JPWO2008004497A1 - 医療装置誘導システム - Google Patents
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Abstract
Description
このような医療装置を体腔管路内の所定位置に誘導するためには、現在、医療装置が体腔管路内のどの位置にいるかを検出するとともに、医療装置を誘導制御する手段が必要であった。医療装置を誘導制御する手段としては、内視鏡内に磁石を搭載し、外部から磁界を作用させることにより、内視鏡の位置等を制御する手段が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、コイルがヘルムホルツ様配置された場合であっても、各コイルの大きさは有限であるため、制御範囲は有限となる。制御範囲が外れた領域、例えば、コイルに近い領域では磁界の均一性が低下したり、磁界方向が意図した方向からずれたりするため、医療装置の誘導操作性が低下する恐れがあるという問題がある。
しかしながら、誘導装置の制御範囲が、医療装置による検査が行われる検査領域をある程度カバーしている場合において、上述の追従動作を行うと、誘導装置の可動部が常に動作して安全機構が必要となる。その結果、誘導装置の複雑化を招くという問題があった。
本発明の第1の態様は、磁石が備えられた医療装置と、前記医療装置を誘導制御する制御磁界を所定の制御領域内に形成する誘導部と、前記医療装置の位置情報を検出する検出部と、前記検出部の出力に基づき、前記医療装置が前記制御領域から外れたことを判定し、前記医療装置を前記制御領域に戻す方向を演算する演算部と、該演算部の出力に基づいて前記誘導部を制御する制御部と、が設けられ、前記制御部は、前記医療装置が前記制御領域から外れたら、前記制御磁界の形成を停止する医療装置誘導システムを提供する。
誘導部は、制御領域内に医療装置を誘導制御する制御磁界を形成するため、制御領域内に位置する医療装置を所定の方向に誘導することができる。検出部は、医療装置の位置情報を検出できる。演算部は、検出部の信号を受け、医療装置がどの方向に制御範囲を越えようとしているかを判定する。同時に演算部は、医療装置が制御領域から外れたことを意味する信号を出力することができる。制御部は、演算部の信号に基づき、誘導部を制御することができる。誘導部は、制御部の出力に基づき制御磁界の形成を停止することができるため、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。つまり、制御磁界の形成が停止されているため、制御磁界により医療装置に働く力が無くなり、医療装置と制御領域とを相対移動させ、医療装置を容易に制御領域内に移動させることができる。さらに、制御磁界による医療装置の誘導制御も停止されているため、誤った操作により、医療装置が制御領域からさらに離れることを防止できる。
駆動部により医療装置が導入された被検体を移動させることにより、医療装置を制御領域内に戻すことができる。駆動部は、制御部の出力に基づいて、自動的に被検体を移動させるため、操作者が医療装置を移動させて医療装置を制御領域内に戻す方法と比較して、制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
制御部は、演算部の出力に基づいて制御磁界を形成するため、医療装置を自動的に制御領域内に戻すことができる。
制御部は、医療装置を制御領域に戻す方向に移動させた後に、制御磁界の形成を停止するため、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
被検出部は医療装置に設けられているため、被検出部の位置を検出することができる。検出部は、制御領域の境界領域近傍に配置されているため、被検出部、つまり、医療装置が制御領域から外れたことを容易に検出することができる。
ここで、検出部としては、金属センサや超音波センサなどを例示することができる。検出部として金属センサを用いた場合には、被検出部として金属部材を挙げることができる。検出部として超音波センサを用いた場合には、被検出部としては超音波を反射する反射部材を挙げることができる。
医療装置には磁気誘導コイルが設けられているため、位置検出用磁界が印加されることにより、医療装置(磁気誘導コイル)から誘導磁界を発生させることができる。検出部には、位置検出用磁界形成部が設けられているため、制御領域に位置検出用磁界を形成して、制御領域内に位置する医療装置から誘導磁界を発生させることができる。検出部には、医療装置から発生された誘導磁界を検出する磁界検出部が設けられているため、検出部は、磁界検出部から受信した誘導磁界の強度に応じた出力信号を得ることができる。位置算出部は、磁界検出部の出力信号に基づいて、磁界検出部に対して医療装置がどの位置にいるか算出することができる。位置算出部は、上記算出結果を演算部に出力することができる。
医療装置に設けられ、磁界発生部から外部に向かって自ら磁界を発生している。検出部には、磁界発生部から発生された磁界を検出する磁界検出部が設けられているため、検出部は、磁界検出部から受信した磁界の強度に応じた出力信号を得ることができる。位置算出部は、磁界検出部の出力信号に基づいて、磁界検出部に対して医療装置がどの位置にいるか算出することができる。位置算出部は、上記算出結果を演算部に出力することができる。
医療装置には無線送信部が設けられ、無線送信部から外部に向かって電波が送信されている。検出部には、無線送信部から送信された電波を受信する複数の無線受信部が設けられているため、検出部は、複数の無線受信部から受信した電波の強度に応じた複数の出力信号を得ることができる。位置算出部は、無線受信部の出力信号に基づいて、複数の無線受信部に対して医療装置がどの位置にいるか算出することができる。位置算出部は、上記算出結果を演算部に出力することができる。
検出ステップを具備することにより、医療装置の位置情報を検出することができる。算出ステップを具備することにより、医療装置が誘導制御に適した制御領域から外れたことを判定することができ、医療装置の誘導制御が不可能になることを防止できる。算出ステップを具備することにより、医療装置を制御領域に戻す方向を算出することができ、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。指示ステップを具備することにより、例えば、医療装置誘導システムの操作者は、医療装置を制御領域に戻す方向を容易に知ることができ、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。停止ステップを具備することにより、制御磁界の形成が停止されて、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。つまり、制御磁界により医療装置に働く力が無くなり、医療装置と制御領域とを相対移動させ、医療装置を容易に制御領域内に移動させることができる。さらに、制御磁界による医療装置の誘導制御も停止されているため、誤った操作により、医療装置が制御領域から更に離れることを防止できる。
移動ステップを具備するため、医療装置は制御領域に戻る方向へ所定量だけ近づく。そのため、その後の対応において医療装置を誘導制御しやすくなり、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。同時に、移動距離が所定量に制限されるため、医療装置は制御領域から外れた位置から離れた位置に移動することがない。そのため、医療装置の操作者は医療装置の位置を把握しやすく、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
3,103,203,303 カプセル型医療装置(医療装置)
5 コイルユニット(誘導部)
5X−1,5X−2,5Y−1,5Y−2,5Z−1,5Z−2 誘導用磁界発生コイル(誘導部)
7Y−1,7Y−2 金属センサ(検出部)
9 被検体
11 永久磁石(磁石)
15,115 金属部(被検出部)
17 制御領域
21,121,421 制御部
25 表示部
27X,27Y,27Z 信号発生器(誘導部)
29X,29Y,29Z 誘導用磁界発生コイル駆動部(誘導部)
31 駆動部
133,233,333 位置算出部(検出部)
35 演算部(演算部)
105 位置検出用磁界発生コイル(位置検出用磁界形成部)
107 磁界検出部(検出部)
307 無線受信部(検出部)
315 無線送信部
308 アンテナ(無線受信部、検出部)
以下、本発明の第1の実施形態に係るカプセル型医療装置誘導システムについて図1から図10を参照して説明する。
図1は、本実施形態のカプセル型医療装置誘導システムの外観構成を説明する模式図である。
カプセル型医療装置誘導システム(医療装置誘導システム)1は、図1に示すように、被検者などに投入されるカプセル型医療装置(医療装置)3と、誘導用磁界(制御磁界)を形成するコイルユニット(誘導部)5と、金属センサ(検出部)7Y−1,7Y−2とを備えている。
なお、上述のように、カプセル型医療装置3に金属センサ7Y−1,7Y−2に検出される金属部を独立して設けてもよいし、カプセル型医療装置3に搭載されている他の機器、例えば、上述の医療行為を行う機器が金属センサ7Y−1,7Y−2に検出される場合には、金属部を独立して設けなくてもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2対と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2対と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2対とが、各コイル対における法線が3軸直交となるように配置されていてもよいし、3軸直交でなくてもよく、特に限定するものではない。
上述のように、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2対と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2対と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2対とは、各コイル対がヘルムホルツ様に対向配置されていてもよいし、ヘルムホルツ様に対向配置されていなくてもよく、特に限定するものではない。
ここで、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2,5Y−1,5Y−2,5Z−1,5Z−2により囲まれた領域内に設定される制御領域、および、隣接領域について説明する。
図2に示すように、コイルユニット5をX−Y平面に沿ってカットした面をZ軸の正方向側から見た場合に適用して説明する。この場合、図3に示すように、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2,5Y−1,5Y−2に囲まれた領域の中心側に制御領域17が設定され、制御領域17と誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2,5Y−1,5Y−2との間に制御性が低下する隣接領域19が設定される。
誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2,5Y−1,5Y−2,5Z−1,5Z−2により囲まれた領域内には、図4に示すような磁界強度分布を有する誘導用磁界が形成されている。誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2対と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2対と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2対とは、各コイル対がヘルムホルツ様に対向配置されているため、磁界強度が略一様な領域(磁界強度の勾配が平坦な領域)が上記領域内に形成されている。この図4における磁界強度が略一様な領域が、図3における制御領域17として設定され、図4における磁界強度の磁界勾配がきつい領域(楕円で囲われた領域)が、図3における隣接領域19として設定される。隣接領域19は、磁界強度の磁界勾配がきついため、制御領域17と比較して、カプセル型医療装置3の操作性が若干低下する。
金属センサ7Y−1,7Y−2は、カプセル型医療装置3の位置情報を検出するものである。金属センサ7Y−1は、図1に示すように、誘導用磁界発生コイル5Y−1の近傍領域に配置され、金属センサ7Y−2は、誘導用磁界発生コイル5Y−2の近傍領域に配置されている。金属センサ7Y−1,7Y−2は、X軸に沿って延びるように配置されているとともに、隣接領域19内に配置されている(図3参照)。
なお、本実施形態においては、図5に示すように、被検体9がY軸の軸線方向に沿って移動する場合に適用して説明しているため、金属センサ7Y−1,7Y−2は、それぞれ誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2の近傍領域であって、X軸に沿って延びるように配置されている。カプセル型医療装置3は、被検体9の移動に伴って移動するため、カプセル型医療装置3は、Y軸に沿う方向において、制御領域17から外れる可能性が高いからである。X軸に沿う方向、および、Z軸に沿う方向において、制御領域17から外れる可能性は低いため、Y軸、および、Z軸に沿って延びる金属センサは配置されていない。そのため、金属センサ7Y−1,7Y−2の配置位置、および、配置個数は、被検体9の移動方向などにより適宜変更されるものであって、特に限定するものではない。
カプセル型医療装置誘導システム1は、更に、図6に示すように、制御部21と、操作部23と、表示部25と、信号発生器(誘導部)27X,27Y,27Zと、誘導用磁界発生コイル駆動部(誘導部)29X,29Y,29Zと、駆動部31と、演算部35と、を備えている。
表示部25は、演算部35が算出した、カプセル型医療装置3を制御領域17に戻す方向を操作者に対して表示するものである。
制御部21は、操作部23からの入力に基づいて、誘導磁界を発生させるための制御信号を算出する。そして、算出した波形を発生させるための指示を信号発生器27X,27Y,27Zに出力する。制御部21は、演算部35の算出結果に基づいて、誘導磁界停止のための制御を行う。さらに、制御部21は、表示部25に対して、操作者に必要な情報を表示させるための指示を入力する。
切り替え部X,Y,Zは、後述するように、制御部21から入力される制御信号に基づいて、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2や、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2や、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2に流れる電流を制御するものである。
切り替え部X,Y,Zには、制御部21から制御信号が入力されている。切り替え部Xは、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xおよび誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2とともに電流回路を構成し、切り替え部Yは、誘導用磁界発生コイル駆動部29Yおよび誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2とともに電流回路を構成し、切り替え部Zは、誘導用磁界発生コイル駆動部29Zおよび誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2とともに電流回路を構成している。
誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zは、それぞれ信号発生器27X,27Y,27Zから入力された交流信号を増幅して、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2と、に出力するものである。誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zには、図6に示すように、それぞれ信号発生器27X,27Y,27Zにおいて生成された交流信号が入力される。誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zにおいて増幅された交流信号は、それぞれ誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2と、に出力される。
誘導用磁界発生コイル駆動部29Xと、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2とは、図8に示すように、一つの閉回路を形成し、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2は直列に接続されている。誘導用磁界発生コイル駆動部29Yおよび誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2と、誘導用磁界発生コイル駆動部29Zおよび誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2とについても同様に接続されている。
切り替え部X,Y,Zには、図9に示すように、制御部21から制御信号が入力されている。切り替え部Xは、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xおよび誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2とともに電流回路を構成し、切り替え部Yは、誘導用磁界発生コイル駆動部29Yおよび誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2とともに電流回路を構成し、切り替え部Zは、誘導用磁界発生コイル駆動部29Zおよび誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2とともに電流回路を構成している。
まず、本実施形態におけるカプセル型医療装置3の誘導方法の概略について説明する。
制御部21は、図6に示すように、操作部23から出力された信号に基づいて、カプセル型医療装置3の誘導に必要な誘導用磁界を形成させる制御信号を算出する。算出された制御信号は、それぞれ信号発生器27X,27Y,27Zへ出力され、信号発生器27X,27Y,27Zは、制御信号に基づいて、それぞれ所定の波形を有する交流信号を生成する。生成された交流信号は、それぞれ誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zへ出力され、誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zは、それぞれ交流信号を電流増幅する。増幅された交流信号は、それぞれ誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2と、に出力され誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2とは、それぞれ誘導用磁界におけるX軸、Y軸、Z軸方向に係る磁界成分を形成する。
制御部21は、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2とにより形成される誘導用磁界のX軸、Y軸、Z軸方向に係る磁界成分の磁界強度を制御することにより、所定の回転磁界(誘導用磁界)を制御領域17に形成させることができる(図3参照)。つまり、制御部21は、上記回転磁界の回転中心軸線の位置および向き並びに上記回転磁界の回転方向および回転速度などを制御することができる。
カプセル型医療装置3の螺旋部13は、上記回転磁界により与えられた回転トルクを、外部との摩擦を利用して推進力に変換する。カプセル型医療装置1は、螺旋部13により変換された推進力により駆動される。上記推進力は、カプセル型医療装置3の回転軸線方向に沿う方向に働き、推進力が働く向きは上記回転磁界の回転方向により制御される。なお、上述の回転磁界によるカプセル型医療装置3の推進誘導方法は、特開2004−255174号公報において開示されている方法と略同様の方法である。
まず、図5に示すように、被検体9にカプセル型医療装置3が投入される。このとき、カプセル型医療装置3は、まだ制御領域17内に入っていない状態である。金属センサ7Y−1,7Y−2は、図1に示すように、この状態からカプセル型医療装置3(金属部)が制御領域17内に入ったことを検出できる。具体的には、金属センサ7Y−1は、カプセル型医療装置3がY軸の正方向から制御領域17内に入ったことを検出することができる。金属センサ7Y−2は、カプセル型医療装置3がY軸の負方向から制御領域17内に入ったことを検出することができる。カプセル型医療装置3が、制御領域17内に入るまでは誘導用磁界によるカプセル型医療装置3の誘導はできない。そのため、カプセル型医療装置3が制御領域17内に入るまでは、被検体9の移動、または、コイルユニット5の移動などにより、カプセル型医療装置3を制御領域17内に移動させる。
上述のように、カプセル型医療装置3が制御領域17内に入ったら、誘導用磁界によるカプセル型医療装置3の誘導が開始され、カプセル型医療装置3による観察、治療などが行われる。
図10は、図6のカプセル型医療装置システムにおける制御を説明するフローチャートである。
カプセル型医療装置3の移動距離が長くなると、カプセル型医療装置3が制御領域17内から外側へ移動してしまう場合がある。ここでは、カプセル型医療装置3が、被検体9の肛門側(図1におけるY軸の負方向側)に移動した場合に適用して説明する。カプセル型医療装置3が制御領域17の端部にまで移動、または、制御領域17から外れると、金属センサ7Y−2がカプセル型医療装置3の位置情報を検出する(検出ステップ)(ステップS1)。
なお、制御領域17を移動させて、カプセル型医療装置3を制御領域17内に移動させる場合には、カプセル型医療装置3を制御領域17内に戻す方向はY軸の負方向となる。
具体的には、表示部25に「被検体9をY軸の正方向へ移動させて下さい。」という内容の指示が表示される。なお、上述のように表示部25に被検体9の移動方向のみを表示してもよいし、移動方向の他に、移動距離を表示しても良く、特に限定するものではない。
なお、本実施形態においては、表示部25に指示が表示されるとともに、制御部21が自動的に駆動部31を制御して被検体9を移動させているが、操作者が表示部25に表示された指示内容に基づいて、駆動部31を制御してもよく、特に限定するものではない。
上述のように、駆動部31により被検体9を移動させてもよいし、被検体9自身が移動しても良く、特に限定するものではない。
1つ目の方法は、図6に示すように、制御部21の制御により、信号発生器27X,27Y,27Zから出力される交流信号の出力を0Vとする方法である。例えば、カプセル型医療装置3が制御領域17から外れたときは、制御部21は、演算部35の出力に基づいて、信号発生器27Xから出力される交流信号の出力電圧を0Vに制御する。この場合、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xにおいて電流増幅されても交流信号の出力電圧は0Vのままである。そのため、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xから誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2へ電流の流れは止まり、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2からの誘導用磁界の発生は停止される。
2つ目の方法は、図7に示すように、制御部21の制御により、誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zの出力をOFFとする(止める)方法である。例えば、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xの出力部に設けた切り替え部X,Y,Zのスイッチを切ることにより、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xと誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2とから構成される電流経路を遮断する方法である。カプセル型医療装置3が、制御領域17内にあるときは、スイッチの出力をONとする。つまり、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xの出力は、そのまま誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2に入力される。カプセル型医療装置3が、制御領域17から外れたときは、スイッチの出力をOFFとする。つまり、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xの出力は、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2に入力されない。
具体的には、演算部35は、金属センサ7Y−1,7Y−2から入力された検出信号に基づいて、カプセル型医療装置3が制御領域17から外れたことを判定する。すると、制御部21は演算部35からの出力に基づいて、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xの出力をOFFとする。つまり、電流経路を遮断して、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xから誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2へ流れる電流の流れを止めることにより、誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2からの誘導用磁界の発生は停止される。この場合、信号発生器27Xから交流信号が出力されていても、誘導用磁界の発生を停止することができる。このため、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xからの誘導用磁界の発生を、容易に停止することができる。
なお、誘導用磁界の発生を停止させる方法は、上記の2つの方法に限定されない。上記の2つの方法を組み合わせることによって誘導用磁界の発生を停止することができる。
演算部35は、金属センサ7Y−2の出力がなくなったことに基づいて、カプセル型医療装置3が制御領域17内に入ったと判断する。制御部21は、演算部35の判断に基づいて、表示部25に表示されていた指示内容を消すとともに、誘導用磁界の発生を再開する。具体的には、上記の誘導用磁界の発生を停止させる1つ目の方法に対しては、強制的に0Vとされていた信号発生器27X,27Y,27Zから出力される交流信号の電圧を、再び、誘導用磁界の発生に必要な所定波形の電圧とする。上記の誘導用磁界の発生を停止させる2つ目の方法に対しては、誘導用磁界発生コイル駆動部29Xの出力部等に設けられたスイッチを入れて、出力をONとする。つまり、遮断された誘導用磁界発生コイル駆動部29Xと誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2とから構成される電流経路等を繋ぐ。
以上により、カプセル型医療装置3は制御領域17に戻り、誘導用磁界によるカプセル型医療装置3の誘導が継続される。
この構成の場合、超音波センサを被検体9の体表面に配置して、被検体9の体腔内におけるカプセル型医療装置3の位置を検出してもよい。超音波センサの配置位置は、誘導用磁界発生コイル5からの距離などに基づいて決めることができる。超音波センサの配置位置の指示は、被検体9に対して照射されるレーザポインタの照射点を目安にすることができる。
コイルユニット5は、制御領域17内にカプセル型医療装置3を誘導制御する誘導用磁界を形成するため、制御領域17内に位置するカプセル型医療装置3を所定の方向に誘導することができる。金属センサ7Y−1,7Y−2は、カプセル型医療装置3が制御領域17から外れたこと、つまり、制御領域17内のカプセル型医療装置3が制御領域17を越えて外側へ移動したことを検出でき、カプセル型医療装置3の誘導制御が不可能になることを防止できる。同時に金属センサ7Y−1,7Y−2は、カプセル型医療装置3が制御領域17から外れたことを意味する信号を出力することができる。制御部21は、コイルユニット5を制御して誘導用磁界の形成を停止することができるため、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。つまり、誘導用磁界の形成が停止されているため、誘導用磁界によりカプセル型医療装置3に働く力が無くなり、カプセル型医療装置3と制御領域17とを相対移動させ、カプセル型医療装置3を容易に制御領域17内に移動させることができる。さらに、誘導用磁界によるカプセル型医療装置3の誘導制御も停止されているため、誤った操作により、カプセル型医療装置3が制御領域17からさらに離れることを防止できる。
演算部35が設けられているため、カプセル型医療装置3を制御領域17に戻す方向を演算により求めることができ、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。表示部25が設けられているため、上記操作者は、カプセル型医療装置3を制御領域17に戻す方向を容易に知ることができ、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
駆動部31は、カプセル型医療装置3が導入された被検体9を移動させる。この結果カプセル型医療装置3を制御領域17内に戻すことができる。駆動部31は、金属センサ7Y−1,7Y−2の出力に基づいて、自動的に被検体9を移動させるため、操作者がカプセル型医療装置3を移動させてカプセル型医療装置3を制御領域17内に戻す方法と比較して、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
金属部はカプセル型医療装置3に設けられているため、金属部の位置を検出することによりカプセル型医療装置3の位置を検出することができる。金属センサ7Y−1,7Y−2は、制御領域17の境界領域近傍に配置されているため、金属部、つまり、カプセル型医療装置3が制御領域17から外れたことを容易に検出することができる。
ステップS1を具備することにより、カプセル型医療装置3が制御領域17から外れたことを検出することができ、カプセル型医療装置3の誘導制御が不可能になることを防止できる。ステップS2を具備することにより、カプセル型医療装置3を制御領域17に戻す方向を算出することができ、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。ステップS3を具備することにより、例えば、カプセル型医療装置誘導システム1の操作者は、カプセル型医療装置3を制御領域17に戻す方向を容易に知ることができ、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。ステップS5を具備することにより、誘導用磁界の形成が停止されて、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。つまり、誘導用磁界によりカプセル型医療装置3に働く力が無くなり、カプセル型医療装置3と制御領域17とを相対移動させ、カプセル型医療装置3を容易に制御領域17内に移動させることができる。さらに、誘導用磁界によるカプセル型医療装置3の誘導制御も停止されているため、誤った操作により、カプセル型医療装置3が制御領域17から更に離れることを防止できる。
ステップS4を具備するため、カプセル型医療装置3は制御領域17に戻る方向へ所定量だけ近づく。そのため、その後の対応においてカプセル型医療装置3を誘導制御しやすくなり、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。同時に、移動距離が所定量に制限されるため、カプセル型医療装置3は制御領域17から外れた位置から離れた位置に移動することがない。そのため、カプセル型医療装置3の操作者はカプセル型医療装置3の位置を把握しやすく、カプセル型医療装置3が制御領域17から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図11および図12を参照して説明する。
本実施形態のカプセル型医療装置誘導システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、カプセル型医療装置の位置を検出する構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図11および図12を用いてカプセル型医療装置の位置を検出する構成の周辺のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図11は、本実施形態におけるカプセル型医療装置誘導システムの外観構成を説明する図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
カプセル型医療装置誘導システム(医療装置誘導システム)101は、図11に示すように、被検者などに投入されるカプセル型医療装置(医療装置)103と、誘導用磁界を形成するコイルユニット5と、カプセル型医療装置103の位置検出に用いられる位置検出用磁界発生コイル(位置検出用磁界形成部、検出部)105と、磁界検出部(検出部)107と、位置算出部133(検出部)と、メモリ135と、を備えている(図12参照)。
カプセル型医療装置誘導システム101は、更に、図12に示すように、制御部121と、操作部23と、表示部25と、信号発生器27X,27Y,27Zと、誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zと、駆動部31と、演算部35と、を備えている。
本実施形態におけるカプセル型医療装置103の誘導方法の概略については、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル型医療装置103の位置を検出する場合には、図12に示すように、位置算出部133から位置検出用磁界発生コイル105に交流電流が出力される。交流電流の周波数は、磁気誘導コイル115を含む共振回路の共振周波数と略等しい周波数である。位置検出用磁界発生コイル105は、図11に示すように、位置検出用磁界を発生する。カプセル型医療装置103が制御領域17内に位置する場合には、磁気誘導コイル115に位置検出用磁界が印加される。位置検出用磁界により磁気誘導コイル115は誘導磁界を形成する。磁界検出部107のセンスコイル108には、上記位置検出用磁界および上記誘導磁界が印加され、センスコイル108から、上記位置検出用磁界および上記誘導磁界に係る電圧成分を含む電圧信号である位置検出信号が出力される。
位置検出信号は、位置算出部133を介して演算部35に入力される。位置算出部133は、予め演算部35のメモリに記憶された位置検出用磁界のみに係る電圧信号に基づいて、位置検出信号から誘導磁界のみに係る電圧信号を抽出する。位置算出部133は、さらに、抽出した電圧信号に基づいて、磁気誘導コイル115の位置、つまり、カプセル型医療装置103の位置を算出する。なお、上述の誘導磁界によるカプセル型医療装置103の位置検出方法は、「LC共振型磁気マーカを用いた高精度位置検出システム」、日本応用磁気学会誌、29,153−156(2005)において開示されている方法と略同様の方法である。
1つ目の方法が、制御領域17と、磁界検出部107との相対位置関係が明らかな場合であって、演算部35のメモリに磁界検出部107に対する制御領域17の相対位置が記憶されている場合の方法である。具体的には、コイルユニット5と磁界検出部107との相対位置関係が明らかな場合の方法である。
例えば、制御領域17の範囲が、X軸、Y軸およびZ軸方向における上限値および下限値で規定される直方体で表される場合、演算部35のメモリにこれらの上限値および下限値が記憶されている。演算部35は、算出されたカプセル型医療装置103の位置を表す座標と、上記上限値および下限値とを比較する。カプセル型医療装置103の座標値が、上記上限値および下限値のいずれかを超えていれば、カプセル型医療装置103は、制御領域17から外れたと判定される。さらに、カプセル型医療装置103のX座標値、Y座標値、Z座標値のどの座標値が、上記上限値および下限値のどちら側に超えたかにより、カプセル型医療装置103が制御領域17のどの方向へ外れたかを判定することができる。
例えば、カプセル型医療装置103またはそのカプセル型医療装置103と同等の磁界を発生するものを制御領域17の中央に配置し、磁界検出部107により誘導磁界等を検出することにより、制御領域17と磁界検出部107との共通な基準点の位置を取得する。これにより、位置算出部133は、磁界検出部107に対する制御領域17の中央の相対位置を求めることができ、同時に、磁界検出部107に対する制御領域17のX軸、Y軸およびZ軸方向における上限値および下限値を求めることができる。さらに、本実施形態では、演算部35はカプセル型医療装置103の向きも検出できるため、制御領域17(コイルユニット5)と磁界検出部107との間で座標変換を行うこともできる。
制御領域17と磁界検出部107との相対位置関係を明らかとした後は、上述の1つ目の方法と同様にして、カプセル型医療装置103が、制御領域17から外れたか否かを判定することができる。
カプセル型医療装置103には磁気誘導コイル115が設けられているため、位置検出用磁界が印加されることにより、カプセル型医療装置103(磁気誘導コイル115)から誘導磁界を発生させることができる。カプセル型医療装置誘導システム101には、位置検出用磁界発生コイル105が設けられているため、制御領域17に位置検出用磁界を形成して、制御領域17内に位置するカプセル型医療装置103から誘導磁界を発生させることができる。磁界検出部107は、磁界検出部107から受信した誘導磁界の強度に応じた出力信号を得ることができる。位置算出部133は、磁界検出部107の出力信号に基づいて、磁界検出部107に対してカプセル型医療装置103がどの位置にいるかを算出することができる。演算部35は、上記算出結果に基づいてカプセル型医療装置103が制御領域17から外れたか否かを判定することができる。
次に、本発明の第2の実施形態における第1変形例について図13および図14を参照して説明する。
本変形例のカプセル型医療装置誘導システムの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、カプセル型医療装置の位置検出に係る構成が異なっている。よって、本変形例においては、図13および図14を用いてカプセル型医療装置の位置検出に係る構成周辺のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図13は、本変形例におけるカプセル型医療装置誘導システムの外観構成を説明する図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
カプセル型医療装置誘導システム(医療装置誘導システム)201は、図13に示すように、被検者などに投入されるカプセル型医療装置(医療装置)203と、誘導用磁界を形成するコイルユニット5と、カプセル型医療装置203の位置検出に用いられる磁界検出部107と、位置算出部233(検出部)と、を備えている(図14参照)。
カプセル型医療装置誘導システム201は、更に、図14に示すように、制御部121と、操作部23と、表示部25と、信号発生器27X,27Y,27Zと、誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zと、駆動部31と、を備えている。
位置算出部233には、磁界検出部107から磁界の検出信号が入力されるとともに、入力された磁界の検出信号を演算部35に出力する。
本実施形態におけるカプセル型医療装置203の誘導方法の概略については、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル型医療装置203の磁界発生部215により磁界が形成される。磁界検出部107のセンスコイル108には、上記磁界が印加され、センスコイル108から、上記磁界に係る電圧信号である位置検出信号が出力される。
位置検出信号は、位置算出部233を介して演算部35に入力される。位置算出部233は、位置検出信号に基づいて、磁界発生部215の位置、つまり、カプセル型医療装置203の位置を算出する。
以降、カプセル型医療装置203が制御領域17から外れたか否かの判定等は、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
磁界発生部215は、自ら磁界を形成することができる。そのため、磁界検出部107は、磁界発生部215が形成した磁界のみを検出することができる。例えば、カプセル型医療装置に磁気誘導コイルを設けて、誘導磁界を用いてカプセル型医療装置の位置等を検出する方法と比較して、位置検出信号に含まれる位置検出用磁界に係る電圧成分と誘導磁界に係る電圧成分とを分離する必要がない。
次に、本発明の第2の実施形態における第2変形例について図15および図16を参照して説明する。
本変形例のカプセル型医療装置誘導システムの基本構成は、第2の実施形態の第1変形例と同様であるが、第1変形例とは、カプセル型医療装置の位置検出に係る構成が異なっている。よって、本変形例においては、図15および図16を用いてカプセル型医療装置の位置検出に係る構成周辺のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図15は、本変形例におけるカプセル型医療装置誘導システムの外観構成を説明する図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
カプセル型医療装置誘導システム(医療装置誘導システム)301は、図15に示すように、被検者などに投入されるカプセル型医療装置(医療装置)303と、誘導用磁界を形成するコイルユニット5と、カプセル型医療装置303の位置検出に用いられる無線受信部(検出部)307と、位置算出部333(検出部)と、を備えている(図16参照)。
カプセル型医療装置誘導システム301は、更に、図16に示すように、制御部121と、操作部23と、表示部25と、信号発生器27X,27Y,27Zと、誘導用磁界発生コイル駆動部29X,29Y,29Zと、駆動部31と、を備えている。
位置算出部333は、複数のアンテナ308から最も強い電波を受信している(通信品質が最も良い)アンテナ308を選択し、選択したアンテナ308を用いてカプセル型医療装置303との通信を継続するものである。位置算出部333は、さらに、複数のアンテナ308におけるそれぞれの電波の受信強度を演算部35に出力する。
まず、本実施形態におけるカプセル型医療装置303の誘導方法の概略については、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル型医療装置303の無線送信部315により電波が送信される。無線受信部307の複数のアンテナ308は、上記電波を受信して、受信した電波強度に応じて受信信号を出力する。位置算出部333は、それぞれのアンテナ308における電波の受信強度を位置算出部333に出力する。位置算出部333は、それぞれのアンテナ308における電波の受信強度に基づいて、無線送信部315の位置、つまり、カプセル型医療装置303の位置を算出する。
以降、カプセル型医療装置303が制御領域17から外れたか否かの判定等は、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル型医療装置303には無線送信部315が設けられ、無線送信部315から外部に向かって電波が送信されている。無線受信部307には、無線送信部315から送信された電波を受信する複数のアンテナ308が設けられている。このため、無線受信部307は、受信した電波の強度に応じた複数の出力信号を出力することができる。位置算出部333は、無線受信部307の出力信号に基づいて、複数のアンテナ308に対してカプセル型医療装置303がどの位置にいるか算出することができる。演算部35は、上記算出結果に基づいてカプセル型医療装置303が制御領域17から外れたか否かを判定することができる。
次に、本発明の第2の実施形態における第3変形例について説明する。
本変形例の力プセル型医療装置誘導システムの基本構成は、第2の実施形態や第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態や第1の実施形態とは、カプセル型医療装置の位置検出に係る構成が異なっており、第2の実施形態にある磁気式の位置算出部133および第1の実施形態にある金属センサ(検出部)7Y−1,7Y−2の両方を有している。金属センサ7Y−1,7Y−2による位置検出では、金属部、すなわちカプセル型医療装置3が金属センサ7Y−1,7Y−2が作る領域内にあるかどうかだけを検出できる一方、検出の範囲は広い。一方で位置算出部133による位置検出では、検出の範囲は狭いものの、金属センサ7Y−1,7Y−2に比べて精度よく位置や方向を検出することができる。演算部35は、金属センサ7Y−1,7Y−2から入力された検出信号に基づいて、力プセル型医療装置3が制御領域17から外れたことを判定するとともに、カプセル型医療装置3を制御領域17に戻す方向を算出する。制御部21は、演算部35の算出結果に基づいて、誘導磁界停止のための制御を行う。
次に、本発明の第3の実施形態について図17を参照して説明する。
本実施形態のカプセル型医療装置誘導システムの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、カプセル型医療装置を制御領域に戻す方法が異なっている。よって、本実施形態においては、図17を用いてカプセル型医療装置を制御領域に戻す方法に係る構成周辺のみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
図17は、本実施形態におけるカプセル型医療装置誘導システムにおける回路構成を説明するブロック図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態におけるカプセル型医療装置103の誘導方法の概略については、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施形態におけるカプセル型医療装置103の位置検出方法の概略についても、第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル型医療装置103が、制御領域17から外れた、または、外れそうになったと演算部35により判定されると、制御部421は、演算部35の算出結果に基づいて、被検体9を移動させる指示を表示部25に表示させるとともに、カプセル型医療装置103を制御領域17に戻す指示を出力する。その後、制御部421は、誘導用磁界の発生を停止させる信号を出力する。
カプセル型医療装置103が、制御領域17から外れたと演算部35に判定されると、制御部421は、カプセル型医療装置103をY軸の正方向に移動させる制御を行う。つまり、制御部421は、信号発生器27Zに対して、それまで発生していた交流信号の位相を反転させる(πずらす)制御信号を出力するとともに、信号発生器27Xに対して、それまでと同様の交流信号を発生させる制御信号を出力する。このように制御することで、それまで、カプセル型医療装置103をY軸の負方向に誘導していた回転磁界(誘導磁界)の回転方向が逆になる。回転磁界の回転方向が逆になると、カプセル型医療装置103はY軸の正方向に誘導される。制御部421は、カプセル型医療装置103を所定量だけY軸の正方向に誘導し、上述のように誘導用磁界の発生を停止させる。所定量の制御方法としては、カプセル型医療装置103の誘導時間や、カプセル型医療装置103(回転磁界)の回転数などを制御する方法を挙げることができる。
「被検体9をY軸の正方向へ移動」させる場合には、第1の実施形態と同様に、制御部421が自動的にベッドを移動させて、被検体9を移動させてもよいし、操作者がベッドを操作して、被検体9を移動させてもよい。
一方、「カプセル型医療装置103を逆方向に移動」させる場合には、操作者は操作部23にカプセル型医療装置103をY軸の正方向に移動させる指示を入力し、その後、通常のカプセル型医療装置103の誘導操作が行われる。このときはすでに、カプセル型医療装置103は制御部421により、所定量だけY軸の正方向に移動されている。かかる場合、制御部421によるベッドの移動制御は行われない。
制御部421は、演算部35の出力に基づいて制御磁界を形成するため、カプセル型医療装置103を自動的に制御領域17内に戻すことができる。
制御部421は、カプセル型医療装置103を制御領域17に戻す方向に移動させた後に、制御磁界の形成を停止するため、医療装置が制御領域から大幅に逸脱することを容易に防止することができる。
なお、上記のカプセル型医療装置103を制御領域17に戻す方法は、他の実施例または変形例においても適応可能であり、上記と同様の効果を奏する。
なお、上述の第1の実施形態から第3の実施形態において、コイルユニット5が、ヘルムホルツ様に配置された誘導用磁界発生コイル5X−1,5X−2対と、誘導用磁界発生コイル5Y−1,5Y−2対と、誘導用磁界発生コイル5Z−1,5Z−2対と、から構成されていてもよいし、図11に示すように、平面状に配置された誘導用磁界発生コイル605X−1,605X−2と、誘導用磁界発生コイル605Y−1,605Y−2と、誘導用磁界発生コイル605Zと、から構成されていてもよく、磁界強度の分布が均一な領域が形成されれば、特に限定するものではない。
図11に示すコイル配置においては、誘導用磁界発生コイル605Zの上方の所定領域に磁界強度の分布が均一な領域が形成されるが、その均一な領域は、第1から第3の実施形態で用いられているコイル配置よりも狭くなる。
Claims (18)
- 磁石が備えられた医療装置と、
前記医療装置を誘導制御する制御磁界を所定の制御領域内に形成する誘導部と、
前記医療装置の位置情報を検出する検出部と、
前記検出部の出力に基づき、前記医療装置が前記制御領域から外れたことを判定し、前記医療装置を前記制御領域に戻す方向を演算する演算部と、
該演算部の出力に基づいて前記誘導部を制御する制御部と、
が設けられ、
前記制御部は、前記医療装置が前記制御領域から外れたら、前記制御磁界の形成を停止する医療装置誘導システム。 - 前記医療装置は被検体の体腔内に導入され、
前記制御部の出力に基づき、前記被検体を移動させる駆動部が設けられた請求項1記載の医療装置誘導システム。 - 前記演算部の出力に基づき、前記制御部は、前記医療装置を前記制御領域に戻す方向に所定量だけ移動させる前記制御磁界を形成し、その後、前記制御磁界の形成を停止する請求項1記載の医療装置誘導システム。
- 前記医療装置には、前記検出部に検出される被検出部が設けられ、
前記検出部が、前記制御領域の境界領域近傍に配置されている請求項1から3のいずれかに記載の医療装置誘導システム。 - 前記医療装置には、磁気誘導コイルが設けられ、
前記検出部には、前記磁気誘導コイルに誘導磁界を誘起させる位置検出用磁界を形成する位置検出用磁界形成部と、
前記磁気誘導コイルから発生した誘導磁界を検出する磁界検出部と、
該磁界検出部の出力に基づいて、前記医療装置の位置情報を算出する位置算出部と、
が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の医療装置誘導システム。 - 前記医療装置には、磁界を発生する磁界発生部が設けられ、
前記検出部には、
前記磁界発生部から発生した磁界を検出する磁界検出部と、
該磁界検出部の出力に基づいて、前記医療装置の位置情報を算出する位置算出部と、
が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の医療装置誘導システム。 - 前記医療装置には電波を送信する無線送信部が設けられ、
前記検出部には、
前記電波を受信する複数の無線受信部と、
該複数の無線受信部の出力信号に基づいて、前記医療装置の位置情報を算出する位置算出部と、
が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の医療装置誘導システム。 - 前記医療装置には、金属部が設けられ、
前記検出部には前記金属部に反応する金属検出部と、前記金属検出部の出力に基づいて、前記医療装置の位置情報を算出する位置算出部と、
が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の医療装置誘導システム。 - 前記医療装置には、超音波反射部が設けられ、
前記検出部には、前記超音波反射部に反射された超音波を検出する超音波検出部と、前記超音波検出部の出力に基づいて、前記医療装置の位置情報を算出する位置算出部と、
が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の医療装置誘導システム。 - 制御領域内に形成した制御磁界により、前記制御領域内に配置された磁気誘導可能な医療装置を誘導制御する医療装置誘導システムの制御方法であって、
前記医療装置の位置情報を検出する検出ステップと、
前記医療装置が、前記制御領域から外れたことを判定し、前記制御領域に戻す方向を算出する算出ステップと、
前記医療装置を前記制御領域に戻す方向へ移動させる指示を出力する指示ステップと、
前記制御磁界の形成を停止する停止ステップと、
を具備する医療装置誘導システムの制御方法。 - 前記指示ステップと前記停止ステップとの間に、
前記医療装置と前記制御領域とを、前記医療装置を前記制御領域に戻す方向に所定量だけ相対移動させる移動ステップ、
を具備する請求項10記載の医療装置誘導システムの制御方法。 - 磁石が備えられた医療装置と、
前記医療装置を誘導制御する制御磁界を所定の制御領域内に形成する誘導部と、
前記制御領域内における前記医療装置の位置情報および/または方向情報を検出する検出部と、
前記制御領域内および前記制御領域外における前記医療装置の位置情報を検出する第2検出部と、
前記第2検出部の出力に基づいて、前記医療装置が前記制御領域から外れたことを判定する演算部と、
該演算部の出力に基づいて前記誘導部を制御する制御部と、
が設けられ、
前記制御部は、前記医療装置が前記制御領域から外れたら、前記制御磁界の形成を停止する医療装置誘導システム。 - 前記演算部が、さらに前記医療装置を前記制御領域に戻す方向を演算することを特徴とする請求項12記載の医療装置誘導システム。
- 前記制御部が、前記検出部の検出した前記位置情報および/または前記方向情報に基づいて前記誘導部から発生させる前記制御磁界を決定することを特徴とする請求項12または13に記載の医療装置誘導システム。
- 前記検出部による前記位置惰報の検出の精度が、前記第2検出部による前記位置情報の検出の精度よりもよいことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の医療装置誘導システム。
- 前記検出部が磁気センサで構成されており、前記第2検出部が金属センサで構成されていることを特徴とする請求項15記載の医療装置誘導システム。
- 前記磁気センサと前記金属センサが異なる周波数の磁界に基づいて前記位置情報を検出することを特徴とする請求項16記載の医療装置誘導システム。
- 前記第2検出部の出力に基づいて、前記検出部の動作状態を制御することを特徴とする請求項13から17のいずれかに記載の医療装置誘導システム。
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