JPWO2007138906A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びフルカラー発光装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びフルカラー発光装置 Download PDF

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Abstract

陽極(1)、第1発光層(3)、電荷障壁層(4)、第2発光層(5)及び陰極(7)をこの順に積層して含み、前記第1発光層(3)及び第2発光層(5)が、それぞれホスト材料及びドーパントを含有し、前記第1発光層(3)のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層(5)のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さく、前記第1発光層(3)のホスト材料が正孔輸送性材料であり、第2発光層(5)のホスト材料が電子輸送性材料であり、前記電荷障壁層(4)のアフィニティレベルが、前記第2発光層(5)のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さく、前記電荷障壁層(4)のイオン化ポテンシャル(Ie1)と前記第1発光層(3)のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子(10)。Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いたフルカラー発光装置に関する。
近年、白色系有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の開発は、モノカラー表示装置としての用途、バックライト等の照明用途及びカラーフィルタを使用したフルカラー表示装置等に使用できるため積極的に行われている。特に、白色系有機EL素子を照明用途に用いる場合、例えば蛍光灯の発光効率と比較して同等レベル以上にある、発光効率が高い白色系有機EL素子が要求される。
有機EL素子により白色発光を得る方法は数多く開示されている。これらの方法は、1種類の発光材料だけで白色を得るものは少なく、通常は2種類又は3種類の発光材料を一つの有機EL素子の中で、同時に発光させている。2種類の発光材料を使用する場合は、青系とその補色となる黄色〜赤色系の発光材料を選択するが、黄色〜赤色系の発光が強くなることが多く、赤味を帯びた白色になりがちである。
この問題に対し、特許文献1では発光層を2分割するタイプにおいて、発光層の発光領域が偏りやすい陽極側の発光層を青色系発光層とすることで、発光色が赤色に偏りがちな傾向を打ち消せることを見出し、色変化を抑制した白色素子を提案している。しかしながら、その発光効率は必ずしも十分なレベルではなかった。
特許文献2では、発光層を陽極側から赤色発光層、青色発光層、緑色発光層の順に積層した有機EL素子が開示されている。さらに、赤色発光層に用いる赤色ドーパントを青色発光層にもドープすることで駆動電流増大に伴う色変化を抑制する技術が開示されている。しかしながら、その発光効率は必ずしも十分なレベルではなかった。
一方、バランスよく白色発光させるための技術としては、複数の発光層間に電荷障壁層を設ける技術もいくつか開示されている。
例えば、特許文献3では、陽極、正孔輸送性青色発光層、電子輸送性キャリア再結合領域制御層、電子輸送性赤色発光層、陰極の順に積層し白色発光させる有機EL素子が開示されている。しかしながら、上記キャリア再結合領域制御層のアフィニティ−レベルが正孔輸送性青色発光層のアフィニティ−レベルに対して大きい値であったため駆動電圧が高かった。また、駆動時間とともに正孔輸送性青色発光層に電子が注入されにくくなり、正孔輸送性青色発光層の発光強度が低下し、発光色が電子輸送性発光層の赤色発光に偏りがちであった。
特許文献4では、2つの電子輸送性発光層が電荷障壁層を介して配置された白色発光有機EL素子が開示されている。しかしながら、陽極から注入された正孔は、ほとんど最初の発光層で消費されてしまい、電荷障壁層を通過して二つめの電子輸送性発光層へ供給される正孔の量が少ないため、白色発光の効率が低いという課題があった。
特許文献5では、陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層、陰極をこの順に積層していて、電荷障壁層のイオン化ポテンシャルを第1発光層のイオン化ポテンシャルよりも0.1eV以上大きくし、また電荷障壁層のアフィニティレベルを第二発光層のアフィニティレベルよりもより0.1eV以上小さくした白色発光有機EL素子が開示されている。しかしながら、電荷障壁層は電子障壁と正孔障壁の両方の機能を有するがために駆動電圧が高くなるという課題があった。
その他、特許文献6、特許文献7にも白色素子が開示されているが、いずれも発光効率が十分ではない。
特開2003−272857号公報 特開2004−235168号公報 特開平8−78163号公報 国際公開第2005/099313号パンフレット 国際公開第2005/112518号パンフレット 特開2005−100921号公報 米国公開第2006/0088729
本発明は上記課題に鑑み、ディスプレイや照明用途に適した演色性を有し、発光効率が高くかつ色度変化が少ない有機EL素子を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明者らが鋭意研究した結果、下記の素子が高い演色性、及び発光効率を持ち、かつ色度変化が少ないことを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の有機EL素子及びフルカラー発光装置が提供される。
1.陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層及び陰極をこの順に積層して含み、
前記第1発光層及び第2発光層が、それぞれホスト材料及びドーパントを含有し、
前記第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さく、
前記第1発光層のホスト材料が正孔輸送性材料であり、第2発光層のホスト材料が電子輸送性材料であり、
前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さく、
前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と前記第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。
Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)
2.陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層、第3発光層及び陰極をこの順に積層して含み、
前記第1発光層、第2発光層及び第3発光層が、それぞれホスト材料及びドーパントを含有し、
前記第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さく、
前記第1発光層のホスト材料が正孔輸送性材料であり、
前記第2発光層及び第3発光層のホスト材料が電子輸送性材料であり、
前記電荷障壁層は正孔輸送性材料であり、
前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と前記第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。
Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)
3.前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも0.4eV以上小さい1〜3のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記第1発光層のドーパントが赤色ドーパントであり、前記第2発光層のドーパントが青色ドーパントである1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記第1発光層のドーパントが赤色ドーパントであり、前記第2発光層のドーパントが青色ドーパントであり、前記第3発光層のドーパントが緑色ドーパントである2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記電荷障壁層が発光材料を含む1〜6のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記電荷障壁層の発光材料が、緑色ドーパントである7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.前記陽極と前記第1発光層の間に、第1発光層と隣接する正孔輸送層を有する、1〜8のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.前記正孔輸送層を形成する材料と前記電荷障壁層を形成する材料が同じ材料である、9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
11.陽極に近い有機層である第1発光層又は第1の有機層が、酸化剤を含有しているか、及び/又は陰極に近い有機層である第2発光層又は第2の有機層が、還元剤を含有している、1〜10のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
12.前記第1発光層のホスト材料が、下記式(1)で表される化合物であり、前記第1発光層のドーパントが、フルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する化合物である1〜11のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
X−(Y)n (1)
(式中、Xは炭素環3以上の縮合芳香族環基であり、
Yは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアルキル基又は置換もしくは無置換のアルキル基から選択される基であり、
nは1〜6の整数であり、nが2以上の場合、Yは同じでも異なってもよい。)
13.前記フルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する化合物が、下記式(2)又は式(3)で表されるインデノペリレン誘導体である12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ置換もしくは無置換の芳香環基又は置換もしくは無置換の芳香族複素環基であり、X〜X18は、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、芳香環含有アルキル基、芳香環含有アルキルオキシ基、芳香環含有アルキルチオ基、芳香環基、芳香族複素環基、芳香環オキシ基、芳香環チオ基、芳香環アルケニル基、アルケニル芳香環基、アミノ基、カルバゾリル基、シアノ基、水酸基、−COOR1’(R1’は水素、アルキル基、アルケニル基、芳香環含有アルキル基又は芳香環基である。)、−COR2’(R2’は水素、アルキル基、アルケニル基、芳香環含有アルキル基、芳香環基又はアミノ基である)、又は−OCOR3’(R3’はアルキル基、アルケニル基、芳香環含有アルキル基又は芳香環基である)である。X〜X18の隣接する基は、互いに結合して、又は置換している炭素原子と共に環を形成していてもよい。)
14.前記インデノペリレン誘導体がジベンゾテトラフェニルペリフランテン誘導体である13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
15.第1発光層のホスト材料の縮合環数が4以上で、第2発光層のホスト材料の縮合環数が3環以下である12〜14のいずれか記載に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
16.前記式(1)で表される化合物が、下記式(4)で表されるナフタセン誘導体である12〜15のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(式(4)中、Q〜Q12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリール基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリーロキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは無置換の核炭素数7〜20のアラルキル基又は置換もしくは無置換の核原子数5〜20の複素環基を表し、これらは同一でも異なってもよい。)
17.前記式(4)で表されるナフタセン誘導体におけるQ、Q、Q及びQの少なくとも1つ以上がアリール基である16記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
18.前記式(4)で表されるナフタセン誘導体が下記式(5)で表される17記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(式(5)中、Q〜Q12、Q101〜Q105、Q201〜Q205は、それぞれ独立に、前記一般式(1)中Q〜Q12と同じ基を表し、これらは同一でも異なってもよく、これら隣接する2個以上が互いに結合して環を形成してもよい。)
19.前記式(5)で表されるナフタセン誘導体におけるQ101、Q105、Q201及びQ205の少なくとも1つ以上がアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アラルキル基又は複素環基であり、これらは同一でも異なってもよい18記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
20.前記電荷障壁層が、第三級アミン化合物、カルバゾール誘導体、含窒素複素環を含む化合物又は金属錯体を含む12〜19のいずれか記載に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
21.白色発光の1〜20のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子と、
カラーフィルタを備えるフルカラー発光装置。
本発明によれば、演色性を有し、発光効率が高くかつ色度変化が少ない有機EL素子を提供することができる。
本発明の実施形態1にかかる有機EL素子の構成を示す図である。 図1に示す有機EL素子の第1発光層、電荷障壁層及び第2発光層のエネルギーレベルを示す図である。 本発明の実施形態2にかかる有機EL素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態3にかかる有機EL素子の構成を示す図である。 実施例1で作成した第1発光層、第1電荷障壁層、第2発光層のエネルギーレベルを示す図である。 比較例4で作成した第1発光層、第1電荷障壁層、第2発光層のエネルギーレベルを示す図である。 比較例5で作成した第1発光層、第1電荷障壁層、第2発光層のエネルギーレベルを示す図である。 比較例1、実施例1から4で作製した有機EL素子の輝度に対するCIE1931色度xの値を示す図である。 比較例1、実施例1から4で作製した有機EL素子の輝度に対するCIE1931色度yの値を示す図である。
実施形態1
本発明の実施形態1にかかる有機EL素子は、陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層及び陰極をこの順に積層して含む。第1発光層及び第2発光層は、それぞれホスト材料及びドーパントを含有する。
ここで、第1発光層は正孔輸送性材料をホスト材料として含み、第2発光層は電子輸送性材料をホスト材料として含む。さらに、第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さい。
また、電荷障壁層のアフィニティレベルが、第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さく、電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす。
Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)
好ましくは、電荷障壁層のアフィニティレベル(Afe1)は1eVより大きく、第2発光層のホスト材料のアフィニティレベル(Afh2)よりも0.2eV以上小さい(下記式を満たす)。
1<Afe1≦Afh2−0.2 (eV)
好ましくは、電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の式を満たす。
2.5<Ie1<Ih1+0.1 (eV)
好ましくは、第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップ(Egh1)が1.5eVより大きく、第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップ(Egh2)よりも0.4eV以上小さい(下記式を満たす)。
1.5<Egh1≦Egh2−0.4 (eV)
図1は、実施形態1にかかる有機EL素子の構成の例を示す図である。
図1に示す有機EL素子10は、陽極1、正孔輸送層2、第1発光層3、電荷障壁層4、第2発光層5、電子輸送層6及び陰極7を積層した構造を有している。
第1発光層3及び第2発光層5は、それぞれホスト材料及びドーパントを含有している。
尚、この素子10では、例えば、第1発光層3を赤色系発光とし、第2発光層5を青色系発光とすることにより、白色発光を得ることができる。第2発光層5に青色ドーパントをドープするのは、一般に発光が弱い青を良く光らせて、白色としてのバランスをとるためである。
有機EL素子10では、陽極1側に近い第1発光層3のホスト材料が正孔輸送性材料であり、陰極7側に近い第2発光層5のホスト材料が電子輸送性材料である。そして、第1発光層3と第2発光層5との間に電荷障壁層4が設けられている。こうすることにより、第1発光層3への電子注入、第2発光層5への正孔注入がバランスよく行われるとともに電荷障壁層4による電子ブロックによって、電荷障壁層4と第2発光層との界面の周辺に再結合領域が集中する。すると、第2発光層5に青色ドーパントをドープしているので青色発光が効率よく得られる。青色発光は一般に弱いところ、強い青色発光を得られる。第1発光層3では電荷障壁層を介して注入された電子と陽極側からの正孔との再結合とともに第2発光層5からの青発光のエネルギーが第1発光層3の赤にもエネルギー移動して赤の発光も得られる。よって、高効率で色バランスに優れた白色発光が得られる。
ここで、本発明における「正孔輸送性」とは、10〜10V/cmの電界の範囲において層の正孔移動度が電子移動度よりも大きいことを意味する。好ましくは、第1発光層の正孔移動度が10−5cm/V・秒以上である。
また、「電子輸送性」とは、10〜10V/cmの電界の範囲において層の電子移動度が正孔移動度よりも大きいことを意味する。好ましくは、第2発光層の電子移動度は10−6cm/V・秒以上である。
正孔又は電子移動度は、Time of flight法で測定する。
尚、第1発光層及び第2発光層のホスト材料がともに電子輸送性材料である場合、従来技術の特許文献4のように、再結合領域が第1発光層に偏ってしまい、良好な白色発光が得られにくい。
また、第1発光層及び第2発光層のホスト材料がともに正孔輸送性材料である場合、上記とは逆に再結合領域が第2発光層に偏ってしまい、良好な白色発光が得られにくい。また、再結合領域は第2発光層の中でもとくに陰極側に偏る傾向がある。このため、金属陰極による消光作用により、発光効率が低くなってしまう。
第1発光層のホスト材料が電子輸送性材料であり、第2発光層のホスト材料が正孔輸送性材料である場合、第1発光層への電子注入、及び第2発光層への正孔注入がいずれもされにくくなり、駆動電圧の大幅な上昇が生じる。
また、特許文献3のごとく、陽極、正孔輸送性青色発光層、電子輸送性キャリア再結合領域制御層、電子輸送性赤色発光層、陰極の順に積層した場合について考える。
この場合、青のエネルギーギャップは大きいことから正孔輸送性青色発光層のアフィニティレベルが低くなる。また、電子輸送性キャリア再結合領域制御層のアフィニティレベルは概して高い。そのため、電子輸送性キャリア再結合領域制御層から正孔輸送性青色発光層への電子注入バリアが高くなり、全体として素子の駆動電圧が高くなる。
この点、本実施形態の構成であれば、青色発光層を電荷障壁層の陰極側に配置しているので、アフィニティレベルのギャップが大きくなりすぎず、高電圧化を防ぐことができる。
有機EL素子10では、電荷障壁層4のアフィニティレベルが、第2発光層5のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい。また、電荷障壁層4のイオン化ポテンシャル(Ie1)と第1発光層3のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす。
Ie1<Ih1+0.1(eV)・・・(1)
この関係をエネルギーレベルを示した図で説明する。
図2は、有機EL素子10の第1発光層3のホスト材料、電荷障壁層4、第2発光層5のホスト材料のエネルギーレベルを示す。この図において上辺のレベルは各層のアフィニティレベル、下辺はイオン化ポテンシャルを示す。エネルギーレベル図においては、下方がより大きい値を示す。各層において、イオン化ポテンシャルとアフィニティレベルの差がエネルギーギャップに相当する。
有機EL素子10では、電荷障壁層4のアフィニティレベルが、第2発光層5のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい。即ち、図2において電荷障壁層4のアフィニティレベルが第2発光層5のアフィニティレベルよりも、0.2eV以上上方に位置する(図2において、△Afが0.2eV以上)。
電荷障壁層4は、陰極7に近い方の第2発光層5から陽極1に近い方の第1発光層3への電子の注入を制限する層であって、各発光層内における電子−正孔対の再結合量を制御し、各発光層からの発光量を調整するために設けるものである。この機能を考慮すると、第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さなアフィニティレベルを有する必要がある。好ましくは0.5eV以上小さなアフィニティレベルを有する。
尚、第1発光層3のホスト材料のアフィニティレベルと電荷障壁層4のアフィニティレベルの関係は、特に限定されないが、駆動電圧の観点から、電荷障壁層4のアフィニティレベルが0eV以上小さいことが好ましい。
また、有機EL素子10では、電荷障壁層4のイオン化ポテンシャル(Ie1)と第1発光層3のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、上記(1)を満たす。これは、電荷障壁層4が正孔にとって障壁となると駆動電圧の上昇が問題となるため、それを防止するためである。
電荷障壁層4のイオン化ポテンシャル(Ie1)と第1発光層3のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)の関係は、好ましくは下記式(1’)を満たす。
Ie1<Ih1−0.2(eV)・・・(1’)
有機EL素子10では、第1発光層3のホスト材料のエネルギーギャップが、第2発光層5のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さく、好ましくは0.4eV以上小さい。第1発光層3のホスト材料のエネルギーギャップの方が大きい場合や、小さくても0.4eV未満の場合、第2発光層5と電荷障壁層4とのアフィニティレベルの差が大きくなり過ぎ、第1発光層3への電子供給が過少となり、良好な白色発光が得られにくい場合がある。具体的には、第1発光層3のホスト材料のエネルギーギャップが1.8〜2.8eV、第2発光層5のホスト材料のエネルギーギャップが2.2〜3.3eVであることが好ましい。
第1発光層3のドーパントが赤色ドーパントであり、第2発光層5のドーパントが青色ドーパントであるとき、第1発光層3が赤色系の光を発し、第2発光層5が青色系の光を発することに加え、上記要件を満たすことにより、バランスのよい白色発光が得られる。
第1発光層のホスト材料のエネルギーが第2発光層のホスト材料のエネルギーより小さいことが好ましい理由は、定かではないが、以下のように考えられる。
発光強度を稼ぎにくい色は青であるので、この青をメインに励起子生成を行って発光させる。そのために、青は電子障壁層の陰極側に位置させることが好ましい。そして、赤を電子障壁層の陽極側に配置する。このような配置を行うと、電子障壁層の陰極側である第2発光層(青)で励起子を生成し、この青がよく光る。そして、第2発光層は第1発光層に対してエネルギーギャップが広いので、そのエネルギーを第1発光層側に移動させる。その結果、第2発光層の赤も光る。
尚、本実施形態の素子構成は図1に限定されず、例えば、以下の構成であってもよい。
1.陽極/第1発光層/電荷障壁層/第2発光層/陰極
2.陽極/正孔輸送層/第1発光層/電荷障壁層/第2発光層/陰極
3.陽極/第1発光層/電荷障壁層/第2発光層/電子輸送層/陰極
4.陽極/正孔輸送層/第1発光層/電荷障壁層/第2発光層/電子輸送層/陰極
5.陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1発光層/電荷障壁層/第2発光層/電子輸送層/陰極
6.陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1発光層/電荷障壁層/第2発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
これらの構成のなかでも、正孔輸送層を有することが好ましい。
上述した層の他にも、他の有機層又は無機層を介在させることができる。介在層は、電子及び正孔を輸送できるものであれば制限されない。光取り出し方向にある場合は、透明性であることが好ましい。
実施形態2
実施形態2にかかる有機EL素子は、陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層、第3発光層及び陰極をこの順に積層して含む。第1発光層、第2発光層及び第3発光層が、それぞれホスト材料及びドーパントを含有する。
ここで、第1発光層のホスト材料が正孔輸送性材料からなり、第2発光層及び第3発光層のホスト材料が電子輸送性材料からなる。さらに、第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さい。
電荷障壁層は正孔輸送性である。また、好ましくは電荷障壁層のアフィニティレベルが、第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい。
さらに、電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす。
Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)
図3は、実施形態2にかかる有機EL素子の構成の例を示す図である。
図3に示す有機EL素子20は、陽極1、正孔輸送層2、第1発光層3、電荷障壁層4、第2発光層5、第3発光層8、電子輸送層6及び陰極7を積層した構造を有している。即ち、第3発光層8を形成した他は、上記実施形態1と同様な構成を有する。第3発光層8もホスト材料及びドーパントを含有している。また、第3発光層8のホスト材料は、第2発光層5と同様に、電子輸送性材料である。
尚、この素子20では、例えば、第1発光層3のドーパントを赤色ドーパント、第2発光層5のドーパントを青色ドーパント、第3発光層8のドーパントを緑色ドーパントにして、第1発光層3を赤色系発光とし、第2発光層5を青色系発光とし、第3発光層8を緑色系発光とすることにより、さらに演色性に優れた白色発光を得ることができる。
尚、通常、青色ドーパントのエネルギーギャップは約2.8eV、緑色ドーパントのエネルギーギャップは約2.5eV、赤色ドーパントのエネルギーギャップは約2.0eV程度である。
本実施形態において、第1発光層3、電荷障壁層4及び第2発光層5は、必ずしも実施形態1のような関係を有する必要はない。第3発光層8を形成することによって、第1発光層3、電荷障壁層4、及び第2発光層5への電子注入量が制限されるためである。とくに、第3発光層に緑ドーパントをドープしているので、この緑ドーパントにより電子がトラップされ、第2発光層への電子注入が制御される。
しかしながら、素子の性能をより高めるため、第1発光層3のホスト材料、電荷障壁層4及び第二発光層5のホスト材料のイオン化ポテンシャル、アフィニティレベル及びエネルギーギャップは、実施形態1と同じ関係を有することが好ましい。
尚、実施形態1と同様、本実施形態の素子構成は図3に限定されず、例えば、実施形態1で例示した素子構成1−6に第3発光層を形成した構成でもよく、また、複数の電荷障壁層を積層して形成してもよい。
上記実施形態において、好ましくは、第1発光層のホスト材料が、下記式(1)で表される化合物であり、第1発光層のドーパントが、フルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する化合物である。
X−(Y)n (1)
(式中、Xは炭素環3以上の縮合芳香族環基であり、
Yは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアルキル基又は置換もしくは無置換のアルキル基から選択される基であり、
nは1〜6の整数であり、nが2以上の場合、Yは同じでも異なってもよい。)
さらに好ましくは第1発光層のホスト材料の縮合環数は4以上である。また、好ましくは、第2発光層のホスト材料の縮合環数は3環以下である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の素子では、陽極、正孔輸送性の第1発光層、電荷障壁層、電子輸送性の第2発光層及び陰極がこの順序に積層して構成されている。このような構成とすることにより、演色性を有し、発光効率が高くかつ色度変化が少ない有機EL素子が得られる。また、本発明の素子では、素子の駆動条件(駆動電圧等)を変更しても、発光の色度変化が小さいという特徴がある。
実施形態3
本発明の実施形態3にかかるフルカラー発光装置は、白色発光する本発明の有機EL素子と、カラーフィルタを備える。
図4は、実施形態3にかかるフルカラー発光装置の構成の例を示す図である。
図4に示すフルカラー発光装置100は、支持基板110上に、第1、第2、第3(白)の有機EL素子120,130,140が設けられ、これら素子120,130,140の光取り出し側(矢印で示す)に、これら素子120,130,140にそれぞれ対向して、第1、第2、第3(赤、緑、青)のカラーフィルタ122,132,142を配置している。カラーフィルタ122,132,142は透明基板150上に形成されている。
有機EL素子120から発せられた光はカラーフィルタ122により赤色光となり外へ取り出され、有機EL素子130から発せられた光はカラーフィルタ132により緑色光となり外へ取り出され、有機EL素子140から発せられた光はカラーフィルタ142により青色光となり外へ取り出され、フルカラーが得られる。
有機EL素子120,130,140とカラーフィルタ122,132,142の間には、有機EL素子が環境やカラーフィルタに含まれる酸素、水分、その他揮発成分により劣化することを防止するための封止層等を設けてもよい。具体例としては、SiOxNy、AlOxNy、SiAlOxNy等の透明無機化合物層、及びこれらの透明無機化合物層と透明樹脂又は封止液と積層したもの等を用いることができる。
カラーフィルタ122,132,142としては、例えば、下記の色素のみ、又は色素をバインダー樹脂中に溶解又は分散させた固体状態のものを挙げることができる。
赤色(R)色素:ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料等
緑色(G)色素:ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料、ハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料、トリフェルメタン系塩基性染料等
青色(B)色素:銅フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料等
一方、バインダー樹脂は、透明な(可視光透過率50%以上)材料が好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂(高分子)や、フォトリソグラフィー法が適用できる感光性樹脂として、アクリル酸系、メタクリル酸系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料が挙げられる。また、印刷法を用いる場合には、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の透明な樹脂を用いた印刷インキ(メジウム)が選ばれる。
カラーフィルタが主に色素からなる場合は、所望のカラーフィルタパターンのマスクを介して真空蒸着又はスパッタリングにより成膜され、一方、色素とバインダー樹脂からなる場合は、色素と上記樹脂及びレジストを混合、分散又は可溶化させ、スピンコート、ロールコート、キャスト等の方法で製膜し、フォトリソグラフィー法で所望のカラーフィルタパターンでパターニングしたり、印刷等の方法で所望のカラーフィルタパターンでパターニングするのが一般的である。
それぞれのカラーフィルタ122,132,142の膜厚と透過率は、下記とすることが好ましい。
R:膜厚0.5〜5.0μm(透過率50%以上/610nm),
G:膜厚0.5〜5.0μm(透過率50%以上/545nm),
B:膜厚0.2〜5.0μm(透過率50%以上/460nm)。
また、本実施形態において、赤、緑、青の3原色発光を呈するフルカラー発光装置を提供する場合には、コントラスト比向上のためブラックマトリックスを用いることができる。
以下、本発明の有機EL素子の特徴的な部分である電荷障壁層、第1発光層、及び第2発光層(第3発光層)を中心に説明する。その他の有機層、無機化合物層、陽極、陰極等の構成や製法については、一般的な構成を採ることができる。
1.電荷障壁層
電荷障壁層は、正孔に対する障壁となりにくいという観点から、正孔移動度が10〜10V/cmの電界印加時に、少なくとも10−5cm/V・秒以上であることが好ましい。
電荷障壁層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、0.1〜50nmである。より好ましくは0.1〜20nmである。
電荷障壁層には、種々の有機化合物、無機化合物を用いることができる。有機化合物としては、第三級アミン化合物、カルバゾール誘導体、含窒素複素環を含む化合物や金属錯体等を用いることができる。無機化合物としては、Ba,Ca,Sr,Yb,Al,Ga,In,Li,Na,K,Cd,Mg,Si,Ta,Ge,Sb,Zn,Cs,Eu,Y,Ce,W,Zr,La,Sc,Rb,Lu,Ti,Cr、Ho,Cu,Er,Sm、W、Co、Se、Hf,Tm、Fe、Nb等の金属との酸化物、窒化物、複合酸化物、硫化物、弗化物等を用いることができる。
また、好ましくは、電荷障壁層が正孔に対する障壁となりにくいという観点から、通常有機EL素子において正孔輸送層として用いられる以下に記載の有機化合物である。
具体例としては、トリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
また、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)も使用できる。特に、芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
さらに、下記式で表される化合物も好ましい。
式中、Ar21〜Ar24は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基であり、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、炭素数1〜50のアルキル基であり、m、nは0〜4の整数である。
核炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テルフェニル、フェナントリル基等が好ましい。尚、核炭素数6〜50のアリール基は、さらに置換基により置換されていてもよく、好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、核炭素数6〜50のアリール基で置換されたアミノ基が挙げられる。
炭素数1〜50のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましい。
また、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4’’−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等を挙げることもできる。
電荷障壁層には、発光材料を添加してもよい。これにより、さらに多様な成分の光を含んだ発光が得られる。例えば、実施形態1のように発光層が第1発光層3と第2発光層5の二層のときに、第1発光層3のドーパントを赤色ドーパント、第2発光層のドーパントを青色ドーパント、電荷障壁層の発光材料を緑色ドーパントとする。即ち、発光が一番弱い青を一番光る領域に配し、視感度の高い緑を次に一番光る領域に配する。これは緑の発光がずれると人が見たときに色ずれがすぐにわかり、バランスのよい白色にできないためである。赤は電荷注入のほか、青、緑からのエネルギー移動でも発光するので、第1発光層の位置でよい。このように配置すると、効率がよく、バランスがとれ、色ずれしにくい3波長白色を実現できる。発光材料としては、後述する各発光層で使用するドーパント等が使用できる。
尚、電荷障壁層が発光材料を含むとき、電荷障壁層のアフィニティレベル、イオン化ポテンシャルは、電荷障壁層のホスト材料のアフィニティレベル、イオン化ポテンシャルである。
2.第1発光層
上述したエネルギーギャップの関係から、第1発光層は黄色〜橙色又は赤色発光層であることが好ましい。黄色〜橙色又は赤色発光層は、発光の最大波長が550〜650nmである発光層である。発光層は、好ましくはホスト材料と黄色〜橙色又は赤色ドーパントからなる。
ホスト材料として、下記式で表される化合物を使用する。
X−(Y)n
(式中、Xは炭素環3以上の縮合芳香族環基であり、
Yは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアルキル基又は置換もしくは無置換のアルキル基から選択される基であり、
nは1〜6の整数であり、nが2以上の場合、Yは同じでも異なってもよい。)
Xは、好ましくは、ナフタセン、ピレン、アントラセン、ペリレン、クリセン、ベンゾアントラセン、ペンタセン、ジベンゾアントラセン、ベンゾピレン、ベンゾフルオレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテン、ナフチルフルオランテン、ジベンゾフルオレン、ジベンゾピレン、ジベンゾフルオランテン、アセナフチルフルオランテンから選択される1以上の骨格を含有する基である。より好ましくはナフタセン骨格又はアントラセン骨格を含有する。
Yは、好ましくは炭素数12〜60のアリール基、ジアリールアミノ基であり、より好ましくは炭素数12〜20のアリール基又は炭素数12〜40のジアリールアミノ基である。
nは好ましくは2である。
好ましくは式(1)で表される化合物は、下記式(4)で表されるナフタセン誘導体である。
式(4)中、Q〜Q12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリール基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリーロキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは無置換の核炭素数7〜20のアラルキル基又は置換もしくは無置換の核原子数5〜20の複素環基を表し、これらは同一でも異なってもよい。)
より好ましくは、前記式(4)で表されるナフタセン誘導体におけるQ、Q、Q及びQの少なくとも1つ以上がアリール基である化合物である。
より好ましくは、式(4)で表されるナフタセン誘導体は、下記式(5)で表される化合物である。
(式(5)中、Q〜Q12、Q101〜Q105、Q201〜Q205は、それぞれ独立に、前記一般式(1)中Q〜Q12と同じ基を表し、これらは同一でも異なってもよく、これら隣接する2個以上が互いに結合して環を形成してもよい。)
より好ましくは、前記式(5)で表されるナフタセン誘導体におけるQ101、Q105、Q201及びQ205の少なくとも1つ以上がアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アラルキル基又は複素環基であり、これらは同一でも異なってもよい。
黄色〜橙色又は赤色系ドーパントとして、少なくとも一つのフルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する蛍光性化合物が使用でき、例えば下記式〔2〕〜〔18〕で示される化合物が挙げられる。
(式〔2〕〜〔16〕式中、X〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX〜X20は結合して環状構造を形成していてもよい。隣接する置換基がアリール基の時は、置換基は同一であってもよい。)
式〔2〕〜〔16〕の化合物は、アミノ基又はアルケニル基を含有すると好ましい。
式〔17〕、〔18〕中、X21〜X24は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基であり、X21とX22及び/又はX23とX24は、炭素−炭素結合又は−O−、−S−を介して結合していてもよい。
25〜X36は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX25〜X36は結合して環状構造を形成していてもよい。
各式中の置換基X25〜X36の少なくとも一つがアミン又はアルケニル基を含有すると好ましい。
好ましくは、式〔13〕、〔14〕のインデノペリレン誘導体である。
フルオランテン骨格を有する蛍光性化合物は、高効率及び長寿命を得るために電子供与性基を含有することが好ましく、好ましい電子供与性基は置換もしくは未置換のアリールアミノ基である。さらに、フルオランテン骨格を有する蛍光性化合物は、縮合環数5以上が好ましく、6以上が特に好ましい。これは、蛍光性化合物が540〜700nmの蛍光ピーク波長を示し、青色系発光材料と蛍光性化合物からの発光が重なって白色を呈するからである。
上記の蛍光性化合物は、フルオランテン骨格を複数有すると、発光色が黄色〜橙色又は赤色領域となるため好ましい。
特に好ましいインデノペリレン誘導体は、ジベンゾテトラフェニルペリフランテン誘導体である。
第1発光層の膜厚は、好ましくは1〜50nm、より好ましくは5〜50nmである。1nm未満では発光効率が低下する恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
3.第2発光層
発光色について、エネルギーギャップの関係から第2発光層は青系発光層であることが好ましい。好ましくは、青色系発光のピーク波長は450〜500nmである。
第2発光層に使用できるドーパントとしては、例えば、アリールアミン化合物及び/又はスチリルアミン化合物、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン及び蛍光色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の有機EL素子は、第2発光層が、アリールアミン化合物及び/又はスチリルアミン化合物を含有すると好ましい。
アリールアミン化合物としては下記一般式(A)で表される化合物等が挙げられ、スチリルアミン化合物としては下記一般式(B)で表される化合物等が挙げられる。
[一般式(A)中、Arは、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、スチルベン、ジスチリルアリールから選ばれる基であり、Ar及びAr10は、それぞれ水素原子又は炭素数が6〜20の芳香族基であり、Ar〜Ar10は置換されていてもよい。p’は、1〜4の整数である。さらに好ましくはAr及び/又はAr10はスチリル基が置換されている。]
ここで、炭素数が6〜20の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、テルフェニル基等が好ましい。
[一般式(B)中、Ar11〜Ar13は、置換されていてもよい核炭素数5〜40のアリール基である。q’は、1〜4の整数である。]
ここで、核原子数が5〜40のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、コロニル、ビフェニル、テルフェニル、ピローリル、フラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、オキサジアゾリル、ジフェニルアントラセニル、インドリル、カルバゾリル、ピリジル、ベンゾキノリル、フルオランテニル、アセナフトフルオランテニル、スチルベン等が好ましい。なお、核原子数が5〜40のアリール基は、さらに置換基により置換されていてもよく、好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(エチル基、メチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(エトキシ基、メトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、核原子数5〜40のアリール基、核原子数5〜40のアリール基で置換されたアミノ基、核原子数5〜40のアリール基を有するエステル基、炭素数1〜6のアルキル基を有するエステル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素等)が挙げられる。
第2発光層に使用できるホスト材料としては、アントラセン中心骨格を有する下記式(19)に示す構造を有する化合物が好ましい。
(式中、A及びAは、それぞれ独立に、置換又は無置換の核炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基である。R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換又は無置換の核原子数5〜50のヘテロアリール基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換又は無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換又は無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基、置換又は無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシル基である。)
及びAの芳香族環は1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。この置換基は、置換又は無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換又は無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換又は無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基、置換又は無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれる。
及びAの芳香族環が2以上の置換基で置換されている場合、置換基は同一であっても異なっていてもよく、隣接する置換基同士は互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。
なお、前記式(19)において、AとAとは互いに異なることが好ましい。
また、下記(i)〜(ix)で表される化合物が好ましい。
下記一般式(i)で表される非対称アントラセン。
(式中、Arは置換もしくは無置換の核炭素数10〜50の縮合芳香族基である。
Ar’は置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族基である。
、X、Xは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基である。
a、b及びcは、それぞれ0〜4の整数である。尚、a、b及びcが2以上の場合、X同士、X同士、X同士は同一でも異なっていてもよい。
nは1〜3の整数である。また、nが2以上の場合は、[ ]内は、同じでも異なっていてもよい。)
下記一般式(ii)で表される非対称モノアントラセン誘導体。
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族環基であり、m及びnは、それぞれ1〜4の整数である。ただし、m=n=1でかつArとArのベンゼン環への結合位置が左右対称型の場合には、ArとArは同一ではなく、m又はnが2〜4の整数の場合にはmとnは異なる整数である。
〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基である。)
下記一般式(iii)で表される非対称ピレン誘導体。
[式中、Ar及びAr’は、それぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族基である。
L及びL’は、それぞれ置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレン基である。
mは0〜2の整数、nは1〜4の整数、sは0〜2の整数、tは0〜4の整数である。
また、L又はArは、ピレンの1〜5位のいずれかに結合し、L’又はAr’は、ピレンの6〜10位のいずれかに結合する。
ただし、n+tが偶数の時、Ar,Ar’,L,L’は下記(1) 又は(2) を満たす。
(1) Ar≠Ar’及び/又はL≠L’(ここで≠は、異なる構造の基であることを示す。)
(2) Ar=Ar’かつL=L’の時
(2−1) m≠s及び/又はn≠t、又は
(2−2) m=sかつn=tの時、
(2−2−1) L及びL’、又はピレンが、それぞれAr及びAr’上の異なる結合位置に結合しているか、
(2−2−2) L及びL’、又はピレンが、Ar及びAr’上の同じ結合位置で結合している場合、
L及びL’又はAr及びAr’のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2位と7位である場合はない。]
下記一般式(iv)で表される非対称アントラセン誘導体。
(式中、A及びAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数10〜20の縮合芳香族環基である。
Ar及びArは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族環基である。
〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシル基である。
Ar、Ar、R及びR10は、それぞれ複数であってもよく、隣接するもの同士で飽和もしくは不飽和の環状構造を形成していてもよい。
ただし、一般式(1)において、中心のアントラセンの9位及び10位に、該アントラセン上に示すX−Y軸に対して対称型となる基が結合する場合はない。)
下記一般式(v)で表されるアントラセン誘導体。
(式中、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シクロアルキル基,置換しても良いアリール基,アルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミノ基,アルケニル基,アリールアミノ基又は置換しても良い複素環式基を示し、a及びbは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R同士又はR同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR同士又はR同士が結合して環を形成していてもよいし、RとR,RとR,RとR,RとR10がたがいに結合して環を形成していてもよい。Lは単結合、−O−,−S−,−N(R)−(Rはアルキル基又は置換しても良いアリール基である)、アルキレン基又はアリーレン基を示す。)
下記一般式(vi)で表されるアントラセン誘導体。
(式中、R11〜R20は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,アルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミノ基,アリールアミノ基又は置換しても良い複数環式基を示し、c,d,e及びfは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R11同士,R12同士,R16同士又はR17同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR11同士,R12同士,R16同士又はR17同士が結合して環を形成していてもよいし、R13とR14,R18とR19がたがいに結合して環を形成していてもよい。Lは単結合、−O−,−S−,−N(R)−(Rはアルキル基又は置換しても良いアリール基である)、アルキレン基又はアリーレン基を示す。)
下記一般式(vii)で表されるスピロフルオレン誘導体。
(式中、A〜Aは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のビフェニル基又は置換もしくは無置換のナフチル基である。)
下記一般式(viii)で表される縮合環含有化合物。
(式中、A〜A11はそれぞれ単結合又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリーレン基であり、A12〜A14はそれぞれ水素原子又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基である。R21〜R23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数5〜18のアリールオキシ基、炭素数7〜18のアラルキルオキシ基、炭素数5〜16のアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6のエステル基又はハロゲン原子を示し、A〜A14のうち少なくとも1つは3環以上の縮合芳香族環を有する基である。)
下記一般式(ix)で表されるフルオレン化合物。
(式中、R及びRは、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン基に結合するR同士、R同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR及びRは、同じであっても異なっていてもよい。R及びRは、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基又は置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン基に結合するR同士、R同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR及びRは、同じであっても異なっていてもよい。Ar及びArは、ベンゼン環の合計が3個以上の置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基又はベンゼン環と複素環の合計が3個以上の置換あるいは無置換の炭素でフルオレン基に結合する縮合多環複素環基を表わし、Ar及びArは、同じであっても異なっていてもよい。nは、1乃至10の整数を表す。)
以上のホスト材料の中でも、好ましくはアントラセン誘導体、さらに好ましくはモノアントラセン誘導体、特に好ましくは非対称アントラセンである。
青色系ドーパントは、スチリルアミン、アミン置換スチリル化合物及び縮合芳香族環含有化合物の中から選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。そのとき、青色系ドーパントは異なる複数の化合物から構成されていてもよい。上記スチリルアミン及びアミン置換スチリル化合物としては、例えば下記式〔20〕又は〔21〕で示される化合物が、上記縮合芳香族環含有化合物としては、例えば下記式〔22〕で示される化合物が挙げられる。
〔式中、Ar31、Ar32及びAr33は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の芳香族基を示し、pは1〜3の整数を示す。尚、好ましくはAr31、Ar32及びAr33の少なくとも一つはスチリル基を含む。〕
〔式中、Ar41及びAr42は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリーレン基、E及びEは、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリール基もしくはアルキル基、水素原子又はシアノ基を示し、qは1〜3の整数を示す。U及び/又はVはアミノ基を含む置換基であり、該アミノ基がアリールアミノ基であると好ましい。〕
〔式中、Aは炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリール基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、又は炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリールアミノ基、Bは炭素原子数10〜40の縮合芳香族環基を示し、rは1〜4の整数を示す。〕
緑色系ドーパントとして、上述した青色ドーパントと同じアリールアミン化合物及び/又はスチリルアミン化合物を用いることができる。好ましくは、緑色系発光のピーク波長は500〜550nmである。
好ましくは緑色系ドーパントとして、式(1)で表わされる芳香族アミン化合物を使用できる。
式(1)において、A〜Aは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50(好ましくは、核炭素数5〜10)のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜20(好ましくは、核炭素数5〜10)のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50(好ましくは、核炭素数5〜10)のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50(好ましくは、核炭素数5〜20)のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは、炭素数1〜6)のアルキルアミノ基、又はハロゲン原子を表す。
〜Aの置換もしくは無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等が挙げられる。
〜Aの置換もしくは無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピレニル基等が挙げられる。
〜Aの置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルネル基、アダマンチル基等が挙げられる。
〜Aの置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、各種ペンチルオキシ基、各種ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
〜Aの置換もしくは無置換のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
〜Aの置換もしくは無置換のアリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
〜Aの置換もしくは無置換のアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基等が挙げられる。
〜Aのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
尚、式(1)において、A及びAの両方が水素原子である場合はない。
式(1)において、d及びeはそれぞれ1〜5の整数であり、1〜3であると好ましい。d、eがそれぞれ2以上の場合、複数のA、Aは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を形成していてもよい。また、hは1〜9の整数であり、1〜3であると好ましい。
11は、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の2級又は3級のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数3〜10の2級又は3級のシクロアルキル基を表す。
11の置換もしくは無置換の炭素数3〜10の2級又は3級のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,1’−ジメチルペンチル基、1,1’−ジエチルプロピル基、1−ベンジル−2−フェニルエチル基、1−メトキシエチル基、1−フェニル−1−メチルエチル基等が挙げられる。
11の置換もしくは無置換の炭素数3〜10の2級又は3級のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルネル基、アダマンチル基等が挙げられる。
式(1)において、fは1〜9の整数であり、1〜3であると好ましい。fが2以上の場合、複数のR11は同一でも異なっていてもよい。
12は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜6)、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリール基(好ましくは、核炭素数5〜10)、置換もしくは無置換の核炭素数3〜20のシクロアルキル基(好ましくは、核炭素数5〜10)、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜6)、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリールオキシ基(好ましくは、核炭素数5〜10)、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリールアミノ基(好ましくは、核炭素数5〜20)、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜6)、又はハロゲン原子を表す。
12の置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アルキルアミノ基及びハロゲン原子の具体例としては、上記A〜Aと同様のものが挙げられる。
式(1)において、gは0〜8の整数であり、0〜2であると好ましい。
gが2以上の場合、複数のR12は同一でも異なっていてもよい。
また、式(1)において、f+g+hは2〜10の整数であり、2〜6であると好ましい。
芳香族アミン化合物としては、式(1−1)〜(1−7)で表される化合物がより好ましい。
[式(1−1)〜(1−7)中、A、A、d、e、R11及びR12は、式(1)と同じである。]
第2発光層の膜厚は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは5〜50nmである。1nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、100nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
4.第3発光層
発光色については、エネルギーギャップの関係から、第3発光層は緑系発光層であることが好ましい。好ましくは、緑色系発光のピーク波長は500〜550nmである。
第3発光層のホスト材料とドーパントは、上述したものを使用できる。ホスト材料は第2発光層と同じ材料であると好ましい。
第3発光層の膜厚は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは5〜50nmである。1nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、100nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
5.他の有機層
(1)第一の有機層
陽極と第1発光層の間に、第一の有機層として、正孔注入層、正孔輸送層又は有機半導体層等を設けることができる。正孔注入層又は正孔輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい。正孔注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。このような正孔注入層又は正孔輸送層としてはより低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば10〜10V/cmの電界印加時に、少なくとも10−6cm/V・秒以上であるものが好ましい。正孔注入層又は正孔輸送層を形成する材料としては、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
このような正孔注入層又は正孔輸送層の形成材料としては、具体的には、例えばトリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
正孔注入層又は正孔輸送層の材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、芳香族第三級アミン化合物を用いることもできる。また米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4’’−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン等を挙げることができる。さらに、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入層又は正孔輸送層の材料として使用することができる。
正孔輸送材料としては下記一般式(1)で表される前記芳香族アミン誘導体が望ましい。
[式中、Lは置換もしくは無置換の炭素数5〜60のアリーレン基又は複素環基よりなる2価の基であり、Ar〜Ar10はそれぞれ置換もしくは無置換の核原子数5〜50の置換基又は下記一般式で表される置換基である。
(式中、Lは置換もしくは無置換の炭素数5〜60のアリーレン基又は複素環基よりなる2価の基であり、Ar11〜Ar12はそれぞれ置換もしくは無置換の核原子数5〜50の置換基である。)]
及びLとして、ビフェニレン、ターフェニレン、フェナントレン又はフルオレニレンを例示でき、好ましくはビフェニレン、ターフェニレンであり、更に好ましくはビフェニレンである。
Ar〜Ar12として、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントレン基、フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基又はフェニル基を例示でき、好ましくはビフェニル基、ターフェニル基、1−ナフチル基又はフェニル基である。
前記一般式(1)で表される化合物は、Ar〜Ar10が同一の置換基であることが好ましい。その際、Ar〜Ar10は好ましくはビフェニル基、ターフェニル基であり、より好ましくはビフェニル基である。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、Ar〜Ar10の置換基のうちAr〜Ar10が同一の置換基であることが好ましい。その際、Ar〜Ar10は好ましくはビフェニル基、ターフェニル基であり、より好ましくはビフェニル基であり、Arは好ましくはビフェニル基、ターフェニル基、フェナントレン基、フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基又はフェニル基であり、より好ましくはビフェニル基、ターフェニル基、1−ナフチル基又はフェニル基である。さらに好ましくはAr〜Ar10がビフェニルであり、Arがターフェニル基、1−ナフチル基である。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、Ar〜Ar10の置換基のうち3つ以上が異なる置換基であることが好ましい。Ar〜Ar12としては好ましくはビフェニル基、ターフェニル基、フェナントレン基、フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基又はフェニル基であり、より好ましくはビフェニル基、ターフェニル基、1−ナフチル基又はフェニル基である。さらに好ましくはAr〜Ar10がビフェニルであり、Arがターフェニル基、1−ナフチル基であり、Arはフェニル基である。
正孔注入層としては下記式の化合物を用いることができる。
(式中、R、R,R、R、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の複素環基を示す。但し、R、R,R、R、R、Rは同じでも異なっていてもよい。また、RとR,RとR、RとR、又はRとR,RとR、RとRは縮合環を形成していてもよい。)
より好ましくは、下記の化合物である。
この正孔注入層又は正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる一層で構成されてもよいし、また、正孔注入層又は正孔輸送層とは別種の化合物からなる正孔注入層又は正孔輸送層を積層したものであってもよい。正孔注入層又は正孔輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、20〜200nmである。
有機半導体層は、発光層への正孔注入又は電子注入を助ける層であって、10−10S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に記載の含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いることができる。有機半導体層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、10〜1,000nmである。
(2)第二の有機層
陰極と第2発光層の間に、第二の有機層として、電子注入層又は電子輸送層等を設けることができる。電子注入層又は電子輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。電子注入層又は電子輸送層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記式
(式中、Ar50,Ar51,Ar52,Ar54,Ar55及びAr58は、それぞれ置換基を有するもしくは有しないアリール基を示し、Ar50とAr51、Ar52とAr54、Ar55とAr58は、たがいに同一でも異なっていてもよい。Ar53,Ar56及びAr57は、それぞれ置換基を有するもしくは有しないアリーレン基を示し、Ar56とAr57は、たがいに同一でも異なっていてもよい。)で表される電子伝達化合物が挙げられる。これら式におけるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基等が挙げられる。また、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基等が挙げられる。そして、これらへの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
含窒素複素環誘導体としては、下記(a)〜(c)に示す構造を含む、金属錯体でない含窒素化合物が挙げられる。
(a)=N−骨格を含有する5員環もしくは6員環
(b)
(式中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。Z及びZは、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。)
(c)
また、含窒素複素環誘導体として、好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有し、窒素原子を複数含む場合は隣接しない結合位に有する骨格を有する有機化合物を挙げられる。このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記(a)と(b)もしくは(a)と(c)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物を挙げられる。
さらに、含窒素複素環誘導体としては、下記(d)〜(g)に示す化合物が挙げられる。
(d)以下の式から選択される含窒素複素環基を含む含窒素複素環誘導体。
(式中、Rは、炭素数6〜40のアリール基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一又は異なっていてもよい。)
(e)さらに、好ましい具体的な化合物として、下記式で表される含窒素複素環誘導体。

HAr−L−Ar61−Ar62

(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭素数3〜40の含窒素複素環であり、Lは単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリーレン基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリーレン基であり、Ar61は置換基を有していても良い炭素数6〜40の2価の芳香族炭化水素基であり、Ar62は置換基を有していても良い炭素数6〜40のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜40のヘテロアリール基である。)
HArとして、下記の基が例示される。
Lとして、下記の基が例示される。
Ar62として、下記の基が例示される。
Ar61として、下記の基が例示される。
(式中、R61〜R74は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は炭素数3〜40のヘテロアリール基であり、Ar63は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基又は炭素数3〜40のヘテロアリール基である。)
好ましくは、R61〜R74は、いずれも水素原子である。
(f)特開平9−3448記載の下記化合物
(式中、R81〜R84は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の脂肪族式環基、置換もしくは未置換の炭素環式芳香族環基、置換もしくは未置換の複素環基を表し、X81,X82は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子もしくはジシアノメチレン基を表す。)
(g)特開2000−173774記載の下記化合物
〔式中、R91、R92、R93及びR94は互いに同一の又は異なる基であって、下記式で表わされるアリール基である。
(式中、R95,R96,R97,R98及びR99は互いに同一の又は異なる基であって、水素原子、或いはそれらの少なくとも1つが飽和又は不飽和アルコキシル基、アルキル基、アミノ基又はアルキルアミノ基である。)〕
(h)さらに、該含窒素複素環基もしくは含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
電子注入層又は電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1〜100nmである。
陽極に最も近い有機層である第一発光層又は第一の有機層が、酸化剤を含有していることが好ましい。好ましい酸化剤は、電子吸引性又は電子アクセプターである。電子吸引性又は電子アクセプターは、好ましくは、電子吸引性の置換基又は電子欠乏環を有する有機化合物である。
電子吸引性の置換基として、例えば、ハロゲン、CN−、カルボニル基、アリールホウ素基等が挙げられる。
電子欠乏環として、例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、2−イミダゾール、4−イミダゾール、3−ピラゾール、4−ピラゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、3−(1,2,4−N)−トリアゾリル、5−(1,2,4−N)−トリアゾリル、5−テトラゾリル、4−(1−O,3−N)−オキサゾール、5−(1−O,3−N)−オキサゾール、4−(1−S,3−N)−チアゾール、5−(1−S,3−N)−チアゾール、2−ベンゾキサゾール、2−ベンゾチアゾール、4−(1,2,3−N)−ベンゾトリアゾール、及びベンズイミダゾールからなる群から選択される化合物等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではない。
好ましくはルイス酸、各種キノン誘導体、ジシアノキノジメタン誘導体、芳香族アミンとルイス酸で形成された塩類である。
さらに好ましくはキノイド誘導体で、下記式(1a)〜(1i)に示される化合物が挙げられる。より好ましくは、(1a)、(1b)に示される化合物である。
式(1a)〜(1i)において、R〜R48は、それぞれ水素、ハロゲン、フルオロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アルキル基又はアリール基である。好ましくは、水素、シアノ基である。
式(1a)〜(1i)において、X〜X17は電子吸引基であり、それぞれ独立して、下記式(j)〜(p)の構造のいずれかからなる。好ましくは、(j)、(k)、(l)の構造である。
(式中、R49〜R52は、それぞれ水素、フルオロアルキル基、アルキル基、アリール基又は複素環であり、R50とR51が環を形成してもよい。)
式(1a)〜(1i)において、Y〜Y28は、それぞれが独立して、−N=又は−CH=である。
〜R48のハロゲンとして、フッ素、塩素が好ましい。
〜R48のフルオロアルキル基として、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。
〜R48のアルコキシル基として、メトキシ基、エトキシ基、iso―プロポキシ基、tert−ブトキシ基が好ましい。
〜R48のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
〜R48のアリール基として、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
49〜R52のフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基は、R〜R48と同様である。
49〜R52の複素環として、下記式に示す置換基が好ましい。
50とR51が環を形成する場合、Xは、好ましくは、下記式に示す置換基である。
(式中、R51’,R52’は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基である。)
キノイド誘導体の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
陰極に最も近い有機層である第2発光層又は第二の有機層が、還元剤を含有していることが好ましい。好ましい還元剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、アルカリ金属と芳香族化合物で形成される錯体である。特に好ましいアルカリ金属はCs、Li、Na、Kである。
本発明において、正孔輸送層(正孔注入層)は、上述した電荷障壁層と同じ材料を使用して形成することが好ましい。これにより、有機EL素子を作製する上で使用する材料の種類を減らすことができ、工業生産においてコスト的に有利となる。
[実施例]
以下に実施例及び比較例に使用した化合物を示す。
上記の化合物の、エネルギーギャップ(Eg),イオン化ポテンシャル(Ip),アフィニティレベル(Af)を表1に示す。
化合物の特性の測定方法は以下の通りである。
(1)エネルギーギャップ(Eg)
紫外・可視分光光度計(島津製、UV−3100PC)を用い、材料の溶液(溶媒:トルエン)の紫外−可視光吸収スペクトルを測定し、その長波長側接線から算出した光学的バンドキャップをエネルギーギャップ(Eg)とした。
(2)イオン化ポテンシャル(Ip)
大気中光電子分光測定装置(理研計器製、AC−1)を用いて測定した。材料(粉末)に照射した紫外線のエネルギーに対し、放出された光電子を1/2乗でプロットし、光電子放出エネルギーのしきい値をイオン化ポテンシャル(Ip)とした。
(3)アフィニティレベル(Af)
Af=IP−Egとした。
(4)駆動電圧
電流密度が10mA/cmとなるようにITOとAl間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
(5)発光効率
電流密度10mA/cm印加時のELスペクトルを分光放射輝度計CS1000A(コニカミノルタ社製)で計測し、発光効率(単位:cd/A)を算出した。
(6)CIE1931色度
電流密度10mA/cm印加時のELスペクトルを分光放射輝度計CS1000A(コニカミノルタ社製)でCIE1931色度(x、y)を計測した。
(7)外部量子収率
電流密度10mA/cm印加時のELスペクトルを分光放射輝度計CS1000A(コニカミノルタ社製)で計測し、下記式にて算出した。
実施例1
(有機EL素子の形成)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)(ITOの膜厚130nm)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのHI膜を成膜した。このHI膜は、正孔注入層として機能する。HI膜の成膜に続けて、このHI膜上に膜厚15nmのHT膜を成膜した。このHT膜は正孔輸送層として機能する。
さらに、HT膜の成膜に続けて、膜厚5nmにてRH(Eg:2.4eV)とRDを、RDが0.5重量%となるように、蒸着し成膜し、第1発光層(Ip/Af(eV)=5.6/3.2)とした。この第1発光層は赤色発光する。次いで、電荷障壁層として、膜厚5nmのHT膜(Ip/Af[eV]=5.36/2.3)を成膜した。電荷障壁層上にBHとBDを、BDが7.5重量%となるように蒸着し成膜し、膜厚が40nmの青色発光層(第2発光層)(Ip/Af[eV]=5.8/2.8)とした。この膜上に、電子輸送層として膜厚20nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(Alq膜)を成膜した。この後、電子注入層としてLiF膜を1.6nm形成した。このLiF膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
(有機EL素子の評価)
図5に、実施例1で作成した第1発光層、第1電荷障壁層、第2発光層のエネルギーレベルを示す。得られた有機EL発光素子の特性について測定を行った。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において、第1発光層を形成した後、電荷障壁層を形成しなかった他は実施例1と同様にして有機EL発光素子を形成した。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
比較例2
比較例1において、正孔輸送層の厚さを10nmとし、第1発光層の厚さを40nmとし、電子輸送層の厚さを30nmとし、第二発光層の成膜を省略した他は比較例1と同様にして有機EL発光素子を形成した。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
比較例3
比較例1において、正孔輸送層の厚さを20nmとし、第二発光層の厚さを40nmとし、第1発光層の成膜を省略した他は比較例1と同様にして有機EL発光素子を形成した。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
比較例4
実施例1において、電荷障壁層としてHTの代わりに、厚さ5nmにてET膜(Ip/Af[eV]=5.71/2.73)を成膜した他は実施例1と同様にして有機EL発光素子を形成した。図6に、比較例4で作成した第1発光層、第1電荷障壁層、第2発光層のエネルギーレベルを示す。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
実施例2
実施例1において、第2発光層を膜厚10nmにて形成した後、第3発光層として、膜厚30nmにてBHとGDを、GDが10重量%となるように、蒸着し成膜(Ip/Af[eV]=5.8/2.8)し、緑系発光層とした後、Alq層(電子輸送層)を形成した他は実施例1と同様にして有機EL発光素子を形成した。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
比較例5
実施例2において、電荷障壁層としてHTの代わりに、厚さ5nmにてCBP膜(Ip/Af[eV]=5.86/2.41)を成膜した他は実施例2と同様にして有機EL発光素子を形成した。図7に、比較例5で作成した第1発光層、第1電荷障壁層、第2発光層のエネルギーレベルを示す。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
実施例3
実施例1において、電荷障壁層としてHTの代わりに、HTとGDを、GDが10重量%となるように、蒸着し成膜(Ip/Af[eV]=5.36/2.3)し、第二発光層の厚さを40nmとした他は、実施例1と同様にして有機EL発光素子を形成した。
得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
実施例4
実施例2において、電荷障壁層としてHTの代わりに、HTとGDを、GDが5重量%となるように、蒸着し成膜(Ip/Af[eV]=5.36/2.3)し、第二発光層、第三発光層の厚さをそれぞれ15nm、25nmとした他は、実施例2と同様にして有機EL発光素子を形成した。
得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表2に示す。
実施例1では、比較例2の赤色発光、比較例3の青色発光を組み合わせた。エネルギーギャップの小さな赤色発光層を陽極側の第1発光層、エネルギーギャップの大きな青色発光層を第2発光層とし、その間にアフィニティレベルの小さな電荷障壁層を設けることにより、各単色での外部量子収率よりも高く、かつ良好な白色発光を得ることができた(図5)。
実施例2では、実施例1に対してさらに第3発光層として緑色発光層を入れることにより、同等の外部量子収率ながらさらに電流効率が高く良好な白色発光を得ることができた。
実施例3では、実施例1に対してさらに電荷障壁層に緑色発光材料をドープすることにより、同等の外部量子収率ながら良好な白色発光を得ることができた。
比較例4では、アフィニティレベルが大きい電子輸送性の電荷障壁層を設けたため、さらに赤みが増してしまい、かつ効率も低くなった(図6)。
比較例5では、イオン化ポテンシャルが大きくかつアフェニティが小さい電荷障壁層を設けたため正孔が第1発光層に留まり、実施例2に対して赤みが増してしまい、良好な白色発光を得ることができなかった(図7)。
比較例1では、輝度10〜10000cd/mの範囲において、CIE1931色度(x,y)が白色付近(0.33,0.33)から大きく離れ、赤みが増していて良好な白色ではなかった。実施例1〜4は色度(x,y)が白色付近であり、良好な白色発光を得ることができた。特に実施例3は、輝度10〜10000cd/mの範囲において色度(x、y)の変化が実施例1〜2、実施例4より少なく、さらに良好な白色発光を得ることができた(図8、図9)。
比較例6
第1発光層、電子障害層、第2発光層の組成を表3に示すように変えた他は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。すなわち、電荷障壁層の陰極側を赤色発光層とする。そして、電荷障壁層としてAfが3.1eV程度のアミン正孔輸送材(GD)を用いた。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表3に示す。
(CIEx,CIEy)=(0.657,0.340)と第2発光層の赤だけが光った。また、発光効率も悪かった。
比較例7
第1発光層、第2発光層の組成を表3に示すように変えた他は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。すなわち、上記比較例6と同様に電荷障壁層の陰極側を赤色発光層とする。ここで、電荷障壁層のAfよりも第1発光層のホストのAfを高くしている。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表3に示す。
(CIEx,CIEy)=(0.657,0.340)と第2発光層の赤だけが光り、効率が悪かった。この場合も発光は赤だけとなり、第1発光層(青)には電子注入されず、良好な白色とはならない。
このように、上記二つの比較例から、第2発光層のホストのEgが第1発光層のホストのEgよりも小さい場合、電荷障壁層のAfレベルをどう工夫しても発光バランスが取れないことが分かる。
したがって、第2発光層のEgが第1発光層のEgよりも大きいことが必要である。
比較例8
第1発光層、電子障害層、第2発光層の組成を表3に示すように変えた他は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。すなわち、第1発光層を緑とし、第2発光層を青とした。そして、電荷障壁層に赤(RD)をドープした。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表3に示す。
色度データより、電荷障壁層/第2発光層の界面で再結合したエネルギーは、青ドーパントと赤ドーパントに移動し発光するが、赤から緑にエネルギー移動しないために緑の発光はほとんど見られなかったことが分った。
比較例9
第1発光層、電子障害層、第2発光層の組成を表3に示すように変えた他は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。すなわち、第1発光層を青とし、第2発光層を赤とし、電荷障壁層に緑をドープした。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表3に示す。
色度データに示されるように発光はほとんど赤しかなかった。
実施例3及び比較例8、9に示すように、バランスのよい3波長白色を構成するためには、発光が弱い青を最も再結合する領域に配置することが好ましい。従って、青は第2発光層になる。ホスト材料のバランスから、第1発光層に赤を配置する。この構成によりバランスのよい白色を得る。
さらに、電荷障壁層に緑をドープすると、電荷障壁層と第2発光層との界面領域で生じる励起子エネルギーにより緑を光らせることができる。さらに、第1及び第2発光層との界面で再結合領域を構成する電荷障壁層に緑をドープするので、緑の発光が安定する。視感性が高い緑は発光バランスが崩れると人の目にはすぐにわかる。従って、緑を一番バランスがとれる位置に配置することにより、色ずれが少ない白色とすることができる。
実施例5
第2発光層、第3発光層の組成を表3に示すように変えた他は、実施例2と同様にして有機EL素子を製造した。得られた有機EL発光素子について、実施例1と同様に測定を行った。測定結果を表3に示す。
色度データに示されるように460nm付近の青の発光が弱く、好適な白色発光とならなかった。原因は電荷障壁層/第2発光層(緑)界面付近で再結合し緑色発光はするが、青発光層へエネルギー移動し難いので青の発光が弱くなったためである。
実施例2及び実施例5の対比からわかるように、実施例2では、第2発光層での再結合のエネルギーを第3発光層に移動させて第3発光層の緑を発光させる。実施例2では、緑が青に対して陰極側に配置されていることにより、青に対する電子注入のバランスをとることができる。緑ドーパントが電子トラップとなるためである。これにより、全体としてバランスのとれた白色素子構成を実現できる。
実施例6
(フルカラー発光装置)
112mm×143mm×1.1mmの支持基板(OA2ガラス:日本電気硝子社製)上に、ブラックマトックス(BM)の材料としてV259BK(新日鉄化学社製)をスピンコートし、68μm×285μmが開口した格子状のパターンになるようなフォトマスクを介して紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、ブラックマトリックス(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、青色カラーフィルタの材料として、V259B(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(100μmライン、230μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、緑色カラーフィルタの材料として、V259G(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(100μmライン、230μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフィルタに隣接する位置に緑色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、赤色カラーフィルタの材料として、CRY−S840B(富士フィルムアーチ製)をスピンコートし、長方形(100μmライン、230μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフィルタと緑色カラーフィルタの間の位置に赤色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、平坦化膜としてアクリル系熱硬化性樹脂(V259PH:新日鉄化学社製)を先の基板上にスピンコートし、180℃でベークして、平坦化膜(膜厚5μm)を形成した。
次に、ITO(インジウム錫酸化物)をスパッタリングにより130nm膜厚で成膜した。
次に、この基板上にポジ型レジスト(HPR204:富士オーリン製)をスピンコートし、陰極の取り出し部と、90μmライン、20μmギャップのストライプ状のパターンになるようなフォトマスクを介して紫外線露光し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの現像液で現像し、130℃でベークし、レジストパターンを得た。
次に、ITOエッチャントにて、露出している部分のITOをエッチングした。次に、レジストをエタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、青色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、赤色カラーフィルタ上に相当する位置に、ITOパターン(下部電極:陽極、ライン数960本)を得た。
次に、第一の層間絶縁膜として、ネガ型レジスト(V259PA:新日鉄化学社製)をスピンコートし、フォトマスクを介して、紫外線露光し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの現像液で現像した。次に、180℃でベークして、ITOのエッジを被覆したITOの開口部が70μm×290μm)格子状パターン層間絶縁膜を形成した。
次に、第二の層間絶縁膜(隔壁)として、ネガ型レジスト(ZPN1100:日本ゼオン製)をスピンコートし、20μmライン、310μmギャップのストライプパターンになるようなフォトマスクを介して紫外線露光後、さらに露光後ベークを行なった。次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの現像液でネガレジストを現像し、ITOストライプに直交した第二の層間絶縁膜(隔壁)を形成した。
このようにして得られた基板を純水及びイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、エアブローにて乾燥後、UV洗浄した。
その後、有機層(正孔注入層〜電子注入層まで)は、カラーフィルタを覆う範囲にマスク蒸着し、陰極はさらに、先に形成したITO取り出し電極に接続できるようなマスク蒸着した。陰極(上部電極)は、先に基板上に作製した隔壁により、自動的に分離され、下部電極と交差したパターン(ライン数240本)となっていた。
基板上に有機EL素子を作製後、乾燥窒素を流通したドライボックスに基板を大気に触れないように移動し、そのドライボックス内にて、封止基板の青板ガラスで表示部を被覆し、表示部周辺部はカチオン硬化性の接着剤(TB3102:スリーボンド製)で光硬化させて封止した。
このようにして、下部電極と上部電極がXYマトリックスを形成してなるフルカラー発光装置を作製し、その下部電極と上部電極にDC電圧を印加(下部電極:(+)、上部電極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。
(フルカラー発光装置の特性評価)
(1)青色性能
青色カラーフィルタに対応する下部電極と上部透明電極との間に、7.25Vの直流電圧を印加したところ、青く発光した。分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)にて測定したところ、輝度31cd/m、色度(0.124,0.117)であった。両電極間に流れる電流値を測定し、発光効率を算出したところ、1.14cd/Aであった。
(2)緑色性能
緑色カラーフィルタに対応する下部電極と上部透明電極との間に、7.25Vの直流電圧を印加したところ、緑色に発光した。分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)にて測定したところ、輝度250cd/m、色度(0.247,0.621)であった。両電極間に流れる電流値を測定し、発光効率を算出したところ、9.24cd/Aであった。
(3)赤色性能
赤色カラーフィルタに対応する下部電極と上部透明電極との間に、7.25Vの直流電圧を印加したところ、赤色に発光した。分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)にて測定したところ、輝度85cd/m、色度(0.652,0.335)であった。両電極間に流れる電流値を測定し、発光効率を算出したところ、3.15cd/Aであった。
(4)全面点灯
全ての下部電極と上部透明電極との間に、7.25Vの直流電圧を印加したところ、白色発光を示した。分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)にて測定したところ、輝度451cd/m、色度(0.324,0.397)であった。両電極間に流れる電流値を測定し、発光効率を算出したところ、4.51cd/Aであり、非常に高効率であった。
本発明の有機EL素子は、各種表示装置、バックライト、カラーフィルタを使用したフルカラー表示装置、汎用照明用及び特殊照明用光源等に使用できる。

Claims (21)

  1. 陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層及び陰極をこの順に積層して含み、
    前記第1発光層及び第2発光層が、それぞれホスト材料及びドーパントを含有し、
    前記第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さく、
    前記第1発光層のホスト材料が正孔輸送性材料であり、第2発光層のホスト材料が電子輸送性材料であり、
    前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さく、
    前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と前記第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)
  2. 陽極、第1発光層、電荷障壁層、第2発光層、第3発光層及び陰極をこの順に積層して含み、
    前記第1発光層、第2発光層及び第3発光層が、それぞれホスト材料及びドーパントを含有し、
    前記第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも小さく、
    前記第1発光層のホスト材料が正孔輸送性材料であり、
    前記第2発光層及び第3発光層のホスト材料が電子輸送性材料であり、
    前記電荷障壁層は正孔輸送性材料であり、
    前記電荷障壁層のイオン化ポテンシャル(Ie1)と前記第1発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャル(Ih1)が、下記の関係(1)を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Ie1<Ih1+0.1 (eV)・・・(1)
  3. 前記電荷障壁層のアフィニティレベルが、前記第2発光層のホスト材料のアフィニティレベルよりも0.2eV以上小さい請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記第1発光層のホスト材料のエネルギーギャップが、前記第2発光層のホスト材料のエネルギーギャップよりも0.4eV以上小さい請求項1〜3のいずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第1発光層のドーパントが赤色ドーパントであり、前記第2発光層のドーパントが青色ドーパントである請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1発光層のドーパントが赤色ドーパントであり、前記第2発光層のドーパントが青色ドーパントであり、前記第3発光層のドーパントが緑色ドーパントである請求項2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記電荷障壁層が発光材料を含む請求項1〜6のいずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記電荷障壁層の発光材料が、緑色ドーパントである請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記陽極と前記第1発光層の間に、第1発光層と隣接する正孔輸送層を有する、請求項1〜8のいずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記正孔輸送層を形成する材料と前記電荷障壁層を形成する材料が同じ材料である、請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 陽極に近い有機層である第1発光層又は第1の有機層が、酸化剤を含有しているか、及び/又は陰極に近い有機層である第2発光層又は第2の有機層が、還元剤を含有している、請求項1〜10のいずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記第1発光層のホスト材料が、下記式(1)で表される化合物であり、前記第1発光層のドーパントが、フルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する化合物である請求項1〜11のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    X−(Y)n (1)
    (式中、Xは炭素環3以上の縮合芳香族環基であり、
    Yは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアリールアルキル基又は置換もしくは無置換のアルキル基から選択される基であり、
    nは1〜6の整数であり、nが2以上の場合、Yは同じでも異なってもよい。)
  13. 前記フルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する化合物が、下記式(2)又は式(3)で表されるインデノペリレン誘導体である請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ置換もしくは無置換の芳香環基又は置換もしくは無置換の芳香族複素環基であり、X〜X18は、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルチオ基、芳香環含有アルキル基、芳香環含有アルキルオキシ基、芳香環含有アルキルチオ基、芳香環基、芳香族複素環基、芳香環オキシ基、芳香環チオ基、芳香環アルケニル基、アルケニル芳香環基、アミノ基、カルバゾリル基、シアノ基、水酸基、−COOR1’(R1’は水素、アルキル基、アルケニル基、芳香環含有アルキル基又は芳香環基である。)、−COR2’(R2’は水素、アルキル基、アルケニル基、芳香環含有アルキル基、芳香環基又はアミノ基である)、又は−OCOR3’(R3’はアルキル基、アルケニル基、芳香環含有アルキル基又は芳香環基である)である。X〜X18の隣接する基は、互いに結合して、又は置換している炭素原子と共に環を形成していてもよい。)
  14. 前記インデノペリレン誘導体がジベンゾテトラフェニルペリフランテン誘導体である請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 第1発光層のホスト材料の縮合環数が4以上で、第2発光層のホスト材料の縮合環数が3環以下である請求項12〜14のいずれか一項記載に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(4)で表されるナフタセン誘導体である請求項12〜15のいずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (式(4)中、Q〜Q12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリール基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリーロキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは無置換の核炭素数7〜20のアラルキル基又は置換もしくは無置換の核原子数5〜20の複素環基を表し、これらは同一でも異なってもよい。)
  17. 前記式(4)で表されるナフタセン誘導体におけるQ、Q、Q及びQの少なくとも1つ以上がアリール基である請求項16記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記式(4)で表されるナフタセン誘導体が下記式(5)で表される請求項17記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (式(5)中、Q〜Q12、Q101〜Q105、Q201〜Q205は、それぞれ独立に、前記一般式(1)中Q〜Q12と同じ基を表し、これらは同一でも異なってもよく、これら隣接する2個以上が互いに結合して環を形成してもよい。)
  19. 前記式(5)で表されるナフタセン誘導体におけるQ101、Q105、Q201及びQ205の少なくとも1つ以上がアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アラルキル基又は複素環基であり、これらは同一でも異なってもよい請求項18記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記電荷障壁層が、第三級アミン化合物、カルバゾール誘導体、含窒素複素環を含む化合物又は金属錯体を含む請求項12〜19のいずれか一項記載に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 白色発光の請求項1〜20のいずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    カラーフィルタを備えるフルカラー発光装置。
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