JPWO2008099447A1 - 電気音響変換器用振動板の製造方法および電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板の製造方法および電気音響変換器用振動板 Download PDF

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Abstract

マトリクス樹脂との化学的な結合を付与するために表面処理したカーボンナノチューブでマトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形して製造する。表面処理として、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させた有機物の皮膜を前記カーボンナノチューブの表面に形成し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形する。また、他の表面処理として、前記カーボンナノチューブの表面に官能基を付与し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化し、前記カーボンナノチューブと前記マトリクス樹脂との化学的な結合を持たせた複合材料により電気音響変換器用振動板を成形する。

Description

本発明は、マトリクス樹脂の強化材としてカーボンナノチューブを用いた電気音響変換器用振動板において、カーボンナノチューブの表面処理を行い、マトリクス樹脂との化学的な結合を付与し、弾性率、引っ張り強度を向上させ、音質、耐久性を向上させた電気音響変換器用振動板の製造方法およびその製造方法によって作製された電気音響変換器用振動板に関する。
電気音響変換器用振動板の成形材料として、マトリクス樹脂を、高弾性率炭素繊維やマイカ等の粉末を用いて強化した複合材料がある。
しかしながら、高弾性率炭素繊維やマイカ等の粉末の大きさはμm単位のため、十分な複合効果は得られない。
これに対し、カーボンナノチューブはその大きさがnm単位と小さく、マトリクス樹脂との接触面積が著しく増大するため、分散性と界面接着力が増大し、また、アスペクト比が著しく大きくなる。したがって、カーボンナノチューブでマトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形するようにしたものがある。
このように、マトリクス樹脂の強化剤としてカーボンナノチューブを用いると、軽量で高弾性、高内部損失を有し、かつ成形性、寸法安定性、耐熱性等の優れた電気音響変換器用振動板を得ることができる。
特開2003−319488
しかしながら、カーボンナノチューブは表面が化学的に安定したsp2結合で覆われているため、混練時にマトリクス樹脂とカーボンナノチューブとを結合させるための助剤を添加しただけでは十分な結合力が得られず、所望の弾性率、引っ張り強度が得られない、という課題があった。
この発明は上記の課題を解決するために提案されたもので、その目的とするところは、カーボンナノチューブに表面処理を施し、マトリクス樹脂とカーボンナノチューブとの結合力を十分なものにし、弾性率、引っ張り強度等を向上させ、高域限界周波数を高くし、かつ歪も低下させた電気音響変換器用振動板の製造方法およびその電気音響変換器用振動板を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の電気音響変換器用振動板の製造方法は、マトリクス樹脂との化学的結合を付与するための表面処理をしたカーボンナノチューブでマトリクス樹脂を強化してなる複合材料により成形したことを特徴とする。化学的結合とは、マトリクス樹脂とカーボンナノチューブ界面との共有結合やイオン結合などの結合をいう。
本発明では、表面処理として、前記カーボンナノチューブの表面に、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させ、有機物の皮膜を形成し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により成形したことを特徴とする。
具体的には、ヘキサンに対しアルミニウム系カップリング剤を添加した溶液を加熱し、この溶液にカーボンナノチューブを加え、前記ヘキサンを還流しながら撹拌後、前記ヘキサンを乾燥させカップリング処理した前記カーボンナノチューブを前記マトリクス樹脂と混練して強化した複合材料により成形したことを特徴とする。
また、他の表面処理として、前記カーボンナノチューブの表面に官能基を付与し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形し、前記カーボンナノチューブに前記マトリクス樹脂との化学的な結合を持たせたことを特徴とする。
この場合、官能基はアミノ基からなることを特徴とする。
カーボンナノチューブ表面へのアミノ基修飾は、王水にカーボンナノナューブを加えて加熱し、この溶液をろ紙を介しろ過し、前記ろ紙上に残ったカーボンナノチューブを加熱して乾燥させ、このカーボンナノチューブをキシレンに添加し、かつトリエチレンテトラミンを投入して超音波処理後、加熱し、その溶液をろ紙を介しろ過し、前記ろ紙に残ったカーボンナノチューブを乾燥させカーボンナノチューブの表面処理を行い、このようにして表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形したことを特徴とする。
すなわち、本発明の電気音響変換器用振動板では、カーボンナノチューブの表面に、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させて有機物の皮膜を形成したり、あるいはカーボンナノチューブの表面に官能基を付与して、剛直なカーボンナノチューブにマトリクス樹脂との化学的な結合を持たせている。これにより、カーボンナノチューブがマトリクス樹脂を拘束するため、弾性率、引っ張り強度が向上した。マトリクス樹脂を拘束するとは、マトリクス樹脂の分子鎖の可動性を抑制することをいう。
本発明の電気音響変換器用振動板は、カーボンナノチューブの表面を表面処理し、マトリクス樹脂との化学的結合を強固にしたため、弾性率が向上し、これにより、スピーカに組み込んだ場合、高域限界周波数が高くなり、歪も低下し、音質が良好となった。また、本発明の電気音響変換器用振動板は、引っ張り強度も向上し、これにより耐久性が向上した。
図1は、本発明の実施例1にかかる、表面にアルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させ、有機物の皮膜を形成したカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真を示す。
図2(a)、(b)は、射出成形機による振動板の製造工程の説明図である。
図3は、作製された電気音響変換器用振動板の縦断面図である。
図4は、アミノ基を結合させる前のカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真を示す。
図5は、本発明の実施例2にかかる、表面にアミノ基を結合させたカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真を示す。
図6は、従来例と本発明の実施例2との音圧に対する周波数特性を示す。
符号の説明
1 可動側金型
2 固定側金型
3 金型
4 射出成形機のノズル
5 成形材料
6 振動板
A 本発明品の周波数特性
B 従来品の周波数特性
カーボンナノチューブとしては、直径が0.4〜500nm、長さ0.06〜200μmのものを用いた。直系を0.4nm以上としたのは、それより小さなカーボンナノチューブを製造することは難しいためである。また、500nm以下としたのは、これより大とすると振動板としての所望の物性値から外れるためである。また、長さ0.06μm以下では製造することが難しいためである。また、200μm以下としたのは、それ以上だと振動板としての所望の物性値から外れるためである。
用いるマトリクス樹脂としては、例えばポリプロピレン(商品名 J108M,三井化学株式会社製)が挙げられる。
その他としては、ポリスチレン系飽和型熱可塑性エラストマー〔スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロックコーポリマー(SEBS)、官能基付与SEBS、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロックコーポリマー、ランダムタイプの水素添加型スチレン・ブタジュンポリマー等〕、エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸三元共重合体、エチレン系変性α−オレフィン共重合体、変性ポリオレフィン等が挙げられ、これらの樹脂はカーボンナノチューブとの接着性が比較的良い。これ以外のものを用いても良い。
カーボンナノチューブの表面処理は次のようにして行った。
アルミニウム系カップリング剤によるカーボンナノチューブの表面処理の好ましい実施例は次のとおりである。
ヘキサン1L(リットル)に対し、アルミニウム系カップリング剤(商品名 プレンアクトAL−M,味の素ファインテクノ株式会社製)を1g添加し、分散溶液を作成した。この溶液を90℃に加熱し、カーボンナノチューブ(商品名 VGCF,昭和電工株式会社製)を100g加え、ヘキサンを還流しながら20分間撹拌した。
ヘキサンを90℃で乾燥させ、カップリング処理しカーボンナノチューブの表面処理を行った。
すなわち、実施例1では、上記処理によってカーボンナノチューブの表面にアルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させ(共有結合)、有機物の皮膜を形成した。
図1は、実施例1にかかる、表面に上記化合物を化学的に結合させたカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真である。この有機物の皮膜によって、マトリクス樹脂との親和性が改善され、カーボンナノチューブがマトリクス樹脂に濡れやすくなり、それと同時にマトリクス樹脂との接着強さも高くなる。
表面処理されたカーボンナノチューブとポリプロピレン(商品名 J108M,三井化学株式会社製)とを周知構造の二軸混練機を介して十分に混練して成形材料を作製した。
次に、図2(a)に示すように、可動側金型1と固定側金型2とからなる金型3のキャビティ内に、射出成形機のノズル4を当て、(b)に示すように、成形材料5を内部に充填して射出成形し、所定時間経過後、型開きをして作製された電気音響変換器用振動板を取り出せば良い。図3は作製された電気音響変換器用振動板の概略断面図を示す。
カーボンナノチューブ表面へのアミノ基修飾による表面処理の好ましい実施例は次のとおりである。
王水(硫酸:硝酸=3:1)に実施例1と同様のカーボンナノチューブを1g加え、105℃で1時間加熱した。
この溶液をろ過し、ろ紙上に残ったカーボンナノチューブを80℃12時間で乾燥させた。
キシレン400mLに4gの上記処理済のカーボンナノチューブを添加し、4mLのトリエチレンテトラミンを投入し、10分間超音波処理後、120℃2時間で加熱した。この溶液をろ過し、濾紙上に残ったカーボンナノチューブを80℃12時間乾燥させた。
得られたカーボンナノチューブはラマン分光分析、及び赤外吸光光度分析より、表面に共有結合によってアミノ基が結合していることが確認できた。
このアミノ基が官能基である。官能基とは、アミノ基、水酸基、カルボキシル基など極性を持った原子団のことである。本発明では、上述のようにして化学反応でカーボンナノチューブ表面にアミノ基からなる官能基が付与されることで、マトリクス樹脂への親和性が改善され、カーボンナノチューブがマトリクス樹脂に濡れやすくなり、それと同時にマトリクス樹脂との接着強さも高くなる。
図4は、アミノ基を結合させる前(未処理)のカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真、図5はカーボンナノチューブの表面にアミノ基を結合させた状態を示す電子顕微鏡写真である。
図5から明らかなように、処理されたカーボンナノチューブの表面はアミノ基で修飾されているため、その分、外径が大となり、このアミノ基によりマトリクス樹脂に対する濡れ性が向上し、かつマトリクス樹脂との接着強さも高くなる。
このアミノ基を修飾したカーボンナノチューブを実施例1と同様のポリプロピレンと混練して、カーボンナノチューブをマトリクス樹脂と強固に結合させ、得られたペレットを同様に射出成形して電気音響変換器用振動板を作製した。
この電気音響変換器用振動板を用いてスピーカを組立て、周波数特性を測定したところ、弾性率向上により高域限界周波数が高くなり、歪も低下し良好な音質が得られた。
実施例1,2によって作製した電気音響変換器用振動板は、マトリクス樹脂とカーボンナノチューブとの結合力が上がることで、強度が増し、耐久性が向上する利点がある。また、マトリクス樹脂とカーボンナノチューブとの結合力が上がることで、マトリクス樹脂に対する拘束力が増し、弾性率が向上する。
図6において、Aは第2実施例にかかる本発明品の周波数特性、Bはアミノ基が修飾されていないカーボンナノチューブをマトリクス樹脂に混練したペレットを射出成形してなる振動板の特性を示す。なお、実施例1における電気音響変換器用振動板を用いたスピーカでも同様の特性を得ることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施例では合成樹脂としてポリプロピレンを用いたが、それ以外でも良く、また、第2実施例において官能基としてアミノ基を用いた例を示したが、他の官能基でも良い。また、射出成形により振動板を作製する例について説明したが、押出成形によって作製することも可能である。さらに、振動板形状としては円錐状のみならず、平板状、その他の形状のものであっても良いことは勿論である。
本発明の電気音響変換器用振動板はスピーカやマイクロホン等の音響機器に組み込まれる。この振動板にはボイスコイルが結合され、ボイスコイルに音声信号を加えるとボイスコイルによって振動板が振動し音波を放射する。
【0002】
この発明は上記の課題を解決するために提案されたもので、その目的とするところは、カーボンナノチューブに表面処理を施し、マトリクス樹脂とカーボンナノチューブとの結合力を十分なものにし、弾性率、引っ張り強度等を向上させ、高域限界周波数を高くし、かつ歪も低下させた電気音響変換器用振動板の製造方法およびその電気音響変換器用振動板を提供することにある。
発明の開示
上記目的を達成するために本発明の電気音響変換器用振動板の製造方法は、マトリクス樹脂との親和性を改善し得る化合物を化学的に共有結合によって表面に付与するための表面処理をしたカーボンナノチューブでマトリクス樹脂を強化してなる複合材料により成形したことを特徴とする。化学的結合とは、マトリクス樹脂とカーボンナノチューブ界面との共有結合やイオン結合などの結合をいう。
本発明では、表面処理として、前記カーボンナノチューブの表面に、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に共有結合させ、有機物の皮膜を形成し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により成形したことを特徴とする。
具体的には、ヘキサンに対しアルミニウム系カップリング剤を添加した溶液を加熱し、この溶液にカーボンナノチューブを加え、前記ヘキサンを還流しながら撹拌後、前記ヘキサンを乾燥させカップリング処理した前記カーボンナノチューブを前記マトリクス樹脂と混練して強化した複合材料により成形したことを特徴とする。
また、他の表面処理として、前記カーボンナノチューブの表面に化合物として官能基を付与し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形し、前記カーボンナノチューブに前記マトリクス樹脂との化学的な共有結合を持たせたことを特徴とする。
この場合、官能基はアミノ基からなることを特徴とする。
カーボンナノチューブ表面へのアミノ基修飾は、王水にカーボンナノチューブを加えて加熱し、この溶液をろ紙を介しろ過し、前記ろ紙上に残ったカーボンナノチューブを加熱して乾燥させ、このカーボンナノチューブをキシレンに添加し、かつトリエチレンテトラ
【0003】
ミンを投入して超音波処理後、加熱し、その溶液をろ紙を介しろ過し、前記ろ紙に残ったカーボンナノチューブを乾燥させカーボンナノチューブの表面処理を行い、このようにして表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により電気音響変換器用振動板を成形したことを特徴とする。
すなわち、本発明の電気音響変換器用振動板では、カーボンナノチューブの表面に、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に共有結合させて有機物の皮膜を形成したり、あるいはカーボンナノチューブの表面に化合物として官能基を付与して、剛直なカーボンナノチューブにマトリクス樹脂との化学的な共有結合を持たせている。これにより、カーボンナノチューブがマトリクス樹脂を拘束するため、弾性率、引っ張り強度が向上した。マトリクス樹脂を拘束するとは、マトリクス樹脂の分子鎖の可動性を抑制することをいう。
本発明の電気音響変換器用振動板は、カーボンナノチューブの表面を表面処理し、マトリクス樹脂との化学的共有結合を強固にしたため、弾性率が向上し、これにより、スピーカに組み込んだ場合、高域限界周波数が高くなり、歪も低下し、音質が良好となった。また、本発明の電気音響変換器用振動板は、引っ張り強度も向上し、これにより耐久性が向上した。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の実施例1にかかる、表面にアルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に共有結合させ、有機物の皮膜を形成したカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真を示す。
図2(a)、(b)は、射出成形機による振動板の製造工程の説明図である。
図3は、作製された電気音響変換器用振動板の縦断面図である。
図4は、アミノ基を結合させる前のカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真を示す。
図5は、本発明の実施例2にかかる、表面にアミノ基を結合させたカーボンナノチューブの電子顕微鏡写真を示す。
図6は、従来例と本発明の実施例2との音圧に対する周波数特性を示す。
符号の説明

Claims (9)

  1. マトリクス樹脂との化学的な結合を付与するために表面処理したカーボンナノチューブでマトリクス樹脂を強化した複合材料を成形して製造することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  2. 請求項1記載の電気音響変換器用振動板の製造方法において、前記表面処理として、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させた有機物の皮膜を前記カーボンナノチューブの表面に形成し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により前記振動板を成形することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  3. 請求項2記載の電気音響変換器用振動板の製造方法において、ヘキサンに対しアルミニウム系カップリング剤を添加した溶液を加熱し、この溶液にカーボンナノチューブを加え、前記ヘキサンを還流しながら撹拌後、前記ヘキサンを乾燥させカップリング処理した前記カーボンナノチューブを前記マトリクス樹脂と混練した複合材料により前記振動板を成形することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  4. 請求項1記載の電気音響変換器用振動板の製造方法において、前記表面処理として、前記カーボンナノチューブの表面に官能基を付与し、この表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化し、前記カーボンナノチューブと前記マトリクス樹脂との化学的な結合を持たせた複合材料により前記振動板を成形することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  5. 請求項4記載の電気音響変換器用振動板の製造方法において、前記官能基はアミノ基からなることを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  6. 請求項5記載の電気音響変換器用振動板の製造方法において、前記カーボンナノチューブ表面へのアミノ基修飾は、王水にカーボンナノチューブを加えて加熱し、この溶液をろ紙を介しろ過し、前記ろ紙上に残ったカーボンナノチューブを加熱して乾燥させ、このカーボンナノチューブをキシレンに添加し、かつトリエチレンテトラミンを投入して超音波処理後、加熱し、その溶液をろ紙を介しろ過し、前記ろ紙に残ったカーボンナノチューブを乾燥させカーボンナノチューブの表面処理を行い、このようにして表面処理した前記カーボンナノチューブで前記マトリクス樹脂を強化した複合材料により前記振動板を成形することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  7. マトリクス樹脂との化学的な結合を付与するために表面処理したカーボンナノチューブでマトリクス樹脂を強化した複合材料を成形してなることを特徴とする電気音響変換器用振動板。
  8. 請求項7記載の電気音響変換器用振動板おいて、前記カーボンナノチューブの表面には、アルミニウム系のカップリング剤の化合物を化学的に結合させた有機物の皮膜が形成されたことを特徴とする電気音響変換器用振動板。
  9. 請求項7記載の電気音響変換器用振動板において、前記カーボンナノチューブの表面には、官能基が付与されたことを特徴とする電気音響変換器用振動板。
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