JP4679200B2 - カプセル型医療装置の位置検出システム、カプセル型医療装置誘導システムおよびカプセル型医療装置の位置検出方法 - Google Patents
カプセル型医療装置の位置検出システム、カプセル型医療装置誘導システムおよびカプセル型医療装置の位置検出方法 Download PDFInfo
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Description
しかしながら、上記LC共振回路に用いられているコイルの周波数特性は、コイルの製造時におけるばらつき等の要因により所定の範囲内でばらつきを生じる。また、LC共振回路の周波数特性も、コイルやコンデンサの特性のばらつきの影響を受け、所定の範囲内でばらつきを生じる問題があった。
しかしながら、これらの調節可能なコンデンサやコイルなどの素子には調節用の機構が備えられるため、カプセル型医療装置の小型化が図りにくくなる問題があった。
しかしながら、個々のLC共振回路についてコンデンサの容量を選択すると、LC共振回路の製造工程が増えることになり、カプセル型医療装置の生産コストが増大する問題があった。
また、カプセル内部の電源を使用する必要があり、電源容量を大きくする必要があるため、カプセルの小型化が難しい。または、カプセルの駆動時間が短くなってしまうという問題があった。
本発明は、被検者の体内に投入されるカプセル型医療装置の位置検出システムであって、前記カプセル型医療装置に搭載した磁気誘導コイルと、前記カプセル型医療装置の作動範囲の外部に配置され、前記磁気誘導コイルに作用させる交流磁界を発生する駆動コイルと、前記カプセル型医療装置の作動範囲の外部に配置され、前記磁気誘導コイルにより発生された誘導磁気を検出する複数の磁気センサと、前記磁気誘導コイルの共振周波数に基づいて前記カプセル型医療装置の位置および向きの算出に用いる算出用周波数を求める周波数決定部と、前記算出用周波数を用いて前記交流磁界のみが前記磁気センサに作用した際の前記磁気センサの出力と、前記交流磁界および前記誘導磁気が前記磁気センサに作用した際の前記磁気センサの出力との差分に基づき前記カプセル型医療装置の位置及び向きを算出する位置解析手段と、を有し、前記算出用周波数に基づいて、前記交流磁界の周波数および/または前記位置解析手段の解析に用いる前記磁気センサの出力周波数帯域を制限するカプセル型医療装置の位置検出システムを提供する。
その結果、磁気誘導コイルの周波数特性を調節する素子等を搭載する必要がなくなり、カプセル型医療装置を小型化できる。あるいは、共振周波数を調節するために、磁気誘導コイルとともに共振回路を構成するコンデンサ等の素子を選択、あるいは調節する必要がなくなり、カプセル型医療装置の生産コストの増大を防止できる。
この場合においても、搭載された磁石の影響を受けた共振周波数に基づいて、周波数決定部が算出用周波数を求めることができるため、共振周波数を調節する素子等を用いることなくカプセル型医療装置の位置および向きを算出できる。
本発明によれば、誘導磁気による磁気センサの出力に基づいて磁気誘導コイルの共振周波数を求め、その共振周波数に基づいて算出用周波数を求めている。そのため、個々のカプセル型医療装置の位置および向きの算出に最適な算出用周波数を用いることができる。その結果、カプセル型医療装置の位置および向きの算出精度の低下を防止でき、算出に要する時間の増加を防止できる。
本発明によれば、時間的に周波数変化する交流磁界を用いて磁気誘導コイルの共振周波数を求めるため、磁気コイルの共振周波数のばらつきが大きくなっても、共振周波数を求めることができる。そのため、個々のカプセル型医療装置の位置および向きの算出に最適な算出用周波数を用いることができ、カプセル型医療装置の位置および向きの算出精度の低下を防止でき、算出に要する時間の増加を防止できる。
また、可変帯域制限部を用いることにより、上記交流磁界により発生された誘導磁気が作用した磁気センサの出力のうち、所定の周波数帯域の出力に基づいて算出用周波数を求めることができる。
本発明によれば、予め記憶された共振周波数に係る周波数に基づいて算出用周波数を求めることにより、カプセル型医療装置の位置検出を行うたびに共振周波数を測定して算出用周波数を求める方法と比較して、カプセル型医療装置の位置および向きの算出に要する時間を短縮することができる。
本発明によれば、算出用周波数に基づいて駆動コイルを制御できるため、駆動コイルにより発生される交流磁界の周波数を制御することができる。
本発明によれば、算出用周波数に基づいて、磁気センサが検出した誘導磁気等の出力周波数の帯域を制限できる。そのため、低ノイズで算出用周波数に係る周波数帯域の磁気センサ出力を得ることができ、それに基づいて、カプセル型医療装置の位置および向きを算出することができる。
本発明によれば、カプセル型医療装置の配置位置にかかわらず、上記複数方向に配置された磁気センサの少なくとも1方向に配置された磁気センサに、検知可能な強度の誘導磁気が働くことになる。
磁気センサに働く誘導磁気の強度は、カプセル型医療装置と磁気センサとの距離およびカプセル型医療装置と駆動コイルとの距離に影響される。そのため、カプセル型医療装置の配置位置が、一の方向に配置された磁気センサに働く誘導磁気が弱くなる配置位置であっても、他の方向に配置された磁気センサにおいては、そこに働く誘導磁気が弱くならない配置位置となる。
その結果、カプセル型医療装置の配置位置にかかわらず、常に磁気センサが誘導磁気を検知することができる。
カプセル型医療装置について得られる情報としては、例えば、カプセル型医療装置のX、Y、Z座標および内蔵コイルの中心軸に対して直交するとともに互いに直交する2つの軸回りの回転位相φ、θ、誘導磁気の強度の合計6つの情報を挙げることができる。そのため、6つ以上の磁場情報が得られれば、上述の6つの位置情報を求めることができ、カプセル型医療装置の位置、方向および誘導磁気の強度を求めることができる。
本発明によれば、信号出力の強い出力信号を選択的に使用することにより、信号強度に対してノイズ成分の少ない信号出力を得ることができるため、演算処理する情報量を少なくすることができ、演算にかかる負荷を低減することができる。また、同時に演算処理量を減らすことができるため、演算に要する時間も短縮することができる。
上記発明においては、前記駆動コイルが複数備えられており、前記複数の駆動コイルから前記駆動コイルを選択する駆動コイル選択部を有することが望ましい。
上記発明においては、2つ以上の前記駆動コイルが前記磁気誘導コイルの位置に作る合成磁場の方向と、前記磁気誘導コイルとの成す角が鋭角の関係になるように、前記駆動コイル選択部が前記2つ以上の駆動コイルを選択することが望ましい。
本発明によれば、駆動コイルと磁気センサとが上記作動範囲を挟んで対向する位置に配置されているので、駆動コイルと磁気センサとが構造上干渉しないように配置することができる。
予め上記基準値と駆動コイルの位置および相対位置を記憶しているため、カプセル型医療装置の位置検出時の駆動コイルおよび磁気センサの相対位置が異なっている場合でも、再び上記基準値等を測定する必要がない。
本発明によれば、現在相対位置に最も近い相対位置と関連付けられた基準値を現在基準値とするため、現在基準値を生成させるのに要する時間を短縮できる。
本発明によれば、所定の近似式に基づき現在基準値を生成するため、例えば基準値をそのまま現在基準値とする方法と比較して、より精度の高い現在基準値を生成できる。
また同時に、カプセル型医療装置の位置を検出することができ、カプセル型医療装置を所定の位置に誘導することができる。
また、電磁石の内側の空間は、被検者を配置可能な空間であって、その空間の周囲に、駆動コイルおよび磁気センサが配置されているので、カプセル型医療装置を被検者の体内の所定位置に誘導することができる。
本発明によれば、カプセル型医療装置に長手軸回りの回転力を作用させると、螺旋機構の作動により、カプセル型医療装置をその長手軸方向に推進する力が発生される。螺旋機構が推進力を発生させるため、上記長手軸回りの回転方向を制御することにより、カプセル型医療装置に作用する推進力の方向を制御することができる。
例えば、表示手段に表示された画像をオペレータが目視しながらカプセル型医療装置を誘導する場合、上記表示される画像がカプセル型医療装置の回転とともに回転する画像である場合と比較すると、上述のように、上記表示される画像が所定の回転位相の画像に変換されているほうが、カプセル型医療装置を所定位置に誘導させやすい。
その結果、磁気誘導コイルの共振周波数を調節する素子等を搭載する必要がなくなり、カプセル型医療装置を小型化できる。あるいは、共振周波数を調節するために、磁気誘導コイルとともに共振回路を構成するコンデンサ等の素子を選択、あるいは調節する必要がなくなり、カプセル型医療装置の生産コストの増大を防止できる。
カプセル型医療装置の位置および向きの算出に、算出用周波数の交流磁界のみを用いるため、例えば、カプセル型医療装置の位置検出を行なうたびに、交流磁界の周波数を所定帯域でスイープさせる方法と比較して、位置および向きの算出に要する時間を短縮できる。
また、磁気誘導コイルの共振周波数を調節する素子等を搭載する必要がなくなり、カプセル型医療装置を小型化できる。あるいは、共振周波数を調節するために、磁気誘導コイルとともに共振回路を構成するコンデンサ等の素子を選択、あるいは調節する必要がなくなり、カプセル型医療装置の生産コストの増大を防止できる。
カプセル型医療装置の位置および向きの算出に、算出用周波数の交流磁界のみを用いるため、例えば、カプセル型医療装置の位置検出を行なうたびに、交流磁界の周波数を所定帯域でスイープさせる方法と比較して、位置および向きの算出に要する時間を短縮できる。
そのため、磁気誘導コイルの共振周波数を調節する素子等を搭載する必要がなくなり、カプセル型医療装置を小型化できるという効果を奏する。あるいは、共振周波数を調節するために、磁気誘導コイルとともに共振回路を構成するコンデンサ等の素子を選択、あるいは調節する必要がなくなり、カプセル型医療装置の生産コスト低減を図ることができるという効果を奏する。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明におけるカプセル型内視鏡誘導システムの第1の実施形態について図1から図13を参照して説明する。
図1は、本実施形態におけるカプセル型内視鏡誘導システムの概略を示す図である。図2は、カプセル型内視鏡誘導システムの斜視図である。
カプセル型内視鏡誘導システム(カプセル型医療装置誘導システム)10は、図1および図2に示すように、被検者1の口部または肛門から体腔内に投入され、体腔内管路の内壁面を光学的に撮像し画像信号を無線で送信するカプセル型内視鏡(カプセル型医療装置)20と、カプセル型内視鏡20の位置を検出する位置検出ユニット(位置検出システム)50と、検出されたカプセル型内視鏡20の位置および施術者の指示に基づきカプセル型内視鏡20を誘導する磁気誘導装置70と、カプセル型内視鏡20から送信された画像信号を表示する画像表示装置80と、から概略構成されている。
なお、本実施形態では、3軸ヘルムホルツコイルユニット71と表記したが、ヘルムホルツコイルの条件を厳密に満たすものでなくてもよい。例えば、コイルは円形でなく、図1に示すように略四角をしていてもよく、また、対向するコイルの間隔も本実施形態の機能を満たす範囲でヘルムホルツコイルの条件から外れていても構わない。
また、ヘルムホルツコイル71X、71Y、71Zは、その内部に略直方体状の空間Sを形成するように配置されている。空間Sは、図1に示すように、カプセル型内視鏡20の作動空間になるとともに、図2に示すように、被検者1が配置される空間にもなっている。
回転磁界制御回路73には、後述する位置検出装置からカプセル型内視鏡20の現在向いている方向(カプセル型内視鏡20の回転軸(長手軸)Rの方向)データが入力されるとともに、施術者が入力装置74から入力したカプセル型内視鏡20の進行方向指示が入力されるようになっている。そして、回転磁界制御回路73からは、ヘルムホルツコイルドライバ72X、72Y、72Zを制御する信号が出力されるとともに、画像表示装置80にカプセル型内視鏡20の回転位相データが出力されるようになっている。
また、入力装置74としては、ジョイスティックを倒すことによりカプセル型内視鏡20の進行方向を指示する入力装置を用いている。
なお、入力装置74は、上述のようにジョイスティック方式のものを用いてもよいし、進行方向のボタンを押すことにより進行方向を指示する入力装置など、他の方式の入力装置を用いてもよい。
位置検出装置50Aには、算出用周波数決定部(周波数決定部)50Bが設けられ、後述するセンスコイル受信回路からの信号が入力されるように構成されている。
センスコイル52から位置検出装置50Aまでの間には、位置検出装置50Aからの出力に基づきセンスコイル52からのカプセル型内視鏡20の位置情報などを含んだ交流電流を選択するセンスコイルセレクタ(磁気センサ選択手段)56と、センスコイルセレクタ56を通過した上記交流電流から振幅値を抽出し位置検出装置50Aへ出力するセンスコイル受信回路57とが配置されている。
ここで、ドライブコイル51は、図1および図3に示すように、ヘルムホルツコイル71X、71Y、71Zにより形成される略直方体形状の作動空間の上方(Z軸の正方向側)の四隅に斜めに配置されている。またドライブコイル51は、矩形形状のヘルムホルツコイル71X、71Y、71Zの角部を結ぶ略三角形状のコイルとして形成されている。このように、ドライブコイル51を上方に配置することにより、ドライブコイル51と被検者1との干渉を防止することができる。
なお、ドライブコイル51は、上述のように略三角形状のコイルであってもよいし、円形状など、さまざまな形状のコイルを用いることができる。
なお、センスコイル52の位置は、ヘルムホルツコイル71X,71Y,71Zと同一平面上にあってもよいし、外側にあってもよく、自由に配置して構わない。
センスコイル受信回路57は、図4に示すように、入力されたカプセル型内視鏡20の位置情報を含む交流電圧の低周波成分を取り除くハイパスフィルタ(HPF)59と、上記交流電圧を増幅するプリアンプ60と、増幅された上記交流電圧に含まれる高周波を取り除くバンドパスフィルタ(BPF、帯域制限部)61と、高周波を取り除いた上記交流電圧を増幅するアンプ(AMP)62と、上記交流電圧の振幅を検出して振幅値を抽出して出力する実効値検出回路(True RMS コンバータ)63と、振幅値をデジタル信号に変換するA/D変換器64と、デジタル化された振幅値を一時的に格納するメモリ65とから構成されている。
ここで、ハイパスフィルタ(HPF)59は、ヘルムホルツコイル71X,71Y,71Zで発生する回転磁界により誘導され、センスコイル52で検出される低周波信号を除去する役割も兼ねている。これにより、磁気誘導装置70を動作させた状態で位置検出ユニット50を正常に動作できる状態にしている。
また、これとは別に、コモンモードのノイズを除去できるコモンモードフィルタを設けても構わない。
なお、上述のように、上記交流電圧の振幅値を抽出するのに実効値検出回路63を用いてもよいし、整流回路を用いて磁気情報を平滑化して電圧を検出することで振幅値を検出してもよいし、上記交流電圧のピークを検出するピーク検出回路を用いて振幅値を検出してもよい。
また、検出される交流電圧の波形は、磁気誘導コイル42の有無、位置により、ドライブコイル51に付加される波形に対する位相が変化する。この位相変化をロックインアンプなどで検出してもかまわない。
カプセル型内視鏡20は、図5に示すように、その内部に各種の機器を収納する外装21と、被検者の体腔内管路の内壁面を撮像する撮像部(撮像手段)30と、撮像部30を駆動する電池39と、前述したドライブコイル51により誘導磁気を発生させる誘導磁気発生部40と、磁気誘導装置70で発生する磁気を受け、カプセル型内視鏡20を駆動する駆動用磁石(永久磁石)45と、から概略構成されている。
また、外装21の本体の外周面には、回転軸Rを中心として断面円形の線材を螺旋状に巻いた螺旋部(螺旋機構)25が備えられている。
磁気誘導装置70で発生させた回転磁気を受け、駆動用磁石が回転すると、この螺旋部も回転し、管腔内でカプセル型内視鏡20を回転軸R方向に誘導することができる。
また、LED33は基板36Aより先端部23側に配置された支持部材38に、回転軸Rを中心として周方向に間隔をあけて複数配置されている。
駆動用磁石45の後端部24側には、基板36B上に配置されたスイッチ部46が備えられている。スイッチ部46は赤外線センサ47を有し、基板36Bおよびフレキシブル基板37Aを介して信号処理部34と電気的に接続されているとともに、基板36B、36C、36Dおよびフレキシブル基板37B、37Cを介して電池39と電気的に接続されている。
また、スイッチ部46は回転軸Rを中心として周方向に等間隔に複数配置されるとともに、赤外線センサ47が直径方向外側に面するように配置されている。本実施形態においては、スイッチ部46が4つ配置されている例を説明するが、スイッチ部46の数は4つに限られることなく、その個数がいくつであってもよい。
基板36Dの後端部24側の面には無線素子35が配置されている。無線素子35は、基板36A、36B、36C、36Dおよびフレキシブル基板37A、37B、37Cを介して信号処理部34と電気的に接続されている。
また、芯部材はフェライトの他、磁性材料が適しており、鉄、ニッケル、パーマロイ、コバルトなどを使用することもできる。
まず、カプセル型内視鏡誘導システム10の作用の概要について説明する。
カプセル型内視鏡20は、図1および図2に示すように、位置検出ユニット50および磁気誘導装置70内に横臥した被検者1の口部または肛門から体腔に投入される。投入されたカプセル型内視鏡20は、位置検出ユニット50によりその位置が検出されるとともに、磁気誘導装置70により被検者1の体腔内管路内を患部近傍まで誘導される。カプセル型内視鏡20は、患部までの誘導中および患部近傍において体腔内管路の内壁面を撮像する。そして、撮像した体腔内管路の内壁面のデータおよび患部近傍のデータを画像表示装置80に送信する。画像表示装置80は送信されてきた画像を表示部82に表示する。
図6および図7は、算出用周波数の求め方、および、カプセル型内視鏡20の位置および方向検出手順を説明するフローチャートである。
交流磁界の具体的な形成の仕方としては、図1に示すように、信号発生回路53が交流信号を発生し、交流信号はドライブコイルドライバ54へ出力される。ドライブコイルドライバ54は交流信号を電力増幅し、交流電流をドライブコイル51にドライブコイルセレクタ55を介して供給する。発生される交流電流の周波数は数kHzから100kHzまでの範囲内の周波数であり、後述する共振周波数を含むように、時間に応じて周波数が上述の範囲内で変化(スイープ)している。この段階における共振周波数は、磁気誘導コイル42やコンデンサ等の特性値から推定されるものでよい。また、後述するように、この周波数は任意の値に固定することもできる。
なお、スイープする範囲は上述する範囲に限られることなく、より狭い範囲であってもよいし、より広い範囲であってもよく、特に限定されるものではない。
センスコイル受信回路57に入力された上記交流電圧は、図4に示すように、まずハイパスフィルタ59により、交流電圧に含まれる低周波成分が取り除かれ、プリアンプ60により増幅される。その後、バンドパスフィルタ61により高周波が取り除かれ、アンプ62により増幅される。このようにして不要な成分が取り除かれた交流電圧は、実効値検出回路63により交流電圧の振幅値が抽出される。抽出された振幅値はA/D変換器64によりデジタル信号化され、メモリ65に格納される。このとき、バンドパスフィルタ61の透過周波数は交流磁場の周波数になるように、その都度、調整されている。
また、このホルダーはカプセル型内視鏡20を直接保持してもよいし、カプセル型内視鏡をパッケージ(図示せず)に入れたままで保持するように構成しても構わない。このように構成すると衛生的である。
磁気誘導コイル42はコンデンサとともに共振回路43を形成しているので、交流磁場の周期が共振回路43の共振周波数と一致すると、共振回路43(磁気誘導コイル42)に流れる誘導電流は大きくなり、形成される誘導磁気も強くなる。さらに、磁気誘導コイル42の中心には、誘電性のフェライトからなる芯部材41が配置されているので、誘導磁場が芯部材41に集められ易く、形成される誘導磁気はさらに強くなる。
センスコイル52の出力である交流電圧の振幅値は、図8に示すように、磁気誘導コイル42の発生する交流磁場の周波数特性、つまり、共振回路43の共振周波数との関係により大きく変化する。図8は、横軸に交流磁場の周波数をとり、縦軸に共振回路43に流れる交流電圧のゲイン変化(dBm)および位相変化(degree)をとっている。ゲイン変化は実線で表されており、図8においては、共振周波数よりも小さい周波数で極大値をとり、共振周波数においてゲイン変化がゼロとなり、共振周波数よりも大きい周波数で極小値をとることを示している。また、位相変化は破線で表されており、共振周波数において最も遅れることを示している。ここで、共振回路43の共振周波数が、位相が最も遅れる周波数、ゲインが0をクロスする周波数と一致することは、共振回路のインピーダンス特性をネットワークアナライザや、インピーダンスアナライザ等で測定し確認されている。
なお、測定条件により共振周波数よりも低い周波数で極小値をとり、共振周波数よりも高い周波数で極大値をとり、共振周波数で位相が最も進む場合もある。
ここで、低周波側算出用周波数をfLOW、高周波側算出用周波数をfHIGHとするとき、全てのセンスコイルにおけるVc(fLOW,N)、Vc(fHIGH,N),(N:1,2,3,・・・センスコイルの数)を基準値として記憶する。Step5以降では、低周波側算出用周波数(fLOW)で測定したセンスコイル52の出力をV(fLOW,N)(Nはセンスコイルの番号)、高周波側算出用周波数(fHIGH)で測定したセンスコイル52の出力をV(fHIGH,N)(Nはセンスコイルの番号)として表すと、位置計算に用いる値は、センスコイル52の出力に基づいて計算されたVs(fLOW,N)、Vs(fHIGH,N)は、以下の計算式により求められる。
Vs(fLOW,N)=V(fLOW,N)−Vc(fLOW,N)
Vs(fHIGH,N)=V(fHIGH,N)−Vc(fHIGH,N)
よって、以後のステップでは、Vs(fLOW,N)、Vs(fHIGH,N)を「センスコイル52の出力に基づいて計算された値」として表現する。
その後、カプセル型内視鏡20を空間Sの内部に配置する。前述と同様にドライブコイル51から交流磁界をスイープさせながら発生させ、そのとき、選択したセンスコイル52に接続されているバンドパスフィルタ61の中心周波数をドライブコイル51から発生する交流磁界の周波数にあわせてスイープさせ、センスコイル52の出力を測定する。
その結果は、前に説明した図8の結果と同様になるので算出用周波数を求めることができる。
そして、全てのセンスコイル52に対するキャリブレーションは、次のようにおこなう。すなわち、算出用周波数を決定した後、再度、カプセル型内視鏡20を空間Sから取り出し、低周波側算出用周波数にバンドパスフィルタ61の中心周波数を合わせる。そして、ドライブコイル51により形成された交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる。そして、ドライブコイル51から低周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、全てのセンスコイル52の出力を測定する。この測定値をVc(fLOW,N)として保存する。
まず、バンドパスフィルタ61の中心周波数を低周波側算出用周波数と合わせる(Step5)。さらに、バンドパスフィルタ61の透過周波数帯域をセンスコイル52のゲイン変化の極値が抽出できる程度の帯域に設定する。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step6)。具体的には、信号発生回路53により発生される交流電流の周波数を低周波側算出用周波数に制御することにより、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を制御している。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step9)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をセンスコイル52により検出する(Step10;検出ステップ)。つまり、センスコイル52の出力を測定し、センスコイル52の出力に基づいて計算された値、Vs(fHIGH,N)を求める。ここで、Nはセンスコイル52の番号を示す。
なお、上述のように、低周波側算出用周波数による検出を先に行い、次に高周波側算出用周波数による検出を後に行ってもよいし、逆に高周波側算出用周波数で検出し、その後に低周波側算出用周波数で検出を行ってもよい。
このセンスコイル52の選定方法は、特に限定されるものではなく、出力差の大きなセンスコイル52を選定できればよい。例えば、図9に示すように、ドライブコイル51とカプセル型内視鏡20を介して対向するセンスコイル52を選定してもよいし、図10に示すように、ドライブコイル51が配置されている面に隣接するとともに互いに対向する面に配置されているセンスコイル52を選定してもよい。
位置検出装置50Aは、センスコイルセレクタ56に対して選定したセンスコイル52からの交流電流をセンスコイル受信回路57へ入力するように指示を出力することにより、センスコイル52の選定を行う。
具体的には、位置検出装置50Aは、選定されたセンスコイル52から得られた振幅差に基づいて、カプセル型内視鏡20の位置、方向、磁場の強さに係る連立方程式を解くことによりカプセル型内視鏡20の位置などを求めている。
このように、センスコイル52の出力差に基づくことにより、環境条件(例えば温度)などによるセンスコイル受信回路の特性の変化をキャンセルすることができ、環境条件に影響されることなく、安定した精度でカプセル型内視鏡20の位置を求めることができる。
これら6つの情報を演算により推定するためには、少なくとも6つのセンスコイル52からの出力が必要となる。そのため、Step11のセンスコイル52の選定においては、少なくとも6つ以上のセンスコイル52を選定することが望ましい。
つまり、位置検出装置50Aが、Step13において算出したカプセル型内視鏡20の位置および向きに基づいて、全てのセンスコイル52の位置における磁気誘導コイル42から発生した磁場強度を計算により求め、磁場強度の強い位置にあるセンスコイル52を必要な数だけ選定する。なお、カプセル型内視鏡の位置および向きを繰り返し求める場合は、後述するStep22において算出したカプセル型内視鏡20の位置および向きに基づいてセンスコイル52を選定する。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step16)。
そして、ドライブコイル51から低周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をStep14で選出されたセンスコイル52により検出する(Step17;検出ステップ)。そして、Step7と同様に、センスコイル52の出力に基づいて計算された値、Vs(fLOW,N)を求める。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step19)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気を、Step13で選出されたセンスコイル52により検出する(Step20;検出ステップ)。そして、Step10と同様に、センスコイル52の出力に基づいて計算された値、Vs(fHIGH,N)を求める。
なお、Step22においては、算出されたカプセル型内視鏡装置20の位置および向きのデータを他の装置や、表示部82に出力してもよい。
その後、カプセル型内視鏡装置20の位置および向きの検出を続ける場合には、上述のStep14に戻って位置および向きの検出を行う。
より好ましい方法としては、ドライブコイル51が形成する磁力線の方向と、磁気誘導コイル42の中心軸線とが略直交するドライブコイル51を除外する方法が有効である。
なお、上述のように、ドライブコイル51を3つ選択して交流磁界を形成してもよいし、図9に示すように、全てのドライブコイル51により交流磁界を発生させてもよい。
ドライブコイルを切り替える動作は、ドライブコイル51が発生した磁場の方向と、磁気誘導コイル42の向きが、カプセル型内視鏡20の位置で垂直になってしまうと、磁気誘導コイル42から発生する誘導磁場が小さくなってしまい位置検出の精度が落ちるなどの問題が発生する可能性が生じることの対策として行われる。
よって、カプセル型内視鏡20の向きと、ドライブコイル51がカプセル型内視鏡20の位置に作る磁場の方向のなす角度は計算で求めることができる。
同様に異なる位置及び向きに配置されたそれぞれのドライブコイル51の発生する磁場のカプセル型内視鏡20の位置における磁場の方向もそれぞれ計算で求めることができ、同様に、カプセル型内視鏡20の向きと、それぞれのドライブコイル51がカプセル型内視鏡20の位置に作る磁場の方向のなす角度は計算で求めることができる。
これにより、カプセル型内視鏡20の向きと、ドライブコイル51がカプセル型内視鏡20の位置に作る磁場の方向とのなす角度が鋭角な関係にあるドライブコイル51を選択することで、磁気誘導コイル42から発生する誘導磁場を大きく保つことができ、位置検出を行うにあたり良好な状態を保つことができる。
まず、1つのドライブコイル51を選択し、ドライブコイル51から交流磁界を周波数を変化(スイープ)させながら発生する。このとき、全てのセンスコイル52の出力を、センスコイル52の後段に配置されたバンドパスフィルタ61の中心周波数をドライブコイル51から発生している交流磁界の周波数に合わせながら測定し、ドライブコイル51と関連付けたセンスコイル52の周波数特性を得る。
そして、選択したドライブコイル51と関連付け、全てのセンスコイルの周波数特性を記憶する。
そして、新たに選択したドライプコイル51と関連付け、全てのセンスコイルの周波数特性を記憶する。
この動作を、全てのドライブコイルについて繰り返すことで、全てのドライブコイル51とセンスコイル52の組合せにおけるセンスコイル52の周波数特性を記憶することができる。
STEP3で得た結果より、STEP3で選択したドライブコイル51、センスコイル52の組合せにおけるSTEP1で記憶したセンスコイル52の周波数特性を各周波数成分ごとに差分をとる。その結果は、図8の様になる。そして、前述のとおり算出用周波数を選択する。
STEP5については前述のとおりであり省略する。
STEP7においては、全てのセンスコイルの出力を側定する。ここでの測定値は、前述のV(fLOW,N)と同様である。
Vs(fLOW,N)=V(fLOW,N)−Vc(fLOW,N,M)
を求める。ここで、MはSTEP6にて選択されたドライプコイルを表す番号である。STEP5については前述のとおりであり省略する。
STEP9では、STEP6で選択されたドライブコイル52はそのままとし、先に説明したものと同じ操作を行う。
STEP10では、全てのセンスコイルの出力を測定する。ここでの側定値は、前述のV(fHIGH,N)と同様である。
Vs(fHIGH,N)=V(fHIGH,N)−Vc(fHIGH,N,M)
を求める。ここで、MはSTEP6にて選択されたドライブコイルを表す番号である。
STEP11、STEP12、STEP13については、前述と同様であり説明を省略する。
STEP14において、次の位置計算に用いるセンスコイルを選択すると共に、次の測定に用いるドライブコイルを選択する作業を行う。
センスコイルの選択については、前述と同様であるので省略し、ドライブコイルの選択の方法について述べる。
同様に異なる位置及び向きに配置されたそれぞれのドライブコイル51の発生する磁場のカプセル型内視鏡20の位置における方向をそれぞれ計算する。同様に、カプセル型内視鏡20の向きと、それぞれのドライプコイル51がカプセル型内視鏡20の位置に作る磁場の方向のなす角度を計算する。
STEP15は前述と同様であり、省略する。
STEP17では、STEP14で選択したセンスコイル52全ての出カを測定する。これは、V(fLOW,N)にあたる。その後、先に求めた、算出用周波数における全てのドライブコイル51と、センスコイル52の組合せにおけるカプセル型内視鏡が空間Sに存在しない場合のセンスコイルの出力、Vc(fLOW,N,M)より、対応するセンスコイル、ドライブコイルの組合せを表すデータとの差分を計算し、Vs(fLOW,N)
Vs(fLOW,N)=V(fLOW,N)−Vc(fLOW,N,M)
を求める。
STEP18は、前述と同様であるので説明を省略する。
STEP20においては、STEP14で選択したセンスコイル52全ての出カを測定する。これは、V(fHIGH,N)にあたる。その後、先に求めた、算出用周波数における全てのドライブコイル51と、センスコイル52の組合せにおけるカプセル型内視鏡が空間Sに存在しない場合のセンスコイルの出力、Vc(fHIGH,N,M)より、対応するセンスコイル、ドライブコイルの組合せを表すデータとの差分を計算し、Vs(fHIGH,N)
Vs(fHIGH,N)=V(fHIGH,N)−Vc(fHIGH,N,M)
を求める。
STEP22、23については前述と同様であるので説明を省略する。
このようにすれば、磁気誘導コイル42から発生する誘導磁気をより安定し出カできるようになる。よって、より正確でより効率的な位置検出を実現することができる。
磁気誘導装置70においては、図1に示すように、まず、施術者が入力装置74を介して回転磁界制御回路73へカプセル型内視鏡20に誘導方向を入力する。回転磁界制御回路73では、入力された誘導方向および位置検出装置50Aから入力されるカプセル型内視鏡20の方向(回転軸方向)に基づいて、カプセル型内視鏡20にかける平行磁界の方向および回転方向を決定する。
そして、上記平行磁界の方向を形成するために必要な各ヘルムホルツコイル71X、71Y、71Zの発生磁界強さを算出し、これら磁界を発生させるのに必要な電流値を算出する。
電流が供給されたヘルムホルツコイル71X、71Y、71Zは、それぞれ電流値に応じた磁界を発生し、これら磁界が合成されることにより、回転磁界制御回路73が決定した磁界方向を有する平行磁界が形成される。
カプセル型内視鏡20は、図5に示すように、まず、スイッチ部46の赤外線センサ47に赤外線が照射され、スイッチ部46は信号処理部34に対して信号を出力する。信号処理部34は、スイッチ部46からの信号を受け取ると、カプセル型内視鏡20に搭載されているイメージセンサ31、LED33、無線素子35および信号処理部34自身に電池39から電流を供給し、オン状態とする。
画像表示装置80においては、図1に示すように、まず、画像受信回路81がカプセル型内視鏡20から送信された圧縮画像信号を受信し、画像信号は表示部82へ出力されている。圧縮画像信号は、画像受信回路81または表示部82において復元され、表示部82により表示される。
また、表示部82は、回転磁界制御回路73から入力されるカプセル型内視鏡20の回転位相データに基づき、カプセル型内視鏡20の回転方向と逆方向に上記画像信号を回転処理してから表示している。
その結果、磁気誘導コイル42の共振周波数を調節する素子等を搭載する必要がなくなり、カプセル型医療装置20を小型化できる。あるいは、共振周波数を調節するために、磁気誘導コイル42とともに共振回路43を構成するコンデンサ等の素子を選択、あるいは調節する必要がなくなり、カプセル型医療装置20の生産コストの増大を防止できる。
その結果、カプセル型内視鏡20の方向(回転軸Rの軸線方向)にかかわらず、常に磁気誘導コイル42に誘導磁気を発生させることができるため、センスコイル52により誘導磁気を常に検知することができ、常にその位置を正確に検出することができるという効果を奏する。
さらに、上記1方向に配置されたセンスコイル52の数が9つであるので、カプセル型内視鏡20のX、Y、Z座標およびカプセル型内視鏡20の回転軸Rに対して直交するとともに互いに直交する2つの軸回りの回転位相φ、θ、誘導磁気の強度の合計6つの情報を演算により求めるのに十分な入力を得ることができる。
また、交流磁気の周波数は共振周波数近傍の周波数帯域にわたってスイープされるため、例えば、環境条件(例えば温度条件)の変化によって共振回路43の共振周波数が変化したり、共振回路43の個体差による共振周波数のばらつきが存在したりしても、変化した共振周波数やばらついた共振周波数が上記周波数帯域内に含まれていれば、共振回路43に共振を起こさせることができる。
また、ヘルムホルツコイル71X、71Y、71Zの内側の空間は、被検者1を配置可能な空間であって、その空間の周囲に、ドライブコイル51およびセンスコイル52が配置されているので、カプセル型内視鏡20を被検者1の体内の所定位置に誘導することができる。
そのため、表示部82に表示された画像を施術者が目視しながらカプセル型内視鏡20を誘導する場合、表示される画像がカプセル型内視鏡20の回転とともに回転する画像である場合と比較すると、上述のように表示される画像が所定の回転位相の画像として表示されているほうが、施術者に見易く、カプセル型内視鏡20を所定位置に誘導させやすい。
図13(a)に示すように、ドライブコイル51にインパルス状の駆動電圧を加えて発生させたインパルス状の磁界は、図13(b)に示すように、多くの周波数成分を有するため、例えば磁界の周波数をスイープさせる方法と比較して、短い時間で磁気誘導コイル42の共振周波数を求めることができるとともに、さらに広い周波数帯域で共振周波数を求めることができる。この場合、センスコイル52に接続されるセンスコイル受信回路57には、周波数成分が分析できるスペクトラムアナライザ(図示せず)が接続されることで、インパルス状の駆動電圧をドライブコイル51に加えた時の、センスコイル52から出力される信号の周波数成分を検出することができる。
このような構成とすることで、磁気誘導コイル42の共振周波数のばらつきが大きくなっても、所定の周波数の交流磁界を用いた場合と比較して共振周波数を容易に求めることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図14および図15を参照して説明する。
本実施の形態のカプセル型内視鏡誘導システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、算出用周波数の決定方法および決定に係る構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図14および図15を用いて算出用周波数の決定方法および決定に係る構成のみを説明し、磁気誘導装置等の説明を省略する。
図14は、本実施形態におけるカプセル型内視鏡誘導システムの概略を示す図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
位置検出装置150Aには、算出用周波数決定部(周波数決定部)150Bが設けられ、後述するセンスコイル受信回路からの信号およびカプセル情報受信回路からの信号が入力されるように構成されている。
カプセル型内視鏡120は、図15に示すように、その内部に各種の機器を収納する外装21と、被検者の体腔内管路の内壁面を撮像する撮像部30と、撮像部30を駆動する電池39と、前述したドライブコイル51により誘導磁気を発生させる誘導磁気発生部40と、カプセル型内視鏡120を駆動する駆動用磁石45と、から概略構成されている。
信号処理部34には、誘導磁気発生部40の共振回路43の共振周波数に基づいた算出用周波数が記憶される記憶部134Aが併せて配置されている。記憶部134Aは、無線素子135と電気的に接続されていて、無線素子135を介して算出周波数を記憶部134Aに格納したり、逆に格納されている算出用周波数を外部に送信したりできるように構成されている。
カプセル型内視鏡誘導システム110の作用の概略は、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図16は、磁気誘導コイル42の周波数特性を求め、記憶部134Aに求めた周波数特性を格納するまでの手順を説明するフローチャートである。
まず、図16に示すように、位置検出ユニット150のキャリブレーションを行う(Step31;予備測定ステップ)。つまり、カプセル型内視鏡120を空間Sに配置しない状態、つまりドライブコイル51により形成される交流磁界が作用して発生するセンスコイル52の出力を測定する。
交流磁界の具体的な形成の仕方等は、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
そして、カプセル型内視鏡120に搭載された磁気誘導コイル42の周波数特性を測定する(Step33;測定ステップ)。そして周波数決定部150Bにおいて、測定された磁気誘導コイル42の周波数特性から、Step31において測定された交流磁界のみが作用したセンスコイル52の出力が差し引かれる(差分がとられる)。
その後、周波数決定部150Bは、無線素子135を介して磁気誘導コイル42の周波数特性を記憶部134Aに格納する(Step34)。
また、Step31からStep34の作業においては、カプセル型内視鏡誘導システム110の全てが必要ではなく、ドライブコイル51、センスコイル52、それぞれ1個ずつを駆動制御できるシステムであればよい。
次に、周波数特性を記憶したカプセル型内視鏡120の位置および方向の検出方法について説明する。
まず、図17に示すように、カプセル型内視鏡120のスイッチが入れられると、送信部135が記憶部134Aに格納されている周波数特性のデータを外部に向けて送信し、送信されたこれらの周波数特性のデータがカプセル情報受信回路181により受信され、周波数決定部150Bに入力される(Step41)。
算出用周波数には、第1の実施形態と同様に、センスコイル52のゲイン変化が極大値、極小値を取る周波数を選定し、周波数が低いものを低周波側算出用周波数、周波数が高いものを高周波側算出用周波数とする。
また、Step34において、位置、方向検出に使用する周波数(低周波側算出用周波数、高周波側算出用周波数)を記憶部134Aに格納しておいても良い。このようにしておけば、記憶部134Aに記憶されたデータを読み込むだけで算出用周波数を決定できる。
その後、バンドパスフィルタ61の中心周波数を低周波側算出用周波数と合わせる(Step44)。さらに、バンドパスフィルタ61の透過周波数帯域をセンスコイル52のゲイン変化の極値が抽出できる程度の帯域に設定する。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step45)。具体的には、信号発生回路53により発生される交流電流の周波数を低周波側算出用周波数に制御することにより、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を制御している。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step48)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をセンスコイル52により検出する(Step49;検出ステップ)。このとき、検出されるものは、V(fHIGH,N)であり、Step46と同様に、Vs(fHIGH,N)=V(fHIGH,N)−Vc(fHIGH,N)を演算し、センスコイル52の出力に基づいて計算された値としてVs(fHIGH,N)を記憶する。
なお、上述のように、低周波側算出用周波数による検出を先に行い、次に高周波側算出用周波数による検出を後に行ってもよいし、逆に高周波側算出用周波数で検出し、その後に低周波側算出用周波数で検出を行ってもよい。
このセンスコイル52の選定方法は、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
つまり、位置検出装置150Aが、Step52において算出したカプセル型内視鏡120の位置および向きに基づいて、全てのセンスコイル52の位置における磁気誘導コイル42から発生した磁場強度を計算により求め、磁場強度の強い位置にあるセンスコイル52を必要な数だけ選定する。なお、カプセル型内視鏡120の位置および向きを繰り返し求める場合は、後述するStep61において算出したカプセル型内視鏡120の位置および向きに基づいてセンスコイル52を選定する。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step55)。
そして、ドライブコイル51から低周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気を選出されたセンスコイル52により検出する(Step56;検出ステップ)。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step58)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気を選出されたセンスコイル52により検出する(Step59;検出ステップ)。
なお、Step61においては、算出されたカプセル型内視鏡装置120の位置および向きのデータを他の装置や、表示部82に出力してもよい。
その後、カプセル型内視鏡装置120の位置および向きの検出を続ける場合には、上述のStep53に戻って位置および向きの検出を行う。
また、磁気誘導コイル42の周波数特性を格納してもよいし、周波数特性に基づいて算出される算出用周波数を記憶部134Aに格納してもよい。
また、外装21等に周波数特性等の値を直接記載してもよいし、周波数特性等の値を複数のランクに分類して、そのランクを外装21等に記載してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について図19および図20を参照して説明する。
本実施の形態のカプセル型内視鏡誘導システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、位置検出ユニットの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図19および図20を用いて位置検出ユニット周辺のみを説明し、磁気誘導装置等の説明を省略する。
図19は、位置検出ユニットのドライブコイルおよびセンスコイルの配置を示す概略図である。
なお、位置検出ユニットのドライブコイルおよびセンスコイル以外の構成要素は第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
ドライブコイル251としては、図に示すように、矩形形状のコイルを用いてもよいし、ヘルムホルツコイルを用いてもよい。
また、ドライブコイル251が互いに略直交して配置されることになるので、ドライブコイルセレクタ55によるドライブコイルの選択が容易になる。
このような配置とすることにより、被検者1と干渉することなくセンスコイル52を配置することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について図21を参照して説明する。
本実施の形態のカプセル型内視鏡誘導システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、位置検出ユニットの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図21を用いて位置検出ユニット周辺のみを説明し、磁気誘導装置等の説明を省略する。
図21は、位置検出ユニットのドライブコイルおよびセンスコイルの配置を示す概略図である。
なお、位置検出ユニットのドライブコイルおよびセンスコイル以外の構成要素は第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
ドライブコイル351は、形成する交流磁場の方向が図中の矢印で示すように、互いに一次独立となるように配置されている。
次に、本発明の第4の実施形態の変形例について図22を参照して説明する。
本変形例のカプセル型内視鏡誘導システムの基本構成は、第3の実施の形態と同様であるが、第3の実施の形態とは、位置検出ユニットの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図22を用いて位置検出ユニット周辺のみを説明し、磁気誘導装置等の説明を省略する。
図22は、位置検出ユニットのドライブコイルおよびセンスコイルの配置を示す概略図である。
なお、位置検出ユニットのドライブコイルおよびセンスコイル以外の構成要素は第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
コイル支持部458は、カプセル型内視鏡20の作動範囲に対して外側へ凸なる曲面形状であり、センスコイル52は、上記曲面形状に沿うように配置されている。
なお、コイル支持部52の形状は、上述のように上記動範囲に対して外側へ凸なる曲面形状であってもよいし、その他の曲面形状であってもよく、特に限定するものではない。
次に、本発明の第5の実施形態について図23から図28を参照して説明する。
本実施の形態のカプセル型内視鏡誘導システムの基本構成は、第2の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態とは、位置検出ユニットの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図23から図24を用いて位置検出ユニット周辺のみを説明し、磁気誘導装置等の説明を省略する。
図23は、本実施形態におけるカプセル型内視鏡誘導システムの概略を示す図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
位置検出装置550Aからドライブコイル51までの間には、位置検出装置550Aからの出力に基づき交流電流を発生させる信号発生回路53と、位置検出装置550Aからの出力に基づき信号発生回路53から入力された交流電流を増幅するドライブコイルドライバ54と、が配置されている。
位置検出ユニット550には、略球状に形成された外枠571Aおよび内枠571Bからなる枠部571と、外枠571Aおよび内枠571Bとの間を移動可能に配置されたドライブコイルユニット551と、内枠571Bの内面に配置されたセンスコイル52とが、図24に示すように配置されている。
ドライブコイルユニット551は、図25に示すように、略直方体状の筐体552と、筐体552の外枠571Aおよび内枠571Bに対向する面の四隅に配置された駆動部553と、ドライブコイル51と、ドライブコイルユニット551の進行方向を制御する方向転換部555と、ドライブコイルユニット551とドライブコイルドライバ54および相対位置変更部561とを電気的に接続する紐状の接続部556と、から概略構成されている。
方向転換部555は、外枠571Aに対向する面に突出して配置された球体部557と、球体部557を回転制御するモータ558と、モータ558を駆動制御するモータ回路559とから概略構成されている。
カプセル型内視鏡120の位置および方向検出に用いる算出用周波数の求め方、つまり磁気誘導コイル42の周波数特性を記憶部134A(図15参照)に格納するまでの作用は第2の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
まず、図26に示すように、送信部135が記憶部134Aに格納されている周波数特性のデータを外部に向けて送信し、送信されたこれらの周波数特性のデータがカプセル情報受信回路181により受信され、周波数決定部150Bに入力される(Step71)。
算出用周波数には、第1の実施形態と同様に、センスコイル52のゲイン変化が極大値、極小値を取る周波数を選定し、周波数が低いものを低周波側算出用周波数、周波数が高いものを高周波側算出用周波数とする。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step75)。
そして、ドライブコイル51から低周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、交流磁界をセンスコイル52により検出する(Step76)。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step78)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、交流磁界をセンスコイル52により検出する(Step79)。
そして、ドライブコイルユニット551を次の所定位置に移動させる(Step81)。所定位置はドライブコイルユニット551の移動可能範囲であって、各所定位置との間が所定間隔となるように設定されている。
全ての所定位置において基準値の取得がなされていない場合には、上述のStep74に戻り、基準値の取得を繰り返す。また、全ての所定位置において基準値を取得したら次のステップに進む(Step82)。
その後、図28に示すように、バンドパスフィルタ61の中心周波数を低周波側算出用周波数と合わせる(Step83)。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step84)。
そして、ドライブコイル51から低周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をセンスコイル52により検出する(Step85)。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step87)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をセンスコイル52により検出する(Step88)。
なお、上述のように、低周波側算出用周波数による検出を先に行い、次に高周波側算出用周波数による検出を後に行ってもよいし、逆に高周波側算出用周波数で検出し、その後に低周波側算出用周波数で検出を行ってもよい。
このセンスコイル52の選定方法は、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
つまり、位置検出装置550Aが、Step92において決定したカプセル型内視鏡120の位置および向きに基づいて、カプセル型内視鏡120の移動方向および移動後の位置および向きを推定し、推定したカプセル型内視鏡120の位置および向きにおいて、出力が大きくなるセンスコイル52を選定する。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を低周波側算出用周波数に合わせる(Step95)。
そして、ドライブコイル51から低周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をセンスコイル52により検出する(Step96)。
そして、ドライブコイル51により形成される交流磁界の周波数を高周波側算出用周波数に合わせる(Step98)。
そして、ドライブコイル51から高周波側算出用周波数の交流磁界を発生させ、磁気誘導コイル42に誘起された誘導磁気をセンスコイル52により検出する(Step99)。
その後、カプセル型内視鏡装置120の位置および向きの検出を続ける場合には、上述のStep93に戻って位置および向きの検出を行う(Step103)。
予め上記基準値とドライブコイル51の位置および相対位置を記憶しているため、カプセル型内視鏡120の位置検出時のドライブコイル51およびセンスコイル52の相対位置が異なっている場合でも、再び上記基準値等を測定する必要がない。
以下、本発明におけるカプセル型内視鏡の位置検出システムについて図29を参照して説明する。
図29は、本発明におけるカプセル型内視鏡の位置検出システムの概略を示す図である。
なお、本発明におけるカプセル型内視鏡の位置検出システム610は、上述したカプセル型内視鏡誘導システム110の位置検出装置150のみから構成されているものである。そのため、カプセル型内視鏡の位置検出システム610の構成要素、作用および効果はカプセル型内視鏡誘導システム110と同様なので、図29を示してその説明を省略する。
また、上述のように本発明を、カプセル型内視鏡の位置検出システム、カプセル型医療装置誘導システムおよびカプセル型医療装置の位置検出方法について適用して説明してきたが、被験者などの被検体に飲み込ませるものは、カプセル型内視鏡だけではなく、カプセル型医療装置(例えば、薬剤を保持し体腔内の目的部位で薬材を放出するDDSカプセル、化学的センサ、血液センサ、DNAプローブ等を搭載し体腔内の情報を取得するセンサカプセル、体内に留置されpHなどを測定する留置カプセルなど、さまざまなカプセル型医療装置にも使用することができる。また、磁気誘導コイルは内視鏡の先端カテーテル、鉗子の先端などにも配置することが可能で、本発明で示した位置検出システムは、体腔内で機能する医療装置用位置検出システムとしても使用できる。
また、センスコイル52は磁界を検出できる磁気センサであればよく、GMRセンサ、MIセンサ、ホール素子、SQUID磁束計など、さまざまなセンサが使用可能である。
10,110,510 カプセル型内視鏡誘導システム(カプセル型医療装置誘導システム)
20,120 カプセル型内視鏡(カプセル型医療装置)
25 螺旋部(螺旋機構)
30 撮像部(撮像手段)
42 磁気誘導コイル
45 駆動用磁石(永久磁石)
50,150,250,350,450,550 位置検出ユニット(位置検出システム、駆動コイル選択部)
50A,150A,550A 位置検出装置(位置解析手段、磁界周波数可変部、駆動コイル制御部)
50B,150B 算出用周波数決定部(周波数決定部)
51,251,351 ドライブコイル(駆動コイル)
52 センスコイル(磁気センサ)
56 センスコイルセレクタ(磁気センサ選択手段)
61 バンドパスフィルタ(BPF、帯域制限部)
71 3軸ヘルムホルツコイルユニット(磁界発生手段、電磁石)
71X、71Y、71Z ヘルムホルツコイル(電磁石)
73 回転磁界制御回路(磁界方向制御手段)
82 表示部(表示手段、画像制御手段)
135 無線素子(通信部)
550B 現在基準値生成部
550C 格納部(記憶部)
561 相対位置変更部(相対位置変更手段)
562 相対位置測定部(相対位置測定手段)
610 位置検出システム
R 回転軸(長手軸)
S 空間
Claims (22)
- 被検者の体内に投入されるカプセル型医療装置の位置検出システムであって、
前記カプセル型医療装置に搭載した磁気誘導コイルと、
前記カプセル型医療装置の作動範囲の外部に配置され、前記磁気誘導コイルに作用させる交流磁界を発生する駆動コイルと、
前記カプセル型医療装置の作動範囲の外部に配置され、前記磁気誘導コイルにより発生された誘導磁気を検出する複数の磁気センサと、
前記磁気誘導コイルの共振周波数に基づいて前記カプセル型医療装置の位置および向きの算出に用いる算出用周波数を求める周波数決定部と、
前記算出用周波数を用いて前記交流磁界のみが前記磁気センサに作用した際の前記磁気センサの出力と、前記交流磁界および前記誘導磁気が前記磁気センサに作用した際の前記磁気センサの出力との差分に基づき前記カプセル型医療装置の位置および向きを算出する位置解析手段と、を有し、
前記算出用周波数に基づいて、前記交流磁界の周波数および/または前記位置解析手段の解析に用いる前記磁気センサの出力周波数帯域を制限するカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 前記周波数決定部が、前記誘導磁気が前記磁気センサに作用した際の前記磁気センサの出力に基づき、前記算出用周波数を求める請求項1記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記交流磁界の周波数を時間的に変化させる磁界周波数可変部を有し、
前記周波数決定部が、時間的に周波数変化する交流磁界により前記磁気誘導コイルから発生される誘導磁気が前記磁気センサに作用した際に、前記磁気センサの出力の周波数特性に基づき、前記算出用周波数を求める請求項1記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 前記駆動コイルにインパルス状の駆動電圧を印加して、インパルス状の磁界を発生させるインパルス磁界発生部を有し、
前記周波数決定部が、前記インパルス状の磁界により前記磁気誘導コイルから発生された誘導磁気が作用した際の前記磁気センサの出力に基づき、前記算出用周波数を求める請求項1記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 複数の異なる周波数を混合した前記交流磁界を発生させる混合磁界発生部と、
前記磁気センサの出力周波数帯域を制限するとともに制限の範囲を変更できる可変帯域制限部と、を有し、
前記周波数決定部が、複数の異なる周波数を混合した前記交流磁界により前記磁気誘導コイルから発生された誘導磁気が作用した際の前記磁気センサの出力であって、前記可変帯域制限部を介して得られた前記磁気センサの出力が変化する周波数に基づき前記算出用周波数を求める請求項1記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 前記カプセル型医療装置内に、予め記憶された前記磁気誘導コイルの共振周波数に係る周波数の値を前記周波数決定部に送信する送信部が備えられ、
前記周波数決定部が、前記送信部より前記共振周波数に係る周波数の値を受け取とり、受け取った前記共振周波数に係る周波数に基づいて前記算出用周波数を決定する請求項1記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 前記算出用周波数に基づいて、前記駆動コイルを制御する駆動コイル制御部を有する請求項1から6のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記算出用周波数に基づいて、前記磁気センサの出力周波数の帯域を制限する帯域制限部と、を有する請求項1から6のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記複数の磁気センサが、前記カプセル型医療装置の作動範囲に対向して複数方向に配置された請求項1から8のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記複数の磁気センサの出力信号のうち、信号出力の強い出力信号を選択的に使用する磁気センサ選択手段を有する請求項1から9のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記駆動コイルが複数備えられており、
前記複数の駆動コイルから前記駆動コイルを選択する駆動コイル選択部を有する請求項1から9のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 2つ以上の前記駆動コイルが前記磁気誘導コイルの位置に作る合成磁場の方向と、前記磁気誘導コイルとの成す角が鋭角の関係になるように、前記駆動コイル選択部が前記2つ以上の駆動コイルを選択する請求項11に記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記駆動コイルと前記磁気センサとが、前記カプセル型医療装置の作動範囲を挟んで対向する位置に配置されている請求項1から12のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記駆動コイルと前記磁気センサとの相対位置を変更する相対位置変更手段と、
前記相対位置を測定する相対位置測定手段と、
予め前記交流磁界のみが作用した際の前記磁気センサの出力値を基準値として記憶するとともに、その際の前記磁気センサの位置および前記相対位置を前記基準値と関連付けて記憶する記憶部と、
前記磁気センサの現在位置および前記駆動コイルと前記磁気センサとの現在相対位置と、前記記憶部に記憶された前記基準値と、に基づいて、
現在の前記交流磁界のみが作用した際の前記磁気センサの出力値を現在基準値として生成する現在基準値生成部と、を有する請求項1から13のいずれかに記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 前記現在基準値生成部が、前記現在相対位置に最も近い前記相対位置と関連付けられた前記基準値を、前記現在基準値として生成する請求項14記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。
- 前記現在基準値生成部が、前記相対位置と前記基準値とを関連付ける所定の近似式を求め、
該所定の近似式と前記現在相対位置とに基づいて前記現在基準値を生成する請求項14記載のカプセル型医療装置の位置検出システム。 - 請求項1から請求項16のいずれかに記載の位置検出システムと、
前記カプセル型医療装置に搭載された永久磁石と、
前記カプセル型医療装置の作動範囲の外部に配置され、前記永久磁石に対して作用させる磁界を発生する磁界発生手段と、
該磁界発生手段により前記永久磁石に作用させる磁界の方向を制御する磁界方向制御手段と、を備えるカプセル型医療装置誘導システム。 - 前記磁界発生手段が、相互に直交する方向に対向配置される3対の枠体状の電磁石を備え、
該電磁石の内側に被検者を配置可能な空間が設けられるとともに、
前記被検者を配置可能な空間の周囲に、前記駆動コイルおよび前記磁気センサが配置されている請求項17記載のカプセル型医療装置誘導システム。 - 前記カプセル型医療装置の外面に、該カプセル型医療装置の長手軸周りの回転力を長手軸方向の推進力に変換する螺旋機構が備えられている請求項17または18に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル型医療装置に、該カプセル型医療装置の長手軸に沿う光軸を有する撮像手段を備えるとともに、該撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を備え、
前記磁界方向制御手段によるカプセル型医療装置の長手軸回りの回転情報に基づいて、前記撮像手段により撮像された画像を、逆方向に回転させて前記表示手段に表示させる画像制御手段を備える請求項19記載のカプセル型医療装置誘導システム。 - 位置検出用の磁気誘導コイルを搭載し、被検者の体内に投入されるカプセル型医療装置と、
前記磁気誘導コイルに作用させる交流磁界を発生する駆動コイルと前記磁気誘導コイルにより発生された誘導磁気を検出する複数の磁気センサとを有する位置検出システムと、
を用いたカプセル型医療装置の位置検出方法であって、
前記交流磁界のみが作用した際の前記磁気センサの周波数特性を測定する予備測定ステップと、
前記交流磁界および前記誘導磁気が作用した際の前記磁気センサの周波数特性を測定する測定ステップと、
前記予備測定ステップおよび測定ステップにおいて測定された前記周波数特性に基づいて、前記カプセル型医療装置の位置および向きを算出するのに用いる算出用周波数を決定する周波数決定ステップと、
前記算出用周波数における、前記交流磁界および前記誘導磁気が作用した際の前記磁気センサの出力を検出する検出ステップと、
検出した前記磁気センサの出力に基づいて前記カプセル型医療装置の位置および向きを算出する位置算出ステップと、を有するカプセル型医療装置の位置検出方法。 - 位置検出用の磁気誘導コイルおよび該磁気誘導コイルの共振周波数に係る周波数の値を外部に送信する送信部を有し、被検者の体内に投入されるカプセル型医療装置と、
前記磁気誘導コイルに作用させる交流磁界を発生する駆動コイルと前記磁気誘導コイルにより発生された誘導磁気を検出する複数の磁気センサとを有する位置検出システムと、を用いたカプセル型医療装置の位置検出方法であって、
前記送信部により送信された前記共振周波数に係る周波数を取得し、取得した前記共振周波数に係る周波数に基づき、前記カプセル型医療装置の位置および向きを算出するのに用いる算出用周波数を決定する周波数決定ステップと、
前記算出用周波数の交流磁界のみが作用した際の前記磁気センサの周波数特性を測定する測定ステップと、
前記算出用周波数の交流磁界、および、前記算出用周波数の交流磁界により発生した前記誘導磁気が作用した際の前記磁気センサの出力を検出する検出ステップと、
検出した前記磁気センサの出力に基づいて前記カプセル型医療装置の位置を算出する位置算出ステップと、を有するカプセル型医療装置の位置検出方法。
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