JP2005110843A - 放射線画像処理装置及び処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 CT画像の関心領域と投影データを関連付けする。
【解決手段】 仮想的なX線焦点Hから三次元腫瘍形状に向かってX線を曝射した際に、投影データI上に形成される腫瘍Aの影の位置を収集された投影データIの全てに対して計算する。再投影の過程では2種類の処理が考えられ、1つは単に腫瘍Aの形状が投影データI上に作る影の領域を計算する処理、他の1つは計算すると同時に腫瘍Aの影の領域にレンダリングされた3D画像を二次元情報として埋め込む処理である。
投影データIを回転表示する際に、投影データI中にレンダリングされた腫瘍領域位置Jを強調して表示する。
【選択図】 図9
【解決手段】 仮想的なX線焦点Hから三次元腫瘍形状に向かってX線を曝射した際に、投影データI上に形成される腫瘍Aの影の位置を収集された投影データIの全てに対して計算する。再投影の過程では2種類の処理が考えられ、1つは単に腫瘍Aの形状が投影データI上に作る影の領域を計算する処理、他の1つは計算すると同時に腫瘍Aの影の領域にレンダリングされた3D画像を二次元情報として埋め込む処理である。
投影データIを回転表示する際に、投影データI中にレンダリングされた腫瘍領域位置Jを強調して表示する。
【選択図】 図9
Description
本発明は、例えばX線等の放射線を利用して画像撮影を行うX線CT(Computer Tomography:コンピュータ断層撮影)装置において、被検体内の放射線特性分布を画像化する放射線画像処理装置及び処理方法に関するものである。
従来、被検体に対してX線を曝射し、その被検体を透過或いは散乱したX線をX線検出器で検出し、X線のフォトン数であるX線検出に基づいて被検体の透視画像、断層像或いは三次元画像を撮像するX線CT装置が知られている。通常ではX線ビームはZ方向に薄く切り出されており、ファンビームと呼ばれているが、例えば特許文献1のようにZ方向にも広がった円錐状のコーンビームと呼ばれるX線ビームを用いたコーンビームCT装置(CBCT:Cone Beam CT)も開発されている。
そして、このCBCT装置としては、現在ではROWが1列だけの従来型CTに対して、所謂第3世代型或いはR/R型と呼ばれる方式に相当する形式が検討されている。この第3世代型CTとは、X線源と検出器のペアが、被検体の周囲を回転しながら走査して投影データの収集を行うものである。
図11はコーンビームCT装置の概略図を示しており、第3世代型CT装置に属するものであり、Z軸を回転軸として、X線源であるX線管球1と共にX線検出器2が被検体Sの周囲を回動し、1回転で関心領域の走査を終了する。
通常のX線CT装置では、チャンネル方向(CH方向)にサンプリングするため、検出素子はCH方向に1列に並べられており、個々の素子はチャンネル番号で識別される。これに対し、図11に示すCBCT装置では、検出素子が更にZ方向(ROW方向)にも配列されている。即ち、CBCT装置におけるX線検出器2は、検出素子が直交格子状に二次元的に配置されている。このように、検出素子をZ方向(ROW方向)及びCH方向の2方向に格子状に配置して検出器を構成するCBCT装置において、放射線をZ方向にも厚みを持たせて円錐(コーン)状に曝射することによって、複数列分の投影データを一括して得ることができる。
従来では、断層画像であるCT画像は、投影データから計算により再構成しており、この投影データは従来のCT装置では1ラインセンサ1mm幅、マルチディテクタロウCTでも数cm幅であり、投影データ自体ではCBCT装置で画像として使用する価値は低い。
FPD(フラットパネルディテクタ)を使用したCBCT装置の投影データは、例えば43cm×43cmであり、診断に利用できるに足る十分な大きさである。しかし、走査データは投影データとして使用に耐え得るサイズではないために、CT画像と投影データを有機的に関連付けることが積極的になされておらず、実現可能な技術は存在しない。
本発明の目的は、上述の課題を解決し、三次元画像で得られた関心領域を二次元画像上に形成する放射線画像処理装置及び処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る放射線画像処理装置は、被検体に放射線を曝射する放射線発生源と、前記放射線を被検体の体軸方向を中心に周囲で被検体と相対的に回転させる回転手段と、前記放射線を検出しかつ被検体の体軸方向に複数列の検出器を有する二次元検出器と、該二次元検出器で収集された多方向投影データから断面を再構成計算する再構成手段と、前記断面中に関心領域を設定する設定手段と、該設定手段で設定された前記関心領域に対応する領域を前記多方向投影データ中で指定する対応指定手段とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る放射線画像処理方法は、被検体の体軸方向を中心に相対的に回転する放射線発生源から放射線を被検体に曝射し、被検体の放射線像を被検体の体軸方向に複数列の検出器を有する二次元検出器により収集し、前記二次元検出器で得られた多方向投影データから断面を再構成計算し、前記断面中に関心領域を設定し、設定された前記関心領域に対応する領域を前記多方向投影データ中に指定することを特徴とする。
本発明によれば、診断の際にCT画像と投影データの双方を有機的に利用することが可能となり、例えばCTの断層画像で指定した腫瘍領域に対応する場所を走査データである投影データに対応付けすることにより、断層画像と投影データを関連付けして観察可能とする。
また、投影データを切換表示して回転観察する際には、腫瘍領域が回転観察の中心とすることにより診断を容易にすることができる。更に、表示に際しては投影データにレンダリング画像を埋め、又は腫瘍領域にコントラストを大きく割り振ることによって腫瘍領域の認識を容易にすることができる。
図1は実施例の平面図、図2は側面図である。X線発生手段11と二次元検出器12の間に被検者Pが位置している。被検者Pは回転テーブル13上に乗り、テーブル13に付設された胸当て板14に胸部を接している。二次元検出器12は1画素が250×250μm、総画素数が1720×1720、外径が43×43cmの半導体センサから構成され、その出力は後述するBUSを介して再構成手段15に接続されている。
X線発生手段11から発射されたX線は、被検者Pを透過した後に胸当て板14及び図示しない散乱線除去グリッドを通過し、二次元検出器12に到達する。二次元検出器12で取得されたデータは、再構成手段15に転送されて断層像を形成するための再構成が行われる。
図3はブロック構成図を示し、システム全体は1つのコンピュータシステムにより構成されている。BUS21はコンピュータの内部バスを示しており、BUS21には、X線発生手段11、二次元検出器12、回転テーブル13、再構成手段15、例えばCPUから成る制御手段22、画像表示手段23、関心領域指定手段24、インタフェース手段25、腫瘍領域再投影手段26、撮影データ切出手段27、階調変換手段28が接続されており、このBUS21を介して制御信号やデータの送信受信が行われる。
図4は撮影手順のフローチャート図を示し、先ずインタフェース手段25を介して撮影開始の指示が出される(ステップS101)。続いて、撮影開始の指示を受信すると、制御手段22の指示により被検者Pを載置した回転テーブル13が回転を開始する(ステップS102)。
制御手段22は回転テーブル13から発生するエンコーダ信号を監視し(ステップS103)、所定の速度及び角度に到達したか否かを判断し、所定の角度に達するとX線発生手段11に信号を送りX線の曝射を開始する(ステップS104)。また、このエンコーダ信号はデータの積分タイミング決定にも使用される。
エンコーダとして、回転テーブル13の1回転当り25000パルスを発生させるものを使用すると、1回転に対して1000ビューの投影データを収集するには、エンコーダ信号の25パルス毎に、二次元検出器12からデータを収集すればよい。
続いて、制御手段22はこのエンコードパルスを計時して25パルス毎に積分信号を発生させ(ステップS105)、二次元検出器12に到達したX線量を計測する。また、二次元検出器12からのデータはBUS21を介して逐次的に再構成手段15に転送し、データの転送は回転テーブル13が所定の回転角度で回転し、所定のビュー数が収集されるまで続ける(ステップS106)。所定のビュー数が収集されると、制御手段22はX線発生手段11にX線の曝射停止信号を送信し(ステップS107)、回転テーブル13を減速させながら停止するまで制御する(ステップS108)。
そして、X線曝射が完了した直後の最後の投影データを再構成手段15に転送し、制御手段22は収集された投影データを基にした再構成を再構成手段15に指示する(ステップS109)。また、全体のデータ収集が完了してから再構成を開始してもよい。
再構成では前処理、フィルタ処理、逆投影処理が行われ、前処理においてオフセット処理、LOG変換、ゲイン補正、欠陥補正がなされる。フィルタ処理ではラマチャンドラン関数或いはシェップローガン関数が一般的であり、本実施例でもこれらを使用し、フィルタ処理されたデータは逆投影される。これらのフィルタ処理から逆投影までのアルゴリズムは、非特許文献1のフェルドカンプのアルゴリズムを使用可能であるが、これに限定されるものではない。
FeldkampとDavis及びKress著「実用コーンビームアルゴリズム」("Practical Cone-Beam Algorithm"),J.Opt.Soc.Am.A1,612〜619,1984
そして、逆投影が完了してCTの断面画像が再構成され、画像表示手段23に表示され(ステップS110)、断面画像を表示することにより撮影は完了する(ステップS111)。
図5は画像処理におけるフローチャート図を示しており、先ず上述した再構成手段15により再構成された断層画像であるCT断面画像を画像表示手段23に表示する(ステップS201)。画像表示手段23に表示されたCT断面画像は、撮影技師により撮影完了の確認のために使用される。通常では、医師はCT断面画像が転送されたPC(Personal Computer)で画像を用いて診断を行う。
医師はCT断面画像が転送されたPC上でCT断面画像と投影画像を関連付けることによって診断する。しかし、近年のコンピュータ技術においては、別のPCの磁気記憶装置等のリソースをネットワークを介して共有することは一般的に行われており、本実施例では1台のPCで説明したが、複数台のPCを用いることもできる。
続いて、操作者はCT断面画像上で関心領域指定手段24を使用して、病気の領域、或いは病気であることが疑われる領域である関心領域を指定する(ステップS202)。
図6は胸部のCT断面画像における関心領域を指定する場合の説明図であり、肺野中の腫瘍Aに対して矩形の関心領域Bが設定される。本実施例においては、操作者の便宜を考えて関心領域Bは矩形と設定しているが、任意の多角形を用いることにより腫瘍Aの境界を意図的に限定してもよい。
腫瘍Aを囲むように関心領域Bを広めに設定した場合は、関心領域Bから腫瘍Aの境界を認識する必要がある(ステップS203)。認識処理としては、例えば非特許文献2に記載されているRegion Growing処理等の様々なものが開発されているが、ここではヒストグラムと二値化を使用する簡便な方法について説明する。
ANIL K. JAIN著 Fundamentals Of Digital Image Processing(Prentice Hall社、1989)のP412
図7はヒストグラムと二値化の方法の説明図を示し、操作者によって指定された関心領域B内のヒストグラムCは、一般には破線で示すように2つ山の分布となる。人間が腫瘍Aの形状を認識するためには、関心領域B内が2種の濃度から構成されていることが必要である。このヒストグラムCの累積ヒストグラムDを計算し、この計算された累積ヒストグラムDの直線近似Eを求める。累積ヒストグラムDと直線近似Eの交点は、概略が2つ山の分布の谷に位置するため、その交点を二値化の閾値Fに採用する。
次に、三次元における腫瘍Aの領域の拡張を行う(ステップS204)。上述の過程では、1枚のCT断面画像に対して、腫瘍Aの領域の抽出を行ったが、この過程を複数のCT断面画像に対して行う。
腫瘍Aの領域の三次元への拡張処理は、2つのパスによって実現可能である。第1のパスでは、対象となる全てのCT断面画像に対して操作者によりステップS203の工程が実行される。つまり、それぞれのCT断面で腫瘍Aの境界が抽出される。第2のパスでは、必須ではないがCT断面画像毎の腫瘍Aの境界に丸みを持たせる処理である。この処理は三次元のモフォロジフィルタにより実現することができる。具体的には、非特許文献3に記載されているモフォロジフィルタのErosion処理が適している。
ANIL K. JAIN著 Fundamentals Of Digital Image Processing(Prentice Hall社、1989)のP384
腫瘍Aの領域の三次元への拡張処理は上述の方法に限定されるものではなく、1つのCT断面画像において腫瘍Aの領域が決定された後に、そのCT断面画像に直交する断面変換画像に対して、このヒストグラムベースの二値化処理を適用することによっても実現できる。ただし、ヒストグラムを計算する際には、関心領域Bを設定する必要があるので、腫瘍Aが存在するCT断面画像は操作者によって指定する必要がある。
腫瘍Aの三次元構造が特定された後に、腫瘍Aの領域を確認する(ステップS205)。確認方法は二次元表示により確認する方法と、三次元表示(3D画像表示)により確認する方法がある。二次元表示はCT断面画像を順次に切換表示することにより、立体イメージを頭の中に構成するものであり、3D画像表示法には、ボリュームレンダリング法、サーフェスレンダリング法、MIP(Maximum Intensity Projections)法、MinIP法、X線投影法等が知られている。
また、この3D画像表示においては、光学パラメータ変換関数(サーフェスレンダリング法の場合は閾値)、カラー、光源の位置、強さ等を変更させて表示することもできる。これら3D画像表示法、光学パラメータ変換関数等のパラメータについては、予めデフォルト条件を定めておき、以降は操作者の操作によって任意に変更可能な構成にしておくとよい。
図8はボリュームレンダリング法の説明図を示し、矩形状のボックスGを操作し、又はレンダリング画像を自動的に一定速度で回転表示させることにより、操作者に立体形状の確認を促す。確認の結果、腫瘍Aの領域の境界が不適切であれば、ステップS203又はステップS204に戻って修正する。
図9は三次元腫瘍領域の投影データへの再投影の説明図を示しており、決定された腫瘍領域位置を二次元の投影データ上に再投影するための幾何学系は既知である。仮想的なX線焦点Hから三次元腫瘍形状に向かってX線を曝射した際に、投影データI上に形成される腫瘍Aの影の位置を収集された投影データの全てに対して計算する。再投影の過程では2種類の処理が考えられ、1つは単に腫瘍Aの形状が投影データI上に作る影の領域を計算する処理、他の1つは計算と同時に腫瘍Aの影の領域にレンダリングされた3D画像を二次元情報として埋め込む処理である。
このようにすることによって、後述する投影データIを回転表示する際に、投影データI中にレンダリングされた腫瘍領域位置Jを強調して表示することができる。上述の2種類の処理方法はインタフェース手段25により切換えることができる。
次に、投影データ切出手段23による再投影領域を中心とした画像を切り出す(ステップS207)。この切り出しは、ステップS206で決定された腫瘍Aの位置を中心として行われる。図10は切出処理の説明図を示し、(a)は切り出しを行わない場合を示している。この切り出しを行わない場合には、投影データを切換え表示した際に、画像の回転中心と腫瘍Aの位置が異なるために、医師は観察し難いという問題点がある。
そこで、(b)に示すように、医師の関心のある腫瘍Aの領域を中心にハッチングで示すように画像を切り出しておけば、投影画像を切換えて回転を実感する際に、腫瘍Aが常に回転中心にあるために観察が容易となる。
次に、階調変換手段28により再投影領域にコントラストを割り当てた階調変換を行う(ステップS208)。ステップS206の再投影の過程でレンダリング処理を投影データIに埋め込む処理を選択した場合には、この腫瘍Aの領域にフォーカスした階調変換処理の必然性はない。つまり、腫瘍Aの領域はレンダリング処理により既に強調されているからである。
ステップS206でレンダリングの埋め込みをせずに、腫瘍領域の位置のみを特定した場合には、その特定領域の画素値がS字カーブのコントラストの高くなるようにルックアップテーブルを作成して階調変換がなされる。この階調変換処理は全ての投影データに対して行われ、最後に画像表示手段23に切出画像が切換えが表示される(ステップS209)。
本実施例においては、X線は連続して発生されることを想定しているが、これに限定されるものでなく、エンコーダ信号を基に二次元検出器12の積分区間に合わせて、X線発生手段11からパルス状のX線を発生させることもできる。
また、X線だけではなく、放射線を使用した場合にも本発明は適用できる。
11 X線発生手段
12 二次元検出器
13 回転テーブル
14 胸当て板
15 再構成手段
21 BUS
22 制御手段
23 画像表示手段
24 関心領域指定手段
25 インタフェース手段
26 腫瘍領域再投影手段
27 投影データ切出手段
28 階調変換手段
P 被検者
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14 胸当て板
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25 インタフェース手段
26 腫瘍領域再投影手段
27 投影データ切出手段
28 階調変換手段
P 被検者
Claims (4)
- 被検体に放射線を曝射する放射線発生源と、前記放射線を被検体の体軸方向を中心に周囲で被検体と相対的に回転させる回転手段と、前記放射線を検出しかつ被検体の体軸方向に複数列の検出器を有する二次元検出器と、該二次元検出器で収集された多方向投影データから断面を再構成計算する再構成手段と、前記断面中に関心領域を設定する設定手段と、該設定手段で設定された前記関心領域に対応する領域を前記多方向投影データ中で指定する対応指定手段とを有することを特徴とする放射線画像処理装置。
- 前記関心領域に対応する領域を基に投影データを画像処理する請求項1に記載の放射線画像処理装置。
- 前記画像処理は前記関心領域に対応する領域を基に階調変換又は前記対応する領域を中心に前記投影データを動画表示する請求項2に記載の放射線画像処理装置。
- 被検体の体軸方向を中心に相対的に回転する放射線発生源から放射線を被検体に曝射し、被検体の放射線像を被検体の体軸方向に複数列の検出器を有する二次元検出器により収集し、前記二次元検出器で得られた多方向投影データから断面を再構成計算し、前記断面中に関心領域を設定し、設定された前記関心領域に対応する領域を前記多方向投影データ中に指定することを特徴とする放射線画像処理方法。
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2003
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