JP2007271319A - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気センサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来に比べて、適切に、中点電位のずれを小さくすることが可能な磁気センサ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 固定抵抗素子9の側方に導体35が接続されている。前記導体35は、複数の分割経路片35a〜35dと、各分割経路片間を繋ぐ共通経路片35eとで構成され、前記共通経路片35eの一部分35e1を切断することで前記導体35の素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長を変化させて抵抗調整を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子を備えた非接触式の磁気センサに係り、特に、中点電位のずれを小さくすることが可能な磁気センサ及びその製造方法に関する。
下記に挙げる公知文献には磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサに関する発明が開示されている。
下記の特許文献1に記載された発明では、基板上に外部抵抗及び磁気抵抗素子が備えられ、前記外部抵抗に対してトリミングすることで、中点電位のずれを小さくしている。
下記の特許文献2に記載された発明は、MR素子と抵抗体を備えた磁気センサであり、前記抵抗体をトリミングすることで、中点電位のずれを小さくしている。
下記の特許文献3に記載された発明では、絶縁基板上に磁気抵抗効果薄膜が、前記絶縁基板下に抵抗体が備えられ、前記磁気抵抗効果薄膜と前記抵抗体間は前記絶縁基板内部を貫通する導体メタライズ層によって接続されており、前記抵抗体をトリミングすることで、中点電位のばらつきを小さくしている。
特開平4−18778号公報 特開昭62−293683号公報 特開平8−23129号公報
しかし上記した特許文献1〜3に記載された発明では、いずれも抵抗体をトリミングするものであるが、どのようにトリミングをして抵抗値を合わせ込むのか具体的な記載がない。すなわち、前記抵抗体のどの部分を、どのような形状にてトリミングするのか不明である。
また抵抗体をトリミングするということは、おそらく断面積が小さくなっていくと考えられるため、前記抵抗体の抵抗値は上昇するものと思われるが、逆に、前記抵抗体の抵抗値を低下させたい場合にはどのようにするのか不明である。
また前記磁気抵抗効果素子と、抵抗体とは材質が異なるために前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗とで温度係数(TCR:Temperature Coefficient of Resistance)が異なり、その結果、温度が変化すると中点電圧のバランスが崩れてしまい検出精度が低下して誤動作の原因になるという問題があるため、結局、磁気抵抗効果素子の抵抗値と、抵抗体の抵抗値とを合わせ込み、標準状態での中点電位のずれを小さくしても、前記標準状態から温度が変化すると、中点電位のずれが大きくなるという問題があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、従来に比べて、適切に、中点電位のずれを小さくすることが可能な磁気センサ及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明における磁気センサは、素子台上に少なくとも夫々一つずつ設けられた磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子と、前記磁気抵抗効果素子の素子長手方向の両側、及び、前記固定抵抗素子の素子長手方向の両側に設けられた端子部と、を有し、
前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち少なくとも一方の素子には導体が接続され前記端子部間の抵抗値が調整されていることを特徴とするものである。
これにより、端子部間の抵抗値を高精度に且つ簡単に調整でき、中点電位のずれを適切に小さくすることが可能である。
本発明では、前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち素子抵抗値が高く形成されたほうの高抵抗素子の側方には前記導体が接続され、前記導体は、切断によって素子長手方向への電流経路長を短くできる形状で形成されていることが好ましい。前記導体は前記高抵抗素子に並列に接続されている。前記導体は、前記高抵抗素子よりも抵抗値が低いから、前記導体が接続されている箇所では、前記導体に電流が流れる。これによって、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を適切に低下させ、高精度に、中点電位のずれを小さくすることが可能である。また上記発明では、素子をトリミングしないから前記素子に損傷を与える心配もない。また本発明では、前記導体の接続によって前記高抵抗素子が接続される端子部間の抵抗値が、もう一方の低抵抗素子が接続される端子部間の抵抗値よりも小さくなった場合でも、前記導体を切断し、前記導体の素子長手方向への電流経路長を短くすることで、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を上昇させることができ、より高精度且つ簡単に、抵抗値の合わせこみを行うことが可能である。
本発明では、前記導体は、前記素子長手方向に間隔を空けて前記高抵抗素子に接する少なくとも3つ以上の切断可能な分割経路片と、前記分割経路片間を繋ぐ切断可能な共通経路片と、を有して構成されることが好ましい。これにより、切断によって素子長手方向への電流経路長を短くすることが可能な形状をより簡単且つ適切に形成できる。このとき、前記分割経路片間の素子長手方向への間隔幅は、夫々異なっていることが、前記導体の切断箇所によって抵抗値の上昇量を異ならせることが出来、高精度に抵抗値の調整を行うことができて好ましい。また抵抗値の上昇量を細かく設定できて好ましい。
あるいは本発明では、前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち素子抵抗値が高く形成されたほうの高抵抗素子の一部は除去されて素子長手方向への長さ寸法が短くされ、その除去された部分に前記導体が設けられている形態であっても、抵抗値の調整を高精度且つ簡単に行うことができ、中点電位のずれを適切に小さくすることが可能である。
本発明では、前記磁気抵抗効果素子及び前記固定抵抗素子は、共に、構成層として、反強磁性層と複数の磁性層と非磁性層と、最上層の保護層とを有し、
前記磁気抵抗効果素子では、少なくとも一つの前記磁性層を有し磁化方向が固定される固定層と、残りの前記磁性層を有し外部磁界により磁化方向が変動するフリー層が設けられ、前記固定層と前記フリー層との間に前記非磁性層が介在するとともに、前記固定層の前記非磁性層が形成された面と反対面に前記反強磁性層が接して形成されており、
前記固定抵抗では、少なくとも一つの前記磁性層が前記反強磁性層に接して形成されるとともに全ての前記磁性層の磁化方向が固定されていることが好ましい。
本発明では上記のように、磁気抵抗効果素子及び固定抵抗の構成層として、共に、反強磁性層、複数の磁性層、非磁性層、及び保護層が用いられている。そして本発明では、前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗とで、これら構成層の積層順を変え、前記磁気抵抗効果素子を、外部磁界の変化に基づき適切に磁気抵抗効果が発揮されて抵抗値が変化する可変抵抗として機能させている。一方、前記固定抵抗では、全ての前記磁性層の磁化方向を一定の方向に固定しているため、前記磁気抵抗効果素子と異なって、外部磁界が変化しても磁気抵抗効果が発揮されないようになっている。
上記したように本発明では、前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗は共に、構成層として反強磁性層、複数の磁性層、非磁性層、及び保護層を有するから、前記磁気抵抗効果素子の温度係数と前記固定抵抗の温度係数とのばらつきを従来に比べて抑制できる。その結果、温度変化に対しての中点電位のばらつきを小さくすることが可能である。
また本発明では、前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子は、共に、反強磁性層と、前記反強磁性層に接して形成され磁化方向が固定される固定層と、前記固定層に非磁性層を介して対向し外部磁界を受けて磁化方向が変動するフリー層とを有し、
前記固定抵抗素子での前記フリー層と前記固定層間に作用する層間結合磁界Hinは、前記磁気抵抗効果素子での前記フリー層と前記固定層間に作用する層間結合磁界Hinよりも大きくされていることが好ましい。
これにより、固定抵抗素子に前記磁気抵抗効果素子と同様に、固定層とフリー層を設けても、前記層間結合磁界Hinを、磁気抵抗効果素子の層間結合磁界Hinよりも大きくしているので、外部磁界の作用範囲内で前記固定抵抗素子を適切に固定抵抗として適切に機能させることが出来る。上記のように前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗素子とで層間結合磁界Hinを変えるには、実際には前記非磁性層の膜厚を変えるため、前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗素子とで若干、温度係数(TCR)が変化するものの、前記固定抵抗素子を磁気抵抗効果素子とは全く異なる構成層で形成する場合に比べて、適切に前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗素子との温度係数のばらつきを小さくできる。
しかも例えば上記のように、前記素子の一部を除去して素子長手方向への長さ寸法を短くした場合でも、前記層間結合磁界Hinの大きさは変化せず、さらに、保磁力Hcも、素子長さに依存しないことがわかっているため、前記磁気抵抗効果素子及び前記固定抵抗素子のヒステリシス特性に変動を与えることはなく、安定した動作を得ることが可能である。
本発明における磁気センサの製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a) 基板上に、磁気抵抗効果素子及び固定抵抗を少なくとも夫々一つずつ組として、前記組を複数形成する工程、
(b) 前記磁気抵抗効果素子の素子長手方向の両側、及び前記固定抵抗素子の素子長手方向の両側に端子部を形成する工程、
(c) 前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち、抵抗値が高く形成されたほうの高抵抗素子に導体を接続して、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、低抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値に対して許容範囲内に収める工程、
(d) 前記(b)工程と前記(c)工程の間、あるいは前記(c)工程後に、前記基板を各組毎に切断する工程。
上記により本発明では、端子部間の抵抗調整を高精度且つ簡単に行うことができ、中点電位のずれが小さい磁気センサを適切に製造することができる。
本発明では、前記(c)工程で、前記高抵抗素子の側方に、切断によって素子長手方向への電流経路長を短くすることが可能な形状の前記導体を接続することが好ましい。また、前記(c)工程では、前記導体を接続したとき、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、前記低抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値に比べて小さくなるようにする前工程と、その後、前記導体の一部を切断して、前記導体の前記素子長手方向への電流経路長を短くし、これよって前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を上昇させる後工程があり、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値が、前記許容範囲内に収めるまで、前記後工程を繰り返すことが好ましい。これにより、端子部間の抵抗調整をより高精度且つ簡単に行うことができる。
また本発明では、前記導体を、前記素子長手方向に間隔を空けて前記高抵抗素子に接する少なくとも3つ以上の切断可能な分割経路片と、前記分割経路片間を繋ぐ切断可能な共通経路片と、を有して構成し、前記(c)工程の後工程で、前記分割経路片あるいは前記共通経路片、又は前記分割経路片及び前記共通経路片を切断することが好ましい。また、前記分割経路片間の素子長手方向への間隔幅を、夫々異なる長さで形成し、前記(c)工程の後工程で、必要な抵抗値の上昇量に応じて、前記分割経路片あるいは前記共通経路片、又は、前記分割経路片および前記共通経路片の切断箇所を決定することが、高精度に抵抗調整を行う上で好ましい。
また本発明では、前記(c)工程で、前記高抵抗素子の一部を除去して、前記高抵抗素子の素子長手方向の長さを短くするとともに、その除去された部分に、前記導体を形成し、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、除去前の状態よりも低下させることで、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、前記許容範囲内に収めてもよい。
本発明の磁気センサによれば、端子部間の抵抗調整を高精度且つ簡単に行うことができ、中点電位のずれを適切に小さくできる。さらに温度変化による前記中点電位がばらつきを小さくすることが可能である。
図1,図2は、実施形態の非接触式磁気センサを内臓した折畳み式携帯電話の部分模式図、図3は実施形態における非接触式磁気センサの部分平面図、図4は図3に示すA−A線から切断し矢印方向から見た前記非接触式磁気センサの部分断面図、図5は、本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、図6は図5とは異なる構造の本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、図7は、図5及び図6とは異なる構造の本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、図8は図7に示すB−B線から切断し矢印方向から見た前記磁気センサの部分拡大断面図、図9は、図5,図6,図7とが異なる構造の本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、図10は、図3に示す磁気センサの回路構成図、図11は、図4とは異なる形態の非接触式磁気センサの部分断面図、図12は図11に示す磁気センサに備えられた固定抵抗素子のヒステリシス特性を示すグラフ、図13は、非磁性層の膜厚と、磁気抵抗効果素子の固定層とフリー層間に作用する層間結合磁界との関係を示すグラフ、図14は、磁気抵抗効果素子の素子幅とフリー層の保磁力Hcとの関係を示すグラフ、図15は、図4及び図11に示す磁気抵抗効果素子のヒステリシス特性を示すグラフ、である。
図1に示すように折畳み式携帯電話1は、第1部材2と第2部材3とを有して構成される。前記第1部材2は画面表示側であり、前記第2部材3は操作体側である。前記第1部材2の前記第2部材3との対向面には液晶ディスプレイやレシーバ等が設けられている。前記第2部材3の前記第1部材2との対向面には、各種釦及びマイク等が設けられている。図1は折畳み式携帯電話1を閉じた状態であり、図1に示すように前記第1部材2には磁石5が内臓され、前記第2部材3には磁気センサ4が内臓されている。図1に示すように閉じた状態で、前記磁石5と磁気センサ4は互いに対向した位置(前記磁石5及び磁気センサ4の設置面に対し垂直方向にて対向)に配置されている。
図1では、前記磁石5から放出された外部磁界Hが、前記磁気センサ4に伝わり、前記磁気センサ4では前記外部磁界Hを検出し、これにより、折畳み式携帯電話1は閉じた状態にあることが検出される。
一方、図2のように折畳み式携帯電話1を開くと、前記第1部材2が前記第2部材3から離れるにつれて、徐々に前記磁気センサ4に伝わる外部磁界Hの大きさは小さくなっていき、やがて前記磁気センサ4に伝わる外部磁界Hはゼロになる。前記磁気センサ4に伝わる外部磁界Hの大きさがある所定の大きさ以下となった場合に、前記折畳み式携帯電話1が開いた状態にあることが検出され、例えば、前記携帯電話1内に内臓される制御部にて、液晶ディスプレイや操作釦の裏側にあるバックライトが光るように制御されている。
図3に示すように、前記第2部材3内に内臓される回路基板6上に本実施形態の磁気センサ4が搭載されている。前記磁気センサ4は一つの素子台7上に、磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子9が一つづつ設けられている。図3に示すように前記磁気抵抗効果素子8の長手方向の両側には端子部10,11が設けられている。前記端子部10は例えば、前記回路基板6上に設けられた入力端子(電源Vcc)12とワイヤボンディングやダイボンディング等で電気的に接続されている(図10参照)。前記端子部11は、前記固定抵抗素子9との共通端子であり、前記端子部11は、前記回路基板6上の出力端子22とワイヤボンディングやダイボンディング等により電気的に接続されている(図10参照)。
図3に示すように前記固定抵抗素子9の長手方向の両側には上記した端子部11と端子部21が設けられている。前記端子部21は前記回路基板6上のアース端子13とワイヤボンディングやダイボンディング等により電気的に接続されている(図10参照)。
前記磁気抵抗効果素子8及び前記固定抵抗素子9が同じ素子台7上に形成されることで、前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の一方の端部に共通の端子部11を設けることができ、ボンディング数を減らすことができる等により製造コストの低減を図ることができ、また磁気センサ4の小型化を促進できる。
図4に示すように、前記磁気抵抗効果素子8は、下から下地層14,シード層15、反強磁性層16、固定層17、非磁性層18、フリー層19、及び保護層20の順で積層されている。前記下地層14は、例えば、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成される。前記シード層15は、NiFeCrあるいはCr等で形成される。前記反強磁性層16は、元素α(ただしαは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料、又は、元素αと元素α′(ただし元素α′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成される。例えば前記反強磁性層16は、IrMnやPtMnで形成される。前記固定層17及びフリー層19はCoFe合金、NiFe合金、CoFeNi合金等の磁性材料で形成される。また前記非磁性層18はCu等で形成される。また前記保護層20はTa等で形成される。前記固定層17やフリー層19は積層フェリ構造(磁性層/非磁性層/磁性層の積層構造であり、非磁性層を挟んだ2つの磁性層の磁化方向が反平行である構造)であってもよい。また前記固定層17やフリー層19は材質の異なる複数の磁性層の積層構造であってもよい。
前記磁気抵抗効果素子8では、前記反強磁性層16と前記固定層17とが接して形成されているため磁場中熱処理を施すことにより前記反強磁性層16と前記固定層17との界面に交換結合磁界(Hex)が生じ、前記固定層17の磁化方向は一方向に固定される。図3では前記固定層17の磁化方向17aを矢印方向で示している。前記磁化方向17aは長手方向に対して直交する方向(素子幅方向)となっている。一方、前記フリー層19は前記固定層17と非磁性層18を介して対向しており、前記フリー層19の磁化方向は一方向に固定されていない。すなわち前記フリー層19の磁化は外部磁界の影響を受けて変動するようになっている。
図4に示すように前記固定抵抗素子9は、下から下地層14,シード層15、反強磁性層16、第1磁性層17、第2磁性層19、非磁性層18、及び保護層20の順で積層されている。なお固定抵抗素子9における第1磁性層17は磁気抵抗効果素子8における固定層17に相当し、前記固定抵抗素子9における第2磁性層19は磁気抵抗効果素子8におけるフリー層19に相当する。すなわち前記固定抵抗素子9の積層順は、前記磁気抵抗効果素子8のフリー層19と非磁性層18の順番を入れ替えたものとなっている。前記磁気抵抗効果素子8と前記固定抵抗素子9において共通する各層の材質は同じである。
図4に示す実施形態では、前記固定抵抗素子9は、前記第1磁性層17と前記第2磁性層19とが接して形成され、前記第1磁性層17と前記第2磁性層19のどちらか一方に、前記反強磁性層16が接して形成されている。図4では、反強磁性層16/第1磁性層17/第2磁性層19の順で積層されているため、磁場中熱処理を施すと前記反強磁性層16と前記第1磁性層17との界面で交換結合磁界(Hex)が生じ、前記第1磁性層17の磁化が一方向に固定されるが、このとき、前記第1磁性層17に接して形成された第2磁性層19の磁化も前記第1磁性層17との間で作用する強磁性結合により、前記第1磁性層17の磁化方向と同一方向に固定される。
このように図4の実施形態では、磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子9の構成層を同じにして積層順を変えただけのものとなっているから、前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗素子9の温度係数(TCR)のばらつきを抑制できる。
図3に示すように前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9は図示Y方向へ直線状の細長形状で形成される。図5(a)に示すように、前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の素子長さは共にL1で形成され、前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の素子幅は共にW1で形成される。図3,図5に示すように前記素子長さL1は前記素子幅W1に比べて十分に長く形成されている。なお前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9は直線状で形成されなくても例えばミアンダー形状(蛇行形状)等の曲線状で形成されてもよい。係る場合の素子長さL1は素子幅W1の中心線の長さで設定される。
ところで、磁気抵抗効果素子8と前記固定抵抗素子9とは構成層が同じであるため、共通する層の膜厚を一致させるとともに、素子長さL1及び素子幅W1を同じにすると、前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の抵抗値(無磁場状態)及び温度係数は完全に一致するが、実際には前記磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子9とを積層順が異なることにより別々に形成するため、成膜段階で、前記膜厚等にばらつきが生じ、前記磁気抵抗効果素子8の抵抗値と、前記固定抵抗素子9の抵抗値とを完全に一致させることが難しい。
そこで本実施形態では、図5に示すように前記固定抵抗素子9の側方にはCu等の前記固定抵抗素子9よりも十分に抵抗値(抵抗率)の低い導体35が接続されて端子部11,21間の抵抗値が調整されている。なお前記固定抵抗素子9は前記磁気抵抗効果素子8よりも高い抵抗値(抵抗率)で形成されている。前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の抵抗値は500Ω〜10000Ω(抵抗率は20Ω/□)であり、前記導体35の抵抗値は50mΩ〜100Ω(抵抗率は1.7μΩ・cm〜30μΩ・cm)である。前記導体35はCu以外に、Au、Ag、Cr、Ta、W、Al等で形成されてもよい。
以下では、前記固定抵抗素子9が接続された端子部11,21間の抵抗値をR1、前記磁気抵抗効果素子8が接続された端子部10,11間の抵抗値をR2として説明する。
図5(a)は導体を前記固定抵抗素子9に接続した状態(前記導体の切断前)を示し、図5(b)は、前記導体の一部を抵抗調整のために切断した状態を示す。
図5(a)に示すように、前記導体35は、素子長手方向(図示Y方向)に、幅T1の間隔を空けて前記固定抵抗素子9の側方に接続された4本の分割経路片35a〜35dと、各分割経路片35a〜35d間を繋ぐ共通経路片35eとで構成される。
図5(a)に示すように、前記導体35は、前記固定抵抗素子9の側方に接続されているため、前記導体35は前記固定抵抗素子9に並列的に接続されている。前記導体35の接続により、前記端子部11,21間を流れる電流は、前記固定抵抗素子9から抵抗値の小さい前記導体35に流れる。矢印Cは、電流ルートを示している。図5(a)に示すように電流は、前記導体35内を、最も素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長L2が長くなる経路、すなわち分割経路片35a−共通経路片35e−分割経路片35dの経路を辿って流れる。図5(a)では、前記電流経路長L2は、前記分割経路片35aの中点から前記分割経路片35dの中点までの素子長手方向(図示Y方向)への長さ寸法で示されている。
図5(a)に示すように前記導体35の接続により、前記抵抗値R1を、前記導体35が接続されていない状態に比べて低下させることができ、抵抗調整を高精度且つ簡単に行うことが出来る。また前記固定抵抗素子9を従来のようにトリミングしないから前記固定抵抗素子9に損傷を与えることはない。
図5(a)に示すように、前記導体35を前記固定抵抗素子9に接続した状態で、前記抵抗値R1が前記抵抗値R2に対して許容範囲のずれ量であった場合、特にその後の抵抗調整は不要となるが、本実施形態では、より高精度且つ簡単に抵抗調整を行うべく、図5(a)の時点で、抵抗値R1が抵抗値R2よりも小さくなるように、電流経路長L2が調整された前記導体35を接続する。図5(a)では、前記導体35に流れる素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長L2が最も長いため、前記抵抗値R1は最も低い状態となっているが、最も素子長手方向(図示Y方向)に離れた前記分割経路片35a,35d,あるいは共通経路片35eの一部を切断すると、前記導体35の素子長手方向への電流経路長がL2からL3に短くなる。図5(b)では、前記共通経路片35eの一部分35e1がレーザ等により切断されている。これにより図5(b)の状態では、前記導体35内に流れる電流経路は、分割経路片35b−共通経路片35e−分割経路片35dとなり、素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長L3が図5(a)の状態よりも短くなり、その分、前記固定抵抗素子9に流れる電流経路長が延びるため、図5(b)の状態では、図5(a)の状態に比べて抵抗値R1は上昇する。
図5(a)の状態で、前記抵抗値R1と抵抗値R2が測定され、その測定結果により、前記抵抗値R1の必要な抵抗上昇量ΔR3が設定される。そして前記抵抗上昇量ΔR3に応じて、前記導体35に対する切断箇所が決定される。例えば、図5(b)の状態で、図5(a)からの抵抗上昇量ΔR2が、前記抵抗上昇量ΔR3よりも小さく、依然、前記抵抗値R1が前記抵抗値R2に対して許容範囲外のずれ量である場合には、さらに、例えば、分割経路片35bが切断される。これにより、前記導体35に流れる電流経路は、分割経路片35c−共通経路片35e−分割経路片35dとなり、図5(b)の状態よりも前記導体35に流れる素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長はさらに短くなり、前記抵抗値R1を図5(b)の状態よりも上昇させることが出来る。そして、上記した導体35への切断は、前記抵抗値R1が前記抵抗値R2に対して許容範囲内のずれ量となった時点で終了する。
このように前記抵抗値R1の調整を行うことで、より高精度に抵抗調整を行うことが可能である。
図5では、各分割経路片35a〜35d間の間隔幅は全てT1で統一されていたが、図6に示すように、各分割経路片35a〜35d間の間隔を異なる値にすることも可能である。
図6に示すように、分割経路片35aと分割経路片35b間の間隔幅はT2で形成され、前記分割経路片35bと分割経路片35c間の間隔幅はT3で形成され、前記分割経路片35cと分割経路片35d間の間隔幅はT4で形成され、間隔幅T2<間隔幅T3<間隔幅T4となっている。図5(a)に示す導体35は、分割経路片35a〜35dが等間隔で形成されているので抵抗値の上昇量は、電流経路長が変化しない部分を除いて前記導体35のどの部分を切断してもほぼ一定である。すなわち例えば図5(a)の状態から、分割経路片35aを切断しても、分割経路片35dを切断しても、図5(b)のように、共通経路片35eの一部を切断しても、電流経路長はL2からL3となるから、抵抗値の上昇量はほぼ一定である。
一方、図6では、前記分割経路片35a〜35dが等間隔で形成されていないために、前記導体35の切断箇所によって抵抗値の上昇量を異ならせることが出来る。例えば図6に示す分割経路片35aを切断すると、素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長は、T2だけ短くなり、一方、分割経路片35dを切断すれば、素子長手方向への電流経路長はT4だけ短くなる。また、前記分割経路片35bと分割経路片35c間の共通経路片35dを切断すれば、素子長手方向への電流経路長は、T3だけ短くなる。したがって切断箇所によって、素子長手方向への電流経路長は異なる値となり、したがって、抵抗値の上昇量が変化するので、必要な抵抗上昇量ΔR3に応じて、切断箇所を決定することで、より高精度且つ簡単に抵抗調整を行うことが可能である。
図7,図8では、抵抗値が高く形成されたほうの固定抵抗素子9の一部がイオンミリング等のトリミングによって除去され、その除去された部分に、前記固定抵抗素子9よりも抵抗値が低いCu等の導体36が埋め込み形成されている。前記導体36は、直列に前記固定抵抗素子9に接続される。
図7に示すように、前記磁気抵抗効果素子8の素子長手方向(図示Y方向)への長さ寸法はL1で形成される。最初、前記固定抵抗素子9も、前記磁気抵抗効果素子8と同様に前記素子長手方向への長さ寸法がL1で形成されたが、前記固定抵抗素子9の抵抗値が前記磁気抵抗効果素子8の抵抗値よりも大きいことで抵抗値R1が抵抗値R2よりも大きくなった。そのために図7に示す実施形態では、前記固定抵抗素子9の一部が除去されて素子長手方向(図示Y方向)への長さ寸法がL4に短くされ、除去された部分には素子長手方向への長さ寸法がL5で形成され、抵抗値が前記固定抵抗素子9に比べて十分に小さい導体36が埋め込まれている。これによって前記抵抗値R1を低下させることができ、これにより抵抗調整を高精度且つ簡単に行うことが出来る。前記導体36が前記固定抵抗素子9に接続されることで、抵抗値R1は、前記固定抵抗素子9の抵抗値と前記導体36の抵抗値とを足した値となるが、前記導体36は前記固定抵抗素子9に対して非常に抵抗が小さく、前記抵抗値R1はほぼ前記固定抵抗素子9の抵抗値で決定されることになる。
前記導体36は、例えば前記固定抵抗素子9のうち除去しない上面9aにリフトオフ用レジスト層を設け、前記リフトオフ用レジスト層に覆われていない前記固定抵抗素子9を除去し、除去された箇所に前記導体36を例えばスパッタ法等によって埋め込み形成した後、前記リフトオフ用レジスト層を除去することで形成される。
図8に示すように、前記導体36の上面36aは、前記固定抵抗素子9の上面9aよりも上方に盛り上がっているが、特にこのような形状に限定されるわけではない。
図5ないし図8に示すいずれの実施形態でも、前記導体35,36は、固定抵抗素子9側に接続されていたが、前記磁気抵抗効果素子8側に接続されてもよい。
図9に示すように、前記磁気抵抗効果素子8の側方には図5(b)で説明した導体35が接続されれている。図9の実施形態では、前記磁気抵抗効果素子8のほうが前記固定抵抗素子9よりも高い抵抗値で形成されているため、前記抵抗値R2を下げるために前記磁気抵抗効果素子8に比べて抵抗値の低い前記導体35を前記磁気抵抗効果素子8に接続して前記抵抗値R2の調整を行っている。
また、前記磁気抵抗効果素子8を図7,図8と同様に一部切断し、その切断された部分に前記磁気抵抗効果素子8よりも抵抗値(抵抗率)の小さい前記導体36を埋め込む構成であってもよいが、係る場合、前記磁気抵抗効果素子8に対するトリミングにより前記磁気抵抗効果素子8の特性変動が懸念される。しかし後述するように、前記磁気抵抗効果素子8の一部を除去しても、フリー層19の保磁力Hcや層間結合磁界Hinは変動せず、したがって前記磁気抵抗効果素子8のヒステリシス特性は変動しないことがわかっている。
また例えば図5(a)に示す前記導体35を前記磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の双方に夫々接続させておき、その状態で双方の端子部間の抵抗値を測定し、測定結果によって前記磁気抵抗効果素子8あるいは前記固定抵抗素子9に接続された導体35の一部を切断して、抵抗値を調整する形態であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、抵抗値R1あるいは抵抗値R2を高精度且つ容易に抵抗調整できる。図3,図10に示す入力端子(電源Vcc)から例えば5Vが印加されると、無磁場状態では、磁気センサ4からの出力値(中点電位)が2.5Vであることが理想であるが、本実施形態では、2.5Vからの前記中点電位のずれ量をより小さくすることができ、あるいは最も好ましくは前記中点電位のずれ量をゼロにすることが出来る。
しかも本実施形態では、図4に示すように磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子9の構成層は同じであるから前記磁気抵抗効果素子8及び前記固定抵抗素子9の温度係数(TCR)のばらつきを小さくでき、温度変化に対する前記中点電位のばらつきを適切に小さくできる。
また本実施形態では、磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子9の構成層は同じであるから、そもそも前記磁気抵抗効果素子8の抵抗値と、前記固定抵抗素子9の抵抗値とはそれほど大きく異なっておらず、いわば最終的な微調整を行うものであるから、大きく抵抗値が異なる状態から抵抗値を合わせ込むより、抵抗調整にかかる時間を短縮できる等、抵抗調整を容易に行うことが可能である。
本実施形態では、前記固定抵抗素子9の構造は図4のものに限定されない。
図11に示す磁気センサ51では、素子台7上に2つの磁気抵抗効果素子8,50が形成されている。なお、一方の磁気抵抗効果素子50の層間結合磁界Hinは他方の磁気抵抗効果素子8の前記層間結合磁界Hinよりも大きくなっている。構成層及び積層順は磁気抵抗効果素子8,50の双方において同じであるが、前記磁気抵抗効果素子50の非磁性層18の膜厚は、前記磁気抵抗効果素子8の非磁性層18の膜厚よりも薄くされている。
ここで図13の実験結果について説明する。実験で使用した磁気抵抗効果素子の膜構成は、下から、シード層:NiFeCr/反強磁性層:IrMn/固定層:[Fe30at%Co70at%/Ru/CoFe]/非磁性層:Cu/フリー層:[CoFe/NiFe]/保護層:Taであった。なおフリー層のCoFeを10ÅでNiFeを30Åで形成した。また磁気抵抗効果素子を成膜した後、磁場中根処理を施し、前記固定層の磁化方向を一方向に固定した。
実験では、Cuで形成された非磁性層18の膜厚と、固定層17とフリー層19間に作用する層間結合磁界Hinとの関係について調べた。その実験結果が図13である。
図13に示すように、前記非磁性層18の膜厚を変化させると、前記層間結合磁界Hinは変化する。
図11に示す実施形態では、前記磁気抵抗効果素子50の前記非磁性層18の膜厚は、前記磁気抵抗効果素子8の非磁性層18の膜厚よりも薄くされている。図13に示すように、前記非磁性層18の膜厚を薄くすることで、前記層間結合磁界Hinは大きくなるため、前記磁気抵抗効果素子50の層間結合磁界Hinは前記磁気抵抗効果素子8の層間結合磁界Hinよりも大きくなり、この結果、前記磁気抵抗効果素子50のヒステリシスループRHは、図12に示すように片側に大きくシフトしている。そして図12に示す外部磁界Hの範囲Bであれば、外部磁界Hの変動があっても前記磁気抵抗効果素子50は磁気抵抗効果を発揮せず抵抗値が変化しないため固定抵抗として機能する。なお前記磁気抵抗効果素子8は当然、外部磁界Hの範囲B内で磁気抵抗効果が発揮され、抵抗値が変動する可変抵抗として機能している。
図11に示す実施形態では、前記磁気抵抗効果素子8,50の非磁性層18の膜厚を積極的に異ならせるため、前記磁気抵抗効果素子8と前記磁気抵抗効果素子50の温度係数(TCR)のばらつきが図4の形態に比べてやや大きくなりやすいものの、前記磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子とを異なる材質で形成していた従来に比べて前記温度係数(TCR)のばらつきを小さくでき、よって中点電位のばらつきを小さくできる。
また、図7,図8のように、磁気抵抗効果素子8,50の一部を除去し、前記磁気抵抗効果素子8,50の素子長さが短くなっても、前記磁気抵抗効果素子8,50を構成するフリー層19の保磁力Hcは変動しない。なお、磁気センサ4においては、わずかな外部磁界Hの変動によってチャタリング等の誤作動が生じないように前記保磁力Hcはある程度の大きさを有することが必要である。図14は、磁気抵抗効果素子8の素子幅と保磁力Hcとの関係を示す実験結果である。実験に使用した磁気抵抗効果素子8の膜構成は図13の実験で使用したものと同じである。実験では、前記磁気抵抗効果素子8の素子長さL1(図5(a)を参照)を50〜250μmの範囲内で変化させたときの素子幅W1(図5(a)を参照)と前記フリー層19の保磁力Hcとの関係について調べた。
図14に示すように、保磁力Hcは素子長さL1にほとんど依存せず、素子幅W1に依存することがわかった。
したがって前記磁気抵抗効果素子8,50を、図7,図8に示すように一部除去して素子長さを短くしても、前記磁気抵抗効果素子8,50の保磁力Hcを一定に保つことが出来る。
なお保磁力Hcは前記層間結合磁界Hinとともにヒステリシス特性を決定する要因となっている。図15は、折畳み式携帯電話1の開閉検知に使用される磁気センサ4に搭載される磁気抵抗効果素子8のヒステリシス特性である。
図15の横軸は外部磁界Hの大きさであり、縦軸は、前記磁気抵抗効果素子8の抵抗変化率(ΔR/R)の大きさである。ヒステリシスループHRとは曲線HR1と曲線HR2で囲まれた部分のことを指す。前記層間結合磁界Hinは外部磁界H=0(Oe)のラインからヒステリシスループHRの中点までの磁界の強さで示される。前記抵抗変化率(ΔR/R)の最大値及び最小値の中間値での前記ヒステリシスループHRの幅方向への広がり幅が2×保磁力Hc(グラフ上では2Hcと示されている)で示され、その広がり幅の中心値が、前記ヒステリシスの「中点」である。また負の値の外部磁界Hは、前記外部磁界Hの一方向を正の値の磁界としたとき、その逆方向の磁界を示している。図15に示すヒステリシス特性は、前記層間結合磁界Hinが前記保磁力Hcよりも大きくなっているため、前記ヒステリシスループHRは、前記外部磁界H=0Oeのライン上を跨がず、図15では外部磁界H=0Oeのラインの左側に前記ヒステリシスループHRがシフトしている。
図1,図2に示す折畳み式携帯電話1の開閉検知では、磁石5からの外部磁界Hの強弱を前記磁気センサ4にて検出する。よって図15に示すように、前記外部磁界Hの正の領域、あるいは負の領域のどちらか一方の領域にヒステリシスループHRがシフトする特性の磁気抵抗効果素子8であれば、有効に、前記外部磁界Hの強弱を検出できる。
切替信号の出力原理について説明する。例えば6%の抵抗変化率(ΔR/R)を閾値と設定する。6%の抵抗変化率(ΔR/R)が得られたときの電圧が求められ、その電圧が閾値電圧として制御部30内に記憶されている。
前記磁気センサ4に外部磁界Hが侵入し、その値(絶対値)が大きくなると、図15に示すヒステリシスループHRに沿って前記磁気抵抗効果素子8の抵抗変化率(ΔR/R)は徐々に大きくなる。このとき前記制御部30では、例えば一定時間毎に前記磁気センサ4から出力される電圧値と前記閾値電圧とを比較しており、前記磁気抵抗効果素子8の抵抗変化率(ΔR/R)が6%を超え、例えば、前記磁気センサ4から出力される電圧値が前記閾値電圧よりも小さくなったと前記制御部30が判断したとき、前記折畳み式携帯電話1が閉じられたとして、スイッチオフとする切替信号を出力する(なおスイッチオフの場合は通常、何の信号も出力しない)。一方、前記磁気センサ4に侵入する外部磁界Hの大きさ(絶対値)が徐々に小さくなっていき、例えば前記磁気抵抗効果素子8の抵抗変化率(ΔR/R)が6%を下回り、前記磁気センサ4からの出力値が前記閾値電圧よりも大きくなったと前記制御部30が判断したとき、前記折畳み式携帯電話1が開いたとして、スイッチオンとする切替信号を出力する。このように、前記制御部30は前記外部磁界Hの強度変化によって変化する出力値と、予め設定された閾値とを比較する比較部を有し、その比較結果に基づいて切替信号を出力する機能が備えられている。
図15に示すように、抵抗変化率(ΔR/R)が6%となるのは外部磁界Hが−60Oe(約−4740A/m)程度の時と−40Oe(約−3160A/m)程度の時である。すなわち10Oe程度の保磁力Hcを有しており、図15に示すように、ヒステリシスループHRの曲線HR1と曲線HR2は横軸方向に開いている。よって、わずかな外部磁界Hの変動によって前記切替信号のばたつきは生じにくく、上記したように、チャタリングの発生等の誤作動を適切に防止できる。
なお外部磁界Hの極性変化を検出する磁気センサ4である場合、その磁気センサ4に搭載される磁気抵抗効果素子8は、保磁力Hcが前記層間結合磁界Hinよりも大きいヒステリシス特性を有することが好ましい。
次に、本実施形態における磁気センサ4の製造方法について説明する。
図16に示す工程では、基板60上に、下から下地層14,シード層15、反強磁性層16,固定層17,非磁性層18,フリー層19及び保護層20の順に積層した磁気抵抗効果素子8を形成した後、前記磁気抵抗効果素子8をトリミングする。このとき前記磁気抵抗効果素子8の平面形状は図16に示す磁気抵抗効果素子8よりも大きい。次に、前記磁気抵抗効果素子8上をレジスト層(図示しない)で保護した状態で、前記レジスト層で保護されていない前記基板60上に、下から下地層14,シード層15、反強磁性層16,第1磁性層17,第2磁性層19、非磁性層18、及び保護層20の順に積層した固定抵抗素子9を形成する。そしてレジスト層を除去した後、図16に示すように素子長さがL1、素子幅がW1となるように、磁気抵抗効果素子8及び固定抵抗素子9の双方を同時にトリミングする。
なお前記基板60上には、前記磁気抵抗効果素子8及び前記固定抵抗素子9を組として、前記組を複数形成する。
図17に示す工程では、前記磁気抵抗効果素子8の一方の端部と接触する位置に端子部10を形成し、前記固定抵抗素子9の一方の端部と接触する位置に端子部21を形成し、前記磁気抵抗効果素子8及び前記固定抵抗素子9の他方の端部と接触する位置に共通端子部11を形成する。
次に図18に示す工程では、まず、端子部10,11間の抵抗値R2、及び端子部11,21間の抵抗値R1を夫々測定する。上記したように前記磁気抵抗効果素子8と固定抵抗素子9は別々の工程により形成されるため、前記磁気抵抗効果素子8と前記固定抵抗素子9の抵抗値を一致させることは難しい。したがって前記抵抗値R1と前記抵抗値R2に差が生じやすい。
抵抗値R1>抵抗値R2となっている場合、前記抵抗値R1を下げるために、前記固定抵抗素子9の側方に、前記固定抵抗素子9よりも抵抗値が小さい導体35を接続する。前記導体35は前記固定抵抗素子9に比べて十分に抵抗値が低いCu等で形成される。図18に示すように前記導体35を、前記固定抵抗素子9の側方にスパッタ法やメッキ法等で形成する。
前記導体35を、前記固定抵抗素子9の素子長手方向(図示Y方向)に間隔を空けて前記固定抵抗素子9に接続される4つの分割経路片35a〜35dと、各分割経路片35a〜35d間を繋ぐ共通経路片35eとで形成する。前記導体35を前記固定抵抗素子9の側方に接続することで、図5(a)で説明したように、並列接続された固定抵抗素子9と導体35のうち、電流は抵抗の小さい前記導体35の内部を流れるため、前記抵抗値R1は、前記導体35を形成する前に比べて低下する。図18のように前記導体35を接続した時点で、抵抗値R1が抵抗値R2に対して許容範囲内のずれ量であれば、図18の状態で抵抗調整を終了する。一方、抵抗値R1が前記抵抗値R2を下回るとともに、許容範囲外のずれ量である場合は図19工程に移行する。
なお本実施形態では、図18の導体35の接続時点で、抵抗値R1を抵抗値R2に対して許容範囲内のずれ量に収めようとするよりも、前記導体35の接続により、抵抗値R1が前記抵抗値R2よりも小さくなるようにし、次に図19に示す工程を行うほうが、より高精度且つ簡単に抵抗調整を行うことができて好ましい。
図19工程では、必要な抵抗値の上昇量に応じて、前記導体35の一部を切断し、前記導体35の素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長を短くしている。図18では、前記導体35の素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長がL2であったが、図19では、前記共通経路片35eの一部分35e1をレーザ等により切断することで、前記導体35の素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長がL3に短くなり、その結果、前記抵抗値R1は図18の状態から上昇する。前記前記共通経路片35eの一部分35e1を切断することで、抵抗値R1が抵抗値R2に対して許容範囲内のずれ量に収まったら、抵抗値の調整を終了する。まだ、許容範囲外である場合には、さらに前記導体35の一部を切断して、前記導体35の素子長手方向(図示Y方向)への電流経路長を短くし、前記抵抗値R1を上昇させる。
なお図18では前記分割経路片35a〜35dは4本であるが、前記分割経路片をもっと多くすることで、高精度に抵抗値の調整を行うことが出来る。
抵抗値の調整が終了した後、前記基板60を各組毎に切断する。あるいは前記抵抗値の調整は、基板60から各組毎に切断した後に行ってもよい。
また、図7及び図8に示す実施形態の磁気センサの製造方法は、図17工程後、抵抗値R1が抵抗値R2よりも大きい場合には、必要な前記抵抗値R1の低下量を考慮しながら前記固定抵抗素子9の一部を必要な大きさだけミリング等で除去し、その除去された箇所に、Cu等の十分に抵抗値が低い導体36をスパッタ法やメッキ法等で埋め込み形成する。
上記した素子に対するミリングは、ミリングされるのが磁気抵抗効果素子8であると、前記磁気抵抗効果素子8をミリングした際、ミリング面が劣化する可能性があるため、前記固定抵抗素子9をミリングするように、図16の素子形成段階で、例えば前記固定抵抗素子9の素子長さを前記磁気抵抗効果素子8の素子長さよりもやや長くなるように形成する等して、前記固定抵抗素子9の抵抗値が前記磁気抵抗効果素子8の抵抗値よりも大きくなるようにしておくことが好ましい。
また仮に前記磁気抵抗効果素子8をミリングする場合、あるいは素子台7上に載せられる固定抵抗素子が、図11に示すような磁気抵抗効果素子50の構成である場合は、磁気抵抗効果素子8あるいは磁気抵抗効果素子50のどちらか一方をミリングしないといけないが、前記ミリングによって素子長さを短くしても保磁力Hcや層間結合磁界Hinの変動を抑制でき、ヒステリシス特性に変動を与えることはない。
なお上記した実施形態では、磁気センサ4,61として磁石5,M1,M2を構成に含めていないが、前記磁石5,M1,M2を含めて磁気センサ4,61と定義してもよい。
また上記した実施形態の前記磁気センサ4,61は素子台7上に磁気抵抗効果素子8と固定抵抗とが一つづつ設けられた構成であったが、1つの磁気抵抗効果素子8と1つの固定抵抗とからなるブリッジ回路が、2つ設けられた構成(すなわち2つの磁気抵抗効果素子と2つの固定抵抗)にしてもよいし、また磁気抵抗効果素子8が一つだけ設けられた構成であってもよい。
また、本実施形態の磁気センサ4は折畳み式携帯電話1の開閉検知に用いられているが、ゲーム機の開閉検知等に使用されてもよい。また本実施経形態における磁気センサ4,61は、スロットルポジションセンサのように回転角度を検知するセンサ、エンコーダ、地磁気センサ(方位センサ)等としても使用可能である。
また磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を与えるか否かは任意である。前記磁気抵抗効果素子を構成するフリー磁性層にバイアス磁界を供給しなくてもよい。
また磁気抵抗効果素子はGMR素子以外にAMR素子、TMR素子であってもよい。
本実施形態の磁気センサを内臓した折畳み式携帯電話の部分模式図(閉じた状態)、 本実施形態の磁気センサを内臓した折畳み式携帯電話の部分模式図(開いた状態)、 本実施形態における磁気センサの部分平面図、 図3に示すA−A線から切断し矢印方向から見た前記磁気センサの部分断面図、 本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図であり、(a)は、導体を切断する前の状態、(b)は導体を切断した後の状態、 図5とは異なる構造の本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、 図5及び図6とは異なる構造の本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、 図7に示すB−B線から切断し矢印方向から見た前記磁気センサの部分拡大断面図、 図5,図6,図7とが異なる構造の本実施形態における磁気センサの部分拡大平面図、 図3に示す磁気センサの回路構成図、 図4とは異なる形態の非接触式磁気センサの部分断面図、 図11に示す磁気センサに備えられた固定抵抗素子のヒステリシス特性を示すグラフ、 非磁性層の膜厚と、磁気抵抗効果素子の固定層とフリー層間に作用する層間結合磁界との関係を示すグラフ、 磁気抵抗効果素子の素子幅とフリー層の保磁力Hcとの関係を示すグラフ、 図4及び図11に示す磁気抵抗効果素子のヒステリシス特性を示すグラフ、 本実施形態の磁気センサの製造方法を示す一工程図(部分平面図)、 図16工程の次に行われる一工程図(部分平面図)、 図17工程の次に行われる一工程図(部分平面図)、 図18工程の次に行われる一工程図(部分平面図)、
符号の説明
1 折畳み式携帯電話
2 第1部材
3 第2部材
4 磁気センサ
5 磁石
6 回路基板
7 素子台
8、50 磁気抵抗効果素子
9 固定抵抗
10、11、21 端子部
35、36 導体
35a、35b、35c、35d 分割経路片
35e 共通経路片

Claims (13)

  1. 素子台上に少なくとも夫々一つずつ設けられた磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子と、前記磁気抵抗効果素子の素子長手方向の両側、及び、前記固定抵抗素子の素子長手方向の両側に設けられた端子部と、を有し、
    前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち少なくとも一方の素子には導体が接続され前記端子部間の抵抗値が調整されていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち素子抵抗値が高く形成されたほうの高抵抗素子の側方には前記導体が接続され、前記導体は、切断によって素子長手方向への電流経路長を短くできる形状で形成されている請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記導体は、前記素子長手方向に間隔を空けて前記高抵抗素子に接する少なくとも3つ以上の切断可能な分割経路片と、前記分割経路片間を繋ぐ切断可能な共通経路片と、を有して構成される請求項2記載の磁気センサ。
  4. 前記分割経路片間の素子長手方向への間隔幅は、夫々異なっている請求項3記載の磁気センサ。
  5. 前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち素子抵抗値が高く形成されたほうの高抵抗素子の一部は除去されて素子長手方向への長さ寸法が短くされ、その除去された部分に前記導体が設けられている請求項1記載の磁気センサ。
  6. 前記磁気抵抗効果素子及び前記固定抵抗素子は、共に、構成層として、反強磁性層と複数の磁性層と非磁性層と、最上層の保護層とを有し、
    前記磁気抵抗効果素子では、少なくとも一つの前記磁性層を有し磁化方向が固定される固定層と、残りの前記磁性層を有し外部磁界により磁化方向が変動するフリー層が設けられ、前記固定層と前記フリー層との間に前記非磁性層が介在するとともに、前記固定層の前記非磁性層が形成された面と反対面に前記反強磁性層が接して形成されており、
    前記固定抵抗では、少なくとも一つの前記磁性層が前記反強磁性層に接して形成されるとともに全ての前記磁性層の磁化方向が固定されている請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気センサ。
  7. 前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子は、共に、反強磁性層と、前記反強磁性層に接して形成され磁化方向が固定される固定層と、前記固定層に非磁性層を介して対向し外部磁界を受けて磁化方向が変動するフリー層とを有し、
    前記固定抵抗素子での前記フリー層と前記固定層間に作用する層間結合磁界Hinは、前記磁気抵抗効果素子での前記フリー層と前記固定層間に作用する層間結合磁界Hinよりも大きくされている請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気センサ。
  8. 以下の工程を有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
    (a) 基板上に、磁気抵抗効果素子及び固定抵抗を少なくとも夫々一つずつ組として、前記組を複数形成する工程、
    (b) 前記磁気抵抗効果素子の素子長手方向の両側、及び前記固定抵抗素子の素子長手方向の両側に端子部を形成する工程、
    (c) 前記磁気抵抗効果素子あるいは前記固定抵抗素子のうち、抵抗値が高く形成されたほうの高抵抗素子に導体を接続して、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、低抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値に対して許容範囲内に収める工程、
    (d) 前記(b)工程と前記(c)工程の間、あるいは前記(c)工程後に、前記基板を各組毎に切断する工程。
  9. 前記(c)工程で、前記高抵抗素子の側方に、切断によって素子長手方向への電流経路長を短くすることが可能な形状の前記導体を接続する請求項8記載の磁気センサの製造方法。
  10. 前記(c)工程では、前記導体を接続したとき、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、前記低抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値に比べて小さくなるようにする前工程と、その後、前記導体の一部を切断して、前記導体の前記素子長手方向への電流経路長を短くし、これよって前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を上昇させる後工程があり、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値が、前記許容範囲内に収めるまで、前記後工程を繰り返す請求項9記載の磁気センサの製造方法。
  11. 前記導体を、前記素子長手方向に間隔を空けて前記高抵抗素子に接する少なくとも3つ以上の切断可能な分割経路片と、前記分割経路片間を繋ぐ切断可能な共通経路片と、を有して構成し、前記(c)工程の後工程で、前記分割経路片あるいは前記共通経路片、又は前記分割経路片及び前記共通経路片を切断する請求項10記載の磁気センサの製造方法。
  12. 前記分割経路片間の素子長手方向への間隔幅を、夫々異なる長さで形成し、前記(c)工程の後工程で、必要な抵抗値の上昇量に応じて、前記分割経路片あるいは前記共通経路片、又は、前記分割経路片および前記共通経路片の切断箇所を決定する請求項11記載の磁気センサの製造方法。
  13. 前記(c)工程で、前記高抵抗素子の一部を除去して、前記高抵抗素子の素子長手方向の長さを短くするとともに、その除去された部分に、前記導体を形成し、前記高抵抗素子が接続された端子部間の抵抗値を、除去前の状態よりも低下させる請求項8記載の磁気センサの製造方法。
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