JPH09190965A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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Publication number
JPH09190965A
JPH09190965A JP8003859A JP385996A JPH09190965A JP H09190965 A JPH09190965 A JP H09190965A JP 8003859 A JP8003859 A JP 8003859A JP 385996 A JP385996 A JP 385996A JP H09190965 A JPH09190965 A JP H09190965A
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JP
Japan
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phase difference
illumination
position detection
light
mark
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JP8003859A
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Inventor
Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸変化量(段差)の極めて小さい位置検出
マークに対しても確実に位置検出を行う。 【解決手段】 照明系瞳面(位置検出マークに対するフ
ーリエ変換面)に、光軸に関して対称に複数の透光部3
2A〜32J,33A〜33Iが形成された照明光束制
限部材6を配置し、結像系瞳面にそれら透光部と共役な
領域及びその周辺を含む領域が位相差付加部34A〜3
4J,35A〜35Iとされた位相差フィルタ16を配
置する。例えば1つの透光部32Eからの照明光の位置
検出マークによる回折光の内で、0次回折光に対して位
相差付加部34Eでπ/2の位相差を付加して、他の回
折光36A〜36C,37A〜37Dをそのまま透過さ
せることにより、1次以上の回折光の位相差に影響を与
えることなく、その位置検出マークの像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た位置検出マークの位置を検出するための位置検出装置
に関し、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液
晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフ
ォトリソグラフィ工程でマスクパターンを感光性の基板
上に転写するために使用される露光装置に備えられ、感
光性の基板上の位置検出マークの位置を検出するための
アライメントセンサに使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体素子等を製造するための
フォトリソグラフィ工程では、フォトマスク又はレチク
ル等(以下、一例として「レチクル」を用いる)に形成
された転写用のパターンを、投影光学系を介してフォト
レジストが塗布されたウエハ又はガラスプレート等(以
下、一例として「ウエハ」を用いる)上に転写する投影
露光装置、又はレチクルのパターンを近接して配置され
たウエハ上に直接転写するプロキシミティ方式の露光装
置等の露光装置が使用されている。
【0003】一般に、半導体素子等はウエハ上に多数層
の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成され
るため、斯かる露光装置においてウエハ上に2層目以降
の回路パターンを転写する際には、露光に先立ってレチ
クルとウエハとの位置合わせ(アライメント)を高精度
に行う必要がある。このアライメントを行うために、ウ
エハ上にはそれまでの工程によって回路パターンと共
に、位置検出マークとしてのアライメントマークが形成
されており、露光装置に装着されたアライメントセンサ
でそのアライメントマークの位置を検出することで、ウ
エハ上の各ショット領域内の回路パターンの正確な位置
を検出できるようになっている。
【0004】従来のアライメントセンサとしては、例え
ばスポット状又はシート状のレーザビームとアライメン
トマークとを計測方向に相対走査し、発生する散乱光や
回折光を検出し、その強度変化に基づいてマーク位置を
検出する方式(以下、「レーザビームスキャン方式」と
呼ぶ)や、回折格子状のアライメントマークに対して例
えば対称に可干渉なレーザビームを照射し、そのアライ
メントマークから発生する1対の回折光よりなる干渉光
の位相に基づいてマーク位置を検出する2光束干渉方式
等のように、レーザビームの散乱や回折を利用して位置
検出を行う方式がある。しかしながら、レーザビームを
使用する場合には、その可干渉性によって、ウエハ表面
とその上に塗布されたフォトレジスト表面との間で多重
干渉が生じ、マークの検出位置に大きな誤差が生じる恐
れがある。
【0005】これに対して、ハロゲンランプ等を光源と
してアライメントマークを含む所定範囲の領域をブロー
ドバンドな光束で照明し、そのマークの結像光学系によ
る像を撮像し、その画像信号に基づいて位置検出を行う
方式(以下、「結像式位置検出方式」と呼ぶ)のアライ
メントセンサも使用されている。この結像式位置検出方
式はFIA(Field Image Alignment)方式と呼ばれるこ
ともある。この結像式位置検出方式では、一般に照明光
束としてブロードバンドな光束が使用されるので、上記
のような多重干渉が生じる恐れはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体集積回路
等の微細化に伴い、成膜工程後で、フォトリソグラフィ
工程前に、ウエハ表面を平坦化する工程が導入されるよ
うになってきた。この工程には、形成する回路パターン
の元となる生成膜の厚さを均一化して素子特性を改善す
る効果と、フォトリソグラフィ工程においてウエハ表面
の凹凸が転写パターンに与える線幅の誤差等の悪影響を
改善する効果とがある。
【0007】しかしながら、従来の結像式位置検出方式
のアライメントセンサように、ウエハ表面のアライメン
トマーク部での凹凸変化や反射率変化に基づいて位置検
出を行う方式においては、平坦化工程によりアライメン
トマーク部での凹凸変化量が著しく減少するため、アラ
イメントマークを検出できなくなる恐れがある。特に、
不透明な生成膜(金属や半導体膜)に対する露光工程で
は、アライメントマーク部は一様な反射率の不透明膜で
被われるため、位置検出はアライメントマークの凹凸変
化のみに頼ることになり、平坦化を行うことによってア
ライメントマークの検出が極めて困難になるという不都
合があった。
【0008】これに関して、ほぼ平坦な被検物上の低段
差のパターンを検出する光学系としては、(イ)暗視野
顕微鏡や(ロ)位相差顕微鏡が周知である。(イ)の暗
視野顕微鏡は、被検物に対するフーリエ変換面である結
像系瞳面に遮光領域を設けて、被検物からの0次回折光
(直進光)を遮光し、高次回折光(散乱光)のみを用い
る方式で像を形成させるものである。この際に、0次回
折光は、被検物の凹凸や反射率変化に関する情報を殆ど
含まない回折光であり、これらの情報は1次以上の高次
回折光に含まれている。この暗視野顕微鏡では、0次回
折光が遮光されて高次回折光のみにより像が形成される
ため、通常の明視野の顕微鏡よりも明瞭に(高いコント
ラストで)段差を可視化することが可能となる。
【0009】一方、(ロ)の位相差顕微鏡は、結像系瞳
面上で0次回折光と他の次数の回折光(及び散乱光)と
の間に位相差を付加して透過せしめる位相差フィルタを
設けたものである。一般に、低段差パターンより発生す
る1次以上の高次回折光の光量は極めて僅かであるが、
その位相差顕微鏡により光量の多い0次回折光も像コン
トラストの形成に寄与させることができるため、暗視野
顕微鏡よりも明るい(光強度の大きい)像を得ることが
できるという利点がある。また、0次回折光と他の次数
の回折光との強度比があまりに大きいと像コントラスト
が低下するため、位相差顕微鏡では0次回折光を減光す
る場合もある。
【0010】また、(イ)の暗視野顕微鏡で結像系瞳面
での遮光部の形状、及び(ロ)の位相差顕微鏡で結像系
瞳面において位相差を付加する部分の形状は、それぞれ
光軸を中心とする円形領域や円環領域であり、これに対
して照明光の2次光源の形状、即ち被検物に対するフー
リエ変換面(照明系瞳面)での光束分布はそれらと共役
な形状としたものであることが多い。
【0011】しかしながら、先ず、従来の暗視野顕微鏡
をウエハ上のアライメントマークの位置検出に用いる
と、不要な0次回折光のみでなく比較的低次の有益な回
折光も遮光されてしまい、像の光強度の忠実度が劣化す
るという不都合があった。同様に、従来の位相差顕微鏡
をウエハ上のアライメントマークの位置検出に用いる
と、0次回折光のみでなく他の次数の回折光に対しても
位相差の付加や減光効果が及んでしまい、像のコントラ
ストや忠実性が劣化するという不都合があった。
【0012】本発明は斯かる点に鑑み、凹凸変化量(段
差)の極めて小さい位置検出マークに対しても、確実に
位置検出を行うことができる結像式位置検出方式の位置
検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による位置検出装
置は、処理対象の基板(10)上に形成された位置検出
マーク(11)を照明する照明光学系(1〜5,8,
9)と、その位置検出マークからの照明光よりその位置
検出マークの像を形成する結像光学系(9,8,18,
25,27)と、その位置検出マークの像を撮像する撮
像素子(28)と、を備え、この撮像素子から出力され
る画像信号に基づいてその位置検出マークの位置を検出
する位置検出装置において、その照明光学系中の、その
位置検出マークの形成面に対する光学的フーリエ変換面
である照明系瞳面上に離散的に分布する複数個の2次光
源(32A〜32J,33A〜33I;38A〜38
G)を形成する照明光束制限部材(6;6A)と、その
結像光学系中の、その位置検出マークの形成面に対する
光学的フーリエ変換面である結像系瞳面に配置され、且
つその照明系瞳面でそれら離散的に分布する複数個の2
次光源と結像関係となる領域及びその近傍の領域を含む
複数個の位相差付加部(34A〜34J,35A〜35
I;39A〜39G)を透過する光束と、それ以外の領
域を通過する光束との間に実質的にπ/2[rad]の
位相差を付加する位相差フィルタ(16;16A)と、
を有するものである。
【0014】この場合、そのπ/2[rad]の位相差
は1/4波長に相当する。更に、そのπ/2[rad]
の位相差の符号は正(進む)、又は負(遅れる)の何れ
でもよく、更に自然数kを用いて(2k+1)π/2
[rad]であってもよい。斯かる本発明においては、
従来の位相差顕微鏡のように大きな2次光源からの照明
光で被検物を照明すると、結像系瞳面では0次回折光と
例えば1次回折光とが部分的に重なってしまうため、0
次回折光以外の回折光も位相差フィルタの影響を受けて
しまうことに鑑みて、照明光束制限部材(6;6A)に
よる複数個の小さい2次光源からの照明光で位置検出マ
ーク(11)を照明する。この結果、1つの2次光源か
らの照明光による位置検出マーク(11)からの結像系
瞳面での回折光を考えると、例えば図5(B)に示すよ
うに、その分布は位相差付加部(34E)に0次回折光
が入射し、その両側をn次回折光(n=±1,±2,
…)(36A,37A,36B,37B,…)が通過す
るような分布となる。即ち、0次回折光と1次以上の回
折光とがそれぞれ異なる領域を通過して分離し易くなる
ために、位相差フィルタ(16;16A)によって容易
にほぼ0次回折光のみに位相差を付加することができ、
他の有益な回折光をそのまま利用することができる。そ
の結果、凹凸変化量(段差)の極めて小さい位置検出マ
ークに対しても、確実に高コントラストな像を形成で
き、この像に基づいて高精度に位置検出を行うことが可
能となる。
【0015】この場合、位相差フィルタ(16;16
A)による複数個の位相差付加部(34A〜34J,3
5A〜35I;39A〜39G)に、透過光束を減光す
る減光手段を設けてもよい。これによって、更に高コン
トラストの像を形成できる場合がある。次に、位置検出
マーク(11)が、計測方向の幅がWで計測方向に周期
Pの周期性を有するマークであるとき、照明光束制限部
材(6;6A)により形成される複数個の2次光源(3
2A〜32J,33A〜33I;38A〜38G)のそ
れぞれの、その位置検出マークの計測方向に対応する方
向の幅Dは、照明光の最短波長をλ1 、最長波長をλ2
として、開口数を単位として次式で定まる幅d1以下に
設定されることが望ましい。開口数を単位とした場合、
開口角をθとして幅Dはsin θに相当するため、光学系
の焦点距離をfとして、その光学系のフーリエ変換面
(瞳面)上での実際の幅D’はf・Dで表される。
【0016】 d1=(λ1 /P−2λ2 /W) (1) これによって、結像系瞳面上で0次回折光と1次回折光
とがほぼ完全に分離されるため、0次回折光のみに位相
差を付与するのが容易となる。また、位相差フィルタ
(16;16A)による複数個の位相差付加部(34A
〜34J,35A〜35I;39A〜39G)のそれぞ
れの、位置検出マーク(11)の計測方向に対応する方
向の幅D1は、開口数を単位として照明光束制限部材
(6;6A)により形成される複数個の各2次光源(3
2A〜32J,33A〜33I;38A〜38G)の幅
Dに対して次式で定まる値d2以上に設定されることが
望ましい。
【0017】d2=(D+2λ2 /W) (2) これによって、位置検出マーク(11)の計測方向の幅
Wが有限でその0次回折光が±λ2 /W程度計測方向に
広がっていても、位相差フィルタ(16;16A)によ
ってほぼその0次回折光の全部に位相差を付与できる。
更に、照明光束制限部材(6;6A)により形成される
それら複数個の2次光源のそれぞれの、その位置検出マ
ークの計測方向に対応する方向の幅Dを、開口数を単位
として0.06以下に設定するようにしてもよい。これ
は、上述の(1)式で波長λ12 をそれぞれ550n
m,750nm、その位置検出マークの周期Pを6μ
m、その位置検出マークの計測方向の幅Wを50μmと
して幅d1を0.06とした場合に相当する。即ち、通
常の使用条件では、その幅Dを0.06以下とすること
によって、結像系瞳面上で0次回折光と1次回折光とが
ほぼ完全に分離されるようになる。
【0018】同様に、位相差フィルタ(16;16A)
によるそれら複数個の位相差付加部のそれぞれの、その
位置検出マークの計測方向に対応する方向の幅D1を、
開口数を単位として照明光束制限部材(6;6A)によ
り形成されるそれら複数個の各2次光源の幅Dに対して
(D+0.03)以上に設定してもよい。これも、上述
の(2)式で波長λ2 を750nm、その位置検出マー
クの計測方向の幅Wを50μmとした場合に相当する。
即ち、通常の使用条件では、それら位相差付加部の幅D
1を(D+0.03)以上とすることによって、結像系
瞳面上で0次回折光のほぼ全部に位相差を付加できる。
【0019】次に、上述の発明において、その照明光束
制限部材によりその照明系瞳面上に形成されるそれら複
数個の2次光源の一例は、例えば図6に示すように、そ
の照明光学系の光軸に関して点対称に分布すると共に、
その位置検出マークの非計測方向に対応する方向で同じ
位置に分布する2つの2次光源(38A,38B)を有
し、これら2つの2次光源のその位置検出マークの計測
方向に対応する方向の中心間隔D2は、照明光の中心波
長をλとして、λ/Pの整数倍とならないように設定さ
れるものである。
【0020】この場合、それら2つの2次光源(38
A,38B)の一方からの照明光の回折光の結像系瞳面
上での計測方向の間隔は、λ/Pとなるため、2次光源
(38A,38B)の間隔をλ/Pからずらしておくこ
とによって、2次光源(38A,38B)に対応する結
像系瞳面での位相差付加部(39A,39B)によって
その位置検出マークからの1次回折光が影響されること
がなく、確実にその位置検出マークの像が形成される。
また、それら2次光源の分布を光軸に関して点対称とす
ることによって、得られる像の対称性が確保される。
【0021】更に、その間隔D2はλ/Pの半整数倍、
即ち整数nを用いて(n+1/2)λ/Pに設定される
ことが望ましい。これによって、1次回折光が位相差付
加部の間を通過し易くなる。また、上述の発明におい
て、その照明光束制限部材によりその照明系瞳面上に形
成されるそれら複数個の2次光源の他の例(32A〜3
2J,33A〜33I)は、例えば図5に示すように、
その照明光学系の光軸に関して点対称に分布すると共
に、その位置検出マークの非計測方向に対応する方向で
同じ位置に複数個の2次光源が存在しないように分布す
るものである。
【0022】これによって、例えば1つの2次光源(3
2E)によってその位置検出マークから発生する1次以
上の回折光(36A,37A,36B,37B,…)は
位相差付加部を通過しないため、その位置検出マークの
像が確実に形成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による位置検出装置
の実施の形態の一例につき、図面を参照して説明する。
本例は、投影露光装置に備えられるオフ・アクシス方式
で、且つ結像式位置検出方式のアライメントセンサに本
発明を適用したものである。先ず、図12は本例のアラ
イメントセンサを備えたステッパー型の投影露光装置の
一例を示し、この図12において、照明光学系51から
の露光用の照明光(水銀ランプの波長365nmのi線
等の輝線、又は波長248nmのKrFエキシマレーザ
光等)ILはレチクル52の下面(パターン形成面)の
パターンを均一な照度分布で照明し、そのパターンが投
影光学系54により投影倍率β(βは例えば1/5)で
縮小されて、フォトレジストが塗布された半導体ウエハ
(以下、単に「ウエハ」という)10上の各ショット領
域に投影される。以下では、投影光学系54の光軸AX
Pに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図14の
紙面に平行にX軸を取り、図14の紙面に垂直にY軸を
取って説明する。
【0024】レチクル52は、このレチクル52をX方
向、Y方向に位置決めすると共に、所望の角度だけ回転
して固定するレチクルステージ53上に保持されてい
る。一方、ウエハ10は不図示のウエハホルダを介して
ウエハステージ12に保持されている。ウエハステージ
12は、X方向及びY方向にウエハ10の位置決めを行
い、ウエハ10のZ方向の位置(フォーカス位置)を制
御すると共に、ウエハ10の傾斜角の補正を行う。ま
た、ウエハステージ12の上面にその表面がウエハ10
の表面と同じ高さになるように基準板13が固定され、
基準板13の表面にベースライン計測(投影光学系54
の光軸AXPとアライメントセンサの検出中心との間隔
の計測)等に用いられる基準マークが形成されている。
【0025】更に、ウエハステージ12上に固定された
移動鏡14と、対向するように配置されたレーザ干渉計
15とによりウエハステージ12(ウエハ10)のX座
標、及びY座標が常時0.01μm程度の分解能で計測
されている。このようにレーザ干渉計15により計測さ
れる座標に基づいて定まる座標系を、ステージ座標系
(X,Y)と呼ぶ。レーザ干渉計15により計測された
座標は装置全体の動作を統轄制御する主制御系55、及
び後述の画像処理系29に供給され、その供給された座
標に基づいて主制御系55は、ウエハステージ駆動系5
6を介してウエハステージ12の位置決め動作を制御す
る。具体的に、ウエハ10上の或るショット領域への露
光が終了すると、ウエハステージ12のステッピング動
作によって次のショット領域を投影光学系54の露光フ
ィールド内に位置決めして露光を行うという、ステップ
・アンド・リピート方式で露光が行われる。
【0026】また、図14の投影露光装置には、ウエハ
10上の各ショット領域に付設された位置検出マークと
してのアライメントマーク(ウエハマーク)の座標を検
出するための、オフ・アクシス方式で且つ結像式位置検
出方式のアライメント光学系57、及び画像処理系29
よりなるアライメントセンサが設けられている。このア
ライメントセンサのアライメント光学系57の詳細な構
成については後述する。
【0027】アライメント光学系57で光電変換して出
力される撮像信号DSが画像処理系29に供給され、画
像処理系29にはレーザ干渉計15で計測されるウエハ
ステージ12の座標も供給されている。画像処理系29
では、その撮像信号DSを処理して得られるアライメン
トマークのアライメント光学系57内の指標マークに対
する相対位置に、レーザ干渉計15で計測される座標を
加算することによって、検出対象のアライメントマーク
のステージ座標系での座標値を検出し、この座標値を主
制御系57に供給する。主制御系57では、例えばウエ
ハ上の所定個数のショット領域(サンプルショット)に
付設されたアライメントマークの座標の計測値、及びウ
エハ上の全部のショット領域の設計上の配列座標より所
謂エンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)
方式でそれら全部のショット領域のステージ座標系での
配列座標を算出する。
【0028】また、アライメント光学系57の検出中心
(例えば指標マークの中心)から投影光学系54の光軸
AXP(露光中心)までの距離であるベースライン量
は、予め基準板13を用いて求められて主制御系55内
の記憶装置に記憶されている。従って、主制御系55
は、算出された配列座標をそのベースライン量で補正し
て得られた座標に基づいてウエハステージ12を駆動す
ることにより、ウエハ上の各ショット領域に高い重ね合
わせ精度でレチクルのパターン像を転写できる。
【0029】次に、本例の結像式位置検出方式のアライ
メントセンサの構成につき詳細に説明する。以下では計
測方向がX方向(X軸に平行な方向)のアライメントマ
ークを検出する機構につき説明するが、計測方向をY方
向とするアライメントマークについても同様の機構で検
出される。図1は、本例のアライメント光学系57の概
略構成、及び画像処理系29を示し、この図1のアライ
メント光学系57において、ハロゲンランプ等の光源1
から射出された広帯域の照明光束は、コンデンサレンズ
2、及びシャープカットフィルタ又は干渉フィルタ等か
らなる波長選択素子3を経て、照明視野絞り4に入射す
る。波長選択素子3は、ウエハ10上に塗布されたフォ
トレジストに対して非感光性の波長域(本例では波長5
50nm〜750nmの波長域)の光束のみを透過させ
る光学フィルタである。但し、本例のアライメントセン
サを、例えば露光、及び現像後のウエハ上の回路パター
ンと転写されたレジストパターンとの重ね合わせ誤差の
検出装置として使用するのであれば、フォトレジストの
感光を防ぐ必要はないため、波長選択素子3を設けるこ
となく、より短い露光波長に近い波長の照明光を使用し
てもよい。
【0030】照明視野絞り4を透過した照明光束は、リ
レーレンズ系5を経て、照明光束制限部材6に入射す
る。そして、照明光束はビームスプリッタ8、及び対物
レンズ群9を介して、ウエハ10の表面のアライメント
マーク11を含む照明領域(観察視野)に入射する。本
例では、照明光束制限部材6は、ウエハ10の表面(ア
ライメントマーク11の形成面)に対して、対物レンズ
群9とビームスプリッタ8とを介して光学的にフーリエ
変換の関係となっている面(以下、「照明系瞳面」と呼
ぶ)に配置されている。即ち、照明光束制限部材6内で
照明系光軸AXIから位置ずれ量ΔRIの位置を通過し
た照明光束が、ウエハ10の表面に入射する際の入射角
をθinとすると、その位置ずれ量ΔRIはその入射角θ
inの正弦に比例する。
【0031】また、光源1の発光部は照明光束制限部材
6の配置面と光学的にほぼ共役となっており、ウエハ1
0の表面は光源1からの照明光によってほぼケーラー照
明されている。但し、本例では照明光束制限部材6内の
後述の複数の透光部(2次光源)は2次元的に分布して
いるため、それらの透光部をほぼ均一に照明するため
に、照明光束制限部材6を光源1の発光部との共役面か
ら或る程度デフォーカスさせてもよい。また、光源1か
らの照明光の代わりに、所定の大きさの断面形状を有す
る光ファイバ束で導いた照明光等を使用してもよい。
【0032】本例の照明光束制限部材6は、照明系瞳面
内の離散的な複数箇所のみに2次光源を形成するもので
あり、その詳細は後述する。また、照明光束制限部材6
は、その中心が照明光学系の光軸AX1と一致するよう
にスライダよりなる可動部材7に保持されている。そし
て、可動部材7を介して照明光学系の光路に対して照明
光束制限部材6が挿脱自在となっている。従って、本例
では、可動部材7によって後述する本例の照明条件と通
常の照明条件とを切り換えることができ、アライメント
マーク11の段差量(及び/又は微細度や周期、線幅
等)に応じて何れか一方を選択できるようになってい
る。例えば、低段差のアライメントマークに対しては本
例の照明条件が選択されて照明光束制限部材6が光路中
に挿入され、高段差のアライメントマークに対しては通
常照明が選択されて照明光束制限部材6が光路外に退避
される。なお、可動部材7の代わりに、例えばターレッ
ト板等を使用してもよい。
【0033】また、照明視野絞り4は、リレーレンズ系
5〜対物レンズ群9までの一連の光学系を介して、ウエ
ハ10の表面(アライメントマーク11)と共役(結像
関係)となっており、照明視野絞り4の光透過部の形状
に応じてウエハ10上での照明領域を制限することがで
きる。照明視野絞り4は、例えば複数枚の可動ブレード
からなり、アライメントマーク11の大きさや形状に応
じてその複数枚の可動ブレードによって規定される開口
部の大きさや形状を変化させることで、ウエハ10上で
の照明範囲を変更することができる。
【0034】ウエハ10上のアライメントマーク11を
含む照明領域で反射、回折、又は散乱された光束は、対
物レンズ群9、ビームスプリッタ8を経て位相差フィル
タ16に至る。位相差フィルタ16は、ウエハ10の表
面(アライメントマーク11の形成面)に対して、対物
レンズ群9とビームスプリッタ8とを介して光学的にフ
ーリエ変換の関係となっている面(以下、「結像系瞳
面」と呼ぶ)に配置されている。即ち、ウエハ10の表
面から射出角θout で射出された光束が、位相差フィル
タ16内で結像系光軸AXから位置ずれ量ΔRJの位置
を通過するものとすると、その位置ずれ量ΔRJはその
射出角θout の正弦に比例する。
【0035】ここで、位相差フィルタ16は、結像系瞳
面内において、照明光束制限部材6の形成する離散的な
複数の2次光源と結像関係となる領域及びその近傍の領
域を透過する光束と、それ以外の領域を透過する光束と
に、ほぼπ/2[rad]の位相差を生じさせるもので
あり、その詳細は後述する。そして、位相差フィルタ1
6は、上記の位置関係を満たしつつスライダよりなる可
動部材17に保持されている。この可動部材17によっ
て、結像光学系の光路に対して位相差フィルタ16が挿
脱自在に支持されている。従って、本例では可動部材1
7によって、後述する本例の位相差検出と通常の(従来
の)状態での検出とを切り換えることができ、アライメ
ントマーク11の段差量に応じて何れか一方を選択でき
るようになっている。例えば、低段差のアライメントマ
ークに対しては本例の位相差検出が選択されて位相差フ
ィルタ16が光路中に挿入され、高段差のアライメント
マークに対しては通常の状態が選択されて位相差フィル
タ16が光路外に退避される。なお、可動部材17の代
わりに、ターレット板等を使用してもよい。
【0036】ここで、光学的なフーリエ変換の関係を図
2を用いて説明するが、図2中では簡単のために図1の
対物レンズ群9を1枚のレンズで表している。図2にお
いて、対物レンズ群9の一方の焦点面(焦点距離をfと
する)上にウエハ10の表面を配置すれば、他方の焦点
面が光学的なフーリエ変換面(瞳面)FPとなる。そし
て、ウエハ10上での入射角、及び射出角がθである光
束は、それぞれフーリエ変換面(瞳面)FP上で光軸A
Xからf・sin θだけ離れた位置を通ることになる。
【0037】図2では、対物レンズ群9を1枚のレンズ
で表しているが、これが複数枚からなるレンズ系であっ
ても本質的には何ら変わりはなく、複数枚のレンズの合
成焦点面にウエハ10の表面を配置すれば他方の焦点面
がフーリエ変換面(瞳面)となる。そして、対物レンズ
群9と瞳面との間に図1に示すようにビームスプリッタ
8を配することにより、送光側である照明系瞳面と受光
側である結像系瞳面とを分離することが可能となる。ま
た、分離された両瞳面は共にウエハ10の表面に対する
フーリエ変換面であり、即ち両瞳面は、ウエハ10、対
物レンズ群9、及びビームスプリッタ8を介して共役
(結像関係)となっている。
【0038】なお、照明光束制限部材6、及び位相差フ
ィルタ16の形状等の詳細については後述する。位相差
フィルタ16を通過した光束(結像光束)は、レンズ系
18、ビームスプリッタ19を経て、指標板24上にア
ライメントマーク11の像を形成する。一方、指標板2
4は指標板照明用光学系から射出されてビームスプリッ
タ19で反射された照明光によっても照明されている。
この指標板照明用光学系は、発光ダイオード等の光源2
0、コンデンサレンズ21、指標板照明視野絞り22、
及びリレーレンズ系23より構成され、指標板照明視野
絞り22は、リレーレンズ系23、及びビームスプリッ
タ19を介して指標板24と共役、ひいてはウエハ10
の表面と共役になっている。また、指標板24には後述
するようにアライメントマーク11の位置検出に際して
の基準となる指標マークが形成されている。指標板照明
視野絞り22は、指標板24上の指標マークのみが光源
20からの照明光で照射されるように、その指標マーク
と結像関係になる領域に開口を有する。
【0039】指標板照明用光学系(以下、「20〜2
3」で表す)は、この指標マークを照明するためのもの
であり、光源20からの照明光は、アライメントマーク
11への照明光と異なり単色光でもよい。また、光源2
0からの照明光はウエハ10への照射も行われないた
め、その波長がフォトレジストの感光波長であっても構
わない。そこで、光源20として波長500nm程度の
照明光を発光する発光ダイオードを使用して、ビームス
プリッタ19の反射面を、波長選択素子3で選択された
照明光を透過させて光源20からの照明光を反射するダ
イクロイックミラー面とすることで、ウエハ10からの
結像光束、及び指標マークの照明光の利用効率を高め
て、光量損失を抑えることができる。なお、本例では照
明視野絞り4によってウエハ10上での照明範囲が制限
されるので、アライメントマーク11の像が指標マーク
に重畳して形成されることはない。
【0040】指標板24上のアライメントマーク11の
像及び指標マークは、それぞれリレーレンズ系25、開
口絞り26、及びリレーレンズ系27によりCCD等の
撮像素子28上の撮像面にリレーして結像される。画像
処理系29は、撮像素子28からの撮像信号DSに基づ
いて、前述の指標マークの像とアライメントマーク11
の像との位置関係を算出する。この位置関係とレーザ干
渉計15から供給される座標値とからアライメントマー
ク11のステージ座標系での位置が求められる。なお、
開口絞り26は、対物レンズ群9〜リレーレンズ系27
よりなる結像光学系中で、ウエハ10の表面に対して実
質的にフーリエ変換の関係となる面(位相差フィルタ1
6の配置面と結像関係にある面)に配置され、この開口
絞り26によってその結像光学系の開口数が制限され
る。本実施例では、開口絞り26によって結像光学系の
開口数を任意に変更できるように構成されている。
【0041】また、図1では指標板24を結像光学系の
光路中に配置したが、指標板24をその光路外に配置
し、結像系を介して撮像素子28上に指標マークの像を
形成するように構成してもよい。即ち、例えば、指標板
24の代わりに撮像素子28を配置し、且つ指標板照明
視野絞り22の代わりに指標板24を配置すれば、リレ
ーレンズ系25,27が不要となって装置全体を小型化
できる。このとき、指標マーク以外からの光が撮像素子
28に入射しないように、指標板24上の指標マーク以
外の領域は遮光しておくとよい。また、開口絞り26は
位相差フィルタ16と機械的に干渉しないように、その
位相差フィルタ16に近接して配置すればよい。
【0042】ここで、本例のアライメントマーク11の
形状、指標板24、指標板照明視野絞り22、及び照明
視野絞り4の透過部の形状、並びに撮像素子28上に形
成される像の光強度分布の一例につき、図3、及び図4
を用いて説明する。先ず、図4(A)はアライメントマ
ーク11の拡大平面図を示し、図4(B)は図4(A)
の計測方向(X方向)に沿った断面図を示す。即ち、ア
ライメントマーク11はウエハ10の表面において、他
の部分に比べて凹部となった3本の帯状のパターンをX
方向に周期(ピッチ)Pで配列した周期的マークよりな
る。そして、アライメントマーク11上に図4(B)に
示すように、フォトレジスト31が塗布され、計測方向
にアライメントマーク11を含み照明光で照明されてい
る幅Wの領域をマーク領域MAと呼ぶ。本例ではその幅
Wをアライメントマーク11の計測方向の幅とみなす。
【0043】また、図3(A)は照明視野絞り4を示す
図、図3(C)は指標板24を示す図であり、図3
(A)に示す通り、照明視野絞り4上では中央の矩形の
透過部4M以外は全て斜線を施した遮光部となってい
る。その透過部4Mがウエハ10の表面に投影され、透
過部4Mの明るい共役像がアライメントマーク11の照
明領域となる。この照明領域は、図4(B)中の幅Wの
マーク領域MAに相当し、この照明領域を図3(C)に
示す指標板24上に投影した像が、マーク像領域MIと
なっている。即ち、指標板24上のマーク像領域MI内
にアライメントマーク11の像が形成される。
【0044】一方、図3(B)は指標板照明視野絞り2
2を示し、この図3(B)において、指標板照明視野絞
り22内の2箇所の矩形の透過部22L,22R以外は
全て斜線を施して示す遮光部となっている。これらの透
過部22L,22Rからの透過光は、図3(C)に示す
指標板24上においてそれぞれ照明領域LI,RIを照
明する。そして、左右の照明領域LI,RI内には、そ
れぞれ遮光部(バーマーク)である前述の指標マーク2
4L,24Rが形成されている。
【0045】これらの結果、撮像素子28上に形成され
る像の光強度(像強度)の分布は図4(C)の如くな
る。なお、図4(C)では撮像素子28から出力される
撮像信号DSでその像強度を表している。図4(C)に
おいて、図1の光源1からの照明光で照明されたアライ
メントマーク11の像11Pを中心として、その左右に
光源20からの照明光で照明された指標マーク24L,
24Rの像(暗像)24LP,24RPが形成されてい
る。
【0046】また、図4(B)の断面図において、アラ
イメントマーク11の計測方向の左右の領域LA,RA
は平坦な領域とされているが、これらの領域LA,RA
の状態はアライメントマーク11の位置検出には全く影
響しない(照明光で照明されていない)ので、ここに回
路パターン等が存在しても全く問題はない。図1の画像
処理系29では、撮像素子28からの出力される図4
(C)に示す撮像信号DSに基づいて、アライメントマ
ーク11と指標マーク24L,24Rとの位置関係の算
出を行う。この算出過程は、従来の結像式位置検出方式
のアライメントセンサで一般に行われている処理と全く
同様である。例えば、或るスライスレベルSLでの撮像
信号DSのスライス位置L2,L1,M1 〜Mn,R1,R2
求め、これらのスライス位置に基づいて位置検出を行う
ことができる。それ以外に、或るテンプレート信号とア
ライメントマークの像11Pに対応する撮像信号DSと
の相関に基づいて位置検出を行ってもよい。
【0047】また、撮像素子28上の像の形成、従って
撮像素子28から出力される撮像信号の形成には、照明
光に含まれる波長域の光束が寄与するが、アライメント
マーク11と撮像素子28との間に干渉フィルタ、シャ
ープカットフィルタ等の波長選択素子を設ける場合や、
撮像素子28の感度スペクトルが照明光の波長域より狭
い場合には、像形成に寄与する光束は、勿論照明光の波
長域よりスペクトル幅の狭いものとなる。
【0048】これらの位置検出に先立ち、検出位置の基
準となる指標マーク24L,24Rのウエハステージ1
2(ウエハ10)に対する位置関係の計測、即ちベース
ラインチェックを行う必要がある。このため、図14に
おいて例えばウエハステージ12を駆動して、基準部材
13上の基準マークを投影光学系54の露光フィールド
内に移動して、不図示のレチクル用のアライメントセン
サでその基準マークとレチクル52上のアライメントマ
ークとを所定の関係に合わせ込み、そのときのウエハス
テージ12の座標値(レーザ干渉計15により計測され
るステージ座標系での座標値)を第1の計測値として記
憶する。
【0049】その後、図1において、ウエハステージ1
2を駆動して基準部材13上に形成された基準マークを
対物レンズ群9の下の観察視野内に移動し、その基準マ
ークと指標マーク24L,24Rとの位置関係を検出す
る。同時に、このときのウエハステージ12の座標値
(ステージ座標系での座標値)を計測し、この計測値と
上記の基準マークに対する検出値との和を第2の計測値
として記憶し、この第2の計測値から先の第1の計測値
を差し引いて得られる量をベースライン量として記憶す
る。この場合、アライメントマーク11の計測時のレー
ザ干渉計15による計測値と、前述の撮像信号DSから
求めたアライメントマーク11と指標マーク24L,2
4Rとの位置関係との和から、そのベースライン量を差
し引いたものが、アライメントマーク11の露光中心に
対する相対位置となる。
【0050】次に、本例の照明光束制限部材6、及び位
相差フィルタ16とそれらの変形例とについて、それぞ
れ図5と図6とを参照して説明する。図5(A)は図1
中の照明光束制限部材6を示し、図5(B)は図1中の
位相差フィルタ16を示し、これら図5(A)及び
(B)において横軸であるU軸は図4(A)に示したア
ライメントマーク11のX軸に対応し、縦軸であるV軸
はそのアライメントマーク11のY軸に対応する。照明
光束制限部材6、及び位相差フィルタ16は、それぞれ
アライメントマーク11に対する瞳面に配置されるの
で、慣例に従ってU軸、及びV軸を使用している。
【0051】図5(A)に示すように、本例の照明光束
制限部材6は、斜線を施して示す遮光部上に複数個の微
小な矩形(正方形も可)の透光部32A〜32I,32
J,33A〜33Iを形成したものである。このような
照明光束制限部材6としては、金属遮光板上の特定箇所
に透過開口を設けたものや、ガラス等の透明基板上に金
属等で遮光膜を形成し特定箇所の遮光膜を除去したもの
が使用できる。この場合、照明光束制限部材6の上半分
の領域(V>0となる領域)内の透光部32A〜32I
と光軸(U軸及びV軸の原点)に対して対称に、下半分
の領域に透光部33A〜33Iが設けられていると共
に、光軸上に透光部32Jが設けられている。なお、必
ずしも光軸上に透光部32Jを設ける必要はない。ま
た、透光部の個数及び分布位置は図5(A)に限定され
ない。
【0052】このように各透光部を光軸に関して対称に
配置することによって、照明光束制限部材6上の各透光
部の配置は各透光部の照明光量分布の重心位置が光軸と
一致する。これによって、撮像素子28上に得られる像
の対称性が確保される。なお、検出対象とするアライメ
ントマークの形状等によって必ずしも像の対称性を確保
する必要のないときには、照明光束制限部材6上で透光
部を光軸に対して対称に配置する必要はない。
【0053】一方、図5(B)に示すように、位相差フ
ィルタ16は、照明光束制限部材6上の各透光部32A
〜32I,32J,33A〜33Iと共役な位置に、そ
れぞれそれよりやや大きい位相差付加部34A〜34
I,34J,35A〜35Iが形成され、それ以外の領
域が光透過部となっている。そして、位相差付加部34
A〜34J,35A〜35Iには、この位相差付加部を
通過する光束とそれ以外の領域を通過する光束との間に
π/2[rad]の位相差を付加するような位相シフタ
が被着されている。位相差フィルタ16としては、ガラ
ス等の透明基板上の各位相差付加部に誘電体膜よりなる
位相シフタを形成したものが使用できる。
【0054】そして、アライメントマーク11が図4
(A)に示すような周期的なパターンであるとき、図5
(A)の照明光束制限部材6上の1つの透光部32Eを
透過した照明光によりアライメントマーク11から発生
した回折光は、位相差フィルタ16上で(結像系瞳面内
で)図5(B)に示すような分布となる。即ち、発生す
る回折光の内、0次回折光36は透光部32Eと共役な
位相差付加部34E上に分布し、+1次,+2次,+3
次の回折光36A,36B,36C、及び−1次〜−4
次の回折光37A〜37Dはそれ以外の領域を透過す
る。従って、アライメントマーク11から発生する回折
光の内、0次回折光36のみに位相差が付加されて、他
の次数の回折光には何ら影響が与えられない。
【0055】ところで、照明光束制限部材6上の各透光
部32A〜32J,33A〜33IのU方向(計測方
向)の幅をDとして、幅Dが仮に0であったとしても、
アライメントマーク11からの0次回折光は位相差フィ
ルタ16上でU方向に幅を持ったものとなる。これは、
アライメントマーク11の計測方向(X方向)の幅Wが
有限であるために生じるものであり、その広がりは照明
光の波長をλとして、2λ/W(単位は開口数)程度と
なり、実際の広がりの幅は、図2に示すような焦点距離
fの対物レンズ群9では、f・2λ/W程度となる。即
ち、アライメントマーク11の幅Wが大きい程(例え
ば、マーク1本当たりの線幅が大きく、マーク本数が多
い程)位相差フィルタ16上での結像光束の広がりは小
さくなるわけである。また、照明光が所定の波長幅を有
する場合、最長の波長をλ2 とすると、その0次回折光
の最大の広がりの幅は開口数単位で2λ2 /Wとなる。
【0056】そこで、本例では、位相差フィルタ16上
での各位相差付加部34A〜34J,35A〜35Iの
U方向の幅D1を、照明光束制限部材6上の透光部(3
2E等)のU方向の幅Dと、上記の2λ2 /Wとの和程
度以上と設定する(単位は開口数、以下、特に断らない
限り瞳面上の単位は開口数とする)。即ち、開口数を単
位としてほぼ次式が成立する。
【0057】D1≧D+2λ2 /W (3) これにより、アライメントマーク11からの0次回折光
を位相差フィルタ16で完全に位相シフトさせることが
できる。なお、位相差フィルタ16上の各位相差付加部
のU方向の幅D1が余りに大きくなると、1次以上の回
折光にも位相差が付加されてしまうため、当然のことな
がら、その各位相差付加部の幅D1は(3)式の右辺の
(D+2λ2 /W)以上で、且つ1次以上の回折光にか
からない範囲に設定される。
【0058】他の次数、例えばm次(mは0以外の整
数)の回折光は、位相差フィルタ16上で0次回折光の
中心からU方向に、m・λ/P(Pはアライメントマー
ク11の周期)だけ離れた所を通り、その広がり幅は0
次回折光と同様となる。更に、照明光束がブロードバン
ドであると各光束の波長λの差によりそれぞれの中心位
置も変化するため、各回折光の幅はより広がったものと
なる。そして、各次数の回折光の間隔は最も短い波長λ
1 において最も狭くなり、各波長での各次数の回折光の
広がりは最も長い波長λ2 において最大となる。
【0059】0次回折光と1次回折光との位置関係に着
目すると、照明光束制限部材6上の透光部32EのU方
向の幅Dがあまり広いと、それに伴って0次回折光の位
相差付加用の位相差付加部34EのU方向の幅D1と、
1次回折光自身の広がり幅とが共に大きくなり、その結
果、±1次回折光36A,37Aの一部も位相差付加部
34Eによって遮光されることになる。
【0060】これを避けるためには、照明光束制限部材
6上の各透光部のU方向の幅Dを、0次回折光と1次回
折光との最小間隔λ1 /Pから、幅Dが0の場合の各回
折光の広がり幅の最大値2λ2 /Wを差し引いた値以下
として、0次回折光と1次回折光とが位相差フィルタ6
上で重なり合わないようにすればよい。即ち、次式が成
立するようにすればよい。なお、幅Dは(4)式を満た
し、且つ0より大きければ良い。
【0061】D≦λ1 /P−2λ2 /W (4) なお、実際のアライメントマークではその周期Pは6μ
m〜16μm程度であり、アライメントマークの計測方
向の幅Wは50μm程度であることが多い。例えば、照
明光がブロードバンドで、波長域が550nm(λ1)か
ら750nm(λ2)であるとき、周期Pが6μm(一
般的なマークの中で最も細かい、即ち0次光と1次光が
最も離れる)のアライメントマークを検出するなら、
(4)式より照明光束制限部材6上の各透光部の幅D
を、0.06(≒0.55/6−2・0.75/50)
以下とすればよいことになる。このとき、照明光束制限
部材6上での0次回折光の広がり(D+2λ2 /W)
は、約(D+0.031)となるので、(3)式より位
相差フィルタ16の各位相差付加部の幅D1は(D+
0.03)程度以上とすればよい。
【0062】同様に、周期Pが8μmのアライメントマ
ークに対しては、照明光束制限部材6の各透光部の幅D
を0.038以下とし、周期Pが12μmのアライメン
トマークに対しては、その各透光部の幅Dを0.015
以下とすればよい。また、本例では図5に示したよう
に、或る値のV座標上には、位相差フィルタ16上の各
位相差付加部(34E等)及びそれに対応する照明光束
制限部材6上の透光部(32E等)を1つしか配置しな
いものとしてある。図5(B)中のU軸に平行な破線群
はこのことを明示するための補助線であり、各破線の間
には位相差付加部34A〜34J,35A〜35Iが1
つしかないことになる。このような配列にすると、任意
の1つの透光部(32E等)の透過光のアライメントマ
ークによる計測方向(周期方向)への0次以外の回折光
は、位相差フィルタ16により全く影響を受けることが
ない。このため、撮像素子28上に形成される像として
極めて忠実度の高いものを得ることができる。
【0063】なお、位相差フィルタ16の位相差付加部
34A〜34J,35A〜35Iには、位相差の付加作
用のみならず、減光作用を併せ持つ膜を形成しても良
い。このためには、例えばその位相差付加部に誘電体膜
だけでなく金属薄膜を併せて形成すれば良い。このよう
な構成は、従来の位相差顕微鏡での位相差フィルタや、
あるいは最近フォトリソグラフィ技術で使用され始め
た、所謂ハーフトーン位相シフトレチクルと同様であ
り、それらの各種製法を用いて製造することができる。
【0064】一般的に、検出すべきマークの段差が小さ
い(低段差)程、得られる像のコントラストが低下する
ので、0次光を減光して像のコントラストの向上を図る
とよい。また、マーク段差が比較的大きいとき(数10
nm程度)は0次光を減光しなくとも十分な像コントラ
ストが得られ、同時に明るい像が得られることになる。
【0065】なお、誘電体膜及び金属薄膜により透過光
に与えられる位相差(他の部分の透過光との位相差)
は、一般の位相差顕微鏡と同様にπ/2[rad](1
/4波長)程度が最適であるので、誘電体膜の厚さはそ
の屈折率をnとして、λ/{4(n−1)}程度とす
る。このとき、λは結像に寄与する光束の中心波長(本
例では650nm)である。但し、位相差付加部(34
E等)の位相差付加量に多少の誤差があってもアライメ
ントマーク11の像コントラストは急激には低下しない
ので、(π/2±π/6)[rad]の範囲内であれ
ば、精度良く位置検出可能な良好なコントラストの像を
得ることができる。
【0066】また、結像に寄与する光束の波長域が狭く
単色に近い場合には、誘電体膜の厚さは(2k+1)λ
/{4(n−1)}(位相差は(2k+1)π/2[r
ad])(kは自然数)であってもよいが、広帯域光の
場合、中心波長でない波長に対してはkが大きい程位相
差が(2k+1)π/2[rad](最適条件)からず
れるので、誘電体膜の厚さはλ/{4(n−1)}とす
るのがよい。これらの条件の位相差フィルタ6を使用す
ると、マークの凹部が明るく、凸部が暗い、明瞭なコン
トラストを持ったアライメントマーク11の像を得るこ
とができる。
【0067】また、位相差フィルタ16の代わりに、位
相差付加部(34E等)に金属薄膜のみを形成し、他の
部分に誘電体膜を形成する構成としたフィルタを使用し
てもよい。この場合、0次光の位相は他の次数に対して
π/2[rad]進んだものとなるので、アライメント
マーク11の像は図5の如き位相差フィルタ16の使用
時とは異なり、マークの凹部が暗く、凸部が明るい像と
なる。但し、像のコントラストは何れの場合にも同等
で、且つ高いことは勿論である。この場合にも、位相差
付加部(34E等)は必ずしも減光作用を有する物でな
くてもよく、即ち金属薄膜を付加しなくてもよい。ま
た、位相差を付加するために誘電体膜を形成する代わり
に、透明基板自体をエッチングにより堀り込んでもよ
い。
【0068】次に、図6を参照して照明光束制限部材及
び位相差フィルタの他の例につき説明する。図6(A)
は照明光束制限部材の他の例を示し、図6(B)は位相
差フィルタの他の例を示し、図5と同様に、これら図6
(A)及び(B)のU軸及びV軸は、それぞれ図4
(A)に示したアライメントマーク11のX軸及びY軸
に対応している。
【0069】図6(A)に示すように、この照明光束制
限部材6A上には遮光部中にそれぞれU方向には細く、
V方向には長い長方形の透光部38A〜38Gが形成さ
れている。また、同一のV座標上に複数個の(2ないし
3個の)透過部が形成され、本例でも透光部38A〜3
8Gは光軸に関して対称に配置されている。なお、図6
(A)では透光部38A〜38Gの個数は6個である
が、透光部の個数は複数個であれば任意であり、配置も
図6(A)には限定されない。本例では、それらの複数
の透光部(2次光源)の計測方向(U方向)の間隔は、
照明光束の中心波長をλとして開口数を単位として、透
光部38Dと38Eとの間隔D3、及び透光部38Dと
38Cとの間隔D3では2.5・λ/Pに、透光部38
Aと38Bとの間隔D2、及び透光部38Fと38Gと
の間隔D2では3.5・λ/Pに、それぞれ設定してあ
る。
【0070】また、図6(B)に示す位相差フィルタ1
6Aにおいて、図6(A)中の照明光束制限部材6A上
の透過部38A〜38Gに共役な領域、及びその周辺が
位相差付加部39A〜39Gとなっていることは、図5
の例と同様である。このとき、例えば透光部38Dより
アライメントマーク11に照射される照明光束による回
折光の内で、図6(B)の位相差フィルタ16A上で0
次回折光42は位相差付加部39D上に分布し、+1次
〜+4次の回折光42A〜42D、及び−1次〜−4次
の回折光43A〜43Dは位相差付加部の間を透過して
いる。本例では、上述のように、透光部38Dと透光部
38C,38Eとの間隔、及び位相差付加部39Dと位
相差付加部39C,39Eとの間隔が、2.5・λ/P
に設定されているために、上記の回折光43D〜42D
は位相差付加部39C,39Eによる位相変化を受ける
ことなく位相差フィルタ16を透過することができる。
【0071】また、別の透光部38Bからの照明光によ
り生じる−5次の回折光41D〜+2次の回折光40B
までの回折光も、透光部38Aと透光部38Bとの間
隔、及び位相差付加部39Aと位相差付加部39Bとの
間隔が、それぞれ3.5・λ/Pに設定されているため
に、位相差付加部39Aに影響されることなく位相差フ
ィルタ16を透過することができる。そして、0次回折
光40が位相差付加部39Bを透過する。なお、これら
の透光部38A〜38G、及び位相差付加部39A〜3
9Gの計測方向(U方向)の間隔は、上記の2.5・λ
/P、3.5・λ/Pに限定されるわけではなく、λ/
Pの半整数倍であれば如何なる値であってもよい。
【0072】更に、或る程度回折光が位相差付加部にか
かってもよければ、それらの間隔は、λ/Pの整数倍に
ならないように設定すればよい。ところで、図6(A)
中の透光部38C,38Eの照明光により発生する回折
光については、それぞれ−5次及び+5次の回折光が互
いに他の透光部に対応する位相差付加部39E,39C
により位相差を付加されてしまう。しかし、このような
高次(5次以上)の回折光が像形成に及ぼす影響は、実
用上無視できる程度に小さく問題となることは殆どな
い。但し、照明光の波長域が広い場合、図6のような構
成では、例えば透光部38Dからの照明光による+2次
回折光42Bの内、最も波長の長いものはより大きく回
折し、位相差付加部39Eにより位相差を付加され、ま
た+3次回折光42Cの内最も波長の短いものもあまり
回折せずに位相差付加部39Eにより位相差を付加され
る恐れがある。従って、透光部38A〜38G及び位相
差付加部39A〜39Gの各幅は図5の例の場合よりも
細くすることが望ましい。
【0073】勿論、照明光の波長域がそれ程広くない場
合には、透光部及び位相差付加部の各幅は図5の例と同
様でよい。このとき、更に透光部の総面積を同一のV座
標について複数の透光部が存在する分だけ大きくするこ
とができるため、照明光量を大きく、即ち像を明るくで
きるという利点がある。なお、図6(B)に示した如き
位相差フィルタ16Aにおいても、前述の如く、位相差
付加部39A〜39Gに更に減光部材を設けてもよく、
付加する位相量を0次回折光が遅れる方向、又は進む方
向の何れとしてもよいことは言うまでもない。
【0074】ここで、上述の実施の形態と比較するため
に、図7(A)及び(B)にそれぞれ従来の位相差顕微
鏡での照明系瞳面及び結像系瞳面での光量分布を示す。
図7でも、計測方向に対応する方向をU軸、計測方向に
直交する非計測方向に対応する方向をV軸としている。
図7では、照明系瞳面での光量分布が光軸AXを中心と
する円形領域44に制限され、結像系瞳面での位相差付
加部がその円形領域44とほぼ共役な円形の位相差付加
部45とされているタイプを表している。このとき、図
7(A)の円形領域44からの照明光によりアライメン
トマークから発生する回折光は、図7(B)に示すよう
にそれぞれ円形の0次回折光46、+1次〜+4次の回
折光46A〜46D、及び−1次〜−4次の回折光47
A〜47Dとなる。しかしながら、例えば±1次回折光
46A,47Aは大部分が円形の位相差付加部45によ
り位相差を付加されてしまう。この結果、得られる像は
忠実度の極めて低いものとなってしまうことになり、当
然ながらその像を用いた位置検出精度も劣化することと
なる。それに対して本発明の実施の形態によれば、図5
及び図6に示すように、1次以上の回折光が位相差付加
部によって殆ど影響されないため、得られる像の忠実度
は極めて高くなっている。
【0075】次に、上述の実施の形態のアライメントセ
ンサを用いて、凹凸変化量(段差)の極めて小さいアラ
イメントマークの像を形成した場合の計算機によるシミ
ュレーション結果につき説明する。図8は、図1のアラ
イメントセンサにより得られる段差5nmのアライメン
トマークの像強度分布のシミュレーション結果を示し、
図8において横軸はウエハ上での計測方向(X方向)の
位置を示したものであり、縦軸はそのアライメントマー
クの像の光強度を示している。また、アライメントマー
クの詳細な構成は、周期が12μm、凹部の本数が5本
であり、凹部の幅と凸部の幅とが等しく、マーク表面の
材質は屈折率が3.55の一様な材質であり、その上に
屈折率が1.68のフォトレジストが厚さ1μmで塗布
されているものとした。なお、照明光の波長域を550
nm(λ1)から750nm(λ2)として、照明光束制限
部材6上の透光部は図5に示すように分布しているもの
として、結像光学系の開口数は0.2とした。
【0076】このとき、アライメントマークの計測方向
の幅Wは60(=12×5)μmとなるので、照明光束
制限部材6の各透過部のU方向の幅Dは、(4)式の条
件に従って0.02とした。また、位相差フィルタ16
上の各位相差付加部の幅D1は、(3)式の条件に従っ
て、0.045とした。更に、位相差付加部は0次回折
光の位相をπ/2[rad]遅らせる位相差を付加する
のみでなく、更に0次回折光を5%に減光する減光部材
(エネルギー透過率5%)をも含むものとした。
【0077】図8の像強度分布はアライメントマークの
1周期分であり、横軸(位置)の原点はアライメントマ
ークの中央の凹部の中心を示し、±P/4の位置に表示
した破線はアライメントマークの凹部のエッジ(凹部と
凸部との境界)を示す。また、縦軸の光強度は、1周期
内でのマーク像の光強度の最大値が1となるように規格
化してある。
【0078】一方、図9及び図10はそれぞれ通常(明
視野)の顕微鏡、及び位相差顕微鏡により得られるアラ
イメントマークの像のシミュレーション結果を示す。明
視野顕微鏡の照明光のコヒーレンスファクタであるσ値
は0.8とし、位相差顕微鏡のσ値は0.3とした。ま
た、位相差顕微鏡の結像系瞳面での位相差付加部の半径
はそのσ値(0.3)よりやや大きい0.33NA(開
口数としては0.066)とした。また、位相差付加部
による付加位相差量は上記の本発明の実施の形態と同様
にπ/2[rad](位相差付加部の円内の位相が遅れ
る)とし、エネルギー透過率も同じく5%とした。他の
条件(アライメントマークの形状、照明光の波長、開口
数、横軸の位置、縦軸の光強度の規格化)は、図8に示
す本発明の実施の形態でのシミュレーション条件と同様
である。
【0079】図9に示すように、明視野顕微鏡の像は明
暗変化(コントラスト)が殆どなく、このような像から
のマーク位置検出は殆ど不可能なことが分かる。一方、
図10に示した従来の位相差顕微鏡の像では明視野顕微
鏡の像に比べてコントラストは大きいが、前述の如くか
なりの1次回折光に不要な位相差が付加されているため
に像の忠実度が劣化し、マークの周期に対して高次の周
期成分の像(歪み)も形成されている。そして、位置検
出において重要となるマークエッジ部分(図10中に破
線で示した位置)においてもこの歪みは悪影響を及ぼす
ので、このような像を用いると位置検出精度が極めて低
下してしまう恐れがある。
【0080】これに対して、図8に示した本発明の実施
の形態のアライメントセンサによる像では、コントラス
トが十分であるばかりでなく、不要な(実際には存在し
ない)高次成分の歪みを全く含まないため、これを用い
て正確な位置検出を行うことができる。また、図11に
従来の位相差顕微鏡でありながら照明光束のσ値を0.
05(開口数としては0.01)とし、結像系瞳面での
位相差付加部(上記と同様に位相差π/2[rad]を
付加して、透過率5%であるとする)の半径を0.12
NA(開口数としては0.024)とした場合の像のシ
ミュレーション結果を示す。これは、照明系瞳面の透過
部及び結像系瞳面の位相差付加部の各全幅(0.02及
び0.048)については、上述の実施の形態の条件を
満たすものではある。従って、アライメントマークから
の回折光の内の0次光のみが遮光され、1次以上の回折
光は透過することになるが、その像は図11に示す通り
やはり不要な高次成分を含むものとなっている。これ
は、このように照明光束のσ値の小さい照明条件(コヒ
ーレント照明)では、マーク上の照明光のコヒーレンス
が高くなり過ぎるために発生するものである。
【0081】一方、本発明の実施の形態においては、照
明系瞳面の2次光源の1個当たりの大きさは小さいもの
の、それが複数個配置され、2次光源群全体としてはσ
値の大きな照明系となっており、上記の如き像質の劣化
の恐れは全くない。なお、以上の本発明の実施の形態で
は、計測方向に周期的なアライメントマークを検出対象
として説明したが、本発明の位置検出装置により周期的
でないマークを検出することも勿論可能である。この場
合、検出対象のマークから発生する回折光は上記のよう
に離散的なものとはならないが、本発明の位置検出装置
ではこの場合にも位相差を付加する回折光をより低次
(0次に近い)のものに限定することができ、より多く
の有益な回折光を結像に寄与させることができ、より正
確な位置検出が可能となる。
【0082】また、本発明の実施の形態の照明光束制限
部材6,6A及び位相差フィルタ16,16Aは、段差
の小さなマークの検出に極めて有効であることは前述の
通りであるが、段差の大きな(例えば100nm以上)
のマークに対しては従来の検出光学系においても十分な
検出精度を有しているので、段差の大きなマークを検出
する際には、照明光束制限部材6,6A及び位相差フィ
ルタ16,16Aをそれぞれ図1に示す可動部材7及び
17を用いて光路外へ退避させるようにしてもよい。な
お、ガラス基板よりなる位相差フィルタ16,16A
(あるいは照明光束制限部材6,6A)の退避により、
光学系の収差状態が変動してしまう恐れのある場合に
は、これらの部材の退避時に同等な光学的厚さを有する
透明部材を挿入する必要がある。
【0083】また、上述のシミュレーションで想定した
5nm程には低段差でないマーク、例えば数10nm程
度の段差のマークに対しては、位相差フィルタとして前
述の如き位相差のみを付加し減光を行わないフィルタを
用いることもできる。図12に、段差が40nmのマー
クに対しこのような位相差のみを付加する位相差フィル
タを用いた場合のシミュレーション結果を示す。なお、
このときの照明光束制限部材6上の透光部、位相差フィ
ルタ16上の位相差付加部の形状は、図8に示すシミュ
レーションの場合と同一である。また、比較のために図
12に同一マークでの明視野顕微鏡像のシミュレーショ
ン結果を示す。これらのシミュレーションの諸条件は、
マーク段差、位相差付加部の透過率以外はそれぞれ図
8、及び図9に関して示したものと同一である。
【0084】このように段差の或る程度大きいマークに
対しては、位相差付加部の透過率が高くとも(あまり減
光しなくても)十分にコントラストの高い像が得られ
る。従って、上記の可動部材7及び17により照明光束
制限部材6及び位相差フィルタ16を単に挿脱するのみ
でなく、マークの段差量に応じて位相差フィルタ16を
交換するようにしてもよい。そして、より低段差のマー
クに対しては、位相差付加部の透過率の低い位相差フィ
ルタを使用するようにするとよい。
【0085】ところで、上記実施の形態中で照明光束制
限部材6,6Aが形成する離散的な複数個の各2次光源
(透光部)の幅D、及びそれと共役な位相差フィルタ1
6,16A上の位相差付加部の幅D1は、照明光束の波
長域(λ1 〜λ2 )により決定されるとしたが、アライ
メントマーク11と撮像素子28との間にシャープカッ
トフィルター等の波長選択素子が加わる場合や、撮像素
子28自体の分光感度が照明光束の波長域より狭い場合
等は、上記2次光源の幅Dや位相差付加部の幅D1は、
これらを考慮して、即ちアライメントマーク11の撮像
信号の形成に実際に寄与する波長域に基づいて、各幅を
決定することは言うまでもない。
【0086】また、実施の形態中で用いた照明光束制限
部材6,6Aは、特定部分の光束のみを透過し、他は遮
光するというものであったが、照明光束を照明系瞳面上
の特定の複数箇所に集光するような部材、例えばフライ
アイレンズのような光学系を用いてもよい。また、図1
の照明用の光源1として半導体レーザ素子等のレーザ光
源を用いてもよい。この場合も、照明光束としては或る
程度の波長域を有することが望ましいので、多波長(マ
ルチモード)で発振する半導体レーザ素子、色素レーザ
光源、又はその他の複数個の異なる波長で発振するレー
ザ光源を使用するとよい。
【0087】なお、以上の実施の形態は、半導体ウエハ
上のアライメントマークの位置検出を行うアライメント
センサに本発明を適用したものであるが、本発明による
位置検出装置は他の用途の光学装置に対しても適用する
ことが可能である。例えば、目視検査や観察に使用する
ような一般の光学顕微鏡に対して本発明を適用すれば、
上述の実施の形態と同様に低段差パターンに対して高コ
ントラストな像を得ることができる。更には、生物顕微
鏡のように透過照明を使用する顕微鏡に対しても本発明
を適用することができる。
【0088】このように、本発明は上述の実施の形態に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、照明系瞳面上に離散的
に分布する複数個の2次光源を形成し、対応する結像系
瞳面上の複数個の位相差付加部で照明光に位相差を付加
しているため、位置検出マークからのほぼ0次回折光の
みに位相差を付加して1次以上の回折光をほぼそのまま
透過させることができる。従って、凹凸変化量(段差)
の極めて小さい位置検出マークに対しても高い忠実度で
像を形成でき、確実に位置検出を行うことができる利点
がある。そのため、例えば平坦化工程等により凹凸変化
(段差)が極めて小さくなったアライメントマークに対
しても十分にコントラストの高いマーク像を得ることが
でき、そのマーク像の光強度分布を用いてマーク位置の
検出を高精度に行うことができる。
【0090】また、表面段差等が小さく、あるいは光束
の位相変化の少ない各種パターンを従来例より高いコン
トラストで検出できる光学系を実現することができる。
この場合、位相差フィルタによる複数個の位相差付加部
に、透過光束を減光する減光手段を設けた場合には、特
に凹凸変化量(段差)の小さい位置検出マークに対して
も十分にコントラストの高い像を得ることができる利点
がある。
【0091】そして、その位置検出マークが、計測方向
の幅がWで計測方向に周期Pの周期性を有するマークで
あり、照明光束制限部材により形成される複数個の2次
光源のそれぞれの、その位置検出マークの計測方向に対
応する方向の幅Dが、照明光の最短波長をλ1 、最長波
長をλ2 として、開口数を単位として(λ1 /P−2λ
2 /W)以下に設定される場合には、結像系瞳面上で0
次回折光と1次回折光とがほぼ完全に分離されるため、
0次回折光のみに位相差を付加し易くなる。
【0092】また、位相差フィルタによる複数個の位相
差付加部のそれぞれの、その位置検出マークの計測方向
に対応する方向の幅が、開口数を単位としてその照明光
束制限部材により形成される複数個の各2次光源の幅D
に対して(D+2λ2 /W)以上に設定されるときに
は、その位置検出マークの計測方向の幅Wによって0次
回折光が広がりを有しても、その位相差フィルタによっ
てその0次回折光のほぼ全部に位相差を付加できる。
【0093】次に、その照明光束制限部材により形成さ
れる複数個の2次光源のそれぞれの、その位置検出マー
クの計測方向に対応する方向の幅Dが、開口数を単位と
して0.06以下に設定されるときには、通常の使用条
件(照明光の波長λ12 がそれぞれ550nm,75
0nm、位置検出マークの周期Pが6μm、位置検出マ
ークの計測方向の幅Wが50μm程度)下では、(1)
式の幅d1に対して、D≦d1が成立するため、結像系
瞳面上で0次回折光と1次回折光とがほぼ完全に分離さ
れるようになる。
【0094】同様に、位相差フィルタによる複数個の位
相差付加部のそれぞれの、その位置検出マークの計測方
向に対応する方向の幅D1を、開口数を単位としてその
照明光束制限部材により形成される複数個の各2次光源
の幅Dに対して(D+0.03)以上に設定される場合
には、その通常の使用条件下で、(2)式の幅d2に対
して、D1≧d2が成立するため、結像系瞳面上で0次
回折光のほぼ全部に位相差を付加できる。
【0095】また、照明光束制限部材によりその照明系
瞳面上に形成される複数個の2次光源が、照明光学系の
光軸に関して点対称に分布すると共に、位置検出マーク
の非計測方向に対応する方向で同じ位置に分布する2つ
の2次光源を有し、これら2つの2次光源の位置検出マ
ークの計測方向に対応する方向の中心間隔が、照明光の
中心波長をλとして、λ/Pの整数倍とならないように
設定されるときには、その結像系瞳面での位相差付加部
によってその位置検出マークからの1次以上の回折光が
殆ど影響されることがなく、高い忠実度でその位置検出
マークの像が形成される。また、それら2次光源の分布
を光軸に関して点対称とすることによって、得られる像
の対称性が確保される。更に、計測方向に複数の2次光
源があるため、得られる像が明るくなる。
【0096】また、照明光束制限部材によりその照明系
瞳面上に形成される複数個の2次光源が、照明光学系の
光軸に関して点対称に分布すると共に、位置検出マーク
の非計測方向に対応する方向で同じ位置に複数個の2次
光源が存在しないように分布するときには、その結像系
瞳面でその位置検出マークからの1次以上の回折光が殆
ど影響されることなく、高い忠実度でその位置検出マー
クの像が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置検出装置の実施の形態の一例
のアライメントセンサを示す構成図である。
【図2】図1中の対物レンズ群9の瞳面の説明図であ
る。
【図3】(A)は図1中の照明視野絞り4のパターンを
示す図、(B)は図1中の指標板照明視野絞り22のパ
ターンを示す図、(C)は図1中の指標板24のパター
ンを示す図である。
【図4】(A)は図1中のアライメントマーク11の一
例を示す拡大平面図、(B)は図4(A)の断面図、
(C)はそのアライメントマーク11の像の撮像信号
(光強度分布)を示す波形図である。
【図5】(A)は図1中の照明光束制限部材6の透光部
の配置を示す図、(B)は図1中の位相差フィルタ16
の位相差付加部の配置を示す図である。
【図6】(A)は照明光束制限部材の他の例6Aの透光
部の配置を示す図、(B)は位相差フィルタの他の例1
6Aの位相差付加部の配置を示す図である。
【図7】従来の位相差顕微鏡における照明系瞳面及び結
像系瞳面での光量分布を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態で得られるアライメントマ
ークの像の光強度分布のシミュレーション結果を示す図
である。
【図9】通常の明視野の顕微鏡で得られるアライメント
マークの像の光強度分布のシミュレーション結果を示す
図である。
【図10】従来の位相差顕微鏡で得られるアライメント
マークの像の光強度分布のシミュレーション結果を示す
図である。
【図11】従来の位相差顕微鏡でコヒーレント照明とし
た場合に得られるアライメントマークの像の光強度分布
のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態で得られる低段差でない
アライメントマークの像の光強度分布のシミュレーショ
ン結果を示す図である。
【図13】通常の明視野の顕微鏡で得られる低段差でな
いアライメントマークの像の光強度分布のシミュレーシ
ョン結果を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態のアライメントセンサを
備えた投影露光装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 光源 4 照明視野絞り 6,6A 照明光束制限部材 7,17 可動部材 9 対物レンズ群 10 ウエハ 11 アライメントマーク 12 ウエハステージ 16,16A 位相差フィルタ 22 指標板照明視野絞り 24 指標板 26 開口絞り 28 撮像素子 29 画像処理系 32A〜32J,33A〜33I 透光部 34A〜34J,35A〜35I 位相差付加部 38A〜38G 透光部 39A〜39G 位相差付加部 57 アライメント光学系

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象の基板上に形成された位置検出
    マークを照明する照明光学系と、前記位置検出マークか
    らの照明光より前記位置検出マークの像を形成する結像
    光学系と、前記位置検出マークの像を撮像する撮像素子
    と、を備え、該撮像素子から出力される画像信号に基づ
    いて前記位置検出マークの位置を検出する位置検出装置
    において、 前記照明光学系中の、前記位置検出マークの形成面に対
    する光学的フーリエ変換面である照明系瞳面上に離散的
    に分布する複数個の2次光源を形成する照明光束制限部
    材と、 前記結像光学系中の、前記位置検出マークの形成面に対
    する光学的フーリエ変換面である結像系瞳面に配置さ
    れ、且つ前記照明系瞳面で前記離散的に分布する複数個
    の2次光源と結像関係となる領域及びその近傍の領域を
    含む複数個の位相差付加部を透過する光束と、それ以外
    の領域を通過する光束との間に、実質的にπ/2[ra
    d]の位相差を付加する位相差フィルタと、を有するこ
    とを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位置検出装置であって、 前記位相差フィルタによる前記複数個の位相差付加部
    に、透過光束を減光する減光手段を設けたことを特徴と
    する位置検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の位置検出装置で
    あって、 前記位置検出マークは、計測方向の幅がWで計測方向に
    周期Pの周期性を有するマークであり、 前記照明光束制限部材により形成される前記複数個の2
    次光源のそれぞれの、前記位置検出マークの計測方向に
    対応する方向の幅Dは、照明光の最短波長をλ 1 、最長
    波長をλ2 として、開口数を単位として(λ1 /P−2
    λ2 /W)以下に設定されることを特徴とする位置検出
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の位置検出装置であって、 前記位相差フィルタによる前記複数個の位相差付加部の
    それぞれの、前記位置検出マークの計測方向に対応する
    方向の幅は、開口数を単位として前記照明光束制限部材
    により形成される前記複数個の各2次光源の幅Dに対し
    て(D+2λ2/W)以上に設定されることを特徴とす
    る位置検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、又は2記載の位置検出装置で
    あって、 前記照明光束制限部材により形成される前記複数個の2
    次光源のそれぞれの、前記位置検出マークの計測方向に
    対応する方向の幅Dは、開口数を単位として0.06以
    下に設定されることを特徴とする位置検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の位置検出装置であって、 前記位相差フィルタによる前記複数個の位相差付加部の
    それぞれの、前記位置検出マークの計測方向に対応する
    方向の幅は、開口数を単位として前記照明光束制限部材
    により形成される前記複数個の各2次光源の幅Dに対し
    て(D+0.03)以上に設定されることを特徴とする
    位置検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3記載の位置検出装置であ
    って、 前記照明光束制限部材により前記照明系瞳面上に形成さ
    れる前記複数個の2次光源は、前記照明光学系の光軸に
    関して点対称に分布すると共に、前記位置検出マークの
    非計測方向に対応する方向で同じ位置に分布する2つの
    2次光源を有し、該2つの2次光源の前記位置検出マー
    クの計測方向に対応する方向の中心間隔は、照明光の中
    心波長をλとして、λ/Pの整数倍とならないように設
    定されることを特徴とする位置検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れか一項記載の位置検
    出装置であって、 前記照明光束制限部材により前記照明系瞳面上に形成さ
    れる前記複数個の2次光源は、前記照明光学系の光軸に
    関して点対称に分布すると共に、前記位置検出マークの
    非計測方向に対応する方向で同じ位置に複数個の2次光
    源が存在しないように分布することを特徴とする位置検
    出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007149807A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Nikon Corp 位置検出装置及び露光装置
JP2021182145A (ja) * 2016-05-31 2021-11-25 株式会社ニコン 位置検出装置及び位置検出方法、露光装置及び露光方法、並びに、デバイス製造方法

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