JPWO2008059862A1 - 光学活性2−(2’−ピペリジニル)酢酸エステルの製法 - Google Patents

光学活性2−(2’−ピペリジニル)酢酸エステルの製法 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)ロジウム化合物及び光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子、(b)ロジウム化合物と光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体、(c)ロジウム化合物及び光学活性シクロファンジホスフィン配位子、又は(d)ロジウム化合物と光学活性シクロファンジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体の存在下、一般式(1):
Figure 2008059862

式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す、
で示される2−(2’−ピペリジリデン)酢酸エステルと水素を反応させることを特徴とする、一般式(2):
Figure 2008059862

式中、Rは、前記と同義であり、*は、不斉炭素を示す、
で示される光学活性2−(2’−ピペリジニル)酢酸エステルの製法に関する。

Description

本発明は、光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法に関する。光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルは、例えば、天然植物塩基や医薬品の合成原料として有用な化合物である。
従来、光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法としては、例えば、(S)-フェニルエチル基で保護された2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチルと水素化ホウ素ナトリウムとを、ジメトキシエタン/酢酸中で反応させて、光学活性な(S)-フェニルエチル基で保護された2-(2'-ピペリジニル)酢酸メチルとした後、これをパラジウム/炭素の存在下で水素と反応させ((S)-フェニルエチル基を脱保護)、不斉収率98%ee、反応収率62%で2-(2'-ピペリジニル)酢酸メチルを得る方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、不斉水素還元と脱保護のふたつの異なる工程が必要であり、工業的な光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルとしては不適であった。
Tetrahedron,62,2214(2006)
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチル(ピペリジン環の窒素原子が保護されていない)から、ピペリジン環の窒素原子を保護することなく、簡便な方法にて、高い不斉収率及び高い反応収率で光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルを得ることが可能な、工業的に好適な光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法を提供するものである。
本発明の課題は、(a) ロジウム化合物及び光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子、(b) ロジウム化合物と光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体、(c) ロジウム化合物及び光学活性シクロファンジホスフィン配位子、又は(d) ロジウム化合物と光学活性シクロファンジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体の存在下、一般式(1):
Figure 2008059862
式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す、
で示される2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステルと水素とを反応させることを特徴とする、一般式(2):
Figure 2008059862
式中、Rは、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す、
で示される光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法によって解決される。
本発明により2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチル(ピペリジン環の窒素原子が保護されていない)から、ピペリジン環の窒素原子を保護することなく、簡便な方法にて、高い不斉収率及び高い反応収率で光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルを得ることが可能な、工業的に好適な光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法を提供することができる。
本発明の反応において使用する2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステルは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。これらの中でもメチル基が特に好ましい。
本発明の反応において使用する水素の量は、2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステル1モルに対して、好ましくは1〜20モル、更に好ましくは1.5〜12モルであり、窒素やアルゴン等の不活性ガスで希釈されていても良い。
本発明の反応において使用するロジウム化合物としては、例えば、ビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、ビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)パークロレート、ビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ヘキサフルオロホスフェート、クロロシクロオクタジエンロジウムダイマー、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)パークロレート、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)ヘキサフルオロホスフェート、クロロノルボルナジエンロジウムダイマーが挙げられるが、好ましくはビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート、更に好ましくはビス(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートが使用される。なお、これらのロジウム化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記ロジウム化合物の使用量は、2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステル1モルに対して、好ましくは0.001〜0.5モル、更に好ましくは0.001〜0.05モルである。
本発明の反応において使用する光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子とは、ビヘテロアリール(例えば、ビピリジル)を主骨格とするジホスフィン配位子のことであり、例えば、式(3)または(4):
Figure 2008059862
で示される(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル(P-Phos)(式(3)で示される化合物)や(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス[ジ(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-3,3'-ビピリジル((S)-Xyl-P-Phos)(式(4)で示される化合物)が好適に使用される。
本発明の反応において使用する光学活性シクロファンジホスフィン配位子とは、一般式(5):
Figure 2008059862
式中、R’は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す、
で示されるパラシクロファンを主骨格とするジホスフィン配位子のことであるが、例えば、(S)-(+)-4,12-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-[2.2]-パラシクロファン(R=水素原子;(S)-Xyl-Phanephos))が好適に使用される。R’のアルキル基は前記Rのアルキル基と同様である。
前記光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子又は光学活性シクロファンジホスフィン配位子の使用量は、ロジウム化合物1モルに対して、好ましくは1〜3モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。
本発明の反応は、好ましくは溶媒中で行われる。使用される溶媒としては、反応に関与しない物ならば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはハロゲン化脂肪族炭化水素類、ニトリル類、ケトン類、更に好ましくはニトリル類、ケトン類、特に好ましくはケトン類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステル1ミリモルに対して、好ましくは1〜10ml、更に好ましくは4〜6mlである。
本発明の反応においては、酸を存在させることによって、反応速度や不斉収率を向上させることができる。使用する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸類;ギ酸、酢酸等の有機酸類が挙げられるが、好ましくは無機酸、更に好ましくは塩酸が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、有機溶媒に溶解したものを使用しても良い(例えば、塩化水素メタノール溶液、塩化水素酢酸エチル溶液等)。
前記酸の使用量は、2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステル1モルに対して、好ましくは0.1〜10モル、更に好ましくは0.7〜1.2モルである。
本発明の反応は、例えば、2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステル、ロジウム化合物、光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子又は光学活性シクロファンジホスフィン配位子及び溶媒(必要ならば酸を加える)を混合し、水素雰囲気下にて、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは10〜100℃、更に好ましくは25〜75℃であり、反応圧力は、好ましくは100〜5000kPa、更に好ましくは150〜3000kPaである。なお、本発明においては、ロジウム化合物及び光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子又は光学活性シクロファンジホスフィン配位子とを予め反応させてロジウム錯体を形成させた後に反応に使用しても良い。
本発明の反応では、例えば、反応後に析出した固体を取得し、塩基で処理することによって光学活性な2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステル(フリー体)を取得することができる。前記塩基は、当該塩酸塩をフリー体に変換できるものならば特に限定されないが、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類;ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類が挙げられるが、好ましくは無機塩基、更に好ましくは炭酸カリウムが使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、水や有機溶媒に溶解したものを使用しても良い。
前記塩基の使用量は、使用した酸1モルに対して、好ましくは1〜10モル、更に好ましくは1〜3モルである。
本発明によって光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルが得られるが、これは、例えば、加水分解、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製することができるが、反応液の後処理をした後、濃縮物を特に単離・精製することなく、そのまま又は適当な化合物に変換して分析することによって、出発原料の転化率及び目的物の不斉収率を分析することができる(後述に記載)。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、本発明の反応によって得られる光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの転化率(%)は、1H-NMR(CDCl3)の積分比により算出し、又、不斉収率(%ee)は公知の方法により光学活性N-アセチル-2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルに誘導(例えば、特許文献2参照)した後、光学活性カラムを用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。なお、ガスクロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
特開2004-75684号公報
ガスクロマトグラフィー:GC-2010型(島津製作所社製)
カラム:CP-Chirasil-Dex CB(VARIAN社製)
25m×0.32mmI.D.、膜厚0.25μm
キャリアガス:ヘリウム
流速:1.7ml/min.
注入口温度:200℃
カラム温度;160℃
検出器;FID
検出口温度:210℃
注入量:1.0μl
参考例1(2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチルの合成)
公知の方法によって合成した(例えば、非特許文献2参照)。
J.Org.Chem.,44,3089(1979)
実施例1(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
攪拌装置を備えた内容積30mlのシュレンク管に、窒素雰囲気下にて、ジシクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロボレート([Rh(cod)2]BF4)4.06mg(0.01mmol)、(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル((S)-P-Phos)6.45mg(0.01mmol)及び予め脱水した塩化メチレン1mlを加えた後、30分間攪拌させた(錯体形成)。次いで、2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチル155mg(1.0mmol)を予め脱水した塩化メチレン3mlに溶解させた液及び1mol/l塩化水素酢酸エチル1mlを加え、30分間攪拌させた。当該溶液を、攪拌装置及び温度計を備えた内容積10mlのステンレス製反応容器に移し、水素雰囲気下(900kPa)、攪拌させながら50℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル50ml及び0.5mol/l炭酸カリウム水溶液3mlを加え、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮したところ、橙色液体として、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチル0.12gが得られた(転化率;99%以上、不斉収率;73.1%ee)。
実施例2〜7(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
実施例1において、配位子、溶媒、反応温度及び反応時間を変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2008059862
実施例8(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのシュレンク管に、窒素雰囲気下にて、ジシクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロボレート([Rh(cod)2]BF4)40.6mg(0.1mmol)、(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル((S)-P-Phos)64.5mg(0.1mmol)及び予め脱水した塩化メチレン10mlを加えた後、30分間攪拌し、その後溶媒を減圧留去した(錯体形成)。次いで、2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチル1.55g(10.0mmol)を予め脱水したメチルエチルケトン40mlに溶解させた液及び1mol/l塩化水素酢酸エチル10mlを加え、30分間攪拌させた。当該溶液を、攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製反応容器に移し、水素雰囲気下(900kPa)、攪拌させながら50℃で12時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル300ml及び0.5mol/l炭酸カリウム水溶液30mlを加え、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮したところ、橙色液体として、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチル1.42gが得られた(転化率;99%以上、不斉収率;80.5%ee)。
実施例9(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのシュレンク管に、窒素雰囲気下にて、ジシクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロボレート([Rh(cod)2]BF4)4.06mg(0.01mmol)、(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル((S)-P-Phos)6.45mg(0.01mmol)及び予め脱水した塩化メチレン1mlを加えた後、30分間攪拌し、その後溶媒を減圧留去した(錯体形成)。これ以降は実施例8と同様に反応を行った。その結果、橙色液体として、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチル1.42gが得られた(転化率;15.4%、不斉収率;79.3%ee)。
実施例10(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
攪拌装置を備えた内容積30mlのシュレンク管に、窒素雰囲気下にて、ジシクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロボレート([Rh(cod)2]BF4)4.06mg(0.01mmol)、(S)-(+)-4,12-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)-[2.2]-パラシクロファン((S)-Xyl-Phanephos))6.89mg(0.01mmol)及び予め脱水した塩化メチレン1mlを加えた後、30分間攪拌させた(錯体形成)。次いで、2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチル155mg(1.0mmol)を予め脱水した塩化メチレン3mlに溶解させた液及び1mol/l塩化水素酢酸エチル1mlを加え、30分間攪拌させた。当該溶液を、攪拌装置及び温度計を備えた内容積10mlのステンレス製反応容器に移し、水素雰囲気下(900kPa)、攪拌させながら50℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル50ml及び0.5mol/l炭酸カリウム水溶液3mlを加え、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮したところ、橙色液体として、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチル0.14gが得られた(転化率;99%以上、不斉収率;45.9%ee)。
実施例11(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
攪拌装置を備えた内容積30mlのシュレンク管に、窒素雰囲気下にて、ジシクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロボレート([Rh(cod)2]BF4)4.06mg(0.01mmol)、(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル((S)-P-Phos)6.45mg(0.01mmol)及び予め脱水した塩化メチレン1mlを加えた後、30分間攪拌させた(錯体形成)。次いで、2-(2'-ピペリジリデン)酢酸メチル155mg(1.0mmol)を予め脱水した塩化メチレン3mlに溶解させた液及び1mol/l塩化水素酢酸エチル1mlを加え、30分間攪拌させた。当該溶液を、攪拌装置及び温度計を備えた内容積10mlのステンレス製反応容器に移し、水素雰囲気下(900kPa)、攪拌させながら50℃で5時間反応させた。反応終了後、析出した固体を濾過により取得した後、得られた固体に酢酸エチル50ml及び0.5mol/l炭酸カリウム水溶液3mlを加え、有機層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮したところ、橙色液体として、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチル0.07gが得られた(収率;44.1%、不斉収率;99.4%ee)。
実施例12(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
実施例11において、塩化メチレンをメチルエチルケトンに代えたこと以外は、実施例11と同様に反応を行った。その結果、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルが0.11g得られた(収率;69.3%、不斉収率;86.0%ee)。
実施例13(光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルの合成)
実施例11において、塩化メチレンをアセトンに代えたこと以外は、実施例11と同様に反応を行った。その結果、光学活性2-(2'-ピペリジル)酢酸メチルが0.1g得られた(収率;63.0%、不斉収率;90.0%ee)。
本発明は、光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法に関する。光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルは、例えば、天然植物塩基や医薬品の合成原料として有用な化合物である。

Claims (14)

  1. (a) ロジウム化合物及び光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子、(b) ロジウム化合物と光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体、(c) ロジウム化合物及び光学活性シクロファンジホスフィン配位子、又は(d) ロジウム化合物と光学活性シクロファンジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体の存在下、一般式(1):
    Figure 2008059862
    式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す、
    で示される2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステルと水素とを反応させることを特徴とする、一般式(2):
    Figure 2008059862
    式中、Rは、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す、
    で示される光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  2. 酸の存在下で反応を行う請求項1記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  3. 酸が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸;ギ酸及び酢酸から成る群より選択される少なくとも1種である請求項2記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  4. 酸が、塩酸である請求項2記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  5. 光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子が、(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル又は(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス[ジ(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-3,3'-ビピリジルである、請求項1記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  6. 光学活性シクロファンジホスフィン配位子が、一般式(5):
    Figure 2008059862
    式中、R’は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す、
    で示されるものである、請求項1記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  7. 光学活性シクロファンジホスフィン配位子が、(S)-(+)-4,12-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-[2.2]-パラシクロファンである、請求項1又は6記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  8. 反応を、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ニトリル類又はケトン類、或いはそれらの混合溶媒中で行う請求項1記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  9. (a) ロジウム化合物及び光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子、又は(b) ロジウム化合物と光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体の存在下、一般式(1)で示される2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステル、水素及び酸とを、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類及びニトリル類からなる群より選択された1種の有機溶媒中で反応させた後、析出した固体を取得して、塩基で処理することからなる請求項1記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  10. 塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びピリジンから成る群より選択される少なくとも1種である請求項9記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルの製法。
  11. (a) ロジウム化合物及び光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子、(b) ロジウム化合物と光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体、(c) ロジウム化合物及び光学活性シクロファンジホスフィン配位子、又は(d) ロジウム化合物と光学活性シクロファンジホスフィン配位子との反応によって得られるロジウム錯体の存在下、一般式(1):
    Figure 2008059862
    式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す、
    で示される2-(2'-ピペリジニデン)酢酸エステルと水素とを反応させることによって得られる、一般式(2):
    Figure 2008059862
    式中、Rは、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す、
    で示される光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステル。
  12. 光学活性ビヘテロアリールジホスフィン配位子が、(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3'-ビピリジル又は(S)-2,2',6,6'-テトラメトキシ-4,4'-ビス[ジ(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-3,3'-ビピリジルである、請求項11記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステル。
  13. 不斉収率が80%ee以上の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステルである、請求項11記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステル。
  14. Rがメチル基である、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の光学活性2-(2'-ピペリジニル)酢酸エステル。
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