図1ないし図13は本発明の実施例1に係り、図1及び図2は実施例1のカプセル型医療装置誘導システムの全体構成を示し、図3はカプセル本体の側面図及び正面図を示し、図4は操作入力装置の概略の構成及び変形例等を示し、図5は回転磁界の法線ベクトルを座標系で示したものと、ジョイスティックを傾動操作した場合のカプセル本体の推進方向等を示し、図6は変形例におけるスティックとその傾動操作によるカプセル本体の推進方向とカプセル本体を3次元座標系で表した説明図を示し、図7は回転磁界を印加する時及び停止する時の磁界成分の時間的変化を示し、図8は回転磁界を印加する時の回転磁界の変化の様子の説明図を示し、図9及び図10はカプセル本体が回転した場合にも画像表示を特定方向に設定した状態で表示するための処理内容を示し、図11は図9及び図10の作用の説明図であり、図12はGUIを使用した操作方法の説明図を示し、図13は制御装置が行う操作を時間経過を追って説明するフローチャートを示す。
図1及び図2に示すように、本発明の実施例1のカプセル型医療装置誘導システム1は、図示しない患者の体腔内に挿入され、体腔内を撮像するカプセル型内視鏡として機能するカプセル型医療装置本体3(以下、カプセル本体と略記)と、患者の周囲、つまり体外に配置され、カプセル本体3に回転磁界を印加する回転磁界発生装置4と、この回転磁界発生装置4に回転磁界を発生させる駆動電流の供給制御を行う磁界制御装置(或いは電源制御装置)5と、患者の体外に配置され、カプセル本体3と無線通信を行う処理を行うと共に、磁界制御装置5を制御して、カプセル本体3に印加される回転磁界の方向や大きさ等を制御する処理を行う処理装置6と、この処理装置6に接続され、カプセル本体3により撮像した画像等を表示する表示装置7と、処理装置6に接続され、術者などの操作者が操作することにより、操作に対応した指示信号を指示入力する操作入力部8としての、例えば磁界方向の指示信号を発生する方向入力装置8a、操作に対応した回転周波数の回転磁界の指示信号を発生する速度入力装置8b、操作に対応して偏芯した回転磁界の発生など、設定された機能に対応した指示信号を発生する機能ボタン8cとを有する。
図3に示すように、カプセル本体3はカプセル形状の外装容器11の外周面に回転により推力発生する推力発生構造部となる螺旋状突起(或いはスクリュウ部)12が設けてある。また、この外装容器11で密閉された内部には対物光学系13及びその結像位置に配置された撮像素子14と、撮像を行うために照明する照明素子15(図1参照)等の他に、マグネット16が収納されている。
図3に示すように対物光学系13は、円筒状のカプセル本体3の中心軸C上にその光軸が一致するようにして、例えば外装容器11における半球状に透明にされた先端カバー11aの内側に配置されており、先端カバー11aの中央部分が図3(B)に示すように観察窓17となる。なお、図3では示していないが、照明素子15は対物光学系13の周囲に配置されている。
従って、この場合には、対物光学系13視野方向は対物光学系13の光軸方向、つまりカプセル本体3の円筒状の中心軸Cに沿った方向となる。
また、カプセル本体3内の長手方向の中央付近に配置されたマグネット16は、図3に示すように中心軸Cと直交する方向にN極及びS極が配置されている。この場合、マグネット16の中心は、このカプセル本体3の重心位置に一致するように配置され、外部から磁界を印加した場合にマグネット16に作用する磁気的な力の中心がカプセル本体3の重心位置となり、磁気的にカプセル本体3を円滑に推進させやすい構成にしている。
また図3(B)に示すように、撮像素子14の特定の配置方向に一致するように配置されている。
つまり、撮像素子14により撮像された画像が表示される場合の上方向が、マグネット16のS極からN極に向かう方向に設定されている。
そして、回転磁界発生装置4により回転磁界をカプセル本体3に印加することにより、マグネット16を磁気的に回転させ、このマグネット16を内部に固定したカプセル本体3をマグネット16と共に回転させ、その際カプセル本体3の外周面に設けた螺旋状突起12は体腔内壁に接触して回転され、カプセル本体3を推進させることができるようにしている。
また、このように、外部磁界によりマグネット16を内蔵したカプセル本体3を制御するようにした場合には、外部磁界の方向からカプセル本体3により撮像された画像の上方向がどの方向であるかを知ることができるようにしている。
カプセル本体3内には、上述した対物光学系13、撮像素子14、マグネット16の他に図1に示すように、撮像素子14で撮像された信号に対する信号処理を行う信号処理回路20と、信号処理回路20により生成されたデジタル映像信号を一時記憶するメモリ21と、メモリ21から読み出した映像信号を高周波信号で変調して無線送信する信号に変換したり、処理装置6から送信される制御信号を復調等する無線回路22と、信号処理回路20等カプセル本体3を制御するカプセル制御回路23と、信号処理回路20等カプセル本体3内部の電気系に動作用の電源を供給する電池24とが収納されている。
また、このカプセル本体3と無線通信を行う処理装置6は、前記無線回路23と無線通信を行う無線回路25と、無線回路25と接続され、カプセル本体3から送られた画像データに対する画像表示等のデータ処理等を行うデータ処理回路26と、データ処理回路26や電源制御装置5等を制御する制御回路27と、前記電源制御装置5を介して回転磁界発生装置4により発生される回転磁界の状態、より具体的には回転磁界の法線ベクトルの向き(回転磁界の向きと略記)及びその回転磁界を形成する磁界の向きの情報を記憶する記憶回路28と、機能ボタン8c等による機能設定等を行う設定回路29とを有する。データ処理回路26には表示装置7が接続され、撮像素子14で撮像され、無線回路22、25を経てデータ処理回路26により処理された画像等が表示される。また、表示装置7は、制御回路27とも接続されており、現在の回転磁界の状態や、機能設定の状態も表示することができる。
制御回路27には、操作入力装置8を構成する方向入力装置8a、速度入力装置8b、機能ボタン8cから操作に対応した指示信号が入力され、制御回路27は指示信号に対応した制御動作を行う。
また、制御回路27は記憶回路28と接続され、記憶回路28に磁界制御装置5を介して回転磁界発生装置4により発生する回転磁界の向き及び磁界の向きの情報を常時記憶するようにしている。そして、その後に、回転磁界の向きや磁界の向きを変化させる操作が行われた場合にも、回転磁界の向きや磁界の向きを連続的に変化させ、円滑に変化させることができるようにしている。つまり、記憶回路28は、制御回路27に対してその制御動作を行う際の情報提供手段を形成する。なお、記憶回路28を、制御回路27内部に設けるようにしても良い。
また、制御回路27と接続された磁界制御装置5は、交流電流を発生すると共に、その周波数や位相を制御する3個の交流電流発生&制御回路からなる交流電流発生&制御部31と、各交流電流をそれぞれ増幅する3個のドライバからなるドライバ部32とを有し、3個のドライバの出力電流は回転磁界発生装置4を構成する3個の電磁石33a、33b、33cにそれぞれ供給される。
3個の電磁石33a、33b、33cは、それぞれが1組の対向する空芯コイルで構成されており、それぞれの電磁石は略直交するように配置されている。対向コイルの間の空間は、均一な磁界が発生できるので、この構成により任意の方向に磁界を発生することができる。また、好ましくは対向コイルそれぞれがヘルムホルツコイルを形成していることである。
この場合、電磁石33a、33b、33cは図2に示すように直交する3軸方向の磁界を発生するように配置されている。好ましくは電磁石33a、33b、33cは、それぞれが1組の対向する空芯コイルで構成されており、それぞれの電磁石は略直交するように配置されている。対向コイルの間の空間は、均一な磁界が発生できるのでこの構成により任意の方向に磁界を発生することができる。また、さらに好ましくは対向コイルそれぞれがヘルムホルツコイルを形成していることである。
そして、図4(A)に示す操作入力装置8を構成する方向入力装置8aを操作することにより、磁界方向の指示信号を発生したり、速度入力装置8bを操作することにより操作に対応した回転周波数の回転磁界の指示信号を発生したり、機能ボタン8cを操作することにより偏芯した回転磁界を発生(図9参照)したりすることができるようにしている。
具体的には、操作入力装置8は操作箱の上面から上方に突出するジョイスティックSaで形成された方向入力装置8aと、スティックSbにより形成された速度入力装置8bと、例えば2つのボタンTa,Tbで形成された機能ボタン8cとから構成される。
そして、図5(A)に示すように直交する座標系を設定して、回転磁界の回転面の法線ベクトルNの方向を表した場合、この法線ベクトルNの方向がカプセル本体3の推進方向となり、この方向をジョイスティックSaの傾動操作で設定できるようにしている。
この場合、図5(B)に示すように、ジョイスティックSaを前側、後側、左側、右側に向けて傾動することにより、下側、上側、左側、右側に推進方向を変更できるようにしている。この場合の傾動する量が角度変化のスピードに相当する。尚、中間方向(例えば左下方向や右上方向)に傾ければ、当然その方向に推進方向を変更できる。
また、図5(C)に示すように、スティックSbを前側、後側に傾動することにより、それぞれ前側及び後方側に回転方向を設定でき、かつ傾ける角度で回転周波数を変化できるようにしている。
また、ボタンTaは回転磁界の方向を偏芯させる(つまり、回転磁界の方向をある1方向から偏芯角度だけ偏芯させるようにして回転磁界の方向が円錐状に変化する)ように発生させる回転磁界の偏芯開始の指示信号を発生し、この回転磁界の偏芯によりカプセル本体3に内蔵されたマグネット16は(回転する独楽の心棒がぶれるように回転する)いわゆるジグリングを開始することになる。
従って、ボタンTaはジグリングの開始の指示信号として機能し、ボタンTbは回転磁界の偏芯停止の指示信号、従ってジグリングを停止させる指示信号を発生する。なお、磁界強度やジグリングを指示する場合のジグリングの角度(後述する角度φ)の値やそのジグリングを行う場合の周波数の設定は設定回路29の機能により、予め設定できるようにしている。また、この設定は、操作者が表示装置7を確認しながら任意に変更できるように構成してもよい。
また、操作入力装置8として図4(A)に示すものの変形例として図4(B)に示すようにジョイスティックScの頂部側に傾動可能で、倒す量により回転磁界の回転周波数を変化させることによりカプセル本体3の回転速度を変化させるレバーLaと、回転磁界の回転方向をON/OFFで指示するボタンTcと、回転磁界の偏芯機能としての機能ボタンTd(1つの場合にはOFFからONと、ONの場合にはONからOFFの機能を持つ)を設けるようにしても良い。
このようにすると、片手で操作することができ、図4(A)の両手で操作することが必要になる場合よりも操作性を向上することができる。
また、図4(A)において、例えばスティックSbの代わりに図4(C)に示すフットスイッチFを採用し、踏み込む量で回転周波数を変更するようにしても良い。また、ジョイステック、フットスイッチのみならず、パーソナルコンピュータ等で操作入力部8を構成し、マウス、キーボード、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)等を利用して操作を行える様にしてもよい。
さらに、この場合において表示装置7上にGUIも表示するように構成すると操作性が向上する。例えば、カプセル本体で取得した画像上にカーソルを置き、カプセル本体を向けたい方向をそのカーソルで指示することで、カプセルの進行方向を指示できる様にしてもよい。
その際に、画像の中心位置からカーソルの距離が、カプセル本体の向きを変える速さに対応させることで、より操作性を向上させることができる。これを、図12を使用して説明する。図12はカプセル本体で取得した画像71を表示しており、カーソル72が画像71の中心に配置されている。
このとき、操作者が図示したAの方向にカプセル本体の向きを変更したいと考えた場合、カーソル72を図示しないマウスでA方向に移動させることで、ジョイステックScを操作した際と同様の信号が図示しないパーソナルコンピュータで生成され、制御回路27に伝達される。
図4(B)に示すジョイスティックScを採用した場合におけるその操作機能等の説明図を図6で示している。図6(A)は図4(B)における機能ボタンTdを除いた構成例を示し、図6(B)はジョイスティックScの傾動操作による推進方向を変化する機能を示し、図6(C)はカプセル本体3に対して実際に推進方向等を変更する動作説明図を示す。
この場合には、図6(A)に示すジョイスティックScの傾動操作により、回転磁界の発生方向を変更して、カプセル本体3の推進方向を変更する機能を図6(B)に示す。本実施例では、図6(B)(或いは図5(B))に示すようにジョイスティックScを傾動する操作方向にカプセル本体3を推進させることができるように回転磁界の発生方向を制御するようにしている。
また、レバーLaを倒す量で回転周波数を変化させ、ボタンTcをOffの状態では前進させるような回転磁界を、Onの状態では後退させるような(前進とは逆回転の)回転磁界を発生させるように制御する。
図6(B)に示すように推進方向を円滑に変更するためには、カプセル本体3の状態或いは回転磁界の状態を常時把握していることが必要となる。本実施例では、回転磁界の状態(具体的には、回転磁界の向き及び磁界の向き)を記憶回路28に常時記憶するようにしている。
具体的には、図1における第1の操作入力手段である操作入力部8における操作の指示信号は制御回路27に入力され、制御回路27は指示信号に対応した回転磁界を発生させる制御信号を磁界制御装置5に出力すると共に、その回転磁界の向き及び磁界の向きの情報を記憶回路28に記憶する。
図13のフローチャートを使用して、より具体的動作を説明する。図13において縦方向は時間の経過方向である。ステップS21からS25は、制御回路27の動作ステップを表している。制御回路27は、まず、ステップS21において、記憶回路28の状態を読み込む。
次に、制御回路27は、操作入力部8の状態を読み込む(S22)。そして、制御回路27は、記憶回路28の状態と、操作入力部8の状態とより、カプセル本体の設定された時間後の方向を計算する(S23)。その計算後、制御回路27は、設定された時間後までのカプセル本体を連続的に運動させる制御信号となる波形データを生成する(S24)。また、設定された時間後のカプセル本体の方向を記憶回路28に記録すると共に、生成した波形データを交流電流発生&制御部31に伝送する(S25)。
交流電流発生&制御部31は、ステップS25から伝送された(新しい)波形データを、前回に伝送されている古い波形データの終了に続けて付加し、ドライバ部32を経て磁界発生の駆動を行う波形データとして回転磁界発生装置4に出力する(S26)。なお、このステップS26の処理は、初めて処理する場合には、前回に伝送されている古い波形データはないため0である。また、次に交流電流発生&制御部31に波形データが入力されると、すでに入力されていた波形データの終了に続けて付加される。
ステップS26の処理の後、制御回路27は、ステップS21の処理に戻る。このように処理ステップS21〜S26の閉ループの処理は、所定の制御周期で繰り返えされる。
このようにして制御回路27は、回転磁界の発生を制御する波形データを連続的に出力(磁気誘導)しつつ、リアルタイムにカプセル本体の向きの変更を行うようにする。尚、この際の制御周期は、1秒以下(より好ましくは100mS以下)の周期で行われるため、カプセル本体の誘導をスムーズに行うことができる。
従って、記憶回路28には、回転磁界発生装置4により発生される回転磁界及びその回転磁界を形成する周期的に変化する磁界の向きの情報が常時記憶されるようになっている。
なお、記憶回路28は制御回路27からの回転磁界の向き及び磁界の向きの制御信号に対応する情報を記憶する場合に限定されるものでなく、制御回路27から磁界制御装置5に出力された制御信号により、磁界制御装置5における交流電流発生&制御部31及びドライバ部32を経て回転磁界発生装置4に実際に出力される回転磁界の向き及び磁界の向きを決定する情報を磁界制御装置5側から制御回路27に送り、記憶回路28に記憶するようにしても良い。
また、本実施例では回転磁界の印加開始時及び印加停止時や回転磁界の向き(換言するとカプセル本体の進行方向の向き)等を変更する場合には、カプセル本体3に急激な力が作用することなく円滑に作用するように回転磁界を連続的に変化させるように制御するようにしている。
具体的には回転磁界の発生方向をZ方向とし、この回転磁界を発生するためにこのZ方向に垂直な平面のX方向及びY方向にそれぞれ沿って回転磁界発生装置4で発生される磁界成分をHx、Hy(図7では簡単化のため、X、Yと表記する)とすると、回転磁界の印加開始時には図7(A)に示すように回転磁界の強度を連続的に大きくし、回転磁界の印加停止時には図7(B)に示すように回転磁界の強度を連続的に小さくするように制御する。
図8は例えば回転磁界の印加時の様子を示しており、カプセル本体3に対して、回転磁界を印加する場合には、回転磁界の大きさを0から連続的に大きくしていくことを示している。
このように制御することにより、回転磁界の印加開始時及び回転磁界の印加停止時においてもカプセル本体3の動作を円滑に維持できるようにしている。
また、回転磁界の強度のみでなく、回転磁界の回転周波数についても回転磁界の付加開始時に連続的に変化させるようにするとより好ましい。具体的には、回転磁界付加開始時には徐々に回転磁界の周波数を上げるように制御する。これにより、カプセル本体の回転速度が徐々に上がるようになるので、カプセル本体の回転を滑らかに開始することができる。また、回転磁界付加停止時には徐々に回転磁界の周波数を下げるように制御する。これにより、カプセル本体の回転速度が徐々に下がるようになるので、カプセル本体の回転を滑らかに停止することができる。
もちろん、周波数の連続的変化と、磁界強度の連続的変化を同時に行うようにしてもかまわない。
本実施例では、医療装置本体としてのカプセル本体3を回転磁界を使用して誘導する際に、現在のカプセル本体3の進行方向を決定する回転磁界の状態の情報を記憶回路28に記憶し、その進行方向を変更する場合には、記憶回路28に記憶した情報を参照して次の進行方向に進行させるように回転磁界を連続的に変化させるように制御することで、医療装置本体の誘導操作を自然な操作を行うことができる様にしていることが特徴となっている。
このような構成による本実施例の作用を説明する。
カプセル本体3により体腔内を検査する場合、患者はこのカプセル本体3を飲み込む。体腔内に挿入されたカプセル本体3は食道等を通過する際に、照明素子15で照明し、撮像素子14で撮像した画像を無線回路22を経て体外の処理装置6に無線で送る。
処理装置6は無線回路25で受信し、復調された画像データをデータ処理回路26内部などに設けた(ハードディスク等の)画像記憶デバイスに蓄積すると共に、表示用の処理を行い、表示装置7に出力してカプセル本体3により順次撮像された画像を表示する。
表示装置7に表示される画像から術者は、カプセル本体3が現在の体腔内における概略の位置を推測することができる。例えば食道を撮像している状態であると判断し、検査対象とする部位が例えば小腸等のより深部側である場合には、途中の部位をより速やかに進行させた方が良く、この場合には回転磁界発生装置4で発生する回転磁界の向き(法線方向の向き)を患者の身長に沿った下側となるように初期設定を行う。なお、この場合におけるカプセル本体3に設けた螺旋状突起12は撮像素子14で撮像する視野方向を前側として例えば右ネジ状に形成されているとする。
回転磁界を発生させるべく、例えば、方向入力装置8a等を最初に操作した場合には、記憶回路28にはその直前の回転磁界の状態に対応する情報が記憶されていないので、制御回路27は設定回路29を起動して初期設定の設定画面を表示装置7等に表示し、初期設定で発生する回転磁界の向きを術者に選択設定できるようにする。そして、術者は最初に回転磁界を発生する向きを患者の身長に沿った下側に発生する指示操作を行うことにより、回転磁界の初期発生情報が記憶回路28に記憶される。
また、術者は、設定回路29により、回転磁界の大きさ(図8における磁界回転平面における方向が回転する磁界の大きさ(振幅))を予め設定し、この値以上の回転磁界を発生しないように設定することもできる。この設定回路29による設定情報は記憶回路28に記憶される。また、術者は、回転磁界の最大回転周波数、カプセル本体の方向変換の速さの最大値等についても同様に設定する。
そして、操作入力装置8の図4(A)のスティックSb或いは図4(B)のボタンTcをOffにし、レバーLaを倒すような操作を行うことにより、患者の身長に沿った下側が回転磁界の向きとなるように回転磁界が発生するように制御回路27は記憶回路28に記憶された情報を読み出して制御する。つまり記憶回路28から読み出した情報に基づいて磁界制御装置5を介して回転磁界発生装置4により前記回転磁界を発生させる。
この場合、例えば患者の身長に沿った下側をZ方向とした場合には、回転磁界発生装置4により、発生される回転磁界を形成する磁界成分は図7(A)に示すX,Yのようにその成分が0の状態から連続的に大きくなり、所定の値(図7では+Limitと−Limit)に達するとその振幅を維持する。
なお、レバーLaを傾ける操作した場合には、その傾けた操作量に対応する周波数の回転磁界が発生する。図7では簡単化のためレバーLaをある角度まで倒した場合におけるその操作に対応して、回転磁界の発生時(印加時)におけるその大きさ(振幅)が変化して所定の回転磁界に達するまでの様子を示している。さらにレバーLaを傾けた場合には、より周期の短い、つまり回転磁界の周波数が大きな回転磁界となる。
ここで、前述したように始動時、停止時においては急激にカプセル本体の回転周波数が変化しないように周波数を徐々に変化させるようにしてもよい。あるいは、振幅及び周波数の両方を徐々に変化させるようにしてもかまわない。
このようにして、体外から回転磁界を印加することにより、体腔内に挿入されたカプセル本体3に内蔵されたマグネット16に磁気トルクを作用させ、カプセル本体3を回転させ、その際カプセル本体3の外周面に設けた螺旋状突起12を体腔内の内壁に接触させた状態でネジを回転させるようにして速やかに推進させることができる。
また、レバーLaを離してこのレバーLaによる操作を停止すると、レバーLaは(操作量が0の)中立位置に自動的に戻り、その際に回転磁界の成分は図7(B)に示すように連続的に小さくなり、0となる。つまり、回転磁界の印加停止時にも回転磁界は連続的に変化することにより、カプセル本体3の動作を円滑に或いは自然に近い状態で制御することができる。
また、記憶回路28には回転磁界の状態(回転磁界の向き及び磁界の向き)の情報が常時記憶され、レバーLaを離して回転磁界の印加を停止した状態での回転磁界の状態の情報も記憶される。
そして、次に再度回転磁界を印加する操作が行われた場合には、記憶回路28に記憶された情報により、回転磁界を停止した場合と同様の回転磁界を発生する。勿論、この場合にも図7(A)で示したように回転磁界は連続的に大きくなるように制御される。
本実施例ではこのように回転磁界の印加時或いは停止時には、その回転磁界の大きさを連続的に変化させるようにしているので、回転磁界の印加時或いは停止時におけるカプセル本体3に作用する力を連続的に変化でき、カプセル本体3を回転磁界の印加により円滑により大きな速度で推進させること等ができ、短時間で目的部位側に誘導することができる。
上記の説明では食道部分で回転磁界を印加して、その移動速度を促進させるように説明したが、カプセル本体3が胃から十二指腸側に進行したような場合に、回転磁界を印加するようにしても良い。
この場合にも、撮像された画像から、カプセル本体3が胃から十二指腸に入ったことを確認でき、この十二指腸の走行方向に進行させるように回転磁界を印加することにより、より速く進行させることができる。この場合においても、十二指腸の走行方向をZ軸方向とした場合には、図7(A)で示したように回転磁界を印加する。また、停止時には図7(B)で示すように変化させる。
より一般的な場合で説明すると、カプセル本体3が図6(C)に示すように3次元空間内にあり、カプセル本体3の長手方向の前側(視野方向側)がy′方向であるとし(図6(C)では、カプセル本体3の長手方向の前側がy′方向となるように直交する座標系(x′、y′、z′)を設定している)、このy′方向にカプセル本体3を回転磁界により推進させるためには、印加する回転磁界の(法線方向の)向きをこのy′方向に設定した状態で回転磁界を印加する。
回転磁界を印加した場合には、図7(A)に示すように回転磁界を構成する磁界成分は連続的に大きくなるように変化する。つまり、図8の上側に太い螺旋形で示すように回転磁界は次第に大きくなる。
また、図6(C)に示すようにカプセル本体3の進行方向の向きをy′方向からその方向の上側となるy″方向に変更しようとした場合(図6(C)では、カプセル本体3の長手方向の前側をy″方向とする直交する座標系(x″、y″、z″)を設定している)には、方向入力装置8aを操作する。例えば、ジョイスティックSa或いはスティックScを手元側に傾ける操作を行うことにより、y′方向の上側となるy″方向に回転磁界の向きを変更することができる。
この場合において、スティックScを手元側に傾け、レバーLaを傾ける操作をすることにより、回転磁界を連続的に変化させることができ、カプセル本体3の進行方向を回転磁界の印加により円滑に或いは自然に変化させることができる。
この場合における回転磁界は、制御回路27の制御で行われ、具体的には記憶回路28に記憶されているy′方向の回転磁界の情報を元にして、スティックSc等の方向入力装置8aによる入力情報を参照して、y″方向が回転磁界の向きとなるように回転磁界を、基本的には図7(A)に示すようにして発生する(なお、図7(A)は進行方向をZ方向としている場合であるので、磁界成分はこの図7(A)とは異なることになる)。
なお、レバーLaを傾けた状態のまま、スティックScを手元側に傾けた場合においては、回転磁界の向きがy′方向からy″方向に連続的に変更されるように制御回路27は制御する。
具体的には、制御回路27は記憶回路28に記憶されている回転磁界の情報と、方向入力装置8aの操作情報より、一定時間後(ここでの一定時間は先述した制御サイクルに相当する)のカプセル本体の向き(y”方向)を計算する。次にカプセル本体の運動がスムーズになるような、カプセルの向きがy’方向からy”方向へ変化する連続的に変化する回転磁界波形を算出する。制御回路27は、計算で求められた波形データを、交流電流発生&制御部31に伝送する。これにより、連続的に変化する波形により電磁石33a、33b、33cが制御され、回転磁界はy”方向に円滑あるいは自然に方向変化する。よって、カプセル本体もy”方向に円滑あるいは自然に変化することができる。
このように本実施例ではカプセル本体3の進行方向を変化させる場合、記憶回路28に記憶された回転磁界の情報を参照して、回転磁界を連続的に変化させるようにしているので、カプセル本体3の進行方向の変更等を円滑に行うことができる。
また、本実施例では、術者は、機能ボタン8cを操作することにより、回転磁界の向きが周期的に偏芯するように、いわゆるジグリングする回転磁界を発生させることもできる。機能ボタン8cを操作すると、設定回路29により予め設定された偏芯角度の情報が記憶回路28に記憶されており、制御回路27はその偏芯角度の情報を読み出し、回転磁界の向きをこの偏芯角度だけ偏芯させるようにして回転磁界を発生するようになる。
例えば、カプセル本体3がその螺旋状突起12を含めた最大外径よりも大きな管腔部分に存在する場合には螺旋状突起12の一部のみが管腔内壁に接触し、通常の回転磁界では円滑に進行させにくい場合がある。
このような場合には、術者は、回転磁界の向きを偏芯させた磁界(以下、ジグリング磁界)を発生させることにより、このジグリング磁界によりカプセル本体3をジグリングさせることができる。これにより、カプセル本体3のジグリング動作時の外径を実質的(仮想的)に大きくでき、より広い管腔内壁にも螺旋状突起12を接触させるようにでき、通常の回転磁界の場合よりも円滑にかつ安定的にカプセル本体3を効率良く推進させることができる。
例えば図8を流用して説明すると、図8において、y′方向を推進させる方向とした場合において、機能ボタン8cのボタンTa(或いはTd)を操作すると、その方向を回転磁界の向きとする回転磁界に対し、この向きと例えば角度φ偏芯するようなジグリング磁界を制御回路27は発生させるように制御する。なお、図8において、y′方向と角度φを持つ方向yz′は時間とともに変化し、その場合この方向yz′はy′方向となす角度はφとなる(但し、以下に説明するように角度φとなるまでに、より小さい角度から徐々に大きくなる)。
この場合においても、ジグリング磁界を発生する場合、向きがy′方向でその大きさが0の回転磁界から角度が次第に大きくなるようにして、つまり小さな角度でのジグリング磁界から次第に大きくなる角度でのジグリング磁界を発生し、角度φになるとそのジグリング磁界を維持する。
カプセル本体3は回転する独楽が倒れる直前の動作のように小さな回転ぶれの状態から次第にその心棒が大きくぶれるようになる如くに、カプセル本体3は小さな角度でのジグリングから大きな角度でのジグリング動作に連続的に変化し、所定の角度φでのジグリング動作状態になるとその状態を維持する。
方向入力装置8をPC等で構成した場合、ジグリングの諸パラメータを任意に設定する構成にすることもできる。
上記のようにジグリング動作させることにより、例えばカプセル本体3の外径よりも大きな内径の管腔部分を安定してカプセル本体3を推進させることができる。また、このようにジグリングさせることにより、撮像範囲を実質的に広くして管腔内壁をより広範囲に撮像することもできる。
また、この機能ボタン8cにおけるジグリング動作を停止させるボタンTb等を操作すると、上記と逆に角度φでのジグリング磁界から角度が次第に小さくなるジグリング磁界となり、かつその磁界の大きさも次第に小さくなる。
このように本実施例では、ジグリング磁界を発生させることもできるようにしているので、従来行っていたこのようなジグリング磁界を発生させるために方向入力操作装置8aに相当する操作手段を手動でジグリング或いは”こじる”操作を行わなくても安定して発生することができ、操作性を大幅に向上できる。
なお、上記の説明では、回転磁界を停止した後で、機能ボタン8cを操作してジグリング磁界を発生させる場合で説明したが、回転磁界を印加した最中に機能ボタン8cを操作した場合には、その回転磁界の状態から角度が次第に大きくなり、角度φでその状態を維持するジグリング磁界を発生することになる。また、その状態でジグリング停止のボタンを操作すると、その逆の動作となる。
本実施例ではカプセル本体3の回転により、撮像素子14で撮像された画像も回転することになるので、これをそのまま表示装置7に表示すると、表示される画像も回転した画像となってしまい、方向入力装置8bによる所望の向きへの指示操作の操作性が低下するため表示画像の回転を静止させることが望まれる。
そこで、本実施例では、以下説明するように回転画像を回転が静止した画像に補正する図9及び図10に示す処理を行うようにしている(なお、特願2002−105493号で、より詳しい説明を行っている)。
まず、カプセル本体3は時系列に順次撮像を行い、メモリ21にデジタル映像信号を格納する。処理装置6の制御回路27の制御によりデジタル映像信号は無線回路22、25を介して画像データとしてデータ処理回路26の例えば内部メモリに格納する。このとき、処理装置6の制御回路27は、内部メモリに格納される画像データに関連付けてこの画像データが撮像されたときの回転磁界の向き及び磁界の向きからなる磁界データも格納する。
これにより内部メモリには、複数の画像データ、第1画像データ、第2画像データ、…、第n画像データが順次格納されると共に、これら画像データに関連付けられた複数の磁界データ、第1磁界データ、第2磁界データ、…、第n磁界データも順次格納されることになる。
そして、図9に示すように、処理装置6の制御回路27は、ステップS1でパラメータであるθ(画像のトータルの回転角度)、n(画像番号)を初期化してθ=0、n=1とする。そしてステップS2で制御回路27は内部メモリに格納されている第n画像データ(この場合は第1画像データ)を読み込み、ステップS3でこのときの回転磁界の向きとその磁界の向きとからなる第n磁界データ(この場合は第1磁界データ)を内部メモリから読み込む。
次に、ステップS4で制御回路27は、第1の補正画像データである第n画像データ’と第2の補正画像データである第n画像データ”とを第n画像データと等しい画像データとする。そして、ステップS5で制御回路27は、データ処理回路26を制御して第n画像データ”に基づく表示画像を表示装置7に表示する。
続いて、ステップS6で制御回路27は、nを1インクリメントして、ステップS7で内部メモリに格納されている第n画像データ(この場合は第2画像データ)を読み込み、ステップS8でこのときの回転磁界の向きと磁界の向きとからなる第n磁界データ(この場合は第2磁界データ)を内部メモリから読み込む。 次に、ステップS9で制御回路27は、第n画像と第n−1画像の回転角度Δθを算出する。詳細には図11に示すように、例として第1画像データの磁場データである第1磁場データの回転磁場の磁場の向きをB1(x1,y1,z1)、回転磁場の法線方向をR1(X1,Y1,Z1)、第2画像データの磁場データである第2磁場データの回転磁場の磁場の向きをB2(x2,y2,z2)、回転磁場の法線方向をR2(X2,Y2,Z2)とする。
カプセル本体3の進行方向は刻々と変化するため、単純にB1とB2の角度を回転角とすると、実際の回転角度が合わなくなる可能性がある。そこで、カプセル本体3の進行方向の変化も回転角度に考慮されるように、図11に示すように、R1とB1との法線ベクトルN1とR2とB2との法線ベクトルN2のなす角を回転角度Δθとする。 回転角度Δθは、以下で求められる。
N1=(y1Z1−Y1z1,z1X1−Z1x1,x1Y1−X1y1)N2=(y2Z2−Y2z2,z2X2−Z2x2,x2Y2−X2y2)N1、N2は単位ベクトルであるから、Δθ1・2=cos−1{(y1Z1−Y1z1)(y2Z2−Y2z2)となり、算出される。
時間経過と共にΔθ1・2、Δθ2・3、‥‥‥Δθ(n−2)・(n−1)、Δθ(n−1)・nを順じ求めていくことで回転角を算出することができる。
そして、トータルの回転角度θは上記の和をとればよく、θ=ΣΔθ(k−1)・kで表されるから、ステップS10で制御回路27は、θ=θ+Δθをトータルの回転角度とする。従って、例えば第2画像は第1画像を回転角度θ+誤差だけ図の向きに回転させた画像となる。ここで、上記誤差は、カプセル本体3の螺旋状突起12と体壁との回転の負荷によるカプセル本体3の回転角と、回転磁界を形成する磁界の回転角との回転角誤差である。
そこでまず、ステップS11で制御回路27は、第1の補正画像データである第n画像データ’を第n画像データを角度(−θ)回転させた画像データとする。これにより、誤差分を考慮しない第1の補正画像である例えば第2画像’を得ることができる。
次に、図10のステップS12に移行し、ステップS12で制御回路27は、第n画像データと第n−1画像データの公知の相関計算を実施し、回転角補正量(φn)と相関係数を求め、ステップS13で相関係数が所定の閾値より高いかどうか判断する。この判断により上記回転角誤差を無視するかどうかを判定する。
相関係数が所定の閾値より高くない場合は、ステップS14で制御回路27は、第2の補正画像データである第n画像データ”を第1の補正画像データである第n画像データ’としてステップS17に進む。相関係数が所定の閾値より高くない場合、すなわち、画像が大きく変化した場合には相関処理結果は採用せず、ステップS11の処理を実施した(第1の補正画像データである第n画像データ’を第n画像データを角度(−θ)回転させた画像データとした)時点で、画像の回転補正は完了する。
相関係数が所定の閾値より高い場合は、ステップS15で制御回路27は、第2の補正画像データである第n画像データ”=第1の補正画像データである第n画像データ’を角度(−φn)回転させた画像データとする。これにより、第2の補正画像である例えば第2画像”を得ることができる。そして、ステップS16でトータルの回転角度θをθ+φnとしてステップS17に進む。
ステップS17では、制御回路27は、画像処理回路32を制御して第n画像データ”に基づく回転補正が完了した表示画像を表示装置5に表示する。そして、図9のステップS6に戻る。
表示装置7に表示させる画像については、円形の輪郭を持つ画像にすることで、画像の回転処理をユーザに意識させずに表示させることができる。
又、カプセルの駆動周波数とカプセルの画像取得及び表示周波数がほぼ同じ時には、理論上、画像の回転は殆どなくなるので、前記で説明した画像の回転補正工程を省略しても当然良い。
さらに、この場合、表示装置7に表示させる画像は円形ではなくてもかまわない。長方形、正方形、八角形等にすると撮像素子の画素を有効に使用した表示をすることができる。
本実施例によれば、回転磁界を印加及び印加停止時、回転磁界の方向を変化する時に回転磁界を連続的に変化させるようにしているので、カプセル本体3の移動等の動作を円滑に行わせることができる。
尚、カプセル本体3を飲み込む代わりに、患者の肛門から座薬のように直腸内に挿入後に、磁気誘導して、大腸や小腸の回腸側から空腸までの検査を行うようにしても良い。
次に図14ないし図17を参照して本発明の実施例2を説明する。
図14に示すように本実施例のカプセル型医療装置誘導システム1Bは、図1のカプセル型医療装置誘導システム1において、カプセル本体3内にさらに発振器41及びこの発振器41の出力信号で周囲に交流磁界を発生するコイル42を設けたカプセル本体3Bにしている。
また、カプセル本体3Bの外部には、前記コイル42の交流磁界からカプセル本体3Bの長手方向の向き(方向)を検出すると共に位置も検出する方向/位置検出装置43と、カプセル本体3Bに内蔵されているマグネット16の向き(方向)を検出する磁極センサ44及びこの磁極センサ44の出力からマグネットの向きを検出する(マグネット)方向検出装置45とを有する。
図15は本実施例におけるカプセル本体3Bを示す。この図15に示すようにこのカプセル本体3Bは、図3(A)で示したカプセル本体3において、例えば外装容器11の後端付近の内部にコイル42が所定の向き、具体的にはコイル42がソレノイド状に巻回され、その向きがカプセル本体3Bの長手方向の向きに設定された状態で収納されている。
上記方向/位置検出装置43は例えば交流磁界を検出する複数のセンスコイルを有し、各センスコイルで検出された信号からコイル42の向きや位置を検出する。また、磁極センサ44は複数の磁極センサ44で構成され、複数の磁極センサの出力信号からマグネット16の磁極の向きを検出する。また、カプセル本体3内に配置されるコイル42とマグネット16との配置状態により、カプセル本体3の長手方向における前側等の向きを検出することもできる。なお、マグネット16を、カプセル本体3の長手方向における一方の端部側に配置しても良い。
なお、コイル42の代わりにアンテナを採用し、アンテナから放射される電波を方向/位置検出装置43で受信し、カプセル本体3Bの長手方向の向き及び位置を検出するようにしても良い。
これら方向/位置検出装置43及び方向検出装置45による検出された情報は処理装置6の制御回路27に入力される。
そして、制御回路27は、操作入力装置8が操作された場合、記憶回路28に記憶された情報と、方向/位置検出装置43及び方向検出装置45により検出された情報により、回転磁界を発生したり、発生する回転磁界の向き等を制御する動作を行う。
また、本実施例では、表示装置7にカプセル本体3Bで撮像した画像を表示する場合、図15に示すように表示する。
つまり、表示画面の例えば右側の画像表示エリアaにはカプセル本体3Bで撮像した画像を表示し、左側には患者の概略の体形2を表示し、その体形2内でカプセル本体3Bを検出した概略の位置に、その外形を表す画像3cをそのカプセル本体3Bの長手方向の前側の向きを示す方向カーソルkと共に表示する。
なお、画像表示エリアaには、実施例1と同様に撮像素子14の上側を上方向として撮像素子14で撮像した画像を表示するようにしている。この場合、実施例1で説明した方法でカプセル本体3Bの回転を補正して表示することもできるが、本実施例では、方向検出装置45によりマグネット16の向きを検出できるようにしているので、その検出出力を利用して画像表示の際の方向を決定して、画像の回転処理を行い、図16に示すように表示するようにしている。
このような構成の本実施例では、カプセル本体3Bの向き(長手方向の向きと共にその先端カバー11aを前側とするベクトル的な向き)及びマグネット16の磁極の向きを検出できるようにしているので、基本的には記憶回路28による回転磁界の情報を利用しないでも、カプセル本体3Bの向きを変更などする操作入力を行った場合にも、カプセル本体3Bを円滑に指示された方向に変更させることができる。
このため、本実施例ではこれらを組み合わせる等して、設定回路29により予め設定されている複数のモードから、動作モードを選択して動作させることができるようにしている。
以下、代表的な動作モードを説明する。
第1のモードでは、図示しないタイマにより時間を計測する手段を有し、例えば設定回路29により設定した比較的短い時間間隔の基準時間を基準として、これより短い時間間隔で回転磁界の向きを変更したり、回転磁界の印加停止後に再び回転磁界の印加が指示されたような場合には、制御回路27は記憶回路28に記憶されている情報で指示入力に対応した制御動作を行う。
つまり、短い時間間隔以内で回転磁界の向きの変更指示等が行われた場合、その直前に記憶回路28に記憶された情報から殆ど変化していないので、方向/位置検出装置43によるカプセル本体3Bの検出情報を利用しないでも、その誤差は小さいので、実施例1と同様の作用効果となる。
一方、上記基準時間の時間間隔よりも大きな時間間隔の後に回転磁界の向きの変更指示等が行われた場合には、カプセル本体3Bの向き等がより大きく変更してしまっている可能性があるので、制御回路27は方向/位置検出装置43によるカプセル本体3Bの方向及び位置の情報と、方向検出装置45によるマグネット16の向きの検出情報を利用して、カプセル本体3Bの進行方向の変更等を円滑に変更するように制御する。
カプセル本体3Bの進行方向(推力発生方向)の変更等を行う場合には、実施例1で説明したように回転時間の印加や変更を連続的に変化させることにより、カプセル本体3Bの進行方向の変更等を円滑に行う。
このように第1のモードによれば、カプセル本体3Bの向き等の検出手段を備えているので、例えばカプセル本体3Bへの回転磁界の停止後に、仮にかなり時間経過してから再び回転磁界を印加するような場合においても、回転磁界の停止の際からかなりの時間が経過した後のカプセル本体3Bの向きが変化したような場合においてもカプセル本体3Bの向き等の検出手段の検出情報により、適切な回転磁界を印加でき、円滑に推進や方向変更を行うことができる。
この場合の作用を図17を参照して簡単に説明する。図17において、カプセル本体3Bへの回転磁界の印加停止した時刻t1でのカプセル本体3Bの位置をその向きを含めたベクトル51(t1)で示し、この時刻t1からある時間経過後の時刻t2にカプセル本体3Bがベクトル52(t2)に移る。
この時刻t2に方向入力装置8aの操作により、カプセル本体3Bを推進方向sに推進させる回転磁界を印加する指示入力が行われた場合、制御回路27はその時刻t2(又はこれに近い直前の時刻)で検出された情報により、(時刻t1でのカプセル本体3Bの向きに対応する向きの回転磁界でなく)時刻t2でのカプセル本体3Bの向きに対応する向きの回転磁界から推進方向sに推進させる向きの回転磁界に連続的に変化させるようにすることにより、円滑にカプセル本体3Bを誘導することができる。
第2のモードでは、方向/位置検出装置43及び方向検出装置45により検出された情報を記憶回路28に順次記憶し、それ以前に記憶された情報を更新するようにする。そして、制御回路27は操作入力装置8により操作入力が行われた場合には、記憶回路28に記憶された情報により、操作入力に対応した動作を行う。
この場合には、記憶回路28に記憶される情報は殆どリアルタイムにカプセル本体3Bの状態を反映したものとなる。また、カプセル本体の状態に対応して、方向入力装置8aによる中立状態での方向も補正するように記憶回路28に記憶しておくと操作性が向上する。
このモードでの動作結果は殆ど第1のモードで説明した動作結果とほぼ同様になるが、カプセル本体3Bの現在の状態に相当する状態から操作入力に対応した状態に制御動作を行うようにしているので、(磁気誘導していなかった時間中におけるカプセル本体3Bの状態変化等を考慮する事を不用とし)操作性を向上することができる。
このように本実施例では、磁気誘導を行わなかった時間中にカプセル本体3Bの状態変化などがあっても、円滑にかつ安定した磁気誘導を行うことができる。
なお、上記実施例2において、カプセル本体3Bの向きを検出する手段としてはコイル42による交流磁界等を用いるものに限定されるものでなく、例えばX線透視装置によりカプセル本体3Bの向きを検出しても良いし、超音波診断装置などにより超音波を利用してカプセル本体3Bの向きを検出しても良い。
なお、上述では、カプセル本体3Bの向きと共に、マグネット16の磁極の向きを検出する構成にしているが、回転磁界を連続的に変化させる場合に、マグネット16の磁極の向きの情報は必ず必要となるものでない(例えば図7(A)に示すように回転磁界(の成分磁界)を0から連続的に大きくする様に変化させる場合には磁極の向きがどの方向を向いていても回転磁界の印加タイミング時には作用する力が0から次第に大きくなるように変化するので、マグネット16の磁極の向きの情報は不用となる)。
また、カプセル本体3Bの向きを変化させる場合においても、回転磁界付加中は磁界の向きよりカプセル本体3Bに設けられたマグネット16の向きは認識できるので、磁極センサ44の情報は必ずしも必要でない。また、静止状態からカプセル本体3Bの向きを変えながら動かす場合においても、図7(A)に示す様に始動させることで磁極センサ44の情報は無くても良い。
さらには、方向/位置検出装置43からのカプセル本体3Bの向きの情報についても回転磁界付加中は回転磁界の向きより知ることができる。このため、方向/位置検出装置43の動作は例えば回転磁界付加中はOFF、それ以外はONするなど間断動作でも良い。また、磁極センサについても必要な時のみ動作させても良い。
なお、上述の説明では医療装置本体としてのカプセル本体3或いは3Bでは撮像素子14を内蔵したカプセル型内視鏡の場合で説明したが、カプセル型医療装置本体としては、図18に示すように治療又は処置が可能なように薬剤散布用に構成しても良い。即ち、このカプセル型医療装置60は、外周面に螺旋状突起12を設けたカプセル本体63には、薬剤収納部61を設け、この薬剤収納部61に収納した薬剤を散布可能なように先端側に設けた薬剤散布用開口部61aを設けて構成されている。なお、図18では、例えば小腸55内でのカプセル型医療装置60を示している。
更に、前記カプセル型医療装置60は、体液採取ができる構成にされている。
即ち、前記カプセル型医療装置60は、カプセル本体63内の体液収納部62に体液を採取可能なように体液注入用開口部62aを後端側に設けて構成されている。尚、これら開口部61a,62aの開閉は、処理装置6からの通信制御により行われる。このため、処理装置6には、制御回路27に指示操作用のキーボード等の図示しない入力装置が接続されており、入力装置を操作することにより、カプセル型医療装置60に制御信号を送り、開口部61a,62aを開閉するように制御することができる。
このことにより、前記カプセル型医療装置60は、目的部位にて薬剤収納部61の薬剤を薬剤散布用開口部61aから放出して散布可能であると共に、体液収納部62に体液注入用開口部62aから体液を採取可能である。
また、薬剤収納部61は、薬剤の他に出血を止める止血剤、出血部位を外部から判別可能にするための生体に安全な磁性流体や蛍光剤などを収納して目的部位で散布するようにしても当然良い。
また、前記カプセル型医療装置60は、前記体液注入用開口部62aから取り込んだ体液に薬剤収納部61の薬剤を混ぜて薬剤散布用開口部61aから放出して散布可能に構成しても良い。尚、カプセル型医療装置60は、カプセル本体63の長手中心軸上に重心を略一致させる構成としている。
なお、上述の説明ではカプセル型医療装置(以下では単にカプセル)を回転させる回転駆動手段としては外部の磁界発生手段による磁界であると説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、他の回転駆動手段を採用しても良い。
例えば、カプセルを回転する手段として、カプセルに誘電体(コンデンサのように分極するもの)を設け、外部から電界を回転させるように印加することにより、カプセルを回転させるようにしても良い。
また、カプセル型でなく、シャフト付きの医療装置の場合には、シャフト内部に超音波プローブ等で採用されている密巻きのフレキシブルシャフトを回転自在に入れ、手元側のモータを回転させることにより、カプセルを回転させて推進させるようにしても良い。
その際には、磁気の相互作用により医療装置の進行方向を変更する構成にしてもかまわない。また、シャフト部に湾曲機構を設けそれにより医療装置の方向を変更するようにしてもかまわない。ジグリングについては湾曲機構を操作するアクチュエータを設けそれにより湾曲機構を繰り返し操作してジグリング動作を行ってもかまわない。
なお、本発明における医療装置は上述したようにカプセル型のものに限定されるものでなく、体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置に広く適用できる。
又、電池は必ずしも内蔵しなくても、体外からマイクロ波や磁力でエネルギ供給してカプセル内の回路を駆動させたり、体外からケーブルで電力を供給しても良い。
なお、上述した各実施の形態等を部分的に組み合わせる等して構成される実施の形態等も本発明に属する。
[付記]5.回転磁界を発生する磁界発生装置と、
体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置本体と
前記医療装置本体に設けられた推力発生構造部と、
前記医療装置本体に設けられ、前記推力発生構造部の推力発生方向と略直交する方向に磁極方向を向けて配置された磁石と、
前記磁石の磁極の向きを検出する磁極検出手段と、
医療装置本体の向きを検出する方向検出手段と、
前記医療装置の進行方向の変化量を入力する第1の入力手段を有し、
前記第1の入力手段により入力された情報と、磁極検出手段及び方向検出手段の情報を基に、回転磁界の状態を連続的に変化させる制御装置と、
を有することを特徴とする医療装置誘導システム。
2−2.前記医療装置の進行速度を入力する第3の入力手段を有し、
前記第1の入力手段と、第3の入力手段に入力された情報と、前記記憶手段の情報を基に、回転磁界の状態を連続的に変化させる制御手段とを有することを特徴とする請求項2の医療装置誘導システム。
5−2.前記医療装置の進行速度を入力する第3の入力手段を有し、
前記第1の入力手段と、第3の入力手段に入力された情報と、前記磁気検出手段、及び、方向検出手段の情報を基に、回転磁界の状態を連続的に変化させる制御装置とを有することを特徴とする付記5の医療装置誘導システム。
2−3(5−3).前記第1の入力手段、第3の入力手段の少なくともどちらか一方は、操作を停止した際に操作量がゼロとなる位置(中立位置)に戻ることを特徴とする請求項2〜4、付記5、2−2、5−2の医療装置誘導システム。 2−4(5−4).前記第1の入力手段の操作量が、回転磁界の方向を変化させるに対応することを特徴とする付記2−2、5−2の医療装置誘導システム。
2−5(5−5).前記第3の入力手段の操作量が、回転磁界の回転周波数に対応することを特徴とする請求項2〜3、付記5の医療装置誘導システム。 2−6(5−6).前記医療装置本体が、カプセル型医療装置であることを特徴とする請求項2〜4、付記5の医療装置誘導システム。
2−7(5−7).前記医療装置本体に設けられた撮像手段と、撮像された画像を表示する表示手段と、
を有し、
表示手段に表示された画像の上下左右に対し、前記第1の操作手段の操作方向が割り当てられていることを特徴とする請求項2〜4、付記5の医療装置誘導システム。
2−8(5−8).前記医療装置本体がカプセル内視鏡で、
前記回転磁界によりカプセル内視鏡が回転した際に生じる画像の回転をキャンセルする画像回転手段を有し、画像回転手段で処理された画像を前記表示手段に表示することを特徴とする付記2−7、5−7の医療装置誘導システム。
2−9(5−9).前記磁界発生装置で発生させる回転磁界の状態を入力する第3の入力装置とを有し、
前記第3の入力装置を操作した際には、前記回転磁界の向きを、前記医療装置本体の進行方向に対し偏角をもって発生させ回転させることを特徴とする請求項2,3付記5、2−2、5−1の医療装置誘導システム。
6.回転磁界を発生する磁界発生装置と、
体腔内に挿入される挿入部を有する医療装置本体と、
前記医療装置本体に設けられた推力発生構造部と、
前記医療装置本体に設けられ、前期推力発生構造部の進行方向と略直交する方向に磁極方向を向けて配置された磁石と、
前記磁界発生装置で発生させる回転磁界の状態を入力する入力装置とを有し、 前記入力装置を操作した際には、前記回転磁界の向きを、前記医療装置本体の進行方向に対し偏角をもって発生させ回転させることを特徴とする医療装置誘導システム。 6−1.前記偏角を任意に設定する設定手段を有することを特徴とする付記6の医療装置誘導システム。
6−2.前記回転磁界の向きを、前記医療装置本体の進行方向に対し偏角をもって発生させ、回転させる回転速度を任意に設定できるこことを特徴とする付記6の医療装置誘導システム。
(付記6〜6−2の背景)本文の従来の技術の欄と同様。 (目的)磁気的に円滑にかつ効率的に推進させることができる医療装置誘導システムを提供する。 (効果)上記目的を達成できる。
(その他の効果群)(請求項2〜4)
現在の回転磁界の回転方向を基に次の回転磁界の方向を決定するため、回転磁界の方向の変化が連続的におこるようになるため、医療装置が滑らかに方向を変化させることができるようになり、安定した誘導が行える様になる。
医療装置の誘導動作を一旦静止した際にも、医療装置の向きが同定できる。医療装置の向きに対応した回転磁界を発生することができるため、医療装置の誘導を滑らかに安定して行える様になる。
(2−7)(5−7)(2−8)(5−8)
医療装置に設けられた撮像装置で得られた画像を基に進行方向を決定できるようになる。
あたかも、カプセル型医療装置に操作者が乗っているような進行方向操作を行うことができる。
(追加の付記項群)7.体腔内に挿入される医療装置本体と、前記医療装置本体に設けられた推力発生機構を有する医療装置と、
前記推力発生機構の状態を記憶する記憶部、医療装置本体の向きを検出する方向検出部の少なくともいずれか一方で構成される情報提供部と、
前記推力発生機構の推力発生方向を指示する入力部と、前記記憶部と、
前記情報提供部の情報を基に推力発生機構の推力発生状態を連続的に変化する制御を行う制御部と、
を有することを特徴とする医療装置誘導システム。
7−1.前記医療装置本体が、略円筒外形形状であり、前記推力発生機構が、前記医療装置本体の側面に設けられた螺旋状構造部と、前記螺旋状構造部を医療装置本体の略円筒軸周りに回転させる回転駆動部とからなることを特徴とする付記7の医療装置誘導システム。
7−1−1.前記医療装置本体が、カプセル型医療装置であることを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。
7−1−2.前記回転駆動部が、前記医療装置本体に設けられれ前記医療装置本体の略円筒軸に対し略直交する方向に磁極方向を向けて配置された磁石と、任意の方向に磁界を発生する磁界発生装置とで構成され、前記情報提供部は、前記推力発生機構の状態を記憶する前記記憶部、前記医療装置本体の向きを検出する前記方向検出部と、前記磁石の磁極の向きを検出する磁極検出手段の少なくともいずれか一つで構成され、前記制御部は、前記磁界発生装置から回転磁界を発生させると共に、前記情報提供部と、前記入力部の情報を基に前記磁界発生装置の磁界発生状態を連続的に変化する制御を行うことを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。
7−1−3.前記入力部が、前記推力発生機構の前記推力発生方向の変化量を入力する入力部であることを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。 7−1−4.前記入力部が、前記推力発生機構の前記推力発生量を入力する入力部であることを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。
7−1−2−1.前記入力部が、前記磁界発生装置で発生される回転磁界の回転周波数を入力する入力部であることを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。 7−1−5.前記入力部が、操作を中止した際に操作量が0に自動復帰する自動復帰機構をを有することを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。
7−1−6.前記記憶部に、現在の推力発生機構の状態を書き込む書込み装置を有することを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。
7−1−3−1.前記医療装置本体に設けられた撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画像を表示する表示装置と、前記表示装置に表示された画像の上下左右に対し、前記入力部の操作方向を割り当てるインターフェースを有することを特徴とする付記7−1−3の医療装置誘導システム。
7−1−3−2.前記医療装置本体に設けられた撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画像を表示する表示装置と、前記表示装置に表示された画像の上下左右に対し、前記入力部の操作方向を割り当てるインターフェースを有し、前記回転磁界により前記医療装置本体が回転した際に生じる画像の回転をキャンセルする画像回転補正手段を有し、画像回転補正手段で処理された画像を前記表示手段に表示することを特徴とする付記7−1−3の医療装置誘導システム。
7−1−2−2.前記医療装置本体の前記回転周波数を変更するした際、前記制御部が前記回転磁界の回転周波数を連続的に変化させることを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。
7−1−2−3.前記磁界発生装置から発生させる磁場強度を変更した際、前記制御部が前記磁場強度を連続的に変化させる制御を行うことを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。
7−1−2−4.前記磁石が、前記カプセル型医療装置の略重心位置に配置されていることを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。
7−1−2−5.前記磁石が、前記カプセル型医療装置の端部近傍に配置されていることを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。
7−1−2−6.前記情報提供部が、前記記憶部、前記方向検出部と、磁極検出手段の複数で構成され、前記制御部が、制御の履歴により参照する情報提供部を変更することを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。
7−1−2.前記回転駆動部が、前記医療装置本体に設けられれ前記医療装置本体の略円筒軸に対し略直交する方向に磁極方向を向けて配置された磁石と、任意の方向に磁界を発生する磁界発生装置とで構成され、前記情報提供部は、前記推力発生機構の状態を記憶する前記記憶部、前記医療装置本体の向きを検出する前記方向検出部と、前記磁石の磁極の向きを検出する磁極検出手段の少なくともいずれか一つで構成され、前記制御部は、前記回転磁界の回転軸の方向を周期的に変動させる振動データ発生部を有し、前記振動データを受け、前記磁界発生装置から前記回転軸の方向が周期的に変動する回転磁界を発生させ、前記情報提供部と、前記入力部の情報を基に前記磁界発生装置の磁界発生状態を連続的に変化する制御を行うことを特徴とする付記7−1の医療装置誘導システム。
7−1−2−1.前記回転磁界の回転軸の方向を周期的に変動の変動周期を変更する周期変更手段を有することを特徴とする付記7−1−2の医療装置誘導システム。 7−1−2−2.前記回転磁界の回転軸の方向を周期的に変動させる変動角度(偏角)を変更する偏角変更手段を有することを特徴とする付記7−1−1の医療装置誘導システム。
8.体腔内に挿入される略円筒外形形状の医療装置本体と、前記医療装置本体の側面に設けられた螺旋状構造部と、前記螺旋状構造部を医療装置本体の略円筒軸周りに回転させる回転駆動部と、前記回転駆動部が、前記医療装置本体に設けられれ前記医療装置本体の略円筒軸に対し略直交する方向に磁極方向を向けて配置された磁石と、任意の方向に磁界を発生する磁界発生装置とで構成され、前記制御部は、前記回転磁界の回転軸の方向を周期的に変動させる振動データ発生部を有し、前記振動データを受け、前記磁界発生装置から前記回転軸の方向が周期的に変動する回転磁界を発生させ、前記入力部の情報を基に前記磁界発生装置の磁界発生状態を連続的に変化する制御を行うことを特徴とする医療装置誘導システム。
9.推力発生機構の状態を記憶部から読み出すステップと、推力発生方向の指示信号を読み出すステップと、任意時間後までの推力発生機構の制御信号を求めるステップと、前記任意時間後の推力発生機構の状態を記憶部に書き込むステップと、前記制御信号を推力発生機構に伝送し推力発生機構を駆動するステップとよりなることを特徴とする医療装置誘導システムの制御方法9−1.前記制御信号を推力発生機構に伝送し推力発生機構を駆動している時刻に前記推力発生機構の状態を記憶部から読み出すステップを再開することを特徴とする付記9−1の医療装置誘導システムの制御方法。
10.医療装置本体の向きを検出するステップと、推力発生方向の指示信号を読み出すステップと、任意時間後までの推力発生機構の制御信号を求めるステップと、前記制御信号を推力発生機構に伝送し推力発生機構を駆動するステップとよりなることを特徴とする医療装置誘導システムの制御方法10−1.前記制御信号を推力発生機構に伝送し推力発生機構を駆動している時刻に前記医療装置本体の向きを検出するステップを再開することを特徴とする付記10の医療装置誘導システムの制御方法。
11.医療装置本体の向きを検出するステップと、入力部からの入力信号を読み出すステップと、医療装置本体の向き、入力部からの入力信号より、磁界発生装置から発生させる任意時間後までの磁界発生信号を求めるステップと、前記磁界発生信号を磁界発生装置に伝送し磁界発生装置を駆動するステップとよりなることを特徴とする医療装置誘導システムの制御方法。
11−1.前記磁界発生信号を磁界発生装置に伝送し磁界発生装置を駆動するステップの最中に、医療装置本体の向きを検出するステップを再開することを特徴とする付記11の医療装置誘導システムの制御方法。
12.医療装置本体の向きを検出するステップと、前記医療装置本体に設けられた磁石の磁極の向きを検出するステップと、入力部からの入力信号を読み出すステップと、医療装置本体の向き、医療装置本体に設けられた磁石の磁極の向きと、入力部からの入力信号より、磁界発生装置から発生させる任意時間後までの磁界発生信号を求めるステップと、前記磁界発生信号を磁界発生装置に伝送し磁界発生装置を駆動するステップと、よりなることを特徴とする医療装置誘導システムの制御方法。
12−1.前記磁界発生信号を磁界発生装置に伝送し磁界発生装置を駆動するステップの最中に、医療装置本体の向きを検出するステップを再開することを特徴とする付記12の医療装置誘導システムの制御方法。
13.磁界発生装置の状態を記憶部から読み出すステップと、医療装置本体の向きを検出するステップと、前記医療装置本体に設けられた磁石の磁極の向きを検出するステップと、入力部からの入力信号を読み出すステップと、医療装置本体の向き、医療装置本体に設けられた磁石の磁極の向きと、入力部からの入力信号より、磁界発生装置から発生させる任意時間後までの磁界発生信号を求めるステップと、前記任意時間後の磁界発生装置の状態を記憶部に記憶するステップと、前記磁界発生信号を磁界発生装置に伝送し磁界発生装置を駆動するステップと、よりなることを特徴とする医療装置誘導システムの制御方法。
13−1.前記磁界発生信号を磁界発生装置に伝送し磁界発生装置を駆動するステップの最中に、医療装置本体の向きを検出するステップを再開することを特徴とする付記13の医療装置誘導システムの制御方法。