JPWO2008075572A1 - イソフタル酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

イソフタル酸を固液分離し、母液を得た後、(1)該母液において、ブロム比を0.3〜3に調整してから、35〜140℃に加温したピリジン環含有キレート樹脂へ接触させ、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン並びに副生カルボン酸混合物を吸着させる吸着工程、(2)該吸着工程を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度1〜15質量%の含水酢酸を接触させ、前記副生カルボン酸混合物を含有する溶離液を得る溶離工程(A)、(3)触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオンを含有する溶離液を得る溶離工程(B)、(4)ピリジン環含有キレート樹脂を再生する置換工程、からなる一連の工程を経て前記触媒を回収し、該触媒の少なくとも一部を液相酸化反応に再使用することを特徴とする、イソフタル酸の製造方法。

Description

本発明は、イソフタル酸を製造する方法に関する。イソフタル酸は、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、改質ポリエステル繊維、耐熱性ポリアミド、イソフタル酸変性共重合ポリエステル樹脂等のポリマーの中間原料として有効に利用される。
イソフタル酸は、m−キシレン等のm−フェニレン化合物の液相酸化反応により製造され、通常、酢酸溶媒の存在下、コバルト、マンガン等の触媒、又はさらに臭素化合物、アセトアルデヒド等の促進剤を加えた触媒が用いられる。かかる液相酸化反応により得られる粗イソフタル酸を含有するスラリーは、通常、常圧に戻し、温度を下げて晶析操作を行なった後、固液分離する。
固液分離して得られた母液には、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオンなどの有用な触媒成分が含まれており、工業的に実施する場合、これらの触媒成分を循環使用することにより、製造コストを下げることが必要になる。最も簡便な循環方法は、前記母液をそのまま反応系に戻して再使用することである。ところが、該母液中には、液相酸化反応で副生する様々な有機不純物や装置の腐食に由来する無機不純物などが混在しており、該母液をそのまま反応系に再使用すると、反応系におけるこれらの不純物の濃度が次第に高まり、一定量を超えると液相酸化反応に悪影響を与えることが分かっている。例えばイソフタル酸の製造においては、該母液を反応系に戻す割合は、通常、60〜90%と言われており、反応系へ再使用しない10〜40%の母液は、溶媒である酢酸を回収する工程へ送られる。そこで、かかる酢酸を回収する工程へ送られる母液からも触媒成分を回収・再使用すべく、様々な方法が提案されている。
例えば、前記母液から溶媒を回収した後の残渣に水とアルカリ金属炭酸塩を添加し、触媒成分を炭酸塩として沈殿させ、一定量の酢酸溶媒に再溶解して反応に再使用する方法(特許文献1参照。)及び母液に蓚酸及びアルカリ金属水酸化物を添加し、触媒成分を蓚酸塩として沈殿させ、次いで酢酸溶媒へ溶解させてから酸化することにより触媒成分を回収する方法(特許文献2参照。)が知られている。また、陰イオン交換樹脂を用いて前記母液から触媒成分を回収する方法も知られており(特許文献3〜11参照。)、例えば、臭化物イオン形にした陰イオン交換樹脂と母液を接触させてコバルトイオン及びマンガンイオンを該樹脂に吸着した後、水分濃度2質量%の含水酢酸を通液し、さらに水を通液することによりコバルトイオン及びマンガンイオンを溶離回収し、一方、前記吸着操作により得られる流出液を、低級脂肪族モノカルボン酸イオン形にした弱塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて臭化物イオンやニッケルイオンを吸着後、水分濃度2質量%の含水酢酸を通液し、さらに水を通液することにより臭化物イオンやニッケルイオンを溶離回収する方法(特許文献3参照。)、母液中のコバルト濃度及び臭素/コバルト比を特定の範囲としてから強塩基性アニオン交換樹脂に吸着させ、水分濃度10質量%以上の含水酢酸を用いて強塩基性アニオン交換樹脂からコバルト及び臭素を溶離させることにより、コバルト触媒を回収する方法(特許文献4参照。)、イオン交換基としてのピリジン環含有陰イオン交換樹脂を用い、コバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンを同時に吸着させ、公知の方法で溶離して回収する方法(特許文献5参照。)がある。また、前記母液から陰イオン交換型のキレート樹脂を用いて触媒成分を回収する方法が知られている(特許文献7参照。)。
特開昭48−66090号公報 特開平2−203939号公報 特開昭53−104590号公報 特開昭53−133574号公報 特開昭53−102290号公報 特開平10−15390号公報 特開平11−152246号公報 特開2002−12573号公報 米国特許第4162991号明細書 米国特許第4238294号明細書 特表2003−507160号公報
特許文献1及び2に記載の方法では、アルカリ金属炭酸塩や蓚酸などが、触媒金属に対して当量以上必要となり、経済的に不利である。また炭酸塩や蓚酸塩として回収するには、煩雑な操作及び多大な労力を必要とするため、好ましくない。
また、特許文献3〜6及び8〜11に記載の陰イオン交換樹脂は、耐熱温度が80〜100℃とあまり高くないので、通液させる母液の温度により、化学的劣化(交換容量の低下)や物理的劣化(樹脂の割れ等)させてしまうことがあり、好ましくない。また、特許文献5に記載されているピリジン環含有陰イオン交換樹脂を用いると、樹脂に吸着されたコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンを溶離するには、硫酸、硝酸、アルキル硫酸、水酸化物イオン等を含む液が必要となり、回収液を反応系に直接再使用するのは現実的には難しい。
一方、特許文献7に記載の方法は、陰イオン交換型の「キレート樹脂」を使用しており、特許文献5に記載のピリジン環含有陰イオン交換樹脂とは異なり、水分濃度が1〜15質量%の含水酢酸で、該キレート樹脂に吸着したコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンを溶離できる優れた方法であるが、本発明のm−フェニレン化合物の液相酸化反応により得られるスラリーを固液分離して得られる母液を通液させると、副生成物であるカルボン酸混合物(以下、副生カルボン酸混合物と称することがある。)がキレート樹脂に吸着し、コバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンを溶離する際、それらと共に該副生カルボン酸混合物も溶離して回収されてしまうことが判明した。母液中における該副生カルボン酸混合物の濃度が高くなると触媒を失活させて反応成績が悪化するために、該陰イオン交換型のキレート樹脂による触媒回収方法は、工業的には実現されていない。
しかして、本発明の目的は、上記問題を解決し、特定のキレート樹脂を用いて、反応系内及び前記母液中における該副生カルボン酸混合物の濃度の増大を抑制しながら、工業的に有利にイソフタル酸を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、イソフタル酸の製造において、陰イオン交換型のピリジン環含有キレート樹脂を用いて前記母液から触媒成分を回収する際に、後述の一連の工程[(1)〜(4)]を経ることにより、副生カルボン酸混合物と触媒成分である重金属イオン及び臭化物イオンを分離して回収することができること、及び連続的に反応を行なう際にも反応系内及び前記母液中における副生カルボン酸混合物の濃度の増大を抑制することができ、そのため、触媒成分を失活させずに、何度も回収して液相酸化反応に再使用できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
[1]少なくとも重金属化合物及び臭素化合物からなる触媒並びに水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の存在下、分子状酸素含有ガスを用いてm−フェニレン化合物を液相酸化反応に付すことによりスラリーを得、次いで該スラリーの温度を35〜140℃に調整することにより析出するイソフタル酸を固液分離し、母液を得た後、
(1)該母液において、「母液中の臭化物イオンの物質量/母液中の重金属イオンの合計物質量」を0.3〜3に調整してから、35〜140℃に加温したピリジン環含有キレート樹脂へ接触させ、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン並びに上記液相酸化反応の副生成物であるカルボン酸混合物(以下、副生カルボン酸混合物と称する。)を吸着させる吸着工程、
(2)該吸着工程を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度1〜15質量%の含水酢酸を接触させ、前記副生カルボン酸混合物を含有する溶離液を得る溶離工程(A)、
(3)該溶離工程(A)を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度20質量%以上の含水酢酸又は水を接触させ、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオンを含有する溶離液を得る溶離工程(B)、
(4)該溶離工程(B)を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度1〜15質量%の含水酢酸を置換液として接触させ、ピリジン環含有キレート樹脂を再生する置換工程、
からなる一連の工程を経て前記触媒を回収し、該触媒の少なくとも一部を液相酸化反応に再使用することを特徴とする、イソフタル酸の製造方法、
[2]前記吸着工程を経た母液、前記溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から含水酢酸を回収し、前記液相酸化反応における水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の少なくとも一部として再使用する、前記[1]に記載のイソフタル酸の製造方法、
[3]前記吸着工程を経た母液、前記溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から含水酢酸を回収し、前記溶離工程(A)における水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の少なくとも一部として再使用する、前記[1]又は[2]に記載のイソフタル酸の製造方法、
[4]前記吸着工程を経た母液、前記溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から含水酢酸を回収し、前記置換工程における置換液として再使用する、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
[5]前記溶離工程(B)で得られた溶離液を、前記液相酸化反応に循環させて触媒の少なくとも一部として再使用する、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
[6]置換工程を経て再生したピリジン環含有キレート樹脂を、吸着工程におけるピリジン環含有キレート樹脂として再使用する、前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
[7]前記溶離工程(A)において、水分濃度1〜15質量%の含水酢酸が臭化物イオンを1〜1000質量ppm含む、前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
[8]前記置換工程において、置換液として使用する水分濃度1〜15質量%の含水酢酸が、臭化物イオンを1〜1000質量ppm含む、前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
[9]前記吸着工程において、母液の「母液中の臭化物イオンの物質量/母液中の重金属イオンの合計物質量」を1.4〜2.5とした、前記[1]〜「8」のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
[10]前記溶離工程(A)において、水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の総供給量をQ(g)、ピリジン環含有キレート樹脂層の容積をV(ml)とした時、Q/Vが0.5〜10である、前記[1]〜[9]のいずれか1つに記載のイソフタル酸の製造方法、
を提供するものである。
イソフタル酸の製造方法において、副生カルボン酸混合物と触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオンを効率的に分離することができる。さらに、回収した重金属イオン及び臭化物イオンを触媒として液相酸化反応にそのまま再使用することも可能であり、良好な反応成績を長期的に維持しながら、さらに経済的に有利に安定してイソフタル酸を製造することが可能である。
イソフタル酸の製造工程図の一例
符号の説明
1・・・・反応器
2・・・・晶析工程
3・・・・固液分離機
4・・・・母液受槽
5・・・・ピリジン環含有キレート樹脂塔
6・・・・臭化水素酸槽
7・・・・水分濃度約14質量%の含水酢酸槽(別名;置換液槽)
8・・・・水分濃度約35質量%の含水酢酸槽
9・・・・中間槽
10・・・原料槽
11・・・粗イソフタル酸の結晶ケーキ流路
12・・・母液流路
13・・・臭化水素酸流路
14・・・調製母液流路
15・・・塔上部流路
16・・・塔下部流路
17・・・パージ液流路
18・・・水分濃度約14質量%の含水酢酸流路(別名;置換液流路)
19・・・水分濃度約35質量%の含水酢酸流路
20・・・回収触媒液流路
21・・・回収触媒液流路
22・・・原料混合物流路
本発明では、まず、少なくとも重金属化合物及び臭素化合物からなる触媒並びに水分濃度1〜15質量%(好ましくは水分濃度1〜14質量%、より好ましくは水分濃度1〜9質量%)の含水酢酸の存在下に、分子状酸素含有ガスを用いてm−フェニレン化合物を液相酸化反応に付すことによりスラリー(以下、酸化反応スラリーと称することがある。)を得る。ここで、m−フェニレン化合物とは、ベンゼンの1位及び3位に置換基を有する化合物のことであり、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基などが挙げられる。特に、m−フェニレン化合物としてはm−キシレンが好ましい。
触媒成分の1つである重金属化合物としては、コバルト化合物及びマンガン化合物の内の少なくとも1種が必須であり、必要に応じて更にニッケル化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物などを一緒に使用してもよい。コバルト化合物、マンガン化合物、ニッケル化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物としては、それぞれの金属の有機酸塩、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などが挙げられるが、特に酢酸塩及び臭化物が好適に用いられる。かかる重金属化合物の具体例としては、酢酸コバルト、水酸化コバルト、フッ化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、炭酸コバルト、酢酸マンガン、水酸化マンガン、フッ化マンガン、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、炭酸マンガン、酢酸ニッケル、水酸化ニッケル、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸セリウム、水酸化セリウム、フッ化セリウム、塩化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化セリウム、炭酸セリウム、酢酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムなどが挙げられる。
また、触媒成分の1つである臭素化合物としては、反応系で含水酢酸に溶解し、臭化物イオンを発生するものであればいかなるものでもよく、例えば臭化水素、臭化ナトリウム、臭化コバルトなどの無機臭素化合物、及びブロモ酢酸、テトラブロムエタンなどの有機臭素化合物が挙げられる。これらの中でも、臭化水素、臭化コバルト、臭化マンガンが好適に用いられ、臭化水素を水溶液に溶解した臭化水素酸を使用することがより好ましい。
液相酸化反応の反応温度は、好ましくは160〜230℃であり、より好ましくは180〜210℃である。この範囲であれば、反応中間体が多量に酸化反応スラリー中に残存することを抑制でき、且つ、溶媒である水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の燃焼損失が高くなり過ぎることがない。反応圧力は、上記反応温度において反応系が液相を保持できる圧力であればよく、通常0.78〜3.04MPaであることが好ましく、0.98〜1.86MPaであることがより好ましい。
分子状酸素含有ガスとしては、例えば空気、不活性ガスにて希釈された酸素、酸素富化空気が挙げられるが、設備面及びコスト面から、通常、空気が好ましい。
上記液相酸化反応により得られる酸化反応スラリーは、直列に連結された次の反応器へ送り、分子状酸素含有ガスによって酸化反応を充分に追い込むことが好ましい。
こうして得られる酸化反応スラリーは、1つ以上の晶析槽を使用する晶析工程にて一段以上のフラッシュ蒸発により落圧及び冷却(35〜140℃)し、粗イソフタル酸を充分に結晶化させてから、後述する固液分離機へ送る。
前記液相酸化反応により得られた酸化反応スラリーを、固液分離機によって粗イソフタル酸結晶と母液に分離する。この固液分離は、通常、大気圧下で行われる。分離温度に特段の制約はないが、通常は大気圧下における含水酢酸の沸点より低い温度、例えば35〜110℃で行われる。固液分離機としては、例えば遠心分離機、遠心濾過機、真空濾過機などを挙げることができる。かかる固液分離操作は、母液中の結晶含有率が1質量%以下となるように行なうことが好ましく、0.1質量%以下となるように行うことがより好ましい。
こうして得られる粗イソフタル酸結晶は、適宜、公知の接触水素化処理(例えば、特公昭41−16860号公報参照)、酸化処理、再結晶などの精製操作を行うことにより、高純度のイソフタル酸結晶とすることができる。
<吸着工程>
上記方法により、酸化反応スラリーから粗イソフタル酸結晶を分離して得られた母液には、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン並びに副生カルボン酸混合物が含まれている。ここで、該重金属イオンとは、前記した重金属化合物中の重金属のイオンである。副生カルボン酸混合物とは、オルト位にカルボキシル基を有する芳香族ポリカルボン酸であり、例えばトリメリット酸、ヘミメリット酸、5−メチルトリメリット酸などのトリメリット酸類;ピロメリット酸;フタル酸、3−メチルフタル酸、4−メチルフタル酸などのフタル酸類などが挙げられる。また、該母液には、その他にイソフタル酸、酢酸、未反応原料、反応中間体、反応副生物等の種々の有機化合物及び反応生成物である相当量の水が含まれている。
本発明では、かかる母液を、母液中のブロム比(母液中の臭化物イオンの物質量/母液中の重金属イオンの合計物質量)を調整してからピリジン環含有キレート樹脂へ接触させることにより、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン並びに副生カルボン酸混合物を選択的にピリジン環含有キレート樹脂に吸着させ、残液(以下、これを母液残液と称する。)を得る(吸着工程)。固液分離機によって分離した粗イソフタル酸結晶を水または含水酢酸で洗浄する場合、洗浄後の洗浄液を前記母液と合わせ、それから吸着工程に移ってもよい。
ここで、本発明で使用するピリジン環含有キレート樹脂とは、4−ビニルピリジンとジビニルベンゼンを主たる原料として重合して得られる、ピリジン環を有する陰イオン交換型のキレート樹脂のことである。また、キレート樹脂は、一般的に、金属イオンに配位して錯体を形成する配位子を持ち、水に不溶性の高分子基体であり、特定の金属イオンを選択的に吸着分離する機能を有するものであり、特にピリジン環を含有することで、重金属イオンを効率良く吸着するという利点を有する。このようなピリジン環含有キレート樹脂は市販されているものを使用してもよく、市販品としては、例えば「REILLEX(登録商標)425Polymer」(商品名、Reilly社製)、「スミキレート(登録商標)CR−2」(商品名、住友化学株式会社製)等が挙げられる。
また、母液をピリジン環含有キレート樹脂に接触させる方法としては特に制限はないが、例えば、含浸させる方法や通液させる方法などがあり、吸着効率の観点からは通液させる方法がより好ましい。ピリジン環含有キレート樹脂は、ピリジン環含有キレート樹脂の耐熱性及び吸着性能の観点から、母液と接触させる前に35〜140℃に加温しておく必要があり、好ましくは45〜130℃に、より好ましくは70〜120℃、さらに好ましくは85〜110℃に加温しておく。
なお、ピリジン環含有キレート樹脂と接触させた後の母液残液には水分濃度1〜15質量%の含水酢酸が含まれているため、かかる含水酢酸を蒸留などにより回収し、その少なくとも一部を液相酸化反応に再使用するか、又は後述するピリジン環含有キレート樹脂の再生に利用する置換液とすることが好ましい。
本発明の液相酸化反応及び固液分離操作を経て得られた母液は、通常、水分濃度が7〜16質量%となっており、ピリジン環含有キレート樹脂塔に供給する際、特に水分濃度の調整は必要無いことが多い。しかし、前述のように、固液分離操作で得られる粗イソフタル酸結晶を洗浄した液を母液に合わせることなどにより、母液の水分濃度が増加する場合には、蒸留等により、水分濃度を好ましくは16質量%以下、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは5〜14質量%に調整する。母液中の水分濃度が16質量%を超えると、吸着工程において、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン並びに副生カルボン酸混合物がピリジン環含有キレート樹脂へ充分に吸着しなくなる傾向にある。
なお、該ピリジン環含有キレート樹脂に何ら前処理を行なうことなく、母液とピリジン環含有キレート樹脂を接触させてもよいが、予め臭化物イオンを含む酢酸溶液等をピリジン環含有キレート樹脂に接触させることにより、臭素型にしたものを用いることが好ましい。ピリジン環含有キレート樹脂を臭素型にするには、例えば、臭化ナトリウム、臭化水素等の前記臭素化合物の水溶液又は該水溶液と酢酸との混合液を樹脂に接触させた後、氷酢酸又は水分濃度15質量%以下の含水酢酸を用いて過剰の臭素を洗浄する方法があるが、特にこの方法に制限されない。該洗浄液には、母液より水分濃度の小さな含水酢酸を用いることが好ましい。
母液中のブロム比は、ピリジン環含有キレート樹脂に吸着している副生カルボン酸混合物を効率良く溶離させるため、0.3〜3であり、0.6〜2.8が好ましく、0.8〜2.5がより好ましく、1.4〜2.5がさらに好ましく、2〜2.5が特に好ましい。ブロム比が高い方が、前記重金属イオンの吸着率が高く、且つ副生カルボン酸混合物の吸着率が低下する傾向にあるため、特に吸着工程でブロム比を高くしておくことで、後述の溶離工程(A)にて副生カルボン酸混合物と重金属イオン及び臭化物イオンからなる触媒成分との分離を効率良く行なうことができる。ブロム比の調整方法としては、例えば母液に、例えば臭化水素酸等の、前記臭素化合物の水溶液をブロム源として添加する方法が挙げられる。
<溶離工程(A)及び(B)>
本発明では、前記吸着工程を経た後のピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度1〜15質量%、好ましくは水分濃度1〜14質量%、より好ましくは水分濃度1〜9質量%の含水酢酸を接触させて副生カルボン酸混合物を選択的に溶離する溶離工程(A)を経た後、水分濃度20質量%以上の含水酢酸又は水を接触させて触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオンを回収する溶離工程(B)を経る。
前記吸着工程を経た後のピリジン環含有キレート樹脂には、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン以外に、副生カルボン酸混合物が残存している。溶離工程(A)を経ずに溶離工程(B)を実施して、触媒成分である重金属イオン及び臭化物イオンの回収を行なうと、該副生カルボン酸混合物が該触媒成分に混入してしまう。すると、該触媒成分の反応系への循環再使用により、反応系及び母液中の副生カルボン酸混合物の濃度が次第に高まり、これが原因で触媒が失活し、工業的に実施する際に経済的に不利になる。かかる副生カルボン酸混合物の濃度の増大を抑制するために、重金属イオン及び臭化物イオンをピリジン環含有キレート樹脂に吸着させたまま、副生カルボン酸混合物を選択的に溶離する溶離工程(A)が必須となる。
溶離工程(A)で用いる水分濃度1〜15質量%の含水酢酸は、ピリジン環含有キレート樹脂に吸着している副生カルボン酸混合物を速やかに溶離させるため、臭化物イオンを好ましくは1〜1000質量ppm、より好ましくは10〜1000質量ppm含ませることができる。また、吸着工程で得られる母液残液、本溶離工程(A)で得られる溶離液及び後述の置換工程で使用した置換液から水を留去する際に蒸留塔のボトムから得られる回収酢酸(水分濃度4〜12質量%、臭化物イオン濃度1〜50質量ppm)を、溶離工程(A)で使用することもできる。
溶離工程(A)において用いる含水酢酸の総供給量をQ(g)、ピリジン環含有キレート樹脂層の容積をV(ml)とすると、Q/Vが0.5〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、3〜4.5であることがさらに好ましい。この範囲であれば、副生カルボン酸混合物を効率良く選択的にピリジン環含有キレート樹脂から溶離させることができる。
なお、溶離工程(A)で得た副生カルボン酸混合物を含む溶離液から水分濃度1〜15質量%の含水酢酸を蒸留などにより回収し、その少なくとも一部を液相酸化反応に再使用するか、又は本溶離工程(A)や後述する置換工程に利用することが好ましい。
溶離工程(B)では、他の金属不純物はピリジン環含有キレート樹脂にほとんど吸着していないため、水分濃度20質量%以上の含水酢酸又は水、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは25〜50質量%、さらに好ましくは25〜40質量%の含水酢酸をピリジン環含有キレート樹脂に接触させることにより、そのまま液相酸化反応に再使用可能な重金属イオン及び臭化物イオンを含有する含水酢酸(これを、回収触媒液と称することがある。)が得られる。
なお、液相酸化反応において反応器に備えた還流器から分離した凝縮液(水分濃度:20〜50質量%)を、溶離工程(B)で用いる含水酢酸として用いることもできる。
<置換工程>
かかる工程では、上記溶離工程(B)を経たピリジン環含有キレート樹脂に、触媒成分の吸着効率の観点から、水分濃度1〜15質量%、好ましくは水分濃度1〜14質量%、より好ましくは水分濃度1〜9質量%の含水酢酸を置換液として接触させ、ピリジン環含有キレート樹脂を再生する。こうして再生されるピリジン環含有キレート樹脂は、吸着工程に再使用できる。本置換工程により、キレート樹脂の周りに存在する含水酢酸の水分濃度を置換液の水分濃度まで下げて、次の吸着工程にて重金属イオン及び臭化物イオンが速やかに吸着される状態になる。一方、本置換工程を設けない場合、溶離工程(B)の直後は該キレート樹脂層の周りが高い水分濃度の含水酢酸で覆われているため、吸着工程における母液との接触初期において、触媒成分の吸着効率が悪くなり、触媒成分の回収率が低下し、経済的に不利となる。
さらにピリジン環含有キレート樹脂にコバルトイオン、マンガンイオン、臭化物イオンを吸着し易くするため、置換液としては水分濃度が1〜15質量%であり且つ臭化物イオンを1〜1000質量ppm含む含水酢酸を用いることがより好ましい。
なお、吸着工程で得られる母液残液、溶離工程(A)で得られる溶離液及び本置換工程で使用した置換液から水を留去する際に蒸留塔のボトムから得られる回収酢酸(水分濃度4〜12質量%、臭化物イオン濃度1〜50質量ppm)を、置換液として用いることもできる。
次に、本発明のイソフタル酸の製造工程図の一例である図1を用いて全体的な流れを簡潔に説明するが、本発明は、かかる図1に示す製造工程に限定されるものではない。
図1において、原料混合物(m−フェニレン化合物、重金属化合物、臭素化合物及び含水酢酸)を流路22から反応器1へ送り、分子状酸素含有ガスの存在下に液相酸化反応を行う。反応生成物は、粗イソフタル酸の一部が結晶化してスラリーとなっており、晶析工程2にて数段のフラッシュ蒸発により落圧及び冷却してから、固液分離機3で分離し、粗イソフタル酸の結晶ケーキを得、流路11にて輸送する。一方、固液分離機3で分離した母液を流路12経由で母液受槽4へ送り、臭化水素酸槽6から臭化水素酸を流路13を通して母液受槽4へ送ることにより、適宜ブロム比を調整し、流路14及び流路15を経てピリジン環含有キレート樹脂塔5に塔上部から通液し、吸着工程を経る。ピリジン環含有キレート樹脂に吸着されない物質は、塔下部から流路16及び流路17を経てパージされ、適宜、蒸留等により含水酢酸を回収し、該含水酢酸を水分濃度約14質量%の含水酢酸槽7又は原料槽10へ輸送して再利用する。
一方、吸着工程を経た後、ピリジン環含有キレート樹脂については、溶離工程(A)に移る。つまり、水分濃度約14質量%の含水酢酸を槽7から流路18及び流路15を経てピリジン環含有キレート樹脂塔5に塔上部から通液し、副生カルボン酸混合物と共に塔下部から流路16及び流路17を経て溶離液としてパージされ、該溶離液から適宜蒸留等により含水酢酸を回収し、該含水酢酸を水分濃度約14質量%の含水酢酸槽7又は原料槽10へ輸送して再利用する。
溶離工程(A)が終了したら溶離工程(B)に移る。つまり、水分濃度約35質量%の含水酢酸を槽8から流路19及び流路16経由でピリジン環含有キレート樹脂塔5に通液し、ピリジン環含有キレート樹脂に吸着した重金属イオン及び臭化物イオンを溶離し、得られる回収触媒液を流路20経由で中間槽9に輸送する。さらに、回収触媒液を流路21経由で原料槽10に送り、液相酸化反応用触媒として再使用する。
溶離工程(B)が終了したら置換工程に移る。つまり、置換液槽7から、置換液として水分濃度約14質量%の含水酢酸を流路18及び流路15経由でピリジン環含有キレート樹脂塔5に通液し、流路16及び流路17を経て溶離液としてパージされ、該溶離液から適宜蒸留等により含水酢酸を回収し、該含水酢酸を水分濃度約14質量%の含水酢酸槽7又は原料槽10へ輸送して再利用する。かかる置換工程が終了したら、前記吸着工程を実施することができる。
以下、実施例等により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
<ピリジン環含有キレート樹脂の前処理>
各実施例及び比較例では、臭化水素酸10質量%を含む酢酸溶液200mlをピリジン環含有キレート樹脂[「スミキレート(登録商標)CR−2」(商品名、住友化学株式会社製)]に通液させて、該ピリジン環含有キレート樹脂を臭素型にした後、水分濃度14質量%を含む酢酸溶液を流して過剰の臭化水素酸を洗い流したものを使用した。
<重金属イオンの濃度の測定方法>
以下の仕様の原子吸光分析装置を用いて、重金属イオンの濃度を測定した。
機種:偏光ゼーマン原子吸光光度計Z−2300(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
波長:コバルトイオン240.7nm、マンガンイオン279.6nm
フレーム:アセチレン−空気
測定方法:100mlガラス製容器にサンプルを適量入れ(天秤にてサンプル質量を計る)、精密分析用の20質量%塩酸(定沸点、無鉄塩酸)約2ml及び純水を加えて測定対象の重金属イオンが約1ppmの濃度になるように希釈する(希釈サンプルの質量を測り、希釈倍率を求める)。0ppm、1ppm、2ppmの標準サンプルにより検量線を作成し、希釈サンプルの濃度を測定する。希釈サンプルの濃度に希釈倍率を掛けて重金属イオンの濃度を求める。
<臭化物イオンの濃度の測定方法>
臭化物イオンの濃度は、以下の条件で測定した。
滴定装置:電位差自動滴定装置 AT−510(京都電子工業株式会社製)
滴定液:1/250規定硝酸銀水溶液
検出電極:複合ガラス電極 C−172
銀電極 M−214
温度補償電極 T−111
測定方法:200mlビーカーにテフロン(登録商標)製攪拌子を入れ、サンプルを適量入れる(天秤にてサンプル重量を計る)。純水を加えてビーカー内の液量を約150mlとし、更に60質量%の硝酸を約2ml加える。上記自動滴定装置にて沈殿滴定を行い、臭化物イオン濃度を求める。
<副生カルボン酸混合物の濃度の測定方法>
以下の条件によるガスグロマトグラフ法により、前記フタル酸類及びトリメリット酸類の濃度を分析した。
機種:Agilent 6890N(Agilent Technologies社製)
使用カラム:DB−1(Agilent Technologies社製)
カラム温度:100〜280℃
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
触媒成分の回収率及び副生カルボン酸混合物の混入率の計算方法を下記に示す。
<コバルトイオン>
回収率は、母液中に含まれるコバルトイオン量に対する回収触媒液中に含まれるコバルトイオン量の割合(%)を計算して求めた。
<マンガンイオン>
回収率は、母液中に含まれるマンガンイオン量に対する回収触媒液中に含まれるマンガンイオン量の割合(%)を計算して求めた。
<臭化物イオン>
回収率は、母液中に含まれる臭化物イオン量に対する回収触媒液中に含まれる臭化物イオン量の割合(%)を計算して求めた。
<副生カルボン酸混合物>
混入率は、母液中に含まれるフタル酸類又はトリメリット酸類の量に対する回収触媒液中に含まれるフタル酸類又はトリメリット酸類の量の割合(%)を計算して求めた。
(実施例1)
水分濃度9質量%の含水酢酸中で、m−キシレンを酢酸コバルト、酢酸マンガン及び臭化水素酸の存在下、空気により液相酸化反応(反応温度200℃、反応圧力1.62MPa)させることにより、粗イソフタル酸を含有するスラリーを得た。次いで、晶析工程へ導いて放圧し、100℃まで冷却した後、ガラスフィルターにて固液分離して粗イソフタル酸結晶を分離し、約80℃の母液を得た。該母液は、コバルトイオン1040質量ppm、マンガンイオン1010質量ppm、臭化物イオン890質量ppm、トリメリット酸類8800質量ppm、フタル酸類4100質量ppm及び水分濃度13.9質量%となっており、ブロム比は0.31であった。
上記の前処理を行ったピリジン環含有キレート樹脂85mlをガラス製二重管に充填したピリジン環含有キレート樹脂塔のジャケットに、80℃の熱水を循環させて、ピリジン環含有キレート樹脂を80℃に保温した。
上記の母液を、ピリジン環含有キレート樹脂塔の上部から下方へ流速360g/時で50分間通液した[吸着工程]。その後、水分濃度14質量%の含水酢酸を塔の上部から下方へ流速360g/時で20分間通液(Q/A=120g/90ml=約1.33)した[溶離工程(A)]。溶離工程(A)の後、水分濃度35質量%の含水酢酸を、塔の下部から上方へ流速360g/時で90分間通液した[溶離工程(B)]。溶離工程(B)が終了したら置換液(水分濃度14質量%の含水酢酸)を塔の上部から下向きに同じ流量で20分間通液した[置換工程]。この、吸着工程→溶離工程(A)→溶離工程(B)→置換工程→(吸着工程に戻る)のサイクルを180分/1サイクルで繰り返した。
また、溶離工程(B)で回収したコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンを含む回収触媒液は、液相酸化反応の触媒として再使用した。
かかる実験の開始から4日目の回収触媒液中のコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンの回収率、並びにフタル酸類及びトリメリット酸類の混入率の測定結果を表1に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例2)
実施例1において、得られた母液に臭化水素酸を添加してブロム比を0.9としてから吸着工程へ移すこと以外は、実施例1と同様に実験及び測定を行った。結果を表2に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(比較例1)
実施例2において、溶離工程(A)を行わず、吸着工程→溶離工程(B)→置換工程→(吸着工程に戻る)のサイクルを160分/1サイクルとした以外は、実施例2と同様に実験及び測定を行った。結果を表3に示す。
なお、引き続き実験を継続したところ、次第に触媒の活性低下が見られ、液相酸化反応におけるイソフタル酸の収率が際立って低下してきた。
Figure 2008075572
(実施例3)
実施例1において、得られた母液に臭化水素酸を添加してブロム比を1.5としてから吸着工程へ移すこと以外は、実施例1と同様に実験及び測定を行った。結果を表4に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例4)
実施例1において、得られた母液に臭化水素酸を添加してブロム比を2.1としてから吸着工程へ移すこと以外は、実施例1と同様に実験及び測定を行った。結果を表5に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例5)
実施例2において、溶離工程(A)を60分間行い(Q/A=360g/90ml=4)、吸着工程→溶離工程(A)→溶離工程(B)→置換工程→(吸着工程に戻る)のサイクルを220分/1サイクルとした以外は、実施例2と同様に実験及び測定を行った。結果を表6に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例6)
実施例2において、溶離工程(A)で使用する含水酢酸及び置換工程の置換液として、溶離工程(A)の溶離液や置換工程で使用した置換液から水を留去する際に蒸留塔のボトムから得られる回収酢酸(水分濃度約8質量%)を使用したこと以外は、実施例2と同様に実験及び測定を行った。結果を表7に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例7)
実施例2において、溶離工程(A)で使用する含水酢酸及び置換工程の置換液として、臭化物イオンを250質量ppm含有する水分濃度14質量%の含水酢酸を使用したこと以外は、実施例2と同様に実験及び測定を行った。結果を表8に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例8)
水分濃度9質量%の含水酢酸中で、m−キシレンを酢酸コバルト、酢酸マンガン及び臭化水素酸の存在下、空気により液相酸化反応(反応温度200℃、反応圧力1.62MPa)させることにより、粗イソフタル酸を含有するスラリーを得た。次いで、晶析工程へ導いて放圧し、100℃まで冷却した後、ロータリーバキュームフィルターにて固液分離して粗イソフタル酸結晶を分離し、約80℃の母液を得た。該母液は、コバルトイオン500質量ppm、マンガンイオン490質量ppm、臭化物イオン430質量ppm、トリメリット酸類4600質量ppm、フタル酸類2200質量ppm及び水分濃度10.7質量%となっており、該母液に臭化水素酸を添加することにより、ブロム比を1.11とした。
上記同様の前処理を行ったピリジン環含有キレート樹脂「REILLEX(登録商標)425Polymer」(商品名、Reilly社製)80mlをガラス製二重管に充填したピリジン環含有キレート樹脂塔のジャケットに、80℃の熱水を循環させて、ピリジン環含有キレート樹脂を80℃に保温した。
上記の母液を、ピリジン環含有キレート樹脂塔の上部から下方へ流速360g/時で70分間通液した[吸着工程]。その後、水分濃度8質量%の含水酢酸を塔の上部から下方へ流速360g/時で20分間通液(Q/A=120g/90ml=約1.33)した[溶離工程(A)]。溶離工程(A)の後、水分濃度35質量%の含水酢酸を、塔の下部から上方へ流速360g/時で70分間通液した[溶離工程(B)]。溶離工程(B)が終了したら置換液(水分濃度8質量%)を塔の上部から下向きに同じ流量で20分間通液した[置換工程]。この、吸着工程→溶離工程(A)→溶離工程(B)→置換工程→(吸着工程に戻る)のサイクルを180分/1サイクルで繰り返した。
一方、吸着工程で得られた母液残液、溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から、蒸留により水分濃度約8質量%の含水酢酸を回収し、液相酸化反応で使用する含水酢酸、溶離工程(A)において使用する含水酢酸及び置換工程における置換液として再使用する形態とした。また、溶離工程(B)で回収したコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンを含む回収触媒液は、液相酸化反応の触媒として再使用した。
かかる実験の開始から90日目の回収触媒液中のコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンの回収率、並びにフタル酸類及びトリメリット酸類の混入率の測定結果を表9に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例9)
実施例8において、母液を90℃に加温してから吸着工程へ移ったこと以外は、実施例8と同様に実験を行った。実験を開始してから10日目の回収触媒液中のコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンの回収率、並びにフタル酸類及びトリメリット酸類の混入率を表10に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例10)
実施例8において、母液の温度を40℃にしてから吸着工程へ移ったこと以外は、実施例8と同様に実験を行った。実験を開始してから4日目の回収触媒液中のコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンの回収率、並びにフタル酸類及びトリメリット酸類の混入率を表11に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例11)
実施例8において、母液を100℃に加温してから吸着工程へ移ったこと以外は、実施例8と同様に実験を行った。実験を開始してから10日目の回収触媒液中のコバルトイオン、マンガンイオン及び臭化物イオンの回収率、並びにフタル酸類及びトリメリット酸類の混入率を表12に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
(実施例12)
実施例9において、吸着工程を120分間行い、溶離工程(B)を80分間行い、吸着工程→溶離工程(A)→溶離工程(B)→置換工程→(吸着工程に戻る)のサイクルを240分/1サイクルとした以外は、実施例9と同様に実験及び測定を行った。結果を表13に示す。
なお、引き続き実験を継続したが、その後も触媒活性が低下することなく、効率的に液相酸化反応を実施することができた。
Figure 2008075572
実施例1〜12より、本発明の方法に従うと、トリメリット酸類の混入率を43%以下、且つフタル酸類の混入率を14%以下、そして条件によってはトリメリット酸類の混入率を20%以下且つフタル酸類の混入率を10%以下にまで抑制できることがわかる。特に実施例2〜4のように吸着工程時のブロム比を0.9〜2.1に調整することや、さらに実施例5のように溶離工程(A)の時間(換言するとQ/A)を調整することで、トリメリット酸類の混入率及びフタル酸類の混入率を、実施例1の場合よりも低減できている。また、実施例6や実施例7の方法により、実施例2よりも、重金属イオンの回収率がやや向上した。さらに、実施例9及び11のように、母液の温度を90℃以上に上げることにより、重金属イオンの回収率が向上し、トリメリット酸類及びフタル酸類の混入率を低減できた。一方、比較例1のように、溶離工程(A)を経ない、つまり従来法に類似した方法に従うと、トリメリット酸類の混入率が58%となり、且つフタル酸類の混入率が35%まで上昇してしまい、触媒成分を回収再使用しながら長期間継続的に液相酸化反応を行なうことが困難となった。
副生カルボン酸混合物の混入率15%以上の差の影響は大きく、本発明に従うことで、長期的に安定してイソフタル酸を経済的に製造することができる。
本発明によって得られるイソフタル酸は、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、改質ポリエステル繊維、耐熱性ポリアミド、イソフタル酸変性共重合ポリエステル樹脂等のポリマーの中間原料として利用可能である。

Claims (10)

  1. 少なくとも重金属化合物及び臭素化合物からなる触媒並びに水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の存在下、分子状酸素含有ガスを用いてm−フェニレン化合物を液相酸化反応に付すことによりスラリーを得、次いで該スラリーの温度を35〜140℃に調整することにより析出するイソフタル酸を固液分離し、母液を得た後、
    (1)該母液において、「母液中の臭化物イオンの物質量/母液中の重金属イオンの合計物質量」を0.3〜3に調整してから、35〜140℃に加温したピリジン環含有キレート樹脂へ接触させ、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオン並びに上記液相酸化反応の副生成物であるカルボン酸混合物(以下、副生カルボン酸混合物と称する。)を吸着させる吸着工程、
    (2)該吸着工程を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度1〜15質量%の含水酢酸を接触させ、前記副生カルボン酸混合物を含有する溶離液を得る溶離工程(A)、
    (3)該溶離工程(A)を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度20質量%以上の含水酢酸又は水を接触させ、触媒由来の重金属イオン及び臭化物イオンを含有する溶離液を得る溶離工程(B)、
    (4)該溶離工程(B)を経たピリジン環含有キレート樹脂に水分濃度1〜15質量%の含水酢酸を置換液として接触させ、ピリジン環含有キレート樹脂を再生する置換工程、
    からなる一連の工程を経て前記触媒を回収し、該触媒の少なくとも一部を液相酸化反応に再使用することを特徴とする、イソフタル酸の製造方法。
  2. 前記吸着工程を経た母液、前記溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から含水酢酸を回収し、前記液相酸化反応における水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の少なくとも一部として再使用する、請求項1に記載のイソフタル酸の製造方法。
  3. 前記吸着工程を経た母液、前記溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から含水酢酸を回収し、前記溶離工程(A)における水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の少なくとも一部として再使用する、請求項1又は2に記載のイソフタル酸の製造方法。
  4. 前記吸着工程を経た母液、前記溶離工程(A)で得られた溶離液及び置換工程で使用した置換液から含水酢酸を回収し、前記置換工程における置換液として再使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
  5. 前記溶離工程(B)で得られた溶離液を、前記液相酸化反応に循環させて触媒の少なくとも一部として再使用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
  6. 置換工程を経て再生したピリジン環含有キレート樹脂を、吸着工程におけるピリジン環含有キレート樹脂として再使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
  7. 前記溶離工程(A)において、水分濃度1〜15質量%の含水酢酸が臭化物イオンを1〜1000質量ppm含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
  8. 前記置換工程において、置換液として使用する水分濃度1〜15質量%の含水酢酸が、臭化物イオンを1〜1000質量ppm含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
  9. 前記吸着工程において、母液の「母液中の臭化物イオンの物質量/母液中の重金属イオンの合計物質量」を1.4〜2.5とした、請求項1〜8のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
  10. 前記溶離工程(A)において、水分濃度1〜15質量%の含水酢酸の総供給量をQ(g)、ピリジン環含有キレート樹脂層の容積をV(ml)とした時、Q/Vが0.5〜10である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のイソフタル酸の製造方法。
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