JPWO2007148661A1 - 生体圧迫用空気袋 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、生体圧迫用空気袋に関する様々な技術が開発されてきた。
たとえば、特許文献1には、空気袋の内面に微凹凸を設けた血圧計のゴム袋の技術が開示されている。この技術によれば、空気袋の素材が粘着性を有するものであっても、接触している内面どうしが粘着するといった不具合を回避することができる。したがって、空気を送入して空気袋を膨らませる際、スムースに、かつ、雑音を発生させることなく空気袋を膨らませることができる。
また、生体圧迫用空気袋を腕に巻き付ける際に、生体圧迫用空気袋に腕方向のしわが発生する。このしわによって空気の移動が遮断されると、腕を全体的かつ均一に圧迫することができない場合がある。
このようにすると、空気袋全体にほぼ均一に空気を供給することができ、腕を全体的かつ均一に圧迫する。したがって、偏って圧迫してしまい不快感を与えるといった不具合を防止するとともに、測定精度を向上させることができる。
このようにすると、空気を送入する際、空気袋内面とスペーサの間に、微小かつ多数の空隙が形成される。したがって、空気袋内面の接着性の影響を受けずに、空気袋に全体的に空気を供給することができる。これにより、部分的に空気袋が膨らまないといった不具合をより確実に回避することができる。
このようにすると、網目状シート又は多孔質状シートを裁断し、折り曲げるだけでスペーサを製造することができる。したがって、製造原価のコストダウンを図ることができる。
このようにすると、形状を単純化できるので、容易に製造することができる。
このようにすると、所定の隙間が、空気を供給する流路として機能する。したがって、空気袋の縁部までより効率よく空気を供給することができる。
このようにすると、流路を経由して、網目状シート又は多孔質状シートの中央部から角部に空気が供給される。したがって、空気袋の四隅が膨らまないといった不具合を確実に回避することができる。
このようにすると、スペーサと空気袋内壁面との接触面積が小さくなり、スペーサと空気袋内壁面が密着することを回避できる。さらに、スペーサに形成された穴が貫通孔であるので、空気抵抗を可能な限り小さくできる。したがって、空気の流入をスムースに行うことができる。また、貫通孔を縦横に(縦方向及び横方向に)形成してあるので、空気の流れを均一にすることができる。これにより、空気袋全体にほぼ均一に空気を供給することができる。したがって、腕を全体的かつ均一に圧迫し、偏って圧迫してしまい不快感を与えるといった不具合を防止するとともに、測定精度を向上させることができる。
このようにすると、スペーサと空気袋内壁面との接触面積をさらに小さくすることができる。
ここで、網目状シートとは、たとえば、縦横に繊維が織り込まれ、繊維の間に隙間(貫通孔)が形成されるようなシートをいう。また、隙間の形状として、正方形、長方形、亀甲形、菱形、円形などを挙げることができる。
このようにすると、空気袋の縁部に、空気がスムースに流入することができる。すなわち、空気袋縁部は、ヒンジ的機能を有しており、拡げるために力を加える必要がある。空気袋の縁部におけるスペーサの厚さを厚くすることで、空気袋縁部を、あらかじめ拡げておくことができる。したがって、空気袋の縁部に、空気をスムースに流入することができる。
このようにすると、折り曲げ部がばね性を有し、このばね力が空気袋を押し広げようとする。したがって、空気袋への空気の流入にともない、折り曲げ部が空気袋縁部を押し広げ、空気の流入がさらに効率よく行われる。
以下、本発明の生体圧迫用空気袋の第一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の生体圧迫用空気袋の第一実施形態が用いられた血圧計用腕帯の概略斜視図を示している。
図1において、生体圧迫用空気袋2は、血圧計用腕帯1に用いられている。血圧計用腕帯1は、生体圧迫用空気袋2、可撓性腕帯11及び締付手段3などを備えている。
図2は、本発明の生体圧迫用空気袋の第一実施形態を説明するための概略図であり、(a)は縮小平面図を示しており、(b)はA−A断面拡大図を示している。
また、図3は、本発明の生体圧迫用空気袋の第一実施形態にかかる網目状シートを説明するための概略図であり、(a)は縮小展開図を示しており、(b)は折り曲げられたシートの縮小平面図を示している。
図2,3において、生体圧迫用空気袋2は、ほぼ矩形状の空気袋22と、空気袋22に連結されたパイプ21と、空気袋22内に収納された網目状シート23とからなっている。
なお、本実施形態の空気袋22は、四辺が溶着された二枚のシートからなっているが、これに限定されるものではない。たとえば、ほぼ正方形状のシートを二つ折りし、三辺が溶着された構造としてもよい。
なお、本実施形態では、網目状シート23を使用しているが、これに限定されるものではない。たとえば、スポンジシートなどの多孔質状シートを使用してもよい。
裁断された網目状シート23は、図3(b)に示すように、各折り曲げ部231,232,233,234が内側に折り曲げられる。この網目状シート23は、折り曲げられることによって、空気袋22に収納可能な形状となる。なお、本実施形態では、熱を加えずに折り曲げているが、熱を加えながら折り曲げてもよい。
また、本実施形態の網目状シート23は、シートを裁断し折り曲げるだけで、周縁部の厚さを中央部より厚くすることができる。したがって、容易に製造することができるとともに、射出成形などによって製作されたスペーサと比べると、製造原価のコストダウンを図ることができる。
ここで、好ましくは、網目状シート23が好適な弾性を有しているとよい。このようにすると、網目状シート23が、空気袋22に収納されると、上述した各折り曲げ部231、232,233,234がばね性を有し、このばね力が空気袋22を押し広げようとする。したがって、空気袋22への空気の流入にともない、各折り曲げ部231、232,233,234が空気袋22の縁部をさらに押し広げようとする。これにより、空気の流入がより効率よく行われる。
なお、本実施形態では、1枚の網目状シート23を使用したが、2枚以上の網目状シート23を重ね合わせて使用してもよい。また、その際、網目状シート23の縁部を折り曲げてもよい。
図1において、可撓性腕帯11は、可撓性を有する樹脂製のシートからなる。この可撓性腕帯11は、内側端部に外側端部を巻き付けるように重ねた状態で、円筒状に湾曲・形成されている。また、本実施形態の可撓性腕帯11は、腕形状に対する追随性を向上させるために薄型化されている。この結果、可撓性腕帯11の形状復元力は、微小なものとなっている。
さらに、可撓性腕帯11は、内面に、円筒状の生体圧迫用空気袋2が貼り付けられている。この生体圧迫用空気袋2は、腕方向にパイプ21が突設されており、血圧を測定する際には、パイプ21を介して空気が送圧される。
本実施形態の締付手段3は、締付用ベルトとしてのベルト31、金具32、面ファスナー33及び取手34とからなっている。ベルト31は、折り曲げ自在な布製のベルトである。このベルト31は、可撓性腕帯11に巻かれている。ベルト31は、可撓性腕帯11から抜けないように、一部が可撓性腕帯11に縫い付けられている。また、このベルト31は、一方の端部に、他方の端部が挿入される矩形環状の金具32が取り付けられている。さらに、ベルト31は、他方の端部及び測定可能直径dに対応する位置の表面に、固定手段としての面ファスナー33が設けられている。さらに、他方の先端部には、金具32と係止する取手34が取り付けられている。
まず、本実施形態の血圧計用腕帯1は、可撓性腕帯11の剛性及び締付手段3によって、可撓性腕帯11が最大直径まで拡開された状態に維持されている。このため、血圧を測定する血圧計用腕帯1の使用者は、十分拡開された可撓性腕帯11に、測定に使用する方の腕を容易に挿入することができる。
続いて、使用者は、測定に必要な適度な圧迫感を感じたこところで、金具32を支点としてベルト31を折り返し、面ファスナー33どうしを当接させてベルト31を固定する。これにより、可撓性腕帯11の腕への締付け状態が保持される。
続いて、使用者は、生体圧迫用空気袋2から左腕を取り出し、血圧計用腕帯1をもとの場所にもどし、血圧測定を終了する。
なお、本実施形態は、請求項1〜5に対応しており、網目状シート23の縁部が中央部より厚い構造となることを第一の特徴としてある。これに対し、スペーサが、上面から下面へ貫通する貫通孔を縦横に形成したシートであることを第一の特徴としてもよい。
次に、スペーサが貫通孔の形成されたシートであることを第一の特徴とする生体圧迫用空気袋の第二実施形態(請求項7〜10に対応する。)について、図面を参照して説明する。
本実施形態の生体圧迫用空気袋は、上記第一実施形態の生体圧迫用空気袋2と比べて、スペーサが貫通孔の形成されたシートであることを第一の特徴とする点が相違する。他の構造は第一実施形態とほぼ同様としてある(図2,3参照)。
また、本実施形態のスペーサは、網目状シート23に限定されるものではない。すなわち、上面から下面へ貫通する貫通孔(隙間を含む。)を縦横に形成したシートであればよく、様々な構造のシートを用いることができる。
次に、上記様々な構造のシートについて、図面を参照して説明する。
図4a)に示す矩形網目状シート201は、縦方向及び横方向に繊維が織り込まれ、繊維の間にほぼ正方形の隙間が形成されている。
また、図4(b)に示す菱形網目状シート202は、織り込まれた繊維の間に、ほぼ菱形の隙間が形成されている。さらに、繊維どうしの交差する部分には、たとえば、半球状の突起部203が配設してある。このようにすると、突起部203によって、さらにスペーサと空気袋内壁面との接触面積が小さくなり、お互いに密着するのを回避できる。
さらに、図4(c)に示す板状シート204は、千鳥型状に円孔205を配設してある。また、図4(d)に示す板状シート206は、並列型状に大円孔207を配設し、さらに、互いに隣接する四つの大円孔207の中央部に小円孔208を配設してある。
例えば、図5に示すように、上側折り曲げ部231a、下側折り曲げ部232a、右側折り曲げ部233a及び左側折り曲げ部234aの角部を約45°に切断し、左上側流路251、左下側流路252、右下側流路253及び右上側流路254を形成した生体圧迫用空気袋2aとしてもよい。このようにすると、左上側流路251、左下側流路252、右下側流路253及び右上側流路254を経由して、網目状シート23aの中央部から角部に空気が供給される。したがって、空気袋22の四隅が膨らまないといった不具合をより確実に回避することができる。なお、この変更実施例は、請求項6に対応している。
Claims (10)
- 空気袋内部にスペーサの収納された生体圧迫用空気袋であって、
前記空気袋内部の縁部における前記スペーサの厚さを、該スペーサの中央部の厚さより厚くしたことを特徴とする生体圧迫用空気袋。 - 前記スペーサが、網目状シート又は多孔質状シートの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の生体圧迫用空気袋。
- 前記網目状シート又は多孔質状シートが、前記空気袋内部の縁部付近において、折り曲げ部を有し、対向する前記折り曲げ部どうしが離れていることを特徴とする請求項2に記載の生体圧迫用空気袋。
- 前記網目状シート又は多孔質状シートを矩形状とし、該網目状シート又は多孔質状シートの各辺に前記折り曲げ部を形成したことを特徴とする請求項3に記載の生体圧迫用空気袋。
- 前記空気袋内部の端部と前記折り曲げ部の外周側端部との間に、所定の隙間が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の生体圧迫用空気袋。
- 矩形状の前記網目状シート又は多孔質状シートの角部に、前記折り曲げ部を用いて、前記角部と前記網目状シート又は多孔質状シートの中央部とを連通させる流路を形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の生体圧迫用空気袋。
- 空気袋内部にスペーサの収納された生体圧迫用空気袋であって、
前記スペーサが、上面から下面へ貫通する貫通孔を縦横に形成したシートであることを特徴とする生体圧迫用空気袋。 - 前記シートが網目状シートであることを特徴とする請求項7に記載の生体圧迫用空気袋。
- 前記空気袋の縁部における前記スペーサの厚さを、該スペーサの中央部の厚さより厚くしたことを特徴とする請求項7又は8に記載の生体圧迫用空気袋。
- 前記スペーサが、前記空気袋内部の縁部付近において、折り曲げ部を有し、対応する前記折り曲げ部どうしが離れていることを特徴とする請求項9に記載の生体圧迫用空気袋。
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