前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値に基づき最小二乗法を用いて前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分を算出する検出領域誤差パラメータ値線形成分算出手段と、
隣り合う二つの前記検出領域における前記検出領域誤差パラメータ値の少なくとも1階以上の差分を算出し、前記差分に基づき最小二乗法を用いて、差分線形成分を算出する差分線形成分算出手段と、
前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値と、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和とに基づいて、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報を算出し、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報に基づき、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分に基づく誤差と基づかない誤差との大きさの割合を示す重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、
前記露光基板基準マークの位置と、前記全体誤差パラメータ値と、前記重み付け係数とに基づいて、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定手段と、を含む。
本発明に係る投影露光装置において、前記検出領域パラメータが、X方向の伸縮、Y方向の伸縮、X方向の回転、Y方向の回転、X方向のせん断変形およびY方向のせん断変形のうち少なくとも一つである。
本発明に係る投影露光装置において、前記検出領域の各々について、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報が、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和との和を、前記検出領域誤差パラメータ値から、差し引いた値の標準偏差に基づいて算出され、
前記載置台を位置づける目標位置は、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分の累積和との和と、前記検出領域誤差パラメータ値との間で、前記重み付け係数に基づいて算出される。
従来、プリント基板に対するアライメント方法は露光フィールド毎に形成されたマークを露光に先立ち計測し、その位置情報に基づき露光位置を修正して露光するD/Dアライメント方法が主流であった。それに対し、プリント基板に於けるスループット向上を目的として、マークを予め全て計測し、最小二乗近似計算により線形誤差のみを算出して露光を連続で行っていくグローバルアライメント方法を用いるアライメント手法が、本発明において提案されている。しかし、プリント基板はウェハと異なり、非線形歪が大きく、通常のグローバルアライメントでは十分な精度を出せない場合があり、それに対応するため、本発明においては、線形誤差以外の誤差も補正するインテリジェントグローバルアライメント方法も提案されている。
ただし、この方法では、隣り合うマーク情報を利用していく為、マークが離散的に配置されている場合、更にはマーク形状の問題から一部のマークが検出できない場合等が生じ、これに対応する必要がある。更に、近年、クライアントよりプリント基板外周や中心線部分等、露光フィールドとは無関係に配列したマークを用いた露光を希望する傾向にあり、このような内部の情報を持たない場合にも対応する必要がある。
これに対処するため、本発明においては、プリント基板外周や中心線近傍に配置されたマークでも露光位置での線形誤差、所定の非線形誤差を補正でき、更にはマーク検出エラー(検出不可)にも対応可能なアライメント方法が提案されている。更に、本発明に利用するマーク配列は、露光フィールド数と比べてもマーク点数が少なく安定したマークを設定できる為、更に早く精度の高いアライメントを提供できるという利点も有する。
本発明に係るアライメント方法は、
マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光するとき、前記プリント基板上のマーク位置を検出し、前記マーク位置情報に基づき露光位置を決定するアライメント方法であって、矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるステップと、前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定するステップと、前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行う設計座標値を代入し、2つの位置情報を算出するステップと、前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定するステップと、を含む。
本発明に係るアライメント方法は、
マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光するとき、前記プリント基板上のマーク位置を検出し、前記マーク位置情報に基づき露光位置を決定するアライメント方法であって、矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるステップと、前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定するステップと、前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行うフィールド対角線方向少なくとも2端の設計座標値を代入し、その差分より露光フィールドの倍率及び回転情報を算出するステップと、前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定するステップと、を含む。
本発明に係るアライメント方法においては、
前記2つのグループと直交する方向の辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分け、同様の処理を行う。
本発明に係るアライメント方法においては、
グループ内で決定される前記直線または近似により求めた曲線情報がマークの数で決定され、マークが2点の場合は一次式、マークが3点の場合は2次式、マークが4点以上の場合は3次式である。
本発明に係るアライメント方法は、
アライメントを実行する前に前記マーク点数とは無関係に何次式までを計算するかを決定するステップを含み、該ステップでは、直線近似で求めた1対の向かい合う辺に対応した式の平均値とする1次式または直線近似による1次式、あるいは2次曲線近似による2次式を選択する。
本発明に係るアライメント方法は、
プリント基板の処理ロットの先頭では前記グループ毎に3点以上のマーク検出を行うステップを含み、該ステップでは、直線近似または曲線近似を行ったときの2次及び3次の近似係数の値に応じて2枚目以降のマーク検出点数を先頭の点数より減じる。
上記のアライメント方法を実現可能な本発明に係る露光装置は、
マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光する投影露光装置であって、
前記プリント基板が載置される載置台を移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記プリント基板に形成されたマーク位置を検出するマーク位置検出手段と、
前記マーク位置検出手段によるマーク位置の検出情報に基づいて露光位置を決定し、決定された前記露光位置及び前記位置信号に基づいて前記駆動ステージを制御するアライメント制御手段と、を含み、
前記アライメント制御手段は、
矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるマーク情報分類手段と、
前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定する数式決定手段と、
前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行う設計座標値を代入し、2つの位置情報を算出する位置情報算出手段と、
前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定する露光位置決定手段と、を含む。
上記のアライメント方法を実現可能な本発明に係る露光装置は、
マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光する投影露光装置であって、
前記プリント基板が載置される載置台を移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記プリント基板に形成されたマーク位置を検出するマーク位置検出手段と、
前記マーク位置検出手段によるマーク位置の検出情報に基づいて露光位置を決定し、決定された前記露光位置及び前記位置信号に基づいて前記駆動ステージを制御するアライメント制御手段と、を含み、
前記アライメント制御手段は、
矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるマーク情報分類手段と、
前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定する数式決定手段と、
前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行うフィールド対角線方向少なくとも2端の設計座標値を代入し、その差分より露光フィールドの倍率及び回転情報を算出する倍率及び回転情報算出手段と、
前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定する露光位置決定手段と、を含む。
本発明に係る露光装置において、前記2つのグループと直交する方向の辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分け、同様の処理を行う。
本発明に係る露光装置において、グループ内で決定される前記直線または近似により求めた曲線情報がマークの数で決定され、マークが2点の場合は一次式、マークが3点の場合は2次式、マークが4点以上の場合は3次式である。
本発明に係る露光装置において、アライメントを実行する前に前記マーク点数とは無関係に何次式までを計算するかを決定するステップを含み、該ステップでは、直線近似で求めた1対の向かい合う辺に対応した式の平均値とする1次式または直線近似による1次式、あるいは2次曲線近似による2次式を選択する。
本発明に係る露光装置において、プリント基板の処理ロットの先頭では前記グループ毎に3点以上のマーク検出を行うステップを含み、該ステップでは、直線近似または曲線近似を行ったときの2次及び3次の近似係数の値に応じて2枚目以降のマーク検出点数を先頭の点数より減じる。
本発明に係る投影露光装置は、
パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも4つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも4つのマークからなり、
前記位置決定手段は、
前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
前記第1の位置補正手段は、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶手段と、
前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
前記第2の位置補正手段は、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする。
上述した載置台位置補正データの値に基づいて、載置台の位置を補正するように、駆動ステージの駆動を制御することによって、基準基板に形成された基準マークの形成誤差のレベルで載置台を位置づけることができる。このため、載置台の位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、グローバル方式で露光基板にパターンを転写することができ、グローバル方式の長寸法測定や、平均化効果や、基準マークの計測点数の削減によって、載置台の位置決めの精度を高めることができると共に、露光基板製造のスループットをも高めることができる。
本発明に係る投影露光装置は、
複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含み、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記位置決定手段は、
前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
前記第1の位置補正手段は、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光手段と、
前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
前記第2の位置補正手段は、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る投影露光装置は、
複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含み、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記位置決定手段は、
前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
前記第1の位置補正手段は、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶手段と、
前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
前記第2の位置補正手段は、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする。
上述した載置台位置補正データの値に基づいて、載置台の位置を補正するように、駆動ステージの駆動を制御することによって、基準基板に形成された基準マークの形成誤差のレベルで載置台を位置づけることができる。このため、載置台の位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、グローバル方式で露光基板にパターンを転写することができ、グローバル方式の長寸法測定や、平均化効果や、基準マークの計測点数の削減によって、載置台の位置決めの精度を高めることができると共に、露光基板製造のスループットをも高めることができる。
また、レチクルを用いることなく、導体パターンを露光基板に形成することができ、デジタルマイクロミラーデバイスを制御することにより、導体パターンの形状を所望するものにできる。さらに、デジタルマイクロミラーデバイスを制御することにより、伸縮度のみならず、直交度等も補正することができる。
本発明に係る投影露光装置は、
前記露光光を前記露光基板に照射する投影光学系を含み、
前記基準マーク検出手段は、前記投影光学系と前記載置台との間に配置されたアライメント光学系を含み、
前記アライメント光学系は、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークに非露光光を照射して、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出し、
前記アライメント光学系は、
前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出するときには、検出位置に位置づけられ、
前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークの検出を終了したときには、前記検出位置から退避した退避位置に位置づけられる。
基準基板基準マークに非露光光を照射することで、的確に基準マークを検出することができる。また、複数の基準マークを検出する場合、最後の基準マークの位置を計測した後、アライメント光学系を退避させて、露光を開始するので、複数の露光領域の各々におけるアライメント光学系の移動を不要にすることができ、基準マークの検出に要する時間を短くできるので、スループットを高めることができる。
本発明に係る投影露光装置は、
前記載置台位置補正データは、複数の基準基板検出位置における前記露光基板基準マークの位置の平均値に基づいて算出される。
露光基板基準マークの位置の平均値に基づいて、載置台位置補正データを算出することによって、駆動ステージの移動に誤差が生じたり、駆動ステージのわずかなチルトによるアッベ誤差が生じたりした場合であっても、載置台の位置決めの精度をより高めることができる。
本発明に係る投影露光装置は、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板において、所定間隔の格子状の交点に位置するように形成され、
前記載置台位置補正データは、前記格子状の交点に位置する前記基準基板基準マークの位置に基づいて演算されたデータであり、
前記露光基板位置制御手段は、前記載置台位置補正データを用いて曲線近似又は補間法により、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づけるように制御する。
誤差が、載置台の位置に対して徐々に変化するような場合には、載置台位置補正データを用いて曲線近似や補間計算により補間データを得ることで、基準マークの位置を計測する時間を短縮したり、載置台位置補正データが占める記憶容量を小さくしたり、駆動ステージを移動させる前に行う演算の時間を短縮することができる。
本発明に係る投影露光装置は、
前記パターンの像の投影倍率を変更して、前記パターンを前記露光基板に投影できる投影光学系と、
前記線形誤差補正演算手段によって算出された前記線形誤差補正データに基づいて前記投影倍率を定める投影倍率決定手段と、を含む。
線形誤差補正データは、長寸法計測の結果得られたものであるので、最小二乗近似計算による平均化効果を得ることができ、この結果に基づいて、投影倍率を補正することで、パターンを的確な大きさで露光基板に転写することができる。
また、特に、線形誤差補正データに基づくパラメータは、例えば、X方向の伸縮度やY方向の伸縮度がある。非対称に設計された投影光学系を用いた場合には、X方向とY方向とを独立に倍率補正することができ、より的確にパターンを露光基板に転写することができる。
本発明に係る投影露光装置は、
パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも4つの露光領域を有し、
前記露光基板基準マークは、前記少なくとも4つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
前記位置決定手段は、前記露光基板基準マークの位置の誤差を補正するための露光位置補正手段を含み、
前記露光位置補正手段は、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶手段と、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する位置誤差処理手段と、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の差分の誤差のうち非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する差分誤差処理手段と、
前記2つの非線形成分のうち少なくとも1つの誤差情報に基づく重み付けをして、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定手段と、を含むことを特徴とする。
線形成分の誤差と、非線形成分の誤差との重み付けをして、載置台を位置づける目標位置を算出するので、ダイバイダイ方式に近いステージ制御とグローバル方式に近いステージ制御を、露光基板の状態に応じて定めることができ、載置台を位置づける精度を向上させることができる。ここで「重み付け」とは、非線形な誤差と線形な誤差の大小のみで、ダイバイダイ方式とグローバル方式とのどちらか一方を選択するだけでなく、非線形な誤差と線形な誤差の大きさに応じて、目標位置を算出することを意味する。
本発明に係る投影露光装置は、
パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記露光基板に形成された露光基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも3つの露光領域を有し、
前記露光基板基準マークは、前記少なくとも3つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
前記位置決定手段は、前記露光基板基準マークの位置の誤差を補正するための露光位置補正手段を含み、
前記露光位置補正手段は、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶手段と、
前記露光領域基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分を算出する差分算出手段と、
前記最小二乗法によって得られる伸縮、回転及び直交のうちの少なくとも1つを前記差分に置き換えて、前記レチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影像と、前記露光基板との重ね合わせ目標位置を算出し制御する、重ね合わせ制御手段と、を含むことを特徴とする。
最小二乗法によって得られる伸縮、回転及び直交のうちの少なくとも1つを差分に置き換えるので、処理を簡便にすることができ、基板製造のスループットを高めることができる。
本発明に係る投影露光方法は、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶させる基準基板位置記憶ステップと、
前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光ステップと、
前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る投影露光方法は、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶ステップと、
前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶ステップと、
前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする。
上述した載置台位置補正データの値に基づいて、載置台の位置を補正するように、駆動ステージの駆動を制御することによって、基準基板に形成された基準マークの形成誤差のレベルで載置台を位置づけることができる。このため、載置台の位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、グローバル方式で露光基板にパターンを転写することができ、グローバル方式の長寸法測定や、平均化効果や、基準マークの計測点数の削減によって、載置台の位置決めの精度を高めることができると共に、露光基板製造のスループットをも高めることができる。
本発明に係る投影露光方法は、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、
複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、
各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含む投影露光装置を用いて、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を、前記載置台に載置された前記露光基板に投影する投影露光方法であって、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶ステップと、
前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光ステップと、
前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る投影露光方法は、
基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、
複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、
各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含む投影露光装置を用いて、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を、前記載置台に載置された前記露光基板に投影する投影露光方法であって、
前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶ステップと、
前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶ステップと、
前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする。
上述した載置台位置補正データの値に基づいて、載置台の位置を補正するように、駆動ステージの駆動を制御することによって、基準基板に形成された基準マークの形成誤差のレベルで載置台を位置づけることができる。このため、載置台の位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、グローバル方式で露光基板にパターンを転写することができ、グローバル方式の長寸法測定や、平均化効果や、基準マークの計測点数の削減によって、載置台の位置決めの精度を高めることができると共に、露光基板製造のスループットをも高めることができる。
また、レチクルを用いることなく、導体パターンを露光基板に形成することができ、デジタルマイクロミラーデバイスを制御することにより、導体パターンの形状を所望するものにできる。さらに、デジタルマイクロミラーデバイスを制御することにより、伸縮度のみならず、直交度等も補正することができる。
本発明に係る投影露光方法は、
前記投影露光装置は、前記露光光を前記露光基板に照射する投影光学系を含み、
前記基準マーク検出手段は、前記投影光学系と前記載置台との間に配置され、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークに非露光光を照射して、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出するアライメント光学系を含み、
前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マーク又は前記露光基板基準マークを検出するときに、
前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出するときには、前記アライメント光学系を検出位置に位置づけるステップと、
前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークの検出を終了したときには、前記検出位置から退避した退避位置に前記アライメント光学系を位置づけるステップと、を含む。
基準基板基準マークに非露光光を照射することで、的確に基準マークを検出することができる。また、複数の基準マークを検出する場合、最後の基準マークの位置を計測した後、アライメント光学系を退避させて、露光を開始するので、複数の露光領域の各々におけるアライメント光学系の移動を不要にすることができ、基準マークの検出に要する時間を短くできるので、スループットを高めることができる。
本発明に係る投影露光方法は、
前記載置台位置補正データは、複数の基準基板検出位置における前記露光基板基準マークの位置の平均値に基づいて算出される。
露光基板基準マークの位置の平均値に基づいて、載置台位置補正データを算出することによって、駆動ステージの移動に誤差が生じたり、駆動ステージのわずかなチルトによるアッベ誤差が生じたりした場合であっても、載置台の位置決めの精度をより高めることができる。
本発明に係る投影露光方法は、
前記基準基板基準マークが、前記基準基板において、所定間隔の格子状の交点に位置するように形成され、
前記載置台位置補正データが、前記格子状の交点に位置する前記基準基板基準マークの位置に基づいて演算されたデータであり、
前記載置台位置補正データを用いて曲線近似又は補間法により、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づけるように制御するステップを含む。
誤差が、載置台の位置に対して徐々に変化するような場合には、載置台位置補正データを用いて曲線近似や補間計算により補間データを得ることで、基準マークの位置を計測する時間を短縮したり、載置台位置補正データが占める記憶容量を小さくしたり、駆動ステージを移動させる前に行う演算の時間を短縮することができる。
本発明に係る投影露光方法は、
前記パターンの像の投影倍率を変更して、前記パターンを前記露光基板に投影できる投影光学系を含み、
前記線形誤差補正演算ステップで算出された前記線形誤差補正データに基づいて前記投影倍率を定めるステップを含む。
線形誤差補正データは、長寸法計測の結果得られたものであるので、最小二乗近似計算による平均化効果を得ることができ、この結果に基づいて、投影倍率を補正することで、パターンを的確な大きさで露光基板に転写することができる。
また、特に、線形誤差補正データに基づくパラメータは、例えば、X方向の伸縮度やY方向の伸縮度がある。非対称に設計された投影光学系を用いた場合には、X方向とY方向とを独立に倍率補正することができ、より的確にパターンを露光基板に転写することができる。
本発明に係る投影露光方法は、
基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも4つの露光領域を有し、
前記露光基板基準マークは、前記少なくとも4つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する位置誤差処理ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の差分の誤差のうち非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する差分誤差処理ステップと、
前記2つの非線形成分のうち少なくとも1つの誤差情報に基づく重み付けをして、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定ステップと、を含むことを特徴とする。
線形成分の誤差と、非線形成分の誤差との重み付けをして、載置台を位置づける目標位置を算出するので、ダイバイダイ方式に近いステージ制御とグローバル方式に近いステージ制御を、露光基板の状態に応じて定めることができ、載置台を位置づける精度を向上させることができる。ここで「重み付け」とは、非線形な誤差と線形な誤差の大小のみで、ダイバイダイ方式とグローバル方式とのどちらか一方を選択するだけでなく、非線形な誤差と線形な誤差の大きさに応じて、目標位置を算出することを意味する。
本発明に係る投影露光方法は、
パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光方法であって、 基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも3つの露光領域を有し、
前記露光基板基準マークは、前記少なくとも3つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶ステップと、
前記露光領域基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、
前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分を算出する差分算出ステップと、
前記最小二乗法によって得られる伸縮、回転及び直交のうちの少なくとも1つを前記差分に置き換えて、前記レチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影像と、前記露光基板との重ね合わせ目標位置を算出し制御する、重ね合わせ制御ステップと、を含むことを特徴とする。
最小二乗法によって得られる伸縮、回転及び直交のうちの少なくとも1つを差分に置き換えるので、処理を簡便にすることができ、基板製造のスループットを高めることができる。
ステージの位置を測定するための干渉計等の位置測定装置を用いることなく、基板を高速で的確な位置に位置づけることができる。更に、ウェハ基板と比べて非線形誤差が大きいプリント配線基板に於いても、十分なアライメント精度を得る事が可能となる。
更に、露光領域外にマークを設けても、非線形誤差が大きいプリント基板のアライメントができるので、基板の処理工程で露光領域外マークのダメージを軽減する様な処理を行う事が可能となり、複数の重ね合せ露光を同一のマークを利用してアライメントを行う事で、全層での良好な位置合わせができる。
本発明に係る第1の実施の形態の投影露光装置100の概略を示す図である。 X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との詳細を示す正面図(a)であり、X方向移動用ステージ172の詳細を示す正面図(b)である。 Z方向移動用ステージ176の詳細を示す側面図であり、Y方向移動用ステージ174を−Y方向の最端部に位置づけたときのもの(a)で、Y方向移動用ステージ174を+Y方向の最端部に位置づけたときのもの(b)である。 露光基板156a及び156bの例を示す図である。 ダイバイダイ方式による手順の第1の態様による基準マークの位置の検出と、露光基板156aの位置調整と、露光基板156aへの露光との手順を示す図である。 ダイバイダイ方式による手順の第2の態様による基準マークの位置の検出と、露光基板156aの位置調整と、露光基板156bへの露光との手順を示す図である。 ダイバイダイ方式による手順の第3の態様による基準マークの位置の検出と、露光基板156aの位置調整と、露光基板156bへの露光との手順を示す図である。 グローバル方式の場合の検出する露光基板156cの例を示す。 露光基板156cを用いたときのグローバル方式の処理の手順を示すフローチャートである。 テーブル177に載置された露光基板156cの4つの露光領域ER1、ER4、ER9又はER14の露光領域の基準マークRM1と基準マークRM2とを撮影するときの状態を示す図である。 6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyと、その各々の態様を示す図である。 基準基板158aの概略を示す正面図(a)であり、基準基板158aの1つの領域に形成された基準マークを示す拡大図(b)である。 12個の領域ER1〜ER12の各々について、複数の基準マークのうち、18個の基準マークを用いるものを示す図である。 基準基板158aの基準マーク対の位置を決定するための手順を示すフローチャートである。 基準基板158bの概略を示す正面図(a)であり、基準基板158bの1つの領域に形成された基準マークを示す拡大図(b)である。 基準位置用レチクルに形成された基準パターンを示す図(a)であり、非被覆部44に対応したパターンORM1〜ORM9が、基準基板158bの全ての領域ER1〜ER12に転写された基準基板158bを示し(b)、中心が変位して、パターンORM1〜ORM9が転写された状態を示す図(c)である。 基準基板158bへ基準パターンを転写する処理と、基準基板158bの基準マーク対の位置を決定する処理との手順を示すフローチャートである。 基準基板158a又は158bを用いてX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動の誤差を補正して、グローバル方式によって露光処理を行う手順を示すフローチャートである。 ダイバイダイ方式とグローバル方式との重み付けを行って、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との位置を決める処理を示すフローチャートである。 本発明に係る第2の実施の形態の投影露光装置100の概略を示す図である。 露光基板156に形成される光束スポットの像260と、露光基板156とを拡大して示す図である。 X方向に連続するパターンを形成するときの手順を示す図である。 Y方向に連続するパターンを形成するときの手順を示す図である。 露光基板の変形が、(a)2次式よって近似される場合、(b)3次式よって近似される場合の、露光基板の変形の様子を示す図である。 インテリジェントグローバル方式の処理の手順を示す図である。 インテリジェントグローバル方式の処理で用いる露光基板の一例の概略図である。 一部の露光基板基準マークの検出を省略することを示す露光基板の概略図である。 一部の露光基板基準マークの検出を省略することを示す露光基板の概略図である。 検出領域誤差パラメータ値の一例を示す概略図である。 インテリジェントグローバル方式の処理による位置の誤差補正の例を示す概略図である。 従来のアライメント光学系を示す概略図である。 露光フィールドのマーク位置を示す概略図である。 露光フィールドのその他のマーク位置の配置を示す概略図である。 露光フィールドにおける曲線近似計算を行う場所を示す概略図である。 露光フィールドにおける、向かい合う曲線グループ、それに直交した向かい合う曲線グループ、及び露光位置座標を示す概略図である。 補正を行なう露光フィールドの形状の一例を示す概略図である。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
<<<<第1の実施の形態>>>>
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の投影露光装置100の概略を示す。投影露光装置100は、主として、プリント配線板を製造するためのものである。
<<<構成>>>
<<投影光学系>>
<光源110>
光源110は、所望する波長の光束を発するものを用いる。例えば、水銀ランプ等の短い波長の紫外線を発するものを用いることができる。光源110のバルブ内には、発光物質である水銀と、陽極(図示せず)と陰極(図示せず)との2つの電極が封入されている。この陰極と陽極とは、対向して配置されている。各電極は金属導体(図示せず)に電気的に接続されており、陰極と陽極との間でアーク放電が形成される。
光源110の一方の口金112aは、後述する楕円鏡120の外側に設けられた支持部材(図示せず)に固定されている。また、他方の口金112bは、図示しない電源ケーブルに接続されている。光源110は、これらの口金を介して両電極に所定の電圧が引加されることにより放電する。なお、電源ケーブルは、径が小さく、光源110から発せられる光束を妨げることはない。
陽極と陰極との間でアーク放電を起こすと、アーク柱と呼ばれる放電部分から強い発光を生じる。このアーク柱から放射される光束は、四方に広がる発散光である。
<楕円鏡120>
楕円鏡120は、光源110から発せられた光束を集光する。図1に示すように、楕円鏡120は、反射面122を有し、楕円鏡120は、反射面122の形状を回転楕円面とした反射鏡である。楕円鏡120の底部には、貫通孔126が形成されている。貫通孔126には、光源110の一部が配置される。光源110の一部を貫通孔126に配置することで、光源110のアーク部分が楕円鏡120の第1の焦点に位置するように、光源110を位置づけることができる。
上述したように、光源110から発せられた光束を楕円鏡120により一旦集光することによって、光束の照度を上げることができる。このようにすることで、光源110から発せられた光束の利用効率を高めることができる。
上述したように、本発明に係る照明装置では、集光光学系に楕円鏡120を使用する。楕円鏡120は、第1の焦点と第2の焦点との2つの焦点を有し、光源110は、光源110のアーク部分が楕円鏡120の第1の焦点に位置するように、支持部材(図示せず)によって支持されている。このようにすることで、光源110から発せられた光束は、楕円鏡120の反射面122で反射して第2の焦点に集光される。
<ロッド130>
ロッド130は、長尺な直方体状の形状を有する。ロッド130は入射面132と射出面134とを有する。ロッド130の光源像共役面が、光学的に楕円鏡120の第2の焦点に、又は第2の焦点と共役な点に位置するように、ロッド130は配置される。さらに、ロッド130の射出面134が、後述するレチクル142のパターン形成面144と共役な位置となるように、ロッド130は配置される。
ロッド130の入射面132には、光源110から発せられた光束が入射される。ロッド130は、入射面132に入射された光束の照度を均一に近づけるためのものである。ロッド130の射出面134からは、照度を均一に近づけられた光束が射出される。ロッド130は、入射面132に入射された光束によって、照度を均一に近づけて照明できるものであればよい。
<導光光学系140>
導光光学系は、反射ミラー136と、照明リレー光学系138と、反射ミラー140とからなる。ロッド130の射出面134から射出された光束は、反射ミラー136によって、進行方向が変えられ、照明リレー光学系138によって断面の大きさが拡大され、反射ミラー140によって、再び、進行方向が変えられ、後述するレチクル142に入射する。
<レチクル142>
レチクル142は、プリント配線板を製造するときに、後述する露光基板156(156a,156b又は156c)に導体パターンを形成するために用いられるフォトマスクである。このレチクル142は、光源110から発せられた露光光によって、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写して、露光基板156に導体パターンを形成するためのネガに相当する。露光基板156に形成しようとする導体パターンに対応したパターンが、レチクル142のパターン形成面144に形成されている。
露光基板156は、銅張積層基板等の基板から構成され、導体パターンが形成される前の基板であり、その表面がレジスト等の感光性の物質によって覆われている基板をいう。また、導体パターンは、プリント配線板で導電性材料によって形成される図形をいう。さらに、プリント配線板は、露光基板156に導体パターンが形成されたものをいう。
上述したように、ロッド130の射出面134から射出されて、反射ミラー140に進行方向が変えられた光束は、レチクル142のパターン形成面144を照明する。
<レチクルブラインド146>
レチクル142の上方の近傍には、レチクルブラインド146が配置されている。レチクルブラインド146は、レチクル142に対して平行を保ちつつ移動可能な可動板148を有する。なお、図1に示した例では、レチクル142は、水平に保持されており、レチクルブラインド146の可動板148は、白抜きの矢印で示すように、水平方向に移動できる。レチクルブラインド146は、ロッド130の射出面134から射出された光束の一部を遮り、光束の断面を所望する大きさに変更する。断面が変更された光束は、上述したレチクル142に照射される。
<投影レンズ150>
上述したレチクル142の下方には、投影レンズ150が設けられている。投影レンズ150は、入射面152と射出面154とを有し、入射面152が上側に位置し、射出面154が下側に位置するように、支持部材(図示せず)に支持されて設けられている。
投影レンズ150の入射面152には、レチクル142を透過した光束が入射する。投影レンズ150は、少なくとも1つ以上の各種のレンズから構成され、投影レンズ150の内部で、これらのレンズによって、入射面152に入射した光束の断面の大きさが所望する大きさになるように変換され、変換された光束が射出面154から射出される。このようにすることで、後述するレチクル142のパターン形成面144に形成されたパターンの像の大きさを投影レンズ150によって変え、そのパターンの像を後述する露光基板156に投影し、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156上に所望する大きさで転写することができる。なお、投影レンズ150は、等倍投影光学系からなるものが好ましい。
<<アライメント光学系160>>
アライメント光学系160は、後述する露光基板156(156a,156b又は156c)や、基準基板158(158a又は158b)に形成された基板基準マークを撮影して、基板基準マークの位置を決定するための光学系である。アライメント光学系160は、可動ステージ(図示せず)に載せられて、退避位置と測定位置とに位置づけられる。この退避位置と測定位置とについては、後述する。
また、アライメント光学系160は、後述する基板載置ステージ170のテーブル177に形成されたテーブル基準マーク179を撮影して、テーブル基準マークの位置を決定するときにも用いられる。
アライメント光学系160は、2つの顕微鏡162a及び162bを含む。顕微鏡162a及び162bの各々は、CCDカメラ等の撮像素子(図示せず)を含み、基板基準マークや、テーブル基準マークを撮影することができる。顕微鏡162a及び162bの撮像素子には、画像処理装置164が電気的に接続されている。画像処理装置164は、顕微鏡162a及び162bが撮影した像を画像データとして取り込み、画像データを加工等して、基板基準マークの像や、テーブル基準マークの像を抽出し、基板基準マークの位置や、テーブル基準マークの位置を決定し記憶する。
なお、図1に示した例では、アライメント光学系160は、1つのみであり、投影レンズ150の下方左側に配置されているが、アライメント光学系160a及び160bとして、2つの光学系を設けてもよい。この場合には、アライメント光学系160aを、アライメント光学系160と同様に、投影レンズ150の下方左側に配置し、アライメント光学系160bを投影レンズ150の下方右側に配置する(図示せず)。アライメント光学系160a及び160bの各々は、アライメント光学系160と同様の構成であり、各々が2つの顕微鏡を有し、基板基準マークや、テーブル基準マークを撮影することができる。また、アライメント光学系160a及び160bの各々には、画像処理装置164が電気的に接続されており、アライメント光学系160a及び160bの各々によって撮影された像を処理することができる。このように2つのアライメント光学系を用いた場合には、後述するように、処理を迅速化することができる。
<<基板載置ステージ170>>
図1に示すように、投影レンズ150の下方には、基板載置ステージ170が設けられている。基板載置ステージ170は、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174と、Z方向移動用ステージ176と、からなる。なお、図1では、図面の右向きが+X方向を示し、図面の奥行き方向が+Y方向を示し、図面の上方向が、+Z方向を示す。Z方向移動用ステージ176の上面には、露光基板156を水平に載置するためのテーブル177(図示せず)が形成されている。
なお、テーブル177の上面の一部には、上述したレチクル142に形成されているレチクル基準マーク(図示せず)との位置合わせをするためのテーブル基準マーク179(図示せず)が形成されている。レチクル基準マークは、レチクル142の基準位置を示すための基準マークである。このレチクル基準マークをテーブル177に投影したときの像(以下、レチクル基準マークの像と称する。)の位置と、テーブル基準マーク179との位置とが一致したときのテーブル基準マーク179を、アライメント光学系160で撮影して、テーブル基準マーク179の位置を記憶させておく。レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に投影するときには、記憶させたテーブル基準マーク179の位置と、基板基準マークの位置とが一致するようにすることで、レチクル142に形成されたパターンを、露光基板156の所望する露光領域に投影することができる。
<X方向移動用ステージ172、Y方向移動用ステージ174>
図2(a)は、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との詳細を示す正面図であり、図2(b)は、X方向移動用ステージ172の詳細を示す正面図である。なお、図2(a)及び(b)では、図面の右向きが+X方向を示し、図面の上方向が、+Y方向を示す。
基板載置ステージ170は、長尺な形状の定盤178aと178bとを有する。定盤178aと178bとの各々は、所定の台(図示せず)に固定されている。
定盤178aには、リニアモータ固定子180aとリニアエンコーダ固定子182aとが、設けられている。リニアモータ固定子180aとリニアエンコーダ固定子182aとは、長尺な形状を有する。リニアモータ固定子180aとリニアエンコーダ固定子182aとは、互いに平行になるように、かつ、定盤178aの長手方向に沿うように、定盤178aに設けられている。
定盤178bにも、リニアモータ固定子180bとリニアエンコーダ固定子182bとが、設けられている。リニアモータ固定子180bとリニアエンコーダ固定子182bとは、長尺な形状を有する。リニアモータ固定子180bとリニアエンコーダ固定子182bとは、互いに平行になるように、かつ、定盤178bの長手方向に沿うように、定盤178bに設けられている。
また、定盤178aには、リニアモータ固定子180aとリニアエンコーダ固定子182aとの間に、長尺な形状のリニアガイド188aが設けられている。定盤178bには、リニアモータ固定子180bとリニアエンコーダ固定子182bとの間に、長尺な形状のリニアガイド188bが設けられている。
Y方向移動用ステージ174の下面の左側には、リニアモータ可動子184aが、リニアモータ固定子180aに対応するように設けられている。また、Y方向移動用ステージ174の下面の右側には、リニアモータ可動子184bが、リニアモータ固定子180bに対応するように設けられている。リニアモータ可動子184aや184bに電流を供給することによって、リニアモータ可動子184aは、リニアガイド188aに案内されつつ、リニアモータ固定子180aに沿って移動し、リニアモータ可動子184bは、リニアガイド188bに案内されつつ、リニアモータ固定子180bに沿って移動し、その結果、Y方向移動用ステージ174を±Y方向の所望する位置に移動させることができる。
Y方向移動用ステージ174の下面の左側には、リニアエンコーダ可動子186aも、リニアエンコーダ固定子182aに対応するように設けられている。リニアエンコーダ可動子186aからは、リニアエンコーダ固定子182aに対するリニアエンコーダ可動子186aの位置を示す信号が発せられる。
また、Y方向移動用ステージ174の下面の右側には、リニアエンコーダ可動子186bも、リニアエンコーダ固定子182bに対応するように設けられている。リニアエンコーダ可動子186bからは、リニアエンコーダ固定子182bに対するリニアエンコーダ可動子186bの位置を示す信号が発せられる。
Y方向移動用ステージ174には、制御装置199が接続されている。制御装置199は、リニアエンコーダ可動子186aから発せられる信号と、リニアエンコーダ可動子186bから発せられる信号とを受信することによって、Y方向移動用ステージ174のY方向の位置や移動距離を得ることができる。Y方向移動用ステージ174を±Y方向に移動させるときには、制御装置199は、リニアエンコーダ可動子186aから発せられる信号と、リニアエンコーダ可動子186bから発せられる信号とを受信して、リニアエンコーダ可動子186aと186bとの位置に基づいて、リニアモータ可動子184aや184bに供給する電流の制御をする。
また、リニアエンコーダ可動子186aと186bとを同じ方向に移動させることによって、Y方向移動用ステージ174を±Y方向に並進移動させることができる。また、リニアエンコーダ可動子186aと186bとを異なる距離移動させたり、反対方向に移動させたりすることによって、Y方向移動用ステージ174を時計回り又は反時計回りにある程度回転させることもできる。
図2(b)は、X方向移動用ステージ172の詳細を示す正面図である。
図2(b)に示すように、Y方向移動用ステージ174の上部には、リニアモータ固定子190とリニアエンコーダ固定子192とが、設けられている。リニアモータ固定子190とリニアエンコーダ固定子192とは、長尺な形状を有する。リニアモータ固定子190とリニアエンコーダ固定子192とは、互いに平行になるように、かつ、Y方向移動用ステージ174の長手方向に沿うように、Y方向移動用ステージ174に設けられている。Y方向移動用ステージ174には、リニアモータ固定子190とリニアエンコーダ固定子192との間に、長尺な形状のリニアガイド194が設けられている。
X方向移動用ステージ172の下面には、リニアモータ可動子196が、リニアモータ固定子190に対応するように設けられている。リニアモータ可動子196に電流を供給することによって、リニアモータ可動子196は、リニアガイド194に案内されつつ、リニアモータ固定子190に沿って移動し、その結果、X方向移動用ステージ172を±X方向の所望する位置に移動させることができる。
X方向移動用ステージ172の下面には、リニアエンコーダ可動子198も、リニアエンコーダ固定子192に対応するように設けられている。リニアエンコーダ可動子198からは、リニアエンコーダ固定子192に対するリニアエンコーダ可動子198の位置を示す信号が発せられる。
X方向移動用ステージ172にも、制御装置199が接続されている。制御装置199は、リニアエンコーダ可動子198から発せられる信号を受信することによって、X方向移動用ステージ172の位置や移動距離を得ることができる。なお、上述したように、Y方向移動用ステージ174を時計回り又は反時計回りにある程度回転させることもできるので、リニアエンコーダ可動子198から発せられる信号は、Y方向移動用ステージ174の長手方向に沿ったX方向移動用ステージ172の位置を示す。X方向移動用ステージ172を、Y方向移動用ステージ174の長手方向に沿った方向に移動させるときには、制御装置199は、リニアエンコーダ可動子198から発せられる信号を受信して、リニアエンコーダ可動子198の位置に基づいて、リニアモータ可動子196に供給する電流の制御をする。
上述したリニアエンコーダ可動子186a及び186bから発せられる信号は、Y方向移動用ステージ174のホームポジションを原点として、定盤178aや178bに固定された座標系におけるY方向移動用ステージ174のY方向の位置を示す。また、リニアエンコーダ可動子198から発せられる信号は、X方向移動用ステージ172のホームポジションを原点として、Y方向移動用ステージ174に固定された座標系におけるX方向移動用ステージ172の位置を示し、この位置は、Y方向移動用ステージ174の長手方向に沿った位置である。上述したように、X方向移動用ステージ172は、Y方向移動用ステージ174の上部に設けられているので、制御装置199は、リニアエンコーダ可動子186a及び186bから発せられる信号をも得ることによって、X方向移動用ステージ172の位置を、定盤178aや178bに固定された座標系における位置に変換することができる。
このようにすることで、制御装置199は、リニアエンコーダ可動子186aから発せられる信号と、リニアエンコーダ可動子186bから発せられる信号と、リニアエンコーダ可動子198から発せられる信号とを受信することによって、定盤178aや178bに固定された座標系におけるY方向移動用ステージ174のY方向の位置や回転位置を得ることができ、定盤178aや178bに固定された座標系におけるX方向移動用ステージ172のX方向の位置を得ることができる。
<Z方向移動用ステージ176>
図3は、Z方向移動用ステージ176の詳細を示す側面図である。なお、図3では、図面の左向きが+Y方向を示し、図面の奥行き方向が+X方向を示す。図3(a)は、Y方向移動用ステージ174を−Y方向の最端部に位置づけたときのもので、図3(b)は、Y方向移動用ステージ174を+Y方向の最端部に位置づけたときのものである。
X方向移動用ステージ172の上部には、Z方向移動用ステージ176が設けられている。上述したように、Z方向移動用ステージ176の上面には、露光基板156を載置するためのテーブル177が形成されている。Z方向移動用ステージ176は、±Z方向に並進移動させるだけでなく、Z方向移動用ステージ176を水平に対して傾斜させるためのチルト駆動モータ(図示せず)を有する。チルト駆動モータを制御することによって、このZ方向移動用ステージ176のテーブル177を水平に対して所望の角度だけ傾斜させることができる。
図3(a)及び図3(b)に示すように、Z方向移動用ステージ176のテーブル177には、露光基板156が載置される。上述したチルト機構によって、Z方向移動用ステージ176を傾斜させることにより、Z方向移動用ステージ176のテーブル177に載置された露光基板156を、所望する角度だけ水平に対して傾斜させることができる。
また、図3(a)及び図3(b)に示すように、下方に向かう白抜きの矢印は、投影レンズ150(図示せず)の射出面154から射出された光束を示す。投影レンズ150の射出面154から射出された光束は、露光基板156に照射される。図3(a)及び図3(b)に示す矢印の範囲が、光源110から発せられた光束によって、露光される露光領域Aを示す。
Z方向移動用ステージ176のテーブル177は、平坦に加工されるのが好ましいが、テーブル177に載置する露光基板156の大きさによっては、テーブル177を大きくせざるを得ない場合がある。このような場合には、テーブル177の平坦性を良くして加工しても、テーブル177に湾曲、いわゆるうねりが生ずる場合もある。
このように、Z方向移動用ステージ176のテーブル177が、湾曲して形成されている場合に、テーブル177に露光基板156を載置したときには、露光基板156は、湾曲したテーブル177に沿って撓むことになる。このように、露光基板156が撓んで、テーブル177に載置された場合には、図3(a)及び図3(b)に示すように、露光基板156のうちの露光領域Aが水平となるように、上述したZ方向移動用ステージ176のチルト駆動モータを制御することによって、テーブル177を水平方向に対して傾ける。
なお、チルト駆動モータの制御は、クローズド制御とオープン制御とのうちのいずれによって行ってもよい。クローズド制御は、Z方向移動用ステージ176にチルト量計測センサー(図示せず)を設けて、チルト量計測センサーによって計測されたチルト量に基づいて、チルト駆動モータの制御をする。一方、オープン制御は、予め、Z方向移動用ステージ176のテーブル177に生じている湾曲の程度を測定して、その結果を記憶しておき、露光の際に、記憶させておいた湾曲の程度を読み出して、チルト駆動モータの制御をして、テーブル177の傾きを定める。
上述したように、Z方向移動用ステージ176の上面に、露光基板156を載置するためのテーブル177が形成されており、Z方向移動用ステージ176は、X方向移動用ステージ172の上部に設けられている。したがって、上述したX方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177を所望するX方向の位置及びY方向の位置に位置づけることができる。
<アッベ誤差の発生>
上述したように、Z方向移動用ステージ176を傾斜させることによって、露光される露光領域Aを水平に保つことができるが、Z方向移動用ステージ176を傾斜させた場合には、Z方向移動用ステージ176の傾斜の程度に応じて、Z方向移動用ステージ176の水平の基準位置と、露光基板156の表面との間の距離(図3に示したΔZ)が変化する。このため、この距離ΔZに応じて、アッベ誤差が生ずる場合がある。このアッベ誤差が生じた場合には、水平方向の位置の測定誤差が生ずる。
また、テーブル177に載置する露光基板156の大きさによっては、上述したX方向移動用ステージ172やY方向移動用ステージ174の移動距離も長くせざるを得ない場合がある。このため、X方向移動用ステージ172のリニアガイド194や、Y方向移動用ステージ174のリニアガイド188a及び188bの水平方向の長さを長くする必要があり、リニアガイド194や、リニアガイド188a又は188bに、Z方向の湾曲が生じやすくなる。リニアガイド194や、リニアガイド188a又は188bに、Z方向の湾曲が生じた場合にも、Z方向の湾曲の程度によって、アッベ誤差が生じ、水平方向の位置の測定誤差が生ずる。
<<露光基板156a及び156b>>
図4は、露光基板156a及び156bの例を示す図である。図4(a)及び図4(b)の各々に示す例では、外側の長方形が、露光基板156aや156bの外形の輪郭を示す線である。また、外側の長方形の内側に示した横方向の4個と縦方向の3個との合計12個の正方形(ER1〜ER12)の各々が、1つの露光領域を示す。この12個の露光領域ER1〜ER12の各々に、レチクル142に形成されたパターンが転写される。なお、12個の露光領域ER1〜ER12の各々の輪郭を示す正方形の線は、露光領域を明示するためのものであり、仮想的な線である。
この露光基板156aや156bが、テーブル177に載置されるときには、図4(a)及び図4(b)に示すように、露光基板156aや156bの縦方向が、基板載置ステージ170のX方向になるように、露光基板156aや156bの横方向が、基板載置ステージ170のX方向になるようにする。
以下では、露光基板156aと露光基板156bとを、特に区別する必要がないときには、単に露光基板156と称する。
図4(a)は、露光領域の各々に2つの基準マークが形成されている露光基板156aの例を示し、図4(b)は、露光領域の各々に4つの基準マークが形成されている露光基板156bの例を示す。
上述したように、図4(a)は、12個の露光領域(ER1〜ER12)の各々に2つの基準マークRM1及びRM2が形成されている露光基板156aを示す。この図4(a)に示した例では、2つの基準マークRM1及びRM2が、露光領域ER1〜ER12の各々について、正方形の露光領域の4辺のうちの互いに向かい合う辺の各々の中点の近傍に形成されている。なお、2つの基準マークRM1及びRM2が形成される位置は、このような位置には限られず、2つの基準マークRM1及びRM2がなるべく離隔するように、2つの基準マークRM1及びRM2を形成するのがよい。なるべく離隔するように形成することで、2つの基準マークRM1及びRM2の位置を測定する精度を高めることができる。
図4(a)に示した例では、1枚の露光基板156aには、12個の露光領域(ER1〜ER12)があり、その各々に、2つの基準マークRM1とRM2とが形成されており、1枚の露光基板156aには、合計で、24個の基準マークが形成されている。
レチクル142に形成されたパターンを、この露光基板156aに転写するときには、2つの基準マークRM1とRM2との各々に対応するように2つのレチクル基準マークが形成されたレチクルを用いる。
上述したように、図4(b)は、12個の露光領域(ER1〜ER12)の各々に4つの基準マークRM1〜RM4が形成されている露光基板156bを示す。この図4(b)に示した例では、4つの基準マークRM1〜RM4が、露光領域ER1〜ER12の各々について、正方形の露光領域の4隅の各々の近傍に形成されている。なお、4つの基準マークRM1〜RM4を形成する位置も、このような位置には限られず、4つの基準マークRM1〜RM4がなるべく離隔するように、形成すればよい。なるべく離隔するように配置することによって、4つの基準マークRM1〜RM4の位置を測定する精度を高めることができる。
図4(b)に示した例では、1枚の露光基板156bには、12個の露光領域(ER1〜ER12)があり、その各々に、4つの基準マークRM1〜RM4が形成されており、1枚の露光基板156bには、合計で、48個の基準マークが形成されている。
レチクル142に形成されたパターンを、この露光基板156bに転写するときには、4つの基準マークRM1〜RM4の各々に対応するように4つのレチクル基準マークが形成されたレチクルを用いる。
<基準マークの位置の変位>
上述した露光基板156aに形成されている基準マークRM1及びRM2や、露光基板156bに形成されている基準マークRM1〜RM4は、本来、所望する位置に位置するように形成される。しかし、これらの基準マークは、レーザ光で露光基板156の表面を溶融することによって形成されたり、ドリル等によって機械的に加工することで形成されたりする。このような基準マークの形成方法の精度によっては、基準マークは、本来予定していた設計上の位置から変位した位置に形成される場合がある。
また、熱が露光基板156に加えられたり、搬送の途中で露光基板156に力が加えられたりして、露光基板156が、全体的に又は一部的に変形する場合もある。このような場合には、本来予定していた設計上の位置とは異なる位置に、基準マークが位置することになる。
さらに、上述したように、X方向移動用ステージ172や、Y方向移動用ステージ174や、Z方向移動用ステージ176の構造によっては、アッベ誤差が生ずる場合もある。
このように、基準マークが、本来予定していた設計上の位置から変位した位置となったり、アッベ誤差が生じた場合に、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に的確に転写するためには、X方向移動用ステージ172や、Y方向移動用ステージ174や、Z方向移動用ステージ176を位置決めするときに、基準マークの誤差を考慮して位置決めする必要がある。この位置決めについては後述する。
なお、本明細書においては、基準マークが、本来予定していた設計上の位置から変位した位置に位置することも、基準マークの位置に誤差が生じたと称する。
<<<レチクル142に形成されたパターンの転写の手順>>>
上述したように、光源110から発せられた露光光によって、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写する。本実施の形態では、露光基板156には複数の露光領域があり、複数の露光領域の各々にレチクル142に形成されたパターンを順次転写するものとする。
レチクル142に形成されたパターンを転写する前準備として、上述したように、レチクル基準マークの像の位置と、テーブル基準マーク179の位置とを一致させる必要がある。テーブル177の上面の一部には、レチクル142に形成されているレチクル基準マークとの位置合わせをするためのテーブル基準マーク179が形成されている。レチクル基準マークの像の位置と、テーブル基準マーク179の位置とが一致するように、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを駆動し、テーブル177を移動させる。レチクル基準マークの像の位置と、テーブル基準マーク179の位置とが一致したときのテーブル基準マーク179を、アライメント光学系160で撮影して、テーブル基準マーク179の位置を記憶させておく。
レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写するときには、まず、所望する露光領域の基準マークの位置が、上述した前準備で記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するように、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを移動させる。
例えば、図4(a)に示した露光基板156aの露光領域ER1にレチクル142に形成されたパターンを転写するときには、露光領域ER1に形成された基準マークRM1及びRM2の位置が、上述した処理で記憶されたテーブル基準マーク179の位置と一致するように、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを移動させる。なお、上述したように、露光基板156aにパターンを転写するときには、2つの基準マークRM1とRM2との各々に対応するように、2つのレチクル基準マークが形成されたレチクルをレチクル142として用いる。
また、同様に、例えば、図4(b)に示した露光基板156bの露光領域ER6にレチクル142に形成されたパターンを転写するときには、露光領域ER6に形成された基準マークRM1〜RM4の位置が、上述した処理で記憶されたテーブル基準マーク179の位置と一致するように、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを移動させる。この場合も、上述したように、露光基板156bにパターンを転写するときには、4つの基準マークRM1〜RM4との各々に対応するように、4つのレチクル基準マークが形成されたレチクルをレチクル142として用いる。
所望する露光領域の基準マークの位置が、記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するように、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを移動させて、その位置で、光源110から露光光を発して、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写する。
このように、所望する露光領域の基準マークの位置と、記憶されているテーブル基準マーク179の位置とを一致させて、光源110から露光光を発する手順を繰り返し行うことで、レチクル142に形成されたパターンを複数の露光領域の各々に順次転写していくことができる。
しかしながら、上述した基準マークの位置に誤差が生じている場合には、上述したX方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを、生じた誤差に応じて位置づける必要がある。
<<<アライメントの方式>>>
X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを、誤差に応じて位置づける方式には、ダイバイダイ方式とグローバル方式とがある。ダイバイダイ方式は、複数の露光領域の各々について、基準マークの位置の誤差を算出し、その誤差に応じてX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との位置を補正して位置づけて、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写していくものである。一方、グローバル方式は、露光基板156の全体にわたる誤差を予め算出しておくものである。まず、露光基板156の全体にわたる誤差を算出し、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける位置を、測定した誤差に基づいて補正して、補正した位置を記憶させておく。レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写するときには、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを、補正した位置に位置づけて、順次パターンを露光基板156に転写する。
<<ダイバイダイ方式>>
ダイバイダイ方式は、上述したように、露光基板156の複数の露光領域毎に、基準マークの位置を上述したアライメント光学系160で測定し、その測定結果に応じて基板載置ステージ170の位置を補正して、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写する方式である。
上述したように、このダイバイダイ方式は、アライメント光学系160によって基準マークの位置を測定し、その測定結果に応じて基板載置ステージ170の位置を補正し、その位置が適切であるか否かを確認する。X方向移動用ステージ172の位置と、Y方向移動用ステージ174の位置を決定するための干渉計を用いることなく、基板載置ステージ170を的確に位置決めできるので、投影露光装置100を安価にすることができる。
ダイバイダイ方式について、さらに詳述する。
なお、以下に説明するダイバイダイ方式による手順の第1の態様〜第3の態様では、上述した前準備を行って、レチクル基準マークの像の位置と、テーブル基準マーク179の位置とを一致させたときのテーブル基準マーク179の位置は、予め記憶されているものとする。
<ダイバイダイ方式による手順の第1の態様>
この第1の態様は、上述した露光基板156aの12個の露光領域ER1〜ER12の各々にレチクル142に形成されたパターンを転写するためのものである。上述したように、露光基板156aの12個の露光領域ER1〜ER12の各々には、2つの基準マークRM1及びRM2が形成されている。この第1の態様では、アライメント光学系160を用いて、2つの基準マークRM1及びRM2の位置を決定する。上述したように、このアライメント光学系160は、2つの顕微鏡162a及び162bを含む。顕微鏡162aで、露光基板156aの基準マークRM1を検出し、顕微鏡162bで、露光基板156aの基準マークRM2を検出する。
2つの顕微鏡162a及び162bの各々は、CCDカメラ等の撮像素子(図示せず)を含み、基準マークRM1又はRM2を含む露光基板156aの表面を撮像素子で撮影して、その撮影した画像から基準マークRM1又はRM2の像を抽出することによって、基準マークRM1又はRM2の位置を決定する。
図5(a)〜図5(c)は、この第1の態様による基準マークの位置の検出と、露光基板156aの位置調整と、露光基板156aへの露光との手順を示す図である。なお、図5(a)〜図5(c)に示した例では、露光基板156aの12個の露光領域ER1〜ER12のうちER1を代表的に示した。また、図5(a)〜図5(c)に示した例では、図面の上方向が、+X方向であり、図面の左方向が、+Y方向である。さらに、図5(a)〜図5(c)に示した例では、大きい円が、投影レンズ150から射出された光束を照射することができる照射可能範囲EAを示す。
図5(a)は、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177に載置された露光基板156aの露光領域ER1を、照射可能範囲EAに位置づけたときの状態を示す。なお、露光基板156aの露光領域ER1〜ER12の各々に形成されている2つの基準マークRM1及びRM2の設計上の位置は、予め記憶されており、この値に基づいて、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを移動させることによって、露光基板156aの露光領域ER1〜ER12を、照射可能範囲EAに位置づけることができる。
この図5(a)の状態では、アライメント光学系160は、退避位置に位置する。なお、このアライメント光学系160の退避位置は、図1に示すように、アライメント光学系160が、露光基板156aへの露光や種々の作業等の障害とならないようにするために、アライメント光学系160を投影レンズ150の下方から退避させた位置である。例えば、アライメント光学系160の退避位置は、光源110から露光光を発して、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156aに転写したりするときに、アライメント光学系160を位置づける位置である。このアライメント光学系160の退避位置は、アライメント光学系160のホームポジションにするのが好ましい。なお、図5(a)では、簡略化するために、露光領域ER1から退避した位置にアライメント光学系160を位置づけている状態を示したが、上述したように、実際には、この位置は、基板載置ステージ170からアライメント光学系160を退避させた位置である。
アライメント光学系160は、X方向アライメント移動用ステージ(図示せず)を含む。X方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図5(a)又は図5(c)の白抜きの矢印AX1又はAX2で示すように、アライメント光学系160を±X方向に移動させることができる。
図5(b)は、アライメント光学系160を測定位置に移動させて位置づけたときの状態を示す。上述したように、アライメント光学系160は、X方向アライメント移動用ステージを含み、このX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図5(a)の白抜きの矢印AX1に示すように、アライメント光学系160を+X方向に移動させて、測定位置に位置づけることができる。
この測定位置は、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影するときにアライメント光学系160を位置づける位置である。このアライメント光学系160の測定位置は、一定の位置であることを保障できればよく、位置検出装置を用いて、測定位置に位置するときのアライメント光学系160の位置を決定する必要はない。すなわち、アライメント光学系160を、上述した退避位置から、基準マークRM1やRM2を撮影できる測定位置に位置づけたときに、その測定位置が、常に一定の位置となるようにできればよい。
アライメント光学系160を退避位置から測定位置に移動させるには、以下のようにすればよい。まず、例えば、上述したアライメント光学系160の退避位置を、X方向アライメント移動用ステージのホームポジションとした場合に、その退避位置から測定位置までの距離に応じたパルス信号の数を、X方向アライメント移動用ステージのモータを制御するための制御手段に予め記憶させておく。次に、アライメント光学系160を退避位置から測定位置へ位置づけるときには、その記憶させたパルス信号の数だけ、パルス信号を制御手段からモータへ供給することで、X方向アライメント移動用ステージのホームポジションから一定の測定位置へ、アライメント光学系160を常に位置づけることができる。
図5(b)に示したように、アライメント光学系160を測定位置に移動させて位置づけて、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影する。撮影した画像を画像記憶手段(図示せず)に記憶させ、画像処理手段(図示せず)によって画像処理を行って、基準マークRM1及びRM2の像を抽出し、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とを算出する。なお、このときの、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とは、画像上における位置であり、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置である必要はない。
このようにして得られた基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置は、X方向の位置(X座標)とY方向の位置(Y座標)である。この基準マークRM1のX座標及びY座標と、基準マークRM2のX座標及びY座標とを得ることで、後述するように、露光領域ER1のXオフセットと、Yオフセットと、ローテーションと、X方向の倍率との4つの情報が得られる。なお、これらの4つの情報については、後述する。
得られた基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とが、前準備によって予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するか否かを判断する。上述したように、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置は、レチクル142に形成されているレチクル基準マークの像の位置である。基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とが、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致していないと判別したときには、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とが、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するように、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、露光基板156aの露光領域ER1を位置づける。このようにすることで、基準マークRM1の位置及び基準マークRM2の位置が、レチクル142に形成されている基準マークの位置と対応するように、露光基板156aの露光領域ER1を位置づけることができる。なお、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とから得られたX方向の倍率が1でない場合には、X方向の倍率が1となるように、投影レンズ150の倍率を変更する制御も同時に行う。
図5(c)は、アライメント光学系160を再び退避位置に移動させて位置づけたときの状態を示す。上述したX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図5(c)の白抜きの矢印AX2に示すように、アライメント光学系160を−X方向に移動させて、退避位置に位置づけることができる。なお、この退避位置は、上述したものと同じで、アライメント光学系160が、露光基板156aへの露光や種々の作業等の障害とならないようにするために、アライメント光学系160を投影レンズ150の下方から退避させた位置である。
このようにアライメント光学系160を投影レンズ150の下方から退避させた後、光源110から露光光を発し、レチクル142に形成されたパターンを露光領域ER1に転写する。
次に、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177に載置された露光基板156aの露光領域ER2を、照射可能範囲EAに位置づけて、図5(a)に示した状態にして、上述した手順を同様に行い、レチクル142に形成されたパターンを露光領域ER2に転写する。このようにして、12個の露光領域ER1〜ER12の全てについて、順次、レチクル142に形成されたパターンを転写していくことができる。
<ダイバイダイ方式による手順の第2の態様>
この第2の態様は、上述した露光基板156bの12個の露光領域ER1〜ER12の各々にレチクル142に形成されたパターンを転写するものである。上述したように、露光基板156aの12個の露光領域ER1〜ER12の各々には、4つの基準マークRM1〜RM4が形成されている。この第2の態様では、アライメント光学系160を用いて、4つの基準マークRM1〜RM4の位置を決定する。この第2の態様におけるアライメント光学系160は、第1の態様と同様に、2つの顕微鏡162a及び162bを含む。顕微鏡162aで、露光基板156bの基準マークRM1又はRM3を検出し、顕微鏡162bで、露光基板156bの基準マークRM2又はRM4を検出する。アライメント光学系160の構成と機能とは、第1の態様と同様であるので、この第2の態様では、説明を省く。
2つの顕微鏡162a及び162bの各々は、CCDカメラ等の撮像素子(図示せず)を含み、基準マークRM1〜RM4を含む露光基板156bの表面を撮像素子で撮影して、その撮影した画像から基準マークRM1〜RM4の像を抽出することによって、基準マークRM1〜RM4の位置を決定する。
図6(a)〜図6(d)は、この第2の態様による基準マークの位置の検出と、露光基板156aの位置調整と、露光基板156aへの露光との手順を示す図である。なお、図6(a)〜図6(d)に示した例では、露光基板156bの12個の露光領域ER1〜ER12のうちER1を代表的に示した。また、図6(a)〜図6(d)に示した例では、図面の上方向が、+X方向であり、図面の左方向が、+Y方向である。さらに、図6(a)〜図6(d)に示した例でも、大きい円が、投影レンズ150から射出された光束を照射することができる照射可能範囲EAを示す。
図6(a)は、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177に載置された露光基板156bの露光領域ER1を、照射可能範囲EAに位置づけたときの状態を示す。なお、第1の態様と同様に、露光基板156bの露光領域ER1〜ER12の各々に形成されている4つの基準マークRM1〜RM4の設計上の位置は、予め記憶されており、この値に基づいて、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを移動させることによって、露光基板156bの露光領域ER1〜ER12を、照射可能範囲EAに位置づけることができる。
この図6(a)の状態では、アライメント光学系160は、退避位置に位置する。なお、この退避位置も第1の態様と同様である。
図6(b)は、アライメント光学系160を測定位置に移動させて位置づけるとともに、露光基板156bを進出位置に移動させたときの状態を示す。
第1の態様と同様に、アライメント光学系160は、X方向アライメント移動用ステージを含み、このX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図6(a)の白抜きの矢印AX1に示すように、アライメント光学系160を+X方向に移動させて、測定位置に位置づけることができる。この測定位置は、第1の態様のものとは異なる位置であるが(図5(b)参照)、顕微鏡162aで基準マークRM1又はRM3を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2又はRM4を撮影できる一定の位置であることを保障できればよい。
一方、上述したX方向移動用ステージ172を駆動することによって、図6(a)の黒い矢印AX3に示すように、X方向移動用ステージ172を−X方向に移動させて、元の位置から進出位置に位置づけることができる。なお、X方向移動用ステージ172の元の位置は、図6(a)、図6(c)又は図6(d)に示す位置である。元の位置から進出位置への移動は、以下のようにすればよい。まず、X方向移動用ステージ172の元の位置から進出位置までの距離に応じたパルス信号の数を、X方向移動用ステージ172のモータを制御するための制御手段に予め記憶させておく。次に、X方向移動用ステージ172を元の位置から進出位置へ位置づけるときには、その記憶させたパルス信号の数だけ、パルス信号を制御手段からモータへ供給することで、X方向移動用ステージ172の元の位置から進出位置へ、X方向移動用ステージ172を位置づけることができる。
アライメント光学系160を測定位置に移動させ、X方向移動用ステージ172を進出位置に移動させることで、図6(b)に示すように、基準マークRM1の全体が、顕微鏡162aの撮像領域内に含まれ、基準マークRM2の全体が、顕微鏡162bの撮像領域内に含まれるように、アライメント光学系160とX方向移動用ステージ172とが位置づけられる。
図6(b)に示したように、アライメント光学系160を測定位置に位置づけ、X方向移動用ステージ172を進出位置に位置づけて、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影する。撮影した画像を画像記憶手段(図示せず)によって画像処理を行って、基準マークRM1及びRM2の像を抽出し、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とを算出する。なお、このときの、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とは、画像上における位置であり、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置である必要はない。
図6(c)は、アライメント光学系160は、測定位置に位置づけたままにし、図6(c)の黒い矢印で示すように、X方向移動用ステージ172を+X方向に移動させて、元の位置に戻す。アライメント光学系160を、測定位置に位置づけ、X方向移動用ステージ172を元の位置に位置づけることで、顕微鏡162aで基準マークRM3を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM4を撮影することができる。この場合も、撮影した画像を画像記憶手段(図示せず)に記憶させ、画像処理手段(図示せず)によって画像処理を行って、基準マークRM3及びRM4の像を抽出し、基準マークRM3の位置と基準マークRM4の位置とを算出する。なお、このときの、基準マークRM3の位置及び基準マークRM4の位置も、画像上における位置であり、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置である必要はない。
このようにして得られた4つの基準マークRM1〜RM4の位置は、X方向の位置(X座標)とY方向の位置(Y座標)である。これらの基準マークRM1〜RM4の位置を得ることで、露光領域ER1のXオフセットと、Yオフセットと、ローテーションと、X方向の倍率と、Y方向の倍率との5つの情報を得ることができる。なお、これらの5つの情報については、後述する。
得られた基準マークRM1〜RM4の位置が、前準備によって予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するか否かを判断する。この予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置は、レチクル142に形成されているレチクル基準マークの像の位置である。基準マークRM1〜RM4の位置が、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致していないと判別したときには、基準マークRM1〜RM4の位置とが、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するように、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、露光基板156bの露光領域ER1を位置づける。このようにすることで、基準マークRM1〜RM4の位置が、レチクル142に形成されている基準マークの位置と対応するように、露光基板156aの露光領域ER1を位置づけることができる。なお、基準マークRM1〜RM4の位置から得られたX方向の倍率及びY方向の倍率が1でない場合には、X方向の倍率及びY方向の倍率が1となるように、投影レンズ150の倍率を変更する制御も同時に行う。
図6(d)は、アライメント光学系160を再び退避位置に移動させて位置づけたときの状態を示す。上述したX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図6(d)の白抜きの矢印AX2に示すように、アライメント光学系160を−X方向に移動させて、退避位置に位置づけることができる。なお、この退避位置は、上述したものと同じで、アライメント光学系160が、露光基板156への露光や種々の作業等の障害とならないようにするために、アライメント光学系160を投影レンズ150の下方から退避させる位置である。
このようにアライメント光学系160を投影レンズ150の下方から退避させた後、光源110から露光光を発し、レチクル142に形成されたパターンを露光領域ER1に転写する。
次に、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177に載置された露光基板156bの露光領域ER2を、照射可能範囲EAに位置づけて、図6(a)に示した状態にして、上述した手順を行い、レチクル142に形成されたパターンを露光領域ER1に転写する。このようにして、12個の露光領域ER1〜ER12の全てについて、順次、レチクル142に形成されたパターンを転写していくことができる。
<ダイバイダイ方式による手順の第3の態様>
この第3の態様は、上述した露光基板156bの12個の露光領域ER1〜ER12の各々にレチクル142に形成されたパターンを転写するものである。上述したように、露光基板156aの12個の露光領域ER1〜ER12の各々には、4つの基準マークRM1〜RM4が形成されている。この第3の態様では、2つのアライメント光学系160aと160bとを用いる。顕微鏡162aaで、基準マークRM1を検出し、顕微鏡162abで、基準マークRM2を検出し、顕微鏡162baで、基準マークRM3を検出し、顕微鏡162bbで、基準マークRM4を検出する。アライメント光学系160a及び160bの構成と機能とは、第1の態様や第2の態様のアライメント光学系160と同様であるので、この第3の態様では、説明を省く。
4つの顕微鏡162aa及び162abと162ba及び162bbとの各々は、CCDカメラ等の撮像素子(図示せず)を含み、基準マークRM1〜RM4を含む露光基板156bの表面を撮像素子で撮影して、その撮影した画像から基準マークRM1〜RM4の像を抽出することによって、基準マークRM1〜RM4の位置を決定する。
図7(a)〜図7(c)は、この第3の態様による基準マークの位置の検出と、露光基板156aの位置調整と、露光基板156aへの露光との手順を示す図である。なお、図7(a)〜図7(c)に示した例では、露光基板156bの12個の露光領域ER1〜ER12のうちER1を代表的に示した。また、図7(a)〜図7(c)に示した例では、図面の上方向が、+X方向であり、図面の左方向が、+Y方向である。さらに、図7(a)〜図7(c)に示した例でも、大きい円が、投影レンズ150から射出された光束を照射することができる照射可能範囲EAを示す。
図7(a)は、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177に載置された露光基板156bの露光領域ER1を、照射可能範囲EAに位置づけたときの状態を示す。なお、露光基板156bの露光領域ER1〜ER12の各々に形成されている4つの基準マークRM1〜RM4の設計上の位置は、予め記憶されており、この値に基づいて、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを移動させることによって、露光基板156bの露光領域ER1〜ER12を、照射可能範囲EAに位置づけることができる。
この図7(a)の状態では、アライメント光学系160aと160bとは、退避位置に位置する。この退避位置も第1の態様や第2の態様と同様である。
図7(b)は、アライメント光学系160aと160bとの双方を測定位置に移動させて位置づけたときの状態を示す。アライメント光学系160a及び160bの各々は、X方向アライメント移動用ステージを含む。アライメント光学系160aのX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図7(a)の白抜きの矢印AX5に示すように、アライメント光学系160aを−X方向に移動させて、測定位置に位置づけることができ、また、図7(a)の白抜きの矢印AX6に示すように、アライメント光学系160bを+X方向に移動させて、測定位置に位置づけることができる。
アライメント光学系160aと160bとの双方を測定位置に移動させることで、図7(b)に示すように、基準マークRM1の全体が、顕微鏡162aaの撮像領域内に含まれ、基準マークRM2の全体が、顕微鏡162abの撮像領域内に含まれ、基準マークRM3の全体が、顕微鏡162baの撮像領域内に含まれ、基準マークRM4の全体が、顕微鏡162bbの撮像領域内に含まれるように、アライメント光学系160aと160bとの双方が位置づけられる。
図7(b)に示したように、アライメント光学系160aを測定位置に移動させて位置づけ、顕微鏡162aaで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162abで基準マークRM2を撮影する。同様に、アライメント光学系160bを測定位置に位置づけて、顕微鏡162baで基準マークRM3を撮影し、顕微鏡162bbで基準マークRM4を撮影する。撮影した画像を画像記憶手段(図示せず)に記憶させ、画像処理手段(図示せず)によって画像処理を行って、基準マークRM1〜RM4の像を抽出し、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置と基準マークRM3の位置と基準マークRM4の位置とを算出する。なお、このときの、これらの基準マークRM1〜RM4の位置は、画像上における位置であり、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置である必要はない。
このようにして得られた4つの基準マークRM1〜RM4の位置は、X方向の位置(X座標)とY方向の位置(Y座標)である。第3の態様によっても、これらの基準マークRM1〜RM4の位置を得ることで、露光領域ER1のXオフセットと、Yオフセットと、ローテーションと、X方向の倍率と、Y方向の倍率との5つの情報を得ることができる。なお、これらの5つの情報については、後述する。
得られた基準マークRM1〜RM4の位置が、前準備によって予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するか否かを判断する。上述したように、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置は、レチクル142に形成されているレチクル基準マークの像の位置である。基準マークRM1〜RM4の位置が、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致していないと判別したときには、基準マークRM1〜RM4の位置とが、予め記憶されているテーブル基準マーク179の位置と一致するように、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、露光基板156bの露光領域ER1を位置づける。このようにすることで、基準マークRM1〜RM4の位置が、レチクル142に形成されている基準マークの位置と対応するように、露光基板156aの露光領域ER1を位置づけることができる。なお、基準マークRM1〜RM4の位置から得られたX方向の倍率及びY方向の倍率が1でない場合には、X方向の倍率及びY方向の倍率が1となるように、投影レンズ150の倍率を変更する制御も同時に行う。
図7(c)は、アライメント光学系160a及び160bを再び退避位置に移動させて位置づけたときの状態を示す。アライメント光学系160aのX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図7(c)の白抜きの矢印AX7に示すように、アライメント光学系160aを+X方向に移動させて、退避位置に位置づけることができる。同様に、アライメント光学系160bのX方向アライメント移動用ステージを駆動することによって、図7(c)の白抜きの矢印AX8に示すように、アライメント光学系160bを−X方向に移動させて、退避位置に位置づけることができる。なお、この退避位置は、上述したものと同じで、アライメント光学系160a及び160bが、露光基板156への露光や種々の作業等の障害とならないようにするために、アライメント光学系160a及び160bを投影レンズ150の下方から退避させる位置である。
このようにアライメント光学系160を投影レンズ150の下方から退避させた後、光源110から露光光を発し、レチクル142に形成されたパターンを露光領域ER1に転写する。
次に、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動することによって、テーブル177に載置された露光基板156bの露光領域ER2を、照射可能範囲EAに位置づけて、図7(a)に示した状態にして、上述した手順を行い、レチクル142に形成されたパターンを露光領域ER1に転写する。このようにして、12個の露光領域ER1〜ER12の全てについて、順次、レチクル142に形成されたパターンを転写していくことができる。
この第3の態様では、露光領域の各々について、4つの基準マークRM1〜RM4の位置を同時に検出することができるので、検出処理を迅速に進めることができる。
上述した第2の態様と第3の態様とでは、露光領域の各々について、X方向の倍率誤差とY方向の倍率誤差との双方の情報を得ることができるので、X方向の倍率誤差とY方向の倍率誤差とが別個に生ずるような場合に有効である。
<<グローバル方式>>
上述したように、グローバル方式は、予め露光基板156の全体にわたる誤差を算出して、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける位置を、測定した誤差に基づいて予め補正し、その補正した位置を記憶させておくことで、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写するときには、X方向移動用ステージ172と、Y方向移動用ステージ174とを補正した位置に位置づけて、順次パターンを露光基板156に転写するものである。
<露光基板156c>
図8は、グローバル方式の場合で用いる露光基板156cの例を示す。この図8に示した露光基板156cも、上述した露光基板156a及び156bと同様に、外側の長方形が、露光基板156cの外形の輪郭を示す線である。また、外側の長方形の内側に示した横方向の4個と縦方向の3個との合計12個の正方形(ER1〜ER12)の各々が、1つの露光領域を示す。この12個の露光領域ER1〜ER12の各々に、レチクル142に形成されたパターンが転写される。なお、12個の露光領域ER1〜ER12の各々の輪郭を示す正方形の線は、露光領域を明示するためのものであり、仮想的な線である。
この露光基板156cが、テーブル177に載置されるときには、図8に示すように、露光基板156cの縦方向が、基板載置ステージ170のX方向になるように、露光基板156cの横方向が、基板載置ステージ170のX方向になるようにする。
図8に示した露光基板156cでは、4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12の各々に2つの基準マークRM1及びRM2が形成されている。この4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12は、露光基板156cの四隅に最も近い露光領域である。この図8に示した露光基板156cを用いるときには、上述したアライメント光学系160を用いて、2つの基準マークRM1及びRM2の位置を決定する。このアライメント光学系160は、2つの顕微鏡162a及び162bを含む。顕微鏡162aで、露光基板156aの基準マークRM1を検出し、顕微鏡162bで、露光基板156aの基準マークRM2を検出する。このアライメント光学系160の構成と機能とは、ダイバイダイ方式による手順の第1の態様と同様のものであるので、ここでは、説明を省く。
この露光基板156cに、レチクル142に形成されたパターンを転写するときには、2つの基準マークRM1及びRM2の各々に対応するように2つのレチクル基準マークが形成されたレチクルをレチクル142として用いる。
また、以下に説明するグローバル方式による手順でも、上述した前準備を行って、レチクル基準マークの像の位置と、テーブル基準マーク179の位置とを一致させたときのテーブル基準マーク179の位置は、予め記憶されているものとする。
さらに、露光基板156cの4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12の各々に形成されている基準マークRM1の設計上の位置(Xmark_des1(n),Ymark_des1(n))及び基準マークRM2の設計上の位置(Xmark_des2(n),Ymark_des2(n))は、予め記憶されており、この値に基づいて、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを移動させることによって、露光基板156cの4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12を、照射可能範囲EAに位置づけることができる。なお、変数nについては、後述する。
<基準マークRM1及びRM2の位置の検出>
図9は、この露光基板156cを用いたグローバル方式の処理の手順を示すフローチャートである。以下では、この図9のフローチャートを用いて説明する。なお、図9のフローチャートで示した変数nは、上述した4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12を示す。n=1は、露光領域がER1であることを示し、露光領域ER1を第1番目の測定露光領域と称する。n=2は、露光領域がER4であることを示し、露光領域ER4を第2番目の測定露光領域と称する。n=3は、露光領域がER12であることを示し、露光領域ER12を第3番目の測定露光領域と称する。n=4は、露光領域がER9であることを示し、露光領域ER9を第4番目の測定露光領域と称する。
まず、アライメント光学系160を、退避位置から測定位置に移動させて位置づける(ステップS11)。このアライメント光学系160の退避位置や測定位置は、ダイバイダイ方式のものと同様の位置である。退避位置は、アライメント光学系160のホームポジションとするのが好ましい。また、測定位置は、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影できる一定の位置であることを保障できる位置であればよい。
次に、テーブル177に載置された露光基板156cの露光領域ER1を、第1番目の測定露光領域(n=1)として、照射可能範囲EAに位置づけるために、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、テーブル177を移動させる(ステップS12)。上述したように、4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12の各々に形成されている基準マークRM1の設計上の位置(Xmark_des1(n),Ymark_des1(n))及び基準マークRM2の設計上の位置(Xmark_des2(n),Ymark_des2(n))が、予め記憶されているので、ステップS12の処理は、この記憶されている設計上の位置に基づいて行うことができる。
上述したステップS11とS12との処理をすることにより、上述した図5(b)と同様の状態にすることができる。
次に、アライメント光学系160の顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影する(ステップS13)。このようにすることで、露光領域ER1(第1番目の測定露光領域(n=1))の基準マークRM1及びRM2を撮影することができる。
次いで、撮影した画像を画像記憶手段(図示せず)に記憶させ、画像処理手段(図示せず)によって画像処理を行って、基準マークRM1及びRM2の像を抽出し、基準マークRM1の位置(Xmark_1(1),Ymark_1(1))と基準マークRM2(Xmark_2(1),Ymark_2(1))の位置とを算出して、露光領域ER1の基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置として記憶手段(図示せず)に記憶させる(ステップS14)。このときの基準マークRM1の位置(Xmark_1(1),Ymark_1(1))と基準マークRM2(Xmark_2(1),Ymark_2(1))の位置とも、ダイバイダイ方式のものと同様に、画像上における位置であり、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置である必要はない。このようにして得られた露光領域ER1の基準マークRM1の位置(Xmark_1(1),Ymark_1(1))と基準マークRM2(Xmark_2(1),Ymark_2(1))の位置は、X方向の位置(X座標)とY方向の位置(Y座標)である。
上述したステップS12〜S14の処理を実行することによって、露光領域ER1(第1番目の測定露光領域(n=1))の基準マークRM1(Xmark_1(1),Ymark_1(1))及びRM2の位置(Xmark_2(1),Ymark_2(1))を検出して、その位置を記憶させることができる。
次に、全ての測定露光領域(ER1、ER4、ER9及びER12)の2つの基準マークRM1及びRM2について処理をしたか否かを判断する(ステップS15)。処理をしていないと判別したときには、次の測定露光領域で処理をするため(ステップS16)、上述したステップS12〜S14の処理を再び実行する。このようにすることで、n=2のときには、露光領域ER4の基準マークRM1の位置(Xmark_1(2),Ymark_1(2))及び基準マークRM2の位置(Xmark_2(2),Ymark_2(2))を検出して、その位置を記憶させ、n=3のときには、露光領域ER12の基準マークRM1の位置(Xmark_1(3),Ymark_1(3))及び基準マークRM2(Xmark_2(3),Ymark_2(3))の位置を決定して、その位置を記憶させ、n=4のときには、露光領域ER9の基準マークRM1の位置(Xmark_1(4),Ymark_1(4))及び基準マークRM2(Xmark_2(4),Ymark_2(4))の位置を決定して、その位置を記憶させることができる。
ステップS15で、全ての測定露光領域(ER1、ER4、ER9及びER12)について処理をしたと判別したときには、アライメント光学系160を、測定位置から退避位置に移動させて位置づける(ステップS17)。
上述した処理を実行することで、4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12の基準マークRM1の位置(Xmark_1(n),Ymark_1(n))と、基準マークRM2の位置(Xmark_2(n),Ymark_2(n))とを検出して、その位置を記憶させることができる。上述したように、ステップS11で、アライメント光学系160を、退避位置から測定位置に位置づけた後、全ての露光領域について処理を終えるまで、アライメント光学系160を測定位置に位置づけた状態を維持するので、ステップS12で、第n番目の露光領域を照射可能範囲EAに位置づけたときには、図5(b)と同様の状態となり、直ちに、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影することができる。このように、グローバル方式は、アライメント光学系160を退避位置と測定位置とに位置づける動作を繰り返す必要がないので、処理に要する時間を短くすることができる。
なお、上述した例では、露光領域ER1→ER4→ER14→ER9の順に、基準マークRM1及びRM2の位置を決定した。このようにすることで、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動距離を短くすることができ、処理に要する時間をさらに短くすることができる。
<基準マークRM1及びRM2の位置の座標変換>
上述した処理によって得られた、4つの測定露光領域ER1、ER4、ER9及びER12の各々の基準マークRM1の位置(Xmark_1(n),Ymark_1(n))と、基準マークRM2の位置(Xmark_2(n),Ymark_2(n))との位置は、顕微鏡162a及び162bで撮影された画像に固定された座標系における位置である。このため、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との補正した位置を算出するには、定盤178aと178bに固定された座標系に変換する必要がある。以下では、この座標系の変換について説明する。
図10は、テーブル177に載置された露光基板156cの4つの露光領域ER1、ER4、ER9又はER14のいずれかの露光領域を、照射可能範囲EAに位置づけ、アライメント光学系160を測定位置を位置づけて、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影し、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影するときの状態を示す図である。この図10でも、図面の上方向が、+X方向であり、図面の左方向が、+Y方向である。
上述したように、露光領域ER1を第1番目の測定露光領域、露光領域ER4を第2番目の測定露光領域、露光領域ER9を第3番目の測定露光領域、露光領域ER14を第4番目の測定露光領域と称し、これらのいずれか1つの測定露光領域を示すときには、第n番目の測定露光領域と称する。ここで、nは、1〜4のいずれかの値の整数である。
なお、基準マークRM1は、測定露光領域の左側の辺の略中央に形成され、基準マークRM2は、測定露光領域の右側の辺の略中央に形成されるのが、本来予定している位置であるが、図10に示した例では、基準マークRM1及びRM2の双方とも、本来の位置から変位した位置に形成されているものとする。
図10に示すように、第n番目の測定露光領域を照射可能範囲EAに位置づけたときのX方向移動用ステージ172のX方向の位置をXstg(n)とし、Y方向移動用ステージ174のY方向の位置をYstg(n)とする。Xstg(n)は、X方向移動用ステージ172のホームポジションを原点にし、定盤178aと178bに固定された座標系におけるX方向の位置(X座標)である。同様に、Ystg(n)は、Y方向移動用ステージ174のホームポジションを原点にし、定盤178aと178bに固定された座標系におけるY方向の位置(Y座標)である。
Xstg(n)及びYstg(n)は、X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174を位置づけるために予め定められた量である。上述したように、露光基板156cの4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12の各々に形成されている2つの基準マークRM1及びRM2の設計上の位置は、予め記憶されている。この2つの基準マークRM1及びRM2の設計上の位置と、テーブル基準マーク179の位置とに基づいて、Xstg(n)及びYstg(n)を算出することができ、X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174の制御手段に記憶させておくことができる。X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174を駆動する制御は、パルス信号によって行われるので、Xstg(n)及びYstg(n)は、このパルス信号のパルスの数に対応する。なお、ここでは、Xstg(n)及びYstg(n)は、ミリメートル等の実際の長さを示す単位に換算された量とする。
また、図10に示すように、第n番目の測定露光領域の中心をER−Oとする。また、アライメント光学系160の顕微鏡162aで撮影できる撮像領域をLSAとし、アライメント光学系160の顕微鏡162bで撮影できる撮像領域をRSAとする。この撮像領域LSAの中心をLSA−Oとし、撮像領域RSAの中心をRSA−Oとする。
第n番目の測定露光領域において、測定露光領域の中心ER−Oを原点とし、露光基板156cに固定された座標系における撮像領域LSAの中心LSA−OのX方向の位置(X座標)をXCCD_1とする。また、測定露光領域の中心ER−Oを原点とし、露光基板156cに固定された座標系における撮像領域LSAの中心LSA−OのY方向の位置(Y座標)をYCCD_1とする。
同様に、測定露光領域の中心ER−Oを原点とし、露光基板156cに固定された座標系における撮像領域RSAの中心RSA−OとのX方向位置(X座標)をXCCD_2とする。また、測定露光領域の中心ER−Oを原点とし、露光基板156cに固定された座標系における撮像領域RSAの中心RSA−OとのY方向位置(Y座標)をYCCD_2とする。このようにすることで、測定露光領域の中心ER−Oを原点として、露光基板156cに固定された座標系において、撮像領域LSAの中心LSA−Oの座標は、(XCCD_1,YCCD_1)であり、撮像領域RSAの中心RSA−Oの座標は、(XCCD_2,YCCD_2)である。なお、上述したように、アライメント光学系160の測定位置は、顕微鏡162aで基準マークRM1を撮影でき、顕微鏡162bで基準マークRM2を撮影できるように、アライメント光学系160を位置づける位置であり、この測定位置は、常に一定の位置となるようにしている。このため、撮像領域LSAの中心LSA−Oの座標(XCCD_1,YCCD_1)と、撮像領域RSAの中心RSA−Oの座標(XCCD_2,YCCD_2)とは、アライメント光学系160の測定位置が定まれば、一義的に定めることができる座標である。
また、これらの座標(XCCD_1,YCCD_1)と座標(XCCD_2,YCCD_2)も、ミリメートル等の実際の長さを示す単位に換算されているものとする。
さらに、基準マークRM1の位置(Xmark_1(n),Ymark_1(n))と、基準マークRM2の位置(Xmark_2(n),Ymark_2(n))は、上述したように、画像上における画素(ピクセル)等を単位とした画像座標系における位置であるが、以下では、基準マークRM1の位置と基準マークRM2の位置とは、ミリメートル等の実際の長さを示す単位に換算されているものとする。例えば、テーブル177に基準となる精度の高いスケール(図示せず)を設置して、アライメント光学系160で、スケールを撮影することで、画素数と実際の長さとの関係を得ることができる。この関係を用いることによって、画素の座標から実際の長さの座標へ変更することができる。
具体的には、撮像領域LSAの中心LSA−Oを原点として、撮像領域LSAに固定された座標系におけるX座標が、基準マークRM1のX方向の位置Xmark_1(n)である。また、撮像領域LSAの中心LSA−Oを原点として、撮像領域LSAに固定された座標系におけるY座標が、基準マークRM1のY方向の位置Ymark_1(n)である。
同様に、撮像領域RSAの中心RSA−Oを原点として、撮像領域RSAに固定された座標系におけるX座標が、基準マークRM2のX方向の位置Xmark_2(n)である。また、撮像領域RSAの中心RSA−Oを原点として、撮像領域RSAに固定された座標系におけるY座標が、基準マークRM2のY方向の位置Ymark_2(n)である。
上述したように定めることで、基準マークRM1の位置(Xmark_1(n),Ymark_1(n))を、画像に固定された座標系から定盤178aと178bに固定された座標系へ変換する変換式は、
Figure 2008139955
とすることができる。また、基準マークRM2の位置(Xmark_2(n),Ymark_2(n))を、画像に固定された座標系から定盤178aと178bに固定された座標系へ変換する変換式は、
Figure 2008139955
とすることができる。なお、本実施の形態におけるグローバル方式では、基準マークRM1と基準マークRM2との中点の位置を用いる。この基準マークRM1と基準マークRM2との中点の位置は、次式
Figure 2008139955
によって、算出することができる。
上述した式(1)〜(3)で用いた変数nも、上述した測定露光領域を特定するための変数であり、本実施の形態では、nは、1〜4のいずれかの値の整数である。
上述した式(1)〜(3)を用いることによって、基準マークRM1と基準マークRM2との中点の位置を、画像に固定された画像座標系から定盤178aと178bに固定された座標系へ変換することができる。
この座標変換の処理は、図9の処理手順のステップS18において実行される。
また、本実施の形態におけるグローバル方式では、上述した基準マークRM1の設計上の位置と、基準マークRM2の設計上の位置との中点の位置を用いる。基準マークRM1の設計上の位置と、基準マークRM2の設計上の位置との中点は、次式
Figure 2008139955
によって、算出することができる。
<6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出>
このように座標変換をした上で、式(3)で得られた(XM(n),YM(n))と、式(4)で得られた(XM_D(n),YM_D(n))とを用いて、最小二乗法の2つの式
Figure 2008139955
によって、6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出することができる。上述した式(5)及び(6)で用いた変数nも、上述した測定露光領域を示すための変数であり、本実施の形態では、nは、1〜4のいずれかの値の整数である。
式(5)及び(6)において、Sxは、X方向の伸縮の程度を示し、図11(a)に示すように、露光領域が±X方向に伸縮変形した場合にその程度を示す。このSxは、上述したX方向の倍率に対応する。Syは、Y方向の伸縮の程度を示し、図11(b)に示すように、露光領域が±Y方向に伸縮変形した場合にその程度を示す。このSyは、上述したY方向の倍率に対応する。θは、回転の程度を示し、図11(c)に示すように、露光領域が回転した場合にその程度を示す。ωは、直交度を示し、図11(d)に示すように、露光領域が剪断変形した場合にその程度を示す。Oxは、X方向の変位の程度を示し、図11(e)に示すように、露光領域が±x方向に変位した場合にその程度を示す。Oyは、Y方向の変位の程度を示し、図11(f)に示すように、露光領域が±y方向に変位した場合にその程度を示す。
上述した図9のステップS19の処理で、式(5)及び(6)に示した最小二乗法を用いて、6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出することができる。
これらの6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを得ることによって、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける位置を、一次式で近似して補正することができる。すなわち、この6つのパラメータを用いた座標補正変換式
Figure 2008139955
を用いることで、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける位置を得ることができる。
この式(5)において、変数mは、露光基板156cの12個の露光領域ER1〜ER12を示す変数である。ここで、m=1は、露光領域がER1であり、m=2は、露光領域がER2であり、m=3は、露光領域がER3であり、m=4は、露光領域がER4であることを示す。また、m=5は、露光領域がER8であり、m=6は、露光領域がER7であり、m=7は、露光領域がER6であり、m=8は、露光領域がER5であり、
m=9は、露光領域がER9であることを示す。さらに、m=10は、露光領域がER10であり、m=11は、露光領域がER11であり、m=12は、露光領域がER12であることを示す。なお、以下では、これらのいずれか1つの露光領域を示すときには、第m番目の露光領域と称する。ここで、mは、1〜12のいずれかの値の整数である。
上述した式(7)で、XM_D(m)は、座標変換前のX座標であり、基準マークRM1の設計上の位置と、基準マークRM2の設計上の位置との中点のX方向の位置である。また、YM_D(m)は、座標変換前のY座標であり、基準マークRM1の設計上の位置と、基準マークRM2の設計上の位置との中点のY方向の位置である。
上述した式(7)を用いて、XM_le(m)及びYM_le(m)を算出することによって、線形成分の誤差(以下、線形誤差と称する。)を1次式で補正することができ、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを(XM_le(m),YM_le(m)に移動することによって、第m番目の露光領域を適切な位置に位置づけることができる。なお、誤差が生じていない場合には、XM_le(m)=XM_D(m)及びYM_le(m)=YM_D(m)となり、本来予定していた設計上の位置に、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づけることになる。
<パターンの転写>
以下では、このグローバル方式で、図8に示した露光基板156cの露光領域ER1〜ER12の各々に、レチクル142に形成されたパターンを転写する手順を、図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、式(7)を用いて、XM_le(1)とYM_le(1)とを算出する(ステップS20)。次に、ステップS19で算出したXM_le(1)とYM_le(1)とに位置するように、X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174を駆動して、テーブル177を移動させる(ステップS21)。この処理で、第1番目の露光領域を補正後の位置に位置づけることができる。
次いで、光源110から露光光を発して、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156cの第1番目の露光領域ER1に転写する(ステップ22)。12個の全ての露光領域ER1〜ER12に対してパターンを転写したか否かを判断し(ステップS23)、処理を行っていないと判別したときには、次の露光領域(ステップS24)を処理するために、上述したステップS20に処理を戻す。
12個の全ての露光領域ER1〜ER12に対してパターンを転写したと判別したときには、グローバル方式の処理を終了する。
このように、グローバル方式では、アライメント光学系160の退避位置への移動動作と測定位置への移動動作を、複数の露光領域の各々について必要としないので、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156cに転写する処理の時間を短縮することができる。
また、グローバル方式では、基準マークの位置を決定する箇所を少なくすることができるので、検出に要する時間も短縮することができる。なお、上述した図8に示した例では、4つの露光領域の基準マークの位置を測定する場合を示したが、これに限られず、4つより多い露光領域の基準マークの位置を決定してもよい。このようにすることで、平均化効果によって、X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174を位置づける位置の補正の精度を高めることができる。
グローバル方式では、露光基板の四隅の近傍の基準マークの位置を決定することによって、回転のパラメータθ、並びに、X方向の伸縮のパラメータSx及びY方向の伸縮のパラメータSyが、基準マークを形成する際に生ずる線形誤差の影響を受けにくくすることができる。
さらに、露光基板を製造する際に損傷を受けたりすることによって、検出しにくい基準マークが存在するような場合であっても、他の基準マークの位置の検出結果を用いて、位置を推測できるので、レチクル142に形成されたパターンの転写を安定して行うことができる。
なお、上述した実施の形態では、露光領域の移動をER1→ER2→ER3→ER4→ER8→ER7→ER6→ER5→ER9→ER10→ER11→ER12の順に行った。このように、露光領域の移動を常に隣り合う露光領域にすることで、X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174の移動の時間を短縮することができ、全体の処理に要する時間も短くすることができる。
<<基準基板を用いた誤差の補正>>
上述したグローバル方式は、露光基板に形成された基準マークの位置が、露光基板自体の変形によって、本来の位置から変位したような場合に有効である。しかし、上述したアッベ誤差は、X方向移動用ステージ172や、Y方向移動用ステージ174や、Z方向移動用ステージ176の構造によって生ずるものであり、上述したグローバル方式のみでは、十分に精度を高くして、パターンを露光基板に転写することができない場合もあり得る。このため、基準基板を用いて、X方向移動用ステージ172や、Y方向移動用ステージ174の位置決めの補正をする。
<基準基板158a>
図12(a)は、基準基板158aの概略を示す正面図であり、図12(b)は、基準基板158aの1つの領域に形成された基準マークを示す拡大図である。
図12に示す例では、外側の長方形が、基準基板158aの外形の輪郭を示す線である。また、外側の長方形の内側に示した横方向の4個と縦方向の3個との合計12個の正方形(ER1〜ER12)の各々が、1つの領域を示す。なお、基準基板158aには、パターンを転写するための基板ではなく、図12(a)に示した領域を示す正方形の破線EBは、仮想的なものであり、露光基板156(156a,156b,156c)における露光領域の位置と大きさとの対応関係を明確にするために示したものである。なお、図12(a)では、露光基板156(156a,156b,156c)の露光領域ER1〜ER12に対応する領域には、同一の符号を付して示した。
基準基板158aは、上述した露光基板156と略同じ大きさを有する。基準基板158aは、ガラス基板からなる。
図12(b)に示すように、12個の領域ER1〜ER12の各々には、クロムで複数の基準マークが形成されている。図12(b)では、これらの基準マークを白い丸で示した。基準マークの各々は、誤差が1マイクロメートル以下になるように基準基板158aに形成されている。すなわち、予定していた位置を基準にして1マイクロメートル以内の範囲に含まれるように、基準マークは、基準基板158aに形成されている。
図12(b)に示した複数の基準マークの全ての位置を決定する必要はなく、このうちのいくつかを選択して用いればよい。
図13(a)は、12個の領域ER1〜ER12の各々について、複数の基準マークのうち、18個の基準マークを用いるものを示す図である。なお、本実施の形態では、図13(a)に示すように、黒い丸の2個の基準マークを対にして、これらを1つの基準マーク対とし、9個の基準マーク対RRM1〜RRM9を単一の基準マークとして扱う。この9個の基準マーク対RRM1〜RRM9は、12個の領域ER1〜ER12の各々の中心と、四隅の近傍と、4つの辺の中点の近傍とに位置する。
図13(b)は、基準基板158aにおける基準マーク対の全てを示す。基準基板158aには、12個の領域ER1〜ER12があり、12個の領域ER1〜ER12の各々について、基準マーク対は9個ある。したがって、基準基板158aの全体では、108個の基準マーク対がある。なお、図13(b)では、9個の基準マーク対の各々を1つの黒い四角で示した。
なお、以下では、基準基板158aで用いる基準マーク対の設計上の位置は、予め記憶されているものとする。具体的には、基準マーク対の左側の基準マークの設計上の位置(Xmark_des_L(k),Ymark_des_L(k))と、右側の基準マークの設計上の位置(Xmark_des_R(k),Ymark_des_R(k))とは、予め記憶されているものとする。なお、k=1〜108であり、後述するように、kは、基準マーク対を特定するための変数である。この基準マーク対の設計上の位置に基づいて、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを移動させることによって、アライメント光学系160で基準マークを撮影することができる。
<基準基板158aの基準マーク対の位置の検出>
図14は、基準基板158aの基準マーク対の位置を決定するための手順を示すフローチャートである。図14のフローチャートで示した変数kは、図13(b)に示した108個の基準マーク対を特定するための変数である。基準マーク対は、基準基板158aの領域ER1〜ER12の全ての基準マーク対RRM1〜RRM9の合計で108つあり、変数kは、1〜108の値をとる。例えば、k=1ならば、領域ER1の基準マーク対RRM1を示し、k=50ならば、領域ER5の基準マークRRM5を示す。
最初に、アライメント光学系160を退避位置から測定位置に移動させて位置づける(ステップS31)。このアライメント光学系160の退避位置や測定位置は、ダイバイダイ方式のものと同様の位置である。退避位置は、アライメント光学系160のホームポジションとするのが好ましい。また、測定位置は、顕微鏡162aで基準マーク対のうちの左側の基準マークを撮影でき、顕微鏡162bで基準マーク対のうちの右側の基準マークを撮影できる一定の位置であることを保障できる位置であればよい。
次に、テーブル177に載置された基準基板158aの第1番目の基準マーク対を撮影できる位置に位置づけるために、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、テーブル177を移動させる(ステップS32)。
次いで、アライメント光学系160の顕微鏡162aで基準マーク対のうちの左側の基準マークを撮影し、顕微鏡162bで基準マーク対のうちの右側の基準マークを撮影する(ステップS33)。
次に、撮影した画像を画像記憶手段(図示せず)に記憶させ、画像処理手段(図示せず)によって画像処理を行って、基準マーク対の左側の基準マークの像と右側の基準マークの像とを抽出し、基準マーク対の左側の基準マークの位置(Xmark_L(k),Ymark_L(k))と右側の基準マークの位置(Xmark_R(k),Ymark_R(k))とを算出し、記憶手段(図示せず)に記憶させる(ステップS34)。
このときの基準マーク対の位置は、画像上における位置であり、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした画像座標系の位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置である必要はない。このようにして得られた基準マーク対の位置は、X方向の位置(X座標)とY方向の位置(Y座標)である。
上述したステップS32〜S34の処理を実行することによって、領域ER1〜ER12の全ての基準マーク対RRM1〜RRM9の位置を決定して、その位置を記憶させることができる。
次に、全ての領域ER1〜ER12の全ての基準マーク対RRM1〜RRM9の位置を決定したか否かを判断する(ステップS35)。検出をしていないと判別したときには、次の基準マーク対(ステップS36)の処理をするため、上述したステップS32に処理を戻す。
ステップS35で、12個の全ての領域ER1〜ER12の全ての基準マーク対RRM1〜RRM9の位置を決定したと判別したときには、アライメント光学系160を、測定位置から退避位置に移動させて位置づける(ステップS37)。
なお、上述した例では、領域ER1→ER2→・・→ER4→ER8→ER7・・→ER5→ER9→ER10・・→ER12の順に、基準マーク対の位置を決定するのが好ましい。このようにすることで、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動距離を短くすることができ、処理に要する時間をさらに短くすることができる。
<座標変換>
次に、画像に固定された座標系から定盤178aと178bに固定された座標系へ変換するため、上述した式(1)〜式(3)と同様の以下の式(11)〜(13)を用いる。
なお、上述したように、基準マーク対の左側の基準マークの位置(Xmark_L(k),Ymark_L(k))と,右側の基準マークの位置(Xmark_R(k),Ymark_R(k))とは、上述したように、画像上における画素(ピクセル)等を単位とした画像座標系における位置であるが、以下では、これらの位置は、ミリメートル等の実際の長さを示す単位に換算されているものとする。
Figure 2008139955
式(11)及び(12)において、Xstg(k)及びYstg(k)は、式(1)及び(2)と同様に、X方向移動用ステージ172及びY方向移動用ステージ174を、12個の領域ER1〜ER12の各々に位置づけるために予め定められた量である。
式(11)において、XCCD_LとYCCD_Lは、式(1)のXCCD_1及びYCCD_1と同様に、顕微鏡162aの撮像領域の中心の位置である。このXCCD_Lは、12個の領域ER1〜ER12の各々の中心を原点とし、基準基板158aに固定された座標系におけるX方向の位置(X座標)であり、YCCD_Lは、同じ座標系におけるY方向の位置(Y座標)である。
また、式(12)において、XCCD_RとYCCD_Rは、式(1)のXCCD_2及びYCCD_2と同様に、顕微鏡162bの撮像領域の中心の位置である。このXCCD_Rは、12個の領域ER1〜ER12の各々の中心を原点とし、基準基板158aに固定された座標系におけるX方向の位置(X座標)であり、YCCD_Rは、同じ座標系におけるY方向の位置(Y座標)である。
上述した式(13)によって、基準マーク対の左側の基準マークと右側の基準マークとの中点の位置(XM_M(k),YM_M(k))とを算出する。以下では、この中点の位置を基準マーク対の位置とする。
また、本発明の実施の形態において、基準基板158aを用いるときには、上述した基準マーク対の左側の基準マークと右側の基準マークとの中点の位置を用いる。左側の基準マークと右側の基準マークとの中点は、次式
Figure 2008139955
によって、算出することができる。
<非線形誤差の抽出>
次に、式(13)で得られた(XM_M(k),YM_M(k))と、式(14)で得られた(XRM_D(k),YRM_D(k))とを用いて、以下の式(15)及び(16)を用いて、最小二乗法により、6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出する(ステップS39)。
Figure 2008139955
上述した式(15)及び(16)で用いたkも、上述したように、108個の基準マーク対の各々を特定するための変数である。式(15)及び(16)においても、Sxは、X方向の伸縮の程度を示し、Syは、Y方向の伸縮の程度を示し、θは、回転の程度を示し、ωは、直交度を示し、Oxは、X方向の変位の程度を示し、Oyは、Y方向の変位の程度を示す。これらの6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出することにより、線形誤差を抽出することができる。
次に、非線形成分からなる誤差(以下、非線形誤差と称する。)(XRM_nle(k),YRM_nle(k))を、
Figure 2008139955
を用いて算出する。式(17)によって、ステップS39の処理で算出された6つのパラメータを用いて一次式による近似をして、線形誤差を補正した基準マーク対の中点の位置を算出することができる。式(18)で、線形誤差を補正した位置から、基準マーク対の中点の検出した位置を減算することによって、非線形誤差を算出することができる。
次いで、ステップS40の処理で得られた(XRM_nle(k),YRM_nle(k))を用いて、多項式による補間を行い、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とが移動できる範囲について、非線形誤差を算出し、その結果をマップデータとして記憶させる(ステップS41)。
このようにして得られた非線形誤差は、X方向移動用ステージ172や、Y方向移動用ステージ174や、Z方向移動用ステージ176の構造によって生ずるアッベ誤差に起因するものと解される。X方向移動用ステージ172やY方向移動用ステージ174を駆動するときに、ステップS41で記憶させた非線形誤差に基づいて、位置を定めることで、アッベ誤差が生じた場合にも、X方向移動用ステージ172やY方向移動用ステージ174に位置づけることができる。
<基準基板158b>
図15(a)は、基準基板158bの概略を示す正面図であり、図15(b)は、基準基板158bの1つの領域に形成された基準マークを示す拡大図である。
図15(a)に示す例では、外側の長方形が、基準基板158bの外形の輪郭を示す線である。また、外側の長方形の内側に示した横方向の4個と縦方向の3個との合計12個の正方形(ER1〜ER12)の各々が、1つの領域を示す。なお、基準基板158bも、基準基板158aと同様に、パターンを転写するための基板ではなく、図15(a)に示した領域を示す正方形の破線EBは、仮想的なものであり、露光基板156(156a,156b)における露光領域の位置と大きさとの対応関係を明確にするために示したものである。なお、図15(a)でも、露光基板156(156a,156b)の露光領域ER1〜ER12に対応する領域には、同一の符号を付して示した。
基準基板158bは、上述した露光基板156と略同じ大きさを有する。基準基板158bは、ガラス基板からなる。なお、基準基板158bは、後述するように、基準位置用レチクルに形成された基準パターンを照射するため、基準基板158bには、予め感光剤が塗布されている。
図15(b)に示すように、12個の領域ER1〜ER12の各々には、クロムで複数の基準マークが形成されている。図15(b)では、これらの基準マークを白い四角と黒い四角とで示した。基準マークの各々は、誤差が1マイクロメートル以下になるように基準基板158bに形成されている。すなわち、予定していた位置を基準にして1マイクロメートル以内の範囲に含まれるように、基準マークは、基準基板158bに形成されている。
図15(b)に示した複数の基準マークの全ての位置を決定する必要はなく、このうちのいくつかを選択して用いればよく、図15(b)では、使用する基準マークを黒い四角で示した。図15(a)に示すように、12個の領域ER1〜ER12の各々について、使用する基準マークIRM1〜IRM9は9個ある。したがって、基準基板158bの全体では、108個の基準マークを用いる。
図16(a)は、基準位置用レチクルに形成された基準パターンを示す図である。基準位置用レチクルは、ガラス基板からなり、基準パターンのうち黒い色で示した箇所は、クロムで覆われている被覆部42である。基準パターンのうち白い実線で示した箇所は、クロムで覆われておらず、ガラス基板の状態が維持されている非被覆部44である。
<基準基板158bへの基準パターンの転写の処理>
基準基板158bへ基準パターンを転写する処理を図17に示す。なお、基準基板158bで用いる基準マークの設計上の位置は、予め記憶されているものとする。この基準マークの設計上の位置に基づいて、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを移動させることによって、アライメント光学系160で基準マークを撮影することができる。
また、図17のフローチャートで示した変数jは、図15(a)に示した108個の基準マークの全てを特定するための変数である。基準マークは、基準基板158bの領域ER1〜ER12の全ての基準マークIRM1〜IRM9の合計で108つあり、変数jは、1〜108の値をとる。例えば、j=1ならば、領域ER1の基準マークIRM1を示し、j=50ならば、領域ER5の基準マークIRM5を示す。
最初に、基準位置用レチクルを、図1に示したレチクル142と同様にして配置し、基準基板158bを、基板載置ステージ170のテーブル177に載置する(ステップS51)。
次に、テーブル177に載置された基準基板158bの第1番目の基準マークを撮影できる位置に位置づけるために、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、テーブル177を移動させる(ステップS52)。非被覆部44に対応したパターンを転写するときの基準基板158bの位置決めは、基準基板158bに形成されているIRM1〜IRM9の各々の中心が、非被覆部44の中心となるようにする。この状態で、光源110から露光光を発すると、露光光は、基準位置用レチクルの非被覆部44を通過することができる。非被覆部44を通過した露光光は、基準基板158bに照射されて、非被覆部44に対応したパターンが転写される(ステップS53)。
次に、全ての領域ER1〜ER12の全ての基準マークIRM1〜IRM9について処理をしたか否かを判断する(ステップS54)。処理をしていないと判別したときには、次の基準マークの処理をするため(ステップS55)、上述したステップS52〜S53の処理を再び実行する。
上述した処理を行うことで、図16(b)に示すように、非被覆部44に対応したパターンORM1〜ORM9が、基準基板158bの全ての領域ER1〜ER12に転写される。X方向移動用ステージ172やY方向移動用ステージ174に移動の誤差が生じていない場合には、基準基板158bに形成されているIRM1〜IRM9の各々の中心は、非被覆部44に対応したパターンORM1〜ORM9の各々の中心と一致するように、パターンORM1〜ORM9は転写される。しかし、X方向移動用ステージ172やY方向移動用ステージ174に移動の誤差が生じている場合には、図16(c)に示すように、中心が変位して、パターンORM1〜ORM9が転写される。この場合には、図16(c)に示すX方向の変位X_devと、Y方向の変位Y_devとを測定する。
<基準基板158bの基準マークの位置の検出>
以下に、基準基板158bの基準マーク対の位置を決定する手順を、図17のフローチャートを用いて説明する。なお、以下では、図16(b)に示すように、IRM1〜IRM9と、対応するパターンORM1〜ORM9とを組み合わせて、基準マークRRM1〜RRM9と称する。例えば、IRM1とORM1とをRRM1とする。また、図17のフローチャートに示した変数jは、上述したように、基準マークを特定するもので、基準マークは、基準基板158bの領域ER1〜ER12の全ての基準マークRRM1〜RRM9の合計で108つあり、変数jは、1〜108の値をとる。例えば、j=1ならば、領域ER1の基準マークRRM1を示し、j=50ならば、領域ER5の基準マークRRM5を示す。
まず、アライメント光学系160を退避位置から測定位置に移動させて位置づける(ステップS56)。このアライメント光学系160の退避位置や測定位置は、ダイバイダイ方式のものと同様の位置である。退避位置は、アライメント光学系160のホームポジションとするのが好ましい。また、測定位置は、顕微鏡162a又は162bで基準マークRRM1〜RRM9を撮影できる一定の位置であることを保障できる位置であればよい。なお、基準基板158bを用いるときには、2つの基準マークを同時に検出する必要はないため、顕微鏡162a又は162bのうちのいずれか一方で、基準マークRRM1〜RRM9を撮影すればよい。
次に、テーブル177に載置された基準基板158aの第1番目の基準マーク対を撮影できる位置に位置づけるために、基板載置ステージ170のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを駆動して、テーブル177を移動させる(ステップS57)。次いで、アライメント光学系160の顕微鏡162a又は162bで基準マークを撮影し(ステップS58)、第j番目の基準マークのX方向の変位X_dev(j)と、Y方向の変位Y_dev(j)とを算出し、記憶する。このときの基準マークのX方向の変位X_dev(j)と、Y方向の変位Y_dev(j)とは、例えば、画素(ピクセル)等を単位とした量であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた量である必要はない。
上述したステップS57〜S59の処理を実行することによって、領域ER1〜ER12の全ての基準マークRRM1〜RRM9の変位X_dev(j)と、Y方向の変位Y_dev(j)とを算出して記憶させることができる。
次に、全ての領域ER1〜ER12の全ての基準マーク対RRM1〜RRM9について処理をしたか否かを判断する(ステップS60)。処理をしていないと判別したときには、次の基準マーク対の処理をするため(ステップS61)、上述したステップS57〜S59の処理を再び実行する。
ステップS60で、全ての領域ER1〜ER12の全ての基準マークRRM1〜RRM9について処理をしたと判別したときには、アライメント光学系160を、測定位置から退避位置に移動させて位置づける(ステップS61)。
この後、上述した非線形誤差の抽出と同様の処理をステップS38〜S41で行うことで、基準基板158bについても、非線形誤差からなる座標を算出し、その結果をマップデータとして記憶させることができる。なお、上述した図17のフローチャートにおいて、ステップS38〜S41の処理は、図14のものと同様であるので同一の符号を付した。
<<露光基板のパターンの転写処理>>
上述したように、グローバル方式により、露光基板156(156a,156b,156c)が変形等することによって生ずる基準マークの誤差を補正することができる。また、基準基板158a又は158bを用いて、マップデータを作成することで、非線形誤差を抽出して、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動の非線形誤差を補正することができる。したがって、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写するときには、まず、基準基板158a又は158bを用いて、マップデータを作成する処理を実行する(図18のステップS71)。この処理は、上述した図14又は図17の処理を実行することで行うことができる。
次に、グローバル方式によって、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写する(図18のステップS72)。この処理は、上述した図9の処理を実行することで行うことができる。なお、この場合に、図9のステップS12の処理で、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける位置は、ステップS71の処理で作成したマップデータとして記憶されている位置である。このようにすることで、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動の誤差がある場合でも、その誤差に影響されることなく、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づけることができる。
このようにすることで、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との位置を決定するための干渉計等の装置を用いることなく、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを所望する位置に的確に位置づけることができる。また、露光基板156に変形等が生じて、基準マークの位置が、本来予定していた設計上の位置から変位した場合であっても、所望する位置に的確にパターンを転写することができる。
<<ダイバイダイ方式とグローバル方式との重み付け>>
上述した図18の処理を実行することにより、露光基板156(156a,156b,156c)が変形等することによって基準マークの位置に線形誤差が生じている場合でも、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との位置づけに誤差が生じている場合でも、位置を補正して、レチクル142に形成されたパターンを露光基板156に転写することができる。
しかし、上述したように、露光基板156に形成されている基準マークは、レーザ光によって露光基板156の表面を溶融することによって形成されたり、ドリル等によって機械的に加工することで形成されたりする。このような基準マークの形成方法の精度によっては、基準マークは、本来予定していた設計上の位置から変位した位置に形成される場合がある。このような場合にも、生じた誤差を補正する必要がある。
更に、プリント基板はガラス繊維等で形成されており、各工程で非線形誤差が発生する場合も多い。ここでは、この様な露光基板の非線形誤差を含めて、露光する位置を定める方法を以下に説明する。
以下では、露光基板156aを用いて、露光基板156aに形成された2つの基準マークRM1とRM2との中点の位置と、これらの2つの基準マークRM1の位置とRM2の位置との差分とを用いる。
図9のステップS18の処理と同様の処理を実行することで、上述した式(1)〜(3)を用いて、基準マークRM1と基準マークRM2との中点の位置(XM(n),YM(n))を得る。また、これらの位置データから、X方向の差分ΔXM(n)と、Y方向の差分ΔYM(n)とを算出することができる。上述したように、基準マークRM1の位置は、(XM_1(n),YM_1(n))であり、基準マークRM2の位置は、(XM_2(n),YM_2(n))である。したがって、差分ΔXM(n)は、XM_1(n)−XM_2(n)であり、差分ΔYM(n)は、YM_1(n)−YM_2(n)である。
上述した図9に示した処理では、露光基板156cを用いた処理で、基準マークRM1及びRM2の検出は、4つの露光領域ER1、ER4、ER9及びER12について行ったが、露光基板156aを用いた場合には、12個の露光領域ER1〜ER12について、基準マークRM1及びRM2の検出を行うこととする。したがって、上述した変数nは、1〜12の整数値をとる。この場合には、n=1は、露光領域がER1であり、n=4は、露光領域がER4であり、n=5は、露光領域がER8であり、n=8は、露光領域がER5であり、n=9は、露光領域がER9であり、n=12は、露光領域がER12であることを示す。基準マークRM1及びRM2の検出は、n=1から順にn=12に至るまで行う。このように処理をすることで、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを、隣接する露光領域に移動させればよいので、これらのステージの移動距離を短くすることができ、処理の時間を短縮することができる。
なお、12個の露光領域ER1〜ER12の全てについて、基準マークRM1及びRM2の検出を行わず、選択した複数の露光領域についてのみ、基準マークRM1及びRM2の検出を行うこととしてもよい。
また、上述した基準マークRM1及びRM2の検出の処理を実行する前に、上述した基準基板158a又は158bを用いることによって、非線形誤差を抽出して、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動の誤差を補正する処理を予め行い、非線形誤差を補正した位置に、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づけて、基準マークRM1及びRM2を検出するものとする。以下では、非線形誤差を補正して、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける補正後の位置を(X_cor(n),Y_cor(n))とする。ここで、nは、上述したように、上述した変数nは、1〜12の整数値をとり、露光領域を示す。すなわち、例えば、(X_cor(4),Y_cor(4))は、露光領域ER4に、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づけるための補正後のステージの位置である。
上述した基準マークRM1とRM2との中点の位置(XM(n),YM(n))と、X方向の差分ΔXM(n)と、Y方向の差分ΔYM(n)とを得た後、図19に示す処理を実行する。
まず、基準マークRM1とRM2との中点の位置(XM(n),YM(n))と、補正後のステージの位置(X_cor(n),Y_cor(n))とを用いて、最小二乗法の式(21)及び(22)により、6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出する(ステップS81)。
Figure 2008139955
このステップS81の処理を実行した後、式(23)を用いて、2つの基準マークRM1とRM2との中点の補正した位置を、1次式で近似した位置X_le(n)及びY_le(n)として算出する(ステップS82)。
Figure 2008139955
ここで、式(23)のX_cor(n)及びY_cor(n)は、上述したように、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動の非線形誤差を補正した補正後のステージの位置である。
次いで、式(24)を用いて、2つの基準マークRM1とRM2との中点の位置について、非線形誤差成分X_nle(n)とY_nle(n)とを算出する(ステップS83)。
Figure 2008139955
次に、式(25)及び式(26)を用いて、位置の差分についての6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出する(ステップS84)。
Figure 2008139955
次に、式(27)を用いて、2つの基準マークRM1とRM2との位置の差分を1次式で近似した位置ΔX_le(n)とΔY_le(n)とを算出する(ステップS85)。
Figure 2008139955
式(27)で算出したΔX_le(n)とΔY_le(n)とから、式(28)によって、2つの基準マークRM1とRM2との位置の差分について、非線形誤差成分ΔX_nle(n)とΔY_nle(n)とを算出する(ステップS86)。
Figure 2008139955
次に、式(27)で算出した線形誤差成分ΔX_le(n)とΔY_le(n)との3σ_leを、統計計算により算出する(ステップS87)。ここで、σ_leは、線形誤差成分ΔX_le(n)とΔY_le(n)との標準偏差である。以下では、この3σ_leを、S_leとする。次いで、式(28)で算出した非線形誤差成分ΔX_nle(m)とΔY_nle(m)との3σ_nleを、統計計算により算出する(ステップS88)。ここでのσ_nleは、非線形誤差成分ΔX_nle(m)とΔY_nle(m)との標準偏差である。以下では、この3σ_nleを、S_nleとする。なお、S_nleは、非線形誤差成分の大きさの程度を示す誤差情報である。また、上述のステップS83で算出した非線形誤差成分X_nle(n)とY_nle(n)とについてもS_nleの場合と同様に誤差情報を算出し、S_nleとともに、以下のステップにおいて用いてもよい。
ステップS82の処理で算出したX_le(n)及びY_le(n)と、ステップS83の処理で算出したX_nle(n)及びY_nle(n)と、ステップS87の処理で算出したS_leと、ステップS88の処理で算出したS_nleと、を用いて、式(29)及び(30)により、XposとYposとを算出する(ステップS89)。
Figure 2008139955
この式(29)及び式(30)で算出されたXposとYposとに、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づける。
上述した式(29)及び(30)において、位置(X_le,Y_le)が、グローバル方式によって補正した位置となる。一方、位置(X_le+X_nle,Y_le+Y_nle)が、ダイバイダイ方式によって補正した位置となる。
もし、2つの基準マークRM1及びRM2が、露光基板156に形成されたときの誤差が大きいような場合(なお、露光基板156の変形が、3次以上の高次である場合も含まれる)には、S_nleは大きくなる。さらに、露光基板156の2次の誤差は小さい場合には、S_le=0となる。この場合は、ランダムに生じた誤差と考えられ、式(29)及び式(30)は、
Figure 2008139955
となり、グローバル方式によって、適切な位置にパターンを転写することができる。
一方、2つの基準マークRM1及びRM2が、露光基板156に形成されたときの誤差が小さい場合には、S_nle=0となる。さらに、露光基板156の2次の誤差が大きい場合には、S_leは大きくなる。この場合の誤差は、露光基板156の2次の歪み誤差によると考えられ、式(29)及び式(30)は、
Figure 2008139955
となり、ダイバイダイ方式によって、適切な位置にパターンを転写することができる。
また、S_nle及びS_leのどちらも小さくない場合には、式(29)及び式(30)によって、位置が算出される。
なお、式(29)及び式(30)を算出するときに、S_nle=S_nle×Dとして、係数Dを用いてもよい。係数Dは、グローバル方式を重視するか、ダイバイダイ方式を重視するかを決めることができる係数であり、使用者の意思によって決めることができる係数である。例えば、D>1に設定されたときには、グローバル方式を重視することができ、D<1に設定されたときには、ダイバイダイ式を重視することができる。
<<誤差の代替>>
上述した処理では、図19の処理をするときに、X方向の差分ΔXM(n)と、Y方向の差分ΔYM(n)とを得て行った。2つの基準マークRM1及びRM2は、X方向に沿って配置されるので、X方向の差分ΔXM(n)は、X方向の伸縮の程度を示すSxに対応し、Y方向の差分ΔYM(n)は、回転の程度を示すθに対応する。
したがって、上述したステップS84の処理で、6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出した後、SxをX方向の差分ΔXM(n)に置き換え、また、θをY方向の差分ΔYM(n)に置き換えて、図19に示した処理を行ってもよい。なお、Sxとθとの双方を共に置き換える必要はなく、いずれか一方のみを置き換えて処理を行ってもよい。
上述した第1の実施の形態において、制御装置199によって、第1の位置補正手段と、第2の位置補正手段と、基準基板位置制御手段と、基準基板位置記憶手段と、基準基板露光手段と、基準基板位置補正演算記憶手段と、露光基板位置制御手段と、露光基板位置記憶手段と、露光基板基準マーク位置記憶手段と、線形誤差補正演算手段とが構成される。
<<インテリジェントグローバル方式>>
露光基板は、製造する際の熱変形や、所定の大きさにカットする場合などに、2次式や3次式などによって近似できるような形状に変形する場合がある。図24に(a)露光基板の変形が2次式によって近似される場合と、(b)露光基板の変形が3次式によって近似される場合とを例示する。露光基板は、その製造過程において、図24(a)および(a)に示したような変形が生じる場合が少なくない。そのため、露光基板上の基準マークの位置も、2次式、3次式などによって近似できるような位置に変位することとなる。この位置の変位は、基準マークの位置の誤差と捉えることができるので、基準マークの位置の変位に基づく誤差も、2次式、3次式などによって近似できる。一般には、露光基板の形状の変形は、3次式までの次数の式によって近似することができるような位置の誤差を生じる場合が多い。そこで、以下の説明では、露光基板の形状の変形については2次の項を含む3次式で近似できる場合を例に説明する。
その一方、露光基板156上の基準マークは、レーザ光によって露光基板156の表面を溶融することによって形成されたり、ドリル等によって機械的に加工することで形成されたりする。このため、基準マーク形成の際の精度によっては、基準マークは、本来予定していた設計上の位置とは異なる予期せぬ位置に変位して形成される場合がある。この変位はランダムな変位であり、基準マークの位置にランダムな誤差を生じることとなる。また、この基準マークの位置のこのようなランダムな誤差は、上述のような3次式によって近似できるような誤差と対比した場合に、4次式以上のさらに高次の式によって近似できる誤差とみなすこともできる。そこで、本実施の形態では、基準マークの位置に生じる誤差を、上述した露光基板の変形に基づく誤差と、基準マークの形成に基づく誤差との二種類に分離し、前者を3次式によって近似できるような誤差(3次式近似誤差)とし、後者を4次式以上のさらに高次の式によって近似できる誤差(ランダム誤差)とする。
本実施の形態におけるインテリジェントグローバル方式では、基準マークの位置の誤差を補正する場合、3次式近似誤差とランダム誤差のどちらが支配的な誤差であるかによって、露光の際の露光基板位置の最適な補正方法を異ならしめる。すなわち、基準マークの位置の誤差全体の中で、3次式近似誤差とランダム誤差の大きさを基準にどちらの誤差が支配的であるかを判定し、その結果に基づき、上述のダイバイダイ方式とグローバル方式との重み付けと同様な方法により露光位置の誤差を補正する。このようにして、露光の際の露光基板位置の誤差を補正する方法を、「インテリジェントグローバル方式」という。なお、インテリジェントグローバル方式は、3次式だけでなく、4次式や5次式など、3次式より高次の誤差によって近似できるような位置の誤差とランダム誤差の大きさを判定基準として露光の際の露光位置の誤差を補正することもできる。このインテリジェントグローバル方式の処理によれば、露光の際の露光基板を載せた載置台を位置づける目標位置をより的確な位置とすることができる。
図25に、インテリジェントグローバル方式の処理の手順のフローチャートを示す。以下、この図に沿って、インテリジェントグローバル方式を具体的に説明する。以下、3次式近似誤差とランダム誤差の大きさを判定基準とするインテリジェントグローバル方式を例に説明する。
まず、露光基板上の各露光領域の基準マーク(露光基板基準マーク)を検出する。この検出は、図9、図14および図17で述べた方法と同様に行う(ステップS101)。図26に、インテリジェントグローバル方式の処理で用いる露光基板の一例の概略図を示す。露光基板156dは、4つの露光領域ER(1,1)〜ER(4,4)を有する。これらの露光領域を、一般的に、ER(i,j)(i=1〜4、j=1〜4の自然数)とする。それぞれの露光領域は、4つの露光基板基準マークRM1(i,j)、RM2(i,j)、RM3(i,j)及びRM4(i,j)を有する。なお、本実施の形態では、露光基板基準マークの検出は、2つの露光基板基準マークを1組として行う。
露光基板基準マークの位置の検出の際に、全ての露光領域の全ての露光基板基準マークを順次検出することができる。しかし、露光基板基準マークの検出時間を短縮するために、一部の露光基板基準マークの検出を省略した方がよい。この場合には、省略された露光基板基準マークの位置は、その近傍の他の露光基板基準マークの位置を代用することが好ましい。この代用の一例を、図27の露光基板156eを用いて説明する。露光基板156eでは、検出を省略する露光基板基準マークを、記載しないか、または点線で記載している。露光基板156eに示すように、露光領域ER(1,1)の露光基板基準マークRM3(1,1)及びRM4(1,1)は検出処理が省略される。これらの露光基板基準マークの位置は、その近傍の露光基板基準マークRM1(2,1)及びRM2(2,1)の位置に基づいて算出される。同様に、露光基板156eにおいて、他の露光領域の露光基板基準マークの検出を省略することができる。図26に示す露光基板156dの露光基板基準マークを検出する場合には、32組(64個)の露光基板基準マークの検出が必要となるのに対して、図27に示す露光基板156eでの露光基板基準マークを検出する場合には、20組(40個)の検出を行えばよく、露光基板基準マークを検出するための時間を短縮することができる。なお、図26および図27では、検出すべき露光基準マークを黒い四角で示した。
露光基板基準マークの検出をさらに省略することができる例を、図28に示す。露光基板156fにおいては、露光領域ER(1,2)の露光基板基準マークRM1(1,2)及びRM2(1,2)の検出は省略される。これらの露光基板基準マークの位置は、露光領域ER(1,2)の露光基板基準マークRM2(1,1)及び露光領域ER(1,2)のRM1(1,3)の位置に基づいて算出することができる。他の露光基板基準マークについても、露光領域の境界が隣り合う箇所においては、少なくとも一つの露光基板基準マークの検出を行うことにより、他の露光領域のその露光基板基準マークの近傍にある露光基板基準マークの検出を省略することができる。この結果、露光基板156eの場合は、図示する黒い四角で示す15組(30個)の露光基板基準マークの検出を行えばよいことになる。このように、多数の露光基板基準マークを省略することにより、アライメント光学系を移動および停止させる回数を少なくでき、基準マークの検出に要する時間を短くすることができる。そのため、露光処理のスループットを高めることができるので好ましい。
また、一部の露光領域の基準マークの検出を行わず、選択した複数の露光領域についてのみ、基準マークの検出を行うこともできる。この場合、検出を省略した露光領域の位置は、近傍の露光領域の露光基板基準マークの位置に基づいて、近似的に補完して算出することができる。また、基準マークの検出が何らかの理由により行うことが出来なかった露光領域があった場合にも、同様に、その露光領域の位置を、近傍の露光領域の露光基板基準マークの位置に基づいて、近似的に補完して算出することができる。
また、1つの露光領域は、露光基板基準マークを4つ有する必要は必ずしもない。例えば、図4(a)に示すように、露光領域の各々が、露光基板基準マークを2つ有する場合にも本方式による処理を行うことができる。ただし、露光基板基準マークの位置の誤差を、より的確に補正した露光位置を得るためには、各々の露光領域は、少なくとも4つの露光基板基準マークを有することが好ましい。
上述したステップS101の処理を実行した後、その露光基板基準マークの位置の検出結果から、露光基板基準マークの位置を算出する(ステップS102)。「露光基板基準マークの位置を算出」することには、露光基板基準マークの一部の位置の検出を省略した場合に、その近傍の他の露光基板基準マークの位置に基づいて、省略した露光基板基準マークの位置を算出することも含む。また、露光基板基準マークの位置の算出方法は、画像に固定された座標系から定盤178aと178bに固定された座標系へ変換するための式(1)〜式(2)を用いて行ったのと同様の方法により行うことができる。
露光基板基準マークの位置を算出する前処理として、上述したような基準基板を用いた誤差の補正を行うことが好ましい。すなわち、上述した基準基板158a又は158bと同様な基準基板を用いることによって、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との構造によって生じる誤差を補正する処理を予め行うことが好ましい。以下では、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との構造によって生じる誤差を補正した後のX方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との位置を(X_cor(i,j),Y_cor(i,j))とする。ここで、iおよびjは、1〜4の自然数をとり、露光領域を示す。例えば、(X_cor(i,j),Y_cor(i,j))は、露光領域ER(i,j)に、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174とを位置づけるための補正後のステージの位置である。
次に、露光基板の全体にわたって、露光基板基準マークの位置に基づき最小二乗法を用いて、露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける値である全体領域誤差パラメータ値を算出する(ステップS103)。ここで、全体領域誤差パラメータは、露光基板の全体にわたって生じている全体的な誤差を示すパラメータであり、具体的には、上述したグローバル方式の処理において求められた6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyと同様のパラメータである。これらのパラメータは、上述のように算出された露光基板基準マークの位置に基づき、図9のステップS18およびS19の処理と同様の処理を実行することによって算出することができる。具体的には、式(3)と同様な式を用いて、ペアとなる基準マークの中点の位置を得る。さらに、最小二乗法の式(21)および(22)を用い、nの代わりに(i,j)について、X_cor(i,j),Y_cor(i,j)に基づいて最小二乗法による近似を行うことによって全体領域誤差パラメータを算出することができる。
次に、検出領域の各々において、少なくとも2つの露光基板基準マークの位置に基づき露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける検出領域誤差パラメータ値Sx(i,j)、Sy(i,j)、θx(i,j)およびθy(i,j)を算出する(ステップS104)。ここで検出領域とは、検出領域誤差パラメータ値を各々算出するための領域のことである。なお、検出領域は露光領域と同一の領域としてもよいが、本処理の精度を向上させるために、露光領域の各々を細分化した複数の領域を検出領域としてもよい。また、場合によっては、露光領域とは、大きさ、位置、形状が異なる領域を検出領域としてもよい。上述したステップS101の処理において、一部の露光基板基準マークの検出を省略できることを説明したが、露光基板基準マークの検出が省略された検出領域についても同様に、省略された露光領域の露光基板基準マークの位置を、その近傍の他の露光基板基準マークの位置に基づいて算出することができる。以下では、露光領域と検出領域とが同じ領域である場合を例に説明する。このため、検出領域の記号は露光領域と同じ記号を用い、検出領域ER(i,j)のように記載する。
上述したステップS104の処理で算出される検出領域誤差パラメータ値とは、例えば、X方向とY方向の検出領域の各々の伸縮の程度や、X方向とY方向の検出領域の各々のひずみや回転の程度など、検出領域の各々の変位や変形に基づく誤差を特徴づける値である。検出領域誤差パラメータの一例を、図29を用いて説明する。図29は、検出領域変形前と変形後の検出領域の形状および露光基板基準マークの位置を、それぞれ破線および実線で示す。この例では、RM1(i,j)とRM3(i,j)の位置は変位していないが、RM2(i,j)とRM4(i,j)の位置は変位している。DxおよびDyは、検出領域が変形する前の、X方向およびY方向に隣り合う二つの露光基板基準マークの中心と中心との距離を示す。X方向またはY方向に隣り合う露光基板基準マークのX方向またはY方向の位置座標成分の差分から、DxまたはDyを差し引いた長さをSx(i,j)(1)、Sx(i,j)(2)、Sy(i,j)(1)およびSy(i,j)(2)とする。Sx(i,j)(1)とSx(i,j)(2)との平均値としてSx(i,j)を、Sy(i,j)(1)とSy(i,j)(2)との平均値としてSy(i,j)を求めることができる。これらのSx(i,j)およびSy(i,j)が、検出領域ER(i,j)においての、X方向またはY方向の伸縮という誤差の程度を示す検出領域誤差パラメータである。
また、X方向またはY方向に隣り合う露光基板基準マークのY方向またはX方向の位置座標成分の差分を、θx(i,j)(1)、θx(i,j)(2)、θy(i,j)(1)およびθy(i,j)(2)とする。θx(i,j)(1)とθx(i,j)(2)との平均値としてθx(i,j)を、θy(i,j)(1)とθy(i,j)(2)との平均値としてθy(i,j)を求めることができる。これらのθx(i,j)およびθy(i,j)は、検出領域ER(i,j)においてのX方向またはY方向のせん断変形の程度、あるいはθx(i,j)およびθy(i,j)の大きさが同じ場合は回転の程度に相当する誤差を示す検出領域誤差パラメータである。
一般的に、検出領域誤差パラメータSx(i,j)、Sy(i,j)、θx(i,j)およびθy(i,j)は、ある検出領域における複数の露光基板基準マークの位置座標の差分に基づいて算出することができる。したがって、検出領域誤差パラメータ値は、露光基板基準マークの位置の1次微分に相当することとなる。検出領域誤差パラメータは、Sx(i,j)、Sy(i,j)、θx(i,j)およびθy(i,j)に限られず、露光基板基準マークの位置の1次微分に相当し、露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付けるものであれば、どのようなものを用いてもよい。
また、露光基板の変形によって2次式で近似できるような形状となるような場合に、検出領域誤差パラメータは、その2次式の2次の係数に対応する値となる。
また、上述した差分によって求めるのではなく、検出領域ER(i,j)に含まれる露光基板基準マークの位置の座標に基づいて、式(5)および(6)と同様な最小二乗法を用いることで、各々の検出領域の6つのパラメータSx(i,j)、Sy(i,j)、θ(i,j)、ω(i,j)、Ox(i,j)及びOy(i,j)を算出し、それらを検出領域誤差パラメータとしてもよい。
次に、検出領域の各々において、検出領域誤差パラメータ値に基づき、最小二乗法を用いて検出領域誤差パラメータ値の線形成分を算出する(ステップS105)。すなわち、検出領域ER(i,j)の中点の位置と、検出領域誤差パラメータSx(i,j)、Sy(i,j)、θx(i,j)およびθy(i,j)とについて、図9のステップS19の処理と同様の処理を実行することで、検出領域誤差パラメータの線形成分を得ることができる。具体的には、ステップS103での説明と同様に、まず検出領域ER(i,j)の中点の位置を得る。次に、最小二乗法の式(25)〜(26)と同じ式を用いて、ΔXM(n)の代わりにSx(i,j)、ΔYM(n)の代わりにSy(i,j)を用い、nの代わりに(i,j)についての最小二乗法による近似を行うことによって6つのパラメータSx、Sy、θ、ω、Ox及びOyを算出することができる。さらに式(27)と同様にして、検出領域誤差パラメータ値の線形成分Sx_le(i,j)およびSy_le(i,j)を算出することができる。θx(i,j)およびθy(i,j)についても同様な処理を行うことによって、検出領域誤差パラメータ値の線形成分θx_le(i,j)およびθy_le(i,j)を算出することができる。
次に、隣り合う二つの検出領域における検出領域誤差パラメータ値の少なくとも1階以上の差分を算出する(ステップS106)。ここで、「1階の差分」とは、隣り合う二つの検出領域における検出領域誤差パラメータ値の差分のことをいう。また、「2階の差分」とは、検出領域誤差パラメータ値の1階の差分の差分をさらに算出したものである。同様に、差分の算出をn回行った場合の差分を、「n階の差分」という。
なお、上述のステップS104についての説明したように、一般に、検出領域誤差パラメータは、露光基板基準マークの位置座標の差分に基づいて算出される。したがって、検出領域誤差パラメータは、露光基板基準マークの位置の1次差分(1次微分)に相当することとなる。また、検出領域誤差パラメータ値の1階の差分(1次微分)は、同様に、露光基板基準マークの位置の2次差分(2次微分)に相当することとなる。一般に、検出領域誤差パラメータ値のn階の差分(n次微分)は、露光基板基準マークの位置のn+1次差分(n+1次微分)に相当することとなる。
以下の説明では、隣り合う二つの検出領域における検出領域誤差パラメータ値の1階の差分ΔSx(i,j)、ΔSy(i,j)、Δθx(i,j)およびΔθy(i,j)のみを算出する場合について説明する。
次に、1階の差分に基づき最小二乗法を用いて、差分線形成分ΔSx(i,j)_le、ΔSy(i,j)_le、Δθx(i,j)_leおよびΔθy(i,j)_leを算出する(ステップS107)。この最小二乗法を用いての差分線形成分の算出は、上述のステップS105における領域誤差パラメータ値の線形成分を算出と同様に、式(25)〜(27)と同様な式を用いて行うことができる。
上述したように、検出領域誤差パラメータは、露光基板基準マークの位置の1次微分に相当するので、検出領域誤差パラメータ値の差分は、露光基板基準マークの位置の2次微分に相当することになる。したがって、露光基板の変形によって3次式で近似するような形状となる場合には、差分線形成分は、その3次式の3次の係数に対応する値となる。
次に、検出領域の各々について、Sx(i,j)等の検出領域誤差パラメータ値と、Sx_le(i,j)等の検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、ΔSx(i,j)_le等の差分線形成分の累積和とに基づいて、検出領域誤差パラメータ値の誤差Sx_nle(i,j)等の誤差情報S_Sx、S_Sy、S_θx、S_θyを算出する(ステップS108)。たとえば、Sxについての検出領域誤差パラメータ値の誤差Sx_nle(i,j)の算出は、検出領域誤差パラメータ値Sx(i,j)から、検出領域誤差パラメータ値の線形成分Sx_le(i,j)に差分線形成分ΔSx(i,j)_leの累積和を加えたものSx_le_total(i,j)を差し引くことにより行う。すなわち、式(35)および(36)によってSx_nle(i,j)を算出することができる。
Figure 2008139955
Sy_nle(i,j)、θx_nle(i,j)およびθy_nle(i,j)についても、Sy_le_total(i,j)、θx_le_total(i,j)およびθy_le_total(i,j)を式(35)と同様に算出することにより、式(36)と同様な式を用いて算出することができる。
上述の算出過程から明らかなように、検出領域誤差パラメータ値の線形成分Sx_le(i,j)等は位置の1次微分に相当するものである。また、差分線形成分ΔSx(i,j)_le等は位置の2次微分に相当するものであり、差分線形成分の累積和はその積分に相当する。したがって、検出領域誤差パラメータ値の線形成分に差分線形成分の累積和を加えたものSx_le_total(i,j)は、位置の変位に基づく誤差のうち、3次式近似誤差に相当するものである。なお、累積和は、積分に相当するため、差分線形成分を数式にて表現することができる場合には、その数式の積分値を累積和とすることができる。
これに対して、検出領域誤差パラメータ値の誤差Sx_nle(i,j)等は、位置の変位に基づく誤差全体から3次式近似誤差を差し引いたもので、ランダム誤差に相当するものであるといえる。
なお、上述のステップS106において、隣り合う二つの検出領域における検出領域誤差パラメータ値の2階以上の差分を算出した場合には、差分線形成分ΔSx(i,j)_leの累積和を算出する際に、差分の階数に基づいた回数の累積和を算出することが必要である。たとえば、2階の差分を算出した場合には、2階の差分線形成分の累積和を算出し、さらにその累積和の累積和を算出し、その累積和の累積和をSx_le_total(i,j)に加える。同様に、3階以上のn階の差分を算出した場合には、累積和を同様な手順でn回繰り返し、Sx_le_total(i,j)に加える。このSx_le_total(i,j)に基づいて、検出領域誤差パラメータ値の誤差Sx_nle(i,j)を算出することができる。ΔSy(i,j)_le、Δθx(i,j)_leおよびΔθy(i,j)_leについても同様である。
次に、検出領域誤差パラメータ値の誤差Sx_nle(i,j)等のばらつきに相当する誤差情報S_Sx、S_Sy、S_θxおよびS_θyを、統計的に計算することにより算出する。具体的には、例えば、検出領域誤差パラメータ値の誤差Sx_nle(i,j)等の標準偏差(σ)を求めることにより検出領域誤差パラメータ値の誤差の誤差情報を算出することができる。また、σの2倍(2σ)またはσの3倍(3σ)等を検出領域誤差パラメータ値の誤差の誤差情報としてもよい。一例として、Sx_nle(i,j)等から算出した3σを検出領域誤差パラメータ値の誤差の誤差情報S_Sxとすることができる。同様に、Sy_nle(i,j)等、θx_nle(i,j)等またはθy_nle(i,j)等から算出した3σを、検出領域誤差パラメータ値の誤差の誤差情報S_Sy、S_θxまたはS_θyとすることができる。なお、検出領域誤差パラメータ値の誤差のばらつきに相当する誤差情報は、統計的に誤差のばらつきを示すものであれば、標準偏差に限られず、どのようなものも用いることができる。
次に、検出領域誤差パラメータ値の誤差の誤差情報S_Sx、S_Sy、S_θx、S_θyに基づき、検出領域誤差パラメータ値の線形成分および差分線形成分の累積和に基づく誤差(3次式近似誤差に相当)と基づかない誤差(ランダム誤差に相当)との大きさの割合を示す重み付け係数Wを算出する(ステップS109)。ここで「大きさの割合を示す」とは、3次式近似誤差に相当する誤差とランダム誤差に相当する誤差との大きさを基準に、どちらが支配的な誤差であるかを示すことを意味する。重み付け係数の一例としては、ステップS108で算出した検出領域誤差パラメータ値の誤差の誤差情報を、検出領域誤差パラメータ値で除した値に基づき算出することができ、たとえば、式(37)によって算出することができる。
Figure 2008139955
次に、露光基板基準マークの位置と、全体領域誤差パラメータ値と、重み付け係数Wとに基づいて、載置台を位置づける目標位置を算出する(ステップS110)。
例えば、式(36)で算出した重み付け係数W=0の場合は、基準マークの位置の誤差が、3次式近似誤差のみの場合に相当し、基板の変位およびそれに伴う露光基板基準マークの位置の変位がランダムではない場合である。そのため、ステップS102で算出された露光基板基準マークの位置は確からしいものであるといえる。そこで、重み付け係数W=0の場合には、ステップS102で算出された露光基板基準マークの位置に基づいて載置台を位置づけるための目標位置を算出する。この方法により算出される目標位置を(Xd,Yd)とする。目標位置(Xd,Yd)の算出は、上述のダイバイダイ方式による位置の補正と同様な算出方法を用いることもできる。また、Sx_le_total(i,j)、Sy_le_total(i,j)、θx_le_total(i,j)およびθy_le_total(i,j)の三次式近似誤差に相当する値に基づいて目標位置(Xd,Yd)の算出を行うことができる。
一方、式(36)で算出した重み付け係数W=1の場合は、基準マークの位置の誤差がランダム誤差のみの場合に相当する。そのため、ステップS102で算出された露光基板基準マークの位置は確からしいとはいえない。そこで、ステップS103で算出した全体領域誤差パラメータ値を用いて各露光領域に対する載置台を位置づける目標位置を算出することにより、露光の際の露光基板を載せた載置台を位置づける目標位置をより的確な位置とすることができる。この方法により算出される目標位置を(Xg,Yg)とする。
一般的には、重み付け係数Wを用いて、上記二つの目標位置算出方法に対して重み付けを行う。たとえば、下記の式(38)および(39)を用いて目標位置(Xpos,Ypos)を算出することができる。
Figure 2008139955
なお、重み付け係数および目標位置の算出方法は、上記の例に限られることはなく、3次式近似誤差およびランダム誤差の大きさを基準に、どちらが支配的な誤差であるかを判定するための係数であり、露光基板の目標位置算出に反映させるという重み付け係数の意味に基づき、適宜算出方法を変更することができる。また、重み付係数は一つには限られず、それぞれの検出領域誤差パラメータ値ごとに重み付係数を算出し、重み付けに用いてもよい。
次に、上記のように算出した目標位置に載置台を位置づけ、露光基板にパターンを転写する(ステップS111)。
以上、インテリジェントグローバル方式による処理を、3次式近似誤差およびランダム誤差を判定基準とする場合について説明したが、ステップS106とステップS107を所定の回数だけ繰り返し、ステップS107において適切な回数の差分の累積和を算出することにより、4次式や5次式など、3次式より高次の基板の変形に伴う露光基板基準マークの位置の誤差とランダム誤差の大きさを判定基準とする場合のインテリジェントグローバル方式による処理を行うことができる。
以上説明したインテリジェントグローバル方式の処理による位置の誤差補正の例を、図30(a)および(b)に示す。図中、矢印は、インテリジェントグローバル方式の処理によって得られた補正方向と補正の大きさを示す。この図から明らかなように、露光基板の変形が2次式または3次式よって近似されるような位置の誤差が生じた場合、非常に優れた誤差の補正結果を得ることができる。また、図30(c)に示すように、インテリジェントグローバル方式の処理によって、3次式で近似されるような回転の大きさの変化が生じるような場合も、誤差の補正が可能となる。
<具体的方法>
次に、インテリジェントアライメントの具体的な実現方法について説明する。上述においては、微分値を求めて誤差の2次成分、3次成分を求めていたが、途中でマークが検出できないエラーが発生した場合、または露光位置とマーク位置が全く異なる場合等においては、マークの計測結果から露光位置を補間により求める必要がある。その具体的な説明を、下記に行う。
プリント基板の大きさは600mm×500mm程度であり、投影レンズを用いた場合の露光フィールドはレンズ径が200mm〜300mm程度なので、分割数が3×2〜4×4程度のステップアンドリピート露光となる。ここで、従来のアライメント光学系としては、図31に示す様な2つの方法が採用されている。
図31(a)は露光フィールドに対しアライメントセンサーが2つある場合であり、露光フィールドの4隅にある黒丸印のマークを2つのアライメントセンサーで計測する為に、まず上側のマークを計測した後、ステージを移動させて下のマークを計測し、露光フィールドからアライメント光学系を退避させた後、計測結果に従い露光位置を補正して露光を行う。
一方、図31(b)は露光フィールドに対しアライメントセンサーが4つある場合であり、一度に4隅のマーク計測を行い、露光フィールドからアライメント光学系を退避させた後、計測結果に従い露光位置を補正して露光を行う。いずれの場合も、1ショット毎の露光に先立ち、アライメントセンサーの移動を行う必要がある。
これまでの説明では、これらのアライメントセンサーの挿入、退避をアライメントの最初と最後のみとする方法であり、これらの従来型アライメントセンサーを利用したグローバルアライメント、インテリジェントアライメントであった。ここで、マーク位置としては、図32(a)が4点グローバルアライメント、図32(b)がインテリジェントグローバルアライメントの配置である。
一方、クライアントからの要求が高いのが、図32(c)や図32(d)に示す配列であり、露光フィールド内またはそのフィールド間の狭いスペースではなく、外側や中心のやや広いスペースにマークを入れる事ができる。この場合、露光フィールド内にアライメントセンサーを挿入する必要が無く、図33(a)や図33(b)の様に、露光フィールドの外側にアライメントセンサーを設置できる。アライメントセンサーはマークの位置に応じて位置駆動する必要はあるが、一度設定してしまえば、そのロット間は全く動かす必要は無く、早い駆動系も必要が無いので、安定性の高い構造とする事ができる。即ち、アライメントセンサー1つで、1個の信頼性の高いデータを取る事が可能となる(なお、センサーを常時駆動させる場合、経時変化等が無視できず、複数のセンサーの結果を平均する場合が多い)。
図33(a)では、2本のアライメントセンサーを用いた場合であり、8箇所の移動で16点のデータ取りを行っている。また図33(b)では、3本のアライメントセンサーを用いた場合であり、5箇所の移動で15点のデータ取りを行っている。ステージによる移動ステップをそれぞれ図33(c)、図33(d)において矢印で示しているが、移動距離が少なく、短い処理時間でアライメント動作が終了する。
この様にして計測されたデータは、プリント基板周辺のマーク設計座標からの位置ズレ誤差値である。プリント基板の歪は、ガラス材質を含む等の材質特性が原因であり、連続的な歪となる為、マークの計測値を線で結び、間の値を予測する事ができる。補間は、その連続性から曲線補間する事が望ましい。上述の様に3次式までを考える場合、4つの計測結果があればよい。そしてそれを通る曲線Y=AX+BX+CX+Dを決める事が可能となる。
また、図33(a)、図33(b)の様な位置にマークを設置すれば、露光位置に依存しないので、より多くのマークを設置し、計測する事も可能である。マーク点数が多ければ、近似計算により、マーク自体の描画誤差を平均化効果により軽減する事が可能となる。曲線近似を行う方法としては色々あるが、本実施形態では、平均化効果の高い最小二乗近似法で説明を行う。
曲線の方程式F(x)に対し、計測点をyとすると、
T= Σ (y − F(x) )
となる。このTが最小となる関数の係数(A,B,C,D)を求めると、
F(x)= A*x + B*x + C*x +D
が求まる。これが最小二乗近似による3次方程式となる。Tを最小にする条件は連立方程式となる。Tは係数(A,B,C,D)の関数と見る事ができるので、
式T= Σ( Y − A*x−B*x−C*x−D )のTを最小にする条件を考える。
Tを最小にする条件は、Tの微分=0の方程式となる。
δT/δD =0
δT/δC =0
δT/δB =0
δT/δA =0
これを解いて、整理すると、4元連立方程式(下式)となる。
Figure 2008139955
この行列式を解き、係数A、B、C、Dを算出する。そして数式F(x)= A*x + B*x + C*x +Dを記憶しておけば、マーク計測座標の計測値だけでなく、曲線補間によりその間の補正値も予測する事が可能となる。
図34では、この曲線近似計算を行う場所の説明を行う。図34(a)のマーク配置の場合、プリント基板の上側の6つのマーク設計座標値Pu1(x,y)〜Pu6(x,y)と、6つのマーク計測値Qu1(x,y)〜Qu6(x,y)(黒丸印)とが得られる。但し、これは2本のアライメントセンサーを用いているので、もしアライメントセンサーの安定性に不安がある場合は、2つのデータの平均を取り、3つのマーク設計座標値Pu12(x,y)〜Pu56(x,y)と、3つのマーク計測値Qu12(x,y)〜Qu56(X,Y)(十字印)としても良い。この黒丸印と十字印はこれ以降の説明でも同じ方法で算出したものであり、計測点数が異なるだけなので、以降は黒丸印を基本として説明していく。
この方法と同様にして、プリント基板の下側でも6つのマーク設計座標値Pd1(x,y)〜Pd6(x,y)と6つのマーク計測値Qd1(x,y)〜Qd6(x,y)(黒丸印)が得られる。一方、プリント基板の左側からは3つのマーク設計座標値Pl1(x,y)〜Pl3(x,y)と3つのマーク計測値Ql1(x,y)〜Ql3(x,y)(黒丸印)が得られ、左側からは3つのマーク設計座標値Pr1(x,y)〜Pr6(x,y)と3つのマーク計測値Qr1(x,y)〜Qr3(x,y)(黒丸印)が得られる。
この様にして得られた(Pu,Qu)、(Pd,Qd)、(Pl,Ql)、(Pr,Qr)をそれぞれグループとし、グループ毎に上記方法にて方程式の係数を算出する。
上の行列式ではPu、Pdに関しては、y方向が一定値となるので、行列式の計算ではPu1〜Pu6=x1〜x6、Pd1〜Pd6=x1〜x6となる。Qu,Qdに関しては、X方向及びY方向共に変数となるので、それぞれの方向に対応した2つの近似曲線(Qux(x),Quy(x)),(Qdx(x),Qdy(x))となる。一方、Pl、Prに関しては、x方向が一定値となるので、行列式の計算ではPl1〜Pl6=y1〜y6、Pr1〜Pr6=y1〜y6となる。Qu,Qdに関しては、X方向及びY方向共に変数となるので、それぞれの方向に対応した2つの近似曲線(Qlx(y),Qly(y)),(Qrx(y),Qry(y))となる。
この様に上記行列式を解く事により、図34(c)及び図34(d)に示す様な歪曲線データが得られる。この曲線データは方程式なので、Pu、Pdに関しては、その座標軸上であれば、どこでも補間値を算出する事が可能となる。また、Pl、Prに関しても、その座標軸上であれば、どこでも補間値を算出する事が可能となる。
この様に、上記方程式は1つの列または1つの行固定の軸上の値を求める事ができる。しかし、露光座標は平面上の座標であり、露光座標を決定する為には次のステップが必要となる。
まず、向かい合う曲線グループQuとQd、更に、それと直交した向かい合う曲線グループQlとQrに対し、露光位置座標(Ex、Ey)を図35(a)、図35(b)に示す様にそれぞれ代入する。
上側グループから得られた値(Qux(Ex)、Quy(Ex))
下側グループから得られた値(Qdx(Ex)、Qdy(Ex))
左側グループから得られた値(Qlx(Ey)、Qly(Ey))
右側グループから得られた値(Qrx(Ey)、Qry(Ey))
これらの値は、もし露光座標が各曲線上にあった場合に、露光座標位置から露光位置をどの程度補正するかを示している値である。もし露光位置が上に近ければ、上側グループのデータに近い結果となり、露光位置が下に近ければ、下側グループのデータに近い結果にすればよい。即ち、上グループに近ければ、上グループのデータに重み付けを行う必要があり、下側グループに近ければ下側グループのデータに重み付けを行う必要がある。
上述の様に、Pu、Pdに関しては、y方向が一定値なので、上側グループのY座標をPuy、下側グループのY座標をPdyとすると、
(Puy−Ey)/(Puy−Pdy):(Ey−Pdy)/(Puy−Pdy)が露光座標の内分比となる。内分点が近い程、重み付けは大きくなるので、露光座標位置での補正値は次の計算式で算出できる。
補正値x1=(Qux(Ex)*(Ey−Pdy)+Qdx(Ex)*(Puy−Ey))/(Puy−Pdy)
補正値y1=(Quy(Ex)*(Ey−Pdy)+Qdy(Ex)*(Puy−Ey))/(Puy−Pdy)
この方法では露光座標位置(Ex、Ey)の補正値のみ求めているが、勿論、露光フィールドの大きさは予め分かっているので、露光フィールドの4隅の座標位置も判っている。そこで、図35(c)、図35(d)に示す様に、この4つの座標を上記方法と同じ様に方程式に代入すれば、露光フィールド4隅での補正値が分かる。
露光フィールドは一括露光の為、高次の補正はできないが、投影光学系やステージを操作する事(レンズ駆動、平面板曲げ、マスクまたは基板回転等)でオフセットOx、Oyの補正だけでなく、ローテーションθ、倍率Rx、倍率Ryの補正も可能となる。オフセットOx、Oyの補正のみならば、露光座標位置の1箇所を求めればよい。また、ローテーションθと平均倍率Rxyの補正ならば対角線上の2端の座標位置の2箇所を求めればよい。更に、上記全てのパラメータの補正ならば3端の座標位置の3箇所を求めればよく、平均化効果を見込む場合は4隅全ての座標位置による補正値を求めればよい。上述のグローバルアライメントに適用した最小二乗近似計算により、ショット毎の線形誤差を算出する事が可能となる。
ところで、これまでの方法では上側グループのデータと下側グループのデータしか使用していないが、図35(a)、図35(b)に示す様に、左側グループと右側グループの対を利用しても同様の補正値を算出する事ができる。
上述の様に、Pl、Prに関しては、x方向が一定値なので、右側グループのX座標をPlx、右側グループのX座標をPrxとすると、
(Plx−Ex)/(Plx−Prx):(Ex−Prx)/(Plx−Prx)が露光座標の内分比となる。
よって、露光座標位置での補正値は次の計算式で算出できる。
補正値x1=(Qlx(Ey)*(Ex−Prx)+Qrx(Ey)*(Plx−Ex))/(Plx−Prx)
補正値y1=(Qly(Ey)*(Ex−Prx)+Qry(Ey)*(Plx−Ex))/(Plx−Prx)
しかしながら、上下1対のデータのみ使用した場合、図36(a)の様なX方向の2次以上の誤差を補正できない。一方、左右1対のデータのみ使用した場合、図36(b)の様なY方向の2次以上の誤差を補正できない。
そこで本実施形態では、まず上下1対のデータを使用して補正値を決定し、次に左右1対のデータから上下1対のデータと共通項であるオフセットと1次成分の補正値を削除し、2次以上の補正値のみを加える方法を取っている。この方法で図36(a)、図36(b)いずれの形状も補正する事が可能となる。
但し、上下と左右データの計測マークが異なる場合や、計測点数が多い場合はオフセットと1次成分が共通でない可能性もある。この場合、両方のデータからオフセットと1次成分を取り出し、その平均値を利用してもよい。
この様な方法を取れば、外周に形成されたマークの計測結果よりその内部にある露光位置全ての補正値を算出する事が可能となる。
ところで、上記において3次曲線の近似式を示したが、3次曲線の近似には、4点のデータが必要となる。上下データは6点あったが、左右データは3点しかない。そこで、本実施形態では、4点以上のデータがある場合は3次曲線近似計算を行うが、3点の場合は2次曲線近似計算を行い、2点の場合は1次方程式(1次式)を計算できる様になっている。即ち、もし6点のデータ検出の際、数点のマーク検出エラーがあった場合でも、それを取り除いたデータ数に最適な計算が行われる工夫がなされている。
全ショットに対応したマークを検出するインテリジェントグローバルアライメントでは、3次近似誤差とランダム誤差の差分より重み付けの処理を行った。外周にマークを配置した高速型のインテリジェントグローバルにおいても、
T= Σ( Y − A*x−B*x−C*x−D )
で求まるTの値が所定以上あれば、マークの描画誤差である可能性が高いと考えられる。
この場合、曲線近似補正する事で精度を悪化させる可能性もある。また上述の上下と左右データの計測マークが同じにもかかわらず、オフセットと1次成分が共通でない場合も同様の事が言える。その様な場合は、計測点数に関わらず、2次近似曲線による補正または直線近似による補正方法に、Tの値やオフセットと1次成分の不一致量に応じて自動変更してもよい。また、予めプリント基板の歪傾向が2次曲線までで補正可能、または直線近似までで補正可能と分かっている場合は、パラメータ入力で近似方法を決定できる様にしておいてもよい。
反対に、マーク描画については、ドリル加工やレーザ描画の場合精度が悪く、平均化効果を上げた方が精度は良くなるが、マーク形成に露光を用いる場合では、マーク描画誤差は殆ど発生しない。更に、プリント基板の歪も小さい場合は、T= Σ( Y − A*x−B*x−C*x−D )の値は非常に小さくなる。特に、3次成分が無い場合、係数Aは0に近づき、2次成分も無い場合は係数Bも0に近づく。もしC及びDで決定される線形誤差だけならば、プリント基板の4点のデータだけ取れば良い。マークの計測点数が少なく、アライメントの高速化が期待できる。そこで本実施形態では、A、Bの値に応じて、同一ロットの2枚目からのアライメントマーク計測点数を減じる設定も行っている。
以上のように、グループ内で算出する近似方法により補正できるプリント基板の誤差が決まる。上述の様に、上下のグループ説明を行えば、左右のグループも同様の説明ができるので、上下のグループについて要約すると、下記のようになる。
<直線近似平均値>
1対のグループでそれぞれ直線近似により1次式Qu=Au*(x)+Bu、Qd=Ad*(x)+Bdを算出。それぞれの1次成分の平均値に修正
Qu=(Au+Ad)/2*(x)+Bu、Qd=(Au+Ad)/2*(x)+Bd
: オフセットX,オフセットY,回転,直交度,倍率X,倍率Y(グローバルアライメントと同じ成分)
<直線近似>
1対のグループでそれぞれ直線近似により1次式Qu=Au*(x)+Bu、Qd=Ad*(x)+Bdを算出。
:オフセットX,オフセットY,回転,直交度,倍率X,倍率Y,台形X,台形Y
<2次曲線近似>
1対のグループでそれぞれ2次曲線近似により2次式Qu=Au*(x)+Bu*(x)+Cu、Qd=Ad*(x)+Bd*(x)+Cdを算出。
:オフセットX,オフセットY,回転,直交度,倍率X,倍率Y,台形X,台形Y,U字型X,U字型Y,樽型X,樽型Y,糸巻き型X,糸巻き型Y
<3次曲線近似>
1対のグループでそれぞれ2次曲線近似により2次式Qu=Au*(x)+Bu*(x)+Cu*(x)+Du、Qd=Ad*(x)+Bd*(x)+Cd*(x)+Ddを算出。
:オフセットX,オフセットY,回転,直交度,倍率X,倍率Y,台形X,台形Y,U字型X,U字型Y,樽型X,樽型Y,糸巻き型X,糸巻き型Y,3次曲線誤差X,3次曲線誤差Y,3次倍率誤差X,3次倍率誤差Y
上記においては、グループ内の数式は最小二乗法による近似直線、2次の近似曲線、3次の近似曲線の方程式を求める方法を取ったが、この方法に限らず、スプライン関数や移動平均などで求めてもよい。更には各データを直線で結んだ折れ線グラフの様な空間の場合分けによる複数の式で扱い、直線や曲線による補間を行っても良い。更には、所定の数式を求め、予めマップにより露光位置データとして記憶しておいてもよい。ここでは、それらの類似する方法を全てまとめて、直線または近似により求めた曲線情報という言葉で説明している。
また、図32(d)に示す様に、中間部分にも辺に平行なマークグループが存在する場合、上側のマークグループと中間のマークグループで直線または近似により求めた曲線情報を求め、内分情報を用いて露光位置を決定する。更に、中間のマークグループと下側のマークグループで直線または近似により求めた曲線情報を求め、内分情報を用いて露光位置を決定する事も可能である。これは、基板を2分割して本実施形態を2回利用する事事に相当し、当然本発明の権利内に入るものである。
以上のように、インテリジェントグローバル方式の処理を用いれば、露光基板基準マークの検出が何らかの理由により出来なかった露光領域があった場合にも、全体領域誤差パラメータ値を用いて各露光領域に対する載置台を位置づける目標位置を算出することができる。また、一部の露光基板基準マークが検出不可能な場合でも、その周辺の検出可能な露光基板基準マークの位置に基づき、検出不可能な露光基板基準マークの位置を近似的に補完することができる。そのため、露光基板基準マークの検出が何らかの理由により不可能だった露光領域に対しても露光を行うことができる。
以上述べたインテリジェントグローバル方式の処理により、露光基板基準マークの位置のランダムな誤差を考慮した露光位置での露光が可能となる。また、一部の露光基板基準マークの検出を省略することにより、露光処理のスループットを高めることができる。また、露光基板基準マークの検出が何らかの理由により出来なかった露光領域があった場合にも露光処理が可能となるため、より確実な露光処理が可能となる。さらに、ステージの構造等に起因する誤差もランダム誤差ではない場合が多いので、基準基板を用いてステージの構造等に起因する誤差を補正する場合においても、インテリジェントグローバル方式を用いることで、露光基板の誤差の補正と一緒にステージの構造等に起因する誤差の補正とを兼ねて行うことができる。すなわち、基準基板を用いたステージの構造等に起因する誤差の補正を省略することも可能となる。
<<<<第2の実施の形態>>>>
図20は、本発明に係る第2の実施の形態の投影露光装置100の概略を示す。投影露光装置200は、投影露光装置100と同様に、主として、プリント配線板を製造するためのものである。
投影露光装置200は、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital_Micromirror_Device)を用いた投影露光装置であり、レチクルを用いることなくパターンを露光基板に転写することができる投影露光装置である。
<<投影光学系>>
投影光学系は、光源210と、ファイバー212と、ロッド214とを含む。
光源210は、複数の紫外線LED光源(図示せず)を有する。光源210から射出された光束は、ファイバー212に入射され、ファイバー212は、入射された光束を集めて、ファイバー212の射出部から照明光束を射出する。ファイバー212から射出された照明光束は、ロッド214に入射され、ロッド214は、入射された照明光束の照度を均一に近づけ射出する。
<デジタルマイクロミラーデバイス光学系>
ロッド214から射出された光束の進行方向には、照明リレー光学系222と、偏向ミラー224と、デジタルマイクロミラーデバイス230とが配置されている。ロッド214から射出された光束は、照明リレー光学系222と偏向ミラー224とによって、デジタルマイクロミラーデバイス230の反射面232の大きさとなるように調整されて、デジタルマイクロミラーデバイス230を照射する。デジタルマイクロミラーデバイス230の反射面232は、独立に駆動可能な複数のミラーからなる。複数のミラーを駆動することによって、複数のミラーの角度を変えて、複数のミラーに入射した光を所望する方向に反射させることができる。複数のミラーは、2次元に配置されており、例えば、800×600個、1280×1024個、1980×1080個等に配置されている。
<拡大照明系>
デジタルマイクロミラーデバイス230の下方には、拡大照明系240が配置されている。拡大照明系240は、複数のレンズからなる。拡大照明系240における光路には、瞳位置が存在し、瞳位置にはブラインド242が配置されている。ブラインド242には、開口244が形成されている。
上述したように、デジタルマイクロミラーデバイス230の複数のミラーは、角度を変えることができる。本実施の形態では、デジタルマイクロミラーデバイス230の複数のミラーの角度が、第1の角度又は第2の角度となるように駆動される。第1の角度は、複数のミラーに入射した光束が、ブラインド242の開口244に向かうものである。複数のミラーの角度が、この第1の角度となっているときには、光源210から発せられた光束は、ブラインド242の開口244を通過して下方に向かって進むことができる。一方、第2の角度は、複数のミラーに入射した光束が、ブラインド242の開口244でない箇所に向かうものである。複数のミラーの角度が、この第2の角度となっているときには、光源210から発せられた光束は、ブラインド242によって、遮られて開口244を通過することができない。
拡大照明系240の下方には、マイクロアレイレンズ250が配置されている。マイクロアレイレンズ250は、デジタルマイクロミラーデバイス230の複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズからなる。複数のミラーの角度が、第1の角度となったときには、光源210から発せられた光束は、ブラインド242の開口244を通過し、マイクロアレイレンズ250に入射する。マイクロアレイレンズ250は、各々のマイクロレンズに入射した光を集光して、マイクロアレイレンズ250の下方の位置LSに光束スポットを形成する。光束スポットは、数マイクロメートル〜十数マイクロメートルの大きさを有する。
<投影レンズ150、アライメント光学系160、基板載置ステージ170>
マイクロアレイレンズ250の下方には、投影レンズ150とアライメント光学系160と基板載置ステージ170とが配置されている。投影レンズ150とアライメント光学系160と基板載置ステージ170とは、第1の実施の形態における投影露光装置100と同様の構成及び機能を有し、同一の符号を付して示した。
基板載置ステージ170のテーブル177には、第1の実施の形態と同様に、露光基板156が載置される。なお、露光基板156は、第1の実施の形態で説明した露光基板156a、156b又は156cのいずれでもよい。露光基板156には、位置LSに形成された光束スポットの像が形成される。この光束スポットの像が露光基板156に形成されることによって、光束スポットの像が形成された箇所を露光させることができる。これにより、複数のミラーの各々の角度を、上述した第1の角度又は第2の角度のいずれかにする制御をすることによって、露光基板156の表面を、光束スポットの像が形成される箇所と、形成されない箇所とのいずれかにすることができる。この光束スポットの像が形成される箇所と、形成されない箇所とを露光基板156に作り出すことによって、パターンの転写と同等のことを行うことができる。
図21は、露光基板156に形成される光束スポットの像260と、露光基板156とを拡大して示す図である。なお、図21は、露光基板156に形成される光束スポットの像260のうちの一部と、露光基板156の一部とを示す図である。図21では、光束スポットの像260を白い丸で示した。
図21に示すように、露光基板156に形成される光束スポットの像260は、隣り合う像の位置が離隔した離散的なものとなる。このため、露光基板156が露光される箇所も離散的なものとなり、プリント配線板の連続的な導体パターンを露光基板156に形成することが困難となる。このようなことから、図21に示すように、露光基板156を移動させる方向に対して、光束スポットの像260の列が若干傾く(角度θt)ように、デジタルマイクロミラーデバイス230を配置する。なお、図21においては、白い矢印で示した方向に露光基板156を移動させるものとする。この白い矢印で示した方向は、X方向又はY方向のいずれか一方であるのが好ましい。ここでは、X方向に露光基板156を移動させるものとする。また、傾ける角度θtは、露光基板156に形成される光束スポットの像の大きさや、光束スポットの像の間隔に応じて適宜定めればよい。
<X方向に連続なパターンの形成>
図22は、X方向に連続するパターンを形成するときの手順を示す図である。図22(a−1)〜図22(a−4)は、露光基板156と光束スポットの像260との位置関係を示す図であり、図22(b−1)〜図22(b−4)は、露光基板156を移動させたことにより、露光された箇所を示す図である。これらの図22(a−1)〜図22(a−4)及び図22(b−1)〜図22(b−4)も、露光基板156に形成される光束スポットの像260のうちの一部と、露光基板156の一部とを示す図である。
X方向に連続するパターンを形成するときには、複数の光束スポットの像260のうち所定の1つの光束スポットの像260aを用いる。図22では、この光束スポットの像260aを黒い丸で示した。すなわち、光源210からの光が、露光基板156に照射されるのは、この光束スポットの像260aのみの箇所である。
図22(a−1)に示すように、まず、露光基板156を所望する位置に位置づけ、1つの光束スポットの像260aを露光基板156に形成することによって、図22(b−1)に示すように、露光基板156に1つの露光点262aを形成する。
次に、露光基板156を−X方向に所定の距離だけ移動させて、その位置で、光束スポットの像260aを露光基板156に形成することで、図22(b−2)に示すように、露光基板156に1つの露光点262bを形成する。なお、−X方向に移動させる所定の距離は、露光基板156に形成される光束スポットの像の大きさや、光束スポットの像の間隔に応じて適宜定めればよい。
同様にして、露光基板156を−X方向に所定の距離だけ順次移動させて、その位置で、光束スポットの像260aを露光基板156に形成することで、図22(b−3)及び図22(b−4)に示すように、露光基板156に1つの露光点262c及び262dを次々に形成することができる。
このように、露光基板156を−X方向に所定の距離だけ移動させつつ、1つの光束スポットの像260aを露光基板156に形成することによって、X方向に沿って連続するパターンを露光基板156に形成することができる。
上述した図22(b−1)〜図22(b−4)では、露光基板156に形成される露光点262a〜262dを明確に示すために、露光基板156をある程度長い距離だけ移動させるように示したが、上述したように、露光基板156を移動させる距離は、露光基板156に形成される光束スポットの像の大きさや、光束スポットの像の間隔に応じて適宜定めればよい。
<Y方向に連続なパターンの形成>
図23は、Y方向に連続するパターンを形成するときの手順を示す図である。図23(a−1)〜図23(a−3)は、露光基板156と光束スポットの像260との位置関係を示す図であり、図23(b−1)〜図23(b−3)は、露光基板156を移動させたことにより、露光された箇所を示す図である。これらの図23(a−1)〜図23(a−3)及び図23(b−1)〜図23(b−3)も、露光基板156に形成される光束スポットの像260のうちの一部と、露光基板156の一部とを示す図である。
Y方向に連続するパターンを形成するときには、複数の光束スポットの像260のうち少なくとも2つ以上の光束スポットの像を用いる。図23では、3つの光束スポットの像260a〜260cを用いる例を示し、これらを黒い丸で示した。すなわち、光源210からの光が、露光基板156に照射されるのは、この光束スポットの像260a〜260cのみの箇所である。
図23(a−1)に示すように、まず、露光基板156を所望する位置に位置づけ、1つの光束スポットの像260aを露光基板156に形成することによって、図23(b−1)に示すように、露光基板156に1つの露光点264aを形成する。
次に、露光基板156を+X方向に所定の距離だけ移動させる。この位置は、光束スポットの像260bが、+Y方向に沿って露光点264aと並ぶ位置である。この位置で、光束スポットの像260bを露光基板156に形成することで、図23(b−2)に示すように、露光基板156に1つの露光点264bを形成する。上述したように、露光基板156を+X方向に移動させる所定の距離は、光束スポットの像260bが、+Y方向に沿って露光点264aと並ぶ位置となる距離である。
同様にして、露光基板156を+X方向に所定の距離だけ順次移動させて、光束スポットの像が、+Y方向に沿って露光点264aと並ぶようにして、光束スポットの像を露光基板156に形成することで、図23(b−3)に示すように、露光基板156に1つの露光点264cを次々に形成することができる。
このように、露光基板156を+X方向に所定の距離だけ移動させつつ、2つ以上の光束スポットの像260を露光基板156に形成することによって、Y方向に沿って連続するパターンを露光基板156に形成することができる。
上述した図23(b−1)〜図23(b−3)では、露光基板156に形成される露光点264a〜264cを明確に示すために、露光基板156をある程度長い距離だけ移動させるように示したが、上述したように、露光基板156を移動させる距離は、光束スポットの像が、+Y方向に沿って並ぶ位置となる距離である。
上述した例では、X方向に連続なパターンを形成する場合でも、Y方向に連続なパターンを形成する場合でも、光源210からの光が、ある所定の短い時間内に、露光基板156に照射されるのは、複数の光束スポットの像260のうちの1つのみであるが、ある所定の短い時間内に、2つ以上の複数の光束スポットの像260を形成するように、光源210からの光を露光基板156に照射するようにしてもよい。このようにすることで、処理の効率化を図ることができ、パターンの形成に要する時間を短くすることができる。
また、図20に示した投影露光装置200では、1つのデジタルマイクロミラーデバイス230とこれに対応する1つの投影レンズ150とからなるものを示したが、複数のデジタルマイクロミラーデバイスとこれらに対応する複数の投影レンズとからなる構成とし、ある所定の短い時間内に、複数の投影レンズによって複数の光束スポットの像260を形成するようにしてもよい。このようにすることで、パターンの形成に要する時間をさらに短くすることができる。
<誤差の発生>
上述したように、第2の実施の形態における投影露光装置200においても、第1の実施の形態における投影露光装置100と同様の基板載置ステージ170を用いている。このため、X方向移動用ステージ172とY方向移動用ステージ174との移動の誤差は、投影露光装置100と同様に生ずる。また、アッベ誤差も同様に生ずる。
さらに、露光基板156(156a,156b及び156c)も同様のものを用いる。したがって、露光基板156の変形による基準マークの変位の誤差や、基準マークの形成時に生ずる誤差も、投影露光装置100の場合と同様に生ずる。
このようなことから、第2の実施の形態における投影露光装置200においても、第1の実施の形態で説明したような、図9に示したグローバル方式による露光処理や、図14又は図17に示した基準基板158a又は158bを用いた処理や、図18に示した基準基板158a又は158bを用いて、グローバル方式による露光処理や、図19に示したダイバイダイ方式とグローバル方式とを重みづけて位置を決める処理や、X方向の伸縮SxをX方向の差分ΔXM(n)に置き換え、また、回転θをY方向の差分ΔXM(n)に置き換えて行う処理や、図25に示したインテリジェントグローバル方式により位置を決める処理の全てを第1の実施の形態と同様に行うことができる。
上述した第2の実施の形態においても、制御装置199によって、第1の位置補正手段と、第2の位置補正手段と、基準基板位置制御手段と、基準基板位置記憶手段と、基準基板露光手段と、基準基板位置補正演算記憶手段と、露光基板位置制御手段と、露光基板位置記憶手段と、露光基板基準マーク位置記憶手段と、線形誤差補正演算手段とが構成される。
[符号の説明]
100 投影露光装置
110 光源
142 レチクル
150 投影レンズ
156、156a,156b,156c,156d,156e,156f 露光基板
158a、158b 基準基板
160、160a、160b アライメント光学系
162 画像処理装置
170 基板載置ステージ
172 X方向移動用ステージ
174 Y方向移動用ステージ
176 Z方向移動用ステージ
177 テーブル(載置台)
199 制御装置
200 投影露光装置
210 光源
230 デジタルマイクロミラーデバイス
RM1、RM2、RM3、RM4 基準マーク
ER 露光領域、検出領域

Claims (38)

  1. 基板が載置される載置台を、少なくとも9つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも9つの露光領域を有し、
    前記露光基板は、基板の変形を検出するための少なくとも9つの検出領域を有し、
    前記露光基板基準マークは、前記少なくとも9つの露光領域の基準位置を示すと共に前記少なくとも9つの検出領域の基準位置を示し、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出する基準マーク位置算出ステップと、
    前記露光基板の全体にわたって、前記露光基板基準マークの位置に基づき最小二乗法を用いて、前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける全体領域誤差パラメータ値を算出する全体領域誤差パラメータ値算出ステップと、
    前記検出領域の各々において、少なくとも2つの前記露光基板基準マークの位置に基づき前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける検出領域誤差パラメータ値を算出する検出領域誤差パラメータ値算出ステップと、
    前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値に基づき最小二乗法を用いて前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分を算出する検出領域誤差パラメータ値線形成分算出ステップと、
    隣り合う二つの前記検出領域における前記検出領域誤差パラメータ値の少なくとも1階以上の差分を算出し、前記差分に基づき最小二乗法を用いて、差分線形成分を算出する差分線形成分算出ステップと、
    前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値と、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和とに基づいて、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報を算出し、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報に基づき、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分に基づく誤差と基づかない誤差との大きさの割合を示す重み付け係数を算出する重み付け係数算出ステップと、
    前記露光基板基準マークの位置と、前記全体誤差パラメータ値と、前記重み付け係数とに基づいて、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
  2. 前記検出領域パラメータが、X方向の伸縮、Y方向の伸縮、X方向の回転、Y方向の回転、X方向のせん断変形およびY方向のせん断変形のうち少なくとも一つである、請求項1記載の投影露光方法。
  3. 前記検出領域の各々について、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報が、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和との和を、前記検出領域誤差パラメータ値から、差し引いた値の標準偏差に基づいて算出され、
    前記載置台を位置づける目標位置は、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分の累積和との和と、前記検出領域誤差パラメータ値との間で、前記重み付け係数に基づいて算出される、
    請求項1または2記載の投影露光方法。
  4. パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも9つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも9つの露光領域を有し、
    前記露光基板は、基板の変形を検出するための少なくとも9つの検出領域を有し、
    前記露光基板基準マークは、前記少なくとも9つの露光領域の基準位置を示すと共に前記少なくとも9つの検出領域の基準位置を示し、
    前記位置決定手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出する基準マーク位置算出手段と、
    前記露光基板の全体にわたって、前記露光基板基準マークの位置に基づき最小二乗法を用いて、前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける全体領域誤差パラメータ値を算出する全体領域誤差パラメータ値算出手段と、
    前記検出領域の各々において、少なくとも2つの前記露光基板基準マークの位置に基づき前記露光基板基準マークの位置の変位に基づく誤差を特徴付ける検出領域誤差パラメータ値を算出する検出領域誤差パラメータ値算出手段と、
    前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値に基づき最小二乗法を用いて前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分を算出する検出領域誤差パラメータ値線形成分算出手段と、
    隣り合う二つの前記検出領域における前記検出領域誤差パラメータ値の少なくとも1階以上の差分を算出し、前記差分に基づき最小二乗法を用いて、差分線形成分を算出する差分線形成分算出手段と、
    前記検出領域の各々において、前記検出領域誤差パラメータ値と、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和とに基づいて、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報を算出し、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報に基づき、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分に基づく誤差と基づかない誤差との大きさの割合を示す重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、
    前記露光基板基準マークの位置と、前記全体誤差パラメータ値と、前記重み付け係数とに基づいて、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  5. 前記検出領域パラメータが、X方向の伸縮、Y方向の伸縮、X方向の回転、Y方向の回転、X方向のせん断変形およびY方向のせん断変形のうち少なくとも一つである、請求項4記載の投影露光装置。
  6. 前記検出領域の各々について、前記検出領域誤差パラメータ値の誤差情報が、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分と、前記前記差分線形成分の前記差分の階数に基づいた累積和との和を、前記検出領域誤差パラメータ値から、差し引いた値の標準偏差に基づいて算出され、
    前記載置台を位置づける目標位置は、前記検出領域誤差パラメータ値の線形成分および前記差分線形成分の累積和との和と、前記検出領域誤差パラメータ値との間で、前記重み付け係数に基づいて算出される、
    請求項4または5記載の投影露光装置。
  7. マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光するとき、前記プリント基板上のマーク位置を検出し、前記マーク位置情報に基づき露光位置を決定するアライメント方法であって、
    矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるステップと、
    前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定するステップと、
    前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行う設計座標値を代入し、2つの位置情報を算出するステップと、
    前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定するステップと、を含む事を特徴とするアライメント方法。
  8. マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光するとき、前記プリント基板上のマーク位置を検出し、前記マーク位置情報に基づき露光位置を決定するアライメント方法であって、
    矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるステップと、
    前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定するステップと、
    前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行うフィールド対角線方向少なくとも2端の設計座標値を代入し、その差分より露光フィールドの倍率及び回転情報を算出するステップと、
    前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定するステップと、を含む事を特徴とするアライメント方法。
  9. 前記2つのグループと直交する方向の辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分け、同様の処理を行う事を特徴とする請求項7または8記載のアライメント方法。
  10. グループ内で決定される前記直線または近似により求めた曲線情報がマークの数で決定され、マークが2点の場合は一次式、マークが3点の場合は2次式、マークが4点以上の場合は3次式である事を特徴とする請求項7または8記載のアライメント方法。
  11. アライメントを実行する前に前記マーク点数とは無関係に何次式までを計算するかを決定するステップを含み、該ステップでは、直線近似で求めた1対の向かい合う辺に対応した式の平均値とする1次式または直線近似による1次式、あるいは2次曲線近似による2次式を選択する事を特徴とする請求項7または8記載のアライメント方法。
  12. プリント基板の処理ロットの先頭では前記グループ毎に3点以上のマーク検出を行うステップを含み、該ステップでは、直線近似または曲線近似を行ったときの2次及び3次の近似係数の値に応じて2枚目以降のマーク検出点数を先頭の点数より減じる事を特徴とする請求項7または8記載のアライメント方法。
  13. マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光する投影露光装置であって、
    前記プリント基板が載置される載置台を移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記プリント基板に形成されたマーク位置を検出するマーク位置検出手段と、
    前記マーク位置検出手段によるマーク位置の検出情報に基づいて露光位置を決定し、決定された前記露光位置及び前記位置信号に基づいて前記駆動ステージを制御するアライメント制御手段と、を含み、
    前記アライメント制御手段は、
    矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるマーク情報分類手段と、
    前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定する数式決定手段と、
    前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行う設計座標値を代入し、2つの位置情報を算出する位置情報算出手段と、
    前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定する露光位置決定手段と、を含む事を特徴とする露光装置。
  14. マスク上のパターンを、投影光学系を介して矩形形状のプリント基板に投影露光する投影露光装置であって、
    前記プリント基板が載置される載置台を移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記プリント基板に形成されたマーク位置を検出するマーク位置検出手段と、
    前記マーク位置検出手段によるマーク位置の検出情報に基づいて露光位置を決定し、決定された前記露光位置及び前記位置信号に基づいて前記駆動ステージを制御するアライメント制御手段と、を含み、
    前記アライメント制御手段は、
    矩形状の基板の1辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分けるマーク情報分類手段と、
    前記グループ内で各マークの設計座標情報及び、各マーク位置の検出情報に基づき、直線若しくは近似により求めた曲線情報を有する数式を決定する数式決定手段と、
    前記2つのグループで決定した前記各数式に露光を行うフィールド対角線方向少なくとも2端の設計座標値を代入し、その差分より露光フィールドの倍率及び回転情報を算出する倍率及び回転情報算出手段と、
    前記算出した座標軸と直交する軸方向の2つのグループマーク座標に対する露光座標の内分情報を用いて露光位置を決定する露光位置決定手段と、を含む事を特徴とする露光装置。
  15. 前記2つのグループと直交する方向の辺に平行に配置された複数のマーク情報を少なくとも1対の向かい合う辺に対応した2つのグループに分け、同様の処理を行う事を特徴とする請求項13または14記載の露光装置。
  16. グループ内で決定される前記直線または近似により求めた曲線情報がマークの数で決定され、マークが2点の場合は一次式、マークが3点の場合は2次式、マークが4点以上の場合は3次式である事を特徴とする請求項13または14記載の露光装置。
  17. アライメントを実行する前に前記マーク点数とは無関係に何次式までを計算するかを決定するステップを含み、該ステップでは、直線近似で求めた1対の向かい合う辺に対応した式の平均値とする1次式または直線近似による1次式、あるいは2次曲線近似による2次式を選択する事を特徴とする請求項13または14記載の露光装置。
  18. プリント基板の処理ロットの先頭では前記グループ毎に3点以上のマーク検出を行うステップを含み、該ステップでは、直線近似または曲線近似を行ったときの2次及び3次の近似係数の値に応じて2枚目以降のマーク検出点数を先頭の点数より減じる事を特徴とする請求項13または14記載の露光装置。
  19. パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも4つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも4つのマークからなり、
    前記位置決定手段は、
    前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
    前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
    前記第1の位置補正手段は、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
    前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光手段と、
    前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
    前記第2の位置補正手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  20. パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも4つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも4つのマークからなり、
    前記位置決定手段は、
    前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
    前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
    前記第1の位置補正手段は、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
    前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶手段と、
    前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
    前記第2の位置補正手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  21. 複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含み、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記位置決定手段は、
    前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
    前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
    前記第1の位置補正手段は、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
    前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光手段と、
    前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
    前記第2の位置補正手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  22. 複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含み、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記位置決定手段は、
    前記載置台を移動させたときに生ずる前記載置台の位置の誤差を補正するための第1の位置補正手段と、
    前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの線形成分の誤差を補正するための第2の位置補正手段と、を含み、
    前記第1の位置補正手段は、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御手段と、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶手段と、
    前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶手段と、
    前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶手段と、を含み、
    前記第2の位置補正手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、前記線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  23. 前記露光光を前記露光基板に照射する投影光学系を含み、
    前記基準マーク検出手段は、前記投影光学系と前記載置台との間に配置されたアライメント光学系を含み、
    前記アライメント光学系は、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークに非露光光を照射して、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出し、
    前記アライメント光学系は、
    前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出するときには、検出位置に位置づけられ、
    前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークの検出を終了したときには、前記検出位置から退避した退避位置に位置づけられる請求項19
    〜22のいずれかに記載の投影露光装置。
  24. 前記載置台位置補正データは、複数の基準基板検出位置における前記露光基板基準マークの位置の平均値に基づいて算出される請求項19〜22のいずれかに記載の投影露光装置。
  25. 前記基準基板基準マークは、前記基準基板において、所定間隔の格子状の交点に位置するように形成され、
    前記載置台位置補正データは、前記格子状の交点に位置する前記基準基板基準マークの位置に基づいて演算されたデータであり、
    前記露光基板位置制御手段は、前記載置台位置補正データを用いて曲線近似又は補間法により、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づけるように制御する請求項19〜22のいずれかに記載の投影露光装置。
  26. 前記パターンの像の投影倍率を変更して、前記パターンを前記露光基板に投影できる投影光学系と、
    前記線形誤差補正演算手段によって算出された前記線形誤差補正データに基づいて前記投影倍率を定める投影倍率決定手段と、を含む請求項19又は20に記載の投影露光装置。
  27. パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも4つの露光領域を有し、
    前記露光基板基準マークは、前記少なくとも4つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
    前記位置決定手段は、前記露光基板基準マークの位置の誤差を補正するための露光位置補正手段を含み、
    前記露光位置補正手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する位置誤差処理手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の差分の誤差のうち非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する差分誤差処理手段と、
    前記2つの非線形成分のうち少なくとも1つの誤差情報に基づく重み付けをして、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  28. パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光装置であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含み、
    前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも3つの露光領域を有し、
    前記露光基板基準マークは、前記少なくとも3つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
    前記位置決定手段は、前記露光基板基準マークの位置の誤差を補正するための露光位置補正手段を含み、
    前記露光位置補正手段は、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御手段と、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶手段と、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶手段と、
    前記露光領域基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算手段と、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分を算出する差分算出手段と、
    前記最小二乗法によって得られる伸縮、回転及び直交のうちの少なくとも1つを前記差分に置き換えて、前記レチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影像と、前記露光基板との重ね合わせ目標位置を算出し制御する、重ね合わせ制御手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  29. 基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶させる基準基板位置記憶ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光ステップと、
    前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
  30. 基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶ステップと、
    前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
  31. 基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は露光可能な基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、
    複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、
    各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含む投影露光装置を用いて、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を、前記載置台に載置された前記露光基板に投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々において、基準レチクルに露光光を照射して、前記基準レチクルに形成されたレチクル基準マークを前記基準基板に投影して、前記基準基板に前記レチクル基準マークの像を形成する基準基板露光ステップと、
    前記基準基板に形成された前記レチクル基準マークの像と前記基準基板基準マークとを、前記基準マーク検出手段によって検出し、検出結果に基づいて前記レチクル基準マークの像及び前記基準基板基準マークの相対位置を算出し、前記相対位置と前記載置台の位置とに基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
  32. 基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    前記露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、
    複数のミラーを有し、かつ前記複数のミラーに入射した光の反射方向を前記複数のミラー毎に定めることができるデジタルマイクロミラーデバイスと、
    各々が前記複数のミラーの各々に対応した複数のマイクロレンズを有するマイクロアレイレンズと、を含む投影露光装置を用いて、前記マイクロアレイレンズによって形成されるスポットの像を、前記載置台に載置された前記露光基板に投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板基準マークは、前記露光基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板基準マークは、前記基準基板の基準位置を示すための少なくとも3つのマークからなり、
    前記基準基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の基準基板検出位置に前記載置台を順次移動させて位置づける基準基板位置制御ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する基準基板位置記憶ステップと、
    前記基準基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記基準基板基準マークの位置を算出して記憶する基準基板基準マーク位置記憶ステップと、
    前記基準基板基準マークの位置に基づいて、前記載置台の位置の誤差を補正するための載置台位置補正データを演算し記憶する基準基板位置補正演算記憶ステップと、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記載置台位置補正データに基づいて定められた少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記駆動ステージによって、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光基板基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光基板基準マークの位置を算出して記憶する露光基板基準マーク位置記憶ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光基板基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
  33. 前記投影露光装置は、前記露光光を前記露光基板に照射する投影光学系を含み、
    前記基準マーク検出手段は、前記投影光学系と前記載置台との間に配置され、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークに非露光光を照射して、前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出するアライメント光学系を含み、
    前記基準マーク検出手段によって前記基準基板基準マーク又は前記露光基板基準マークを検出するときに、
    前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークを検出するときには、前記アライメント光学系を検出位置に位置づけるステップと、
    前記露光基板基準マーク、又は前記基準基板基準マークの検出を終了したときには、前記検出位置から退避した退避位置に前記アライメント光学系を位置づけるステップと、を含む請求項29〜32のいずれかに記載の投影露光方法。
  34. 前記載置台位置補正データは、複数の基準基板検出位置における前記露光基板基準マークの位置の平均値に基づいて算出される請求項29〜32のいずれかに記載の投影露光方法。
  35. 前記基準基板基準マークは、前記基準基板において、所定間隔の格子状の交点に位置するように形成され、
    前記載置台位置補正データは、前記格子状の交点に位置する前記基準基板基準マークの位置に基づいて演算されたデータであり、
    前記載置台位置補正データを用いて曲線近似又は補間法により、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づけるように制御するステップを含む請求項29〜32のいずれかに記載の投影露光方法。
  36. 前記パターンの像の投影倍率を変更して、前記パターンを前記露光基板に投影できる投影光学系を含み、
    前記線形誤差補正演算ステップで算出された前記線形誤差補正データに基づいて前記投影倍率を定めるステップを含む請求項29又は32に記載の投影露光方法。
  37. 基板が載置される載置台を、少なくとも4つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも4つの露光領域を有し、
    前記露光基板基準マークは、前記少なくとも4つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも4つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の誤差のうちの非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する位置誤差処理ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分に基づいて、前記露光基板基準マークの位置の差分の誤差のうち非線形成分の誤差情報を、最小二乗法を用いて算出する差分誤差処理ステップと、
    前記2つの非線形成分のうち少なくとも1つの誤差情報に基づく重み付けをして、前記載置台を位置づける目標位置を算出し、前記目標位置に前記載置台を位置づける露光基板位置決定ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
  38. パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影露光方法であって、
    基板が載置される載置台を、少なくとも3つの所定の位置に移動させて位置づける駆動ステージと、
    前記駆動ステージに設けられ、かつ、前記載置台の位置を示す位置信号を出力する位置信号出力手段と、
    露光基板に形成された露光基板基準マーク、又は基準基板に形成された基準基板基準マークを検出する基準マーク検出手段と、
    前記位置信号が示す位置に基づいて、前記載置台の位置を決定するための位置決定手段と、を含む投影露光装置を用いて、パターンが形成されたレチクルに露光光を照射して、前記載置台に載置された前記露光基板に、前記パターンの像を投影する投影露光方法であって、
    前記露光基板は、前記パターンの像が投影される少なくとも3つの露光領域を有し、
    前記露光基板基準マークは、前記少なくとも3つの露光領域の基準位置を示す露光領域基準マークであり、
    前記露光基板が前記基板として前記載置台に載置されたときに、前記駆動ステージによって、少なくとも3つ以上の所定の露光基板検出位置に、前記載置台を順次移動させて位置づける露光基板位置制御ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々における前記載置台の位置を、前記位置信号から得て記憶する露光基板位置記憶ステップと、
    前記露光基板検出位置の各々において、前記基準マーク検出手段によって前記露光領域基準マークを検出して、その検出結果と前記載置台の位置とに基づいて前記露光領域基準マークの位置を算出して記憶する露光領域基準マーク位置記憶ステップと、
    前記露光領域基準マーク位置記憶手段に記憶された前記露光領域基準マークの位置に基づいて、線形成分の誤差を補正するための線形誤差補正データを、最小二乗法を用いて演算する線形誤差補正演算ステップと、
    前記露光基板基準マーク位置記憶ステップで記憶された前記露光領域基準マークの位置の差分を算出する差分算出ステップと、
    前記最小二乗法によって得られる伸縮、回転及び直交のうちの少なくとも1つを前記差分に置き換えて、前記レチクルに露光光を照射して、前記パターンの像を露光基板に投影する投影像と、前記露光基板との重ね合わせ目標位置を算出し制御する、重ね合わせ制御ステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
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