JP4699142B2 - 検査用光ディスク、および、光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法 - Google Patents

検査用光ディスク、および、光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法 Download PDF

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本発明は、複数の記録層が積層形成された多層光ディスクを取り扱う光ディスクドライブの検査に用いられる検査用光ディスク、および、光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法に関する。
従来から、光ディスクにレーザ光を照射してデータを記録再生する光ディスクドライブの性能評価や調整に用いられる検査用光ディスクが提案されている。例えば、特許文献1には、ディスク径方向膜圧を順次変化させた記録層を二層積層した検査用光ディスクが開示されている。また、特許文献2には、記録密度の異なる複数の記録層を積層し、各記録層に信号が一定の形式で記録されたテストディスクが開示されている。
特許文献1に記載の検査用光ディスクによれば、二層光ディスクにおいて膜厚が光ディスクドライブの性能に与える影響を検査することができる。また、特許文献2に記載のテストディスクによれば、一枚のディスクで種々の記録密度に対する光ディスクドライブの性能をテストすることができる。
ところで、光ディスクの記録層は、データの記録前後で、光の反射率および透過率が異なる。この反射率および透過率の違いは、当然、データの記録再生品質に影響を与える。複数の記録層が積層された多層光ディスクの場合は、レーザ光を合焦照射している記録層だけでなく、それ以外の記録層における反射率および透過率の影響も受ける。例えば、二層の記録層が積層された二層光ディスクにおいて、光源に近い記録層であるL0層にレーザ光を合焦照射し、その反射光を受光する場合、光源から遠い記録層であるL1層の反射率の影響を受ける。また、L1層にレーザ光を合焦照射し、その反射光を受光する場合、L0層の透過率および反射率の影響を受ける。特に、データの記録範囲の境界部分では、反射率および透過率が急激に変化する。この反射率および透過率の急激な変動は、トラッキングサーボに大きな影響を与える。そこで、特許文献3には、記録領域と未記録領域との境界を判別し、一つの記録層に記録を行う際、他の記録層における境界部によってトラッキングサーボへの影響が大きいとされる領域にはデータ記録を行わない技術が開示されている。この特許文献3の技術によれば、多層光ディスクへのデータ記録、再生時におけるトラッキングサーボの精度を向上でき得る。
特開2002−222527号公報 特開2004−303351号公報 特開2002−237050号公報
しかし、特許文献3の技術では、光ディスクドライブ全体の制御が複雑になりやすい。また、一部の領域へのデータ記録を避けているため、光ディスク全体での記憶容量の低下を招く。そのため、特許文献3のような技術を用いることなく、正確なデータ記録再生ができることが望ましい。換言すれば、予め光ディスクドライブの性能を評価し、調整し、特許文献3に記載の技術を採用することなく多層光ディスクについてデータ記録再生できるようにしておくことが望ましい。しかし、従来、他の記録層におけるデータ記録状態の影響に対する光ディスクドライブまたは光ピックアップのロバスト性を評価、調整でき得る検査用光ディスクは無かった。
そこで、本発明では、他の記録層におけるデータ記録状態の影響に対する光ディスクドライブまたは光ピックアップのロバスト性を評価、調整でき得る検査用光ディスクおよび検査方法を提供することを目的とする。
本発明の検査用光ディスクは、複数の記録層が積層形成された検査用光ディスクであって、前記複数の記録層それぞれに、複数の検査用データが間欠的に記録されており、各記録層には、他の記録層に記録されたデータの記録範囲開始端部に対向するデータ未記録部分と、他の記録層に記録されたデータの記録範囲終了端部に対向するデータ未記録部分と、他の記録層に記録されたデータの記録範囲開始端部に対向するデータ記録済部分と、他の記録層に記録されたデータの記録範囲終了端部に対向するデータ記録済部分と、が設けられていることを特徴とする。
好適な態様では、別の好適な態様では、各記録層に記録された検査用データの記録範囲と、他の記録層に記録された検査用データの記録範囲とは、一部重複している。検査用光ディスクが、二層の記録層が積層形成された二層光ディスクである場合に、前記二層の記録層それぞれに、他の記録層に記録されたデータの記録範囲に含まれる記録範囲の検査用データと、他の記録層に記録されたデータの記録範囲を完全に含む記録範囲の検査用データと、が記録されていることが望ましい。


好適な態様では、各記録層のデータ領域は、周方向に複数のデータ範囲に分割されており、前記複数のデータ範囲のそれぞれには、同じパターンで検査用データが記録されている。各記録層のデータ領域は、周方向に三つのデータ範囲に分割されていることが望ましい。
他の本発明である光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法は、複数の記録層が積層形成された多層光ディスクを取り扱う光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法であって、前記複数の記録層それぞれに複数の検査用データが間欠的に記録されている検査用光ディスクを、検査対象である光ディスクドライブに装填するステップと、 他の記録層に記録されたデータの記録範囲端部に対向しない部分におけるトラッキングオフセット量を検出するステップと、他の記録層に記録されたデータの記録範囲端部に対向する部分におけるトラッキングオフセット量を検出するステップと、検出された二つのトラッキングオフセット量の比較に基づき、層間クロストークの影響を判断するステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の検査用光ディスクは、複数の記録層それぞれに、複数の検査用データが間欠的に記録されている。したがって、他の記録層におけるデータ記録状態の影響に対する光ディスクドライブまたは光ピックアップのロバスト性を簡易に評価、調整でき得る。また、他の本発明は、かかる検査用光ディスクを用いて光ディスク装置を検査しているため、簡易に、層間クロストークの影響を評価、調整できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である検査用光ディスク10の概略断面図である。この検査用光ディスク10は、ディスクの片面に二層の記録層14,18が積層されており、その物理的構成は、通常の二層光ディスクと同様である。
すなわち、検査用光ディスク10は、レーザ光源側から順に、保護層12、L0層14、中間層16、L1層18、ディスク基板20の順に積層されている。保護層12は、所定の厚みを有した透明層であり、光源(図示せず)から照射されたレーザ光50をそのまま透過させる。L0層14は、データが記録される記録層である。このL0層14には、螺旋状にトラックが形成されており、当該トラックに沿ってデータが記録されている。中間層16は、L0層14とL1層18との間に配される透明層である。この中間層16も規定の厚みで形成されており、L0層14を透過した光をそのまま透過させる。L1層18は、データが記録される記録層である。このL1層18もL0層14と同様にトラックが形成されており、当該トラックに沿ってデータが記録される。ディスク基板20は、ポリカーボネート等からなる所定の厚みの基板である。
ここで、通常、光ディスクに記録されたデータを再生、あるいは、光ディスクにデータを記録する場合は、当該データの記録再生の対象となる位置に、レーザ光を合焦させて照射する。そして、その際得られる戻り光の強度に基づいて、記録されているデータの再生信号を生成したり、照射するレーザ光の強度を調整したりする。このとき、記録再生の対象となる位置におけるデータの記録状況を考慮する必要がある。すなわち、通常、光ディスクは、データの記録状況に応じて反射率が異なってくる。例えば、書換型DVD等で採用されている相変化型ディスクの場合、データが記録されていない結晶化部分と、データ記録済みの非結晶化部分とでは、その反射率が異なってくる。反射率が異なれば、当然、得られる戻り光の強度も異なってくる。そのため、データの記録再生時には、記録再生の対象となる位置におけるデータの記録状況を考慮する必要がある。
また、二層光ディスクの場合は、記録再生の対象となる位置のデータ記録状況だけでなく、当該対称となる位置に正対する他の記録層におけるデータ記録状況も考慮する必要がある。すなわち、二層光ディスクドライブの場合は、データ記録再生の対象となる記録層での反射光だけでなく、他の記録層における反射光も、戻り光に重畳されている。この他の記録層における反射光成分は、通常、層間クロストーク成分と呼ばれる。この層間クロストーク成分は、ジッタ値やトラッキングエラー値の検出精度低下の原因となり、ひいては、記録再生品質の低下の原因となっている。
特に、記録再生対象位置が、他の記録層におけるデータ境界部分に相当した場合には、トラッキングエラーにオフセットを生じさせる。すなわち、この場合、戻り光には、この境界部分での反射光(層間クロストーク成分)も重畳されることになる。この境界部分での反射光は、記録部分での反射光と、未記録部分での反射光との合成であり、その強度分布は非対称となっている。つまり、層間クロストーク成分は非対称となる。一方、通常、光ディスクドライブでは、対象となる記録層での反射光の強度分布の対称性に基づいてトラッキングエラー値を検出している。ただし、対象となる記録層での反射光の強度分布のみを抽出することは困難であるため、多くの場合は、層間クロストーク成分が重畳された戻り光の強度分布の対称性に基づいてトラッキングエラー値を検出している。しかし、戻り光に非対称な層間クロストーク成分が重畳されている場合、この非対称性が戻り光全体に影響を与えてしまい、適切な、トラッキングエラー値を検出できない場合がある。
これについて、図2を用いて説明する。図2は、二層光ディスクの概略断面図である。図2において、ハッチングを施した部分はデータ記録済み部分を示している。図2において、L0層14の位置Xのデータを再生する場合を考える。位置Xのデータを再生する場合は、当該位置Xにレーザ光50を合焦させて照射する。このとき、照射されたレーザ光50の一部はL0層14で反射されて光源側に戻るが、残りの一部はL0層14を透過してL1層18へと至る。そして、L1層18で反射、L0層14で透過されて光源側に戻る。すなわち、L0層14での反射光52aおよびL1層18での反射光52bの両方が合成された光が戻り光となる。トラッキングサーボが適切に行われていた場合、L0層14での反射光52aの強度分布は対称性を持つ。一方、L1層18での反射光52bは、データ記録済部分での反射光および未記録部分での反射光が合成されている。つまり、L1層18での反射光52bの強度分布は、非対称となる。かかる非対称の反射光が重畳された戻り光の強度分布は、当然、非対称になる。その結果、適切なトラッキングエラーの算出、ひいては、適切なトラッキングサーボの実行が困難になる。つまり、他の記録層のデータ境界部分に相当する位置では、適切なトラッキングサーボが困難になる。以下では、図2における位置Xのように、他の記録層におけるデータ記録範囲の境界部分に相当する記録再生対象の記録層の部分を境界対向部と呼ぶ。
二層光ディスクを取り扱う光ディスクドライブでは、通常、かかる層間クロストーク成分の影響を吸収でき得るような構成や信号処理方式が採用されている。しかし、かかる構成や信号処理方式は複雑であったり、微細な調整が必要であったりする。そのため、かかる構成や信号処理方式を、適切に稼動させるためには、その評価や調整が欠かせない。
本実施形態の検査用光ディスク10は、かかる評価や調整を簡易に行うために、特殊なデータ構成となっている。以下、これについて、詳説する。図3は、検査用光ディスク10の上面図である。
検査用光ディスク10は、周方向に三つの領域、すなわち、リードイン領域22、データ領域26、リードアウト領域24に大別されている。リードイン領域22はディスクの最内周に、リードアウト領域24はディスクの最外周に、それぞれ設けられた領域である。従来の光ディスクと同様に、このリードイン領域22およびリードアウト領域24には、光ディスクの種類や記録密度、アドレス情報等が記録されている。本実施形態では、このリードイン領域22に、後述する検査用データのアドレス情報を記録している。
データ領域26は、各種データが記録される領域である。検査用光ディスク10では、このデータ領域26がさらに、周方向に三つの範囲、すなわち、内周データ範囲28、中周データ範囲30、外周データ範囲32に分割されている。内周データ範囲28は、データ領域26のうち最も内周側に位置するデータ範囲である。外周データ範囲32は、データ領域26のうち最も外周側に位置するデータ範囲である。中周データ範囲30は、内周データ範囲28および外周データ範囲32の間に設けられたデータ範囲である。この三つのデータ範囲28,30,32は、いずれも、ほぼ同じ程度の径を有するようになっている。そして、本実施形態では、この三つのデータ範囲28,30,32全てに、同じ記録パターンで検査用データを記録している。
このように、データ領域26を周方向に三つに分割し、さらに、全てのデータ範囲28,30,32に同じ構成で検査用データを記録するのは次の理由による。通常、光ディスクは、内周から外周にかけて、僅かながら撓みを生じている。この撓みは、光ピックアップと記録層との距離や相対角度、ひいては、レーザ光の合焦精度に影響を与える。かかる撓みの影響をも評価するべく、本実施形態では、データ領域26を周方向に三分割している。もちろん、場合によっては、データ領域26を分割することなく、後述する検査用データを一箇所にのみ記録するようにしてもよい。あるいは、より多数のデータ範囲に分割して、径方向位置の相違による記録再生品質の相違をより詳細に評価するようにしてもよい。
図4は、この検査用光ディスク10のデータ領域26をトラックに沿って引き伸ばした際のイメージ図である。図4において、14,18は、それぞれ、L0層、L1層を示している。また、L0層14、L1層18において、ハッチングを施した部分はデータ記録済範囲を、ハッチングを施していない部分はデータ未記録範囲を示している。
既述したように、検査用光ディスク10のデータ領域26は、内周データ範囲28、中周データ範囲30、外周データ範囲32の三つのデータ範囲に分割されている。各データ範囲には、全く同じ構成で検査用データ34が記録されている。すなわち、三つのデータ範囲における検査用データ34の記録範囲(記録長さ)や記録間隔は全て同じである。ただし、この記録範囲や記録間隔は、必ずしも同じである必要はなく、各データが間欠的に記録されているのであれば、その記録範囲や記録間隔は適宜変更してもよい。
図5は、一つのデータ範囲における検査用データの記録パターンを示す図である。一つのデータ範囲には、ダミーデータが間欠的に記録されている。ダミーデータは、検査に用いられるデータ、すなわち、検査用データである。ダミーデータは、例えば、“00”などの実データで、その記録深さは均一であることが望ましい。もちろん、記録深さが既知、あるいは、許容範囲内であるならば、適宜、記録深さを変動させてもよい。
本実施形態では、一つのデータ範囲において、各記録層に長い範囲のデータLn_L(n=0,1)と、短い範囲のデータLn_Sと、を間欠的に記録している。すなわち、L0層14の一つのデータ範囲には、長いデータL0_Lと短いデータL0_Sが間隔を開けて記録されている。また、L1層18の一つのデータ範囲には、長いデータL1_Lと短いデータL1_Sが間隔を開けて記録されている。
また、一つの記録層における長いデータLn_Lは、他の記録層の短いデータLn_Sに対向する位置に記録されている。例えば、L0層14における長いデータL0_Lは、L1層18における短いデータL1_Sに対向する位置に記録されている。換言すれば、ある記録層におけるデータの記録範囲は、他の記録層におけるデータの記録範囲に、一部重複している。ただし、対向する二つのデータの記録開始位置および記録終了位置は異なっている。例えば、対向するデータL0_SとデータL1_Lの記録開始位置および記録終了位置は互いに異なる。そのため、ある記録層に記録された長いデータLn_Lの端部(境界部分)は他の記録層における未記録範囲に位置し、ある記録層に記録された短いデータLn_Sの端部は他の記録層の記録済範囲内に位置することになる。
以上のような構成とすることで、一つのデータ範囲に、8種類の境界対向部を設けることができる。すなわち、L0層14のデータ記録開始位置に対向する記録済部分である境界対向部A、L0層14のデータ記録終了位置に対向する記録済部分である境界対向部B、L0層14のデータ記録開始位置に対向する未記録部分である境界対向部D、L0層14のデータ記録終了位置に対向する未記録部分である境界対向部E,L1層18のデータ記録開始位置に対向する未記録部分である境界対向部a、L1層18のデータ記録終了位置に対向する未記録部分である境界対向部b、L1層18のデータ記録開始位置に対向する記録済部分である境界対向部d、L1層18のデータ記録終了位置に対向する記録済部分である境界対向部eの8種類の対向部分が存在する。そして、本実施形態では、一つの検査用光ディスク10に三つのデータ範囲28,30,32を設けているため、一つの検査用光ディスク10には、8種類、24箇所の境界対向部が存在することになる。
この8種類、24箇所の境界対向部のアドレス情報は、光ディスクのリードイン領域に記憶される。また、境界対向部の近傍に位置する境界対向部以外の部分(以下、「非境界対向部」という)、例えば、図5における位置Y,Zや位置y,zなどの非境界対向部のアドレス情報もリードイン領域に記憶される。
光ディスクドライブまたは光ピックアップの評価、調整の際、特に、層間クロストークがトラッキングオフセットに与える影響を評価する場合には、この8種類、24箇所の境界対向部、および、非境界対向部にレーザ光を合焦させて照射し、その際の戻り光に基づいてトラッキングオフセット量を検出する。そして、境界対向部におけるトラッキングオフセット量と非境界対向部におけるトラッキングオフセット量とを比較し、層間クロストークがトラッキングオフセットに与える影響を評価する。
次に、この検査用光ディスクを用いての光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法について簡単に説明する。図6は、検査対象である光ディスクドライブ60の概略構成を示すブロック図である。ただし、ここで例示する光ディスクドライブ60の構成は、あくまで、一例であり、検査対象の光ディスクドライブや光ピックアップに応じて、適宜、変更される。
スピンドルモータ68は、光ディスクドライブに装填された光ディスクを回転駆動する。光ピックアップ62は、この回転駆動される光ディスクの記録層にレーザ光を照射する。送り機構72は、光ピックアップ62を光ディスクの径方向に移動制御する。より具体的には、データの記録再生時に、対象となるトラックの対応する位置に光ピックアップ62を移動させるように送りモータを駆動制御する。サーボ回路70は、光ピックアップ62のアクチュエータを制御し、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行う。ここで、トラッキングサーボは、後述するトラッキングエラーが最小になるべく行われる。信号処理部64は、光ピックアップ62での検出出力に基づいてRF再生信号や、トラッキングエラー値など各種の信号、値を生成する。生成されたRF再生信号は、上位装置に出力される。トラッキングエラー値等はサーボ回路70に出力される。サーボ回路70は、これらの値に基づいて、トラッキングサーボ、フォーカスサーボを制御する。
この光ディスクドライブ60を検査する場合には、既述の検査用光ディスク10を当該光ディスクドライブ60に装填する。光ディスクドライブ60は、検査用光ディスク10の装填を検知すれば、当該ディスクのリードイン領域に記録されている各種情報を読み込む。このとき、既述の8種類、24箇所の境界対向部、および、この境界対向部に近接する非境界対向部のアドレス情報も読み込まれる。
続いて、非境界対向部におけるトラッキングオフセット値を検出する。具体的には、ディスクにフォーカスさせ、その際のトラッキングエラー値を検出する。トラッキングエラーは、ディスクの偏心により、トラックを横断することで正弦波状のエラー波形が得られる。すなわち、トラックの偏心の影響で、径方向に走査された場合、トラッキングエラー値は、正弦波状に変化する。この正弦波の中心に相当する値が、非境界対向部におけるトラッキングオフセット値となる。制御部74は、このトラッキングオフセット値を基準トラッキングオフセット値として図示しないメモリに記憶しておく。
続いて、境界対向部におけるトラッキングオフセット値を検出する。この場合の検出も、非境界対向部におけるそれと同様に、境界対向部を中心としてレーザ光をディスクにフォーカスさせ、その際に得られるトラッキングエラー値を検出することでトラッキングオフセット値を取得する。すなわち、境界対向部A、B,D,Eにおいては、L1層18にレーザ光を合焦させながら、径方向に走査する。そして、その際、得られる正弦波状に変動するトラッキングエラー値の中心の値をトラッキングオフセット値として検出する。また、境界対向部a,b,d,eにおいては、L0層14にレーザ光を合焦させながら、トラッキングオフセット値を検出する。制御部74は、得られた各境界対向部におけるトラッキングオフセット値をメモリに記憶する。
非境界対向部、境界対向部それぞれにおいて、トラッキングオフセット値が得られれば、検査者は、そのトラッキングオフセット値を比較し、層間クロストークがトラッキングオフセットに与える影響を判断する。具体的には、非境界対向部におけるトラッキングオフセット値と、境界対向部におけるトラッキングオフセット値との差異を算出する。そして、その差異値が所定の基準値以上である場合には、境界対向部における層間クロストークの影響が過大であり、光ディスク装置の適正な駆動を妨げる恐れがあると判断できる。その場合、光ディスクドライブの各種制御パラメータを調整したり、光ピックアップの対物レンズ等の位置等を改めて調整したりする。一方、その差異値が所定の基準値未満である場合には、境界対向部における層間クロストークの影響は比較的小さく、光ディスク装置の適正な駆動を妨げないと判断できる。
8種類、24箇所の境界対向部分、全てについて、トラッキングオフセット値の比較ができれば、検査は終了となる。ここで、境界対向部は、二層光ディスクにおいて、層間クロストークの影響を最も強く受ける部分である。かかる境界対向部において層間クロストークの影響が許容範囲内と判断できれば、当然、他の部分における層間クロストークの影響は許容範囲内であると判断できる。したがって、本実施形態の検査用光ディスクを用いれば、途中で光ディスクの交換等の手間を生じることなく、光ディスク装置の層間クロストークに対するロバスト性を検査することができるのである。
なお、ここでは、層間クロストークがトラッキングオフセットに与える影響を検査する場合のみを説明している。しかし、目的に応じて、適宜、検査方法を変えてもよい。例えば、記録再生対象の記録層以外の記録層のデータ記録状況が再生品質に与える影響について検査する場合には、未記録部分に対向する部分、記録済部分に対向する部分、それぞれにレーザ光を照射し、その際得られる戻り光の強度や強度分布等を比較すればよい。例えば、図5における位置Y、位置Zにレーザ光を合焦照射した際に得られる戻り光の強度や強度分布を比較すれば、L1層18のデータ再生時に、L0層14のデータの記録状況が、どのように影響しているかが検査できる。また、同様に、図5における位置y、位置zにレーザ光を合焦照射した際に得られる戻り光の強度や強度分布を比較すれば、L0層14のデータ再生時に、L1層18のデータの記録状況が、どのように影響しているかが検査できる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の検査用光ディスク10は、予め規定されたパターンで検査用データが間欠的に記録されている。そのため、層間クロストーク成分の影響、特に、境界対向部における層間クロストークの影響を簡易に検査することができる。
なお、本実施形態で説明した検査用データの記録パターンは一例であり、当然、他の記録パターンであってもよい。例えば、図7に図示するように、ほぼ同じ長さの検査用データを対向させるとともに、当該対向するデータの開始位置を互いにずらしてもよい。この場合であっても、8種類の境界対向部が存在することになる。その結果、様々な状況での、層間クロストークの影響を確認することができる。
また、本実施形態では、二層光ディスクの検査用光ディスクを例示したが、当然、より多層の光ディスクに応用してもよい。例えば、図8は、三層の記録層が積層された検査用光ディスク80の一例である。三層の場合も、各記録層に間欠的にデータを記録する。また、三つの記録層におけるデータが、互いに、一部重複するようなデータ記録パターンとするのが望ましい。
本発明の実施形態である検査用光ディスクの概略断面図である。 二層光ディスクでの戻り光の状態を示す図である。 検査用光ディスクの概略上面図である。 検査用光ディスクのデータ領域をトラックに沿って引き延ばしたイメージ図である。 一つのデータ範囲におけるデータ記録パターンを示す図である。 光ディスクドライブの検査の様子を示す図である。 検査用光ディスクのデータ記録パターンの他の例を示す図である。 検査用光ディスクのデータ記録パターンの他の例を示す図である。
符号の説明
10,80 検査用光ディスク、12 保護層、14 L0層、16 中間層、18 L1層、20 ディスク基板、26 データ領域、28 内周データ範囲、30 中周データ範囲、32 外周データ範囲、34 検査用データ、50 レーザ光、60 光ディスクドライブ、62 光ピックアップ、64 信号処理部、70 サーボ回路。

Claims (6)

  1. 複数の記録層が積層形成された検査用光ディスクであって、
    前記複数の記録層それぞれに、複数の検査用データが間欠的に記録されており、
    各記録層には、他の記録層に記録されたデータの記録範囲開始端部に対向するデータ未記録部分と、他の記録層に記録されたデータの記録範囲終了端部に対向するデータ未記録部分と、他の記録層に記録されたデータの記録範囲開始端部に対向するデータ記録済部分と、他の記録層に記録されたデータの記録範囲終了端部に対向するデータ記録済部分と、が設けられていることを特徴とする検査用光ディスク。
  2. 請求項1記載の検査用光ディスクであって、
    各記録層に記録された検査用データの記録範囲と、他の記録層に記録された検査用データの記録範囲とは、一部重複していることを特徴とする検査用光ディスク。
  3. 請求項1または2に記載の検査用光ディスクであって、
    検査用光ディスクが、二層の記録層が積層形成された二層光ディスクである場合に、
    前記二層の記録層それぞれに、他の記録層に記録されたデータの記録範囲に含まれる記録範囲の検査用データと、他の記録層に記録されたデータの記録範囲を完全に含む記録範囲の検査用データと、が記録されていることを特徴とする検査用光ディスク。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の検査用光ディスクであって、
    各記録層のデータ領域は、周方向に複数のデータ範囲に分割されており、
    前記複数のデータ範囲のそれぞれには、同じパターンで検査用データが記録されていることを特徴とする検査用光ディスク。
  5. 請求項に記載の検査用光ディスクであって、
    各記録層のデータ領域は、周方向に三つのデータ範囲に分割されていることを特徴とする検査用光ディスク。
  6. 複数の記録層が積層形成された多層光ディスクを取り扱う光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法であって、
    前記複数の記録層それぞれに複数の検査用データが間欠的に記録されている検査用光ディスクを、検査対象である光ディスクドライブに装填するステップと、
    他の記録層に記録されたデータの記録範囲端部に対向しない部分におけるトラッキングオフセット量を検出するステップと、
    他の記録層に記録されたデータの記録範囲端部に対向する部分におけるトラッキングオフセット量を検出するステップと、
    検出された二つのトラッキングオフセット量の比較に基づき、層間クロストークの影響を判断するステップと、
    を備えることを特徴とする光ディスクドライブまたは光ピックアップの検査方法。
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JP2002237050A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Pioneer Electronic Corp 情報記録装置
JP2003203394A (ja) * 2002-01-07 2003-07-18 Ricoh Co Ltd 検査用光情報記録媒体
JP2004519810A (ja) * 2001-03-19 2004-07-02 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 記録のためのシフトされた記録開始及び停止位置を備える多層記録担体

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