JPWO2008084691A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、全濃度画像域において、粒状性、画像均一性及び画像故障耐性に優れた画像を形成することができるライン方式のインクジェット記録装置を提供する。このインクジェット記録装置は、記録媒体に1パスで画像記録するライン方式で、高濃度画像形成用のインクジェット記録ヘッドAと、低濃度画像形成用のインクジェット記録ヘッドBを有し、インクジェット記録ヘッドAより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクAとし、インクジェット記録ヘッドBより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクBとしたとき、該インクAの25℃における表面張力AST(mN/m)と、該インクBの25℃における表面張力BST(mN/m)がAST<BSTで、かつ、インクAの顔料濃度Ad(質量%)と、該インクBの顔料濃度Bd(質量%)が0.5≦Bd/Ad≦1.0であることを特徴とする。

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インクを用いるインクジェット記録装置に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルタ等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インクジェットインク(以下、単にインクともいう)、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録材料が制限されること、記録材料のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後の活性エネルギー線(例えば、紫外線)により架橋させる活性エネルギー線硬化型インクジェット方式などである。
中でも、活性エネルギー線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性で、インク吸収性の無い記録材料へ画像記録が出来る点で、近年注目されつつあり、例えば、特公平5−54667号公報、特開平6−200204号公報、特表2000−504778号公報等において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
活性エネルギー線硬化型インクの出力に用いるインクジェット記録装置は、主には、活性エネルギー線硬化型インクを貯留・供給するためのインクタンク(インクカートリッジともいう)、インクを微小なインク液滴として記録媒体上に画像情報に従って吐出するインクジェット記録ヘッド、記録媒体に着弾した活性エネルギー線硬化性のインク液滴により形成された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させるための活性エネルギー線照射光源から構成され、その他に、インクタンクからインクジェット記録ヘッドへインクを送液するためのインク供給路、フィルター、記録媒体の搬送機構、画像情報に従ってインクの出力を制御する制御部等より構成されている。
インクジェット記録装置の印字方式としては、主走査方向に往復動するキャリッジを備え、このキャリッジに各色対応の副走査方向に複数のノズルが配置されたインクジェット記録ヘッドと、例えば、その両端に活性エネルギー線照射光源が設けられているシリアル方式と、印字する記録媒体の幅手全巾に、複数のノズルが主走査方向に配置されたインクジェット記録ヘッドと、副走査方向位置に活性エネルギー線照射光源が、固定配置されているライン方式とがある。
一方、インク吸収性を備えていない非吸収性記録媒体、例えば、プラスチックフィルム等に活性エネルギー線硬化型インクを用いて画像形成を行う場合、記録媒体の非インク吸収性に起因して、着弾したインク液滴が横方向へ濡れ広がる挙動の違いにより、形成する画質に大きな影響与えることとなる。例えば、活性エネルギー線硬化型インクが、印字した記録媒体上で十分に濡れ広がる特性を備えている場合、高濃度画像部(シャドー部ともいう)では、記録媒体上に着弾したインク液滴同士が均一につながり、それぞれのインク液滴がオーバーラップすることになり、その結果、印字スジやドット抜け(白抜け)の発生確率が低下し、筋状故障の発生がない均一濃度の画像を形成することができる。これに対し、インクの記録媒体への濡れ広がりが十分でない場合には、記録媒体上に着弾したインク液滴が、着弾位置の微小な位置関係の違いに応じて、インク液滴同士が合一したり、離間した状態で存在したりするため、筋の発生や濃度ムラを引き起こすことになる。
上記の様な画像故障は、インクジェット記録ヘッドのノズル位置が常に一定の位置に配置されているライン方式のインクジェット記録装置を用いて、1回のみの印字で画像形成を行う1パス方式において、特に顕著に発生する。
上記の課題に対し、記録媒体と活性エネルギー線硬化インクとの表面張力差を0〜20mN/mの範囲に規定することにより、形成した画像の滲み耐性、濃度均一性、画像平滑性を向上したインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、記録媒体上に着弾した時のインクの表面張力値に対し、活性エネルギー線を照射した後のインクの表面張力値を高くなるようにすることにより、形成した画像の滲み耐性、濃度均一性、画像平滑性を向上したインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−243761号公報 特開2004−244624号公報
上記特許文献1、2に記載のように、インクの表面張力値を記録媒体の表面張力値より低く設定すること、あるいは着弾直後のインクの表面張力値を低くすることにより、確かに、記録媒体上でのインクの接触角は小さくなり、濡れ広がり易くなり、上述のように高濃度画像域での画像均一性や筋故障耐性は向上する。一方では、この様な表面張力特性をインクに付与することにより、記録媒体上でのインク液滴のドット径は広がる方向になるため、インク液滴の着弾数が少ない低濃度画像域(ハイライト部)では各ドットが独立して存在することになり、このドット径の広がりに伴い、粒状性の劣化を招く結果となる。
この様に、低濃度域での粒状性の改良と、高濃度域での画像均一性及び画像ムラの改良は、低表面張力値を有する単一のインクを用いて画像形成を行うには、二律背反の関係にあり、両者の特性を同時に満たす方法の開発が切望されている。
従って、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、全濃度画像域において、粒状性、画像均一性及び画像故障耐性に優れた画像を形成することができるライン方式のインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化型インクを記録媒体上に吐出した後、活性エネルギー線を照射して該活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて画像形成するインクジェット記録装置において、
該記録媒体を搬送し、1パスで画像記録するライン方式で、
高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとを有し、
該インクジェット記録ヘッドAと該インクジェット記録ヘッドBで画像形成を行った後に、活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて画像形成を行う方式であって、
該インクジェット記録ヘッドAより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクAとし、該インクジェット記録ヘッドBより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクBとしたとき、該インクAの25℃における表面張力AST(mN/m)と、該インクBの25℃における表面張力BST(mN/m)が、下式(1)で規定する条件を満たし、
かつ、該インクAの顔料濃度をAd(質量%)とし、該インクBの顔料濃度をBd(質量%)としたとき、下式(2)で規定する条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
式(1)
ST<BST
式(2)
0.5≦Bd/Ad≦1.0
2.前記高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAは、前記低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBに対し、記録媒体の搬送方向に対し上流側に位置することを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録装置。
3.前記高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、前記低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとのインク吐出量をそれぞれ制御して、中間濃度画像を形成することを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録装置。
4.前記高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと前記低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとは、それぞれのインク吐出量を可変できることを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
本発明により、全濃度画像域において、粒状性、画像均一性及び画像故障耐性に優れた画像を形成することができるライン方式のインクジェット記録装置を提供することができた。
本発明の2つのインクジェット記録ヘッドを有するライン方式のインクジェット記録装置における印字部の一例を示す斜視図である。 本発明の2つのインクジェット記録ヘッドを有するライン方式のインクジェット記録装置における印字部の一例を示す側面図である。 本発明に適用可能なライン方式のインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。 4色のインクを吐出する複数のインクジェット記録ヘッドユニットを備えたライン方式のインクジェット記録装置の一例を示す側面図である。 4色のインクを吐出する複数のインクジェット記録ヘッドユニットを備えたライン方式のインクジェット記録装置の一例を示す上面図である。 形成画像濃度域における各インクの吐出量の関係を示すグラフである。 図6を用いて説明した各画像濃度領域における各インクの印字パターンの一例を示す模式図である。 1色当たり2つのライン方式のインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 プラテン
3a、3b 搬送ローラ
A、B、20 インクジェット記録ヘッド
21 吐出口
22 ベース基板
23 蓋基板
24 フレキシブルケーブル
60 制御手段
61 インターフェース
62 ROM
63 RAM
70 搬送ローラ機構
L 紫外線光源
P 記録媒体
UV 紫外線照射部材
X 記録媒体Pの搬送方向
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化型インクを記録媒体上に吐出した後、活性エネルギー線を照射して該活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて画像形成するインクジェット記録装置において、
インクジェット記録装置は、
1)該記録媒体を搬送し、1パスで画像記録するライン方式であり、
2)高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとを有し、
3)該インクジェット記録ヘッドAと該ンクジェット記録ヘッドBで画像形成を行った後に、活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて画像形成を行う方式であって、
また、それに適用する活性エネルギー線硬化型インクの特性として
4)該インクジェット記録ヘッドAより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクAとし、該インクジェット記録ヘッドBより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクBとしたとき、該インクAの25℃における表面張力AST(mN/m)と、該インクBの25℃における表面張力BST(mN/m)が、AST<BSTの条件を満たし、
5)かつ、該インクAの顔料濃度をAd(質量%)とし、該インクBの顔料濃度をBd(質量%)としたとき、0.5≦Bd/Ad≦1.0の条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置により、全濃度画像域において、粒状性、画像均一性及び画像故障耐性に優れた画像を形成することができるライン方式のインクジェット記録装置を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《インクジェット記録装置》
はじめに、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとを有し、インクジェット記録ヘッドAとインクジェット記録ヘッドBで画像形成を行った後に、活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて、1パス、ライン方式で画像形成する方式であることを特徴の1つとする。
図1は、本発明の2種のインクジェット記録ヘッドを有するライン方式のインクジェット記録装置における印字部の一例を示す斜視図であり、図2は、本発明の2種のインクジェット記録ヘッドを有するライン方式のインクジェット記録装置における印字部の一例を示す側面図である。
図1、図2において、インクジェット記録装置1は、記録媒体Pの非記録面(記録面の反対の面)を支持する平板状のプラテン2を有しており、プラテン2の前後には搬送ローラ3a及び3bがそれぞれ配設されている。各搬送ローラ3a、3bはプラテン2の前後で軸心回りの所定方向にそれぞれ回転するようになっており、各搬送ローラ3a、3bの回転に伴い記録媒体Pは搬送方向Xに沿って搬送されるようになっている。
図1、2に示す様に、プラテン2の上方には、高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとが、記録媒体Pの搬送方向Xの上流側から下流側にかけて配設されている。ライン方式の各インクジェット記録ヘッドA、Bは、記録媒体Pの略全幅にわたって搬送方向Aと直交する方向に延在する記録ヘッドであって、記録媒体Pの略全幅にわたって複数のノズルが直交方向に沿って配列され、各ノズルからインクを微小な液滴として吐出することができるようになっている。
本発明においては、インクジェット記録ヘッドA及びインクジェット記録ヘッドBより活性エネルギー線硬化型インクをそれぞれ出射するが、インクジェット記録ヘッドAからは相対的に表面張力の低い、すなわち、濡れ広がりやすいインクAを出射して、主には、中濃度画像領域から高濃度画像領域(シャドー部)の画像形成を担当させ、また、インクジェット記録ヘッドBからは相対的に表面張力の高い、即ち、濡れ広がりにくいインクBを出射して、主には、低濃度画像領域から中濃度画像領域の画像形成を担うことが特徴であり、それぞれのインク特性からシャドー部の画像形成を担うことを目的とし、濡れ広がり機能を付与したインクAを充填したインクジェット記録ヘッドAは、後述する活性エネルギー線照射までの時間を、インクBより長くし、その濡れ広がり効果をより発揮させる観点から、インクジェット記録ヘッドBより上流側、すなわち、活性エネルギー線照射部材より離れた位置に配置することが、本発明の効果をより発揮できる観点から好ましい。
本発明のインクジェット記録装置に適用可能なインクジェット記録ヘッドは、例えば、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができ、好ましくは、連続射出性に優れたピエゾ方式を用いたヘッドが好ましい。
図3は、本発明に適用可能なライン方式のインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。
図3において、ライン方式のインクジェット記録ヘッド20は、ベース基板22と蓋基板23に分割して構成されており、ベース基板22には各回路導線22aに結合された圧電素子22bが長手方向に配置され、各回路導線22aの他端側はフレキシブルケーブル24に結合されている。また、フレキシブルケーブル24は図示しない制御基板に接続されている。蓋基板23には、圧電素子22bと対をなす吐出口21が略直線状に配置され、各吐出口21にインク供給路が連結している。
そして、制御基板から送信された画像信号がフレキシブルケーブル24を介して各圧電素子22bに伝達され、搬送中の記録媒体Pに対して、所定のインクを吐出口21から吐出して、記録媒体Pの画像形成面に画像を形成するようになっている。
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、図1、2に示す通り、記録媒体Pの搬送方向に配置した各ライン方式のインクジェット記録ヘッドA、Bより下流側に、記録媒体Pの略全幅にわたって、活性エネルギー線照射部材、例えば、紫外線照射部材UVが配設されている。紫外線照射部材UVには紫外線光源Lが内蔵されており、紫外線照射部UVは、紫外線光源Lを点灯することにより記録媒体Pの記録面に向けてそれぞれ紫外線を照射することができるようになっている。紫外線光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ブラックライト、冷陰極管、LED等が適用される。
図1、2においては、インクジェット記録ヘッドA、インクジェット記録ヘッドB及び紫外線照射部材UVの1ユニットから構成されている例を示したが、特に、フルカラー画像形成用のインクジェット記録装置では、複数のユニットより構成される。
図4は、4色のインクを吐出する複数のインクジェット記録ヘッドユニットを備えたライン方式のインクジェット記録装置の一例を示す側面図であり、図5は、その上面概略図である。
インクジェット記録装置1のプラテン2上に、記録媒体Pの搬送方向の上流側より、それぞれイエローインク吐出用のインクジェット記録ヘッドAY、BY及び紫外線照射部材UVYのイエロー画像形成用ユニットY、同様にマゼンタ画像形成用ユニットM、シアン画像形成用ユニットC及びブラック画像形成用ユニットKとが配置されている。各色ユニットの配置順は、必要に応じて適宜変更することができる。
本発明のインクジェット記録装置においては、高濃度画像領域(シャドー部)の画像形成を、相対的に表面張力が低く、濡れ広がりやすいインクAをインクジェット記録ヘッドAから出射して行い、低濃度画像領域(ハイライト部)の画像形成を、相対的に表面張力が高く、濡れ広がりにくいインクBをインクジェット記録ヘッドBから出射し、シャドー部ではインクAの濡れ広がりにより、ドット抜けや画像濃度ムラ、筋故障等の発生が抑制された均一な画像を形成することができ、また、ハイライト部においては、インクの濡れ広がりを抑制すること、すなわち、印字したドット径の拡大を防止することにより、極めて微細なドットにより画像形成することにより、粒状性に優れた画像を得ることができる。
更に、本発明のインクジェット記録装置においては、高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBのそれぞれのインク吐出量を制御して、中間濃度画像を形成することが好ましく、また、高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBは、それぞれのインク吐出量を可変できる機構を備えていることが好ましい。
図6は、形成画像濃度域における各インクの吐出量の関係を示すグラフである。
図6の横軸は、各画像形成域での濃度値であり、縦軸は各濃度域におけるインク吐出量を表す。一点破線は総インク吐出量を示し、実線は相対的に表面張力が高く、濡れ広がりにくいインクBの吐出パターンを示し、破線は相対的に表面張力が低く、濡れ広がりやすいインクAの吐出パターンを示している。
横軸は、左側が低濃度で、右側が高濃度であり、最も右端が最高濃度(Dmax)、すなわち、ベタ画像濃度部を表してある。
図6の画像濃度軸に示してあるLDエリアは、低濃度画像形成領域(ハイライト部)であり、ライン方式のインクジェット記録ヘッドBから濡れ広がりにくいインクBを吐出する。LDエリアの濃度範囲としては、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、概ね1%〜25%の範囲である。また、HDエリアは高濃度画像形成領域(シャドー部)であり、ライン方式のインクジェット記録ヘッドAから濡れ広がりにくいインクAを吐出する。HDエリアの濃度範囲としては、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、概ね60%〜100%の範囲である。
一方、MDエリアは、中濃度画像形成域であり、このエリアでは、図6に示す様にインクAとインクBのそれぞれの吐出量を制御しながら画像形成を行う。本発明でいう中間濃度画像(MDエリア)の濃度範囲とは、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、概ね26%〜59%の範囲である。
それぞれのインクの吐出量制御は、中濃度域前半ではインクBを主体に形成し、後半域を、インクAを主体にして形成する。インクジェット記録ヘッドより吐出して、記録媒体上に着弾したインクBのドットが、インクAと会合を起こす前に、MDエリアに移行することが望ましい。また、インクA、インクBの記録媒体上に着弾した際のドット径は、使用する記録媒体の表面エネルギーにより影響を受けることとなるため、記録媒体の種類に応じて、各インクジェット記録ヘッドは、吐出するインク液滴量を適宜変更できる機能を備えていることが好ましい。このインク吐出量の制御方法としては、例えば、マルチドロップ方式により制御することが好ましい。
図7は、図6を用いて説明した各画像濃度領域における各インクの印字パターンの一例を示す模式図である。
図7のa)は、インクBによる低濃度画像領域でのドット分布を示し、濡れ広がりにくい特性を備えたインクBにより、ドット径が微細で粒状性に優れた画像を形成する。b)はインクA及びインクBによる中濃度画像領域でのドット分布を示し、濡れ広がりにくいインクBと、濡れ広がりやすいインクAとが混在し、粒状性、画像均一性に優れた画像を形成する。c)はインクAによる高濃度画像領域でのドット分布を示しており、濡れ広がりやすいくい特性を備えたインクAにより、ドット径に濡れ広がりを起こすことで、画像故障(濃度ムラや筋故障)の発生を低減し、均一に優れた画像を形成する。
図8は、1色当たり2つのライン方式のインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、制御手段60はインターフェース61、ROM62(Read Only Memory)、RAM63(Random Access Memory)、CPU64(Central Processing Unit)等から構成され、ROM62に格納されている各種制御プログラムや制御データに従いインターフェース61に接続された各種装置の駆動を制御するようになっている。
インターフェース61には、高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドB、搬送ローラ駆動機構70等が電気的に接続されている。
ROM62には、上述の画像濃度域に応じてインクジェット記録ヘッドA、インクジェット記録ヘッドBの吐出を制御するプログラムや制御データが書き込まれている。RAM63は電力が供給されている間だけ入力されたデータを複数記憶可能であり、各種データの記憶領域とCPU64による作業領域などが備えられている。CPU64はROM62に格納されている各種制御プログラムの中から指定されたプログラムをRAM63内の作業領域に展開し、センサーからの信号に応じて、プログラムに従った各種処理を実行する。
《活性エネルギー線硬化型インク》
本発明のインクジェット記録装置においては、インクジェット記録ヘッドAより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクAとし、インクジェット記録ヘッドBより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクBとしたとき、該インクAの25℃における表面張力AST(mN/m)と、該インクBの25℃における表面張力BST(mN/m)が、AST<BSTの条件を満たし、かつ、該インクAの顔料濃度をAd(質量%)とし、該インクBの顔料濃度をBd(質量%)としたとき、0.5≦Bd/Ad≦1.0の条件を満たすことを特徴とする。
本発明に係る各インクにおいて、所定の表面張力の上記関係を満たすための手段としては、特に制限はないが、後述する光重合性化合物の種類やその添加量、あるいは界面活性剤の種類とその添加量を、それぞれのインクに最適の条件とすることにより、所望の表面張力値を得ることができる。本発明でいう表面張力値は、25℃におけるインクの静的表面張力値であり、例えば、協和界面化学社製の表面張力計(A3型)用い、白金プレート法により測定して求めることができる。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクとしては、活性エネルギー線重合化合物を含有し、活性エネルギー線として紫外線照射により硬化する紫外線硬化型インクであることが好ましく、特に、活性エネルギー線重合化合物としてカチオン重合性化合物を含有するカチオン重合性硬化型インクであることが、本発明の効果をより一層発揮することができる。
活性エネルギー線硬化型インクとしては、大別して、ラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合性硬化型インクと、カチオン重合性化合物を含有するカチオン重合性硬化型インクが挙げられる。
〔光重合性化合物〕
本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、少なくとも1種の光重合性化合物と光開始剤を含有するラジカル重合性、カチオン重合性あるいはラジカル・カチオンハイブリッド重合性のいずれのインクも、特に制限なく、用いることができる。
ラジカル重合性単官能モノマーとしては、例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、などが挙げられる。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクでは、本発明の目的効果をより発揮できる観点から、光重合性化合物がカチオン重合性化合物であることが好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクに適用可能なカチオン重合性化合物としては、特に制限はないが、少なくとも1種の単官能モノマーを10〜30質量%含有することが好ましい。単官能モノマーは、10質量%以上であればその効果を十分に発揮することができ、30質量%以下であれば、優れた硬化性を達成できると共に、色滲みなどの画質上問題を防止することができる。
本発明に係るカチオン重合性硬化型インクにおいては、カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有するオキセタン化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることが、本発明の目的効果をより発揮できる観点から好ましく、更には、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシ化合物、少なくとも1種の単官能または2官能のオキセタン化合物、または少なくとも1種の単官能または2官能のビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
これらのカチオン重合性化合物としては、例えば、開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報等に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、以下に記載の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性向上の観点から、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を全光重合性化合物の30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
〔光重合開始剤〕
本発明に係るインクにおいて、光重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)などに掲載されているあらゆる公知の光重合開始剤を用いることができるが、光酸発生剤を用いることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
以下に、本発明に好適な化合物の一例を以下に示す。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
特に、本発明に係るインクにおいては、光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩を含有する化合物であることが好ましい。
光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光酸発生剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させてもさらなる硬化性向上効果はない。これら光酸発生剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
〔顔料〕
本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクにおいては、上記説明した光重合性化合物及び光重合開始剤と共に、各種公知の顔料を含有し、インクAの顔料濃度をAd(質量%)とし、インクBの顔料濃度をBd(質量%)としたとき、0.5≦Bd/Ad≦1.0を満たす条件で、それぞれのインクが所定の顔料を含有することを1つの特徴とする。
即ち、ハイライト部を主に担うインクBの顔料濃度を、主に、シャドー部の画像形成を担うインクAの0.5倍〜1.倍の低顔料濃度とすることにより、粒状性の向上と共に、ハイライト画像域からシャドー画像域にかけて、高品位の画像を得ることができる。
本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
顔料の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I.Pigment Orange−16、36、38、
C.I.Pigment Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I.Pigment Violet−19、23、
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I.Pigment Green−7、36、
C.I.Pigment White−6、18、21、
C.I.Pigment Black−7、等を挙げることができる。
顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましく、その差が1mgKOH/g以上、10mgKOH/g未満であることが更に好ましい。1mgKOH/gKOH未満であるとその効果がなく、10mgKOH/gKOH以上になると塩基性処理を過度に行う必要があり、コストアップとなるばかりでなく、重合阻害の原因にもなり好ましくない。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の分散装置を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することもできる。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明のインクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明に係るインクA、インクBの表面張力を調整する手段としては、あらゆる公知の界面活性剤を用いることができるが、ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、第2級アルコールエトキシレート、第1級アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールオレート、ソルビタンステアリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどの水酸基含有不飽和単量体が共重合されたアクリル樹脂等を挙げることができる。更に、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール、またはグリコールエーテル類等が例示される。その他の例としては、分子中にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤なども挙げられ、例えば、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキル含有オリゴマー等を挙げることができ、具体的には、例えば、「サーフロン(SURFLON)S−141」、「サーフロンS−145」、「サーフロンS−381」、「サーフロンS−383」、「サーフロンS−393」、「サーフロンSC−101」、「サーフロンSC−105」、「サーフロンKH−40」、「サーフロンSA−100」(以上、セイミケミカル(株)製)、「メガファックF−171」、「メガファックF−172」、「メガファックF−173」、「メガファックF−177」、「メガファックF−178A」、「メガファックF−178K」、「メガファックF−179」、「メガファックF−183」、「メガファックF−184」、「メガファックF−815」、「メガファックF−470」、「メガファックF−471」(以上、大日本インキ化学工業(株)製)等を挙げることができる。
本発明において、ノニオン性界面活性剤を用いて所望の表面張力値を得る場合には、インク中に20〜50,000ppmの範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは50〜20,000ppmである。ノニオン性界面活性剤の含有量が20ppm未満である場合には、所望の表面張力に調整することができず、また含有量が50,000ppmを超える場合には、発泡しやすくなり、発生した泡がノズル欠の原因になってしまう問題がある。
〔添加剤〕
本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン、脂肪酸アミン塩、各種防錆剤などの塩基性有機化合物などが挙げられる。
《記録媒体》
本発明で用いることのできる記録媒体としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ゴム類などが使用できる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。本発明の活性光線硬化型インクは、布地等の繊維質材料(記録媒体)上に画像を形成する場合のインクとしての適性も備えている。繊維質材料としては、特に限定されず、種々の材料を使用することができるが、合成繊維が好ましい。本発明に適用可能な合成繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアラミド繊維等の一般に市販されている合成繊維が挙げられる。合成繊維よりなる布帛としては、前記合成繊維を用いた織物、編物、不織布等がある。また、ターポリンは、布帛の表面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されているものあり、ラミネート法、コーティング法、パッディッング法、トッピング法あるいはこれらを組み合わせた方法により加工されたいずれでもよい。塩化ビニル樹脂は、ペーストレジンタイプおよびストレートレジンタイプのいずれをも用いることができる。塩化ビニル樹脂には、一般に配合される可塑剤、充填剤、耐寒剤、防炎剤、紫外線吸収剤等の配合が可能である。
なお、本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、上記の合成繊維のうち、特にポリエステル繊維材料上に画像形成する場合のインクとして適しており、記録材料の質感を損なうことなく硬化膜剥がれのない画像をポリエステル繊維材料上に形成できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《顔料分散液の調製》
(イエロー顔料分散液の調製)
下記に示す方法に従って、イエロー顔料分散液を調製した。
下記の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、ホットプレート上で65℃に加熱し、攪拌しながら溶解した。
アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製オキセタン化合物) 72質量部
次いで、室温まで冷却した後、この溶液に顔料としてC.I. Pigment Yellow 150の20質量部を加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200部と共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間の分散処理を施した後、ジルコニアビーズを除去して、イエロー顔料分散液を調製した。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I. Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Red 122に変更した以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製した。
(シアン顔料分散液の調製)
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I. Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Blue 15:4に変更した以外は同様にして、シアン顔料分散液を調製した。
(ブラック顔料分散液の調製)
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I. Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Black 7に変更した以外は同様にして、ブラック顔料分散液を調製した。
《インクセットの調製》
〔インクセット1の調製〕
下記の各イエローインク1、マゼンタインク1、シアンインク1及びブラックインク1から構成されるインクセット1を調製した。
(イエローインク1の調製)
上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー顔料:20質量%、分散剤PB822:8質量%、光重合性化合物OXT−221:72質量%含有)と下記の各添加剤とを用いて、イエローインク1を調製した。
具体的には、イエロー顔料分散液以外の全ての下記添加剤を混合し、十分に攪拌して溶解を確認した後、この混合溶液をイエロー顔料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し、15分間攪拌した後、ロキテクノ社製のPP(ポリプロピレン)3μmディスクフィルターで濾過を行った。
イエロー顔料分散液 25.0質量部
アジスバーPB822(味の素ファインテクノ社製) 2.0質量部
オキセタンOXT221(東亞合成社製) 41.0質量部
オキセタンOXT212(東亞合成社製) 5.0質量部
オキセタンOXT211(東亞合成社製) 5.0質量部
脂環式エポキシ化合物1 18.0質量部
光酸発生剤1(分子量466、1分子量当たり3つのアリール基を持つ)
4.0質量部
重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン) 0.1質量部
次いで、上記インク液に、界面活性剤としてKF−351(信越化学株式会社製、シリコン系界面活性剤、シリコーンオイル)を所定量添加して、25℃における表面張力値を27mN/mに調整した後、中空糸膜を用いた脱気モジュール(大日本インキ化学工業(株)製、SEPAREL PF−004D)を用いて脱気して、顔料濃度が5.0質量%のイエローインク1を調製した。
(マゼンタインク1、シアンインク1及びブラックインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、イエロー顔料分散液に代えて、マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液をそれぞれ用いた以外は同様にして、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1を調製した。
〔インクセット2の調製〕
(イエローインク2の調製)
上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー顔料:20質量%、分散剤PB822:8質量%、光重合性化合物OXT−221:72質量%含有)と下記の各添加剤とを用いて、イエローインク2を調製した。
具体的には、イエロー顔料分散液以外の全ての下記添加剤を混合し、十分に溶解したことを確認した後、この混合溶液をイエロー顔料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し、15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmディスクフィルターで濾過を行った。
イエロー顔料分散液 15.0質量部
アジスバーPB822(味の素ファインテクノ社製) 2.0質量部
オキセタンOXT221(東亞合成社製) 51.0質量部
オキセタンOXT212(東亞合成社製) 5.0質量部
オキセタンOXT211(東亞合成社製) 5.0質量部
脂環式エポキシ化合物1 18.0質量部
光酸発生剤1(分子量466、1分子量当たり3つのアリール基を持つ)
4.0質量部
重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン) 0.1質量部
次いで、上記インク液に、界面活性剤としてKF−351(信越化学株式会社製、シリコン系界面活性剤、シリコーンオイル)を所定量添加して、25℃における表面張力値を36mN/mに調整した後、中空糸膜を用いた脱気モジュール(大日本インキ化学工業(株)製、SEPAREL PF−004D)を用いて脱気して、顔料濃度が3.0質量%のイエローインク2を調製した。
(マゼンタインク2、シアンインク2及びブラックインク2の調製)
上記イエローインク2の調製において、イエロー顔料分散液に代えて、マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液を用いた以外は同様にして、マゼンタインク2、シアンインク2、ブラックインク2を調製した。
〔インクセット3の調製〕
上記インクセット1の調製において、各色インクの顔料濃度を5質量%から3質量%に変更した以外は同様にして各色インクを調製し、これをインクセット3とした。
〔インクセット4の調製〕
上記インクセット2の調製において、各色インクの顔料濃度を3質量%から5質量%に変更した以外は同様にして各色インクを調製し、これをインクセット4とした。
〔インクセット5の調製〕
上記インクセット1の調製において、各色インクの界面活性剤(KF−351)の添加量を調整して、各色インクの表面張力値を24mN/mに調整した以外は同様にして各色インクを調製し、これをインクセット5とした。
〔インクセット6の調製〕
上記インクセット2の調製において、各色インクの界面活性剤(KF−351)の添加量を調整して、各色インクの表面張力値を30mN/mに調整した以外は同様にして各色インクを調製し、これをインクセット6とした。
〔インクセット7の調製〕
上記インクセット2の調製において、各色インクの界面活性剤(KF−351)の添加量を調整して、各色インクの表面張力値を42mN/mに調整した以外は同様にして各色インクを調製し、これをインクセット7とした。
《インクジェット記録装置》
図3〜図5に記載のライン方式のインクジェット記録ヘッドを2つと紫外線照射部材とから構成される各色画像形成用ユニットから構成されるインクジェット記録装置を用いた。各インクジェット記録ヘッドは、ノズル数が256で、2〜20plのマルチドロップ方式で720×720dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出できる構成とした。紫外線を照射用の紫外線照射部材としては高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)を用いた。
《インク出力と画像形成》
〔印字方法1〕
図3、図4に記載のインクジェット記録ヘッドのうち、インクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)のみを用い、インクセット1の各色インクをそれぞれに装填した。
出力画像データとして、低濃度から高濃度までの各濃度ステップのベタ画像と、(財)日本規格協会発行の高精細カラーデジタル標準画像データ「花嫁」画像及び財団法人・日本規格協会発行の高精細カラーデジタル標準画像データ「N5−自転車」(1995年12月発行)を用いた。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。インクジェット記録ヘッドAは、前述のように2〜15plのマルチドロップ方式で720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、巾600mm、長さ500mのポリエチレンテレフタレート上へ、各インクを連続吐出した。着弾した後、下流側に位置している紫外線照射部材より、紫外線を照射して硬化させた。この時の記録媒体上での照度は、250mW/cm2であった。
〔印字方法2〕
上記印字方法1において、図3、図4に記載のインクジェット記録ヘッドのうち、インクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)のみを用い、インクセット2の各色インクをそれぞれに装填して画像形成を行った以外は同様にし、これを印字方法2とした。
〔印字方法3〕
上記印字方法1、2において、図3、図4に記載のインクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)にインクセット1の各色インクをそれぞれに装填し、インクジェット記録ヘッドB(BY、BM、BC、BK)にインクセット2の各色インクをそれぞれに装填し、図6、図7に示す印字パターンに従って印字を行った以外は同様にし、これを印字方法3とした。
各インクジェット記録ヘッドの印字領域は、LDエリア(低濃度画像形成領域、ハイライト部)はインクジェット記録ヘッドB(インクセット2)単独で、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、1%〜25%の範囲の印字を行い、MDエリア(中濃度画像形成域)では、図6に示す様に、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、26%〜59%の範囲を、インクA(インクセット1)とインクB(インクセット2)のそれぞれの吐出量をマルチドロップ方式で制御しながら画像形成を行った。また、HDエリア(高濃度画像形成領域、シャドー部)である、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、60%〜100%の範囲については、ライン方式のインクジェット記録ヘッドAからインクセット1を吐出して画像形成を行った。
〔印字方法4〕
上記印字方法3において、図3、図4に記載のインクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)と、インクジェット記録ヘッドB(BY、BM、BC、BK)の配置を入れ替え、インクジェット記録ヘッドBを記録媒体の搬送方向の上流側に設置した以外は同様にし印字を行い、これを印字方法4とした。
〔印字方法5〕
上記印字方法3において、インクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)にインクセット2を装填し、インクジェット記録ヘッドB(BY、BM、BC、BK)にインクセット1を装填した以外は同様にして印字を行い、これを印字方法5とした。この印字方法5では、インクセット1(表面張力値:27mN/m)でハイライト領域を形成し、インクセット2(表面張力値:36mN/m)でシャドー領域を形成する方法である。
〔印字方法6〕
上記印字方法3において、インクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)にインクセット3を装填し、インクジェット記録ヘッドB(BY、BM、BC、BK)にインクセット4を装填した以外は同様にして印字を行い、これを印字方法6とした。
〔印字方法7〕
上記印字方法3において、インクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)にインクセット4(表面張力値:36mN/m、顔料濃度5.0質量%)を装填した以外は同様にして印字を行い、これを印字方法7とした。
〔印字方法8〕
上記印字方法3において、インクジェット記録ヘッドA(AY、AM、AC、AK)にインクセット5(表面張力値:24mN/m、顔料濃度5.0質量%)を装填した以外は同様にして印字を行い、これを印字方法8とした。
〔印字方法9〕
上記印字方法3において、インクジェット記録ヘッドB(BY、BM、BC、BK)にインクセット6(表面張力値:30mN/m、顔料濃度3.0質量%)を装填した以外は同様にして印字を行い、これを印字方法9とした。
〔印字方法10〕
上記印字方法3において、インクジェット記録ヘッドB(BY、BM、BC、BK)にインクセット7(表面張力値:42mN/m、顔料濃度3.0質量%)を装填した以外は同様にして印字を行い、これを印字方法10とした。
〔印字方法11〕
上記印字方法3において、印字パターンとして、LDエリア(低濃度画像形成領域、ハイライト部)はインクジェット記録ヘッドB(インクセット2)単独で、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、1%〜50%の範囲の印字を行い、HDエリア(高濃度画像形成領域、シャドー部)は、最高濃度(Dmax)を100%としたとき、51%〜100%の範囲について、ライン方式のインクジェット記録ヘッドAからインクセット1を吐出して画像形成(2分割パターン)を行い、これを印字方法11とした。
《形成画像の評価》
〔粒状性の評価〕
上記各印字方法で形成した画像のうち、低濃度から中濃度の各ステップベタ画像と、高精細カラーデジタル標準画像データ「花嫁」画像及び高精細カラーデジタル標準画像データ「N5−自転車」のハイライト部の画質のざらつき感及び画像の連続性を目視観察し、下記の基準に従って粒状感の評価を行った。
◎:各画像でざらつき感が全くなく、画像の連続性に優れた高品位の画像である
○:各画像でざらつき感がなく、画像の連続性が良好で画像である
△:一部の色画像でややざらつき感が認められるが、実用上許容される品質である
×:各画像で明らかなざらつき感が認められ、実用上問題となる品質である
××:各画像で不快なざらつき感が認められ、実用に耐えない品質である
〔画像均一性の評価〕
上記各印字方法で形成した画像のうち、中濃度から高濃度の各色ステップベタ画像について、形成画像の濃度均一性について目視観察し、下記の基準に従って画像均一性の評価を行った。
◎:各色ベタ画像とも、濃度均一性が高い
○:各色ベタ画像とも、ほぼ濃度ムラが認められず、良好な濃度均一性である
△:各色ベタ画像の一部の色で弱い濃度ムラが認められるが、実用上問題とない品質である
×:各色ベタ画像の一部の色で強い濃度ムラが認められ、実用上問題となる品質である
××:各色ベタ画像の全てで強い濃度ムラが認められ、実用に耐えない品質である
〔筋故障耐性の評価〕
上記各印字方法で形成した画像のうち、中濃度から高濃度の各色ステップベタ画像について、形成画像の筋故障の発生状況について目視観察し、下記の基準に従って筋故障耐性の評価を行った。
◎:各色ベタ画像とも、筋故障の発生がまったく認められない
○:各色ベタ画像とも、ほぼ筋故障の発生が認められず、故障耐性に優れている
△:各色ベタ画像の一部の色で弱い筋故障が認められるが、実用上問題とない品質である
×:各色ベタ画像の一部の色で強い筋故障が認められ、実用上問題となる品質である
××:各色ベタ画像の全てで強い筋故障が認められ、実用に耐えない品質である
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるインクジェット記録装置を用いて形成した画像は、比較例に対し、ハイライト部での粒状性、画像連続性に優れ、かつシャドー部での濃度均一性及び筋故障耐性に優れていることが分かる。

Claims (4)

  1. 活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化型インクを記録媒体上に吐出した後、活性エネルギー線を照射して該活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて画像形成するインクジェット記録装置において、
    該記録媒体を搬送し、1パスで画像記録するライン方式で、
    高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとを有し、
    該インクジェット記録ヘッドAと該インクジェット記録ヘッドBで画像形成を行った後に、活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化型インクを硬化させて画像形成を行う方式であって、
    該インクジェット記録ヘッドAより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクAとし、該インクジェット記録ヘッドBより吐出する活性エネルギー線硬化型インクをインクBとしたとき、該インクAの25℃における表面張力AST(mN/m)と、該インクBの25℃における表面張力BST(mN/m)が、下式(1)で規定する条件を満たし、
    かつ、該インクAの顔料濃度をAd(質量%)とし、該インクBの顔料濃度をBd(質量%)としたとき、下式(2)で規定する条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
    式(1)
    ST<BST
    式(2)
    0.5≦Bd/Ad≦1.0
  2. 前記高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAは、前記低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBに対し、記録媒体の搬送方向に対し上流側に位置することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと、前記低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBとのインク吐出量をそれぞれ制御して、中間濃度画像を形成することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記高濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドAと前記低濃度画像形成用のライン方式のインクジェット記録ヘッドBは、それぞれのインク吐出量を可変できることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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