JPWO2007116711A1 - 計測方法、計測装置及び処理装置、並びにパターン形成方法及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
アライメント系のコヒーレンスファクタσを1以上に設定し、マークからの0次光と奇数次回折光によるマークの強度像に相当する光電信号から、マークの位置情報を検出する。σ≧1の場合には、瞳上の同一の2点を通過する0次光と−1次回折光との光束ペアに対し、0次光と+1次回折光との光束ペアが必ず存在するようになり、両者によるマーク像の位置ずれが相殺され、マークの段差又は収差変動によって、マーク位置ずれ量の変動が低減される。これにより、高精度にマークを検出することが可能となる。
Description
本発明は、計測方法、計測装置及び処理装置、並びにパターン形成方法及びデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、前記照明光の照射による前記マークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とを備える検出装置を用いた計測方法、該計測方法を用いる計測装置及び該計測装置を備える処理装置、並びに前記計測方法を利用するパターン形成方法及び該方法を用いるデバイス製造方法に関する。
露光装置等のデバイス処理装置におけるデバイス製造に用いられるウエハ等の基板(以下、ウエハと総称する)の位置合わせ(アライメント)においては、ウエハ上に回路パターンとともに転写された位置合わせ用のマークを露光装置に備えられた光学式のアライメント系で観察し、その観察結果に基づいて位置を計測する。マーク位置の計測精度は、様々な要因によって低下する。例えば、CMPプロセスなどで本来対称であるべきマークが非対称となり、マークからの回折光の振幅と位相とが変化した結果発生するマークシフト(WIS(Wafer Induced Shift))はその要因の1つである。
そこで、マークの計測精度を向上させるための技術が従来にも提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。近年のデバイスパターンの微細化に伴い、マーク位置の計測精度に対する要求も厳しくなってきており、アライメント系の対物レンズが有する収差(一般的に、波面収差のRMS値で100mλ(λ=633nm)程度)が、マーク位置の計測精度を低下させる大きな要因として考えられるようになってきている。しかしながら、一般に、対物レンズの収差自体の調整は、高コストで、長時間を要する。また、収差を完全に0にするのは極めて困難であるため、収差によるマークの位置ずれをある程度見越したうえで、マーク計測を行うことになる。
また、収差によるマークの位置ずれ量は、マーク計測時のデフォーカスによってより顕著となるため、計測の際には、フォーカス合わせを厳密に行う必要があった。また、マークによってその段差量及び/又は反射率などが異なり、個体差があると、収差量、デフォーカス量が同じであっても、マークの計測位置が変動してしまう。
最近では、ウエハ上の複数のマーク位置計測を同時に行う複数眼、例えば4眼のアライメント系を備えるデバイス処理装置も提案されているが、デフォーカスによってマーク計測位置が大幅にずれるような場合には、ウエハ面を調整し、ウエハ上の4点各々を同時に各眼でフォーカス合わせをするのは物理的に困難であり、実際には、4点以上のマークの同時計測が事実上不可能であった。
本発明は、第1の観点からすると、物体上に形成された周期マークに照明光を照射する照明光学系と、前記照明光に照射による前記周期マークからの0次光及び奇数次の回折光のみを集光する集光光学系と、集光された光を光電信号に変換する光電変換装置とを備え、前記集光光学系の開口数に対する前記照明光学系の開口数の比率が1以上に設定された検出装置を用いて、前記周期マークのその周期方向に関する位置情報を検出する検出工程を含む第1の計測方法である。
これによれば、集光光学系の開口数に対する照明光学系の開口数の比率が1以上に設定されたインコヒーレント状態でマークを計測し、かつ、ノイズ成分の要因となる偶数次の回折光が低減された電気信号に基づいて周期マークの位置情報を検出するので、集光光学系が有する収差とデフォーカスとの複合作用又は周期マークの個体差とデフォーカスとの複合作用によるマーク位置の計測誤差の変動が低減され、マークの位置情報を高精度に計測することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、そのマークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とを備え、前記集光光学系の開口数に対する前記照明光学系の開口数の比率が1以上に設定された検出装置を用いて、第1周期を基本周期とする第1成分と、前記第1周期の偶数倍の第2周期を基本周期とする第2成分とを含む周期マークのその周期方向に関する位置情報を検出する検出工程を含む第2の計測方法である。
これによれば、集光光学系の開口数に対する照明光学系の開口数の比率が1以上に設定されたインコヒーレント状態で、第1周期を基本周期とする第1成分と、前記第1周期の偶数倍の第2周期を基本周期とする第2成分とを含む周期マークを計測し、その計測時に周期マークからの回折光を集光し、その集光された光を光電変換した電気信号に基づいてその周期マークの周期方向に関する位置情報を検出する。この場合、周期マークに含まれる、2つの異なる基本周波数成分の周期の比が偶数比であるので、この周期マークからはノイズ成分の要因となる偶数次の回折光の強度が低減された回折光が発生する。従って、集光光学系が有する収差とデフォーカスとの複合作用又は周期マークの個体差とデフォーカスとの複合作用によるマーク位置の計測誤差の変動が低減され、マークの位置情報を高精度に計測することが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、物体上の複数の異なる場所に配置された複数マーク各々を同時に計測可能に配置され、前記物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、そのマークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とを備え、そのマークの位置情報を検出する複数の検出装置を用いて、前記集光光学系に対する前記マークのフォーカス位置を所定範囲で変化させながら、任意のサンプリング間隔で、前記マークの位置情報を計測する第3の計測方法である。
これによれば、複数の検出装置を用いて、複数のマークの位置情報が同時に計測される。この場合、それぞれの検出装置で計測時に物体のベストフォーカス合わせをする必要がなくなり、かつ各検出装置で複数の異なるフォーカス位置でのマーク位置の計測結果を利用するので、平均化効果により、マークの位置情報の計測精度を向上させることができる。
本発明は、第4の観点からすると、本発明の第1ないし第3の計測方法のいずれかを用いて、処理対象となる物体上に形成された位置合わせ用マークの位置情報を計測する第1の計測装置である。
これによれば、物体上のマークの位置情報を高精度に計測することが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、物体上に形成された周期マークに照明光を照射する照明光学系と;前記照明光の照射による前記周期マークからの0次光及び奇数次の回折光のみを集光する集光光学系と;集光された光を電気信号に変換する光電変換装置と;前記電気信号に基づいて、前記周期マークの周期方向に関する位置情報を算出する算出装置と;を備え、前記集光光学系の開口数に対する前記照明光学系の開口数の比率が1以上に設定されている第2の計測装置である。
これによれば、周期マークの位置情報を高精度に計測することが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、そのマークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とをそれぞれ備え、前記物体上の複数の異なる場所に配置された複数の前記マーク各々を同時に計測可能に配置された複数の検出装置と;前記集光光学系の光軸方向に関する前記物体の位置を所定範囲で変化させながら、任意のサンプリング間隔で、前記複数の検出装置を用いて、前記複数のマークの位置情報を計測する制御装置と;を備える第3の計測装置である。
これによれば、制御装置により、複数の検出装置を用いて、複数のマークの位置情報が同時に計測される。また、この場合、それぞれの検出装置で計測時に物体のベストフォーカス合わせをする必要がなくなり、かつ各検出装置で複数の異なるフォーカス位置でのマーク位置の計測結果を利用するので、平均化効果により、マークの位置情報の計測精度を向上させることができる。
本発明は、第7の観点からすると、上記第1〜第3の計測装置のいずれかと;該計測装置の計測結果に基づいて前記物体の位置を制御する位置制御装置と;を備える処理装置である。
これによれば、物体を高精度に位置制御(位置決め、位置合わせを含む)することが可能になる。
本発明は、第8の観点からすると、物体上にパターンを形成するパターン形成方法であって、本発明の第1ないし第3の計測方法のいずれかを用いて、前記物体上に形成された位置合わせ用マークの位置情報を計測する計測工程と;前記位置情報の計測結果に基づいて、前記パターンの形成時における前記物体の位置を制御する制御工程と;を含むパターン形成方法である。
これによれば、物体上に精度良くパターンを形成することが可能になる。
本発明は、第9の観点からすると、上記パターン形成方法を用いて物体上にパターンを形成する工程と;前記パターンが形成された前記物体に処理を施す工程と;を含むデバイス製造方法である。
これによれば、デバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る計測方法を好適に適用可能な露光装置100の概略的な構成が示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。図1に示される露光装置100は、照明系10、レチクルRが保持されるレチクルステージRST、投影光学系PL、ウエハWが保持されるウエハステージWST、ウエハW上のマークを計測するためのアライメント系AS、及びこれらの制御系等を備えている。
照明系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系10は、パルスレーザ光などのコヒーレントな露光用照明光(露光光)を、レチクルステージRSTに向けて射出する。
レチクルステージRSTは、レチクルRを、例えば真空吸着により保持している。レチクルステージRSTは、XY平面内で微動可能であるとともに、Y軸方向に指定された走査速度で移動可能となっている。レチクルステージRSTの位置情報は干渉計16によって計測されている。この干渉計16の計測値に基づいて、主制御装置20の指示の下、ステージ制御装置19によりレチクルステージRSTの位置及び速度が制御される。
投影光学系PLは、XY平面に直交するZ軸に平行な光軸を有する、両側テレセントリックな光学系であり、所定の投影倍率(例えば、1/4)を有する。照明系10からの露光光によってレチクルRの一部が照明されると、照明された部分に対応する回路パターン等の投影像が、投影光学系PLを介して、後述するウエハステージWSTに保持されたウエハW上に投影される。
ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系24によって、X軸方向及びY軸方向に自在に駆動されるとともに、Z軸方向及び回転方向(θx方向(X軸回りの回転方向)、θy方向(Y軸回りの回転方向)及びθz方向(Z軸回りの回転方向))に微小駆動が可能な6自由度ステージである。ウエハステージWSTの上には、ホルダ25を介してウエハWが真空吸着などにより保持されている。上記各軸回りの回転は、投影光学系PLの光軸AXを基準として行われる。すなわち、ウエハステージWSTの駆動により、ウエハ保持面を、投影光学系PLの光軸AXを基準に6自由度方向に移動させることが可能である。なお、ウエハステージWSTとして、上述の単一の6自由度ステージに代えて、XY平面内で自在に移動可能な3自由度ステージと、該ステージ上でZ、θx及びθyの3自由度方向に微動可能な3自由度ステージ(又は6自由度方向に微動可能なステージ)とを備えた構成を採用しても良い。
ウエハステージWSTの6自由度方向の位置情報は、干渉計18によって計測されている。この干渉計18の計測値に基づいて、ステージ制御装置19により、ウエハステージWSTの位置制御が行われる。ウエハステージWST上には、基準マーク板FMが設けられている。基準マーク板FM上には、アライメントの基準となる各種基準マークが設けられている。本実施形態では、基準マークとして、0次光以外の偶数次の回折光の強度が低減され、0次光と奇数次の回折光のみが発生するマークを採用する。もし、偶数次の回折光の強度が低減されない場合には、マークの強度像に含まれる各次数の空間周波数成分に、0次成分及び奇数次高調波成分の他に、奇数次高調波成分と偶数次高調波成分とのビート成分も含まれるようになる。このような場合、各回折光の強度が少しでも変化すると、その変化に応じて、後述するアライメント系ASによって計測される基準マークの位置は、その対物レンズの収差によってずれるようになる。
この位置ずれを防止するため、本実施形態では、基準マークを、0次光と奇数次回折光のみ発生するようなマークとする。アライメント系ASでは、マークの強度像に含まれる複数次数の空間周波数成分、すなわち0次光と、正負の同一奇数次回折光との3光束干渉による成分の位相をもってマークの位置情報を計測し、各回折光の振幅の比率が変化しても収差の影響でその成分の位相検出に誤差が極力発生しないようにする。なお、この基準マークのZ位置は、ホルダ25に保持されたウエハWの面のZ位置とほぼ同じとなるように設定されている。なお、この基準マークの具体的形状については、後述する。
ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に従って、レチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。ステージ制御装置19は、両ステージWST、RSTを独立して制御することもできるし、両ステージWST、RSTを同期走査させることもできる。
主制御装置20は、装置全体を統括制御するコンピュータである。主制御装置20は、上位装置とのデータ送受信を行う他、露光装置100内の各種構成要素を制御し、露光装置100で行われる工程を統括管理する。
投影光学系PLの−Y側近傍には、オフアクシスのアライメント系ASが設けられている。アライメント系ASは、基準マーク板FM上の基準マーク及びウエハW上に形成された位置合わせ用のマーク(ウエハマーク)の位置計測を行う。アライメント系ASは、ウエハマークの空間強度像を光電検出し、検出結果に基づいて、XY座標系でのウエハマークの位置情報を検出する。
図2(A)には、アライメント系ASの構成の一例が示されている。図2(A)に示されるように、アライメント系ASは、光源42、コンデンサレンズ44、ハーフミラー46、アパーチャ47、第1対物レンズ48、色フィルタ50、ハーフミラー52、第2対物レンズ58、分光計59、撮像素子60、画像処理系62、及びコントローラ64等を備えている。
光源42は、ウエハW上のフォトレジストを感光させない、所定幅の波長帯域の光を発する。このような光源42としては、例えば、ハロゲンランプが好適に用いられる。ハロゲンランプから発せられる照明光は、十分に広い波長帯域を有しており、これにより、レジスト層での薄膜干渉によるマークの検出精度の低下が防止される。以下では、この波長帯域を、λ0nm〜λ1nmとする。ここで、λ0<λ1であり、λ0は例えば、530nmであり、λ1は例えば、900nmである。
光源42からの照明光は、コンデンサレンズ44により平行光に変換される。この平行光はハーフミラー46で反射され、色フィルタ50、第1対物レンズ48を介してウエハW上のウエハマークMの近傍に集光される。すなわち、アライメント系ASは、ウエハマークMを落射照明する照明光学系を備えており、照明光学系は、コンデンサレンズ44、第1対物レンズ48によって構成されている。
ウエハマークMからは、この照明光の反射光が射出される。ウエハマークMは、基準マーク板FM上のマークと同様に、0次光及び奇数次回折光のみを発生させるマークとなっている。ウエハマークMの詳細については、後述する。ウエハマークMからの各回折光は、第1対物レンズ48により、ウエハ面との瞳面(フーリエ変換の関係にある面)内の異なる位置を通過する互いに平行な光に変換される。アライメント系ASでは、第1対物レンズ48と、アパーチャ47と、第2対物レンズ58とによって結像光学系(集光光学系)が構成される。各回折光は、集光光学系の瞳面内の異なる位置を通過するようになる。各回折光は、色フィルタ50、ハーフミラー46を通過した後、アパーチャ47に入射する。アパーチャ47により、集光光学系の瞳面内の光束が絞られる。アパーチャ47により、集光光学系の開口数が制限されるため、図2(A)では、アライメント系ASにおける集光光学系の開口数に対する照明光学系の開口数の比率、すなわちコヒーレンスファクタσは、1以上(σ≧1)となっている。なお、本実施形態では、アパーチャ47により、集光光学系の開口数を決定(制限)するようにし、これによりコヒーレンスファクタσを1以上にするように構成しているが、本発明はこれに限られるものではない。集光光学系の瞳面(フーリエ変換面相当の面)を通過する光束の径以上の径が照明系側で設定されていれば良い。アパーチャ47を通過した光束は、第2対物レンズ58に入射する。第2対物レンズ58から射出された各回折光は、ハーフミラー52に入射する。ハーフミラー52で反射された各回折光は分光計59に入射し、ハーフミラー52を透過した各回折光は、ウエハWの面と共役位置にある撮像素子60の撮像面に集光される。
撮像素子60は、例えば2次元CCD(電荷結合素子)である。撮像素子60の撮像面は、ウエハWの面と共役位置にあり、撮像素子60の撮像面上に、ウエハマークMの光学強度像が結像するようになっている。撮像素子60の撮像面には0次光も入射するので、この光学強度像は、ウエハマークMからの0次光が結像に寄与する、いわゆる明視野像となる。
<波長選択>
色フィルタ50は、アクチュエータ66に接続されており、アライメント系ASの第1対物レンズ48、アパーチャ47、第2対物レンズ58によって構成される集光光学系の光軸を中心とする領域に挿入/退避が可能となっている。これにより、色フィルタ50は、その集光光学系の瞳面内の所定の位置を通過する光を遮蔽することが可能となる。アクチュエータ66の位置は、コントローラ64によって制御される。このコントローラ64の制御により、色フィルタ50は、任意の波長の光を遮蔽して、通過させないようにすることが可能となる。すなわち、色フィルタ50により遮蔽される光の波長は、コントローラ64により決定される。
色フィルタ50は、アクチュエータ66に接続されており、アライメント系ASの第1対物レンズ48、アパーチャ47、第2対物レンズ58によって構成される集光光学系の光軸を中心とする領域に挿入/退避が可能となっている。これにより、色フィルタ50は、その集光光学系の瞳面内の所定の位置を通過する光を遮蔽することが可能となる。アクチュエータ66の位置は、コントローラ64によって制御される。このコントローラ64の制御により、色フィルタ50は、任意の波長の光を遮蔽して、通過させないようにすることが可能となる。すなわち、色フィルタ50により遮蔽される光の波長は、コントローラ64により決定される。
分光計59は、入射した光の波長ごとに、その強度(すなわち分光反射率)を計測可能である。回折光の波長帯域は、λ0nm〜λ1nmであるため、分光計59は、その波長帯域内における各波長での分光反射率を計測するようになる。この計測結果は、画像処理系62に送られる。
集光光学系の色収差によって、マークシフトが発生する場合には、マークの分光反射率を分光計59によって計測し、その分光特性に応じて色収差を補正することが可能である。色収差量は、高調波の次数に応じて計測しておくのが望ましい。色収差量の計測は、分光反射率既知のマークを用いて行われる。なお、この色による影響は、以下の対応により解決することもできる。波長が530〜800nmの白色照明に対して、Red:700〜800nm、Orange:600〜710nm、Green:530〜610nmの色フィルタを準備し、レジスト厚、マーク段差未知のマークに対し、R、O、Gいずれか1色でマークとFM(フィデューシャルマーク)を両方見ればTISの発生はない。なお、R、O、Gのうち、信号振幅の最大のものを使うことが望ましい。
また、プロセスによって、ウエハW上の薄膜の厚さの変化などにより、照明光の波長帯域によって、計測結果の安定性(再現性)が変わることがある。このような場合には、最適な波長帯域(=最大の信号が得られるフィルタ)を選択する。もちろん、ベースライン計測も同じ波長帯域の照明光によって行うことが望ましいことはいうまでもない。
撮像素子60は、ウエハマークMの光学強度像に相当する情報が含まれる撮像面上の光強度分布を電気信号に変換し、それを画像信号として、画像処理系62に送る。画像処理系62は、その画像信号(2次元画像データ)に対し所定の画像処理を行う。より具体的には、まず、画像処理系62は、2次元画像信号を、マーク位置の計測方向に関する波形データに1次元化する。そして、その1次元波形データに含まれる、回折格子状のウエハマークMの基本周期に対応する基本周波数成分及び奇数次高調波成分の少なくとも1つ(すなわち少なくとも1つの奇数次の空間周波数成分)をフーリエ変換により求め、各奇数次の空間周波数成分の位相を求める。その位相が、その空間周波数成分により求められる、ウエハW上での計測軸方向に関するウエハマークMの設計位置座標からの横ずれ量、すなわちマーク計測位置となる。
このようにして求まるマーク計測位置は、理想的な状態ではすべての次数において一致するはずである。しかしながら、マーク計測位置は、アライメント系ASの集光光学系の収差により、次数毎にずれる。マークが対称である場合は、本実施形態ではインコヒーレント結像になっているので各フォーカス位置での点像の非対称性による影響のみにより位置ずれが発生する。すなわち、フォーカス位置が求まれば位置ずれ量を予測できる。図2(B)には、コマ収差により発生する各フォーカス位置での位置ずれ量が模式的に示されている。図2(B)に示される凸レンズを経由した波面は、その凸レンズが有するコマ収差により、理想的な波面Aに対して、歪んだ波面Bとなる。シミュレーションによれば収差(コマ収差)によるテレセンへの影響は2次的な「くの字」(図2(B)では、曲線Cで示されている)であるので、このような2次関数を用いてフォーカス位置を求めることができる。
マーク波形に、プロセスに起因する非対称性、いわゆるプロセスノイズが乗る場合、プロセスノイズの少ない次数を選択する。プロセスノイズの少ない次数を選んで、次数毎に求められたすべてのマーク計測位置の平均(又は重み付け平均)を、最終的なマーク位置として求めても良い。基本周波数成分及びその奇数次高調波成分のうち、どの次数の成分を計測に用いるかは任意であるが、実際の計測精度に基づき、最も良好なもの(例えば、EGAランダム成分が少ないもの、又は再現性の良いもの)を選択することができる。例えば、マーク下地のランダムノイズの空間周波数成分が既知であれば、ランダムノイズの成分が大きい空間周波数のデータを計測に用いないようにすることができる。一般的に、ランダムノイズが有する周波数成分は、低い帯域のものであることが多いため、高調波成分のマーク位置を採用することになる場合が多い。
また、空間周波数成分の次数毎に、計測結果のばらつきが異なるような場合には、そのばらつきが小さいものを採用することができる。信号振幅が不足して電気ノイズ(ランダムノイズ)が目立つ場合、フォーカスステップ数を増加させる。又は、画像の蓄積時間を増加させることで改善する。プロセスノイズは次数と波長の選択により最小化する。また、上述にようにして選択された空間周波数成分で検出されたマーク計測位置の平均値(又は重み付け平均)を、最終的なマーク位置として算出するようにしても良い。画像処理系62は、このようにして、撮像視野内におけるウエハマークMの位置座標を算出する。そのウエハマークMの位置座標は、主制御装置20に送られる。
上述したように、アライメント系ASでは、アパーチャ47による結像光束の制限を調整することにより、照明光学系の開口数に対する集光光学系の開口数の比率、すなわちコヒーレンスファクタσの値を、所定の範囲で、任意に設定することが可能である。仮に、σ=∞と設定可能であるとすると、アライメント系ASにおいて検出されるウエハマークMの強度像は、インコヒーレント結像となる。インコヒーレント結像では、点像分布関数PSFと、ウエハマークMの振幅分布の絶対値の自乗のコンボリューションが、そのマークの強度像の強度分布となる。このような状態では、ウエハマークMの位相分布と、アライメント系ASの集光光学系の収差とによるインターアクション(交互作用)がなくなるので、例えばデコンボリューションによる像回復を行うことも可能である。また、インコヒーレント結像下であれば、アライメント系ASの集光光学系の収差の影響が低減される。例えば、計測するマークが、下地の段差によって形成される段差マークであるとする。段差マークでは、マークによって段差量、反射率、非対称性等が異なるが、インコヒーレント結像下では、アライメント系ASの集光光学系の収差とそれらとの相互作用によって、空間周波数成分ごとのマーク計測位置が殆ど変化しなくなる。
ところが、実際に、σ=∞を実現するのは困難であり、実際には、0<σ<<∞の範囲でσを設定し、いわゆるパーシャルコヒーレント照明の下でマーク計測を行うことになる。本実施形態では、σが有限であっても、実質的に、インコヒーレント結像と等価な状態でのマーク位置計測を実現する。以下では、そのようなインコヒーレント結像と等価な状態でマークの位置を計測する方法について具体的に説明する。
より具体的には、本実施形態では、σ≧1と設定して、マーク計測を行う。以下に、その理由について説明する。
まず、σ<1に設定した場合について説明する。σ<1とした場合、アライメント系ASで検出される画像信号に対応するウエハマークMの強度像の強度分布は、そのマークの性質(例えば、明暗マーク又は段差マークの種別、段差マークである場合にはその段差量、反射率及び非対称性)、及び/又はアライメント系ASの集光光学系の収差(例えば、コマ収差及び球面収差など)に大きく影響を受ける。
図3(A)には、σ<1、コマ収差有、球面収差無と仮定し、ウエハマークMを明暗マークとしたときの、デフォーカスに対するマークの強度像の強度分布に含まれる各奇数次の空間周波数成分の位相、すなわち各奇数次の空間周波数毎に計測されるウエハマークMの計測位置の変動の様子が示されている。図3(A)には、フォーカス位置に対する、1次、3次、5次の3つの空間周波数成分でのマーク計測位置の変動を表す変動曲線が示されている。図3(A)の変動曲線に示されるように、ウエハマークMの計測位置は、すべての次数の空間周波数成分において、フォーカスの変動に対して変動する。
ウエハマークMは、0次光と奇数次回折光とを発生させるマークであり、奇数次の空間周波数成分はその奇数次回折光と0次光との3光束干渉の成分となり、偶数次の回折光による成分は含まれなくなる。この場合、各次数の空間周波数成分でのマーク計測位置の変化は、デフォーカスによって緩やかに変化する正弦波的な変化となる。そのマークシフトを表す変動曲線は、正負のデフォーカス量に対して対称な偶関数となる。このことは、デフォーカス量の絶対値が既知であれば、その正負に関わらず、この変動曲線から、デフォーカスによるマーク計測位置の位置ずれ量を求めることができることを示している。
各次数の空間周波数成分に対応する変動曲線は、次数毎にそれぞれ異なった変動曲線となるが、各変動曲線の極値となるフォーカス位置(各次数のベストフォーカス位置)は全ての次数の空間周波数成分について一致するようになる。すなわち、σ<1で、アライメント系ASの集光光学系にコマ収差があっても、計測対象のマークが明暗マークで、球面収差が0であれば、すべての空間周波数成分で、ベストフォーカス位置は一致するようになる。
図3(B)には、σ<1、コマ収差有、球面収差有と仮定し、ウエハマークMを明暗マークとしたときの、デフォーカスに対するマークの強度像に含まれる各次数の空間周波数成分から計測されるマーク計測位置の変動の様子が示されている。すなわち、この場合には、図3(A)の場合に対して、球面収差が有る点のみが異なっている。図3(B)においても、図3(A)と同様に、個々の次数の変動曲線は、それぞれ異なったものとなるが、図3(A)とは異なり、各変動曲線の極値となるフォーカス位置(ベストフォーカス位置)も次数毎にばらつく。しかも、この場合、各次数の変動曲線自体も、アライメント系ASの球面収差の収差量に応じて変化し、その極値でのマーク計測位置及びフォーカス位置も変動する。したがって、デフォーカス量が既知であっても、球面収差の経時変化などにより変動曲線自体が変化するので、デフォーカスによるマーク計測位置の位置ずれ量を求めるのは困難である。
図3(C)には、σ<1、コマ収差有、球面収差無と仮定し、ウエハマークMを段差マークとしたときの、デフォーカスに対するマークの強度像に含まれる各次数の空間周波数成分から計測されるマーク計測位置の変動の様子が示されている。すなわち、この場合には、図3(A)の場合に対して、マークが段差マークとなっている点のみが異なっている。
図3(C)の場合においても、図3(B)と同様に、個々の次数の空間周波数成分において計測されるマークの計測位置は、次数毎にそれぞれ異なった変動曲線となって、各変動曲線の極値、すなわち各次数のベストフォーカス位置はばらつく。しかも、この場合、各次数の変動曲線自体も、段差マークの溝の深さなどに応じて変化し、その極値でのマーク計測位置及びフォーカス位置も変化する。したがって、デフォーカス量が既知であっても、段差マークの溝の深さなどに応じて変化し、変動曲線自体が変化するので、デフォーカスによるマーク計測位置の位置ずれ量を求めることは困難である。なお、マーク自体は対称なマークでその対称性は維持されたままで、段差の上下の段差量、反射率、レジスト膜厚などが変化することによって発生するマーク計測位置の位置ずれ量の変化をTISと呼んでいる。
なお、図3(A)〜図3(C)に示される変動曲線は、各コマ収差、球面収差の収差量がかなり大きい場合におけるものであり、収差量が小さい場合には、デフォーカスによるマーク計測位置の変化量が小さくなり、この変動曲線は、水平な平行線に近づくので、変動曲線の極値を求めるのが困難となる。この場合には、マーク計測位置と同様に、各空間周波数成分の振幅も、デフォーカスに応じて変化し、その変動曲線も、マーク計測位置の変動曲線の極値と同じ極値を示すようになるので、その振幅の変化をよりどころにすれば、この振幅が極大となるフォーカス位置を検出することは可能である。
以上述べたように、コヒーレント照明(σ=0)及び完全なインコヒーレント照明(σ=∞)以外、すなわち0<σ<1では、アライメント系ASの集光光学系におけるコマ収差、球面収差などの収差とデフォーカスとの相互作用、又はマークの段差とデフォーカスとの相互作用によって、マークシフトが発生する。
図4(A)に示されるように、σ<1、段差マーク、コマ収差有、球面収差有という条件では、各次数の空間周波数成分でのフォーカス−マーク位置変動曲線は、球面収差の収差量及び/又は段差マークの形状に応じて変動するが、図4(B)に示されるように、σ≧1とした場合には、各変動曲線の極値は、球面収差の収差量及び段差マークの形状などによらず一定となる。これは、各フォーカス位置でのPSF(マークの強度像分布)により計測されるマークの位置ずれが決定されることによる。そこで、本実施形態では、σ≧1に設定した状態で、マークの位置を計測する。
次に、σ≧1とした場合に、各変動曲線が安定する理由について説明する。
フリンジツェルニケ多項式の動径関数が奇関数である奇関数収差、例えばコマ収差は、これにより、ウエハマークMの空間強度像に含まれる空間周波数成分の位相が変化するので、マーク計測位置に対する影響は大きい。低次のコマ収差は、例えば、フリンジツェルニケ多項式におけるZ7、Z8で表される。このような低次のコマ収差は、集光光学系の状態に応じて、きわめて敏感に変化する。Z7だけを考慮すると、瞳関数F(ξ,η)は次式のようになる。
一方、図5(C)には、σ<1に設定したときの、瞳座標系における0次光と+1次回折光との光束ペアによる積分領域が斜線で示されている。この積分領域が、ペアとなる0次光と+1次回折光との位相差を示す部分になる。図5(C)の斜線部分を、実際の集光光学系の瞳内で表現すると、図5(D)に示されるようになる。
図5(B)と図5(D)とを比較するとわかるように、集光光学系の瞳上には、斜線部分内の周波数間隔f1をなす2点であって、0次光と−1次回折光との光束ペアと、0次光と+1次回折光との光束ペアが、通過する2点が存在するようになる。この場合、0次光と−1次回折光との2光束干渉による干渉縞の収差の影響による位相シフトと、0次光と+1次回折光との2光束干渉による干渉縞の収差の影響による位相シフトとは、逆方向で、同じ大きさとなるため、それらの位相シフトは相殺され、マーク像の位置ずれ量は0となる。
例えば、0次光の位相がαだけ変化した場合、0次光と−1次回折光との2光束干渉による正弦波はα/2πだけシフトする。しかし、0次光と+1次回折光との2光束干渉による正弦波は−α/2πだけシフトする。
この場合、ウエハマークMの段差が変化して、瞳上のξ方向に間隔f1をなす2点P1、P2を通過する0次光と±1次回折光の位相差が変化した場合においてもマークの位置ずれにならないという特徴がある。
しかしながら、図5(B)と図5(D)とを比較するとわかるように、集光光学系の瞳関数F(ξ,η)内の0次光と−1次回折光とのペアの光束が通過する領域の形状(図5(B))と、0次光と+1次回折光とのペアの光束が通過する領域の形状とは同一形状とはならない。これは、有効光源G(ξ,η)≠0となっている部分の大きさが、瞳関数F(ξ,η)≠0となっている部分の大きさより小さくなっているからである。このように、0次光と−1次回折光との光束ペアの領域の形状と、0次光と+1次回折光との光束ペアの領域の形状とが同一でない場合には、斜線部分内の周波数間隔f1をなす2点を通過する0次光及び−1次回折光の光束ペアと、0次光及び+1次回折光の光束ペアとが、その領域内の全ての点において存在するようにはならず、段差変化による0次と−1次のペアの干渉縞を打ち消す0次と+1次のペアがないので、0次と−1次の干渉縞の横ずれが表面化する。すなわち、マーク段差量の変化でマークシフトが変化するようになる。以上の理由から、σ<1では、マークの強度像の結像位置が、マーク段差量によって異なるようになる。すなわち、TISが発生する。
次に、σ≧1に設定した場合について考える。図6(A)には、アパーチャ47によりσ≧1に設定したときの、瞳座標系における0次光と−1次回折光との光束ペアによる積分領域が斜線で示されている。図6(A)の斜線部分を、実際のアライメント系ASの集光光学系の瞳内で表現すると、図6(B)に示されるようになる。
一方、図6(C)には、アパーチャ47によりσ≧1に設定したときの、瞳座標系における0次光と+1次回折光との光束ペアによる積分領域が斜線で示されている。図6(C)の斜線部分を、実際のアライメント系ASの集光光学系の瞳内で表現すると、図6(D)に示されるようになる。
図6(B)と図6(D)とを比較するとわかるように、σ≧1に設定されているので、有効光源G(ξ,η)≠0となっている部分の大きさは、瞳関数F(ξ,η)≠0となっている部分の大きさより大きくなっている。これにより、アライメント系ASの集光光学系の瞳関数F(ξ,η)内において、図6(B)に示される0次光と−1次回折光とのペアの光束が通過する領域の形状と、図6(D)に示される0次光と+1次回折光とのペアの光束が通過する領域の形状とは、同一形状となる。両者が同一形状となると、斜線部分内の周波数間隔f1をなす2点を通過する0次光と−1次回折光との光束ペアと、0次光と+1次回折光との光束ペアが、領域内の全ての点において存在するようになる。このようになれば、同じ2点を通過する光束ペアによる位置ずれが打ち消しあって、マークの位置ずれが打ち消し合うようになる。
上述した考えは、m(mは、1以上の整数)次回折光に拡張することができる。すなわち、σ≧1であれば、瞳内の同一の2点を通過する0次光と−m次回折光の光束ペアと、0次光と+m次回折光との光束ペアとが、全ての2点において存在するようになる。
しかしながら、ウエハマークMが、偶数次の回折光を含む無限大の高調波を含む場合には、すべての空間周波数成分に対してインコヒーレント結像状態を実現するには、σ=∞にする必要があるが、実際には、σ=∞とするのは困難である。そこで、本実施形態では、ウエハマークMとして、奇数次回折光のみを発生するマークを用いる。
本実施形態では、この物体(マーク構造体)たるウエハマークMとして、ピッチに対して掘り込み部分の線幅が狭い、一般に細溝マークといわれる周期的な凹凸パターンを有する回折格子状のマークを採用する。細溝マークは、CMPプロセスに対して変形しにくく、計測方向におけるマークの対称性が維持されるため、その位置を計測するのに有利である。図7には、ウエハマークMの断面図が示されている。
図7に示されるように、マークの細溝の太さはW、細溝の隣り合う間隔はP、細溝の断続周期は6Pとなっている。各細溝の幅Wは、Pよりも小さく(P>W)なるように設定されている。また、振幅分布は細溝Wの部分の振幅反射率を1とし、その他の振幅反射率も1とする。さらに、段差をhとする。このマークを複素関数表示したものが図8のDnである。同図においてReは実数成分を示し、Imは虚数成分を示す。ここで座標0におけるRe−Im平面に平行なRe’−Im’平面によるマークDnの断面図を図9に示す。細溝以外の部分の振幅はベクトルocで示され、その大きさは1である。細溝部分の振幅はベクトルoaで示され、その大きさは1である。ベクトルocとベクトルoaのなす角Φは溝の深さをhとし、照明光の波長をλ(ブロードバンドの場合は平均波長と考える)とすると、落射照明では反射により光路長が2倍となるので2h/λ*2π=Φとなる。
さて、このマークの複素振幅分布Dnは直流成分Dcと、交流成分Acに分離して考えることができる。この場合の交流成分Acは、図9のベクトルacに平行な振幅の成分で表されるもので、図10のように示される。直流成分は、図9のベクトルocに平行な成分で、図11に示されている。複素振幅分布Dnによって発生する回折光を考える場合、直流成分Dcと交流成分Acを分けて考えることが有効である。直流成分Dcは0次回折光を発生するのみである。一方、交流成分Acは、図12、図13、図14に示されるように、周期的な振幅分布B、Cの掛け算の結果と捉えることができる。また、振幅分布B,Cをフーリエ変換することにより図15、図16に示されるように、振幅分布B、Cのそれぞれのフーリエスペクトルが求まる。振幅分布Bは周期6Pのよく知られている矩形波であり、フーリエ変換によって得られるスペクトルは0次成分のほかは奇数次のスペクトルのみとなる。奇数次のスペクトルは±1/6P、±3/6P、±5/6P、±7/6P、…に離散的に発生する。
振幅分布Acのフーリエスペクトルはこれらのコンボリューションになり、図17のような離散的なフーリエスペクトルとなる。−6次回折光から+6次回折光の間の回折光は奇数次回折光のみが発生することになる。この最低次数の偶数次回折光、すなわち±6次回折光は、λ0/P>(NA+NAi)の関係を満たすことによって、それが、対物レンズに入射することを阻止することができる。したがって、結像には奇数次回折光と直流成分のみが寄与し、偶数次の回折光の影響を受けずにマークの空間像を計測することができることになる。
図17に示されるように、ウエハマークMの振幅分布のスペクトルでは、空間周波数0、±1/6P、±3/6P、±5/6P、±6/6Pにおいてそのピークが出現しているが、空間周波数±2/6P、±4/6Pについては、いずれも0となっている。すなわち、このウエハマークMの振幅分布には、直流成分、基本周期Pに対応する6次以下の成分では、1次成分、3次成分、5次成分、6次成分だけが含まれており、2次、4次という、6次より小さい偶数次の空間周波数成分は0となっている。
図17の空間周波数スペクトルから、ウエハマークMからの各次の回折光の強度を読み取ることができる。すなわち、ウエハマークMから発生する回折光は、0次回折光の他は、±6次回折光以下では、±1次回折光、±3次回折光、±5次回折光、±6次回折光であり、2次、4次等の6次より小さい偶数次の回折光は、発生していない。
また、本実施形態に係るアライメント系ASでは、その照明光学系(コンデンサレンズ44、第1対物レンズ48)の開口数(NAiとする)と、集光光学系(第1対物レンズ48、第2対物レンズ58)の開口数(NAとする)とを、次のように規定している。
λ0/P>(NA+NAi)…(9)
ここで、例えば、NA=0.5であり、NAi=0.5である。λ0は、前述のとおり、照明光の最短の波長である。これにより、アライメント系ASの集光光学系に入射する回折光は、0次光と、基本周期Pに対応する±1次、±3次、±5次の回折光のみとなり、基本周期Pに対応する±6次の回折光は、最短の波長のものであっても、第1対物レンズ48には入射しなくなる。したがって、撮像素子60の撮像面上に実際に結像するウエハマークMの空間周波数分布(スペクトル)における6次成分は0となる。
ここで、例えば、NA=0.5であり、NAi=0.5である。λ0は、前述のとおり、照明光の最短の波長である。これにより、アライメント系ASの集光光学系に入射する回折光は、0次光と、基本周期Pに対応する±1次、±3次、±5次の回折光のみとなり、基本周期Pに対応する±6次の回折光は、最短の波長のものであっても、第1対物レンズ48には入射しなくなる。したがって、撮像素子60の撮像面上に実際に結像するウエハマークMの空間周波数分布(スペクトル)における6次成分は0となる。
ウエハマークMについては、図7に示されるような断面形状の他、図18に示されるような断面形状を採用することができる。図18に示されるウエハマークMには、周期的に4Pの間隔で、2本の細溝の組が形成されている点が、図7に示されるマークと異なっている。このマークも、周期が異なる2つの矩形波を合成した形状となっており、その2つの周期の比は偶数比(1:4)となっている。このマークの空間周波数分布(スペクトル)も、2つの矩形波の空間周波数分布(スペクトル)のコンボリューションとなり、そのスペクトルでは、空間周波数0、±1/6P、±3/6P、±4/6Pにおいてそのピークが出現するが、空間周波数±2/6Pでは0となっている。また、前述のように、λ0/P>(NA+NAi)の関係があるため、アライメント系ASの集光光学系に入射する回折光は、0次光と、基本周期Pに対応する±1次、±3次の回折光のみとなり、基本周期Pに対応する±4次の回折光は、最短の波長のものであっても、第1対物レンズ48には入射しなくなる。したがって、撮像素子60の撮像面に結像するウエハマークMの結像に寄与する回折光は、0次光と、奇数次の回折光のみとなる。
図7、図18に示される断面形状は、図19に示されるウエハマークの断面形状に一般化される。図19に示されるように、この断面形状では、周期的にnP(nは正の整数)の間隔で、n本の細溝の組が形成されている。その組内において隣接する細溝の間隔はPとなっている。各細溝の幅Wは、Pよりも小さく(P>W)なるように設定されている。このような形状及びアライメント系ASの各光学系の開口数との関係などから、撮像素子60の撮像面のマークの強度像の結像に寄与する回折光は、0次光と、(2n−1)次までの奇数次の回折光のみとなる。なお、nは、ウエハ内、ウエハ間におけるマークの強度像に含まれる空間周波数成分のランダム誤差(いわゆるプロセスノイズ)を評価量として決定される。
図19で一般化されるウエハマークMは、アライメント系ASに対して、入射光に対する奇数次数の回折光の強度よりも偶数次数の回折光の強度を弱める周期構造を有するマークとなっている。
<露光動作>
次に、露光装置100の処理動作(露光動作)について説明する。
次に、露光装置100の処理動作(露光動作)について説明する。
まず、アライメント系ASにおけるマーク位置計測の準備処理について説明する。図20には、この準備処理のフローチャートが示されている。図20に示されるように、まず、ステップ501において、ウエハステージWSTをXY平面内で駆動し、基準マーク板FM上の基準マークを、アライメント系ASの検出視野の中心に位置させる。なお、ここで、色フィルタ50の調整により、基準マークからの0次光の強度が大きくなるように調整しても良い。次のステップ503では、ウエハステージWSTを、Z軸方向に、低速で、所定間隔(例えば10μm)移動させつつ、所定のシャッタ速度で、アライメント系ASにより、検出視野内の基準マークの強度像を含む画像サンプルデータを取得する。これにより、複数の異なるZ位置での、画像サンプルデータが取得される。なお、仮に、コマ収差Z7=50mλ、球面収差Z9=50mλというような大きさの収差を、集光光学系が有していたとしても、±2μmのフォーカスの範囲内に極値は1つしか存在しないので、ウエハステージWSTを移動させる範囲は、±2μmで良い。なお、シミュレーションによれば、13ステップ程度のフォーカスステップの画像を取得することが望ましい。
そして、次のステップ505では、画像サンプルデータから、基準マークの強度像に含まれる奇数次の空間周波数成分を抽出する。次のステップ507では、各奇数次の空間周波数成分の振幅と位相とを抽出する。次のステップ509では、各奇数次の空間周波数成分の変動曲線を、例えば最小二乗法などを用いた関数フィッティングにより作成する。図21(A)には、このようにして作成された1次、3次、5次、7次の空間周波数成分の変動曲線の一例が示されている。次のステップ511では、作成した変動曲線において極値を検出可能であるか否かを判断する。例えば、図21(C)に示されるような変動曲線が作成された場合には、それらの極値を検出するのは困難であるため、この判断は否定される。この判断が肯定されればステップ513に進み、否定されればステップ515に進む。
ステップ513では、各次数の空間周波数成分に対応するフォーカス−マーク計測位置の変動曲線のオフセット量を保存する。図21(A)に示される1次、3次、5次、7次の変動曲線では、それぞれB1、B3、B5、B7がオフセット量として保存されるようになる。
一方、ステップ515では、図21(B)に示されるような、各奇数次の空間周波数成分の振幅とフォーカスとの関係を示す、フォーカス−振幅変動曲線を作成する。そして、次のステップ517では、各次数の空間周波数成分のフォーカス−振幅変動曲線の極値となるフォーカス位置を算出する。図21(B)に示される1次、3次、5次、7次の変動曲線では、それぞれフォーカス位置Fo1、Fo3、Fo5、Fo7が選択されることになる。
次のステップ519では、各次数の極値のオフセット量を保存する。図21(C)に示される変動曲線では、フォーカス位置Fo1、Fo3、Fo5、Fo7におけるオフセット量B1、B3、B5、B7が示されている。
ステップ513、ステップ519の後は、処理を終了する。以上の準備処理により、各次数の空間周波数成分におけるベストフォーカス位置でのマーク計測位置のオフセット量が求められたことになる。
次に、露光装置100における露光動作について説明する。なお、レチクルステージRST上にレチクルRがすでにロードされ、レチクルアライメント、ベースライン計測等の所定の準備作業が完了しているものとする。
露光装置100では、まず、ウエハステージWST上に露光対象となるウエハWをロードする。このウエハWは、すでに一層以上のショット領域が形成されたウエハである。そのショット領域には、上記周期構造を有するサーチアライメントマーク、ウエハマークMが付設されている。
続いて、主制御装置20は、ステージ制御装置19を介して、ウエハWを吸着保持したウエハステージWSTを、アライメント系ASの下方に移動させ、サーチアライメント及びウエハアライメントを行う。このサーチアライメント及びファインウエハアライメント(例えばEGA方式のアライメント)の処理は、例えば、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号明細書等に開示されている。このサーチアライメント及びウエハアライメントでは、アライメント系ASを用いて、ウエハW上に形成された各種アライメントマークのXY座標系における位置情報を計測する。この計測のために、主制御装置20は、そのマークが付設された複数のショット領域(サンプルショット)を、アライメント系ASの下方に位置させるべく、ステージ制御装置19を介して、ウエハステージWSTを、順次移動させる。図22には、このマーク位置計測処理のフローチャートが示されている。
ステップ601〜ステップ611の処理は、ステップ501〜ステップ511の処理と同じである。すなわち、ウエハマークMをアライメント系ASの検出視野の中心に位置させ(ステップ601)、ウエハステージWSTをZ軸方向に一定の速度で移動させ、所定のシャッタ速度で画像サンプルデータを取得し(ステップ603)、各奇数次の空間周波数成分を抽出して(ステップ605)、その振幅と位相を抽出し(ステップ607)、フォーカス−マーク位置変動曲線を作成し(ステップ609)、その変動曲線の極値が検出可能であるか否かを判断する(ステップ611)。なお、ウエハマークMを含むウエハWの表面で反射又は回折された光は、第1対物レンズ48及び第2対物レンズ58等を介して撮像素子60で受光される。撮像素子60は、一定のサンプリング間隔で、撮像面に結像したウエハマークMの強度像を電気信号に変換し、その信号を、画像信号(画像サンプルデータ)として、画像処理系62に順次、出力する。なお、ここでも、フォーカスを±2μm振りながら、ウエハマークMの位置を各次数毎に計測することで、簡単に極値を見つけ出すことができる。ウエハWの厚さのばらつき、平坦度のばらつきを考えても、フォーカスを±5μmほど振れば、その極値を捉えることが可能である。なお、ステップ601〜611、ステップ501〜511に先立って最も信号振幅の大きいR,O,Gのフィルタを選択し、これによって各次数のオフセット量を求め、ウエハWのマーク位置を計測すれば、より高精度にかつ収差の影響を受けずに計測できる。市販の顕微鏡レベル(RMS収差=50mλ)程度の対物レンズを用いることが可能となる。一度、O,R,Gでオフセットを計測し、白色に切り替えてもそのオフセットを管理することで白色での計測も可能となる。
ステップ611における判断が肯定された場合には、ステップ613において、各奇数次の空間周波数成分の極値におけるマーク位置を算出する。一方、ステップ611における判断が否定された場合には、ステップ615においてフォーカス−振幅変動曲線を作成し、ステップ617において各次数の極値を算出し、ステップ619において各次数のマーク位置を算出する。これらステップ611、613、615〜619の処理も、図20のステップ511、513、515〜619の処理と同じである。
ステップ613、ステップ619の後のステップ621では、各次数の空間周波数成分の変動曲線から求められたマーク位置から、オフセット量B1、B3、B5、B7を差し引いて、各次数の空間周波数成分のマーク位置を求める。図23に示される変動曲線では、それぞれA1、A3、A5、A7が各次数のマーク位置として示されている。これらのマーク位置を用いて、上述のようにして、最終的なマーク位置が算出される。
画像処理系62で算出された、アライメント系ASの撮像視野内におけるマーク位置情報は、主制御装置20に送られる。主制御装置20は、このマーク位置情報と、ステージ制御装置19を介して干渉計18から得られるウエハステージWSTの位置情報とに基づいて、XY座標系におけるウエハマークMの位置座標を算出する。
ウエハアライメントでは、主制御装置20は、このようにアライメント系ASにより計測されたウエハマークMの位置情報で、例えば、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号明細書に示されるように、ウエハW上の配列座標系を統計的に算出する。そして、その配列座標系に基づいてショット領域上にステップ・アンド・スキャン方式の露光を行う。これにより、ウエハW上に既に形成されたショット領域に対して、高精度な重ね合わせ露光が実現される。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、アライメント系ASの集光光学系の開口数に対する照明光学系の開口数の比率が1以上に設定されたインコヒーレント状態でマークを計測し、かつ、ノイズ成分の要因となる偶数次の回折光が低減されたマークの強度像データに基づいてマークの位置情報を検出するので、アライメント系ASの集光光学系が有する収差とデフォーカスとの複合作用、又は、マークの個体差とデフォーカスとの複合作用によるマーク位置の計測誤差の変動が低減される。この結果、マークの位置の計測精度が向上する。
すなわち、本実施形態によれば、有限のσでインコヒーレント結像状態が実現される。
また、本実施形態によれば、ウエハマークMの位置計測に先立って、アライメント系ASの集光光学系に対する基準マーク板FM上の基準マークのフォーカスに関連する位置誤差情報(図21(A)に示されるような、フォーカス−マーク位置の変動曲線から得られるオフセット量B1、B3、B5、B7)を取得し、ウエハマークMの位置計測では、その計測が行われたときの位置誤差(オフセット量B1、B3、B5、B7)をマーク計測位置に反映する。このようにすれば、アライメント系ASの集光光学系が有する収差とデフォーカスとの複合作用、又は、ウエハマークMの個体差とデフォーカスとの複合作用による、ウエハマークMの強度像における位置ずれ量を予め取得し、ウエハマーク計測時には、それを除去するだけなので、短時間で高精度にマークの位置情報を計測することが可能となる。
また、本実施形態によれば、オフセット量を取得するため、複数の異なるフォーカス位置各々で、基準マークの位置を計測し、基準マークの計測位置に基づいて、フォーカス位置に関連するマークの位置誤差情報(オフセット量)を取得する。このようにすれば、別途オートフォーカス機構を用意しなくても、ベストフォーカス位置でのマーク位置の計測結果を得ることが可能となる。また、オートフォーカス機構が不要となるので、アライメント系ASの小型化、低コスト化が可能となる。さらに、複数の異なるフォーカス位置での位置計測結果を利用しているので、平均化効果により、マークの位置情報の計測精度を向上させることができる。
もっとも、アライメント系ASにフォーカス調整機構を設け、一定のフォーカス位置(すなわちベストフォーカス位置)でマークの位置情報を計測するようにしても良いことは勿論である。
本実施形態では、フォーカス位置を常に変化させながら、任意のサンプリング間隔で、基準マーク又はウエハマークMの位置情報を検出する。このようにすれば、複数の異なるフォーカス位置でそれらのマークの位置情報を検出する際に、投影光学系PLに対してウエハWを一旦位置決めしてマークを計測する必要がなくなるので、マークの計測時間を短縮することが可能となる。
もっとも、複数のフォーカス位置にウエハマークM又は基準マークを位置決めしつつ、ウエハステージWSTを静止させた状態で、ウエハマークM又は基準マークの計測を行うようにしても良いのは勿論である。
より具体的には、取得された基準マークの計測位置に基づいて、フォーカス位置の変動に対する基準マークの計測位置の変動を表すフォーカス−位置変動曲線を作成する。そして、その位置の変動曲線の極値における基準マークの変動曲線の値を、オフセット量として取得し、その極値に対応するフォーカス位置での強度像の画像サンプルデータに基づいて基準マークの位置情報を検出する。
また、本実施形態では、フォーカス位置の変動に対する各奇数次の空間周波数成分の振幅の変動を表す振幅変動曲線も作成し、その振幅変動曲線の極値となるフォーカス位置での強度像データに基づく基準マークの位置ずれ量を、オフセット量として取得する。このようにすれば、フォーカス−マーク位置の変動曲線での極値の検出が困難な場合でも、振幅変動曲線の極値を手がかりに、次数毎のベストフォーカス位置を、容易に検出することができる。
また、本実施形態によれば、基準マークの強度像に含まれる空間周波数の次数毎に、オフセット量を取得し、次数毎に基準マークの位置情報を検出し、その検出の際に、次数に応じたオフセット量をマークの計測位置に反映する。
また、本実施形態によれば、各次数で検出されたマークの計測位置の重み付け平均値(重み0の場合を含む)をもってマークの計測位置とする。このようにすれば、安定した次数でのマークの計測位置に基づいて、正確にその位置を求めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、基準マークを、アライメント系ASの集光光学系の視野内の所定の基準位置、例えば集光光学系の視野中心に位置決めし、位置決めされた基準マークの計測位置の基準位置からの位置ずれ量に基づいて、オフセット量を取得する。このようにすれば、実測結果に基づいて、集光光学系の収差のマーク計測位置への影響を低減することができる。
もっとも、アライメント系ASの集光光学系の視野中心でなくてもよく、視野内の特定の位置であれば良い。例えば、ベースライン及びウエハマークMの設計上の位置座標に基づいて、ウエハマークMをアライメント系ASの視野内に位置決めした場合には、ウエハマークMは、基準マークが計測されたときのその基準マークの位置に配置されるようになるので、この場合には、視野内における基準マークの位置が基準位置となる。このようにすれば、基準マークも、ウエハマークMも同じ収差状態の下で計測されるようになるので、集光光学系の収差によるマーク位置に対する収差の影響が低減する。
しかしながら、ウエハWのプロセス起因の変形により、アライメント系ASの視野内の基準マークの位置と、ウエハマークの位置とが異なることも起こりうる。このような場合には、複数の設計ベースラインを用いて視野内の複数の点でベースライン計測を行い、視野内のX,Yを独立変数とするベースラインの関数を作成し、視野内のウエハマークMのXY位置をその関数に代入したときのその関数の値をベースラインとして用いるようにしても良い。
複数のアライメント系におけるベースライン計測は、干渉計基準で、単一の基準マークを用いて行っても良いし、同時に複数のアライメント系のベースライン計測を行えるように、大きなフィデューシャルマークを用いて、一括で行っても良い。大きなフィデューシャルマークを使う場合、様々なショットサイズに対応するため、一面に2次元又は1次元グレーティングマークが形成されたフィデューシャルマークを採用することができる。その際、バーニアマークを配置して、粗い精度でも計測できるようにしても良い。
また、本実施形態によれば、オフセット量が取得されたフォーカス位置での強度像データに基づいて、マーク位置を計測する。すなわち、ベストフォーカス位置ではないが、位置計測が行われたフォーカス位置に対応するオフセット量を変動曲線から求め、そのオフセット量を計測位置に反映するようにしても良い。
また、本実施形態によれば、ウエハW上に形成されたウエハマークMを、光源42からの照明光の反射光である奇数次数の回折光の強度よりも偶数次数の回折光の強度を弱めるマークとしている。このため、ウエハマークMの空間強度像の奇数次の空間周波数成分を精度良く検出することができる。この結果、ウエハマークMの位置情報の計測誤差が低減されるようになる。
また、本実施形態によれば、このウエハマークMの周期構造は、周期Pを基本周期とする空間周波数成分と、周期Pの偶数倍の2nPを基本周期とする空間周波数成分とを含んでいる。このようにウエハマークMの断面形状に含まれる2つの異なる基本周波数成分の周期の比を偶数比とすれば、ウエハマークMのデューティ比が1対1でなかったとしても、2次などの低次の偶数次高調波成分の強度を低減することが可能となる。
特に、本実施形態におけるウエハマークMの周期構造では、周期Pを基本周期とし、その周期方向の全長がnPである周期的な凹凸パターンが、周期2npの間隔で設けられており、凹凸パターンの凹部の周期方向の幅Wは、周期Pの半分よりも短くなるように設定されている。このような構造であれば、このウエハマークMの光学像には、互いの関係が偶数比となる2つの基本周波数成分が確実に含まれるようになる。また、凹部の周期方向の幅Wは、周期Pの半分よりも短くすればよく、計測されるマーク位置は、凹部の幅に影響を受けなくなる。これにより、ウエハマークMの設計自由度が増す。この結果、マークのピッチをさらに細かなものとすることができるようになり、高精度な位置合わせが可能となる。
また、本実施形態によれば、アライメント系ASは、ウエハマークMに対し所定の照明光を照明する照明光学系の開口数NAiと、ウエハマークMを経由した照明光を導いて、そのウエハマークMの強度像を結像させる集光光学系の開口数NAとの和(NAi+NA)が、照明光の波長を周期Pで除算した値よりも小さくなるように設定されている。このようにすれば、高次の偶数次回折光が、アライメント系ASの集光光学系に入射しなくなり、その高次の偶数次回折光がそのマークの強度像の結像に寄与しなくなる。
より詳しくは、本実施形態によれば、アライメント系ASにおける照明光は、所定の波長帯域を有するブロードバンドな光であり、アライメント系ASの照明光学系の開口数NAiとその集光光学系の開口数NAとの和(NAi+NA)が、照明光の最短の波長λ0を周期Pで除算した値よりも小さくなるように設定されている。すなわち、照明光の最短波長λ0〜λ1の光の高次の偶数次回折光はすべて、アライメント系ASの集光光学系に入射しなくなるので、高次の偶数次の回折光が集光光学系に完全に入射しなくなる。
また、本実施形態に係るアライメント系ASは、ブロードバンドな照明光でウエハマークを照明する照明光学系と、ウエハマークMを経由した照明光を導いてウエハマークMの強度像を結像させる集光光学系(第1対物レンズ48と第2対物レンズ58)と、その強度像を光電検出する撮像素子60と、検出された強度像に相当する信号をフーリエ変換し、その信号のフーリエスペクトルの奇数次高調波成分に基づいて、ウエハマークMの位置情報を計測する画像処理系62とを備えている。すなわち、ブロードバンドな照明光を用いて、振幅が大きい奇数次高調波成分に基づいてウエハマークMのマーク位置を計測するので、膜の干渉に関わらず、かつ、S/N比が高い状態でマーク位置を精度良く計測することが可能となる。
また、本実施形態では、画像処理系62は、アライメント系ASの集光光学系(第1対物レンズ48、第2対物レンズ58)の色収差によるウエハマークMの強度像の位置ずれデータに基づいて、ウエハマークMの位置情報を補正するので、アライメント系ASの集光光学系の色収差に関わらず、マーク位置を精度良く計測することができる。
この場合、本実施形態では、画像処理系62は、ウエハマークMの位置情報の補正の際に、ウエハマークMの位置情報を計測するための奇数次高調波成分の次数に応じて異なる色収差によるマーク像の位置ずれデータを用いる。各次数の回折光が通過する集光光学系(第1対物レンズ48、第2対物レンズ58)の瞳面内の通過位置が異なるため、各次数ごとに色収差を求めておく必要があるのである。
この色収差補正を実現するため、アライメント系ASは、ウエハマークMの分光反射率特性を計測する分光計59をさらに備えている。画像処理系62は、この分光計59によって測定されたウエハマークMの照明光の波長に対する分光反射率特性に基づいて、アライメントASの集光光学系の色収差に関するマーク位置ずれデータを算出する。そして、算出された集光光学系の色収差によるウエハマークMの位置ずれデータに基づいて、ウエハマークMの計測位置を補正している。このようにすれば、実測された分光反射率特性に基づいて、正確な色収差の補正が可能となる。
また、アライメント系ASは、ウエハマークMの強度像の結像に寄与する回折光の波長を調整可能な色フィルタ50をさらに備えている。色フィルタ50は、分光計59におけるウエハマークMの分光反射率特性とウエハマークMの強度像の位置ずれとの関係を求める際に用いられる。このように色フィルタ50を用いれば、照明光の波長とマークの横ずれとの関係、すなわち色収差による位置ずれを精度良く求めることができる。
また、本実施形態によれば、アライメント系ASはウエハマークMからの回折光のうち、0次光と奇数次数の回折光とを導いて、ウエハマークMの強度像を結像させ、その強度像を光電検出し、検出された強度像に相当する画像信号をフーリエ変換し、そのフーリエスペクトルの奇数次高調波成分に基づいて、ウエハマークMの位置を計測する。これにより、偶数次の回折光と奇数次の回折光とのビートが、奇数次の空間周波数成分としてマーク像に含まれなくなるので、マーク位置を精度良く計測することができる。
上記実施形態に係るアライメント系ASでは、国際公開第98/39689号パンフレットで公開されたアライメントセンサのように、集光光学系の瞳共役位置で干渉信号を取り出しておらず、マーク像の空間で色消しされたウエハマークMの像をフーリエ変換している。これにより、上記実施形態に係るアライメント系ASでは、ブロードバンドの波長域を有する光源を利用することができ、スペックルなどの光学的なノイズの発生に関わりなく、マーク位置を高精度に計測することができる。
なお、上記実施形態のウエハマークMは、様々な変形が可能である。以下、その変形例について幾つか説明する。
例えば、図24に示されるような、細溝マークを採用することができる。このマークは、1周期内の細溝が1本となっている。このマークは、2Pが基本周期となっている。このマークからは、0次光及び奇数次の回折光に加え、±2次回折光も発生するようになるが、アライメント系ASにおける照明光学系の開口数NAiと集光光学系の開口数NAとの和(NAi+NA)と、照明光の最短波長λ0と、基本周期Pとの関係が、上記実施形態と同じになるため、±2次回折光は、アライメント系ASの集光光学系に入射しなくなる。この結果、撮像素子60上に結像するウエハマークMの空間強度像に寄与するのは、0次光と±1次回折光のみとなり、上記実施形態と同様に、0次光と、±1次の回折光とによる強度像の基本周波数成分からマーク位置を検出することができるようになる。
図25には、上述したマークとは異なり、デューティが1対1のままで、細溝化されたマークの一例が示されている。図25は、マークを上から見たときの図であり、その計測方向はX軸方向となっている。図25では、マークの凹部(溝部)がグレイ表示されている。このマークでは、計測方向に関する明部と暗部とのデューティ比は1対1となっている。また、このマークでは、その凹部では、非計測方向(計測方向に直交する方向、ここではY軸方向)に関しても、凹凸パターンが形成されている。また、非計測方向に関するその凹凸のデューティ比は1対1となっている。計測方向では、このマークのデューティ比は1対1に保たれているので、そのマークから発せられる回折光は奇数次のみとなり、上記実施形態と同様に、奇数次の空間周波数成分を用いて、マーク位置を精度良く計測することができる。また、マークは、非計測方向に細溝化されているため、CMPプロセスに対して変形しにくい構造となり、計測方向におけるマークの対称性が維持される。このようなマークを採用すれば、マーク位置を高精度に計測することができる。
図26には、さらなるマークの変形例が示されている。このマークは、図26に示されるマークよりも、非計測方向の凹部が細溝化されている。このようなマークを採用すれば、CMPプロセスによるマーク変形がさらに抑制され、マークの対称性が維持されるようになる。
このように対称性が維持されるようなマークでは、アライメント系ASのベストフォーカス位置からのウエハ面がデフォーカスによって、そのマーク像が横ずれしなくなるため、デフォーカスによるマーク検出位置の誤差も低減することができる。
また、上記実施形態では、σ≧1に設定したために、凹部の深さについては、任意の深さとすることができる。これにより、マークの設計自由度が向上する。また、ウエハマークMを、凸部に対して凹部が狭くなっているマークとしたが、凹部に対して凸部の狭くなっているマークであっても良い。
なお、色フィルタ50の配置位置は、ハーフミラーと、集光レンズとの間であっても良い。色収差が無視できる程度に小さい場合には、色フィルタ50及び分光計59を備えていなくても良い。このように、アライメント系ASの構成は様々な変形が可能である。また、アライメント系ASの照明光の波長も、レジストが感光する波長以外であれば、任意でよく、ハロゲンランプ以外のランプであっても良いことは勿論である。更に、単波長の照明光を射出する光源を複数用いて、広帯域の波長幅を有する照明光を形成するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、凹凸パターンのマークについて説明したが、明部と暗部とが上記実施形態の凸部と凹部と同様に配置形成された明暗マークであっても良い。この他、マークとしては、有限の高調波を発生するマークを採用することができる。例えば、正弦波の振幅分布を有するマーク、正弦波状の位相分布を有するマーク、指数関数的な振幅分布を有するマークを採用することができる。
デューティ比が1対1のマークであっても良い。このようなマークでも、0次光と奇数次の回折光のみが発生するからである。しかしながら、デューティ比が1対1で、マークの反射率が一定の段差マークであった場合には、σ≧1である場合、0次光の強度が総じて弱くなり、マークの強度像コントラストが著しく低下するおそれがある。この点、上記実施形態のような細溝マークは、デューティ比が異なるため、0次光が消失することなく、高コントラストで、マークの強度像を検出することが可能である。
また、本実施形態では、アライメント系ASは、所定の波長帯域(λ0〜λ1)を有する照明光を採用したが、ウエハマークに応じて、マーク計測精度が最も良好な波長の光を選択的に用いることが可能なアライメント系にも、本発明を適用することができる。すなわち、選択した波長に応じた色収差量を用いて、マーク位置を補正するのである。
例えば、マークからの0次光が小さい場合には、マーク計測に先立って、色フィルタ50を用いて、回折光の波長を0次光の強度が大きくなるように変更し、強度像の結像に寄与する回折光の波長を調整するようにしても良い。0次光が強くなると、撮像素子60の撮像面における強度像のコントラストが大きくなり、より高精度にマーク位置を計測することが可能となる。このような色フィルタ50の利用は、ブロードバンドな照明光を用いるアライメント系に限らない。
また、偶数次の回折光が発生するマークであっても良い。この場合には、偶数次の回折光を除去する空間フィルタをアライメント系に備えるようにしても良い。
なお、レチクルR上のレチクルアライメントマークについても、上記実施形態に係るマークと同様の細溝マークとし、本発明を適用することができる。
また、本実施形態は、コヒーレンスファクタを1以上とし、計測するマークをいわゆる細溝マークとする計測方法であるものとして捉えることも可能である。
また、ウエハ面の凹凸又はアライメント系の光学調整の誤差によって、ウエハ面とアライメント系ASの光軸との角度が垂直でない場合も考えられるが、そのような誤差の最大の角度をθとすると、σ>2sinθ+1とすることにより、アライメント系ASの光軸の角度が垂直でないことに起因する反射光のけられを防止することができる。
また、本実施形態では、露光装置100が備えるアライメント系を1つとしたが、アライメント系を複数備えるようにしても良い。図27には、4つのアライメント系の配置例が示されている。個々のアライメント系AS1〜AS4は、図2(A)に示されるアライメント系ASの構成と同じである。各アライメント系AS1〜AS4は、不図示の駆動装置によってXY平面内を微動となっており、各アライメント系の光軸Oa1、Oa2、Oa3、Oa4は、所定の範囲内で任意のXY位置に位置決めすることができるようになっている。これにより、光軸Oa1、Oa2、Oa3、Oa4の相対間隔Xk1、Xk2、Yk1、Yk2は、X軸、Y軸方向のショット間隔の整数倍に設定することが可能であり、4つのアライメント系ASの個々の視野内に、同時に4つのウエハマークを捉えることが可能である。
なお、視野がΦ500〜1000[μm]であれば、各アライメントを駆動する機構は、例えばカム機構などの周知の機械的機構で十分である。
スループットの観点からすると、4つのアライメント系AS1〜AS4を用いて、ウエハW上のショット配列に従って形成された4つのウエハマークMを同時に検出するのが望ましいが、4つの計測点で、同時にベストフォーカス位置でマーク位置を計測するのは物理的に困難である。そこで、4つのアライメント系を用いる場合にも、本実施形態にように、フォーカス方向にウエハステージを動かしつつ、マークの計測を行うようにする。このようにすれば、4つの計測点において、それぞれの計測点をベストフォーカス合わせをする必要がなくなるので、4つの計測点でマークを同時に高精度に計測することが可能になる。なお、ファインアライメントに先立ち、予めフォーカス方向にウエハステージを動かしつつ、4つのアライメント系AS1〜AS4を用いてマーク計測を行っても良い。そして、予めアライメント系毎に、振幅変動曲線を求めるようにすれば、4つの計測点で同時にマーク位置の計測を行うことができる。例えば、ファインアライメント時にアライメント系AS1についての振幅変動曲線の極値となるフォーカス位置において、4つのアライメント系AS1〜AS4を用いて4つの計測点でマークを同時に計測する。アライメント系AS1については、そのフォーカス位置の振幅変動曲線の極値における基準マークの位置変動曲線の値を、オフセット量として取得する。他のアライメント系AS2〜AS4については、各々の振幅変動曲線から、アライメント系AS1についての振幅変動曲線の極値となるフォーカス位置におけるオフセット量を推定する。これにより、ファインアライメント時にフォーカス方向にウエハステージを動かしつつ、マークの計測を行わなくても4つの計測点で同時にマーク位置の計測を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、ベースラインを計測するための基準マークもウエハマークMと同じデザインのマークを用いているので、σ≧1と設定しておけば、収差に経時変化がない限り、マークの段差、反射率などによって、そのマーク計測位置の変動曲線が変化しなくなるので、高精度なベースライン計測が可能となる。この場合のベースライン計測量も、次数毎に求められる。
また、上記実施形態では、検出されたマークの強度像を、奇数次の空間周波数成分に分解して、空間周波数成分の次数毎にマーク位置計測を行ったが、マーク強度像に相当する光電信号のエッジを検出し、そのエッジ位置からマーク位置を検出するエッジ検出法又は自己相関法などを用いてマーク位置を計測するようにしても良い。このような場合でも、σ≧1と設定しておけば、フォーカスに対するマークの強度像の位置ずれの変動は、マークの段差量などに影響されなくなるので、マーク位置の計測精度が向上する。
上記実施形態では、アライメント系ASは、落射照明方式の検出系であったが、透過照明方式の検出系であっても良い。
また、上記実施形態では、アライメント方式として、EGA方式等のグローバルアライメントを採用したが、ダイ・バイ・ダイ・アライメントを採用しても良いことは勿論である。
また、上記実施形態では、露光光としてKrFエキシマレーザ光(248nm)、ArFエキシマレーザ光(193nm)を用いる場合について説明したが、これに限らず、g線(436nm)、i線(365nm)、F2レーザ光(157nm)、Ar2エキシマレーザ(126nm)、銅蒸気レーザ、YAGレーザ、半導体レーザなどの高調波等を露光用照明光として用いることができる。また、露光光として、例えば国際公開第99/46835号パンフレットに開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態の露光装置100において、投影光学系PLは縮小系、等倍あるいは拡大系のいずれを用いても良いし、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれであっても良い。なお、複数のレンズから構成される投影光学系PLを露光装置本体に組み込む。その後、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージ及びウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線及び配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記各実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置について説明したが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置、又はプロキシミティ方式の露光装置など他の露光装置にも適用できることはいうまでもない。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも本発明を好適に適用することができる。また、例えば国際公開第98/24115号パンフレット、国際公開第98/40791号パンフレットに開示されるような、ウエハステージを2基備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。また、例えば国際公開第99/49504号パンフレットに開示される液浸法を用いる露光装置にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、EUV光(発振スペクトルが5〜15nm(軟X線領域))、X線、あるいは、電子銃として熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いた電子線及びイオンビームなどの荷電粒子線を露光ビームとして用いる露光装置に本発明を適用しても良い。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)、あるいは光反射性の基板上に所定の反射パターンを形成した光反射型マスクを用いたが、これらのマスクに代えて、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いても良い。このような電子マスクは、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されている。
なお、上述の電子マスクとは、非発光型画像表示素子と自発光型画像表示素子との双方を含む概念である。ここで、非発光型画像表示素子は、空間光変調器(Spatial Light Modulator)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器には、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が含まれる。また、反射型空間光変調器には、DMD(Digital Mirror Device,又はDigital Micro-mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパ(又は電子インク)、光回折ライトバルブ(Grating Light Value)等が含まれる。
また、自発光型画像表示素子には、CRT(Cathode Ray Tube)、無機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、又は複数の発光点を1枚の基板に作り込んだ固体光源アレイ(例えばLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ及びLD(Laser Diode)ディスプレイ等)等が含まれる。なお、周知のプラズマディスプレイ(PDP)の各画素に設けられている蛍光物質を取り除くと、紫外域の光を発光する自発光型画像表示素子となる。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光又はVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、上記実施形態では、露光装置の露光光としては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SOR又はプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられる。
また、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。なお、電子線露光装置は、ペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ・アレイ方式、及びマスク投影方式のいずれであっても良い。例えば、電子線を用いる露光装置では、電磁レンズを備えた光学系が用いられる。
また、位置合わせ用のマークは、露光装置での位置合わせだけに用いられるものではなく、例えば、ウエハ上のショット領域の重ね合わせ誤差を測定する重ね合わせ測定器のように、測定に当たりウエハの位置合わせが必要な装置のその位置合わせに用いられるマーク及びアライメント系にも、本発明を適用することが可能である。このように、物体上に形成された位置合わせ用マーク、又は該マークの位置情報を計測する計測装置であれば、本発明を採用することが可能である。
また、本発明のパターン方法は、露光装置に限らず、物体上に形成されたマークの位置情報を計測する本発明のマーク計測装置と、該マーク計測装置で計測された位置情報に基づいて、パターンの形成時における物体の位置を制御する制御装置とを備えた装置であれば、適用が可能である。例えば、特開2004−130312号公報などに開示される,インクジェットヘッド群と同様のインクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置と同様のパターン形成装置にも本発明は適用可能である。上記公開公報に開示されるインクジェットヘッド群は、所定の機能性液体(金属含有液体、感光材料など)をノズル(吐出口)から吐出して基板(例えばPET、ガラス、シリコン、紙など)に付与するインクジェットヘッドを複数有している。従って、基板上に形成されたマークの位置情報をマーク計測装置で計測し、その計測結果に基づいてパターン形成時におけるインクジェットヘッド群に対する基板の相対位置を制御装置で制御するようにすることができる。
なお、本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上述した各種の公報、国際公開パンフレット、米国特許出願公開明細書、及び米国特許明細書における開示を援用して、本明細書の記載の一部とする。
マイクロデバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ、基板処理ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。基板処理ステップでは、基板(ウエハ又はガラスプレート等)に必要な前処理工程を行うステップ、上記実施形態の露光装置などによりマスク(レチクル)のパターンを基板に転写するステップ、露光された基板を現像するステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くステップなどが、繰り返し行われる。
また、上述した露光装置で行われる複数のレイヤの露光のうち、少なくとも1つのレイヤの露光に代えて、前述した素子製造装置を用いて基板上にパターンを形成することとしても良い。この場合も、高精度にパターンを形成することができるので、結果的にデバイスの生産性(歩留まりを含む)の向上を図ることが可能になる。
以上説明したように、本発明の計測方法、計測装置及び処理装置は、マーク位置を計測するのに適している。また、本発明のパターン形成方法及びデバイス製造方法は、デバイスの製造に適している。
Claims (32)
- 物体上に形成された周期マークに照明光を照射する照明光学系と、前記照明光の照射による前記周期マークからの0次光及び奇数次の回折光のみを集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とを備え、前記集光光学系の開口数に対する前記照明光学系の開口数の比率が1以上に設定された検出装置を用いて、前記周期マークのその周期方向に関する位置情報を検出する検出工程を含む計測方法。
- 請求項1に記載の計測方法において、
前記集光光学系に対する前記周期マークのフォーカス位置に関連する位置誤差情報を取得する取得工程をさらに含む計測方法。 - 請求項2に記載の計測方法において、
前記検出工程では、
前記計測が行われたときのフォーカス位置に対応する位置誤差情報を前記位置情報に反映させる計測方法。 - 請求項2に記載の計測方法において、
前記取得工程は、
前記複数の異なるフォーカス位置各々で、周期マークの位置情報を検出する第1副工程と;
前記第1副工程の検出結果に基づいて、前記フォーカス位置に関連する前記周期マークの位置誤差情報を取得する第2副工程と;を含む計測方法。 - 請求項4に記載の計測方法において、
前記第1副工程では、
前記フォーカス位置を常に変化させながら、任意のサンプリング間隔で、前記周期マークの位置情報を検出する計測方法。 - 請求項4又は5に記載の計測方法において、
前記第2副工程では、
前記第1副工程の計測結果に基づいて、前記フォーカス位置の変動に対する前記周期マークの位置情報の変動を表す位置変動曲線を位置ずれデータに対し2次以上の多項式近似手法を用いて作成する計測方法。 - 請求項6に記載の計測方法において、
前記取得工程では、
前記位置変動曲線の極値における前記周期マークの位置ずれ量、又は、極値の前後所定のフォーカス範囲内の全位置ずれデータの平均値を、前記位置誤差情報として取得し、
前記検出工程では、
前記極値に対応するフォーカス位置での近似曲線でのピーク値、又は極値付近の所定のフォーカス範囲内の平均位置ずれ量に基づいて前記周期マークの位置情報を検出する計測方法。 - 請求項4又は5に記載の計測方法において、
前記第2副工程では、
前記フォーカス位置の変動に対する振幅の変動を表す振幅変動曲線を作成し、その振動変動曲線の極値となるフォーカス位置での前記電気信号に基づく前記周期マークの位置ずれ量を、前記位置誤差情報として取得し、
前記検出工程では、
前記極値に対応するフォーカス位置での近似曲線でのピーク値、又は極値付近の所定のフォーカス範囲内の平均位置ずれ量に基づいて前記周期マークの位置情報を検出する計測方法。 - 請求項2〜8のいずれか一項に記載の計測方法において、
前記取得工程では、
前記周期マークの強度像に含まれる空間周波数の次数毎に、前記位置誤差情報を取得する計測方法。 - 請求項9に記載の計測方法において、
前記検出工程では、
前記次数毎に前記周期マークの位置情報を検出し、その検出の際に、その次数に応じた位置誤差情報を計測結果に反映させる計測方法。 - 請求項9に記載の計測方法において、
前記検出工程では、
前記周期マークの位置情報を、前記各次数で検出された前記周期マークの位置情報の重み付け平均とする計測方法。 - 請求項2〜11のいずれか一項に記載の計測方法において、
前記取得工程では、
前記周期マークを、前記集光光学系の視野内の所定の基準位置に位置決めし、位置決めされた前記周期マークの前記周期方向の位置情報の前記基準位置からの位置ずれ量に基づいて、前記位置誤差情報を取得する計測方法。 - 請求項12に記載の計測方法において、
前記基準位置は、前記集光光学系の視野の中心である計測方法。 - 請求項12又は13に記載の計測方法において、
前記検出工程では、
前記取得工程において前記位置誤差情報が取得されたフォーカス位置での前記光電信号に基づいて、前記周期マークの位置情報を検出する計測方法。 - 請求項12又は13に記載の計測方法において、
前記取得工程では、
複数の異なるフォーカス位置で、前記位置誤差情報を取得する計測方法。 - 請求項15に記載の計測方法において、
前記検出工程では、
前記位置情報の検出が行われたときのフォーカス位置に対応する位置誤差情報をその位置情報に反映させる計測方法。 - 請求項1〜16のいずれか一項に記載の計測方法において、
前記周期マークとして、
照明光の入射より発生する回折光のうち、所定次数以下の偶数次数の回折光の強度が弱まるマークを用いる計測方法。 - 請求項17に記載の計測方法において、
前記周期マークは、
第1周期を基本周期とする第1成分と、前記第1周期の偶数倍の第2周期を基本周期とする第2成分とを含むマークである計測方法。 - 請求項18に記載の計測方法において、
前記周期マークは、
前記第1周期を基本周期とし、その周期方向の全長が前記第2周期の半分である周期的な凹凸パターンが、前記第2周期で設けられており、
前記凹凸パターンの凹部の周期方向の幅は、前記第1周期の半分よりも短くなるように設定されている計測方法。 - 請求項19に記載の計測方法において、
前記照明光学系の開口数と前記集光光学系の開口数との和が、前記照明光の波長を前記周期マークの基本周期のうちの最短の周期で除算した値よりも小さくなるように設定されている計測方法。 - 請求項17に記載の計測方法において、
前記照明光は、所定の波長帯域を有する光であり、
前記取得工程に先立って、
前記周期マークを照明する照明光の波長として、前記周期マークからの0次光が消失しない波長を選択する波長選択工程をさらに含む計測方法。 - 物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、そのマークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とを備え、前記集光光学系の開口数に対する前記照明光学系の開口数の比率が1以上に設定された検出装置を用いて、第1周期を基本周期とする第1成分と、前記第1周期の偶数倍の第2周期を基本周期とする第2成分とを含む周期マークのその周期方向に関する位置情報を検出する検出工程を含む計測方法。
- 請求項22に記載の計測方法において、
前記周期マークの構造を、
前記第1周期を基本周期とし、その周期方向の全長が前記第2周期の半分である周期的な凹凸パターンが、前記第2周期で設けられた構造とし、
前記凹凸パターンの凹部の周期方向の幅を、前記第1周期の半分よりも短くなるように設定する計測方法。 - 請求項23に記載の計測方法において、
前記照明光学系の開口数と前記集光光学系の開口数との和を、前記照明光の波長を前記周期マークの基本周期のうちの最短の周期で除算した値よりも小さくなるように設定する計測方法。 - 物体上の複数の異なる場所に配置された複数マーク各々を同時に計測可能に配置され、前記物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、そのマークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とを備え、そのマークの位置情報を検出する複数の検出装置を用いて、前記集光光学系に対する前記マークのフォーカス位置を所定範囲で変化させながら、任意のサンプリング間隔で、前記マークの位置情報を計測する計測方法。
- 請求項1〜25のいずれか一項に記載の計測方法を用いて、処理対象となる物体上に形成された位置合わせ用マークの位置情報を計測する計測装置。
- 物体上に形成された周期マークに照明光を照射する照明光学系と;
前記照明光の照射による前記周期マークからの0次光及び奇数次の回折光のみを集光する集光光学系と;
集光された光を電気信号に変換する光電変換装置と;
前記電気信号に基づいて、前記周期マークの周期方向に関する位置情報を算出する算出装置と;を備え、
前記集光光学系の開口数に対する前記照明光学系の開口数の比率が1以上に設定されている計測装置。 - 物体上に形成されたマークに照明光を照射する照明光学系と、そのマークからの回折光を集光する集光光学系と、集光された光を電気信号に変換する光電変換装置とをそれぞれ備え、前記物体上の複数の異なる場所に配置された複数の前記マーク各々を同時に計測可能に配置された複数の検出装置と;
前記集光光学系の光軸方向に関する前記物体の位置を所定範囲で変化させながら、任意のサンプリング間隔で、前記複数の検出装置を用いて、前記複数のマークの位置情報を計測する制御装置と;を備える計測装置。 - 請求項26〜28のいずれか一項に記載の計測装置と;
前記計測装置の計測結果に基づいて前記物体の位置を制御する位置制御装置と;を備える処理装置。 - 物体上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
請求項1〜25のいずれか一項に記載の計測方法を用いて、前記物体上に形成された位置合わせ用マークの位置情報を計測する計測工程と;
前記位置情報の計測結果に基づいて、前記パターンの形成時における前記物体の位置を制御する制御工程と;を含むパターン形成方法。 - 請求項30に記載のパターン形成方法であって、
前記物体へのパターンの形成は、エネルギビームにより前記物体を露光することで行われるパターン形成方法。 - 請求項30又は31に記載のパターン形成方法を用いて物体上にパターンを形成する工程と;
前記パターンが形成された前記物体に処理を施す工程と;を含むデバイス製造方法。
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