JPWO2008029734A1 - 放射性フッ素標識有機化合物の製造方法、合成装置およびプログラム - Google Patents

放射性フッ素標識有機化合物の製造方法、合成装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

放射性フッ素標識化合物の製造方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分を蒸散させるステップ(S10)において、反応容器の加熱中に、蒸散された水を排出するための排出管の温度を測定するステップ(S12)を有し、温度を測定するステップ(S12)における温度測定結果に基づいて決定した時刻に蒸散処理を終了する(S16)。これにより、放射性フッ素標識有機化合物の製造方法において、混合物中に存在する水分量を適切な範囲に調整し、安定した収率を実現できる。

Description

関連する出願
本出願では、2006年9月6日に日本国に出願された特許出願番号2006−241059の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
本発明は、放射性フッ素標識有機化合物を製造する方法、該化合物を製造する合成装置、およびその制御プログラムに関する。
陽電子放出断層撮影(以下、「PET」という)及び単一光子放射断層撮影(以下、「SPECT」という)に代表される核医学検査は、癌をはじめとする種々の疾患の診断に有効である。これらの方法は、特定の放射性同位元素でラベルされた薬剤(以下、「放射性医薬品」という)を投与し、該薬剤の投与により直接的または間接的に放出されたγ線を検出する方法である。核医学検査は、疾患に対する特異度や感度が高いという優れた性質を有しているばかりでなく、病変部の機能に関する情報を得ることができるという、他の検査方法にはない特徴を有している。
例えば、2−[18F]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコース(以下、「18F−FDG」という)は、PET検査に用いられる放射性医薬品の一つである。18F−FDGは、糖代謝の盛んな部位に集積する性質があるため、糖代謝が盛んな腫瘍を特異的に検出することが可能となる。
PETは、得られる画像の画質が高いため、従来広く臨床において用いられていたSPECTと比較して、より診断性能の高い画像を提供することができる。そのため、PET検査は、SPECT検査に次ぐ新たな診断モダリティとして期待されており、PET検査用の放射性医薬品(以下、「PET診断剤」という)の開発が多くの研究施設等により行われている。例えば、種々のレセプターマッピング剤や、血流診断製剤が合成され、臨床応用に向けて研究が行われている。
PET診断剤は、陽電子放出核種である、11C、15O、18F等で標識した化合物を有効成分として含有している薬剤である。これらのうちで最も広く用いられている化合物は、18F−FDGに代表される18F標識有機化合物である。18F−FDGの製造方法としては種々の方法が報告されている。18F−FDGの製造方法の多くは、ハマハーにより提案された方法(以下、「ハマハー法」という)と、オンカラム法とに大別される。
ハマハー法では、まず、18F、炭酸カリウム及び相間移動触媒を含む溶液を蒸散乾固させて18Fを活性化させる。次に、活性化された溶液に、標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース(以下、「TATM」という)のアセトニトリル溶液を加えて加熱し、中間体である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−フルオロ−2−デオキシグルコース(以下、「18F−TAFDG」という)を得る。続いて、18F−TAFDGを脱保護工程及び精製工程に付して、目的となる18F−FDGを得る。一方、オンカラム法は、カラム内にて18Fの活性化並びに18F標識反応を行い、脱保護並びに精製を行うことにより、18F−FDGを得る方法である。18F−FDGの製造方法は、例えば、次の文献に記載されている:
特開平6−157572号公報;
Hamacher K., Coenen H. H., Stocklin G., "Efficient Stereospecific Synthesis of No-carrier-added-2-[18F]fluoro-2-deoxy-D-glucose Using Aminopolyether Supported Nucleophilic Substitutionm." J. Nucl. Med., 1986, 27, 2, p.235-238(文献1);
K. Hamacher et al., "Computer-aided Synthesis (CAS) of No-carrier-added 2-[18F]Fluoro-2-deoxy-D-glucose: an Efficient Automated System for the Aminopolyether-supported Nucleophilic Fluorination" Applied Radiation and Isotopes, (Great Britain), Pergamon Press, 1990, 41, 1, p.49-55(文献2)。
上記方法にて18F−FDGの合成を行う場合には、18F、炭酸カリウム及び相間移動触媒を含む溶液を蒸散乾固させて18Fを活性化させる工程にて、溶液を完全に無水化させる必要があることが開示されている(上記文献1、特表平11−508923号公報参照)。
また、18F標識有機化合物の合成において、18Fを活性化させる蒸散工程における水分の除去が不十分だと、18Fが水和して18Fの求核性を低下させ、18F−FDGの収率低下の原因となりうることが開示されている(特開平5−345731号公報参照)。
18F−FDGを製造する代表的な方法のうち、ハマハー法は比較的高い収率を達成し得るという特徴を有する反面、製造収率が大きくばらつく場合があるという問題を有している。このばらつきの主たる原因は、18F標識反応における収率、すなわち18F−TAFDGの製造収率(以下、「放射性フッ素化収率」という)がばらつくことである。従って、18F−FDGを商業的に安定して供給するためには、高収率で安定して製造することができる方法を用いる必要があり、そのためには安定して高収率で18F−TAFDGを製造しうる条件を確立する必要がある。
本発明者らは、18F−FDGの製造法を検討した結果、18F標識反応において溶液中に一定量の水を含有させることにより、安定して高い放射性フッ素化収率を達成し得ることを見出し、溶液中における好ましい水分量の範囲を提案した(特願2005−352464)。
しかしながら、溶液中の水分量を上記範囲に制御して18F−FDGを工業的に生産するためには、さらなる工夫が必要である。すなわち、実験的には、ガスクロマトグラフィー分析等を用いて測定することによって溶液中の水分量を求めることができるが、ガスクロマトグラフィー分析等は、一旦蒸散処理を止めて溶液を室温まで冷却する必要がある方法である。18F−FDGを工業的に製造する場合、溶液中の水分量を測定するために蒸散処理を中断することはできないので、ガスクロマトグラフィー分析等を18F−FDGの工業的製造に利用することはできない。
本発明は、上記背景に鑑み、簡単な構成で、蒸散処理中の混合物中に存在する水分量を適切な範囲に調整する方法を提供することを目的とする。また、18F、炭酸カリウム及び相間移動触媒を含む混合物中に存在する水分量を適切な範囲に調整することによって、高い放射性フッ素化収率を得ることができる放射性フッ素標識有機化合物の製造方法、合成装置の制御プログラム及び合成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意、実験および検討を重ねた結果、混合物中の水分量と、蒸散された水を反応容器から排出するための排出管の外壁の温度との間に相関があり、排出管の外壁の温度変化は、混合物中の水分量の減少に応じて、一定のトレンドを示すことを見出した。この知見に基づいて、排出管の外壁の温度に基づいて決定した時刻に蒸散工程を終了させることにより、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分を蒸散させる工程において、混合物中に残存する水分量を適切な範囲に調整する本発明を完成した。また、この方法を18F−FDGの製造法に適用することで、高い放射性フッ素化収率を達成し得る本発明を完成した。
本発明の放射性フッ素標識化合物の製造方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して、該混合物中の水分を蒸散させるステップと、前記混合物と標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含む反応溶液を調製するステップと、前記反応溶液に対して反応条件を与えることにより、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−[18F]フルオロ−2−デオキシグルコースを得るステップとを備え、前記水分を蒸散させるステップは、蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップを有し、前記終了時刻に前記蒸散を終了する。
上記放射性フッ素標識化合物の製造方法において、前記蒸散の終了時刻を決定するステップでは、前記排出管の外壁の温度を測定してもよい。
上記放射性フッ素標識化合物の製造方法において、前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散の終了時刻を決定してもよい。
上記放射性フッ素標識化合物の製造方法において、前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、温度変化の負の勾配が最大となる点に基づいて蒸散の終了時刻を決定してもよい。
本発明の別の態様の放射性フッ素標識化合物の製造方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して、該混合物中の水分を蒸散させるステップと、前記混合物と標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含む反応溶液を調製するステップと、前記反応溶液に対して反応条件を与えることにより、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−[18F]フルオロ−2−デオキシグルコースを得るステップとを備え、前記水分を蒸散させるステップは、予め決定された蒸散終了時刻に前記蒸散を終了するものであり、前記蒸散終了時刻は、蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて決定された時刻を用いる。
本発明の別の態様の放射性フッ素標識化合物の製造方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して、該混合物中の水分を蒸散させるステップと、前記混合物と標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含む反応溶液を調製するステップと、前記反応溶液に対して反応条件を与えることにより、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−[18F]フルオロ−2−デオキシグルコースを得るステップとを備え、前記水分を蒸散させるステップは、前記反応容器に接続された部品の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップを有し、前記終了時刻に蒸散を終了する。
本発明の[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量の調整方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分の蒸散を開始するステップと、蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップと、前記終了時刻に前記水分の蒸散を終了するステップとを備える。
上記の混合物中の水分含量の調整方法において、前記蒸散の終了時刻を決定するステップでは、前記排出管の外壁の温度を測定してもよい。
上記の混合物中の水分含量の調整方法において、前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散の終了時刻を決定してもよい。
上記の混合物中の水分含量の調整方法において、前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、負の勾配が最大となる点に基づいて蒸散の終了時刻を決定してもよい。
本発明の別の態様の[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量の調整方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分の蒸散を開始するステップと、予め決定した蒸散終了時刻に前記水分の蒸散を終了するステップとを備え、前記蒸散終了時刻は、蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて決定された時刻を用いる。
本発明の別の態様の[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量の調整方法は、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分の蒸散を開始するステップと、前記反応容器に接続された部品の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップと、前記終了時刻に前記水分の蒸散を終了するステップとを備える。
本発明の合成装置は、反応容器と、前記反応容器に収容された混合物中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、蒸散された水を前記反応容器から排出するための排出管と、前記排出管の温度を計測する温度計とを備える。
上記合成装置において、前記温度計は、前記排出管の外壁の温度を計測してもよい。また、前記温度計は、排出管の内壁や排出管内部の温度を計測してもよい。
上記合成装置において、前記温度計は、前記排出管上の、前記排出管と前記反応容器との接続部分から30cm以内の位置に取り付けられてもよい。
上記合成装置は、前記温度計で測定された温度に基づいて前記加熱装置を制御する制御部を備えてもよい。
上記合成装置において、前記制御部は、前記温度計で測定された温度変化のトレンドに基づいて、前記混合物中の水分含量が所定の範囲の値となるように前記加熱装置を制御してもよい。
上記合成装置は、18F−FDGを合成するために、前記制御部が、前記温度計で測定した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散を終了する終了時刻を決定し、前記終了時刻に蒸散を終了するように前記加熱装置を制御してもよい。
上記合成装置は、18F−FDGを合成するために、前記制御部が、前記温度計で測定した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、負の勾配が最大となる点に基づいて、蒸散を終了する終了時刻を決定し、前記終了時刻に蒸散を終了するように前記加熱装置を制御してもよい。
本発明の別の態様に係る合成装置は、反応容器と、前記反応容器に収容された混合物中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、前記反応容器に接続された部品の温度を計測する温度計と、前記温度計で測定された温度に基づいて前記加熱装置を制御する制御部とを備える。
本発明のプログラムは、反応容器と、前記反応容器に収容された溶液中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、前記反応容器内から蒸散される水を排出するための排出管と、前記排出管の温度を計測する温度計とを備える合成装置によって、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンとを含有する溶液中の水分を蒸散させるためのプログラムであって、前記合成装置に、前記加熱装置によって前記反応容器を加熱して蒸散を開始するステップと、前記温度計から前記排出管の温度の情報を取得するステップと、前記温度に基づいて蒸散の終了時刻を求めるステップと、前記終了時刻に蒸散を終了するステップとを実行させる。
上記プログラムにおいて、前記蒸散の終了時刻を求めるステップは、取得した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散の終了時刻を求めてもよい。
上記プログラムにおいて、前記蒸散の終了時刻を求めるステップは、取得した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、温度変化の負の勾配が最大となる点に基づいて蒸散の終了時刻を求めてもよい。
本発明の別の態様のプログラムは、反応容器と、前記反応容器に収容された溶液中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、前記反応容器に接続された部品の温度を計測する温度計とを備える合成装置によって、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンとを含有する溶液中の水分を蒸散させるためのプログラムであって、前記合成装置に、前記加熱装置によって前記反応容器を加熱して蒸散を開始するステップと、前記温度計から前記部品の温度の情報を取得するステップと、前記温度に基づいて蒸散の終了時刻を求めるステップと、前記終了時刻に蒸散を終了するステップとを実行させる。
本発明により、混合物中の水分を蒸散させる処理において、混合物中に残存する水分量を適切な範囲に調整することができる。また、この蒸散処理の方法を放射性フッ素標識有機化合物の製造に適用することにより、放射性フッ素化収率を安定的に高めることができる。
以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。
図1は、本発明の形態の合成装置の構成を示す図である。 図2は、制御装置の構成を示す図である。 図3は、本実施の形態の水分含量の調整方法における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図4は、蒸散処理中の排出管の温度変化を示す図である。 図5は、負の勾配が最大となる点を検出するフローチャートである。 図6は、極大値検出処理の処理を示すフローチャートである。 図7は、負の最大勾配検出工程の処理を示すフローチャートである。 図8は、勾配が最大勾配の一定割合以下となる点を検出するフローチャートである。 図9は、勾配が最大勾配の一定割合以下となる点を検出処理を詳細に示すフローチャートである。 図10は、負の最大勾配からの経過時間と試料中の水分含量との関係を示す図である。 図11は、負の最大勾配の1/10の勾配を示す時間点からの経過時間と試料中の水分含量との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る合成装置および放射性フッ素標識化合物の製造方法について、図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の単なる例であることが理解され、本発明を様々な態様に変形することができる。従って、以下に開示する特定の構成および機能は、請求の範囲を限定するものではない。
[合成装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態の合成装置1の構成を示す図である。合成装置1は、必要な試薬及び原料をストックするための試薬容器11〜15と、試薬を合成する反応容器16と、反応容器16にて生成された18F−FDGを回収する18F−FDG回収容器17とを備えている。試薬容器11〜15と反応容器16と18F−FDG回収容器17とは、配管によって接続されている。反応容器16と18F−FDG回収容器17とを結ぶ配管上には、精製カラム18が設けられている。
合成装置1には、18F−FDGを製造するための試薬として、試薬容器11に[18F]フッ化物イオンを含むH2 18O濃縮水を充填し、試薬容器12に炭酸カリウム溶液を充填し、試薬容器13に相間移動触媒を充填し、試薬容器14にTATMのアセトニトリル溶液を充填し、試薬容器15に塩酸を充填する。
試薬容器11には、陰イオン交換カラム19が接続されている。陰イオン交換カラム19は、反応容器16および18O濃縮水回収容器20に配管によって接続されている。試薬容器11内に充填された[18F]フッ化物イオンを含むH2 18O濃縮水が陰イオン交換カラム19に通液される。陰イオン交換カラム19を通過した18O濃縮水は、18O濃縮水回収容器20に回収される。18O濃縮水の通液によって陰イオン交換カラム19に吸着捕集された18Fは、次工程の炭酸カリウムの通液によって反応容器16に導入される。
合成装置1は、反応容器16を加熱するための加熱装置21を有している。また、合成装置1は、試薬容器11〜15、反応容器16等にヘリウムガスを供給するヘリウムボンベ22を備えている。
反応容器16には、反応溶液を蒸散する工程において蒸散される水を排出するための排出管23が設けられている。排出管23には、真空ポンプ24が備えられており、反応溶液から蒸散された水を反応容器16の外部に吸引する。
本実施の形態の合成装置1は、排出管23上に排出管23の外壁の温度を計測するための温度計25を備えている。温度計25は、反応容器16と排出管23との接続部分から30cm以内の位置に設けられ、好ましくは該接続部分から10cm以内の位置に設けられ、さらに好ましくは該接続部分から5cm以内の位置に設けられ、特に好ましくは該接続部分から0.5〜1.5cmの位置に設けられる。このように温度計25を反応容器16の近くに設けることにより、反応容器16内から蒸散した水分による影響を受けやすい箇所の温度を計測することができる。これにより、温度のトレンドが変化する点を精度良く検出することができる。
合成装置1は、試薬容器11〜15、反応容器16、18F−FDG回収容器17等をつなぐ配管上に、複数のバルブ26a〜26hを備えている。バルブ26a〜26hとしては、配管の分岐に配置された三方バルブ26a〜26e、26hと、分岐していない配管の部分に配置された開閉バルブ26f、26gが用いられる。
合成装置1は、上記したような合成装置1内の各種の構成を制御するための制御装置30を備えている。制御装置30は、例えば、加熱装置21に加熱の開始、終了の命令を与えたり、各バルブ26a〜26hの開閉を制御したりする機能を有している。
[制御装置の構成]
図2は、制御装置30の構成を示す図である。制御装置30は、温度計25から温度の情報を取得する温度計インターフェース32と、加熱装置21に加熱開始、終了の命令を伝送するための加熱装置インターフェース33と、バルブ26a〜26hに命令を伝送するバルブインターフェース34とを備えている。制御装置30は、温度計インターフェース32を通じて温度計25と接続され、加熱装置インターフェース33を通じて加熱装置21と接続されている。制御装置30は、バルブインターフェース34を通じて各バルブ26a〜26hと接続されているが、図1では図示を省略している。なお、制御装置30は、合成装置1を制御する機能を有し、加熱装置21、温度計25、バルブ26a〜26hに限らず、合成装置1内の種々の構成を制御するが、それらの制御については従来の合成装置と同様である。
制御装置30は、放射性フッ素標識化合物を製造する処理を制御するためのプログラムを記憶したROM35を備えている。ROM35には、メインモジュール36、混合溶液調整モジュール37、蒸散処理モジュール38、合成処理モジュール39、精製処理モジュール40が記憶されている。ここでは、各モジュール36〜40がROM35に記憶された例について説明しているが、プログラムは、必ずしもROM35に記憶されている必要はなく、ハードディスクに記憶されていてもよい。プログラムは、CD−ROMやフロッピーディスク(登録商標)のような外部の記録媒体に記録されていてもよい。この場合、プログラムが記録された記録媒体を制御装置30に備えられた読取装置(図示せず)に挿入することにより、CPU31がプログラムにアクセス可能になる。記録媒体に記録されたプログラムに基づく制御により、合成装置1は、放射性フッ素標識化合物を製造することができる。
ROM35および各インターフェース32〜34は、バスを通じてCPU31に接続されている。CPU31は、ROM35に記憶されたモジュールを読み出し、読み出したプログラムに従って演算処理を行うことにより、合成装置1を制御し、放射性フッ素標識化合物を製造する。
次に、制御装置のROM35に記憶された各モジュール36〜40について説明する。メインモジュール36は、混合溶液調整モジュール37、蒸散処理モジュール38、合成処理モジュール39、精製処理モジュール40の実行順序を制御するモジュールである。
混合溶液調製モジュール37は、合成装置1のバルブ26a〜26h等を制御して、相間移動触媒と[18F]フッ化物イオンとカリウムイオンとを含む混合溶液を調製する機能を有する。
図1を参照して、合成装置1が行う混合溶液の調整処理について説明する。まず、合成装置1は、[18F]フッ化物イオンを含むH2 18O濃縮水を試薬容器11から三方バルブ26hを介して陰イオン交換カラム19に通液し、三方バルブ26aを介して18O濃縮水回収容器20に回収する。これにより、[18F]フッ化物イオンが陰イオン交換カラム19に吸着捕集され、18O濃縮水回収容器20に回収されたH2 18O濃縮水と分離することができる。その後、合成装置1は、バルブ26gを開くと共に、三方バルブ26a、26b、26c、26dを開いて陰イオン交換カラム19の出口側と反応容器16との流路を開く。この状態で、合成装置1は、陰イオン交換カラム19に試薬容器12から炭酸カリウム溶液を流して[18F]フッ化物イオンを反応容器16中に溶出させる。次に、合成装置1は、三方バルブ26aを閉じて反応容器16と試薬容器11,12との間の流路を閉じ、三方バルブ26bを開いて試薬容器13と反応容器16との流路を開き、試薬容器13から反応容器16に相間移動触媒を加える。混合溶液調製モジュール37は、これら一連の処理を合成装置1に実行させる。
蒸散処理モジュール38は、合成装置1のバルブ26a〜26hおよび加熱装置21等を制御して、相間移動触媒と[18F]フッ化物イオンとカリウムイオンと水とを含む混合物中の水分を蒸散させる機能を有する。図1を参照して、合成装置1が行う蒸散処理について説明する。合成装置1は、三方バルブ26dを閉じて反応容器16と試薬容器13〜15等との流路を閉じ、バルブ26gを開き、加熱装置21を用いて反応容器16の加熱を開始する。反応容器16の加熱を開始したら、制御装置30は、温度計25にて計測される温度の情報を取得し、取得した温度の情報に基づいて蒸散処理を終了する時刻を決定する。そして、合成装置1は、決定された蒸散終了時刻に、加熱装置21による加熱を停止し、バルブ26gを閉じて蒸散処理を停止する。蒸散処理モジュール38は、これらの一連の処理を合成装置1に実行させる。
なお、本加熱工程は、前記の加熱操作に加え、ヘリウムボンベ22より、バルブ26fを介して反応容器16内にヘリウムガスを導入するといった操作を行うものであってもよい。この場合、合成装置1は、三方バルブ26dを閉じて反応容器16と試薬容器13〜15等との間の流路を閉じ、バルブ26fを開放して反応容器16にヘリウムガスを供給しながらバルブ26gを開き、加熱装置21を用いて反応容器16の加熱を開始する。そして、上記と同様の方法によって決定された蒸散終了時刻に、加熱装置21による加熱を停止し、バルブ26fを閉じて反応容器16のヘリウムガスの供給を止め、さらにバルブ26gを閉じて蒸散処理を停止する。
合成処理モジュール39は、合成装置1のバルブ26a〜26hおよび加熱装置21等を制御して、目的物である18F−FDGを合成する機能を有する。図1を参照して、合成装置1が行う合成処理について説明する。まず、合成装置1は、三方バルブ26c、26dを開いて、試薬容器14と反応容器16との流路を開く。次に、合成装置1は、ヘリウムボンベ22を用いて試薬容器14を加圧することにより、試薬容器14中のTATM溶液を反応容器16に導入する。TATM溶液の反応容器16への導入が終了したら、合成装置1は、ヘリウムガスによる加圧を終了し、三方バルブ26dを閉じ、反応容器16から試薬容器11〜15に通じる流路を閉じる。次に、合成装置1は、バルブ26gを閉じ、加熱装置21を用いて上記反応溶液を加熱して反応条件を与え、求核置換反応によって18F−TAFDGを合成する。続いて、合成装置1は、バルブ26gを開き、その状態でさらに反応容器16を加熱し、反応溶液中の溶媒を実質的に蒸散させる。次いで、合成装置1は、三方バルブ26d、26eを開き、その状態でヘリウムボンベ22を用いて試薬容器15を加圧し、試薬容器15内の塩酸を反応容器16に導入する。合成装置1は、バルブ26d、26gを閉じて反応容器16を密閉状態とし、加熱装置21にて反応容器16を加熱することにより、酸加水分解を行う。合成処理モジュール39は、これら一連の処理を合成装置1に実行させる。
なお、上記の溶媒を蒸散させる工程においては、前記の加熱操作に加え、ヘリウムボンベ22より、バルブ26fを介して反応容器16内にヘリウムガスを導入するといった操作を行ってもよい。この場合、合成装置1は、18F−TAFDGの合成終了後、バルブ26fを開放して反応容器16にヘリウムガスを供給しながらバルブ26gを開き、上記と同様の要領にて反応容器中の溶媒を実質的に蒸散させる。次に、上記と同様の操作にて試薬容器15内の塩酸を反応容器16に導入した後、バルブ26d、26f及び26gを閉じて反応容器16を密閉状態とし、上記同様に酸加水分解を実行する。
なお、上記工程における反応条件及び試薬量については、公知の条件(例えば、文献(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)を用いることができる。
精製処理モジュール40は、合成装置1のバルブ26a〜26h等を制御して、合成した18F−FDGを精製させる機能を有する。図1を参照して、合成装置1が行う精製処理について説明する。まず、合成装置1は、三方バルブ26d、26eを開いて反応容器16と精製カラム18との流路を開く。また、合成装置1は、バルブ26fを開くと共に、ヘリウムボンベ22を用いて反応容器16を加圧することにより、反応容器16内の反応溶液を精製カラム18を通じて18F−FDG回収容器17に回収する。精製処理モジュール40は、これら一連の処理を合成装置1に実行させる。
なお、上記工程における条件及び使用する精製カラム18については、公知の条件(例えば、文献(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)を用いることができる。
18F−FDGの製造方法]
次に、本発明の実施の形態の合成装置1によって18F−FDGを製造する方法について説明する。
まず、合成装置1の試薬容器11〜15に試薬を導入する。具体的には、試薬容器11に[18F]フッ化物イオンを含むH2 18O濃縮水を充填し、試薬容器12に炭酸カリウム溶液を充填し、試薬容器13に相間移動触媒を充填し、試薬容器14にTATMのアセトニトリル溶液を充填し、試薬容器15に塩酸を充填する。
次に、制御装置30は、混合溶液調整モジュール37を読み出して実行することにより、合成装置1に、相間移動触媒と[18F]フッ化物イオンとカリウムイオンと水とを含む混合物を調製させる。
合成装置1は、[18F]フッ化物イオンを含むH2 18O濃縮水を試薬容器11から三方バルブ26hを介して陰イオン交換カラム19に通液し、三方バルブ26aを介して18O濃縮水回収容器20に回収する。この処理により、[18F]フッ化物イオンが陰イオン交換カラム19に吸着捕集され、18O濃縮水回収容器20に回収されたH2 18O濃縮水と分離する。次に、合成装置1は、バルブ26gを開くと共に、三方バルブ26a、26b、26c、26dを開いて陰イオン交換カラム19の出口側と反応容器16との流路を開く。この状態で、合成装置1は、試薬容器12から陰イオン交換カラム19に炭酸カリウム溶液を流し、[18F]フッ化物イオンを反応容器16中に溶出させる。次に、合成装置1は、三方バルブ26aを閉じて陰イオン交換カラム19と各試薬容器13〜15および反応容器16等との間の流路を閉じる。次に、合成装置1は、三方バルブ26bを開いて試薬容器13と反応容器16との流路を開き、試薬容器13から反応容器16に相間移動触媒を加える。
ここで、相間移動触媒と[18F]フッ化物イオンとカリウムイオンと水とを含む混合物は、定法(例えば、文献(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)に従って、得ることができる。
ここで用いる炭酸カリウム及び相間移動触媒の量は、18F−FDG(若しくは18F−TAFDG)の製造において、通常用いられる量とすることができる。相間移動触媒は、18F−FDG(若しくは18F−TAFDG)の製造において、通常用いられる触媒を用いることができる。
反応容器16に相間移動触媒と[18F]フッ化物イオンとカリウムイオンと水とを含む混合物を調整した後、制御装置30は、蒸散処理モジュール38を読み出して実行することにより、該混合物に蒸散処理を施し、該混合物中の水分含量を調整する。
図3は、合成装置1による蒸散処理の動作を示す図である。まず、相間移動触媒と[18F]フッ化物イオンとカリウムイオンと水とを含む混合物を反応容器16中で加熱して蒸散を開始する(S10)。図1を参照して説明すると、合成装置1は、三方バルブ26dを閉じて反応容器16と試薬容器11〜15との流路を閉じると共に、バルブ26gを開く。その状態で、合成装置1は、加熱装置21を用いて反応容器16の加熱を開始する(S10)。
上述したステップS10で開始した加熱蒸散工程の処理中に、制御装置30は、温度計25から取得した温度変化のトレンドを見て、トレンドが所定の変化を示す特定の時刻(以下、「特定時間点」という)を検出する処理を行う(S12)。
図4は、蒸散処理を行っているときの排出管23の温度変化を示す図である。本実施の形態の合成装置1において、排出管23の温度は、蒸散処理の開始時から上昇した後に下降し、その後再び、上昇するというトレンドを有する。このようなトレンドを有する温度変化において、制御装置30が検出する特定時間点は、例えば、(1)温度変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点、または(2)温度変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでに間において負の勾配が最大となる点、である。制御装置30が、取得した温度に基づいて、特定時間点を検出する方法としては種々の方法が考えられ、いずれの方法を採用することも可能である。幾つかの方法を後述する。
制御装置30は、特定時間点を検出した後、特定時間点に基づいて蒸散処理の終了時刻を決定する(S14)。なお、特定時間点に基づいて蒸散の終了時刻を決定するための具体的な方法は、加熱装置21による加熱温度や、排出管23の材質、温度計25を配置する位置等によって異なる。
合成装置1は、決定された蒸散の終了時刻に、加熱装置21による加熱を停止し、バルブ26gを閉じて蒸散処理を終了する(S16)。このようにして、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量を調整することができる。
なお、本加熱工程は、前記の加熱操作に加え、ヘリウムボンベ22より、バルブ26fを介して反応容器16内にヘリウムガスを導入するといった操作を行うものであってもよい。この場合、合成装置1は、三方バルブ26dを閉じて反応容器16と試薬容器13〜15等との間の流路を閉じ、バルブ26fを開放して反応容器16にヘリウムガスを供給しながらバルブ26gを開き、加熱装置21を用いて反応容器16の加熱を開始する。そして、上記と同様の方法によって決定された蒸散終了時刻に、加熱装置21による加熱を停止し、バルブ26fを閉じて反応容器16のヘリウムガスの供給を止め、さらにバルブ26gを閉じて蒸散処理を停止する。
蒸散処理が終了すると、制御装置30は、合成処理モジュール39を読み出して実行し、合成装置1は、目的物である18F−FDGを合成する。合成装置1は、まず、三方バルブ26c、26dを開いて、試薬容器14と反応容器16との流路を開く。次に、合成装置1は、ヘリウムボンベ22を用いて試薬容器14を加圧することにより、試薬容器14中のTATM溶液を反応容器16に導入する。TATM溶液の反応容器16への導入が終了したら、合成装置1は、ヘリウムガスによる加圧を終了し、三方バルブ26dを閉じて、反応容器16から試薬容器11〜15に通じる流路を閉じる。次に、合成装置1は、バルブ26gを閉じ、加熱装置21を用いて反応溶液を加熱して反応条件を与え、求核置換反応によって18F−TAFDGを合成する。合成装置1は、バルブ26gを開いて、さらに反応容器16を加熱し、反応溶液中の溶媒を実質的に蒸散させる。次に、合成装置1は、三方バルブ26d、26eを開いて、ヘリウムボンベ22を用いて試薬容器15を加圧し、試薬容器15の塩酸を反応容器16に導入する。合成装置1は、バルブ26gを閉じると共に、三方バルブ26dを閉じて再び反応容器16を密閉状態とし、加熱装置21にて反応容器16を加熱して酸加水分解を行う。なお、上記工程における反応条件及び試薬量については、公知の条件(例えば、文献(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)を用いることができる。
なお、上記の溶媒を蒸散させる工程においては、前記の加熱操作に加え、ヘリウムボンベ22より、バルブ26fを介して反応容器16内にヘリウムガスを導入するといった操作を行ってもよい。この場合、合成装置1は、18F−TAFDGの合成終了後、バルブ26fを開放して反応容器16にヘリウムガスを供給しながらバルブ26gを開き、上記と同様の要領にて反応容器中の溶媒を実質的に蒸散させる。次に、上記と同様の操作にて試薬容器15内の塩酸を反応容器16に導入した後、バルブ26d、26f及び26gを閉じて反応容器16を密閉状態とし、上記同様に酸加水分解を実行する。
合成処理が終了すると、制御装置30は、精製処理モジュール40を読み出して実行することにより、合成された18F−FDGを精製する。まず、合成装置1は、三方バルブ26d、26eを開いて反応容器16と18F−FDG回収容器17との流路を開く。合成装置1は、バルブ26fを開き、この状態でヘリウムボンベ22を用いて反応容器16を加圧することにより、反応容器16内の反応溶液を、精製カラム18を通じて18F−FDG回収容器17に回収する。
なお、上記工程における条件及び使用するカラムについては、公知の条件(例えば、文献(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)を用いることができる。
[蒸散終了時刻の計算例]
ここで、特定時間点の検出例と、特定時間点に基づいて蒸散終了時刻を算出する例について説明する。
図5は、温度変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでに間において負の勾配が最大となる点を特定時間点として検出するフローチャートである。図5に示すフローチャートは、図3に示すフローチャートにおいて、特定時間点の検出処理(S12)に相当する処理の一例を示している。制御装置30は、まず、温度変化のトレンドが上昇から下降に変化する点、すなわち、温度変化の極大値を求める(S20)。次に、制御装置30は、勾配が最大となる点を検出する(S22)。このように、温度変化が下降トレンドに転じた後に特定時間点を検出することにより、温度上昇中の不安定な温度変化における特定時間点の誤検出を防止できる。
図6は、温度トレンドが上昇から下降に変化する点の検出処理(S20)の処理を示すフローチャートである。制御装置30は、まず、温度を測定し(S30)、測定された温度(以下、「現在温度」という)が所定の温度(以下、「閾値」という)以上になったか否かを判定する(S32)。この判定に用いる閾値は、蒸散に用いる加熱温度や温度の測定位置によって異なる。例えば、蒸散工程における加熱温度が110℃であり、温度計25が反応容器16から5mmの位置である場合、初期温度+15℃程度に設定する。なお、温度の経時変化を示す曲線のノイズが小さく、温度変化のトレンドが上昇から下降に変化する点まで、温度が単調に増加することが明らかである場合は、ステップS30、S32の工程を省略し、初期温度を最高温度として記憶してもよい。
測定された温度が閾値に満たない場合には(S32でNO)、温度を測定するステップ(S30)に戻る。このように現在温度が閾値以上になるまで、次のステップに移行しない構成により、温度上昇時の不安定な温度変化に起因する誤検出を防止できると共に、処理の負担を軽減できる。測定された温度が閾値以上である場合には(S32でYES)、制御装置30は、その現在温度を最高温度として記憶する(S34)。
次に、制御装置30は温度を測定し(S36)、測定された現在温度と記憶された最高温度とを比較する(S38)。現在温度が記憶されている最高温度以上の場合は(S38でYES)、制御装置30は、その現在温度によって最高温度を更新して記憶し(S34)、再度温度を測定する(S36)。現在温度が記憶されている最高温度より低い場合には(S38でNO)、制御装置30は、その時刻を上昇から下降へのトレンドの変化点として検出し(S40)、その時点で記憶されている最高温度を示すデータ(温度及び時刻)を、変化点のデータとして記憶する。以上の処理により、変化点の検出処理(S20)が完了する。
なお、温度測定データのノイズが大きい場合には、温度測定データを予めスムージング処理するか、現在温度が複数回続けて最高温度よりも小さい値を示すまで(例えば、2回連続して最高温度よりも小さい現在温度が計測されるまで)ステップS34、S36、S38の処理を繰り返してもよい。
変化点の検出処理(S20)が終了したら、図5に示すように、負の最大勾配検出処理を行う(S22)。
図7は、負の最大勾配検出工程(S22)の処理を詳細に示すフローチャートである。図7に示すように、負の最大勾配検出工程では、制御装置30は、まず、温度を測定し(S50)、測定された温度の変化率を算出する(S52)。温度の変化率は、例えば連続する測定時刻t1及びt2における温度の測定値をそれぞれT1及びT2とし、式(1):
Figure 2008029734
によって、求めることができる。
制御装置30は、この計算によって求められた最初の変化率の値を変化率最小値として記憶する(S54)。次に、制御装置30は、温度を測定し(S56)、測定された温度の変化率を算出する(S58)。制御装置30は、算出された変化率の値と記憶されている変化率の最小値とを比較する(S60)。算出された変化率の方が記憶されている変化率より小さい場合は(S60でYES)、記憶されている負の勾配より現在の負の勾配の方が大きい場合であるが、その場合には、制御装置30は、現在の温度の変化率を変化率最小値として記憶して(S54)、再度温度を測定するステップ(S56)に移行する。そして、制御装置30は、計算された変化率が記憶された変化率最小値よりも大きくなるまで、温度測定(S56)、温度変化率計算(S58)、比較(S60)の処理を繰り返す。
計算された変化率が記憶された変化率最小値よりも大きい場合は(S60でNO)、記憶されている負の勾配より現在の負の勾配の方が小さい場合であるが、その場合には、制御装置30は、負の最大勾配を検出し(S62)、記憶された最小値が計測された時刻を負の最大勾配の検出時刻として記憶する。この一連の処理により、負の最大勾配の検出処理(S22)が完了し、下降トレンドにおける負の最大勾配を示す時刻を特定時間点として検出できる。
なお、温度測定データのノイズが大きい場合は、制御装置30は、温度測定データを予めスムージング処理するか、変化率が複数回続けて記憶された変化率最小値よりも大きい値を示すまでステップ(S54、S56、S58)の処理を繰り返し行ってもよい。
また、一定の時間間隔で温度を測定している場合には、上記式(1)にて算出される変化率の代わりに、下記式(2):
Figure 2008029734
によって計算される温度変化量を用いてもよい。
次に、特定時間点を検出する別の例について説明する。
図8は、温度変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間において負の勾配が最大となる点に対して、勾配が負の最大勾配の一定割合以下となる点を特定時間点として検出するフローチャートである。制御装置30は、まず、温度変化が上昇トレンドから下降トレンドに変化する点、すなわち、温度変化の極大値を求める(S70)。次に、制御装置30は、負の勾配が最大となる点を検出する(S72)。ここまでの処理は、図5に示すフローチャートと同じである。
次に、制御装置30は、負の勾配が負の最大勾配の一定割合(たとえば1/10)以下となる点を検出する処理を行う(S74)。
図9は、現在の勾配が負の最大勾配の一定割合以下となる特定時間点を検出する処理を示すフローチャートである。制御装置30は、まず、温度を測定し(S80)、温度の変化率を計算する(S82)。そして、制御装置30は、計算された温度の変化率の絶対値(負の勾配を示す)と、最大勾配の絶対値(負の最大勾配を示す)を1より大きい所定の数K(一定割合が1/10の場合は、K=10)で割った値とを比較する(S84)。この判定の結果、現在の勾配が最大勾配の一定割合以下でない場合には(S84でNO)、制御装置30は、再度温度を測定するステップ(S80)に戻る。現在の勾配が最大勾配の一定割合以下の場合には(S84でYES)、制御装置30は、現在の勾配が負の最大勾配の一定割合となる点を検出し(S86)、そのときの時刻を検出時刻として記憶する。この一連の処理により、現在の勾配が負の最大勾配の一定割合以下となる点の検出処理(S74)が完了する。
以上の例では、下降トレンドにおける負の最大勾配に着目して、トレンドが変化する特定時間点を求めたが、温度の測定結果の一次微分が0となる点を特定時間点として求めてもよい。これにより、温度変化のトレンドが下降から上昇に変化する特定時間点を検出できる。また、温度の測定結果の二次微分が0となる点を特定時間点として求めてもよい。例えば、温度変化が下降トレンドにあるときに、二次微分が0となる特定時間点を求めれば、実質的に、負の最大勾配と同じ点を検出できる。
次に、トレンドの変化点から蒸散の終了時刻を求める方法について説明する。本実施の形態では、トレンドの変化点の検出時刻に所定の時間を加算した時刻を蒸散の終了時刻として求める。このとき、加算する値は、蒸散工程終了後に反応溶液中に好ましい量の水分が残存するように決める。具体的には、特定時間点の検出時刻に加算する値は、用いた変化点の種類や、蒸散工程における反応容器16の加熱温度によって異なる。当業者であれば、下記の実施例に記載されるようにして、種々の条件下で蒸散処理を行ったときの水分の残存量の経時変化を調べることにより、加算する値を日常的に決めることができる。
例えば、トレンドの変化する所定の点として負の最大勾配を示す時刻を用いた場合、加熱温度が110〜120℃の場合は、加算する値として0〜300秒の範囲の適当な時間を選定することができ、好ましくは60〜240秒とする。加熱温度を105℃とした場合であれば、100〜300秒とするのが好ましい。
また、トレンドの変化する所定の点として、下降から上昇へのトレンドの変化点を示す時刻を用いた場合であって、加熱温度が110〜120℃の場合は、加算する値を0〜240秒の範囲の適当な時間を選定することができ、好ましくは60〜180秒とする。加熱温度を105℃とした場合であれば、10〜180秒とするのが好ましい。
以上、本発明の実施の形態の合成装置およびプログラムと、放射性フッ素標識化合物の製造方法について説明した。
上記した実施の形態の合成装置1は、蒸散された水を反応容器16から排出する排出管23の外壁の温度を計測するための温度計25を備え、蒸散処理中に排出管23の温度を計測することにより、蒸散処理の経過をモニターすることができる。
また、上記した実施の形態の合成装置1は、温度計25にて測定した温度変化に基づいて、蒸散処理を終了させる制御装置30を備えており、制御装置30にて所定量の水分が残存した状態で蒸散を終了させる。所定量の水分の残存した[18F]フッ化物イオン、炭酸カリウム及び相間移動触媒を含む反応溶液から18F−FDGを製造することにより、高い放射性フッ素化収率を実現できる。
なお、上記した実施の形態においては、合成装置1が蒸散処理中に、排出管23の外壁の温度変化のトレンドが変化する特定時間点を検出し(S12)、特定時間点に基づいて蒸散処理の終了時刻を決定する(S14)例について説明したが、蒸散処理の終了時刻をあらかじめ決定しておくことも可能である。あらかじめ合成装置1によって18F−FDGを製造し、そのときの蒸散終了時刻を上記した実施の形態と同様の方法によって求めて記憶しておく。次に同じ製造条件で18F−FDGを製造する際には、記憶された蒸散終了時刻を用いて蒸散処理を終了する。これにより、18F−FDGを製造する度に、蒸散終了時刻を求めなくてもよいので、計算処理を簡素化できる。このようにあらかじめ蒸散終了時刻を決定しておく方法は、工業的に18F−FDGを製造する場合等に適している。なお、合成装置1は、製造条件に応じて複数の蒸散終了時刻を記憶しておき、製造条件に対応する蒸散終了時刻を用いて蒸散処理を終了することとしてもよい。
以下、実施例及び参考例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明は下記の内容に限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜2)負の最大勾配を示す時刻からの経過時間と試料中の水分含量との関係
容量5mLのバイアル中で、水0.3mL、66mmol/L炭酸カリウム溶液0.3mL、クリプトフィックス222(製品名、メルク社製)20mgをアセトニトリル1.5mLに溶解した液を混合した。このバイアルに栓をした上で、ヘリウム導入管及び排出管(PEEK製、内径0.75mm、長さ100mm)を接続した。上記排出管上において、上記バイアルとの接続部分から5mm離れた位置に温度計(センサー:K型)及び温度記録装置を取り付けた。
上記バイアルにつき、ヘリウムガスを導入しながら(流量50mL/min)、エアヒーターを用いて110℃に加熱し、上記温度計を用いて上記排出管上の温度の経時変化を1秒間隔で測定した。
図5〜図7で説明した手順にて温度の経時変化曲線上における負の最大勾配を示す時刻を求め、当該時刻から表1に記載の時間経過後に蒸散工程を終了した。
Figure 2008029734
反応容器内の試料を室温まで冷却し、下記の条件のガスクロマトグラフィーによって水分量の測定を行った。
(ガスクロマトグラフィー条件)
カラム:HP−Innowax(製品名、Agilent Technologies社製、内径:0.53mm、長さ:15m)
検出器:TCD
インジェクタ注入量:1μL
インレットヒーター温度:200℃
スプリット比:5:1
カラム温度:60℃
検出器ヒーター温度:200℃
結果を、表2及び図10に示す。表2及び図10に示すように、負の最大勾配を示す時間点から40〜250秒経過後に蒸散を終了させた場合(実施例1〜9)、試料中の水分量は、634.4〜5948.1(ppm)であった。発明者らの検討によると、収率良く18F−FDG(及び18F−TAFDG)を製造するために好ましい反応溶液中の水分含量は、500〜10000(ppm)である(特願2005−352464)。実施例1〜9における条件にて調製された試料中の水分量は、何れもこの範囲内に含まれており、18F−FDGの製造においてこの条件を用いて反応溶液を調製することにより、18F−FDGの収率を向上し得ることが示唆された。
Figure 2008029734
(実施例10〜14、比較例3)負の最大勾配の1/10の勾配絶対値を示す時刻からの経過時間と試料中の水分含量との関係
前述した図8、図9で説明した手順にて温度の経時変化曲線上における勾配の絶対値が、負の最大勾配の1/10を示す時刻を求め、当該時刻から表3記載の時間経過後に蒸散工程を終了した以外は、実施例1〜9と同様の処理を行い、試料を調製した。
Figure 2008029734
反応容器内の試料を室温まで冷却し、実施例1〜9と同様の条件のガスクロマトグラフィーによって水分量の測定を行った。なお、各試料調製及び測定は2回繰り返し行った。
結果を、表4及び図11に示す。表4及び図11に示すように、実施例10〜14における条件にて調製された試料は、何れも収率良く18F−FDG(及び18F−TAFDG)を製造するための好ましい水分(500〜10000ppm)を含有していることが確認された。従って、18F−FDGの製造において、少なくとも実施例10〜14に示す条件を用いて反応溶液を調製することにより、18F−FDGの収率を向上し得ることが示唆された。
Figure 2008029734
(実施例15〜16)負の最大勾配の1/10の勾配絶対値を示す時刻からの経過時間と試料中の水分含量との関係
バイアルの加熱温度を105℃とし、負の最大勾配の1/10を示す時刻から表5記載の時間経過後に蒸散工程を終了した以外は、実施例10〜14と同様の処理を行い、試料を調製した。
Figure 2008029734
反応容器内の試料を室温まで冷却し、実施例1〜14と同様の条件のガスクロマトグラフィーによって水分量の測定を行った。
結果を、表6に示す。表6に示すように、実施例18〜19における条件にて調製された試料は、何れも収率良く18F−FDG(及び18F−TAFDG)を製造するための好ましい水分(500〜10000ppm)を含有していることが確認された。従って、18F−FDGの製造においてこの条件を用いて反応溶液を調製することにより、18F−FDGの収率を向上し得ることが示唆された。
Figure 2008029734
(実施例17〜18)負の最大勾配の1/10の勾配絶対値を示す時刻からの経過時間と試料中の水分含量との関係
バイアルの加熱温度を120℃とし、負の最大勾配の1/10を示す時刻から表7記載の時間経過後に蒸散工程を終了した以外は、実施例10〜14と同様の処理を行い、試料を調製した。
Figure 2008029734
反応容器内の試料を室温まで冷却し、実施例1〜16と同様の条件のガスクロマトグラフィーによって水分量の測定を行った。
結果を、表8に示す。表8に示すように、実施例17〜18における条件にて調製された試料は、何れも収率良く18F−FDG(及び18F−TAFDG)を製造するための好ましい水分(500〜10000ppm)を含有していることが確認された。従って、18F−FDGの製造においてこの条件を用いて反応溶液を調製することにより、18F−FDGの収率を向上し得ることが示唆された。
Figure 2008029734
(実施例19〜20)負の最大勾配の1/10の勾配絶対値を示す時刻からの経過時間と試料中の水分含量との関係
温度計の設置部位を、排出管上でバイアルの天面から14mmとし、負の最大勾配の1/10を示す時刻から表9記載の時間経過後に蒸散工程を終了した以外は、実施例10〜14と同様の処理を行い、試料を調製した。
Figure 2008029734
反応容器内の試料を室温まで冷却し、実施例1〜18と同様の条件のガスクロマトグラフィーによって水分量の測定を行った。
結果を、表10に示す。表10に示すように、実施例19〜20における条件にて調製された試料は、何れも収率良く18F−FDG(及び18F−TAFDG)を製造するための好ましい水分(500〜10000ppm)を含有していることが確認された。従って、18F−FDGの製造においてこの条件を用いて反応溶液を調製することにより、18F−FDGの収率を向上し得ることが示唆された。
Figure 2008029734
(実施例21〜23)本法による18F−FDGの製造収率
18Oが濃縮されたターゲット水にプロトン照射を行い、[18F]フッ化物イオンを、[18F]フッ化物イオン含有ターゲット水として得た。この[18F]フッ化物イオン含有ターゲット水につき、CRC−15R(製品名、CAPINTEC社製)を用いて放射能量を測定し(放射能量Aとする)、次いで陰イオン交換カラムに通液し、[18F]フッ化物イオンを吸着補集した後、炭酸カリウム溶液を通液することにより[18F]フッ化物イオンを反応容器内に溶出した。この[18F]フッ化物イオンを含む溶出液に、クリプトフィックス222(製品名、メルク社製)のアセトニトリル溶液を添加した。なお、炭酸カリウム及び相間移動触媒の量及び添加方法は、定法(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)に従った。
この反応容器にヘリウム導入管及び排出管を接続し、当該排出管上で反応容器から4cmの位置に、温度計(センサー:K型)及び温度記録計を接続した。この反応容器につき、ヘリウムガスを導入しながら(流量50mL/min)、エアヒーターを用いて110℃に加熱し、上記温度計を用いて上記排出管上の温度の経時変化を1秒間隔で測定した。前述した図8、図9にて説明した手順を実施して、温度の経時変化曲線上における勾配の絶対値が負の最大勾配の1/10を示す時刻を求め、当該時刻から表11記載の時間経過後に蒸散工程を終了した。
Figure 2008029734
蒸散工程終了後の反応容器に、TATMのアセトニトリル溶液(濃度:20mg/mL)1mLを添加し、反応溶液を調製した。その後、反応容器を密閉し、エアヒーターを用いて加熱して標識反応を行い、容器を開放してヘリウムガスを導入しながら(流量50mL/min)、さらに加熱して溶媒を蒸散させた。この際の条件は定法(Radioisotopes,50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)に従った。
定法(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50, (2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)に従って酸加水分解を行い、さらに、得られた溶液につき定法(Radioisotopes, 50, (2001), p.205-227、Radioisotopes, 50,(2001), p.228-256、「PET用放射性薬剤の製造および品質管理−合成と臨床使用へのてびき−(第2版)」、PET化学ワークショップ編)記載の方法)に従ってカラム精製を行って、18F−FDG溶液を得た。得られた18F−FDG溶液につきCRC−15R(製品名、CAPINTEC社製)を用いて放射能量を測定し(得られた放射能量をBとする)、下記式(3)に従って収率を求めた。
Figure 2008029734
結果を、表12に示す。表12に示すように、実施例21〜23における何れの条件によっても、75%以上の収率で18F−FDGを得ることができていた。この結果より、本発明に係る方法により、高収率で18F−FDGを製造し得ることが示された。
Figure 2008029734
(実施例24〜33)測定ポイントと特定時間点との関係
容量5mLのバイアル中で、水0.3mL、66mmol/L炭酸カリウム溶液0.3mL、クリプトフィックス222(製品名、メルク社製)20mgをアセトニトリル1.5mLに溶解した液を混合した。このバイアルに栓をした上で、排出管(PEEK製、内径0.75mm、長さ100mm)を接続した。上記排出管上において、上記バイアルとの接続部分から表13記載の距離離れた位置に温度計(センサー:K型)及び温度記録装置を取り付けた。
Figure 2008029734
エアヒーターを用いて上記バイアルを110℃に加熱し、上記温度計を用いて上記排出管上の温度の経時変化を1秒間隔で測定した。前述した図5〜図7にて説明した手順にて温度の経時変化曲線上における負の最大勾配を示す時刻を求めた。
結果を、表14に示す。この表に示す通り、負の最大勾配を示す時刻は、測定ポイントによらずにほぼ一定であった。この結果により、特定時間点を負の最大勾配を示す時刻とした場合、5〜500mmの範囲内では、測定ポイントによる特定時間点の差はなく、何れの測定ポイントを用いてもよいことが示された。
Figure 2008029734
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能なことが理解され、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
本発明に係る放射性フッ素標識化合物の製造方法、合成装置およびプログラムは、放射性医薬品の製造装置、製造方法等として有用である。
なお、本明細書で参照した文献の内容は、引用することにより本明細書に組み込まれているものとする。

Claims (24)

  1. 18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して、該混合物中の水分を蒸散させるステップと、
    前記混合物と標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含む反応溶液を調製するステップと、
    前記反応溶液に対して反応条件を与えることにより、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−[18F]フルオロ−2−デオキシグルコースを得るステップと、
    を備え、
    前記水分を蒸散させるステップは、
    蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップを有し、前記終了時刻に前記蒸散を終了する、放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  2. 前記蒸散の終了時刻を決定するステップでは、前記排出管の外壁の温度を測定する、請求項1に記載の放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  3. 前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散の終了時刻を決定する、請求項1に記載の放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  4. 前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、温度変化の負の勾配が最大となる点に基づいて蒸散の終了時刻を決定する、請求項1に記載の放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  5. 18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して、該混合物中の水分を蒸散させるステップと、
    前記混合物と標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含む反応溶液を調製するステップと、
    前記反応溶液に対して反応条件を与えることにより、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−[18F]フルオロ−2−デオキシグルコースを得るステップと、
    を備え、
    前記水分を蒸散させるステップは、予め決定された蒸散終了時刻に前記蒸散を終了するものであり、
    前記蒸散終了時刻は、蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて決定されたものである、
    放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  6. 18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して、該混合物中の水分を蒸散させるステップと、
    前記混合物と標識前駆体化合物である1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含む反応溶液を調製するステップと、
    前記反応溶液に対して反応条件を与えることにより、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−[18F]フルオロ−2−デオキシグルコースを得るステップと、
    を備え、
    前記水分を蒸散させるステップは、
    前記反応容器に接続された部品の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップを有し、前記終了時刻に蒸散を終了する、放射性フッ素標識化合物の製造方法。
  7. 18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分の蒸散を開始するステップと、
    蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップと、
    前記終了時刻に前記水分の蒸散を終了するステップと、
    を備える[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量の調整方法。
  8. 前記蒸散の終了時刻を決定するステップでは、前記排出管の外壁の温度を測定する請求項7に記載の混合物中の水分含量の調整方法。
  9. 前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散の終了時刻を決定する、請求項7に記載の混合物中の水分含量の調整方法。
  10. 前記蒸散の終了時刻を決定するステップは、測定された温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、負の勾配が最大となる点に基づいて蒸散の終了時刻を決定する、請求項7に記載の混合物中の水分含量の調整方法。
  11. 18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分の蒸散を開始するステップと、
    予め決定した蒸散終了時刻に前記水分の蒸散を終了するステップと、
    を備え、
    前記蒸散終了時刻は、
    蒸散した水を前記反応容器から排出するための排出管の温度を測定し、測定された温度に基づいて決定されたものである、
    18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量の調整方法。
  12. 18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物を反応容器内で加熱して該混合物中の水分の蒸散を開始するステップと、
    前記反応容器に接続された部品の温度を測定し、測定された温度に基づいて蒸散の終了時刻を決定するステップと、
    前記終了時刻に前記水分の蒸散を終了するステップと、
    を備える[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンと水とを含有する混合物中の水分含量の調整方法。
  13. 反応容器と、
    前記反応容器に収容された混合物中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、
    蒸散された水を前記反応容器から排出するための排出管と、
    前記排出管の温度を計測する温度計と、
    を備える合成装置。
  14. 前記温度計は、前記排出管の外壁の温度を計測する請求項13に記載の合成装置。
  15. 前記温度計が、前記排出管上の、前記排出管と前記反応容器との接続部分から30cm以内の位置に取り付けられている請求項13に記載の合成装置。
  16. 前記温度計で測定された温度に基づいて前記加熱装置を制御する制御部を備える請求項13に記載の合成装置。
  17. 前記制御部は、前記温度計で測定された温度変化のトレンドに基づいて、前記混合物中の水分含量が所定の範囲の値となるように、前記加熱装置を制御する請求項16に記載の合成装置。
  18. 前記制御部が、前記温度計で測定した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散を終了する終了時刻を決定し、前記終了時刻に蒸散を終了するように前記加熱装置を制御する、18F−FDGを合成するための請求項16に記載の合成装置。
  19. 前記制御部が、前記温度計で測定した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、負の勾配が最大となる点に基づいて、蒸散を終了する終了時刻を決定し、前記終了時刻に蒸散を終了するように前記加熱装置を制御する、18F−FDGを合成するための請求項16に記載の合成装置。
  20. 反応容器と、
    前記反応容器に収容された混合物中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、
    前記反応容器に接続された部品の温度を計測する温度計と、
    前記温度計で測定された温度に基づいて前記加熱装置を制御する制御部と、
    を備える合成装置。
  21. 反応容器と、前記反応容器に収容された溶液中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、前記反応容器内から蒸散される水を排出するための排出管と、前記排出管の温度を計測する温度計とを備える合成装置によって、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンとを含有する溶液中の水分を蒸散させるためのプログラムであって、
    前記合成装置に、
    前記加熱装置によって前記反応容器を加熱して蒸散を開始するステップと、
    前記温度計から前記排出管の温度の情報を取得するステップと、
    前記温度に基づいて蒸散の終了時刻を求めるステップと、
    前記終了時刻に蒸散を終了するステップと、
    を実行させるプログラム。
  22. 前記蒸散の終了時刻を求めるステップは、
    取得した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化した後、再び上昇に変化する変化点に基づいて蒸散の終了時刻を求める請求項21に記載のプログラム。
  23. 前記蒸散の終了時刻を求めるステップは、
    取得した温度の変化のトレンドが上昇から下降に変化してから再び上昇に変化するまでの間で、温度変化の負の勾配が最大となる点に基づいて蒸散の終了時刻を求める請求項21に記載のプログラム。
  24. 反応容器と、前記反応容器に収容された溶液中の水分を蒸散させるために前記反応容器を加熱する加熱装置と、前記反応容器に接続された部品の温度を計測する温度計とを備える合成装置によって、[18F]フッ化物イオンと相間移動触媒とカリウムイオンとを含有する溶液中の水分を蒸散させるためのプログラムであって、
    前記合成装置に、
    前記加熱装置によって前記反応容器を加熱して蒸散を開始するステップと、
    前記温度計から前記部品の温度の情報を取得するステップと、
    前記温度に基づいて蒸散の終了時刻を求めるステップと、
    前記終了時刻に蒸散を終了するステップと、
    を実行させるプログラム。
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