JPWO2008093699A1 - 磁気検出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に、正負逆符号の層間結合磁界Hinを有する第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCR差を小さくできるとともに、各磁気抵抗効果素子に直列接続される固定抵抗素子を同じ製造プロセスで形成できる磁気検出装置及びその製造方法を提供することを目的としている。【解決手段】 第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27は非磁性導電層61、64の膜厚を除いて同じ膜構成で形成されている。前記第1磁気検出素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで非磁性導電層61、64は異なる膜厚で形成され、前記第1磁気抵抗効果素子23は正値の第1層間結合磁界Hin1を有し第2磁気抵抗効果素子27は負値の第2層間結合磁界Hin2を有する。また第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28とは同じ膜構成で形成される。【選択図】図7

Description

本発明は、特に、正負逆符号の層間結合磁界Hinを有する第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCR差を小さくできるとともに、各磁気抵抗効果素子に直列接続される固定抵抗素子を同じ製造プロセスで形成することが可能な磁気検出装置及びその製造方法に関する。
磁気抵抗効果を利用した巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)は、磁気センサ(磁気検出装置)に使用される。
例えば、下記の特許文献1の図12に示すように、4個の抵抗素子でブリッジ回路を構成し、このうち2個の抵抗素子を磁気抵抗効果素子で形成し、残り2個の抵抗素子を外部磁界に対して電気抵抗値が変化しない固定抵抗素子で形成する。
ある一方向への外部磁界を(+)方向の外部磁界、前記(+)方向とは逆方向の外部磁界を(−)方向の外部磁界としたとき、前記磁気センサを、(+)方向の外部磁界と、(−)方向の外部磁界の双方を検知できる双極対応型で構成することが可能である。かかる場合、一方の磁気抵抗効果素子(以下、第1磁気抵抗効果素子と言う)の固定磁性層とフリー磁性層間に作用する第1層間結合磁界Hin1を正値となるように構成し、他方の磁気抵抗効果素子(以下、第2磁気抵抗効果素子と言う)の固定磁性層とフリー磁性層間に作用する第2層間結合磁界Hin2を負値となるように構成することで、前記第1磁気抵抗効果素子を(+)方向の外部磁界に対して抵抗変化させることができ、第2磁気抵抗効果素子を(−)方向の外部磁界に対して抵抗変化させることができる。
このように、正負逆符号の層間結合磁界Hinを有する2つの磁気抵抗効果素子を磁気センサに組み込むことで、双極対応型の磁気センサを構成できる。
特開2006−253562号公報 特開2006−266777号公報 特開2006−208255号公報
前記第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子の層間結合磁界Hinを正負逆符号となるように構成するには、例えば第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子を構成する反強磁性層の膜厚を変えたり、あるいは、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子の材質を異ならせたり、または、積層構成そのものを異ならせることで達成できる。
しかし上記の変更によって、第1磁気抵抗効果素子のTCR(温度係数:Temperature Coefficient of Resistance)と第2磁気抵抗効果素子のTCRの差が大きくなる。
その結果、第1磁気抵抗効果素子に直列接続される固定抵抗素子(第1固定抵抗素子という)と、第2磁気抵抗効果素子に直列接続される固定抵抗素子(第2固定抵抗素子という)を、夫々、直列接続される磁気抵抗効果素子のTCRに合わせるために、異なる材質や異なる膜構成で、異なるプロセスにて製造することが必要であった。
よって、従来では、第1磁気抵抗効果素子、第2磁気抵抗効果素子、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子を、同一のプロセスでなく、それぞれ、固定抵抗素子毎に異なるプロセスで製造しなければならず製造プロセスが煩雑化した。
また第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の夫々に直列接続される固定抵抗素子とのTCRが異なると中点電位が温度により変化し、最悪の場合、スイッチングすらできなくなるといった問題があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、正負逆符号の層間結合磁界Hinを有する第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCR差を小さくできるとともに、各磁気抵抗効果素子に直列接続される固定抵抗素子を同じ製造プロセスで形成できる磁気検出装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の磁気検出装置は、
外部磁界に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子と、
外部磁界に対して電気抵抗が変化しない前記第1磁気抵抗効果素子に直列接続される第1固定抵抗素子及び前記第2磁気抵抗効果素子に直列接続される第2固定抵抗素子を有し、
前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、固定磁性層とフリー磁性層との磁化関係で電気抵抗値が変化するGMR素子であり、
前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、前記フリー磁性層と前記固定磁性層との間に位置する非磁性導電層の膜厚を除き、互いに同じ膜構成で形成され、
前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚と前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は異なり、前記第1磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第1層間結合磁界Hin1は正値で、前記第2磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第2層間結合磁界Hin2は負値であり、
前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子は、互いに、同じ膜構成で形成されていることを特徴とするものである。
ここで本発明でいう「同じ膜構成」とは、互いに同じ材料構成で、互いに対応する同じ材料層の膜厚が同じであることを意味する。
第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子は、非磁性導電層の膜厚を除き、互いに同じ膜構成で形成されている。これにより、前記第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCRをほぼ同じに設定できる。
非磁性導電層の膜厚を変動させてもTCRへの影響は非常に小さい。また、非磁性導電層の膜厚を変動させることで層間結合磁界Hinの大きさを適切に変えることができる。本発明では、第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚と、第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を異なる値に設定するが、これにより、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子とでTCRの差を小さく保ちつつ、第1磁気抵抗効果素子の第1層間結合磁界Hin1と第2磁気抵抗効果素子の第2層間結合磁界Hin2を正負逆符号に設定できる。
本発明では、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、同じ膜構成で形成している。これにより前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のTCRは同じになるが、上記のように本発明では、各固定抵抗素子に直列接続される各磁気抵抗効果素子どうしのTCRが、ほぼ同じであるため、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子を同じ膜構成で形成しても、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のTCRを、第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子のTCRとほぼ同じとなるように調整することが可能である。
そして本発明では、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、互いに、同じ膜構成で形成するので、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子を同じ製造プロセスで形成することが可能である。
本発明では、前記非磁性導電層はCuで形成されることが好ましい。これにより、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCR差をより適切に小さくでき、また、適切に第1磁気抵抗効果素子の第1層間結合磁界Hin1と第2磁気抵抗効果素子の第2層間結合磁界Hin2を正負逆符号に設定できる。
また本発明では、前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は24Å以上26.5Å以下で形成され、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は、19.5Å以上21Å以下で形成されることが好適である。これにより、前記第1磁気抵抗効果素子、及び、第2磁気抵抗効果素子の各TCRの差をより効果的に小さくできる。また、前記第1磁気抵抗効果素子の第1層間結合磁界Hin1及び第2磁気抵抗効果素子の第2層間結合磁界Hin2を、Cu厚変化に対して変動の小さい安定領域で設定できる。
本発明では、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子は、互いに、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と同じ材料構成で、且つ、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と異なり、前記フリー磁性層に相当する磁性層と非磁性導電層が逆積層される構成であることが好ましい。これにより、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子は、外部磁界によって電気抵抗変化しない。また、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のTCRを、第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子のTCRに近付けることができる。また、無磁場状態での第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子の電気抵抗値を、第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子の電気抵抗値に合わせこみやすい。
また本発明では、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子を構成する非磁性導電層以外の各層の膜厚は、前記第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子の各層の膜厚を同じ大きさで形成されることが好ましい。これにより、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のTCRが、第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子のTCRとほぼ同じとなるように、簡単に調整できる。
また本発明では、前記非磁性導電層はCuで形成され、前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は24Å以上26.5Å以下で形成され、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は、19.5Å以上21Å以下で形成され、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子の非磁性導電層は、19.5Å以上26.5Å以下の膜厚で形成されることが好ましい。
本発明は、外部磁界に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子と、
外部磁界に対して電気抵抗が変化しない前記第1磁気抵抗効果素子に直列接続される第1固定抵抗素子及び前記第2磁気抵抗効果素子に直列接続される第2固定抵抗素子を有する磁気検出装置の製造方法において、
前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、固定磁性層とフリー磁性層との磁化関係で電気抵抗値が変化するGMR素子であり、
前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子を、夫々異なる製造工程で形成する際に、前記フリー磁性層と前記固定磁性層との間に位置する非磁性導電層の膜厚を除き、互いに同じ膜構成で形成し、さらに、前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚と前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を異ならせて、前記第1磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第1層間結合磁界Hin1を正値に、前記第2磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第2層間結合磁界Hin2を負値に調整する工程、
前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、同時に、互いに同じ膜構成で形成する工程、
を有することを特徴とするものである。
本発明では、上記のように第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を変えることで、前記第1磁気抵抗効果素子の第1層間結合磁界Hin1と第2磁気抵抗効果素子の第2層間結合磁界Hin2を正負逆符号に設定している。本発明では、第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子を、非磁性導電層の膜厚を除き、互いに同じ膜構成で形成しているので、前記第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCRをほぼ同じにできる。
そして本発明では、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、同時に、互いに同じ膜構成で形成している。これにより前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のTCRは同じとなるが、上記のように本発明では、各固定抵抗素子に直列接続される各磁気抵抗効果素子どうしのTCRをほぼ同じにできるため、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、同じ膜構成で形成しても、前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のTCRを、第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子のTCRとほぼ同じとなるように調整することが可能である。
本発明では、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、同じ製造プロセスで形成できるため、従来に比べて磁気検出装置の製造プロセスを容易化できる。
本発明では、前記非磁性導電層をCuで形成することが好ましい。このとき、前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を、24Å以上26.5Å以下で形成し、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を、19.5Å以上21Å以下で形成することが好ましい。これにより、前記第1磁気抵抗効果素子、及び、第2磁気抵抗効果素子の各TCRの差をより効果的に小さくできる。また、前記第1磁気抵抗効果素子の第1層間結合磁界Hin1及び第2磁気抵抗効果素子の第2層間結合磁界Hin2を、Cu厚変化に対して変動の小さい安定領域で設定できる。
また本発明では、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と同じ材料構成で形成し、このとき、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と異なって、前記フリー磁性層に相当する磁性層と非磁性導電層を逆積層することが好ましい。これによって、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子の形成時に、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子の形成時と同じ材質を使用できるので、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子の製造を容易化できる。
また本発明では、前記非磁性導電層をCuで形成し、このとき前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は24Å以上26.5Å以下で形成し、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を、19.5Å以上21Å以下で形成し、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子の非磁性導電層を、19.5Å以上26.5Å以下の膜厚で形成することが好適である。
本発明では、正負逆符号の層間結合磁界Hinを有する第1磁気抵抗効果素子と第2磁気抵抗効果素子のTCR差を小さくできるとともに、各磁気抵抗効果素子に直列接続される固定抵抗素子を同じ製造プロセスで形成することが可能である。
図1,図2は本実施形態の磁気検出装置20の回路構成図、図3は第1磁気抵抗効果素子のR−H曲線を説明するためのグラフ、図4は第2磁気抵抗効果素子のR−H曲線を説明するためのグラフ、図5は本実施形態の磁気検出装置20に設けられた各抵抗素子の平面形状を示す磁気検出装置20の部分拡大斜視図、図6は図5に示すA−A線から厚さ方向に前記磁気検出装置を切断し矢印方向から見た前記磁気検出装置の部分断面図、図7は、第1磁気抵抗効果素子、第2磁気抵抗効果素子、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子の構造を示す部分断面図、図8は、図7とは異なる第1磁気抵抗効果素子、第2磁気抵抗効果素子、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子の構造を示す部分断面図、図9〜図12は、本実施形態の磁気検出装置の用途を説明するための一例であり、前記磁気検出装置を内臓した折畳み式携帯電話の内部構成を側面側から見た部分模式図や部分平面図、である。
図1に示す本実施形態の磁気検出装置(磁気センサ)20は、抵抗素子部21と集積回路(IC)22とを有して構成される。
前記抵抗素子部21には、第1磁気抵抗効果素子23と第1固定抵抗素子24とが第1出力取り出し部(接続部)25を介して直列接続された第1直列回路26、及び、第2磁気抵抗効果素子27と第2固定抵抗素子28とが第2出力取り出し部(接続部)29を介して直列接続された第2直列回路30が設けられている。
また、前記集積回路22内には、第3固定抵抗素子31と第4固定抵抗素子32が第3出力取り出し部33を介して直列接続された第3直列回路34が設けられる。
前記第3直列回路34は、共通回路として前記第1直列回路26及び前記第2直列回路30と夫々ブリッジ回路を構成している。以下では前記第1直列回路26と前記第3直列回路34とが並列接続されてなるブリッジ回路を第1ブリッジ回路BC1と、前記第2直列回路30と前記第3直列回路34とが並列接続されてなるブリッジ回路を第2ブリッジ回路BC2と称する。
図1に示すように、前記第1ブリッジ回路BC1では、前記第1磁気抵抗効果素子23と、前記第4固定抵抗素子32とが並列接続されるとともに、前記第1固定抵抗素子24と前記第3固定抵抗素子31とが並列接続されている。また前記第2ブリッジ回路BC2では、前記第2磁気抵抗効果素子27と、前記第3固定抵抗素子31とが並列接続されるとともに、前記第2固定抵抗素子28と前記第4固定抵抗素子32とが並列接続されている。
図1に示すように前記集積回路22には入力端子(電源)39、アース端子42及び2つの外部出力端子40,41が設けられている。前記入力端子39、アース端子42及び外部出力端子40,41は夫々図示しない機器側の端子部とワイヤボンディングやダイボンディング等で電気的に接続されている。
前記入力端子39に接続されたライン50及び前記アース端子42に接続されたライン51は、前記第1直列回路26、第2直列回路30及び第3直列回路34の両側端部に設けられた電極の夫々に接続されている。
図1に示すように集積回路22内には、1つの差動増幅器35が設けられ、前記差動増幅器35の+入力部、−入力部のどちらかに、前記第3直列回路34の第3出力取り出し部33が接続されている。
前記第1直列回路26の第1出力取り出し部25及び第2直列回路30の第2出力取り出し部29は夫々第1スイッチ回路(第1接続切換部)36の入力部に接続され、前記第1スイッチ回路36の出力部は前記差動増幅器35の−入力部、+入力部のどちらか(前記第3出力取り出し部33が接続されていない側の入力部)に接続されている。
図1に示すように、前記差動増幅器35の出力部はシュミットトリガー型のコンパレータ38に接続され、さらに前記コンパレータ38の出力部は第2のスイッチ回路(第2接続切換部)43の入力部に接続され、さらに前記第2スイッチ回路43の出力部側は2つのラッチ回路46,47及びFET回路54、55を経て第1外部出力端子40及び第2外部出力端子41に夫々接続される。なおFET回路54,55は論理回路を構成している。
さらに図1に示すように、前記集積回路22内には第3のスイッチ回路48が設けられている。前記第3のスイッチ回路48の出力部は、前記アース端子42に接続されたライン51に接続され、前記第3のスイッチ回路48の入力部には、第1直列回路26及び第2直列回路30の一端部が接続されている。
さらに図1に示すように、前記集積回路22内には、インターバルスイッチ回路52及びクロック回路53が設けられている。前記インターバルスイッチ回路52のスイッチがオフされると集積回路22内への通電が停止するようになっている。前記インターバルスイッチ回路52のスイッチのオン・オフは、前記クロック回路53からのクロック信号に連動しており、前記インターバルスイッチ回路52は通電状態を間欠的に行う節電機能を有している。
前記クロック回路53からのクロック信号は、第1スイッチ回路36、第2スイッチ回路43、及び第3スイッチ回路48にも出力される。前記第1スイッチ回路36、第2スイッチ回路43、及び第3スイッチ回路48では前記クロック信号を受けると、そのクロック信号を分割し、非常に短い周期でスイッチ動作を行うように制御されている。例えば1パルスのクロック信号が数十msecであるとき、数十μmsec毎にスイッチ動作を行う。
前記第1磁気抵抗効果素子23は(+H)方向の外部磁界の強度変化に基づいて巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を発揮するGMR素子であり、一方、前記第2磁気抵抗効果素子27は、前記(+)方向は反対方向である(−H)方向の外部磁界の磁界強度変化に基づいて巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を発揮するGMR素子である。
ここで、(+H)方向の外部磁界はある一方向を示し、本実施形態では、図示X1方向に向く方向であり、(−H)方向の外部磁界は、図示X2方向に向く方向である(例えば図5を参照されたい)。
本実施形態の磁気検出装置20の断面形状について図6を用いて説明する。図6に示すように、前記磁気検出装置20は、基板70上に、集積回路22を構成する差動増幅器やコンパレータ等の能動素子71〜73や第3固定抵抗素子31、第4固定抵抗素子32、及び配線層77等が形成されている。前記配線層77は、例えば、アルミニウム(Al)で形成される。
図6に示すように、前記基板70上及び集積回路22上は、レジスト層等から成る絶縁層78で覆われている。前記絶縁層78には、前記配線層77上の一部に穴部78bが形成され、前記穴部78bから前記配線層78の上面が露出している。
前記絶縁層78の表面78aは平坦化面で形成され、平坦化された前記絶縁層78の表面78aに、第1磁気抵抗効果素子23、第1固定抵抗素子24、第2磁気抵抗効果素子27及び第2固定抵抗素子28が図5に示すミアンダー形状で形成されている。ミアンダー形状で形成することで、素子長さを確保し、各素子の素子抵抗を増大させることができる。
図5に示すように、各素子の両側端部には、電極23a,23b,24a,24b,27a,27b,28a,28bが形成され、前記第1磁気抵抗効果素子23の電極23bと前記第1固定抵抗素子24の電極24b間が第1出力取り出し部25によって接続され、前記第1出力取り出し部25が図6に示すように前記配線層77上に電気的に接続されている。同様に、第2磁気抵抗効果素子27の電極27bと第2固定抵抗素子28の電極28b間が第2出力取り出し部29により接続され、図示しない配線層に電気的に接続されている。
図6に示すように、前記素子上、電極上及び出力取り出し部上は、例えばアルミナやはシリカで形成された絶縁層80で覆われている。そして前記磁気検出装置20はモールド樹脂81によりパッケージ化される。
前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27の層構造及びヒR−H曲線について以下で詳しく説明する。
図7は、同一の基板70上に、第1磁気抵抗効果素子23、第2磁気抵抗効果素子27、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を一列に並べて形成したと仮定したときの、各抵抗素子の断面形状を示す断面図である。各抵抗素子の断面形状は図5に示すA−A線と平行な方向から膜厚方向に切断した際に現れる断面形状に一致している。
図7に示すように、前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子7は共に、下から下地層60、反強磁性層62、固定磁性層63、非磁性導電層61、64(第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層の符号を61、第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層の符号を64とした)、フリー磁性層65及び保護層66の順で積層されている。
前記下地層60は、例えば、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成される。前記反強磁性層62は、元素α(ただしαは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料、又は、元素αと元素α′(ただし元素α′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成される。例えば前記反強磁性層62は、IrMnやPtMnで形成される。前記固定磁性層63及びフリー磁性層65はCoFe合金、NiFe合金、CoFeNi合金等の磁性材料で形成される。また前記非磁性導電層61、64は非磁性金属材料で形成される。前記非磁性導電層61、64はCuで形成されることが好ましい。また前記保護層66はTa等で形成される。前記固定磁性層63やフリー磁性層65は積層フェリ構造(磁性層/非磁性中間層/磁性層の積層構造であり、非磁性層を挟んだ2つの磁性層の磁化方向が反平行である構造)であってもよい。また前記固定磁性層63やフリー磁性層65,67は材質の異なる複数の磁性層の積層構造であってもよい。また積層順が下から下地層60、フリー磁性層65、非磁性導電層61、64、固定磁性層63、反強磁性層62及び保護層66の順であってもよい。
前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27では、前記反強磁性層62と前記固定磁性層63とが接して形成されているため磁場中熱処理を施すことにより前記反強磁性層62と前記固定磁性層63との界面に交換結合磁界(Hex)が生じ、前記固定磁性層63の磁化方向は一方向に固定される。図7では、前記固定磁性層63の磁化63aを矢印方向で示している。第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27の前記固定磁性層63の磁化63aは共に図示X2方向である。
一方、前記フリー磁性層65の無磁場状態(外部磁界が作用していない状態)での磁化方向は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで異なっている。図7に示すように前記第1磁気抵抗効果素子23では前記フリー磁性層65の磁化方向65aが図示X2方向であり、固定磁性層63の磁化方向63aと同じ方向であるが、前記第2磁気抵抗効果素子27では前記フリー磁性層65の磁化65bが図示X1方向であり、前記固定磁性層63の磁化63aと反平行である。
(+H)方向の外部磁界が作用すると、第2磁気抵抗効果素子27のフリー磁性層65の磁化方向65bは変動しないが、第1磁気抵抗効果素子23のフリー磁性層65の磁化方向65aは変動して前記第1磁気抵抗効果素子23の抵抗値は変化する。図3は第1磁気抵抗効果素子23のR−H曲線である。図3に示すように、外部磁界を無磁場状態(ゼロ)から徐々に(+H)方向に増加していくと、フリー磁性層65の磁化方向65aと固定磁性層63の磁化方向63aとの平行状態が崩れて反平行状態に近づくため前記第1磁気抵抗効果素子23の抵抗値Rは、曲線HR1上を辿って徐々に大きくなり、(+H)方向の外部磁界を徐々にゼロに向けて小さくしていくと、前記第1磁気抵抗効果素子23の抵抗値Rは、曲線HR2上を辿って徐々に小さくなる。
このように、第1磁気抵抗効果素子23のR−H曲線には、(+H)方向の外部磁界の磁界強度変化に対して、曲線HR1と曲線HR2で囲まれたループ部L1が形成される。前記第1磁気抵抗効果素子23の最大抵抗値と最低抵抗値の中間値であって、前記ループ部L1の広がり幅の中心値がループ部L1の「中点」である。そして前記ループ部L1の中点から外部磁界H=0(Oe)のラインまでの磁界の強さでフリー磁性層65と固定磁性層63間に作用する第1層間結合磁界Hin1の大きさが決定される。図3に示すように第1磁気抵抗効果素子23の前記第1層間結合磁界Hin1は、(+H)の外部磁界方向へシフトしている。
一方、(−H)方向の外部磁界が作用すると、前記第1磁気抵抗効果素子23のフリー磁性層65の磁化方向65aは変動しないが、第2磁気抵抗効果素子27のフリー磁性層65の磁化方向65bは変動して前記第2磁気抵抗効果素子27の抵抗値が変動する。
図4は第2磁気抵抗効果素子27のR−H曲線である。図4に示すように、外部磁界を無磁場状態(ゼロ)から徐々に(−H)方向に増加していくと、フリー磁性層67の磁化方向65bと固定磁性層63の磁化方向63aとの反平行状態が崩れて平行状態に近づくため、前記第2磁気抵抗効果素子27の抵抗値Rは、曲線HR3上を辿って徐々に小さくなり、一方、(−H)方向の外部磁界を徐々にゼロに向けて変化させると、前記第2磁気抵抗効果素子27の抵抗値Rは、曲線HR4上を辿って徐々に大きくなる。
このように、第2磁気抵抗効果素子27には(−H)方向の外部磁界の磁界強度変化に対して、曲線HR3と曲線HR4で囲まれたループ部L2が形成される。前記第2磁気抵抗効果素子27の最大抵抗値と最低抵抗値の中間値であって、前記ループ部L2の広がり幅の中心値がループ部L2の「中点」である。そして前記ループ部L2の中点から外部磁界H=0(Oe)のラインまでの磁界の強さでフリー磁性層65と固定磁性層63間で作用する第2層間結合磁界Hin2の大きさが決定される。図4に示すように第2磁気抵抗効果素子27では、前記第2層間結合磁界Hin2が(−H)の外部磁界方向へシフトしている。
(+H)方向の外部磁界の大きさを正値、(−H)方向の外部磁界の大きさを負値とすれば、第1層間結合磁界Hin1は正値であり、第2層間結合磁界Hin2は負値であり、このように第1層間結合磁界Hin1と第2層間結合磁界Hin2は、正負逆符号に設定されている。
本実施形態では、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27は、非磁性導電層61、64の膜厚を除いて、同じ膜構成で形成される。ここで「同じ膜構成」とは、互いに同じ材料構成であり、互いに対応する同じ材料層の膜厚が同じであることを意味する。
よって、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27は、互いに同じ材料構成である。例えば下地層60は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで共にTaで形成される。反強磁性層62は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで共にIrMnで形成される。固定磁性層63は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで共にCoFeで形成される。非磁性導電層61、64は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで共にCuで形成される。フリー磁性層65は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで共にNiFeで形成される。保護層66は、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで共にTaで形成される。
しかも本実施形態では、前記非磁性導電層61,64を除いた下地層60、反強磁性層62、固定磁性層63、フリー磁性層65及び保護層66の膜厚が、夫々、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで同じ値に設定されている。
反強磁性層62、固定磁性層63、フリー磁性層65の膜厚を、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで異なる値に設定すると、TCRが第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで大きく変動してしまう。したがって、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27を同じ材料構成で形成するとともに、前記非磁性導電層61,64を除く互いに対応する同じ材料層どうしを同じ膜厚で形成することで、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27のTCRをほぼ同じ値に設定することが可能である。
図7に示すように本実施形態では、第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の膜厚と、第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64とは異なる値に設定している。
図13に示すグラフは、以下の構成を有する磁気抵抗効果素子のCu厚を変動させたとのCu厚と層間結合磁界Hinとの関係を示すグラフである。
実験に使用した基本構成は、下から順に、
シード層;NiFeCr(42)/反強磁性層62;IrMn(60)/固定磁性層63;CoFe(20)/非磁性導電層;Cu(X)/フリー磁性層65;NiFe(40)/保護層66;Ta(30)であった。なお括弧書きは膜厚を示し単位はÅである。
実験では、非磁性導電層を構成するCuの膜厚を変化させて層間結合磁界Hinの変化を測定した。
図13に示すように、Cu厚が変化することで、層間結合磁界Hinが変動することがわかった。図13に示すように、Cu厚を例えば20Åで形成した場合、層間結合磁界Hinは負値となるが、Cu厚を例えば26Åで形成した場合、層間結合磁界Hinは正値となることがわかった。
よって第1磁気抵抗効果素子23を構成する非磁性導電層61の膜厚と、第2磁気抵抗効果素子27を構成する非磁性導電層64の膜厚を異ならしめることで、前記第1磁気抵抗効果素子23の層間結合磁界Hin1を正値に、第2磁気抵抗効果素子27の層間結合磁界Hin2を負値に調整することが出来る。
図13に示す実験結果から、前記非磁性導電層61,64をCuで形成した場合、前記第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の膜厚を24Å〜26.5Åの範囲内で形成することで、正値の層間結合磁界Hin1を得ることが出来るとともに、Cu厚変化に対して層間結合磁界Hin1の変動を小さく抑えることができ、安定領域で正値の第1層間結合磁界Hin1を得ることが可能である。なお前記非磁性金属層61の膜厚を25Å〜26.5Åの範囲内とすることがより好ましい。
また、図13に示す実験結果から、前記非磁性導電層61,64をCuで形成した場合、前記第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の膜厚を19.5Å〜21Åの範囲内で形成することで、負値の層間結合磁界Hin2を得ることが出来るとともに、Cu厚変化に対して層間結合磁界Hin2の変動を小さく抑えることができ、安定領域で負値の第2層間結合磁界Hin2を得ることが可能である。
続いて、Cu厚とTCRとの関係を図14に示す。図14の実験では、上記の図13の実験で使用した磁気抵抗効果素子を用いてTCRを測定した。
図14に示すように、Cu厚が変動してもほとんどTCRは変化せず、ほぼ一定であることがわかった。
一方、第1磁気抵抗効果素子23に直列接続される第1固定抵抗素子24、及び、第2磁気抵抗効果素子27に直列接続される第2固定抵抗素子28は、同じ膜構成で形成される。
図7に示す実施形態では、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28は、互いに、前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27と同じ材料構成であるが、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27と異なり、前記フリー磁性層65に相当する磁性層67と非磁性導電層68とが逆積層されている。
図7に示すように、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28は、下から下地層60、反強磁性層62、固定磁性層63、磁性層67、非磁性導電層68及び保護層66の順に積層される。
前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28では、前記反強磁性層62上に固定磁性層63及び磁性層67が連続して積層されるので、固定磁性層63及び磁性層67の磁化は共に、反強磁性層62との間で生じる交換結合磁界(Hex)及び、固定磁性層63と磁性層67で生じる強磁性結合により固定されており、磁気抵抗効果素子23,27においてフリー磁性層65と同じ材料で形成された磁性層67は、前記磁気抵抗効果素子23,27のフリー磁性層65のように外部磁界に対して磁化変動しない。
よって前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の電気抵抗値は外部磁界によって変動しない。
また、下地層60、反強磁性層62、固定磁性層63、磁性層67、非磁性導電層68及び保護層66の膜厚が、夫々、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28において同じ膜厚で形成される。
よって第1固定抵抗素子24のTCRと第2固定抵抗素子28のTCRは同じ値となる。なお、50ppm/℃以下のTCR誤差は同一とみなす。
図7では、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27を構成する各層(非磁性導電層を除く)と、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を構成する各層(非磁性導電層を除く)とは、同じ膜厚となっているが、同じ膜厚でなくてもよい。
ここで重要なのは、第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28の互いの膜構成であって、磁気抵抗効果素子23,27の膜構成との関係ではない。よって第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28の反強磁性層62の膜厚は同じであるが、磁気抵抗効果素子23,27の反強磁性層62の膜厚と異なってもよい。
ただし、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27を構成する各層(非磁性導電層を除く)と、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を構成する各層を同じ膜厚とすると、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRを、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28のTCRに合わせ込みやすく好適である。
また、磁気抵抗効果素子23,27と違って、第1固定抵抗素子24の非磁性導電層68と、第2固定抵抗素子28の非磁性導電層68の膜厚は同じである。ここで、もともと、第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の膜厚と、第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の膜厚は異なっているので、第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の膜厚、第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の膜厚、及び、前記第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28の非磁性導電層68の膜厚を全て同じ膜厚で形成することはできない。しかしながら、図14に示すように、TCRは非磁性導電層の膜厚変化にほとんど影響を受けない。よって、前記第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28の非磁性導電層68の膜厚が、第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の膜厚、あるいは、第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の膜厚、又は、第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61及び第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の膜厚と異なっても、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27を構成する各層(非磁性導電層を除く)と、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を構成する各層(非磁性導電層を除く)を同じ膜厚とすることで、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28のTCRを、第1磁気抵抗効果素子23のTCR及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRとほぼ同じとなるように適切に調整できる。
図13に示すように非磁性導電層をCuで形成した場合、上記したように第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の好ましい膜厚範囲を24Å〜26.5Å、前記第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の好ましい膜厚範囲を19.5Å〜21Åと設定した。また非磁性導電層68を19.5Å〜26.5Åの範囲内で形成した場合、図14に示すように、TCRをほぼ1200ppm/℃に規制できる。よって、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の非磁性導電層68をCuで形成したとき、第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61の膜厚を24Å〜26.5Å、前記第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64の膜厚を19.5Å〜21Å、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の非磁性導電層68の膜厚を19.5Å〜26.5Åで形成すると、第1磁気抵抗効果素子23、第2磁気抵抗効果素子27、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の夫々のTCRをほぼ同じ値に適切に調整できる。
図7では、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28は、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27と同じ材料構成で形成されるが、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28のTCRが、第1磁気抵抗効果素子23のTCR及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRとほぼ同じに調整できれば、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の膜構成は図7のものに限定されない。
例えば、図8に示すように、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を、共に、同じ材料の単層構造で形成してもよい。このとき、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の膜厚は、共に同じ大きさで、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRとほぼ同じTCRとなるように、調整される。
上記のように第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28を同じ単層構造で形成することで、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を簡単に形成でき好適である。第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28を例えばCrの単層構造で形成できる。
図7に示す実施形態では、第1磁気抵抗効果素子23の素子幅T1、第2磁気抵抗効果素子27の素子幅T2、第1固定抵抗素子24の素子幅T3、第2固定抵抗素子28の素子幅T4はすべて同じ値に設定されているが、少なくとも、第1磁気抵抗効果素子23の素子幅T1と、第2磁気抵抗効果素子27の素子幅T2を同じ値に設定し、第1固定抵抗素子24の素子幅T3と第2固定抵抗素子28の素子幅T4を同じ値に設定する。
さらに、図5に示す形態では、第1磁気抵抗効果素子23の素子長さ、第2磁気抵抗効果素子27の素子長さ、第1固定抵抗素子24の素子長さ、及び第2固定抵抗素子28の素子長さはすべて同じ値に設定されている。ここで、素子長さとは、図5に示すように素子幅の中央に沿った長さ寸法で規定される。
このように第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とを対比したときに、前記第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27は、同じ平面形状で形成されている。また、第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28とを対比したときに、前記第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28は同じ平面形状で形成されている。
ただし、図7に示すように第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とでは非磁性導電層61,64の膜厚が異なることから、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27を、同じ平面形状で形成すると、前記第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27が、無磁場状態において、異なる電気抵抗値となる。よって、素子長さを、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで少し異ならしめて、前記第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27を、無磁場状態において同じ電気抵抗値となるように調整することが好適である。このとき第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の電気抵抗値を、前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27の電気抵抗値と同じになるように調整する。これにより無磁場状態において、各出力取り出し部から中点電位を得ることができる。
また中点電位を得るには、直列接続される第1磁気抵抗効果素子23と第1固定抵抗素子24どうしを同じ電気抵抗値に設定し、直列接続される第2磁気抵抗効果素子27と第2固定抵抗素子28どうしを同じ電気抵抗値に設定すればよい。よって、例えば、第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27を、同じ平面形状で形成し、前記第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27が、無磁場状態において、異なる電気抵抗値に設定されても、直列接続される夫々の磁気抵抗効果素子の無磁場状態での電気抵抗値に合うように、第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28の素子長さを異ならしめて、第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28の電気抵抗値を夫々調整することも可能である。第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28を異なる素子長さで形成しても、本実施形態では第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28を同じ膜構成で形成するので、第1固定抵抗素子24と第2固定抵抗素子28を同じ製造プロセスで形成することが出来る。
また中点電位のずれは、集積回路22側で補正することも可能である。
以上のように本実施形態では、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27を、非磁性導電層61,64の膜厚を除いて互いに同じ膜構成で形成している。非磁性導電層61,64の膜厚変動によるTCRへの影響は小さいため、上記の膜構成によって、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRをほぼ同じ値に調整できるとともに、非磁性導電層61,64の膜厚を第1磁気抵抗効果素子23と第2磁気抵抗効果素子27とで夫々異なる値に設定することで、前記第1磁気抵抗効果素子23の第1層間結合磁界Hin1を正値に、第2磁気抵抗効果素子27の第2層間結合磁界Hin2を負値に適切に設定できる。
従来では、第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子のTCRが異なる値となっていたため、固定抵抗素子を、直列接続される夫々の磁気抵抗効果素子のTCRに合わせるために別々に製造していた。
しかし本実施形態では、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRをほぼ同じ値に調整できるから、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を同じ膜構成で形成しても、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28のTCRを、第1磁気抵抗効果素子23のTCR及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRとほぼ同じ値になるように調整することが可能である。よって、本実施形態では、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を同じ製造プロセスで形成することが可能となり、前記磁気検出装置20の製造を容易化できる。
図1に示すように、第3固定抵抗素子31及び第4固定抵抗素子32は、集積回路22内に含まれているが、前記第3固定抵抗素子31及び第4固定抵抗素子32を抵抗素子部21に形成してもよい。かかる場合、第1固定抵抗素子24、第2固定抵抗素子28、第3固定抵抗素子31及び第4固定抵抗素子32を全て同じ製造プロセスで形成することが可能である。
次に、外部磁界の検出原理について説明する。
本実施形態の磁気検出装置20に(+)方向の外部磁界が作用すると、第1磁気抵抗効果素子23の電気抵抗値が変動し、前記第1直列回路26の第1出力取り出し部25での電位が中点電位から変動する。
今、図1に示す状態では、前記第3直列回路34の第3出力取り出し部33の中点電位を基準電位とし、前記第1直列回路26と第3直列回路34とで構成される第1ブリッジ回路BC1の第1出力取り出し部25と第3出力取り出し部33との差動電位を、前記差動増幅器35にて生成し、コンパレータ38に向けて出力する。前記コンパレータ38では、前記差動電位を、シュミットトリガー入力によりパルス波形の信号に整形し、整形された磁界検出信号がラッチ回路46及びFET回路54を経て第1外部出力端子40から出力される。
一方、(+H)方向の外部磁界が作用している場合に図2に示すように第1スイッチ回路36及び第2スイッチ回路43が切り換わっても、第2磁気抵抗効果素子27は抵抗変化していないから、外部磁界が作用していない場合と同様に、前記第2外部出力端子41での出力値の変動はない。
このように、第1外部出力端子40からは、(+H)方向の外部磁界が作用した場合、磁界検出信号を得ることが出来る。
次に、本実施形態の磁気検出装置20に(−H)方向の外部磁界が及ぼされると、第2磁気抵抗効果素子27の電気抵抗値が変動し、前記第2直列回路30の第2出力取り出し部29での電位が中点電位から変動する。
今、図2に示す状態では、前記第3直列回路34の第3出力取り出し部33の中点電位を基準電位とし、前記第2直列回路30と第3直列回路34とで構成される第2ブリッジ回路BC2の第2出力取り出し部29と第3出力取り出し部33間の差動電位を前記差動増幅器35で生成し、それをコンパレータ38に向けて出力する。前記コンパレータ38では、前記差動電位を、シュミットトリガー入力によりパルス波形の信号に整形し、整形された磁界検出信号が、ラッチ回路46及びFET回路54を経て第2外部出力端子41から出力される。
一方、(−H)方向の外部磁界が作用している場合に図1の状態に切り換わっても、第1磁気抵抗効果素子23は抵抗変化していないから、外部磁界が作用していない場合と同様に、前記第1外部出力端子40での出力値の変動はない。
このように、第2外部出力端子41からは、(−H)方向の外部磁界が作用した場合、磁界検出信号を得ることが出来る。
本実施形態による双極検出対応型の磁気検出装置20の用途を説明する。本実施形態の磁気検出装置20は、例えばターンオーバータイプの折畳み式携帯電話の開閉検知に使用できる。
図9のように折畳み携帯電話100を開くと、磁気検出装置20に及ぼされる外部磁界の強度変化によって、携帯電話100が開いたことが検知される。前記折畳み式携帯電話100は、表示画面を備える第1部材102と操作面を備える第2部材103とを有して構成される。図9のとき、磁石101の配置は図11に示す平面図で示すとおりであり、前記携帯電話100の第1部材102を、回転軸を中心として180度回転させ、図9の状態において、前記第1部材102の内面であった画面表示面102aを、図10、図12に示すように、外面に向ける。このとき図12に示すように磁石101の向きは、図11の配置状態から反転する。例えば、第1部材102をターンオーバーさせることでカメラ機能を起動させる場合には、磁気検出装置20は、図9のように携帯電話100を開いたり閉じたりしたことを検知する開閉検知機能のほかに、磁石101の向きが反転したことを検知できないといけないが、本実施形態の磁気検出装置20では、図1,図2に示す回路構成によって、(+H)方向の外部磁界の検知信号か、(−H)方向の外部磁界の検知信号かを2つの外部出力端子40,41を持たせることで検知可能としている。
また本実施形態の磁気検出装置20は、折畳み式携帯電話の開閉検知以外にゲーム機等の携帯式電子機器の開閉検知等に使用されてもよい。本形態は、上記開閉検知以外にも、双極検出対応の磁気検出装置20が必要な用途で使用できる。
次に、本実施形態の磁気検出装置20の製造方法を説明する。図15ないし図17はいずれも製造中の磁気検出装置20の部分斜視図である。
図15に示す工程では、基板70よりも大きい大基板110上の各区画(図15の点線で示す)ごとに、第1磁気抵抗効果素子23をフォトリソグラフィやスパッタ成膜による薄膜プロセスを用いて形成する。前記第1磁気抵抗効果素子23を図7に示す膜構成で形成する。なお図15には、図6に示す集積回路22や絶縁層78が図示されていないが、実際には、集積回路22や絶縁層78が大基板110上に形成され、その上に前記第1磁気抵抗効果素子23を形成する。
前記第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61をCuで形成するとともに、前記非磁性導電層61を24Å以上26.5Å以下の膜厚範囲内で形成することが好適である。
続いて、図16に示す工程では、大基板110上の各区画(図16の点線で示す)ごとに、第2磁気抵抗効果素子27をフォトリソグラフィやスパッタ成膜による薄膜プロセスを用いて形成する。前記第2磁気抵抗効果素子27を図7に示す膜構成で形成する。すなわち、前記第2磁気抵抗効果素子27を、前記第1磁気抵抗効果素子23と同じ材料構成で形成し、しかも、非磁性導電層64を除き、前記第2磁気抵抗効果素子27の下地層60、反強磁性層62、固定磁性層63、フリー磁性層65及び保護層66を、前記第1磁気抵抗効果素子23の各層と同じ膜厚で形成する。
前記第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64を、前記第1磁気抵抗効果素子23の非磁性導電層61と異なる膜厚で形成する。本実施形態では、前記第2磁気抵抗効果素子27の非磁性導電層64をCuで形成するとともに、前記非磁性導電層64を19.5Å以上で21Å以下の膜厚範囲内で形成することが好適である。
続いて、図17に示す工程では、大基板110上の各区画(図17の点線で示す)ごとに、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28をフォトリソグラフィやスパッタ成膜による薄膜プロセスを用いて形成する。本実施形態では、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を同じ製造プロセスにて同時に形成する。前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を図7に示すように、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27と同様に同じ材料構成で、且つ、前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27と異なり、フリー磁性層に相当する磁性層67と非磁性導電層68を逆積層する。これにより、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28は、外部磁界によって電気抵抗変化しない。また、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を、前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27と同じ材料構成とすることで、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を製造するに際し、前記第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27で使用した同じターゲットを用いることができ製造工程を容易化できるとともに製造コストも抑制できる。
本実施形態では、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を、同時に、同じ膜構成で形成するが、このとき、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28のTCRが、第1磁気抵抗効果素子23のTCR及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRとほぼ同じになるように前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の膜厚を調整する。
図7と同じ膜構成で、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を形成する場合には、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を構成する下地層60、反強磁性層62、固定磁性層63、フリー磁性層65に相当する磁性層67及び保護層66を、第1磁気抵抗効果素子23及び第2磁気抵抗効果素子27の各層と同じ膜厚で形成する。さらに第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28の非磁性導電層68に関しては、前記第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28をCuで形成するとともに、共に同じ膜厚で且つ、19.5Å以上26.5Å以下の膜厚範囲内で形成することが、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28のTCRを、第1磁気抵抗効果素子23のTCR及び第2磁気抵抗効果素子27のTCRとほぼ同じになるように調整でき好適である。
続いて、前記大基板110を点線から切断することで、同時に、複数個の磁気検出装置20を製造できる。
本実施形態では、第1固定抵抗素子24及び第2固定抵抗素子28を同じ製造プロセスで形成できるので、磁気検出装置20の製造を従来に比べて容易化できる。
また、各抵抗素子を同一の基板上に形成できるので、磁気検出装置20の小型化を図ることが可能である。
本実施形態の磁気検出装置の(+)方向の外部磁界検出回路状態を示す回路構成図、 本実施形態の磁気検出装置の(−)方向の外部磁界検出回路状態を示す回路構成図、 第1磁気抵抗効果素子のR−H曲線を説明するためのグラフ、 第2磁気抵抗効果素子のR−H曲線を説明するためのグラフ、 本実施形態の磁気検出装置の抵抗素子部の抵抗素子形状を示す磁気検出装置の部分拡大斜視図、 図5に示すA−A線から厚さ方向に前記磁気検出装置を切断し矢印方向から見た前記磁気検出装置の部分断面図、 第1磁気抵抗効果素子、第2磁気抵抗効果素子、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子の層構造を示す部分断面図、 第1磁気抵抗効果素子、第2磁気抵抗効果素子、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子のうち、第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子が図7とは異なる層構造を示す部分断面図、 本実施形態の磁気検出装置の用途を説明するための一例(前記磁気検出装置を内臓した折畳み式携帯電話の部分模式図であり、前記電話を開いた状態を示す)、 本実施形態の磁気検出装置の用途を説明するための一例(前記磁気検出装置を内臓した折畳み式携帯電話の部分模式図であり、第1部材をターンオーバーさせた状態を示す)、 本実施形態の磁気検出装置の用途を説明するための一例(前記磁気検出装置を内臓した折畳み式携帯電話の図9の部分平面図)、 本実施形態の磁気検出装置の用途を説明するための一例(前記磁気検出装置を内臓した折畳み式携帯電話の図10の部分平面図)、 非磁性導電層(Cu)の膜厚と層間結合磁界Hinとの関係を示すグラフ、 非磁性導電層(Cu)の膜厚とTCRとの関係を示すグラフ、 本実施形態の磁気検出装置の製造方法を示す一工程図(製造工程中の磁気検出装置の斜視図)、 図15の次に行われる一工程図(製造工程中の磁気検出装置の斜視図)、 図16の次に行われる一工程図(製造工程中の磁気検出装置の斜視図)、 従来の磁気検出装置の回路構成図、
符号の説明
20 磁気検出装置
21 抵抗素子部
22 集積回路(IC)
23 第1磁気抵抗効果素子
24 第1固定抵抗素子
25 第1出力取り出し部
26 第1直列回路
27 第2磁気抵抗効果素子
28 第2固定抵抗素子
29 第2出力取り出し部
30 第2直列回路
31 第3固定抵抗素子
32 第4固定抵抗素子
33 第3出力取り出し部
34 第3直列回路
35 差動増幅器
36 第1スイッチ回路
38 コンパレータ
39 入力端子
40 第1外部出力端子
41 第2外部出力端子
42 アース端子
43 第2スイッチ回路
46、47 ラッチ回路
48 第3スイッチ回路
53 クロック回路
61、64、68 非磁性導電層
62 反強磁性層
63 固定磁性層
65 フリー磁性層
66 保護層
78、80 絶縁層
81 モールド樹脂
100 折畳み式携帯電話
101 磁石
102 第1部材
103 第2部材
Hin1 第1層間結合磁界
Hin2 第2層間結合磁界

Claims (11)

  1. 外部磁界に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子と、
    外部磁界に対して電気抵抗が変化しない前記第1磁気抵抗効果素子に直列接続される第1固定抵抗素子及び前記第2磁気抵抗効果素子に直列接続される第2固定抵抗素子を有し、
    前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、固定磁性層とフリー磁性層との磁化関係で電気抵抗値が変化するGMR素子であり、
    前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、前記フリー磁性層と前記固定磁性層との間に位置する非磁性導電層の膜厚を除き、互いに同じ膜構成で形成され、
    前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚と前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は異なり、前記第1磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第1層間結合磁界Hin1は正値で、前記第2磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第2層間結合磁界Hin2は負値であり、
    前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子は、互いに、同じ膜構成で形成されていることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記非磁性導電層はCuで形成される請求項1記載の磁気検出装置。
  3. 前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は24Å以上26.5Å以下で形成され、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は、19.5Å以上21Å以下で形成される請求項2記載の磁気検出装置。
  4. 前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子は、互いに、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と同じ材料構成で、且つ、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と異なり、前記フリー磁性層に相当する磁性層と非磁性導電層が逆積層される請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出装置。
  5. 前記第1固定抵抗素子及び第2固定抵抗素子を構成する非磁性導電層以外の各層の膜厚は、前記第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子の各層の膜厚を同じ大きさで形成される請求項4記載の磁気検出装置。
  6. 前記非磁性導電層はCuで形成され、前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は24Å以上26.5Å以下で形成され、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は、19.5Å以上21Å以下で形成され、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子の非磁性導電層は、19.5Å以上26.5Å以下の膜厚で形成される請求項4又は5に記載の磁気検出装置。
  7. 外部磁界に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子と、
    外部磁界に対して電気抵抗が変化しない前記第1磁気抵抗効果素子に直列接続される第1固定抵抗素子及び前記第2磁気抵抗効果素子に直列接続される第2固定抵抗素子を有する磁気検出装置の製造方法において、
    前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、固定磁性層とフリー磁性層との磁化関係で電気抵抗値が変化するGMR素子であり、
    前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子を、夫々異なる製造工程で形成する際に、前記フリー磁性層と前記固定磁性層との間に位置する非磁性導電層の膜厚を除き、互いに同じ膜構成で形成し、さらに、前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚と前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を異ならせて、前記第1磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第1層間結合磁界Hin1を正値に、前記第2磁気抵抗効果素子のフリー磁性層と固定磁性層間に作用する第2層間結合磁界Hin2を負値に調整する工程、
    前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、同時に、互いに同じ膜構成で形成する工程、
    を有することを特徴とする磁気検出装置の製造方法。
  8. 前記非磁性導電層をCuで形成する請求項7記載の磁気検出装置の製造方法。
  9. 前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を24Å以上26.5Å以下で形成し、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を、19.5Å以上21Å以下で形成る請求項8記載の磁気検出装置の製造方法。
  10. 前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子を、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と同じ材料構成で形成し、このとき、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子と異なって、前記フリー磁性層に相当する磁性層と非磁性導電層を逆積層する請求項7ないし9のいずれかに記載の磁気検出装置の製造方法。
  11. 前記非磁性導電層をCuで形成し、このとき前記第1磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚は24Å以上26.5Å以下で形成し、前記第2磁気抵抗効果素子の非磁性導電層の膜厚を、19.5Å以上21Å以下で形成し、前記第1固定抵抗素子及び前記第2固定抵抗素子の非磁性導電層を、19.5Å以上26.5Å以下の膜厚で形成する請求項10記載の磁気検出装置の製造方法。
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