JPWO2008139905A1 - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

触媒として第3級アミンと、特定の金属塩または第4級アンモニウム塩とを用い、低温領域での接着性およびフォーム強度に優れたスプレー法による硬質フォーム等の製造方法の提供。ポリオール組成物として、特定のポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)およびポリマー粒子を含むポリオール(P)、および水のみを発泡剤に用いてスプレー法により硬質フォームを製造する方法。なお、ポリオール(A):脂肪族アミン又は脂環族アミンにアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる水酸基価が100〜800mgKOH/g、エチレンオキシドの割合が15〜80質量%未満のポリオール、ポリオール(B):マンニッヒ縮合物にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリオール、ポリオール(C):芳香族化合物を含むモノマーを重縮合して製造される、水酸基価が100〜700mgKOH/gのポリエステルポリオール、である。

Description

本発明はスプレー法による硬質ポリウレタンフォーム等の硬質発泡合成樹脂の製造方法に関する。
ポリオールとポリイソシアネートとを整泡剤、触媒および発泡剤の存在下に反応、発泡させて、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリイソシアヌレートフォーム等の硬質発泡合成樹脂(以下、硬質フォームという。)を製造することは広く行われている。この硬質フォームは成形の自由度が高くまた断熱性能にも優れることから、各種の装置または建築物の断熱材として好適に採用されている。
特に、建築現場等で断熱材等として硬質フォームを製造する際には、スプレー法が多く採用される。該スプレー法とは原料を高圧で送液し、スプレーガンから原料液を施工対象となる壁面等に吹きつけ、その壁面等で発泡させて断熱材等とする方法である。
スプレー法の利点は、施工の際に対象となる壁面等の形状に左右されず、所望の厚さの断熱材を施工できる点である。スプレー法の中でも多層吹き付け法は、硬質フォームを多層に積層し、高い断熱性能を有する厚い断熱層を形成することができる。
スプレー法による硬質フォームの製造においては、現在、発泡剤としてハイドロフルオロカーボン(HFC、例えばHFC−245fa、HFC−365mfc等)が主に用いられている。しかし環境への負荷を考慮するとこれらHFC類の使用を削減することが望ましい。そこでHFC類の使用量を削減するために、発泡剤として水を多く使用する技術が検討されてきた。しかし水を多く用いて硬質フォームを製造する場合、水とイソシアネートとの反応に伴う尿素結合が増加するため、フォームが脆くなる、フォームを基材あるいは面材等と接着させた場合、接着性が著しく低下しフォームが剥離・脱落しやすい、実用温度領域においてフォームの収縮が激しくなる等の問題が発生する。特に低温領域での接着性不良は顕著であり、課題解決が強く望まれている。
かかる課題に対し、触媒活性の高い鉛化合物等の金属触媒の使用量を増やして接着性改良を行う手法が一般的である。しかし、近年、人体への蓄積性及び有害性の観点から、鉛化合物等の排出、廃棄に関して厳重な管理が必要となっており、上記スプレー法においても、鉛化合物触媒等を使用しないで施工することが望まれている。
本発明者等はこれまでに、ピペラジン系ポリオールの併用による硬質フォームの接着性改良(特許文献1、2、4)や新規マンニッヒポリオールの開発(特許文献3)等、種々の検討を実施してきた。
また、特許文献5には、錫、鉛、及び水銀以外の金属塩を触媒として用いたスプレー法について報告されている。
特開平7−149867号公報 特開平8−100044号公報 特開2005−206819号公報 特開2004−137492号公報 特開2005−307144
しかしながら、上記特許文献1〜5に記載の方法では、低温領域での接着性と、フォーム強度を同時に満たすことが難しい。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、特定のポリオールを用い、水のみを発泡剤として用い、触媒として錫、鉛、水銀金属化合物を用いることなく、低温領域での接着性とフォーム強度に優れた硬質フォームが得られる、硬質発泡合成樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の硬質発泡合成樹脂の製造方法は、ポリオール(P)とポリイソシアネート化合物(I)とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下でスプレー法により硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、
前記触媒として第3級アミンと、錫、鉛、水銀以外の金属塩または第4級アンモニウム塩とを用い、前記発泡剤として水のみを用い、前記ポリオール(P)として、下記ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)およびポリマー粒子を含むことを特徴とする。
ポリオール(A):開始剤(S1)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が100〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールであり、前記開始剤(S1)が、脂肪族アミン及び脂環族アミンからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、開環付加重合させる前記アルキレンオキシドのうちエチレンオキシドの占める割合が15質量%以上、80質量%未満であるポリエーテルポリオール。
ポリオール(B):開始剤(S2)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリエーテルポリオールであり、開始剤(S2)が、フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物であるポリエーテルポリオール。
ポリオール(C):芳香族化合物を含むモノマーを重縮合して製造される、水酸基価が100〜700mgKOH/gのポリエステルポリオール。
また、前記ポリマー粒子としては、アクリロニトリルを重合させたポリマーを用いるのが好適である。
さらに、前記ポリイソシアネート化合物(I)としては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)またはその変性体を用いるのが好適である。
本発明によれば、水のみを用いたスプレー法による発泡において、触媒として錫、鉛、水銀化合物を用いることなく、低温領域での接着性とフォーム強度に優れた硬質発泡合成樹脂を製造できる。
本発明の硬質フォームの製造方法においては、特定のポリオール(P)とポリイソシアネート化合物(I)とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する。以下にその詳細について説明する。
<ポリオール(P)>
本発明におけるポリオール(P)は、下記ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)およびポリマー粒子を含むポリオール組成物である。
[ポリオール(A)]
ポリオール(A)は、開始剤(S1)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールである。
該ポリオール(A)をポリオール組成物に含むことで、得られる硬質フォームが低温領域での接着性に優れ、フォーム強度にも優れる。
開始剤(S1)は、脂肪族アミンおよび脂環族アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。2種以上を併用してもよい。
脂肪族アミンとしては、アルキルアミン類、アルカノールアミン類が挙げられる。アルキルアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンが挙げられる。アルカノールアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、アミノエチルエタノールアミンが挙げられる。
脂環族アミンとしては、ピペリジン類、ピペラジン類、ピロリジン類等が挙げられる。
ピペリジン類としては、1−(2−アミノエチル)ピペリジン等が挙げられる。ピペラジン類としては、ピペラジン、N−アミノメチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン等が挙げられる。ピロリジン類としては、1−(2−アミノエチル)ピロリジン等が挙げられる。
特に、開始剤(S1)としてエチレンジアミンおよび/またはピペラジン類を用いると硬質フォーム製造時の発泡時間を短くでき、低温での接着性を向上できる点で好ましい。
アルキレンオキシド(以下AOと略す)としては、エチレンオキシド(以下EOと略す)、プロピレンオキシド(以下POと略す)、ブチレンオキシド等が挙げられる。
開始剤(S1)に開環付加重合させる全アルキレンオキシドのうち、エチレンオキシドが占める割合(EO/AO)は15質量%以上、80質量%未満である。該エチレンオキシドの割合(EO/AO)は17〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
ポリオール(A)として、複数種のポリエーテルポリオールを組み合わせて用いる場合、本発明における該エチレンオキシドの割合(EO/AO)は、ポリオール(A)全体としての値であり、具体的には各ポリエーテルポリオールにおける全アルキレンオキシドに対するエチレンオキシドの割合と、ポリオール(A)全体に対する各ポリエーテルポリオールの使用割合とから求められる値である。
該エチレンオキシドの割合(EO/AO)が高くなると、ポリオール(A)中に存在する一級水酸基の割合が高くなり、得られる硬質フォームの接着性が向上し、ポリオール(A)の反応性も高くなる傾向がある。該エチレンオキシドが占める割合(EO/AO)が15質量%以上であると、低温領域での良好な接着性が得られ、一方、該エチレンオキシドの割合(EO/AO)が80質量%未満であると、充分なフォーム強度が得られる。またスプレー法により硬質フォームを製造する際に良好な施工性が得られやすい。
エチレンオキシド以外のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシドを用いることが好ましい。
ポリオール(A)の水酸基価は、100〜800mgKOH/gであり、250〜800mgKOH/gであることが好ましい。
ポリオール(A)として、複数種のポリエーテルポリオールを組み合わせて用いる場合は、各ポリエーテルポリオールの水酸基価がそれぞれ上記の範囲内であればよい。
ポリオール(A)の水酸基価が100mgKOH/g以上であると、得られる硬質フォームが収縮しにくくなる。水酸基価が800mgKOH/g以下であると、ポリオールの粘度を低く抑えつつ、得られる硬質フォームに機械的特性を付与しやすい。
ポリオール(A)は、ポリオール(P)全体の5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。ポリオール(A)の割合がこの範囲であれば、得られる硬質フォームの接着性の向上効果が充分に得られる。また、ポリオールの活性が充分高くなり、フォームの外観を良好に保つことができる。
ポリオール(A)は、下記のポリオール(A1)、ポリオール(A2)、およびポリオール(A3)からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。ポリオール(A1)および/またはポリオール(A2)を含むことがより好ましい。さらに下記のポリオール(A3)を含んでもよい。
特に、少なくともポリオール(A1)を含むことが好ましく、ポリオール(A1)およびポリオール(A2)を含むことがより好ましい。
(ポリオール(A1))
ポリオール(A1)は、前記開始剤(S1)にエチレンオキシドを開環付加重合させて得られた水酸基価が100〜700mgKOH/gのポリエーテルポリオールである。
ポリオール(A1)を含むことにより、得られる硬質フォームの低温領域での接着性が充分に向上する。また、ポリオール(A)の反応性が充分に高くなる。
ポリオール(A1)では、開始剤(S1)として脂環族アミンを用いることが好ましく、ピペラジン類を用いることがより好ましく、アミノアルキル基で置換されたピペラジンを用いることが最も好ましい。ピペラジン類はウレタン結合生成反応を促進する触媒としての効果が高く、これをポリオール(A1)の開始剤として用いると、硬質フォーム製造時の反応性を高くするので好ましい。
ポリオール(A1)において、開始剤(S1)に開環付加重合させるアルキレンオキシドは、総てエチレンオキシドである。エチレンオキシドのみとすることにより、ポリオール(A1)の水酸基が総て一級水酸基となるため、得られる硬質フォームの接着性が向上する。また、ポリオール(A1)の反応性が高くなる。
ポリオール(A1)の水酸基価は、100〜700mgKOH/gであり、250〜700mgKOH/gであることが好ましい。ポリオール(A1)の水酸基価が上記範囲内であれば、ポリオール化合物の反応性が高くでき、硬質発泡合成樹脂フォームの接着性を確保しやすく、好ましい。
ポリオール(A1)の平均官能基数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。ポリオール(A1)の平均官能基数は、ポリオール(A1)の製造に用いた開始剤(S1)における活性水素原子の数平均と等しい。
本発明における平均官能基数とは、ポリオールの製造に用いる開始剤における活性水素原子の数平均のことである。
ポリオール(A1)は、ポリオール(P)全体の1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。ポリオール(A1)の割合が1質量%以上であれば、低温下でも接着性良好な硬質フォームが得られる。また、充分に高い反応性を得ることが出来る。ポリオール(A1)の割合が30質量%以下であれば、得られる硬質フォームが充分な強度となりやすく好ましい。
(ポリオール(A2))
ポリオール(A2)は、前記開始剤(S1)にプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られた水酸基価が250〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールである。
ポリオール(A2)を含むことにより、フォーム強度が充分高くなる。
ポリオール(A2)では、開始剤(S1)として、脂肪族アミンを用いることが好ましく、アルキルアミン類を用いることがより好ましく、エチレンジアミンが最も好ましい。
ポリオール(A2)の水酸基価は、250〜800mgKOH/gであり、280〜770mgKOH/gが好ましい。ポリオール(A2)の水酸基価が上記範囲内であれば、得られる硬質フォームの機械的強度等が良好となる。
ポリオール(A2)の平均官能基数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。ポリオール(A2)の平均官能基数は、ポリオール(A2)の製造に用いた開始剤(S1)における活性水素原子の数平均と等しい。
ポリオール(A2)は、ポリオール(P)全体の0〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。この範囲であれば、得られる硬質フォームの機械的強度等の特徴を発揮できる。
(ポリオール(A3))
ポリオール(A3)は、前記開始剤(S1)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られた、ポリオール(A1)または(A2)のいずれにも含まれない、水酸基価が100〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールである。
ポリオール(A3)において、開始剤(S1)に開環付加重合させるアルキレンオキシドとして、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを併用することが好ましい。この場合、開環付加重合させる順序は、プロピレンオキシドを先にし、エチレンオキシドを後にすることが好ましい。この順番で開環付加重合することで、ポリオール(A3)の水酸基の多くは一級水酸基となり、ポリオール(A3)の反応性が高くなるため、ポリイソシアネートとの反応性が高くなる。その結果、得られる硬質フォームの外観が良好になりやすく好ましい。また同時に得られる硬質フォームの接着性の向上に効果がある。併用するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの質量比、エチレンオキシド/プロピレンオキシドは30/70〜70/30の範囲が好ましく、35/65〜65/35の範囲がより好ましい。
ポリオール(A3)の水酸基価は100〜800mgKOH/gであり、250〜700mgKOH/gであることが好ましい。ポリオール(A3)の平均官能基数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。ポリオール(A3)の平均官能基数は、ポリオール(A3)の製造に用いた開始剤(S1)における活性水素原子の数平均と等しい。
ポリオール(A3)の割合は、ポリオール(P)全体の50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。該ポリオール(A3)の割合の下限値は特に限定されず、ゼロでもよい。ポリオール(A3)を用いる場合は充分な添加効果が得られる点から2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。
[ポリオール(B)]
ポリオール(B)は、開始剤(S2)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリエーテルポリオールである。
開始剤(S2)は、フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物である。
フェノール類としては、フェノール、ノニルフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられる。これらのうち、ノニルフェノールが、ポリオールとポリイソシアネートとの相溶性を改良しセル外観を向上させる点で好ましい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのうちで、ホルムアルデヒド、及びパラホルムアルデヒドがフォームの接着性を向上させる点で好ましい。
アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、アミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。これらのうちで、ジエタノールアミンが、得られる硬質フォームの強度向上とポリオールの粘度低減のバランスを取る上で好ましい。
開始剤(S2)を得る際の原料の割合は、フェノール類の1モルに対し、アルデヒド類が1〜3モル、アルカノールアミン類が2〜3モルであることが好ましい。この範囲であれば、硬質フォームを製造する際の臭気の発生が抑制される、粘度が低く抑制される、得られる硬質フォームの接着性が良好になりやすい等の点で好ましい。
上記原料の割合において、フェノール類の1モルに対するアルデヒド類の割合は、1.2〜2.5モルがより好ましく、1.4〜2.3モルがさらに好ましい。また同じくフェノール類の1モルに対するアルカノールアミン類の割合は、1.2〜2.5モルがより好ましく、1.4〜2.3モルがさらに好ましい。
開始剤(S2)に開環付加重合させるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
ポリオール(B)において、開始剤(S2)に開環付加重合させるアルキレンオキシドに占めるエチレンオキシドの割合は、20〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。
ポリオール(B)として、複数種のポリエーテルポリオールを組み合わせて用いる場合、該エチレンオキシドの割合は、ポリオール(B)全体としての値であり、具体的には各ポリエーテルポリオールにおける全アルキレンオキシドに対するエチレンオキシドの割合と、ポリオール(B)全体に対する各ポリエーテルポリオールの使用割合とから求められる値である。
該エチレンオキシドの割合を上記の範囲内とすることで、ポリオール(B)とイソシアネートを含む原料の混合性が良好となり、得られる硬質フォームの接着性向上、外観向上、機械的特性の向上に効果がある。
エチレンオキシド以外のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシドを用いることが好ましい。
プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを併用する場合、アルキレンオキシドを開環付加重合させる順序は、プロピレンオキシドを先にし、エチレンオキシドを後にすることが好ましい。
この順番で開環付加重合することで、ポリオール(B)の水酸基の多くは一級水酸基となり、ポリオール(B)の反応性が高くなるため、ポリイソシアネートとの反応性が高くなる。その結果、得られる硬質フォームの外観が良好になりやすく好ましい。また同時に得られる硬質フォームの接着性の向上に効果がある。併用するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの質量比、エチレンオキシド/プロピレンオキシドは10/90〜90/10の範囲が好ましく、20/80〜80/20の範囲がより好ましい。
ポリオール(B)の水酸基価は200〜500mgKOH/gであり、250〜480mgKOH/gであることが好ましい。
ポリオール(B)として、複数種のポリエーテルポリオールを組み合わせて用いる場合は、各ポリエーテルポリオールの水酸基価がそれぞれ上記の範囲内であればよい。
ポリオール(B)の水酸基価が500mgKOH/g以下であると、ポリオール(B)中に存在するアルキレンオキシド由来のオキシアルキレン鎖の量が増え、ポリオール(B)の粘度が下がり、かつ、ポリオールの混合性が良くなり好ましい。また、製造される硬質フォームの脆さが少なくなり接着性が出やすい。また、水酸基価が200mgKOH/g以上では、得られる硬質フォームの機械的強度が確保し易く、硬質フォームが収縮しにくくなるため好ましい。
ポリオール(B)は、ポリオール(P)全体の5〜60質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、得られる硬質フォームの機械的強度、耐熱性、難燃性等の特徴を備えつつ、割れの発生が抑制される。またスプレー法によりフォームを製造する場合の施工性が良好であり、壁面に吹き付ける場合の横流れの発生が抑制される。さらに多層吹き付けを行う場合のフォーム層同士の接着性も向上する。
[ポリオール(C)]
ポリオール(C)は、芳香族化合物を含むモノマーを重縮合して製造される、水酸基価が100〜700mgKOH/gのポリエステルポリオールである。
具体的には、モノマーとしてジオール成分と、ジカルボン酸成分またはその無水物とを用い、これらを重縮合させて得られるポリエステルポリオールが好ましく、該ジオール成分と二塩基酸成分の少なくとも一方として芳香族化合物を用いることが好ましい。
芳香環を有するジオールとしては、例えば、ビスフェノールAにエチレンオキシドを付加させて得られるジオール等が挙げられる。芳香環を有しないジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
芳香環を有するジカルボン酸としては、テレフタル酸等のフタル酸類が挙げられる。芳香環を有しないジカルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
ポリオール(C)の水酸基価は、100〜700mgKOH/gであり、100〜500mgKOH/gが好ましく、100〜350mgKOH/gがより好ましい。
ポリオール(C)として、複数種のポリエステルポリオールを組み合わせて用いる場合は、各ポリエステルポリオールの水酸基価がそれぞれ上記の範囲内であればよい。
ポリオール(C)の水酸基価が700mgKOH/g以下であると、製造される硬質フォームの脆さが少なくなり接着性が出やすい。またポリオール(C)の粘度が下がるため、ポリオール(P)における混合性が良くなり好ましい。さらにスプレー法において、ポリオール(P)とポリイソシアネート化合物(I)とを所定の体積比で使用して施工する場合のイソシアネート指数を高く設定できる。一方、ポリオール(C)の水酸基価が100mgKOH/g以上であると、得られる硬質フォームが収縮しにくくなり好ましい。すなわち、上記範囲内であれば、原料の混合性を良好に保ちながら、硬質フォームの接着強度、特に初期の接着強度を高くでき好ましい。
ポリオール(C)は、ポリオール(P)全体の30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。上記範囲内であれば、得られた硬質フォームに十分な強度を与えることができ、かつ接着性の向上に効果がある。
[ポリマー分散ポリオール(W)]
ポリマー粒子はポリオール(P)中に分散されていることが好ましく、具体的には、ポリオール(W’)中にポリマー粒子が分散しているポリマー分散ポリオール(W)を調製し、該ポリマー分散ポリオール(W)をポリオール(P)に含有させることが好ましい。
ポリマー粒子(以下、ポリマー微粒子ということもある。)は外径(平均粒子直径)が10μm以下程度であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。
ポリオール(P)全体におけるポリマー粒子の含有量は0.002〜10質量%が好ましく、0.02〜10質量%がより好ましく、0.5〜7質量%が特に好ましい。上記範囲内であれば、得られる硬質フォームの収縮を効果的に抑制できる。
ポリマー分散ポリオール(W)を製造する方法は、例えば以下の2通りが挙げられる。
第1の方法は、必要に応じて溶媒の存在下、ポリオール(W‘)中で重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させて直接ポリマー粒子を析出させる方法である。第2の方法は、必要に応じて粒子を安定化させるグラフト化剤の存在下、溶媒中で重合性不飽和結合を有するモノマーを重合させてポリマー微粒子を析出させた後、ポリオール(W‘)と溶媒を置換して安定な分散体を得る方法である。本発明ではどちらの方法も採用できるが、前者の方法がより好ましい。
ポリマー微粒子の形成に用いられる、重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、通常、重合性不飽和結合を1個有するモノマーが使用されるが、これに限らない。
該モノマーの具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのアルキルエステルやアクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエン、その他のジエン系モノマー;マレイン酸ジエステル、イタコン酸ジエステル等の不飽和脂肪酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;およびこれら以外のオレフィン、ハロゲン化オレフィンなどである。
好ましくはアクリロニトリル20〜90質量%と他のモノマー10〜80質量%の組み合わせであり、他のモノマーとして好ましいのはスチレン、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルまたは酢酸ビニルである。これら他のモノマーは2種以上併用して用いてもよい。
上記モノマーの使用量は、ポリマー分散ポリオール(W)中におけるポリマー微粒子の含有量が約1〜50質量%、より好ましくは2〜45質量%、さらに好ましくは10〜30質量%となる量であることが好ましい。
重合性不飽和結合を有するモノマーの重合は、通常遊離基を生成して重合を開始させるタイプの重合開始剤が用いられる。重合開始剤の具体例としては2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、アセチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過硫酸塩等が挙げられる。特にAMBNが、重合開始剤として好ましい。
ポリマー分散ポリオール(W)中のポリオール(W’)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等が挙げられる。特にポリオール(W’)は、ポリエーテルポリオールだけを含むか、またはポリエーテルポリオールを主成分として、少量のポリエステルポリオールや末端に水酸基を有する炭化水素系ポリマー等を併用することが好ましい。
該ポリエーテルポリオールとしては、例えば多価アルコール、多価フェノール等のポリヒドロキシ化合物やアミン類等の開始剤にアルキレンオキシド等の環状エーテルを付加して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリオール(W’)として用いるポリエーテルポリオールは、前記ポリオール(A)またはポリオール(B)と同じであってもよい。またポリオール(W’)として用いるポリエステルポリオールは、前記ポリオール(C)と同じであってもよい。
ポリオール(W’)の水酸基価は200〜800mgKOH/gが好ましく、250〜750mgKOH/gがより好ましい。
ポリオール(W’)として、複数種のポリオールを混合して用いる場合は、該混合物における水酸基価が上記の範囲内であればよい。
ポリオール(W’)の水酸基価が上記範囲の下限値以上であると、他のポリオールとの相溶性が良好であり、上記範囲の上限値以下であると、ポリマー微粒子の分散安定性が良好である。
また、ポリオール(W‘)は、ポリオール(W’)のうちの5質量%以上が、下記ポリエーテルポリオール(X)であることが好ましい。該ポリエーテルポリオール(X)は、水酸基価が84mgKOH/g以下であり、かつポリエーテルポリオール(X)全体に対するオキシエチレン基含量が40質量%以上であるものをいう。
ポリエーテルポリオール(X)は、開始剤として多価アルコールを使用し、エチレンオキシドまたはエチレンオキシドと他の環状エーテルを付加して得られるものが好ましい。多価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等が好ましい。他の環状エーテルとしてはプロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドが特に好ましい。
ポリエーテルポリオール(X)において、水酸基価が84mgKOH/g以下であるとポリマー微粒子が安定に分散したポリマー分散ポリオールを得ることができる。該ポリエーテルポリオール(X)の水酸基価は、67mgKOH/g以下が好ましく、60mgKOH/g以下が特に好ましい。ポリエーテルポリオール(X)の水酸基価の下限は、ポリマー微粒子の分散安定性の点から、5mgKOH/g以上が好ましく、8mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上が特に好ましく、30mgKOH/g以上が最も好ましい。
ポリエーテルポリオール(X)において、ポリエーテルポリオール(X)全体に対するオキシエチレン基含量が40質量%以上であると、ポリマー分散ポリオール(W)におけるポリマー微粒子の分散が安定しやすい。該オキシエチレン基含量は50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がさらに好ましい。該オキシエチレン基含量の上限は約100質量%、すなわち開始剤にエチレンオキシドのみを付加させたポリエーテルポリオール(X)であってもよい。ポリマー微粒子の分散安定性の点からは、該オキシエチレン基含量が90質量%以下であることがより好ましい。
ポリオール(W’)のうちのポリエーテルポリオール(X)の含有量が5質量%以上であると、分散性のよいポリマー分散ポリオール(W)が得られ易い。該ポリエーテルポリオール(X)の含有量は、10質量%以上がより好ましい。該ポリエーテルポリオール(X)の含有量の上限は特にないが、ポリオール(W’)の水酸基価が200〜800mgKOH/gの範囲となるように設定することが好ましい。
ポリオール(W’)は、上記ポリエーテルポリオール(X)の5〜50質量%と、水酸基価が400〜850mgKOH/gであるポリオール(Z)の50〜95質量%との混合物であることが好ましく、ポリエーテルポリオール(X)の5〜45質量%と、前記ポリオール(Z)の55〜95質量%との混合物であることがより好ましい。ポリオール(Z)の水酸基価は400〜760mgKOH/gがより好ましい。
ポリオール(Z)としては、上記ポリオール(W’)のうち水酸基価が400〜760mgKOH/gの範囲であるものが用いられる。特に、ポリオール(Z)としては、多価アルコールやアミン類等の開始剤に、環状エーテルを付加して得られるものが好ましい。環状エーテルとしては、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドが好ましい。
ポリマー分散ポリオール(W)を用いる場合、ポリオール(P)全体におけるポリマー分散ポリオール(W)の含有量は、ポリマー微粒子の含有量に応じて、ポリオール(P)全体におけるポリマー微粒子の含有量が上記の好ましい範囲となるように設定される。例えばポリオール(P)全体におけるポリマー分散ポリオール(W)の含有量は0.2〜20質量%の範囲内が好ましく、0.8〜8質量%がより好ましい。
[その他のポリオール(D)]
ポリオール(P)に、ポリオール(A)、ポリオール(B)、またはポリオール(C)のいずれにも含まれないその他のポリオール(D)を含有させてもよい。
ポリオール(D)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示できる。ポリオール(D)の水酸基価は10〜600mgKOH/gが好ましい。ポリオール(D)として、複数種のポリオールを組み合わせて用いる場合は、各ポリオールの水酸基価がそれぞれ上記の範囲内であればよい。
ポリオール(P)全体におけるポリオール(D)の含有量は25質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
ポリオール(P)全体としての水酸基価は100〜450mgKOH/gが好ましく、150〜350mgKOH/gがより好ましい。ポリオール(P)の水酸基価が上記範囲であれば、得られる硬質フォームの強度が十分高くなるため好ましい。
<ポリイソシアネート化合物(I)>
ポリイソシアネート化合物(I)としては、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、クルードMDI、またはその変性体が好ましく、クルードMDIの変性体が特に好ましい。
ポリイソシアネート化合物(I)の25℃における粘度は、50〜300mPa・sが好ましく、50〜150mPa・sがより好ましい。この粘度範囲であれば、得られる硬質フォームに収縮が発生しにくい。また、スプレー法による吹き付け施工時の操作性が良好となり、得られる硬質フォームの外観を良好に保つことができる。
ポリイソシアネート化合物(I)の使用量は、ポリオール(P)およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(以下、この100倍で表した数値を「イソシアネート指数」という)、50〜300が好ましい。
特に、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方の場合、ポリイソシアネート化合物(I)の使用量は、前記イソシアネート指数で50〜170が好ましく、70〜150がより好ましい。
また、触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方の場合、ポリイソシアネート化合物(I)の使用量は、前記イソシアネート指数で100〜300が好ましく、120〜270がより好ましい。本発明においてはイソシアヌレート処方を採用することが好ましく、前記イソシアネート指数は100〜300が好ましい。
<触媒>
触媒としては、第3級アミンと、錫、鉛、水銀以外の金属塩または第4級アンモニウム塩とを用いる。
第3級アミンとしては、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N−メチル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)エタノールアミン等の第3級アミン化合物が挙げられる。第3級アミンとしては、触媒活性に優れ、臭気が少ない等の観点から1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N−メチル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)エタノールアミンが好ましい。
錫、鉛、水銀以外の金属塩としては、イソシアネート基の3量化反応を促進させる酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ビスマス等のカルボン酸金属塩等が好ましい。スプレー法による発泡において、コストが安く、触媒活性に優れる等の観点から、2−エチルヘキサン酸カリウムがより好ましい。
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類、N,N,N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミンと炭酸ジエステル類とを反応して得られる4級アンモニウム炭酸塩を、2−エチルヘキサン酸とアニオン交換反応させることで得られる4級アンモニウム化合物等が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリオール(P)の100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜18質量部がより好ましい。触媒の使用量によって、ポリオール(P)とポリイソシアネート化合物(I)との混合開始時から、目視で発泡が終了するまでの時間(ライズタイム)を調整することができる。
<発泡剤>
本発明においては、水のみを発泡剤として使用する。発泡剤としての水の使用量は、ポリオール(P)の100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましく、0.5〜7質量部が特に好ましい。
<整泡剤>
整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。本発明においては良好な気泡を形成するためシリコーン系整泡剤を用いることが好ましい。
整泡剤の使用量は、適宜選定できるが、ポリオール(P)の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。
<その他の配合剤>
本発明では、上述したポリオール(P)、ポリイソシアネート化合物(I)、触媒、発泡剤、および整泡剤の他に、任意の配合剤を使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
<施工方法>
スプレー法は、まずポリオール(P)、発泡剤、整泡剤、触媒および必要に応じた配合剤を含む溶液(以下、ポリオールシステム液ということもある。)を調製し、該ポリオールシステム液とポリイソシアネート化合物とを施工面に吹き付けながら反応させる発泡方法である。
スプレー法は、工事現場にて直接硬質フォームを製造することから、工事コストを抑制できる、凹凸のある施工面にも隙間なく施工できる等の長所を有している。そのためスプレー法は、建築現場において壁、天井等に硬質フォームの断熱材を施工する際に採用されることが多い。具体的な施工例としては、マンション、オフィスビル、プレハブ冷凍倉庫等の断熱材が挙げられる。
スプレー法としては種々の方法が知られているが、特にポリオールとポリイソシアネートとをミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー発泡が好ましい。
<低温施工>
本発明の製造方法によれば、特に10℃以下の低温雰囲気におけるフォームの形成に効果を発揮する。従来は低温雰囲気のスプレー法においては、接着性やフォーム強度を満足するためにはオクチル酸鉛等の触媒が必須であったが、第3級アミンと、錫、鉛、及び水銀以外の金属塩または第4級アンモニウム塩とを触媒に用い、特定のポリオール(P)と組合せることで、接着性に優れ、フォーム強度に優れた硬質フォームが得られる。
<硬質フォーム>
本発明の製造方法により製造される硬質フォームの密度(コア密度)は、15〜40kg/mが好ましい。密度は発泡剤の量により調節可能であり、発泡剤を多く用いれば軽くすることは可能であるが、発泡剤を多く用いると得られた硬質フォームが収縮しやすい傾向がある。
<実施例>
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されて解釈されない。実施例および比較例で用いた原料は、以下のとおりである。
[ポリオール(A1)]
(1)ポリオールA11:1−(2−アミノエチル)ピペラジンを開始剤として、エチレンオキシド(以後EOと略す)を付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
(2)ポリオールA12:エチレンジアミンを開始剤として、EOを付加させて得られた、水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(A2)]
(1)ポリオールA21:1−(2−アミノエチル)ピペラジンを開始剤として、プロピレンオキシド(以後POと略す)を付加させて得られた、水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
(2)ポリオールA22:モノエタノールアミンを開始剤として、POを付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
(3)ポリオールA23:エチレンジアミンを開始剤として、POを付加させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
(4)ポリオールA24:エチレンジアミンを開始剤として、POを付加させて得られた、水酸基価が500mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
(5)ポリオールA25:エチレンジアミンを開始剤として、POを付加させて得られた、水酸基価が300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(A3)]
(1)ポリオールA31:1−(2−アミノエチル)ピペラジンを開始剤として、POとEOとをこの順序で付加させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は60質量%である。
(2)ポリオールA32:エチレンジアミンを開始剤として、POとEOとをこの順序で付加させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gのポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は41質量%である。
[ポリオール(B)]
(1)ポリオールB1:ノニルフェノール1モルに対し、ホルムアルデヒド1.4モル及びジエタノールアミン2.2モルを反応させて得られたマンニッヒ化合物を開始剤として、PO、EOをこの順序で開環付加重合させて得られた水酸基価300mgKOH/gのポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は60質量%である。
(2)ポリオールB2:ノニルフェノール1モルに対し、ホルムアルデヒド2.2モル及びジエタノールアミン2.2モルを反応させて得られたマンニッヒ化合物を開始剤として、PO、EOをこの順で開環付加重合させて得られた水酸基価430mgKOH/gポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は24質量%である。
(3)ポリオールB3:ノニルフェノール1モルに対し、ホルムアルデヒド2.2モル及びジエタノールアミン2.2モルを反応させて得られたマンニッヒ化合物を開始剤として、POを開環付加重合させて得られた水酸基価470mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[ポリオール(C)]
(1)ポリオールC1:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、水酸基価115mgKOH/gのポリエステルポリオール。
(2)ポリオールC2:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、水酸基価250mgKOH/gのポリエステルポリオール。
[ポリオール(D)]
(1)ポリオールD1:グリセリンを開始剤として、POとEOとをこの順序で付加させて得られた、水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は13質量%である。
[ポリマー分散ポリオール(W)]
表1に示す配合で、以下の方法によりポリマー分散ポリオール(W)を製造した。表1における配合比の単位は「質量部」である。
ポリオール(W’)としては、下記ポリオールX1、下記ポリオールZ1、および上記ポリオールA23を用いた。なお、ポリオールA23は水酸基価が760mgKOH/gのポリエーテルポリオールであり、上記ポリオール(Z)に該当する。
ポリマー微粒子を形成するための重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(Vac)、メタクリル酸メチル(MMA)を用いた。
ポリオールX1:グリセリンを開始剤として、EOとPOとをランダムに付加させて得られた、水酸基価50mgKOH/gのポリエーテルポリオール。付加させたPOとEOの合計量に対するEOの割合は70質量%である。
ポリオールZ1:グリセリンを開始剤として、POを付加して得られた、水酸基価650mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
[製造例1:ポリマー分散ポリオール(W1)]
5L加圧反応槽に、表1に示した配合でポリオール(W’)、モノマー、および重合開始剤としてのAMBNを全て仕込んだ後、撹拌しながら昇温を開始し、反応液を80℃に保ちながら10時間反応させた。モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、110℃、20Paで2時間加熱減圧脱気して未反応モノマーを除去し、ポリマー分散ポリオールW1を製造した。
得られたポリマー分散ポリオールW1の水酸基価及び、25℃における粘度を表1に示す(以下、同様である。)。
[製造例2、3:ポリマー分散ポリオール(W2)、及び(W3)]
5L加圧反応槽に、表1に示したポリオール(W’)の混合物のうちの70質量%を仕込み、120℃に保ちながら、残りのポリオール(W’)混合物とモノマーとAMBNの混合物を撹拌しながら2時間かけてフィードし、全フィード終了後同温度下で約0.5時間撹拌を続けた。製造例2,3のいずれにおいても、モノマーの反応率は80%以上を示した。反応終了後、未反応モノマーを120℃、20Paで2時間加熱減圧脱気にて除去し、ポリマー分散ポリオールW2及びW3を製造した。
Figure 2008139905
[例1〜23:ウレタンフォームの製造]
表2において、例1〜15は実施例であり、例16〜23は比較例である。
表2に示す配合のポリオール(A)(ポリオール(A1)、ポリオール(A2)およびポリオール(A3)の合成)、ポリオール(B)、ポリオール(C)、ポリオール(D)、ポリマー分散ポリオール(W)、および発泡剤に、下記触媒、および下記整泡剤の1.5質量部、さらに下記難燃剤の30質量部を添加し、混合してポリオールシステム液とした。発泡剤としては水のみを用いた。触媒の使用量は、ライズタイムが17秒となる量とした。
表2に示す配合比の単位は「質量部」である。
表2には、ポリオール(P)中におけるポリオール(A)の含有率(単位:質量%)、ポリオール(A)において開始剤に開環付加させるアルキレンオキシドのうちエチレンオキシドの占める割合(EO/AO、単位:質量%)、およびポリオール(P)全体の水酸基価を示す。
ポリオール(A)のEO/AOは、ポリオール(A)として使用した各ポリオール(A1)、ポリオール(A2)、およびポリオール(A3)のEOの割合と配合比率から求めた。
触媒、整泡剤、および難燃剤は、下記のものを用いた。なお、表2中、使用した触媒の欄には、A、Bと記した。
触媒A:ポリキャット41(1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、エアプロダクツ社製)の2質量部、プキャット15G(2−エチルヘキサン酸カリウムのジエチレングリコール溶液(カリウム濃度15質量%)、日本化学産業社製)の3質量部、及びTOYOCAT RX−5(N−メチル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)エタノールアミン、東ソー社製)の4質量部とを混合した混合物。
触媒B:ポリキャット41の4質量部、TOYOCAT RX−5の4質量部、TOYOCAT TRX(第4級アンモニウム塩触媒、東ソー社製)の3質量部とを混合した混合物である。
整泡剤:SH−193(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)。
難燃剤:TMCPP。
[スプレー施工試験]
調製したポリオールシステム液と、ポリイソシアネート化合物(I)を、ガスマー社スプレー発泡機(FF−1600)を用いて、冬場の発泡条件である液温36℃、室温5℃の条件下で、発泡、反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造した。ポリイソシアネート化合物(I)としてはコロネート1130(日本ポリウレタン工業社製、25℃における粘度:130mPa・s)を用いた。
ポリオールシステム液と、前記ポリイソシアネートとの吐出体績比は1/1とした。ポリイソシアネート化合物(I)の使用量を表すイソシアネート指数を表2に示す。
すなわち、前記スプレー発泡機から、鉄板治具に固定した、縦が600mm、横が600mm、厚さが5mmのフレキシブル板からなる基材に対して、吹き付け施工を行った。
吹き付けは、厚さ1mmの下吹き層を施工した後に、一層の厚さが25〜30mmとなるように2層吹き付け施工し、合計で3層積層した。
[コア密度及び、寸法安定性の評価]
前記スプレー施工試験で得られた硬質フォームの密度及び圧縮強度を、JIS A 9526に準拠して測定した。また、切り出したフォームの低温収縮度(単位:%)、高温収縮度(単位:%)を評価した。
低温収縮度(低温での寸法安定性)は−30℃で24時間経過後の、発泡方向に対して垂直方向(ボード平面に平行な方向)の寸法変化率を測定した。高温収縮度(高温での寸法安定性)は、70℃、48時間経過後の、発泡方向に対して垂直方向の寸法変化率を測定した。結果を表2に示す。
[低温接着性の評価]
前記スプレー施工試験(冬場の発泡条件)で得られた硬質フォームについて、施工から一日後に、該硬質フォームを基材から剥がして、基材と硬質フォーム層との界面の接着状態を観察した。以下の基準にしたがって目視で観察し、接着性を評価した。結果を表2に示す。
なお、観察面とは、硬質フォームを剥がした後の基材全面のことである。また、接着不良部分とは、観察面において硬質フォームの付着が殆どない部分(剥がす前から、硬質フォームと基材が剥離していた部分)をいう。
1:観察面のほぼ全体に接着不良部分が認められ、実用上問題がある程度。
2:観察面内に小さな接着不良部分が5ヶ所以上認められ、実用上問題がある程度。
3:観察面内に小さな接着不良部分が1〜4ヶ所認められるが、実用上影響がない程度。
4:観察面内に接着不良部分が認められず、実用上優れている程度。
Figure 2008139905
Figure 2008139905
表2の結果に示されるように、例1〜15では低温領域での接着性およびフォーム強度の両方が良好な硬質フォームが得られた。これに対して、ポリオール(A)のEO/AO比が15質量%より小さい例16〜21は、低温接着性が劣っていた。また該EO/AO比が100質量%である例23は低温接着性は良好であるもののフォーム強度が劣っていた。
また例12〜15と例20、22とを比べると、ポリマー分散ポリオール(W)を配合することによって寸法安定性が向上することがわかる。
本発明によれば、軽量で低温下での接着性に優れ、フォーム強度に優れる硬質フォームが得られる。本発明の硬質フォームの製造方法は、建築現場におけるスプレー発泡による壁、天井等への硬質フォームの断熱材を施工する際に好適である。

なお、2007年5月7日に出願された日本特許出願2007−122251号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. ポリオール(P)とポリイソシアネート化合物(I)とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下でスプレー法により硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、
    前記触媒として第3級アミンと、錫、鉛、水銀以外の金属塩または第4級アンモニウム塩とを用い、前記発泡剤として水のみを用い、前記ポリオール(P)として、下記ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)およびポリマー粒子を含むことを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
    ポリオール(A):開始剤(S1)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が100〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールであり、前記開始剤(S1)が、脂肪族アミン及び脂環族アミンからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、開環付加重合させる前記アルキレンオキシドのうちエチレンオキシドの占める割合が15質量%以上、80質量%未満であるポリエーテルポリオール。
    ポリオール(B):開始剤(S2)にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が200〜500mgKOH/gのポリエーテルポリオールであり、開始剤(S2)が、フェノール類、アルデヒド類、およびアルカノールアミン類を反応させて得られるマンニッヒ縮合物であるポリエーテルポリオール。
    ポリオール(C):芳香族化合物を含むモノマーを重縮合して製造される、水酸基価が100〜700mgKOH/gのポリエステルポリオール。
  2. 前記ポリオール(A)が、前記開始剤(S1)にエチレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が100〜700mgKOH/gのポリエーテルポリオール(A1)を含む請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  3. 前記ポリオール(A)が、前記開始剤(S1)にプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られる、水酸基価が250〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオール(A2)を含む請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  4. 前記開始剤(S1)がエチレンジアミンおよび/またはピペラジン類である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  5. 前記開始剤(S2)が、ノニルフェノールと、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと、ジエタノールアミンとを反応させて得られるマンニッヒ縮合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  6. 前記ポリオール(C)が、モノマーとしてジオール成分と、ジカルボン酸成分またはその無水物とを重縮合させて製造されるポリエステルポリオールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  7. 前記ポリオール(C)が、ジオールとしてビスフェノールAにエチレンオキシドを付加させて得られるジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを用い、ジカルボン酸としてテレフタル酸、マレイン酸またはフマル酸を用いる請求項6に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  8. 前記ポリオール(A)が、前記開始剤(S1)にエチレンオキシドとプロピレンオキシドを開環付加重合させて得られる、ポリオール(A1)または(A2)のいずれにも含まれない、水酸基価が100〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオール(A3)をさらに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  9. 前記ポリマー粒子が、アクリロニトリルを重合させたポリマーである請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  10. 前記ポリイソシアネート化合物(I)が、クルードMDIまたはその変性体である請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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