JP4756341B2 - 位置検出装置及び露光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、位置検出装置及び露光装置に係り、さらに詳しくは、物体上に形成された周期構造マークの位置情報を検出する位置検出装置及び該位置検出装置を備える露光装置に関する。
近年、半導体製造工程では、ウエハ面を平坦化するためのCMP(化学的機械的研磨)プロセスが導入されるようになっている。CMPプロセスは、ウエハ上に形成された位置合わせ用のマーク(ウエハマーク)が変形する要因の1つである。例えば、ウエハマークが凹凸のある回折格子であった場合にはそのエッジが磨耗し、場合によっては、両エッジの磨耗状態に偏りが出て、マークの非対称性が増大する。
ウエハマークの変形によりその非対称性が増大すると、本来対称であるという前提の下に検出されるウエハマークの中心位置の検出結果に誤差が生じる。この誤差は、ウエハマークの非対称性により、そのウエハマークからの回折光の振幅と位相が変化し、それに合わせてウエハマークの強度像における空間周波数成分の振幅と位相が変化して、マークの強度像が横ずれするために生じる。このような誤差を、プロセスオフセットという。マークの非対称性は、ウエハ内、ウエハ毎にまちまちであるため、このプロセスオフセットの大きさも、ウエハ内、ウエハ毎にまちまちとなり、それを単純に補正することは困難である。
回折格子状のウエハマークの非対称性に対して強健なアライメントセンサが幾つか提案されている。例えば、ウエハマークからのその基本周期に関する各次の回折光を、ウエハ面に対する瞳共役位置で分離し、同じ次数の正負の回折光を干渉させ、干渉信号の位相に基づいて、マーク位置を検出するアライメントセンサが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。また、ウエハマークからの回折光により結像するその光学像から、各次の空間周波数成分を分離抽出し、ウエハマークの非対称性による位相変化の少ない次数(一般的には奇数次)の空間周波数成分の位相に基づいて、マーク位置を検出するアライメントセンサも提案されている(例えば、特許文献2等参照)。これらのアライメントセンサは、いずれも、各次の回折光に対応する成分を分離してマーク位置を計測するものである。このようにすれば、ウエハマークの非対称性が増大に対して位相変化が少ない空間周波数成分のその位相に基づいて、マーク位置を検出することができる。しかしながら、現在では、より高いレベルでマークの非対称性に対して頑健なアライメントセンサの出現が望まれるようになってきている。
一方、アライメントマークの計測は、一般に、そのウエハに対する露光開始前に、計測対象となっているマークに対して行われるが、この計測時間のような非露光時間については、できるだけ短縮されるようにするのが望ましい。そこで、従来より、アライメントセンサによるマークの計測時間を短縮する技術が公開されている(例えば、特許文献3、4参照)。しかしながら、現在では、より高いスループットが求められるようになってきている。
特表2000−511004号公報 特開2001−250766号公報 特開平10−223528号公報 特許第3303386号公報
本発明は、物体上に形成された周期構造マークの位置情報を検出する位置検出装置であって、前記周期構造マークで発生する回折光を導いて、前記周期構造マーク像を結像させる結像光学系と;前記結像光学系の瞳面において、前記回折光のうちの特定次数の回折光の前記周期構造マーク像の結像への寄与を抑制する空間フィルタと;前記瞳面内における前記特定次数の回折光の位置に応じて、前記空間フィルタを調整する調整装置と;前記周期構造マーク像の結像に寄与する少なくとも1次の回折光による強度像の位相情報に基づいて、前記周期構造マークの位置情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置である。これによれば、調整装置が、結像光学系の瞳面内における特定次数の回折光の位置に応じて空間フィルタを調整するので、周期構造マークのピッチに応じて結像光学系の瞳面内における位置が変化する特定次数の回折光のマーク像の結像への寄与を確実に抑制することができる。この結果、周期構造マークの非対称性に強く影響を受ける特定次数の回折光の成分をマーク像から除去して、その非対称性によって生ずるマーク位置の検出誤差を低減することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る露光装置100の概略的な構成が示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。図1に示されるように、露光装置100は、照明系10と、レチクルRが保持されるレチクルステージRSTと、投影光学系PLと、ウエハWが保持されるウエハステージWSTと、ウエハW上のマークを計測するためのアライメントユニットASGと、アライメントユニットASGに関するデータの計測を行うための計測ステージMSTと、これらの制御系等とを備えている。
照明系10は、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系10は、レーザ光などのコヒーレントな照明光(露光光)ILを、レチクルステージRSTに向けて−Z側に射出する。
レチクルステージRSTは、レチクルRを、例えば真空吸着により保持している。レチクルステージRSTは、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、Y軸方向に指定された走査速度で移動可能となっている。レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置(レチクルステージRSTに取り付けられた移動鏡15を基準とする位置)は干渉計16によって計測されている。この干渉計16の計測値に基づいて、主制御装置20の指示の下、ステージ制御装置19によりレチクルステージRSTの位置及び速度が制御される。
投影光学系PLは、両側テレセントリックの光学系であり、所定の投影倍率を有する。照明系10からの露光光ILによってレチクルRが照明され、レチクルR上にその照明領域IARが照明されると、レチクルRの回路パターン等の一部の縮小像IAが、投影光学系PLを介して、後述するウエハステージWSTに保持されたウエハW上に投影される。
ウエハステージWSTは、XY平面内を移動可能なステージであり、Z軸回りにも回転可能となっている。ウエハステージWSTの上には、ウエハWが真空吸着などにより保持されるようになる。このウエハWを保持する面は、Z軸方向の高さを微調整可能であり、X軸及びY軸回りにも微小回転可能である。X軸、Y軸、Z軸回りの回転は、投影光学系PLの光軸AXが通過する位置を中心として行われる。すなわち、ウエハステージWSTにおいてウエハWの保持面は、6自由度方向に移動可能である。ウエハステージWSTの6自由度方向の位置(ウエハステージWSTに取り付けられた移動鏡171を基準とする位置)は、干渉計181によって計測されている。この干渉計181の計測値に基づいて、ステージ制御装置19により、ウエハステージWST(そのウエハWの保持面)の位置制御が行われる。
計測ステージMSTも、ウエハステージWSTと同様に、XY平面内を移動可能なステージであり、干渉計182の計測値(計測ステージMST上に取り付けられた移動鏡172を基準とする計測位置)に基づいて、ステージ制御装置19により、そのXY位置が制御されている。計測ステージMSTには、例えば、特開平5−21314号公報(対応する米国特許第5,243,194号明細書)などに開示される複数の基準マークが形成された基準マーク板や、投影光学系PLを介して露光光ILを受光するセンサ(空間像計測器等)などが設けられている。
投影光学系PLの+Y側には、アライメントユニットASGが設けられている。アライメントユニットASGは、アライメントコントローラASCと、9つのアライメントセンサAS1〜AS9とを有している。アライメントセンサAS1〜AS9は、いずれも投影光学系PLの視野の外側に検出視野を有するオフアクシス方式のアライメント光学系である。
図2には、アライメントユニットASGにおけるアライメントセンサAS1〜AS9の位置関係が示されている。前述したように、ウエハステージWST及び計測ステージMSTは、XY平面内を移動可能であり、図1においては、アライメントユニットASGの下方には、計測ステージMSTが位置している様子が示されているが、図2では、アライメントセンサAS1〜AS9の位置関係を説明するために、その下方に、ウエハWを保持するウエハステージWSTが位置している様子が示されている。図2に示されるように、アライメントセンサAS1〜AS9は、ウエハWの外周近傍のXY平面内の円周上及びウエハWの略中心に対向するように、配置されている。
ここで、ウエハWの略中心を通過しX軸に平行な直線X1と直線Y1とで分けられるウエハW面(被露光面)上の4つの象限A〜Dを考える。図2に示されるように、アライメントセンサAS1、AS2の検出視野は、象限A内のウエハ面を捉えている。また、アライメントセンサAS3、AS4の検出視野は、象限B内のウエハ面を捉えており、アライメントセンサAS5、AS6の検出視野は、象限C内のウエハ面を捉えており、アライメントセンサAS7、AS8の検出視野は、象限D内のウエハ面を捉えている。また、アライメントセンサAS9の検出視野は、ウエハW面の略中心を捉えている。
アライメントセンサAS1〜AS9は、アライメントコントローラASCに、XY平面内で移動可能に接続されており、その検出視野のXY位置を調整することが可能となっている。各アライメントセンサの移動範囲は、対応する象限内となっており、同一象限内の他のアライメントセンサと干渉しないように、アライメントコントローラASCにより制御されている。この結果、アライメントセンサAS1〜AS9のいずれかのセンサの検出視野をウエハ面の任意の位置のウエハ面に配置することができるようになり、ウエハ面全体がカバーされる。アライメントセンサAS1〜AS9のXY位置は、不図示のエンコーダ又は干渉計などで計測されている。アライメントコントローラASCは、エンコーダ又は干渉計の計測結果に基づいて、アライメントセンサAS1〜AS9のXY平面内の位置を、目標XY位置にフィードバック制御している。
露光装置100にロードされるウエハWのショットマップ(ショット領域の配列を示すマップ)は、プロセスによって様々であり、ショットマップによっては計測対象のマークの位置も異なる。しかしながら、アライメントセンサAS1〜AS9の検出視野は、XY平面で移動可能であるため、ショットマップの違いに関わらず、マーク位置を計測することが可能である。
また、アライメントセンサAS1〜AS9のXY位置を調整可能とすれば、ウエハW上に形成されたマークを、その計測視野の中心付近で捉えることができるようになるので、アライメントセンサAS1〜AS9内の後述する結像光学系の収差の計測結果への影響を低減することも可能となる。
ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に従って、レチクルステージRST、ウエハステージWST、計測ステージMSTの位置を制御する。ステージ制御装置19の位置制御により、各ステージRST、WST、MSTの独立制御、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向に関する相対同期走査、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとの非干渉制御などが実現される。
主制御装置20は、装置全体を統括制御するコンピュータである。主制御装置20は、上位装置とのデータ送受信の他、ステージ制御装置19に対する各種ステージの制御指令の送信及び制御結果の受信などに代表されるような、露光装置100内の各種構成要素を制御し、露光装置100で行われる露光工程を統括的に管理する。
図3には、アライメント系AS1の概略構成が示されている。図3に示されるように、アライメント系AS1は、光源42、コンデンサレンズ44、ハーフミラー46、第1対物レンズ48、空間フィルタユニット50、第2対物レンズ58、撮像素子60、画像処理系62と、コントローラ64とを備えている。
光源42は、ウエハW上のフォトレジストが感光しない、所定幅の波長帯域の光を発する。このような光源42としては、例えば、ハロゲンランプが好適に用いられる。光源42から発せられる照明光は、十分に広い波長帯域を有しており、これにより、レジスト層での薄膜干渉によるマークの検出精度の低下が防止される。以下では、この照明光の波長帯域を、λ0nm〜λ1nmとする。ここで、λ0<λ1であり、λ0は例えば、633nmである。
光源42からの照明光は、コンデンサレンズ44により平行光に変換される。この平行光はハーフミラー46で反射され、空間フィルタユニット50、第1対物レンズ48を介してウエハW上のウエハマークMの近傍の領域に集光される。すなわち、アライメントセンサAS1は、ウエハマークMを、落射照明する。
本実施形態では、ウエハW上のウエハマークMとして、そのピッチPに対して掘り込み部分の線幅が狭い、一般に細溝タイプといわれる周期的な凹凸パターンを有する回折格子状のマークを採用する。図4には、ウエハマークMの断面図が示されている。図4に示されるように、このアライメントマークの断面構造は、ピッチPに対して掘り込み部分の線幅が狭い、一般に細溝タイプといわれる周期パターンとなっている。なお、図4では図示されていないが、実際には、このウエハマークM上にもフォトレジストが塗布されている。
ウエハマークMからは、この照明光の反射光が射出される。ウエハマークMは、回折格子状のマークであるので、このマークからの反射光は、0次光と、±n(nは、1以上の正の整数)次の回折光となる。ウエハマークMからの各回折光は、第1対物レンズ48により、Z軸方向に平行な光に変換される。この変換により、第1対物レンズ48と、第2対物レンズ58とによって形成される結像光学系の瞳面内の各回折光の通過位置が決定される。これらの回折光は、空間フィルタユニット50に入射する。
図5(A)、図5(B)には、空間フィルタユニット50の概略構成が示されている。図5(A)は、空間フィルタユニット50を+X側から見た側面図であり、図3の空間フィルタユニット50を拡大した図である。図5(B)は、空間フィルタユニット50を−Z側から見た上面図である。
図5(A)に示されるように、空間フィルタユニット50は、空間フィルタターレット51と、回転モータ53とを備えている。空間フィルタターレット51は、回転モータ53の駆動により、回転可能となっている。回転モータ53の回転量は、コントローラ64(図3参照)によって制御されている。
図5(B)に示されるように、空間フィルタターレット51には、4つの空間フィルタ521〜524が形成されている。空間フィルタ521〜524には、同心円状に複数の遮光部(ステンシル)が設けられている。これらの遮光部は、0次光以外の偶数次の回折光を遮蔽するために、0次光以外の偶数次の回折光が通過する位置に対応して配置されている。なお、照明光の波長をλとし、ウエハマークMのピッチをMとし、1次回折光と0次光とのなす角度をθ0とすると、照明光がウエハWに垂直に入射する場合には、sinθ0=λ/Pの関係が成立する。したがって、2次回折光の位置は、2λ/Pとなり、4次回折光の位置は、4λ/Pとなり、これらの位置に遮光部が形成されることとなる。このように、ウエハマークMからの回折光の出射角度は、そのマークのピッチによって異なるため、瞳面内の0次光以外の偶数次回折光の通過位置もマークピッチに応じて異なるようになる。このため、この空間フィルタターレット51には、遮光位置が異なる空間フィルタが複数設けられている。なお、照明光の波長帯域は、λ0〜λ1[nm]となっているため、実際には、遮光部は、半径方向に長くなっている。
コントローラ64は、アライメントコントローラASC及び画像処理系62を介して主制御装置20から送られるマークに関するデータに含まれるそのピッチ情報に応じて回転モータ53を駆動して空間フィルタターレット51を回転させ、そのマークからの0次光以外の偶数次回折光を確実に遮蔽することが空間フィルタ521〜524を光路上に配置する。これにより、空間フィルタユニット50を通過する回折光は、0次光と奇数次の回折光のみとなる。
0次光及び奇数次の回折光は、ハーフミラー46を通過した後、第2対物レンズ58に入射する。第2対物レンズ58から射出された各回折光は、撮像素子60の撮像面に入射する。撮像素子60は、例えば2次元CCD(電荷結合素子)である。撮像素子60の撮像面は、ウエハWの面と共役位置にあり、撮像素子60の撮像面上に、ウエハマークMの光学強度像が結像するようになっている。撮像素子60の撮像面には0次光も入射するので、この光学強度像は、ウエハマークMからの0次光が結像に寄与する、いわゆる明視野像となる。
撮像素子60は、ウエハマークMの光学強度像に相当する情報が含まれる撮像面上の光強度分布を電気信号に光電変換し、その電気信号を画像信号として画像処理系62に送る。画像処理系62は、その画像信号に対する画像処理を行い、ウエハマークMの位置情報を検出する。具体的には、画像処理系62は、この画像信号のうち、回折格子状のウエハマークMの基本周期の1つに対応する基本周波数成分及び奇数次高調波成分の少なくとも1つ(すなわち少なくとも1つの奇数次の空間周波数成分)の位相をフーリエ変換により求め、この位相をウエハW上でのウエハマークMの設計位置座標からの横ずれ量に変換する。
基本周波数成分及びその奇数次高調波成分のうち、どの次数の成分を計測に用いるかは任意であるが、実際の計測精度に基づいて、最も良好なもの、すなわち検出誤差が少ない成分を選択することができる。例えば、アライメントセンサAS1の結像光学系の収差(後述するコマ収差)や、マークの非対称性などの影響が小さい成分を選択することができる。また、各次の奇数次高調波成分で検出されたマーク位置の重み付け平均値を、最終的なマーク位置として算出するようにしてもよい。
画像処理系62は、このような画像処理により、検出視野内におけるウエハマークMの位置座標を算出する。そのウエハマークMの位置座標のデータは、アライメントコントローラASCを介して主制御装置20に送られる。
アライメントコントローラASCは、ウエハマークMを、アライメントセンサAS1〜AS9の検出視野内に収めるために、アライメントセンサAS1〜AS9をXY平面内で駆動させる。アライメントコントローラASCは、エンコーダ又は干渉計からのアライメントセンサAS1〜AS9のXY位置の計測値に基づいて、アライメントセンサAS1〜AS9のXY位置が一定に保たれるように制御させた状態でアライメントセンサAS1〜AS9に、検出視野内の画像信号を取得させ、所定の画像処理を行って、検出視野内のウエハマークMの位置を検出させる。
残りのアライメントセンサAS2〜AS9の概略構成も、上述したアライメントセンサAS1の概略構成と同じとなっているため、詳細な説明を省略する。
ところで、アライメントセンサAS1〜AS9における結像光学系(第1対物レンズ48、第2対物レンズ58)の収差のうち、マーク位置の検出精度に影響を与えるのは、主としてコマ収差である。これは、アライメントセンサAS1〜AS9の結像光学系のコマ収差により、ウエハマークMの空間強度像の位相が変化するためである。そこで、本実施形態では、検出されるマークの位置情報から、コマ収差による横ずれ量をキャンセルする。
低次のコマ収差は、例えば、フリンジツェルニケ多項式におけるZ7、Z8で表される。瞳関数としてZ7を考えると、瞳関数F(ξ,η)は次式のようになる。
Figure 0004756341
ここで、ρ,ψは、次式で示されるように瞳座標を示し、Z7は、瞳上の遅れを示す。
Figure 0004756341
ここで、物体のスペクトルをf’、f”とする。クロスモジュレーション係数T(f’,f”)は、次式で定義される。
Figure 0004756341
ここで、F(ξ,η)は前述のとおり瞳関数である。*は、その瞳関数の複素共役である。また、σ(ξ,η)は、有効光源である。ここで、1次元の複素振幅分布o(x)で示されるウエハマークMの強度像の結像を考える。部分コヒーレント照明による強度像は、次式で示される。
Figure 0004756341
ここで、O(ξ)は、o(x)のフーリエスペクトルを示す。
ここで、ウエハマークMの断面形状と、アライメント系ASの結像光学系の収差との関係について詳細に考察する。ウエハマークMのピッチが、P=1/fhであるとする。ウエハマークMの周期構造を、振幅と位相の1次元の分布であると仮定すると、次式のobfr(x’)が得られる。x’は、物面(ウエハ面)に対する像面上の換算座標である。
Figure 0004756341
ここで、c0、c-1、c+1、c-2、c+2、c-3、c+3、c-4、c+4、c-5、c+5は、フーリエ係数であり、θ0、θ-1、θ+1、θ-2、θ+2、θ-3、θ+3、θ-4、θ+4、θ-5、θ+5は、各スペクトルの位相を表す。
本実施形態では、このフーリエスペクトルのうち、偶数次の回折光によるスペクトルのみを空間フィルタユニット50を用いて遮断する。これにより、撮像素子60の撮像面上に現れるウエハマークMの複素振幅として、次式で示されるフーリエスペクトルoaft(x)が得られるようになる。
Figure 0004756341
上記式(5)、式(6)に示されるように、ウエハマークMの空間強度像に含まれる奇数次高調波成分は、ウエハマークMからの0次光と、奇数次の回折光との組合せのみによって成り立っている。これは、アライメント系AS1の結像光学系の収差とウエハマークMの位置の分離という観点で大変重要な結論である。Nを奇数とすると、ウエハマークMの強度像に含まれるN次成分IhH-odd(x’)は、次式で示される。
Figure 0004756341
ここで、φhNは、N次の回折光が蒙る収差量であり、次式で示される。
Figure 0004756341
φhNは、対物レンズの収差量が既知であれば、既知の量となり、ウエハマークMによって変化することはない。したがって、各次数の回折光に与える結像光学系の収差が与える量は既知の固定値(オフセット)となる。どのようなマークであっても、そのオフセットにより位相を補正すれば、結像光学系の収差の影響を除去することができる。
本実施形態では、空間周波数成分の次数(すなわち±奇数次の回折光の次数)ごとに、このオフセットを予め計測しておく。例えば、3次高調波成分におけるオフセットは、例えば、0次光と1次回折光とによる空間周波数成分に基づいて計測されるマーク位置と、0次光と3次回折光とによる空間周波数成分に基づいて計測されるマーク位置とのずれから、検出することができる。本実施形態におけるウエハマークMは、偶数次の回折光による空間周波数成分がほぼ0となるので、このオフセットを精度良く検出することができる。
この計測結果は、不図示の記憶装置に格納され、画像処理系62によって管理される。画像処理系62は、ウエハマークMの強度像に相当する信号に基づいて、マーク位置を計測する際には、検出に用いた空間周波数成分の次数に対応するオフセットを用いて、計測されたマーク位置を補正する。
なお、第1対物レンズ48の視野内でコマ収差量が異なる場合もある。この場合には、視野内の複数のサンプル地点で上述したオフセット(収差量)を管理し、マークの検出視野内の位置近傍のサンプル地点でのコマ収差量を用いて補正すればよい。さらに、ウエハマークMが、できるだけ検出視野の中心に位置するように、アライメントセンサAS1〜AS9を移動させたうえで、マーク計測を行うようにしてもよい。また、経時的な収差変動が懸念される場合には、定期的にコマ収差量を計測して、管理するコマ収差量を更新していけばよい。
一方、上記式(7)におけるθ-N、θ+Nは、ウエハマークMの位置とその断面形状を現している。断面形状は、半導体の製造工程(プロセス)などの影響による非対称性などを表している。アライメント系AS1〜AS9の画像処理系62では、θ-N、θ+Nとマークピッチとに基づいて、その次数における高調波成分のウエハマークMの位置を算出するが、ウエハマークMの位置の計測結果については、ウエハW内の複数の異なる位置、又は複数のウエハWの間で、ばらつきが少ない方が望ましい。そこで、アライメント系ASの画像処理系62では、計測結果のばらつきの少ない次数(例えば、3次や5次)の空間周波数成分を選択して計測する。この次数は、予め決定されている。例えば、3次の空間周波数成分から得られ上記オフセットによる補正が行われたマーク位置と、5次の空間周波数成分から得られ上記オフセットによる補正が行われたマーク位置との平均値を、最終的なマーク位置とすることができる。
次に、露光装置100における露光動作について説明する。なお、前提として、レチクルステージRST上にレチクルRがすでにロードされ、レチクルアライメント等の所定の準備作業が完了しているものとする。
まず、ウエハステージWST上に、露光対象となるウエハWをロードする。このウエハWは、すでに1層以上のショット領域が形成されたウエハである。このウエハW上のショット領域に付設されたマークは、図4に示される細溝マークであるものとする。
続いて、主制御装置20は、ステージ制御装置19を介して、このウエハWを吸着保持したウエハステージWSTを、アライメントユニットASGの下方に移動させ、サーチアライメント及びウエハアライメントを行う。このサーチアライメント及びウエハアライメントでは、アライメントユニットASGを用いて、ウエハW上に形成された各種アライメントマークのXY座標系における位置情報を計測する。この計測のために、そのマークが付設された複数のショット領域(サンプルショット)を、アライメントセンサAS1〜AS9の下方に位置させるべく、ステージ制御装置19を介して、ウエハステージWSTを順次移動させる。
図6には、このウエハWのショットマップの一例が示されている。図6では、ショット領域のうち、付設されたウエハマークMが計測対象となっているショット領域、すなわちサンプルショットS1〜S9がグレイ表示されている。図6に示されるように、ここでは、サンプルショット領域が、ウエハWの略中心に1つ、ウエハWの4象限それぞれに2つずつ、計9ショットだけ選択されている。アライメントユニットASGは、それぞれのサンプルショット領域に付設されたマークのうち、X軸方向の位置の検出用のマーク(以下、Xマークとする)を、アライメントセンサAS1〜AS9の検出視野が捉えるように、アライメントセンサAS1〜AS9をXY方向に移動させる。
マーク位置計測の際には、アライメント系AS1〜AS9のコントローラ64は、まず、ウエハマークMのピッチPに応じた空間フィルタを、空間フィルタ521〜524の中から選択し、選択されたフィルタを光路上に配置する。
次に、アライメント系AS1〜AS9は、照明光をウエハマークMに照射する。この照射により、ウエハWの表面で反射又は回折された光は、第1対物レンズ48及び第2対物レンズ58等を介して撮像素子60で受光される。撮像素子60は、撮像面に結像したXマークの像を電気信号に変換し、その信号を、画像信号として、画像処理系62に出力する。画像処理系62は、マーク位置の計測に用いる少なくとも1次の奇数次の空間周波数成分を分離抽出する。画像処理系62は、前述のように、抽出された奇数次の空間周波数成分の位相とマークピッチとに基づいてXマークのX位置座標を算出する。そして、そのマークのX位置座標を、選択した各次数に対応するコマ収差量で補正する。補正した結果が、最終的なマーク位置となる。画像処理系62で算出された、アライメント系AS1〜AS9の撮像視野内におけるXマークの位置情報は、アライメントコントローラASCを介して、主制御装置20に送られる。
次に、ウエハステージWST又はアライメントセンサAS1〜AS9を駆動して、サンプルショット領域のY位置情報を検出するためのマーク(Yマーク)をXマークと同様に検出する。その位置情報は、アライメントコントローラASCを介して、主制御装置20に送られる。
主制御装置20は、この9個のXマークと、Yマークの位置情報と、アライメント系AS1〜AS9の位置情報、そして、ステージ制御装置19を介して干渉計181から得られるウエハステージWSTの位置情報とに基づいて、XY座標系におけるウエハマークMの位置座標を算出する。
ウエハアライメントでは、主制御装置20は、このようにアライメントセンサAS1〜AS9により計測されたウエハマークMの位置情報で、例えば、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号明細書に示されるように、ウエハWのショット領域の配列座標系を統計的に算出する。そして、その配列座標系にあわせて既存のショット領域上に走査露光を行う。これにより、レチクルRのパターンが、ウエハW上に既に形成されたショット領域に対して、正確に重ね合わせ転写される。
ところで、この露光中、計測ステージMST上の基準マーク板を用いた、アライメント系AS1〜AS9の検出視野の検出中心の位置関係の計測が行われる。ここでは、基準マーク板に形成された基準マークを、各アライメントセンサの検出視野に順次移動させ、基準マークの位置情報を検出させる。この場合、干渉計182の計測値から算出される基準マークの位置と、アライメントセンサによる基準マークの位置情報と、エンコーダ又は干渉計で計測されるアライメントセンサ自体の位置情報とは、本来一致するはずであるが、経時変化などにより、若干のずれを生じるようになる。そこで、主制御装置20では、これらのずれを算出し、以降のウエハマークMの位置情報の算出に反映する。すなわち、本実施形態では、走査露光中においても、アライメントセンサAS1〜AS9の位置を計測する計測装置と、干渉計182との位置情報とのキャリブレーションを行う。これにより、次回のウエハWに対するウエハアライメントにおいて、ウエハマークの位置情報を常に高精度に検出することが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、アライメントセンサAS1〜AS9において、コントローラ64が、0次光を除く偶数次の回折光を遮光するように、空間フィルタユニット50を調整するので、0次光を除く偶数次回折光のマーク像の結像への寄与を確実に抑制することができる。この結果、ウエハマークMの非対称性に強く影響を受ける0次光を除く偶数次数の回折光の成分をマーク像から除去して、その非対称性によって生ずるマーク位置の検出誤差を低減することが可能となる。
なお、本実施形態では、0次光を除く偶数次の回折光のマーク像の結像への寄与のみを抑制したが、本発明はこれには限られない。例えば、さらに、3次、5次、7次など一部の奇数次の回折光を遮断するようにしてもよい。また、マークの形状により偶数次の回折光によるマーク像の方がマーク位置を精度良く検出できるのであれば、奇数次の回折光を空間フィルタによって遮断することも可能である。
本実施形態に係るアライメントユニットASGにおける空間フィルタユニット50は、ウエハマークMからの回折光の光路上に、択一的に配置可能で、かつ、ウエハマークMの空間強度像の結像への寄与を抑制する結像光学系の瞳面内の位置がそれぞれ異なる複数の空間フィルタ521〜524を有している。コントローラ64は、瞳面内における0次以外の偶数次数の回折光の位置に応じた空間フィルタが光路上に配置されるように、空間フィルタターレット51を回転させる。これにより、ピッチの異なる各種ウエハマークMに対応することが可能となる。
なお、このような空間フィルタユニット50の構成は、本実施形態の構成には限られない。図7には、空間フィルタユニットの他の例として、空間フィルタユニット150が示されている。この空間フィルタユニット150における空間フィルタ152は、アクチュエータA1〜A3により、その中心を回転中心として角度を任意に変更、調整することができる。図7では、空間フィルタ152の中心を通過する直線X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3が示されている。X1とY1、X2とY2、X3とY3は互いに直交している。
空間フィルタ152上には、直線X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3に沿って遮光部が配置されている。直線X1〜X3では、遮光部の相対間隔が異なっており、X1とY1、X2とY2、X3とY3では、遮光部の相対間隔が同じである。コントローラ64では、画像処理系62を介して、主制御装置20から送られるウエハマークMのピッチに応じて、アクチュエータA1〜A3を駆動させ、X1、X2、X3のいずれかがX軸に平行となるように(Y1、Y2、Y3のいずれかがY軸と平行となるように)、空間フィルタを回転させ、偶数次の回折光を遮断する。なお、この空間フィルタ152の構成によれば、X軸方向に3種類、Y軸方向に3種類のピッチのウエハマークMに対応することができることになる。
図7の空間フィルタ152では、その遮光部が離散的に配置されているが、図8に示される空間フィルタユニット250の空間フィルタ252では、遮光部が連続的に配置されている。空間フィルタ252は、コントローラ64によるアクチュエータA1〜A3の駆動により、空間フィルタ252の中心を回転中心として角度Φ(Φ<90°)を任意に変更、調整することができる。空間フィルタ252は、X軸及びY軸方向に関する遮光部の位置が回転角Φに応じて連続的に変化するように設計されている。このようにすれば、ある範囲内の任意のマークピッチに対応することができるようになるのでより望ましい。
図8の空間フィルタ252では、その回転角Φに比例して、空間フィルタの中心から遮光部までの距離が最小の設計値Kminから最大の設計値Kmaxに連続的に変化するように設計されている。空間フィルタ252の回転しろをΦrangeとすると、遮光部の間隔K(Φ)は以下のように設計される。
Figure 0004756341
なお、このような回転可能な円形の空間フィルタに限らず、図9、図10に示されるような、矩形の空間フィルタ152’、252’を用いることも可能である。この場合では、計測対象となるマークは、Yマークとなる。コントローラ64は、ウエハマークMのピッチに応じてX軸方向に空間フィルタを、X軸方向に移動させて、偶数次の回折光の通過位置に遮光部をあわせるようにすればよい。また、空間フィルタ自体を90度回転可能とすれば、Xマークの計測にもこの空間フィルタを用いることができる。
なお、これまでに示したように、透過部が大部分のフィルタではなく、0次光及び奇数次回折光が通過する位置だけ透過部が設けられている空間フィルタを用いるようにしてもよい。
また、空間フィルタとして、液晶基板を採用してもよい。液晶基板では、透明電極を介して印加する電圧によって、透過部と遮蔽部との位置を、自在に調整することができる。コントローラ64は、結像光学系の瞳面内における偶数次数の回折光の位置に応じて、液晶基板における遮光部を生成することになる。
なお、上述したように、本実施形態におけるアライメントセンサの照明光の波長が単一でなく、広がりがある場合は、最短の波長から最長の波長の回折光をカバーするように、遮光部の大きさを決める必要があるが、アライメントセンサの照明光の波長は、単一であってもよい。なお、単一波長における回折光の大きさは照明光のコヒーレンスファクタσによって決まり、回折光の半径は、NAとσとの積となる。
また、本実施形態では、画像処理系62は、ウエハマークMの像の結像に寄与する回折光の次数ごとに、そのアライメントセンサAS1〜AS9の結像光学系の収差情報を管理している。そして、少なくとも1次の回折光による強度像の位相ずれに基づいてウエハマークMの位置情報を算出する際には、ウエハマークMの位置情報の検出の際に用いられた次数の回折光に対応するコマ収差量を用いて、その位置情報を補正する。このようにすれば、アライメントセンサの結像光学系のコマ収差によらず、高精度にマーク位置を検出することができる。
また、本実施形態によれば、ウエハW上に形成されたマークの位置情報を検出可能に配置されたアライメントユニットASGを備えている。主制御装置20は、アライメントユニットASGによって高精度に検出されたマークの位置情報に基づいてウエハWの位置合わせを行い、主制御装置20により位置合わせされたウエハWに対して重ね合わせ露光を行う。これにより、高精度な露光が実現される。
また、本実施形態によれば、ウエハ上の略中心を基準とする4つの象限それぞれに必ずアライメントセンサが配置されているので、各アライメントセンサは、その象限内のマークだけを計測すればよい。このため、アライメント中のウエハステージWST等の移動距離を短くすることができる。この結果、マークの計測が開始されてから全てのマークの計測が完了するまでの時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、検出したマーク位置に対して、マーク像の結像に寄与する回折光の次数に対応するアライメントセンサの結像光学系の収差情報による補正を行ったが、本発明はこれには限られない。例えば、投影光学系PLの視野とアライメントセンサの結像光学系の視野との相対位置関係、すなわち、ベースラインに予め各次数に対応する収差量を加算し、回折光の次数ごとにコマ収差量を考慮したベースラインを管理し、コマ収差量が反映された次数ごとのベースラインを、ウエハアライメントでの配列座標系の算出などに適用するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、照明光の波長が、λ0〜λ1[nm]であり、ある程度の幅をもっているので、アライメントセンサの結像光学系の色収差が無視できない場合もある。この場合には、回折光の光路上に、色フィルタを配置するようにしてもよい。また、照明光の波長を切り替え可能なアライメントセンサにも、本発明を適用することができる。この場合にも、上記実施形態と同様に、切り替えられる波長に応じて変化する偶数次回折光に対応すべく、複数の空間フィルタ、離散的又は連続的な遮光部が複数設けられている空間フィルタなどを適用する必要がある。
また、本実施形態によれば、各アライメントセンサの検出視野の相対位置関係を計測する計測ステージを備えており、その計測ステージを用いた計測により、ステージの干渉計と、アライメントセンサの計測装置との座標系のずれが修正されている。これにより、高精度なアライメントが実現されるとともに、ウエハWの露光中に上記計測が行われるため、ウエハWのスループットの低下を防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、アライメントセンサは、ウエハWに対して検出視野が可動である。これにより、ウエハのショットマップの変更にも対応することが可能となる。しかし、露光対象となるウエハWのショットマップなどに変更がない場合には、アライメントセンサは可動でなくてもよく、大幅な変更がない場合には、一部のアライメントセンサのみ可動であればよい。
なお、空間フィルタユニット50は、結像光学系の瞳位置にあればよく、ハーフミラーと、集光レンズとの間に位置していてもよい。また、空間フィルタは、反射型であってもよい。
レチクルアライメントマークの位置を計測するセンサにも、本発明を適用することができる。また、計測対象のマークは、細溝マークである必要はない。また、反射型のマークに限らず、透過型のマークであってもよい。要は、周期的な構造を有するマークであればよい。
なお、上記実施形態では、アライメントセンサとして、ウエハマークMの空間強度像を撮像し、その撮像信号に基づいてウエハマークMの位置情報を検出したが、レーザ光をウエハW上の点列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてマーク位置を検出するLSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサや、そのアライメントセンサと上記撮像方式とを適宜組み合わせたアライメントセンサにも本発明を適用することは可能である。
また、本発明は、露光光には限定されない。また、投影光学系PLは縮小系、等倍あるいは拡大系のいずれを用いても良いし、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれであっても良い。
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置について説明したが、本発明は、この他、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置、プロキシミティ方式の露光装置など他の露光装置にも適用できることはいうまでもない。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも本発明を好適に適用することができる。
また、例えば国際公開WO98/24115号、WO98/40791号に開示されるような、ウエハステージを2基備えたツインステージ型の露光装置、国際公開WO99/49504号に開示される液浸法を用いる露光装置、レチクルRを用いない、いわゆるマスクレスの露光装置にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、EUV光(発振スペクトルが5〜15nm(軟X線領域))、X線、あるいは、電子銃として熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いた電子線及びイオンビームなどの荷電粒子線を露光ビームとして用いる露光装置に本発明を適用しても良い。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。なお、電子線露光装置は、ペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ・アレイ方式、及びマスク投影方式のいずれであっても良い。例えば、電子線を用いる露光装置では、電磁レンズを備えた光学系が用いられる。
また、このような位置合わせ用のマークは、露光装置での位置合わせだけに用いられるものではなく、例えば、ウエハ上のショット領域の重ね合わせ誤差を測定する重ね合わせ測定器のように、測定に当たりウエハの位置合わせが必要な装置のその位置合わせに用いられるマーク及びアライメント系にも、本発明を適用することが可能である。このように、物体上に形成された位置合わせ用マークやそのマークの位置を計測する計測装置であれば、本発明を採用することが可能である。
以上説明したように、本発明の位置検出装置は、物体上の周期構造のマークの位置情報を検出するのに適しており、本発明の露光装置は、リソグラフィ工程に適している。
本発明の一実施形態に係る露光装置の概略的な構成を示す図である。 アライメントセンサの位置関係を説明するための図である。 アライメントセンサの概略構成の一例を示す図である。 ウエハマークの断面構造を示す図である。 図5(A)は、空間フィルタの側面図であり、図5(B)は、空間フィルタの上面図である。 ショット配列の一例を示す図である。 空間フィルタの変形例(その1)を説明するための図である。 空間フィルタの変形例(その2)を説明するための図である。 空間フィルタの変形例(その3)を説明するための図である。 空間フィルタの変形例(その4)を説明するための図である。
符号の説明
10…照明系、15…移動鏡、16…干渉計、171、172…移動鏡、181、182…干渉計、19…ステージ制御装置、20…主制御装置、42…光源、44…コンデンサレンズ、46…ハーフミラー、48…第1対物レンズ、50…空間フィルタユニット、51…空間フィルタターレット、521〜524…空間フィルタ、53…回転モータ、100…露光装置、150、250…空間フィルタユニット、152、152’、252、252’…空間フィルタ、AS1〜AS9…アライメントセンサ、ASG…アライメントユニット、MST…計測ステージ、PL…投影光学系、RST…レチクルステージ、WST…ウエハステージ。

Claims (10)

  1. 物体上に形成された周期構造マークの位置情報を検出する位置検出装置であって、
    前記周期構造マークで発生する回折光を導いて、前記周期構造マーク像を結像させる結像光学系と;
    前記結像光学系の瞳面において、前記回折光のうちの特定次数の回折光の前記周期構造マーク像の結像への寄与を抑制する空間フィルタと;
    前記瞳面内における前記特定次数の回折光の位置に応じて、前記空間フィルタを調整する調整装置と;
    前記周期構造マーク像の結像に寄与する0次光及び少なくとも±n(nは1以上の整数)次の回折光による強度像の位相情報に基づいて、前記周期構造マークの位置情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置。
  2. 前記特定次数は、0次を除く偶数次であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記空間フィルタは、
    前記回折光の光路上に択一的に配置可能で、かつ、前記周期構造マーク像の結像への寄与を抑制する前記瞳面内の位置がそれぞれ異なる複数のフィルタを有しており、
    前記調整装置は、
    前記瞳面内における前記特定次数の回折光の位置に応じたフィルタを前記光路上に配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
  4. 前記空間フィルタは、
    前記瞳面内において回転又は移動可能で、かつ、前記周期構造マーク像の結像への寄与を抑制する前記瞳面内の位置がその回転方向又は移動方向に関して異なっており、
    前記調整装置は、
    前記瞳面内における前記特定次数の回折光の位置に応じて、前記空間フィルタを回転又は移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
  5. 前記空間フィルタは、変調状態が可変である透過型又は反射型の空間光変調器であり、
    前記調整装置は、
    前記瞳面内における前記特定次数の回折光の位置に応じて、前記空間光変調器の変調状態を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
  6. 前記算出装置は、
    前記周期構造マーク像の結像に寄与する回折光の次数ごとに、前記結像光学系の収差情報を管理しており、
    前記少なくとも1次の回折光による強度像の位相ずれに基づいて前記周期構造マークの位置情報を算出する際には、前記周期構造マークの位置情報の検出の際に用いられた次数の回折光に対応する収差情報を考慮することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  7. 物体上に形成された周期構造マークの位置情報を検出可能に配置された請求項1〜5のいずれか一項に記載の位置検出装置と;
    前記位置検出装置によって検出された周期構造マークの位置情報に基づいて前記物体の位置合わせを行う位置合わせ装置と;
    前記位置合わせ装置により位置合わせされた物体に対してパターン像を投影する投影光学系と;を備える露光装置。
  8. 前記位置合わせ装置は、
    前記マーク像の結像に寄与する回折光の次数ごとに、その次数の回折光に対応する前記結像光学系の収差情報が加味された、前記投影光学系の視野と前記結像光学系の視野との相対位置関係を管理しており、
    前記投影光学系を介して前記パターン像を前記物体に投影するために前記物体の位置合わせを行う際には、前記マークの位置情報の検出の際に用いられた次数の回折光に対応する前記相対位置関係を考慮することを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 物体上の一直線上に並ばないように配置された少なくとも3つの周期構造マークのうちの計測対象となっている周期構造マークの位置情報をそれぞれ検出可能に配置された少なくとも3つの請求項1〜6のいずれか一項に記載の位置検出装置と;
    前記各位置検出装置によって検出された周期構造マークの位置情報に基づいて前記物体の位置合わせを行う位置合わせ装置と;
    前記位置合わせ装置により位置合わせされた物体に対してパターン像を投影する投影光学系と;を備える露光装置。
  10. 前記少なくとも1つの位置検出装置は、前記物体に対して検出視野が可動であることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
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