JPWO2008018137A1 - 光デバイス、および光デバイスの製造方法 - Google Patents

光デバイス、および光デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

一対の電極間に発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を有する光デバイスにおいて、上部電極と有機発光機能層の重なる領域に、劣化因子の侵入に起因する発光不良を低減すること等。光デバイス1は、下部電極3及び上部電極6間に発光層52を含む有機発光機能層5が挟持された自発光素子(有機EL素子)100を一つの画素11として、画素11が一つ又は複数個、基板2上に直接又は他の層を介して形成されており、上部電極6上に形成された有機材料層7と、下部電極3及び上部電極6との絶縁が確保された状態で有機材料層7上に形成された無機層8と、基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止部9とを有し、有機材料層7と無機層8が重なる領域(界面78)の端部が、有機発光機能層5と上部電極6が重なる領域(界面56)の端部より封止部9の外端部側に、有機材料層7を介して離間して形成されている。

Description

本発明は、光デバイス、および光デバイスの製造方法に関するものである。
光デバイスは、例えば携帯電話、車載用モニタ、家庭用電化製品のモニタ、パーソナルコンピュータの表示装置やテレビジョン受像装置等のドットマトリックス表示を行う情報表示装置や、時計や宣伝用パネル等の固定表示装置、スキャナやプリンタの光源、照明、液晶のバックライト等の照明装置、光電変換機能を利用した光通信装置等の各種デバイスに採用されている。この光デバイスは、一般的に複数の画素により形成されており、各画素に対して表示駆動や非表示駆動を行うことにより所望の情報を表示する。この光デバイスを形成する画素に、自発光素子を採用したものが知られている。自発光素子は、低電力且つバックライトが不要であるという利点を有し、この自発光素子を複数個ドットマトリックス状に配置した光パネルや、アイコン部(固定表示部)を形成した表示部、平面状や球面状等の照明器具などの光デバイスにも採用されており、その光デバイスの大きさも小型用から大型スクリーンなど様々なものが知られている。
自発光素子の代表的なものとしては、無機EL素子、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子、FED(Field Emission Display)素子、発光ダイオード、等が知られている。有機EL素子は、例えば有機EL(OEL:Organic electroluminescence)デバイス、有機発光ダイオード(OLED:Organic light emitting diode)デバイス、自発光素子、電場発光光源とも呼ばれている。一般的に有機EL素子は、アノード(陽極、正孔注入電極に相当する)と、カソード(陰極、電子注入層に相当する)との間に有機層(発光層)を挟み込んだ構造を有する(例えば、特許文献1参照)。一般的に有機層は、複数の機能層が積層した構造を有し、例えば正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、および電子注入層等が順に積層された構造を有する。この各層は、単一の有機材料からなる単層、複数の材料を混ぜ合わせた混合層、高分子バインダの中に有機材料や無機材料の機能材料(電荷輸送機能、発光機能、電荷ブロッキング機能、光学機能等)を分散させた層、等を採用することができる。また各層に、上部電極をスパッタ法により形成する際に有機層がダメージを受けないようにバッファ機能を設けたものや、成膜プロセスによる凹凸を防ぐために平坦化機能を設けた有機EL素子も知られている。
上記構成の有機EL素子では、両電極に電圧を印加することにより、アノードから有機層内に注入および輸送された正孔と、カソードから有機層内に注入および輸送された電子とが有機層内で再結合し、この再結合により有機層内の有機分子の電子状態が基底状態から励起状態に遷移し、励起状態から基底状態に遷移する際に発光する。
図1は、一般的な有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備える光デバイスを示す断面図である。図2は、光デバイスの有機EL素子の劣化を説明するための正面図である。
図1に示すように、一般的な光デバイス1Jは、有機EL素子を一つの画素11として利用している。図1に示した光デバイス1Jは、ボトムエミッション型であり、ガラス製の基板2Jの上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料からなる第1電極(下部電極とも呼ぶ)3Jが成膜・パターニングされ、その上部に発光層を含む有機発光機能層(複数でも単数でも良い)5Jが成膜・パターニングされ、その上部にAl等の第2電極(上部電極とも呼ぶ)6Jが成膜・パターニングされている。第1電極3Jの端部には引出配線3aが形成されている。上記製造工程により基板2J上に有機EL素子100が作製される。上記基板2Jとしては、例えばTFT(Thin Film Transistor)等を用いたアクティブ駆動用基板や、ストライプ状の電極を形成したパッシブ駆動用基板を採用することができる。
また、図1に示した光デバイス1Jでは、有機EL素子100がガラス等の封止基板91Jにより封止接合されている。光デバイス1Jの封止接合方法としては、気密封止、膜封止、固体封止などの各種方法が知られている。例えば固体封止の場合、図1に示すように、素子側の基板2Jと封止基板91との間をエポキシ樹脂等の接着剤92Jを介して封止を行う。この際、接着剤92Jを、有機EL素子が形成された面側の全面に塗布して封止する。
特開2005−63928号公報
しかし、上記封止時に、例えば熱硬化性樹脂やUV(Ultraviolet)硬化樹脂等の接着剤92Jを用いて封止する場合、硬化中又は硬化後の樹脂に内在する未硬化成分、溶剤、添加剤、あるいは外部雰囲気からの水分、酸素等のガス等の劣化因子(h1)が有機EL素子100に侵入する虞がある。この劣化因子(h1)は、例えば図1,図2に示すように、有機発光機能層5Jと上部電極6J間の界面56Jの端部(56Ja)から、その界面56J内に侵入すると考えられる。このような劣化因子(h1)の侵入現象は、有機EL素子100を一つの画素として利用する光デバイス1Jの製造プロセス段階で有機EL素子を100を劣化させる。また、光デバイス1Jがユーザ(市場等)に渡って駆動する場合など所定時間経過すると、上記層間の界面56Jへの劣化因子(h1)の侵入が進行して、例えば図1,2に示すように画素11の周辺部に非発光部分が生じて、徐々に非発光部分の幅(w)が大きくなり、光デバイス1Jの発光不良部分が拡大するという問題点がある。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、下部電極及び上部電極間に発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を有する光デバイスにおいて、上部電極と有機発光機能層との界面に、水、酸素、有機ガス等の劣化因子が侵入することに起因する発光不良を低減すること、有機EL素子等の自発光素子の発光不良による光デバイスの表示不良を低減すること、等が本発明の目的である。
本発明では、上述した課題を解決することを目的の一つとしている。
請求項1に記載の発明は、下部電極及び上部電極間に発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個、基板上に直接又は他の層を介して形成された光デバイスであって、前記自発光素子の前記上部電極上に形成された有機材料層と、前記下部電極及び前記上部電極との絶縁が確保された状態で、前記有機材料層上に形成された無機層と、基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止部とを有し、前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部が、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側に、前記有機材料層を介して離間して形成されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、一対の電極間に少なくとも発光層を挟持した有機EL素子を一つの画素として利用した光デバイスであって、基板と、前記基板上に直接又は間接的に形成された下部電極と、前記基板および/または前記下部電極上にパターニングされて画素領域を形成する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜による画素領域内に形成された、発光層を含む有機発光機能層と、前記有機発光機能層上に形成された上部電極と、前記上部電極の成膜領域よりも広い範囲に有機発光機能層を構成する少なくとも一つの材料で形成した有機材料層と、前記有機材料層上に、該有機材料層の成膜領域よりも狭い範囲に上部電極と同じ材料で形成された無機層と、少なくとも前記無機層上全面を覆う前記有機EL素子の封止膜とを有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個形成された光デバイスの製造方法であって、基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、前記下部電極上に前記発光層を含む前記有機発光機能層を形成する有機発光機能層形成工程と、前記有機発光機能層上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、前記上部電極上に有機材料層を形成する有機材料層形成工程と、前記有機材料層上に、前記下部電極及び前記上部電極との絶縁が確保された状態で無機層を形成する無機層形成工程と、前記基板上に形成された前記自発光素子を封止材料により封止して封止部を形成する封止工程とを有し、前記有機材料層形成工程および前記無機層形成工程時に、前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部を、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側に、前記有機材料層を介して離間して形成することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個形成された光デバイスの製造方法であって、基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、前記基板および/または前記下部電極上に第1絶縁膜のパターニングにより画素領域を形成する画素領域形成工程と、前記下部電極上に発光および/または非発光により画素として機能する有機発光機能層を真空蒸着により形成する有機発光機能層形成工程と、前記有機発光機能層上に、該有機発光機能層の形成された領域の一部が露出するように上部電極を真空蒸着により形成する上部電極形成工程と、前記有機発光機能層が露出した領域に前記有機発光機能層を構成する少なくとも一つの材料を含む有機材料層を真空蒸着により形成する有機材料層形成工程と、前記有機材料層の上面と前記露出領域上の範囲に無機層を真空蒸着により形成する無機層形成工程と、前記基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止工程とを有することを特徴とする。
一般的な有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備える光デバイスを示す断面図である。 光デバイスの有機EL素子の劣化を説明するための正面図である。 本発明の第1実施形態に係る光デバイス1を説明するための断面図である。 本発明に係る光デバイスの効果を説明するための、画素の端部に生じる非発光部分の幅の時間変化の一具体例を示す図である。 本発明の第1実施例に係る光デバイスの効果を説明するための図である。 本発明の第2実施例に係る光デバイスの効果を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る光デバイスを説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイス1を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の下部電極形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイス1の製造方法の画素領域形成工程(第1絶縁膜形成工程)を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の第1電荷輸送層形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の発光層形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の第2電荷輸送層形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の上部電極形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の有機材料層形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の無機層形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る光デバイス1Bを説明するための断面図である。 本発明の第5実施形態に係る光デバイス1Cを説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。
本発明の一実施形態に係る光デバイスは、下部電極及び上部電極間に発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、画素が一つ又は複数個、基板上に直接又は他の層を介して形成された光デバイスであって、自発光素子の上部電極上に形成された有機材料層と、下部電極及び上部電極との絶縁が確保された状態で、有機材料層上に形成された無機層と、基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止部とを有し、有機材料層と無機層が重なる領域の端部が、有機発光機能層と上部電極が重なる領域の端部よりも画素より外側に、詳細には、封止部の外端部側に、有機材料層を介して離間して形成されていることを特徴とする。
好適には、有機材料層と無機層との界面領域(重なる領域)に、劣化因子を捕捉して該劣化因子による有機発光機能層の劣化を低減させる捕捉部が形成されていることを特徴とする。また、好適には、有機材料層は、有機発光機能層を構成する少なくとも一つの有機材料を含むことを特徴とする。また、好適には、無機層は上部電極と同一材料であることを特徴とする。
上記構成の光デバイスでは、下部電極及び上部電極間に有機発光機能層が挟持された自発光素子上に、有機材料層が形成され、その有機材料層上に無機層が形成されているので、例えば接着剤の未硬化成分、溶剤、外部雰囲気からの水や酸素などの劣化因子が、上部電極と有機発光機能層間の界面へ侵入することを低減することができる。
また、上記構成の光デバイスでは、劣化因子を、有機材料層と無機層の界面の端部から界面に優先的に捕捉することで、劣化因子が上部電極と有機発光機能層間の界面へ侵入する量を低減することができる。
また、上記光デバイスでは、有機発光機能層と上部電極との界面の端部を、例えば有機材料層に接する構造を有するので、有機発光機能層と上部電極との界面への劣化因子の侵入を低減することができる。また上記光デバイスでは、有機発光機能層と上部電極との界面の端部を、例えば第1絶縁膜に接する構造を有するので、有機発光機能層と上部電極との界面への劣化因子の侵入を低減することができる。
また、有機材料層は、有機発光機能層を構成する少なくとも一つの有機材料を含むので、例えば有機材料層形成時に新たな有機材料を準備することなく、有機発光層形成時に準備した有機材料を用いて容易に有機材料層を形成することができる。また、光デバイスが、有機発光機能層と上部電極との界面の端部を有機材料層により覆う構造を有する場合には、上記構成の有機材料層を用いることにより、有機材料層と有機発光機能層の間の結合力が比較的大きいので、劣化因子の侵入をさらに低減することができる。
また、上記構成の光デバイスでは、自発光素子上に、比較的高い熱伝導度の無機層を設けたので、光デバイスが表示駆動する際に発生する熱を放熱する効果がある。
また、例えば上部電極にピンホール等の欠陥がある場合であっても、その上部電極上に有機材料層、および無機層が順に形成されているので、その欠陥を要因とするダークスポットの拡大を防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法は、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、画素が一つ又は複数個形成された光デバイスの製造方法であって、基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に発光層を含む有機発光機能層を形成する有機発光機能層形成工程と、有機発光機能層上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、上部電極上に有機材料層を形成する有機材料層形成工程と、有機材料層上に、下部電極及び上部電極との絶縁が確保された状態で無機層を形成する無機層形成工程と、基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止して封止部を形成する封止工程とを有し、有機材料層形成工程および無機層形成工程時に、有機材料層と無機層が重なる領域の端部を、有機発光機能層と上部電極が重なる領域の端部より封止部の外端部側に、有機材料層を介して離間して形成することを特徴とする。
上記光デバイスの製造方法により、上記構成の光デバイスを簡単に作製することができる。
また、好適には、本発明に係る光デバイスの製造方法では、有機発光機能層、上部電極、有機材料層、および無機層を真空蒸着法により形成することで、例えばスパッタ法により上部電極上に無機層を形成する従来の製造方法と比べて、製造プロセスの簡略化、およびスパッタ法による膜応力による歪発生の防止等の効果がある。
また、本発明の他の実施形態に係る光デバイスの製造方法では、基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に発光および/または非発光により画素として機能する有機発光機能層を真空蒸着により形成する有機発光機能層形成工程と、有機発光機能層上に、該有機発光機能層の形成された領域の一部が露出するように上部電極を真空蒸着により形成する上部電極形成工程と、有機発光機能層が露出した領域に有機発光機能層を構成する少なくとも一つの材料を含む有機材料層を真空蒸着により形成する有機材料層形成工程と、有機材料層の上面と露出領域上の範囲に無機層を真空蒸着により形成する無機層形成工程と、基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止工程とを有する。
上記光デバイスの製造方法では、有機発光機能層上に、該有機発光機能層の形成された領域の一部が露出するように上部電極を真空蒸着により形成する上部電極形成工程と、有機発光機能層が露出した領域に有機発光機能層を構成する少なくとも一つの材料を含む有機材料層を真空蒸着により形成する有機材料層形成工程と、有機材料層の上面と露出領域上の範囲に無機層を真空蒸着により形成する無機層形成工程とを有するので、簡単に本発明に係る上記構成の光デバイスを作製することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る光デバイス、および光デバイスの製造方法を説明する。
[第1実施形態]
図3は、本発明の第1実施形態に係る光デバイス1を説明するための断面図である。図1に示した従来の光デバイスと同じ構成や動作については説明を省略する。
図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る光デバイス1は、一つの画素11又は複数の画素11を有している。本実施形態では、複数の画素11が基板2上に格子状に形成されている。画素11の形成領域は本発明に係る画素領域の一実施形態に相当する。また、光デバイス1では、一画素に対応する自発光素子100が、電極間に形成された発光層の発光/非発光により、各種情報表示を行う。自発光素子100としては、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を採用することができる。光デバイス1としては、例えばアクティブマトリクス駆動型又はパッシブマトリクス駆動型を採用することができる。以下、本発明の一実施形態に係る光デバイスを採用したボトムエミッションタイプのパッシブマトリクス駆動型有機ELパネルの一例を詳細に説明する。
本実施形態に係る光デバイス1は、図3に示すように、基板2、下部電極(第1電極)3、発光層を備える有機発光機能層5、上部電極(第2電極)6、有機材料層7、無機層8、および封止部材9を有する。
基板2は、本発明に係る基板の一実施形態に相当し、下部電極3は本発明に係る下部電極の一実施形態に相当し、有機発光機能層5は本発明に係る有機発光機能層の一実施形態に相当する。上部電極6は本発明に係る上部電極の一実施形態に相当し、有機材料層7は本発明に係る有機材料層の一実施形態に相当する。無機層8は本発明に係る無機層の一実施形態に相当し、封止部材9は本発明に係る封止部の一実施形態に相当する。
基板2は、例えば平板状、フィルム状のものが好ましく、材質としてはガラス又はプラスチックを用いることができる。例えばボトムエミッション型の光デバイス1では、透明性を有する材料により基板2を形成する。
下部電極(第1電極)3は、導電材料からなり、基板2上に直接又は他の層(例えば非透湿性層等)を介して形成されている。下部電極3の形成材料としては、例えばITOなどの透明導電材料を採用する。
発光層を備える有機発光機能層5は、下部電極3上に直接又は他の層(例えば電荷輸送層等)介して形成される。有機発光機能層5は、例えば電荷輸送層、発光層(発光層ともいう)等の積層構造を有する。この有機発光機能層5は、例えば真空蒸着法により形成される。他にも塗布、印刷法やレーザ転写法により形成されてもよい。
上部電極(第2電極)6は、導電性材料からなり、有機発光機能層5上に形成されている。詳細には、上部電極6は、図3に示すように、有機発光機能層5の端部5より内側に端部6aが位置するように、有機発光機能層5上に狭い範囲に形成されている。具体的には、上部電極6は、図3に示すように、有機発光機能層5の形成された領域の一部が露出するように、第2電極を真空蒸着により形成される。
自発光素子100は、下部電極3、有機発光機能層5、上部電極6により形成されている。自発光素子100は、湿気等の劣化因子により著しく劣化するので、封止部材9により自発光素子100を封止して、素子の劣化を防止する。また、本実施形態に係る光デバイス1では、上部電極6上に有機材料層7、無機層8を形成し、その上に、接着剤などの封止材料92を塗布して封止基板91により、自発光素子100を封止している。
一つの画素11は、例えば図3に示すように、有機発光機能層5が下部電極3、上部電極6間に挟持された領域のうち、有機発光機能層5の発光層が実質的に有効に発光する領域に相当する。
有機材料層7は、図3に示すように、有機EL素子100上の上部電極6上に形成されている。詳細には有機材料層7は、上部電極6上に、上部電極6の成膜領域より広い範囲に形成され、有機発光機能層5と界面57が形成されている。
この有機材料層7は、例えば有機発光機能層5を構成する少なくとも一つの材料を含むことが好ましい。有機材料層7の材料としては、光デバイス1の外的環境、駆動条件などにより、各種有機材料を採用することができる。具体的には有機材料層7としては、アルミ錯体Alq3 や銅フタロシアニン(CuPc)を採用することができる。
無機層8は、下部電極及び上部電極との絶縁が確保された状態で、有機材料層上に形成されている。また、無機層8は、有機材料層7の上面と、露出領域上の範囲に例えば、導電材料を含む、導電層を真空蒸着により形成されている。
この無機層8は、導電材料を真空蒸着により成膜した場合、例えば有機EL素子を駆動制御する外部回路とは電気的に絶縁されている。また、無機層8の形成材料は、光デバイス1の外的条件、駆動条件などにより各種材料を採用することができる。具体的には、無機層8は、アルミニウムなどの各種金属、金属酸化物等の導電材料を採用することができる。また、無機層8は、上部電極6と同一材料により形成されていることが好ましい。
無機層8は、例えば図3に示すように、有機材料層7の形成領域より狭い範囲に形成するとともに、上部電極6の形成領域より広い範囲に形成する。また、無機層8は真空蒸着により形成される。上述したように本実施形態では有機発光機能層5、上部電極6、有機材料層7、無機層8を真空蒸着法により形成することで、製造プロセスの簡略化を実現することができる。
封止部材9は、基板2上に形成された有機EL素子100を封止材料により封止する。光デバイス1Jの封止接合方法としては、気密封止、膜封止、固体封止などの各種方法を採用することができる。本実施形態では図3に示すように、素子側の基板2と、例えばガラスや金属材料等の各種材料からなる封止基板91との間をエポキシ樹脂等の接着剤などの封止材料92を介して封止を行う。この際、接着剤を、有機EL素子が形成された面側の全面に塗布して封止する。また、有機EL素子に対応する位置に凹部とする封止基板91を接着剤を介して基板2と貼合封止する。この際、凹部に乾燥部材を形成しても良く、封止材料92を封止膜として用いた膜封止を行っても構わない。つまり、封止材料92は本発明に係る封止部の一実施形態に相当する。
また、光デバイス1は、有機材料層7と無機層8が重なる領域(有機材料層7と無機層8の界面)78の端部8aが、有機発光機能層5と上部電極6とが重なる領域(有機発光機能層5と上部電極6との界面)56の端部6aより封止部9の外端部901a側に、有機材料層7を介して離間して形成されている。
また、有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部6aが、有機材料層7により覆われた構造を有する。
また、有機材料層7と無機層8との界面78の端部近傍領域に、劣化因子を捕捉して該劣化因子による有機発光機能層5の劣化を低減させる捕捉部が形成されている。詳細には、この捕捉部は、劣化因子が例えば有機材料層7と無機層8の界面に侵入しやすいという特性を利用している。
上記構成の光デバイス1の自発光素子100は、下部電極3,上部電極6間に電圧を印加することによって、下部電極3及び上部電極6の一方に形成される陰極側から電子が注入され、下部電極3及び上部電極6の他方に形成される陽極側から正孔が注入されて、それらが発光層52で再結合し、この再結合により発光層52内の有機分子の電子状態が基底状態から、励起状態に遷移し、励起状態から基底状態に遷移する際に発光する。
また、上記構成の光デバイス1では、下部電極3及び上部電極6間に有機発光機能層5が挟持された自発光素子100上に、有機材料層7が形成され、その有機材料層7上に無機層8が形成されているので、例えば封止部材92の未硬化成分、溶剤、外部雰囲気からの水や酸素などの劣化因子が、上部電極6と有機発光機能層5間の界面56へ侵入することを低減することができる。
また、上記構成の光デバイス1では、有機材料層7と無機層8の界面78に、劣化因子を捕捉して、その劣化因子による有機発光機能層5の劣化を低減することができる。また劣化因子が上部電極6と有機発光機能層5間の界面56へ侵入する量を低減することができる。つまり光デバイス1の発光不良を低減することができる。
また、上記光デバイス1では、有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部6aを、例えば規定の厚みの有機材料層7により覆われた構造に形成されているので、有機発光機能層5と上部電極6との界面56への劣化因子の侵入を低減することができる。
また、上記構成の光デバイス1では、自発光素子100上に有機材料層7を介して比較的高い熱伝導度の無機層8を備えるので、光デバイス1が発光駆動する際に発生する熱を放熱する効果がある。
また、例えば上部電極6にピンホール等の欠陥がある場合であっても、その上部電極6上に有機材料層7、および無機層8が順に形成されているので、その欠陥を要因とするダークスポットの拡大を防止することができる。
図4は、本発明に係る光デバイスの効果を説明するための、画素の端部に生じる非発光部分の幅の時間変化の一具体例を示す図である。縦軸は例えば図2に示すように、画素11の端部に生じる非発光部分の幅(w)を示し、横軸は高温高湿環境下での保管時間(t)を示す。
例えば図1に示した一般的な構造の光デバイス1Jでは、図4に示したグラフJ1のように、所定時間(t1)前には、非発光部分の進行が観測されないが、所定時間後(t1)は一定の速度で非発光部分の増加が観測される(非発光部分の幅(w)で評価)。これは、例えば図1に示すように、封止部9の外端部901aから接着剤92J内に侵入した劣化因子が、所定時間(t1)をかけて有機発光機能層5Jと上部電極6Jの界面56Jに到達し、更に侵入したと考えられる。
一方、例えば図3に示した本発明に係る光デバイス1では、図4に示したグラフP1のように、所定時間(t1)前において、非発光部分の進行が観測されず、所定時間(t1)後においても非発光部分の進行が観測されない(観測時間内)。これは、例えば図3に示すように、本発明に係る光デバイス1の有機材料層7と無機層8の界面78に、劣化因子を捕捉することによる効果であると考えられる。
また、図3に示すように、本発明に係る光デバイス1では、有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部6aが、所定の厚みの有機材料層7により覆われ、有機材料層7が有機発光機能層5上に成膜された構造を有するので、有機EL素子100に劣化因子への侵入をさらに低減する効果がある。
[第1実施例]
次に、本発明の第1実施例に係る光デバイスを説明する。
ガラス製の基板2上に、下部電極3としてITOからなる陽極を形成し、その上に正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子注入層からなる有機発光機能層5を形成し、その上に上部電極7としてAlからなる陰極を形成した有機EL素子100とする。
膜厚110nmのITO(インジウム錫酸化物)からなる陽極が形成されたガラス製の基板2上に、真空度5.0×10-4Paの各成膜室内で真空蒸着法によって成膜層を成膜した。この際、先ず、ITO上に正孔注入層としてCuPc(銅フタロシアニン)を25nmの膜厚で成膜し、次いで、正孔注入層上に正孔輸送層として、NPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)―1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)を45nmの膜厚で成膜した。正孔輸送層層上に発光層及び電子輸送層としてAlq3を膜厚60nm成膜した。次いで、発光層上に電子注入層としてLiF(フッ化リチウム)を0.5nmの厚さに成膜した。そして、電子注入層上に上部電極6としてAl(アルミニウム)を100nmの厚さで成膜した。
次いで、上部電極6上に有機材料層7として有機発光機能の一つである電子輸送層と同じ材料のAlq3 を60nm成膜した。有機材料層7は真空蒸着により形成し、有機発光機能層5と上部電極6との界面56を覆うように成膜する。
その後、有機材料層7上に無機層8として上部電極6と同じ材料のAlを100nm成膜した。無機層8は真空蒸着により形成し、有機材料層7と無機層8の界面78の端部8aが有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部6aよりも封止部の外端部901a側に形成するように成膜する。作製した有機EL素子をエポキシ樹脂を封止材料92とし、ガラス製の封止基板91と基板2とを空間を形成しないように封止して第1実施例に係る光デバイスを完成させた。
[第2実施例]
次に、第2実施例に係る光デバイスを作製した。第1実施例に係る光デバイスと同様な構成については説明を省略する。第2実施例では、有機材料層7を有機発光機能の一つである正孔注入層と同じ材料のCuPcを60nm成膜した以外は前述の実施例1で作製した光デバイスと同様に作製した。
[比較例]
次に、本発明に係る光デバイスの効果を確認するために、有機材料層7および無機層8を形成せずに素子を封止して、比較例に係る光デバイスを作製した。その他の構成は、第1実施例及び第2実施例と同様であるので説明を省略する。
図5,図6は、本発明の実施例に係る光デバイスの効果を説明するための図である。詳細には、図5は、本発明の第1実施例に係る光デバイスと、比較例に係る光デバイスとを温度60℃、湿度90%の高温高湿環境下で保存し、図4に示したように経過時間t(横軸単位時間(h))に対する画素11の端部に生じる非発光部分の幅(w)(縦軸単位μm)を示す図である。図6は、本発明の第2実施例に係る光デバイスと、比較例に係る光デバイスとを温度60℃、湿度90%の高温高湿環境下で保存して、同様な実験を行った結果を示す図である。
比較例に係る光デバイスでは、図5,図6のグラフJ2に示すように、約240時間前には、非発光部分の進行が観測されないが、約240時間経過後から一定の速度で非発光部分の増加が観測された(非発光部分の幅(w)で評価)。
一方、第1実施例に係る光デバイスでは、図5のグラフP11に示すように、約240時間前に非発光部分の進行が観測されず、更には約240時間経過後であっても非発光部分の進行が観測されなかった(観測時間内)。
また、第2実施例に係る光デバイスでは、図6のグラフP12に示すように、約240時間前に非発光部分の進行が観測されず、更には約240時間経過後であっても非発光部分の進行が観測されなかった(観測時間内)。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る光デバイスを説明するための断面図である。上記実施形態と同様な構成や機能については説明を省略する。
本実施形態に係る光デバイス1Sでは、図7に示すように、基板2の上部に下部電極3がパターン形成され、その上部にSiO2 、ポリイミド等の第1絶縁膜4により画素(領域)11が形成される。この画素11が一つ又は複数形成され、下部電極3および上部電極6への電圧印加により有機発光機能層5内に電流が流れることにより画素11の表示/非表示が選択される。この画素11の表示/非表示により光デバイスが所望の情報を表示している。
この画素11および第1絶縁膜4の上部に有機発光機能層5および上部電極6が形成される。例えば図2に示すように、外端部901aに最も近い画素11の端部に形成される第1絶縁膜4上に有機発光機能層5および上部電極6の界面56が形成される。
そして、自発光素子を覆うように第2絶縁膜41を形成する。更に界面56を覆うように上部電極6上に第2絶縁膜41を形成する。好ましくは第2絶縁膜41は第1絶縁膜4を形成した領域を全て覆うように成膜する。第2絶縁膜41は、MoO3 (酸化モリブデン)、SnO2 (酸化スズ)等の金属酸化物を真空蒸着により形成する。
次に、この第2絶縁膜41上の界面56を覆う範囲に有機材料層7、その上部に無機層8を成膜する。有機材料層7と無機層8の界面78の端部が第2絶縁膜41下の界面56の端部よりも封止部9の外端部901a側に形成されるように成膜する。
上記構成の光デバイスでは、パターニングされた第1絶縁膜4により画素領域11が形成され、該画素領域11内に自発光素子100が形成され、有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部が、第1絶縁膜4上に形成されるとともに第2絶縁膜41により覆われた構造を有するので、第1実施形態と比べて更に有機発光機能層5と上部電極6の界面56に劣化因子が侵入することを低減することができる。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係る光デバイス1を説明するための図である。図8(A)は上面図であり、図8(B)は図8(A)に示した領域A付近の断面図である。第1実施形態と同じ構成や機能については説明を省略する。本実施形態に係る光デバイス1は、複数の自発光素子(有機EL素子)100が基板2上に略格子状に形成されている。この光デバイス1は、少なくとも一つの画素11、本実施形態ではマトリックス状の複数個の画素11を有しており、この画素を形成する有機EL素子100が下部電極3と上部電極6間に、発光層52を含む有機発光機能層5が挟持されている。本実施形態に係る光デバイス1は、図8(A),8(B)に示すように、例えば電源回路、コントローラIC(Integrated circuit)等の外部回路からの入力信号により、各自発光素子の発光/非発光が制御される。光デバイス1は、この各自発光素子の発光/非発光により各種情報を表示する。以下、光デバイス1として、自発光素子である有機EL素子を利用した有機ELパネルを説明する。
図8(A),8(B)に示すように、光デバイス1は、基板2、下部電極(第1電極)3、第1絶縁膜4、発光機能層5、上部電極(第2電極)6、有機材料層7、無機層8、および封止部材9を有する。有機発光機能層5は、第1電荷輸送層51、発光層52、および第2電荷輸送層53を有する。
詳細には、図8(A),8(B)に示す光デバイス1では、ガラス等の基板2上にITOのような透明電極が下部電極3として形成され、一つの画素11を形成するようにSiO2 やポリイミド等の第1絶縁膜4の開口部が成膜・パターニングされている。開口部内の下部電極3表面上に第1電荷輸送層をNPDのような正孔輸送層で形成する。第1電荷輸送層51は開口部内と開口部を形成する第1絶縁膜4の上部及び最外部に形成した第1絶縁膜4の上部まで成膜する。その第1電荷輸送層51上に発光層52が形成されている。発光層52の発光材料としては光デバイスの設計事項、例えば単色表示やフルカラー表示、ドットマトリックスやアイコン表示、セグメント表示により適宜選択してよい。例えば、DCM1(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4’−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)等のスチリル色素等の赤色を発光する材料やジスチリル誘導体、トリアゾール誘導体等の青色を発光する材料、Ir(イリジウム)錯体を利用したリン光材料等を採用してもよい。発光層52の上部には第2電荷輸送層53が形成されている。第2電荷輸送層53は例えばアルミニウム錯体(Alq3 )等の各種材料により電子輸送層が形成されている。発光層52および第2電荷輸送層53は第1電荷輸送層51と同様に開口部を形成する第1絶縁膜4の上部及び最外部に形成した第1絶縁膜4の上部まで成膜する。
第1電荷輸送層51、発光層52、及び第2電荷輸送層53を備える有機発光機能層5を成膜した上部に、上部電極6が成膜されている。上部電極6の形成材料としては、例えばAl等の各種金属材料を採用することができる。この上部電極6は開口部を形成する第1絶縁膜4の上部及び最外部に形成された第1絶縁膜4の上部まで成膜されているが、図8(B)に示すように、有機発光機能層5の成膜範囲よりも狭い成膜範囲に形成されていることが好ましい。
上部電極6の上部には、上部電極6の成膜範囲よりも広い範囲に有機材料層7が成膜されている。例えば有機材料層7は、有機発光機能層5を構成する有機材料の中で同じ材料のものを選択することが好ましい。詳細には、有機材料層7を形成する際に、例えば第2電荷輸送層53の形成材料であるAlq3 を、アルミニウム(Al)からなる上部電極6の上部に成膜・パターニングする。この際、図8(B)に示すように、有機材料層7の成膜範囲は、上部電極6より広い範囲に成膜する。詳細には、図8(B)に示すように、上部電極6の端部6aより画素の外側に、有機発光機能層5と有機材料層7とが重なりあうように成膜する。本実施形態に係る光デバイス1では、有機発光機能層5と有機材料層7との界面をなくすことにより、有機EL素子100の劣化因子が、有機発光機能層5と上部電極6の界面56の界面に侵入することを低減して、それを要因とする有機EL素子100の発光不良を低減することができる。
また、図8(B)に示すように、有機材料層7の上部に導電材料により無機層8を成膜する。この無機層8は、有機EL素子100の下部電極3、上部電極6と電気的に絶縁状態が確保されており、さらに光デバイス1の有機EL素子100を駆動するための外部回路85(851,852)や第1電極側フレキシブル基板801(80)や第2電極側フレキシブル基板802(80)とも、電気的な絶縁状態が確保されている。つまりこの有機材料層7、無機層8は、有機EL素子100の発光/非発光には関与していない。
また、図8(B)に示すように、無機層8の上部には、封止材料(接着剤)92により封止基板91が接合されている。封止材料92としては、例えば熱硬化樹脂や光硬化樹脂等の有機樹脂を採用することができる。封止基板91は、例えば平板状のガラス材料、金属基板やプラスチック材等からなり、水分をバリアする機能を有するもので形成されることが好ましい。また、図8(A),8(B)には図示していないが、封止基板91と基板2の外周部をシール材等で封止してもよい。
また、図8(B)に示すように、有機材料層7と無機層8が重なる領域(有機材料層7と無機層8の界面)78の端部が、有機発光機能層5と上部電極6が重なる領域(有機発光機能層5と上部電極6の界面)56の端部6aより封止部9の外端部901a側に、有機材料層7を介して離間して形成されている。
光デバイス1の製造方法の一例を説明する。本実施形態に係る光デバイス1の製造方法は、例えば、下部電極形成工程、第1絶縁膜形成工程、有機発光機能層形成工程(第1輸送層形成工程、発光層形成工程、第2輸送層形成工程)、上部電極形成工程、有機材料層形成工程、無機層形成工程、封止工程、及び後処理工程を有する。以下、図8〜図16を参照しながら、本実施形態に係る光デバイス1の製造方法を詳細に説明する。
[下部電極(第1電極)形成工程]
図9は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の下部電極形成工程を説明するための図である。図9(A)は上面図であり、図9(B)は図9(A)に示した領域A付近の断面図である。
先ず、例えばガラス等の基板2上にITO、IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明電極を下部電極(第1電極)3としてスパッタ成膜法等の各種成膜法により、全面に略一定の膜厚に成膜する。本例では、下部電極3を正孔注入電極として説明するが、逆に電子注入電極として形成しても良い。その後、有機EL素子の一部である下部電極3、有機EL素子100の発光/非発光の制御信号を外部回路から入力するための下部電極用引出配線3aと上部電極(第2電極)用引出配線3bをパターニングする。
詳細には、図9(A),9(B)に示すように、下部電極3と下部電極用引出配線3aを形作る複数の下部電極(第1電極)ライン3Aと複数の上部電極用引出配線3bを、フォトリソグラフィ法でストライプ状にパターニングする。このとき、第1電極の表面を平滑にするために、上記基板2上に成膜された導電材料もしくは成膜後にパターニングされた導電材料に対して、研磨やエッチング等の表面処理を施してもよい。また、下部電極用引出配線3aや上部電極用引出配線3bの上部に、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)等の低抵抗金属やその合金を積層してパターニングしてもよい。
[画素領域形成工程(第1絶縁膜形成工程)]
図10は、本発明の一実施形態に係る光デバイス1の製造方法の画素領域形成工程(第1絶縁膜形成工程)を説明するための図である。図10(A)は上面図であり、図10(B)は図10(A)に示した領域A付近の断面図である。
上述したように、一つの有機ELディスプレイが情報表示を行うために、一つの有機EL素子100を一つの画素11として利用している。この複数の画素11を有する有機ELディスプレイを示しており、この画素11の発光領域を第1絶縁膜4の開口部にて形成している。第1絶縁膜4は、例えば有機材料のポリイミド、無機材料の酸化珪素等を基板2の下部電極パターニング側の全面に成膜する。
先ず、例えばポリイミド前駆体、ノボラック樹脂、酸化珪素等の第1絶縁膜用材料を、基板2上の第1電極形成側の全面に、スピンコートやスパッタ法等の製造方法により成膜する。その後、図10(A),10(B)に示すように、その第1絶縁膜を格子状にパターニングする。詳細には、第1絶縁膜4を、ストライプ状に複数並んでパターニングされている下部電極ライン3A間と、その下部電極ライン3Aに対して直交する方向に格子状になるようにフォトリソグラフィーによりパターニングする。パターニング後、必要に応じてキュア工程を実施する。図10(B)には、下部電極3の両端に複数第1絶縁膜4が存在するように示したが、本実施形態に係る第1絶縁膜4は、図10(A)に示すように、1回の成膜で形成された一層の第1絶縁膜4を規定形状にパターニングして作製される。なお、第1絶縁膜4は、絶縁材料の成膜およびパターニングを複数行うことにより作製してもよい。本発明のに係る光デバイス1を形成できればよい。また画素領域形成工程(第1絶縁膜形成工程)において、上部電極6をパターニングするためのオーバーハングを有する隔壁や、塗分け用マスクが有機発光機能層5と接触しないようにするためにマスク支持層を形成してもよい。
[第1輸送層形成工程]
図11は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の第1電荷輸送層形成工程を説明するための図である。図11(A)は上面図であり、図11(B)は図11(A)に示した領域A付近の断面図である。
上記画素領域形成工程後、第1電極や第1絶縁膜4等が形成された基板2に、前処理工程を施す。前処理工程としては、例えば界面活性剤や純水等による洗浄工程や、UV(Ultraviolet)照射/オゾン洗浄やプラズマ洗浄等の各種洗浄工程を採用することができる。
次に、前処理工程後、その基板2を真空度1×10-4Paに設定した成膜室(不図示)内に搬送し、例えば抵抗加熱蒸着法等の各種製造方法により有機材料の成膜を行う。抵抗加熱蒸着法は、成膜室に基板2を設置し、成膜材料を充填した成膜源を加熱することにより、蒸発や昇華する成膜材料を第1絶縁膜4により区画された開口部内に成膜する。本実施形態では真空蒸着法による成膜方法の説明を行うが、その他にも高分子材料を塗布法、印刷法による成膜法、レーザ熱転写法等による成膜方法により成膜層を形成しても良い。
例えば、NPB(N,N-di(naphtalence)-N,N-dipheneyl-benzidene)を第1電荷輸送層51として成膜する。第1電荷輸送層51は、下部電極3から注入される正孔(若しくは電子)を発光層52に輸送する機能を有する。この第1電荷輸送層51は、1層だけ積層したものでも2層以上積層したものであってもよい。また第1電荷輸送層51は、単一の材料による成膜ではなく、複数の材料により一つの層を形成しても良く、電荷輸送能力の高いホスト材料に電荷供与(受容)性の高いゲスト材料をドーピングしてもよい。また、第1電荷輸送層51は、開口部内、開口部を形成する第1絶縁膜4の上部及び最外部に形成した第1絶縁膜4の上部まで成膜する。また第1電荷輸送層51と下部電極3間に銅フタロシアニン(CuPc)等の正孔注入層を形成してもよい。
本実施形態に係る下部電極3は、正孔注入電極に相当するので、有機発光機能層5は正孔輸送層として用いられている一般的な材料を利用することができる。また有機発光機能層5は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明に係る光デバイス1を利用する状況、環境など各種条件に応じて材料、膜厚、成膜方法などを設計してもよい。
[発光層形成工程]
図12は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の発光層形成工程を説明するための図である。図12(A)は上面図であり、図12(B)は図12(A)に示した領域A付近の断面図である。
次に、図12(A),12(B)に示すように、第1電荷輸送層51の上部に発光層52を成膜する。本例では、抵抗加熱蒸着法により、赤(R)、緑(G)、青(B)の発光層を塗分け用マスクを利用してそれぞれの成膜領域に成膜する。赤(R)としてDCM1等のスチリル色素等の赤色を発光する有機材料を用いる。緑(G)としてAlq3 等の緑色を発光する有機材料を用いる。青(B)としてジスチリル誘導体、トリアゾール誘導体等の青色を発光する有機材料を用いる。勿論、他の材料でも、ホスト-ゲスト系の層構成でも良く、発光形態も蛍光発光材料を用いてもりん光発光材料を用いたものであってもよい。発光層52は、開口部内、開口部を形成する第1絶縁膜4の上部及び最外部に形成した第1絶縁膜4の上部まで成膜する。
[第2電荷輸送層形成工程]
図13は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の第2電荷輸送層形成工程を説明するための図である。図13(A)は上面図であり、図13(B)は図13(A)に示した領域A付近の断面図である。
次に、図13(A),(B)に示すように、抵抗加熱蒸着法等の各種成膜方法により、例えばアルミニウム錯体(Alq3 )等の各種材料を第2電荷輸送層53として発光層52上に成膜する。第2電荷輸送層53は、上部電極6から注入される電子を発光層52に輸送する機能を有する。この第2電荷輸送層53は、1層だけ積層したものでも2層以上積層した多層構造を有してもよい。また、第2電荷輸送層53は、単一の材料による成膜ではなく、複数の材料により一つの層を形成しても良く、電荷輸送能力の高いホスト材料に電荷供与(受容)性の高いゲスト材料をドーピングしても形成してもよい。
また、本実施形態に係る上部電極6は、電子注入電極に相当するので、第2電荷輸送層53は電子輸送層として用いられる一般的な材料を利用することができる。なお第2電荷輸送層53は、上記実施形態に限られるものではなく、光デバイス1を利用する状況、環境など各種条件に応じてに材料、膜厚、成膜方法を設計してもよい。また、第2電荷輸送層53は、開口部内、開口部を形成する第1絶縁膜4の上部及び最外部に形成した第1絶縁膜4の上部まで成膜する。
[上部電極(第2電極)形成工程]
図14は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の上部電極形成工程を説明するための図である。図14(A)は上面図であり、図14(B)は図14(A)に示した領域A付近の断面図である。
次に、図14(A),14(B)に示すように、第2電荷輸送層53の上部に上部電極6を形成する。詳細には第2電荷輸送層53の上部に、上部電極(第1電極)ライン3Aと直交する方向に沿って上部電極6の形成材料を成膜およびパターニングして、上部電極6を形成する。図14(A)に示すように、ライン状に形成された上部電極6を上部電極(第2電極)ラインという。
このパターニング方法は、成膜用マスクを利用したパターニング方法でも、上部電極ラインと平行な方向に設けた隔壁によるパターニング方法でもよい。上部電極ラインは、第1絶縁膜4の開口部が形成されている上部電極6と下部電極形成工程中に形成した上部電極用引出配線3bと電気的に接続するように成膜する。上部電極6は、電子注入電極として機能するように正孔注入電極より仕事関数の低い材料を用いる。本実施形態に係る上部電極6は、例えばアルミニウム(Al)やマグネシウム合金(Mg-Ag)を利用するのが好ましい。但し、Alは電子注入能力が低いためにAlと第2電荷輸送層53との間にLiFのような電子注入層を設けることが好ましい。
この上部電極6の成膜範囲は、図14(A),14(B)に示すように、有機発光機能層5の成膜範囲よりも狭い領域に成膜する。このときは蒸着マスクを利用して塗分けを行う。詳細には上部電極6は、図14(A),14(B)に示すように、有機発光機能層5の端部領域501aが露出するように成膜する。
[有機材料層形成工程]
図15は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の有機材料層形成工程を説明するための図である。図15(A)は上面図であり、図15(B)は図15(A)に示した領域A付近の断面図である。
次に、図15(A),(B)に示すように、上部電極6の上部に、上記第1電荷輸送層51、発光層52、第2電荷輸送層53を備える有機発光機能層5のいずれか一つの有機層と同じ材料で、有機材料層7を成膜およびパターニングする。
有機材料層7の成膜は、例えば第2電荷輸送層53から同じ真空蒸着によって行う。有機材料層7は、例えば、図15(A),15(B)に示すように、有機発光機能層5の端部領域501aを覆うように成膜する。この際、有機材料層7と有機発光機能層5の界面57では、層間の親和性が比較的大きいので、実質的に界面がないような状態である。
[無機層形成工程]
図16は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの製造方法の無機層形成工程を説明するための図である。図16(A)は上面図であり、図16(B)は図16(A)に示した領域A付近の断面図である。
次に、有機材料層7の上部に、アルミニウム(Al)等の各種金属材料により無機層を成膜する。この際、図16(A),16(B)に示すように、無機層8を有機材料層7より、面積を狭くして成膜する。無機層8の成膜は、第1電荷輸送層形成工程から同じ真空蒸着によって行う。
また、上記有機材料層形成工程および無機層形成工程時に、図16(A),16(B)に示すように、有機材料層7と無機層8が重なる領域78の端部8aを、有機発光機能層5と上部電極6とが重なる領域56の端部6aより画素の外側に、有機材料層7を介して離間して形成する。
また、上記有機材料層形成工程時には、有機材料層7と無機層8が重なる有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部が、有機材料層7より覆われるように形成する。
[封止工程、後処理工程]
次に、図8(A),8(B)に示すように、無機層8の成膜パターニング終了後に封止部材9を用いた封止工程を行う。本実施形態では封止部材9をガラス等の各種材料からなる封止基板91と、接着剤などの封止材料92により形成されている。詳細には、封止材料を、基板2と封止基板91との封止空間にエポキシ樹脂等を気密に充填して、固化させる。また、凹状加工ガラス、平板ガラス等を封止部材として接着剤を介して貼合せ、形成される空間内にシリコーンオイル等の液体を充填しても、前記空間内に固形の乾燥部材を配設しても良い。また、有機ELディスプレイの薄型化を図るために、封止部材9を窒化シリコンや窒化酸化シリコン、MoO3 (酸化モリブデン)、SnO2 (酸化スズ)等の金属酸化物等の封止膜で形成してもよい。このとき、封止膜は有機材料層と無機層上全面を覆うように形成する。封止膜は真空蒸着で形成してもCVD法や塗布等で形成しても構わない。また、封止膜を利用した膜封止のみで光デバイスを封止してもよく、封止膜を施したものに封止基板と封止材料とで固体封止を施して光デバイスを封止しても、封止基板により気密封止を施して光デバイスを形成してもよい。
上記封止工程後に、上記構成要素が形成された基板2を有機EL素子100と外部回路85(851,852)とを接続するために基板2上に形成してある下部電極用引出配線3aおよび上部電極用引出配線3bの位置にフレキシブル基板80(801,802)などの配線基板を圧着する。本実施形態では、外部回路85と上部電極及び下部電極との接続をフレキシブル基板80により行ったが、駆動回路を基板上に形成するCOG(Chip on glass)、フレキシブル基板80上に駆動回路を形成したFOG(Flip Chip on Glass)等の各種実装技術を採用してもよい。外部回路85と圧着接合終了後に検査工程やエージング工程等を施した後、光デバイス1が完成する。
本実施形態に係る光デバイス1の製造方法では、第1電荷輸送層形成工程、発光層形成工程、第2電荷輸送層形成工程、上部電極形成工程、有機材料層形成工程、無機層形成工程を、真空蒸着法により行うことで、製造プロセスの簡略化を実現することができる。
また、上記構成の光デバイス1では、有機EL素子100の上部に有機材料層7と無機層8が成膜されているので、有機発光機能層5と上部電極6間への劣化因子の侵入による発光不良を低減することができる。
また、本発明に係る光デバイス1は、パッシブマトリクス駆動型であるが、この形態に限られるものではなく、例えば(Thin Film Transistor)を設けたアクティブ駆動型有機ELパネルに、本発明に係る光デバイス1を適用してもよい。
以上説明したように、上記光デバイス1の製造方法により、簡単に上記構成の光デバイス1を作製することができる。
[第4実施形態]
図17は、本発明の第4実施形態に係る光デバイス1Bを説明するための断面図である。上記第1実施形態および第2実施形態と同じ構成、および機能等については説明を省略する。
本実施形態に係る光デバイス1Bでは、図17に示すように、自発光素子100の上部電極6上に形成された有機材料層7と、下部電極3及び上部電極6との絶縁が確保された状態で、有機材料層7上に形成された無機層8とを有する。また、光デバイス1Bでは、図17に示すように、有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部6aが、第1絶縁膜4により覆われた構造を有する。光デバイス1Bでは、基板2および/または下部電極3上に形成された第1絶縁膜4に、上部電極6の端部6a、有機材料層7の端部7a、無機層8の端部8aが接する構造を有する。
また、光デバイス1Bは、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、図17に示すように、有機材料層7と無機層8とが重なる領域(有機材料層7と無機層8の界面))78の端部が、有機発光機能層5と上部電極6とが重なる領域(有機発光機能層5と上部電極6の界面)56の端部より、封止部9の外端部901a側に、有機材料層7を介して離間して形成されている。
また、光デバイス1Bでは、有機材料層7と無機層8との界面78の端部近傍領域に、劣化因子を捕捉して該劣化因子による有機発光機能層の劣化を低減させる捕捉部が形成されている。
上記構成の光デバイス1Bの製造方法は、第1実施形態〜第3実施形態と略同様な点については説明を省略する。本実施形態に係る光デバイス1Bの製造方法では、有機発光機能層5以上の各層の端部が第1絶縁膜4に接するような構造に形成する。
上記構成の光デバイス1Bでは、例えば劣化因子が無機層8と第1絶縁膜4との界面を通って侵入したとしても、有機材料層7と無機層8の界面に形成されている捕捉部に劣化因子が捕捉されるので、有機発光機能層5と上部電極6間に劣化因子が侵入することを更に低減することができる。
[第5実施形態]
図18は、本発明の第5実施形態に係る光デバイス1Cを説明するための図である。図18(A)は上面図であり、図18(B)は図18(A)に示した領域A付近の断面図である。第1〜第4実施形態と同様な構成、および機能については説明を省略する。
本実施形態に係る光デバイス1Cは、アクティブマトリクス駆動型であり、詳細には図18(A),18(B)に示すように、有機EL素子100の駆動を制御するTFTが形成された基板2(TFT基板)上に、有機EL素子100が形成されている。
より詳細には、光デバイス1Cは、図18(A),18(B)に示すように、有機材料層7と無機層8が重なる領域(有機材料層7と無機層8の界面))78の端部が、有機発光機能層5と上部電極6とが重なる領域(有機発光機能層5と上部電極6の界面)56の端部より、封止部9の外端部901a側に、有機材料層7を介して離間して形成されている。また、TFTが下部電極3に電気的に接続されている。このTFTは、図18(B)に示すように、下部電極3に隣接して形成されていてもよいし、基板2上に平坦化層(不図示)を形成しておき、その平坦化層内に形成されていてもよい。
以上説明したように、本発明をアクティブマトリクス駆動型の光デバイス1Cに適用してもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態を組み合わせて実施してもよい。
また、上記有機発光機能層5は、上述した実施形態に限られるものではなく、各種有機材料により形成してもよい。
以上説明したように、本発明に係る光デバイス1は、下部電極3及び上部電極6間に発光層52を含む有機発光機能層5が挟持された自発光素子(有機EL素子)100を一つの画素11として、画素11が一つ又は複数個、基板2上に直接又は他の層を介して形成されており、有機EL素子100の上部電極6上に形成された有機材料層7と、下部電極3及び上部電極6との絶縁が確保された状態で、有機材料層7上に形成された無機層8と、基板上に形成された自発光素子(有機EL素子)100を封止材料92により封止する封止部9とを有し、有機材料層7と無機層8が重なる領域(界面78)の端部が、有機発光機能層5と上部電極6が重なる領域(界面56)の端部より封止部9の外端部(901a)側に、有機材料層7を介して離間して形成されているので、上部電極6と有機発光機能層5間に劣化因子が侵入することを低減することができる。また、その劣化因子の侵入を要因とする発光不良を低減することができる。
また、有機発光機能層5と上部電極6との界面56の端部が、有機材料層7又は第1絶縁膜4により覆われた構造を有するので、上部電極6と有機発光機能層5間に劣化因子が侵入することを低減することができる。
つまり、有機材料層7と無機層8との界面78の端部近傍領域に、劣化因子を捕捉して該劣化因子による有機発光機能層5の劣化を低減させる捕捉部が形成されているので、上部電極6と有機発光機能層5間に劣化因子が侵入することを低減することができる。
また、有機材料層7は、上部電極6上に、その上部電極6の成膜領域より広い範囲に形成され、無機層8は、有機材料層7上に、該有機材料層7の成膜領域より狭い範囲に形成されている。したがって、有機発光機能層5上の一部に有機材料層7が界面57を形成するように成膜される。好ましくは有機材料層7としては、有機発光機能層を構成する少なくとも一つの有機材料を含むので、有機発光機能層5と有機材料層7の間の界面57が、実質的に界面がないような状態に形成することができ、上部電極6と有機発光機能層5間に劣化因子が侵入することを低減することができる。
また、基板2および/または下部電極3上に形成された第1絶縁膜4に、上部電極6の端部、有機材料層7の端部、および無機層8の端部が接する構造を有し、有機材料層7と無機層8とが重なる領域(界面78)の端部が、有機発光機能層5と上部電極6とが重なる領域(界面56)の端部より外側に有機材料層7を介して離間して形成されているので、さらに上部電極6と有機発光機能層5間に劣化因子が侵入することを低減することができる。
また、上記有機発光機能層5、上部電極6、有機材料層7、無機層8を真空蒸着法により形成することで、例えば上部電極6をスパッタ法により形成する場合と比べて、有機発光機能層5に与えるダメージを低減することができ、簡単な製造工程により本発明に係る構成の光デバイスを形成することができる。
【0003】
して封止する。
[0006]
特許文献1:特開2005−63928号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0007]
しかし、上記封止時に、例えば熱硬化性樹脂やUV(Ultraviolet)硬化樹脂等の接着剤92Jを用いて封止する場合、硬化中又は硬化後の樹脂に内在する未硬化成分、溶剤、添加剤、あるいは外部雰囲気からの水分、酸素等のガス等の劣化因子(h1)が有機EL素子100に侵入する虞がある。この劣化因子(h1)は、例えば図1,図2に示すように、有機発光機能層5Jと上部電極6J間の界面56Jの端部(56Ja)から、その界面56J内に侵入すると考えられる。このような劣化因子(h1)の侵入現象は、有機EL素子100を一つの画素として利用する光デバイス1Jの製造プロセス段階で有機EL素子100を劣化させる。また、光デバイス1Jがユーザ(市場等)に渡って駆動する場合など所定時間経過すると、上記層間の界面56Jへの劣化因子(h1)の侵入が進行して、例えば図1,2に示すように画素11の周辺部に非発光部分が生じて、徐々に非発光部分の幅(w)が大きくなり、光デバイス1Jの発光不良部分が拡大するという問題点がある。
[0008]
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、下部電極及び上部電極間に発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を有する光デバイスにおいて、上部電極と有機発光機能層との界面に、水、酸素、有機ガス等の劣化因子が侵入することに起因する発光不良を低減すること、有機EL素子等の自発光素子の発光不良による光デバイスの表示不良を低減すること、等が本発明の目的である。
課題を解決するための手段
[0009]
本発明では、上述した課題を解決することを目的の一つとしている。
請求項1に記載の発明は、一対の電極間に少なくとも発光層を挟持した有機EL素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個形成された光デバイスであって、基板と、前記基板上に直接又は間接的に形成された下部電極と、前記基板および/または前記下部電極上にパターニングされて画素領域を形成する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜による前記画素領域内に形成された、前記発光層を含む有機発光機能層と、前記有機発光機能層上に形成された上部電極と、前記上部電極上に形成された第2絶縁膜と、前記上部電極の成膜領域よりも広い範囲に形成した有機材料層と、前記有機材
【0004】
料層上に形成された無機層と、少なくとも前記基板上に形成された前記有機EL素子を封止材料により封止する封止部と、を有し、前記有機発光機能層と前記上部電極との重なる領域の端部が、前記第1絶縁膜上に形成されるとともに前記第2絶縁膜により覆われ、前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部が、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側の前記第1の絶縁膜の上層に形成されていることを特徴とする。
[0010]
[0011]
【0005】
[0012]
請求項4に記載の発明は、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機発光機能層が挟持された有機EL素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個形成された光デバイスの製造方法であって、基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、前記基板および/または前記下部電極上に第1絶縁膜のパターニングにより画素領域を形成する画素領域形成工程と、前記下部電極上に発光および/または非発光により画素として機能する有機発光機能層を真空蒸着により形成する有機発光機能層形成工程と、前記有機発光機能層上に上部電極を真空蒸着により形成する上部電極形成工程と、前記有機発光機能層と前記上部電極との重なる領域の端部が、前記第1絶縁膜上に形成されるとともに第2絶縁膜により覆われるように該第2絶縁膜を前記有機EL素子上に真空蒸着により形成する第2絶縁膜形成工程と、前記第2絶縁膜上に有機材料層を真空蒸着により形成する有機材料層形成工程と、前記有機材料層上に無機層を真空蒸着により形成する無機層形成工程と、前記基板上に形成された有機EL素子を封止する封止部を形成する封止工程と、を有し、前記有機材料層形成工程および前記無機層形成工程時に、前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部を、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側の前記第1の絶縁膜の上層に形成することを特徴とする。
図面の簡単な説明
[0013]
[図1]一般的な有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備える光デバイスを示す断面図である。
[図2]光デバイスの有機EL素子の劣化を説明するための正面図である。
[図3]本発明の第1実施形態に係る光デバイス1を説明するための断面図である。
[図4]本発明に係る光デバイスの効果を説明するための、画素の端部に生じる非発光部分の幅の時間変化の一具体例を示す図である。
[図5]本発明の第1実施例に係る光デバイスの効果を説明するための図である。
[図6]本発明の第2実施例に係る光デバイスの効果を説明するための図である。
[図7]本発明の第2実施形態に係る光デバイスを説明するための断面図である。
[図8]本発明の第3実施形態に係る光デバイス1を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。
[図9]本発明の第3実施形態に係る光デバイスの製造方法の下部電極形成工程を説明するための図である。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示した領域A付近の断面図である。
【0010】
ことができる。以下、本発明の一実施形態に係る光デバイスを採用したボトムエミッションタイプのパッシブマトリクス駆動型有機ELパネルの一例を詳細に説明する。
[0028]
本実施形態に係る光デバイス1は、図3に示すように、基板2、下部電極(第1電極)3、発光層を備える有機発光機能層5、上部電極(第2電極)6、有機材料層7、無機層8、および封止部材9を有する。
[0029]
基板2は、本発明に係る基板の一実施形態に相当し、下部電極3は本発明に係る下部電極の一実施形態に相当し、有機発光機能層5は本発明に係る有機発光機能層の一実施形態に相当する。上部電極6は本発明に係る上部電極の一実施形態に相当し、有機材料層7は本発明に係る有機材料層の一実施形態に相当する。無機層8は本発明に係る無機層の一実施形態に相当し、封止部材9は本発明に係る封止部の一実施形態に相当する。
[0030]
基板2は、例えば平板状、フィルム状のものが好ましく、材質としてはガラス又はプラスチックを用いることができる。例えばボトムエミッション型の光デバイス1では、透明性を有する材料により基板2を形成する。
[0031]
下部電極(第1電極)3は、導電材料からなり、基板2上に直接又は他の層(例えば非透湿性層等)を介して形成されている。下部電極3の形成材料としては、例えばITOなどの透明導電材料を採用する。
[0032]
発光層を備える有機発光機能層5は、下部電極3上に直接又は他の層(例えば電荷輸送層等)介して形成される。有機発光機能層5は、例えば電荷輸送層、発光層(発光層ともいう)等の積層構造を有する。この有機発光機能層5は、例えば真空蒸着法により形成される。他にも塗布、印刷法やレーザ転写法により形成されてもよい。
[0033]
上部電極(第2電極)6は、導電性材料からなり、有機発光機能層5上に形成されている。詳細には、上部電極6は、図3に示すように、有機発光機能層5の端部5aより内側に端部6aが位置するように、有機発光機能層5上に狭い範囲に形成されている。具体的には、上部電極6は、図3に示すように、有機発光機能層5の形成された領域の一部が露出するように、真空蒸着により形成される。
[0034]
自発光素子100は、下部電極3、有機発光機能層5、上部電極6により形成されている。自発光素子100は、湿気等の劣化因子により著しく劣化するので、封止部材9

Claims (20)

  1. 下部電極及び上部電極間に発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個、基板上に直接又は他の層を介して形成された光デバイスであって、
    前記自発光素子の前記上部電極上に形成された有機材料層と、
    前記下部電極及び前記上部電極との絶縁が確保された状態で、前記有機材料層上に形成された無機層と、
    基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止部と、を有し、
    前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部が、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側に、前記有機材料層を介して離間して形成されていることを特徴とする光デバイス。
  2. パターニングされた第1絶縁膜により画素領域が形成され、該画素領域内に前記自発光素子が形成され、かつ、該自発光素子上に第2絶縁膜が形成され、
    前記有機発光機能層と前記上部電極との重なる領域の端部が、前記第1絶縁膜上に形成されるとともに前記第2絶縁膜により覆われた構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  3. 前記有機材料層と前記無機層との重なる領域に、劣化因子を捕捉して該劣化因子による有機発光機能層の劣化を低減させる捕捉部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光デバイス。
  4. 前記上部電極は、前記有機発光機能層上に、該有機発光機能層より狭い範囲に形成され、前記有機材料層は、前記上部電極上に、該上部電極の成膜領域より広い範囲に形成され、前記有機発光機能層と前記有機材料層とは界面を形成し、
    前記無機層は、前記有機材料層上に、該有機材料層の成膜領域より狭い範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  5. 前記有機材料層は、前記上部電極上に、該上部電極の成膜領域より広い範囲に形成され、
    前記無機層は、前記有機材料層上に、該有機材料層の成膜領域より狭い範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  6. 前記有機材料層は、前記有機発光機能層を構成する少なくとも一つの有機材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  7. 前記無機層は、上部電極と同一材料であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  8. 前記基板および/または前記下部電極上にパターン形成された第1絶縁膜に、前記上部電極の端部、前記有機材料層の端部、および前記無機層の端部が接する構造を有し、
    前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部が、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側に前記有機材料層を介して離間して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  9. 前記封止部は、前記有機材料層と無機層上全面を覆う封止膜を有することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  10. 前記自発光素子が有機EL素子であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  11. アクティブマトリクス駆動型又はパッシブマトリクス駆動型であることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
  12. 一対の電極間に少なくとも発光層を挟持した有機EL素子を一つの画素として利用した光デバイスであって、
    基板と、
    前記基板上に直接又は間接的に形成された下部電極と、
    前記基板および/または前記下部電極上にパターニングされて画素領域を形成する第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜による画素領域内に形成された、発光層を含む有機発光機能層と、
    前記有機発光機能層上に形成された上部電極と、
    前記上部電極の成膜領域よりも広い範囲に有機発光機能層を構成する少なくとも一つの材料で形成した有機材料層と、
    前記有機材料層上に、該有機材料層の成膜領域よりも狭い範囲に上部電極と同じ材料で形成された無機層と、
    少なくとも前記無機層上全面を覆う前記有機EL素子の封止膜と、
    を有することを特徴とする光デバイス。
  13. 一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個形成された光デバイスの製造方法であって、
    基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、
    前記下部電極上に前記発光層を含む前記有機発光機能層を形成する有機発光機能層形成工程と、
    前記有機発光機能層上に上部電極を形成する上部電極形成工程と、
    前記上部電極上に有機材料層を形成する有機材料層形成工程と、
    前記有機材料層上に、前記下部電極及び前記上部電極との絶縁が確保された状態で無機層を形成する無機層形成工程と、
    前記基板上に形成された前記自発光素子を封止材料により封止して封止部を形成する封止工程と、を有し、
    前記有機材料層形成工程および前記無機層形成工程時に、前記有機材料層と前記無機層が重なる領域の端部を、前記有機発光機能層と前記上部電極が重なる領域の端部より前記封止部の外端部側に、前記有機材料層を介して離間して形成することを特徴とする光デバイスの製造方法。
  14. 前記基板および/または前記下部電極上に第1絶縁膜のパターニングにより画素領域を形成する画素領域形成工程を含み、
    前記有機発光機能層と前記上部電極との重なる領域の端部が、前記有機材料層により覆われ、上部電極の端部、前記有機材料層の端部、および前記無機層の端部が第1絶縁膜に接する構造に形成することを特徴とする請求項13に記載の光デバイスの製造方法。
  15. 前記有機発光機能層、前記上部電極、前記有機材料層、および前記無機層を真空蒸着法により形成することを特徴とする請求項13に記載の光デバイスの製造方法。
  16. 一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機発光機能層が挟持された自発光素子を一つの画素として、前記画素が一つ又は複数個形成された光デバイスの製造方法であって、
    基板上に直接又は他の層を介して下部電極を形成する下部電極形成工程と、
    前記基板および/または前記下部電極上に第1絶縁膜のパターニングにより画素領域を形成する画素領域形成工程と、
    前記下部電極上に発光および/または非発光により画素として機能する有機発光機能層を真空蒸着により形成する有機発光機能層形成工程と、
    前記有機発光機能層上に、該有機発光機能層の形成された領域の一部が露出するように上部電極を真空蒸着により形成する上部電極形成工程と、
    前記有機発光機能層が露出した領域に前記有機発光機能層を構成する少なくとも一つの材料を含む有機材料層を真空蒸着により形成する有機材料層形成工程と、
    前記有機材料層の上面と前記露出領域上の範囲に無機層を真空蒸着により形成する無機層形成工程と、
    前記基板上に形成された自発光素子を封止材料により封止する封止工程と、
    を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。
  17. 前記有機発光機能層と前記上部電極との重なる領域の端部が、前記第1絶縁膜上に形成されるとともに第2絶縁膜により覆われるように該第2絶縁膜を前記自発光素子上に真空蒸着により形成する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の光デバイスの製造方法。
  18. 前記封止工程において、前記有機材料層と前記無機層上全面を覆う封止膜を真空蒸着法により形成することを特徴とする請求項16に記載の光デバイスの製造方法。
  19. 前記自発光素子が有機EL素子であることを特徴とする請求項16に記載の光デバイスの製造方法。
  20. アクティブマトリクス駆動型又はパッシブマトリクス駆動型であることを特徴とする請求項16に記載の光デバイスの製造方法。
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