JP2007068641A - 男性用尿パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】男性器に対する固定効果が高く、尿漏れの原因となる尿パッドのズレや外れを有効に防止することが可能な男性用尿パッドを提供する。
【解決手段】表面シート2と、裏面シート4と、両シートの間の一部に介装された吸収体6とを備え、男性器18を被包して用いる男性用尿パッド1であって、その上端縁10側にスポンジ状部材40が配置され、スポンジ状部材40に、スリット22、開口部及び破断によりスリットないし開口部を形成し得るミシン目の群から選択される少なくとも一種が形成されている男性用尿パッド1。
【選択図】図2

Description

本発明は、表面シートと、裏面シートと、両シートの間の一部に介装された吸収体とを備え、男性器を被包して用いる男性用尿パッドに関するものである。
従来、乳幼児用、或いは高齢者・障害者等の成人用の吸収性物品として、表面シートと、裏面シートと、両シートの間の一部に介装された吸収体とを備えた使い捨ておむつや尿パッドが広く利用されている。そして、男性用に特化した吸収性物品として、男性器を被包して用いるタイプの男性用尿パッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。この男性用尿パッドは、従来の使い捨ておむつや尿パッドと同様に、表面シート、裏面シート及び吸収体を備えた吸収性物品であるが、単に着用者に宛がうのではなく、男性器を被包して用いる点に特徴がある。
例えば、図1に示す男性用尿パッド100は、表面シート2と、裏面シート4と、両シートの間の一部に介装された吸収体6とを備えており、更に裏面シート4側の表面に、装着用の粘着部8が形成されている。このような男性用尿パッド100は、その上端縁10が手前側(着用者の身体側)となるように男性器18の下側から宛がい、直線L1,L2に沿って、パッドの右側縁12、左側縁14をパッド中央側に折り返した後、粘着部8を左側縁14側の表面シート2に対して固定した状態で用いられる。こうすることにより、男性用尿パッド100は、上端縁10側を開口部、下端縁16側を頂点とするコーン状(サック状)となるため、男性器18を被包することができる。
前記のような男性用尿パッドは男性器を被包した状態で用いるため、使い捨ておむつ、或いは単に下着やおむつ上に載置して用いる尿パッドと比較して、排泄物と着用者の肌との接触面積を少なくすることができる。従って、排泄物に起因するスキントラブルを減少させることが可能となるという利点がある。
しかしながら、前記のような男性用尿パッドは、着用者の動作等によって男性器から尿パッドがズレたり外れたりし易く、尿漏れを惹起するおそれがあるという課題があった。従って、尿漏れの原因となる尿パッドのズレや外れを防止するために、様々な方法が提案されている。
例えば、表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体を有し、吸収体の外側(外縁)に、長手方向(左右方向)に沿ってフラップ部が形成され、そのフラップ部の長手方向の略中央部に切り込み部(スリット)が形成された男性用尿パッドが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−280727号公報(段落0003、図1) 特開2001−129012号公報(段落0007、図1)
特許文献2に記載の男性用尿パッドは、スリットを形成することにより、尿パッドの裏面シート側から表面シート側に男性器を貫通させるように挿入することを可能としたものである。このような尿パッドによれば、スリットによって男性器が挟持されるため、単に尿パッドで男性器を被包する場合と比較して、尿パッドを男性器に対して固定する効果が高く、尿パッドのズレや外れを防止する効果を期待することができる。
しかしながら、特許文献2に記載の男性用尿パッドは、尿パッドのズレや外れを防止するという点で一定の効果を奏するものの、その効果は十分に満足できるレベルにまでは至っていなかった。即ち、男性器に対する固定効果の点で改良の余地があり、未だ解決すべき課題を残すものであった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、男性器に対する固定効果が高く、尿漏れの原因となる尿パッドのズレや外れを有効に防止することが可能な男性用尿パッドを提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、尿パッドの上端縁側にスポンジ状部材を配置し、そのスポンジ状部材に、スリットや開口部等を形成することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の男性用尿パッドが提供される。
[1] 表面シートと、裏面シートと、両シートの間の一部に介装された吸収体とを備え、男性器を被包して用いる男性用尿パッドであって、その上端縁側にスポンジ状部材が配置され、前記スポンジ状部材に、スリット、開口部及び破断によりスリットないし開口部を形成し得るミシン目の群から選択される少なくとも一種が形成されている男性用尿パッド。
[2] 前記スポンジ状部材が、発泡ウレタン樹脂によって構成されている前記[1]に記載の男性用尿パッド。
[3] 前記スポンジ状部材は、その厚さが1〜10mmの範囲内のものである前記[1]又は[2]に記載の男性用尿パッド。
[4] 前記スポンジ状部材が、前記表面シートと前記裏面シートの間の一部に介装されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の男性用尿パッド。
[5] 前記吸収体が切り欠け部を有し、その切り欠け部が尿パッドの上端縁側を向くように配置されるとともに、前記スポンジ状部材の少なくとも一部が、前記吸収体の切り欠け部に嵌合されるように配置されている前記[4]に記載の男性用尿パッド。
[6] 前記スリット及び/又は前記ミシン目が、2本の直線として形成され、その2本の直線が平行となるように配置されている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の男性用尿パッド。
[7] 前記スリット及び/又は前記ミシン目が、2本の直線として形成され、その2本の直線が直交するように配置されている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の男性用尿パッド。
[8] 前記開口部又は前記ミシン目によって形成される開口部が、楕円形状の開口部である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の男性用尿パッド。
[9] 前記裏面シート側の表面に、装着用の粘着部が更に形成された前記[1]〜[8]のいずれかに記載の男性用尿パッド。
[10] 前記上端縁側を開口部とする袋状に形成された前記[1]〜[8]のいずれかに記載の男性用尿パッド。
本発明の男性用尿パッドは、男性器に対する固定効果が高く、尿漏れの原因となる尿パッドのズレや外れを有効に防止することが可能となる。
以下、本発明の男性用尿パッドを実施するための最良の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える男性用尿パッドを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書においては、尿パッドにおいて吸収体が配置されていない部分を「フラップ」と称することにする。例えば、図2に示す男性用尿パッド1の場合、矩形状に構成された尿パッドの中央部に、吸収体6が配置されており、その吸収体6を包囲するようにフラップが形成されている。具体的には、尿パッドの上端縁10側に上部フラップ20、下端縁16側に下部フラップ28、右側縁12側に右フラップ30、左側縁14側に左フラップ32が形成されている。
[1]本発明の構成:
本発明の男性用尿パッドは、例えば、図2に示す男性用尿パッド1のように、尿パッドの上端縁10側にスポンジ状部材40を配置し、そのスポンジ状部材40にスリット22や開口部を形成したものである。この男性用尿パッド1は、スリット22ないしは開口部を利用して、尿パッドの裏面シート4側から表面シート2側に貫通させるように男性器18を挿入して使用する。
[1−1]前記構成に伴う効果:
本発明の男性用尿パッドは、適度な厚みと柔軟性を有し、容易に変形するスポンジ状部材にスリットや開口部(以下、「スリット等」と記す場合がある)を形成している。従って、尿パッドの上部フラップ等にスリットを形成した場合と比較して、以下のような優れた効果を奏する。
1)男性器の固定部分であるスリット等の周辺にコシを持たせることができる。従って、男性器に対する密着性・ホールド性を向上させることが可能である。このような男性用尿パッドは、男性器に対する固定効果が高いため、着用者の動作に伴って尿パッドが左右に動くことを有効に防止し、男性器から尿パッドがズレたり外れたりする事態を効果的に抑制することができる。
2)男性器の固定部分であるスリット等の周辺に形状適合性を持たせることができる。具体的には、着用者の男性器のサイズや形状に応じて、スポンジ状部材が自在に変形し、男性器に対してスリット等をフィットさせることができる。従って、男性器のサイズや形状の如何に拘わらず、前記1)に記載したような、男性器に対する良好な密着性・ホールド性を享受することができる。
3)男性器の固定部分であるスリット等の周辺に動作追従性を持たせることができる。具体的には、着用者が激しく動いたような場合でも、その動作に追従してスポンジ状部材が自在に変形し、男性器に対してスリット等をフィットさせることができる。従って、男性器の動作の如何に拘わらず、前記1)に記載したような、男性器に対する良好な密着性・ホールド性を享受することができる。
[1−2]スポンジ状部材(弾性変形部材):
本発明の男性用尿パッドは、スポンジ状部材が配置されているという特徴的な構成を有するものである。本明細書において「スポンジ状部材」というときは、独立気泡ないし連続気泡を含む発泡材料(フォーム材料)により構成された部材を意味するものとする(このような部材は「弾性変形部材」と称されることがある)。中でも、優れた柔軟性を有する点において、軟質フォーム材料ないし半硬質フォーム材料により構成されたものを好適に用いることができる。具体的には、エーテル系ないしエステル系のポリウレタン樹脂等のプラスチックをベースとする発泡プラスチック(発泡ウレタン樹脂等);天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、多硫化ゴム等のゴムをベースとするフォームラバー;等を挙げることができる。本発明の男性用尿パッドは、高弾性でクッション性に富むという理由から、スポンジ状部材が、発泡ウレタン樹脂によって構成されているものが特に好ましい。
本発明の男性用尿パッドにおいては、スポンジ状部材の厚さは特に制限はなく、構成材料の柔軟性等を考慮して適宜設定することができる。但し、スポンジ状部材は、その厚さが1〜10mmの範囲内のものであることが好ましい。厚さを1mm以上とすることでクッション性が高まり、切り込み部における男性器の固定効果が向上するという好ましい効果を得ることができる。一方、厚さ10mm以下とするとスポンジ状部材が厚過ぎて、男性器を挿入し難くなるという不具合を解消することができるという利点があり好ましい。
本発明の男性用尿パッドにおいては、尿パッドの上端縁に沿ってスポンジ状部材を配置する。男性用尿パッドは、その上端縁が手前側(着用者の身体側)となるように男性器を宛がって装着するものであり、男性器の固定部分となるスリット等を尿パッドの上端縁側に形成することが好ましいからである。尿パッドやスポンジ状部材を矩形状に構成したような場合であれば、尿パッドとスポンジ状部材の上端縁が平行となるように、スポンジ状部材を配置する構成が一般的である。例えば、図2に示す男性用尿パッド1は、尿パッドの上端縁10とスポンジ状部材40の上端縁が平行となるように、帯状のスポンジ状部材40を配置した例である。
図2に示す男性用尿パッド1は、スポンジ状部材40が尿パッドの上部フラップ20の部分に配置されている。但し、尿パッドの上端縁に沿っている限り、スポンジ状部材を上部フラップのみに配置する必要はなく、吸収体が配置されている部分(以下、「吸収部」と称する場合がある)に重なるようにスポンジ状部材を配置してもよい。例えば、図3〜図5に示す男性用尿パッド50,60,70は、フラップのみならず吸収体6が配置された吸収部にも重なるようにスポンジ状部材40を配置した例である。
なお、本発明においては、図2に示す男性用尿パッド1のように、スポンジ状部材40を尿パッドの長手方向(左右方向)の中央部に配置することが好ましい。こうすることにより、尿パッドの長手方向(左右方向)の中央部にスリット等を形成することができ、尿パッドの中央に男性器を固定することが可能となる。
スポンジ状部材は、非伸長状態で配置してもよいが、伸長状態で配置してもよい。その際の伸長率は非伸長状態を100%として、100〜300%とすることが好ましく、100〜200%とすることが更に好ましい。300%以下とすることにより、良好なクッション性を得ることができる。
本発明の男性用尿パッドは、図6及び図7に示す男性用尿パッド80のように、スポンジ状部材40が、表面シート2と裏面シート4の間の一部に介装されたものが好ましい。このような形態は、スポンジ状部材が表面シートと裏面シートによって挟み込まれた状態で固定されるので、スポンジ状部材の剥離等を防止することができるという利点がある。但し、図8に示す男性用尿パッド90のように、スポンジ状部材40を裏面シート4側の面に配置したものや、図9に示す男性用尿パッド110のように、スポンジ状部材40を表面シート2側の面に配置したものも当然に本発明の範囲に含まれる。
前記のように、表面シートと裏面シートの間にスポンジ状部材を介装させる形態においては、吸収体が切り欠け部を有し、その切り欠け部が尿パッドの上端縁側を向くように配置されるとともに、スポンジ状部材の少なくとも一部が、吸収体の切り欠け部に嵌合されるように配置されているものが好ましい。例えば、図6に示す男性用尿パッド80は、吸収体6として、全体が矩形状に構成され、その一部に略矩形状の切り欠け部を有する吸収体(以下、「U字型吸収体」と称することにする)が用いられ、U字型吸収体36はその切り欠け部が尿パッドの上端縁10側を向くように配置されている。そして、スポンジ状部材40は、その下端縁側の一部がU字型吸収体36の切り欠け部に嵌合されるように配置されている。
前記のような形態は、表面シートと裏面シートの間にスポンジ状部材を介装した場合でも、スポンジ状部材と吸収体が重畳されることがない。従って、不必要な段差が形成されないことに加え、吸収体の剛性によってクッション性が減殺される余分なスポンジ状部材を配置する必要がないという利点があり好ましい。また、スポンジ状部材を広い範囲に配置することができるため、後述する平行スリット、十字型スリット、楕円形開口部のように、形成面積を必要とするスリットや開口部をスポンジ状部材に形成し易い点においても好ましい。
本発明の男性用尿パッドにおいては、スリット等やこれらに対応するミシン目を形成し得る限り、スポンジ状部材の形状について特に制限はない。従って、尿パッド全体の形状、他の構成要素(吸収体等)の形状や位置、スリット等の形状等を考慮して、目的に応じた形状を適宜選択すればよい。
例えば、図2に示す男性用尿パッド1は、幅が狭い上部フラップ20の部分にスポンジ状部材40を配置することを企図して、スポンジ状部材40を帯状に構成した例である。また、図6に示す男性用尿パッド80は、吸収体6として、U字型吸収体36を用い、その切り欠け部にスポンジ状部材40を配置することを企図して、スポンジ状部材40を比較的縦横比が小さい矩形状に構成した例である。
[1−3]スリット、開口部、ミシン目:
本発明の男性用尿パッドは、前記のようなスポンジ状部材に、スリット、開口部及び破断によりスリットないし開口部を形成し得るミシン目の群から選択される少なくとも一種が形成されている。
本明細書にいう「スリット」は、直線的に形成してもよいし、曲線的に形成してもよいし、直線と曲線を組み合わせて形成してもよい。例えば、図2に示す男性用尿パッド1は、上部フラップ20にスポンジ状部材40を配置し、そのスポンジ状部材40に直線状のスリット22を1本形成した例である。
但し、スリットは1本に限られるものではなく、2本以上形成してもよい。例えば、図3に示す男性用尿パッド50のように、スリット22を2本の直線として形成し、その2本の直線(上スリット22a、下スリット22b)が平行となるように配置することも好ましい形態の一つである(このような2本のスリットを「平行スリット」と称することにする)。
平行スリットを形成すると、男性器を、上スリット22aと下スリット22bとの間に形成されるベルト部24の下面側(裏面シート4側)を通すように挿入して使用することができる。このような男性用尿パッド50では、男性器が一定の幅を有するベルト部24によって把持されるため、男性器に対する固定効果を向上させることができ、尿漏れの原因となる尿パッドのズレや外れを有効に防止することが可能となる。なお、図3に示す男性用尿パッド50は、上スリット22aと下スリット22bの長さを等しく構成した例であるが、2本のスリットの長さが異なっていてもよい。
前記のような平行スリットを形成する場合、2本のスリットの間隔については特に制限はない。但し、男性器を確実に固定するためには、5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることが更に好ましい。一方、男性器の先端部分をベルト部から確実に突出させ、男性器の根元部分での装着性を向上させるという点を考慮すると、100mm以下とすることが好ましく、50mm以下とすることが更に好ましい。
また、図4に示す男性用尿パッド60のように、スリット22を2本の直線として形成し、その2本の直線(横スリット22c、縦スリット22d)が直交するように配置することも好ましい(このような2本のスリットを「十字型スリット」と称することにする)。十字型スリットを形成すると、男性器を挿入する際に、スリット部分が縦横の二方向に開口することになる。このような男性用尿パッドは、男性器に対する形状適合性や動作追従性が高く、男性器に対する密着性やホールド性に優れているという利点がある。
スリットの長さについては特に制限はなく、着用者の男性器のサイズを考慮して適宜決定すればよい。例えば、図2に示すスリット22、図3に示す上スリット22a及び下スリット22b、図4に示す横スリット22cのような、横方向に形成するスリットについては、男性器を挿入し、かつ、確実に固定するために、20〜100mmとすることが好ましく、30〜80mmとすることが更に好ましい。一方、図4に示す縦スリット22dのような、縦方向に形成するスリットについては、上部フラップ部分の面積をできる限り小さくするために、10〜50mmとすることが好ましく、15〜30mmとすることが更に好ましい。
本発明の男性用尿パッドにおいては、例えば、図10に示す男性用尿パッド120のように、スリットに代えて、破断によりスリットを形成し得るミシン目26を形成した場合にも同様の効果を得ることができる。このような形態は、破断の程度によってスリットの長さを調整することができるので、着用者の男性器のサイズに適合する長さのスリットを形成することが可能となる。従って、スリットを形成した場合と比較して男性器に対する固定効果が更に向上するという利点がある。なお、ミシン目については、初めからスリットを形成する場合よりも、長く形成してもよい(例えば、100mmを超えていてもよい)。ミシン目の場合は、スリットの長さを調整可能なためである。
本発明の男性用尿パッドにおいては、「少なくとも一種」とあるように、スリットとミシン目の双方を形成してもよい。例えば、図3に示す平行スリットや図4に示す十字型スリットを形成する2本の直線のうち、1本をスリット、他の1本をミシン目としてもよい。また、スリットを形成する1本の直線のうち、中央部のみをスリットとし、その両側縁をミシン目としてもよい。
スリット及びミシン目を形成する位置についてはスポンジ状部材のいずれの部分であってもよい。但し、吸収体が介装されていないフラップの部分にスリット等を形成することが好ましい。吸収部にスリットを形成してしまうと、そのスリットから吸収体を構成するパルプや高吸水性ポリマー等が零れ落ちてしまうおそれがあるからである。
本明細書にいう「開口部」は、一定の面積を有する開口が形成されている限り、その形状に特に制限はない。例えば、円形状の開口部、楕円形状の開口部、星形状の開口部等を挙げることができる。中でも、図5に示す男性用尿パッド70のように、開口部44として楕円形状の開口部(以下、「楕円形開口部」と称することにする)を形成したものが好ましい。楕円形開口部は男性器形状とのフィット性が高く、男性器に対する固定効果に優れるという利点がある。
開口部の開口面積については、男性器を挿入し、かつ、確実に固定するために、円形開口部の場合であれば、200〜3200mm2とすることが好ましく、500〜2000mm2とすることが更に好ましい。楕円形開口部の場合であれば、長径を20〜70mm、短径を5〜30mmとすることが好ましく、長径を25〜60mm、短径を10〜30mmとすることが更に好ましい。
なお、既に述べたスリットと同様に、開口部に代えて、破断により開口部を形成し得るミシン目を形成した場合にも同様の効果を得ることができる。即ち、開口部の外縁に相当する部分にミシン目を形成し、そのミシン目の破断により開口部を形成し得るように構成したものも本発明の範囲に含まれる。
[2]男性用尿パッドの具体的な実施形態:
本発明の男性用尿パッドは、表面シートと、裏面シートと、両シートの間の一部に介装された吸収体とを備えたものである。この男性用尿パッドは、粘着部を利用して組み立てるタイプのもの(以下、「組み立て型尿パッド」と称することにする)と、予め袋状に形成されたタイプのもの(以下、「袋状尿パッド」と称することにする)とに大別できる。本発明の男性用尿パッドの構成は、組み立て型尿パッド、袋状尿パッドの双方に適用することが可能である。
[2−1]組み立て型尿パッド:
既に説明してきた図2〜図10に示す男性用尿パッド1,50,60,70,80,90,110,120は、いずれも組み立て型尿パッドである。例えば、図2に示す男性用尿パッド1は、表面シート2と、裏面シート4と、両シートの間の一部に介装された吸収体6とを備えており、更に裏面シート4側の表面に、装着用の粘着部8が形成されている。
図2に示す男性用尿パッド1を使用する際には、その上端縁10が手前側(着用者の身体側)となるように男性器18に宛がい、スリット22を利用して、尿パッドの裏面シート4側から表面シート2側に貫通させるように男性器18を挿入して使用する。そして、直線L1,L2に沿って、パッドの右側縁12、左側縁14をパッド中央側に折り返した後、粘着部8を左側縁14側の表面シート2に対して固定した状態で用いる。こうすることにより、男性用尿パッドは、上端縁側を開口部、下端縁側を頂点とするコーン状(サック状)となるため、男性器を被包することができる。
[2−2]袋状尿パッド:
袋状尿パッドは、粘着部を利用して組み立てるのではなく、尿パッドの縁部を接合しておく等の方法により、予め尿パッドの上端縁側(上部フラップ側)を開口部とする袋状に構成したものである。このような袋状の尿パッドは、組み立てる手間が不要であり、簡便に使用することができるという利点がある。例えば、図11〜図13に示す男性用尿パッド130は、表面シート2と、裏面シート4と、両シートの間の一部に介装された吸収体6とを備えており、尿パッドの下端縁16、右側縁12及び左側縁14を接合部46によって予め接合しておくことによって、尿パッドの上端縁10側(上部フラップ20側)を開口部48とする袋状に構成したものである。
なお、前記のような接合部を形成する場合、接合部となる部分(尿パッドの下端縁、右側縁、左側縁等)については、必ずしも表面シートを配置しなくてもよい。例えば、図11〜図13に示す男性用尿パッド130は、後に接合部46となる、尿パッドの下端縁16側の部分については表面シート2を配置していない例である。
袋状尿パッドを使用する際には、その上端縁側の開口部が手前側(着用者の身体側)となるように男性器に宛がい、前記開口部から男性器を袋内に挿入する。このときに、スリットや開口部を利用して、尿パッドの裏面シート側から表面シート側に貫通させるように男性器を挿入して固定する。袋状尿パッドは、予め袋状に構成されているので、男性器を被包することができる。
なお、前記のような本発明の男性用尿パッド(袋状尿パッド)は、例えば、図11〜図13に示す男性用尿パッド130のように、スポンジ状部材40に形成された、男性器の挿入部分となるスリット22や開口部の他に、尿パッドの上端縁10側にも開口部48が形成されることになる。この開口部48は、スポンジ状部材40に形成されたスリット22や開口部から男性器が挿入し難いような場合に、手を差し入れて袋状尿パッドの内部に男性器を引き出すために使用することができる。開口部48は上端縁10側に形成されているため、そこから尿漏れが起こる可能性は少ないが、開口部48の近傍に粘着ファスナーやメカニカルファスナーを付設しておき、男性器固定後に、開口部48を封着するようにしてもよい。
[2−3]粘着部:
既に述べたように、組み立て型尿パッドの場合、装着用の粘着部が形成されていることが好ましい。この粘着部は、通常、剥離ライナーで被覆されており、使用時に剥離ライナーを引き剥がし、粘着部を露出できるように構成されている。粘着部は、粘着剤を塗布した剥離ライナーを貼着する等の方法により、容易に形成することができる。図2〜図10に示す男性用尿パッド1,50,60,70,80,90,110,120は、装着用の粘着部8を裏面シート4側の表面に形成したものであるが、表面シート2側の表面に形成したものも当然に本発明の男性用尿パッドの範囲に含まれる。
また、図2〜図10に示す男性用尿パッド1,50,60,70,80,90,110,120は、粘着部として装着用の粘着部8の他、尿パッドを下着や使い捨ておむつに対して固定するための固定用の粘着部42が形成されている。即ち、本発明の男性用尿パッドにおいては、粘着部が2以上形成されていてもよい。このような固定用の粘着部を形成することにより、着用者の動作等に起因する尿パッドのズレや外れが効果的に防止される。固定用の粘着部については、装着用の粘着部と同様の構成を採用することができる。
[3]男性用尿パッドの構成要素:
本発明の男性用尿パッドは、表面シート、裏面シート及び吸収体を必須構成要素とし、目的に応じて他の構成部材を備えることがある。以下、これらの構成要素について説明する。
[3−1]表面シート:
表面シートは、着用者の肌との接触面側に配置されるシートである。表面シートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿や体液を吸収させる必要から、少なくとも吸収体の上面近傍については、着用者の尿や体液を透過させ得る液透過性の材料によって構成される。換言すれば、吸収体の上面近傍が液透過性の材料によって構成されている限り、必ずしも表面シート全体が液透過性の材料で構成されている必要はない。
例えば、尿パッドの中央部については液透過性の材料で構成し、尿パッドの外縁(上端縁、右側縁、左側縁及び下端縁)に沿って、その外縁の少なくとも一部を包囲するように撥水性の材料を配置することも好ましい形態の一つである。中でも、尿パッドの上端縁及び/又は下端縁に沿って、撥水性の材料を配置することが好ましい。このような構成は、尿パッド外縁部からの尿の染み出し漏れを抑制することができるため好ましい。但し、構成部材を少なくし、製造工程を簡素化するという観点からは、表面シート全体を液透過性の材料で構成することが好ましい。
表面シートを構成する液透過性の材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、合成繊維から構成された不織布であることが好ましい。この合成繊維としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の成分からなる樹脂が挙げられ、これらの1種の成分のみからなる単繊維であってもよいし、2種以上の成分からなる複合繊維であってもよい。中でも、高強度であるという理由から、ポリエステル/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が好ましい。不織布の種類についても特に制限はなく、エアースルー(カード熱風)、カードエンボス、スパンボンド等の各種製法によって製造された従来公知の不織布を好適に用いることができる。
一方、尿パッドの外縁に沿って配置されることがある撥水性の材料としては、スパンボンドやカードエンボス等の不織布を用いることもできるが、耐水圧が高いという理由から、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)不織布、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)不織布等の不織布を用いることが好ましい。
[3−2]裏面シート:
裏面シートは、着用者の衣服との接触面側に配置されるシートである。裏面シートは、着用者の尿や体液が尿パッド外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、少なくとも吸収体の下面近傍については、液不透過性の材料によって構成される。但し、構成部材を少なくし、製造工程を簡素化するという観点から、裏面シート全体を液不透過性の材料で構成することが一般的である。
裏面シートを構成する液不透過性の材料としては、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができる。また、おむつ内部の蒸れを防止するために、透湿性のある液不透過性フィルムを用いることも好ましい形態の一つである。透湿性のある液不透過性フィルムの例としては、ポリエチレン樹脂に炭酸カルシウム等のフィラーを加えて混練し、押し出した後、延伸することにより製造される微多孔性ポリエチレンフィルム等を挙げることができる。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔を多数有しており、湿気やガスは透過させるが、耐水圧内では水を透過させない撥水性シートである。
なお、裏面シートには、その外面側に、裏面シートと異なる材料によって構成されたシートを貼り合わせてもよい(以下、このようなシートを「カバーシート」と記すことにする)。このカバーシートによって、尿パッドの手触り(触感)を向上させ、裏面シートが着用者の肌に接触した際の不快感を減少させる効果を得ることができる。特に、男性用尿パッドは、下着やおむつ上に載置して用いる尿パッドとは異なり、使用時に裏面シートが着用者の肌に接触するため、このような形態は好ましい。カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を好適に用いることができる。
[3−3]吸収体:
吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し、保持するための部材であり、既述の両シート(即ち、表面シートと裏面シート)の間の少なくとも一部に介装される。通常は、矩形状に構成された表面シートと裏面シートの中央部に吸収体が介装され、その吸収体を包囲するように、上部フラップ、下部フラップ、右フラップ、左フラップが形成される。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性の材料によって構成される。
吸収体を構成する吸収性の材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ(綿状パルプ)、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。
フラッフパルプは、例えば、パルプシートを粉砕機で解繊することにより、その繊維長を5mm以下としたもの等を好適に用いることができる。この際に用いるパルプシートは、化学パルプシートでも機械パルプシートでもよく、そのパルプ原料についても、針葉樹、広葉樹、わら、竹、ケナフ、古紙等、通常パルプ原料として用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。フラッフパルプの使用量は、吸収体の構成により異なるが、50〜400g/m2とすることが一般的である。
SAPとしては、デンプン系、セルロース系、合成樹脂系のSAPが知られており、これらのいずれを用いてもよい。具体的には、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−メタクリル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、ポリアクリル酸(塩)、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物等を用いることができる。中でも、自重の20倍以上の水分を吸収し得る高い吸収性能を有する、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることが好ましい。
親水性シートとしては、例えば、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を挙げることができる。中でも、坪量が10〜30g/m2の範囲内のものを用いることが好ましい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプを主体とし、SAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。SAPの量は、乾燥したフラッフパルプ100質量部に対して10〜500質量部とすることが好ましく、15〜300質量部とすることがより好ましい。このような量とすることにより、SAPの粒子は相互の干渉が最小限に留められるため、粒子が透過障壁を形成することが少なく、尿や体液を3次元方向に透過させ、吸収させることが可能となる。
なお、本発明の男性用尿パッドにおいては、吸収体の全体を親水性シートにより包み込む構成とすることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体の形状は、例えば、図2に示す男性用尿パッド1の吸収体6のような矩形状の他、砂時計型、T字型等、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される形状であればいかなる形状でも採用することができる。既に説明した通り、図3〜図6に示す男性用尿パッド50,60,70,80のように、U字型吸収体36を用いてもよい。U字型吸収体は、その切り欠け部が尿パッドの上端縁側を向くように配置することによって、切り欠け部にスリットや開口部を形成することができる。このような男性用尿パッドでは、スリットや開口部の左右側縁側に張り出すように吸収体が配置されるため、男性器は三方向(右側縁側、左側縁側、下端縁側)からコシのある吸収体で包囲され、固定される。従って、男性器に対する固定効果が向上し、尿パッドのずれや外れを効果的に防止することができる。また、機能を有しない余分なフラップの面積を減少させることができるため、尿パッドの装着性が良好になる。更には、吸収体の装填量を増加させることができ、尿パッドの吸収力を増大させることも可能である。
なお、吸収体には、その上面側に(例えば、吸収体と表面シートとの間に)、尿や体液等の液体を拡散させるためのシートを付帯的に配置してもよい。本明細書においては、このようなシートを、特に「セカンドシート」と称することにする。このセカンドシートを付設すると、着用者の姿勢等に起因して、表面シート下面側の空間が十分に形成されないような場合でも、尿や体液等の吸収速度が低下し難く、吸収速度の低下による尿や体液等の漏れを防止することが可能となる。
セカンドシートを構成する材料としては、親水性で液透過性の材料、例えば、織布、不織布、多孔性プラスチック、フラッフパルプ等を挙げることができる。これらの構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプ、或いはこれらの複合繊維等を挙げることができる。パルプとしては、カーリーセルロースファイバー等のけん縮繊維を好適に用いることができる。
[3−4]パッド伸縮材:
本発明の男性用尿パッドにおいては、スリット伸縮材以外の伸縮材(以下、「パッド伸縮材」と称することにする)を備えていてもよい。例えば、図2に示す男性用尿パッド1は、尿パッドの下端縁16に沿って、パッド伸縮材を2本配置した例である。このような構成は、パッド伸縮材によってギャザーが形成されるため、尿パッドをコーン状(サック状)に組み立てた際に、その継ぎ目部分からの尿漏れを効果的に防止することができるという利点があり好ましい。
パッド伸縮材としては、非伸長状態を100%とした場合の伸長率が130〜500%の範囲内の材料を用いることが好ましく、伸長率が200〜300%の範囲内の材料を用いることが更に好ましい。伸長率が130〜500%の範囲内の材料を用いることによって、適正な伸縮力を得ることができ、組み立てた尿パッドの継ぎ目部分からの尿漏れを効果的に防止することができる。
一方、伸長率が130%未満の材料を用いた場合には、スリット伸縮材の弾性力が不十分となり易いため、継ぎ目部分に隙間が形成され易く、尿漏れの防止効果が減殺されるおそれがある。また、伸長率が500%を超える材料を用いた場合には、尿パッドが必要以上に縮小されるために尿パッドの装着が困難となるばかりか、着用者の男性器を締め付け過ぎるため肌が赤くなる等のスキントラブルが発生するおそれがある。
このような条件を満たす限り、構成材料や形状は特に限定されないが、例えば、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)等の弾性材から構成された糸ゴムや平ゴム、或いは伸縮性フィルム等を挙げることができる。これらの中では、糸ゴム又は平ゴムが好ましい。なお、糸ゴムの太さとしては、310〜3730デシテックスのものが好ましく、470〜1240デシテックスのものが更に好ましい。平ゴムとしては、その幅が0.5〜5.0mmのものが好ましく、0.8〜3.0mmのものが更に好ましい。また、平ゴムの厚さは、0.1〜1.0mmのものが好ましく、0.2〜0.5mmのものが更に好ましい。なお、複数のパッド伸縮材を用いる場合、その太さや伸長率等も目的に応じて、前記範囲の中から適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
パッド伸縮材を配置する場合の一般的な構成としては、尿パッドの外縁と平行するようにパッド伸縮材を配置する構成が挙げられる。例えば、図2に示す男性用尿パッド1は、尿パッドの下端縁16と平行になるように、下部フラップ28に2本のパッド伸縮材38a,38bを配置した例である。
なお、パッド伸縮材の本数、配置位置、長さ等については特に制限はない。例えば、図2に示す男性用尿パッド1では、下部フラップ28にパッド伸縮材38a,38bを配置した例を示したが、パッド伸縮材を配置しなくてもよい。また、図2に示す男性用尿パッド1では、パッド伸縮材38a,38bを吸収体6の左右側縁まで配置した例を示したが、パッド伸縮材はこれより長いものを用いてもよいし、短いものを用いてもよい。
通常、パッド伸縮材は、裏面シート等に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、澱粉系ないしカルボキシメチルセルロース(CMC)のような水溶性の糊、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、熱や超音波等による溶着であってもよい。
[3−5]立体ギャザー:
本発明の男性用尿パッドにおいては、尿パッドの外縁(上端縁、右側縁、左側縁及び下端縁)に沿って、その外縁の少なくとも一部を包囲するように立体ギャザーを形成することも好ましい形態の一つである。中でも、尿パッドの上端縁及び/又は下端縁に沿って、立体ギャザーを形成することが好ましい。このような構成は、尿パッド外縁部からの尿の染み出し漏れを抑制することができるため好ましい。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される構成を採用することができる。例えば、帯状のシート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等が立体ギャザーとして用いられる。
前記シート材を構成する材料としては、表面シートの項で例示した撥水性の材料を用いることが好ましい。但し、液透過性の材料や撥水性の材料に対して、プラスチックフィルムを貼り合わせた液不透過性の材料を用いてもよい。立体ギャザーの高さは、10〜50mm程度とすることが一般的である。立体ギャザー伸縮材の構成材料、形状等については、スリット伸縮材と同様の構成を採用することができる。
[4]製造方法:
以下、本発明の男性用尿パッドを製造する方法の一例を、図2に示す男性用尿パッド1を連続的に製造する場合の例により説明する。このような男性用尿パッドは、図2に示す男性用尿パッド1が、図面上下方向に向かって複数個、連続的に配置されたような構造を呈する「尿パッド連続体」から製造することができる。以下、適宜、図2を参照しながら説明する。
まず、裏面シート4となる長尺のシート材(裏面シート材)の上面に、その裏面シート材の長手方向に沿って、親水性シートに包まれた複数の吸収体6を断続的に配置するとともに、スポンジ状部材40、パッド伸縮材38a,38bを連続的に配置する。更にその上面に表面シート2となる長尺のシート材(表面シート材)を配置し、各々の吸収体6及びスポンジ状部材40の周縁部を裏面シート材と表面シート材とで挟み込むように封着して、上部フラップ20、下部フラップ28、右フラップ30、左フラップ32を形成する。こうすることにより、複数の尿パッドが長手方向に向かって連続的に配置された、尿パッド連続体を得ることができる。
次いで、スポンジ状部材40が配置された部分に切り込みを入れ、スリット22を形成する。更に、長尺の剥離ライナーに粘着剤を塗布し、所定の長さで切断しながら、裏面シート材表面の所定の位置に貼着することで、装着用の粘着部8及び固定用の粘着部42を断続的に形成する。最後に、尿パッド連続体を複数の吸収体6の間隙部(右フラップ30及び左フラップ32に相当する部分)で切り離すことによって、個別に分離された複数の男性用尿パッド1を得る。このようにして、表面シート2、裏面シート4及び両シートの間に介装された吸収体6を備えた男性用尿パッド1を複数得ることができる。
前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、男性用尿パッドの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
本発明の男性用尿パッドは、乳幼児用ないしは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の尿パッドとして利用することが可能である。そして、本発明の男性用尿パッドは、男性器に対する固定効果が高いので、男性器が萎縮してしまうことが多い高齢者・障害者等に特に好適に用いることができる。
従来の男性用尿パッドの一の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドの一の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドの別の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドの更に別の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドの更にまた別の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドの別の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドを示す断面図であり、図6に示す男性用尿パッドをX−X’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の男性用尿パッドの更に別の実施形態を示す断面図であり、尿パッドを中央部分で切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の男性用尿パッドの更にまた別の実施形態を示す断面図であり、尿パッドを中央部分で切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の男性用尿パッドの別の実施形態を示す平面図であり、尿パッドを表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の男性用尿パッドの更に別の実施形態を示す斜視図であり、袋状尿パッドをスリットの形成部側から見た斜視図である。 本発明の男性用尿パッドを示す側面図であり、図11に示す袋状尿パッドをその側面側から見た状態を示す側面図である。 本発明の男性用尿パッドを示す平面図であり、図11に示す袋状尿パッドを展開し、表面シート側から見た状態を示す一部切り欠き平面図である。
符号の説明
1,50,60,70,80,90,100,110,120,130:男性用尿パッド、2:表面シート、4:裏面シート、6:吸収体、8:粘着部、10:上端縁、12:右側縁、14:左側縁、16:下端縁、18:男性器、20:上部フラップ、22:スリット、22a:上スリット,22b:下スリット、22c:横スリット、22d:縦スリット、24:ベルト部、26:ミシン目、28:下部フラップ、30:右フラップ、32:左フラップ、36:U字型吸収体、38,38a,38b,38c、38d:パッド伸縮材、40:スポンジ状部材、42:粘着部、44:開口部、46:接合部、48:開口部。

Claims (10)

  1. 表面シートと、裏面シートと、両シートの間の一部に介装された吸収体とを備え、男性器を被包して用いる男性用尿パッドであって、
    その上端縁側にスポンジ状部材が配置され、前記スポンジ状部材に、スリット、開口部及び破断によりスリットないし開口部を形成し得るミシン目の群から選択される少なくとも一種が形成されている男性用尿パッド。
  2. 前記スポンジ状部材が、発泡ウレタン樹脂によって構成されている請求項1に記載の男性用尿パッド。
  3. 前記スポンジ状部材は、その厚さが1〜10mmの範囲内のものである請求項1又は2に記載の男性用尿パッド。
  4. 前記スポンジ状部材が、前記表面シートと前記裏面シートの間の一部に介装されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の男性用尿パッド。
  5. 前記吸収体が切り欠け部を有し、その切り欠け部が尿パッドの上端縁側を向くように配置されるとともに、
    前記スポンジ状部材の少なくとも一部が、前記吸収体の切り欠け部に嵌合されるように配置されている請求項4に記載の男性用尿パッド。
  6. 前記スリット及び/又は前記ミシン目が、2本の直線として形成され、その2本の直線が平行となるように配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の男性用尿パッド。
  7. 前記スリット及び/又は前記ミシン目が、2本の直線として形成され、その2本の直線が直交するように配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の男性用尿パッド。
  8. 前記開口部又は前記ミシン目によって形成される開口部が、楕円形状の開口部である請求項1〜5のいずれか一項に記載の男性用尿パッド。
  9. 前記裏面シート側の表面に、装着用の粘着部が更に形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の男性用尿パッド。
  10. 前記上端縁側を開口部とする袋状に形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の男性用尿パッド。
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