JPWO2007114470A1 - X線ctスキャンシミュレータ装置、x線ct装置、及びx線ctスキャンシミュレータプログラム - Google Patents

X線ctスキャンシミュレータ装置、x線ct装置、及びx線ctスキャンシミュレータプログラム Download PDF

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Abstract

膨大なサンプル画像やノイズパターン画像を用意することなく、被検者を過去に撮影した履歴の有無にかかわらず精度の高いシミュレーション画像を提供する。被検体の過去画像または人体ファントムを撮影した元画像を入力し(S201〜203)、被検体の体厚を推定して(S204)、推定された体厚と等価な水等価厚を近似モデルを算出する(S205)。元画像に含まれる画像ノイズ量と前記目標画像ノイズ量との差に基づいて、元画像に加算すべきノイズ量を算出し(S208)、近似モデルに基づいて、ノイズがない近似モデルの投影データである基準投影データと、その基準投影データに前記元画像に加算すべきノイズ量を加算した加算投影データと、を作成する(S209)。そして、基準投影データと前記加算投影データとに基づいて、元画像に加算すべきノイズ量を含むノイズ画像を再構成し(S210)、これを元画像に加えてシミュレーション画像を作成・表示する(S211)。

Description

本発明は、X線CTスキャンシミュレータ装置、X線CT装置、及びX線CTスキャンシミュレータプログラムに関し、特に画像ノイズのシミュレーションや適切な撮影条件の事前検討に対して有用な技術に関するものである。
本出願は、日本国特許法に基づく特許出願特願2006-103547号、及び特願2007-059408号に基づくパリ優先権主張を伴う出願であり、特願2006-103547号及び特願2007-059408号の利益を享受するために参照による援用を受ける出願である。
従来のX線CT装置は、X線源から扇形上に照射されるX線を1列の検出器で検出していたが、近年ではコーン型に照射されるX線を多列の検出器で検出マルチスライスCTが実用化されている。また検出器の多列化だけでなく薄化も著しい。
X線CT装置の技術革新は検出器だけにとどまらず、ガントリ回転速度の高速化の進んでおり、短時間で広範囲のデータ収集が可能になってきている。従来に比べてはるかに広い範囲をスキャンすることが可能となったため、従来と同じ管電流で撮影した場合、被曝線量の増加が顕著になる。さらに比較的撮影範囲が狭い場合であってもCT PerfusionやECGのように撮影時間が長いために局所線量が高い検査も増加している。
以上の理由から低管電圧撮影や低管電流撮影などの低線量撮影による被曝低減が重要となってくるが、低線量撮影は画像ノイズの増加を招く。また画像ノイズはスライス厚に依存するため、薄いスライス厚での撮影は画像ノイズの増加を招く。
無用なX線被曝を抑制しながら被写体の体型によらず均一な画質を得るために、特許文献1に示されているようなX線自動露出機構( Auto Exposure Control : AEC)と呼ばれる技術が実用化されている。AECでは通常、目標とする画像SDを操作者が指定し、この目標SDになるような管電圧値、管電流値が自動的に設定される。
どのぐらいのSDの画像ならば診断に適した画像が得られるかは、疾患の種類や大きさによって異なる。また同じ疾患であっても検査目的( 検診であるか精密検査であるか)によって求められる画質は異なる。このため被曝量を抑制しつつ検査目的や疾患、被検体の大きさに応じた最適な撮影条件を設定するのは容易ではない。よって検査前にある撮影条件でどのような画像が得られるかを知ることは臨床上有用であり、最適な撮影条件を検討するためのシミュレーション技術が提案されている( 特許文献2、特許文献3参照)。
特開2004-073865号公報 特開2004-329661号公報 特開2004-57831号公報
特許文献1に開示されている技術では、所望のノイズ量やSD値の画像を得る事ができる。しかし無用な被曝を抑制しながら検査目的に適した画像が得るための最適な目標SD値を設定するのは容易ではなく、豊富な経験や高度な知識を必要とするという問題がある。
特許文献2に開示されている技術では、任意の撮影条件においてどのような画像が得られるか、撮影前にシミュレーションすることができる。画面に表示されるシミュレーション画像を見ながら視覚的に画質を確認できるため、特許文献1に開示されている技術に比べると最適な撮影条件の設定は簡便化されている。しかし、特許文献2に開示されている技術では、撮影部位ごとにさまざまなSDを持つサンプル画像をあらかじめ用意しておく必要があるため、用意すべきサンプル画像は膨大な量にのぼる。また撮影条件から予想されるSDの画像がサンプル画像中にない場合、それに近いSDを持つ二つの画像から補間処理によってシミュレーション画像を作成する。このため撮影条件によっては誤差が大きくなる恐れがありシミュレーション精度の信頼性に欠ける可能性があるという問題がある。
特許文献3に開示されている技術では、計測した投影データに対して量子ノイズと電気ノイズを加算してから再構成を行うことでシミュレーション画像を作成する。よって、特許文献2に開示されている技術のように補間処理は含まれておらず、シミュレーションの精度は向上するものと考えられる。しかしシミュレーション画像の作成には実測した投影データを必要とするため、被検者を過去に撮影した履歴がある場合にしか適用できないという問題がある。
また、特許文献3の別の実施形態に開示されている技術では、再構成画像にあらかじめ作成してあるノイズパターン画像を加算する方法が示されている。この方法の場合、撮影条件に応じて様々なノイズパターン画像をあらかじめ用意する必要がある。管電圧、管電流、FOVなどの各撮影パラメータにはそれぞれ多くのパターンを持っているため、全ての撮影条件に対応するには、膨大な量のノイズパターン画像を用意しなければならないという問題がある。
本発明の目的は、膨大なサンプル画像やノイズパターン画像を用意することなく、被検者を過去に撮影した履歴の有無にかかわらず精度の高いシミュレーションが可能なX線CTスキャンシミュレータ装置、X線CT装置、及びX線CTスキャンシミュレータプログラムを提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明に係るX線CTスキャンシミュレータ装置は、基準画像を格納する画像格納手段と、所望画像のノイズ目標値を設定する目標ノイズ値設定手段と、前記設定された目標ノイズ値に基づきノイズ画像を生成するノイズ画像生成手段と、前記生成されたノイズ画像と前記基準画像を合成してシミュレーション画像を作成するシミュレーション画像作成手段と、前記シミュレーション画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るX線CT装置は、被検体にX線を照射するX線源と、前記X線源に対抗配置され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器を搭載し前記被検体の周囲を回転する回転装置と、前記X線検出器により検出された複数方向の透過X線量に基づき前記被検体の断層像を再構成する画像再構成装置と、前記X線の照射条件と画像再構成の条件を入力する撮影条件入力装置と、前記断層像を表示する画像表示装置と、を備えたX線CT装置であって、さらに前記X線CTスキャンシミュレータ装置を搭載したことを特徴とする。
また、本発明に係るX線CTスキャンシミュレータプログラムは、基準画像を取得するステップと、所望画像のノイズ目標値を設定するステップと、前記設定された目標ノイズ値に基づきノイズ画像を生成するステップと、前記生成されたノイズ画像と前記基準画像を合成してシミュレーション画像を作成し出力するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、X線CTスキャンシミュレータにおいて、過去の撮影履歴の有無によらず、目標SD値の条件でどのような画像が得られるかをシミュレーションすることで、被検者を計測する前に最適な撮影条件を検討することができるという効果がある。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<第一実施形態>
[ハードウェア構成]
図1は本発明に係るX線CTスキャンシミュレータを搭載したX線CT装置の好ましい実施の形態を示す図である。本発明に係るX線CTスキャンシミュレータを搭載したX線CT装置1は、ガントリ2を含み、ガントリ2はガントリ2の対向面上に位置するX線源3とコリメータ4と検出器アレイ5とを有する。
検出器アレイ5は図示しない寝台上の被検者を透過したX線を検出する検出器素子6によって形成される。検出器素子6は横列の形、または複数の並列な横列の形に配置されている。各々の検出器素子6は、入射したX線ビームの強度、言い換えるとX線ビームが被検者を透過した際の減衰を表す電気信号を発生させる。
X線源3からX線7が照射された状態でガントリ2が回転中心8を中心にして回転することでX線投影データが収集される。カントリ2やX線源3は、X線CT装置1の制御部9により制御される。
制御部9は、X線制御手段10とガントリ制御手段11とDAS( データ収集システム)12を含み、検出器素子6からのアナログ信号はDAS12によってデジタル信号に変換される。デジタル化されたX線データは演算処理手段13内の再構成手段19によって再構成され、演算処理手段13内の保存手段22に格納される。
演算処理手段13はコンピュータなど演算処理装置であり、被写体の体厚を求める体厚推定手段14と、体厚を水等価厚に変換し被写体と同等のX線吸収量を持つ水ファントムを求める近似モデル算出手段15と、過去に撮影した画像における画像SDを求める画像SD算出手段16と、所望SDの画像を作成するために元画像( 基準画像とも言う)に加算すべきノイズ量を求める加算ノイズ量算出手段17と、被写体と等価なX線吸収量をもつ近似モデルの投影データを発生する水近似モデル投影データ作成手段18と、投影データから画像再構成を行う再構成手段19と、ノイズを加算した近似モデルの投影データとノイズを加算しない近似モデルの投影データからノイズ画像を求めるノイズ画像作成手段20と、元画像にノイズ画像を加算することでシミュレーション画像を求めるシミュレーション画像作成手段21と、ハードディスクなどの保存手段22と、メモリなどの一時格納手段23と、マウスやキーボードなどの入力手段24から構成されている。
また図示しないDigital Signal Processor( DSP)やMicro Processor Unit( MPU)、Central Processing Unit( CPU)の少なくとも一つを備える。画像表示手段25は、演算処理手段13と一体化した、あるいは独立したディスプレイなどの表示装置である。図1では制御部9と演算処理手段13を分離しているが、両者は一体化していてもよい。また再構成手段19は演算処理手段13と独立した演算器でもよい。
[X線CTスキャンシミュレータの構成]
図2は本実施例のX線CTスキャンシミュレータ200の構成図である。X線CTスキャンシミュレータ200は、画像格納手段である保存手段22と目標ノイズ値設定手段である入力手段24とノイズ画像生成手段30とシミュレーション画像作成手段21とを備える。
保存手段22は、X線CTスキャンシミュレータ200が作成するシミュレーション画像の基準となる基準画像を格納する。基準画像は、被検体を過去にCT撮影して得られた過去画像、または人体の内部組織を忠実に再現した人体ファントムを予めCT撮影して得られた人体ファントム画像である。人体ファントム画像の撮影には充分なX線量を用い、鮮明な画像が得られるようにする。
入力手段24は、目標ノイズ値を入力するためのものであり、具体的にはキーボード、マウスなどである。
ノイズ画像生成手段30は、入力手段24で入力された目標ノイズ値に基づいて、ノイズ画像を生成し出力する。ノイズ画像生成手段30は、体厚推定手段14と近似モデル算出手段15と近似モデル投影データ作成手段18と画像SD算出手段16と加算ノイズ量算出手段17とノイズ画像作成手段20とを備える。
体厚推定手段14は、被検体の体厚を取得する。体厚は、操作者が手入力しても良いし、スキャノグラムから求めても良い。また基準画像が過去画像である場合は後述する方法により自動推定しても良い。
近似モデル算出手段15は、体厚推定手段14が推定した体厚に基づき、近似モデルを算出する。近似モデルは、被検体と同等のX線吸収量を持つように水で近似したモデル( 以下、水近似モデル)でもよく、被検体の平均CT値から求められる被検体と同等のX線吸収量を持つ仮想物質によるモデル( 以下、平均CT値物質近似モデル)でもよい。近似モデルの算出方法について後述する。
近似モデル投影データ作成手段18は、近似モデル算出手段15が算出した近似モデルへ模擬的にX線を照射して投影データを作成する。投影データの作成方法については後述する。
画像SD算出手段16は、基準画像のノイズ量を算出する。基準画像のノイズ量の算出方法については後述する。
加算ノイズ量算出手段17は、入力手段24により設定された目標ノイズ値と、画像SD算出手段16により算出されたノイズ量に基づき、基準画像に加算すべきノイズ量を算出する。
ノイズ画像作成手段20は、近似モデル投影データに加算すべきノイズ量を加算して得られる加算投影データを再構成することにより、ノイズ画像を作成する。
シミュレーション画像作成手段21は、ノイズ画像生成手段30により生成されたノイズ画像と、基準画像を合成し、シミュレーション画像を作成する。
[処理の流れ]
図3は本実施形態における、シミュレーション画像を作成する方法を示した処理フローである。まずシミュレーション対象となる被検者において、過去に同一部位を撮影した履歴があるか否かを検索し(ステップS201)、撮影履歴がある場合には過去に撮影した画像( 過去画像)を元画像に設定する(ステップS202)。
撮影履歴がない場合には人体の内部組成を忠実に再現したファントム( 人体ファントム)を撮影した画像を元画像に設定する(ステップS203)。人体ファントムの画像はあらかじめ用意しておく。公知例において、人体ファントムの画像は撮影部位ごとに様々なSDの画像を用意する必要があるが、本発明においては鮮明な画像が得られるよう十分な線量で撮影した画像が各部位ごとに一つあれば、言い換えるとSDの小さい画像を各部位ごとに一つ用意すれば十分である。
またFOVに関しては、各部位ごとに代表的なFOVで撮影しておき、これを適宜、拡大縮小することでシミュレーションにおけるFOVと一致させればよい。よって公知例のようにSDごと、FOVごとに膨大な量の人体ファントム画像を用意する必要はない。
次に、被検体の体厚を自動推定する(ステップS204)。体厚はスキャノグラムから求めてもよく、後述するような方法を用いてもよい。ステップS204において体厚を操作者が直接入力してもよいが、操作者の負担を低減するためには体厚を自動推定する方が望ましい。
次に、ステップS204で得られた体厚をもとに水等価厚を求め、この水等価厚をもった近似モデルを算出する(ステップS205)。水等価厚および近似モデルの算出方法は後述する。次に元画像における画像SDを算出する(ステップS206)。元画像における画像SDの算出方法については後述する。
次に目標画像SD値を入力する(ステップS207)。ここで入力するSD値は操作者が所望する任意のSD値である。ステップS207ではSD値を直接入力してもよく、X線条件( 管電圧、管電流、スライス厚等)を入力してもよい。この場合、入力されたX線条件と近似モデルの大きさからSDに換算すればよい。
次に、ステップS206で求めた元画像におけるSD値とステップS207で入力された目標SD値を比較し、元画像に加算すべきノイズ量を算出する(ステップS208)。
次に近似モデルの投影データを作成する(ステップS209)。投影データは、ノイズを含まない理想系のものと、ステップS208で得られたノイズ量の分だけノイズを加算したものの二種類を作成する。
次にステップS209で得られたノイズなしの投影データとノイズを加算した投影データからノイズ画像を作成する(ステップS210)。ノイズ画像は、ノイズを加算した投影データの再構成画像と、ノイズを加算しない投影データの再構成画像とを差分する、またはノイズを加算した投影データとノイズを加算しない投影データを差分してから再構成することで得られる。次にステップS202またはステップS203で設定した元画像にステップS210で得られたノイズ画像を加算し、シミュレーション画像を作成する(ステップS211)。
[体厚の推定方法]
S204の体厚の推定方法について説明する。図4に体厚推定方法を示す。まず元画像30から被検体内の画素の画素値が1でその他の画素の画素値は0であるようなマスク画像31を作成し、マスク画像31における慣性主軸32を求める。マスク画像31の作成方法は特開2004-097665号公報に開示されているような方法を用いてもよく、その他公知の任意の方法でよい。
ここで慣性主軸32とマスク画像31の輪郭の交点P1,P2間の距離が慣性主軸方向の体厚となる。慣性主軸32は慣性主軸q、座標( x,y)における画素をI( x,y)とおくと、以下の数1式に従って求められる。
{数1}
Figure 2007114470
数1式中のa,b,cは以下の数2式で表される。
{数2}
Figure 2007114470
体厚の推定には、スキャノグラムを用いる方法もある。スキャノグラムを解析し、被検体内で減衰したX線の最大減衰量からAP方向( またはLR方向)の体厚が求められる。
[体厚から水等価厚および近似モデルを算出する方法]
S205の体厚から水等価厚および近似モデルを算出する方法について説明する。図4を用いて前述した手法から、体厚が得られる。ここで図4に示す慣性主軸32上で元画像31内に位置する画素の画素値をスキャンしその平均CT値をCAとすると、慣性主軸方向の水透過長L1は次の数3式で求められる。
{数3}
Figure 2007114470
数3式においてlはP1,P2間の距離を表す。ここで被検体を水等価と仮定すれば、数3式で得られるL1が慣性主軸方向の水等価厚となる。慣性主軸に垂直な方向の水等価厚は被検体の断面を楕円と仮定して求めればよい。マスク内の全画素の平均画素値をCSとすると、慣性主軸に垂直な方向の水等価厚L2は次の数4式で求められる。
{数4}
Figure 2007114470
数4式においてSはマスク内の画素数すなわち面積を表す。元画像と重心が等しく、長軸長がL1は( またはL2)、短軸長がL2は( またはL1)であるような楕円が近似モデルとなる。
スキャノグラムから体厚を求めた場合には、任意の減衰量に対する水の深さは既知であるので、被検体を水等価と仮定すれば前述のAP方向( またはLR方向)の体厚からAP方向( またはLR方向)の水等価厚は計算可能である。LR方向( またはAP方向)の水等価厚は被検体の断面を楕円と仮定して求めればよい。
楕円の面積と減衰量の総和は比例すると考えられ、楕円の面積は楕円の長軸と短軸の積に比例するので、減衰量の総和( =楕円の面積)とAP方向( またはLR方向)の水等価厚( =楕円の短軸または長軸)からLR方向( またはAP方向)の水等価厚( =楕円の長軸または短軸)を計算する事が可能である。こうして算出された楕円が近似モデルとなる。なおスキャノグラムから水等価厚を求める手法はこれに限らず任意の公知の方法でよい。
近似モデルは、上述のように水等価厚に基づいて撮影対象全体を水ファントムで近似してもよいが、撮影対象中に骨と軟部組織などX線吸収特性が大きく異なるものが含まれている場合には、撮影対象を臓器ごとにセグメンテーションし、セグメンテーションした部位ごとに異なるX線吸収物質で近似することが望ましい。セグメンテーションした各部位には、後述する投影データ作成時に次式で得られる吸収係数μαを割り当てればよい。
{数5}
Figure 2007114470
ここで、μwは水のX線吸収係数、△CTはセグメンテーションした各部位のCT値と空気のCT値の差である。なお、セグメンテーションには任意の公知の手法を用いればよい。このセグメンテーションは、例えば頭部の撮影において、楕円の外縁から所定の幅の内側の領域を骨( 頭蓋骨)に近似させるためにカルシウムの吸収係数を割り当て、その領域よりも更に内側の領域は軟部組織に近似させるために水の吸収係数を割り当てるように用いてもよい。
[元画像における画像SDを算出する方法]
S206の元画像における画像SDを算出する方法について説明する。スライス位置zにおけるCT画像Img( z)を再構成するために使用するビュー数をMとし、便宜的なビュー番号mをm=0〜M-1とする。一回転あたりのビュー数をNとした時、使用ビュー数Mは一回転あたりのビュー数Nと必ずしも等しくない。ここで、X線減弱指数Tは使用するビュー番号の関数T( m)として表すことができる。ビュー番号m=0〜M-1におけるX線減弱指数Tの最大値をTmax( 0:M-1)とし、この時に基準管電流値i_refを対応させると仮定した場合、ビュー番号mに対する管電流値iv( m)は次の数6式のようになる。
{数6} iv( m) = i_ref * exp( T( m) - Tmax( 0:M-1))
一方、スキャナが一回転する時間trotが基準時間trot_refに等しく、その間はX線減弱指数Tが一定値であり、管電圧としてxv、管電流値iとして基準管電流値i_refを用いたとし、一回転中のビュー数N_refに均等な重み付けをして、再構成フィルタ関数gを用い、画像厚thkを基準画像厚thk_refとして再構成した場合の画像ノイズ分散値Vは、X線減弱指数Tの関数として次の数7式のように表される。
{数7}
Figure 2007114470
前述の数6式で表される管電流値iv( m)を用いた場合の画像ノイズ分散予測値V*は次の数8式のように表される。
{数8}
Figure 2007114470
ここで数8式のw( m)は各ビューに対して適用されるビュー方向重みである。元画像において管電圧、管電流、再構成フィルタ関数、画像厚等の各パラメータは既知であるから、式8に従って元画像における画像ノイズ分散予測値V*を算出することができ、V*の平方根から元画像におけるSD値が求められる。
[加算ノイズ量を算出する方法]
S208の加算ノイズ量を算出する方法について説明する。X線粒子( フォトン)のエネルギーをE、X線粒子の数( フォトン数)をPとおく。Eは管電圧kVの、Pは管電圧kVと管電流mAに依存して決まる量であり、フォトンノイズ( フォトンのSD)Nqの分散は次の数9式のようになる。
{数9}
Figure 2007114470
ここでβは装置に依存して決まる定数であり、βは被写体なしで撮影した際の信号強度から経験的に求められる。gは検出器のエネルギー変換効率、ηは検出器のX線検出効率である。元画像( SDはσ0)を撮影したX線条件におけるフォトンエネルギー、フォトン数、フォトンノイズ、システムノイズをそれぞれE0,P0,Nq0,Ns0とし、シミュレーション画像( SDはσt)におけるフォトンエネルギー、フォトン数、フォトンノイズをそれぞれEt,Pt,Nqt,Nstとすると、シミュレーション画像を得るために元画像に加算すべきフォトンノイズ量Naddの分散は次の数10式のようになる。
{数10}
Figure 2007114470
計算の簡略化のために、数10式中のシステムノイズの項を無視してもよいが、精細なシミュレーションを行うにはフォトンノイズだけでなくシステムノイズの影響も考慮することが望ましい。各撮影条件におけるシステムノイズはX線が透過しないような十分に厚い鉛板でX線管球を遮蔽してスキャンすることで得られる。
加算ノイズ量を算出する方法については、次のような方法も考えられる。元画像におけるSDをσ0、目標画像SDをσtとする。元画像にノイズ画像を加算しシミュレーション画像を作る場合、ノイズ画像におけるSDσaは、次の数11式で求められる。
{数11}
Figure 2007114470
図5は、水ファントムにおける透過長とSDの関係を示した一例である。図5に示すカーブは、様々な径の水ファントムを撮影しその際のSDを計測することで得られる。図5に示すカーブは使用するCTスキャナで設定可能なすべての管電圧ごとに用意することが望ましい。ステップS205において前述のような方法を用いることにより近似モデルの透過長( 透過厚)は求まっているので、図5に示すカーブを参照すれば数11式で算出されたσaを得るようなmAs値が得られる。任意のmAs値におけるノイズ量はファントムを実測することにより経験的に求められるので、これを加算ノイズ量とすればよい。
図5に示すカーブは代表的なmAs値におけるカーブのみをあらかじめ用意し、他のmAs値におけるカーブはSDがmAs値の平方根に比例することを利用して算出してもよい。ただしこの場合、システムノイズが目立つような撮影条件においては誤差が大きくなる可能性があるので、使用するCT装置において設定可能なすべてのmAs値に対してカーブをあらかじめ用意する事が望ましい。
[近似モデルの投影データ作成方法]
S209の近似モデルの投影データ作成方法について説明する。図6に投影データの作成方法の説明図を示す。エネルギーEを持つX線のエネルギー強度をIEとすると、IEは次式で表される。
{数12}
Figure 2007114470
ここでNはアボガドロ数、ρ、Aはそれぞれターゲットの密度および原子量、m0は電子の質量、cは光速、T0は入射電子のエネルギー、Qは一つの電子から放射されるX線のエネルギー強度である。QはフォトンエネルギーEと電子エネルギーTの比E/Tで決まる近似式であり、下記の非特許文献1おいて近似式が求められている。
R. Bitch and M. Marshall, Computation of Bremsstrahlung X-ray Spectra and Comparison with Spectra Measured with a Ge( Li) Detector, Phys. Med. Biol., Vol24, No.3, 505-517,1979 dT/dlは単位長当たりのエネルギー損失量であり阻止能と呼ばれる。阻止能は非特許文献2において各元素に対する値が記載されている。
山田 勝彦, 野原 弘基, 放射線計測学, 第2章, 日本放射線技術学会, 1983. μEはX線管内のターゲットのX線吸収係数、lは電子の入射距離である。式12はエネルギー強度分布であり、フォトン数の分布を得るならばIE/Eを計算すればよい。式12は制動放射によるX線のスペクトルを表すが、励起された原子から放出される特性X線Ichは次の数13式で近似される。
{数13}
Figure 2007114470
TK,LはK、L電子軌道から電子を除去するのに必要なエネルギーであり、Ichの絶対強度を非特許文献3に記載されている値と比較すれば得ることができる。
HPA. Catalogue of Spectctral Data for Diagnostic X-rays, SRS-30, Hospital Physicist’s Association, 1979 近似モデルの投影データは、線減弱特性と透過距離を用いて算出することができる。下記の数14式に示すようにフォトンエネルギーE毎に、各X線吸収物質nのX線吸収係数μnを算出し透過パス長lnとの乗算値に基づき各フォトンエネルギーにおける投影値を算出し、実効スペクトル分布から得られる各エネルギーの寄与率W( E)と投影値との積和により投影データを作成する。
{数14}
Figure 2007114470
ここでNaddは、前述の加算ノイズである。図7に透過パス長算出の概要を示す。任意の点( 例えばアイイソセンター)を原点とするような三次元座標系を考えればX線源や検出器、近似モデルの幾何学的な座標が得られ、近似モデル70の外周は楕円の方程式で、任意の検出器に入射したX線経路は直線の方程式で表現できる。
楕円と直線の交点を求める方法は既知であるから、二つの交点の座標は容易に求められ、交点間の距離すなわち透過パス長( L1やL2)が得られる。このような演算をすべてのX線経路について行えばよい。図7の例では、簡単のためにX線吸収係数μ1の楕円模擬人体の中にX線吸収係数μ2の楕円模擬臓器が配置されている場合について示したが、より多くの個数の臓器や異なる形状の臓器が配置されている場合についても同様にして投影データが得られることは同業者ならば容易に理解されるであろう。
なお、より精密なシミュレーションを行うには、投影データの作成において補償フィルタやシンチレーターにおけるX線の減弱も考慮することが望ましい。本実施の形態では近似モデルの擬似投影データを作成することで投影データを得ているが、もし過去に撮影履歴がある場合には、CT画像を再投影することで投影データを得てもよい。
[画面表示]
シミュレーション画像の表示は、目標画像SD値のシミュレーション画像だけを画面に表示してもよいが、図8に示すような表示を行ってもよい。図8中のkVpt, mAstは、目標画像SD値のシミュレーション画像を得るための管電圧、mAs値であり、図8の例では目標画像SD値のシミュレーション画像80を中央に、管電圧、mAs値を適宜変更した場合のシミュレーション画像81を周囲に並べて表示している。
目標画像SD値は操作者が任意に指定するパラメータであるが、設定した目標画像SD値が検査目的を達するのに最適であるとは限らない。よって目標画像SD値のシミュレーション画像だけを表示するようなユーザーインターフェース( 以下[UI]という)では、最適な撮影条件を検討していく過程で目標画像SD値を何度も変更しながらシミュレーション画像を作り直す工程が必要となる。
しかし図8のように目標画像SD値のシミュレーション画像だけでなくX線条件を適宜変更させた場合のシミュレーション画像も並べて表示することにより、シミュレーション画像を作り直す工程が大幅に低減できるだけでなく、各SDの画像を簡便に比較でき、最適な撮影条件の設定が容易になる。
図8の例ではmAs値と管電圧値を変更した場合について示したが、変更するパラメータはこれら二つに限らず、撮影スライス厚、再構成スライス厚、再構成関数、ヘリカルピッチなどの任意のパラメータでよい。また図8の例では、縦方向、横方向ともに3枚ずつ、計9枚の画像を並べて表示したが、画像を並べる枚数やレイアウトはこれに限られず任意のものでよい。
なお、画面上で任意の画像を選択すれば、その際のX線条件が撮影プロトコルとして登録され、シミュレーション対象となった患者を撮影する際にその撮影プロトコルが自動的に撮影条件に設定されるようなシステムならば臨床上の有用性は増すであろう。
<第二実施形態>
図8ではいくつかのSDを持つシミュレーション画像を並べて表示する例について示したが、図8で並べたシミュレーション画像のうちの一つを選択すると、並列表示した二つの軸のパラメータを固定し、その他のパラメータを変えた複数のシミュレーション画像を並べて表示するようにしてもよい。
図9は、本実施の形態を示す画面表示例である。図9( a)では、縦軸を管電圧kVp、横軸を管電圧mAsとし、ステップS211で生成したシミュレーション画像80を中央に、管電圧、mAs値を適宜変更した場合のシミュレーション画像81を周囲に並べて表示している。ここで、ユーザがマウスによりシミュレーション画像80をクリックして選択すると、シミュレーション画像80の管電圧、管電流kVpt, mAstを固定し、その他のパラメータ、例えばヘリカルピッチ( HP)と再構成関数( F1,F2,F3)を変化させたシミュレーション画像82を生成する。
そして、図9( a)で選択したシミュレーション画像80を中央に、それと同じ管電流及び管電圧であって、異なるHP、再構成関数を用いたシミュレーション画像82を周辺に並べて表示してもよい( 図9( b))。
これにより、まず二つのパラメータについて設定し、次に更なるパラメータを変えたときのシミュレーション画像を見ながら、最適なX線撮影条件を検討することができる。
上記では、最初に管電流と管電圧との組み合わせを決め、続いてヘリカルピッチと再構成関数とを決めたが、パラメータの組み合わせや決定順序はこれに限らない。
<第三実施形態>
第三実施形態は、シミュレーション画像を確認し、そのときのX線撮影条件をスキャン撮影の撮影条件に流用する実施形態である。
例えば、図8や図9( b)に「撮影条件決定」アイコン90を備えておく。そして、図8や図9( b)においてシミュレーション画像を一つマウスでクリックして選択し、続いて撮影条件決定アイコン90をマウスでクリックすると、選択されたシミュレーション画像の撮影条件( FOV、撮影スライス厚、再構成関数、HP、画像スライス厚、管電圧、管電流)を示す情報が、X線CT装置1の制御部9へ送信される。制御部9のX線制御手段10は、受信した撮影条件に従ってスキャン撮影を行う。
図8のように、管電圧及び管電流を決定し、その他の撮影条件、例えば、FOV、撮影スライス厚など、スキャン撮影に必要な撮影条件の全てがシミュレータから送信されない場合には、X線CT装置1の制御部9は、受信した撮影条件を自動入力し、不足している撮影条件はユーザに入力をさせる。
本実施形態により、シミュレーション画像を見ながら決定した撮影条件をX線CT装置に送信することができ、その撮影条件を自動入力してスキャン撮影を行うことができる。
<第四実施形態>
SDは同等でノイズパターンが異なるシミュレーション画像を並べて表示してもよい。ノイズのランダム性のために、まったく同一のX線条件で同一の被検体を撮影した場合であっても、ノイズの現れ方、すなわちノイズパターンは異なる。したがって疾患の大きさや位置とノイズパターンの兼ね合いから、同一のX線条件で撮影した場合であっても疾患が見えにくくなる場合がある。よって特に精密検査においては、どのようなノイズパターンになっても確実に疾患が発見できるような撮影条件を設定する必要がある。
このような場合には、SDは同等でノイズパターンが異なるシミュレーション画像を並べて表示するようなUIが臨床上有用であろう。図10は、同SD値でノイズパターンが異なる九つのシミュレーション画像85を並列表示した画面表示例である。ノイズを示すドットの数( 大きな点一つと小さな点八つ)は同一であるが、ドットが点在する位置は、各シミュレーション画像で異なる。このようなシミュレーション画像を表示することにより、ノイズパターンを考慮して撮影条件を決定することができる。
また、近年、非特許文献4に示されているような解像度低下を抑制しながらノイズ除去が可能な画像フィルタを用いて画像のSNを改善することで被曝線量を低減する手法が導入されている。
映像情報Medical別冊マルチスライスCT Book2005 vol37( 7)145-149 そこで、画像フィルタを用いた被曝低減撮影プロトコルを検討する場合、シミュレーション画像に対し、非特許文献4で示されているような画像フィルタをはじめとする任意の画像フィルタでノイズ除去処理が可能なUIが臨床上有用であろう。
例えば前述の図8の場合と同様にして、任意のパラメータを縦軸、横軸に選択してX線条件を適宜変更させた場合のフィルタリング処理後のシミュレーション画像を並べて表示する場合、画像フィルタの処理パラメータ( 平滑化レベル、先鋭化レベルなど)が変更されるとそれに従ってフィルタリング処理後のシミュレーション画像の表示が切り替わることが望ましい。
また図11のように、同一のシミュレーション110画像に対して、平滑化レベルと先鋭化レベルを変更した場合のフィルタリング処理後のシミュレーション画像111を並べて表示するようなUIも臨床上有用であろう。
<第五実施形態>
[X線CTスキャンシミュレータの構成]
図12は本実施形態のX線CTスキャンシミュレータ1200の構成図である。X線CTスキャンシミュレータ1200は、画像格納手段1210と目標ノイズ値設定手段1230とノイズ画像生成手段1240とシミュレーション画像作成手段1244とサンプルノイズ画像編集手段1250を備える。
画像格納手段1210は、X線CTスキャンシミュレータ1200が作成するシミュレーション画像の基準となる基準画像と、複数のサンプルノイズ画像を格納する。基準画像は、被検体を過去にCT撮影して得られた過去画像、または人体の内部組織を忠実に再現した人体ファントムを予めCT撮影して得られた人体ファントム画像である。人体ファントム画像の撮影には充分なX線量を用い、鮮明な画像が得られるようにする。また人体ファントム画像には、部位ごとに代表的なFOVで撮影したものを用意しておけばよい。サンプルノイズ画像は、ノイズ成分のみを含んだ画像である。サンプルノイズ画像は、部位、FOV、FOVと被写体サイズの比、画像再構成時に用いる再構成関数に応じて用意することが望ましい。サンプルノイズ画像の作成方法については既に述べた。
目標ノイズ値設定手段1230は、X線CTスキャンシミュレータ1200が作成するシミュレーション画像のノイズ目標値を設定する。目標ノイズ値設定手段1230は、体厚取得手段1231と近似モデル生成手段1232と目標ノイズ値算出手段1233とを備える。なお、目標ノイズ値設定手段1230は、画像ノイズ量を入力する画像ノイズ量入力手段であっても良い。なお、画像ノイズ量とは、通常、均質ファントム像のCT値のバラツキを標準偏差として定義され、画像SD( Standard Deviation)と略称されることがある。
体厚取得手段1231は、被検体の体厚を取得する。体厚は、操作者が手入力しても良いし、スキャノグラムから求めても良く、また基準画像が過去画像である場合は既に述べた方法により自動推定しても良い。
近似モデル生成手段1232は、体厚取得手段1231が取得した体厚に基づき、近似モデルを生成する。近似モデルは、被検体と同等のX線吸収量を持つように水で近似したモデル( 以下、水近似モデル)でもよく、被検体の平均CT値から求められる被検体と同等のX線吸収量を持つ仮想物質によるモデル( 以下、平均CT値物質近似モデル)でもよい。
目標ノイズ値算出手段1233は、入力された撮影条件と、近似モデル生成手段1232により生成された近似モデルに基づき画像ノイズ量を算出する。
ノイズ画像生成手段1240は、目標ノイズ値設定手段1230により設定された目標ノイズ値に基づいて、ノイズ画像を生成し出力する。ノイズ画像生成手段1240は、サンプルノイズ画像選択手段1220と基準画像ノイズ量算出手段1241と加算ノイズ量算出手段1242とノイズ振幅変更手段1243とを備える。
サンプルノイズ画像選択手段1220は、複数のサンプルノイズ画像の中から基準画像の撮影条件に応じて一つのサンプルノイズ画像を選択する。サンプルノイズ画像の選択には、撮影条件の中からFOV、FOVと被写体のサイズ比、再構成関数などを参照する。
基準画像ノイズ量算出手段1241は、基準画像のノイズ量を算出する。基準画像のノイズ量の算出方法については既に述べた。
加算ノイズ量算出手段1242は、目標ノイズ値設定手段1230により設定された目標ノイズ値と、基準画像ノイズ量算出手段1241により算出されたノイズ量に基づき、基準画像に加算すべきノイズ量を算出する。
ノイズ振幅変更手段1243は、加算ノイズ量算出手段1242により算出された加算ノイズ量に基づき、サンプルノイズ画像選択手段1220により選択されたサンプルノイズ画像のノイズ振幅を変更する。
シミュレーション画像作成手段1244は、ノイズ画像生成手段1240により生成されたノイズ画像と、基準画像を合成し、シミュレーション画像を作成する。
サンプルノイズ画像編集手段1250は、画像格納手段1210に格納されるサンプルノイズ画像の追加・削除といった編集を行うための手段である。操作者は、サンプルノイズ画像編集手段1250を用いて、仮想ファントムの形状とCT値、重心座標、撮影視野の少なくとも一つを指定し、サンプルノイズ画像の追加を行う。
[処理の流れ]
図13は、本実施形態によりシミュレーション画像を生成するまでの処理の流れを示す図である。大まかな流れは、ステップS1301〜S1303での基準画像の設定、ステップS1304〜S1306での目標ノイズ値の設定、ステップS1307〜S1311でのノイズ画像の生成、ステップS1312でのシミュレーション画像の合成である。以下で各ステップについて説明する。
(ステップS1301)
X線CTスキャンシミュレータ1200は、シミュレーション対象となる被検体の過去画像を画像格納手段1210の中で検索し、過去に同一部位を撮影した履歴があるか否かを判断する。判断の結果、過去画像があればステップS1302に、なければステップS1303に進む。
(ステップS1302)
X線CTスキャンシミュレータ1200は、過去画像を基準画像に設定する。
(ステップS1303)
X線CTスキャンシミュレータ1200は、人体ファントム画像を基準画像に設定する。
(ステップS1304)
体厚取得手段1231は、被検体の体厚をスキャノグラムや過去画像から自動推定する。推定方法については既に述べた。操作者が体厚を直接入力してもよいが、操作者の負担を軽減するためには体厚を自動推定する方が良い。
(ステップS1305)
近似モデル生成手段1232は、S1306で得られた体厚をもとに近似モデルを生成する。近似モデルは、水近似モデルでも、平均CT値物質近似モデルでもよい。近似モデルの算出方法は既に述べた。
(ステップS1306)
目標ノイズ値設定手段1230は、目標ノイズ値を設定する。目標ノイズ値の設定は、操作者が直接手入力して設定しても良いし、S1307で生成された近似モデルと、撮影条件に基づき目標ノイズ値算出手段1233が算出した値を設定しても良い。
(ステップS1307)
X線CTスキャンシミュレータ1200は、S1302若しくはS1303で設定された基準画像の撮影条件の中から、FOV、FOVと被写体のサイズ比、再構成関数を取得する。
(ステップS1308)
サンプルノイズ画像選択手段1220は、画像格納手段1210の中の複数のサンプルノイズ画像の中からS1305で取得した撮影条件に基づき一つのサンプルノイズ画像を選択する。
(ステップS1309)
基準画像ノイズ量算出手段1241は、基準画像の画像ノイズ量を算出する。画像ノイズ量の算出方法については既に述べた。
(ステップS1310)
加算ノイズ量算出手段1242は、S1308で設定された目標ノイズ値と、S1309で算出した基準画像の画像ノイズ量とに基づき、基準画像に加算すべきノイズ量を算出する。加算ノイズ量の算出方法は既に述べた。
(ステップS1311)
ノイズ振幅変更手段1243は、S1310で算出された加算ノイズ量に応じて、S1305で選択されたサンプルノイズ画像のノイズ振幅を変更する。
(ステップS1312)
シミュレーション画像作成手段1244は、S1302若しくはS1303で設定された基準画像と、S1311でノイズ振幅を変更されたサンプルノイズ画像を合成することにより、シミュレーション画像を作成する。
サンプルノイズ画像は、部位、FOV、FOVと被写体サイズの比、再構成関数に応じて用意しておくことが望ましい。人体には、頭部のように縦長の臓器と腹部のように横長の臓器が存在する。ここで被写体のX軸径をRx、Y軸径をRyとする。サンプルノイズ画像は部位毎に作成するが、頭部のような縦長の臓器の場合にはRx/Ryが0.787程度の値に、腹部のような横長の臓器の場合にはRy/Rxが0.787程度の値になるように、前述の仮想ファントムには模擬臓器が配置されていることが望ましく、このような仮想ファントムによってサンプルノイズ画像を作成することが望ましい。
FOVに関しては、全撮影プロトコルにおいて有り得る全てのFOVについてサンプルノイズ画像を作成することが望ましい。図14はFOVと被写体サイズの比の説明図である。例えば図14に示すように画像901中に被写体902が含まれていたとする。ここで被写体のX軸径をRx、Y軸径をRyとすると、本発明で述べるところのFOVと被写体サイズの比とはRx/FOVまたはRy/FOVの比の事であり、0〜1の実数である。撮影部位によって、被写体サイズはFOVとほぼ同等である場合もあれば、FOVの3割程度にすぎない場合もある。よってFOVと被写体サイズの比が0.3〜1.00の範囲で0.05程度の刻みでサンプルノイズ画像を作成することが望ましい。同一のX線条件で撮影したデータであっても再構成関数によってノイズパターンは異なる。よって臨床で使用される全ての再構成関数に対してサンプルノイズ画像を作成することが望ましい。
前述のサンプルノイズ画像はあらかじめ用意するだけでなく、操作者が任意に作成、追加できるような機能が臨床上有用である。操作者がサンプルノイズ画像を追加するために、図15に示すように、前述の仮想ファントムの形状やCT値、重心座標、ノイズ量( SD)、FOVを操作者が任意に指定できるようなGUIが備えられていることが望ましい。また保存されているサンプルノイズ画像一覧を画面上に表示し、操作者が不要と判断したノイズ画像に関しては操作者が任意に削除できるようなGUIが備えられていることが望ましい。
以上の処理により、作成されたシミュレーション画像を表示する際、シミュレーション画像と同時に、S1302若しくはS1303で設定された基準画像とS1305で選択したサンプルノイズ画像、S1311で得られた振幅変更後のサンプルノイズ画像をすべて、あるいは操作者希望する任意の組み合わせについて並べて表示することが望ましい。また、第一実施形態〜第四実施形態で述べたような表示を行っても良い。
図16に本発明の適用例を示す。図16(a)は100kV,200mAsで撮影したSDが4.0の頭部CT像120である。図16(b)は図16(a)の元画像120からSdが5.6のシミュレーション画像を作成するために加算するノイズ画像121である。図16(c)は図16(a)の元画像120に図16(b)のノイズ画像121を加算して得られたシミュレーション画像122であり、SDは5.6である。したがって元画像を得た際の撮影条件に比べてmAs値を1/2程度に低減した場合に相当する。
シミュレーション画像におけるSDを変更した場合や他の部位においても同様にしてシミュレーション画像を作成できることは同業者ならば容易に理解されるであろう。
上記実施形態では、X線CTスキャンシミュレータを搭載したX線CT装置について説明したが、X線撮影機能を有さずシミュレータ機能だけを搭載したX線CTスキャンシミュレータ装置として構成してもよい。
また、上記実施形態に記載の機能をコンピュータに実行させるスキャンシミュレータプログラムとして構成し、このプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションにインストールして上記機能を実現してもよい。その場合、シミュレータ画像は、必ずしもスキャンシミュレータプログラムをインストールしたパーソナルコンピュータやワークステーションのモニタに表示させる必要はなく、LANなどのネットワークを介して接続された端末装置にシミュレータ画像を送信し、その端末装置においてシミュレータ画像を表示させてもよい。
本発明のX線CTスキャンシミュレータを搭載したX線CT装置の構成図。 第一実施形態の構成図。 第一実施形態の処理フロー。 体厚推定方法の説明図。 水ファントムにおける透過長とSDの関係を示す図。 投影データの作成方法の説明図。 透過長の算出方法の説明図。 第一実施形態の画面表示例。 第二実施形態の画面表示例。 第四実施形態の画面表示例。 第四実施形態の画面表示例。 第五実施形態の構成図。 第五実施形態の処理フロー。 FOVと被写体サイズの比の説明図。 サンプルノイズ画像を操作者が作成、追加するためのGUI例。 本発明を臨床適用した例。
符号の説明
1 X線CT装置、2 ガントリ、3 X線源、4 コリメータ、5 検出器アレイ、6 検出器素子、7 X線、8 回転中心、9 制御部、10 X線制御手段、11 ガントリ制御手段、12 DAS、13 演算処理手段、14 体厚推定手段、15 近似モデル算出手段、16 画像SD算出手段、17 加算ノイズ量算出手段、18 近似モデル投影データ作成手段、19 再構成手段、20 ノイズ画像作成手段、21 シミュレーション画像作成手段、22 保存手段、23 一時格納手段、24 入力手段、25 画像表示手段

Claims (20)

  1. 基準画像を格納する画像格納手段と、
    所望画像のノイズ目標値を設定する目標ノイズ値設定手段と、
    前記設定された目標ノイズ値に基づきノイズ画像を生成するノイズ画像生成手段と、
    前記生成されたノイズ画像と前記基準画像を合成してシミュレーション画像を作成するシミュレーション画像作成手段と、
    前記シミュレーション画像を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  2. 請求項1のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記ノイズ画像生成手段は、
    前記被検体の体厚を取得する体厚取得手段と、
    前記体厚に基づき前記被検体の近似モデルを生成する近似モデル生成手段と、
    前記基準画像のノイズ量を算出する基準画像ノイズ量算出手段と、
    前記目標ノイズ値と前記基準画像のノイズ量に基づき前記基準画像に加算するノイズ量を算出する加算ノイズ量算出手段と、
    前記近似モデルの投影データである基準投影データと、前記基準投影データに前記加算ノイズ量を加算した加算投影データと、を作成する近似モデル投影データ作成手段と、
    前記加算投影データを用いてノイズ画像を再構成するノイズ画像再構成手段と、
    を有することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  3. 請求項2のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記ノイズ画像作成手段は、前記加算投影データに基づく再構成画像と前記基準投影データに基づく再構成画像とを差分してノイズ画像を作成する、又は前記加算投影データと前記基準投影データとを差分処理して差分投影データを生成し、その差分投影データを再構成してノイズ画像を作成することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  4. 請求項2のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記近似モデル算出手段は、前記被検体の体厚から推定される水等価厚をもった仮想的な水ファントムからなる近似モデルを算出する、または前記被検体の撮影部位を分割した部位ごとに、その部位のCT値と空気のCT値との差及び水のX線吸収係数から算出されるX線吸収係数を割り当てた近似モデルを算出することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  5. 請求項2のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記近似モデル投影データ作成手段は、仮想的にX線エネルギースペクトルを発生させ、フォトンエネルギー毎に各X線吸収物質のX線吸収係数と透過パス長との乗算値に基づき各フォトンエネルギーにおける投影値を算出し、各エネルギーの寄与率と前記投影値との積和により前記基準投影データ及び前記加算投影データを作成する、又は前記被検体の過去画像を再投影して前記基準投影データ及び前記加算投影データを作成することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  6. 請求項2のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記基準画像ノイズ算出手段は、前記基準画像を撮影したときの撮影条件に基づいて前記基準画像に含まれる画像ノイズ量を算出することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  7. 請求項1のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記シミュレーション画像作成手段は、前記シミュレーション画像の撮影条件のうちの少なくとも一つの撮影条件、画像フィルタ、及び前記画像ノイズの点在パターン、のいずれかが異なる複数のシミュレーション画像からなるシミュレーション画像群を更に作成し、前記表示手段は、前記シミュレーション画像及び前記シミュレーション画像群を並べて表示することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  8. 請求項7のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記表示手段に並べて表示されたシミュレーション画像のうちの一つを選択する選択手段を更に備え、前記表示手段は、撮影条件と複数のシミュレーション画像とを対応させて表示し、前記選択手段により前記シミュレーション画像の一つが選択されると、前記シミュレーション画像作成手段は、選択されたシミュレーション画像の撮影条件のうち、前記表示手段に表示された撮影条件は同一であって他の撮影条件は異なる複数のシミュレーション画像からなるシミュレーション画像群を再度作成し、前記表示手段は、再度作成されたシミュレーション画像群と前記選択されたシミュレーション画像とを並べて表示することを特徴とする請求項6に記載のX線CTスキャンシミュレータ装置。
  9. 請求項7のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記表示手段に表示された前記シミュレーション画像又は前記シミュレーション画像群のうちの一つのシミュレーション画像を指定する指定手段を更に備え、前記表示手段に表示されたシミュレーション画像が指定されると、前記指定されたシミュレーション画像を得るための撮影条件を、前記被検体のスキャン撮影時の撮影条件として出力することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  10. 請求項1のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記画像格納手段は、さらに複数のサンプルノイズ画像を格納し、前記ノイズ画像生成手段は、前記複数のサンプルノイズ画像から一つのサンプルノイズ画像を撮影条件に応じて選択するサンプルノイズ画像選択手段と、
    前記基準画像のノイズ量を算出する基準画像ノイズ量算出手段と、
    前記目標ノイズ値と前記基準画像のノイズ量に基づき前記基準画像に加算するノイズ量を算出する加算ノイズ量算出手段と、
    前記選択されたサンプルノイズ画像のノイズ振幅を前記加算ノイズ量に基づいて変更するノイズ振幅変更手段と、
    を有することを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  11. 請求項10のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記画像格納手段に格納される前記基準画像は、被検体を過去に撮影して得られた過去画像、または人体ファントムを撮影して得られた人体ファントム画像であることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  12. 請求項10のX線Ctスキャンシミュレータ装置において、
    前記目標ノイズ値設定手段は、前記被検体の体厚を取得する体厚取得手段と、
    前記体厚に基づき前記被検体の近似モデルを生成する近似モデル生成手段と、
    前記撮影条件と前記近似モデルに基づき前記目標ノイズ値を算出する目標ノイズ値算出手段と、
    を備えることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  13. 請求項12のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記体厚取得手段は、スキャノグラム撮影して得られたスキャノグラム画像に基づいて前記被検体の体厚を推定する手段、または被検体を過去に撮影して得られた過去画像に基づいて体厚を推定する手段であることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  14. 請求項12のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記近似モデル生成手段は、前記体厚と等価な水等価厚を算出し、その水等価厚を有する近似モデルを算出する手段であることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  15. 請求項10のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    前記画像格納手段に格納される複数のサンプルノイズ画像は、部位、撮影視野、撮影視野と被検体サイズの比、画像再構成時用いる再構成関数の異なるサンプルノイズ画像であることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  16. 請求項10のX線CTスキャンシミュレータ装置において、
    仮想ファントムの形状とCT値、重心座標、撮影視野、の少なくとも一つを指定し、サンプルノイズ画像の追加と削除するための編集手段をさらに備えることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータ装置。
  17. 被検体にX線を照射するX線源と、前記X線源に対抗配置され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器を搭載し前記被検体の周囲を回転する回転装置と、前記X線検出器により検出された複数方向の透過X線量に基づき前記被検体の断層像を再構成する画像再構成装置と、前記X線の照射条件と画像再構成の条件を入力する撮影条件入力装置と、前記断層像を表示する画像表示装置と、を備えたX線CT装置において、
    請求項1乃至16のいずれかに記載のX線CTスキャンシミュレータ装置を搭載したことを特徴とするX線CT装置。
  18. 基準画像を取得するステップと、
    所望画像のノイズ目標値を設定するステップと、
    前記設定された目標ノイズ値に基づきノイズ画像を生成するステップと、
    前記生成されたノイズ画像と前記基準画像を合成してシミュレーション画像を作成し出力するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータプログラム。
  19. 請求項18のX線CTスキャンシミュレータプログラムにおいて、前記ノイズ画像生成ステップは、
    前記被検体の体厚を取得するステップと、
    前記体厚に基づき前記被検体の近似モデルを生成するステップと、
    前記基準画像のノイズ量を算出するステップと、
    前記目標ノイズ値と前記基準画像のノイズ量に基づき前記基準画像に加算するノイズ量を算出するステップと、
    前記近似モデルの投影データである基準投影データと、前記基準投影データに前記加算ノイズ量を加算した加算投影データと、を作成するステップと、
    前記加算投影データを用いてノイズ画像を再構成するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータプログラム。
  20. 請求項18のX線CTスキャンシミュレータプログラムにおいて、
    前記ノイズ画像生成ステップは、
    複数のサンプルノイズ画像から一つのサンプルノイズ画像を撮影条件に応じて選択するステップと、
    前記基準画像のノイズ量を算出するステップと、
    前記目標ノイズ値と前記基準画像のノイズ量に基づき前記基準画像に加算するノイズ量を算出するステップと、
    前記選択されたサンプルノイズ画像のノイズ振幅を前記加算ノイズ量に基づいて変更するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするX線CTスキャンシミュレータプログラム。
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