JPWO2007116444A1 - 電源装置及び電源制御方法 - Google Patents

電源装置及び電源制御方法

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Abstract

電源装置は、入力端子1と、出力端子2と、1次巻線と2次巻線を備える主トランス5と、入力端子1と主トランス5の1次巻線との間に接続された1次回路11と、主トランス5の2次巻線と出力端子2との間に接続された2次回路12と、インピーダンス変換回路13とからなる。インピーダンス変換回路13は、1次回路11に設けられ、主トランス5の1次巻線に直列に接続され、その内部を流れる電流を減らす機能と、この減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する機能とを備える。インピーダンス変換回路13は、変圧器9と、変圧器9の2次巻線に直列に接続されたコンデンサ10とからなる。

Description

本発明は、電源装置及び電源制御方法に関し、特に、トランスにおける偏励磁を防止した大容量の電源装置及び電源制御方法に関する。
例えばフルブリッジ型コンバータのような電源装置においては、図6に示すように、トランス105の一次側巻線に直列にコンデンサ109を接続することにより、直流成分を遮断し、トランス105の偏励磁を防止している。
図6のフルブリッジ型コンバータの1次側の回路において、正の半波の印加期間(図4(A)の正側の場合)においては、実線の矢印で示すルートaに沿って、電流が流れる。即ち、電源104(Vin(+))、入力端子101、半導体スイッチ133、トランス(主トランス)105、コンデンサ109、半導体スイッチ132、入力端子101、電源104(Vin(−))の順で、電流が流れる。一方、負の半波の印加期間(図4(A)の負側の場合)においては、点線の矢印で示すルートbに沿って、電流が流れる。即ち、電源104(Vin(+))、入力端子101、半導体スイッチ131、コンデンサ109、トランス105、半導体スイッチ134、入力端子101、電源104(Vin(−))の順で、電流が流れる。従って、コンデンサ109により直流成分が遮断されるので、トランス105における偏励磁を防止することができる。
なお、インバータの出力電流に基づいて偏励磁による直流成分を抑制する補正量を用いて、偏励磁現象が発生してもインバータの交流出力側に流れる直流成分を抑制できるように、インバータを制御することが知られている(下記特許文献1参照)。
また、スイッチング素子からなる2組の直列回路の中点間にトランスの1次巻線と共振コンデンサの直列回路を設けることにより、簡単な構成で効率の良い変換を行うことが知られている(下記特許文献2参照)。
特開平8−223944号公報 特開平10−136653号公報
本発明者が、図6に示すような電源装置(フルブリッジ型コンバータ)について検討したところ、以下のような問題があることが判った。即ち、前述のように、主トランス105の1次巻線に流れる電流(1次電流)が、全てコンデンサ109に流れる。このため、電源装置が大容量になるに伴って、コンデンサ109に流れる電流が大きくなる。しかし、コンデンサ109には、その電流(許容リップル電流)や耐電圧において制約がある。この許容リップル電流や耐電圧の制約を超えて使用することは、安全上の観点から不可能である。そして、コンデンサ109の許容リップル電流や耐電圧を大きくすることは困難であり、これらの大きな改善はあまり望むことができない。特に、コンデンサ109の許容リップル電流を大きくすることは殆どできない。従って、コンデンサ109により主トランス105の偏励磁を防止する方法は、大容量の電源装置には適さない。即ち、図6に示すような電源装置は、大容量の電源装置に適しているとは言えない。
本発明は、主トランスにおける偏励磁を防止することにより、安定した動作を可能とした大容量の電源装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、主トランスにおける偏励磁を防止することにより、安定した動作を可能とした大容量の電源制御方法を提供することを目的とする。
本発明の電源装置は、入力端子と、出力端子と、1次巻線と2次巻線を備える主トランスと、前記入力端子と前記主トランスの1次巻線との間に接続された1次回路と、前記主トランスの2次巻線と前記出力端子との間に接続された2次回路と、インピーダンス変換回路とからなる。インピーダンス変換回路は、前記1次回路に設けられ、前記主トランスの1次巻線に直列に接続され、当該インピーダンス変換回路の内部を流れる電流を減らす機能と、当該減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する機能とを備える。
また、好ましくは、本発明の一実施態様によれば、前記インピーダンス変換回路が、その1次巻線が前記主トランスの1次巻線に直列に接続された変圧器又は変流器と、前記変圧器の2次巻線に直列に接続されたコンデンサとからなる。
また、好ましくは、本発明の一実施態様によれば、前記変圧器又は変流器がトランスからなり、前記トランスの1次巻線と2次巻線との巻数比により、前記コンデンサの見かけ上の容量を定める。
また、好ましくは、本発明の一実施態様によれば、前記前記変圧器又は変流器が、半導体素子により構成されたインピーダンス変換器からなる。
本発明の電源制御方法は、入力端子と主トランスの1次巻線との間に接続された1次回路と、前記主トランスの2次巻線と出力端子との間に接続された2次回路と、前記1次回路に設けられ、前記主トランスの1次巻線に直列に接続されたインピーダンス変換回路とからなる電源装置における電源制御方法であって、前記主トランスの1次巻線から前記インピーダンス変換回路に向けて電流が流れた場合、前記インピーダンス変換回路によりその内部を流れる電流を減らし、前記インピーダンス変換回路により前記減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する。
本発明の電源装置によれば、主トランスの1次巻線に直列に接続されたインピーダンス変換回路を用いて、その内部を流れる電流を減らし、当該減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する。これにより、主トランスの1次巻線に大きな電流が流れても、直流成分を遮断することができる。この結果、直流成分を確実に遮断して、主トランスの偏励磁を防止することができる。
また、本発明の一実施態様によれば、インピーダンス変換回路が、主トランスの1次巻線に直列に接続された変圧器又は変流器と、その2次巻線に直列に接続されたコンデンサとからなる。これにより、変圧器又は変流器のインピーダンス変換の機能により、コンデンサの容量を、主トランスの1次側から見た場合、等価的に大きな容量とすることができる。この結果、許容リップル電流が大きくないコンデンサによっても、大きな電流に対する直流成分を遮断することができ、主トランスの偏励磁を防止することができる。
また、本発明の一実施態様によれば、変圧器又は変流器であるトランスの1次巻線と2次巻線との巻数比により、コンデンサの見かけ上の容量を定める。これにより、コンデンサの容量を正確に定め、また、主トランスの1次側に流れる電流の許容値を正確に定めることができる。
また、本発明の一実施態様によれば、インピーダンス変換回路が、半導体素子により構成されたインピーダンス変換器からなる。これにより、変圧器又は変流器に代えて、インピーダンス変換器のインピーダンス変換の機能により、コンデンサの容量を等価的に大きな容量とすることができ、許容リップル電流が大きくないコンデンサによっても主トランスの偏励磁を防止することができる。
本発明の電源制御方法によれば、主トランスの1次巻線からインピーダンス変換回路に向けて電流が流れた場合、インピーダンス変換回路により電流を減らし、減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する。これにより、主トランスの1次巻線に大きな電流が流れても、直流成分を遮断することができる。この結果、直流成分を確実に遮断して、主トランスの偏励磁を防止することができ、主トランスの偏励磁を防止した大容量の電源装置を実現することができる。
本発明の電源装置の構成の一例を示す図である。 インピーダンス変換回路の説明図である。 図1の電源装置の動作の説明図である。 主として、図1の電源装置の波形を示す。 本発明の電源装置の構成の他の一例を示す図である。 従来の電源装置の説明図である。
符号の説明
1 入力端子
2 出力端子
5 主トランス
9 変圧器又は変流器(トランス)
9’ インピーダンス変換器
10 コンデンサ
11 1次回路
12 2次回路
13 インピーダンス変換回路
31〜34 半導体スイッチ
図1は、電源装置構成図であり、本発明の一実施態様による電源装置の構成を示す。電源装置は、入力端子1と、出力端子2と、主トランス5と、1次回路11と、2次回路12と、インピーダンス変換回路13とからなる。主トランス5は1次巻線N1と2次巻線N2−1、N2−2を備える。インピーダンス変換回路13は1次回路11に設けられる。なお、N1は1次巻線の巻数をも表す。N2−1、N2−2も同様である。
入力端子1は、複数個(即ち、2個)設けられる。入力端子1の間に、電源4が接続される。電源4は、この電源装置に電源、例えば後述する図4(A)に示すような電圧波形を有する電源を供給する。なお、電源4はこれに限られず、他の種々の電源であっても良い。
1次回路(入力回路)11は、入力端子1と主トランス5の1次巻線N1との間に接続される。1次回路11は、第1〜第4のスイッチング素子、例えば半導体スイッチ31〜34からなるブリッジ回路からなる。第1及び第2の半導体スイッチ31及び32が、この順に直列に接続され、第1の直列回路を構成する。第3及び第4の半導体スイッチ33及び34が、この順に直列に接続され、第2の直列回路を構成する。第1及び第2の直列回路が、並列に接続され、入力端子1の間に挿入される。
半導体スイッチ31〜34は、周知のように、例えば電力用のMOSFET、IGBT、BJT、SIT、サイリスタ、GTO等の半導体素子からなる。半導体スイッチ31〜34の制御電極(ゲート電極又はベース電極等)には、各々、制御回路(図示せず)から所定の制御信号が供給される。これにより、半導体スイッチ31〜34は、基本的には、電源4の出力の振幅の変化に対応するように、そのON/OFFが制御される。
インピーダンス変換回路13は、主トランス5の1次巻線N1に直列に接続される。インピーダンス変換回路13は、その内部に生じる(内部を流れる)電流を減らす機能(即ち、インピーダンスを変換する機能)と、当該減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する機能(即ち、直流を遮断する機能)とを備える。従って、インピーダンス変換回路13は、主トランス5の1次巻線N1からインピーダンス変換回路13に向けて電流が流れた場合、この電流を減らし、減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する。
この例では、インピーダンス変換回路13が、その1次巻線N1’が主トランス5の1次巻線N1に直列に接続された変圧器9と、変圧器9の2次巻線N2’に直列に接続されたコンデンサ10とからなる。即ち、コンデンサ10が、変圧器9を介して、主トランス5の1次巻線N1に接続されると考えることができる。インピーダンスを変換する機能は変圧器9が本来備える機能であり、直流を遮断する機能はコンデンサ10が本来備える機能である。なお、変圧器9に代えて、変流器9を用いて、インピーダンスを変換する機能を実現するようにしても良い。
主トランス5の1次巻線N1の一方の端子は、インピーダンス変換回路13を介して、直列に接続された第1及び第2の半導体スイッチ31及び32の接続点(中点)に接続される。主トランス5の1次巻線N1の他方の端子は、直列に接続された第3及び第4の半導体スイッチ33及び34の接続点(中点)に接続される。
2次回路(出力回路)12は、主トランス5の2次巻線N2−1、N2−2と出力端子2との間に接続される。出力端子2は、複数個(即ち、2個)設けられる。出力端子2の間に、この電源装置の出力である直流電圧が出力される。2次回路12は、ダイオード61及び62、インダクタンス7、コンデンサ8からなる。なお、ダイオード61及び62は、周知のように、ダイオードに代えてMOSFET、IGBT、SIT等で構成しても良い。主トランス5の2次巻線N2−1、N2−2の双方の端子に接続されたダイオード61及び62を介して、主トランス5の出力電圧が、出力端子2の一方に出力される。出力端子2の他方は、主トランス5の2次巻線N2−1とN2−2との中点に接続される。即ち、中点によって、主トランス5の2次巻線N2が、その第1部分N2−1とその第2部分N2−2との巻数比が等しくなるように、2分割される。インダクタンス7及びコンデンサ8は平滑回路を構成し、この平滑回路が出力端子2の間に挿入される。これにより、主トランス5の出力電圧が整流、平滑される。
図2(A)は、インピーダンス変換回路13の説明図である。前述のように、インピーダンス変換回路13は、変圧器9とコンデンサ10とからなる。この例では、変圧器(又は変流器)9がトランス9からなり、トランス9の1次巻線N1’と2次巻線N2’との巻数比により、コンデンサ10の見かけ上の容量を定める。
即ち、図2(A)に示すように、変圧器9の1次巻線N1’には、主トランス5の1次巻線N1の等価インピーダンスZ1が接続され、変圧器9の2次巻線N2’にはコンデンサ10の等価インピーダンスZ2が接続されると考えることができる。この時、図2(A)に示すように、電圧及び電流が発生するものとする。
この場合、V1/V2=N1’/N2’であり、I2/I1=N1’/N2’であるので、V1=(N1’/N2’)・V2となり、I1=(N2’/N1’)・I2となる。故に、Z1=V1/I1=((N1’/N2’)・V2)/((N2’/N1’)・I2)=((N1’/N2’)・V2)・(N1’/(N2’・I2))=(N1’/N2’)2 ・(V2/I2)=(N1’/N2’)2 ・Z2となる。即ち、Z1=kZ2(但し、k=(N1’/N2’)2 )である。
従って、この例では、変圧器9の2次巻線の数N2’が1次巻線の数N1’よりも大きくなるように設定する。これにより、2次側の(即ち、コンデンサ10の)電圧V2は高くなるが、2次側の電流I2を減らすことができる。また、コンデンサ10の見かけ上のインピーダンスを、実際のインピーダンスZ2よりも大きい値Z1であるかのようにみせることができる。
このように、変圧器9を介してコンデンサ10を接続することにより、変圧器9の巻数比を利用して、主トランス5の1次電流を減らしてコンデンサ10に供給する。即ち、変圧器9の1次側(入力側)から見たコンデンサ10の容量を、変圧器9の巻数比に応じて等価的に大きくする。これにより、主トランス5の1次電流が大きくても、コンデンサ10に流れる電流を小さくすることができる。これにより、大容量の電力変換を行うブリッジ型コンバータの偏励磁を防止することができる。
図3は、図1の電源装置の動作の説明図である。なお、図3において、図示の簡単化のために、符号11〜13を省略している。
最初に、電源4(Vin)を入力とする図1の電源装置における、正の半波の動作を説明する。この場合、制御回路(図示せず)からの制御信号により、半導体スイッチ32及び33が導通(ON)する。同時に、半導体スイッチ31及び34は非導通(OFF)とされる。これにより、図3において点線aで示すルートが形成され、このルートに電流が流れる。
即ち、電流は、電源4(Vin(+))から、入力端子1、半導体スイッチ33、主トランス5の1次巻線N1、変圧器9の1次巻線N1’、半導体スイッチ32、入力端子1、電源4(Vin(−))の順に流れる。この際、同時に、変圧器9の2次巻線N2’において、巻線方向に電圧が誘起され、前述のように、変圧器9の巻数比に応じた電流が流れ、コンデンサ10を充電する。
次に、電源4(Vin)を入力とする図1の電源装置における、負の半波の動作を説明する。この場合、制御回路(図示せず)からの制御信号により、半導体スイッチ31、34が導通(ON)する。同時に、半導体スイッチ32及び33は非導通(OFF)とされる。これにより、図3において一点鎖線bで示すルートが形成され、このルートに電流が流れる。
即ち、電流は、電源4(Vin(+))から、入力端子1、半導体スイッチ31、変圧器9の1次巻線N1’、主トランス5の1次巻線N1、半導体スイッチ34、入力端子1、電源4(Vin(−))の順に流れる。この際、同時に、変圧器9の2次巻線N2’において、巻線方向とは逆向き(即ち、正の半波の場合とは逆向き)に電圧が誘起され、変圧器9の巻数比に応じた電流が流れ、コンデンサ10を放電し、充電する。
従って、フルブリッジ型コンバータの1次回路11において、変圧器9を介して、コンデンサ10が充放電される。これにより、コンデンサ10により直流成分を遮断することができ、かつ、変圧器9によりインピーダンス変換をすることができる。この時、このインピーダンス変換により、等価的にコンデンサ10の容量を大きくすることができる。この結果、フルブリッジ型コンバータにおいて正の半波の印加期間と負の半波の印加期間とを等しく制御することができる。従って、主トランス5の偏励磁を防止することができ、フルブリッジ型コンバータのような電源装置を安定に動作させることができる。
図4は、主として、図1の電源装置の波形を示す。特に、図4(A)は図6の電源装置が正常に動作している場合の波形を示し、図4(B)は図6の電源装置においてコンデンサ109を省略した場合の波形を示し、図4(C)は図1の電源装置の波形を示す。
図4(A)においては、コンデンサ109により、主トランス105の偏励磁が防止されている。この結果、電源104からの入力波形において正側(1周期における正の半波の印加期間)におけるパルス幅t1と負側(1周期における負の半波の印加期間)におけるパルス幅t2とが等しくなり、主トランス105の1次巻線N1に流れる電流IT1も入力波形に応じた正常な波形となる。この波形は、大容量ではない電源装置においては、コンデンサ109により主トランス105の偏励磁を防止することができることを示す。
一方、図4(B)においては、コンデンサ109が省略されたため、主トランス105の偏励磁が発生する。即ち、電源104からの入力波形において、正側におけるパルス幅t1と負側におけるパルス幅t2とが等しくなくなり、主トランス105の1次巻線N1に流れる電流IT1も入力波形に応じて異常な波形となる。この場合、主トランス105が、偏励磁により飽和して、最終的には過電流(矢印で示す)により破壊されてしまう。
この波形は、コンデンサ109を省略した場合の例である。しかし、大容量の電力変換を行う電源装置においては、コンデンサ109の耐電圧や許容リップル電流の制約から、コンデンサ109を適用(接続)することができず、主トランス105の偏励磁を防止することができない。
これに対して、図4(C)においては、この電流IT2-N1 の振幅(電流値)は、図4(A)におけるコンデンサ109に流れる電流IT1のそれよりも大きい。即ち、この波形は、大容量の電源装置における波形(大電流の波形)を示す。それにも拘らず、変圧器9の2次巻線N2’(即ち、コンデンサ10)に流れる電流IT2-N2 の振幅は、電流IT2-N1 のそれよりも抑えられている。即ち、インピーダンス変換回路13により、コンデンサ10に流れる電流値が小さく抑えられている。これにより、コンデンサ10は、直流成分を確実に遮断することができる。
この結果、電源4からの入力波形において、正側におけるパルス幅t1と負側におけるパルス幅t2とが等しくなる(図示せず)。電源4からの入力波形は、図4(A)に類似し、その振幅のみが大きいと考えれば良い。また、変圧器9の1次巻線N1’に流れる電流IT2-N1 は、入力波形に応じた正常な波形となる。従って、この波形は、本発明のインピーダンス変換回路13により、主トランス5の偏励磁が防止されていることを示す。
以上から判るように、許容リップル電流が大きくないコンデンサ10によっても、主トランス5の偏励磁を防止することができる。これにより、コンデンサ10を用いて主トランス5の偏励磁を防止した大容量の電源装置を実現することができる。
図5は、本発明の電源装置の構成の他の一例を示す図である。この例は、図1の電源装置において、インピーダンス変換回路13を構成する変圧器(又は変流器)9を、半導体素子により構成されたインピーダンス変換器(Zconv)9’に置き換えた例であり、他の構成は図1と同一である。インピーダンス変換器9’は、例えば演算増幅器等の半導体素子を用いて、インピーダンスを変換するように構成される。
インピーダンス変換器9’が、図2(B)に示すように、インピーダンス変換の係数kを有する場合、主トランス5の1次巻線N1と直列に接続される等価インピーダンスZ1と、コンデンサ10の等価インピーダンスZ2との関係は、Z1=k・Z2と表される。係数kは、図2(A)に示す場合における(N1’/N2’)2 に相当する。従って、係数kを適切な値とすることにより、主トランス5の1次電流が大きくても、これを減らしてコンデンサ10に供給し、この電流の直流成分を遮断することができる。これにより、図1の電源装置と同様に、主トランス5の偏励磁を防止することができ、フルブリッジ型コンバータのような電源装置を安定に動作させることができる。なお、演算増幅器等の電源は、主トランス5からインピーダンス変換器9’に流れる電流を用いて、例えば局所電源として生成するようにすれば良い。
以上、本発明をその実施の形態に従って説明したが、本発明は、その主旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、図1及び図5の例においては、インピーダンス変換回路13が、主トランス5の1次巻線N1の一方の端子と半導体スイッチ31及び32の接続点との間に接続されるが、これに代えて、主トランス5の1次巻線N1の他方の端子と半導体スイッチ33及び34の接続点との間に接続されるようにしても良い。即ち、主トランス5の1次巻線N1に直列に接続されれば良い。
また、本発明は、図1及び図5に示すフルブリッジ型コンバータに限らず、プッシュプル型コンバータ等の種々のスイッチングコンバータに適用することができ、また、コンデンサを用いて直流成分を遮断している形式の種々の電源装置に適用することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、電源装置及び電源制御方法において、インピーダンス変換回路を設けることにより、主トランスの1次巻線に大きな電流が流れても、主トランスの偏励磁を防止することができる。これにより、主トランスの偏励磁を防止した大容量の電源装置を実現することができる。特に、本発明によれば、主トランスの1次側から見た場合におけるコンデンサの容量を、等価的に大きな容量とすることができる。これにより、許容リップル電流が大きくないコンデンサによっても、大容量の電源装置における偏励磁を防止することができる。従って、コンデンサを用いて主トランスの偏励磁を防止した大容量の電源装置を実現することができる。

Claims (7)

  1. 入力端子と、
    出力端子と、
    1次巻線と2次巻線を備える主トランスと、
    前記入力端子と前記主トランスの1次巻線との間に接続された1次回路と、
    前記主トランスの2次巻線と前記出力端子との間に接続された2次回路と、
    前記1次回路に設けられ、前記主トランスの1次巻線に直列に接続されたインピーダンス変換回路であって、当該インピーダンス変換回路の内部を流れる電流を減らす機能と、当該減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する機能とを備えるインピーダンス変換回路とからなる
    ことを特徴とする電源装置。
  2. 請求項1に記載の電源装置において、
    前記インピーダンス変換回路が、その1次巻線が前記主トランスの1次巻線に直列に接続された変圧器又は変流器と、前記変圧器の2次巻線に直列に接続されたコンデンサとからなる
    ことを特徴とする電源装置。
  3. 請求項2に記載の電源装置において、
    前記変圧器又は変流器がトランスからなり、前記トランスの1次巻線と2次巻線との巻数比により、前記コンデンサの見かけ上の容量を定める
    ことを特徴とする電源装置。
  4. 請求項2に記載の電源装置において、
    前記変圧器又は変流器が、半導体素子により構成されたインピーダンス変換器からなる
    ことを特徴とする電源装置。
  5. 請求項1に記載の電源装置において、
    前記1次回路が、半導体素子からなるブリッジ回路からなる
    ことを特徴とする電源装置。
  6. 請求項5に記載の電源装置において、
    前記1次回路が、第1乃至第4の半導体スイッチからなるブリッジ回路からなり、
    前記主トランスの1次巻線の一方の端子が、前記インピーダンス変換回路を介して、直列に接続された前記第1及び第2の半導体スイッチの接続点に接続され、前記主トランスの1次巻線の他方の端子が、直列に接続された前記第3及び第4の半導体スイッチの接続点に接続される
    ことを特徴とする電源装置。
  7. 入力端子と主トランスの1次巻線との間に接続された1次回路と、前記主トランスの2次巻線と出力端子との間に接続された2次回路と、前記1次回路に設けられ、前記主トランスの1次巻線に直列に接続されたインピーダンス変換回路とからなる電源装置における電源制御方法であって、
    前記主トランスの1次巻線から前記インピーダンス変換回路に向けて電流が流れた場合、前記インピーダンス変換回路によりその内部を流れる電流を減らし、
    前記インピーダンス変換回路により前記減らされた電流に含まれる直流成分を遮断する
    ことを特徴とする電源制御方法。
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