JPWO2008007552A1 - 光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置 - Google Patents

光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

第一光束を射出する第一光源と、第二光束を射出する第二光源と、第三光束を射出する第三光源と、対物光学素子、とを有する光ピックアップ装置であって、対物光学素子の光学面は、少なくとも中央領域と周辺領域を有し、中央領域は第一光路差付与構造を有し、周辺領域は第二光路差付与構造を有し、第一光路差付与構造を通過した第三光束によって、第一ベストフォーカスと、第二ベストフォーカスとが形成され、対物光学素子を通過した第三光束が第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、スポット中心部、スポット中間部、スポット周辺部とが形成され、スポット中心部が第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、スポット中間部及びスポット周辺部は第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、第二光路差付与構造を通過した第三光束によって、第3光ディスクの情報記録面上でスポット周辺部が形成される。

Description

本発明は、異なる種類の光ディスクに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置に関する。
近年、光ピックアップ装置において、光ディスクに記録された情報の再生や、光ディスクへの情報の記録のための光源として使用されるレーザ光源の短波長化が進み、例えば、青紫色半導体レーザや、第2高調波を利用して赤外半導体レーザの波長変換を行う青色SHGレーザ等、波長400〜420nmのレーザ光源が実用化されつつある。これら青紫色レーザ光源を使用すると、DVD(デジタルバーサタイルディスク)と同じ開口数(NA)の対物光学素子を使用する場合で、直径12cmの光ディスクに対して、15〜20GBの情報の記録が可能となり、対物光学素子のNAを0.85にまで高めた場合には、直径12cmの光ディスクに対して、23〜25GBの情報の記録が可能となる。以下、本明細書では、青紫色レーザ光源を使用する光ディスク及び光磁気ディスクを総称して「高密度光ディスク」という。
尚、NA0.85の対物光学素子を使用する高密度光ディスクでは、光ディスクの傾き(スキュー)に起因して発生するコマ収差が増大するため、DVDにおける場合よりも保護層を薄く設計し(DVDの0.6mmに対して、0.1mm)、スキューによるコマ収差量を低減しているものがある。ところで、かかるタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤ/レコーダ(光情報記録再生装置)の製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できるようにする方法として、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学系が必要となるので、小型化に不利であり、またコストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。そして、光ディスクに対向して配置される対物光学素子を共通化することが光ピックアップ装置の構成の簡素化、低コスト化に最も有利となる。尚、記録/再生波長が互いに異なる複数種類の光ディスクに対して共通な対物光学素子を得るためには、球面収差の波長依存性を有する光路差付与構造を対物光学系に形成する必要がある。
特許文献1には、光路差付与構造としての回折構造を有し、高密度光ディスクと従来のDVD及びCDに対して共通に使用可能な対物光学系、及びこの対物光学系を搭載した光ピックアップ装置が記載されている。
ヨーロッパ公開特許第1304689号
然るに、上記の特許文献1に記載された、3つの異なる光ディスクに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に使用している対物光学素子は、ピックアップの設計仕様によっては、記録及び/又は再生に用いられる光量が不足する恐れや、CDやDVDの記録及び/又は再生時に適正なフレアを発生させることが困難となる恐れがあった。
本発明は、上述の問題を考慮したものであり、少なくとも以下の目的の一つを達成するものである。まず、対物光学素子として単玉のレンズを用いたとしても、CDやDVDの記録及び/又は再生時に適正なフレアを発生させることを可能とし、高密度光ディスクとDVDとCD等の、記録密度が異なる3種類のディスクに対して情報の記録及び/又は再生を適切に行うことができる光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置を提供することを目的とする。また、その構成の簡素化、低コスト化を実現可能な光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置を提供することを目的とする。加えて、3つの異なる光ディスクの全てに対して、光利用効率を高め、十分な光量を確保できる光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光ピックアップ装置は、第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子、とを有する。
前記光ピックアップ装置は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う。
また、前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有する。前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。また、前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。
前記光ピックアップ装置において、前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、所定の条件を満たす。
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成される。
前記スポットにおいて、前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成される。
本発明に係る対物光学素子OLの一例を、光軸方向から見た図である。 本発明に係る対物光学素子OLに設けられる光路差付与構造の幾つかの例を模式的に示す断面図である。 本発明に係るスポットの形状を示した図である。 本発明に係る光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る対物光学素子OLの一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る実施例1のBD,DVD,CDに関する縦球面収差図6(a)〜6(c)である。 本発明に係る実施例2のBD,DVD,CDに関する縦球面収差図7(a)〜7(c)である。 本発明に係る実施例3のBD,DVD,CDに関する縦球面収差図8(a)〜8(c)である。
以下、本発明の好ましい形態を説明する。
(項1) 光ディスクに対し情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子、とを有し、
前記光ピックアップ装置は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行い、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
0 < L/f < 0.05 (1)
但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
(項2) 下記の式(2)及び(2’)を満たすことを特徴とする項1に記載の光ピックアップ装置。
δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
δSAH=√((δSA5)+(δSA7)+(δSA9)) (2’)
但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて前記第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、
δSA7は、前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、
δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれた前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指す。δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。
(項3) 前記対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、前記第一光束が前記対物光学素子を通過した際に前記対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、前記対物光学素子の前記第一波長の設計波長から5nmずれた波長における前記グラフが不連続部を有し、前記不連続部における前記光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることを特徴とする項1又は項2に記載の光ピックアップ装置。
(項4) 下記の式(3)を満たすことを特徴とする項1乃至項3のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
η13≧40% (3)
但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
(項5) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする項1乃至項4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項6) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項1乃至項5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項7) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項1乃至項5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項8) 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする項6又は項7に記載の光ピックアップ装置。
(項9) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項8のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項10) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項9のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項11) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項12) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)又は前記対物光学素子の温度変化によって発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項13) 前記第一光束及び前記第二光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m1、m2が、下記の式(4)、(5)を満たすことを特徴とする項1乃至項12のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
−0.02<m1<0.02 (4)
−0.02<m2<0.02 (5)
(項14) 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(6)を満たすことを特徴とする項13に記載の光ピックアップ装置。
−0.02<m3<0.02 (6)
(項15) 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(7)を満たすことを特徴とする項13に記載の光ピックアップ装置。
−0.10<m3<0.00 (7)
(項16) 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする項1乃至項15のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項17) 前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束に共通の光路中であって、前記対物光学素子と前記第一光源、前記第二光源及び前記第三光源との間に、開口制限素子が設けられ、
前記開口制限素子は、少なくとも光軸に近い第一領域と、前記第一領域よりも光軸から離れた第二領域を有し、
前記第一領域は、前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束の全てを透過し、前記第二領域は、前記第一光束及び前記第二光束を透過し、前記第三光束を、前記開口制限素子の前記第一領域及び前記対物光学素子を透過した前記第三光束の集光位置には集光させず、前記第一領域を通過した前記第三光束は、前記対物光学素子の前記中央領域に入射することを特徴とする項1乃至項16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項18) 前記光ピックアップ装置は、λ/4波長板を有し、前記開口制限素子は前記λ/4波長板と一体化されていることを特徴とする項17に記載の光ピックアップ装置。
(項19) 以下の式(1’’)を満たすことを特徴とする項17又は項18に記載の光ピックアップ装置。
0.02 ≦ L/f < 0.05 (1’’)
(項20) 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、を有し、
前記第一光束を用いて厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第二光束を用いて厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第三光束を用いて厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において用いられる対物光学素子であって、
前記対物光学素子は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、
前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させ、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、
前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする対物光学素子。
0 < L/f < 0.05 (1)
但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
(項21) 下記の式(2)及び(2’)を満たすことを特徴とする項20に記載の対物光学素子。
δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
δSAH=√((δSA5)+(δSA7)+(δSA9)) (2’)
但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、
δSA7は、前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、
δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれた前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指し、
δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。
(項22) 前記対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、前記第一光束が前記対物光学素子を通過した際に前記対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、前記対物光学素子の前記第一波長の設計波長から5nmずれた波長における前記グラフが不連続部を有し、前記不連続部における前記光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることを特徴とする項20又は項21に記載の対物光学素子。
(項23) 下記の式(3)を満たすことを特徴とする項20乃至項22のいずれか一項に記載の対物光学素子。
η13≧40% (3)
但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
(項24) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする項20乃至項23のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項25) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項20乃至項24のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項26) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項20乃至項24のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項27) 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする項25又は項26に記載の対物光学素子。
(項28) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項20乃至項27のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項29) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項20乃至項28のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項30) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項20乃至項29のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項31) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)を補正することを特徴とする項20乃至項30のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項32) 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする項20乃至項31のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項33) 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子と、を有し、
前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置を有する光情報記録再生装置であって、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域に第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域に第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、
前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光情報記録再生装置。
0 < L/f < 0.05 (1)
但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、
L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
以下、本発明の好ましい形態を詳細に説明する。
本発明に係る光ピックアップ装置は、第一光源、第二光源、第三光源の少なくとも3つの光源を有する。さらに、本発明の光ピックアップ装置は、第一光束を第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、第二光束を第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、第三光束を第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための集光光学系を有する。また、本発明の光ピックアップ装置は、第1光ディスク、第2光ディスク又は第3光ディスクの情報記録面からの反射光束を受光する受光素子を有する。
第1光ディスクは、厚さがt1の保護基板と情報記録面とを有する。第2光ディスクは厚さがt2(t1≦t2)の保護基板と情報記録面とを有する。第3光ディスクは、厚さがt3(t2<t3)の保護基板と情報記録面とを有する。第1光ディスクが高密度光ディスクであり、第2光ディスクが、DVDであり、第3光ディスクがCDであることが好ましいが、これに限られるものではない。また、t1<t2である場合は、t1=t2である場合に比して、単玉の対物光学素子によって3つの異なる光ディスクの記録及び/又は再生を行いつつ、第3光ディスクの記録再生時のトラッキング特性を良好にすることはより困難であるが、本発明の形態はそれを可能とする。なお、第1光ディスク、第2光ディスク又は第3光ディスクは、複数の情報記録面を有する複数層の光ディスクでもよい。
本明細書においては、高密度光ディスクの例としては、NA0.85の対物光学素子により情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.1mm程度である規格の光ディスク(例えば、BD:ブルーレイディスク(Blu−ray Disc))が挙げられる。また、他の高密度光ディスクの例としては、NA0.65乃至0.67の対物光学素子により情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.6mm程度である規格の光ディスク(例えば、HD DVD:単にHDともいう)が挙げられる。また、高密度光ディスクには、情報記録面上に数〜数十nm程度の厚さの保護膜(本明細書では、保護基板は保護膜も含むものとする)を有する光ディスクや、保護基板の厚さが0の光ディスクも含まれる。また、高密度光ディスクには、情報の記録/再生用の光源として、青紫色半導体レーザや青紫色SHGレーザが用いられる光磁気ディスクも含まれるものとする。更に、本明細書においては、DVDとは、NA0.60〜0.67程度の対物光学素子により情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.6mm程度であるDVD系列光ディスクの総称であり、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等を含む。また、本明細書においては、CDとは、NA0.45〜0.53程度の対物光学素子により情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが1.2mm程度であるCD系列光ディスクの総称であり、CD−ROM、CD−Audio、CD−Video、CD−R、CD−RW等を含む。尚、記録密度については、高密度光ディスクの記録密度が最も高く、次いでDVD、CDの順に低くなる。
なお、保護基板の厚さt1、t2、t3に関しては、以下の条件式(11)、(12)、(13)を満たすことが好ましいが、これに限られない。
0.0750mm≦t1≦0.125mm 又は 0.5mm≦t1≦0.7mm (11)
0.5mm≦t2≦0.7mm (12)
1.0mm≦t3≦1.3mm (13)
本明細書において、第一光源、第二光源、第三光源は、好ましくはレーザ光源である。レーザ光源としては、好ましくは半導体レーザ、シリコンレーザ等を用いることが出来る。第一光源から出射される第一光束の第一波長λ1、第二光源から出射される第二光束の第二波長λ2(λ2>λ1)、第三光源から出射される第三光束の第三波長λ3(λ3>λ2)は以下の条件式(9)、(10)を満たすことが好ましい。
1.5×λ1<λ2<1.7×λ1 (9)
1.9×λ1<λ3<2.1×λ1 (10)
また、第1光ディスク、第2光ディスク、第3光ディスクとして、それぞれ、BDまたはHD、DVD及びCDが用いられる場合、第一光源の第一波長λ1は好ましくは、350nm以上、440nm以下、より好ましくは、380nm以上、415nm以下であって、第二光源の第二波長λ2は好ましくは570nm以上、680nm以下、より好ましくは630nm以上、670nm以下であって、第三光源の第三波長λ3は好ましくは、750nm以上、880nm以下、より好ましくは、760nm以上、820nm以下である。
また、第一光源、第二光源、第三光源のうち少なくとも2つの光源をユニット化してもよい。ユニット化とは、例えば第一光源と第二光源とが1パッケージに固定収納されているようなものをいうが、これに限られず、2つの光源が収差補正不能なように固定されている状態を広く含むものである。また、光源に加えて、後述する受光素子を1パッケージ化してもよい。
受光素子としては、フォトダイオードなどの光検出器が好ましく用いられる。光ディスクの情報記録面上で反射した光が受光素子へ入射し、その出力信号を用いて、各光ディスクに記録された情報の読み取り信号が得られる。さらに、受光素子上のスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて、合焦、トラッキングのために対物光学素子を移動させることが出来る。受光素子は、複数の光検出器からなっていてもよい。受光素子は、メインの光検出器とサブの光検出器を有していてもよい。例えば、情報の記録再生に用いられるメイン光を受光する光検出器の両脇に2つのサブの光検出器を設け、当該2つのサブの光検出器によってトラッキング調整用のサブ光を受光するような受光素子としてもよい。また、受光素子は各光源に対応した複数の受光素子を有していてもよい。
集光光学系は、対物光学素子を有する。集光光学系は、対物光学素子のみを有していても良いが、集光光学系は、対物光学素子の他にコリメータレンズ等のカップリングレンズを有していてもよい。カップリングレンズとは、対物光学素子と光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメータレンズは、カップリングレンズの一種で、コリメータレンズに入射した光を平行光にして出射するレンズである。更に集光光学系は、光源から射出された光束を、情報の記録再生に用いられるメイン光束と、トラッキング等に用いられる二つのサブ光束とに分割する回折光学素子などの光学素子を有していてもよい。本明細書において、対物光学素子とは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系を指す。好ましくは、対物光学素子とは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系であって、更に、アクチュエータにより少なくとも光軸方向に一体的に変位可能とされた光学系を指す。対物光学素子は、二つ以上の複数のレンズ及び光学素子から構成されていてもよいし、単玉の対物レンズのみでもよいが、好ましくは単玉の対物レンズである。また、対物光学素子は、ガラスレンズであってもプラスチックレンズであっても、又は、ガラスレンズの上に光硬化性樹脂などで光路差付与構造などを設けたハイブリッドレンズであってもよい。対物光学素子が複数のレンズを有する場合は、ガラスレンズとプラスチックレンズを混合して用いてもよい。対物光学素子が複数のレンズを有する場合、光路差付与構造を有する平板光学素子と非球面レンズ(光路差付与構造を有していてもいなくてもよい)の組み合わせであってもよい。また、対物光学素子は、屈折面が非球面であることが好ましい。また、対物光学素子は、光路差付与構造が設けられるベース面が非球面であることが好ましい。
また、対物光学素子をガラスレンズとする場合は、ガラス転移点Tgが400℃以下であるガラス材料を使用することが好ましい。ガラス転移点Tgが400℃以下であるガラス材料を使用することにより、比較的低温での成形が可能となるので、金型の寿命を延ばすことが出来る。このようなガラス転移点Tgが低いガラス材料としては、例えば(株)住田光学ガラス製のK−PG325や、K−PG375(共に製品名)がある。
ところで、ガラスレンズは一般的に樹脂レンズよりも比重が大きいため、対物光学素子をガラスレンズとすると、重量が大きくなり対物光学素子を駆動するアクチュエータに負担がかかる。そのため、対物光学素子をガラスレンズとする場合には、比重が小さいガラス材料を使用するのが好ましい。具体的には、比重が3.0以下であるのが好ましく、2.8以下であるのがより好ましい。
また、対物光学素子をプラスチックレンズとする場合は、環状オレフィン系の樹脂材料を使用するのが好ましく、環状オレフィン系の中でも、波長405nmに対する温度25℃での屈折率が1.54乃至1.60の範囲内であって、−5℃から70℃の温度範囲内での温度変化に伴う波長405nmに対する屈折率変化率dN/dT(℃−1)が−20×10−5乃至−5×10−5(より好ましくは、−10×10−5乃至−8×10−5)の範囲内である樹脂材料を使用するのがより好ましい。また、対物光学素子をプラスチックレンズとする場合、カップリングレンズもプラスチックレンズとすることが好ましい。
或いは、本発明の対物光学素子に適した樹脂材料として、上記環状オレフィン系以外にも「アサーマル樹脂」がある。アサーマル樹脂とは、母材となる樹脂に、直径が30nm以下の粒子を分散させた樹脂材料である。ここで、前記粒子は、母材となる樹脂の温度変化に伴う屈折率変化率と逆符号の屈折率変化率を有する。一般に、透明な樹脂材料に微粉末を混合させると、光の散乱が生じ、透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粉末を透過光束の波長より小さい大きさにすることにより、散乱が事実上発生しないようにできることがわかってきた。
樹脂材料は、温度が上昇することにより、屈折率が低下してしまうが、無機粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこでこれらの性質をあわせて打ち消しあうように作用させることにより、屈折率変化が生じないようにすることも知られている。本発明の対物光学素子の材料として、母材となる樹脂に30ナノメートル以下、好ましくは20ナノメートル以下、さらに好ましくは10〜15ナノメートルの無機粒子を分散させた材料を利用することで、屈折率の温度依存性が無いか、あるいはきわめて低い対物光学素子を提供できる。
たとえば、アクリル樹脂に、酸化ニオブ(Nb)の微粒子を分散させている。母材となる樹脂は、体積比で80、酸化ニオブは20程度の割合であり、これらを均一に混合する。微粒子は凝集しやすいという問題があるが、粒子表面に電荷を与えて分散させる等の技術により、必要な分散状態を生じさせることが出来る。
後述するように、母材となる樹脂と粒子との混合・分散は、対物光学素子の射出成形時にインラインで行うことが好ましい。いいかえると、混合・分散した後は、対物光学素子に成形される迄、冷却・固化されないことが好ましい。
なお、この体積比率は、屈折率の温度に対する変化の割合をコントロールするために、適宜増減できるし、複数種類のナノサイズ無機粒子をブレンドして分散させることも可能である。
比率では、上記の例では80:20、すなわち4:1であるが、90:10(9:1)から60:40(3:2)までの間で適宜調整可能である。9:1よりも少ないと温度変化抑制の効果が小さくなり、逆に3:2を越えると樹脂の成形性に問題が生じるために好ましくない。
微粒子は無機物であることが好ましく、さらに酸化物であることが好ましい。そして酸化状態が飽和していて、それ以上酸化しない酸化物であることが好ましい。
無機物であることは、高分子有機化合物である母材となる樹脂との反応を低く抑えられるために好ましく、また酸化物であることによって、使用に伴う劣化を防ぐことが出来る。特に高温化や、レーザ光を照射されるという過酷な条件において、酸化が促進されやすくなるが、このような無機酸化物の微粒子であれば、酸化による劣化を防ぐことが出来る。
また、その他の要因による樹脂の酸化を防止するために、酸化防止剤を添加することも勿論可能である。
ちなみに、母材となる樹脂としては、日本公開特許公報の特開2004−144951号、特開2004−144954号、及び特開2004−144953号等に記載されているような樹脂が適宜好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂中に分散される無機微粒子としては特に限定はなく、得られる熱可塑性樹脂組成物の温度による屈折率の変化率(以後、|dn/dT|とする)が小さいという本発明の目的の達成を可能とする無機微粒子の中から任意に選択することができる。具体的には酸化物微粒子、金属塩微粒子、半導体微粒子などが好ましく用いられ、この中から、光学素子として使用する波長領域において吸収、発光、蛍光等が生じないものを適宜選択して使用することが好ましい。
本発明において用いられる酸化物微粒子としては、金属酸化物を構成する金属が、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類金属からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属である金属酸化物を用いることができ、具体的には、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、アルミニウム・マグネシウム酸化物(MgAl)等が挙げられる。また、本発明において用いられる酸化物微粒子として希土類酸化物を用いることもでき、具体的には酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等も挙げられる。金属塩微粒子としては、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられ、具体的には炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。
また、本発明における半導体微粒子とは、半導体結晶組成の微粒子を意味し、該半導体結晶組成の具体的な組成例としては、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO)、硫化錫(II,IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As)、セレン化砒素(III)(AsSe)、テルル化砒素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。なお、G.Schmidら;Adv.Mater.,4巻,494頁(1991)に報告されている(BN)75(BF1515や、D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のように構造の確定されている半導体クラスターも同様に例示される。
一般的に熱可塑性樹脂のdn/dTは負の値を持つ。即ち温度の上昇に伴い屈折率が小さくなる。従って、熱可塑性樹脂組成物の|dn/dT|を効率的に小さくする為には、dn/dTが大きい微粒子を分散させることが好ましい。熱可塑性樹脂のdn/dTと同符号の値を持つ微粒子を用いる場合には、微粒子のdn/dTの絶対値が、母材となる熱可塑性樹脂のdn/dTよりも小さいことが好ましい。更に、母材となる熱可塑性樹脂のdn/dTと逆符号のdn/dTを有する微粒子、即ち、正の値のdn/dTを有する微粒子が好ましく用いられる。このような微粒子を熱可塑性樹脂に分散させることで、少ない量で効果的に熱可塑性樹脂組成物の|dn/dT|を小さくすることができる。分散される微粒子のdn/dTは、母材となる熱可塑性樹脂のdn/dTの値により適宜選択することができるが、一般的に光学素子に好ましく用いられる熱可塑性樹脂に微粒子を分散させる場合は、微粒子のdn/dTが−20×10−6よりも大きいことが好ましく、−10×10−6よりも大きいことが更に好ましい。dn/dTが大きい微粒子として、好ましくは、例えば、窒化ガリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが用いられる。
一方、熱可塑性樹脂に微粒子を分散させる際には、母材となる熱可塑性樹脂と微粒子の屈折率の差が小さいことが望ましい。発明者らの検討の結果、熱可塑性樹脂と分散される微粒子の屈折率の差が小さいと、光を透過させた場合に散乱を起こし難いということがわかった。熱可塑性樹脂に微粒子を分散させる際、粒子が大きい程、光を透過させた時の散乱を起こしやすくなるが、熱可塑性樹脂と分散される微粒子の屈折率の差が小さいと、比較的大きな微粒子を用いても光の散乱が発生する度合いが小さいことを発見した。熱可塑性樹脂と分散される微粒子の屈折率の差は、0〜0.3の範囲であることが好ましく、更に0〜0.15の範囲であることが好ましい。
光学材料として好ましく用いられる熱可塑性樹脂の屈折率は、1.4〜1.6程度である場合が多く、これらの熱可塑性樹脂に分散させる材料としては、例えばシリカ(酸化ケイ素)、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミニウム・マグネシウム酸化物などが好ましく用いられる。
また、比較的屈折率の低い微粒子を分散させることで、熱可塑性樹脂組成物のdn/dTを効果的に小さくすることができることがわかった。屈折率が低い微粒子を分散した熱可塑性樹脂組成物の|dn/dT|が小さくなる理由について、詳細はわかっていないものの、樹脂組成物における無機微粒子の体積分率の温度変化が、微粒子の屈折率が低いほど、樹脂組成物の|dn/dT|を小さくする方向に働くのではないかと考えられる。比較的屈折率が低い微粒子としては、例えばシリカ(酸化ケイ素)、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウムが好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂組成物のdn/dTの低減効果、光透過性、所望の屈折率等を全て同時に向上させることは困難であり、熱可塑性樹脂に分散させる微粒子は、熱可塑性樹脂組成物に求める特性に応じて、微粒子自体のdn/dTの大きさ、微粒子のdn/dTと母材となる熱可塑性樹脂のdn/dTとの差、及び微粒子の屈折率等を考慮して適宜選択することができる。更に、母材となる熱可塑性樹脂との相性、即ち、熱可塑性樹脂に対する分散性、散乱を引き起こし難い微粒子を適宜選択して用いることは、光透過性を維持する上で好ましい。
例えば、光学素子に好ましく用いられる環状オレフィンポリマーを母材として用いる場合、光透過性を維持しながら|dn/dT|を小さくする微粒子としては、シリカが好ましく用いられる。
上記の微粒子は、1種類の無機微粒子を用いてもよく、また複数種類の無機微粒子を併用してもよい。異なる性質を有する複数種類の微粒子を用いることで、必要とされる特性を更に効率よく向上させることもできる。
また、本発明に係る無機微粒子は、平均粒子径が1nm以上、30nm以下が好ましく、1nm以上、20nm以下がより好ましく、さらに好ましくは1nm以上、10nm以下である。平均粒子径が1nm未満の場合、無機微粒子の分散が困難になり所望の性能が得られない恐れがあることから、平均粒子径は1nm以上であることが好ましく、また平均粒子径が30nmを超えると、得られる熱可塑性材料組成物が濁るなどして透明性が低下し、光線透過率が70%未満となる恐れがあることから、平均粒子径は30nm以下であることが好ましい。ここでいう平均粒子径は各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値を言う。
さらに、無機微粒子の形状は、特に限定されるものではないが、球状の微粒子が好適に用いられる。具体的には、粒子の最小径(微粒子の外周に接する2本の接線を引く場合における当該接線間の距離の最小値)/最大径(微粒子の外周に接する2本の接線を引く場合における当該接線間の距離の最大値)が0.5〜1.0であることが好ましく、0.7〜1.0であることが更に好ましい。
また、粒子径の分布に関しても特に制限されるものではないが、効果をより効率よく発現させるためには、広範な分布を有するものよりも、比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。
対物光学素子について、以下に記載する。対物光学素子の少なくとも一つの光学面が、中央領域と、中央領域の周りの周辺領域とを有する。更に好ましくは、対物光学素子の少なくとも一つの光学面が、周辺領域の周りに最周辺領域を有する。最周辺領域を設けることにより、高NAの光ディスクに対する記録及び/又は再生をより適切に行うことが可能となる。中央領域は、対物光学素子の光軸を含む領域であることが好ましいが、含まない領域であってもよい。中央領域、周辺領域、及び最周辺領域は同一の光学面上に設けられていることが好ましい。図1に示されるように、中央領域CN、周辺領域MD、最周辺領域OTは、同一の光学面上に、光軸を中心とする同心円状に設けられていることが好ましい。また、対物光学素子の中央領域には第一光路差付与構造が設けられ、周辺領域には第二光路差付与構造が設けられている。最周辺領域を有する場合、最周辺領域は屈折面であってもよいし、最周辺領域に第三光路差付与構造が設けられていてもよい。中央領域、周辺領域、最周辺領域はそれぞれ隣接していることが好ましいが、間に僅かに隙間があっても良い。
第一光路差付与構造は、対物光学素子の中央領域の面積の70%以上の領域に設けられていることが好ましく、90%以上がより好ましい。より好ましくは、第一光路差付与構造が、中央領域の全面に設けられていることである。第二光路差付与構造は、対物光学素子の周辺領域の面積の70%以上の領域に設けられていることが好ましく、90%以上がより好ましい。より好ましくは、第二光路差付与構造が、周辺領域の全面に設けられていることである。第三光路差付与構造は、対物光学素子の最周辺領域の面積の70%以上の領域に設けられていることが好ましく、90%以上がより好ましい。より好ましくは、第三光路差付与構造が、最周辺領域の全面に設けられていることである。
なお、本明細書でいう光路差付与構造とは、入射光束に対して光路差を付加する構造の総称である。光路差付与構造には、位相差を付与する位相差付与構造も含まれる。また、位相差付与構造には回折構造が含まれる。光路差付与構造は、段差を有し、好ましくは段差を複数有する。この段差により入射光束に光路差及び/又は位相差が付加される。光路差付与構造により付加される光路差は、入射光束の波長の整数倍であっても良いし、入射光束の波長の非整数倍であっても良い。段差は、光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。
光路差付与構造は、光軸を中心とする同心円状の複数の輪帯を有することが好ましい。また、光路差付与構造は、様々な断面形状(光軸を含む面での断面形状)をとり得る。最も一般的な光路差付与構造の断面形状としては、図2(a)に記載されるような、光路差付与構造の光軸を含む断面形状が鋸歯状である場合である。平面の光学素子に光路差付与構造を設けた場合に断面が階段状に見えるものも、非球面レンズ面等に同様の光路差付与構造を設けた場合は、図2(a)のような鋸歯状の断面形状と捉えることができる。従って、本明細書でいう鋸歯状の断面形状には、階段状の断面形状も含まれるものとする。本明細書の第一光路差付与構造及び第二光路差付与構造は、その断面形状を異なる鋸歯状の光路差付与構造を重畳した構造としてもよい。例えば、図2(b)は細かい鋸歯状の構造と荒い鋸歯状の構造を重畳した構造である。
また、対物光学素子の中央領域に設けられる第一光路差付与構造と、対物光学素子の周辺領域に設けられる第二光路差付与構造は、対物光学素子の異なる光学面に設けられていてもよいが、同一の光学面に設けられることが好ましい。同一の光学面に設けられることにより、製造時の偏芯誤差を少なくすることが可能となるため好ましい。また、第一光路差付与構造及び第二光路差付与構造は、対物光学素子の光ディスク側の面よりも、対物光学素子の光源側の面に設けられることが好ましい。また、対物光学素子が第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有する場合、第三光路差付与構造も第一光路差付与構造及び第二光路差付与構造と同一の光学面に設けられることが好ましい。
なお、対物光学素子が第四光路差付与構造を有する場合は、第一光路差付与構造及び第二光路差付与構造が設けられている光学面とは別の光学面に設けられることが好ましい。また、第四光路差付与構造は、対物光学素子の光ディスク側の面に設けられることが好ましい。
対物光学素子は、対物光学素子の第一光路差付与構造が設けられた中央領域を通過する第一光束、第二光束及び第三光束を、それぞれ集光スポットを形成するように集光する。好ましくは、対物光学素子は、対物光学素子の第一光路差付与構造が設けられた中央領域を通過する第一光束を、第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。また、対物光学素子は、対物光学素子の第一光路差付与構造が設けられた中央領域を通過する第二光束を、第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。さらに、対物光学素子は、対物光学素子の第一光路差付与構造が設けられた中央領域を通過する第三光束を、第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。また、第1光ディスクの保護基板の厚さt1と第2光ディスクの保護基板の厚さt2が異なる場合、第一光路差付与構造は、第一光路差付与構造を通過した第一光束及び第二光束に対して、第1光ディスクの保護基板の厚さt1と第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差及び/又は第一光束と第二光束の波長の違いにより発生する球面収差を補正することが好ましい。さらに、第一光路差付与構造は、第一光路差付与構造を通過した第一光束及び第三光束に対して、第1光ディスクの保護基板の厚さt1と第3光ディスクの保護基板の厚さt3との違いにより発生する球面収差及び/又は第一光束と第三光束の波長の違いにより発生する球面収差を補正することが好ましい。
また、対物光学素子の第一光路差付与構造を通過した第三光束によって、第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、第三光束が形成するスポットのスポット径が第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成される。なお、ここでいうベストフォーカスとは、ビームウェストが、あるデフォーカスの範囲で極小となる点を指すものとする。つまり、第三光束によって、第一ベストフォーカス及び第二ベストフォーカスが形成されるということは、第三光束において、或るデフォーカスの範囲でビームウェストが極小となる点が、少なくとも2点存在するということである。なお、第一光路差付与構造を通過した第三光束において、光量が最大となる回折光が第一ベストフォーカスを形成し、光量が次に大きな回折光が第二ベストフォーカスを形成することが好ましい。また、第一ベストフォーカスを形成する回折光の回折効率の方が、第二ベストフォーカスを形成する回折光の回折効率よりも大きく、その差が15%以上(好ましくは30%以上)である場合に、第三光束における光利用効率を向上可能という本発明の効果がより顕著となる。
尚、第一ベストフォーカスにおいて第三光束が形成するスポットが、第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、第二ベストフォーカスにおいて第三光束が形成するスポットは、第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことが好ましいが、第一ベストフォーカスにおいて第三光束が形成するスポットが、第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられず、第二ベストフォーカスにおいて第三光束が形成するスポットが、第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられるような態様を否定するものではない。なお、第一光路差付与構造が、対物光学素子の光源側の面に設けられている場合、第二ベストフォーカスは、第一ベストフォーカスに比して対物光学素子に近い場合と、遠い場合との両方が考えられる。例えば、第三光束の0次回折光が第二ベストフォーカスを形成する場合は、第二ベストフォーカスの位置は、第三光束の1次回折光によって形成される第一ベストフォーカスに比して対物光学素子に近くなる。一方、第三光束の2次回折光が第二ベストフォーカスを形成する場合は、第二ベストフォーカスの位置は、第三光束の1次回折光によって形成される第一ベストフォーカスに比して対物光学素子から遠くなる。
さらに、第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たす。
0 < L/f < 0.05 (1)
但し、f[mm]は第一光路差付与構造を通過し、第一ベストフォーカスを形成する第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
なお、下記の式(1’)を満たすことがより好ましい。
0.01 ≦ L/f ≦ 0.043 (1’)
更に好ましくは、下記の式(1’’)を満たすことである。
0.016 ≦ L/f ≦ 0.042 (1’’)
また、Lは、0.03mm以上、0.11mm以下であることが好ましい。さらに、fは、1.8mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。
第3光ディスクの記録及び/又は再生時の光利用効率を向上させつつ、第1光ディスク及び第2光ディスクの記録及び/又は再生に十分な光利用効率を維持するためには、上記式(1)、(1’)又は(1’’)を満たすことが好ましい。
また、対物光学素子は、対物光学素子の第二光路差付与構造が設けられた周辺領域を通過する第一光束及び第二光束を、それぞれ集光スポットを形成するように集光する。好ましくは、対物光学素子は、対物光学素子の第二光路差付与構造が設けられた周辺領域を通過する第一光束を、第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。また、対物光学素子は、対物光学素子の第二光路差付与構造が設けられた周辺領域を通過する第二光束を、第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。また、第1光ディスクの保護基板の厚さt1と第2光ディスクの保護基板の厚さt2が異なる場合、第二光路差付与構造は、第二光路差付与構造を通過した第一光束及び第二光束に対して、第1光ディスクの保護基板の厚さt1と第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差及び/又は第一光束と第二光束の波長の違いにより発生する球面収差を補正することが好ましい。
また、好ましい態様として、周辺領域を通過した第三光束は、第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられない態様が挙げられる。周辺領域を通過した第三光束が、第3光ディスクの情報記録面上で集光スポットの形成に寄与しないようにすることが好ましい。つまり、対物光学素子の第二光路差付与構造が設けられた周辺領域を通過する第三光束は、第3光ディスクの情報記録面上でフレアを形成することが好ましい。図3に示すように、対物光学素子を通過した第三光束が第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸側(又はスポット中心部)から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部SCN、光量密度がスポット中心部より低いスポット中間部SMD、光量密度がスポット中間部よりも高くスポット中心部よりも低いスポット周辺部SOTを有する。スポット中心部が、光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、スポット中間部及びスポット周辺部は、光ディスクの情報の記録及び/又は再生には用いられない。上記において、このスポット周辺部をフレアと言っている。つまり、対物光学素子の周辺領域に設けられた第二光路差付与構造を通過した第三光束は、第3光ディスクの情報記録面上でスポット周辺部を形成する。なお、ここでいう第三光束の集光スポット又はスポットは、第一ベストフォーカスにおけるスポットであることが好ましい。また、対物光学素子を通過した第二光束においても、第2光ディスクの情報記録面上で形成するスポットが、スポット中心部、スポット中間部、スポット周辺部を有することが好ましい。
なお、対物光学素子の周辺領域に第二光路差付与構造を設けることにより、対物光学素子の周辺領域を通過する第三光束が、第3光ディスクの情報記録面上でフレアを形成するような構成とした場合、第1光ディスクの記録及び/又は再生を行うために第一光束を使用し、第1波長が設計波長から変化したり、温度変化が生じた際に、高次の球面収差が大きく発生してしまうという問題が生じる。なお、ここでいう高次の球面収差とは、5次以上であって9次以下の球面収差をいう。そこで、第二光路差付与構造が、後述する第二基礎構造、第四基礎構造又は第五基礎構造を有するようにすることにより、第一光ディスクに対して第一光束を使用し、第1波長が設計波長から変化したり、温度変化が生じた場合においても、高次の球面収差を低減することができる。特に好ましくは、下記の式(2)及び(2’)を満たすことである。更に好ましくは、下記の式(2’’)を満たすことである。
δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
δSAH=√((δSA5)+(δSA7)+(δSA9)) (2’)
δSAH/δλ ≦ 0.008(λrms/nm) (2’’)
但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、δSA7は、λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指し、δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。なお、δλは、10nm以下であることが好ましい。
また、高次の球面収差を低減するためには、対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、第一光束が対物光学素子を通過した際に対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、対物光学素子の第一波長の設計波長から5nmずれた波長におけるグラフが不連続部を有し、不連続部における光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることが好ましい。なお、光路差の幅が0である場合は、グラフが不連続部を有さないということである。
また、第二光路差付与構造は、第二光路差付与構造を通過した第一光束及び第二光束に対して、第一光源又は第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)を補正することが好ましい。波長の僅かな変動とは、±10nm以内の変動を指す。例えば、第一光束が波長λ1より±5nm変化した際に、第二光路差付与構造によって、周辺領域を通過した第一光束の球面収差の変動を補償し、第1光ディスクの情報記録面上での波面収差の変化量が0.010λ1rms以上、0.095λ1rms以下となるようにすることが好ましい。また、第二光束が波長λ2より±5nm変化した際に、第二光路差付与構造によって、周辺領域を通過した第二光束の球面収差の変動を補償し、第2光ディスクの情報記録面上での波面収差の変化量が0.002λ2rms以上、0.03λ2rms以下となるようにすることが好ましい。これにより、光源であるレーザの波長の製造誤差や個体差による波長のバラつきに起因する収差を補正することができる。
第二光路差付与構造は、第二光路差付与構造を通過した第一光束及び第二光束に対して、対物光学素子の温度変化によって発生する球面収差も補正することが好ましい。例えば、対物光学素子の温度が±30℃変化した際に、第二光路差付与構造によって、周辺領域を通過した第一光束又は第二光束の球面収差の変動を補償し、第1光ディスクの情報記録面上での波面収差の変化量が0.010λ1rms以上、0.095λ1rms以下となるようにし、第2光ディスクの情報記録面上での波面収差の変化量が0.002λ2rms以上、0.03λ2rms以下となるようにすることが好ましい。
対物光学素子が最周辺領域を有する場合、対物光学素子は、対物光学素子の最周辺領域を通過する第一光束を、第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光する。また、最周辺領域を通過した第一光束において、第1光ディスクの記録及び/又は再生時にその球面収差が補正されていることが好ましい。
また、好ましい態様として、最周辺領域を通過した第二光束は、第2光ディスクの記録及び/又は再生に用いられず、最周辺領域を通過した第三光束は、第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられない態様が挙げられる。最周辺領域を通過した第二光束及び第三光束が、それぞれ第2光ディスク及び第3光ディスクの情報記録面上での集光スポットの形成に寄与しないようにすることが好ましい。つまり、対物光学素子が最周辺領域を有する場合、対物光学素子の最周辺領域を通過する第三光束は、第3光ディスクの情報記録面上でフレアを形成することが好ましい。言い換えると、対物光学素子の最周辺領域を通過した第三光束は、第3光ディスクの情報記録面上でスポット周辺部を形成することが好ましい。また、対物光学素子が最周辺領域を有する場合、対物光学素子の最周辺領域を通過する第二光束は、第2光ディスクの情報記録面上でフレアを形成することが好ましい。言い換えると、対物光学素子の最周辺領域を通過した第二光束は、第2光ディスクの情報記録面上でスポット周辺部を形成することが好ましい。
最周辺領域が第三光路差付与構造を有する場合、第三光路差付与構造が、第三光路差付与構造を通過した第一光束に対して、第一光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)を補正するようにしてもよい。波長の僅かな変動とは、±10nm以内の変動を指す。例えば、第一光束が波長λ1より±5nm変化した際に、第三光路差付与構造によって、最周辺領域を通過した第一光束の球面収差の変動を補償し、第1光ディスクの情報記録面上での波面収差の変化量が0.010λ1rms以上、0.095λ1rms以下となるようにすることが好ましい。
第三光路差付与構造は、第三光路差付与構造を通過した第一光束に対して、対物光学素子の温度変化によって発生する球面収差も補正することが好ましい。例えば、対物光学素子の温度が±30℃変化した際に、第三光路差付与構造によって、最周辺領域を通過した第一光束の球面収差の変動を補償し、第1光ディスクの情報記録面上での波面収差の変化量が0.010λ1rms以上、0.095λ1rms以下となるようにすることが好ましい。
なお、第一光路差付与構造は、少なくとも第一基礎構造を有する構造であることが好ましい。
第一基礎構造は、第一基礎構造を通過した第一光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。第一基礎構造は、第一基礎構造を通過した第一光束、第二光束及び第三光束の回折角を、それぞれ異ならせる光路差付与構造であることが好ましい。また、第一基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略1波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略0.6波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略0.5波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。
また、温度変化に基づいて発生する球面収差を補正する目的、色収差を補正する目的及び/又は全ての光ディスクの記録及び/又は再生時に平行光又は略平行光を対物光学素子に入射させる目的で、第一基礎構造に第三基礎構造又は第五基礎構造を重ねあわせた構造を、第一光路差付与構造としてもよい。
第三基礎構造は、第三基礎構造を通過した第一光束の2次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。第三基礎構造は、第三基礎構造を通過した第二光束の回折角を第一光束及び第三光束の回折角と異ならせる光路差付与構造であることが好ましい。また、第三基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略2波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略1.2波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略1波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。第五基礎構造は、第五基礎構造を通過した第一光束の10次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の6次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の5次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。第五基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略10波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略6波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略5波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。
また、第二光路差付与構造は、少なくとも所定の基礎構造を有する構造である。
所定の基礎構造とは、所定の基礎構造を通過した第一光束のx次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束のy次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。なお、xとyとは、下記の式(8)を満たす。
0.9 ・(x・λ1)/(n1−1) ≦ (y・λ2)/(n2−1)
≦1.2 ・(x・λ1)/(n1−1) (8)
但し、xは0以外の整数を指し、yは0以外の整数を指し、n1は対物光学素子の第一光束における屈折率を指し、n2は対物光学素子の第二光束における屈折率を指す。
上記式(8)を満たす基礎構造としては、例えば、第二基礎構造、第四基礎構造又は前述した第五基礎構造などが挙げられる。
第二基礎構造は、第二基礎構造を通過した第一光束の5次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の3次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の3次及び2次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。なお、第三光束において3次の回折光量の方が、2次の回折光量よりも若干大きいことが好ましい。第二基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略5波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略3波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略2.5波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。第四基礎構造は、第四基礎構造を通過した第一光束の3次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の2次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の2次及び1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。なお、第三光束において2次の回折光量の方が、1次の回折光量よりも若干大きいことが好ましい。また、第四基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略3波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略1.9波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略1.6波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。なお、第二基礎構造、第四基礎構造及び第五基礎構造(特に第二基礎構造及び第五基礎構造)は、温度が上昇し、第一光源、第二光源及び第三光源の波長が伸びた際に、球面収差をアンダーにする機能を有しており、これによって、温度上昇時のプラスチックの屈折率低下に伴う、球面収差のオーバーを補償することが出来、良好な球面収差を得ることが可能となる。なお、第五基礎構造に比べて、第二基礎構造の方が、段差の深さを浅くすることが出来る。また、第二光路差付与構造の第二基礎構造、第四基礎構造又は第五基礎構造は、他の基礎構造と異なる母非球面(ベース面)に設けられていてもよい。また、第二光路差付与構造の第二基礎構造、第四基礎構造又は第五基礎構造は、入射した光束に対して上述した光路差を与えつつ、第二基礎構造、第四基礎構造又は第五基礎構造が、できるだけ入射した光束の向きに影響を与えないように設定された母非球面(ベース面)に設けられている事が好ましい。更には、第二光路差付与構造の第二基礎構造、第四基礎構造又は第五基礎構造は、光軸と直交する方向に光軸から離れるにつれて、光学素子の内側に入り込んでいき、あるところを境に、光軸から離れるにつれて、光学素子の外側へと向かうような構造である事が好ましい。(つまり、段々深くなっていき、あるところを境に浅くなる構造である事が好ましい。)
なお、好ましくは、下記の式(8’)を満たすことである。
0.95 ・(x・λ1)/(n1−1) ≦ (y・λ2)/(n1−1)
≦1.05 ・(x・λ1)/(n1−1) (8’)
上記式(8’)を満たす基礎構造としては、例えば、第二基礎構造又は第五基礎構造などが挙げられる。なお、第四基礎構造は、式(8’)を満たさない。
また、第二光路差付与構造は、前述した所定の基礎構造に他の基礎構造を重畳させた構造であることが好ましく、他の基礎構造としては、前述した第三基礎構造、第四基礎構造又は第六基礎構造のいずれかであることが好ましい。第六基礎構造は、第六基礎構造を通過した第一光束の0次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の0次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。第六基礎構造は、4段の小階段状構造を複数有する構造であることが好ましく、小階段状構造の一段の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略2波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略1.2波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略1波長分の光路差を与えるような段差量であり、4段の小階段状構造全体としては、第1光束に対して第1波長の略8波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略5波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略4波長分の光路差を与えるような構造となっている事が好ましい。
また、色収差を補正する目的及び/又は全ての光ディスクの記録及び/又は再生時に平行光又は略平行光を対物光学素子に入射させる目的で、第二光路差付与構造に、さらに第三基礎構造を重畳させるようにしてもよい。
さらに、対物光学素子がプラスチックレンズである場合、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有することが好ましい。この場合、第三光路差付与構造は、少なくとも前述した第一基礎構造、第二基礎構造、第三基礎構造、第四基礎構造、第五基礎構造又は第八基礎構造のいずれか一つを有する構造であることが好ましい。第八基礎構造は、第八基礎構造を通過した第一光束の4次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の3次及び2次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の2次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。また、第八基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略4波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略2.5波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略2波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。なお、第二光路差付与構造が、第三基礎構造を有する場合、第三光路差付与構造は、第一基礎構造、第二基礎構造、第四基礎構造、第五基礎構造又は第八基礎構造を有することが好ましい。一方、第二光路差付与構造が、第四基礎構造を有する場合、第三光路差付与構造は、第一基礎構造、第二基礎構造、第三基礎構造、第五基礎構造又は第八基礎構造を有することが好ましい。また、製造上の観点からは、第二基礎構造が製造しやすいため好ましい。また、温度変化や波長変化に伴う回折効率や光利用効率の変化幅をより小さく抑えるという観点では、第三基礎構造や第四基礎構造が好ましいが、特に第四基礎構造においては透過率が若干低下してしまう。従って、目的に応じて第三光路差付与構造の基礎構造を選択することができる。
対物光学素子がガラスレンズやアサーマル樹脂からなるレンズである場合、屈折面である最周辺領域を有することが好ましい。
尚、第一光路差付与構造、第二光路差付与構造、及び、第三光路差付与構造は、それぞれ複数の領域に分けられ、各領域毎に異なる基礎構造からなるようにしてもよい。特に、第二光路差付与構造及び第三光路差付与構造は、複数の領域に分けられ、各領域毎に異なる基礎構造からなるようにしてもよい。例えば、第二光路差付与構造を光軸に近い側の内側領域とその外側の外側領域に分け、内側領域は、第二基礎構造と第三基礎構造を重畳させた構造とし、外側領域は第二基礎構造と第三基礎構造に加え、後述する第七基礎構造を重畳させた構造とするようにしてもよい。
また、金型の製造を容易にしたり、金型の転写性を良好にする観点からは、段差のピッチ幅は小さすぎない方が好ましい。従って、複数の基礎構造を重ねあわせて基礎となる光路差付与構造を設計した際に、ピッチ幅が5μm以下の輪帯が発生する場合、そのようなピッチ幅が5μm以下の輪帯を除去して、最終的な光路差付与構造を得る事が好ましい。ピッチ幅が5μm以下の輪帯が凸状である場合は、輪帯を削る事により除去すればよく、ピッチ幅が5μm以下の輪帯が凹状である場合は、輪帯を埋める事により除去すればよい。
従って、少なくとも第一光路差付与構造のピッチ幅は全て5μmより大きい事が好ましい。好ましくは、第一光路差付与構造、第二光路差付与構造及び第三光路差付与構造の全てのピッチ幅が5μmより大きい事である。
また、段差量は大きすぎない方が好ましい。基礎構造を複数重ね合わせて得た基礎となる光路差付与構造のある輪帯の段差量が基準の値より高い場合、輪帯の段差量を10・λB/(n−1)(μm)だけ低くすることにより、光学性能に影響を及ぼすことなく、大きすぎる段差量を減らすことが可能となる。なお、基準の値としては、任意の値を設定する事ができるが、10・λB/(n−1)(μm)を基準値とする事が好ましい。λBは第一光束の設計波長(μm)を表す。nは波長λBにおける光学素子の屈折率を表す。
尚、ピッチ幅とは、光軸と直交方向の一つの輪帯の幅をいう。また、段差量とは、光軸方向の輪帯の段差の深さをいう。
また、細長い輪帯が少ない方が製造上好ましいという観点から、第一光路差付与構造の全ての輪帯において、(段差量/ピッチ幅)の値が、1以下である事が好ましく、更に好ましくは0.8以下である事である。更に好ましくは、全ての光路差付与構造の全ての輪帯において、(段差量/ピッチ幅)の値が、1以下である事が好ましく、更に好ましくは0.8以下である事である。
第1光ディスクに対して情報を再生及び/又は記録するために必要な対物光学素子の像側開口数をNA1とし、第2光ディスクに対して情報を再生及び/又は記録するために必要な対物光学素子の像側開口数をNA2(NA1≧NA2)とし、第3光ディスクに対して情報を再生及び/又は記録するために必要な対物光学素子の像側開口数をNA3(NA2>NA3)とする。NA1は、0.8以上、0.9以下であることか、又は、0.55以上、0.7以下であることが好ましい。特にNA1は0.85であることが好ましい。NA2は、0.55以上、0.7以下であることが好ましい。特にNA2は0.60であることが好ましい。また、NA3は、0.4以上、0.55以下であることが好ましい。特にNA3は0.45又は0.53であることが好ましい。
対物光学素子の中央領域と周辺領域の境界は、第三光束の使用時において、0.9・NA3以上、1.2・NA3以下(より好ましくは、0.95・NA3以上、1.15・NA3以下)の範囲に相当する部分に形成されていることが好ましい。より好ましくは、対物光学素子の中央領域と周辺領域の境界が、NA3に相当する部分に形成されていることである。また、対物光学素子の周辺領域と最周辺領域の境界は、第二光束の使用時において、0.9・NA2以上、1.2・NA2以下(より好ましくは、0.95・NA2以上、1.15・NA2以下)の範囲に相当する部分に形成されていることが好ましい。より好ましくは、対物光学素子の周辺領域と最周辺領域の境界が、NA2に相当する部分に形成されていることである。対物光学素子の最外周の外側の境界は、第一光束の使用時において、0.9・NA1以上、1.2NA1以下(より好ましくは、0.95・NA1以上、1.15・NA1以下)の範囲に相当する部分に形成されていることが好ましい。より好ましくは、対物光学素子の最外周の外側の境界が、NA1に相当する部分に形成されていることである。
対物光学素子を通過した第三光束を第3光ディスクの情報記録面上に集光する場合に、球面収差が少なくとも1箇所の不連続部を有することが好ましい。その場合、不連続部は、第三光束の使用時において、0.9・NA3以上、1.2・NA3以下(より好ましくは、0.95・NA3以上、1.15・NA3以下)の範囲に存在することが好ましい。また、対物光学素子を通過した第二光束を第2光ディスクの情報記録面上に集光する場合にも、球面収差が少なくとも一箇所の不連続部を有することが好ましい。その場合、不連続部は、第二光束の使用時において、0.9・NA2以上、1.2・NA2以下(より好ましくは、0.95・NA2以上、1.1・NA2以下)の範囲に存在することが好ましい。
また、球面収差が連続していて、不連続部を有さない場合であって、対物光学素子を通過した第三光束を第3光ディスクの情報記録面上に集光する場合に、NA2では、縦球面収差の絶対値が0.03μm以上であって、NA3では縦球面収差の絶対値が0.02μm以下であることが好ましい。より好ましくは、NA2では、縦球面収差の絶対値が0.08μm以上であって、NA3では縦球面収差の絶対値が0.01μm以下である。また、対物光学素子を通過した第二光束を第2光ディスクの情報記録面上に集光する場合に、NA1では、縦球面収差の絶対値が0.03μm以上であって、NA2では縦球面収差の絶対値が0.005μm以下であることが好ましい。
また、回折効率は回折構造の輪帯深さに依存するので、光ピックアップ装置の用途に応じて、中央領域の各波長に対する回折効率を適宜設定可能である。例えば、第1光ディスクに対して記録及び再生を行い、第2、第3光ディスクに対して再生のみ行う光ピックアップ装置の場合には、中央領域及び/又は周辺領域の回折効率は第一光束重視とするのが好ましい。一方、第1光ディスクに対して再生のみを行い、第2、第3光ディスクに対して記録及び再生を行う光ピックアップ装置の場合には、中央領域の回折効率は、第二、第三光束重視とし、周辺領域の回折効率は第二光束重視とするのが好ましい。
何れの場合でも、下記条件式(14)を満たすようにすることで、各領域の面積加重平均により計算される第一光束の光利用効率を高く確保することが可能となる。
η11≦η21 (14)
但し、η11は中央領域における第一光束の光利用効率を表し、η21は周辺領域における第一光束の光利用効率を表す。なお、中央領域の光利用効率を第二、第三波長の光束重視とした場合には、中央領域の第一光束の光利用効率は低くなるが、第1光ディスクの開口数が第3光ディスクの開口数に比べて大きい場合は、第一光束の有効径全体で考えると中央領域の光利用効率低下はそれほど大きな影響を与えない。
また、下記の式(3)を満たすことが好ましい。
η13≧40% (3)
但し、η13は中央領域における第三光束の光利用効率を表す。
なお、本明細書における光利用効率とは、以下のように定義することができる。第一光路差付与構造及び第二光路差付与構造(及び第三光路差付与構造)が形成された対物光学素子であって、測定対象以外の領域に入射する光束を遮断した場合に、測定に用いる光束に対応する光ディスクの情報記録面上に形成された集光スポットのエアリーディスク内の光量をAとし、同一の材料から形成され、且つ、同一の焦点距離、軸上厚さ、開口数、波面収差を有し、第一光路差付与構造、第二光路差付与構造及び第三光路差付与構造が形成されない対物光学素子であって、測定対象以外の領域に入射する光束を遮断した場合に、測定に用いる光束に対応する光ディスクの情報記録面上に形成された集光スポットのエアリーディスク内の光量をBとしたとき、A/Bにより算出するものとする。なお、ここでいうエアリーディスクとは、集光スポットの光軸を中心とする半径r’の円をいう。r’=0.61・λ/NAで表される。
また、第三光ディスクの記録及び/又は再生を行う際の光利用効率を向上させつつ、第一光ディスク及び第二光ディスクの記録及び/又は再生を良好に行えるようにするためには、ブレーズ波長が、第一波長と第二波長の間の波長とすることが好ましい。更に好ましくは、405nm以上、600nm以下とすることである。
また、第一光路差付与構造を通過した第三光束において、最大の光量となる回折次数の回折光の光量と、次に大きな光量となる回折次数の回折光の光量の差、即ち、第一ベストフォーカスを形成する回折光の光量と、第二ベストフォーカスを形成する回折光の光量の差が、15%以上であることが好ましい。更に好ましくは、30%以上である。
第一光束、第二光束及び第三光束は、平行光として対物光学素子に入射してもよいし、発散光若しくは収束光として対物光学素子に入射してもよい。好ましくは、第一光束の、対物光学素子への入射光束の倍率m1が、下記の式(4)を満たすことである。
−0.02<m1<0.02 (4)
一方で、第一光束を発散光として対物光学素子に入射する場合、第1光束が対物光学素子へ入射する時の、対物光学素子の倍率m1が、下記の式(4’)を満たすことが好ましい。
−0.10<m1<0.00 (4’)
また、第二光束を平行光又は略平行光として対物光学素子に入射させる場合、第二光束の対物光学素子への入射光束の倍率m2が、下記の式(5)を満たすことが好ましい。
−0.02<m2<0.02 (5)
一方で、第二光束を発散光として対物光学素子に入射させる場合、第二光束の対物光学素子への入射光束の倍率m2が、下記の式(5’)を満たすことが好ましい。
−0.10<m2<0.00 (5’)
また、第三光束を平行光又は略平行光として対物光学素子に入射させる場合、第三光束の対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(6)を満たすことが好ましい。
−0.02<m3<0.02 (6)
上記(6)式を満たす場合、即ち、第三光束を平行光又は略平行光として対物光学素子に入射させる場合は、対物光学素子が第四光路差付与構造を有することが好ましい。対物光学素子に第四光路差付与構造を設ける場合は、第一光路差付与構造及び第二光路差付与構造が設けられている光学面とは別の光学面に設けられることが好ましい。また、第四光路差付与構造は、対物光学素子の光ディスク側の面に設けられることが好ましい。第四光路差付与構造は、色収差を補正する構造であることが好ましい。また、第四光路差付与構造は、第二基礎構造、第三基礎構造、第五基礎構造又は第六基礎構造のいずれかを有する構造であることが好ましい。なお、第四光路差付与構造が第三基礎構造を有する場合は、第一光束及び第二光束に対して、第1光ディスクの保護基板の厚さt1と第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差の補正の機能も第四光路差付与構造が持つことができ、当該機能を第二光路差付与構造と分け合うことができるため、好ましい。
また、上記(6)式を満たす場合、第四光路差付与構造を設ける代わりに、第一光路差付与構造、第二光路差付与構造及び第三光路差付与構造の少なくとも一つ(好ましくは、二つ、更に好ましくは全て)に、色収差補正などの機能を有する基礎構造を重ね合わせる(重畳する)ようにしても良い。例えば、第一光路差付与構造、第二光路差付与構造及び第三光路差付与構造の少なくとも一つに、第二基礎構造、第三基礎構造、第五基礎構造又は第六基礎構造のいずれかを重ね合わせる構造としても良い。特に、上記(4)、(5)、及び(6)を満たす場合、特に、第一光束、第二光束及び第三光束の全てを平行光として対物光学素子に入射させる場合であって第四光路差付与構造を対物光学素子に設けない場合は、第一光路差付与構造に、第三基礎構造を重畳することが好ましい。
一方で、第三光束を発散光として対物光学素子に入射させる場合、第三光束の対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(7)を満たすことが好ましい。
−0.10<m3<0.00 (7)
尚、対物光学素子がプラスチックレンズを有する場合、温度特性を良好に保つことが好ましい。その場合、下記の条件式(16)を満たすことが好ましい。さらに、波長特性と温度特性で良好なバランスを保つことが好ましい。この様な特性を満たすために、下記の条件式(16)及び(17)を満たすことが好ましい。
+0.0005(WFEλrms/(℃・mm)) ≦ δSAT1/f’
≦ +0.0020(WFEλrms/(℃・mm)) (16)
−0.00020(WFEλrms/(nm・mm)) ≦ δSAλ/f’
≦ −0.00002(WFEλrms/(nm・mm)) (17)
但し、δSAT1は、使用波長(この場合、温度変化に伴う波長変動がないとする)における光ディスクの情報の記録/再生を行う際の対物光学素子のδSA3/δT(3次球面収差の温度変化率)を表す。使用波長とは、対物光学素子を有する光ピックアップ装置で用いられている光源の波長をいう。好ましくは、使用波長は、400nm以上、415nm以下の範囲の波長であって、対物光学素子を介して、光ディスクの情報の記録/再生を行うことができる波長である。使用波長を上述のように設定できない場合は、408nmを使用波長として、対物光学素子のδSAT1及び後述するδSAT2、δSAT3を求めてもよい。なお、WFEは、3次球面収差が波面収差で表現されていることを示している。また、δSAλは、使用波長における光ディスクの情報の記録/再生を行う際の対物光学素子のδSA3/δλ(3次球面収差の波長変化率)を表す。尚、環境温度は室温である事が好ましい。室温とは、10℃以上、40℃以下であり、好ましくは、25℃である。f’は、波長λ1の光束(好ましくは波長408nm)における対物光学素子の焦点距離を指す。
更に言えば、温度変化による対物光学素子の球面収差変化に加えて、温度変化に伴う光源の波長変化を考慮することが好ましい。好ましくは、以下の条件式(18)を満たすことである。
0(WFEλrms/(℃・mm)) ≦ δSAT2/f’
≦ +0.0020(WFEλrms/(℃・mm)) (18)
但し、δSAT2は、温度変化に伴う波長変動が0.05nm/℃である光源において、光ディスクの情報の記録/再生を行う際の対物光学素子のδSA3/δTを指す。
より好ましくは、下記の条件式(18’)を満たすことである。
0(WFEλrms/(℃・mm)) ≦ δSAT2/f’
≦ +0.0015(WFEλrms/(℃・mm)) (18’)
また、光ピックアップ装置の集光光学系がコリメートレンズ等のカップリングレンズを有し、そのカップリングレンズがプラスチックレンズである場合、以下の条件式(19)を満たすことが好ましい。
0(WFEλrms/(℃・mm)) ≦ δSAT3/f’
≦ +0.0015(WFEλrms/(℃・mm)) (19)
但し、δSAT3は、温度変化に伴う波長変動が0.05nm/℃である光源において、高密度光ディスクの情報の記録/再生を行う際のカップリングレンズと対物光学素子を含んだ光学系全体のδSA3/δTを指す。
また、第3光ディスクを用いる際の対物光学素子のワーキングディスタンス(WD)は、0.15mm以上、1.5mm以下であることが好ましい。好ましくは、0.2mm以上、0.4mm以下である。次に、第2光ディスクを用いる際の対物光学素子のWDは、0.3mm以上、0.7mm以下であることが好ましい。さらに、第1光ディスクを用いる際の対物光学素子のWDは、0.4mm以上、0.9mm以下(t1<t2である場合は、0.6mm以上、0.9mm以下が好ましい)であることが好ましい。
また、上記WDを少しでも伸ばすために、対物光学素子が単玉のレンズである場合、当該レンズの軸上厚は、できるだけ薄い方が好ましい。一方で、薄くしすぎると、レンズがプラスチックレンズである場合、温度変化の影響が大きくなりすぎてしまい好ましくない。そこで、以下の条件式(15)を満たすことが好ましい。
1 ≦ T/f ≦ 1.13 (15)
但し、T(mm)は対物光学素子の軸上厚を表し、f(mm)は第三光束における対物光学素子の焦点距離を表す。なお、対物光学素子の軸上厚は2.31mm以上、2.61mm以下であることが好ましい。
対物光学素子の入射瞳径は、第1光ディスクを用いる際に、φ2.8mm以上、φ4.5mm以下であることが好ましい。
なお、CDなどの第3光ディスクのトラッキングを行う際にトラッキング用のセンサに中央領域を通過した不要光が及ぼす影響をできるだけ低減するという観点からは、以下の条件式(1’’)を満たすことが好ましい。
0.02 ≦ L/f < 0.05 (1’’)
より好ましくは、以下の条件式(1’’’)を満たすことである。
0.032 < L/f < 0.05 (1’’’)
しかしながら、上記のように第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスとの距離を離すと、第3光ディスクの記録/再生時に、周辺領域を通過した第三光束も受光素子に入射してしまい記録/再生の正確性に影響を及ぼす可能性が生じる。当該影響を及ぼす可能性を低減するために、上記の条件式(1’’)を満たす場合は、1)周辺領域及び/又は最周辺領域に第三光束をフレアとしてより遠くに飛ばすための構造を設けるか、2)開口制限素子を設けることが好ましい。
まず、1)の周辺領域及び/又は最周辺領域に第三光束をフレアとしてより飛ばすための構造を設けることについて説明する。
第3光ディスクの記録/再生において、周辺領域及び/又は最周辺領域を通過する第三光束の好ましい状態について先ず説明する。第3光ディスクの記録/再生を想定した場合、縦軸を光軸に直交する方向での光軸からの高さとし、横軸をデフォーカス量とした第三光束の縦球面収差図において、対物光学素子の中央領域を通過した第三光束のデフォーカス量と、周辺領域及び/又は最周辺領域を通過した第三光束のデフォーカス量との差の絶対値が大きいと好ましい状況といえる。そこで、上記の条件式(1’’)を満たす場合であって、第3光ディスクの記録/再生を想定した縦球面収差図において、対物光学素子の中央領域を通過した第三光束のデフォーカス量と、周辺領域及び/又は最周辺領域を通過した第三光束のデフォーカス量とにおける、差の絶対値の最小値が10μm以下である場合は、以下のようにする事が好ましい。デフォーカス量の差が10μm以下となっている光軸高さの部分に第三光束をフレアとしてより大きく飛ばすような光路差付与構造を設け、対物光学素子の中央領域を通過した第三光束のデフォーカス量と、周辺領域及び/又は最周辺領域を通過した第三光束のデフォーカス量とにおける、差の最小値を10μmより大きくすることが好ましい。即ち、上記の条件式(1’’)を満たす場合の縦球面収差図において、対物光学素子の中央領域(第3光ディスクの必要開口数以下の領域としてもよい)を通過した第三光束のデフォーカス量と、周辺領域及び/又は最周辺領域(第3光ディスクの必要開口数以上の領域としてもよい)を通過した第三光束のデフォーカス量とにおける、差の絶対値の最小値が、10μmより大きいことが好ましい。好ましくは、15μmより大きいことである。
尚、条件式(1’’)を満たす場合、第二光路差付与構造及び/又は第三光路差付与構造は、少なくともその一部の領域において、他の基礎構造に加えて、第三光束をフレアとしてより大きく飛ばす構造として、第七基礎構造を有することが好ましい。第七基礎構造は、第七基礎構造を通過した第一光束の0次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第二光束の0次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくし、第三光束の±1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする光路差付与構造である。また、第七基礎構造の光軸方向の段差量は、第1光束に対して第1波長の略5波長分の光路差を与え、第2光束に対して第2波長の略3波長分の光路差を与え、第3光束に対して第3波長の略2.5波長分の光路差を与えるような段差量である事が好ましい。さらに、第七基礎構造の形状は、一段の凹凸を繰り返すバイナリ状の形状である事が好ましい。一例としては、第二光路差付与構造の光軸に近い方の内側領域を第二基礎構造と第三基礎構造を重畳させた構造とし、第二光路差付与構造の内側領域よりも光軸から離れた外側領域を第二基礎構造、第三基礎構造及び第七基礎構造を重畳させた構造とすることが挙げられる。特に前の段落で述べたような光軸高さの部分に第七基礎構造を設けることが好ましい。多くの場合において、周辺領域の光軸から離れた側に第七基礎構造を設け、最周辺領域の光軸に近い側に第七基礎構造を設けることが好ましい。
次に、第2光ディスクの記録/再生において、最周辺領域を通過する第ニ光束の好ましい状態について説明する。第2光ディスクの記録/再生を想定した場合、縦球面収差図において、対物光学素子の中央領域及び周辺領域を通過した第二光束のデフォーカス量と、最周辺領域を通過した第二光束のデフォーカス量との差の絶対値が大きいと好ましい状況といえる。そこで、上記の条件式(1’’)を満たす場合であって、第2光ディスクの記録/再生を想定した縦球面収差図において、対物光学素子の中央領域及び周辺領域を通過した第二光束のデフォーカス量と、最周辺領域を通過した第二光束のデフォーカス量とにおける、差の絶対値の最小値が10μm以下である場合は、以下のようにする事が好ましい。デフォーカス量の差が10μm以下となっている光軸高さの部分に第二光束をフレアとしてより大きく飛ばすような光路差付与構造を設け、対物光学素子の中央領域及び周辺領域を通過した第二光束のデフォーカス量と、最周辺領域を通過した第二光束のデフォーカス量とにおける、差の最小値を10μmより大きくすることが好ましい。即ち、上記の条件式(1’’)を満たす場合の縦球面収差図において、対物光学素子の中央領域及び周辺領域(第2光ディスクの必要開口数以下の領域としてもよい)を通過した第二光束のデフォーカス量と、最周辺領域(第2光ディスクの必要開口数以上の領域としてもよい)を通過した第二光束のデフォーカス量とにおける、差の絶対値の最小値が、10μmより大きいことが好ましい。好ましくは、15μmより大きいことである。
尚、条件式(1’’)を満たす場合、第三光路差付与構造に、第二光束をフレアとしてより遠くに飛ばすための構造を設けることが好ましい。例えば、第三光路差付与構造の少なくともその一部の領域において、第二光束をフレアとして大きく飛ばす構造として第三基礎構造を有するものがその一例として挙げられる。尚、第二光束をフレアとして大きく飛ばす構造としてどのような基礎構造を用いるかが好ましいかは、他の光路差付与構造との関係によるため、一概には言えない。一例としては、第三光路差付与構造の光軸に近い方の内側領域を第三基礎構造のみからなる構造とし、第三光路差付与構造の内側領域よりも光軸から離れた外側領域を第二基礎構造のみからなる構造とすることが挙げられる。また、この例において、第三光路差付与構造の内側領域を更に二つの領域に分け、より光軸に近い方にある内側領域を第七基礎構造と第三基礎構造を重畳させた構造とし、光軸から離れた方にある内側領域を第三基礎構造のみからなる構造とするようにしてもよい。他の例としては、第三光路差付与構造を二つの領域に分け、より光軸に近い方にある内側領域を第七基礎構造と第二基礎構造を重畳させた構造とし、光軸から離れた方にある外側領域を第二基礎構造のみからなる構造とするようにしてもよい。
次に、2)の開口制限素子を設けることについて説明する。上述のように第二光路差付与構造及び/又は第三光路差付与構造に第七基礎構造を付与する場合、光学設計によっては、第七基礎構造によって発生する第三光束の+1次回折光及び/又は−1次回折光が受光素子上に入射してしまう可能性がある。それを防ぐためには、開口制限素子を設けることが好ましい。この場合、第二光路差付与構造及び/又は第三光路差付与構造に第七基礎構造を付与する必要はなくなる。
開口制限素子は、第一光束、第二光束及び第三光束に共通の光路中であって、対物光学素子よりも第一光源、第二光源及び第三光源に近い側に設けられることが好ましい。また、開口制限素子は、光軸に近い第一領域と、第一領域よりも光軸から離れた第二領域を有する。第一領域は、第一光束、第二光束及び第三光束の全てを透過し、第二領域は、第一光束及び第二光束を透過し、第三光束を、開口制限素子の第一領域及び対物光学素子を透過した第三光束の集光位置には集光させない。尚、第二領域としては、ダイクロフィルターのように、第一光束及び第二光束を透過し、第三光束を透過させないことにより、第一領域を通過した第三光束の集光位置に集光させない種類と、回折光学素子のように、第一光束及び第二光束を透過し、第三光束をフレアにさせることにより、第一領域を通過した第三光束の集光位置に集光させない種類がある。第一領域を通過した第三光束は、対物光学素子の中央領域に入射するものとする。この様な開口制限素子の具体例としては、ダイクロフィルターや回折光学素子が好ましく用いられ、特に、光軸に近い領域では、青色光、赤色光及び赤外光を透過し、光軸から離れた領域では、青色光及び赤色光は透過し、赤外光は透過しないダイクロフィルターが好ましく用いられる。
また、光ピックアップ装置は、多くの場合、直線偏光を円偏光に変換、又は、円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4波長板を有するが、開口制限素子は、このλ/4波長板と一体化されるようにしてもよい。
λ/4波長板の好ましい例としては、大きく以下の3種が挙げられるが、それに限られるものではない。λ/4波長板の第一の種類としては、液晶モノマーが硬化された高分子液晶層を有するλ/4波長板が挙げられる。例えば、第1の有機物薄膜層と第2の有機物薄膜層とを備えた位相板とし、第1の有機物薄膜層はある領域(例えば可視域)の光に対し1/2波長のリタデーション値を有し、第2の有機物薄膜層は同領域の光に対し1/4波長のリタデーション値を有し、かつ、第1の有機物薄膜層の光軸と第2の有機物薄膜層の光軸がそれぞれ所定の角度で交差するように第1及び第2の有機物薄膜層を重ねた位相板であり、この第1及び第2有機物薄膜層が高分子液晶層であることなどが挙げられる。より詳細には、例えば、公開特許公報の特開2004−198942に記載されている内容を、第一の種類のλ/4波長板に適用することができる。
λ/4波長板の第二の種類としては、構造性複屈折を有するλ/4波長板が挙げられる。例えば、屈折率が互いに異なる2種の媒体が微小な周期長(例えば、100〜300nm)で交互に並び、かつ、構造性複屈折を示す屈折率周期構造を有し、当該構造複屈折により位相差がもたらされるものが挙げられる。また、別の例としては、λ/2<P<λ(Pは構造周期(μm)、λは波長(μm))の凹凸周期構造を有する波長板素子を複数枚用い、光透過率が高くなるように各波長板素子の構造寸法を決定して組み合わせたものなどが挙げられる。後者の例について、より詳細には、例えば、公開特許公報の特開2006−139263に記載されている内容を、第二の種類のλ/4波長板に適用することができる。
λ/4波長板の第三の種類としては、特定波長域のみ円偏光から直線偏光に変換又は直線偏光から円偏光に変換するような複数層の高分子フィルムを積層させたλ/4波長板が挙げられる。より詳細には、例えば、ヨーロッパ特許公開公報EP1134068に記載されている内容を、第三の種類のλ/4波長板に適用することができる。
本発明に係る光情報記録再生装置は、上述の光ピックアップ装置を有する光ディスクドライブ装置を有する。
ここで、光情報記録再生装置に装備される光ディスクドライブ装置に関して説明すると、光ディスクドライブ装置には、光ピックアップ装置等を収納している光情報記録再生装置本体から光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイのみが外部に取り出される方式と、光ピックアップ装置等が収納されている光ディスクドライブ装置本体毎、外部に取り出される方式とがある。
上述した各方式を用いる光情報記録再生装置には、概ね、次の構成部材が装備されているがこれに限られるものではない。ハウジング等に収納された光ピックアップ装置、光ピックアップ装置をハウジングごと光ディスクの内周あるいは外周に向けて移動させるシークモータ等の光ピックアップ装置の駆動源、光ピックアップ装置のハウジングを光ディスクの内周あるいは外周に向けてガイドするガイドレールなどを有した光ピックアップ装置の移送手段及び、光ディスクの回転駆動を行うスピンドルモータ等である。
前者の方式には、これら各構成部材の他に、光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイおよびトレイを摺動させるためのローディング機構等が設けられ、後者の方式にはトレイおよびローディング機構がなく、各構成部材が外部に引き出し可能なシャーシに相当するドロワーに設けられていることが好ましい。
本発明によれば、 対物光学素子として単玉のレンズを用いたとしても、CDやDVDの記録及び/又は再生時に適正なフレアを発生させることを可能とし、高密度光ディスクとDVDとCD等の、記録密度が異なる3種類のディスクに対して情報の記録及び/又は再生を適切に行うことができる光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置であって、その構成の簡素化、低コスト化を実現可能な光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置を提供することが可能となる。 加えて、3つの異なる光ディスクの全てに対して、光利用効率を高め、十分な光量を確保できる光ピックアップ装置、対物光学素子及び光情報記録再生装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図4は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる本実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU1は、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長408nmの青紫色レーザ光束(第1光束)を射出する青紫色半導体レーザLD1(第1光源)とDVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長658nmのレーザ光束(第2光束)を射出する赤色半導体レーザLD2(第2光源)とが一つのパッケージ内に構成された光源パッケージLDP、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する赤外半導体レーザLD3(第3光源)とCDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する光検出器PD2とから構成されたホロレーザHL、BD及びDVD用の共通の光検出器PD1(BD用とDVD用の複数の受光部を有していてもよい)、1群構成のポリオレフィン系のプラスチック製の単玉対物レンズ(対物光学素子)OL、2軸アクチュエータAC1、1軸アクチュエータAC2、第1乃至第3光束が共通して通過する共通光路内に配置され、1軸アクチュエータAC2より光軸方向に変移可能とされた第1レンズL1と、第2レンズL2とから構成されたビームエキスパンダーEXP、第1偏光ビームスプリッタBS1、第2偏光ビームスプリッタBS2、1/4波長板QWP、情報記録面RL1からの反射光束に対して非点収差を付加するためのセンサーレンズSEN、第1光束及び第2光束が通過する光路内に配置され第1光束及び第2光束を平行光束に変換する第1コリメータCOL1、第3光束のみが通過する光路内に配置され第3光束を平行光束に変換する第2コリメータCOL2とから構成されている。尚、BD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。なお、第一光束が通過するカップリングレンズ、即ち、第1コリメータCOL1は、第二基礎構造を有する光路差付与構造のような、色収差を補正する機能を有する構造を光学面に有していることが好ましい。
図1及び図5に示されるように、本実施の形態の対物レンズOLにおいて、光源側の非球面光学面に光軸を含む中央領域CNと、その周囲に配置された周辺領域MDと、更にその周囲に配置された最周辺領域OTとが、光軸を中心とする同心円状に形成されている。なお、図1及び図5の中央領域、周辺領域、最周辺領域の面積などの比率は正確には表されていない。
光ピックアップ装置PU1において、BDに対して情報の記録/再生を行う場合には、ビームエキスパンダーEXPから平行光束の状態で第1光束が射出されるように、第1レンズL1の光軸方向の位置を1軸アクチュエータAC2により調整した後、青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、図4において実線でその光線経路を描いたように、第1偏光ビームスプリッタBS1により反射された後、コリメータCOL1により平行光束に変換され、ビームエキスパンダーEXPにより拡径され、1/4波長板QWPを通過し、図示しない絞りにより光束径が規制され、対物レンズOLに平行光の状態で入射した後、そこからBDの保護基板PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOLの中央領域CN、周辺領域MD、最周辺領域OT及び光ディスク側の光学面を通過した光束により、BDの情報記録面RL1に集光スポットが形成されるようになっている。対物レンズOLは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOL、1/4波長板QWP、ビームエキスパンダーEXP及び第2偏光ビームスプリッタBS2を透過した後、第1コリメータCOL1により収斂光束にされ、第1偏光ビームスプリッタBS1を透過した後、センサーレンズSENにより非点収差が付加され、光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いてBDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU1において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、ビームエキスパンダーEXPから平行光束の状態で第2光束が射出されるように、第1レンズL1の光軸方向の位置を1軸アクチュエータAC2により調整した後、赤色半導体レーザLD2を発光させる。赤色半導体レーザLD2から射出された発散光束は、図4において点線でその光線経路を描いたように、第1偏光ビームスプリッタBS1により反射された後、コリメータCOL1により平行光束に変換され、ビームエキスパンダーEXPにより拡径され、1/4波長板QWPを通過し、図示しない絞りにより光束径が規制され、対物レンズOLに平行光の状態で入射した後、そこからDVDの保護基板PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOLの中央領域CN、周辺領域MD及び光ディスク側の光学面を通過した光束により、DVDの情報記録面RL2に集光スポット、即ち、スポット中心部が形成されるようになっている。最周辺領域OTを通過した光束はフレア化され、スポット周辺部を形成する。対物レンズOLは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOL、1/4波長板QWP、ビームエキスパンダーEXP及び第2偏光ビームスプリッタBS2を透過した後、第1コリメータCOL1により収斂光束にされ、第1偏光ビームスプリッタBS1を透過した後、センサーレンズSENにより非点収差が付加され、光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU1において、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、ビームエキスパンダーEXPから弱発散光束の状態で第3光束が射出されるように(実施例1)、又は、平行光束の状態で第3光束が射出されるように(実施例2)、第1レンズL1の光軸方向の位置を1軸アクチュエータAC2により調整した後、赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、図4において一点鎖線でその光線経路を描いたように、第2コリメータCOL2により平行光束に変換される。その後、第2偏光ビームスプリッタBS2により反射され、ビームエキスパンダーEXPにより弱発散光束に変更されるか、又は、平行光束のまま拡径された後、1/4波長板QWPを通過し、対物レンズOLに弱有限発散光又は平行光の状態で入射した後、そこからCDの保護基板PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物レンズOLの中央領域CN及び光ディスク側の光学面を通過した光束により、CDの情報記録面RL3に集光スポット、即ち、スポット中心部が形成されるようになっている。最周辺領域OT及び周辺領域MDを通過した光束はフレア化され、スポット周辺部を形成する。対物レンズOLは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOL、1/4波長板QWP、ビームエキスパンダーEXPを透過した後、第2偏光ビームスプリッタBS2により反射され、第コリメータCOL2により収斂光束に変換される。その後、光検出器PD2に収束する。そして、光検出器PD2の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
青紫色半導体レーザLD1から出射された第一光束が対物光学素子OLに入射したときに、中央領域の第一光路差付与構造、周辺領域の第二光路差付与構造及び最周辺領域の第三光路差付与構造は、第一光束の球面収差を適正に補正し、保護基板の厚さt1のBDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。又、赤色半導体レーザLD2から出射された第二光束が対物光学素子OBJに入射したときに、中央領域の第一光路差付与構造、周辺領域の第二光路差付与構造は、BDとDVDの保護基板の厚さの差異及び第一光束と第二光束の波長の差異に起因して発生する第二光束の球面収差を適正に補正し、最周辺領域は第二光束をDVDの情報記録面上でフレアとするため、保護基板の厚さt2のDVDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。又、赤外半導体レーザLD3から出射された第三光束が対物光学素子OLに入射したときに、中央領域の第一光路差付与構造は、BDとCDの保護基板の厚さの差異及び第一光束と第三光束の波長の差異に起因して発生する第三光束の球面収差を適正に補正し、周辺領域の第二光路差付与構造及び最周辺領域は第三光束をCDの情報記録面上でフレアとするため、保護基板の厚さt3のCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。また、中央領域の第一光路差付与構造は、記録再生に用いられる第三光束の回折効率を良好なものとするため、記録再生に十分な第三光束の光量を得ることができる。加えて、周辺領域の第二光路差付与構造は、第一光束及び第二光束に対して、レーザの製造誤差等の理由によって波長が基準波長からずれた際に、スフェロクロマティズム(色球面収差)を補正したり、温度変化が生じたときに、温度変化に伴って発生する球面収差を補正することができる。
<実施例1>
次に、上述の実施の形態に用いることができる実施例について説明する。以下の実施例においては、対物光学素子は、単玉のポリオレフィン系のプラスチックレンズである。対物光学素子の光学面の中央領域CNの全面には、第一光路差付与構造が形成されている。光学面の周辺領域MDの全面には、第二光路差付与構造が形成されている。光学面の最周辺領域OTの全面には、第三光路差付与構造が設けられている。
また、実施例1において、第一光路差付与構造は、第一基礎構造のみを有する構造となっており、模式的に図2(a)に表されるように鋸歯状の形状となっている。鋸歯状の回折構造である第一基礎構造は、第1光束の1次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光の光量よりも大きくし、第2光束の1次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光の光量よりも大きくし、第3光束の1次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光量よりも大きくするように設計されている。
実施例1において、第二光路差付与構造は、第二基礎構造と第三基礎構造を重畳した構造となっており、二種類の鋸歯状の回折構造が重畳された形状となっている。より大きな鋸歯状の回折構造である第二基礎構造は、第1光束の5次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光の光量よりも大きくし、第2光束の3次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光の光量よりも大きくし、第3光束の3次及び2次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光量よりも大きくするように設計されている。より小さな鋸歯状の回折構造である第三基礎構造は、第1光束の2次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光の光量よりも大きくし、第2光束の1次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光の光量よりも大きくし、第3光束の1次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光量よりも大きくするように設計されている。
実施例1において、第三光路差付与構造は、第二基礎構造のみを有する構造となっており、一種類の鋸歯状の回折構造のみを有する形状となっている。
また、実施例1において、第一光路差付与構造、第二光路差付与構造、第三光路差付与構造は、全て、光源側の光学面に設けられており、対物光学素子の光ディスク側の光学面は、屈折面である。また、実施例1においては、第三光束が、弱有限の発散光として対物光学素子に入射している。
表1〜3にレンズデータを示す。なお、これ以降において、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、E(例えば、2.5E−3)を用いて表すものとする。
対物光学素子の光学面は、それぞれ数1式に、表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
ここで、X(h)は光軸方向の軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、A2iは非球面係数、hは光軸からの高さである。
また、回折構造により各波長の光束に対して与えられる光路長は、数2式の光路差関数に、表に示す係数を代入した数式で規定される。尚、本発明の光路差付与構造は、下記以外の手法でも設計が可能であり、下記以外の表現でも表すことが可能である。
尚、λは入射光束の波長、λBは設計波長(ブレーズ化波長)、dorは回折次数、C2iは光路差関数の係数である。
図6(a)、6(b)及び6(c)において、実施例1の縦球面収差図を示す。縦球面収差図の縦軸の1.0は、NA0.85またはΦ3.74mmを表す。なお、実施例1において、L=0.036mmである。f=2.311mmである。したがって、L/f=0.036/2.311=0.016である。また、実施例1において、BD用光束の波長が+5nm変化した場合、3次球面収差の変化量は、−0.134λrms、5次球面収差の変化量は、−0.031λrms、7次球面収差の変化量は−0.006λrms、9次球面収差の変化量は−0.001λrmsとなる。従って、3次から9次のトータルの球面収差の変化量は、0.138λrmsとなる。また、実施例1において、BD用光束の波長が+5nm変化した場合であって、対物光学素子に対する第一光束の入射倍率を変えて3次の球面収差が0となるようにした場合において、SA5は−0.009λrms、SA7は0.009λrms、SA9は−0.003λrmsとなる。したがって、δSAHは、0.013λrmsとなり、δSAH/δλは、0.0026(λrms/nm)となる。尚、使用波長は408nmであり、波長特性における環境温度25℃である。
また、実施例1の対物光学素子の温度特性については、δSAT1は、+0.0035WFEλrms/℃である。また、第一波長における対物光学素子のf’が2.2mmであるので、δSAT1/f’は、+0.0016WFEλrms/(℃・mm)である。
<実施例2>
以下に、実施例2について記載する。
以下の表4及び表5に、実施例2のレンズデータを示す。また、図7(a)、7(b)及び7(c)において、実施例2の縦球面収差図を示す。縦球面収差図の縦軸の1.0は、NA0.85またはΦ3.74mmを表す。なお、実施例2において、L=0.098mmである。f=2.334mmであるしたがって、L/f=0.098/2.334=0.042である。また、実施例2において、BD用光束の波長が+5nm変化した場合、3次球面収差の変化量は、−0.188λrms、5次球面収差の変化量は、−0.021λrms、7次球面収差の変化量は0.030λrms、9次球面収差の変化量は−0.016λrmsとなる。従って、3次から9次のトータルの球面収差の変化量は、0.192λrmsとなる。また、実施例2において、BD用光束の波長が+5nm変化した場合であって、対物光学素子に対する第一光束の入射倍率を変えて3次の球面収差が0となるようにした場合において、SA5は0λrms、SA7は0.037λrms、SA9は−0.016λrmsとなる。したがって、δSAHは、0.042λrmsとなり、δSAH/δλは、0.0084(λrms/nm)となる。尚、使用波長は408nmであり、波長特性における環境温度25℃である。
また、実施例2の対物光学素子の温度特性については、δSAT1は、+0.0027WFEλrms/℃である。また、第一波長における対物光学素子のf’が2.2mmであるので、δSAT1/f’は、+0.0012WFEλrms/(℃・mm)である。
<実施例3>
以下に、実施例3について記載する。実施例1との相違点は、第三光束をフレアとしてより遠くに飛ばすための構造として、対物光学素子の周辺領域の一部(最周辺領域側の領域)と最周辺領域の一部(周辺領域側の領域)に、第七基礎構造を重畳している点である。別の言い方をすると、第二光路差付与構造の光軸に近い方の内側領域を第二基礎構造と第三基礎構造を重畳させた構造とし、第二光路差付与構造の内側領域よりも光軸から離れた外側領域を第二基礎構造、第三基礎構造及び第七基礎構造を重畳させた構造としており、第三光路差付与構造の光軸に近い方にある内側領域を第七基礎構造と第二基礎構造を重畳させた構造とし、第三光路差付与構造の内側領域よりも光軸から離れた方にある外側領域を第二基礎構造のみからなる構造とするようにしてもよい。なお、実施例3において、バイナリ状の構造である第七基礎構造は、第1光束の0次の回折光の光量を他のいかなる次数の回折光の光量よりも大きくし、第2光束の0次の回折光の光量を他のいかなる次数の回折光の光量よりも大きくし、第3光束の±1次の回折光の光量を他のいかなる次数(0次即ち透過光も含む)の回折光量よりも大きくするように設計されている。
以下の表6及び表7に、実施例3のレンズデータを示す。また、図8(a)、8(b)及び8(c)において、実施例3の縦球面収差図を示す。縦球面収差図の縦軸の1.0は、NA0.85またはΦ3.74mmを表す。なお、実施例3において、L=0.098mmである。f=2.334mmである。したがって、L/f=0.098/2.334=0.042である。また、実施例3において、BD用光束の波長が+5nm変化した場合、3次球面収差の変化量は、−0.188λrms、5次球面収差の変化量は、−0.021λrms、7次球面収差の変化量は0.030λrms、9次球面収差の変化量は−0.016λrmsとなる。従って、3次から9次のトータルの球面収差の変化量は、0.192λrmsとなる。また、実施例3において、BD用光束の波長が+5nm変化した場合であって、対物光学素子に対する第一光束の入射倍率を変えて3次の球面収差が0となるようにした場合において、SA5は0λrms、SA7は0.037λrms、SA9は−0.016λrmsとなる。したがって、δSAHは、0.042λrmsとなり、δSAH/δλは、0.0084(λrms/nm)となる。尚、使用波長は408nmであり、波長特性における環境温度25℃である。
また、実施例3の対物光学素子の温度特性については、δSAT1は、+0.0027WFEλrms/℃である。また、第一波長における対物光学素子のf’が2.2mmであるので、δSAT1/f’は、+0.0012WFEλrms/(℃・mm)である。
本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、他の実施例・変形例を含むことは、本明細書に記載された実施例や思想から本分野の当業者にとって明らかである。明細書の記載及び実施例は、あくまでも例証を目的としており、本発明の範囲は後述するクレームによって示されている。
前記光ピックアップ装置において、前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスの光量は、前記第三光束が形成する他のいかなるスポットよりも光量が大きく、前記第二ベストフォーカスの光量は、前記第一ベストフォーカスの次に大きく、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、所定の条件を満たす。
(項1) 光ディスクに対し情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子、とを有し、
前記光ピックアップ装置は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行い、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスの光量は、前記第三光束が形成する他のいかなるスポットよりも光量が大きく、前記第二ベストフォーカスの光量は、前記第一ベストフォーカスの次に大きく、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
η13≧40% (3)
但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
(項5) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする項1乃至項4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項6) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられず、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられることを特徴とする項1乃至項4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項1乃至項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項1乃至項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項) 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする項又は項に記載の光ピックアップ装置。
(項10) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項11) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項12) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項13) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)又は前記対物光学素子の温度変化によって発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項12のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項14) 前記第一光束及び前記第二光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m1、m2が、下記の式(4)、(5)を満たすことを特徴とする項1乃至項13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
−0.02<m1<0.02 (4)
−0.02<m2<0.02 (5)
(項15) 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(6)を満たすことを特徴とする項14に記載の光ピックアップ装置。
−0.02<m3<0.02 (6)
(項16) 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(7)を満たすことを特徴とする項14に記載の光ピックアップ装置。
−0.10<m3<0.00 (7)
(項17) 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする項1乃至項16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項18) 前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束に共通の光路中であって、前記対物光学素子と前記第一光源、前記第二光源及び前記第三光源との間に、開口制限素子が設けられ、
前記開口制限素子は、少なくとも光軸に近い第一領域と、前記第一領域よりも光軸から離れた第二領域を有し、
前記第一領域は、前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束の全てを透過し、前記第二領域は、前記第一光束及び前記第二光束を透過し、前記第三光束を、前記開口制限素子の前記第一領域及び前記対物光学素子を透過した前記第三光束の集光位置には集光させず、前記第一領域を通過した前記第三光束は、前記対物光学素子の前記中央領域に入射することを特徴とする項1乃至項17のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項19) 前記光ピックアップ装置は、λ/4波長板を有し、前記開口制限素子は前記λ/4波長板と一体化されていることを特徴とする項18に記載の光ピックアップ装置。
(項20) 以下の式(1’’)を満たすことを特徴とする項18又は項19に記載の光ピックアップ装置。
0.02 ≦ L/f < 0.05 (1’’)
(項21) 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、を有し、
前記第一光束を用いて厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第二光束を用いて厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第三光束を用いて厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において用いられる対物光学素子であって、
前記対物光学素子は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、
前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させ、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスの光量は、前記第三光束が形成する他のいかなるスポットよりも光量が大きく、前記第二ベストフォーカスの光量は、前記第一ベストフォーカスの次に大きく、
前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする対物光学素子。
0 < L/f < 0.05 (1)
但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
(項22) 下記の式(2)及び(2’)を満たすことを特徴とする項21に記載の対物光学素子。
δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
δSAH=√((δSA5)2+(δSA7)2+(δSA9)2) (2’)
但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、
δSA7は、前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、
δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれた前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指し、
δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。
(項23) 前記対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、前記第一光束が前記対物光学素子を通過した際に前記対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、前記対物光学素子の前記第一波長の設計波長から5nmずれた波長における前記グラフが不連続部を有し、前記不連続部における前記光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることを特徴とする項21又は項22に記載の対物光学素子。
(項24) 下記の式(3)を満たすことを特徴とする項21乃至項23のいずれか一項に記載の対物光学素子。
η13≧40% (3)
但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
(項25) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする項21乃至項24のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項26) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられず、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられることを特徴とする項21乃至項24のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項27) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項21乃至項26のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項28) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項21乃至項26のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項29) 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする項27又は項28に記載の対物光学素子。
(項30) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項21乃至項29のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項31) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項21乃至項30のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項32) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項21乃至項31のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項33) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)を補正することを特徴とする項21乃至項32のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項34) 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする項21乃至項33のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項35) 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子と、を有し、
前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置を有する光情報記録再生装置であって、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域に第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域に第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、第一ベストフォーカスと第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスの光量は、前記第三光束が形成する他のいかなるスポットよりも光量が大きく、前記第二ベストフォーカスの光量は、前記第一ベストフォーカスの次に大きく、
前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光情報記録再生装置。
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、所定の条件を満たす。
(項1) 光ディスクに対し情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子、とを有し、
前記光ピックアップ装置は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行い、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
η13≧40% (3)
但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
(項5) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする項1乃至項4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項6) 前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束において、光量が最大となる回折光が前記第一ベストフォーカスを形成することを特徴とする項1乃至項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項7) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項1乃至項6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項8) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項1乃至項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項9) 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする項7又は項8に記載の光ピックアップ装置。
(項10) 前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする項乃至項9のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項11) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第光ディスクの保護基板の厚さtの違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項12) 前記第光路差付与構造は、前記第光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第光ディスクの保護基板の厚さtの違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項13) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項12のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項14) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)又は前記対物光学素子の温度変化によって発生する球面収差を補正することを特徴とする項1乃至項13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項15) 下記の式(11)、(12)、(13)を満たすことを特徴とする項1乃至項14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
0.0750mm≦t1≦0.125mm (11)
0.5mm≦t2≦0.7mm (12)
1.0mm≦t3≦1.3mm (13)
(項16) 前記第一光源の前記第一波長λ1は、350nm以上、440nm以下であり、前記第二光源の第二波長λ2は、570nm以上、680nm以下であり、前記第三光源の第三波長λ3は、750nm以上、880nm以下であることを特徴とする項1乃至項15のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項17) 前記対物光学素子は対向する2つの前記光学面を有し、一方の前記光学面が、前記第一光路差付与構造と前記第二光路差付与構造を有し、他方の前記光学面は、非球面である屈折面であることを特徴とする項1乃至項16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項18) 前記Lは、0.03mm以上、0.11mm以下であることを特徴とする項1乃至項17のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項19) 前記fは、1.8mm以上、3.0mm以下であることを特徴とする項1乃至項18のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項20) 下記の式(15)を満たすことを特徴とする項1乃至項19のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
1 ≦ T/f ≦ 1.13(15)
但し、T[mm]は前記対物光学素子の軸上厚を指す。
(項21) 前記対物光学素子の軸上厚が2.31mm以上、2.61mm以下であることを特徴とする項1乃至項20のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項22) 前記対物光学素子の前記第1光ディスクを用いる際の入射瞳径が、Φ2.8mm以上、Φ4.5mm以下であることを特徴とする項1乃至項21のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項23) 前記第一光束及び前記第二光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m1、m2が、下記の式(4)、(5)を満たすことを特徴とする項1乃至項22のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
−0.02<m1<0.02 (4)
−0.02<m2<0.02 (5)
(項24) 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(6)を満たすことを特徴とする項23に記載の光ピックアップ装置。
−0.02<m3<0.02 (6)
(項25) 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(7)を満たすことを特徴とする項23に記載の光ピックアップ装置。
−0.10<m3<0.00 (7)
(項26) 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする項1乃至項25のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項27) 前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束に共通の光路中であって、前記対物光学素子と前記第一光源、前記第二光源及び前記第三光源との間に、開口制限素子が設けられ、
前記開口制限素子は、少なくとも光軸に近い第一領域と、前記第一領域よりも光軸から離れた第二領域を有し、
前記第一領域は、前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束の全てを透過し、前記第二領域は、前記第一光束及び前記第二光束を透過し、前記第三光束を、前記開口制限素子の前記第一領域及び前記対物光学素子を透過した前記第三光束の集光位置には集光させず、前記第一領域を通過した前記第三光束は、前記対物光学素子の前記中央領域に入射することを特徴とする項1乃至項26のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
(項28) 前記光ピックアップ装置は、λ/4波長板を有し、前記開口制限素子は前記λ/4波長板と一体化されていることを特徴とする項27に記載の光ピックアップ装置。
(項29) 以下の式(1’’)を満たすことを特徴とする項27又は項28に記載の光ピックアップ装置。
0.02 ≦ L/f < 0.05 (1’’)
(項30) 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、を有し、
前記第一光束を用いて厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第二光束を用いて厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第三光束を用いて厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において用いられる対物光学素子であって、
前記対物光学素子は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、
前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させ、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする対物光学素子。
0 < L/f < 0.05 (1)
但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
(項31) 下記の式(2)及び(2’)を満たすことを特徴とする項30に記載の対物光学素子。
δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
δSAH=√((δSA5)+(δSA7)+(δSA9)) (2’)
但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、
δSA7は、前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、
δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれた前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指し、
δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。
(項32) 前記対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、前記第一光束が前記対物光学素子を通過した際に前記対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、前記対物光学素子の前記第一波長の設計波長から5nmずれた波長における前記グラフが不連続部を有し、前記不連続部における前記光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることを特徴とする項30又は項31に記載の対物光学素子。
(項33) 下記の式(3)を満たすことを特徴とする項30乃至項32のいずれか一項に記載の対物光学素子。
η13≧40% (3)
但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
(項34) 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする項30乃至項33のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項35前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束において、光量が最大となる回折光が前記第一ベストフォーカスを形成することを特徴とする項30乃至項34のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項36) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項30乃至項35のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項37) 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする項30乃至項36のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項38) 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする項36又は項37に記載の対物光学素子。
(項39前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする項36乃至項38のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項40) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項30乃至項39のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項41) 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項30乃至項40のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項42) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする項30乃至項41のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項43) 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)を補正することを特徴とする項30乃至項42のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項44) 下記の式(11)、(12)、(13)を満たすことを特徴とする項30乃至項43のいずれか一項に記載の対物光学素子。
0.0750mm≦t1≦0.125mm (11)
0.5mm≦t2≦0.7mm (12)
1.0mm≦t3≦1.3mm (13)
(項45) 前記第一光源の前記第一波長λ1は、350nm以上、440nm以下であり、前記第二光源の第二波長λ2は、570nm以上、680nm以下であり、前記第三光源の第三波長λ3は、750nm以上、880nm以下であることを特徴とする項30乃至項44のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項46) 前記対物光学素子は対向する2つの前記光学面を有し、一方の前記光学面が、前記第一光路差付与構造と前記第二光路差付与構造を有し、他方の前記光学面は、非球面である屈折面であることを特徴とする項30乃至項45のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項47) 前記Lは、0.03mm以上、0.11mm以下であることを特徴とする項30乃至項46のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項48) 前記fは、1.8mm以上、3.0mm以下であることを特徴とする項30乃至項47のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項49) 下記の式(15)を満たすことを特徴とする項30乃至48のいずれか一項に記載の対物光学素子。
1 ≦ T/f ≦ 1.13 (15)
但し、T[mm]は前記対物光学素子の軸上厚を指す。
(項50) 前記対物光学素子の軸上厚が2.31mm以上、2.61mm以下であることを特徴とする項30乃至項49のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項51) 前記対物光学素子の前記第1光ディスクを用いる際の入射瞳径が、Φ2.8mm以上、Φ4.5mm以下であることを特徴とする項30乃至項50のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項52) 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする項30乃至項51のいずれか一項に記載の対物光学素子。
(項53) 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子と、を有し、
前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置を有する光情報記録再生装置であって、
前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域に第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域に第二光路差付与構造を有し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光情報記録再生装置。

Claims (33)

  1. 光ディスクに対し情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置であって、
    第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
    第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
    第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
    前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子、とを有し、
    前記光ピックアップ装置は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行い、
    前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
    前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
    前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
    前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
    前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
    前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
    前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
    0 < L/f < 0.05 (1)
    但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
  2. 下記の式(2)及び(2’)を満たすことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ装置。
    δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
    δSAH=√((δSA5)+(δSA7)+(δSA9)) (2’)
    但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて前記第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、
    δSA7は、前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、
    δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれた前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指す。δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。
  3. 前記対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、前記第一光束が前記対物光学素子を通過した際に前記対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、前記対物光学素子の前記第一波長の設計波長から5nmずれた波長における前記グラフが不連続部を有し、前記不連続部における前記光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の光ピックアップ装置。
  4. 下記の式(3)を満たすことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
    η13≧40% (3)
    但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
  5. 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする請求の範囲第6項又は第7項に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第9項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第10項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前
    記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)又は前記対物光学素子の温度変化によって発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第11項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記第一光束及び前記第二光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m1、m2が、下記の式(4)、(5)を満たすことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
    −0.02<m1<0.02 (4)
    −0.02<m2<0.02 (5)
  14. 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(6)を満たすことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の光ピックアップ装置。
    −0.02<m3<0.02 (6)
  15. 前記第三光束の、前記対物光学素子への入射光束の倍率m3が、下記の式(7)を満たすことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の光ピックアップ装置。
    −0.10<m3<0.00 (7)
  16. 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第15項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束に共通の光路中であって、前記対物光学素子と前記第一光源、前記第ニ光源及び前記第三光源との間に、開口制限素子が設けられ、
    前記開口制限素子は、少なくとも光軸に近い第一領域と、前記第一領域よりも光軸から離れた第二領域を有し、
    前記第一領域は、前記第一光束、前記第二光束及び前記第三光束の全てを透過し、前記第二領域は、前記第一光束及び前記第二光束を透過し、前記第三光束を、前記開口制限素子の前記第一領域及び前記対物光学素子を透過した前記第三光束の集光位置には集光させず、前記第一領域を通過した前記第三光束は、前記対物光学素子の前記中央領域に入射することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第16項のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  18. 前記光ピックアップ装置は、λ/4波長板を有し、前記開口制限素子は前記λ/4波長板と一体化されていることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の光ピックアップ装置。
  19. 以下の式(1’’)を満たすことを特徴とする請求の範囲第17項又は第18項に記載の光ピックアップ装置。
    0.02 ≦ L/f < 0.05 (1’’)
  20. 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
    第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
    第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、を有し、
    前記第一光束を用いて厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第二光束を用いて厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行い、前記第三光束を用いて厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置において用いられる対物光学素子であって、
    前記対物光学素子は、前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、
    前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させ、
    前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域は第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域は第二光路差付与構造を有し、
    前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
    前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
    前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、
    前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
    前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
    前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
    前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする対物光学素子。
    0 < L/f < 0.05 (1)
    但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
  21. 下記の式(2)及び(2’)を満たすことを特徴とする請求の範囲第20項に記載の対物光学素子。
    δSAH/δλ ≦ 0.010(λrms/nm) (2)
    δSAH=√((δSA5)2+(δSA7)2+(δSA9)2) (2’)
    但し、δSA5は、408nmの使用波長から波長がずれたλxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する5次の球面収差を指し、
    δSA7は、前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する7次の球面収差を指し、
    δSA9は、408nmの使用波長から波長がずれた前記λxの波長の光束を用いて第1光ディスクの記録及び/又は再生を行う際に、前記λxの波長の光束の対物光学素子に対する倍率であって且つ3次の球面収差SA3が0になる倍率において発生する9次の球面収差を指し、
    δλは408nmとλxnmの差の絶対値を指す。
  22. 前記対物光学素子の半径方向の光軸からの距離を横軸とし、前記第一光束が前記対物光学素子を通過した際に前記対物光学素子によって与えられる光路差を縦軸としたグラフにおいて、前記対物光学素子の前記第一波長の設計波長から5nmずれた波長における前記グラフが不連続部を有し、前記不連続部における前記光路差の幅が、0以上、0.2λ1以下であることを特徴とする請求の範囲第20項又は第21項に記載の対物光学素子。
  23. 下記の式(3)を満たすことを特徴とする請求の範囲第20項乃至第22項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
    η13≧40% (3)
    但し、η13は前記中央領域における前記第三光束の光利用効率を表す。
  24. 前記第一ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットが、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられ、前記第二ベストフォーカスにおいて前記第三光束が形成する前記スポットは、前記第3光ディスクの記録及び/又は再生に用いられないことを特徴とする請求の範囲第20項乃至第23項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  25. 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに屈折面である最周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする請求の範囲第20項乃至第24項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  26. 前記対物光学素子の光学面は、前記周辺領域の周りに、第三光路差付与構造を有する最
    周辺領域を有し、少なくとも三つの領域を有することを特徴とする請求の範囲第20項乃至第24項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  27. 前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記最周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光することを特徴とする請求の範囲第25項又は第26項に記載の対物光学素子。
  28. 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第20項乃至第27項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  29. 前記第一光路差付与構造は、前記第一光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第三光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第3光ディスクの保護基板の厚さt3の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第20項乃至第28項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  30. 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束及び前記第二光束に対して、前記第1光ディスクの保護基板の厚さt1と前記第2光ディスクの保護基板の厚さt2の違いにより発生する球面収差を補正することを特徴とする請求の範囲第20項乃至第29項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  31. 前記第二光路差付与構造は、前記第二光路差付与構造を通過した前記第一光束および前記第二光束に対して、前記第一光源又は前記第二光源の波長の僅かな変動によって発生するスフェロクロマティズム(色球面収差)を補正することを特徴とする請求の範囲第20項乃至第30項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  32. 前記対物光学素子は、単玉レンズであることを特徴とする請求の範囲第20項乃至第31項のいずれか一項に記載の対物光学素子。
  33. 第一波長λ1の第一光束を射出する第一光源と、
    第二波長λ2(λ2>λ1)の第二光束を射出する第二光源と、
    第三波長λ3(λ3>λ2)の第三光束を射出する第三光源と、
    前記第一光束を厚さがt1の保護基板を有する第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を厚さがt2(t1≦t2)の保護基板を有する第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を厚さがt3(t2<t3)の保護基板を有する第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための対物光学素子と、を有し、
    前記第一光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第二光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第三光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置を有する光情報記録再生装置であって、
    前記対物光学素子の光学面は、中央領域と前記中央領域の周りの周辺領域の少なくとも二つの領域を有し、前記中央領域に第一光路差付与構造を有し、前記周辺領域に第二光路差付与構造を有し、
    前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記中央領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記中央領域を通過する前記第三光束を、前記第3光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
    前記対物光学素子は、前記対物光学素子の前記周辺領域を通過する前記第一光束を、前記第1光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、前記周辺領域を通過する前記第二光束を、前記第2光ディスクの情報記録面上に情報の記録及び/又は再生ができるように集光し、
    前記対物光学素子の前記第一光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が最も小さくなる第一ベストフォーカスと、前記第三光束が形成するスポットのスポット径が前記第一ベストフォーカスの次に小さくなる第二ベストフォーカスとが形成され、
    前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスは、下記の式(1)を満たし、
    前記対物光学素子を通過した前記第三光束が前記第3光ディスクの情報記録面上で形成するスポットにおいて、光軸方向から見た際に、スポットの中心から外側へ向かう順番で、光量密度が高いスポット中心部、光量密度が前記スポット中心部より低いスポット中間部、光量密度が前記スポット中間部よりも高く前記スポット中心部よりも低いスポット周辺部とが形成され、
    前記スポット中心部が前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられ、前記スポット中間部及び前記スポット周辺部は前記第3光ディスクの情報の記録及び/又は再生に用いられず、
    前記対物光学素子の前記第二光路差付与構造を通過した前記第三光束によって、前記第3光ディスクの情報記録面上で前記スポット周辺部が形成されることを特徴とする光情報記録再生装置。
    0 < L/f < 0.05 (1)
    但し、f[mm]は前記第一光路差付与構造を通過し、前記第一ベストフォーカスを形成する前記第三光束の焦点距離を指し、
    L[mm]は前記第一ベストフォーカスと前記第二ベストフォーカスの間の距離を指す。
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