JPWO2008120763A1 - ラン科植物の形質転換方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ラン科植物の形質転換体を効率的に取得するラン科植物の形質転換体の作製方法を提供することを目的とする。この目的のため、本発明では、所望の遺伝子が導入されたラン科植物組織を準備し、ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導し、前記多芽体前駆体又は前記多芽体に形成されるシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生するようにする。

Description

本発明は、ラン科植物の形質転換方法及びその用途に関し、詳しくは、ラン科植物の形質転換方法、ラン科植物の多芽体の作製方法、形質転換されたラン科植物に関する。
胡蝶蘭などのラン科植物は、花卉植物として有用性が高く、花弁の形態や色等につき種々の改良がなされてきている。ラン科植物の改変にあたっては、人工的な交配のほか、アグロバクテリウムを利用した形質転換による方法がいくつか報告されている(特許文献1、非特許文献1〜3)。
上記特許文献1では、ラン科植物の花茎の節から発芽したシュートに所望の外来遺伝子を含んだアグロバクテリウムを接種することが開示されている。また、非特許文献1には、胡蝶蘭の栽培種に対して,Tiプラスミドの転写を誘導するフェノール化合物であるアセトシリンゴンの存在下、外来遺伝子を導入したアグロバクテリウムを接種することが開示されている。非特許文献2には、プロトコーム様体(Protocorm like body;PLB)にアグロバクテリウムを接種することが開示されている。非特許文献3には、特定の工程で培養することで得られるPLBにアグロバクテリウムを接種することで効率的な形質転換が可能であることが開示されている。
国際公開第97/35468号パンフレット M.M. Belarminoら、Plant Cell Report(2000)、第19、p435-p442 Chaiら、Scientina Horticulture、(2002)、第96、p213-p224 Mishibaら、Plant Cell Report(2005)、第24、p297-p303
しかしながら、未だ、ラン科植物において効率的な形質転換は実現されていない。アグロバクテリウム感染により遺伝子導入行った後、形質転換された植物体を効率的に作製するには、外来遺伝子が導入されたシュートなどを多数個取得する可能性があるが、シュートを多数個有する多芽体を効率的に取得する技術はラン科植物で未だ実現されていない。また、クローン増殖のためにPLBを液体培養等により取得することも可能であるが細かい手作業を要して効率的ではなかった。さらに、ラン科植物は開花まで非常に長い期間を要するため、確実に意図した形質が備えられるよう、確実性及び再現性の高い形質転換が望まれる。しかしながら、PLBを用いる方法では、プロトコームやPLBに対する切断加工等により意図しない変異を生じる可能性もあった。
また、ラン科植物においてアグロバクテリウムによる形質転換例がいくつか報告されているものの、いずれも栽培種(交配種)に対するものである。栽培種は、原種よりも耐寒性や耐病性に劣っているという問題があるほか、特定栽培種で形質転換が成功しても他の栽培種に適用しにくいという問題がある。
そこで、本発明では、ラン科植物の形質転換体及び形質転換体を効率的に取得するラン科植物の形質転換体の作製方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、再現性に優れたラン科植物の形質転換法方法を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、多くのラン科植物に適用可能な形質転換方法を提供することを他の一つの目的とする。また、本発明は、ラン科植物の増殖用組織及びラン科植物を効率的に得るためのラン科植物の増殖方法を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、ラン科植物に対してアグロバクテリウムを用いて遺伝子導入するのにあたり、ある遺伝子を導入することで多芽体前駆体及び多芽体を容易に作製できることを見出した。また、本発明者らは、この遺伝子と所望の遺伝子とを導入することにより、ラン科植物の形質転換体を効率的に取得できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき提供される。
本発明によれば、ラン科植物の形質転換体の作製方法であって、所望の遺伝子が導入されたラン科植物組織を準備する工程と、ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、前記多芽体前駆体又は前記多芽体に形成されるシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、を備える、作製方法が提供される。前記ラン科植物は、ファレノプシス(Phalaenopsis)属植物とすることができ、ファレノプシス・アマビリス(Phalaenopsis Amabilis)、当該種の類縁種及び当該種を用いた交配種とすることもできる。
本発明の形質転換体の作製方法では、前記クラス1KNOX遺伝子は双子葉植物由来であってもよいし、シロイヌナズナのBP/KNAT1遺伝子とすることもできる。こうしたクラス1KNOX遺伝子は、双子葉植物由来プロモーターの制御下に保持されるものであってもよい。
本発明によれば、前記準備工程が内在性クラス1KNOX遺伝子及び/又は外来性クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された前記ラン科植物組織を準備する工程である、前記作製方法も提供される。また、前記準備工程が、アグロバクテリウム媒介性の遺伝子導入により、前記内在性クラス1KNOX遺伝子/又は外来性クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された前記ラン科植物組織を準備する工程である前記作製方法も提供される。本発明によれば、前記ラン科植物組織は無傷のプロトコームである、前記作製方法も提供される。
本発明によれば、前記誘導工程及び再生工程は、前記ラン科植物組織をオーキシン及びサイトカイニンを含む培地で培養することを含む、前記作製方法も提供される。また、本発明によれば、前記誘導工程及び/又は前記再生工程は、予め前記ラン科植物組織に導入した抗生物質耐性遺伝子に基づく形質転換体の選択を伴う工程である、前記作製方法も提供される。この抗生物質耐性遺伝子はカナマイシン耐性遺伝子とすることができる。
本発明によれば、前記再生工程は、前記ラン科植物組織において発生した葉の形態に基づく前記形質転換体の選択を伴う工程である、前記作製方法も提供される。
本発明によれば、さらに、再生した前記ラン科植物の個体において前記クラス1KNOX遺伝子の発現が抑制された形質転換個体を取得する工程を、備える、前記作製方法も提供される。
また、本発明によれば、ラン科植物の形質転換体であって、所望の外来性遺伝子が導入され、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている、形質転換体が提供される。
さらに、本発明によれば、ラン科植物の増殖方法であって、ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、前記多芽体前駆体又は多芽体に形成される複数のシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、を備える増殖方法が提供される。
さらにまた本発明によれば、ラン科植物の増殖用組織であって、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている、増殖用組織が提供される。本増殖用組織は、プロトコームであることが好ましく、複数のシュートを備えるプロトコームであってもよいし、複数のシュート前駆体を備えるプロトコームであってもよい。さらに、前記増殖用組織から分離されるシュート又はシュート前駆体であってもよい。
図1は、アマビリスのシュート生育過程を示す図であり、Aは、改変NP培地上に種子を播種した後におけるインビトロでのランの胚の発生過程を示す。PRは、プラセンタルリッジ、TEは種被、SAMはシュート頂端分裂組織、AHは吸収根、LPは葉腋、PSは前形成層束を示す。Bは、インビトロで培養したプロトコーム(3−36WASP)、成熟個体及び花を示す。3−18WASPについてバーのサイズは5mmであり、36WASPにつき1cmであり、53及び130WASPにつき5cmであり、花につき2cmである。 図2は、プラスミドpG35S及びプラスミドpG35SKNAT1のT−DNA領域の構造を示す図である。 図3は、プラスミドpG35SKNAT1による形質転換体の再生過程の観察結果を示す図である。 図4は、プラスミドpG35SKNAT1による形質転換体のBP/KNAT1遺伝子解析結果を示す図である。 図5は、プラスミドpG35SKNAT1による形質転換体のBP/KNAT1遺伝子発現解析結果を示す図である。
本発明のラン科植物の形質転換体の作製方法は、所望の遺伝子が導入されたラン科植物組織を準備する工程と、ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、前記多芽体前駆体又は多芽体に形成されるシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、を備えることができる。本発明の作製方法によれば、準備されたラン科植物組織において、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されているため容易に多芽体前駆体又は多芽体を誘導できる。多芽体前駆体及び多芽体は、一つのラン科植物組織であるがそれぞれ複数のシュート前駆体及びシュートを備えており、これらを増殖用組織として用いることで植物個体を再生できる。また、クラス1KNOX遺伝子の発現を促進することで多芽体前駆体及び多芽体を誘導できるため、物理的な加工等の操作を省略又は簡略化できる。したがって、本発明の作製方法によれば、効率的に形質転換体を作製することができる。本発明において、多芽体前駆体には、複数のシュート前駆体を備えるラン科植物組織を含めることができる。
本発明の作製方法によれば、プロトコームやPLBに対する切断加工等を回避することができ、これによれば、意図しない変異を抑制して所期の形質転換体をより確実により再現性よく得ることができる。さらに、本発明では、ラン科植物組織においてホメオボックス遺伝子であるクラス1KNOX遺伝子の発現を促進することで多芽体等を誘導するため、多くのラン科植物に適用可能である。
また、本発明のラン科植物の増殖方法は、ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、前記多芽体前駆体又は多芽体に形成される複数のシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、を備えることができる。この増殖方法によれば、単一のラン科植物組織に基づき、効率よく遺伝的に同一の個体を再生して増やすことができる。また、複数の増殖用組織の取得のための作業を簡略化又は省略することができる。
本発明は、このほか、形質転換体及び増殖用組織にも関する。本発明の形質転換体及び増殖用組織は、いずれも、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されているため、容易に増殖させることができる。
以下、本発明の形質転換体の作製方法及び形質転換体並びに増殖方法及び増殖用組織等の実施形態について詳細に説明する。
(ラン科植物)
本発明を適用するラン科植物としては、特に限定しない。たとえば、ファレノプシス属、カトレヤ属、デンドロビウム属、シンビジウム属、ドリテノプシス属、パラファレノプシス属、ドリティス属、ユーファレノプシス属、パフィオペディルム属、バンダ属、アスコセンダ属、ミルトニア属、オンシジウム属、オドントグロッサム属、エピフロニチス属、エビネ属、サギソウ属、シュンラン属、カンラン属等が挙げられる。好ましくは、ファレノプシス属植物である。また、ファレノプシス・アマビリスなどのファレノプシス属の原種、野生種に好ましく用いることができる。さらに、ファレノプシス・アマビリスの近縁種及び当該種を用いる交配種が挙げられる。ファレノプシ・アマビリスは白く大きな花を有する原種であり、交配種創出のための原種としても有用である。
(形質転換体の作製方法)
以下、遺伝子導入されたラン科植物組織の準備工程、誘導工程及び再生工程について説明する。
(遺伝子導入されたラン科植物組織の準備工程)
遺伝子を導入するラン科植物組織としては、いずれかの方法により遺伝子が導入されうるラン科植物組織であればよい。遺伝子導入に用いることの好ましいラン科植物組織は、プロトコーム、PLB及びライゾーム等が挙げられる。これらは無傷のものであってもよいし、細断片、切片、薄片、二分割されたものであってもよい。ここで、プロトコームとは、ラン科植物が無菌発芽して球状の形態を備えているものをいう。また、PLBとは、プロトコームに類似した球状体をいう。さらに、ライゾームとは、地下茎に類似した組織をいう。
これらの各種のラン科植物組織のなかでも、本発明においては、プロトコームを用いるのが好ましい。プロトコームを用いることでその後において多芽体等を形成しやすいからであり、PLBを調製する操作を省くことができるからである。また、本発明においては、特に、無傷のプロトコームを用いることが好ましい。無傷のプロトコームを用いることで多芽体等の形成を促進しかつ遺伝子導入用組織調製のための操作を簡略化できる。
導入する所望の遺伝子としては特に限定しないが、園芸植物としてのラン科植物の有用性を高めるような遺伝子が好ましい。したがって、花弁の形状、花弁の色、花芽数、花命期間、茎葉の形状、茎葉の色などの鑑賞性に関する遺伝子のほか、耐候性、耐病性等に関する遺伝子が挙げられる。
ラン科植物組織は内在性のクラス1KNOX(Knotted−like homeobox)遺伝子又は外来性のクラス1KNOX遺伝子の発現が促進されたものであることが好ましい。クラス1KNOX遺伝子は植物界を通して保存された遺伝子である。例えば、ラン科植物のクラス1KNOX遺伝子としては、DOH1遺伝子(デンドロビウムDendrobium Madame Thong-Inが知られている。また、単子葉植物のクラス1KNOX遺伝子としては、KN1、RS1遺伝子(トウモロコシ)、OSH1、OSH15遺伝子(イネ)等が知られている。さらに、双子葉植物のクラス1KNOX遺伝子としては、BP/KNAT1、STM、KNAT2遺伝子(シロイヌナズナ)、NTH1、NTH15遺伝子(タバコ)、SBH1遺伝子(ダイズ)等が知られている。
内在性のクラス1KNOX遺伝子とは、ラン科植物の染色体上に本来的に存在するクラス1KNOX遺伝子を意味しており、外来性のクラス1KNOX遺伝子とは、ラン科植物細胞の外部から導入されたクラス1KNOX遺伝子を意味し、当該導入されたクラス1KNOX遺伝子が宿主であるラン科植物にとって内在性であるか本来染色体上に有しない非内在性のクラス1KNOX遺伝子かどうかは問わない。
また、「クラス1KNOX遺伝子の発現が促進される」とは、当該遺伝子の発現が人工的に促進されたあるいは促進可能に当該遺伝子が保持されていることを意味している。したがって、後段の工程でなんらかの因子が供給されあるいは産生されたことでクラス1KNOX遺伝子の発現が促進される場合も含まれる。
用いようとするラン科植物の内在性クラス1KNOX遺伝子が既知の場合には、その遺伝子を促進する産物をコードする遺伝子か又はその遺伝子を適当なプロモーターの制御下に接続して導入してもよいが、外来性のクラス1KNOX遺伝子を発現可能に導入してもよい。外来性のクラス1KNOX遺伝子としては、双子葉植物のクラス1KNOX遺伝子を発現可能に導入してもよい。単子葉植物であるラン科植物に双子葉植物のクラス1KNOX遺伝子を導入することで、多芽体を得られやすくなる。こうした双子葉植物のクラス1KNOX遺伝子としては、OHS15遺伝子(タバコ)、STM遺伝子(シロイヌナズナ)等を用いることができる。
内在性のクラス1KNOX遺伝子の発現を促進するためには、クラス1KNOX遺伝子の発現を促進する転写因子やその制御因子などをコードするDNAを発現可能に保持するDNAコンストラクト等を導入して発現させる方法が挙げられる。外来性のクラス1KNOX遺伝子の発現を促進するためには、外来性のクラス1KNOX遺伝子を発現可能に保持するDNAコンストラクトを導入する方法が挙げられる。
ラン科植物組織は、後段の誘導工程及び再生工程で、遺伝子が導入された形質転換体を選択するための選択マーカー遺伝子を保持していることが好ましい。選択マーカー遺伝子としては、栄養要求性や抗生物質耐性などに関連する遺伝子を用いることができる。例えば、インジゴ産生を提供するβ−グルクロニダーゼ、可視的な光の産生を提供するルシフェラーゼ、カナマイシン又はネオマイシンへの耐性またはG418耐性を提供するNPTII、ハイグロマイシン耐性を提供するHPTが挙げられる。本発明では、薬剤耐性であることから選択マーカー遺伝子として、好ましくはNPTIIを用いる。
また、既述のクラス1KNOX遺伝子も選択マーカー遺伝子として用いることができる。クラス1KNOX遺伝子を導入するなどしてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進することで、幼植物体の葉の形態に各種の異常が現れる。したがって、クラス1KNOX遺伝子は、多芽体等の誘導に機能するほか植物体の再生にあたって有用なマーカー遺伝子として機能する。
ラン科植物組織へのこうした外来遺伝子の導入にあたり、これらの外来遺伝子は植物細胞で作動可能なプロモーターの制御下に連結されるほか、適宜必要に応じ調節領域を備えたDNAコンストラクトとして植物細胞に導入される。なお、遺伝子というときには、当該遺伝子の産物をコードしていればよく、ゲノム、cDNA等のいずれの形態であってもよい。また、遺伝子というときには、当該遺伝子の塩基配列や産物のアミノ酸配列に対する実質的でない変異も包含する。こうしたコンストラクトは、外来遺伝子、プロモーター等の調節領域、マーカーなどを含む種々のフラグメントを適切な連結およびクローニングすることにより得ることができる。こうした技術のすべては、文献において充分に例示されており、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y., 1987に記載されている。
ラン科植物組織においては、当該植物において動作しうるプロモーターを用いることができる。こうしたプロモーターとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターなどの双子葉植物性プロモーター、トウモロコシ ユビキチンプロモーター、イネアクチンプロモーターなどの単子葉植物性プロモーターなどが挙げられる。また、ターミネーターとしてはノパリンシンターゼのものが挙げられる。
ラン科植物組織にこうした外来遺伝子を導入することで本発明の作製方法に用いるラン科植物組織を準備することができる。遺伝子の導入方法としては、特に限定しないで、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、PEG媒介DNA取り込み法、リポソーム法、アグロバクテリウム法等を用いることができる。好ましくは、アグロバクテリウム法である。ラン科植物は単子葉植物であるが、本発明方法によれば、アグロバクテリウム法で効果的に遺伝子導入及び形質転換が可能である。
本発明では、アグロバクテリウム感染によってコンストラクトを導入することが好ましい。アグロバクテリウム属細菌は特に限定しないで、植物の種類等に応じて適切なものを選択して使用することができる。一般的には、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)やアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacteriumu rhizogenes)など、宿主植物染色体に転移可能なDNA領域を備えるTiプラスミドやRiプラスミドなどの転移性プラスミドを保持するアグロバクテリウム属細菌やこれらの変異株を用いることができる。典型的には、アグロバクテリウム・ツメファシエンスが用いられる。
アグロバクテリウム感染法を用いる場合、こうした外来遺伝子は、アグロバクテリウム属細菌中では、宿主植物体染色体に導入可能なコンストラクト中に保持される。具体的には、外来遺伝子は、アグロバクテリウム属細菌の有するTiプラスミドやRiプラスミドなどの転移性プラスミド上の転移DNA上等に備えられる。Tiプラスミド等に外来遺伝子を導入するには、中間ベクター法やバイナリーベクター法など公知の方法を用いることができる。例えば、中間ベクター法では、pBR322等の任意の配列を挿入したTiプラスミドを保持するアグロバクテリウムに対して、所望の遺伝子を保持するpBR322系中間ベクターを、ヘルパープラスミドなどを使って導入する。中間ベクターが導入されたアグロバクテリウムにおいて、pBR322部分での相同組換えでTiプラスミド上に所望の遺伝子を組み込ませることができる。適当な選択マーカーを外来遺伝子に付随させておくことで、外来遺伝子をTiプラスミド上に有するアグロバクテリウムを容易に選択することができる。また、バイナリーベクターは、一般に、アグロバクテリウムで機能する選択マーカー遺伝子を備えるとともに、T−DNA上に植物体で機能する選択マーカー遺伝子を備えるとともに、所望の外来遺伝子を導入可能なマルチクローニングサイトを備えている。この所望の外来遺伝子を導入したバイナリーベクターをT−DNAを欠損したTiプラスミドを持つアグロバクテリウムに導入し、適当な選択培地で培養することで所望の外来遺伝子を保持するアグロバクテリウムを得ることができる。このようなバイナリーベクターとして、例えばpBI101やpBI121(ともにCLONTECH社)などが市販されている。
アグロバクテリウムの感染によって外来遺伝子が組み込まれる宿主植物染色体は、核染色体のほか葉緑体やミトコンドリアの染色体であってもよい。
外来遺伝子を保持させたアグロバクテリウムを植物体に感染させる手法は、植物体の種類等によって適切な手法が採用される。たとえば、リーフディスク法(Horsch, R.&B.、 et al.: A simple and general method for trams-ferring cloned genes into plants. Science,227、1229〜1231, 1985)、プロトプラスト共存培養法(Marton, L., et al.: In vitro transformation of cultured cell from Nicotiana tabacum by Agrobactevium tumefaciens. Nature,277, 129〜131, 1981)、カルス再生法(Plant Cell Reports, 12, 7-11, 1992)、減圧浸潤法(The Plant Journal, 19(3), 249-257, 1999)等を採用することができる。
(多芽体前駆体及び多芽体の誘導工程)
次に、得られたラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する。クラス1KNOX遺伝子の発現を促進するには、予めクラス1KNOX遺伝子が導入されて発現が促進されたラン科植物組織についてシュート誘導を行えばよい。シュート誘導培地は、インドール酢酸(IAA)、ナフタレン酢酸(NAA)、インドール酪酸(IBA)及び2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)などから選択される1種又は2種以上のオーキシン及び/又は2−イソペンチニルアデニンやカイネチン、6−ベンジルアデニン(6−BA)などから選択される1種又は2種以上のサイトカイニンを各種濃度で添加した培地を用いることができる。好ましくは、オーキシンとカイネチンとを組み合わせて用いる。オーキシンとしては、好ましくは、NAAを用いることができ、サイトカイニンとしては好ましくは2−IPを用いることができる。オーキシン濃度は、0.10μM以上0.20μM以下であることが好ましく、より好ましくは0.15μMである。また、サイトカイニン濃度は、3μM以上5μM以下であることが好ましく、より好ましくは4μM以上5μM以下である。
なお、クラス1KNOX遺伝子の発現を促進するには、クラス1KNOX遺伝子が導入されてその発現が促進されていなくても、内在性クラス1KNOX遺伝子の発現を促進可能なほかの外来性遺伝子の発現が促進するかあるいは内在性クラス1KNOX遺伝子の発現を促進できる低分子化合物を培地に供給してもよい。
シュート誘導工程においては、用いた選択マーカー遺伝子に基づく形質転換体の選択を伴うことが好ましい。選択マーカー遺伝子としてNPT IIを用いた場合には、カナマイシンを100μg/ml以上250μg/ml以下含有する培地を用いることが好ましい。より好ましくは、150μg/ml以上200μg/ml以下含有する。
ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進しつつシュート誘導培地で継代培養すると、ラン科植物組織から複数のシュート前駆体が形成され、当該前駆体からシュートが形成される。多芽体等は、特に限定しないが、形質転換後から3カ月から6カ月程度で形成される。継代培養は好ましくは2〜4週間程度とし、好ましくは3週間程度である。継代培養にあたっては、ラン科植物組織を分割してもよいし分割しなくてもよい。
(植物体の再生工程)
こうして得られた多芽体前駆体又は多芽体をシュート前駆体毎又はシュート毎に分割しあるいは分割しないで培養することで個々のシュート前駆体又はシュートから幼植物体を再生することができる。こうした幼植物体は、その後ポット等に移植して生育させることができる。本発明方法の再生工程で用いる培地は、オーキシン及び/又はサイトカイニンを含有することが好ましい。例えば、シュート誘導工程で用いたのと同一のオーキシン及び/又はサイトカイニンを用いることができる。また、シュート誘導工程で用いたのと同一濃度で用いることができる。この結果、シュート誘導工程と再生工程とを区別することなく連続的に行うことができ、作業を簡略化することができる。シュート誘導と再生のタイミングも特に判断する必要がない点においても簡便な方法となっている。
なお、再生工程においても、ラン科植物組織に導入した選択マーカー遺伝子に基づく選択を継続して実施することが好ましい。この場合、選択のための抗生物質等の濃度についても誘導工程と同一濃度とすることができる。
クラス1KNOX遺伝子が導入された場合、再生工程においても誘導工程と同様にクラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている。この場合には、再生した植物体の葉の形態が通常の葉と異なるため、容易に形質転換体をスクリーニングすることができる。クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された場合、トランペット状、方形状及びMediolaterally Unopened(中央側方方向閉鎖型)となり、非形質転換体と容易に区別することができる。これらは、葉において、クラス1KNOX遺伝子が発現された結果であることがわかっている。
以上のことから、本発明によれば、遺伝子導入したラン科植物組織に対してクラス1KNOX遺伝子の発現を促進した状態でシュート誘導を行うことで、多芽体前駆体及び多芽体を生じさせることができ、この多芽体前駆体及び多芽体を用いることで形質転換体を効率的に取得することができる。また、クラス1KNOX遺伝子の発現により葉の形態異常を生じるため、形質転換体を容易にスクリーニングすることができる。
(クラス1KNOX遺伝子の発現抑制)
再生したラン科植物をさらに遺伝子工学的に処理してクラス1KNOX遺伝子の発現を抑制することができる。こうすることで、葉におけるクラス1KNOX遺伝子の発現における形態異常を抑制し又は本来の形態に復帰させることができる。クラス1KNOX遺伝子の発現を抑制には、植物において公知の各種方法を用いることができる。たとえば、RAN干渉により導入したクラス1KNOX遺伝子の発現を抑制するsiRNAを発現可能なコンストラクトを導入してもよい。好ましくは、公知の方法によりクラス1KNOX遺伝子を染色体上から除去する。こうした方法としては、例えば、特開平−9−154580号公報、特開平10−327860号公報、特開2006−280282号公報に記載の方法を用いることができる。
(ラン科植物の増殖方法)
本発明のラン科植物の増殖方法は、ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、前記多芽体前駆体又は多芽体に形成される複数のシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物個体を再生する再生工程と、を備えている。この増殖方法によれば、クラス1KNOX遺伝子の発現を促進することで、容易に多芽体前駆体又は多芽体を得ることができる。したがって、ラン科植物の野生種、原種及び交配種等の有用種を容易に増殖させることができる。なお、クラス1KNOX遺伝子は必要に応じて適宜抑制又は除去することができる。ラン科植物の増殖方法においては、所望の外来遺伝子の導入を伴わない以外は、ラン科植物の形質転換方法の各種態様をそのまま適用することができる。
(形質転換体)
本発明の形質転換体は、所望の外来性遺伝子が導入され、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている、ラン科植物の形質転換体である。本発明によれば、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されているため、プロトコーム等を組織培養することにより、容易に多芽体又多芽体前駆体塊を誘導することができる。このため、形質転換体を効率的に得ることができるほか、その後の植物体の増殖も効率的に行うことができる。本形質転換体は、すでに説明した本発明の形質転換体の作製方法によって得ることができる。
(増殖用組織)
本発明のラン科植物の増殖用組織は、クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている、増殖用組織である。この増殖用組織は、複数のシュートを備える多芽体前駆体又は複数のシュート前駆体を備える多芽体であることが好ましい。また、増殖用組織はプロトコームであることが好ましい。さらに、こうした増殖用組織としては、前記多芽体又は前記多芽退前駆体からそれぞれ分離されるシュート又はシュート前駆体であってもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって拘束されない。
(植物材料及び生育)
ファレノプシス・アマビリス(Phalaenopsis amabilis(L.)Blume(Jaba form)を以下の実施例で用いた。本植物材料は、ロイヤルオーキッド(インドネシア)から入手した。種子は、改変ファレノプシス属植物(modified Phalenopsis)(NP)培地(イシイら、1998)に播種した。培養は、連続白色光下、25℃に維持して行った。成熟した植物体は温室に保存した。
図1に、改変NP培地に播種後のファレノプシス属植物の種子の発生課程を示す。アマビリスの生活環は、約2.5年である。ファレノプシス属の種子は、授粉後、16週間で成熟する。ファレノプシス属植物の種子の断面は、種被と呼ばれる死細胞の透明な層で包囲された一つの胚から構成されている。種子は、内乳(核)を含んではいない。実験環境下での発芽のためには、種子は、殺菌された人工培地に播種する必要がある。図1A及び図1Bは、種子から成熟した植物体までの一連の生育上の変化を示している。播種から2週間後(2 weeks after seedlingplanting;2WASP)、トルイジンブルーによりよく染色されしかも大きな核を含む小さい細胞の集団が胚の極近傍に見られるようになる。3WASPでは、シュート頂端分裂組織(SAM)の形成が開始され、吸収根(AH)が発達する胚の基部に形成される。3WASPでは、単一の葉原基が胚から突出して現われる。この段階での発達途中の胚は、プロトコームと呼ばれる。4〜6WASPでは、茎から葉が引き続き出現し、正常な単軸性のシュート系が形成された。36WASPでは、植物体は、培地から温室の共用ポットに移される。植物体が4〜6つの葉を形成するころ、花序を形成できるようになった。なお、ファレノプシス属植物にあっては、開花している植物体も成長し続けることができ、開花は他と分離された段階ではない。53WASPでは、成熟した植物体は、10〜20の蕾を備える花序を形成し始めた。同時に、葉はその最大長に達し、単純に楕円系の形態を採る。茎は、その全体が被覆葉鞘によって覆われている。成熟した植物体は通常、5〜6cm程度の短い茎を有していた。伸張し、分岐した花序は、葉の葉腋から葉鞘を突き破って現れ、約3ヶ月間開花していた。
(シュート形成条件の検討)
アマビリスのプロトコームからシュートを形成する条件について検討した。シュート誘導培地にオーキシン(ナフタレン酢酸、NAA)及びサイトカイニン(2−イソペンチニルアデニン、2−IP及びカイネチン)を各種濃度で添加して、プロトコームからのシュート形成率を比較した。なお、シュート誘導培地としては、Islamら(1998)のNew Phalaenopsis Medium (NP培地)の組成を一部改変して用いた(表1参照)。シュートの誘導にあたっては、種子を一部改変したNP培地に播種後、2週間した実生をオーキシン及びサイトカイニンを含む一部改変したNP培地に移した。シュート誘導培地に添加したオーキシン及びサイトカイニンの濃度及びシュート形成結果を表2に示す。
表2に示すように、シュート誘導培地にオーキシン及びサイトカイニンを添加することでシュート形成率を増加させることができた。最もシュート形成率が高かった(98%)オーキシンとサイトカイニンの組み合わせ(0.15μMNAA、5μM2−IP)を、ファレノプシス属植物の形質転換体からのシュート形成に用いることとした。
(プラスミドベクターの作製及びアグロバクテリウムの準備)
ファレノプシス属植物のアグロバクテリウム媒介性の形質転換に用いるプラスミドpG35S及びプラスミドpG35SKNAT1を作製した。これらのプラスミドベクターの構造を図2に示す。
プラスミドpG35Sを作製するための二つのDNA断片、すなわち、カリフラワーモザイクウイルス(P35S)由来の35SRNAプロモーター領域(p35S)を含む断片とノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター領域(Tnos)を含むDNA断片とを、PCRによりpTH−2(チウら、Curr. Biol.,6, p325-330,1996)から増幅した。これら2つの増幅産物を、バイナリベクターp−Green−BAR(アサノら、Plant J, 38、p448-459、2004)のマルチクローニングサイトに導入して、プラスミドpG35Sとした。また、シロイヌナズナのクラス1KNOX遺伝子であるBP/KNAT1のcDNAの全コード領域を含むPCR増幅産物を、既に作製したプラスミドpG35Sベクターにクローニングして、プラスミドpG35SKNAT1を作製した。
なお、BP/KNAT1遺伝子のコード領域の増幅にあたっては、GenBank(アクセス番号:AY113982)に開示されるBP/KNAT1遺伝子のcDNAの塩基配列に基づいて開始コドンから終止コドンまでのDNA断片を増幅した。
これらの各コンストラクトを、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のオクトピン欠損型株であるLBA4404(ホエケマら、1983)に導入した。導入は、エレクトロポレーション法により行った。
(形質転換及び形質転換体の作製)
(1)準備
プラスミドpG35Sを保持するアグロバクテリウム及びプラスミドpG35SKNAT1を保持するアグロバクテリウムをそれぞれ一晩培養したものを15v/v%ココナッツ水、2w/v%スクロース、5μMベンジルアデニン及び0.01%シルベットL−77(ニッポンユニカー)を含むNP液体培地で4倍(v/v)希釈した。形質転換に先だって、プロトコームは、改変NP固体培地(1mg/l、2,4−D含有)で4日間培養した。
(2)形質転換
前培養を終了したプロトコームを、30分間アグロバクテリウムの培養物の希釈液に浸漬した。その後、プロトコームを、殺菌したろ紙上に移して乾燥させ、抗生物質非含有で1mg/lの2,4−Dを含有する改変NP培地上に移し、表3に示す期間培養し、その後、アグロバクテリウムの生育を阻止する1mg/l2,4−D及び300mg/lカルベニシリンを含有するNP固体培地に移して4週間培養した。
(3)シュート誘導及び再生
生育させたプロトコームを、200mg/lカナマイシン及び300mg/lのカルベニシリンを含有するNP液体培地でよく洗浄し、表1に示す培地に対して5μM2−IP、0.15μM NAA、200mg/lカナマイシン及び300mg/lのカルベニシリンを添加したNP固体培地に移した。成長するプロトコームを、3週間毎にさらなる選別のために新しいNP固体培地に移してシュートと根とが十分に生育するまで継続した。その後、幼植物体を100mg/lカナマイシン及び50mg/lのカルベニシリンを含有するNP培地に移した。
表3には、形質転換条件、シュート形成プロトコーム数及び再生した植物体数を示す。
(結果1:プラスミドpG35Sによる形質転換)
プラスミドコンストラクトpG35Sは、カナマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子)を含んでいる。このプラスミドを用いて、表3に示す条件で合計4回実験を行った。表3に示すように、最初の2回の実験では、プロトコームをプラスミドpG35Sを保持するアグロバクテリウムでそれぞれ3日及び7日培養したが、これらの実験では、形質転換体を得ることはできなかった。
7日間培養後の培地を観察したところ、アグロバクテリウムのオーバーグロースが観察されたので、オーバーグロースを防ぐため、培養期間を4日間に短縮することとした。3回目及び4回目の実験では、pG35Sを保持するアグロバクテリウムとともにプロトコームをいずれも4日間培養したが、カナマイシン含有培地上でそれぞれ1.7%及び1.5%の形質転換効率であった(表3参照)。pG35Sを保持したアグロバクテリウムとの培養後、カナマイシン及びカルベニシリンを含有する培地上で、2150個のプロトコームから合計35個のシュートを得ることができた。これら35個のシュートは、プロトコームが一つのシュートしか形成しなかったことから、これら35のシュートはそれぞれ独立していると考えられた。
(結果2:プラスミドpG35SKNAT1による形質転換)
表3に示すように、プロトコームを、シロイヌナズナのBK/KNAP1遺伝子を含むプラスミドpG35SNAT1を保持するアグロバクテリウムと4日間培養したとき、カナマイシン及びカルベニシリン含有培地上で0.1%から0.3%の頻度でシュートを有するプロトコームが形成された。これらの各プロトコームでは、同時に複数のカナマイシン耐性のシュートが形成された。後述するように、生育途中のプロトコームの表面を詳細に観察すると、多くの凸状物を有していることがわかった。プロトコームの表面に発生した全てのシュートは、完全な幼植物体に成長した。表3に示すように、最終的に112個の幼植物体に再生することができた。これらの植物体は、いずれも、カナマイシン選択培地上での培養により形質転換体であることが確認された。
以上の結果から、ファレノプシス属植物の原種についての形質転換及び植物体の再生が可能であることがわかった。商業的に価値の高い園芸品種の原種について形質転換が可能になったことで、原種レベルで外観や耐病性等につき種々の改変が容易になるほか、交配種においてもこうした改変が容易になる。また、無傷のプロトコームを用いて形質転換及び再生が可能であることもわかった。無傷のプロトコームを用いることは、プロトコームの切片や培養物やPLBを用いる従前の手法に比べて大幅に操作を簡略化することができる。さらに、シュート形成から植物の再生にわたって、5μM2−IP、0.15μM NAAを含有する培地を継続して用いることができることがわかった。従来、シュート誘導と再生培地とは異なる培地を用いていたため、同一組成の培地を用いることで培地調製及び培地交換の手間を軽減することができる。
また、以上の結果によれば、カナマイシン耐性遺伝子を選択マーカー遺伝子として利用できることもわかった。また、アグロバクテリウム媒介性の形質転換のための培養期間は4日間が好ましいことがわかった。
実施例4におけるプラスミドpG35SKNAT1による形質転換の過程において、形態観察を行った。結果を図3及び表4に示す。
図3に示すように、プラスミドpG35SKNAT1による形質転換から2ヶ月後において、カナマイシン含有培地上のプロトコームにシュートが形成され、6ヶ月後には多数のシュートが明らかに観察された。こうした多数のシュート発生に先だって、プロトコームの表面には凸状物が観察された。これらの凸状物はシュート前駆体であると考えられた。したがって、これらの凸状物を備えるプロトコームは多芽体前駆体であるといえる。また、全ての35S::BP/KNAT1形質転換体は、その葉の形態が変化していた。表4及び図3に示すように、3種類の異なる葉の形態が観察された。すなわち、トランペット状(Tタイプ)、方形状(Rタイプ)及びMediolaterally Unopened中央側方方向閉鎖型(Mタイプ)であった。なお、これに対して、pG35Sで形質転換された幼植物体は、正常な表現型であった。形質転換された多芽体は、その異常なシュート組織を維持して成長し続けて、葉と不定根を形成した(データ示さず)。後述するように、プラスミドpG35SKNAT1による形質転換体の全てにおいてBP/KNAT遺伝子の発現が確認されており、異常な葉組織は、ファレノプシス属植物の葉においてBP/KNAT1遺伝子が発現したことによるものであることがわかった。したがって、BP/KNAT1遺伝子は、視覚的な選択マーカーとして使用できることがわかった。また、BP/KNAT1遺伝子を導入することで、一つのプロトコームから複数のシュートを備える多芽体を形成できることがわかった。多芽体を、無傷のプロトコームから容易に得られることは、ファレノプシス属植物体の改変及びクローンの効率製造に有利であると考えられる。
実施例4においてカナマイシン含有培地上で得られた幼植物体のゲノムの解析を行った。なお、核酸の分離・精製並びにPCRについては以下の条件とした。
(核酸の分離及び精製)
セミタリら(2000a)の方法により、野生種及び形質転換体のプロトコーム及び葉からゲノムDNA分離用キアゲンDNA精製キット及び全RNA抽出用キアゲンRNeasyミニキット(キアゲン、QIAGEN)を用いて核酸を分離した。また、ダイナビーズオリゴヌクレオチド後(dT)25(ダイナル、DYNAL)を用いて全RNAからmRNAを分離し、このmRNAからタイムセイバーcDNA合成キット(アマシャムバイオサイエンス、Amersham Bioscience)を用いてcDNAを合成した。このcDNAをRT−PCR分析のテンプレートとした。
(PCR)
35S::BP/KNA11形質転換体由来のゲノムDNAをBP/KNAT1遺伝子に特異的であるKNATF1プライマー(配列番号:1)及びKNATR1プライマー(配列番号:2)を用いてPCRにより分析した。PCRは、94℃で1分、60℃で30秒及び72℃で1分30秒のサイクルを30回実施した。PCR産物を、0.7%アガロースゲルで分離して、臭化エチジウムで染色し、UVで蛍光発光させて視覚化した。
KNAT1F1:5’−CTTCCTAAAGAAGCACGGCAG−3’(配列番号1)
KNAT1R1:5’−CCAGTGACGCTTTCTTTGGTT−3’(配列番号2)
35S::BP/KNA11形質転換体におけるBP/KNAT1の転写物の発現を検出するため、BP/PNAPT1遺伝子特異的プライマーを用いてRT−PCRを実施した。RT−PCRのための内部標準として、ACTIN遺伝子(アクセッション番号:AY134752)のプライマー(ACTF1プライマー(配列番号:3)及びACTR1プライマー(配列番号:4)を用いてcDNAを増幅した。
ACTF1:5’−ATGAAGATTAAGGTCGTGGCA−3’(配列番号3)
ACTR1:5’−TCCGAGTTTGAAGAGGCTAC−3’(配列番号4)
(結果1:BP/KNAT1遺伝子の有無)
上記のようにしてBP/NAT1遺伝子のコード領域にある1.2kbのフラグメントをPCRで増幅することにより確認した。結果を図4に示す。図4に示すように、1.2kbのDNA断片のみが、#3−1及び#4−1の幼植物体で確認できた。これらのことから、BP/KNAT1遺伝子は、これらの形質転換幼植物体のゲノム中に組み込まれていると考えられた。なお、TiプラスミドベクターのT−DNAボーダーの外側の0.7kbのフラグメントに特異的なプライマーを用いてPCRを行っても、全く増幅されなかった(データ示さず)。
(結果2:BP/KNAT1遺伝子の転写レベル)
野生型並びに#3−1及び#4−1の形質転換系列のそれぞれの葉について、BP/KNAT1cDNA特異的プライマーを用いたRT−PCRにより、BP/KNAT1遺伝子の転写レベルを確認した。結果を、図5に示す。図3(P)に示すように、PCR産物は、野生型には検出されないで形質転換系列においてのみ検出された。したがって、BP/KNAT1遺伝子の転写物は、形質転換体の葉に蓄積されることがわかった。これらの結果から、導入されたBP/KNAT1遺伝子は形質転換体において発現されていることがわかった。
なお、カナマイシン含有培地で再生した幼植物体のゲノム中のカナマイシン耐性遺伝子の存在を、カナマイシン耐性遺伝子特異的プライマーを用いてPCRで確認したところ、全ての幼植物体のゲノム中に遺伝子の存在を確認できた。
配列番号1〜4:プライマー

Claims (23)

  1. ラン科植物の形質転換体の作製方法であって、
    所望の遺伝子が導入されたラン科植物組織を準備する工程と、
    ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、
    前記多芽体前駆体又は多芽体に形成されるシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、
    を備える、作製方法。
  2. 前記クラス1KNOX遺伝子は双子葉植物由来である、請求の範囲1に記載の作製方法。
  3. 前記クラス1KNOX遺伝子は、シロイヌナズナのBP/KNAT1遺伝子である、請求の範囲1又は2に記載の作製方法。
  4. 前記準備工程は、内在性クラス1KNOX遺伝子及び/又は外来性クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された前記ラン科植物組織を準備する工程である、請求の範囲1〜3のいずれかに記載の作製方法。
  5. 前記準備工程は、アグロバクテリウム媒介性の遺伝子導入により、前記内在性クラス1KNOX遺伝子/又は外来性クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された前記ラン科植物組織を準備する工程である、請求の範囲4に記載の作製方法。
  6. 前記ラン科植物組織は無傷のプロトコームである、請求の範囲1〜5のいずれかに記載の作製方法。
  7. 前記誘導工程及び前記再生工程は、前記ラン科植物組織をオーキシン及びサイトカイニンを含む培地で培養することを含む、請求の範囲1〜6のいずれかに記載の作製方法。
  8. 前記誘導工程及び/又は前記再生工程は、予め前記ラン科植物組織に導入した抗生物質耐性遺伝子に基づく形質転換体の選択を伴う工程である、請求の範囲1〜7のいずれかに記載の作製方法。
  9. 前記抗生物質耐性遺伝子はカナマイシン耐性遺伝子である、請求の範囲8に記載の作製方法。
  10. 前記再生工程は、前記ラン科植物組織から発生した葉の形態に基づく前記形質転換体の選択を伴う工程である、請求の範囲1〜9のいずれかに記載の作製方法。
  11. さらに、再生した前記ラン科植物の個体において前記クラス1KNOX遺伝子の発現が抑制された形質転換個体を取得する工程を、備える、請求の範囲1〜10のいずれかに記載の作製方法。
  12. 前記ラン科植物は、ファレノプシス属植物である、請求の範囲1〜11のいずれかに記載の作製方法。
  13. 前記ファレノプシス属植物は、Phalaenopsis Amabilis、当該種の類縁種及び当該種を用いる交配種のいずれかである、請求の範囲12に記載の作製方法。
  14. ラン科植物の形質転換体であって、
    所望の外来性遺伝子が導入され、
    クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている、形質転換体。
  15. ラン科植物の増殖方法であって、
    ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、
    前記多芽体前駆体又は前記多芽体に形成されるシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、
    を備える増殖方法。
  16. ラン科植物の増殖用組織であって、
    クラス1KNOX遺伝子の発現が促進されている、増殖用組織。
  17. 複数のシュートを備えるプロトコームである、請求の範囲16に記載の組織。
  18. 複数のシュート前駆体を備えるプロトコームである、請求の範囲16に記載の組織。
  19. 前記増殖用組織から分離されるシュート又はシュート前駆体である、請求の範囲16に記載の組織。
  20. ラン科植物の形質転換体の作製方法であって、
    所望の遺伝子が導入されたラン科植物組織を準備する工程と、
    ラン科植物組織においてクラス1KNOX遺伝子の発現を促進して多芽体前駆体又は多芽体を誘導する誘導工程と、
    前記多芽体前駆体又は多芽体に形成されるシュート前駆体又はシュートから前記ラン科植物の個体を再生する再生工程と、
    を備え、
    前記クラス1KNOX遺伝子は双子葉植物由来であり、
    前記準備工程は、内在性クラス1KNOX遺伝子及び/又は外来性クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された前記ラン科植物組織を準備する工程である、作製方法。
  21. 前記準備工程は、アグロバクテリウム媒介性の遺伝子導入により、前記内在性クラス1KNOX遺伝子/又は外来性クラス1KNOX遺伝子の発現が促進された前記ラン科植物組織を準備する工程である、請求の範囲20に記載の作製方法。
  22. 前記ラン科植物組織は無傷のプロトコームである、請求の範囲21に記載の作製方法。
  23. 前記クラス1KNOX遺伝子は、シロイヌナズナのBP/KNAT1遺伝子である、請求の範囲20〜22のいずれかに記載の作製方法。
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