JPWO2008023661A1 - 光ディスク装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

貼り合わせ構造を有する記録層多層の光ディスクにおいて、追記可能回数を増加させる。本発明は、記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を算出するステップと、前記記録層に予め規定されている使用禁止領域における記録可能域の大きさを、前記ずれ量に基づいて特定するステップと、を含む。

Description

本発明は、貼り合わせ構造で記録層多層の光ディスクを記録・再生可能な光ディスク装置およびその制御方法に関する。
記録層多層の光ディスクは、各記録層を貼り合せて製造される。2層構造を有するディスクでは、1層目の情報記録層と2層目の情報記録層とを貼り合わせる際に、情報記録層が規定の貼り合せ位置から位置ずれする可能性がある。DVD−R Dual Layerメディアに例示される光ディスクでは、1層目の情報記録層と2層目の情報記録層との間に位置ずれが生じる可能性がある。そこで、2層目の情報記録層において、記録してはいけない使用禁止領域であるGap(The area located in the Disc Testing Area (DTA) to prevent the influence of recordings for OPC on the other layer. Gap shall not be used for OPC procedure.)が定義されている。2層目の情報記録層に記録する際には、Gapを考慮して1層目の記録位置より内周位置から記録する。GAP(使用禁止領域)は、最大で、インナ側に257 ECCブロック(4112セクタ)、アウタ側に676 ECCブロック(10816セクタ)存在する。
特開平5−54396号公報
光ディスクのユーザデータ領域への記録については、通常、記録実施前にあらかじめテスト記録領域にテスト記録を行い、レーザパワーの調整等を行うことで、ユーザデータ領域での記録が安定して行えるようにしている。記録層多層の光ディスクでは、このテスト記録領域に使用禁止領域(GAP)が存在するため、テスト記録に使用できる領域が単層ディスクに比べて少なくなる。
特にDVD−R Dual Layerメディアのような2層記録が可能な光ディスクでは、記録可能なユーザデータ領域が単層ディスクに比べて大きいことから、追記する可能性も単層ディスクに比べて大きくなる。
しかしながら、テスト記録領域が枯渇した場合、ユーザデータ領域に空きが存在する光ディスクでも、テスト記録ができなくなるため、ユーザデータ領域への記録が不可能となる。結果として、単層ディスクに比べて、追記記録を実施できる回数が減少してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、貼り合わせ構造を有する記録層多層の光ディスクにおいて、追記可能回数を増加させることを主たる目的とする。
本発明による光ディスク装置制御方法は、記録層が貼り合わされて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置の制御方法であって、
前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を算出するステップと、
前記記録層に予め規定されている使用禁止領域における記録可能域の大きさを、前記ずれ量に基づいて特定するステップと、
を含む。
この光ディスク装置制御方法において、記録層多層の光ディスクにおける各記録層は、貼り合わせに起因するずれがない正規の構造であれば、同一半径位置でのアドレスが規定の相関関係を有する。しかしながら、製造時に貼り合わせにずれが生じていた場合には、同一半径位置での各記録層のアドレスが規定の相関関係から外れたものになる。そこで、各記録層のアドレスを比較することによってずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて規定の使用禁止領域の中での記録可能域を特定する。ここで、特定した記録可能域の情報は記憶しておくのが好ましい。なお、ここで使用禁止領域とは、例えば、DVD−R Dual LayerメディアにおけるGAP領域のようなもののことである。
従来では使用禁止領域とされていたディスク領域において記録可能域を探索することで記録可能域の情報を取得する。当該情報が取得された記録層多層の光ディスクにデータの追記を行うときは、記録可能域の情報に基づいて記録可能域を割り出してその領域に追記を行うことで、追記可能回数が増加された光ディスクとなる。
本発明は、前記光ディスクにテスト記録を行う際に、前記光ディスクに設けられたテスト記録領域に残余のテスト記録可能域が存在するか否かを探索するステップと、
前記テスト記録領域において残余の前記テスト記録可能域が存在しないと判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを探索するステップと、
前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域にテスト記録を実行するステップと、
をさらに含む、のが好ましい。
この光ディスク装置制御方法によれば、従来では使用禁止領域とされていたディスク領域において記録可能域を設定し、この記録可能域を利用してテスト記録を行うので、通常のテスト記録領域のみを用いた場合と比較して、記録可能域が増加する。そのため、結果的に追記可能回数を増加させることができる。しかも、記録可能域をテスト記録可能領域として使用するのは、通常のテスト記録領域が枯渇した場合に限定するため、従来の光ディスク装置との間で記録・再生動作の互換性を保つことが可能となる。
また、本発明は、前記光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報が存在するか否かを確認するステップと、
前記固有の制御情報が存在すると判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを確認するステップと、
前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域に前記固有の制御情報を記録するステップと、
をさらに含む、のが好ましい。
この光ディスク装置制御方法によれば、従来では使用禁止領域とされていた記録可能域を、光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報の記録領域として有効利用するので、記録品質をさらに向上させることができる。
本発明によれば、記録層が貼り合わせられてなる多層の光ディスクにおいて、使用禁止領域中の記録可能域にテスト記録を行うので、追記可能回数を増加させることができる。
本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 DVD−R Dual Layerの光ディスクの構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるGAP領域探索の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 光ディスクの記録層のトラックを示す図である。 光ディスクの記録層のトラックをさらに詳細を示す図である。 距離Rと回転角度θとの関係をグラフとして示す第1の図である。 距離Rと回転角度θとの関係をグラフとして示す第2の図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 光ディスクの記録層のトラックを示す図である。 光ディスクの記録層のトラックをさらに詳細を示す図である。 トラッキング制御時におけるレンズ位置の変動状態を示す図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 トラッキング制御器の出力とクロック生成器の出力とを示す図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 ずれ量と1回のテスト記録で使用する記録領域との間の関係とを示す図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 光ディスクの回転位置とずれ量と出力teと出力teの2値化信号と出力tefとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるディスク情報記録処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
E 光ディスク装置
L0 1層目の情報記録層
L1 2層目の情報記録層
1 光ディスク
2 スピンドルモータ
3 光ピックアップ
4 スレッド
5 ディスク回転制御部
6 信号処理LSI
7 DRAMバッファ
8 CPU
9 送信部
10 受信部
11 テスト結果格納メモリ
12 記録再生装置
111 ディスク回転制御器
112 フォーカスエラー検出器
113 トラッキングエラー検出器
114 アドレス検出器
115 フォーカス制御器
116 トラッキング制御器
117 ずれ量検出器
118 光出力検出器
119 光出力制御器
120 クロック生成器
121 スイッチ
122 トラッキングエラー周期検出器
以下、本発明にかかわる光ディスク装置制御方法の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は貼り合わせ構造を有する記録層多層の光ディスクであり、ここでは、1層目の情報記録層と2層目の情報記録層とを貼り合わせて作製されたDVD−R Dual Layerメディアであって、情報記録層が2以上存在する追記可能な構成を備える。Eは光ディスク装置であり、11はテスト結果格納メモリであり、12は記録再生装置である。
光ディスク装置Eは、光ディスク1を回転駆動するスピンドルモータ2と、光ディスク1にデータ記録とデータ再生を行う光ピックアップ(光ヘッド)3と、光ピックアップ3を光ディスク1の半径方向に沿ってガイドするスレッド4と、スピンドルモータ2を制御するディスク回転制御部5と、光ピックアップ3が光ディスク1から読み取った光学信号に対応する電気信号に各種の信号処理を行い、ディジタルデータとして出力する信号処理LSI6と、信号処理LSI6による信号処理結果のディジタルデータを一時的に格納するDRAMバッファ7と、光ディスク装置Eの構成要素(光ピックアップ3,スレッド4,ディスク回転制御部5,信号処理LSI6,テスト結果格納メモリ11等)の制御を行うCPU8と、DRAMバッファ7からのディジタルデータを外部の記録再生装置12に送信する送信部9と、記録再生装置12から送信されてくるデータ・信号を受信する受信部10とを備える。
光ピックアップ3は、CPU8からの制御に応じてスレッド4上を移動することによって、光ディスク1の所定位置にデータの書き込みを、当該所定位置からデータの読み出しをそれぞれ行う。なお、CPU8は、光ピックアップ3の制御に基づいて、レーザパワーを調整する機能や最適なレーザパワーに補正する学習機能を備える。
図2は、DVD−R Dual Layerの光ディスク1の構造の一例を模式的に示す。
図2において、a1はインナ側のテスト記録領域(IDTAZ:Inner Disc Testing Area)であり、a2は記録管理領域(RMA:Recording Management Area)であり、a0は2つの領域a1,a2からなる情報記録領域であり、a3はリードイン領域であり、a7はリードアウト領域であり、a4,a8はデータ記録領域であり、a5,a9は固定中間領域であり、a6,a10はアウタ側のテスト記録領域(ODTAZ:Outer Disc Testing Area)である。
インナ側のテスト記録領域a1は、ドライブ用テスト記録領域b1,b2、ディスク製造用テスト記録領域b3、および非使用のブランク領域b4を備える。ドライブ用テスト記録領域b1,b2の容量は9040セクタであり、ドライブ用テスト記録領域b1,b2の中にGAPのc1が含まれる。なお、GAPの容量は、インナ側で最大257 ECCブロックである。ECCブロックそれぞれは16セクタである。
次に、上記のように構成された本実施の形態の光ディスク装置Eの動作を説明する。ここでは、光ディスク装置Eにおいて、記録再生装置12から受信部10に記録の要求があった場合を想定してその動作を説明する。光ディスク装置Eは、装着された光ディスク1へのテスト記録がすでに実施されているか否かを判断する。テスト記録が未実施であると判断する場合、光ディスク装置Eは、テスト記録処理を実施し、実施したテスト記録が成功する場合、光ディスク装置Eは、記録再生装置12から要求された内容のデータ記録を光ディスク1に実施する。
図3は、光ディスク装置EによるGAP領域の探索方法の動作の一例を示すフローチャートである。GAP位置の探索処理をスタートすると、まず、ステップS1において、1層目の情報記録層L0に対するアドレスリード処理を行う。ここで、アドレスとは光ディスク1の物理アドレスを示す。次いでステップS2において、1層目の情報記録層L0で取得したアドレス位置の真上に相当する2層目の情報記録層L1にジャンプして、2層目の情報記録層L1にアドレスリード処理を行う。これら互いに対向する各記録層のアドレス位置は、理想的には光ディスク1の半径方向の同一位置となる。
次いでステップS3において、1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1とから読み取った2つのアドレスにおける相対関係から、1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1とを貼り合せて光ディスク1を貼り合わせ製造した際に生じる、貼り合わせのずれ判定処理を行う。ずれ判定処理は例えば、次のようにして実施される。すなわち、1層目の情報記録層L0のアドレスと2層目の情報記録層L1のアドレスとが互いに対応する規定値になっているか否かで、上記ずれの判定を行う。より具体的には、2層目の情報記録層L1のアドレスが1層目の情報記録層L0のアドレスのほぼ反転した値となっている場合には、ずれがないと判定し、ほぼ反転した値になっていない場合には、ずれがあると判定する。1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1のアドレスに貼り合せ製造時のずれがある場合は、ステップS4に進む。一方、そうでない場合は、ステップS5に進む。
ステップS4では、貼り合せ製造時に生じたずれ量の算定処理を行うとともに、そのずれ量を本光ディスクのGAP領域の最大値としてテスト結果格納メモリ11に格納する。ステップS4に進んでずれ量の計算処理が終了すると、本フローチャートの処理は終了する。
ここで、テスト結果格納メモリ11は、CPU8からアクセスできる空間に割当てられた記憶器であれば何でもよく、専用のメモリに限らない。テスト結果格納メモリ11は、CPU8からアクセス可能な任意のメモリの一部分から構成されてもよいし、メモリ以外にもレジスタなど他の記憶器から構成されてもよい。
なお、前述した、貼り合わせずれの判定処理とずれ量dの計算処理については、貼り合わせずれの判定処理を行わずに、ずれ量dの計算処理だけを行い、そこで得られたずれ量を本光ディスクのGAP領域の最大値としてテスト結果格納メモリ11に格納するようにしてもよい。
また、前述したずれ量dの判定処理とずれ量dの計算処理とについては、上記の他、ずれ量dの計算処理を行ってから、ずれ量dが所定の量より大きいかどうか判断してもよい。この判定処理は、ずれ量dの判定処理に相当する。判定の結果、ずれ量dが所定の量より大きいときには、そのずれ量dは、本光ディスクのGAP領域の最大値としてテスト結果格納メモリ11に格納される。以上に説明した、ずれ量dの計算処理に関する詳細手順については、上述した方法以外のものも合わせて後述する。
以上の処理が終了した後、テスト結果格納メモリ11からずれ量dを読み出し、ディスク情報として光ディスク1のRAM領域に記録する。また、(テスト結果格納メモリ11に格納されている)ずれ量dを光ディスク1に記録する際には、そのデータを前述したRAM領域に限ることなく光ディスク1のどこの領域に記録してもよい。つまり、ずれ量dをどこに記録するかを光ディスク装置Eが認識しておれば、そのデータの収納場所はどこでも構わない。さらには、新しい光ディスクが挿入されるたびにずれ量dを測定するようにすれば、必ずしもずれ量dを光ディスク1に記録する必要もない。
一方、ステップS5に進むと、通常のテスト記録の処理のためのテスト記録アドレス確定処理が実行される。この通常のテスト記録処理は、従来の技術と同様のものであり、本発明とは直接には関係しないが、以下、簡単に説明する。
ステップS5において、テスト記録アドレスPCA(Power Calibration Area)の指定処理を判断する。インナ側指定であると判定される場合には、次回追記時の物理的ブロックアドレスPBA(Physical Block Address)をインナ側のPCAに設定する(ステップS6)。また、アウタ側指定であると判定される場合には、PBAをアウタ側のPCAに設定する(ステップS7)。
次いでステップS8でブランクチェックを行い、ステップS9〜S10で次回追記時のPBAの計算処理を行い、ステップS11で未記録/記録の境界を計算する。
以上のようにしてテスト記録領域の学習が終了すると、次いで図4のフローチャートの処理に進む。図4は光ディスク装置Eによるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS21において、光ディスク1でテスト記録領域がすでに枯渇しているか否かを判断する。すなわち、記録可能域を探索し、記録可能域が存在すれば、ステップS22に進んで、その領域でテスト記録を実施する。ステップS22による通常のテスト記録領域でのテスト記録を行った後は、ステップS25に進んで、テスト記録が成功したか否かを判断する。ステップS25においてテスト記録が成功したと判断する場合は、光ディスク1への記録が可能であるとして、ステップS26に進み、記録再生装置12から光ディスク装置Eに対する要求である記録動作を実行する。
このようにして追記を繰り返していくと、テスト記録領域が枯渇するようになる。すると、ステップS21による判断処理において、記録可能域が枯渇すると判断される。そうすると、処理はステップS23に進む。ステップS23においては、使用禁止領域とされているGAP領域で、前述したずれ量判定処理(図3のステップS4参照)で算定した記録可能域が枯渇しているか否かを判定する。この判定は具体的にGAP領域内で記録可能域が存在するか否かを検索することにより実施される。さらにはこの検索は例えば次のようにして実施される。すなわち、光ディスク1のRAM領域に格納されている、GAP領域の最大値情報データを読み出し、読み出したGAP領域の最大値の範囲内において残存する記録可能域をテスト記録可能領域と見なし、その領域の有無およびその大きさを測定することで上記検索は実施される。ステップS23で記録可能域が存在すると判定すれば、ステップS24に進んで、GAP領域における記録可能域にテスト記録を実施する。
ステップS24の処理(GAP領域内の記録可能域におけるテスト記録処理)を行った後は、ステップS25に進んで、テスト記録が成功したか否かを判断する、ステップS25で成功したと判断する場合には、光ディスク1への記録が可能であると判断して(ステップS26)、記録動作を実行する。
一方、ステップS25においてテスト記録が失敗したと判断する場合、あるいはステップS23においてGAP領域内に記録可能域がないと判断する場合には、記録動作が不可と判断して(ステップS27)、記録再生装置12から要求されたデータ記録を光ディスク装置Eに実施することなく処理を終了する。
次に「ずれ量dの計算処理」の詳細な手順について、図5A,図5B,図6A,図6B,図7A,図7B,図8−図22を参照して説明する。
(詳細な手順の第一の例)
以下、ずれ量dの計算処理の詳細な手順の第一の例について説明する。図5Aは光ディスク1のL0層のトラックとL1層のトラックとを示す図である。ここで、1000はL0層の中心点であり、L0層の各トラックは中心点1000を中心とする同心円形状となる。なお、実際には、光ディスク1の各トラックはスパイラル状に形成されているが、光ディスク1は多数のトラックから構成されているため、便宜上、各トラックを円と見なしても差し支えない。トラック1002はL0層のトラックであり、中心点1000を中心とする円形状を有する。同様に1010はL1層の中心点であり、トラック1011とトラック1012とトラック1013とは全てL1層のトラックであって、これらは中心点1010を中心とする同心円形状となる。ここで、L1層のトラック1012の半径とL0層のトラック1002の半径とは、略同一である。L1層のトラック1011は、図中、中心点1000,1010の右側においてL0層のトラック1002に接する。L1層のトラック1013は、図中、中心点1000,1010の左側においてL0層のトラック1002に接する。
次に、図5B,図6A,図6B,図7A,図7Bを参照して、L0層からL1層へ、または、L1層からL0層へ層間ジャンプを実施する際におけるアドレス(物理アドレス)の取得方法を具体的に説明する。
図5Bは、図5Aに追加の説明を加えたものである。図5Bにおいて、rは、トラック1002の半径を示す。点1021はトラック1002上の点であって、トラック1002の中心である中心点1000と点1021との間の距離はrとなる。Rは、トラック1002とは同心にならないトラックの中心である中心点1010とトラック1002上の点1021との間の距離を示す。dは、互いに偏心している両トラックの中心である中心点1000と中心点1010との間の距離を示す。距離dは2つの層の間に生じる貼り合わせのずれの量(以下、ずれ量という)に相当する。θは、中心点1000と中心点1010とを結ぶ線分Q1と、中心点1000と点1021とを結部線分Q2とによって形成される角度を示す。1022−1025は、点1021と同様、L0層のトラック1002上の点を示す。1023,1025は、トラック1002とトラック1012との交点を示す。
なお、以下の説明においては、点1021は現在の光スポット(光ピックアップ3によってレーザ光を照射されている点)を示し、点1022から左周りに移動して点1023から点1025を経由し、トラックを一周回って点1022(実際には1トラックずれた点)に戻ってくるものとする。角度θは、光スポットの回転角度を示しており、回転角度θは、0[rad]から2π[rad]まで変化すると見なせる。実際には、光ピックアップ3がトラック上を移動するのではなく、光ディスク1が回転しているために、光スポットがトラック上を移動するのであってディスク1の回転は連続的に続けられる。図5Bにおける中心点1000,1010,1021を頂点とする三角形から、距離Rと回転角度θとの間には、次の(1)式が成立する。
R=SQRT(r2+d2−2r・d・cos(θ)) …(1)
この(1)式によれば、
R=r−d (θ=0[rad])
R=r+d (θ=π[rad])
R=SQRT(r2+d2
:θ=π/2[rad],またはθ=3π/2[rad]
となる。
なお、SQRT(x)はxの平方根を与える関数であり、cos(θ)は回転角度θに対する余弦を与えるコサイン関数を表わすものとする。
ここで、光スポットがL0層のトラック1022上を移動する状態における任意の時点(点1021で光スポットが示される時点)において、当該光スポットがL0層からL1層に層間ジャンプする状態について考察する。この場合、ジャンプ先のL1層のトラックは中心点1010を中心とする円状になり、その半径は、点1021とL1層の中心点1010との間の距離Rになる。距離Rが回転角度θによらず一定であれば、L0層からL1層に層間ジャンプしたとしても、光スポットは予め想定しておいたトラックに着地することになる。しかしながら、実際には、前述したように距離Rは回転角度θの関数となる。そのため、L1層における着地トラックの位置は、回転角度θ(言い換えれば、L0層上の点1021の場所)によって変動する。
以上のことから、次のことがわかる。
・距離Rが距離rより小さくなる位置に点1021が存在する状態、つまり、点1021が点1025から点1022を経由して点1023までの間にある状態では、ジャンプ後のL1層は、ジャンプ元のL0層より内周側になる。
・距離Rが距離rより大きくなる位置に点1021が存在する状態、つまり、点1021が点1023から点1024を経由して点1025までの間にある状態では、ジャンプ後のL1層は、ジャンプ元のL0層より外周側になる。
・点1022に接しているL1層のトラック1011は、当該トラック1011上で層間ジャンプが生じた際には最も内周側のトラックになる。
・点1024に接しているL1層のトラック1013は、当該トラック1013上で層間ジャンプが生じた際には最も外周側のトラックになる。
・点1023または点1025の場所で層間ジャンプが生じた場合は、もとのL0層のトラック1002と同じ半径位置にあるL1層のトラック1012に光スポットが着地する。
図6Aは、上述した距離Rと回転角度θとの関係式をグラフとして表したものである。図中、点1021は、トラック1002を一周した際に、距離Rがどのように変化するかを示す図である。図の縦軸は距離Rを、横軸は回転角度θをそれぞれ示す。ここで、回転中心を中心点1000にして、点1021がトラック1002を一周する際における回転角度θの時間変化率dθ/dt(θを時間で微分した値)に着目する。光ディスク1の一回転にかかる時間の範囲で見た場合、この時間変化率dθ/dtはほぼ一定の値となる。そのため、図6Aにおける横軸θを時間tに置換してもグラフの形状は変わらない。それに対して、実際の光ディスク1の回転中心は、光ディスク1を光ディスク装置Eにローディングしてチャッキングする(ディスクをつかむ)毎にランダムに変動する。そのため、時間変化率dθ/dtは、光ディスク1の一回転にかかる時間の範囲で見た場合、多少変動することになる。しかしながら、通常、光ディスク装置Eではチャッキングの誤差が所定の範囲内に収まるように設計されており、光ディスク1の回転中心は中心点1000や中心点1010の周辺のある範囲内に存在することになる。そのため、回転中心の変動は誤差として無視できる程度であると言える。
図6Aを見ると、L0層からL1層へ層間ジャンプした後の距離Rは、層間ジャンプした点に応じて、最小値(r−d)=Rminから最大値(r+d)=Rmaxまで変化することがわかる。したがって、L0層における各トラック位置からL1層へ層間ジャンプを行いながら、層間ジャンプ毎に距離Rを測定することで、距離Rの最小値Rminと最大値Rmaxとを推定することができる。距離Rの最小値Rminと最大値Rmaxとに基づけば、L0層とL1層とを貼り合わせた際に生じるずれ量dは、以下の(2)式によって算定することができる。
d=(Rmax−Rmin)/2 …(2)
さらには、層間ジャンプ前のL0層におけるトラックの半径rを用いれは、ずれ量dは、以下の(3)式または(4)式によって算定することができる。
d=Rmax−r …(3)
d=r−Rmin …(4)
ところで、前述した記述では、(1)式において、θ=π/2[rad]またはθ=3π/2[rad]のとき、R=SQRT(r2+d2)になることを説明したが、その際のずれ量dは、距離rに比して極めて小さい(d≪r)。したがって、このときの距離Rと距離rとは、R≒rと見なすことができる。そこで、距離R(層間ジャンプ後のL1層トラックの半径)から距離r(層間ジャンプ前のトラック半径)への変化量ΔRについて考察する。ここで、変化量ΔRは絶対値を示すものとする。変化量ΔRと回転角度θとの関係は、以下の(5)式になる。
ΔR=ABS(SQRT(r2+d2−2r・d・cos(θ))−r) …(5)
ただし、ABS(x)はxの絶対値を与える関数である。この式をグラフで表すと、図6Bに示すようになる。この変化量ΔRの最大値はdであるので、変化量ΔRを繰り返し算定してその最大値ΔRmaxをずれ量dとするようにしてもよい。このずれ量dの算定方法は、結局のところ、以下の(6)式によってずれ量dを算定しているのと等価になる。
d=Rmax−r …(6)
なお、上記以外のずれ量dの算定方法としては、変化量ΔRを繰り返し算定したうえでさらにその平均値ΔRaveを算定し、算定した平均値ΔRaveから最大値ΔRmax(すなわち、ずれ量d)を算定してもよい。具体的には、図6Bに示す(5)式の区間(θ=0〜2π)における平均値ΔRaveは、ΔRave≒(2d/π)と表せるため、ずれ量は、以下の(7)式によって算定することができる。
d=ΔRmax≒ΔRave×(π/2) …(7)
πは、範囲(3.1<π<3.2)に収まるため、ずれ量dは、平均値ΔRaveを約1.55〜1.6倍することで推定できる。ここで、πの範囲を、約1.55〜1.6倍としたが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。なお、変化量ΔRの指標つまり絶対値を取る代わりに二乗し、さらにその二乗値(ΔR)2の平均値を算定することで、距離dに代わってd2を推定し、さらに推定したd2の平方根を算定することで、ずれ量dを得ることもできる。
上述した説明では、トラックの半径値(距離R)に基づいてずれ量dを推定したが、多くの光ディスク装置では、トラックの半径量そのものの正確な値を直接得ることはできない。そこで、そのような装置構成では、アドレス値(現在読み出している物理アドレスの値)からトラック半径値(距離R)を算定してもよい。アドレス値をトラック半径値(距離R)に変換する方法の一例を、以下、説明する。
アドレス値が付与される単位(通常はセクタ単位)の長さをL、既知の半径値(距離R0)における既知のアドレス値をA0(通常は光ディスクの規格書において、例えば、最内周の位置とアドレス値などとして規定されている)、現在のアドレス値をA、トラックピッチをTpとすると、現在の半径値(距離R)は以下の(8)式で算定することができる。
R=SQRT(Tp・L・(A−A0)/π+R0 2) …(8)
同様に、アドレスA0からアドレスAまでのトラック本数Nは以下の(9)式で算定することができる。
N=R/Tp=SQRT(Tp・L・(A−A0)/π+R0 2)/Tp …(9)
アドレス値から半径値(距離R)あるいはトラック本数を算定する処理は、光ディスク装置において、シーク元アドレス値からシーク先アドレス値に向けて横断するトラック本数(上記のNに相当)を計算するために必要な処理の一部でもあり、光ディスク装置内部で通常に行われている。したがって、アドレス値から半径値(距離R)を算定する方法については、上述した一例に限るわけではなく、同等の結果が得られるのであれば、どのような方法であってもよい。また、半径値(距離R)とアドレス値との関係に基づけば、逆に、半径値(距離R)からアドレス値Aを算定することもできる。したがって、任意のトラック(例えば半径値(距離R))からずれ量dに応じて半径値(距離)が変化した半径値(距離R+d),(距離R−d)を有するトラックにおけるアドレス値を算定することも可能である。
ここで、これまでに説明した内容に基づいて、層間ジャンプ後のアドレス値からずれ量dを算定する光ディスク装置、およびそのずれ量算定方法を、図7,図8を参照して説明する。
図7はアドレス値からずれ量dを算定可能な光ディスク装置のブロック図である。なお図1と同一符号を付与した構成要素については詳細な説明を省略する。
光ディスク1は記録層が2層であるDVD-Rディスクである。この光ディスク1を所定回転数で回転させるスピンドルモータ2は回転位置信号heoを出力する。
ディスク回転制御器111はスピンドルモータ2から供給される回転位置信号heoに基づいてスピンドルモータ2の回転速度を算出して、目標回転になるように制御出力mtdをスピンドルモータ2に出力する。
光ピックアップ3は、光ディスク1に光ビームを照射したうえで反射光を集光して検出する機能を備える。光ピックアップ3は、集光レンズ(図示せず)と集光レンズを駆動するアクチュエータ(図示せず)とを備える。光ピックアップ3は、光ビームを光ディスク1の記録面に垂直方向(以下、フォーカス方向と記す)に沿った任意の位置に集光する機能と、光ディスク1上のトラックを横断する方向(以下、トラック方向と記す)に沿った任意の位置に集光する機能とを有する。
以下、上記光ディスク装置の各構成要素の動作をさらに詳細に説明する。光ピックアップ3は、反射光の一部あるいは全部を電気信号に変換してなる信号をフォーカスエラー検出器112とトラッキングエラー検出器113とアドレス検出器114とに出力する。
フォーカスエラー検出器112は集光された光ビームと光ディスク1の記録面との間の垂直方向に沿った位置ずれ量を検出し、その検出結果に基づいてフォーカスエラー信号feを生成してフォーカス制御器115に出力する。
フォーカス制御器115はフォーカスエラー信号feに基づいて、フォーカスエラー信号feがゼロになるように制御演算してなる駆動信号fcdを生成して光ピックアップ3のアクチュエータに出力する。フォーカス制御器115は光ディスク1の任意の記録層へ光ビームの集光位置を移動させる層間ジャンプ駆動において駆動制御を行う。
トラッキングエラー検出器113は集光された光ビームと光ディスク1上の任意のトラック位置との位置ずれ量を検出し、その検出結果に基づいてトラッキングエラー信号teを生成してトラッキング制御器116に出力する。
トラッキング制御器116はトラッキングエラー信号teに基づいて、トラッキングエラー信号teがゼロになるように制御演算してなる駆動信号tkdを生成して光ピックアップ3のアクチュエータに出力する。また、トラッキング制御器116は、光ディスク1上の任意のトラックに集光した光ビームを位置決めするスチルジャンプ駆動において駆動制御を行う。
アドレス検出器114は、光ディスク1からの反射光に基づいて、光ディスク1に予め記録されたLPP(Land Pre-Pit)などを検出することによって物理アドレスを検出する。アドレス検出器114はずれ量検出器117に結果idを出力する。結果idは、ずれ量検出器117からのリード命令rdに基づいて集光された光ビーム位置が光ディスク1上のどの位置に集光されているのかを示すアドレス情報であって、以下、idをアドレス情報として記述する。
ずれ量検出器117はフォーカス制御器115に層間ジャンプ命令fcmvを出力する。層間ジャンプ命令fcmvは、光ビームの集光位置が光ディスク1上の所定の記録層に移動するように制御する命令信号である。ずれ量検出器117はアドレス検出器114から出力されるアドレス情報idに基づいて光ビームが集光している半径値(距離R)を算出する。ずれ量検出器117は、さらに各記録層(L0層,L1層)において算出した半径値(距離R)からずれ量ΔRを検出してCPU8に出力する。
CPU8はスレッド4に駆動信号sldを出力する。駆動信号sldは、光ピックアップ3が光ディスク1の半径方向の所定位置まで移送するように制御する信号である。スレッド4は駆動信号sldに基づいて光ピックアップ3を光ディスク1の半径方向の任意の位置に移送させる。CPU8は光出力制御器119に光出力目標値refPwを出力することができる。出力目標値refPwは光ディスク1への記録および再生時において必要となる
光出力検出器118は、光ディスク1に照射される光出力レベルを検出してその検出結果を電気信号fmに変換する。光出力検出器118は、光ピックアップ3の照射器が出力する光ビームの少なくとも一部を検出することで光出力レベルを検出する。電気信号fmは光出力制御器119に供給される。光出力制御器119は、光出力目標値refPwと電気信号fm(光出力レベル)との差分がゼロに近づくように制御演算することで光出力制御信号Pwdを生成して光ピックアップ3の照射器に出力する。光ピックアップ3はCPU8から出力される駆動信号sldに基づいて移送されるが、その際、CPU8は
・ずれ量検出器117が光ディスク1上の任意の半径位置でずれ量dを検出できる、
・光ディスク1上の任意のトラックにデータを記録できる、
・光ディスク1上の任意のトラックに予め記録された情報を再生できる、
という条件が満たされるように、駆動信号sldを制御する。
さらにCPU8は、
・光出力制御器119と光出力検出器118とによって光ディスク1上に任意の記録マークを形成できる、
・光ディスク1上に予め記録された情報を再生できる、
という条件が満たされるように、光出力の目標値refPwを制御する。
図8を参照して、ずれ量dを求める方法をさらに詳細に説明する。図8は図7に示す光ディスク装置においてずれ量dを求める手順を示したフローチャートである。最初に光ディスク1の任意のトラック上に集光された光ビームのサーボ制御を開始する(ステップM01)。続いて予め決定していたL0層の任意のアドレスにシークしてスチルジャンプする(ステップM02)。次にそのトラック上のランダムな位置で層間ジャンプをし、層間ジャンプ先のL1層における現在アドレスを取得し(ステップM03)、前述した式(1)等を用いて半径値(距離)Rを算定する(ステップM04)。
ステップM01−M04を複数回数繰り返すことで、半径値(距離)Rの最大値Rmaxと最小値Rminとを算定する(ステップM05)。そして最大値Rmaxと最小値Rminとを、前述した(2)式に代入することで、ずれ量dを算出する(ステップM06)。
ずれ量dを算出した後、算出したずれ量dに応じてあらかじめ使用禁止領域にテスト記録を実行するか否かを判定する(ステップM07)。ここでテスト記録を実行する場合は記録可能域を決定し(ステップM08)、テスト記録処理を行う(ステップM09)。ステップM04,M06はずれ量検出器117が実施し、ステップM09はCPU8が実施する。このような処理を実施するCPU8は、記録可能域特定器として機能する。また、CPU8は、判断器,第1,第2の探索器,および第1,第2の確認器として機能する。
なお、ステップM03においてランダムな位置で層間ジャンプをするとしたが、トラック円周上の所定間隔で(ほぼ等間隔で)層間ジャンプをするようにすると、ランダムな位置で層間ジャンプをする場合よりも、ステップM01からステップM04の繰り返し回数を減らすことが可能になる。
以下では、アドレス値の扱いについて、補足説明する。DVD−R Dual Layerディスクを含むDVD2層ディスクのオポジットトラックパス(OTP)では、L0層のある半径値(距離R)のアドレス値と、L1層と同じ半径値(距離R)のアドレス値とはおよそビット反転した関係になるようにディスクが形成されている。したがって、一方層は内周から外周へ、他方層は外周から内周へ、それぞれアドレス値が増加する。このような構成を備えたディスクにおいては、一方層のアドレス値をビット反転したときに、その反転アドレス値が他方層のアドレス値とほぼ等しければ、2層のアドレス値はほぼ等しい半径値(距離R)を有する位置に存在していることになる。
前述した記述では、アドレス値から半径値(距離R)を算定する計算方法について説明を行ったが、その説明において例示した具体的な計算方法では、内周から外周へアドレスが増えていく層を想定した。反対に、外周から内周に向けてアドレスが増えていく層では、実際に読み出されたアドレス値をビット反転した後に、反転アドレス値をアドレス値と考えて上述した計算方法と同じ計算方法を実施すれば、その半径値(距離)Rを算定することができる。
ところで、これまでの説明では、層間ジャンプに要する時間をほぼゼロと見なして無視してきたが、実際には、層間ジャンプには若干ながらも時間を要する(例えば、10ms程度)。層間ジャンプが実施される期間では、光ディスク装置にトラッキング制御が及ばないので、その期間を経れば、その分だけトラックが移動してしまう。以下、このようにして生じるトラック移動のことをトラック流れと称する。トラック流れは制御誤差を生じさせる。
層間ジャンプ中に光ディスク1が回転する角度が大きくなってくると、制御誤差から見てトラック流れは無視できない程の大きさになる。さらには、光ディスク1の回転速度に比例して光ディスク1の最大面ぶれ速度が大きくなるので、トラック流れが大きくなると、層間ジャンプ時のフォーカス引き込みに失敗する可能性が高くなる。なお、フォーカス引き込みとは、光スポットがL0層からL1層に、またはL1層からL0層に移動する状態において、移動先層における所望のトラックに光スポットを正確に移動させることをいう。
トラック流れを少なくしてこのような不都合を未然に防ぐためには、可及的に光ディスク1の回転速度を下げればよい。通常の光ディスク装置では、DVDを記録再生する際には、DVDの標準線速度(1倍速)以上の線速度で各種制御処理を行う。DVD−Rからなる光ディスク1を標準線速度(1倍速)で回転させた場合、その内周側のPCA領域では、1回転あたり約40msの時間を要する。そのため、この状態で層間ジャンプに例えば10ms要すると、層間ジャンプの実施期間中に生じるトラック流れは、90度回転になる。光ディスクの制御動作において、層間ジャンプ中でのトラック流れとして許容可能な誤差が例えば30度程度である場合を想定すると、1/3倍速(0.33倍速)以下で光ディスク1を回転させれば、前述した不都合を未然に防ぐことができる。
しかしながら、光ディスク1の回転速度を標準速度(1x)以下にした場合には、光ピックアップ3から照射する再生レーザ光のパワーを低下させる必要がある。そうしないと、再生動作中にディスクが感光して記録がなされてしまうためである。
再生レーザ光のパワーを低下させるためには、上述したように光ピックアップ3から照射する再生レーザ光そのものパワーを低下させてもよいが、可及的に外周側のトラックにおいてずれ量dの測定処理(層間ジャンプ)を行うことでも上記不都合を防止できる。例えば、標準線速度(1倍速)でディスクを回転させた場合、ディスク最外周位置において1回転に要する時間は約100msとなる。ディスク最外周位置において層間ジャンプをした場合における所要時間に例えば10ms要したとすると、層間ジャンプの期間中において生じるトラック流れは、36度回転となり、ディスク内周側でずれ量dの測定処理を実施した場合のトラック流れ(90度回転)に比して大幅に減少する。このように、ずれ量dの測定処理(層間ジャンプ)を行うトラックを、可及的に外周側に設定すれば、その際のディスク回転速度がほぼ標準線速度(1倍速)であっても、層間ジャンプ中に生じるトラック流れを許容誤差内に収めることができる。
次に、光ディスク1の回転速度を下げた状態でずれ量dの測定処理(層間ジャンプ)を行うことが可能な光ディスク装置の構成例を図9を参照して説明する。図9の光ディスク装置では、図7に示す光ディスク装置においてCPU8からディスク回転制御器111に回転数変更命令Rev(mes)が供給されるように改良されている。すなわち、図9の光ディスク装置では、層間ジャンプに要する時間が無視できないことを想定して、ずれ量dを測定する期間において、スピンドルモータ2の回転速度を十分に小さくしている。具体的には、図10に示すように、図8のフローチャートにおけるステップM01とステップM02との間に、ステップM1aとステップM1bとが追加され、ステップM04とステップM05との間に、ステップM01cが追加されている。
ステップM1aでは、スピンドルモータ2の回転数を検出したうえで、その検出結果をRev(pre)として記憶する。ステップM1bでは、スピンドルモータ2の回転周期(1周期に要する時間)が層間ジャンプに要する時間よりも十分に大きくなるように、モータ回転目標回転数Rev(mes)を制御する。ステップM1cでは、半径値(距離)Rを算定するステップM04が終了したのち、スピンドルモータ2の回転数をステップM1aで測定したRev(pre)に戻す。
制御動作を図10のフローチャートに示すように改良すれば、層間ジャンプによって光スポットがL0層からL1層に、またはL1層からL0層に移動する際におけるフォーカス引き込みの安定と、トラック流れに起因する測定誤差の抑制とを図ることができる。
なお、これまでの説明ではL0層からL1層へのジャンプを例にして説明したが、L1層からL0層にジャンプする場合でも、同様に考えることができ、同様の近似式でずれ量dを算定することが可能である。このようにL1層からL0層へ層間ジャンプした後の半径値またはアドレス値に基づいて、ずれ量dを算定することができる。
なお、これまでに様々な計算方法を例示したが、本手順は、これらの計算方法に限られるものではない。これらの計算方法と同傾向の結果が得られると当業者が容易に推測できるような計算方法によってこれらの計算方法が代替されてもよい。
(詳細な手順の第二の例)
以下、ずれ量dの計算処理の詳細な手順の第二の例について説明する。図11Aは光ディスク1のL0層とL1層のトラックについて示した図である。ここで、1000はL0層のトラック1002の中心点であり、中心点1010はL1層のトラック1012の中心点である。また、1020はディスク1の回転中心である。なお、回転中心1020は、光ディスク1を光ディスク装置Eにローディングしてチャッキングする(ディスクをつかむ)毎にランダムに位置決めされる。回転中心1020と中心点1000とを結んだ直線Q3とトラック1002との交点を、それぞれ1041と1042とで示す。交点1041は、回転中心1020からみて交点1042より遠い。また、回転中心1020と中心点1010とを結んだ直線Q4とトラック1012との交点を、それぞれ1031と1032とで示す。交点1031は、回転中心1020からみて交点1032より遠い。
図11Bは、図11Aにおける要部拡大図であって、中心点1000と中心点1010と回転中心1020との位置関係を詳細に示す図である。図において、dは、中心点1000と中心点1010との間の距離を示し、d1は、中心点1000と回転中心1020との間の距離を示し、d2は、中心点1010と回転中心1020との間の距離を示し、1051は、回転中心1020を通る基準線を示し、θ1は、線分Q3と基準線1051との間に形成される角度を示し、θ2は、線分Q4と基準線1051との間に形成される角度を示す。基準線1051は、点1020を通りさえすれば、どのように引いても構わない。これは、最終的に計算で必要となるパラメータ回転角度θは、次の(10)式によって算定されるためである。
θ=ABS(θ1−θ2) …(10)
図12は、各層(L0層とL1層)のトラック追従時(トラッキング制御時)において、光ピックアップ3のレンズ位置(トラッキング方向)が光ディスク1の回転に伴って変動する状態を示す。図12において、変動量のプラス符号は外周側を、マイナス符号は内周側を、さらには、0(ゼロ)は変動の中心をそれぞれ示す。図12で示すレンズ位置の変動は、例えば、次のようにして算定される。
トラッキング制御は、回転中心1020と実際のトラックの中心(中心点1000あるいは中心点1010)との間のずれに起因して生じる回転変動の吸収を主目的として実施される。トラッキング制御において、上記変動は、当該トラッキング制御によって光ピックアップ3のレンズを駆動した量(具体的には駆動によって移動した量の見積もり値)を積算(積分)して得られる値に基づいて算定される。あるいは、トラッキング制御に用いられるトラッキング誤差信号の低域成分に基づいて上記変動は算定される。多くの光ディスク装置において、図12で示す変動を測定して偏心量(すなわち、図12のd1やd2に相当する量)を算定する処理は通常に行われる。本実施形態では、このことに着目して、新たな処理を追加することなく上記変動を算定する。しかしながら、上記変動を算定する方法は、上述した方法に限るわけではなく、同等の結果が得られる方法であれば、どのような方法であっても構わない。
ここで、光ディスク1の回転速度は、少なくとも短い期間(ディスク数回転からディスク数百回転程度)では一定であると考えてよく、その間、ディスク1回転に要する時間Sは、ほぼ一定であると見なせる。また、図12で示す変動を得るために測定値を取得する時間間隔(サンプリング間隔、あるいはグラフで言えばプロット間隔)をTとすると、ディスク1回転の間に測定値を取得する回数(サンプリング回数)は(S/T)回となる。
次に上述した方法で算出される偏心量(図12におけるd1やd2)に基づいて、ずれ量dを算定可能な光ディスク装置の構成およびその方法を図13および図14を参照して説明する。
図13は偏心量に基づいてずれ量dを算定可能な光ディスク装置の構成を示すブロック図である。なお、図7と同一の符号を付与した構成要素については詳細な説明を省略する。トラッキングエラー検出器113は集光された光ビームと光ディスク1上の任意のトラック位置との位置ずれ量を検出してトラッキングエラー信号teを生成してトラッキング制御器116に出力する。トラッキング制御器116はトラッキングエラー信号teに基づいて、トラッキングエラー信号teがゼロになるように制御演算することで駆動信号tkdを生成して光ピックアップ3のアクチュエータとずれ量検出器117とに出力する。なお、図7の説明でも述べたように、トラッキング制御器116は、光ディスク1上の任意のトラックに集光した光ビームを位置決めできるようにスチルジャンプ駆動制御も実施できる。
クロック生成器120は一定周波数信号を出力する素子の出力を分周等してなる一定周波数のパルス信号である出力clkを生成して出力する。クロック生成器120は例えば水晶発信器から構成される。クロック生成器120は、出力clkをずれ量検出器117に出力する。
ずれ量検出器117は、トラッキング制御器116からの駆動出力tkdを、クロック生成器120からの出力clkに基づいて設定するサンプリング周期でサンプリングすることで、光ディスク1の周方向位置に対する偏心に相当する値を測定する。ずれ量検出器117は、この測定を光ディスク1の各記録層に実行することで得られる各記録層の偏心情報に基づいてずれ量dを検出する。以下、このずれ量dの検出方法を図14を参照して説明する。
図14は図13に示す光ディスク装置において光ディスク1が回転したときのトラッキング制御器116の出力とクロック生成器120の出力とを示す図である。図において、横軸は光ディスク1の周方向における回転位置を、縦軸はトラッキング制御器116の出力tkdおよびクロック生成器120の出力clkをそれぞれ示す。また、図14において、L0層におけるトラッキング制御器116の出力tkdは実線で示され、L1層におけるトラッキング制御器116の出力tkdは破線で示される。図12を参照して前述したように、光ディスク1が回転すると光ディスク1の偏心に追従するためにトラッキング制御器116は図14に示す余弦波状の駆動信号を出力する。ここで光ディスク1の偏心量が大きくなると縦軸に示すトラッキング制御出力tkdの振幅が大きくなる。ずれ量検出器115は出力clkの立ち上がりと立ち下りのタイミングとでトラッキング制御器116の出力tkdをサンプリングする。ずれ量検出器115は、この測定(サンプリング)を少なくとも1回転分以上の期間で行い、トラッキング制御器116の出力tkdが最も大きいサンプルを最大値出力サンプルとして検出し、そのサンプルの出力tkdを最大値として検出する。図14では、L0層におけるトラッキング制御器116の最大値出力サンプルはt10となり、最大値は+d0となる。同様にL1層におけるトラッキング制御器116の最大値出力サンプルはt12となり、最大値は+d1となる。
図14に示す各データを、前述した(1)式に代入すれば、ずれ量dは、次のようにして算出される。次の式(1−1)は、図14に示す各データを前述した(1)式に代入した式である。
d=SQRT(d02+d12−2d0・d1・cos(θ)) …(1−1)
ただし、(1−1)式におけるθは次の(12)式で得られる。
θ(deg)=2π・2/40=18(deg) …(12)
(12)式における定数(2/40)は、次のようにして設定される。すなわち、L0層とL1層とによって偏心量が最も大きかったサンプリングの差(t10とt12)の絶対値が2であり、光ディスク1が1回転する区間において、ずれ量検出器117による総サンプリング数が40であることから、定数(2/40)は設定されている。ここで、ディスク1回転あたり約40サンプルに相当するサンプリング周波数でトラッキング制御器116の出力tkdをサンプルする場合を例に説明したが、何もこの程度のサンプリング周波数に限定される訳ではない。サンプリング周波数を大きくする程、高精度にずれ量dを算出することが可能になる。
なお、ずれ量検出器117は、図7の説明において示したように、光ディスク1上の任意の記録層に光ビームの集光位置を移動させるようにフォーカス制御器115に層間ジャンプ命令fcmvを出力できる。
次に、図15を参照して、ずれ量dを算出する方法を説明する。図15は図13に示す光ディスク装置において、ずれ量dを算出する手順を示すフローチャートである。最初に光ディスク1の任意のトラック上に集光された光ビームの制御を開始する(サーボON:ステップM01)。続いて予め決定していたL0層の任意のアドレスをシークして光スポットをアドレスにスチルジャンプさせる(ステップM12)。次にそのトラック上におけるトラッキング制御器116の駆動出力tkdとクロック生成器120の出力clkとに基づいて偏心に相当する値の最大値d0とその最大値d0をサンプリングしたタイミングθ0とを計測する(ステップM13)。続いてスチルジャンプを解除したうえで(スチルジャンプOFF)、L1層に層間ジャンプして、再びスチルジャンプを開始する(スチルジャンプON:ステップM14)。そしてL1層においてもステップM13と同様にトラッキング制御器116の駆動出力tkdとクロック生成器120の出力clkとに基づいて偏心に相当する値の最大値d1とその最大値d1をサンプリングしたタイミングθ1とを計測する(ステップM15)。ステップM13およびステップM15で計測した結果(d0,d1,θ0,θ1)を用いてずれ量dを算出する(ステップM16)。
以上のステップM11?M16を実施することでずれ量dを算出することができる。ずれ量dを算出した後、ずれ量dに応じてあらかじめ使用禁止領域にテスト記録を実行するか否かを判定する(ステップM07)。ステップM07の判定処理の例としては、ずれ量dがある程度大きいときには使用禁止領域にテスト記録を実行しないように判定する方法などがある。ステップM07でテスト記録を実行すると判定した場合には、使用禁止領域にテスト記録を行う。具体的には、利用可能領域を決定し(ステップM08)、その利用可能領域にテスト記録を行う(ステップM09)。なお、ステップM07の判定処理を省略し、必ずステップM08からステップM09の処理が行われるようにしてもよい。
なお、(1?1)式におけるcos(θ)は次のようにして算出してもよい。すなわち、一方の記録層においてトラッキング制御器116の出力tkdが最大値となる一方の記録層のサンプリング位置と他方の記録層のサンプリング位置との差を引数とするテーブルを予め設定して記憶したうえで、実際の処理では、このテーブルを参照することによってcos(θ)を算出してもよい。計測を行う際のトラック半径と線速度とを事前に設定しておけば1回転当たりの総サンプリング数Sの値が自ずと決まるので、上記テーブルは事前に作成しておくことができる。
なお、上述した説明では、変動量最大点と、ディスク1回転の基準タイミング(図12における零点位置)との位置の相違に基づいて、図12に示す変動を算定していたが、変動量最大点の代わり変動量最小点を用いてもよい。また、変動量最大点と変動量最小点との両方を用いて、より精度の高い計算を実施してもよい。例えば、L0層における変動量最大点の値がd1maxであり、最小点の値がd1minである場合に、d1=(d1max−d1min)/2として最大値d1を算定しても、(d1min−d1max)/2から最小値を算定してもよい。このようにすると、特に変動の中心が0(ゼロ)からずれて(あるオフセット量を持って)変動量が計測されている場合に、そのオフセット量の影響をキャンセルできる。
なお、以上の説明ではL0層からL1層へのジャンプを例にして説明したが、L1層からL0層にジャンプする場合でも、同様にしてずれ量dを算定することができる。
また本発明の光ディスク装置では、 あらかじめ使用禁止領域として規定されている領域も、テスト記録領域として使用できるようになり、追記回数を十分に確保することが可能になる。また本発明の光ディスク装置では、上述した方法を用いて算出したずれ量dに応じて1回のテスト記録で使用する記録領域の位置や大きさを決定することによっても、ずれ量dが大きい光ディスクにおいて追記回数を同様に十分に確保できる。その具体的な方法を示す本発明の実施例を、図16,図17を参照して説明する。図16は、図15と同様、図13に示す光ディスク装置において、ずれ量dを算出する手順を示すフローチャートである。図16に示すずれ量検出方法は、図15に示すずれ量検出方法とステップM16まで同じであるが、ステップM16でずれ量dを検出した後に、その結果に応じて1回のテスト記録で使用する記録領域を決定する処理(ステップM20)が追加されており、この点で図15と異なる。
ここで本実施例における、ずれ量dと1回のテスト記録で使用する記録領域との間の関係について図17を参照して説明する。図17において、横軸は、ずれ量d(単位をトラックと記す)を、縦軸は、1回のテスト記録当たりに使用できる記録領域(単位をバイトと記す)をそれぞれ示す。本実施例の光ディスク装置は、
・ずれ量dが小さくなる(ゼロ(トラック)に近づく)ほど、1回のテスト記録当たりに使用できる記録容量を大きくする、
・ずれ量dが大きくなるほど、1回のテスト記録当たりに使用できる記録容量が小さくなるようにする、
という制御を実施する。
以上の制御を実施するうえでは、図17において破線で示すように、1回のテスト記録当たりに使用できる記録容量とずれ量dとを反比例の関係で制御してもよい。
なお光ディスクに記録する際には、通常最小記録単位が存在するので破線で示したように完全な反比例の関係で実現することは困難である。そこで実線で示すようにずれ量dに応じて、任意の記録単位で制御する、すなわち、段階的に反比例状に制御してもよい。また、テスト記録の目的に応じて1回当たりのテスト記録に使用できる記録容量を変更してもよい。例えば光ディスク装置がテスト記録する目的としては、
・光ディスクに情報を記録する際に記録マーク形成に必要な光出力あるいはライトストラテジを決定する目的、
・光ディスクに記録された情報を再生するための電気回路特性を決定する目的、
・光ディスクの任意のトラックに高精度に光ビームを集光するサーボ処理を行う目的、
などの目的に高い優先順位を設定したうえで、
・ずれ量dが大きい程、優先順位が高い目的を達成できるようにテスト記録し、
・ずれ量dが小さい程、優先順位の低い目的を達成できるようにテスト記録する、
ように構成すれば、ずれ量dの大小に関わらず光ディスクへの追記可能回数を十分に確保することが可能となる。
また図13では、トラッキング制御器116の駆動出力tkdより光ディスク1の偏心量を算出したが、図18に示すように、トラッキング制御器116は、トラッキングエラー検出器113の出力teに含まれる低域成分(図18において、低域成分はtkpiと表記されている)のみを抽出して、ずれ量検出器117に入力してもよい。そのような構成においても、図13の装置構成および図15のフローチャートを参照して説明した本実施例のずれ量検出方法と同様のずれ量検出が実現できるのは明らかである。
さらに図9,図10を参照して説明したように、本発明には、スピンドルモータ2の回転周波数がクロック生成器120の出力clkに対して十分に小さくない(比較的大きい)場合には、測定精度が劣化してしまう。これに対しては、図19に示すように、各記録層におけるずれ量dを検出するときにスピンドルモータ2の回転数を予め設定しておいた一定の速度まで減速することで、高い測定精度を維持することができる。
図19の光ディスク装置は、図13に示す光ディスク装置において、さらに、CPU8は、回転数変更命令Rev(mes)をディスク回転制御器111に供給している。これは次の理由による。すなわち、光ディスク1の回転周期に対して、クロック生成器120の出力clkの周期が無視できないほど大きくなる場合がある。図19の光ディスク装置は、このことを想定して、ずれ量dを測定するステップを実施する期間においてスピンドルモータ2の回転を十分に小さくしている。具体的には図20のフローチャートに示すように、図15のフローチャートにおけるステップM−1とステップM−2との間に、スピンドルモータ2の回転数を検出してRev(pre)として記憶する処理(ステップM1a)と、層間ジャンプに要する期間よりも十分に大きい期間になるように、スピンドルモータ2の回転周期を制御するためのモータ回転目標回転数Rev(mes)に制御する(ステップM1b)処理とを追加し、さらに、L1層における偏心量の計測を行うステップM4が終了したのち、スピンドルモータ2の回転数をステップM1aで測定したRev(pre)に戻す処理(ステップ)を行う。以上のようにすることで、偏心量を測定するためのサンプリング時間を十分に確保することが可能になって、さらにずれ量検出精度が高くなる。
また上述した各実施例は、トラッキング制御器116が光ビームを光ディスク1の任意のトラックに集光制御された状態(トラッキング制御状態)において、ずれ量dを検出する構成を説明したものである。しかしながら、本発明は、トラッキング制御状態でなくても、ずれ量dを検出することが可能である。以下、その構成と方法を、図21,図22を参照して説明する。図21は本発明の光ディスク装置のブロック図である。以下、この光ディスク装置の説明を行うが、図18に示す光ディスク装置と同一の構成についてはその説明を省略し、構成要素が異なる部分のみ説明を行う。トラッキング制御器116の駆動出力tkdはスイッチ121を介して光ピックアップ3に搭載されたアクチュエータに出力される。スイッチ121はずれ量検出器117によって開閉される。トラッキング制御器116が動作し且つスイッチ121が閉じた状態では、トラッキング制御ループは閉じられる。ずれ量検出器117はスイッチ121を開閉制御するon/off信号をスイッチ121に出力する。ずれ量検出器117は、光ディスク1の偏心を測定するときのみon/off信号をoffにしてスイッチ121を開く。
トラッキングエラー検出器113は、その出力teをトラッキングエラー周期検出器122に出力する。トラッキングエラー周期検出器122はトラッキングエラー検出器113の出力teを2値化したうえで、2値化した出力te(パルス信号)の周期を計測する。トラッキングエラー周期検出器122は、周期計測した結果である出力tefをずれ量検出器117に出力する。
ここで光ディスク1の偏心量とトラッキングエラー検出器113の出力teとトラッキングエラー周期検出器122の出力tefとの関係について図22を参照して説明する。図22は光ディスク1の回転位置と、ずれ量dと、出力teと、出力teの2値化信号と、出力tefとの関係を示す。図22の(1)に示すように、光ディスク1がある速度で1回転すると、光ディスク1の偏心量に応じてずれ量dが正弦波状に変化する。ここで、光ディスク1の偏心量が大きい場合には、ずれ量d(正弦波)の振幅が大きくなり、小さい場合にはその振幅が小さくなる。
光ディスク1上に集光された光ビームが光ディスク1のトラックを横断すると図22の(2)に示すトラッキングエラー検出器113の出力teは正弦波状になる。図21に示す光ディスク装置においてトラッキング制御ループが開いている状態ならば、光ディスク1の偏心によって1トラックに相当する距離だけ光ビーム位置が変化すると、1周期分の出力te(正弦波信号)が出力される。このことから、出力te1の周期を測定することで、光ディスク1の1トラック(図22においてTpと記す)に相当する距離を検出できることがわかる。
トラッキングエラー周期検出器122はトラッキングエラー検出器122の出力teを2値化する。te二値化信号を図22の(3)に示す。te二値化信号は、出力teとゼロレベルとを比較したものとなる。続いて、te2値化信号の立ち上がりエッジの周期を検出して逆数してなる信号tefを検出する。信号tefは、図22−(4)において実線で表示される。信号tefはある偏心量を持つ光ディスク1が回転することによって、光ディスク1の回転位置に応じて変化する半径位置の変化速度を検出したものとなる。この変化速度は、光ディスク1の回転位置に対する偏心量の微分値である偏心速度を意味しており、このようにして、偏心速度が検出される。
信号tefの大きさは、光ディスク1の偏心量に比例しており、光ディスク1の偏心量が大きくなるほど大きくなり、偏心量が小さくなるほど小さくなる。したがって、光ディスク1が1回転する期間における信号tefの最大値あるいは最小値と、その値を検出したディスク回転位置とを検出することによって、各記録層におけるずれ量dを速度として検出できる。
なお、本実施例におけるずれ量検出器117は、光ディスク1が1回転する期間におけるトラッキングエラー周期検出器122の出力tefを積分し、各記録層でそれぞれ測定した積分値を偏心量として検出する。さらには、出力tefの最大値を検出したクロック生成器120の出力clkどうしの差分を位相ずれ量として検出する。
以上のように本実施例によれば、光ディスク装置のトラッキングループが開いていても偏心量に基づいてずれ量dを検出することができる。その結果、トラッキング制御器116の制御特性に依存することなく、高精度な検出を実現することができる。
以上で、ずれ量dの計算処理の詳細な手順の第一の例と第二の例とを説明した。
次に、ずれ量dから、テスト記録領域中で実際に使用禁止とすべき領域の総セクタ数Mを見積もる方法について説明する。当該セクタ数Mとは、「GAP領域の総セクタ数」から「GAP領域中における、実際にはテスト記録が可能な領域のセクタ数」を差し引いた値に相当する。見積もる対象になるGAP領域周辺のトラック半径をRGAPとし、アドレス値が付与される単位(通常はセクタ単位)の長さをLとし、トラックピッチをTpとすると、「テスト記録領域中で実際に使用禁止とすべき領域の総セクタ数」であるMは次の(13)式で算出することができる。
M=(2π/(L・Tp))・RGAP・d …(13)
ここで、(2π/(L・Tp))は予め算出しておくことができる値である。RGAPの値は、既に説明した(8)式に基づいて、GAP領域周辺のアドレス値AGAPから算出される。次の(8−1)式は、前述した各データを前述した(8)式に代入した式である。
GAP=SQRT(Tp・L・(AGAP−A0)/π+R0 2) …(8−1)
なお、内周側のテスト記録領域(IDTAZ)の位置は予め決まっているため、厳密な計算が必要な場合を除き、RGAPの値を予め算出しておくことができる。このことから、本願の発明では、「テスト記録領域中で実際に使用禁止とすべき領域の総セクタ数M」を算出したうえで、互いに算出したセクタ数M以上、離間するように、各層のテスト記録領域(位置や記録量)が決められることによって、予め使用禁止と規定された使用禁止領域(GAP領域等)を有効活用でき、追記可能回数の増加と記録品質の向上とが図れる。これに対して、従来の技術では、一方の層のテスト記録済み領域と他方の層のテスト記録済み領域の距離(セクタ数で規定)は少なくともGAP領域の総セクタ数以上離しておく必要があった。
以上のように、例えば1層目の情報記録層L0から読み出したアドレスと2層目の情報記録層L1から読み出したアドレスとの相関関係などから、1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1を貼り合せて光ディスク1を製造した時に生じた実際のずれ量dを算出したうえで、算出したずれ量dから光ディスク1のGAP領域を算定する。そして、記録再生装置12から記録要求がされたものの初期段階のテスト記録において通常のテスト記録領域での記録可能域が枯渇したと判断する際には、通常は使用禁止領域とされているGAP領域を次の記録可能域候補に設定したうえで、そのGAP領域に記録可能域が存在するかどうかを判定する。そして、記録可能域があると判定する場合には、そのGAP領域にテスト記録を行う。
このようにして、GAP領域内を有効活用することにより、記録可能域を増加させることができるので、光ディスク1に対する追記可能回数を増加させることが可能となる。
前述した図4のフローチャートによる処理に代えて、図23に示すフローチャートでの処理も有効である。図23は光ディスク装置Eによるディスク情報記録処理の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS31において、光ディスク1の所定の領域に対して規格に準拠したディスク情報の記録を開始する。ここでディスク情報が、光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報のことである。例えばDVD−RにおけるRMD(Recording Management Data)である。次いでステップS32において、規格で定められたディスク情報以外のディスク固有情報が存在するか否かを判断する。ディスク固有の情報が存在しない場合は処理を終了するが、ディスク固有情報が存在する場合には、ステップS33に進む。次いでステップS33において、使用禁止領域とされているGAP領域内に記録可能域が存在するか否かを判断する。ここでディスク固有情報とは、光ディスク1と光ディスク装置Eの組み合わせにおいて生じる固有のもので、安定な記録・再生を実現する上で有効な情報のことである。例えば、レーザパワーの温度補正値,半径位置毎のチルト情報,調整時の温度情報や時間情報等の条件,GAP領域確定済み情報(以降、GAP領域判定しなくても良い),偏心情報,偏重心情報,層間の(TR/FC Gain・Att, Tilt,... )情報,層毎の(TR/FC Gain・Att, Tilt等の情報:ただしこれらの情報は規格では定められたものではない)などである。
GAP領域において記録可能域が存在した場合には、ステップS34に進み、その領域にディスク固有情報を記録する。記録可能域が存在しない場合は、ディスク固有情報の記録は実施しない。
ここで記録したディスク固有情報を、次回ディスク起動時に読み込んで使用することにより、当該の光ディスク1に最適な設定での記録および再生が可能となる。これにより、記録・再生の品質を向上させることができる。なお、DVD−R Dual Layer以外の多層記録ディスクに対して本発明を適用してもよい。
本発明の光ディスク装置制御方法は、貼り合わせ構造で記録層多層の光ディスクにおけるGAPのような使用禁止領域を有効活用するもので、追記可能回数の増加または記録品質の向上等に有用である。
本発明は、貼り合わせ構造で記録層多層の光ディスクを記録・再生可能な光ディスク装置およびその制御方法に関する。
記録層多層の光ディスクは、各記録層を貼り合せて製造される。2層構造を有するディスクでは、1層目の情報記録層と2層目の情報記録層とを貼り合わせる際に、情報記録層が規定の貼り合せ位置から位置ずれする可能性がある。DVD−R Dual Layerメディアに例示される光ディスクでは、1層目の情報記録層と2層目の情報記録層との間に位置ずれが生じる可能性がある。そこで、2層目の情報記録層において、記録してはいけない使用禁止領域であるGap(The area located in the Disc Testing Area (DTA) to prevent the influence of recordings for OPC on the other layer. Gap shall not be used for OPC procedure.)が定義されている。2層目の情報記録層に記録する際には、Gapを考慮して1層目の記録位置より内周位置から記録する。GAP(使用禁止領域)は、最大で、インナ側に257 ECCブロック(4112セクタ)、アウタ側に676 ECCブロック(10816セクタ)存在する。
特開平5−54396号公報
光ディスクのユーザデータ領域への記録については、通常、記録実施前にあらかじめテスト記録領域にテスト記録を行い、レーザパワーの調整等を行うことで、ユーザデータ領域での記録が安定して行えるようにしている。記録層多層の光ディスクでは、このテスト記録領域に使用禁止領域(GAP)が存在するため、テスト記録に使用できる領域が単層ディスクに比べて少なくなる。
特にDVD−R Dual Layerメディアのような2層記録が可能な光ディスクでは、記録可能なユーザデータ領域が単層ディスクに比べて大きいことから、追記する可能性も単層ディスクに比べて大きくなる。
しかしながら、テスト記録領域が枯渇した場合、ユーザデータ領域に空きが存在する光ディスクでも、テスト記録ができなくなるため、ユーザデータ領域への記録が不可能となる。結果として、単層ディスクに比べて、追記記録を実施できる回数が減少してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、貼り合わせ構造を有する記録層多層の光ディスクにおいて、追記可能回数を増加させることを主たる目的とする。
本発明による光ディスク装置制御方法は、記録層が貼り合わされて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置の制御方法であって、
前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を算出するステップと、
前記記録層に予め規定されている使用禁止領域における記録可能域の大きさを、前記ずれ量に基づいて特定するステップと、
を含む。
この光ディスク装置制御方法において、記録層多層の光ディスクにおける各記録層は、貼り合わせに起因するずれがない正規の構造であれば、同一半径位置でのアドレスが規定の相関関係を有する。しかしながら、製造時に貼り合わせにずれが生じていた場合には、同一半径位置での各記録層のアドレスが規定の相関関係から外れたものになる。そこで、各記録層のアドレスを比較することによってずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて規定の使用禁止領域の中での記録可能域を特定する。ここで、特定した記録可能域の情報は記憶しておくのが好ましい。なお、ここで使用禁止領域とは、例えば、DVD−R Dual LayerメディアにおけるGAP領域のようなもののことである。
従来では使用禁止領域とされていたディスク領域において記録可能域を探索することで記録可能域の情報を取得する。当該情報が取得された記録層多層の光ディスクにデータの追記を行うときは、記録可能域の情報に基づいて記録可能域を割り出してその領域に追記を行うことで、追記可能回数が増加された光ディスクとなる。
本発明は、前記光ディスクにテスト記録を行う際に、前記光ディスクに設けられたテスト記録領域に残余のテスト記録可能域が存在するか否かを探索するステップと、
前記テスト記録領域において残余の前記テスト記録可能域が存在しないと判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを探索するステップと、
前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域にテスト記録を実行するステップと、
をさらに含む、のが好ましい。
この光ディスク装置制御方法によれば、従来では使用禁止領域とされていたディスク領域において記録可能域を設定し、この記録可能域を利用してテスト記録を行うので、通常のテスト記録領域のみを用いた場合と比較して、記録可能域が増加する。そのため、結果的に追記可能回数を増加させることができる。しかも、記録可能域をテスト記録可能領域として使用するのは、通常のテスト記録領域が枯渇した場合に限定するため、従来の光ディスク装置との間で記録・再生動作の互換性を保つことが可能となる。
また、本発明は、前記光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報が存在するか否かを確認するステップと、
前記固有の制御情報が存在すると判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを確認するステップと、
前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域に前記固有の制御情報を記録するステップと、
をさらに含む、のが好ましい。
この光ディスク装置制御方法によれば、従来では使用禁止領域とされていた記録可能域を、光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報の記録領域として有効利用するので、記録品質をさらに向上させることができる。
本発明によれば、記録層が貼り合わせられてなる多層の光ディスクにおいて、使用禁止領域中の記録可能域にテスト記録を行うので、追記可能回数を増加させることができる。
以下、本発明にかかわる光ディスク装置制御方法の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は貼り合わせ構造を有する記録層多層の光ディスクであり、ここでは、1層目の情報記録層と2層目の情報記録層とを貼り合わせて作製されたDVD−R Dual Layerメディアであって、情報記録層が2以上存在する追記可能な構成を備える。Eは光ディスク装置であり、11はテスト結果格納メモリであり、12は記録再生装置である。
光ディスク装置Eは、光ディスク1を回転駆動するスピンドルモータ2と、光ディスク1にデータ記録とデータ再生を行う光ピックアップ(光ヘッド)3と、光ピックアップ3を光ディスク1の半径方向に沿ってガイドするスレッド4と、スピンドルモータ2を制御するディスク回転制御部5と、光ピックアップ3が光ディスク1から読み取った光学信号に対応する電気信号に各種の信号処理を行い、ディジタルデータとして出力する信号処理LSI6と、信号処理LSI6による信号処理結果のディジタルデータを一時的に格納するDRAMバッファ7と、光ディスク装置Eの構成要素(光ピックアップ3,スレッド4,ディスク回転制御部5,信号処理LSI6,テスト結果格納メモリ11等)の制御を行うCPU8と、DRAMバッファ7からのディジタルデータを外部の記録再生装置12に送信する送信部9と、記録再生装置12から送信されてくるデータ・信号を受信する受信部10とを備える。
光ピックアップ3は、CPU8からの制御に応じてスレッド4上を移動することによって、光ディスク1の所定位置にデータの書き込みを、当該所定位置からデータの読み出しをそれぞれ行う。なお、CPU8は、光ピックアップ3の制御に基づいて、レーザパワーを調整する機能や最適なレーザパワーに補正する学習機能を備える。
図2は、DVD−R Dual Layerの光ディスク1の構造の一例を模式的に示す。
図2において、a1はインナ側のテスト記録領域(IDTAZ:Inner Disc Testing Area)であり、a2は記録管理領域(RMA:Recording Management Area)であり、a0は2つの領域a1,a2からなる情報記録領域であり、a3はリードイン領域であり、a7はリードアウト領域であり、a4,a8はデータ記録領域であり、a5,a9は固定中間領域であり、a6,a10はアウタ側のテスト記録領域(ODTAZ:Outer Disc Testing Area)である。
インナ側のテスト記録領域a1は、ドライブ用テスト記録領域b1,b2、ディスク製造用テスト記録領域b3、および非使用のブランク領域b4を備える。ドライブ用テスト記録領域b1,b2の容量は9040セクタであり、ドライブ用テスト記録領域b1,b2の中にGAPのc1が含まれる。なお、GAPの容量は、インナ側で最大257 ECCブロックである。ECCブロックそれぞれは16セクタである。
次に、上記のように構成された本実施の形態の光ディスク装置Eの動作を説明する。ここでは、光ディスク装置Eにおいて、記録再生装置12から受信部10に記録の要求があった場合を想定してその動作を説明する。光ディスク装置Eは、装着された光ディスク1へのテスト記録がすでに実施されているか否かを判断する。テスト記録が未実施であると判断する場合、光ディスク装置Eは、テスト記録処理を実施し、実施したテスト記録が成功する場合、光ディスク装置Eは、記録再生装置12から要求された内容のデータ記録を光ディスク1に実施する。
図3は、光ディスク装置EによるGAP領域の探索方法の動作の一例を示すフローチャートである。GAP位置の探索処理をスタートすると、まず、ステップS1において、1層目の情報記録層L0に対するアドレスリード処理を行う。ここで、アドレスとは光ディスク1の物理アドレスを示す。次いでステップS2において、1層目の情報記録層L0で取得したアドレス位置の真上に相当する2層目の情報記録層L1にジャンプして、2層目の情報記録層L1にアドレスリード処理を行う。これら互いに対向する各記録層のアドレス位置は、理想的には光ディスク1の半径方向の同一位置となる。
次いでステップS3において、1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1とから読み取った2つのアドレスにおける相対関係から、1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1とを貼り合せて光ディスク1を貼り合わせ製造した際に生じる、貼り合わせのずれ判定処理を行う。ずれ判定処理は例えば、次のようにして実施される。すなわち、1層目の情報記録層L0のアドレスと2層目の情報記録層L1のアドレスとが互いに対応する規定値になっているか否かで、上記ずれの判定を行う。より具体的には、2層目の情報記録層L1のアドレスが1層目の情報記録層L0のアドレスのほぼ反転した値となっている場合には、ずれがないと判定し、ほぼ反転した値になっていない場合には、ずれがあると判定する。1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1のアドレスに貼り合せ製造時のずれがある場合は、ステップS4に進む。一方、そうでない場合は、ステップS5に進む。
ステップS4では、貼り合せ製造時に生じたずれ量の算定処理を行うとともに、そのずれ量を本光ディスクのGAP領域の最大値としてテスト結果格納メモリ11に格納する。ステップS4に進んでずれ量の計算処理が終了すると、本フローチャートの処理は終了する。
ここで、テスト結果格納メモリ11は、CPU8からアクセスできる空間に割当てられた記憶器であれば何でもよく、専用のメモリに限らない。テスト結果格納メモリ11は、CPU8からアクセス可能な任意のメモリの一部分から構成されてもよいし、メモリ以外にもレジスタなど他の記憶器から構成されてもよい。
なお、前述した、貼り合わせずれの判定処理とずれ量dの計算処理については、貼り合わせずれの判定処理を行わずに、ずれ量dの計算処理だけを行い、そこで得られたずれ量を本光ディスクのGAP領域の最大値としてテスト結果格納メモリ11に格納するようにしてもよい。
また、前述したずれ量dの判定処理とずれ量dの計算処理とについては、上記の他、ずれ量dの計算処理を行ってから、ずれ量dが所定の量より大きいかどうか判断してもよい。この判定処理は、ずれ量dの判定処理に相当する。判定の結果、ずれ量dが所定の量より大きいときには、そのずれ量dは、本光ディスクのGAP領域の最大値としてテスト結果格納メモリ11に格納される。以上に説明した、ずれ量dの計算処理に関する詳細手順については、上述した方法以外のものも合わせて後述する。
以上の処理が終了した後、テスト結果格納メモリ11からずれ量dを読み出し、ディスク情報として光ディスク1のRAM領域に記録する。また、(テスト結果格納メモリ11に格納されている)ずれ量dを光ディスク1に記録する際には、そのデータを前述したRAM領域に限ることなく光ディスク1のどこの領域に記録してもよい。つまり、ずれ量dをどこに記録するかを光ディスク装置Eが認識しておれば、そのデータの収納場所はどこでも構わない。さらには、新しい光ディスクが挿入されるたびにずれ量dを測定するようにすれば、必ずしもずれ量dを光ディスク1に記録する必要もない。
一方、ステップS5に進むと、通常のテスト記録の処理のためのテスト記録アドレス確定処理が実行される。この通常のテスト記録処理は、従来の技術と同様のものであり、本発明とは直接には関係しないが、以下、簡単に説明する。
ステップS5において、テスト記録アドレスPCA(Power Calibration Area)の指定処理を判断する。インナ側指定であると判定される場合には、次回追記時の物理的ブロックアドレスPBA(Physical Block Address)をインナ側のPCAに設定する(ステップS6)。また、アウタ側指定であると判定される場合には、PBAをアウタ側のPCAに設定する(ステップS7)。
次いでステップS8でブランクチェックを行い、ステップS9〜S10で次回追記時のPBAの計算処理を行い、ステップS11で未記録/記録の境界を計算する。
以上のようにしてテスト記録領域の学習が終了すると、次いで図4のフローチャートの処理に進む。図4は光ディスク装置Eによるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS21において、光ディスク1でテスト記録領域がすでに枯渇しているか否かを判断する。すなわち、記録可能域を探索し、記録可能域が存在すれば、ステップS22に進んで、その領域でテスト記録を実施する。ステップS22による通常のテスト記録領域でのテスト記録を行った後は、ステップS25に進んで、テスト記録が成功したか否かを判断する。ステップS25においてテスト記録が成功したと判断する場合は、光ディスク1への記録が可能であるとして、ステップS26に進み、記録再生装置12から光ディスク装置Eに対する要求である記録動作を実行する。
このようにして追記を繰り返していくと、テスト記録領域が枯渇するようになる。すると、ステップS21による判断処理において、記録可能域が枯渇すると判断される。そうすると、処理はステップS23に進む。ステップS23においては、使用禁止領域とされているGAP領域で、前述したずれ量判定処理(図3のステップS4参照)で算定した記録可能域が枯渇しているか否かを判定する。この判定は具体的にGAP領域内で記録可能域が存在するか否かを検索することにより実施される。さらにはこの検索は例えば次のようにして実施される。すなわち、光ディスク1のRAM領域に格納されている、GAP領域の最大値情報データを読み出し、読み出したGAP領域の最大値の範囲内において残存する記録可能域をテスト記録可能領域と見なし、その領域の有無およびその大きさを測定することで上記検索は実施される。ステップS23で記録可能域が存在すると判定すれば、ステップS24に進んで、GAP領域における記録可能域にテスト記録を実施する。
ステップS24の処理(GAP領域内の記録可能域におけるテスト記録処理)を行った後は、ステップS25に進んで、テスト記録が成功したか否かを判断する、ステップS25で成功したと判断する場合には、光ディスク1への記録が可能であると判断して(ステップS26)、記録動作を実行する。
一方、ステップS25においてテスト記録が失敗したと判断する場合、あるいはステップS23においてGAP領域内に記録可能域がないと判断する場合には、記録動作が不可と判断して(ステップS27)、記録再生装置12から要求されたデータ記録を光ディスク装置Eに実施することなく処理を終了する。
次に「ずれ量dの計算処理」の詳細な手順について、図5A,図5B,図6A,図6B,図7A,図7B,図8−図22を参照して説明する。
(詳細な手順の第一の例)
以下、ずれ量dの計算処理の詳細な手順の第一の例について説明する。図5Aは光ディスク1のL0層のトラックとL1層のトラックとを示す図である。ここで、1000はL0層の中心点であり、L0層の各トラックは中心点1000を中心とする同心円形状となる。なお、実際には、光ディスク1の各トラックはスパイラル状に形成されているが、光ディスク1は多数のトラックから構成されているため、便宜上、各トラックを円と見なしても差し支えない。トラック1002はL0層のトラックであり、中心点1000を中心とする円形状を有する。同様に1010はL1層の中心点であり、トラック1011とトラック1012とトラック1013とは全てL1層のトラックであって、これらは中心点1010を中心とする同心円形状となる。ここで、L1層のトラック1012の半径とL0層のトラック1002の半径とは、略同一である。L1層のトラック1011は、図中、中心点1000,1010の右側においてL0層のトラック1002に接する。L1層のトラック1013は、図中、中心点1000,1010の左側においてL0層のトラック1002に接する。
次に、図5B,図6A,図6B,図7A,図7Bを参照して、L0層からL1層へ、または、L1層からL0層へ層間ジャンプを実施する際におけるアドレス(物理アドレス)の取得方法を具体的に説明する。
図5Bは、図5Aに追加の説明を加えたものである。図5Bにおいて、rは、トラック1002の半径を示す。点1021はトラック1002上の点であって、トラック1002の中心である中心点1000と点1021との間の距離はrとなる。Rは、トラック1002とは同心にならないトラックの中心である中心点1010とトラック1002上の点1021との間の距離を示す。dは、互いに偏心している両トラックの中心である中心点1000と中心点1010との間の距離を示す。距離dは2つの層の間に生じる貼り合わせのずれの量(以下、ずれ量という)に相当する。θは、中心点1000と中心点1010とを結ぶ線分Q1と、中心点1000と点1021とを結部線分Q2とによって形成される角度を示す。1022−1025は、点1021と同様、L0層のトラック1002上の点を示す。1023,1025は、トラック1002とトラック1012との交点を示す。
なお、以下の説明においては、点1021は現在の光スポット(光ピックアップ3によってレーザ光を照射されている点)を示し、点1022から左周りに移動して点1023から点1025を経由し、トラックを一周回って点1022(実際には1トラックずれた点)に戻ってくるものとする。角度θは、光スポットの回転角度を示しており、回転角度θは、0[rad]から2π[rad]まで変化すると見なせる。実際には、光ピックアップ3がトラック上を移動するのではなく、光ディスク1が回転しているために、光スポットがトラック上を移動するのであってディスク1の回転は連続的に続けられる。図5Bにおける中心点1000,1010,1021を頂点とする三角形から、距離Rと回転角度θとの間には、次の(1)式が成立する。
R=SQRT(r2+d2−2r・d・cos(θ)) …(1)
この(1)式によれば、
R=r−d (θ=0[rad])
R=r+d (θ=π[rad])
R=SQRT(r2+d2
:θ=π/2[rad],またはθ=3π/2[rad]
となる。
なお、SQRT(x)はxの平方根を与える関数であり、cos(θ)は回転角度θに対する余弦を与えるコサイン関数を表わすものとする。
ここで、光スポットがL0層のトラック1022上を移動する状態における任意の時点(点1021で光スポットが示される時点)において、当該光スポットがL0層からL1層に層間ジャンプする状態について考察する。この場合、ジャンプ先のL1層のトラックは中心点1010を中心とする円状になり、その半径は、点1021とL1層の中心点1010との間の距離Rになる。距離Rが回転角度θによらず一定であれば、L0層からL1層に層間ジャンプしたとしても、光スポットは予め想定しておいたトラックに着地することになる。しかしながら、実際には、前述したように距離Rは回転角度θの関数となる。そのため、L1層における着地トラックの位置は、回転角度θ(言い換えれば、L0層上の点1021の場所)によって変動する。
以上のことから、次のことがわかる。
・距離Rが距離rより小さくなる位置に点1021が存在する状態、つまり、点1021が点1025から点1022を経由して点1023までの間にある状態では、ジャンプ後のL1層は、ジャンプ元のL0層より内周側になる。
・距離Rが距離rより大きくなる位置に点1021が存在する状態、つまり、点1021が点1023から点1024を経由して点1025までの間にある状態では、ジャンプ後のL1層は、ジャンプ元のL0層より外周側になる。
・点1022に接しているL1層のトラック1011は、当該トラック1011上で層間ジャンプが生じた際には最も内周側のトラックになる。
・点1024に接しているL1層のトラック1013は、当該トラック1013上で層間ジャンプが生じた際には最も外周側のトラックになる。
・点1023または点1025の場所で層間ジャンプが生じた場合は、もとのL0層のトラック1002と同じ半径位置にあるL1層のトラック1012に光スポットが着地する。
図6Aは、上述した距離Rと回転角度θとの関係式をグラフとして表したものである。図中、点1021は、トラック1002を一周した際に、距離Rがどのように変化するかを示す図である。図の縦軸は距離Rを、横軸は回転角度θをそれぞれ示す。ここで、回転中心を中心点1000にして、点1021がトラック1002を一周する際における回転角度θの時間変化率dθ/dt(θを時間で微分した値)に着目する。光ディスク1の一回転にかかる時間の範囲で見た場合、この時間変化率dθ/dtはほぼ一定の値となる。そのため、図6Aにおける横軸θを時間tに置換してもグラフの形状は変わらない。それに対して、実際の光ディスク1の回転中心は、光ディスク1を光ディスク装置Eにローディングしてチャッキングする(ディスクをつかむ)毎にランダムに変動する。そのため、時間変化率dθ/dtは、光ディスク1の一回転にかかる時間の範囲で見た場合、多少変動することになる。しかしながら、通常、光ディスク装置Eではチャッキングの誤差が所定の範囲内に収まるように設計されており、光ディスク1の回転中心は中心点1000や中心点1010の周辺のある範囲内に存在することになる。そのため、回転中心の変動は誤差として無視できる程度であると言える。
図6Aを見ると、L0層からL1層へ層間ジャンプした後の距離Rは、層間ジャンプした点に応じて、最小値(r−d)=Rminから最大値(r+d)=Rmaxまで変化することがわかる。したがって、L0層における各トラック位置からL1層へ層間ジャンプを行いながら、層間ジャンプ毎に距離Rを測定することで、距離Rの最小値Rminと最大値Rmaxとを推定することができる。距離Rの最小値Rminと最大値Rmaxとに基づけば、L0層とL1層とを貼り合わせた際に生じるずれ量dは、以下の(2)式によって算定することができる。
d=(Rmax−Rmin)/2 …(2)
さらには、層間ジャンプ前のL0層におけるトラックの半径rを用いれは、ずれ量dは、以下の(3)式または(4)式によって算定することができる。
d=Rmax−r …(3)
d=r−Rmin …(4)
ところで、前述した記述では、(1)式において、θ=π/2[rad]またはθ=3π/2[rad]のとき、R=SQRT(r2+d2)になることを説明したが、その際のずれ量dは、距離rに比して極めて小さい(d≪r)。したがって、このときの距離Rと距離rとは、R≒rと見なすことができる。そこで、距離R(層間ジャンプ後のL1層トラックの半径)から距離r(層間ジャンプ前のトラック半径)への変化量ΔRについて考察する。ここで、変化量ΔRは絶対値を示すものとする。変化量ΔRと回転角度θとの関係は、以下の(5)式になる。
ΔR=ABS(SQRT(r2+d2−2r・d・cos(θ))−r) …(5)
ただし、ABS(x)はxの絶対値を与える関数である。この式をグラフで表すと、図6Bに示すようになる。この変化量ΔRの最大値はdであるので、変化量ΔRを繰り返し算定してその最大値ΔRmaxをずれ量dとするようにしてもよい。このずれ量dの算定方法は、結局のところ、以下の(6)式によってずれ量dを算定しているのと等価になる。
d=Rmax−r …(6)
なお、上記以外のずれ量dの算定方法としては、変化量ΔRを繰り返し算定したうえでさらにその平均値ΔRaveを算定し、算定した平均値ΔRaveから最大値ΔRmax(すなわち、ずれ量d)を算定してもよい。具体的には、図6Bに示す(5)式の区間(θ=0〜2π)における平均値ΔRaveは、ΔRave≒(2d/π)と表せるため、ずれ量は、以下の(7)式によって算定することができる。
d=ΔRmax≒ΔRave×(π/2) …(7)
πは、範囲(3.1<π<3.2)に収まるため、ずれ量dは、平均値ΔRaveを約1.55〜1.6倍することで推定できる。ここで、πの範囲を、約1.55〜1.6倍としたが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。なお、変化量ΔRの指標つまり絶対値を取る代わりに二乗し、さらにその二乗値(ΔR)2の平均値を算定することで、距離dに代わってd2を推定し、さらに推定したd2の平方根を算定することで、ずれ量dを得ることもできる。
上述した説明では、トラックの半径値(距離R)に基づいてずれ量dを推定したが、多くの光ディスク装置では、トラックの半径量そのものの正確な値を直接得ることはできない。そこで、そのような装置構成では、アドレス値(現在読み出している物理アドレスの値)からトラック半径値(距離R)を算定してもよい。アドレス値をトラック半径値(距離R)に変換する方法の一例を、以下、説明する。
アドレス値が付与される単位(通常はセクタ単位)の長さをL、既知の半径値(距離R0)における既知のアドレス値をA0(通常は光ディスクの規格書において、例えば、最内周の位置とアドレス値などとして規定されている)、現在のアドレス値をA、トラックピッチをTpとすると、現在の半径値(距離R)は以下の(8)式で算定することができる。
R=SQRT(Tp・L・(A−A0)/π+R0 2) …(8)
同様に、アドレスA0からアドレスAまでのトラック本数Nは以下の(9)式で算定することができる。
N=R/Tp=SQRT(Tp・L・(A−A0)/π+R0 2)/Tp …(9)
アドレス値から半径値(距離R)あるいはトラック本数を算定する処理は、光ディスク装置において、シーク元アドレス値からシーク先アドレス値に向けて横断するトラック本数(上記のNに相当)を計算するために必要な処理の一部でもあり、光ディスク装置内部で通常に行われている。したがって、アドレス値から半径値(距離R)を算定する方法については、上述した一例に限るわけではなく、同等の結果が得られるのであれば、どのような方法であってもよい。また、半径値(距離R)とアドレス値との関係に基づけば、逆に、半径値(距離R)からアドレス値Aを算定することもできる。したがって、任意のトラック(例えば半径値(距離R))からずれ量dに応じて半径値(距離)が変化した半径値(距離R+d),(距離R−d)を有するトラックにおけるアドレス値を算定することも可能である。
ここで、これまでに説明した内容に基づいて、層間ジャンプ後のアドレス値からずれ量dを算定する光ディスク装置、およびそのずれ量算定方法を、図7,図8を参照して説明する。
図7はアドレス値からずれ量dを算定可能な光ディスク装置のブロック図である。なお図1と同一符号を付与した構成要素については詳細な説明を省略する。
光ディスク1は記録層が2層であるDVD−Rディスクである。この光ディスク1を所定回転数で回転させるスピンドルモータ2は回転位置信号heoを出力する。
ディスク回転制御器111はスピンドルモータ2から供給される回転位置信号heoに基づいてスピンドルモータ2の回転速度を算出して、目標回転になるように制御出力mtdをスピンドルモータ2に出力する。
光ピックアップ3は、光ディスク1に光ビームを照射したうえで反射光を集光して検出する機能を備える。光ピックアップ3は、集光レンズ(図示せず)と集光レンズを駆動するアクチュエータ(図示せず)とを備える。光ピックアップ3は、光ビームを光ディスク1の記録面に垂直方向(以下、フォーカス方向と記す)に沿った任意の位置に集光する機能と、光ディスク1上のトラックを横断する方向(以下、トラック方向と記す)に沿った任意の位置に集光する機能とを有する。
以下、上記光ディスク装置の各構成要素の動作をさらに詳細に説明する。光ピックアップ3は、反射光の一部あるいは全部を電気信号に変換してなる信号をフォーカスエラー検出器112とトラッキングエラー検出器113とアドレス検出器114とに出力する。
フォーカスエラー検出器112は集光された光ビームと光ディスク1の記録面との間の垂直方向に沿った位置ずれ量を検出し、その検出結果に基づいてフォーカスエラー信号feを生成してフォーカス制御器115に出力する。
フォーカス制御器115はフォーカスエラー信号feに基づいて、フォーカスエラー信号feがゼロになるように制御演算してなる駆動信号fcdを生成して光ピックアップ3のアクチュエータに出力する。フォーカス制御器115は光ディスク1の任意の記録層へ光ビームの集光位置を移動させる層間ジャンプ駆動において駆動制御を行う。
トラッキングエラー検出器113は集光された光ビームと光ディスク1上の任意のトラック位置との位置ずれ量を検出し、その検出結果に基づいてトラッキングエラー信号teを生成してトラッキング制御器116に出力する。
トラッキング制御器116はトラッキングエラー信号teに基づいて、トラッキングエラー信号teがゼロになるように制御演算してなる駆動信号tkdを生成して光ピックアップ3のアクチュエータに出力する。また、トラッキング制御器116は、光ディスク1上の任意のトラックに集光した光ビームを位置決めするスチルジャンプ駆動において駆動制御を行う。
アドレス検出器114は、光ディスク1からの反射光に基づいて、光ディスク1に予め記録されたLPP(Land Pre-Pit)などを検出することによって物理アドレスを検出する。アドレス検出器114はずれ量検出器117に結果idを出力する。結果idは、ずれ量検出器117からのリード命令rdに基づいて集光された光ビーム位置が光ディスク1上のどの位置に集光されているのかを示すアドレス情報であって、以下、idをアドレス情報として記述する。
ずれ量検出器117はフォーカス制御器115に層間ジャンプ命令fcmvを出力する。層間ジャンプ命令fcmvは、光ビームの集光位置が光ディスク1上の所定の記録層に移動するように制御する命令信号である。ずれ量検出器117はアドレス検出器114から出力されるアドレス情報idに基づいて光ビームが集光している半径値(距離R)を算出する。ずれ量検出器117は、さらに各記録層(L0層,L1層)において算出した半径値(距離R)からずれ量ΔRを検出してCPU8に出力する。
CPU8はスレッド4に駆動信号sldを出力する。駆動信号sldは、光ピックアップ3が光ディスク1の半径方向の所定位置まで移送するように制御する信号である。スレッド4は駆動信号sldに基づいて光ピックアップ3を光ディスク1の半径方向の任意の位置に移送させる。CPU8は光出力制御器119に光出力目標値refPwを出力することができる。出力目標値refPwは光ディスク1への記録および再生時において必要となる。
光出力検出器118は、光ディスク1に照射される光出力レベルを検出してその検出結果を電気信号fmに変換する。光出力検出器118は、光ピックアップ3の照射器が出力する光ビームの少なくとも一部を検出することで光出力レベルを検出する。電気信号fmは光出力制御器119に供給される。光出力制御器119は、光出力目標値refPwと電気信号fm(光出力レベル)との差分がゼロに近づくように制御演算することで光出力制御信号Pwdを生成して光ピックアップ3の照射器に出力する。光ピックアップ3はCPU8から出力される駆動信号sldに基づいて移送されるが、その際、CPU8は
・ずれ量検出器117が光ディスク1上の任意の半径位置でずれ量dを検出できる、
・光ディスク1上の任意のトラックにデータを記録できる、
・光ディスク1上の任意のトラックに予め記録された情報を再生できる、
という条件が満たされるように、駆動信号sldを制御する。
さらにCPU8は、
・光出力制御器119と光出力検出器118とによって光ディスク1上に任意の記録マークを形成できる、
・光ディスク1上に予め記録された情報を再生できる、
という条件が満たされるように、光出力の目標値refPwを制御する。
図8を参照して、ずれ量dを求める方法をさらに詳細に説明する。図8は図7に示す光ディスク装置においてずれ量dを求める手順を示したフローチャートである。最初に光ディスク1の任意のトラック上に集光された光ビームのサーボ制御を開始する(ステップM01)。続いて予め決定していたL0層の任意のアドレスにシークしてスチルジャンプする(ステップM02)。次にそのトラック上のランダムな位置で層間ジャンプをし、層間ジャンプ先のL1層における現在アドレスを取得し(ステップM03)、前述した式(1)等を用いて半径値(距離)Rを算定する(ステップM04)。
ステップM01−M04を複数回数繰り返すことで、半径値(距離)Rの最大値Rmaxと最小値Rminとを算定する(ステップM05)。そして最大値Rmaxと最小値Rminとを、前述した(2)式に代入することで、ずれ量dを算出する(ステップM06)。
ずれ量dを算出した後、算出したずれ量dに応じてあらかじめ使用禁止領域にテスト記録を実行するか否かを判定する(ステップM07)。ここでテスト記録を実行する場合は記録可能域を決定し(ステップM08)、テスト記録処理を行う(ステップM09)。ステップM04,M06はずれ量検出器117が実施し、ステップM09はCPU8が実施する。このような処理を実施するCPU8は、記録可能域特定器として機能する。また、CPU8は、判断器,第1,第2の探索器,および第1,第2の確認器として機能する。
なお、ステップM03においてランダムな位置で層間ジャンプをするとしたが、トラック円周上の所定間隔で(ほぼ等間隔で)層間ジャンプをするようにすると、ランダムな位置で層間ジャンプをする場合よりも、ステップM01からステップM04の繰り返し回数を減らすことが可能になる。
以下では、アドレス値の扱いについて、補足説明する。DVD−R Dual Layerディスクを含むDVD2層ディスクのオポジットトラックパス(OTP)では、L0層のある半径値(距離R)のアドレス値と、L1層と同じ半径値(距離R)のアドレス値とはおよそビット反転した関係になるようにディスクが形成されている。したがって、一方層は内周から外周へ、他方層は外周から内周へ、それぞれアドレス値が増加する。このような構成を備えたディスクにおいては、一方層のアドレス値をビット反転したときに、その反転アドレス値が他方層のアドレス値とほぼ等しければ、2層のアドレス値はほぼ等しい半径値(距離R)を有する位置に存在していることになる。
前述した記述では、アドレス値から半径値(距離R)を算定する計算方法について説明を行ったが、その説明において例示した具体的な計算方法では、内周から外周へアドレスが増えていく層を想定した。反対に、外周から内周に向けてアドレスが増えていく層では、実際に読み出されたアドレス値をビット反転した後に、反転アドレス値をアドレス値と考えて上述した計算方法と同じ計算方法を実施すれば、その半径値(距離)Rを算定することができる。
ところで、これまでの説明では、層間ジャンプに要する時間をほぼゼロと見なして無視してきたが、実際には、層間ジャンプには若干ながらも時間を要する(例えば、10ms程度)。層間ジャンプが実施される期間では、光ディスク装置にトラッキング制御が及ばないので、その期間を経れば、その分だけトラックが移動してしまう。以下、このようにして生じるトラック移動のことをトラック流れと称する。トラック流れは制御誤差を生じさせる。
層間ジャンプ中に光ディスク1が回転する角度が大きくなってくると、制御誤差から見てトラック流れは無視できない程の大きさになる。さらには、光ディスク1の回転速度に比例して光ディスク1の最大面ぶれ速度が大きくなるので、トラック流れが大きくなると、層間ジャンプ時のフォーカス引き込みに失敗する可能性が高くなる。なお、フォーカス引き込みとは、光スポットがL0層からL1層に、またはL1層からL0層に移動する状態において、移動先層における所望のトラックに光スポットを正確に移動させることをいう。
トラック流れを少なくしてこのような不都合を未然に防ぐためには、可及的に光ディスク1の回転速度を下げればよい。通常の光ディスク装置では、DVDを記録再生する際には、DVDの標準線速度(1倍速)以上の線速度で各種制御処理を行う。DVD−Rからなる光ディスク1を標準線速度(1倍速)で回転させた場合、その内周側のPCA領域では、1回転あたり約40msの時間を要する。そのため、この状態で層間ジャンプに例えば10ms要すると、層間ジャンプの実施期間中に生じるトラック流れは、90度回転になる。光ディスクの制御動作において、層間ジャンプ中でのトラック流れとして許容可能な誤差が例えば30度程度である場合を想定すると、1/3倍速(0.33倍速)以下で光ディスク1を回転させれば、前述した不都合を未然に防ぐことができる。
しかしながら、光ディスク1の回転速度を標準速度(1x)以下にした場合には、光ピックアップ3から照射する再生レーザ光のパワーを低下させる必要がある。そうしないと、再生動作中にディスクが感光して記録がなされてしまうためである。
再生レーザ光のパワーを低下させるためには、上述したように光ピックアップ3から照射する再生レーザ光そのものパワーを低下させてもよいが、可及的に外周側のトラックにおいてずれ量dの測定処理(層間ジャンプ)を行うことでも上記不都合を防止できる。例えば、標準線速度(1倍速)でディスクを回転させた場合、ディスク最外周位置において1回転に要する時間は約100msとなる。ディスク最外周位置において層間ジャンプをした場合における所要時間に例えば10ms要したとすると、層間ジャンプの期間中において生じるトラック流れは、36度回転となり、ディスク内周側でずれ量dの測定処理を実施した場合のトラック流れ(90度回転)に比して大幅に減少する。このように、ずれ量dの測定処理(層間ジャンプ)を行うトラックを、可及的に外周側に設定すれば、その際のディスク回転速度がほぼ標準線速度(1倍速)であっても、層間ジャンプ中に生じるトラック流れを許容誤差内に収めることができる。
次に、光ディスク1の回転速度を下げた状態でずれ量dの測定処理(層間ジャンプ)を行うことが可能な光ディスク装置の構成例を図9を参照して説明する。図9の光ディスク装置では、図7に示す光ディスク装置においてCPU8からディスク回転制御器111に回転数変更命令Rev(mes)が供給されるように改良されている。すなわち、図9の光ディスク装置では、層間ジャンプに要する時間が無視できないことを想定して、ずれ量dを測定する期間において、スピンドルモータ2の回転速度を十分に小さくしている。具体的には、図10に示すように、図8のフローチャートにおけるステップM01とステップM02との間に、ステップM1aとステップM1bとが追加され、ステップM04とステップM05との間に、ステップM01cが追加されている。
ステップM1aでは、スピンドルモータ2の回転数を検出したうえで、その検出結果をRev(pre)として記憶する。ステップM1bでは、スピンドルモータ2の回転周期(1周期に要する時間)が層間ジャンプに要する時間よりも十分に大きくなるように、モータ回転目標回転数Rev(mes)を制御する。ステップM1cでは、半径値(距離)Rを算定するステップM04が終了したのち、スピンドルモータ2の回転数をステップM1aで測定したRev(pre)に戻す。
制御動作を図10のフローチャートに示すように改良すれば、層間ジャンプによって光スポットがL0層からL1層に、またはL1層からL0層に移動する際におけるフォーカス引き込みの安定と、トラック流れに起因する測定誤差の抑制とを図ることができる。
なお、これまでの説明ではL0層からL1層へのジャンプを例にして説明したが、L1層からL0層にジャンプする場合でも、同様に考えることができ、同様の近似式でずれ量dを算定することが可能である。このようにL1層からL0層へ層間ジャンプした後の半径値またはアドレス値に基づいて、ずれ量dを算定することができる。
なお、これまでに様々な計算方法を例示したが、本手順は、これらの計算方法に限られるものではない。これらの計算方法と同傾向の結果が得られると当業者が容易に推測できるような計算方法によってこれらの計算方法が代替されてもよい。
(詳細な手順の第二の例)
以下、ずれ量dの計算処理の詳細な手順の第二の例について説明する。図11Aは光ディスク1のL0層とL1層のトラックについて示した図である。ここで、1000はL0層のトラック1002の中心点であり、中心点1010はL1層のトラック1012の中心点である。また、1020はディスク1の回転中心である。なお、回転中心1020は、光ディスク1を光ディスク装置Eにローディングしてチャッキングする(ディスクをつかむ)毎にランダムに位置決めされる。回転中心1020と中心点1000とを結んだ直線Q3とトラック1002との交点を、それぞれ1041と1042とで示す。交点1041は、回転中心1020からみて交点1042より遠い。また、回転中心1020と中心点1010とを結んだ直線Q4とトラック1012との交点を、それぞれ1031と1032とで示す。交点1031は、回転中心1020からみて交点1032より遠い。
図11Bは、図11Aにおける要部拡大図であって、中心点1000と中心点1010と回転中心1020との位置関係を詳細に示す図である。図において、dは、中心点1000と中心点1010との間の距離を示し、d1は、中心点1000と回転中心1020との間の距離を示し、d2は、中心点1010と回転中心1020との間の距離を示し、1051は、回転中心1020を通る基準線を示し、θ1は、線分Q3と基準線1051との間に形成される角度を示し、θ2は、線分Q4と基準線1051との間に形成される角度を示す。基準線1051は、点1020を通りさえすれば、どのように引いても構わない。これは、最終的に計算で必要となるパラメータ回転角度θは、次の(10)式によって算定されるためである。
θ=ABS(θ1−θ2) …(10)
図12は、各層(L0層とL1層)のトラック追従時(トラッキング制御時)において、光ピックアップ3のレンズ位置(トラッキング方向)が光ディスク1の回転に伴って変動する状態を示す。図12において、変動量のプラス符号は外周側を、マイナス符号は内周側を、さらには、0(ゼロ)は変動の中心をそれぞれ示す。図12で示すレンズ位置の変動は、例えば、次のようにして算定される。
トラッキング制御は、回転中心1020と実際のトラックの中心(中心点1000あるいは中心点1010)との間のずれに起因して生じる回転変動の吸収を主目的として実施される。トラッキング制御において、上記変動は、当該トラッキング制御によって光ピックアップ3のレンズを駆動した量(具体的には駆動によって移動した量の見積もり値)を積算(積分)して得られる値に基づいて算定される。あるいは、トラッキング制御に用いられるトラッキング誤差信号の低域成分に基づいて上記変動は算定される。多くの光ディスク装置において、図12で示す変動を測定して偏心量(すなわち、図12のd1やd2に相当する量)を算定する処理は通常に行われる。本実施形態では、このことに着目して、新たな処理を追加することなく上記変動を算定する。しかしながら、上記変動を算定する方法は、上述した方法に限るわけではなく、同等の結果が得られる方法であれば、どのような方法であっても構わない。
ここで、光ディスク1の回転速度は、少なくとも短い期間(ディスク数回転からディスク数百回転程度)では一定であると考えてよく、その間、ディスク1回転に要する時間Sは、ほぼ一定であると見なせる。また、図12で示す変動を得るために測定値を取得する時間間隔(サンプリング間隔、あるいはグラフで言えばプロット間隔)をTとすると、ディスク1回転の間に測定値を取得する回数(サンプリング回数)は(S/T)回となる。
次に上述した方法で算出される偏心量(図12におけるd1やd2)に基づいて、ずれ量dを算定可能な光ディスク装置の構成およびその方法を図13および図14を参照して説明する。
図13は偏心量に基づいてずれ量dを算定可能な光ディスク装置の構成を示すブロック図である。なお、図7と同一の符号を付与した構成要素については詳細な説明を省略する。トラッキングエラー検出器113は集光された光ビームと光ディスク1上の任意のトラック位置との位置ずれ量を検出してトラッキングエラー信号teを生成してトラッキング制御器116に出力する。トラッキング制御器116はトラッキングエラー信号teに基づいて、トラッキングエラー信号teがゼロになるように制御演算することで駆動信号tkdを生成して光ピックアップ3のアクチュエータとずれ量検出器117とに出力する。なお、図7の説明でも述べたように、トラッキング制御器116は、光ディスク1上の任意のトラックに集光した光ビームを位置決めできるようにスチルジャンプ駆動制御も実施できる。
クロック生成器120は一定周波数信号を出力する素子の出力を分周等してなる一定周波数のパルス信号である出力clkを生成して出力する。クロック生成器120は例えば水晶発信器から構成される。クロック生成器120は、出力clkをずれ量検出器117に出力する。
ずれ量検出器117は、トラッキング制御器116からの駆動出力tkdを、クロック生成器120からの出力clkに基づいて設定するサンプリング周期でサンプリングすることで、光ディスク1の周方向位置に対する偏心に相当する値を測定する。ずれ量検出器117は、この測定を光ディスク1の各記録層に実行することで得られる各記録層の偏心情報に基づいてずれ量dを検出する。以下、このずれ量dの検出方法を図14を参照して説明する。
図14は図13に示す光ディスク装置において光ディスク1が回転したときのトラッキング制御器116の出力とクロック生成器120の出力とを示す図である。図において、横軸は光ディスク1の周方向における回転位置を、縦軸はトラッキング制御器116の出力tkdおよびクロック生成器120の出力clkをそれぞれ示す。また、図14において、L0層におけるトラッキング制御器116の出力tkdは実線で示され、L1層におけるトラッキング制御器116の出力tkdは破線で示される。図12を参照して前述したように、光ディスク1が回転すると光ディスク1の偏心に追従するためにトラッキング制御器116は図14に示す余弦波状の駆動信号を出力する。ここで光ディスク1の偏心量が大きくなると縦軸に示すトラッキング制御出力tkdの振幅が大きくなる。ずれ量検出器115は出力clkの立ち上がりと立ち下りのタイミングとでトラッキング制御器116の出力tkdをサンプリングする。ずれ量検出器115は、この測定(サンプリング)を少なくとも1回転分以上の期間で行い、トラッキング制御器116の出力tkdが最も大きいサンプルを最大値出力サンプルとして検出し、そのサンプルの出力tkdを最大値として検出する。図14では、L0層におけるトラッキング制御器116の最大値出力サンプルはt10となり、最大値は+d0となる。同様にL1層におけるトラッキング制御器116の最大値出力サンプルはt12となり、最大値は+d1となる。
図14に示す各データを、前述した(1)式に代入すれば、ずれ量dは、次のようにして算出される。次の式(1−1)は、図14に示す各データを前述した(1)式に代入した式である。
d=SQRT(d0 2+d1 2−2d0・d1・cos(θ)) …(1−1)
ただし、(1−1)式におけるθは次の(12)式で得られる。
θ(deg)=2π・2/40=18(deg) …(12)
(12)式における定数(2/40)は、次のようにして設定される。すなわち、L0層とL1層とによって偏心量が最も大きかったサンプリングの差(t10とt12)の絶対値が2であり、光ディスク1が1回転する区間において、ずれ量検出器117による総サンプリング数が40であることから、定数(2/40)は設定されている。ここで、ディスク1回転あたり約40サンプルに相当するサンプリング周波数でトラッキング制御器116の出力tkdをサンプルする場合を例に説明したが、何もこの程度のサンプリング周波数に限定される訳ではない。サンプリング周波数を大きくする程、高精度にずれ量dを算出することが可能になる。
なお、ずれ量検出器117は、図7の説明において示したように、光ディスク1上の任意の記録層に光ビームの集光位置を移動させるようにフォーカス制御器115に層間ジャンプ命令fcmvを出力できる。
次に、図15を参照して、ずれ量dを算出する方法を説明する。図15は図13に示す光ディスク装置において、ずれ量dを算出する手順を示すフローチャートである。最初に光ディスク1の任意のトラック上に集光された光ビームの制御を開始する(サーボON:ステップM01)。続いて予め決定していたL0層の任意のアドレスをシークして光スポットをアドレスにスチルジャンプさせる(ステップM12)。次にそのトラック上におけるトラッキング制御器116の駆動出力tkdとクロック生成器120の出力clkとに基づいて偏心に相当する値の最大値d0とその最大値d0をサンプリングしたタイミングθ0とを計測する(ステップM13)。続いてスチルジャンプを解除したうえで(スチルジャンプOFF)、L1層に層間ジャンプして、再びスチルジャンプを開始する(スチルジャンプON:ステップM14)。そしてL1層においてもステップM13と同様にトラッキング制御器116の駆動出力tkdとクロック生成器120の出力clkとに基づいて偏心に相当する値の最大値d1とその最大値d1をサンプリングしたタイミングθ1とを計測する(ステップM15)。ステップM13およびステップM15で計測した結果(d0,d101)を用いてずれ量dを算出する(ステップM16)。
以上のステップM11−M16を実施することでずれ量dを算出することができる。ずれ量dを算出した後、ずれ量dに応じてあらかじめ使用禁止領域にテスト記録を実行するか否かを判定する(ステップM07)。ステップM07の判定処理の例としては、ずれ量dがある程度大きいときには使用禁止領域にテスト記録を実行しないように判定する方法などがある。ステップM07でテスト記録を実行すると判定した場合には、使用禁止領域にテスト記録を行う。具体的には、利用可能領域を決定し(ステップM08)、その利用可能領域にテスト記録を行う(ステップM09)。なお、ステップM07の判定処理を省略し、必ずステップM08からステップM09の処理が行われるようにしてもよい。
なお、(1−1)式におけるcos(θ)は次のようにして算出してもよい。すなわち、一方の記録層においてトラッキング制御器116の出力tkdが最大値となる一方の記録層のサンプリング位置と他方の記録層のサンプリング位置との差を引数とするテーブルを予め設定して記憶したうえで、実際の処理では、このテーブルを参照することによってcos(θ)を算出してもよい。計測を行う際のトラック半径と線速度とを事前に設定しておけば1回転当たりの総サンプリング数Sの値が自ずと決まるので、上記テーブルは事前に作成しておくことができる。
なお、上述した説明では、変動量最大点と、ディスク1回転の基準タイミング(図12における零点位置)との位置の相違に基づいて、図12に示す変動を算定していたが、変動量最大点の代わり変動量最小点を用いてもよい。また、変動量最大点と変動量最小点との両方を用いて、より精度の高い計算を実施してもよい。例えば、L0層における変動量最大点の値がd1maxであり、最小点の値がd1minである場合に、d1=(d1max−d1min)/2として最大値を算定しても、(d1min−d1max)/2から最小値を算定してもよい。このようにすると、特に変動の中心が0(ゼロ)からずれて(あるオフセット量を持って)変動量が計測されている場合に、そのオフセット量の影響をキャンセルできる。
なお、以上の説明ではL0層からL1層へのジャンプを例にして説明したが、L1層からL0層にジャンプする場合でも、同様にしてずれ量dを算定することができる。
また本発明の光ディスク装置では、 あらかじめ使用禁止領域として規定されている領域も、テスト記録領域として使用できるようになり、追記回数を十分に確保することが可能になる。また本発明の光ディスク装置では、上述した方法を用いて算出したずれ量dに応じて1回のテスト記録で使用する記録領域の位置や大きさを決定することによっても、ずれ量dが大きい光ディスクにおいて追記回数を同様に十分に確保できる。その具体的な方法を示す本発明の実施例を、図16,図17を参照して説明する。図16は、図15と同様、図13に示す光ディスク装置において、ずれ量dを算出する手順を示すフローチャートである。図16に示すずれ量検出方法は、図15に示すずれ量検出方法とステップM16まで同じであるが、ステップM16でずれ量dを検出した後に、その結果に応じて1回のテスト記録で使用する記録領域を決定する処理(ステップM20)が追加されており、この点で図15と異なる。
ここで本実施例における、ずれ量dと1回のテスト記録で使用する記録領域との間の関係について図17を参照して説明する。図17において、横軸は、ずれ量d(単位をトラックと記す)を、縦軸は、1回のテスト記録当たりに使用できる記録領域(単位をバイトと記す)をそれぞれ示す。本実施例の光ディスク装置は、
・ずれ量dが小さくなる(ゼロ(トラック)に近づく)ほど、1回のテスト記録当たりに使用できる記録容量を大きくする、
・ずれ量dが大きくなるほど、1回のテスト記録当たりに使用できる記録容量が小さくなるようにする、
という制御を実施する。
以上の制御を実施するうえでは、図17において破線で示すように、1回のテスト記録当たりに使用できる記録容量とずれ量dとを反比例の関係で制御してもよい。
なお光ディスクに記録する際には、通常最小記録単位が存在するので破線で示したように完全な反比例の関係で実現することは困難である。そこで実線で示すようにずれ量dに応じて、任意の記録単位で制御する、すなわち、段階的に反比例状に制御してもよい。また、テスト記録の目的に応じて1回当たりのテスト記録に使用できる記録容量を変更してもよい。例えば光ディスク装置がテスト記録する目的としては、
・光ディスクに情報を記録する際に記録マーク形成に必要な光出力あるいはライトストラテジを決定する目的、
・光ディスクに記録された情報を再生するための電気回路特性を決定する目的、
・光ディスクの任意のトラックに高精度に光ビームを集光するサーボ処理を行う目的、
などの目的に高い優先順位を設定したうえで、
・ずれ量dが大きい程、優先順位が高い目的を達成できるようにテスト記録し、
・ずれ量dが小さい程、優先順位の低い目的を達成できるようにテスト記録する、
ように構成すれば、ずれ量dの大小に関わらず光ディスクへの追記可能回数を十分に確保することが可能となる。
また図13では、トラッキング制御器116の駆動出力tkdより光ディスク1の偏心量を算出したが、図18に示すように、トラッキング制御器116は、トラッキングエラー検出器113の出力teに含まれる低域成分(図18において、低域成分はtkpiと表記されている)のみを抽出して、ずれ量検出器117に入力してもよい。そのような構成においても、図13の装置構成および図15のフローチャートを参照して説明した本実施例のずれ量検出方法と同様のずれ量検出が実現できるのは明らかである。
さらに図9,図10を参照して説明したように、本発明には、スピンドルモータ2の回転周波数がクロック生成器120の出力clkに対して十分に小さくない(比較的大きい)場合には、測定精度が劣化してしまう。これに対しては、図19に示すように、各記録層におけるずれ量dを検出するときにスピンドルモータ2の回転数を予め設定しておいた一定の速度まで減速することで、高い測定精度を維持することができる。
図19の光ディスク装置は、図13に示す光ディスク装置において、さらに、CPU8は、回転数変更命令Rev(mes)をディスク回転制御器111に供給している。これは次の理由による。すなわち、光ディスク1の回転周期に対して、クロック生成器120の出力clkの周期が無視できないほど大きくなる場合がある。図19の光ディスク装置は、このことを想定して、ずれ量dを測定するステップを実施する期間においてスピンドルモータ2の回転を十分に小さくしている。具体的には図20のフローチャートに示すように、図15のフローチャートにおけるステップM−1とステップM−2との間に、スピンドルモータ2の回転数を検出してRev(pre)として記憶する処理(ステップM1a)と、層間ジャンプに要する期間よりも十分に大きい期間になるように、スピンドルモータ2の回転周期を制御するためのモータ回転目標回転数Rev(mes)に制御する(ステップM1b)処理とを追加し、さらに、L1層における偏心量の計測を行うステップM4が終了したのち、スピンドルモータ2の回転数をステップM1aで測定したRev(pre)に戻す処理(ステップ)を行う。以上のようにすることで、偏心量を測定するためのサンプリング時間を十分に確保することが可能になって、さらにずれ量検出精度が高くなる。
また上述した各実施例は、トラッキング制御器116が光ビームを光ディスク1の任意のトラックに集光制御された状態(トラッキング制御状態)において、ずれ量dを検出する構成を説明したものである。しかしながら、本発明は、トラッキング制御状態でなくても、ずれ量dを検出することが可能である。以下、その構成と方法を、図21,図22を参照して説明する。図21は本発明の光ディスク装置のブロック図である。以下、この光ディスク装置の説明を行うが、図18に示す光ディスク装置と同一の構成についてはその説明を省略し、構成要素が異なる部分のみ説明を行う。トラッキング制御器116の駆動出力tkdはスイッチ121を介して光ピックアップ3に搭載されたアクチュエータに出力される。スイッチ121はずれ量検出器117によって開閉される。トラッキング制御器116が動作し且つスイッチ121が閉じた状態では、トラッキング制御ループは閉じられる。ずれ量検出器117はスイッチ121を開閉制御するon/off信号をスイッチ121に出力する。ずれ量検出器117は、光ディスク1の偏心を測定するときのみon/off信号をoffにしてスイッチ121を開く。
トラッキングエラー検出器113は、その出力teをトラッキングエラー周期検出器122に出力する。トラッキングエラー周期検出器122はトラッキングエラー検出器113の出力teを2値化したうえで、2値化した出力te(パルス信号)の周期を計測する。トラッキングエラー周期検出器122は、周期計測した結果である出力tefをずれ量検出器117に出力する。
ここで光ディスク1の偏心量とトラッキングエラー検出器113の出力teとトラッキングエラー周期検出器122の出力tefとの関係について図22を参照して説明する。図22は光ディスク1の回転位置と、ずれ量dと、出力teと、出力teの2値化信号と、出力tefとの関係を示す。図22の(1)に示すように、光ディスク1がある速度で1回転すると、光ディスク1の偏心量に応じてずれ量dが正弦波状に変化する。ここで、光ディスク1の偏心量が大きい場合には、ずれ量d(正弦波)の振幅が大きくなり、小さい場合にはその振幅が小さくなる。
光ディスク1上に集光された光ビームが光ディスク1のトラックを横断すると図22の(2)に示すトラッキングエラー検出器113の出力teは正弦波状になる。図21に示す光ディスク装置においてトラッキング制御ループが開いている状態ならば、光ディスク1の偏心によって1トラックに相当する距離だけ光ビーム位置が変化すると、1周期分の出力te(正弦波信号)が出力される。このことから、出力te1の周期を測定することで、光ディスク1の1トラック(図22においてTpと記す)に相当する距離を検出できることがわかる。
トラッキングエラー周期検出器122はトラッキングエラー検出器122の出力teを2値化する。te二値化信号を図22の(3)に示す。te二値化信号は、出力teとゼロレベルとを比較したものとなる。続いて、te2値化信号の立ち上がりエッジの周期を検出して逆数してなる信号tefを検出する。信号tefは、図22−(4)において実線で表示される。信号tefはある偏心量を持つ光ディスク1が回転することによって、光ディスク1の回転位置に応じて変化する半径位置の変化速度を検出したものとなる。この変化速度は、光ディスク1の回転位置に対する偏心量の微分値である偏心速度を意味しており、このようにして、偏心速度が検出される。
信号tefの大きさは、光ディスク1の偏心量に比例しており、光ディスク1の偏心量が大きくなるほど大きくなり、偏心量が小さくなるほど小さくなる。したがって、光ディスク1が1回転する期間における信号tefの最大値あるいは最小値と、その値を検出したディスク回転位置とを検出することによって、各記録層におけるずれ量dを速度として検出できる。
なお、本実施例におけるずれ量検出器117は、光ディスク1が1回転する期間におけるトラッキングエラー周期検出器122の出力tefを積分し、各記録層でそれぞれ測定した積分値を偏心量として検出する。さらには、出力tefの最大値を検出したクロック生成器120の出力clkどうしの差分を位相ずれ量として検出する。
以上のように本実施例によれば、光ディスク装置のトラッキングループが開いていても偏心量に基づいてずれ量dを検出することができる。その結果、トラッキング制御器116の制御特性に依存することなく、高精度な検出を実現することができる。
以上で、ずれ量dの計算処理の詳細な手順の第一の例と第二の例とを説明した。
次に、ずれ量dから、テスト記録領域中で実際に使用禁止とすべき領域の総セクタ数Mを見積もる方法について説明する。当該セクタ数Mとは、「GAP領域の総セクタ数」から「GAP領域中における、実際にはテスト記録が可能な領域のセクタ数」を差し引いた値に相当する。見積もる対象になるGAP領域周辺のトラック半径をRGAPとし、アドレス値が付与される単位(通常はセクタ単位)の長さをLとし、トラックピッチをTpとすると、「テスト記録領域中で実際に使用禁止とすべき領域の総セクタ数」であるMは次の(13)式で算出することができる。
M=(2π/(L・Tp))・RGAP・d …(13)
ここで、(2π/(L・Tp))は予め算出しておくことができる値である。RGAPの値は、既に説明した(8)式に基づいて、GAP領域周辺のアドレス値AGAPから算出される。次の(8−1)式は、前述した各データを前述した(8)式に代入した式である。
GAP=SQRT(Tp・L・(AGAP−A0)/π+R0 2) …(8−1)
なお、内周側のテスト記録領域(IDTAZ)の位置は予め決まっているため、厳密な計算が必要な場合を除き、RGAPの値を予め算出しておくことができる。このことから、本願の発明では、「テスト記録領域中で実際に使用禁止とすべき領域の総セクタ数M」を算出したうえで、互いに算出したセクタ数M以上、離間するように、各層のテスト記録領域(位置や記録量)が決められることによって、予め使用禁止と規定された使用禁止領域(GAP領域等)を有効活用でき、追記可能回数の増加と記録品質の向上とが図れる。これに対して、従来の技術では、一方の層のテスト記録済み領域と他方の層のテスト記録済み領域の距離(セクタ数で規定)は少なくともGAP領域の総セクタ数以上離しておく必要があった。
以上のように、例えば1層目の情報記録層L0から読み出したアドレスと2層目の情報記録層L1から読み出したアドレスとの相関関係などから、1層目の情報記録層L0と2層目の情報記録層L1を貼り合せて光ディスク1を製造した時に生じた実際のずれ量dを算出したうえで、算出したずれ量dから光ディスク1のGAP領域を算定する。そして、記録再生装置12から記録要求がされたものの初期段階のテスト記録において通常のテスト記録領域での記録可能域が枯渇したと判断する際には、通常は使用禁止領域とされているGAP領域を次の記録可能域候補に設定したうえで、そのGAP領域に記録可能域が存在するかどうかを判定する。そして、記録可能域があると判定する場合には、そのGAP領域にテスト記録を行う。
このようにして、GAP領域内を有効活用することにより、記録可能域を増加させることができるので、光ディスク1に対する追記可能回数を増加させることが可能となる。
前述した図4のフローチャートによる処理に代えて、図23に示すフローチャートでの処理も有効である。図23は光ディスク装置Eによるディスク情報記録処理の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS31において、光ディスク1の所定の領域に対して規格に準拠したディスク情報の記録を開始する。ここでディスク情報が、光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報のことである。例えばDVD−RにおけるRMD(Recording Management Data)である。次いでステップS32において、規格で定められたディスク情報以外のディスク固有情報が存在するか否かを判断する。ディスク固有の情報が存在しない場合は処理を終了するが、ディスク固有情報が存在する場合には、ステップS33に進む。次いでステップS33において、使用禁止領域とされているGAP領域内に記録可能域が存在するか否かを判断する。ここでディスク固有情報とは、光ディスク1と光ディスク装置Eの組み合わせにおいて生じる固有のもので、安定な記録・再生を実現する上で有効な情報のことである。例えば、レーザパワーの温度補正値,半径位置毎のチルト情報,調整時の温度情報や時間情報等の条件,GAP領域確定済み情報(以降、GAP領域判定しなくても良い),偏心情報,偏重心情報,層間の(TR/FC Gain・Att, Tilt,... )情報,層毎の(TR/FC Gain・Att, Tilt等の情報:ただしこれらの情報は規格では定められたものではない)などである。
GAP領域において記録可能域が存在した場合には、ステップS34に進み、その領域にディスク固有情報を記録する。記録可能域が存在しない場合は、ディスク固有情報の記録は実施しない。
ここで記録したディスク固有情報を、次回ディスク起動時に読み込んで使用することにより、当該の光ディスク1に最適な設定での記録および再生が可能となる。これにより、記録・再生の品質を向上させることができる。なお、DVD−R Dual Layer以外の多層記録ディスクに対して本発明を適用してもよい。
本発明の光ディスク装置制御方法は、貼り合わせ構造で記録層多層の光ディスクにおけるGAPのような使用禁止領域を有効活用するもので、追記可能回数の増加または記録品質の向上等に有用である。
本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 DVD−R Dual Layerの光ディスクの構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるGAP領域探索の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 光ディスクの記録層のトラックを示す図である。 光ディスクの記録層のトラックをさらに詳細を示す図である。 距離Rと回転角度θとの関係をグラフとして示す第1の図である。 距離Rと回転角度θとの関係をグラフとして示す第2の図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 光ディスクの記録層のトラックを示す図である。 光ディスクの記録層のトラックをさらに詳細を示す図である。 トラッキング制御時におけるレンズ位置の変動状態を示す図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 トラッキング制御器の出力とクロック生成器の出力とを示す図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 ずれ量と1回のテスト記録で使用する記録領域との間の関係とを示す図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるテスト記録処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における制御方法が適用される光ディスク装置の詳細構成を示すブロック図である。 光ディスクの回転位置とずれ量と出力teと出力teの2値化信号と出力tefとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態における光ディスク装置によるディスク情報記録処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
E 光ディスク装置
L0 1層目の情報記録層
L1 2層目の情報記録層
1 光ディスク
2 スピンドルモータ
3 光ピックアップ
4 スレッド
5 ディスク回転制御部
6 信号処理LSI
7 DRAMバッファ
8 CPU
9 送信部
10 受信部
11 テスト結果格納メモリ
12 記録再生装置
111 ディスク回転制御器
112 フォーカスエラー検出器
113 トラッキングエラー検出器
114 アドレス検出器
115 フォーカス制御器
116 トラッキング制御器
117 ずれ量検出器
118 光出力検出器
119 光出力制御器
120 クロック生成器
121 スイッチ
122 トラッキングエラー周期検出器

Claims (22)

  1. 記録層が貼り合わされて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置の制御方法であって、
    前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を算出するステップと、
    前記記録層に予め規定されている使用禁止領域における記録可能域の大きさを、前記ずれ量に基づいて特定するステップと、
    を含む、
    光ディスク装置の制御方法。
  2. 大きさを特定した前記記録可能域にテスト記録を行うステップを、
    さらに含む、
    請求項1の光ディスク装置の制御方法。
  3. 大きさを特定した前記記録可能域にテスト記録を行うステップでは、各テスト記録動作において記録動作に使用される前記記録可能域の大きさを前記ずれ量に基づいて設定する、
    請求項2の光ディスク装置の制御方法。
  4. 前記ずれ量を算出ステップは、
    前記光ディスクの同一半径位置における各記録層のアドレスを読み取るステップと、
    前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を、前記アドレスの比較に基づいて算出するステップと、
    を含む、
    請求項1の光ディスク装置の制御方法。
  5. 前記記録可能域に関する情報を含むディスク情報を記憶するステップを、
    さらに含む、
    請求項1の光ディスク装置の制御方法。
  6. 記録層が貼り合わされて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置の制御方法であって、
    前記記録層を貼り合せる際に生じたずれ量に応じて、予め規定されている使用禁止領域にテスト記録するか否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップの判断結果に応じて、前記使用禁止領域にテスト記録を行うテスト記録ステップと、
    を含む、
    光ディスク装置の制御方法。
  7. 前記光ディスクにテスト記録を行う際に、前記光ディスクに設けられたテスト記録領域に残余のテスト記録可能域が存在するか否かを探索するステップと、
    前記テスト記録領域において残余の前記テスト記録可能域が存在しないと判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを探索するステップと、
    前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域にテスト記録を実行するステップと、
    をさらに含む、
    請求項1の光ディスク装置の制御方法。
  8. 前記光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報が存在するか否かを確認するステップと、
    前記固有の制御情報が存在すると判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを確認するステップと、
    前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域に前記固有の制御情報を記録するステップと、
    をさらに含む、
    請求項1の光ディスク装置制御方法。
  9. 前記ずれ量は、前記光ディスクの回転中心と各記録層との偏心を計測した結果に基づいて算定する、
    請求項1の光ディスク装置の制御方法。
  10. 前記光ディスクの回転を通常記録再生における回転速度よりも下げた状態で前記ずれ量を算出する、
    請求項1の光ディスク装置の制御方法。
  11. 記録層が貼り合わせられて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置の制御方法であって、
    前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を算出するステップと、
    前記記録層において予め規定されている使用禁止領域にテスト記録するステップと、
    を含み、
    前記使用禁止領域にテスト記録するステップでは、各テスト記録動作においての記録動作に使用される記録領域の大きさを前記ずれ量に基づいて設定する、
    光ディスク装置の制御方法。
  12. 記録層が貼り合われて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置であって、
    前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を算出するずれ量算出器と、
    前記記録層に予め規定されている使用禁止領域における記録可能域の大きさを、前記ずれ量に基づいて特定する記録可能域特定器と、
    を備える、
    光ディスク装置。
  13. 大きさを特定した前記記録可能域にテスト記録を行う、
    請求項12の光ディスク装置。
  14. 前記記録器は、各テスト記録動作において記録動作に使用される前記記録可能域の大きさを前記ずれ量に基づいて設定する、
    請求項13の光ディスク装置。
  15. 前記ずれ量算出器は、前記光ディスクの同一半径位置における各記録層のアドレスを読み取ったうえで、前記記録層を貼り合わせる際に生じたずれ量を、前記アドレスの比較に基づいて算出する、
    請求項12の光ディスク装置。
  16. 前記記録可能域に関する情報を含むディスク情報を記憶する、
    請求項12の光ディスク装置。
  17. 記録層が貼り合わされて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置であって、
    前記記録層を貼り合せる際に生じたずれ量に応じて、予め規定されている使用禁止領域にテスト記録するか否かを判断する判断器を備え、
    前記判断器の判断結果に応じて、前記使用禁止領域にテスト記録を行う、
    光ディスク装置。
  18. 前記光ディスクにテスト記録を行う際に、前記光ディスクに設けられたテスト記録領域に残余のテスト記録可能域が存在するか否かを探索する第1の探索器と、
    前記第1の探索器が、前記テスト記録領域において残余の前記テスト記録可能域が存在しないと判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを探索する第2の探索器と、
    をさらに備え、
    前記第2の探索器が、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域にテスト記録を実行する、
    請求項12の光ディスク装置。
  19. 前記光ディスクと光ディスク装置の組み合わせで生じる固有の制御情報が存在するか否かを確認する第1の確認器と、
    前記第1の確認器が、前記固有の制御情報が存在すると判断すると、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在するか否かを確認する第2の確認器と、
    をさらに備え、
    前記第2の確認器が、前記使用禁止領域において残余の記録可能域が存在すると判断すると、当該使用禁止領域における残余の記録可能域に前記固有の制御情報を記録する、
    請求項12の光ディスク装置制御方法。
  20. 前記ずれ量算出器は、前記ずれ量を、前記光ディスクの回転中心と各記録層との偏心を計測した結果に基づいて算定する、
    請求項12の光ディスク装置。
  21. 前記ずれ量算出器は、前記光ディスクの回転を通常記録再生における回転速度よりも下げた状態で前記ずれ量を算出する、
    請求項12の光ディスク装置。
  22. 記録層が貼り合わせられて多層になった光ディスクを記録・再生する光ディスク装置であって、
    前記記録層を貼り合せる際に生じたずれ量を算出するずれ量算出器を、
    備え、
    前記記録層において予め規定されている使用禁止領域に、前記ずれ量に応じた記録量でテスト記録を行う、
    光ディスク装置。
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