JPWO2007111246A1 - 蛍光ランプ、バックライトユニット、および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
この発明の冷陰極蛍光ランプは、ガラスバルブ(16)と、前記ガラスバルブの内面に形成された保護膜(22)と、前記保護膜に重ねて形成され、青色蛍光体粒子(26B)、緑色蛍光体粒子(26)及び赤色蛍光体粒子(26)を含む蛍光体層(24)とを備える。前記ガラスバルブは、ソーダガラスで構成され、前記青色蛍光体粒子は、金属酸化物(30)で被覆されている。また、前記保護膜は、シリカ(SiO2)で形成されている。保護膜が形成され、劣化しやすい青色蛍光体粒子が金属酸化物で被覆されているので、良好な輝度維持率が得られる。また、保護膜がシリカで形成されているので、ガラスバルブがソーダガラスで形成されているにもかかわらず、ガラスバルブがホウ珪酸ガラスで形成された蛍光ランプと同等の初期輝度が得られる。
Description
本発明は、蛍光ランプ等に関し、例えば、液晶表示装置におけるバックライトユニットの光源として用いられる蛍光ランプ等に関する。
蛍光ランプの中でも、管状をしたガラスバルブの内面側に蛍光体層が形成され、両端部に内部電極として冷陰極が設けられてなる冷陰極蛍光ランプは、細径化に適している。このため、薄型化(小型化)が要求されるバックライトユニットの光源として好適に用いられている。
また、バックライトユニットの光源用途としては、特に、輝度維持率に優れることが要求される。経時的に生じる輝度低下の主な要因として、蛍光体の劣化と水銀の消耗とが挙げられる。蛍光体の劣化と水銀の消耗は、以下のようにして発生すると考えられている。
また、バックライトユニットの光源用途としては、特に、輝度維持率に優れることが要求される。経時的に生じる輝度低下の主な要因として、蛍光体の劣化と水銀の消耗とが挙げられる。蛍光体の劣化と水銀の消耗は、以下のようにして発生すると考えられている。
従来、蛍光体層は、無数の、赤色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および青色蛍光体粒子と、これらの蛍光体粒子同士を連結する、例えば、CBB(アルカリ土類金属ホウ酸塩の一種)のみからなる結着剤とで構成されている。CBBの大半は、蛍光体粒子にスポット的に付着して蛍光体粒子間を連結し、このため、蛍光体粒子表面の大部分は、CBBから露出していると考えられている。
蛍光体層は、冷陰極蛍光ランプの点灯時に発生する水銀イオンの衝撃にさらされる。この場合、3色の蛍光体粒子の内でも特に青色蛍光体粒子は、露出部分で受ける水銀イオンの衝撃により、その結晶構造が非発光の結晶構造に変化して劣化しやすい。また、青色蛍光体粒子やCBBを叩いた水銀イオンの中には、そのまま、当該青色蛍光体粒子内やCBB内に留まるものがある。これにより、紫外線発光に寄与する水銀が徐々に消耗されることとなる。上記青色蛍光体粒子の劣化や水銀の消耗によって輝度が低下する。
また、ガラスバルブの成分であるナトリウムが放電空間へと溶出し、これと水銀とが反応することによっても水銀が消耗し、輝度が低下する。
そこで、特許文献1には、蛍光体層を蛍光体粒子と当該蛍光体粒子を覆う金属酸化物(例えば、酸化ランタン)とで形成し、ガラスバルブ内壁と前記蛍光体層との間に酸化イットリウム(Y2O3)からなる保護膜を設ける構成が開示されている。
そこで、特許文献1には、蛍光体層を蛍光体粒子と当該蛍光体粒子を覆う金属酸化物(例えば、酸化ランタン)とで形成し、ガラスバルブ内壁と前記蛍光体層との間に酸化イットリウム(Y2O3)からなる保護膜を設ける構成が開示されている。
これにより、金属酸化物被膜によって蛍光体粒子(特に、青色蛍光体粒子)が水銀イオンの衝撃から保護され、また、ガラスバルブから溶出するナトリウムが放電空間に現出するのが阻止されるため、輝度維持率の向上が図られることとなる。
特開2005−11665号公報
しかしながら、本願発明者が特許文献1に記載の冷陰極蛍光ランプの追試を行ったところ、輝度維持率は改善されるものの、ガラスバルブ材料としてソーダガラスを用いた場合の初期輝度が、ホウ珪酸ガラスを用いた場合の初期輝度よりも低くなることを見出した。
現在、冷陰極蛍光ランプを構成するガラスバルブの材料は、強度面からホウ珪酸ガラスが主流であるが、コスト面からソーダガラスを使用したいといった要請がある。この場合、ガラス材料をホウ珪酸ガラスからソーダガラスに切り替えた場合でも、ホウ珪酸ガラスと同等の初期輝度を実現する必要がある。
現在、冷陰極蛍光ランプを構成するガラスバルブの材料は、強度面からホウ珪酸ガラスが主流であるが、コスト面からソーダガラスを使用したいといった要請がある。この場合、ガラス材料をホウ珪酸ガラスからソーダガラスに切り替えた場合でも、ホウ珪酸ガラスと同等の初期輝度を実現する必要がある。
なお、上記した課題は、冷陰極蛍光ランプだけでなく、外部電極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプにも共通するものである。
本発明は、上記した課題に鑑み、ガラスバルブの材料としてソーダガラスを用いた場合であっても、良好な輝度維持率が得られると共に、ホウ珪酸ガラスを用いたのと略同等の初期輝度が得られる蛍光ランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような蛍光ランプを有するバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題に鑑み、ガラスバルブの材料としてソーダガラスを用いた場合であっても、良好な輝度維持率が得られると共に、ホウ珪酸ガラスを用いたのと略同等の初期輝度が得られる蛍光ランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような蛍光ランプを有するバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る蛍光ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブ内面に形成された保護膜と、青色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子、および赤色蛍光体粒子を含み、前記保護膜に重ねて形成された蛍光体層とを有する蛍光ランプであって、前記ガラスバルブはソーダガラスからなり、前記蛍光体粒子の内、少なくとも青色蛍光体粒子が金属酸化物で被覆されていると共に、前記保護膜がシリカ(SiO2)で形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記保護膜中に、チタン化合物またはセリウム化合物が分散されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、蛍光体粒子の総重量に対し、前記酸化ランタンが、0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の割合で前記蛍光体層に含まれていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、蛍光体粒子の総重量に対し、前記酸化ランタンが、0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の割合で前記蛍光体層に含まれていることが好ましい。
あるいは、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、前記蛍光体層中に、1.3[wt%]以上3[wt%]以下の割合で、結着剤であるCBBPが含まれていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物は、酸化イットリウム(Y2O3)であり、前記蛍光体層は、結着剤としてCBBを含み、当該蛍光体層において、前記蛍光体粒子の総重量100に対する、酸化イットリウムの総重量比をA、CBBの総重量比をBとした場合に、AとBとが、0.1≦A≦0.6、0.4≦(A+B)≦0.7の範囲にあることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物は、酸化イットリウム(Y2O3)であり、前記蛍光体層は、結着剤としてCBBを含み、当該蛍光体層において、前記蛍光体粒子の総重量100に対する、酸化イットリウムの総重量比をA、CBBの総重量比をBとした場合に、AとBとが、0.1≦A≦0.6、0.4≦(A+B)≦0.7の範囲にあることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記青色蛍光体粒子は、ユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウムであり、その不純物の含有量が前記青色蛍光体粒子の総重量に対して0.1[wt%]以下であることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記不純物として酸化セリウムが含まれることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記不純物として酸化セリウムが含まれることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記不純物としてアルミン酸バリウムおよびアルミン酸マグネシウムが含まれることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極を有し、少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極を有し、少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記電極材料は、シリコン、チタン、ストロンチウム及びカルシウムの何れか1以上が、酸化イットリウムの含有量の半分以下の含有量となるように添加されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極と、少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一部に設けられたエミッタであって、一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含むエミッタと、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極と、少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一部に設けられたエミッタであって、一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含むエミッタと、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブは、その両端部が圧潰されており、少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能するリード線と、外方端部が封止された給排気管とが挿通され、さらに、前記リード線と電気的に接続され、前記圧潰端部以外の部分あるいは前記給排気管に取着されている口金を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記口金は、スリーブ状であって、前記ガラスバルブのうち前記圧潰端部以外の未圧潰部分に取着されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給排気管は前記圧潰端部から前記ガラスバルブ外方に向けて延出されており、前記口金は当該延出部に取着されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブは、両端部が封着されており、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に設けられ、当該端部を貫通するリード線と、前記リード線の前記ガラスバルブ内側端部に接合された電極と、前記端部外面および当該端部外面に連続する外周面に形成された導電膜からなり、前記リード線と電気的に接続された給電端子と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給排気管は前記圧潰端部から前記ガラスバルブ外方に向けて延出されており、前記口金は当該延出部に取着されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブは、両端部が封着されており、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に設けられ、当該端部を貫通するリード線と、前記リード線の前記ガラスバルブ内側端部に接合された電極と、前記端部外面および当該端部外面に連続する外周面に形成された導電膜からなり、前記リード線と電気的に接続された給電端子と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ内の端部に設けられた電極と、一端部がこの電極に接続され、かつ他端部が前記ガラスバルブの端部から外部に導出しているリード線とを備え、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部には、緩衝材を介して、弾性率がこの緩衝材の弾性率よりも高い部材が取り付けられており、前記リード線は前記緩衝材および前記部材にそれぞれ嵌挿していることが好ましい。
さらに、また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、前記ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとの差が、2[mm]以上であることが好ましい。
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックライトユニットは、光源として、上記する蛍光ランプを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックライトユニットは、光源として、上記する蛍光ランプを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットが、前記蛍光ランプを収納する外囲器を有していて、液晶表示パネルと、前記外囲器が前記液晶表示パネルの背面に配されている当該バックライトユニットとを備えることを特徴とする。
上記構成からなる蛍光ランプによれば、少なくとも青色蛍光体粒子が金属酸化物で被覆されており、ガラスバルブ内面に保護膜が形成されているので、良好な輝度維持率が得られる。また、保護膜がシリカ(SiO2)で形成されているので、ガラスバルブがソーダガラスからなるにも関わらず、ガラスバルブがホウ珪酸ガラスからなる蛍光ランプと略同等の初期輝度が得られることが実験により確認された。
また、保護膜中にチタン化合物またはセリウム化合物が分散されているので、分散させない場合と比較して、当該蛍光ランプから放出される紫外線の量を低減できる。
また、前記金属酸化物を酸化ランタンとし、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、前記酸化ランタンが0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の重量比で蛍光体層に含まれているので、必要な初期輝度と必要な輝度維持率とを得ることができる。
また、前記金属酸化物を酸化ランタンとし、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、前記酸化ランタンが0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の重量比で蛍光体層に含まれているので、必要な初期輝度と必要な輝度維持率とを得ることができる。
また、前記金属酸化物が酸化ランタンであり、前記蛍光体層中に、1.3[wt%]以上3[wt%]以下の割合で、結着剤であるCBBPが含まれているので、蛍光体層が剥がれにくく、かつ必要な輝度が得られる。
また、蛍光体層に含まれる酸化イットリウムとCBBの総重量および両者の混合比を上記の範囲とすることにより、蛍光体層の脱落抑制に加え、製造工程において発生する結着剤の着色に起因する輝度の低下を抑制するといった効果が得られる。
また、蛍光体層に含まれる酸化イットリウムとCBBの総重量および両者の混合比を上記の範囲とすることにより、蛍光体層の脱落抑制に加え、製造工程において発生する結着剤の着色に起因する輝度の低下を抑制するといった効果が得られる。
本発明に係るバックライトユニットは、上記蛍光ランプを光源に有し、本発明に係る液晶表示装置は、当該バックライトユニットを備えるので、表示画面において高い輝度が安定して得られる。
10 冷陰極蛍光ランプ
16 ガラスバルブ
22 保護膜
24,50 蛍光体層
26 蛍光体粒子
26B 青色蛍光体粒子
30,52 被覆
16 ガラスバルブ
22 保護膜
24,50 蛍光体層
26 蛍光体粒子
26B 青色蛍光体粒子
30,52 被覆
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10の概略構成を示す縦断面図である。なお、本図を含む全ての図において、各構成部材間の縮尺は統一していない。
冷陰極蛍光ランプ10は、円形断面を有するガラス管の両端部がリード線12、14で気密封止されてなるガラスバルブ16を有する。ガラスバルブ16は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなり、その全長L2は740[mm]、外径は4[mm]、内径は3[mm](厚みは0.5[mm])である。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10の概略構成を示す縦断面図である。なお、本図を含む全ての図において、各構成部材間の縮尺は統一していない。
冷陰極蛍光ランプ10は、円形断面を有するガラス管の両端部がリード線12、14で気密封止されてなるガラスバルブ16を有する。ガラスバルブ16は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなり、その全長L2は740[mm]、外径は4[mm]、内径は3[mm](厚みは0.5[mm])である。
なお、全長L2は、300[mm]〜1500[mm]の範囲で変更しても良い。また、外径は、1.0[mm]〜8.0[mm]の範囲で変更しても構わないが、好ましくは、2.0[mm]〜4.0[mm]の範囲である。厚み(ガラスの肉厚)は、0.2[mm]〜0.6[mm]の範囲で変更しても構わないが、好ましくは0.3[mm]〜0.5[mm]の範囲である。
ソーダガラスは、Na2Oを4.5[wt%]〜20[wt%]の範囲で含有するガラス材料である。本例では、鉛フリーガラス(Na2O含有量5[wt%]〜12[wt%])を用いている。なお、鉛フリーガラスを用いる場合の好ましいNa2O含有量は、7[wt%]〜10[wt%]の範囲である。
また、ガラスバルブ16の内部には、約2[mg]の水銀(不図示)と、アルゴン(Ar)ガスとネオン(Ne)ガスといった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が封入されている。本例における混合希ガスは、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比で、50[Torr]の圧力で封入されている。なお、混合希ガスの分圧比はこれに限らず、ネオンを60[%]〜99.9[%]の範囲で設定し、残部をアルゴンで占めるようにしても構わない。また、ガス圧も6[kPa]〜18[kPa]の範囲で変更しても良い。
また、ガラスバルブ16の内部には、約2[mg]の水銀(不図示)と、アルゴン(Ar)ガスとネオン(Ne)ガスといった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が封入されている。本例における混合希ガスは、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比で、50[Torr]の圧力で封入されている。なお、混合希ガスの分圧比はこれに限らず、ネオンを60[%]〜99.9[%]の範囲で設定し、残部をアルゴンで占めるようにしても構わない。また、ガス圧も6[kPa]〜18[kPa]の範囲で変更しても良い。
リード線12、14は、それぞれ、ジュメット線からなる内部リード線12A、14Aとニッケルからなる外部リード線12B、14Bの継線である。ガラス管は両端部共、内部リード線12A、14A部分で気密封止されている。内部リード線12A、14A、外部リード線12B、14Bは、共に円形断面を有している。内部リード線12A、14Aの線径は1.0[mm]、全長は3.0[mm]で、外部リード線12B、14Bの線径は0.8[mm]、全長は3.0[mm]である。
なお、リード線は、継線に限らず、FeとNiとの合金からなる単線としても構わない。この場合のリード線の線径は、0.3[mm]〜1.0[mm]の範囲、好ましくは、0.5[mm]〜0.8[mm]の範囲で設定される。
リード線による封止長L3は、1.0[mm]〜2.5[mm]の範囲、好ましくは、1.5[mm]〜2.0[mm]の範囲で設定される。
リード線による封止長L3は、1.0[mm]〜2.5[mm]の範囲、好ましくは、1.5[mm]〜2.0[mm]の範囲で設定される。
ガラスバルブ16の端部に支持された内部リード線12A、14Aのガラスバルブ16内部側端部には、それぞれ、電極18、20がレーザ溶接等によって接合されている。電極18、20は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニオブ棒を加工したものである。電極18、20として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効であるからである(詳細は、特開2002−289138号公報等を参照。)。なお、電極18、20の材料はニオブ(Nb)に限らず、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等でも構わない。
電極18、20は同じ形状をしており、図1(b)に示す各部の寸法は、電極長L1=5.5[mm]、外径P1=2.7[mm]、底厚t=0.2[mm]、(内径P2=2.3[mm])である。なお、電極長L1、外径P1、内径P2,底厚tは、以下に示す範囲で変更可能である。電極長L1は、3[mm]〜10[mm]の範囲、好ましくは、5[mm]〜6[mm]の範囲である。外径P1は、1.0[mm]〜7.0[mm]の範囲、好ましくは、1.5[mm]〜3.0[mm]の範囲である。内径P2は、0.8[mm]〜6.8[mm]の範囲、好ましくは、1.3[mm]〜2.8[mm]の範囲である。底厚tは、0.2[mm]〜0.6[mm]の範囲、好ましくは、0.4[mm]〜0.5[mm]の範囲である。
また、ガラスバルブ16外端から電極20(18)先端までの長さL4は、5[mm]〜10[mm]の範囲、好ましくは、7[mm]〜9[mm]の範囲で設定される。ガラスバルブ16内端から電極20(18)底部までの長さL5は、0.2[mm]〜1.2[mm]の範囲、好ましくは、0.5[mm]〜1.0[mm]の範囲で設定される。
ガラスバルブ16内面には、平均厚み2[μm]の保護膜22が形成されており、また、保護膜22に重ねて蛍光体層24が形成されている。保護膜22は、SiO2(シリカ)からなる。なお、保護膜22の上記「平均厚み」は、管軸方向中央部における円周方向の厚みの平均である。平均厚みは、2[μm]に限らず、0.5[μm]〜4[μm]の範囲で変更してもよい。
ガラスバルブ16内面には、平均厚み2[μm]の保護膜22が形成されており、また、保護膜22に重ねて蛍光体層24が形成されている。保護膜22は、SiO2(シリカ)からなる。なお、保護膜22の上記「平均厚み」は、管軸方向中央部における円周方向の厚みの平均である。平均厚みは、2[μm]に限らず、0.5[μm]〜4[μm]の範囲で変更してもよい。
ガラスバルブ16内端から蛍光体層24(保護膜22)の縁までの長さ(すなわち、ガラスバルブ16内面において、その長手方向、蛍光体層22が形成されていない領域の長さ)L6は、2[mm]〜10[mm]の範囲、好ましくは、4[mm]〜7[mm]の範囲である。
図1におけるA部の詳細図を図2(a)に示す。
図1におけるA部の詳細図を図2(a)に示す。
蛍光体層24は、複数個の蛍光体粒子26と結着剤28とを含む。
蛍光体粒子26の各々は、赤色発光する赤色蛍光体粒子、緑色発光する緑色蛍光体粒子、および青色発光する青色蛍光体粒子の3種類のいずれかである。
赤色蛍光体粒子はユウロピウム付活酸化イットリウム[Y2O3:Eu3+](略号:YOX)で、緑色蛍光体粒子はセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+](略号:LAP)で、青色蛍光体粒子はユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+](略号:BAM)で、それぞれ形成されている。
蛍光体粒子26の各々は、赤色発光する赤色蛍光体粒子、緑色発光する緑色蛍光体粒子、および青色発光する青色蛍光体粒子の3種類のいずれかである。
赤色蛍光体粒子はユウロピウム付活酸化イットリウム[Y2O3:Eu3+](略号:YOX)で、緑色蛍光体粒子はセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+](略号:LAP)で、青色蛍光体粒子はユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+](略号:BAM)で、それぞれ形成されている。
この内、青色蛍光体粒子26Bは、図2(a)に示すように、金属酸化物の一例として示す酸化ランタン(La2O3)からなる被覆30で覆われている。被覆30の形態は、図2(a)に示すような、青色蛍光体粒子26Bの表面を連続した膜状で覆うものに限らず、青色蛍光体粒子26Bの表面に粒状をした酸化ランタンを付着させたものであっても構わない。青色蛍光体粒子26Bを酸化ランタンで被覆するのは、上記「背景技術」で述べたように、青色蛍光体粒子26Bを水銀から保護するためである。なお、被覆30は、酸化ランタンに限らず、他の金属酸化物、例えば、酸化イットリウム(Y2O3)、アルミナ(Al2O3)、酸化カルシウム(CaO)、シリカ(SiO2)等で形成しても構わない。
結着剤26は、アルカリ土類金属ホウ酸塩の一例として示すCBBP(Ca2P2O7,BaO,B2O3)からなる。この結着剤26が蛍光体粒子同士を連結すると共に、蛍光体粒子26を保護膜22に固着する。蛍光体層24における結着剤(CBBP)26の重量率は、1.3[wt%]〜3.0[wt%]の範囲が好ましい。1.3[wt%]よりも少ないと必要な結着力(連結力や固着力)が得られず、また、3.0[wt%]を超えると、水銀から発せられる紫外線の蛍光体粒子への到達率が低下すると共に、蛍光体粒子で発生する可視光のランプ外への透過率が低下して、必要とする輝度が得られなくなるからである。言うまでもなく、結着力が小さすぎると蛍光体層24が剥がれ易くなる。なお、CBBPは、CBB(CaO,BaO,B2O3)に、P(ピロリン酸カルシウム)を加えたものである。
次に、上記構成からなる冷陰極蛍光ランプ10の製造工程の内、保護膜22と蛍光体層24の形成に関わる工程について図3を参照しながら説明する。保護膜22と蛍光体層24の形成方法は、ガラス管の内面に塗布する塗布液(分散液、懸濁液)が異なる以外は、基本的に同様である。
先ず、図3に示す工程Cでは、ガラスバルブ16の素材であるガラス管32の内面に分散液34を付着させる。
先ず、図3に示す工程Cでは、ガラスバルブ16の素材であるガラス管32の内面に分散液34を付着させる。
具体的には、分散液34の入ったタンク36を準備する。分散液34は、水に粉末のシリカ(SiO2)を分散させたものである。なお、分散液として、アルコールに粉末のシリカを分散させたものを用いても構わない。シリカの粒径は0.01[μm]〜0.1[μm]の範囲内である。
そして、ガラス管32を、垂直に立て下端部を分散液34に浸した状態で保持する。不図示の真空ポンプの吸引力によって、ガラス管32の上端からガラス管32内を排気して、ガラス管32内を負圧にして分散液34を吸い上げる。ガラス管32内の液面が上端に至る途中(所定の高さ)で吸い上げを止めて、ガラス管32を分散液34から引き上げる。
これにより、ガラス管32内周の所定領域に、分散液34が膜状に付着する。
そして、ガラス管32を、垂直に立て下端部を分散液34に浸した状態で保持する。不図示の真空ポンプの吸引力によって、ガラス管32の上端からガラス管32内を排気して、ガラス管32内を負圧にして分散液34を吸い上げる。ガラス管32内の液面が上端に至る途中(所定の高さ)で吸い上げを止めて、ガラス管32を分散液34から引き上げる。
これにより、ガラス管32内周の所定領域に、分散液34が膜状に付着する。
ガラス管32内に乾燥したエアーを吹き込んで、膜状に付着した分散液34を乾燥させた(この工程は不図示)後、工程Cにおいて分散液34の吸い込み側となった端部付近の乾燥膜を一部除去する(工程D)。
次に、工程Eに示すように、ガラス管32を石英管38に挿入して横たわらせ、当該石英管38に空気40を送り込みながら、石英管38外部からヒーター42で加熱して、約15[分]間、焼成(シンター)をする。ヒーター42による加熱温度は、ガラス管32内周面が630[℃]となる程度に調整される。
次に、工程Eに示すように、ガラス管32を石英管38に挿入して横たわらせ、当該石英管38に空気40を送り込みながら、石英管38外部からヒーター42で加熱して、約15[分]間、焼成(シンター)をする。ヒーター42による加熱温度は、ガラス管32内周面が630[℃]となる程度に調整される。
この焼成によって、ガラス管32内面にシリカからなる保護膜22が形成される。
保護膜22の形成に続いて、蛍光体層24が形成される。蛍光体層24の形成方法は、分散液34に代えて、懸濁液44が用いられること、乾燥工程における温風の温度と焼成の温度及び時間が異なる以外は、上記した保護膜22の形成方法と基本的に同様である。したがって、以下、上記異なる点を中心に述べる。
保護膜22の形成に続いて、蛍光体層24が形成される。蛍光体層24の形成方法は、分散液34に代えて、懸濁液44が用いられること、乾燥工程における温風の温度と焼成の温度及び時間が異なる以外は、上記した保護膜22の形成方法と基本的に同様である。したがって、以下、上記異なる点を中心に述べる。
懸濁液44は、有機溶媒としての酢酸ブチルの中に、所定量の蛍光体粒子、CBBPの粒子、増粘剤としてニトロセルロース(NC)を加えたものである。
3色の蛍光体粒子の混合割合は、その総重量に対し、青色蛍光体粒子が38.8[wt%]、緑色蛍光体粒子が28.8[wt%]、赤色蛍光体粒子が36.4[wt%]の重量比となる。なお、青色蛍光体粒子は、酸化ランタン被覆込みの重量である。この場合に、酸化ランタンは、前記総重量に対し、0.1[wt%]〜1.5[wt%]の割合を占めている。0.1[wt%]を下回ると、必要な輝度維持率が得られず、1.5[wt%]を上回ると必要となる初期輝度が得られないからである。なお、酸化ランタンの比率と初期輝度との関係を調べた実験結果については後述する。
3色の蛍光体粒子の混合割合は、その総重量に対し、青色蛍光体粒子が38.8[wt%]、緑色蛍光体粒子が28.8[wt%]、赤色蛍光体粒子が36.4[wt%]の重量比となる。なお、青色蛍光体粒子は、酸化ランタン被覆込みの重量である。この場合に、酸化ランタンは、前記総重量に対し、0.1[wt%]〜1.5[wt%]の割合を占めている。0.1[wt%]を下回ると、必要な輝度維持率が得られず、1.5[wt%]を上回ると必要となる初期輝度が得られないからである。なお、酸化ランタンの比率と初期輝度との関係を調べた実験結果については後述する。
ニトロセルロースは、酢酸ブチルの溶液で2[wt%]に薄めたもの(ニトロセルロース溶液)をもちいている。
懸濁液44は、重量比で、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、ニトロセルロース溶液が2[wt%]、CBBPが1.5[wt%]、酢酸ブチルが60[wt%]となる割合で混合されている。ニトロセルロースと酢酸ブチルとは、後述する焼成工程において揮発し、消散してしまうので、最終的に得られる蛍光体層は蛍光体粒子とCBBPで構成される。したがって、上記重量比の場合、最終的に得られる蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、約1.5[wt%][={(1.5)/(1.5+100)}×100]になる。なお、蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、1.5[wt%]に限らず、1.3[wt%]〜3[wt%]の範囲で適宜、調整してもよい。
懸濁液44は、重量比で、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、ニトロセルロース溶液が2[wt%]、CBBPが1.5[wt%]、酢酸ブチルが60[wt%]となる割合で混合されている。ニトロセルロースと酢酸ブチルとは、後述する焼成工程において揮発し、消散してしまうので、最終的に得られる蛍光体層は蛍光体粒子とCBBPで構成される。したがって、上記重量比の場合、最終的に得られる蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、約1.5[wt%][={(1.5)/(1.5+100)}×100]になる。なお、蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、1.5[wt%]に限らず、1.3[wt%]〜3[wt%]の範囲で適宜、調整してもよい。
焼成工程における焼成温度は、630[℃]で焼成時間は15[分]間である。
以上のようにして保護膜22と蛍光体層24とが形成されてなる冷陰極蛍光ランプ10と、ガラスバルブの材料と保護膜の材料との組み合わせの異なる冷陰極蛍光ランプを作製して、初期輝度および初期色度ずれの比較試験を行った。ここで、当該試験において、冷陰極蛍光ランプ10は、「ランプA」と称することとする。また、他の冷陰極蛍光ランプ(ランプB〜F)のガラスバルブ材料と保護膜の組み合わせと試験結果は図4に示す通りである。
以上のようにして保護膜22と蛍光体層24とが形成されてなる冷陰極蛍光ランプ10と、ガラスバルブの材料と保護膜の材料との組み合わせの異なる冷陰極蛍光ランプを作製して、初期輝度および初期色度ずれの比較試験を行った。ここで、当該試験において、冷陰極蛍光ランプ10は、「ランプA」と称することとする。また、他の冷陰極蛍光ランプ(ランプB〜F)のガラスバルブ材料と保護膜の組み合わせと試験結果は図4に示す通りである。
ランプA〜Eは、ガラスバルブ材料と保護膜が異なる以外は、基本的に同じ構成である。ランプFは、参考のため作製したランプであり、青色蛍光体粒子に酸化ランタン被覆を施していないものである。
各ランプ共に5本ずつ作製した。各々について、初めての点灯から10[分]経過時の輝度(この明細書で初期輝度と定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。また、各々について、初めての点灯から10[分]経過時におけるランプDに対するCIE1931色度図上の相対的な色度差[△x、△y](この明細書で初期色度ずれと定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。
各ランプ共に5本ずつ作製した。各々について、初めての点灯から10[分]経過時の輝度(この明細書で初期輝度と定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。また、各々について、初めての点灯から10[分]経過時におけるランプDに対するCIE1931色度図上の相対的な色度差[△x、△y](この明細書で初期色度ずれと定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。
図4に示す結果から、「発明が解決しようとする課題」に記載したように、酸化イットリウムで保護膜を形成したランプB、C間においては、ガラスバルブをソーダガラスで作製したランプCの初期輝度が、ホウ珪酸ガラスで作製したランプBの初期輝度よりも約10[%]低いことが分かる。
これに対し、実施の形態1に係るランプAは、ガラスバルブがソーダガラスでできているにもかかわらず、ホウ珪酸ガラスのランプBと同等の初期輝度が得られる。このことは、保護膜の違いによるものと推察される。保護膜を形成しないランプD,E間において、ガラスバルブ材料の違いによって初期輝度にあまり差が認められないばかりか、逆に、ガラスバルブをソーダガラスで作製したランプEの方の初期輝度が少し高めになっているからである。酸化イットリウム(Y2O3)は、熱伝導性がシリカ(SiO2)に比べて大きいため、製造途中のシンター工程において、加熱による熱の影響を受けやすい。これにより、イットリアの保護膜を設けたランプCでは、保護膜からガラスバルブへと熱が伝わりやすく、ガラスバルブの保護膜に隣接している部分のナトリウムイオンが拡散しやすくなる。特にナトリウムの含有率の高いソーダガラスでは、拡散したナトリウムイオンと水銀イオンとが一部で合金化して着色するため、その影響により、初期輝度が低下しているものと考えられる。
これに対し、実施の形態1に係るランプAは、ガラスバルブがソーダガラスでできているにもかかわらず、ホウ珪酸ガラスのランプBと同等の初期輝度が得られる。このことは、保護膜の違いによるものと推察される。保護膜を形成しないランプD,E間において、ガラスバルブ材料の違いによって初期輝度にあまり差が認められないばかりか、逆に、ガラスバルブをソーダガラスで作製したランプEの方の初期輝度が少し高めになっているからである。酸化イットリウム(Y2O3)は、熱伝導性がシリカ(SiO2)に比べて大きいため、製造途中のシンター工程において、加熱による熱の影響を受けやすい。これにより、イットリアの保護膜を設けたランプCでは、保護膜からガラスバルブへと熱が伝わりやすく、ガラスバルブの保護膜に隣接している部分のナトリウムイオンが拡散しやすくなる。特にナトリウムの含有率の高いソーダガラスでは、拡散したナトリウムイオンと水銀イオンとが一部で合金化して着色するため、その影響により、初期輝度が低下しているものと考えられる。
ランプC,F間で初期輝度に差が生じているのは、青色蛍光体粒子が酸化ランタンで被覆されていない分、ランプFの初期輝度が高めにでているからであると思われる。しかしながら、ランプFは、青色蛍光体粒子を酸化ランタンで被覆しているランプA,B,Cよりも輝度維持率が極端に低下することが確認されているので、青色蛍光体粒子を酸化ランタン(金属酸化物)で被覆することは不可欠である。
初期色度ずれは、△x,△y共に0.005以下であることが実使用上好ましい。図4に示す結果から、色度ずれに関し、実施の形態1に係るランプAは、ランプBおよびランプCとほぼ同等の成績を有し、共に0.005以下であることがわかる。
なお、図5は、ランプA,B,Cのそれぞれについて、点灯後の経過時間[h]と光束維持率[%]との関係について行った実験結果を示すグラフである。同グラフに示すようにランプA,B,Cの各々は、輝度維持率においては略同等であることが確認されている。
なお、図5は、ランプA,B,Cのそれぞれについて、点灯後の経過時間[h]と光束維持率[%]との関係について行った実験結果を示すグラフである。同グラフに示すようにランプA,B,Cの各々は、輝度維持率においては略同等であることが確認されている。
以上の試験結果から、ガラスバルブの材料としてソーダガラスを用いても、保護膜をシリカ(SiO2)で形成することによって(ランプA)、ガラスバルブの材料にホウ珪酸ガラスを用い、保護膜を酸化イットリウム形成したランプ(ランプB)と同等の初期輝度が得られることが分かる。
このように、冷陰極蛍光ランプ10は、初期輝度と輝度維持率に優れるのであるが、紫外線の遮断性の点で、ソーダガラスはホウ珪酸ガラスよりも劣っている。後述するようにバックライトユニットの光源として用いる場合は、以下に記す理由から紫外線対策の必要がある。バックライトユニットの構成部材の一つである拡散板はこれまで主としてアクリル系樹脂で形成されてきた。しかしながら、アクリル系樹脂は機械的強度が比較的低く、温度や湿度等の周囲環境の変動によって伸縮しやすく寸法安定性が良くないといった性質がある。このため、液晶テレビ等に代表される液晶表示装置の近年における大画面化に伴い、拡散板にアクリル系樹脂を用いることが困難になってきている。そこで、アクリル系樹脂に代えて、機械的強度と寸法安定性に優れるポリカーボネート樹脂が用いられるようになってきた。ところが、ポリカーボネート樹脂には、紫外線を受けて劣化し易いという性質があるからである。なお、特に、蛍光ランプから放出される紫外線の内、313[nm]の波長のものが劣化の要因である。
このように、冷陰極蛍光ランプ10は、初期輝度と輝度維持率に優れるのであるが、紫外線の遮断性の点で、ソーダガラスはホウ珪酸ガラスよりも劣っている。後述するようにバックライトユニットの光源として用いる場合は、以下に記す理由から紫外線対策の必要がある。バックライトユニットの構成部材の一つである拡散板はこれまで主としてアクリル系樹脂で形成されてきた。しかしながら、アクリル系樹脂は機械的強度が比較的低く、温度や湿度等の周囲環境の変動によって伸縮しやすく寸法安定性が良くないといった性質がある。このため、液晶テレビ等に代表される液晶表示装置の近年における大画面化に伴い、拡散板にアクリル系樹脂を用いることが困難になってきている。そこで、アクリル系樹脂に代えて、機械的強度と寸法安定性に優れるポリカーボネート樹脂が用いられるようになってきた。ところが、ポリカーボネート樹脂には、紫外線を受けて劣化し易いという性質があるからである。なお、特に、蛍光ランプから放出される紫外線の内、313[nm]の波長のものが劣化の要因である。
ここで、セリウム化合物やチタン化合物が持つ紫外線を吸収する性質を利用し、セリウム化合物やチタン化合物のみからなる紫外線遮断膜をガラスバルブ内面側に形成することが考えられる。しかしながら、セリウム化合物やチタン化合物には可視光も遮断する性質があるので、紫外線遮断効果が十[分]に発揮される膜厚にすると、問題となる程に輝度が低下してしまう。なお、上記紫外線遮断膜を0.2[μm]の膜厚で形成すると、313[nm]の波長の紫外線を完全に遮断することができる。
そこで、本願発明者は、セリウム化合物またはチタン化合物を、シリカ(SiO2)からなる保護膜中に分散させることとした。
具体的には、平均で2[μm]の膜厚を有する保護膜中に、酸化セリウム(CeO)または酸化チタン(TiO2)を1[wt%]〜20[wt%]の範囲で分散させることとした。
具体的には、平均で2[μm]の膜厚を有する保護膜中に、酸化セリウム(CeO)または酸化チタン(TiO2)を1[wt%]〜20[wt%]の範囲で分散させることとした。
続いて、先に言及した蛍光体総重量に対する酸化ランタンの比率と初期輝度との関係を調査した実験結果について説明する。
本願の発明者は、上記ランプAの構成において、蛍光体粒子の総重量に対し酸化ランタンの重量比率(以下、「含有比率」と称する。)の異なるランプを作製し、その各々について初期輝度を調べる実験を実施した。蛍光体粒子の総重量に対する酸化ランタンの含有比率は、0[wt%]、0.1[wt%]、0.3[wt%]、0.5[wt%]、0.6[wt%]、0.9[wt%]、1.2[wt%]、1.5[wt%]、1.8[wt%]の9通りとした。なお、蛍光体粒子は、青色蛍光体粒子(BAM)、赤色蛍光体粒子(YOX)、緑色蛍光体粒子(LAP)を2:1:1の重量比率で用いた。
本願の発明者は、上記ランプAの構成において、蛍光体粒子の総重量に対し酸化ランタンの重量比率(以下、「含有比率」と称する。)の異なるランプを作製し、その各々について初期輝度を調べる実験を実施した。蛍光体粒子の総重量に対する酸化ランタンの含有比率は、0[wt%]、0.1[wt%]、0.3[wt%]、0.5[wt%]、0.6[wt%]、0.9[wt%]、1.2[wt%]、1.5[wt%]、1.8[wt%]の9通りとした。なお、蛍光体粒子は、青色蛍光体粒子(BAM)、赤色蛍光体粒子(YOX)、緑色蛍光体粒子(LAP)を2:1:1の重量比率で用いた。
実験結果を図6に示す。図6は、横軸に酸化ランタンの含有比率をとり、縦軸に酸化ランタンの含有比率が「0」のときの初期輝度を100[%]とした場合の各含有比率における相対初期輝度(初期輝度比)をとった図である。なお、各プロット点の座標値も括弧で囲んで併記している。図6より、酸化ランタンの含有比率は、1.5[wt%]以下であることが好ましい。酸化ランタンの含有比率が1.5[wt%]以下の場合、酸化ランタンを含有していない場合に対する初期輝度を93[%]より高くすることができるからである。さらに、酸化ランタンの含有比率は、0.9[wt%]以下であることがより好ましい。酸化ランタンの含有比率が1.5[wt%]以下の場合、酸化ランタンを含有していない場合に対する初期輝度を96[%]より高くすることができるからである。
図79は、蛍光体層の蛍光体粒子の総重量に対する酸化ランタンの重量比率[wt%]を横軸に、色ずれの度合いを縦軸に表したものである。ここで、色度ずれとは、CIE色度座標(x,y)上において実際のCIE色度座標上の値(x1,y1)に対する目標値(設計値)からのずれの度合いをいう。よって、目標とするCIE色度座標上の値を(x0,y0)とすると、色度ずれは(Δx2+Δy2)1/2(但し、Δx=x0−x1、Δy=y0−y1、である。)で表される。そして、発明者らは色ずれによるランプの光の直接的または間接的な視覚的影響を検討した結果、色度ずれ(Δx2+Δy2)1/2が0.01を越える場合には、ランプの色が黄色味を帯びてしまうため、例えば、液晶表示装置のバックライトとして用いる場合には、液晶表示画面の色再現に悪影響を及ぼし、好ましくないことを見出した。この知見に基づき、図79から明らかなように酸化ランタンの含有比率が0.1[wt%]の時、色ずれの度合い(Δx2+Δy2)1/2は0.009となり、この値においてはランプの光の色ずれを防止できるため、酸化ランタンの含有比率は、0.1[wt%]以上であることが好ましい。さらに、酸化ランタンの含有比率が0.3[wt%]以上の場合、ランプの光の色度ずれをさらに抑制することができるため、より好ましい。
図7は、冷陰極蛍光ランプ10を有するバックライトユニット100の概略構成を示す斜視図である。なお、図7は、後述する拡散板108、拡散シート110、およびレンズシート112を破断した図である。
バックライトユニット100は、長方形をした反射板102と反射板102を囲む側板104とからなる外囲器106を有する。反射板102と側板104は共にPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる板材の一方の主表面(外囲器106として組み立てられた際に内側となる面)に銀などを蒸着した反射膜(不図示)が形成されているものである。
バックライトユニット100は、長方形をした反射板102と反射板102を囲む側板104とからなる外囲器106を有する。反射板102と側板104は共にPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる板材の一方の主表面(外囲器106として組み立てられた際に内側となる面)に銀などを蒸着した反射膜(不図示)が形成されているものである。
前記外囲器106内には、光源として複数本(本例では8[本])の冷陰極蛍光ランプ10が、前記反射板102の長辺と平行に短辺方向に等間隔で収納されている。
また、前記外囲器106の開口部には、ポリカーボネート樹脂からなる拡散板108、アクリル系樹脂からなる拡散シート110、およびポリエステル系樹脂からなるレンズシート112が設けられている。
また、前記外囲器106の開口部には、ポリカーボネート樹脂からなる拡散板108、アクリル系樹脂からなる拡散シート110、およびポリエステル系樹脂からなるレンズシート112が設けられている。
次に、バックライトユニット100を、液晶表示装置の一例として示す液晶テレビに用いた例を示す。
図8は、当該液晶テレビ114を、その前面の一部を切り欠いた状態で示す図である。図8に示す液晶テレビ114は、液晶表示パネル116およびバックライトユニット100等を備える。
図8は、当該液晶テレビ114を、その前面の一部を切り欠いた状態で示す図である。図8に示す液晶テレビ114は、液晶表示パネル116およびバックライトユニット100等を備える。
液晶表示パネル116は、カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等からなり、外部からの画像信号に基づき、駆動モジュール(不図示)で駆動されて、カラー画像を形成する。
バックライトユニット100の外囲器106は、液晶表示パネル116の背面に設けられ、背面から液晶表示パネル116を照射する。
バックライトユニット100の外囲器106は、液晶表示パネル116の背面に設けられ、背面から液晶表示パネル116を照射する。
冷陰極蛍光ランプ10を点灯するためのインバータ118は、液晶テレビ114の筐体120内であって、外囲器106の外に配されている。
以上、本発明を実施の形態1に基づいて説明したが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態1では、蛍光体層において、青色蛍光体粒子だけを金属酸化物(酸化ランタン)で被覆することとしたが、これに限らず、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子も金属酸化物で覆われるように、蛍光体層を形成することとしても構わない。
以上、本発明を実施の形態1に基づいて説明したが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態1では、蛍光体層において、青色蛍光体粒子だけを金属酸化物(酸化ランタン)で被覆することとしたが、これに限らず、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子も金属酸化物で覆われるように、蛍光体層を形成することとしても構わない。
そのような蛍光体層の形成方法は、特再表WO2002/047112号公報に開示されているので、その詳細な説明は省略するが、懸濁液に金属酸化物を加えること以外は、基本的には、上記実施の形態1における蛍光体層の形成方法と同様である。
蛍光体粒子を、酸化イットリウムで被覆する場合の懸濁液は、有機溶媒としての酢酸ブチルの中に、所定量の蛍光体粒子、イットリウム化合物としてカルボン酸イットリウム[
Y(CnH2n+1COO)3]、CBBの粒子、増粘剤としてニトロセルロース(NC)を加えたものを用いる。
蛍光体粒子を、酸化イットリウムで被覆する場合の懸濁液は、有機溶媒としての酢酸ブチルの中に、所定量の蛍光体粒子、イットリウム化合物としてカルボン酸イットリウム[
Y(CnH2n+1COO)3]、CBBの粒子、増粘剤としてニトロセルロース(NC)を加えたものを用いる。
上記懸濁液の塗布・乾燥・焼成によって形成された蛍光体層50を有する冷陰極蛍光ランプの蛍光体層およびその近傍の一部を拡大した断面図を図2(b)に示す。蛍光体粒子26は、どの色の蛍光体粒子も酸化イットリウムからなる被覆52で覆われている。複数個の(無数にある)蛍光体粒子26の内、図2(b)に示すように、被膜52でその表面全体が覆われているものもあれば、図示はしないが、表面の一部が被膜52で覆われ、残りの表面が露出している蛍光体粒子も存在するものと推察されている。しかしながら、いずれの蛍光体粒子も被膜52によって、全体的(完全)にしても部分的にしても、覆われていることには変わりない。また、蛍光体粒子26は、主として、CBBからなる結着剤54で連結されている。
また、本願発明者は、蛍光体粒子の総重量を「100」とした場合における、酸化イットリウムの総重量比「A」およびCBBの総重量比「B」の異なる蛍光ランプを作製して、下記の観点から試験および観察を行い、「A」と「B」の好ましい範囲を画定した。ここでは、詳細なデータは省略し、結果のみを記載することとする。
(i) 蛍光ランプに外から衝撃が加わった際に生じる蛍光体層の脱落の有無について試
験を行った(衝撃試験)。
(i) 蛍光ランプに外から衝撃が加わった際に生じる蛍光体層の脱落の有無について試
験を行った(衝撃試験)。
この結果、「0.1≦A」または「0.1≦B」で、かつ、「0.4≦(A+B)」であれば、蛍光体層の脱落が生じにくいことが判明した。
(ii) ガラス容器を外部から観察した際に薄茶色に変色し、これが原因で輝度が低下することを、本願発明者が見出した。これは以下の原因によるものと推察される。製造工程における焼成(シンター)工程において、一般式CnH2n+2で表される炭化水素が生成される。一方で、CBBが溶融してガラス状になるのであるが、このときに、当該CBBが前記炭化水素を取り込んでしまって茶色に変色するものと思われる。
(ii) ガラス容器を外部から観察した際に薄茶色に変色し、これが原因で輝度が低下することを、本願発明者が見出した。これは以下の原因によるものと推察される。製造工程における焼成(シンター)工程において、一般式CnH2n+2で表される炭化水素が生成される。一方で、CBBが溶融してガラス状になるのであるが、このときに、当該CBBが前記炭化水素を取り込んでしまって茶色に変色するものと思われる。
ここで、結着剤にCBBのみを用いた従来の蛍光ランプに対して3[%]を超えて輝度が低下するものを不合格とし、輝度低下が3[%]以下に止まるものを合格とした。
その結果、輝度低下を防止するといった観点からは、「A≦0.6」または「B≦0.6」で、かつ、「(A+B)≦0.7」であればよいことが判明した。
以上、蛍光体層の脱落防止、輝度低下防止の両観点から、酸化イットリウムとCBBとを「0.1≦A≦0.6」(または、「0.1≦B≦0.6」)かつ、「0.4≦(A+B)≦0.7」となる範囲で混合すればよいこととなる。
(2)また、蛍光体層は、以下のように形成しても構わない。先ず、上記(1)した範囲(「0.1≦B≦0.6」)でCBBを用いるか、あるいは、CBBを用いずに酸化イットリウムと蛍光体粒子だけで、上記した塗布・乾燥・焼成工程を含む製法により層(蛍光体予備層)を形成する。その後、酢酸ブチルとニトロセルロースとCBBの粒子からなる懸濁液を前記蛍光体予備層に塗布・浸透させた後、乾燥・焼成させて蛍光体層を形成する。このようにすることにより、上記着色の問題が生じないことに加え、輝度が低下しない範囲で、CBBを増量することができ、蛍光体層の脱落防止に一層効果を発揮する。
(3)上記実施の形態1では、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を例にとって説明したが、本発明は、これに限らず、いわゆる外部電極型蛍光ランプ(EEFL:External Electrodes Fluorescent Lamp)にも適用可能である。外部電極型蛍光ランプとは、内部電極に代えて、例えば、ガラスバルブの両端部分のガラスバルブ外周に外部電極を設け、ガラス管壁をキャパシタンスとして利用する誘電体バリア放電ランプの一種である。
その結果、輝度低下を防止するといった観点からは、「A≦0.6」または「B≦0.6」で、かつ、「(A+B)≦0.7」であればよいことが判明した。
以上、蛍光体層の脱落防止、輝度低下防止の両観点から、酸化イットリウムとCBBとを「0.1≦A≦0.6」(または、「0.1≦B≦0.6」)かつ、「0.4≦(A+B)≦0.7」となる範囲で混合すればよいこととなる。
(2)また、蛍光体層は、以下のように形成しても構わない。先ず、上記(1)した範囲(「0.1≦B≦0.6」)でCBBを用いるか、あるいは、CBBを用いずに酸化イットリウムと蛍光体粒子だけで、上記した塗布・乾燥・焼成工程を含む製法により層(蛍光体予備層)を形成する。その後、酢酸ブチルとニトロセルロースとCBBの粒子からなる懸濁液を前記蛍光体予備層に塗布・浸透させた後、乾燥・焼成させて蛍光体層を形成する。このようにすることにより、上記着色の問題が生じないことに加え、輝度が低下しない範囲で、CBBを増量することができ、蛍光体層の脱落防止に一層効果を発揮する。
(3)上記実施の形態1では、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を例にとって説明したが、本発明は、これに限らず、いわゆる外部電極型蛍光ランプ(EEFL:External Electrodes Fluorescent Lamp)にも適用可能である。外部電極型蛍光ランプとは、内部電極に代えて、例えば、ガラスバルブの両端部分のガラスバルブ外周に外部電極を設け、ガラス管壁をキャパシタンスとして利用する誘電体バリア放電ランプの一種である。
また、本発明は、内部電極として熱陰極を有する熱陰極蛍光ランプ(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)にも適用可能である。
(4)上記実施の形態1では、保護膜をシリカ(SiO2)で形成したが、アルミナ(Al2O3)で形成しても構わない。
<実施の形態2>
一般に使用されている現行の冷陰極蛍光ランプでは、ガラスバルブ内にネオン(Ne)ガスが95[%]でアルゴン(Ar)ガスが5[%]の分圧比からなる混合ガスが60[Torr]の圧力で封入されている。この混合ガスの圧力を下げれば、発光効率が向上することが知られている。しかしながら、混合ガスの封入圧を単に下げただけでは、輝度維持率が低下して寿命が短くなってしまう。
(4)上記実施の形態1では、保護膜をシリカ(SiO2)で形成したが、アルミナ(Al2O3)で形成しても構わない。
<実施の形態2>
一般に使用されている現行の冷陰極蛍光ランプでは、ガラスバルブ内にネオン(Ne)ガスが95[%]でアルゴン(Ar)ガスが5[%]の分圧比からなる混合ガスが60[Torr]の圧力で封入されている。この混合ガスの圧力を下げれば、発光効率が向上することが知られている。しかしながら、混合ガスの封入圧を単に下げただけでは、輝度維持率が低下して寿命が短くなってしまう。
実施の形態2は、上記した課題に鑑み、現行の冷陰極蛍光ランプと代替させても輝度維持率上問題は無く、かつ発光効率のさらに向上した冷陰極蛍光ランプおよび当該冷陰極蛍光ランプを光源として有するバックライトユニットを提供することを目的とする。
実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態2に係る冷陰極蛍光ランプ10Aは、主として、混合ガスの封入圧および蛍光体層(保護膜)の形成領域が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプ10と同様の構成をしている。また、バックライトユニットも、冷陰極蛍光ランプを除いて、実施の形態1のバックライトユニットと同様の構成である。したがって、実施の形態2において、実施の形態1と実質的に同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明については省略することとする。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
図9は、本実施の形態2に係る直下方式のバックライトユニット100Aの構成を示す概略斜視図であり、図7と同様に描いたものである。
実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態2に係る冷陰極蛍光ランプ10Aは、主として、混合ガスの封入圧および蛍光体層(保護膜)の形成領域が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプ10と同様の構成をしている。また、バックライトユニットも、冷陰極蛍光ランプを除いて、実施の形態1のバックライトユニットと同様の構成である。したがって、実施の形態2において、実施の形態1と実質的に同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明については省略することとする。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
図9は、本実施の形態2に係る直下方式のバックライトユニット100Aの構成を示す概略斜視図であり、図7と同様に描いたものである。
ランプ10Aは直管状をしており、直管の長手方向の軸が外囲器106の長手方向(横方向)に略一致した姿勢の14[本]のランプ10Aが、外囲器106の短手方向(縦方向)に所定間隔を空けて交互に配置されている。なお、「交互に」の意味内容については後述する。
これらのランプ10Aは、バックライトユニット100Aの構成要素の一つである点灯装置200(図17)により点灯される。点灯装置200については後述する。
これらのランプ10Aは、バックライトユニット100Aの構成要素の一つである点灯装置200(図17)により点灯される。点灯装置200については後述する。
2.冷陰極型蛍光ランプおよび点灯装置の構成
つぎに、図10を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ10Aの構成について説明する。図10(a)は、冷陰極蛍光ランプ10Aの概略構成を示す一部切欠図である。図10(b)は、ガラスバルブ16において、蛍光体層24が形成された領域を示す模式図である。なお、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様の保護膜に重ねて、蛍光体層24が形成されているのであるが、実施の形態2では、保護膜の図示は省略し、また保護膜には言及しないこととする。
つぎに、図10を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ10Aの構成について説明する。図10(a)は、冷陰極蛍光ランプ10Aの概略構成を示す一部切欠図である。図10(b)は、ガラスバルブ16において、蛍光体層24が形成された領域を示す模式図である。なお、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様の保護膜に重ねて、蛍光体層24が形成されているのであるが、実施の形態2では、保護膜の図示は省略し、また保護膜には言及しないこととする。
ガラスバルブ16の内部には、水銀がガラスバルブ16の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60([Torr])で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar-5[%]、Ne-95[%])の分圧比の混合ガスが用いられる。
蛍光体層24は、ガラスバルブ16長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ10A点灯時の発光特性に影響することとなる。
蛍光体層24は、ガラスバルブ16長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ10A点灯時の発光特性に影響することとなる。
ここで、前記したように、希ガスの封入圧を下げればランプの効率が向上すると一般的に考えられている。このことを確認すべく、本願発明者は、封入圧が効率に与える影響を調査すべく実験を行った。
実験に供した冷陰極蛍光ランプのガラスバルブの外径は3[mm]、内径は2[mm]、全長は450[mm]である。また、ガラスバルブ内には、分圧比でネオン90[%]、アルゴン10[%]からなる混合ガスが封入されている。
実験に供した冷陰極蛍光ランプのガラスバルブの外径は3[mm]、内径は2[mm]、全長は450[mm]である。また、ガラスバルブ内には、分圧比でネオン90[%]、アルゴン10[%]からなる混合ガスが封入されている。
この混合ガスの25℃における封入圧(全圧)が異なる冷陰極蛍光ランプを作製した。封入圧は10[Torr]、20[Torr]、40[Torr]、60[Torr]、80[Torr]の5通りとした。また、各封入圧において冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流も、4[mA]、6[mA]、8[mA]、10[mA]の4通りに変化させた。点灯の際の周囲温度は、バックライトユニット内の温度環境を考慮して50[℃]に設定した。
実験結果を図11に示す。なお、ここにおける効率の値は、冷陰極蛍光ランプから得られる輝度[cd/m2]を入力電力[W]で除したものである。
図11から、駆動電流が10[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで効率は徐々に向上し、40[Torr]以下では横ばいになることが分かる。
図11から、駆動電流が10[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで効率は徐々に向上し、40[Torr]以下では横ばいになることが分かる。
一方、駆動電流が8[mA],6[mA],4[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで効率は徐々に向上するものの、40[Torr]あたりを境に、効率は低下に転じることが分かる。ここで、封入圧を下げれば効率は向上すると一般的に考えられていたところ、駆動電流によっては、封入圧を下げすぎるとかえって効率が下がってしまうことが見出された。
現行の冷陰極蛍光ランプにおける混合ガスの封入圧が60[Torr]であることから、この60[Torr]に対し、封入圧(および電流)の違いによって効率がどの程度異なってくるのかを分かりやすくするため、図11を基にして図12を作成した。ここで、混合ガスの封入圧が60[Torr]である冷陰極蛍光ランプを、以下、「基準ランプ」と称する。
図12は、封入圧が60[Torr]のときの効率に対する、各封入圧−各駆動電流における効率を百分比で表したグラフである。
図12は、封入圧が60[Torr]のときの効率に対する、各封入圧−各駆動電流における効率を百分比で表したグラフである。
図12から、例えば、駆動電流が10[mA]の場合、基準ランプよりも5[%]以上効率を向上させたいときは、封入圧を50[Torr]以下に設定すればよいことが分かる。また、例えば、封入圧が40[Torr]の場合、基準ランプよりも5[%]以上効率を向上させたい場合は、駆動電流は4[mA]では足らず、6[mA]あれば足りることが分かる。すなわち、封入圧と駆動電流の組み合わせを適当なものとすることにより、基準ランプよりも所定のアップ率で効率を向上させることができる。
ここで、基準ランプよりも効率を所定比率向上させる場合の封入圧と駆動電流との組み合わせが分かりやすようにするため、図12に基づいて図13を作成した。ここで、前記所定比率は、3[%]、5[%]、7[%]、および10[%]とした。
図13は、x−y直交座標系において、x軸上に混合ガスの封入圧[Torr]、y軸上に駆動電流値[mA]をとって、前記所定比率毎に、基準ランプより少なくとも当該所定比率分の効率が向上する範囲を示した図である。
図13は、x−y直交座標系において、x軸上に混合ガスの封入圧[Torr]、y軸上に駆動電流値[mA]をとって、前記所定比率毎に、基準ランプより少なくとも当該所定比率分の効率が向上する範囲を示した図である。
例えば、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1「●」および「◆」で表す点を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも3[%]向上する。すなわち、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点P1〜点P7、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも3[%]向上する。
同じく、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点Q1〜点Q6、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも5[%]向上する。
また、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点R1〜点R4、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも7[%]向上する。
また、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点R1〜点R4、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも7[%]向上する。
さらに、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1と点S2を結ぶ線分上の値に設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも10[%]向上する。
各点の座標値を図14に示す。
図14に示す座標値を基に、例えば、基準ランプよりも比率7[%]アップさせる場合について説明する。x−y直交座標系において、冷陰極蛍光ランプのガラスバルブに封入される混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流[mA]の値をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点S1(10,10)、点R1(10,9.3)、点R2(27,8)、点R3(39,8)、点R4(46,10)、点S1(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)の点のx座標値とy座標値をそれぞれ封入圧と駆動電流値に設定することにより、基準ランプよりも効率が少なくとも比率7[%]アップした冷陰極蛍光ランプとすることができる。
各点の座標値を図14に示す。
図14に示す座標値を基に、例えば、基準ランプよりも比率7[%]アップさせる場合について説明する。x−y直交座標系において、冷陰極蛍光ランプのガラスバルブに封入される混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流[mA]の値をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点S1(10,10)、点R1(10,9.3)、点R2(27,8)、点R3(39,8)、点R4(46,10)、点S1(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)の点のx座標値とy座標値をそれぞれ封入圧と駆動電流値に設定することにより、基準ランプよりも効率が少なくとも比率7[%]アップした冷陰極蛍光ランプとすることができる。
上述したように、基準ランプ(封入圧60[Torr])よりも適切な範囲で封入圧を下げると効率が向上する。ところが、封入圧を下げると、今度は、輝度維持率が低下することが判明した。そこで、本願発明者は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を適当なものにすることにより、輝度維持率の低下を抑制することができることを実験により見出した。
当該実験は、外径3.4[mm]、内径2.4[mm]、全長450[mm]のガラスバルブを有する冷陰極蛍光ランプを用い周囲温度25℃の環境下、駆動電流8[mA]で行った。
実験結果を図15に示す。
図15において、点「■」を結ぶ曲線M1は、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
実験結果を図15に示す。
図15において、点「■」を結ぶ曲線M1は、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「◆」を結ぶ曲線M2は、アルゴン20[%]、ネオン80[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「▲」を結ぶ曲線M3は、アルゴン40[%]、ネオン60[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「▲」を結ぶ曲線M3は、アルゴン40[%]、ネオン60[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
図15から、アルゴンガスの分圧比によって、輝度維持率が変動することがわかる。
ここで、500時間経過時における輝度維持率が93[%]以上であることが、実用上要求され、[背景技術]の欄で記載した現行ランプは、これを満足している。
したがって、この基準に照らし合わせると、混合ガスに占めるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上にすることによって、換言すれば、封入ガスに少なくとも20[%]の分圧比でアルゴンガスを混合することによって、実用上、満足のいく輝度維持率を得ることができ、輝度維持率に関して、現行のランプと代替しても問題は無い。
ここで、500時間経過時における輝度維持率が93[%]以上であることが、実用上要求され、[背景技術]の欄で記載した現行ランプは、これを満足している。
したがって、この基準に照らし合わせると、混合ガスに占めるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上にすることによって、換言すれば、封入ガスに少なくとも20[%]の分圧比でアルゴンガスを混合することによって、実用上、満足のいく輝度維持率を得ることができ、輝度維持率に関して、現行のランプと代替しても問題は無い。
以上説明したように、基準ランプ(混合ガスの封入圧:60[Torr])よりも所定効率向上させる場合の混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲は、図13に示す実験結果から画定できる。また、輝度維持率の観点から、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上とする。
ここで、図13に示す実験結果は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比が10[%]の冷陰極蛍光ランプに基づくものであるため、上記組み合わせ範囲の有効性が問題となるとも思われる。そこで、アルゴンガスの分圧比が40[%]の冷陰極蛍光ランプについても、効率に関する実験を行った。
ここで、図13に示す実験結果は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比が10[%]の冷陰極蛍光ランプに基づくものであるため、上記組み合わせ範囲の有効性が問題となるとも思われる。そこで、アルゴンガスの分圧比が40[%]の冷陰極蛍光ランプについても、効率に関する実験を行った。
当該実験は、外径3.4[mm]、内径2.4[mm]、全長450[mm]のガラスバルブを有する冷陰極蛍光ランプを用い周囲温度50[℃]の環境下で行った。
実験結果を図16に示す。図16は、先に説明した図12に対応するものである。
図12と図16を比較すると、アルゴンガスの分圧比を10[%](図12)から40[%](図16)に増加させると、封入圧60[Torr]を基準にしたときの効率の百分比が、全体的に向上することが分かる。すなわち、アルゴンの分圧比によっても効率は変動し、アルゴンの混合量が多いほど(分圧比が高いほど)効率も高くなることが、図12および図16から読み取ることができる。
実験結果を図16に示す。図16は、先に説明した図12に対応するものである。
図12と図16を比較すると、アルゴンガスの分圧比を10[%](図12)から40[%](図16)に増加させると、封入圧60[Torr]を基準にしたときの効率の百分比が、全体的に向上することが分かる。すなわち、アルゴンの分圧比によっても効率は変動し、アルゴンの混合量が多いほど(分圧比が高いほど)効率も高くなることが、図12および図16から読み取ることができる。
したがって、アルゴンガスの分圧比が10[%]で効率が低めである図13に基づいて、混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲を画定していれば、アルゴンガスの分圧比がそれ以上の場合(10[%]を超える場合)には、より高い効率が得られることとなる。したがって、図13に基づいて混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲を画定することに問題は無い。
次に、冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯させるための点灯装置について説明する。
図17は、冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯させるための点灯装置200の構成を示すブロック図である。なお、図17では、冷陰極蛍光ランプ10Aを一つしか図示していないが、点灯装置200には、複数本の冷陰極蛍光ランプ10Aが並列接続されている。また、各冷陰極蛍光ランプ10Aの一方のリード線は、冷陰極蛍光ランプ10A毎に設けられたバラストコンデンサ80を介して、点灯装置200に電気的に接続されている。このバラストコンデンサ80により、後述する一台の電子安定器(インバータ)204で、複数の冷陰極蛍光ランプ10Aを並列点灯させることができる。
図17は、冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯させるための点灯装置200の構成を示すブロック図である。なお、図17では、冷陰極蛍光ランプ10Aを一つしか図示していないが、点灯装置200には、複数本の冷陰極蛍光ランプ10Aが並列接続されている。また、各冷陰極蛍光ランプ10Aの一方のリード線は、冷陰極蛍光ランプ10A毎に設けられたバラストコンデンサ80を介して、点灯装置200に電気的に接続されている。このバラストコンデンサ80により、後述する一台の電子安定器(インバータ)204で、複数の冷陰極蛍光ランプ10Aを並列点灯させることができる。
図17に示すように、点灯装置200は、DC電源回路202と電子安定器204とからなる。電子安定器204は、DC/DCコンバータ206、DC/ACインバータ208、高電圧発生回路210、管電流検出回路212、および制御回路214とから構成される。
DC電源回路202は、商用交流電源(100[V])から直流電圧を生成し、電子安定器204に給電する。DC/DCコンバータ206は、前記直流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して、DC/ACインバータ208に供給する。DC/ACインバータ208は、所定の周波数の交流矩形電流を生成して、高電圧発生回路210に送る。高電圧発生回路210はトランス(不図示)を含んでおり、高電圧発生回路210で発生した高電圧は、冷陰極蛍光ランプ10Aに印加される。
DC電源回路202は、商用交流電源(100[V])から直流電圧を生成し、電子安定器204に給電する。DC/DCコンバータ206は、前記直流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して、DC/ACインバータ208に供給する。DC/ACインバータ208は、所定の周波数の交流矩形電流を生成して、高電圧発生回路210に送る。高電圧発生回路210はトランス(不図示)を含んでおり、高電圧発生回路210で発生した高電圧は、冷陰極蛍光ランプ10Aに印加される。
一方、管電流検出回路112は、DC/ACインバータ208の入力側に接続されており、間接的に冷陰極蛍光ランプ10Aのランプ電流(駆動電流)を検出し、その検出信号を制御回路214に送出する。制御回路214は、前記検出信号に基づき、内部メモリ(不図示)に設定された基準電流値を参照して、当該基準電流値の定電流で各冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯すべくDC/DCコンバータ206、DC/ACインバータ208を制御する。
したがって、内部メモリの基準電流値を図13に基づいて画定した駆動電流値に設定することにより、当該駆動電流値(基準電流値)で、各冷陰極蛍光ランプ10Aが定電流駆動されることとなる。
図10に戻り、同図(a)、(b)に示すように、ガラスバルブ16の第1封止部側の、
境界部(蛍光体層24が存在する領域と不存在の領域との境界)134から電極18の根元までの距離b1と、境界部136から電極20の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、リード線12(14)に固着されている電極18(20)の付け根部分の意味である。
図10に戻り、同図(a)、(b)に示すように、ガラスバルブ16の第1封止部側の、
境界部(蛍光体層24が存在する領域と不存在の領域との境界)134から電極18の根元までの距離b1と、境界部136から電極20の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、リード線12(14)に固着されている電極18(20)の付け根部分の意味である。
なお、蛍光体層24以外の電極18,20、リード線12,14といった部材の位置は左右対称に設けられているので、結果として、境界部134(136)から外部リード線12B(14B)の外側端部までの距離c1,c2とを比べると、c2はc1より長くなっている(c2>c1)。
また、境界部134から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部136から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
また、境界部134から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部136から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
これらの寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]、b1=5.0[mm]、b2=7.0[mm]、c1=14.0[mm]、c2=16.0[mm]
上記したようにb1とb2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラスバルブの内面には、上記したように蛍光体層が形成されている。ガラスバルブの長手方向において、この蛍光体層の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管内径が1.4[mm]〜7[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体層の厚みが不均一となりやすい。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]、b1=5.0[mm]、b2=7.0[mm]、c1=14.0[mm]、c2=16.0[mm]
上記したようにb1とb2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラスバルブの内面には、上記したように蛍光体層が形成されている。ガラスバルブの長手方向において、この蛍光体層の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管内径が1.4[mm]〜7[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体層の厚みが不均一となりやすい。
すなわち、ガラスバルブの長手方向において、蛍光体層の膜厚が一方側が厚く他方側が薄いという関係となっている。係る膜厚の差は点灯時に輝度差として表出し、輝度ムラの原因となり得る。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
ここで、「交互に」とは、隣り合うランプ10A間で第1封止部と第2封止部とが反対方向になっているという意味である。図9、図10および後掲する図18、図19、図22においては、ランプ10Aの第1封止部と第2封止部とをそれぞれ四角囲みの数字で「1」、「2」と区別している。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
しかしながら、係る従来の識別用マークを用いる方法では、識別用マークを付するための工程やその設備が必要となりコスト高を招くという問題がある。
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記b1とb2の大きさを異ならせることとしたのである。
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記b1とb2の大きさを異ならせることとしたのである。
すなわち、冷陰極蛍光ランプ10Aは、上記したようにb2がb1より大きいため、b2またはb1の一方を対象として所定範囲内に収まっているかをセンサを用いて検出したり、b2及びb1の距離をセンサを用いて検出して両者の差を求めることにより、ランプ10A(ガラスバルブ16)の長手方向の向きを識別することが可能となる。識別マークを付するための工程や設備が不要となり製造コストを抑えることも可能となる。
また、蛍光体層24はガラスバルブ16の全周に形成されているため、ガラスバルブ16の周回方向(回転方向)に関わらず、一方向から検出することができ、センシングの設備構成を簡素化できる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極やリード線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極やリード線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
なお、c1,c2またはa1,a2もそれぞれ距離が異なっているため同様に検出及び識別に利用することが可能である。
3.冷陰極型蛍光ランプの製造方法
次に、上記構成を有する冷陰極蛍光ランプ10Aの製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。
3.冷陰極型蛍光ランプの製造方法
次に、上記構成を有する冷陰極蛍光ランプ10Aの製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。
図18,図19は冷陰極蛍光ランプ10Aの製造工程を示す図である。
まず、準備した直管状のガラス管32を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管32内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管32内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ45により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
まず、準備した直管状のガラス管32を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管32内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管32内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ45により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
次に、ガラス管32内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管32内面にブラシ47を挿入して、ガラス管32端部の不要な蛍光体分を除去する[工程B]。
続いて、ガラス管32を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体層24を得る。
その後、蛍光体層24が形成されたガラス管32に、電極20、ビードガラス23を含む電極ユニット37を挿入した後、仮止めを行う[工程C]。仮止めとは、ビードガラス23が位置するガラス管32の外周部分をバーナー48で加熱して、ビードガラス23の外周の一部をガラス管32内周面に固着することをいう。ビードガラス23の外周の一部しか固着しないので、ガラス管32の管軸方向の通気性は維持される。
続いて、ガラス管32を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体層24を得る。
その後、蛍光体層24が形成されたガラス管32に、電極20、ビードガラス23を含む電極ユニット37を挿入した後、仮止めを行う[工程C]。仮止めとは、ビードガラス23が位置するガラス管32の外周部分をバーナー48で加熱して、ビードガラス23の外周の一部をガラス管32内周面に固着することをいう。ビードガラス23の外周の一部しか固着しないので、ガラス管32の管軸方向の通気性は維持される。
次に、反対側からガラス管32に、電極18、ビードガラス21を含む電極ユニット238を挿入した後、ビードガラス21が位置するガラス管32の外周部分をバーナー250で加熱し、ガラス管32を封着して気密封止(第1封止)する[工程D]。なお、第1封止における封止位置の設定値から誤差は高々0.5[mm]程度である。
工程Cにおける電極ユニット37の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット238の挿入位置は、封止後のガラスバルブ16の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット238は、第2封止部側の電極ユニット37と比べて、蛍光体層24に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
工程Cにおける電極ユニット37の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット238の挿入位置は、封止後のガラスバルブ16の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット238は、第2封止部側の電極ユニット37と比べて、蛍光体層24に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
続いて、ガラス管32の、電極20よりも端部寄りの一部をバーナー252で加熱して、くびれ部分46Aを形成した後、水銀ペレット254をガラス管32に投入する[工程E]。水銀ペレット254は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続く工程Fでは、ガラス管32内の排気とガラス管32内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管32の水銀ペレット254側端部に装着し、先ず、ガラス管32内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管32全体を外周から加熱する。これによって、蛍光体層24に潜入している不純ガスを含めガラス管32内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
続く工程Fでは、ガラス管32内の排気とガラス管32内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管32の水銀ペレット254側端部に装着し、先ず、ガラス管32内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管32全体を外周から加熱する。これによって、蛍光体層24に潜入している不純ガスを含めガラス管32内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
希ガスが充填されると、ガラス管32の水銀ペレット254側端部をバーナー56で加熱して封止する[工程G]。
続いて、図19に示す工程Hでは、水銀ペレット254をガラス管32周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管32を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極18の方へ移動させる。
続いて、図19に示す工程Hでは、水銀ペレット254をガラス管32周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管32を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極18の方へ移動させる。
次に、ビードガラス23が位置するガラス管32外周部分をバーナー58で加熱して、ガラス管32を封着して気密封止(第2封止)する[工程I]。第2封止における封止位置の設定値から誤差は、第1封止と同様に0.5[mm]程度である。
続いて、ガラス管32の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット254側の端部部分を切り離す[工程J]。
4.バックライトユニットの製造方法
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図20を用いて説明する。
続いて、ガラス管32の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット254側の端部部分を切り離す[工程J]。
4.バックライトユニットの製造方法
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図20を用いて説明する。
図20(a)は、ランプフィーダ60を模式的に示す図である。図20(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す図である。図20(c)は、ランプの外囲器106内への設置工程を示す図である。
ランプフィーダ60は、台座66にランプ10Aを1[本]ずつ供給する装置である。
台座66は、ランプ10Aが設置されるための溝66aを有し、また台座を360度回転させる機構を備えている。
ランプフィーダ60は、台座66にランプ10Aを1[本]ずつ供給する装置である。
台座66は、ランプ10Aが設置されるための溝66aを有し、また台座を360度回転させる機構を備えている。
溝66a内には、ランプ10A設置されており、このランプ10Aの両端部に対応する位置の上方には、センサ64a,64bが配置されている。このセンサはランプの一方側の端部にだけ配置しても構わない。
センサ64a,64bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
センサ64a,64bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
センサ64a,64bにより検出されたランプの長手方向の向きに対応して、台座66を回転させることによりランプの向き合わせを行うこととなる。
向き合わせされたランプ10Aは、リード線12(14)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ10A間で長手方向の向きが反対になるようにソケット67に嵌め込まれることとなる。
向き合わせされたランプ10Aは、リード線12(14)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ10A間で長手方向の向きが反対になるようにソケット67に嵌め込まれることとなる。
図20(c)に示すように、外囲器106の反射板102には、ランプ10Aの取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット67が配置されている。
ソケット67は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット67は、挟持板67a,67bとそれら挟持板67a,67bを下端縁で連結する連結片67cと、連結片67cから突出した接続板67dとからなる。
ソケット67は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット67は、挟持板67a,67bとそれら挟持板67a,67bを下端縁で連結する連結片67cと、連結片67cから突出した接続板67dとからなる。
挟持板67a,67bには、ランプ10Aの外径に合わせた凹部が設けられている。
接続板67dは、連結片67cから外囲器106の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び外囲器106の外側方向に延びている。接続板67dの自由端部には、リード線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片67a,67bの凹部内にランプ10Aの端部をはめ込むことにより、挟持板67a,67bの板ばね作用によってランプ10Aがソケット67に保持される。同時に、ランプ10Aのリード線12,14を接続板67d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、リード線12,14が接続板67dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
5.変形例
(変形例1)
より方向合わせの精度を向上させるために、ガラスバルブ16の蛍光体層24が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、実施の形態に係る変形例1として説明する。
接続板67dは、連結片67cから外囲器106の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び外囲器106の外側方向に延びている。接続板67dの自由端部には、リード線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片67a,67bの凹部内にランプ10Aの端部をはめ込むことにより、挟持板67a,67bの板ばね作用によってランプ10Aがソケット67に保持される。同時に、ランプ10Aのリード線12,14を接続板67d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、リード線12,14が接続板67dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
5.変形例
(変形例1)
より方向合わせの精度を向上させるために、ガラスバルブ16の蛍光体層24が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、実施の形態に係る変形例1として説明する。
図21に、識別用のマークが印刷されたガラスバルブ16aを示す。図21(b)は、図21(a)のC−C線における断面図である。
ガラスバルブ16aの端部外周には、識別用の3[個]のマーク70a,70b,70cが形成されている。
マーク70a,70b,70cは、ガラスバルブ16aの長手方向における位置が互いに略等しい。
ガラスバルブ16aの端部外周には、識別用の3[個]のマーク70a,70b,70cが形成されている。
マーク70a,70b,70cは、ガラスバルブ16aの長手方向における位置が互いに略等しい。
なお、マーク70a,70b,70cは、第1封止部側に形成するよりも、より蛍光体層不存在領域の長い第2封止部側の端部外周に形成する方が好ましい。
マーク70a〜70cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク70a〜70cが形成されたガラスバルブ16aを用いれば、例えば、境界部134からマーク70a〜70cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
マーク70a〜70cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク70a〜70cが形成されたガラスバルブ16aを用いれば、例えば、境界部134からマーク70a〜70cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
また、マーク70a〜70cのそれぞれの中心部(要部)は、ガラスバルブ16aの横断面を見た場合において、バルブの中心点Oから略120[度]の等間隔を空けた位置となっている。このように、マーク70a〜70cは、ガラスバルブ16aの周回方向(回転方向)に関わらず、マークの測定対象部位が見える位置関係にあるため、確実に一方向からセンサを用いてマーク70a〜70cのいずれかを検出することが可能である。
なお、マーク70a〜70cとして、文字を印刷しても構わない。その文字の印刷方向はガラスバルブ16aの長手方向であってもよいし、ガラスバルブの周回方向でもよい。また文字として、ロットナンバーを印刷しても構わない。
(変形例2)
また、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態に係る変形例2として説明する。
(変形例2)
また、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態に係る変形例2として説明する。
図22に示すように、ガラスバルブ16bの第2封止部側には、蛍光体層24とは別に、蛍光体層33が形成されている。蛍光体層33は、電極18,20間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体層である。
本変形例では、例えば、境界136と蛍光体層33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
本変形例では、例えば、境界136と蛍光体層33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
(変形例3)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態に係る変形例3として説明する。
図23は、変形例3に係るガラスバルブ16の概略構成を示す模式図であり、図23(a)は、電極、ビードガラス、リード線の外観を示し、図23(b)では、ガラスバルブ16と蛍光体層24を管軸Xを含む断面で示し、リード線12a,電極18は外観を示している。また、図23(c)では、電極18も形状がわかるよう断面で示している。なお、図23においては、図10と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態に係る変形例3として説明する。
図23は、変形例3に係るガラスバルブ16の概略構成を示す模式図であり、図23(a)は、電極、ビードガラス、リード線の外観を示し、図23(b)では、ガラスバルブ16と蛍光体層24を管軸Xを含む断面で示し、リード線12a,電極18は外観を示している。また、図23(c)では、電極18も形状がわかるよう断面で示している。なお、図23においては、図10と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
図23(a)の例では、方向識別に用いるための、ビードガラス21に着色が施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界134とビードガラス21の境界134から遠い側との距離d、境界134とビードガラス21の境界134に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
この場合、境界134とビードガラス21の境界134から遠い側との距離d、境界134とビードガラス21の境界134に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
図23(b)の例では、円筒形をした電極18中央下部の周回方法にマーク71が付されている。この例では、境界134とリング状をしたマーク71との距離fを検出に用いることができる。マーク71は、ガラスバルブ16の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図23(c)の例では、電極18aは、有底筒状の電極18とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
図23(c)の例では、電極18aは、有底筒状の電極18とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
電極18aは、開口部分の端部において、リード線12aの頭部をかしめて固定されている。
また、リード線12aの周回方向にマーク72が付されている。この例では、境界134とマーク72との距離gを検出に用いることができる。マーク72も、マーク71と同様にガラスバルブ16の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
6.その他の事項
(1)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上記実施の形態において説明したように、ランプ10Aの製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5[mm]、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5[mm]程度が見込まれる。
また、リード線12aの周回方向にマーク72が付されている。この例では、境界134とマーク72との距離gを検出に用いることができる。マーク72も、マーク71と同様にガラスバルブ16の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
6.その他の事項
(1)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上記実施の形態において説明したように、ランプ10Aの製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5[mm]、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5[mm]程度が見込まれる。
また、センサとして200万[画素]の画像センサを用いれば、1[画素]を0.1[mm]に設定することが可能であるため、0.1[mm]単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
なお、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも3[mm]以上であれば、より確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。この場合、画像センサは、0.5[mm]単位での測定精度のもので構わない。また、長さの差の上限値は例えば8[mm]程度である。8[mm]より大きくすると、発光に寄与しない蛍光体不存在領域が長くなり、有効発光長が確保しにくくなるからである。
(2)保護層について
本実施の形態においては、ガラスバルブの内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプにも本発明を適用することができる。
具体的には、ガラスバルブの一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラスバルブの長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラスバルブの内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
本実施の形態においては、ガラスバルブの内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプにも本発明を適用することができる。
具体的には、ガラスバルブの一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラスバルブの長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラスバルブの内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
(3)ランプ種類
実施の形態では、冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明したが、本発明は、熱陰極型蛍光ランプや、外部電極型蛍光ランプにも適用することが可能である。
外部電極型蛍光ランプとは、ガラスバルブ内部に電極を有さず、ガラスバルブの両端部外周に電極を有するタイプの蛍光ランプである。係る外部電極型蛍光ランプに本発明を適用する場合には、蛍光体層の形成された領域と蛍光体層の形成されていない領域の境界をセンサにより検出できるようにするため、電極材料として透明電極を用いたり又は蛍光体層を電極と重ならない位置に形成するなどする必要がある。
実施の形態では、冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明したが、本発明は、熱陰極型蛍光ランプや、外部電極型蛍光ランプにも適用することが可能である。
外部電極型蛍光ランプとは、ガラスバルブ内部に電極を有さず、ガラスバルブの両端部外周に電極を有するタイプの蛍光ランプである。係る外部電極型蛍光ランプに本発明を適用する場合には、蛍光体層の形成された領域と蛍光体層の形成されていない領域の境界をセンサにより検出できるようにするため、電極材料として透明電極を用いたり又は蛍光体層を電極と重ならない位置に形成するなどする必要がある。
(4)ランプ形状
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図10)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
<実施の形態3>
蛍光体粒子の表面に酸化ランタンを被覆した場合、同じ蛍光体粒子に酸化ランタンを被覆しない場合と比べて輝度維持率は改善するものの、酸化ランタンの被覆だけでは水銀付着以外の要因による輝度維持率の低下を防ぐことができず、輝度維持率の向上に限度がある。また、輝度維持率の向上のために、酸化ランタンの被覆量を多くすると、酸化ランタンが蛍光体粒子の表面から剥がれ易くなったり、酸化ランタンによって蛍光体粒子から発せられる光が遮られるため、光の量が低減し、初期輝度が低下してしまう。
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図10)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
<実施の形態3>
蛍光体粒子の表面に酸化ランタンを被覆した場合、同じ蛍光体粒子に酸化ランタンを被覆しない場合と比べて輝度維持率は改善するものの、酸化ランタンの被覆だけでは水銀付着以外の要因による輝度維持率の低下を防ぐことができず、輝度維持率の向上に限度がある。また、輝度維持率の向上のために、酸化ランタンの被覆量を多くすると、酸化ランタンが蛍光体粒子の表面から剥がれ易くなったり、酸化ランタンによって蛍光体粒子から発せられる光が遮られるため、光の量が低減し、初期輝度が低下してしまう。
そこで、実施の形態3は、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ輝度維持率を向上した蛍光ランプを提供することを目的とする。
(実施の形態3−1)
本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300(以下、単に「ランプ300」という)の管軸を含む断面図を図24(a)に、図24(a)のA部の拡大断面図を図24(b)にそれぞれ示す。ランプ100は、主として蛍光体層の構成が異なる以外は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10と同様である。したがって、共通部分には、同じ符号を付して、その説明については省略することとする。実施の形態3における全ての図面において、保護膜の図示は省略することとする。
(実施の形態3−1)
本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300(以下、単に「ランプ300」という)の管軸を含む断面図を図24(a)に、図24(a)のA部の拡大断面図を図24(b)にそれぞれ示す。ランプ100は、主として蛍光体層の構成が異なる以外は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10と同様である。したがって、共通部分には、同じ符号を付して、その説明については省略することとする。実施の形態3における全ての図面において、保護膜の図示は省略することとする。
ガラスバルブ16の内部には、水銀がガラスバルブ16の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様、保護膜(不図示)に重ねて、蛍光体層304が形成されている。蛍光体層304に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)304R、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)304Gおよび青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)304Bからなる希土類蛍光体で形成されている。
また、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様、保護膜(不図示)に重ねて、蛍光体層304が形成されている。蛍光体層304に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)304R、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)304Gおよび青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)304Bからなる希土類蛍光体で形成されている。
ここで、青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)304Bには酸化セリウム
(CeO2)やアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)やアルミン酸バリウム(BaA
l2O4)のような不純物の含有量が0.1[wt%]以下であることが、蛍光ランプの点灯時における初期輝度の低下防止及び輝度維持率の向上の点から好ましい。つまり、不純物の含有量が0.1[wt%]より多い場合には、青色蛍光体粒子304Bの結晶性が悪くなり、特に、蛍光ランプの点灯時における輝度維持率が低下したものと考える。
(CeO2)やアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)やアルミン酸バリウム(BaA
l2O4)のような不純物の含有量が0.1[wt%]以下であることが、蛍光ランプの点灯時における初期輝度の低下防止及び輝度維持率の向上の点から好ましい。つまり、不純物の含有量が0.1[wt%]より多い場合には、青色蛍光体粒子304Bの結晶性が悪くなり、特に、蛍光ランプの点灯時における輝度維持率が低下したものと考える。
また、図24(b)に示すように、蛍光体層304の蛍光体粒子のうち青色蛍光体粒子304Bの表面には、金属酸化物である酸化ランタン(La2O3)304aが被覆されていてもよい。これは、青色蛍光体粒子304Bには、アルミナ(Al2O3)が含まれているため、水銀を吸着しやすく、青色蛍光体粒子304Bの表面に吸着した水銀が青色蛍光体粒子304Bやその他の赤色蛍光体粒子304Rや緑色蛍光体粒子304Gから発せられる光を遮ってしまい、蛍光ランプ300の輝度維持率の低下の要因となるからである。
よって、上記のような青色蛍光体粒子304Bに不純物が少ないこと、特に不純物の含有量が青色蛍光体粒子の総重量に対して0.1[wt%]であることにより、蛍光ランプの点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ輝度維持率を向上することができる。
(実験1)
以下、その一例として異なる青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプの作用効果について詳細に説明する。本発明者らは、比較実験を行うに当たり、発明品1、比較品1および比較品2の青色蛍光体粒子(以下、それぞれ単に「発明品1」、「比較品1」、「比較品2」という。)を用いて単色の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1とした。
発明品1のSEM写真を図25(a)に、比較品1のSEM写真を図25(b)に、比較品2のSEM写真を図25(c)にそれぞれ示す。なお、SEM写真は、日立製作所製のS4500を用いて倍率20000[倍]で撮影した。
図25(a)に示すように、発明品1の表面は、酸化ランタンによってわずかに被覆されている。なお、図25(a)および図25(b)上、青色蛍光体粒子の表面にわずかに散見できる米粒状の物質が酸化ランタンである。
図25(a)に示すように、発明品1の表面は、酸化ランタンによってわずかに被覆されている。なお、図25(a)および図25(b)上、青色蛍光体粒子の表面にわずかに散見できる米粒状の物質が酸化ランタンである。
図25(b)に示すように、比較品1の表面は、酸化ランタンによってほとんど被覆されている。
図25(c)に示すように、比較品2は、比較品1と同じ青色蛍光体粒子であるが、その表面は酸化ランタンによって被覆されていない。
次に、発明品1、比較品1および比較品2の元素分析結果を図26に示す。なお、元素分析は理学電機工業株式会社製のRIX−3100を用いて行った。
図25(c)に示すように、比較品2は、比較品1と同じ青色蛍光体粒子であるが、その表面は酸化ランタンによって被覆されていない。
次に、発明品1、比較品1および比較品2の元素分析結果を図26に示す。なお、元素分析は理学電機工業株式会社製のRIX−3100を用いて行った。
図26に示すように、発明品1は、比較品1および比較品2のように不純物である酸化セリウム(CeO2)を含んでいないことがわかる。
次に、発明品1のX線回折パターンを図27(a)に、比較品1のX線回折パターンを図27(b)に、比較品2のX線回折パターンを図27(c)にそれぞれ示す。なお、X線回折は、理学電機工業株式会社製のRINT1000を用いて行った。
次に、発明品1のX線回折パターンを図27(a)に、比較品1のX線回折パターンを図27(b)に、比較品2のX線回折パターンを図27(c)にそれぞれ示す。なお、X線回折は、理学電機工業株式会社製のRINT1000を用いて行った。
図27(a)〜(c)に示すように、発明品1は、比較品1および比較品2に比べて不純物であるアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)およびアルミン酸バリウム(BaAl2O4)が少ないことがわかる。なお、図27(a)〜(c)上、▽で示しているのがアルミン酸バリウム・マグネシウムである。
実験試料である発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1は、それぞれ蛍光体層に用いる蛍光体粒子を除いてランプ300と実質的に同じ構成を有している。具体的には、ホウケイ酸ガラス製のガラスバルブを用い、管軸に対して垂直に切った断面が略円形状で、外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]、全長が約340[mm]のガラスバルブの内面に蛍光体層を形成したものを用い、ガラスバルブ内部には、水銀1.5[mg]と60[Torr]でアルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の分圧比となる混合ガスが封入されている。
実験試料である発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1は、それぞれ蛍光体層に用いる蛍光体粒子を除いてランプ300と実質的に同じ構成を有している。具体的には、ホウケイ酸ガラス製のガラスバルブを用い、管軸に対して垂直に切った断面が略円形状で、外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]、全長が約340[mm]のガラスバルブの内面に蛍光体層を形成したものを用い、ガラスバルブ内部には、水銀1.5[mg]と60[Torr]でアルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の分圧比となる混合ガスが封入されている。
上記のような3種類の実験試料を用いて点灯実験を行い、それぞれの点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図28に示す。図28に示すように、点灯時間2600[h]経過時においての輝度維持率が比較品1は79.1[%]、比較品2は77.5[%]であるのに対し、発明品1は92.6[%]である。なお、この場合、初期輝度は、発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1とで大きな差異はなかった。
(実験2)
また、発明者は、発明品1、比較品1および比較品2のそれぞれの青色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)および緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+
)を用いて、青色蛍光体粒子、赤色蛍光体粒子および緑色蛍光体粒子の混合比が2:1:1の三波長型の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とした。それぞれの点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図29に示す。
また、発明者は、発明品1、比較品1および比較品2のそれぞれの青色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)および緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+
)を用いて、青色蛍光体粒子、赤色蛍光体粒子および緑色蛍光体粒子の混合比が2:1:1の三波長型の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とした。それぞれの点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図29に示す。
図29に示すように、点灯時間1380[h]経過時において比較品1−2の輝度維持率が89.1[%]、比較品2−2の輝度維持率が86.2[%]であるのに対して、発明品1−2の輝度維持率は93.8[%]であり、比較品1−2および比較品2−2に比べて発明品1−2の輝度維持率が高いことがわかる。
なお、この場合における初期輝度は、発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とで大きな差異はなかった。
なお、この場合における初期輝度は、発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とで大きな差異はなかった。
つまり、発明品1−2は、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ輝度維持率を向上している。ここで、その理由を以下に説明する。図26および図27(a)〜(c)に示すように、発明品1には、不純物である酸化セリウム(CeO2)、アルミン酸バリウム(BaAl2O4)およびアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)が比較品1および比較品2に比べて少ないことがわかる。
酸化セリウムがアルミン酸バリウム・マグネシウムの結晶中に存在する場合、主となる結晶を構成する原子とは異なる原子が存在することとなり、結晶にひずみが起き、いわゆる結晶性が悪くなるために、輝度維持率が低下するものと思われる。
また、アルミン酸バリウムやアルミン酸マグネシウムは、それぞれアルミン酸バリウム・マグネシウムとは異なる結晶系を形成しているため、アルミン酸バリウム・マグネシウムの結晶中に異なる結晶系が存在することとなり、結晶がもろくなるとともに、結晶性が悪くなるために、輝度維持率が低下するものと思われる。
また、アルミン酸バリウムやアルミン酸マグネシウムは、それぞれアルミン酸バリウム・マグネシウムとは異なる結晶系を形成しているため、アルミン酸バリウム・マグネシウムの結晶中に異なる結晶系が存在することとなり、結晶がもろくなるとともに、結晶性が悪くなるために、輝度維持率が低下するものと思われる。
(実施の形態3−2)
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350(以下、単に「ランプ350」という)の管軸を含む断面図を図30(a)に、図30(a)のB部の拡大断面図を図30(b)にそれぞれ示す。図30(a)に示すように、ランプ350は冷陰極蛍光ランプである。ランプ350は、本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300と蛍光体層を除いて実質的に同じ構成を有している。そこで、蛍光体層について詳細に説明し、その他の構成については、図30(a)および(b)に図24(a)および(b)と同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350(以下、単に「ランプ350」という)の管軸を含む断面図を図30(a)に、図30(a)のB部の拡大断面図を図30(b)にそれぞれ示す。図30(a)に示すように、ランプ350は冷陰極蛍光ランプである。ランプ350は、本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300と蛍光体層を除いて実質的に同じ構成を有している。そこで、蛍光体層について詳細に説明し、その他の構成については、図30(a)および(b)に図24(a)および(b)と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図30(b)に示すように、蛍光体層351の蛍光体粒子304R、304G、304B(以下、単に「蛍光体粒子RGB」という。)同士は金属酸化物を含んだ棒状体304bによって互いに架橋されている。特に、蛍光体粒子RGB間の間隙の狭い部分において、棒状体によって架橋されている。ここで、「棒状体」とは、架橋間距離よりも径の小さな柱状をしたものをいう。棒状体304bの太さは、例えば1.5[μm]以下である。隣接する一対の蛍光体粒子304RGBが複数の棒状体304bによって架橋されている場合もある。この棒状体304bの存在により、蛍光体粒子304RGB間の間隙が狭小化しており、蛍光体層351の内部への水銀の浸入が抑制されている。よって、蛍光体粒子304RGBへ吸着することによる水銀の消費が抑制されている。また、蛍光体粒子304RGB間に配置され、蛍光体粒子304RGB同士を架橋する金属酸化物は棒状であるので、蛍光体層351によって変換された光はガラスバルブ16の外側に透過し易い。以上のことより、本実施形態に係る蛍光ランプ350は、水銀の消費の抑制と高輝度との両立がなされている。
棒状体に含まれる金属酸化物は、具体的には、例えば、Y,La,Hf,Mg,Si,Al,P,B,VおよびZrから選ばれる少なくとも一種を含んでいると好ましい。なかでも、Zr,Y,Hf等は、酸素原子との結合エネルギーが10.7×10-9[J]を超えるので好ましい。10.7×10-9[J]は、水銀の励起に伴って発生する共鳴線のうちの波長185[nm]の紫外線が有する光量子エネルギーに相当する。酸素原子との結合エネルギーが10.7×10-9[J]を超える金属を含む金属酸化物、例えば、ZrO2,Y2O3,HfO2を用いれば、波長185[nm]の紫外線の照射に対する金属酸化物の耐久性が向上する。また、金属酸化物がY2O3を含むと、よりいっそう水銀消費が少なくなり好ましい。
また、棒状体に含まれる金属酸化物として、例えば、SiO2,Ai2O3,HfO2を用いてもよい。これらは波長254[nm]の光の透過率がほぼ100[%]と高い。蛍光体は254[nm]の光を受けて発光する。よって、波長254[nm]の光の透過率が高い金属酸化物を用いれば、発光効率が高くなり好ましい。
なお、波長254[nm]の光の透過率は、ZrO2については約95[%]であり、
V2O5,Y2O3,NbO5については約85[wt%]である。Y2O3、ZrO2については、波長200[nm]以下の光の透過率が低く、それぞれ、30[%]未満、20[%]未満である。そのため、これらは、蛍光体を劣化させる波長185[nm]の光の遮断効果が大きく好ましい。
なお、波長254[nm]の光の透過率は、ZrO2については約95[%]であり、
V2O5,Y2O3,NbO5については約85[wt%]である。Y2O3、ZrO2については、波長200[nm]以下の光の透過率が低く、それぞれ、30[%]未満、20[%]未満である。そのため、これらは、蛍光体を劣化させる波長185[nm]の光の遮断効果が大きく好ましい。
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプは、上記の構成により、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ、さらに輝度維持率を向上することができる。
(実験3)
以下、青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350の作用効果について詳細に説明する。発明者は、実験1の発明品1−1とは、その蛍光体層の蛍光体粒子間に金属酸化物を含む棒状体を架橋している点のみ相違する発明品1−3を作成した。具体的には、棒状体の金属酸化物として蛍光体層の蛍光体粒子の総重量に対して0.3[wt%]の酸化イットリウム(Y2O3)を用いた。発明品1−3の点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図31に示す。なお、比較のために、図31には、実験1で用いた発明品1−1の点灯時間の経過による輝度維持率の変化も図示している。図31に示すように、点灯時間2000[h]経過時の発明品1−1の輝度維持率が93.1[%]であるのに対して、発明品1−3の輝度維持率は97.0[%]である。さらに初期輝度については、発明品1−3と発明品1−1とで大きな差異はなかった。
(実験3)
以下、青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350の作用効果について詳細に説明する。発明者は、実験1の発明品1−1とは、その蛍光体層の蛍光体粒子間に金属酸化物を含む棒状体を架橋している点のみ相違する発明品1−3を作成した。具体的には、棒状体の金属酸化物として蛍光体層の蛍光体粒子の総重量に対して0.3[wt%]の酸化イットリウム(Y2O3)を用いた。発明品1−3の点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図31に示す。なお、比較のために、図31には、実験1で用いた発明品1−1の点灯時間の経過による輝度維持率の変化も図示している。図31に示すように、点灯時間2000[h]経過時の発明品1−1の輝度維持率が93.1[%]であるのに対して、発明品1−3の輝度維持率は97.0[%]である。さらに初期輝度については、発明品1−3と発明品1−1とで大きな差異はなかった。
よって、発明品1−3は、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ、さらに輝度維持率を向上している。
<実施の形態4>
冷陰極蛍光ランプのコスト削減策として、例えば、ニッケル(Ni)陰極を用いる方法がある。ニッケル電極を用いれば、モリブデン(Mo)電極やタングステン(W)電極を
用いるよりも冷陰極部分のコストを低減することができる。しかしながら、ニッケル電極は耐スパッタ性が低く、短寿命であるという問題があり、これを解決すべく、例えば、次のような技術が開示されている。
<実施の形態4>
冷陰極蛍光ランプのコスト削減策として、例えば、ニッケル(Ni)陰極を用いる方法がある。ニッケル電極を用いれば、モリブデン(Mo)電極やタングステン(W)電極を
用いるよりも冷陰極部分のコストを低減することができる。しかしながら、ニッケル電極は耐スパッタ性が低く、短寿命であるという問題があり、これを解決すべく、例えば、次のような技術が開示されている。
すなわち、ニッケル−モリブデン合金やニッケル−モリブデンクラッドを冷陰極に用いる技術である。このようにすれば、冷陰極の耐スパッタ性を向上させて、長寿命化を図ることができる。
しかしながら、耐スパッタ性は向上するものの、ニッケルに較べてモリブデンは高価であるので、ニッケル−モリブデン電極はニッケル電極よりも数倍ものコストがかかり、コストを削減できるというニッケル電極の利点が滅却されてしまうという問題がある。
しかしながら、耐スパッタ性は向上するものの、ニッケルに較べてモリブデンは高価であるので、ニッケル−モリブデン電極はニッケル電極よりも数倍ものコストがかかり、コストを削減できるというニッケル電極の利点が滅却されてしまうという問題がある。
実施の形態4は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、低コストで、かつ、高い耐スパッタ性を有する冷陰極蛍光ランプを提供することを目的とする。
実施の形態4に係る冷陰極蛍光ランプは、主として、電極の材料が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプと同様である。したがって、共通部分の説明については省略し、異なる部分について詳細に説明することとする。
実施の形態4に係る冷陰極蛍光ランプは、主として、電極の材料が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプと同様である。したがって、共通部分の説明については省略し、異なる部分について詳細に説明することとする。
電極18、20は、ニッケル母体に酸化イットリウム(Y2O3)が0.46[wt%]、シリコン(Si)が0.14[wt%]添加(ドープ)されてなる。酸化イットリウムを添加することによって電極18、20の耐スパッタ性を向上させることができる。また、シリコンを添加することによって電極18、20が酸化するのを防止することができる。
[6] 電極18の製造方法
次に、電極18の製造方法について説明する。なお、電極20も電極18と同様にして製造されるので、電極18の製造方法の説明を以って電極20の製造方法の説明に代える。
[6] 電極18の製造方法
次に、電極18の製造方法について説明する。なお、電極20も電極18と同様にして製造されるので、電極18の製造方法の説明を以って電極20の製造方法の説明に代える。
本実施の形態においては、上述のように、ニッケルに酸化イットリウムやシリコンを添加したインゴットを線状に加工した後(線引き)、ヘッダ加工によって圧造する。図32は、電極18の製造方法を示す図である。先ず、線引きしたインゴット701を所定の長さに切断する(図7(a))。
次に、切断したインゴット701をダイス702に格納し(図32(b))、プレス703にてインゴット701を1〜数回圧縮成形する(図32(c)〜(e))。その後、成形されたインゴット701をイジェクトバー(図示省略)にてダイス702から取り出すと、電極18を得ることができる。
次に、切断したインゴット701をダイス702に格納し(図32(b))、プレス703にてインゴット701を1〜数回圧縮成形する(図32(c)〜(e))。その後、成形されたインゴット701をイジェクトバー(図示省略)にてダイス702から取り出すと、電極18を得ることができる。
このようにすれば、冷間鍛造にて電極18を得ることができるので、電極18の製造コストを低減することができる。また、ニッケルはタングステンやニオブよりも軟らかいので、少ない圧縮回数で電極18を成形することができるという意味でも製造コストを低減することができる。
[7] 耐スパッタ性の評価
次に、本発明に係る電極と酸化イットリウムを添加していないニッケル電極とについて耐スパッタ性を評価したので、その評価結果について説明する。
[7] 耐スパッタ性の評価
次に、本発明に係る電極と酸化イットリウムを添加していないニッケル電極とについて耐スパッタ性を評価したので、その評価結果について説明する。
評価に用いた冷陰極蛍光ランプは何れもガラスバルブの外径が2.4[mm]、内径2.0[mm]、ホロー型電極の外径1.7[mm]、内径1.5[mm]、長さ5.5[mm]、電極間距離(電極先端から電極先端までの間隔)が330[mm]であって、ネオン−アルゴン(5[%])混合ガスが8kPa(60Torr)と飽和蒸気圧の水銀が封入されている。また、60kHzの正弦波形の電圧が印加され、電流量は6mAである。
このような条件の下、雰囲気温度が25[℃]で5,000[時間]点灯し続けた後に、電極のスパッタ量について標本数5[本]の平均値を求めたところ、純ニッケル電極では2.8[μg]であったのに対して、本発明に係る電極では1.8[μg]であった。すなわち、本発明を用いることによってスパッタ量を35[%]も低減することができた。
なお、本評価においては、電極開口部付近のガラスバルブ内壁に堆積した金属膜を化学分析にて定量することによってスパッタ量を求めた。
なお、本評価においては、電極開口部付近のガラスバルブ内壁に堆積した金属膜を化学分析にて定量することによってスパッタ量を求めた。
また、純ニオブ電極のスパッタ量を同様にして求めたところ0.8[μg]と、本発明に係る電極よりもスパッタ量が小さいことが確認されたが、コストとスパッタ量を共に低減するという本発明の目的に照らせば、本発明の効果はこの結果によって何ら損なわるものではない。
[8] 変形例
以上、本発明を実施の形態4に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態4に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
[8] 変形例
以上、本発明を実施の形態4に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態4に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態4においては、専らニッケルを母材として酸化イットリウムを0.46[wt%]添加した場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムの添加量が0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内であれば、本発明の同様の効果を得ることができる。
(2) 上記実施の形態4においては、専ら酸化イットリウムを添加する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムに加えて、脱酸剤として、シリコン、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)又はカルシウム(Ca)の何れか1以上を添加してもよい。このようにすれば、電極が酸化するのを防止することができる。
(2) 上記実施の形態4においては、専ら酸化イットリウムを添加する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムに加えて、脱酸剤として、シリコン、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)又はカルシウム(Ca)の何れか1以上を添加してもよい。このようにすれば、電極が酸化するのを防止することができる。
(3) 上記実施の形態4においては、専らヘッダ加工によって電極306を製造する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ヘッダ加工に代えて絞り加工を用いて電極を成形しても良い。
(4) 上記実施の形態4においては、専ら冷陰極としてホロー型電極を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ホロー型電極に代えて棒状の電極を用いても良い。何れの形状の電極を用いても本発明の効果は同じである。
<実施の形態5>
冷陰極蛍光ランプの電極には、始動性及びランプ効率を向上させるために、バリウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタ(電子放射性物質)を被着させる場合がある(例えば、特開2000−331643号公報参照)。このようなエミッタの被着形成プロセスの一例を挙げると、これらのエミッタ成分は、原料段階ではアルカリ土類金属の炭酸塩として準備され、そのアルカリ土類金属の炭酸塩を有機溶媒中に分散させた懸濁液の状態で電極に塗布される。懸濁液中には、エミッタ成分であるアルカリ土類金属の炭酸塩が電極に付着しやすいように、有機バインダが混合されている。その後、エミッタ成分を加熱し、アルカリ土類金属の炭酸塩から酸化物に加熱分解させ、アルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタを形成している。上記加熱の際には、有機バインダも一緒に酸化・分解されて除去される。
(4) 上記実施の形態4においては、専ら冷陰極としてホロー型電極を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ホロー型電極に代えて棒状の電極を用いても良い。何れの形状の電極を用いても本発明の効果は同じである。
<実施の形態5>
冷陰極蛍光ランプの電極には、始動性及びランプ効率を向上させるために、バリウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタ(電子放射性物質)を被着させる場合がある(例えば、特開2000−331643号公報参照)。このようなエミッタの被着形成プロセスの一例を挙げると、これらのエミッタ成分は、原料段階ではアルカリ土類金属の炭酸塩として準備され、そのアルカリ土類金属の炭酸塩を有機溶媒中に分散させた懸濁液の状態で電極に塗布される。懸濁液中には、エミッタ成分であるアルカリ土類金属の炭酸塩が電極に付着しやすいように、有機バインダが混合されている。その後、エミッタ成分を加熱し、アルカリ土類金属の炭酸塩から酸化物に加熱分解させ、アルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタを形成している。上記加熱の際には、有機バインダも一緒に酸化・分解されて除去される。
冷陰極蛍光ランプは、エミッタを用いない場合には輝度低下が寿命を決めるが、上記のように蛍光ランプの始動性や効率を重視する場合には、エミッタを使用するため、エミッタの飛散も寿命を決める要因となる。そのため、エミッタを使用した冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図るには、エミッタの飛散をいかに抑制するかが重要である。しかし、蛍光ランプの長寿命化の要求レベルは年々上昇し、従来のアルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタではこの長寿命化の要求には十分に対処することができなくなってきた。
実施の形態5は、上記課題を解決したもので、蛍光ランプの使用中における飛散の少ないエミッタを有する高効率且つ長寿命の蛍光ランプを提供することを目的とするものである。
本実施の形態においては、電極以外の他の部分の構成や材質については、今までの実施の形態とほぼ同じなので、以下では、本実施の形態特有の電極の構成についてのみ説明する。
本実施の形態においては、電極以外の他の部分の構成や材質については、今までの実施の形態とほぼ同じなので、以下では、本実施の形態特有の電極の構成についてのみ説明する。
図33は、本実施の形態に係るの蛍光ランプの一例を示す一部拡大断面図である。なお、図33は、蛍光ランプの一端を示したものであり、他端は、図33に示す一端と同様であるため、図示を省略する。
図33に示すように電極4012は、金属スリーブ4012aと、金属スリーブ4012aの少なくとも一部に設けられたエミッタ4012bとを備える。金属スリーブ4012aの外径S1と内径S2との差、即ち金属スリーブ4012aの厚さは、通常0.1[mm]〜0.2[mm]に設定され、また、金属スリーブ4012aのカップ長L10は、その基部長L20の約3[倍]の長さに設定されるが、これらに限定はされない。
図33に示すように電極4012は、金属スリーブ4012aと、金属スリーブ4012aの少なくとも一部に設けられたエミッタ4012bとを備える。金属スリーブ4012aの外径S1と内径S2との差、即ち金属スリーブ4012aの厚さは、通常0.1[mm]〜0.2[mm]に設定され、また、金属スリーブ4012aのカップ長L10は、その基部長L20の約3[倍]の長さに設定されるが、これらに限定はされない。
なお、図33には、金属スリーブ4012aの内面にエミッタ4012bが形成されている一例を示しているが、金属スリーブ4012aの一部にエミッタ4012bが形成されているものであれば、エミッタ4012bの形成位置について制限はない。但し、エミッタ4012bを金属スリーブ4012aの少なくとも内面に設けることによって、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012bのスパッタリングを防止でき、エミッタ効果を長期間持続させることができる。
また、上記スパッタリングと封入ガス圧とは相関関係があり、封入ガス圧が低圧の場合には、金属スリーブ4012aの比較的底部でスパッタリングが発生しやすくなり、封入ガス圧が高圧の場合には、金属スリーブ4012aの口開部付近でスパッタリングが発生しやすくなる。そこで、封入ガス圧が1[Torr]以下の低圧では、図34に示すように、エミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの低面部と、金属スリーブ4012aの底面部から上方に1/3の高さまでの内側面部とに形成することが好ましい。また、封入ガス圧が10[Torr]以上の高圧では、図35に示すように、エミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの開口部から下方に1/3の深さまでの内側面部に形成することが好ましい。さらに、封入ガス圧が1[Torr]を超え、10[Torr]未満の中圧では、少なくともエミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの低面部及び開口部から上下それぞれ1/3までの内側面部に形成することが好ましい。エミッタ4012bは、スパッタリングそのものに対する耐久性が大きいため、封入ガス圧に応じてエミッタ4012bの形成位置を変更することにより、イオン衝撃による金属スリーブ4012a自体の飛散(スパッタリング)も防止できる。
なお、図33では、カップ状電極を用いた例を示したが、棒状電極を用いることもできる。その場合には、上記スパッタリングと封入ガス圧との関係は、封入ガス圧が高圧(10[Torr]以上)の場合には、棒状電極の先端部及びその先端部から下方に1/3までの側面部にスパッタリングが発生しやすくなり、封入ガス圧が中低圧(10[Torr]未満)の場合には、棒状電極の先端部及びその先端部から下方に2/3までの側面部にスパッタリングが発生しやすくなる。従って、上記カップ状電極の場合と同様に、棒状電極の場合でも封入ガス圧に応じて、スパッタリングが発生しやすい棒状電極の位置にスパッタリングそのものに対する耐久性が大きいエミッタを配置することが好ましい。
金属スリーブ4012aは、エミッタの焼成温度(例えば、550[℃])以上の耐熱性がある金属からなる。金属スリーブ4012aの材料としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、コバルト、鉄等を用いることができる。金属スリーブ4012aの一端は、タングステン等からなる内部リード線4015に挿入されて溶接されており、内部リード線4015はガラスビード4014を通って外部リード線4016に接続されている。
なお、図33では、電極4012として、金属スリーブ4012aの基部を内部リード線4015に挿入して溶接により接合した例を示したが、図36に示すように、電極4012として、金属スリーブ4012aが有底で、その外側底面に内部リード線4015が接合されたものや、金属スリーブ4012aと内部リード線4015、または金属スリーブ4012aと内部リード線4015と外部リード線4016とが一体成形されたもの等を使用することもできる。
また、金属スリーブ4012aの表面の中心線平均粗さ(Ra)は、1[μm]〜10[μm]が好ましい。この範囲内であれば、エミッタ4012bの脱落の抑制効果が大きくなるからである。
エミッタ4012bは、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子から形成されている。この単結晶酸化マグネシウム微粒子は、金属マグネシウムの蒸気と酸素との気相酸化反応で生成でき、例えば、図38の電子顕微鏡写真に示すような立方体の単結晶構造を有している。
エミッタ4012bは、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子から形成されている。この単結晶酸化マグネシウム微粒子は、金属マグネシウムの蒸気と酸素との気相酸化反応で生成でき、例えば、図38の電子顕微鏡写真に示すような立方体の単結晶構造を有している。
エミッタ4012bは、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子とバインダと溶媒とを混合したエミッタ塗布液を、金属スリーブ4012aに塗布した後に熱処理することによって形成できる。上記バインダとしては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が使用できる。また、上記溶媒としては、例えば、酢酸ブチル、化学式CnH2n+1OH(n=1〜4)で表されるアルコール等が使用できる。
また、図33では、直管状の蛍光ランプ4010について説明したが、本発明の蛍光ランプは直管状に限らず、「U」字状又は「コ」の字状等の屈曲管であってもよい。また、蛍光ランプ4010は、その断面が円形である円筒型ランプに限られない。例えば、図37(a)に示すような断面が楕円形を有する偏平型ランプであってもよい。なお、図37(b)は、図37(a)のI−I線の断面図である。
(実施の形態12の実施例)
以下、実施の形態12の一例である冷陰極蛍光ランプについて、実施例を用いて具体的に説明する。
(実施の形態12の実施例)
以下、実施の形態12の一例である冷陰極蛍光ランプについて、実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1では、前述の実施形態で説明した蛍光ランプ10の一例について説明する。図33を参照して、蛍光ランプ4010は、ニッケルからなる外径(S1)1.7[mm]、内径(S2)1.5[mm]、カップ長(L10)5.5[mm]、基部長(L20)1.5[mm]の金属スリーブ4012aの一端にタングステンからなる外径0.6[mm]の内部リード線4015が挿入され、金属スリーブ4012aの一端が圧潰溶接されて両者が接続されている。
実施例1では、前述の実施形態で説明した蛍光ランプ10の一例について説明する。図33を参照して、蛍光ランプ4010は、ニッケルからなる外径(S1)1.7[mm]、内径(S2)1.5[mm]、カップ長(L10)5.5[mm]、基部長(L20)1.5[mm]の金属スリーブ4012aの一端にタングステンからなる外径0.6[mm]の内部リード線4015が挿入され、金属スリーブ4012aの一端が圧潰溶接されて両者が接続されている。
ガラスバルブ4011は外径2.4[mm]、内径2.0[mm]のホウ珪酸ガラスからなり、ガラスバルブ4011の両端部に電極4012が配置されている。電極4012は、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子からなるエミッタ4012bを備える。
また、ガラスバルブ4011の両端部は、ホウ珪酸ガラスからなるガラスビード4014で封止されており、内部リード線4015は、ガラスビード4014を通ってステンレス鋼製の外部リード線4016に接続されている。一対の電極4012の先端間の距離は330[mm]とした。また、ガラスバルブ4011の内面には蛍光体膜4013を形成し、その内部には水銀とともにアルゴンとネオンとの混合ガスを8[kPa]の圧力になるように封入した。
また、ガラスバルブ4011の両端部は、ホウ珪酸ガラスからなるガラスビード4014で封止されており、内部リード線4015は、ガラスビード4014を通ってステンレス鋼製の外部リード線4016に接続されている。一対の電極4012の先端間の距離は330[mm]とした。また、ガラスバルブ4011の内面には蛍光体膜4013を形成し、その内部には水銀とともにアルゴンとネオンとの混合ガスを8[kPa]の圧力になるように封入した。
蛍光体膜4013としては、青色蛍光体がユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム〔BaMg2Al16O27:Eu2+〕(略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウム・テ
ルビウム共付活リン酸ランタン〔LaPO4:Ce3+,Tb3+〕(略号:LAP)及び赤色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム〔Y2O3:Eu3+〕(略号:YOX)を、BAM−B:LAP:YOX=4:3:3の重量比で混合した3波長型の蛍光体を用いた。
ルビウム共付活リン酸ランタン〔LaPO4:Ce3+,Tb3+〕(略号:LAP)及び赤色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム〔Y2O3:Eu3+〕(略号:YOX)を、BAM−B:LAP:YOX=4:3:3の重量比で混合した3波長型の蛍光体を用いた。
実施例1の蛍光ランプは、以下に示す方法で作製した。
最初に、金属スリーブ4012aの内面に、エミッタ4012bを以下の方法で形成した。先ず、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子を準備した。その後、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子10[kg]を、ニトロセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(溶媒)との混合溶液(ニトロセルロース1.5[wt%]の酢酸ブチル溶液)20[リットル]に分散させることによって、エミッタ塗布液を調製した。次に、金属スリーブ4012aの内面にこのエミッタ塗布液をスプレー法により塗布し、これを空気中で自然乾燥させた。
最初に、金属スリーブ4012aの内面に、エミッタ4012bを以下の方法で形成した。先ず、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子を準備した。その後、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子10[kg]を、ニトロセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(溶媒)との混合溶液(ニトロセルロース1.5[wt%]の酢酸ブチル溶液)20[リットル]に分散させることによって、エミッタ塗布液を調製した。次に、金属スリーブ4012aの内面にこのエミッタ塗布液をスプレー法により塗布し、これを空気中で自然乾燥させた。
その後、エミッタ塗布液を塗布した金属スリーブ4012aを、アルゴン雰囲気の還元炉で約550[℃]に加熱することによって、単結晶酸化マグネシウム微粒子を金属スリーブ4012へ固着するとともに、バインダ及び溶媒の除去を行い、エミッタ4012bを備える電極4012を形成した。
続いて、電極4012を、蛍光体膜4013が塗布されたガラスバルブ4011の両端に配置し、一方の電極4012のみを先にアルゴン雰囲気中でガラスビード4014を介して加熱封着した。続いて、ガラスバルブ4011の内部に水銀及びアルゴンとネオンの混合ガスを8kPaになるように導入し、最後に他方の電極4012とガラスバルブ4011とをガラスビード4014を介して加熱封着して、実施例1の蛍光ランプを作製した。
続いて、電極4012を、蛍光体膜4013が塗布されたガラスバルブ4011の両端に配置し、一方の電極4012のみを先にアルゴン雰囲気中でガラスビード4014を介して加熱封着した。続いて、ガラスバルブ4011の内部に水銀及びアルゴンとネオンの混合ガスを8kPaになるように導入し、最後に他方の電極4012とガラスバルブ4011とをガラスビード4014を介して加熱封着して、実施例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例1)
エミッタ4012bを全く形成しなかった金属スリーブ4012aからなる電極4012を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例2)
実施例1で用いた単結晶酸化マグネシウム微粒子に代えて、平均粒径18[μm]の酸化マグネシウム粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の蛍光ランプを作製した。
エミッタ4012bを全く形成しなかった金属スリーブ4012aからなる電極4012を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例2)
実施例1で用いた単結晶酸化マグネシウム微粒子に代えて、平均粒径18[μm]の酸化マグネシウム粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の蛍光ランプを作製した。
<ランプ電圧の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流4[mArms](実効値)、点灯周波数60[kHz]の条件で高周波点灯回路を用いて点灯させ、ランプ電圧(実効値:Vrms)を測定した。また、同様にしてランプ電流を6[mArms]、8[mArms]、10[mArms]にそれぞれ変更してランプ電圧を測定した。その結果を図39に示す。
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流4[mArms](実効値)、点灯周波数60[kHz]の条件で高周波点灯回路を用いて点灯させ、ランプ電圧(実効値:Vrms)を測定した。また、同様にしてランプ電流を6[mArms]、8[mArms]、10[mArms]にそれぞれ変更してランプ電圧を測定した。その結果を図39に示す。
図39から明らかなように、実施例1のランプ電圧は、比較例1及び比較例2のランプ電圧に比べて、32[Vrms]〜43[Vrms]程度低減できた。
<スパッタリング量の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流6[mArms]、点灯周波数60kHzの条件で高周波点灯回路を用いて6000[時間]点灯させ、スパッタリング量を測定した。ここで、スパッタリング量とは、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012b及び金属スリーブ4012aの成分が飛散し、飛散した成分がガラスバルブ4011の内壁に堆積付着した総量をいう。飛散物の採取は、両端の電極4012の周辺のガラスバルブ4011を酸に浸漬して、飛散物を酸に溶解して行った。スパッタリング量は、飛散物を溶解した溶液をICP質量分析法で分析して求めた。
<スパッタリング量の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流6[mArms]、点灯周波数60kHzの条件で高周波点灯回路を用いて6000[時間]点灯させ、スパッタリング量を測定した。ここで、スパッタリング量とは、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012b及び金属スリーブ4012aの成分が飛散し、飛散した成分がガラスバルブ4011の内壁に堆積付着した総量をいう。飛散物の採取は、両端の電極4012の周辺のガラスバルブ4011を酸に浸漬して、飛散物を酸に溶解して行った。スパッタリング量は、飛散物を溶解した溶液をICP質量分析法で分析して求めた。
図40は、スパッタリング量を比較した測定結果を示す表である。
図40から明らかなように、実際例1は、比較例1及び比較例2に比べて、スパッタリング量が少なく、蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。なお、実施例1及び比較例2のスパッタリング量には、エミッタ4012bの飛散によるMgO成分と、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分とが含まれ、比較例1のスパッタリング量には、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分のみが含まれると考えられる。
図40から明らかなように、実際例1は、比較例1及び比較例2に比べて、スパッタリング量が少なく、蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。なお、実施例1及び比較例2のスパッタリング量には、エミッタ4012bの飛散によるMgO成分と、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分とが含まれ、比較例1のスパッタリング量には、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分のみが含まれると考えられる。
上記では、ガラスバルブ4011が、ホウ珪酸ガラスからなる場合について説明したが、ソーダガラスで製造したガラスバルブを使用してその内面にシリカの保護膜を形成した場合であっても、同様な効果が得られるものである。
<実施の形態6>
実施の形態6〜実施の形態9の構成を説明する前に、その構成に到達した経緯について説明する。
<実施の形態6>
実施の形態6〜実施の形態9の構成を説明する前に、その構成に到達した経緯について説明する。
近年、液晶表示装置の需要の伸びに伴い、液晶表示装置の製造メーカーでは生産効率を上げるためにバックライトユニットへの冷陰極蛍光ランプ6901の自動挿入化を進めている。図51に示すような冷陰極蛍光ランプ6901の自動挿入化にあたっては、リード線6905とソケットとの接続作業の容易化が重要になる。そこで、図71に示すようなソケット6006が用いられている。ソケット6006は、ステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、リード線6905が嵌め込まれる嵌込部6006aを有している。そして、リード線6905を嵌込部6006aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部6006aに嵌め込まれたリード線6905は、嵌込部6006aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、リード線6905を嵌込部6006aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
しかし、リード線6905を嵌込部6006aに嵌め込む際、リード線6905のうち、ガラスバルブ6902の管端から突出した部分に対して、リード線6905の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わり、リード線6905におけるガラスバルブ6902への封着部6902aの外側の付け根部分6905b(以下、「リード線の付け根部6905b」という)が支点となり、ガラスバルブ6902の封着部6902aに負荷がかかって、クラックが発生することがある。
そこで、このようなクラックの発生を防止する手段として、図51に示すように封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆うことが提案されている(例えば日本国特開平10−112287号公報等参照)。
ところが、ガラスバルブ6902の封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆ったとしても、ガラスバルブ6902の封着部6902aにクラックが生じる場合がある。
ところが、ガラスバルブ6902の封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆ったとしても、ガラスバルブ6902の封着部6902aにクラックが生じる場合がある。
実施の形態6〜実施の形態7では、上記の課題に鑑み、例えば、リード線をソケットへ嵌め込むときに、ガラスバルブの封止部にクラックが生じるのを十分に防止する蛍光ランプを提供する。
本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプを図41に示す。図41におけるランプの管軸を含む要部拡大断面図を図42に示す。なお、実施の形態6〜実施の形態9に係る蛍光ランプは、実施の形態1の蛍光ランプ10(図1)と同様の保護膜を有しているのであるが、実施の形態6〜実施の形態9の全ての図面においては、当該保護膜の図示を省略することとする。
本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプを図41に示す。図41におけるランプの管軸を含む要部拡大断面図を図42に示す。なお、実施の形態6〜実施の形態9に係る蛍光ランプは、実施の形態1の蛍光ランプ10(図1)と同様の保護膜を有しているのであるが、実施の形態6〜実施の形態9の全ての図面においては、当該保護膜の図示を省略することとする。
実施の形態6に係る蛍光ランプは、図41に示すように、バックライト用の直管状の冷陰極蛍光ランプ6008(以下、単に「ランプ6008」という)であって、ガラスバルブ16と、このガラスバルブ16内の両端部に設けられた電極(図示せず)と、一端部がこの電極に接続され、かつ他端部がガラスバルブ16の管端から外側に導出しているリード線6005とガラスバルブ16の管端の外側に緩衝材6009を介して取り付けられている部材6010とを備えている。なお、実施の形態1と同様にガラスバルブ16の一端部側と他端部側とで、蛍光体層24の不存在領域の長さが異なっている。
ガラスバルブ16は、ソーダガラスを加工したものであって管軸X方向に対して垂直に切った断面が円環形状であって、全長が730[mm]、外径が4[mm]、内径が3[mm]、肉厚が0.5[mm]である。
リード線6005は、例えば、タングステン(W)製の内部リード線6005aと、半田等に付着し易いニッケル(Ni)製の外部リード線6005cとの継線からなり、内部リード線6005aと外部リード線6005cとの接合面が、ガラスバルブ16の外表面とほぼ面一である。すなわち、内部リード線6005aは、その一端部がホロー状の電極20の底部に電気的かつ機械的に接続され、外部リード線6005cと継線されている他端部側の大半がガラスバルブ16に封着されている。外部リード線6005cは、実質的に全体がガラスバルブ16の外部に位置している。内部リード線6005aは、断面が略円形であって、全長が3[mm]、線径が1.0[mm]である。外部リード線6005cは、断面が略円形であって、全長Lが10[mm]、線径が0.8[mm]である。
リード線6005は、例えば、タングステン(W)製の内部リード線6005aと、半田等に付着し易いニッケル(Ni)製の外部リード線6005cとの継線からなり、内部リード線6005aと外部リード線6005cとの接合面が、ガラスバルブ16の外表面とほぼ面一である。すなわち、内部リード線6005aは、その一端部がホロー状の電極20の底部に電気的かつ機械的に接続され、外部リード線6005cと継線されている他端部側の大半がガラスバルブ16に封着されている。外部リード線6005cは、実質的に全体がガラスバルブ16の外部に位置している。内部リード線6005aは、断面が略円形であって、全長が3[mm]、線径が1.0[mm]である。外部リード線6005cは、断面が略円形であって、全長Lが10[mm]、線径が0.8[mm]である。
なお、リード線6005の構成は上記構成に限定されず、例えば、内部リード線6005aと外部リード線6005cが分けられておらず、一本線で構成されていてもよいし、または内部リード線6005aあるいは外部リード線6005cがさらに複数の線を継線したものでもよい。
ガラスバルブ16の管端の外側、すなわち端面には、ガラスバルブ16から突出して真っ直ぐ延びる外部リード線6005cが嵌挿された略円板状の部材6010が、エポキシ系樹脂等の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009を介して取付けられている。部材6010は、例えばニッケル(Ni)製であって、その外径が例えば4[mm]、肉厚mが5[mm]であり、かつその中心部に外部リード線6005cを嵌挿させるための直径0.8[mm]の貫通孔6010cが形成されている。ここで、部材6010の弾性率は、緩衝材6009の弾性率よりも低い。例えばNiの弾性率は約200[GPa]であり、例えばエポキシ系樹脂の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009の弾性率は約10[MPa]である。なお、ここでの弾性率とは、ヤング率のことを指す。
ガラスバルブ16の管端の外側、すなわち端面には、ガラスバルブ16から突出して真っ直ぐ延びる外部リード線6005cが嵌挿された略円板状の部材6010が、エポキシ系樹脂等の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009を介して取付けられている。部材6010は、例えばニッケル(Ni)製であって、その外径が例えば4[mm]、肉厚mが5[mm]であり、かつその中心部に外部リード線6005cを嵌挿させるための直径0.8[mm]の貫通孔6010cが形成されている。ここで、部材6010の弾性率は、緩衝材6009の弾性率よりも低い。例えばNiの弾性率は約200[GPa]であり、例えばエポキシ系樹脂の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009の弾性率は約10[MPa]である。なお、ここでの弾性率とは、ヤング率のことを指す。
部材6010のガラスバルブ16側の端面とガラスバルブ16の管端との間の距離lは、内部リード線6005aと外部リード線6005cとを例えばレーザー溶接で接合され、その接合部分に団子状態の接合痕が形成されている場合、0.5[mm]程度が好ましい。部材6010を緩衝材6009を介してガラスバルブ16の端部の外側に安定して接着させるためである。また、リード線6005のうち、部材6010から突出している部分の長さnは、5[mm]程度が好ましい。ソケット6006(図71参照)との接触の安定性を確保するためである。
なお、緩衝材6009および部材6010は、上記の構成に限定されない。緩衝材6009として、例えばゴム(弾性率:約1.5[MPa]〜5.0[MPa])やポリエチレン(弾性率:約0.7[GPa])等を適用することができる。緩衝材6009は、弾性接着剤等の接着性の高いものの方が好ましいが、緩衝材6009と部材6010との接着性が小さい場合には、部材6010と外部リード線6005cを半田等によって接合することにより部材6010を外部リード線6005cに補助的に固定することが可能である。また、部材6010として、例えばアルミニウム(弾性率:約70[GPa])や銅(弾性率:約130[GPa])等を適用することができる。なお、緩衝材6009と部材6010との弾性率の差は一桁以上あることが好ましい。
以上のとおり、実施の形態6に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6008をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ16の封着部16aに伝わるため、封着部16aにかかる負荷を低減することができる。
ところで、実施の形態1と同様、少なくとも一方の部材6010に適当なマークをするか、各々の部材6010の少なくとも一部の色を変えることによってランプ6008の第一封止側と第二封止側を判別することができる。
図43は、部材6010の周回方向の側面にマーキングを施した場合の例である。図43(a)はランプ6008の一端を示す斜視図であり、図43(b)はそのA−A’断面図である。
図43は、部材6010の周回方向の側面にマーキングを施した場合の例である。図43(a)はランプ6008の一端を示す斜視図であり、図43(b)はそのA−A’断面図である。
また、各々の部材6010の管軸X方向の長さの差が2[mm]以上ある場合には、その長さの差を検出することによっても、ランプ6008の方向を識別することが可能である。
また、各々の部材6010の少なくとも一部で色違いにし、センサーによってその色の違いを認識する場合は、上記のようにセンサーによってマーク6011を認識する場合よりも認識の確実性を高めることができる。
また、各々の部材6010の少なくとも一部で色違いにし、センサーによってその色の違いを認識する場合は、上記のようにセンサーによってマーク6011を認識する場合よりも認識の確実性を高めることができる。
さらに、部材6010におけるガラスバルブ16の管端と反対側の端面や、周回方向の側面にロットナンバーや製造番号等をマーキングすることによってランプの製造元等の識別を行うことも可能となる。
<実施の形態7>
図44は、本発明の実施の形態7に係る蛍光ランプの管軸を含む断面図である。本実施の形態に係る蛍光ランプ6012は、冷陰極管蛍光ランプと外部電極型蛍光ランプとのそれぞれの長所を取って形成された外部内部電極型蛍光ランプ(以下、単に「ランプ6012」という)である。ランプ6012は、その一端に外部電極6013が形成され、他端に本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプの電極20と同様の内部電極20が配置されている他は、実施の形態6に係る蛍光ランプと同じ構成を有している。また、実施の形態1と同様にガラスバルブ16の一端部側と他端部側とで、蛍光体層24の不存在領域の長さが異なっている。よって、ランプ20(図2参照)と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略し、外部電極6013について詳細に説明する。
<実施の形態7>
図44は、本発明の実施の形態7に係る蛍光ランプの管軸を含む断面図である。本実施の形態に係る蛍光ランプ6012は、冷陰極管蛍光ランプと外部電極型蛍光ランプとのそれぞれの長所を取って形成された外部内部電極型蛍光ランプ(以下、単に「ランプ6012」という)である。ランプ6012は、その一端に外部電極6013が形成され、他端に本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプの電極20と同様の内部電極20が配置されている他は、実施の形態6に係る蛍光ランプと同じ構成を有している。また、実施の形態1と同様にガラスバルブ16の一端部側と他端部側とで、蛍光体層24の不存在領域の長さが異なっている。よって、ランプ20(図2参照)と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略し、外部電極6013について詳細に説明する。
外部電極6013は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ16の端部の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。また、半田を超音波ディッピングすることにより外部電極6013を形成してもよい。
また、外部電極6013は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ16に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ16の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ16の管端部に被せてもよい。
以上のとおり、実施の形態7に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6012をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ16の封着部16aに伝わるため、封着部16aにかかる負荷を低減することができる。
以上のとおり、実施の形態7に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6012をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ16の封着部16aに伝わるため、封着部16aにかかる負荷を低減することができる。
(実施の形態6〜実施の形態7の変形例)
以上、本発明を上記した実施の形態6〜実施の形態7に示された具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.変形例1
一実施例として、図45に示すように、部材6028においてガラスバルブ16側の面の形状が凹面状でもよい。この場合、部材6028のガラスバルブ16側の端面の面積が、略平面の場合よりも大きくなり、蛍光ランプ6029のリード線6005をソケット6006に嵌め込む際、部材6028に加わって部材6028からガラスバルブ16の管端に伝わる力をより分散することができ、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが発生するおそれをより低減することができる。また、ガラスバルブ16の管端は通常、丸みを帯びた形状であるため、部材6028のガラスバルブ16側の端面が平面である場合よりも、部材6028を安定して固定することができる。さらに、緩衝材6030として樹脂製接着剤を用いた場合には、樹脂製接着剤をより薄く形成することができ、部材6028とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
以上、本発明を上記した実施の形態6〜実施の形態7に示された具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.変形例1
一実施例として、図45に示すように、部材6028においてガラスバルブ16側の面の形状が凹面状でもよい。この場合、部材6028のガラスバルブ16側の端面の面積が、略平面の場合よりも大きくなり、蛍光ランプ6029のリード線6005をソケット6006に嵌め込む際、部材6028に加わって部材6028からガラスバルブ16の管端に伝わる力をより分散することができ、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが発生するおそれをより低減することができる。また、ガラスバルブ16の管端は通常、丸みを帯びた形状であるため、部材6028のガラスバルブ16側の端面が平面である場合よりも、部材6028を安定して固定することができる。さらに、緩衝材6030として樹脂製接着剤を用いた場合には、樹脂製接着剤をより薄く形成することができ、部材6028とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
2.変形例2
また、一実施例として、図46に示すように、部材6031においてガラスバルブ16側の面であって、リード線6005が嵌挿されている部分に、凹部6031aを形成してもよい。一般的に内部リード線6005aと外部リード線6005cは、例えばレーザー溶接によって接合されており、その接合部に団子状態の接合痕6032が形成されてしまう。そこで、図46に示すように、部材6031に凹部6031aを形成することで、接合痕6032をその凹部6031aに収容することができ、緩衝材6033として弾性接着剤を用いた場合に緩衝材6033をより薄く形成できるので、部材6031とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
また、一実施例として、図46に示すように、部材6031においてガラスバルブ16側の面であって、リード線6005が嵌挿されている部分に、凹部6031aを形成してもよい。一般的に内部リード線6005aと外部リード線6005cは、例えばレーザー溶接によって接合されており、その接合部に団子状態の接合痕6032が形成されてしまう。そこで、図46に示すように、部材6031に凹部6031aを形成することで、接合痕6032をその凹部6031aに収容することができ、緩衝材6033として弾性接着剤を用いた場合に緩衝材6033をより薄く形成できるので、部材6031とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
3.変形例3
また、一実施例として、図47に示すように、部材6035の形状を略円錐形状にし、その斜面6035aをガラスバルブ16と反対側なるように部材6035をガラスバルブ16に取り付けてもよい。これにより、部材6035の寸法を大きくすることなく、マーキングの領域を拡大することができ、斜面6035aにマーキングを施すことにより、マークの認識性を高めることができる。また、部材6035が例えば金属製の場合には、部材6035の形状が管軸X方向の厚みが同じ円盤状である場合に比べて、放熱作用が大きくなりすぎるのを抑制することができ、電極20の周辺の温度低下によって引き起こされる電極20の周辺での水銀凝集を防止し、蛍光ランプ6036を長寿命化させることができる。
また、一実施例として、図47に示すように、部材6035の形状を略円錐形状にし、その斜面6035aをガラスバルブ16と反対側なるように部材6035をガラスバルブ16に取り付けてもよい。これにより、部材6035の寸法を大きくすることなく、マーキングの領域を拡大することができ、斜面6035aにマーキングを施すことにより、マークの認識性を高めることができる。また、部材6035が例えば金属製の場合には、部材6035の形状が管軸X方向の厚みが同じ円盤状である場合に比べて、放熱作用が大きくなりすぎるのを抑制することができ、電極20の周辺の温度低下によって引き起こされる電極20の周辺での水銀凝集を防止し、蛍光ランプ6036を長寿命化させることができる。
4.変形例4
また、一実施例として部材6039(図49参照)を導電性の素材で構成し、外部リード線6005cと部材6039とを半田等により電気的に接続させることで、図48に示すような外部電極型蛍光ランプ用ソケット6037に挿入させることもできる。また、導電性素材が金属である場合には、その大きさによっては、放熱作用により、電極20の過剰な温度上昇を抑制することもできる。図49は、蛍光ランプ6038のソケット6006、6037への取り付け状態を示す図である。冷陰極蛍光ランプ6038を外部電極用ソケット6037に挿入した場合の正面図を図49(a)に示し、同じく右側面図を図49(b)に示す。また、冷陰極蛍光ランプ6038を、冷陰極蛍光ランプ用ソケット6006(図71参照)に挿入した場合の正面図を図49(c)に示し、同じく右側面図を図49(d)に示す。図49(a)〜(d)に示すように、部材6039が導電性であることにより、冷陰極蛍光ランプ用および外部電極型蛍光ランプ用の異なるタイプのソケット6006、6037に対応する蛍光ランプ6038を提供することができる。
<実施の形態8>
実施の形態8〜実施の形態13は、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な封着方法を採用した蛍光ランプすることを可能とするものである。
また、一実施例として部材6039(図49参照)を導電性の素材で構成し、外部リード線6005cと部材6039とを半田等により電気的に接続させることで、図48に示すような外部電極型蛍光ランプ用ソケット6037に挿入させることもできる。また、導電性素材が金属である場合には、その大きさによっては、放熱作用により、電極20の過剰な温度上昇を抑制することもできる。図49は、蛍光ランプ6038のソケット6006、6037への取り付け状態を示す図である。冷陰極蛍光ランプ6038を外部電極用ソケット6037に挿入した場合の正面図を図49(a)に示し、同じく右側面図を図49(b)に示す。また、冷陰極蛍光ランプ6038を、冷陰極蛍光ランプ用ソケット6006(図71参照)に挿入した場合の正面図を図49(c)に示し、同じく右側面図を図49(d)に示す。図49(a)〜(d)に示すように、部材6039が導電性であることにより、冷陰極蛍光ランプ用および外部電極型蛍光ランプ用の異なるタイプのソケット6006、6037に対応する蛍光ランプ6038を提供することができる。
<実施の形態8>
実施の形態8〜実施の形態13は、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な封着方法を採用した蛍光ランプすることを可能とするものである。
実施の形態8の構成を説明する前に、構成に到達した経緯について説明する。
従来、液晶表示装置等のバックライトに用いられる蛍光ランプは、液晶表示装置等に対する小型化の要求に応えるべく、小型化の一途を辿ってきた。
従来のバックライト用の小型の蛍光ランプでは、製造工程においてランプの構成部材であるガラスバルブの端部を封止する際に円柱状のビードガラスを用いて封止する、いわゆるビード封止が採用されており、そのビード封止された端部からバルブの外方に延出されたリード線で放電ランプを照明装置の筐体に支持させて放電ランプと筐体とを電気的に接続し(日本国特開2005−183011号公報、日本国特開2005−294019号公報を参照)、このリード線を通じて放電ランプ内の電極に電力を供給して当該放電ランプを点灯させていた。
従来、液晶表示装置等のバックライトに用いられる蛍光ランプは、液晶表示装置等に対する小型化の要求に応えるべく、小型化の一途を辿ってきた。
従来のバックライト用の小型の蛍光ランプでは、製造工程においてランプの構成部材であるガラスバルブの端部を封止する際に円柱状のビードガラスを用いて封止する、いわゆるビード封止が採用されており、そのビード封止された端部からバルブの外方に延出されたリード線で放電ランプを照明装置の筐体に支持させて放電ランプと筐体とを電気的に接続し(日本国特開2005−183011号公報、日本国特開2005−294019号公報を参照)、このリード線を通じて放電ランプ内の電極に電力を供給して当該放電ランプを点灯させていた。
また、いわゆるビード封止された端部を覆うように有底筒状の口金を配設し(日本国特許第3462306号公報,日本国実開昭64−48851号公報,日本国特開平07−262910号公報を参照)、当該口金で筐体に支持されかつ筐体側電気接点と電気的に接続できるものもある。
近年、液晶表示装置の中でも、パーソナルコンピュータ用の液晶モニタや液晶テレビ受像機等に対して大型化の要求があり、この要求に応じてバックライト用の蛍光ランプに対しても大型化、大口径化の要求がある。
近年、液晶表示装置の中でも、パーソナルコンピュータ用の液晶モニタや液晶テレビ受像機等に対して大型化の要求があり、この要求に応じてバックライト用の蛍光ランプに対しても大型化、大口径化の要求がある。
上記のように、大型化の要求に応えるにあたり大口径のガラスバルブの封止工程において、ビード封止を採用すると、ビードガラスにおいて径の大きなものを新たに用意する必要が生じるが、外径が大きく内径の小さなビードガラスは作製が困難であるうえ、ガラスバルブ径の変動に伴って寸法の異なるビードガラスを用意する必要が生じてコスト上昇に繋がることから、ガラスバルブの封止工程において、発明者は、ビード封止に替えて、いわゆる圧潰封止を採用することを検討している。
当該圧潰封止は、上記ビードガラスが必要ないので、上記大口径バルブの封止には、都合が良い。
しかし、圧潰封止をバックライト用の蛍光ランプに採用する際、リード線を圧潰封止後、常圧下でガラスバルブ内を給排気するための給排気管をガラスバルブ端部に封着させる必要があり、そのため、ビード封止の場合に比べて、リード線を配置できる部位が狭くなるため、リード線を細くする必要があり、リード線で支持した場合、負荷によりリード線の屈曲や断線が生じ放電ランプを支持できないおそれがある。
しかし、圧潰封止をバックライト用の蛍光ランプに採用する際、リード線を圧潰封止後、常圧下でガラスバルブ内を給排気するための給排気管をガラスバルブ端部に封着させる必要があり、そのため、ビード封止の場合に比べて、リード線を配置できる部位が狭くなるため、リード線を細くする必要があり、リード線で支持した場合、負荷によりリード線の屈曲や断線が生じ放電ランプを支持できないおそれがある。
そこで、蛍光ランプを支持するため、ガラスバルブ端部を口金で覆ってこの口金で蛍光ランプを支持しかつ筐体側電気接点と電気的に接続すると、上記圧潰封止では、ガラスバルブ端部を圧潰するので、当該端部の加工歪みが上記ビード封止に比べて大きく、そのような加工歪みの大きい端部を口金で覆った場合、ランプ点灯時あるいは消灯時において口金とガラスバルブ端部との間で生じる温度差に起因して発生した応力によって当該端部でクラック(亀裂)が伸展し、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じるおそれがある。
実施の形態8では上記問題点に鑑み、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な蛍光ランプとこれを備えた照明装置とを提供する。
以下、図面を用いて実施の形態8に係る冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット(照明装置)について説明する。本実施の形態では、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
本実施の形態における直下方式のバックライトユニット2005の構成は、図1で説明したバックライトユニット1の構成と基本的には同様であるため概略構成の説明は省略する。
以下、図面を用いて実施の形態8に係る冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット(照明装置)について説明する。本実施の形態では、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
本実施の形態における直下方式のバックライトユニット2005の構成は、図1で説明したバックライトユニット1の構成と基本的には同様であるため概略構成の説明は省略する。
図52はバックライトユニット2005の要部斜視図である。外囲器106内面11の底壁11aのうち、上記光学シート類16の周縁領域相当位置にソケット2084が設けられており、冷陰極蛍光ランプ2007の口金2072がそれぞれソケット2084と嵌合し電気的に接続されると共にこれに保持される。
2.冷陰極蛍光ランプの構成
つぎに、図53を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ2007(以下、単に「ランプ2007」という場合がある。)の構成について説明する。図53(a)は、冷陰極蛍光ランプ2007の概略構成を示す一部切欠図である。図53(b)は、電極2017,2019の断面図である。
2.冷陰極蛍光ランプの構成
つぎに、図53を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ2007(以下、単に「ランプ2007」という場合がある。)の構成について説明する。図53(a)は、冷陰極蛍光ランプ2007の概略構成を示す一部切欠図である。図53(b)は、電極2017,2019の断面図である。
ランプ2007は、略円形横断面で直管状をしたガラスバルブ(ガラス容器)2015を有する。このガラスバルブ2015は、例えば外径6.0[mm]、内径5.0[mm]であって、その材料はソーダガラスである。本実施の形態では、ソーダガラスを用いている。以下に記すランプ2007の寸法は、外径6.0[mm]、内径5.0[mm]のガラスバルブ2015の寸法に対応する値である。言うまでもなくこれらの値は一例であり実施態様が限定されるものではない。
ガラスバルブ2015の内部には、水銀がガラスバルブ2015の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、20[Torr](20×133.32[Pa])で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンガスが用いられる。
また、ガラスバルブ2015の内面には、不図示の保護膜を介して蛍光体層2021が形成されている。蛍光体層2021は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。なお、保護膜の成分は実施の形態1と同じである。
また、ガラスバルブ2015の内面には、不図示の保護膜を介して蛍光体層2021が形成されている。蛍光体層2021は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。なお、保護膜の成分は実施の形態1と同じである。
蛍光体層2021は、ガラスバルブ2015長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ2007点灯時の発光特性に影響することとなる。
さらに、ガラスバルブ2015の端のそれぞれでは、圧潰されて封止部2032,2033が形成されている。ガラスバルブ2015の封止部2032,2033の各々からはリード線2025,2027が2[本]、外部へ向けて導出されている。
さらに、ガラスバルブ2015の端のそれぞれでは、圧潰されて封止部2032,2033が形成されている。ガラスバルブ2015の封止部2032,2033の各々からはリード線2025,2027が2[本]、外部へ向けて導出されている。
このリード線2025,2027は、例えば、ジュメット線からなる内部リード線2025A(2027A)と、ニッケルからなる外部リード線2025B(2027B)とからなる継線である。内部リード線2025A(2027A)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]で、外部リード線2025B(2027B)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]である。
なおかつ例えば外径が2.4[mm]、内径が1.6[mm]の給排気管2031が1[本]、各封止部2032,2033に封着されている。
内部リード線2025A(2027A)の先端部には、ニッケル(Ni)製のホロー型電極2017(2019)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
内部リード線2025A(2027A)の先端部には、ニッケル(Ni)製のホロー型電極2017(2019)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極2017,2019は同じ形状をしており、図53(b)に示す各部の寸法は、電極長L1=12.5[mm]、外径pO=4.70[mm]、内径pi=4.20[mm]、肉厚t=0.10[mm]である。
ランプ2007の点灯時には、有底筒状をした電極2017の筒内面と、同じく有底筒状をした電極2019の筒内面との間で放電が生じることとなる。
ランプ2007の点灯時には、有底筒状をした電極2017の筒内面と、同じく有底筒状をした電極2019の筒内面との間で放電が生じることとなる。
電極2017,2019の形状はこれに限定されず、棒状、板状であってもよい。リード線2025,2027の本数はガラスバルブ2015の封止部2032,2033のそれぞれにおいて、1[本]であってもよいが、2[本]封着させておくと、ビード封止の場合に比べて細くなったリード線2025,2027で電極2017,2019を確実に支持することができ、なおかつ製造時において電極2017,2019の軸位置とガラスバルブ2015の軸位置とを合わせる際、位置決めが容易になって好ましい。
給排気管2031の各々の内方端はガラスバルブ2015内空間に達し、かつリード線2025,2027先端に取り付けられた電極2017,2019よりも当該封止部2032,2033側に位置する。
給排気管2031の各々の外方端は当該封止部2032,2033外側の所定の距離まで、例えば、封止部2032,2033それぞれの外端から8[mm]延出されており、チップオフされて封じられている。
給排気管2031の各々の外方端は当該封止部2032,2033外側の所定の距離まで、例えば、封止部2032,2033それぞれの外端から8[mm]延出されており、チップオフされて封じられている。
なお、既述の「封止部2032,2033」では、ガラスバルブ2015が完全に封止されているわけではなく、封止部2032,2033に封着された給排気管2031から常圧下でガラスバルブ2015の内方空間を給排気した後、給排気管2031の各々の外方端が封止されてガラスバルブ2015が完全に封止される。
そして、給排気管2031のうち当該封止部2032,2033外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2015外部に引き出されたリード線2025,2027が巻回され、これら給排気管2031延出部およびこれらに巻回されたリード線2025,2027を覆うように口金2072が固着され、リード線2025,2027のそれぞれが各口金2072および各給排気管2031延出部と密着している。
そして、給排気管2031のうち当該封止部2032,2033外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2015外部に引き出されたリード線2025,2027が巻回され、これら給排気管2031延出部およびこれらに巻回されたリード線2025,2027を覆うように口金2072が固着され、リード線2025,2027のそれぞれが各口金2072および各給排気管2031延出部と密着している。
各口金2072がリード線2025,2027と接触を保ちながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、リード線のみで冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2025,2027に対して断線するような負荷が加わることを抑制してランプ2007を支持しかつリード線2025,2027と外囲器106側のソケット2084(図52参照)とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2015端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
口金2072は、スリーブ状であり、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2072の固着方法はこれに限らず、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より大きいものを半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。また、口金2072の形状も上記のものに限らず、キャップ状であっても良い。
口金2072は、スリーブ状であり、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2072の固着方法はこれに限らず、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より大きいものを半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。また、口金2072の形状も上記のものに限らず、キャップ状であっても良い。
スリーブ状の口金2072において一方の開口端から他方の開口端にかけてスリーブ軸方向と平行なスリットが形成されていれば、弾性力によって嵌めて固着することが容易となって好ましい。
本実施の形態では、リード線2025,2027を給排気管2031の延出部に巻回しその上から口金2072を固着させたが、これに限定されず、リード線2025,2027を巻回させることなく給排気管2031の延出部にガラスバルブ2015の封止部2032,2033から伸ばしたままその上から口金2072を固着させても良い。
本実施の形態では、リード線2025,2027を給排気管2031の延出部に巻回しその上から口金2072を固着させたが、これに限定されず、リード線2025,2027を巻回させることなく給排気管2031の延出部にガラスバルブ2015の封止部2032,2033から伸ばしたままその上から口金2072を固着させても良い。
リード線2025,2027を給排気管2031延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままのリード線2025,2027の上から口金2072を固着させた場合に比べて、リード線2025,2027のそれぞれと各口金2072との電気的接続を確実にすることができ、特にスリーブ状の口金2072にスリットが入ったものを用いたときに、リード線2025,2027を口金2072で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
口金2072を半田や導電性接着剤で給排気管2031に固着すると、弾性力によって嵌めて固着する場合に比べて給排気管2031への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管2031への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態では、口金2072は、ガラスバルブ2015の各封止部2032,2033から離間されて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着されている。
本実施の形態では、口金2072は、ガラスバルブ2015の各封止部2032,2033から離間されて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着されている。
具体的には、口金2072のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033側の一端がガラスバルブ2015の封止部2032,2033から0.5[mm]以上離されて、口金2072が固着されている。
給排気管2031のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033に被着された部分では、当該封止部2032,2033形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2031とガラスバルブ2015とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、口金2072を当該封止部2032,2033に接触するように給排気管2031に巻回すると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、冷陰極蛍光ランプ2007を外囲器106のソケット2084で支持できず、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障の生じる場合がある。
給排気管2031のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033に被着された部分では、当該封止部2032,2033形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2031とガラスバルブ2015とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、口金2072を当該封止部2032,2033に接触するように給排気管2031に巻回すると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、冷陰極蛍光ランプ2007を外囲器106のソケット2084で支持できず、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障の生じる場合がある。
本実施の形態では、各口金2072は、そのガラスバルブ2015側の端がガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間した状態で固着されているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、冷陰極蛍光ランプ2007を外囲器106のソケット2084で支持することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できるので好ましい。
本実施の形態では、口金2072をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて口金2072が、給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端を覆うことなく取着されるので好ましい。
給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端は、既述のようにガラスバルブ2015の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端に口金2072を被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端は、既述のようにガラスバルブ2015の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端に口金2072を被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
本実施の形態では、スリーブ状の口金2072を用い、これを給排気管2031のガラスバルブ2015外側の先端に被着させずに給排気管2031に固着させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
(実施の形態8のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2072がリード線2025,2027を覆いながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2025,2027に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
(実施の形態8のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2072がリード線2025,2027を覆いながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2025,2027に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、圧潰されてなる封止部2032,2033を避けて口金2072を固着させることができるので、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2015端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2007では、リード線2025,2027およびガラスバルブ2015端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、各口金2072を、ガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間させて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
また、本実施の形態では、各口金2072を、ガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間させて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状の口金2072を用い、これを給排気管2031のガラスバルブ2015外側の先端を覆わずに給排気管2031に固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態8の変形例)
実施の形態8の変形例について説明する。
(実施の形態8の変形例)
実施の形態8の変形例について説明する。
(変形例1)
変形例1の冷陰極蛍光ランプ5100は、図54に示すように、電極2019の外側の底面におけるリード線5104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線5104を挿入した後に電極2019とリード線5104とをレーザー溶接等により接合している。
変形例1の冷陰極蛍光ランプ5100は、図54に示すように、電極2019の外側の底面におけるリード線5104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線5104を挿入した後に電極2019とリード線5104とをレーザー溶接等により接合している。
こうすることで、電極2019とリード線5104との接合の安定性を高めることができる。
(変形例2)
変形例2の蛍光ランプ2008(以下、単に「ランプ2008」という場合がある。)は、図55に示すように、その一端の外面に外部電極5201を有し、他端の内部に内部電極2019を有する内部外部電極蛍光ランプである。
(変形例2)
変形例2の蛍光ランプ2008(以下、単に「ランプ2008」という場合がある。)は、図55に示すように、その一端の外面に外部電極5201を有し、他端の内部に内部電極2019を有する内部外部電極蛍光ランプである。
ランプ2008は、その一端の外面に外部電極2009を有し、それに伴う構成を除いては図53で説明した冷陰極蛍光ランプ2007と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極2009とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
外部電極2009は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ2015の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
外部電極2009は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ2015の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
また、外部電極2009は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ2015に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ2015の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ2015の端部に被せてもよい。
なお、図55に示す例では、給排気管2031が内部電極2017側のみにあるが、外部電極2009側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
なお、図55に示す例では、給排気管2031が内部電極2017側のみにあるが、外部電極2009側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
(変形例3)
変形例3に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大正面断面図を図56(a)に、そのB−B´断面図を図56(b)にそれぞれ示す。蛍光ランプ5107は、管軸方向に伸びる1[本]のリード線5106の端部が電極2019の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分5106aのほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線5106と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5106と電極2019との接合の安定性を高めることができる。
変形例3に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大正面断面図を図56(a)に、そのB−B´断面図を図56(b)にそれぞれ示す。蛍光ランプ5107は、管軸方向に伸びる1[本]のリード線5106の端部が電極2019の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分5106aのほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線5106と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5106と電極2019との接合の安定性を高めることができる。
(変形例4)
変形例4に係る蛍光ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図57(a)に、そのC−C´断面図を図57(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5108aほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線5108は、中間部5108aにおいて電極2019とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線5108と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5108と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、リード線5108は、中間部5108aを除くその両部分がガラスバルブ2015に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ2015に支持されている電極2019の軸ずれ、すなわちガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
変形例4に係る蛍光ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図57(a)に、そのC−C´断面図を図57(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5108aほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線5108は、中間部5108aにおいて電極2019とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線5108と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5108と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、リード線5108は、中間部5108aを除くその両部分がガラスバルブ2015に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ2015に支持されている電極2019の軸ずれ、すなわちガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
(変形例5)
変形例5は変形例4とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
変形例5に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図58(a)に、そのD−D´断面図を図58(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5110aは、電極2019の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部5110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線5110と電極2019の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線5110と電極2019の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図58(a)および(b)に示すリード線5110は、その折り曲げ部に挟まれた部分5110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部5110aが電極2019の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
変形例5は変形例4とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
変形例5に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図58(a)に、そのD−D´断面図を図58(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5110aは、電極2019の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部5110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線5110と電極2019の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線5110と電極2019の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図58(a)および(b)に示すリード線5110は、その折り曲げ部に挟まれた部分5110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部5110aが電極2019の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
(変形例6)
変形例6に係る蛍光ランプは、変形例1に係る蛍光ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
変形例6に係る蛍光ランプは、変形例1に係る蛍光ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
変形例6の蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図59(a)に、そのE−E´断面図を図59(b)にそれぞれ示す。変形例6は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、それぞれ2[本]のリード線5104が凸部2019aの側面に接合されている。この場合、リード線5104と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5104と電極2019との接合の安定性を高めることができる。なお、図59においては、リード線5104が凸部の側面だけでなく、電極の底面にも接合しているように見えるが、リード線5104のガラスバルブ2015内部に位置する一端面が電極の底面と接合されていてもよい。この場合、凸部の側面とのみ接合している場合に比べて、さらにリード線5104と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、凸部2019aの側面にリード線5104の線径と同程度の幅の溝を形成し、その溝にリード線5104を嵌め込んで接合することにより、リード線5104と電極2019との接合の位置ずれを防止することができる。
(変形例7)
蛍光ランプの変形例7は、変形例6とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を図60(a)に、そのF−F´断面図を図60(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、リード線5113がその凸部2019aの側面に巻き付けられるようにして電極2019とリード線5113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線5113と電極2019との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部2019aへのリード線5113の巻き付け回数、方向等については図60(a)および図60(b)に示すものに限定されない。
蛍光ランプの変形例7は、変形例6とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を図60(a)に、そのF−F´断面図を図60(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、リード線5113がその凸部2019aの側面に巻き付けられるようにして電極2019とリード線5113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線5113と電極2019との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部2019aへのリード線5113の巻き付け回数、方向等については図60(a)および図60(b)に示すものに限定されない。
(変形例8)
蛍光ランプの変形例8は、変形例4とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
蛍光ランプの変形例8は、変形例4とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
蛍光ランプの変形例8の管軸を含む要部拡大正面断面図を図61(a)に、そのG−G´断面図を図61(b)にそれぞれ示す。変形例8は、電極2019の外側の底面から突出した直方体状であって、その先端面に溝部2019bが形成された凸部を有している。変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019bに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。溝部2019bの溝の幅は、リード線の線径とほぼ同程度で、例えば0.4[mm]である。
なお、溝部2019bにリード線5108の中間部5108aを挿入した後、凸部を外側からかしめることで、リード線5108と電極2019を簡易的に接合することができる。さらに、かしめた後に溶接することで、リード線5108と電極2019との接合強度をさらに高めることができる。
また、凸部2019aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線5108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
また、凸部2019aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線5108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
(変形例9)
蛍光ランプの変形例9は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図62(a)に、その要部拡大底面断面図を図62(b)に、そのH−H´断面図を図62(c)にそれぞれ示す。変形例9では、変形例8における凸部2019aの先端面に形成された溝部2019bに代えて、凸部2019aの側面に溝部2019cが形成されている。リード線5108は、変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019cに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。
蛍光ランプの変形例9は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図62(a)に、その要部拡大底面断面図を図62(b)に、そのH−H´断面図を図62(c)にそれぞれ示す。変形例9では、変形例8における凸部2019aの先端面に形成された溝部2019bに代えて、凸部2019aの側面に溝部2019cが形成されている。リード線5108は、変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019cに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。
この場合、ガラスバルブ2015の管軸方向における電極2019とリード線5108との接合強度を高めることができる。
(変形例10)
本発明の実施の形態13に係る蛍光ランプの変形例10は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
(変形例10)
本発明の実施の形態13に係る蛍光ランプの変形例10は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例10の管軸を含む要部拡大正面断面図を図63(a)に、その要部拡大底面断面図を図63(b)に、そのI−I´断面図を図63(c)にそれぞれ示す。
変形例10は、変形例8と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの先端面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
変形例10は、変形例8と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの先端面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019dの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
この場合、電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
この場合、電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
(変形例11)
蛍光ランプの変形例11は、変形例9とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例11の管軸を含む要部拡大正面断面図を図64(a)に、その要部拡大底面断面図を図64(b)に、そのJ−J´断面図を図64(c)にそれぞれ示す。
蛍光ランプの変形例11は、変形例9とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例11の管軸を含む要部拡大正面断面図を図64(a)に、その要部拡大底面断面図を図64(b)に、そのJ−J´断面図を図64(c)にそれぞれ示す。
変形例11は、変形例10と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの側面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
この場合、ガラスバルブ2015の管軸方向における電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
<実施の形態9>
本実施の形態は、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプではなく熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態8と異なるので、実施の形態8と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態9>
本実施の形態は、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプではなく熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態8と異なるので、実施の形態8と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
図65は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ2071の要部分解図である。図65に示すように、熱陰極蛍光ランプ2071は、直管形状のガラスバルブ2151に放電媒体が封入され、ガラスバルブ2151端部近傍に電極2171,2191が配されてなる。
本実施の形態では、給排気管2311のうちガラスバルブ2151の封止部2321,2331外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2151外部に引き出されたリード線2251,2271がほぼ直線状に接触しており、これら給排気管2311延出部およびリード線2251,2271を覆うように口金が固着され、リード線2251,2271が口金2721および給排気管2311と密着している。
本実施の形態では、給排気管2311のうちガラスバルブ2151の封止部2321,2331外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2151外部に引き出されたリード線2251,2271がほぼ直線状に接触しており、これら給排気管2311延出部およびリード線2251,2271を覆うように口金が固着され、リード線2251,2271が口金2721および給排気管2311と密着している。
図65の部分拡大図に示すように、口金2721のそれぞれは、導電部2721a,2721bと絶縁部2721cとからなりかつスリット2721dを有し、スリーブ状の口金2721において導電部2721a,2721b同士を絶縁部2721cおよびスリット2721dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、リード線2251は口金2721の導電部2721bおよび給排気管2311と密着し、他方において、リード線2271は口金2721の導電部2721aおよび給排気管2311と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、筐体8側のソケット2084(図52参照)から電力供給するとき、リード線2251,2271同士で短絡させることなく、電極2171(2191)を構成するフィラメント2231に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2171,2191同士での放電を促すことができる。なお、口金2721を固着させた後においても口金2721のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2721がスリット2721dを有している。口金2721が当該構成を採用することにより、当該導電部2721a,2721b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
口金2721の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管2331への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
口金を半田あるいは導電性接着剤で固着する場合、上記導電部2721a,2721b同士を互いに電気的に絶縁性を有する部材で接続してなる口金を用いてもよい。当該口金を用いると、スリットが無いので、スリット2721dの入った口金2721と比べて、口金の機械的強度を向上させることができる。
口金を半田あるいは導電性接着剤で固着する場合、上記導電部2721a,2721b同士を互いに電気的に絶縁性を有する部材で接続してなる口金を用いてもよい。当該口金を用いると、スリットが無いので、スリット2721dの入った口金2721と比べて、口金の機械的強度を向上させることができる。
(実施の形態9のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2071を採用しており、実施の形態8において蛍光ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ7と異なるが、実施の形態8と同様に、口金2721のそれぞれがリード線2251,2271を覆いながら給排気管2311延出部のそれぞれに固着されているので、リード線2251,2271に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2151端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2071を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2071を採用しており、実施の形態8において蛍光ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ7と異なるが、実施の形態8と同様に、口金2721のそれぞれがリード線2251,2271を覆いながら給排気管2311延出部のそれぞれに固着されているので、リード線2251,2271に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2151端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2071を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ2071では、実施の形態8と同様にリード線2251,2271およびガラスバルブ2151端部への付加を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、実施の形態8と同様に、各口金2721を、ガラスバルブ2151の封止部2321,2331から離間させて、リード線2251,2271を覆いながら給排気管2311のそれぞれに固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態8と同様に、各口金2721を、ガラスバルブ2151の封止部2321,2331から離間させて、リード線2251,2271を覆いながら給排気管2311のそれぞれに固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態では、実施の形態8と同様に、スリーブ状の口金2721を用い、これを給排気管2311の外方端を覆わずに給排気管2311に固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
<実施の形態10>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材である口金の配設位置等に大きな特徴があり、その他の構成について実施の形態8における構成と略同一であるので、特徴部分のみ説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態10>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材である口金の配設位置等に大きな特徴があり、その他の構成について実施の形態8における構成と略同一であるので、特徴部分のみ説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
図66は、本実施の形態における冷陰極蛍光ランプ2073(以下、単に「ランプ2073」という場合がある。)の部分分解図である。図66に示すように、冷陰極蛍光ランプ2073では、実施の形態8と比べて、給排気管2312のガラスバルブ2152外側の先端はガラスバルブ2152の封止部2322,2332からの距離が短く、実施の形態8と同様にチップオフされて封止されている。
本実施の形態では、ガラスバルブ2152の外部に引き出されたリード線2252,2272が折り曲げられており、ガラスバルブ2152の封止部2322,2332とその近傍を避けてガラスバルブ2152の胴部、具体的には、ガラスバルブ2152に内包された電極2172,2192を覆う位置で、リード線2252,2272と接触しながら口金2722が固着され、リード線2252,2272が、当該位置でガラスバルブ2152および口金2722と密着している。
口金2722がリード線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつリード線2252,2272と外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2152の端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態8と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態8と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
口金2722のそれぞれが、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているが、当該ガラスバルブ2152の部分では、電極2172,2192とガラスバルブ2152の内面との間隙が極めて小さいために、円筒状の電極2172,2192の外壁と対向するガラスバルブ2152の内面に蛍光体層2212が形成されていても発光しない。
各電極2172,2192のガラスバルブ2152内方側の端よりも、上記口金2722およびリード線2252,2272がガラスバルブ2152の内方側に配置されていると、ランプ73の発光を遮ることになるので、これら口金2722およびリード線2252,2272は、各電極2172,2192のガラスバルブ2152内方端よりもガラスバルブ2152の外方側に配置されていることが好ましい。
口金2722は、スリーブ状であり、固着前においてその内径がリード線2252,2272の線径およびガラスバルブ2152の外径の合計より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2722の固着方法はこれに限らず、半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。
本実施の形態では、リード線2252,2272をその軸方向がガラスバルブ2152の軸方向と同じになるようにして電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持していたが、これに限定されず、リード線2252,2272を、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に巻回させて、当該ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持しても良い。
本実施の形態では、リード線2252,2272をその軸方向がガラスバルブ2152の軸方向と同じになるようにして電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持していたが、これに限定されず、リード線2252,2272を、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に巻回させて、当該ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持しても良い。
リード線2252,2272のそれぞれを上記ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持すると、伸びたままのリード線2252,2272を挟持する場合と比べて、口金2722との電気的接続を確実にすることができ、特に口金2722がスリットの入ったスリーブ状であることから、リード線2252,2272を口金2722で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
口金2722を半田や導電性接着剤でガラスバルブ2152に固着すると、弾性力によって固着する場合に比べてガラスバルブ2152への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてガラスバルブ2152への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態10のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2722がリード線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつリード線2252,2272と外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
(実施の形態10のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2722がリード線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつリード線2252,2272と外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2152の端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2073では、リード線2252,2272およびガラスバルブ2152の端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2073では、リード線2252,2272およびガラスバルブ2152の端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態8と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
<実施の形態11>
本実施の形態は、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態10と異なるので、実施の形態10と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態11>
本実施の形態は、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態10と異なるので、実施の形態10と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
図67は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ2074の要部分解図である。図67に示すように熱陰極蛍光ランプ2074は、直管形状のガラスバルブ2153に放電媒体が封入され、ガラスバルブ2153端部近傍に電極2173,2193が配されてなる。
本実施の形態では、ガラスバルブ2153の外部に引き出されたリード線2253,2273が折り曲げられ、ガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けてガラスバルブ2153の胴部、具体的には、ガラスバルブ2153に内包された電極2172,2192を覆う位置で、リード線2253,2273と接触しながら口金2723が固着され、リード線2253,2273が口金723およびガラスバルブ2153と密着している。
本実施の形態では、ガラスバルブ2153の外部に引き出されたリード線2253,2273が折り曲げられ、ガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けてガラスバルブ2153の胴部、具体的には、ガラスバルブ2153に内包された電極2172,2192を覆う位置で、リード線2253,2273と接触しながら口金2723が固着され、リード線2253,2273が口金723およびガラスバルブ2153と密着している。
電極2173,2193は、それぞれガラスバルブ2153の内包空間にてリード線2253,2273を支持するガラス製のステム2292とリード線2253,2273内方端同士を結ぶフィラメント2233を含んでいるが、口金2723は、ガラスバルブ2153胴部のうち、電極2173,2193を構成するステム2292を覆う位置で固着されているのが好ましい。
なぜなら、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間が実施の形態10に比べて広いので、電極2173,2193と対向するガラスバルブ2153内面に蛍光体層2213が形成されていると、発光に寄与するからである。
発光に寄与する電子は、電極2173,2193のフィラメント2233同士の間で発生するが、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間隙が実施の形態10よりも広いので、当該間隙に発光寄与電子の進入する可能性が高い。したがって、口金2723およびリード線2253,2273のガラスバルブ2153外側端は、ガラスバルブ2153に対して確実に固定できる限度において、できるだけガラスバルブ2153の端(封止部2323,2333)側に配置されていることが好ましい。
発光に寄与する電子は、電極2173,2193のフィラメント2233同士の間で発生するが、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間隙が実施の形態10よりも広いので、当該間隙に発光寄与電子の進入する可能性が高い。したがって、口金2723およびリード線2253,2273のガラスバルブ2153外側端は、ガラスバルブ2153に対して確実に固定できる限度において、できるだけガラスバルブ2153の端(封止部2323,2333)側に配置されていることが好ましい。
本実施の形態では、口金2723の好ましい配設位置を上記のように設定しているが、設計上、ガラスバルブ2153のうち蛍光体層2213が形成されていない領域が口金2723を確実に固定できる限度に存在すれば、その領域にて口金2723を固定することが最も好ましい。
図67の部分拡大図に示すように、口金2723のそれぞれは、導電部2723a,2723bと絶縁部2723cとからなりかつスリット2723dを有し、スリーブ状の口金2723において導電部2723a,2723b同士を絶縁部2723cおよびスリット2723dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、リード線2253は口金2723の導電部2723bおよびガラスバルブ2153と密着し、他方において、リード線273は口金2723の導電部2723aおよびガラスバルブ2153と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、外囲器106側のソケット2084から電力を供給するとき、リード線2253,273同士で短絡させることなく、電極2172(2192)を構成するフィラメント2233に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2172,2192同士での放電を促すことができる。なお、口金2723を固着させた後においても口金2723のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2723がスリット2723dを有している。口金2723が当該構成を採用することにより、導電部2723a,2723b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
図67の部分拡大図に示すように、口金2723のそれぞれは、導電部2723a,2723bと絶縁部2723cとからなりかつスリット2723dを有し、スリーブ状の口金2723において導電部2723a,2723b同士を絶縁部2723cおよびスリット2723dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、リード線2253は口金2723の導電部2723bおよびガラスバルブ2153と密着し、他方において、リード線273は口金2723の導電部2723aおよびガラスバルブ2153と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、外囲器106側のソケット2084から電力を供給するとき、リード線2253,273同士で短絡させることなく、電極2172(2192)を構成するフィラメント2233に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2172,2192同士での放電を促すことができる。なお、口金2723を固着させた後においても口金2723のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2723がスリット2723dを有している。口金2723が当該構成を採用することにより、導電部2723a,2723b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
口金2723の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてガラスバルブ2153への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態11のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2074を採用しており、実施の形態10において蛍光ランプとして採用された冷陰極蛍光ランプ2073と異なるが、実施の形態10と同様に、口金2723のそれぞれがリード線2253,2273と接触しながらガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けて、ガラスバルブ2153の胴部に、具体的にはガラスバルブ2153に内包された電極2173,2193を覆う位置で、固着されているので、リード線2253,2273に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2153端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2074を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
(実施の形態11のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2074を採用しており、実施の形態10において蛍光ランプとして採用された冷陰極蛍光ランプ2073と異なるが、実施の形態10と同様に、口金2723のそれぞれがリード線2253,2273と接触しながらガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けて、ガラスバルブ2153の胴部に、具体的にはガラスバルブ2153に内包された電極2173,2193を覆う位置で、固着されているので、リード線2253,2273に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2153端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2074を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ2074では、実施の形態10と同様にリード線2253,2273およびガラスバルブ2153端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
<実施の形態12>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材から口金を廃し、ガラスバルブに内包された電極に電力を供給するためガラスバルブ外方に引き出されたリード線を直接、バックライトユニット側の電気接点であるソケットに接触させた点に特徴があり、その他の構成については実施の形態8の構成と略同一であるので、特徴部分のみ言及し、その他の部分についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態12>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材から口金を廃し、ガラスバルブに内包された電極に電力を供給するためガラスバルブ外方に引き出されたリード線を直接、バックライトユニット側の電気接点であるソケットに接触させた点に特徴があり、その他の構成については実施の形態8の構成と略同一であるので、特徴部分のみ言及し、その他の部分についてはここでの説明を省略する。
図68は、本実施の形態におけるバックライトユニット2105の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。図68に示すように、バックライトユニット2105の部材である筐体2109の底壁2111aのうち、光学シート類の周縁領域相当位置にソケット2184が設けられている。
そして、冷陰極蛍光ランプ2107の部材であるガラスバルブ2115端部の封止部2324,2334から延出されたリード線2254,2274が、同様に延出された給排気管2314に巻回され、給排気管2314のうちリード線2254,2274巻回済みの延出部分がソケット2184に嵌合して冷陰極蛍光ランプ2107が筐体2109に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
そして、冷陰極蛍光ランプ2107の部材であるガラスバルブ2115端部の封止部2324,2334から延出されたリード線2254,2274が、同様に延出された給排気管2314に巻回され、給排気管2314のうちリード線2254,2274巻回済みの延出部分がソケット2184に嵌合して冷陰極蛍光ランプ2107が筐体2109に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
ソケット2184の各々は、それ1つが同極性に設定されており、ガラスバルブ2115それぞれの各端部から延出された2[本]のリード線2254,2274を同極性に設定することができる。
バックライトユニット2105では、ソケット2184の各々が、リード線2254,2274と接触を保ちながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184をリード線2254,2274と電気的に接続することができる。
バックライトユニット2105では、ソケット2184の各々が、リード線2254,2274と接触を保ちながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184をリード線2254,2274と電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、リード線2254,2274巻回済みの給排気管2314の延出部と筐体2109のソケット2184とを嵌合させたが、これに限定されず、リード線2254,2274をガラスバルブ2115の封止部2324,2334から伸ばしたままソケット2184と嵌合させても良い。その場合、ソケット2184の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2314に巻回してこれにリード線2254,2274を仮止めさせてからソケット2184に差し込むと、リード線2254,2274を確実にソケット2184に差し込むことができて好ましい。
本実施の形態では、リード線2254,2274巻回済みの給排気管2314の延出部と筐体2109のソケット2184とを嵌合させたが、これに限定されず、リード線2254,2274をガラスバルブ2115の封止部2324,2334から伸ばしたままソケット2184と嵌合させても良い。その場合、ソケット2184の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2314に巻回してこれにリード線2254,2274を仮止めさせてからソケット2184に差し込むと、リード線2254,2274を確実にソケット2184に差し込むことができて好ましい。
リード線2254,2274を給排気管2314延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままのリード線2254,2274と給排気管2314とを同時にソケット2184に嵌合させる場合に比べて、ソケット2184との電気的接続を確実にすることができ、特にソケット2184がスリーブ状であるので、リード線2254,2274の取りこぼしを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2184とリード線2254,2274巻回済みの給排気管2314延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2314への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2314への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態において、ソケット2184は、ガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間されて、その内面がリード線2254,2274と接触しながら給排気管2314のそれぞれと嵌合している。
具体的には、ソケット2184のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334側の一端がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から0.5[mm]以上離されて、ソケット2184が給排気管2314と嵌合している。
具体的には、ソケット2184のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334側の一端がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から0.5[mm]以上離されて、ソケット2184が給排気管2314と嵌合している。
給排気管2314のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334に被覆された部分では、当該封止部2324,2334形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2314とガラスバルブ2115とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、ソケット2184を当該封止部2324,2334に接触するように給排気管2314と嵌合させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット2184と給排気管2314との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内の空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
本実施の形態では、ソケット2184がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間しているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて、ソケット2184が給排気管2314それぞれのガラスバルブ2115の外側の先端を覆うことなく取着されて好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて、ソケット2184が給排気管2314それぞれのガラスバルブ2115の外側の先端を覆うことなく取着されて好ましい。
給排気管2314それぞれの外方端は、既述のようにガラスバルブ2115の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端にキャップ状のソケットを被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット2184と給排気管2314との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内の空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
本実施の形態では、スリーブ状のソケット2184を用い、これを給排気管2314のガラスバルブ2115外側の先端を覆わずに給排気管2314と嵌合させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
(実施の形態12のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2184がリード線2254,2274と接触しながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
(実施の形態12のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2184がリード線2254,2274と接触しながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2105では、リード線2254,2274およびガラスバルブ2115端部への負荷を抑制して冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持を行うことができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2105では、リード線2254,2274およびガラスバルブ2115端部への負荷を抑制して冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持を行うことができる。
また、本実施の形態では、筐体2109のソケット2184を、ガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間させて、リード線2254,2274と接触させながら給排気管2314のそれぞれと嵌合させているので、給排気管2314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2314への負荷を抑制することができて、冷陰極ランプ2107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状のソケット2184を用い、これを給排気管2314のガラスバルブ2115外側の先端を覆わずに給排気管2314と嵌合させているので、給排気管2314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2314への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
<実施の形態13>
本実施の形態では、蛍光ランプに熱陰極蛍光ランプを採用した点で実施の形態12と異なるのみであるので、実施の形態12と共通する部分についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態13>
本実施の形態では、蛍光ランプに熱陰極蛍光ランプを採用した点で実施の形態12と異なるのみであるので、実施の形態12と共通する部分についてはここでの説明を省略する。
図69は、本実施の形態におけるバックライトユニット2205の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。
本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプ2207が用いられており、その部材であるガラスバルブ2154端部の封止部2325,2335から延出されたリード線2255,2275が、同様に延出された給排気管2315に沿っており、リード線2255,2275と並行する給排気管2315の延出部分がソケット2284に嵌合して熱陰極蛍光ランプ2207が筐体2209に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプ2207が用いられており、その部材であるガラスバルブ2154端部の封止部2325,2335から延出されたリード線2255,2275が、同様に延出された給排気管2315に沿っており、リード線2255,2275と並行する給排気管2315の延出部分がソケット2284に嵌合して熱陰極蛍光ランプ2207が筐体2209に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
その場合、ソケット2284の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2315に巻回してこれにリード線2255,2275を仮止めさせてからソケット2284に差し込むと、リード線2255,2275の取りこぼしを防いでリード線2255,2275を確実にソケット2284に差し込むことができ、歩留まり向上の観点から好ましい。
本実施の形態では、ソケット2284の各々が2ピース構造になっており、ガラスバルブ2154それぞれの各端部から延出された2[本]のリード線2255,2275とガラスバルブ2154に内包された電極のフィラメント(不図示)とで電流経路を形成することができる。ソケット2284の構成はこれに限定されず、物理的に一体であっても既述の電流経路を形成できるように電気的に絶縁された構造であっても良い。
そして、本実施の形態において、ソケット2284の各ピースのうちリード線2255,2275および給排気管2315を支持する部分では、給排気管2315軸に垂直な断面が屈曲形状を有する。すなわち、ソケット2284の各ピースの当該支持部分では、リード線2255,2275および給排気管2315に臨む内壁が谷折りの状態となっており、給排気管2315の表面に沿うリード線2255,2275がこの谷折りの内壁に嵌っている。本実施の形態では、当該構成を有することにより、ソケット2284を構成する各ピースの当該支持部分における給排気管2315軸に垂直な断面が円弧状のものに比べ、リード線2255,2275がソケット2284を構成する各ピースの間に嵌ってピース同士で短絡が生じることを抑制することができる。
ソケット2284の各々が、リード線2255,2275と接触を保ちながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2255,2275に対して断線するような負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207をソケット2284に支持させかつソケット2284をリード線2255,2275と電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2154端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207をソケット2284に支持させかつソケット2284と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、ソケット2284に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2284とリード線2255,2275および給排気管2315延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2315への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2315への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態では、ソケット2284に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2284とリード線2255,2275および給排気管2315延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2315への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2315への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態13のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2284がリード線2255,2275と接触しながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で熱陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2255,2275に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
既述したように本実施の形態では、ソケット2284がリード線2255,2275と接触しながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で熱陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2255,2275に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2154の端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2205では、リード線2255,2275およびガラスバルブ2154端部への負荷を抑制して熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持を行うことができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2205では、リード線2255,2275およびガラスバルブ2154端部への負荷を抑制して熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持を行うことができる。
また、本実施の形態でも実施の形態9と同様に、筐体2209のソケット2284を、ガラスバルブ2154の封止部2325,2335から離間させて、リード線2255,2275と接触ながら給排気管2315のそれぞれと嵌合させているので、給排気管2315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2315への負荷を抑制することができて、熱陰極ランプ2207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態でも実施の形態9と同様に、スリーブ状のソケット2284を用い、これを給排気管2315のガラスバルブ2154外側の先端を覆わずに給排気管2315と嵌合させているので、給排気管2315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2315への負荷を抑制することができて、熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態8〜実施の形態13の補足事項)
<ランプの交互配置について>
図70は、ガラスバルブにおいて蛍光体層が形成された領域を示す模式図である。
(実施の形態8〜実施の形態13の補足事項)
<ランプの交互配置について>
図70は、ガラスバルブにおいて蛍光体層が形成された領域を示す模式図である。
図70では、蛍光体層の形成領域について説明するため、上記各実施の形態で示した他の構成部材、例えば、口金2072(2721,2722)、給排気管2031(2311,2312,2313,2314,2315)、リード線2025,2027などを省略している。
図70に示すように、実施の形態1と同様に、ガラスバルブ2015(2115,2151,2152,2153,2154)の第1封止部側の、境界部(蛍光体層2021(2211,2212,2213)が存在する領域と不存在の領域との境界)2034から第1封止部2032(2321,2322,2323,2324,2325)側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部2036から第2封止部2033(2331,2332,2333)側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
図70に示すように、実施の形態1と同様に、ガラスバルブ2015(2115,2151,2152,2153,2154)の第1封止部側の、境界部(蛍光体層2021(2211,2212,2213)が存在する領域と不存在の領域との境界)2034から第1封止部2032(2321,2322,2323,2324,2325)側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部2036から第2封止部2033(2331,2332,2333)側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
その寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]。
実施の形態1において説明したように、a1とa2との距離を異ならせることで蛍光ランプの方向識別に活用できる。
<冷陰極蛍光ランプの製造方法>
次に、上記構成を有する蛍光ランプ2007(2071,2073,2074,2107,2207)の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。以下の記述においては、冷陰極蛍光ランプを一例に用いて説明するが、同様に熱陰極蛍光ランプにおいても当該製造方法を適用できることは言うまでもない。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]。
実施の形態1において説明したように、a1とa2との距離を異ならせることで蛍光ランプの方向識別に活用できる。
<冷陰極蛍光ランプの製造方法>
次に、上記構成を有する蛍光ランプ2007(2071,2073,2074,2107,2207)の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。以下の記述においては、冷陰極蛍光ランプを一例に用いて説明するが、同様に熱陰極蛍光ランプにおいても当該製造方法を適用できることは言うまでもない。
図71,図72は冷陰極蛍光ランプ2020の製造工程を示す図である。図71,図72で示す製造工程は、図3,図4で示したものと大部分共通している。この共通部分の説明は簡単にし、給排気管2316の挿入、圧潰封止などについては異なる部分について詳しく説明する。
まず、準備した直管状のガラス管2046を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管2046内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管2046内面に蛍光体懸濁液を塗布する(工程A)。
まず、準備した直管状のガラス管2046を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管2046内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管2046内面に蛍光体懸濁液を塗布する(工程A)。
次に、ガラス管2046内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管2046内面にブラシ2047を挿入して、蛍光体層2214のうちガラス管2046端側の不要な部分を除去する(工程B)。
その後、蛍光体層2214が形成されたガラス管2046に電極2174、給排気管2316を挿入した後、給排気管2316の管軸方向の通気性は維持した状態で、当該ガラス管2046の一端(第2封止部側)をバーナー2048で熱して圧潰封止する(工程C)。
その後、蛍光体層2214が形成されたガラス管2046に電極2174、給排気管2316を挿入した後、給排気管2316の管軸方向の通気性は維持した状態で、当該ガラス管2046の一端(第2封止部側)をバーナー2048で熱して圧潰封止する(工程C)。
また、封止位置の設定値からの誤差は0.5[mm]程度である。
次に、反対側の開口端からガラス管2046に、電極2194、給排気管2316を挿入した後、他端を圧潰封止し、その後、管軸方向に通気性が維持された給排気管2316(第1封止部側)の端部を気密にチップオフする(工程D)。
また、封止位置の設定値からの誤差は反対側と同様に0.5[mm]程度である。
次に、反対側の開口端からガラス管2046に、電極2194、給排気管2316を挿入した後、他端を圧潰封止し、その後、管軸方向に通気性が維持された給排気管2316(第1封止部側)の端部を気密にチップオフする(工程D)。
また、封止位置の設定値からの誤差は反対側と同様に0.5[mm]程度である。
工程Cにおける電極2174の挿入位置及び工程Dにおける電極2194の挿入位置は、封止後のガラス管2046の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層2214不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極2194は、第2封止部側の電極2174と比べて、蛍光体層2214に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。 続いて、通気性が維持された状態の給排気管2316(第2封止部側)のうち、端部寄りの一部をバーナー2052で加熱してくびれ部分を形成した後、水銀ペレット2054を給排気管2316に投入する(工程E)。水銀ペレット2054は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続いて、ガラス管2046内の排気とガラス管2046内への希ガスの充填を行う(工程F)。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管2046の水銀ペレット2054側端部に装着し、先ず、ガラス管2046内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管2046全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管2046の外周表面において約380[℃]である。これによって、蛍光体層2214に潜入している不純ガスを含めガラス管2046内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
希ガスが充填されると、第2封止部側の給排気管316の水銀ペレット2054側端部をバーナー2056で加熱して封止する(工程G)。
続いて、図72に示す工程Hでは、水銀ペレット2054をガラス管2046の周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管2046を加熱炉2057内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極2194の方へ移動させる。
続いて、図72に示す工程Hでは、水銀ペレット2054をガラス管2046の周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管2046を加熱炉2057内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極2194の方へ移動させる。
次に、工程Eにて形成されたくびれ部分よりも電極2174,2194側でかつ必要な長さを残すように給排気管2316をバーナー2058で加熱しチップオフして気密封止する(工程I,J)。封止位置の設定値から誤差は、同様に0.5[mm]程度である。
以上の工程を経ることにより、冷陰極蛍光ランプが完成される。
<識別用マークについて>
(変形例12)
実施の形態8〜実施の形態13のガラスバルブにおいては、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例12として説明する。
以上の工程を経ることにより、冷陰極蛍光ランプが完成される。
<識別用マークについて>
(変形例12)
実施の形態8〜実施の形態13のガラスバルブにおいては、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例12として説明する。
図73に示すように、ガラスバルブ2015bの第2封止部2033b側には、蛍光体層2021bとは別に、蛍光体層2022が形成されている。蛍光体層2022は、電極2017,2019間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体層である。
本変形例では、例えば、境界2036bと蛍光体層2022との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
本変形例では、例えば、境界2036bと蛍光体層2022との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
(変形例13)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例13として説明する。
図74は、変形例13に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図であり、図74(a)(b)では、ガラスバルブ2015c,2015dと蛍光体層2021c,2021dを断面で示し、リード線2025c,2027c,2251d,2271d,電極2017c,2017dは外観を示している。また、図74(c)では、電極2017eも形状がわかるよう断面で示している。なお、図74においては、図65と同様の構成部材についてはその説明を省略する。
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例13として説明する。
図74は、変形例13に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図であり、図74(a)(b)では、ガラスバルブ2015c,2015dと蛍光体層2021c,2021dを断面で示し、リード線2025c,2027c,2251d,2271d,電極2017c,2017dは外観を示している。また、図74(c)では、電極2017eも形状がわかるよう断面で示している。なお、図74においては、図65と同様の構成部材についてはその説明を省略する。
図74(a)の例では、方向識別に用いるためのマーク2075が円筒型電極2017cの中央下部の周回方向に施されている(図中、網線は着色を示している)。
この場合、境界2034cとリング状のマーク2075との距離eを検出に用いることができる。電極2017cへのマーキングは、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
この場合、境界2034cとリング状のマーク2075との距離eを検出に用いることができる。電極2017cへのマーキングは、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
図74(b)の例では、熱陰極蛍光ランプへの適用例を示しており、フィラメント2231dに接続された内部リード線2251dA,2271dAを支持するガラスステム2291dが着色されている。この例では、境界2034とガラスステム2291dとの距離fを検出に用いることができる。ガラスステム2291dは、ガラスバルブ2015dの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図74(c)の例では、口金2072eの周回方向にマーク2076が付されている。この例では、境界2034eとマーク2076との距離gを検出に用いることができる。マーク2076も、マーク2075と同様にガラスバルブ2015eの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
電極17eの形状は有底筒状であるが、これに限らず、両端開口筒状、棒状であっても構わない。
<実施の形態14>
実施の形態14に係る冷陰極蛍光ランプは、ガラスバルブの両端部外周に導電膜を形成し、両導電膜と対応するリード線とを電気的に接続したものである。そして、当該導電膜を給電端子として用いることにより、バックライトユニット(外囲器)内に設けられたソケットへの装着性が向上するものである。
(実施の形態14−1)
実施の形態14−1に係る冷陰極蛍光ランプ500について、図75および図76を参照しながら説明する。
電極17eの形状は有底筒状であるが、これに限らず、両端開口筒状、棒状であっても構わない。
<実施の形態14>
実施の形態14に係る冷陰極蛍光ランプは、ガラスバルブの両端部外周に導電膜を形成し、両導電膜と対応するリード線とを電気的に接続したものである。そして、当該導電膜を給電端子として用いることにより、バックライトユニット(外囲器)内に設けられたソケットへの装着性が向上するものである。
(実施の形態14−1)
実施の形態14−1に係る冷陰極蛍光ランプ500について、図75および図76を参照しながら説明する。
図75は、冷陰極蛍光ランプ500(以下、単に「蛍光ランプ500」と言う。)の一部を切り欠いた斜視図であり、図76は端部部分の縦断面図である。蛍光ランプ500は、給電端子を設けた点、およびこれに合わせてリード線の寸法を変更した点以外は、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプ10と実質的に同様の構成である。したがって、共通する部分には、同じ符号を付して、その詳細な説明については省略するか、簡略にするに止める。なお、後述する実施の形態14−2の場合を含め、実施の形態14の説明に用いる図面においては、保護膜22(図1)およびビードガラス21,23(図10)の図示を省略している。
蛍光ランプ500は、実施の形態1と同様。円形断面を有するガラス管の両端部がリード線502で気密封止されてなる管状をしたガラスバルブ16を有する。
リード線502は、実施の形態1と同様、ジュメット線からなる内部リード線502Aとニッケルからなる外部リード線502Bの継線である。ガラス管は、内部リード線502A部分で気密封止されている。内部リード線502A、外部リード線502Bは、共に円形断面を有している。内部リード線502Aの線径は0.8[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線502Bの線径は0.6[mm]、全長は1[mm]である。
リード線502は、実施の形態1と同様、ジュメット線からなる内部リード線502Aとニッケルからなる外部リード線502Bの継線である。ガラス管は、内部リード線502A部分で気密封止されている。内部リード線502A、外部リード線502Bは、共に円形断面を有している。内部リード線502Aの線径は0.8[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線502Bの線径は0.6[mm]、全長は1[mm]である。
ガラスバルブ16の端部外面には、給電端子504が形成されている。給電端子504とリード線502(外部リード線502B)とは接合され、電気的に接続されている。給電端子504は、ガラスバルブ16の外面に塗布された導電性ペーストの焼成体で構成された導電膜からなる。
両給電端子504を介して給電することにより、両電極20間で放電が生じる。
両給電端子504を介して給電することにより、両電極20間で放電が生じる。
給電端子504は、公知のディッピング法で形成することができる(例えば、特開2004−146351号公報)。ディッピング法で給電端子504を形成する方法を簡単に説明すると、例えば、電極20が封着されたガラスバルブ16の封着部を、溶融槽内の溶融半田に浸漬させて行う。溶融半田に封着部を浸漬させる際には、超音波を加えてもよい。このようなディッピング法は、給電端子504を簡単かつ安価に形成することができるため、冷陰極蛍光ランプ1を安価に製造することができる。
なお、給電端子504は、ディッピング法以外の方法で形成しても良い。例えば蒸着、メッキ等の方法によって形成しても良い。
(実施の形態14−2)
図77は、実施の形態14−2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図であり、図78は、給電端子を構成する薄膜部材を示す斜視図である。図77に示す冷陰極蛍光ランプ550の給電端子552は、半田製の接合部分554と、薄膜部分としての鉄・ニッケル合金製の薄膜部材556とからなる。このように、給電端子552は、必ずしもその全体が同じ材料で構成されていなくても良い。
(実施の形態14−2)
図77は、実施の形態14−2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図であり、図78は、給電端子を構成する薄膜部材を示す斜視図である。図77に示す冷陰極蛍光ランプ550の給電端子552は、半田製の接合部分554と、薄膜部分としての鉄・ニッケル合金製の薄膜部材556とからなる。このように、給電端子552は、必ずしもその全体が同じ材料で構成されていなくても良い。
図78に示すように、薄膜部材556は、断面略C字形に形成された肉厚120[μm]の筒体であって、ガラスバルブ16の端部に外嵌されている。薄膜部材556の内径はガラスバルブ16の外径よりもやや小さく、また前記薄膜部材556にはスリット558が設けられている。したがって、薄膜部材556の内径とガラスバルブ16の外径との間に多少の寸法誤差が生じても、前記薄膜部材556の内面が前記ガラスバルブ16の外面に密着するように設計されている。
なお、薄膜部材556は、断面略C字形の筒体に限定されず、断面が略三角形や略四角形等の多角形、或いは楕円の筒体に、スリットを設けたものであっても良い。また、スリットを設けない場合も考えられる。
外部リード線560の全長は2[mm]であり、そのうちの内部リード線562側である薄膜部材556の内部に収まった部分の長さL30は1[mm]であって、残りの前記薄膜部材556から外側に突出している部分の長さL40は1[mm]である。接合部分554は、外部リード線560のうちの薄膜部材556内部に収まった部分と接合している厚肉領域564と、前記外部リード線560のうちの前記薄膜部材556から外側に突出している部分を覆う薄肉領域566とで構成される。
外部リード線560の全長は2[mm]であり、そのうちの内部リード線562側である薄膜部材556の内部に収まった部分の長さL30は1[mm]であって、残りの前記薄膜部材556から外側に突出している部分の長さL40は1[mm]である。接合部分554は、外部リード線560のうちの薄膜部材556内部に収まった部分と接合している厚肉領域564と、前記外部リード線560のうちの前記薄膜部材556から外側に突出している部分を覆う薄肉領域566とで構成される。
給電端子552を上記構成とした場合、外部リード線560が接合部分554の厚肉領域564で固定されているため、前記外部リード線560のうちの薄膜部材556から外側に突出している部分をぶつけてもガラスバルブ16の封着部568に応力が加わりにくく、前記封着部568が破損しにくい。但し、外部リード線560はなるべくならぶつかりにくい方が良いため、前記外部リード線560の薄膜部材556から外側に突出していないか、または突出している場合には突出している部分の長さL40は1[mm]以下であることが好ましい。
なお、給電端子504を形成する材料は半田に限定されず、少なくとも導電性を有する材料であれば良い。但し、給電端子504の放熱作用が大きくならないように、熱伝導率の低い材料であることが好ましい。
一般に半田は、導電性が良く、熱伝導率も低く、その上低価格であるため、給電端子504の材料として好適である。特に、スズ(Sn)、スズ−インジウム(In)合金、スズ−ビスマス(Bi)合金等を主成分とする半田は、機械的強度の高い給電端子504を形成することができるため、より好適である。それらに、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種類を添加した半田は、ガラスとの馴染みが良いために、ガラスバルブ16から剥がれ難い給電端子504を形成することができ、さらに好適である。加えて、鉛を含まない半田は、環境に配慮した冷陰極蛍光ランプ1を作製することができるため好適である。
一般に半田は、導電性が良く、熱伝導率も低く、その上低価格であるため、給電端子504の材料として好適である。特に、スズ(Sn)、スズ−インジウム(In)合金、スズ−ビスマス(Bi)合金等を主成分とする半田は、機械的強度の高い給電端子504を形成することができるため、より好適である。それらに、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種類を添加した半田は、ガラスとの馴染みが良いために、ガラスバルブ16から剥がれ難い給電端子504を形成することができ、さらに好適である。加えて、鉛を含まない半田は、環境に配慮した冷陰極蛍光ランプ1を作製することができるため好適である。
給電端子504を形成する材料がタングステンと馴染みが良い場合、外部リード線560をタングステン製にすることも考えられる。すなわち、リード線22全体をタングステンで形成することが考えられる。このようにすることで、リード線22の断線不良が減少する。
<実施の形態1〜14の補足>
1.蛍光体層の組成について
以上、実施の形態1〜14について説明してきたが、蛍光体層は上記で説明したものに限定されず、蛍光体層の材料として特に次に示す材料を用いることが可能である。
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
<実施の形態1〜14の補足>
1.蛍光体層の組成について
以上、実施の形態1〜14について説明してきたが、蛍光体層は上記で説明したものに限定されず、蛍光体層の材料として特に次に示す材料を用いることが可能である。
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・ マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・ マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
ここで、「313(nm)の紫外線を吸収する」とは、254(nm)付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100(%)としたときに、313(nm)の励起波長スペクトルの強度が80(%)以上のものと定義する。すなわち、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体とは、313(nm)の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
なお、以下に記載している蛍光体(粉体)の色度座標値は、大塚電子(株)製の分光分析値装置(MCPD−7000)で測定した値を、小数点以下第4桁で四捨五入したものである。また、この色度座標値は、それぞれの蛍光体材料における代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、若干異なる値を示す場合がある。
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.153、y=0.030
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.153、y=0.030
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.136、y=0.572
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.284、y=0.635
・テルビウム・マンガン共付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+,Mn2+](略号:CAM)、色度座標:x=0.256、y=0.657
・マンガン付活ジンクリリケート[Zn2SiO4:Mn2+](略号:ZSM)、色度座標:x=0.248、y=0.700
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
・BAM−G、色度座標:x=0.136、y=0.572
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.284、y=0.635
・テルビウム・マンガン共付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+,Mn2+](略号:CAM)、色度座標:x=0.256、y=0.657
・マンガン付活ジンクリリケート[Zn2SiO4:Mn2+](略号:ZSM)、色度座標:x=0.248、y=0.700
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.658、y=0.330
・YVO、色度座標:x=0.661、y=0.328
・MFG、色度座標:x=0.708、y=0.288
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YPV、YDSも高色再現用に使用することもできる。
・YOS、色度座標:x=0.658、y=0.330
・YVO、色度座標:x=0.661、y=0.328
・MFG、色度座標:x=0.708、y=0.288
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YPV、YDSも高色再現用に使用することもできる。
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.643、y=0.348)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,055)で構成されている。
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95(%)となり、例1及び2に比べて輝度を10(%)向上させることができる。
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
2.ガラスバルブの材料について
(1)本実施の形態におけるガラスバルブの材料は、ソーダガラスを用いており、暗黒始動性が改善できる。すなわち、ガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラス管内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラス管内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
2.ガラスバルブの材料について
(1)本実施の形態におけるガラスバルブの材料は、ソーダガラスを用いており、暗黒始動性が改善できる。すなわち、ガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラス管内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラス管内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
特に、外部内部電極型蛍光ランプや外部電極型蛍光ランプでは、ガラス管材料におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、3[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が高くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラス管が白色化して輝度の低下を招いたり、ガラス管の強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が高くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラス管が白色化して輝度の低下を招いたり、ガラス管の強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
また、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただ、鉛フリーガラスは、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1[wt%]以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
(2)また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。
(2)また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。
具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、内部リード線がタングステン(W)製である場合に、内部リード線の熱膨張係数(約44×10-7[K-1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、内部リード線がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、その熱膨張係数(約51×10-7[K-1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
なお、ガラスの熱膨張係数を調節することにより、蛍光ランプの封止部における内部リード線の封着強度を高めることができる。例えば、内部リード線がタングステン(W)製の場合には、ガラスの熱膨張係数を36×10−7[K-1]〜45×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
なお、ガラスの熱膨張係数を調節することにより、蛍光ランプの封止部における内部リード線の封着強度を高めることができる。例えば、内部リード線がタングステン(W)製の場合には、ガラスの熱膨張係数を36×10−7[K-1]〜45×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
また、内部リード線がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合にはガラスの熱膨張係数を45×10−7[K-1]〜56×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
また、内部リード線がジュメット製の場合にはガラスの熱膨張係数を94×10-7[K-1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の値とすることができる。
本発明に係る蛍光ランプは、初期輝度が高く、輝度維持率に優れていることが要求される、例えば、液晶表示装置に組み込まれるバックライトユニットの光源として好適に利用可能である。
本発明は、蛍光ランプ等に関し、例えば、液晶表示装置におけるバックライトユニットの光源として用いられる蛍光ランプ等に関する。
蛍光ランプの中でも、管状をしたガラスバルブの内面側に蛍光体層が形成され、両端部に内部電極として冷陰極が設けられてなる冷陰極蛍光ランプは、細径化に適している。このため、薄型化(小型化)が要求されるバックライトユニットの光源として好適に用いられている。
また、バックライトユニットの光源用途としては、特に、輝度維持率に優れることが要求される。経時的に生じる輝度低下の主な要因として、蛍光体の劣化と水銀の消耗とが挙げられる。蛍光体の劣化と水銀の消耗は、以下のようにして発生すると考えられている。
また、バックライトユニットの光源用途としては、特に、輝度維持率に優れることが要求される。経時的に生じる輝度低下の主な要因として、蛍光体の劣化と水銀の消耗とが挙げられる。蛍光体の劣化と水銀の消耗は、以下のようにして発生すると考えられている。
従来、蛍光体層は、無数の、赤色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および青色蛍光体粒子と、これらの蛍光体粒子同士を連結する、例えば、CBB(アルカリ土類金属ホウ酸塩の一種)のみからなる結着剤とで構成されている。CBBの大半は、蛍光体粒子にスポット的に付着して蛍光体粒子間を連結し、このため、蛍光体粒子表面の大部分は、CBBから露出していると考えられている。
蛍光体層は、冷陰極蛍光ランプの点灯時に発生する水銀イオンの衝撃にさらされる。この場合、3色の蛍光体粒子の内でも特に青色蛍光体粒子は、露出部分で受ける水銀イオンの衝撃により、その結晶構造が非発光の結晶構造に変化して劣化しやすい。また、青色蛍光体粒子やCBBを叩いた水銀イオンの中には、そのまま、当該青色蛍光体粒子内やCBB内に留まるものがある。これにより、紫外線発光に寄与する水銀が徐々に消耗されることとなる。上記青色蛍光体粒子の劣化や水銀の消耗によって輝度が低下する。
また、ガラスバルブの成分であるナトリウムが放電空間へと溶出し、これと水銀とが反応することによっても水銀が消耗し、輝度が低下する。
そこで、特許文献1には、蛍光体層を蛍光体粒子と当該蛍光体粒子を覆う金属酸化物(例えば、酸化ランタン)とで形成し、ガラスバルブ内壁と前記蛍光体層との間に酸化イットリウム(Y2O3)からなる保護膜を設ける構成が開示されている。
そこで、特許文献1には、蛍光体層を蛍光体粒子と当該蛍光体粒子を覆う金属酸化物(例えば、酸化ランタン)とで形成し、ガラスバルブ内壁と前記蛍光体層との間に酸化イットリウム(Y2O3)からなる保護膜を設ける構成が開示されている。
これにより、金属酸化物被膜によって蛍光体粒子(特に、青色蛍光体粒子)が水銀イオンの衝撃から保護され、また、ガラスバルブから溶出するナトリウムが放電空間に現出するのが阻止されるため、輝度維持率の向上が図られることとなる。
特開2005−11665号公報
しかしながら、本願発明者が特許文献1に記載の冷陰極蛍光ランプの追試を行ったところ、輝度維持率は改善されるものの、ガラスバルブ材料としてソーダガラスを用いた場合の初期輝度が、ホウ珪酸ガラスを用いた場合の初期輝度よりも低くなることを見出した。
現在、冷陰極蛍光ランプを構成するガラスバルブの材料は、強度面からホウ珪酸ガラスが主流であるが、コスト面からソーダガラスを使用したいといった要請がある。この場合、ガラス材料をホウ珪酸ガラスからソーダガラスに切り替えた場合でも、ホウ珪酸ガラスと同等の初期輝度を実現する必要がある。
現在、冷陰極蛍光ランプを構成するガラスバルブの材料は、強度面からホウ珪酸ガラスが主流であるが、コスト面からソーダガラスを使用したいといった要請がある。この場合、ガラス材料をホウ珪酸ガラスからソーダガラスに切り替えた場合でも、ホウ珪酸ガラスと同等の初期輝度を実現する必要がある。
なお、上記した課題は、冷陰極蛍光ランプだけでなく、外部電極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプにも共通するものである。
本発明は、上記した課題に鑑み、ガラスバルブの材料としてソーダガラスを用いた場合であっても、良好な輝度維持率が得られると共に、ホウ珪酸ガラスを用いたのと略同等の初期輝度が得られる蛍光ランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような蛍光ランプを有するバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題に鑑み、ガラスバルブの材料としてソーダガラスを用いた場合であっても、良好な輝度維持率が得られると共に、ホウ珪酸ガラスを用いたのと略同等の初期輝度が得られる蛍光ランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような蛍光ランプを有するバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る蛍光ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブ内面に形成された保護膜と、青色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子、および赤色蛍光体粒子を含み、前記保護膜に重ねて形成された蛍光体層とを有する冷陰極または外部電極蛍光ランプであって、前記ガラスバルブはソーダガラスからなり、前記蛍光体粒子の内、少なくとも青色蛍光体粒子が金属酸化物で被覆されていると共に、前記保護膜がシリカ(SiO2)で形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記保護膜中に、チタン化合物またはセリウム化合物が分散されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、蛍光体粒子の総重量に対し、前記酸化ランタンが、0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の割合で前記蛍光体層に含まれていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、蛍光体粒子の総重量に対し、前記酸化ランタンが、0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の割合で前記蛍光体層に含まれていることが好ましい。
あるいは、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、前記蛍光体層中に、1.3[wt%]以上3[wt%]以下の割合で、結着剤であるCBBPが含まれていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物は、酸化イットリウム(Y2O3)であり、前記蛍光体層は、結着剤としてCBBを含み、当該蛍光体層において、前記蛍光体粒子の総重量100に対する、酸化イットリウムの総重量比をA、CBBの総重量比をBとした場合に、AとBとが、0.1≦A≦0.6、0.4≦(A+B)≦0.7の範囲にあることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記金属酸化物は、酸化イットリウム(Y2O3)であり、前記蛍光体層は、結着剤としてCBBを含み、当該蛍光体層において、前記蛍光体粒子の総重量100に対する、酸化イットリウムの総重量比をA、CBBの総重量比をBとした場合に、AとBとが、0.1≦A≦0.6、0.4≦(A+B)≦0.7の範囲にあることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記青色蛍光体粒子は、ユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウムであり、その不純物の含有量が前記青色蛍光体粒子の総重量に対して0.1[wt%]以下であることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記不純物として酸化セリウムが含まれることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記不純物として酸化セリウムが含まれることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記不純物としてアルミン酸バリウムおよびアルミン酸マグネシウムが含まれることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極を有し、少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極を有し、少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記電極材料は、シリコン、チタン、ストロンチウム及びカルシウムの何れか1以上が、酸化イットリウムの含有量の半分以下の含有量となるように添加されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極と、少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一部に設けられたエミッタであって、一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含むエミッタと、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極と、少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一部に設けられたエミッタであって、一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含むエミッタと、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブは、その両端部が圧潰されており、少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能するリード線と、外方端部が封止された給排気管とが挿通され、さらに、前記リード線と電気的に接続され、前記圧潰端部以外の部分あるいは前記給排気管に取着されている口金を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記口金は、スリーブ状であって、前記ガラスバルブのうち前記圧潰端部以外の未圧潰部分に取着されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給排気管は前記圧潰端部から前記ガラスバルブ外方に向けて延出されており、前記口金は当該延出部に取着されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブは、両端部が封着されており、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に設けられ、当該端部を貫通するリード線と、前記リード線の前記ガラスバルブ内側端部に接合された電極と、前記端部外面および当該端部外面に連続する外周面に形成された導電膜からなり、前記リード線と電気的に接続された給電端子と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給排気管は前記圧潰端部から前記ガラスバルブ外方に向けて延出されており、前記口金は当該延出部に取着されていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブは、両端部が封着されており、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に設けられ、当該端部を貫通するリード線と、前記リード線の前記ガラスバルブ内側端部に接合された電極と、前記端部外面および当該端部外面に連続する外周面に形成された導電膜からなり、前記リード線と電気的に接続された給電端子と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブ内の端部に設けられた電極と、一端部がこの電極に接続され、かつ他端部が前記ガラスバルブの端部から外部に導出しているリード線とを備え、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部には、緩衝材を介して、弾性率がこの緩衝材の弾性率よりも高い部材が取り付けられており、前記リード線は前記緩衝材および前記部材にそれぞれ嵌挿していることが好ましい。
さらに、また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、前記ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとの差が、2[mm]以上であることが好ましい。
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックライトユニットは、光源として、上記する蛍光ランプを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックライトユニットは、光源として、上記する蛍光ランプを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットが、前記蛍光ランプを収納する外囲器を有していて、液晶表示パネルと、前記外囲器が前記液晶表示パネルの背面に配されている当該バックライトユニットとを備えることを特徴とする。
上記構成からなる蛍光ランプによれば、少なくとも青色蛍光体粒子が金属酸化物で被覆されており、ガラスバルブ内面に保護膜が形成されているので、良好な輝度維持率が得られる。また、保護膜がシリカ(SiO2)で形成されているので、ガラスバルブがソーダガラスからなるにも関わらず、ガラスバルブがホウ珪酸ガラスからなる蛍光ランプと略同等の初期輝度が得られることが実験により確認された。
また、保護膜中にチタン化合物またはセリウム化合物が分散されているので、分散させない場合と比較して、当該蛍光ランプから放出される紫外線の量を低減できる。
また、前記金属酸化物を酸化ランタンとし、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、前記酸化ランタンが0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の重量比で蛍光体層に含まれているので、必要な初期輝度と必要な輝度維持率とを得ることができる。
また、前記金属酸化物を酸化ランタンとし、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、前記酸化ランタンが0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の重量比で蛍光体層に含まれているので、必要な初期輝度と必要な輝度維持率とを得ることができる。
また、前記金属酸化物が酸化ランタンであり、前記蛍光体層中に、1.3[wt%]以上3[wt%]以下の割合で、結着剤であるCBBPが含まれているので、蛍光体層が剥がれにくく、かつ必要な輝度が得られる。
また、蛍光体層に含まれる酸化イットリウムとCBBの総重量および両者の混合比を上記の範囲とすることにより、蛍光体層の脱落抑制に加え、製造工程において発生する結着剤の着色に起因する輝度の低下を抑制するといった効果が得られる。
また、蛍光体層に含まれる酸化イットリウムとCBBの総重量および両者の混合比を上記の範囲とすることにより、蛍光体層の脱落抑制に加え、製造工程において発生する結着剤の着色に起因する輝度の低下を抑制するといった効果が得られる。
本発明に係るバックライトユニットは、上記蛍光ランプを光源に有し、本発明に係る液晶表示装置は、当該バックライトユニットを備えるので、表示画面において高い輝度が安定して得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10の概略構成を示す縦断面図である。なお、本図を含む全ての図において、各構成部材間の縮尺は統一していない。
冷陰極蛍光ランプ10は、円形断面を有するガラス管の両端部がリード線12、14で気密封止されてなるガラスバルブ16を有する。ガラスバルブ16は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなり、その全長L2は740[mm]、外径は4[mm]、内径は3[mm](厚みは0.5[mm])である。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10の概略構成を示す縦断面図である。なお、本図を含む全ての図において、各構成部材間の縮尺は統一していない。
冷陰極蛍光ランプ10は、円形断面を有するガラス管の両端部がリード線12、14で気密封止されてなるガラスバルブ16を有する。ガラスバルブ16は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなり、その全長L2は740[mm]、外径は4[mm]、内径は3[mm](厚みは0.5[mm])である。
なお、全長L2は、300[mm]〜1500[mm]の範囲で変更しても良い。また、外径は、1.0[mm]〜8.0[mm]の範囲で変更しても構わないが、好ましくは、2.0[mm]〜4.0[mm]の範囲である。厚み(ガラスの肉厚)は、0.2[mm]〜0.6[mm]の範囲で変更しても構わないが、好ましくは0.3[mm]〜0.5[mm]の範囲である。
ソーダガラスは、Na2Oを4.5[wt%]〜20[wt%]の範囲で含有するガラス材料である。本例では、鉛フリーガラス(Na2O含有量5[wt%]〜12[wt%])を用いている。なお、鉛フリーガラスを用いる場合の好ましいNa2O含有量は、7[wt%]〜10[wt%]の範囲である。
また、ガラスバルブ16の内部には、約2[mg]の水銀(不図示)と、アルゴン(Ar)ガスとネオン(Ne)ガスといった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が封入されている。本例における混合希ガスは、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比で、50[Torr]の圧力で封入されている。なお、混合希ガスの分圧比はこれに限らず、ネオンを60[%]〜99.9[%]の範囲で設定し、残部をアルゴンで占めるようにしても構わない。また、ガス圧も6[kPa]〜18[kPa]の範囲で変更しても良い。
また、ガラスバルブ16の内部には、約2[mg]の水銀(不図示)と、アルゴン(Ar)ガスとネオン(Ne)ガスといった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が封入されている。本例における混合希ガスは、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比で、50[Torr]の圧力で封入されている。なお、混合希ガスの分圧比はこれに限らず、ネオンを60[%]〜99.9[%]の範囲で設定し、残部をアルゴンで占めるようにしても構わない。また、ガス圧も6[kPa]〜18[kPa]の範囲で変更しても良い。
リード線12、14は、それぞれ、ジュメット線からなる内部リード線12A、14Aとニッケルからなる外部リード線12B、14Bの継線である。ガラス管は両端部共、内部リード線12A、14A部分で気密封止されている。内部リード線12A、14A、外部リード線12B、14Bは、共に円形断面を有している。内部リード線12A、14Aの線径は1.0[mm]、全長は3.0[mm]で、外部リード線12B、14Bの線径は0.8[mm]、全長は3.0[mm]である。
なお、リード線は、継線に限らず、FeとNiとの合金からなる単線としても構わない。この場合のリード線の線径は、0.3[mm]〜1.0[mm]の範囲、好ましくは、0.5[mm]〜0.8[mm]の範囲で設定される。
リード線による封止長L3は、1.0[mm]〜2.5[mm]の範囲、好ましくは、1.5[mm]〜2.0[mm]の範囲で設定される。
リード線による封止長L3は、1.0[mm]〜2.5[mm]の範囲、好ましくは、1.5[mm]〜2.0[mm]の範囲で設定される。
ガラスバルブ16の端部に支持された内部リード線12A、14Aのガラスバルブ16内部側端部には、それぞれ、電極18、20がレーザ溶接等によって接合されている。電極18、20は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニオブ棒を加工したものである。電極18、20として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効であるからである(詳細は、特開2002−289138号公報等を参照。)。なお、電極18、20の材料はニオブ(Nb)に限らず、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等でも構わない。
電極18、20は同じ形状をしており、図1(b)に示す各部の寸法は、電極長L1=5.5[mm]、外径P1=2.7[mm]、底厚t=0.2[mm]、(内径P2=2.3[mm])である。なお、電極長L1、外径P1、内径P2,底厚tは、以下に示す範囲で変更可能である。電極長L1は、3[mm]〜10[mm]の範囲、好ましくは、5[mm]〜6[mm]の範囲である。外径P1は、1.0[mm]〜7.0[mm]の範囲、好ましくは、1.5[mm]〜3.0[mm]の範囲である。内径P2は、0.8[mm]〜6.8[mm]の範囲、好ましくは、1.3[mm]〜2.8[mm]の範囲である。底厚tは、0.2[mm]〜0.6[mm]の範囲、好ましくは、0.4[mm]〜0.5[mm]の範囲である。
また、ガラスバルブ16外端から電極20(18)先端までの長さL4は、5[mm]〜10[mm]の範囲、好ましくは、7[mm]〜9[mm]の範囲で設定される。ガラスバルブ16内端から電極20(18)底部までの長さL5は、0.2[mm]〜1.2[mm]の範囲、好ましくは、0.5[mm]〜1.0[mm]の範囲で設定される。
ガラスバルブ16内面には、平均厚み2[μm]の保護膜22が形成されており、また、保護膜22に重ねて蛍光体層24が形成されている。保護膜22は、SiO2(シリカ)からなる。なお、保護膜22の上記「平均厚み」は、管軸方向中央部における円周方向の厚みの平均である。平均厚みは、2[μm]に限らず、0.5[μm]〜4[μm]の範囲で変更してもよい。
ガラスバルブ16内面には、平均厚み2[μm]の保護膜22が形成されており、また、保護膜22に重ねて蛍光体層24が形成されている。保護膜22は、SiO2(シリカ)からなる。なお、保護膜22の上記「平均厚み」は、管軸方向中央部における円周方向の厚みの平均である。平均厚みは、2[μm]に限らず、0.5[μm]〜4[μm]の範囲で変更してもよい。
ガラスバルブ16内端から蛍光体層24(保護膜22)の縁までの長さ(すなわち、ガラスバルブ16内面において、その長手方向、蛍光体層22が形成されていない領域の長さ)L6は、2[mm]〜10[mm]の範囲、好ましくは、4[mm]〜7[mm]の範囲である。
図1におけるA部の詳細図を図2(a)に示す。
図1におけるA部の詳細図を図2(a)に示す。
蛍光体層24は、複数個の蛍光体粒子26と結着剤28とを含む。
蛍光体粒子26の各々は、赤色発光する赤色蛍光体粒子、緑色発光する緑色蛍光体粒子、および青色発光する青色蛍光体粒子の3種類のいずれかである。
赤色蛍光体粒子はユウロピウム付活酸化イットリウム[Y2O3:Eu3+](略号:YOX)で、緑色蛍光体粒子はセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+](略号:LAP)で、青色蛍光体粒子はユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+](略号:BAM)で、それぞれ形成されている。
蛍光体粒子26の各々は、赤色発光する赤色蛍光体粒子、緑色発光する緑色蛍光体粒子、および青色発光する青色蛍光体粒子の3種類のいずれかである。
赤色蛍光体粒子はユウロピウム付活酸化イットリウム[Y2O3:Eu3+](略号:YOX)で、緑色蛍光体粒子はセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+](略号:LAP)で、青色蛍光体粒子はユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+](略号:BAM)で、それぞれ形成されている。
この内、青色蛍光体粒子26Bは、図2(a)に示すように、金属酸化物の一例として示す酸化ランタン(La2O3)からなる被覆30で覆われている。被覆30の形態は、図2(a)に示すような、青色蛍光体粒子26Bの表面を連続した膜状で覆うものに限らず、青色蛍光体粒子26Bの表面に粒状をした酸化ランタンを付着させたものであっても構わない。青色蛍光体粒子26Bを酸化ランタンで被覆するのは、上記「背景技術」で述べたように、青色蛍光体粒子26Bを水銀から保護するためである。なお、被覆30は、酸化ランタンに限らず、他の金属酸化物、例えば、酸化イットリウム(Y2O3)、アルミナ(Al2O3)、酸化カルシウム(CaO)、シリカ(SiO2)等で形成しても構わない。
結着剤26は、アルカリ土類金属ホウ酸塩の一例として示すCBBP(Ca2P2O7,BaO,B2O3)からなる。この結着剤26が蛍光体粒子同士を連結すると共に、蛍光体粒子26を保護膜22に固着する。蛍光体層24における結着剤(CBBP)26の重量率は、1.3[wt%]〜3.0[wt%]の範囲が好ましい。1.3[wt%]よりも少ないと必要な結着力(連結力や固着力)が得られず、また、3.0[wt%]を超えると、水銀から発せられる紫外線の蛍光体粒子への到達率が低下すると共に、蛍光体粒子で発生する可視光のランプ外への透過率が低下して、必要とする輝度が得られなくなるからである。言うまでもなく、結着力が小さすぎると蛍光体層24が剥がれ易くなる。なお、CBBPは、CBB(CaO,BaO,B2O3)に、P(ピロリン酸カルシウム)を加えたものである。
次に、上記構成からなる冷陰極蛍光ランプ10の製造工程の内、保護膜22と蛍光体層24の形成に関わる工程について図3を参照しながら説明する。保護膜22と蛍光体層24の形成方法は、ガラス管の内面に塗布する塗布液(分散液、懸濁液)が異なる以外は、基本的に同様である。
先ず、図3に示す工程Cでは、ガラスバルブ16の素材であるガラス管32の内面に分散液34を付着させる。
先ず、図3に示す工程Cでは、ガラスバルブ16の素材であるガラス管32の内面に分散液34を付着させる。
具体的には、分散液34の入ったタンク36を準備する。分散液34は、水に粉末のシリカ(SiO2)を分散させたものである。なお、分散液として、アルコールに粉末のシリカを分散させたものを用いても構わない。シリカの粒径は0.01[μm]〜0.1[μm]の範囲内である。
そして、ガラス管32を、垂直に立て下端部を分散液34に浸した状態で保持する。不図示の真空ポンプの吸引力によって、ガラス管32の上端からガラス管32内を排気して、ガラス管32内を負圧にして分散液34を吸い上げる。ガラス管32内の液面が上端に至る途中(所定の高さ)で吸い上げを止めて、ガラス管32を分散液34から引き上げる。
これにより、ガラス管32内周の所定領域に、分散液34が膜状に付着する。
そして、ガラス管32を、垂直に立て下端部を分散液34に浸した状態で保持する。不図示の真空ポンプの吸引力によって、ガラス管32の上端からガラス管32内を排気して、ガラス管32内を負圧にして分散液34を吸い上げる。ガラス管32内の液面が上端に至る途中(所定の高さ)で吸い上げを止めて、ガラス管32を分散液34から引き上げる。
これにより、ガラス管32内周の所定領域に、分散液34が膜状に付着する。
ガラス管32内に乾燥したエアーを吹き込んで、膜状に付着した分散液34を乾燥させた(この工程は不図示)後、工程Cにおいて分散液34の吸い込み側となった端部付近の乾燥膜を一部除去する(工程D)。
次に、工程Eに示すように、ガラス管32を石英管38に挿入して横たわらせ、当該石英管38に空気40を送り込みながら、石英管38外部からヒーター42で加熱して、約15[分]間、焼成(シンター)をする。ヒーター42による加熱温度は、ガラス管32内周面が630[℃]となる程度に調整される。
次に、工程Eに示すように、ガラス管32を石英管38に挿入して横たわらせ、当該石英管38に空気40を送り込みながら、石英管38外部からヒーター42で加熱して、約15[分]間、焼成(シンター)をする。ヒーター42による加熱温度は、ガラス管32内周面が630[℃]となる程度に調整される。
この焼成によって、ガラス管32内面にシリカからなる保護膜22が形成される。
保護膜22の形成に続いて、蛍光体層24が形成される。蛍光体層24の形成方法は、分散液34に代えて、懸濁液44が用いられること、乾燥工程における温風の温度と焼成の温度及び時間が異なる以外は、上記した保護膜22の形成方法と基本的に同様である。したがって、以下、上記異なる点を中心に述べる。
保護膜22の形成に続いて、蛍光体層24が形成される。蛍光体層24の形成方法は、分散液34に代えて、懸濁液44が用いられること、乾燥工程における温風の温度と焼成の温度及び時間が異なる以外は、上記した保護膜22の形成方法と基本的に同様である。したがって、以下、上記異なる点を中心に述べる。
懸濁液44は、有機溶媒としての酢酸ブチルの中に、所定量の蛍光体粒子、CBBPの粒子、増粘剤としてニトロセルロース(NC)を加えたものである。
3色の蛍光体粒子の混合割合は、その総重量に対し、青色蛍光体粒子が38.8[wt%]、緑色蛍光体粒子が28.8[wt%]、赤色蛍光体粒子が36.4[wt%]の重量比となる。なお、青色蛍光体粒子は、酸化ランタン被覆込みの重量である。この場合に、酸化ランタンは、前記総重量に対し、0.1[wt%]〜1.5[wt%]の割合を占めている。0.1[wt%]を下回ると、必要な輝度維持率が得られず、1.5[wt%]を上回ると必要となる初期輝度が得られないからである。なお、酸化ランタンの比率と初期輝度との関係を調べた実験結果については後述する。
3色の蛍光体粒子の混合割合は、その総重量に対し、青色蛍光体粒子が38.8[wt%]、緑色蛍光体粒子が28.8[wt%]、赤色蛍光体粒子が36.4[wt%]の重量比となる。なお、青色蛍光体粒子は、酸化ランタン被覆込みの重量である。この場合に、酸化ランタンは、前記総重量に対し、0.1[wt%]〜1.5[wt%]の割合を占めている。0.1[wt%]を下回ると、必要な輝度維持率が得られず、1.5[wt%]を上回ると必要となる初期輝度が得られないからである。なお、酸化ランタンの比率と初期輝度との関係を調べた実験結果については後述する。
ニトロセルロースは、酢酸ブチルの溶液で2[wt%]に薄めたもの(ニトロセルロース溶液)をもちいている。
懸濁液44は、重量比で、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、ニトロセルロース溶液が2[wt%]、CBBPが1.5[wt%]、酢酸ブチルが60[wt%]となる割合で混合されている。ニトロセルロースと酢酸ブチルとは、後述する焼成工程において揮発し、消散してしまうので、最終的に得られる蛍光体層は蛍光体粒子とCBBPで構成される。したがって、上記重量比の場合、最終的に得られる蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、約1.5[wt%][={(1.5)/(1.5+100)}×100]になる。なお、蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、1.5[wt%]に限らず、1.3[wt%]〜3[wt%]の範囲で適宜、調整してもよい。
懸濁液44は、重量比で、蛍光体粒子の総重量を100とした場合に、ニトロセルロース溶液が2[wt%]、CBBPが1.5[wt%]、酢酸ブチルが60[wt%]となる割合で混合されている。ニトロセルロースと酢酸ブチルとは、後述する焼成工程において揮発し、消散してしまうので、最終的に得られる蛍光体層は蛍光体粒子とCBBPで構成される。したがって、上記重量比の場合、最終的に得られる蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、約1.5[wt%][={(1.5)/(1.5+100)}×100]になる。なお、蛍光体層中に占めるCBBPの割合は、1.5[wt%]に限らず、1.3[wt%]〜3[wt%]の範囲で適宜、調整してもよい。
焼成工程における焼成温度は、630[℃]で焼成時間は15[分]間である。
以上のようにして保護膜22と蛍光体層24とが形成されてなる冷陰極蛍光ランプ10と、ガラスバルブの材料と保護膜の材料との組み合わせの異なる冷陰極蛍光ランプを作製して、初期輝度および初期色度ずれの比較試験を行った。ここで、当該試験において、冷陰極蛍光ランプ10は、「ランプA」と称することとする。また、他の冷陰極蛍光ランプ(ランプB〜F)のガラスバルブ材料と保護膜の組み合わせと試験結果は図4に示す通りである。
以上のようにして保護膜22と蛍光体層24とが形成されてなる冷陰極蛍光ランプ10と、ガラスバルブの材料と保護膜の材料との組み合わせの異なる冷陰極蛍光ランプを作製して、初期輝度および初期色度ずれの比較試験を行った。ここで、当該試験において、冷陰極蛍光ランプ10は、「ランプA」と称することとする。また、他の冷陰極蛍光ランプ(ランプB〜F)のガラスバルブ材料と保護膜の組み合わせと試験結果は図4に示す通りである。
ランプA〜Eは、ガラスバルブ材料と保護膜が異なる以外は、基本的に同じ構成である。ランプFは、参考のため作製したランプであり、青色蛍光体粒子に酸化ランタン被覆を施していないものである。
各ランプ共に5本ずつ作製した。各々について、初めての点灯から10[分]経過時の輝度(この明細書で初期輝度と定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。また、各々について、初めての点灯から10[分]経過時におけるランプDに対するCIE1931色度図上の相対的な色度差[△x、△y](この明細書で初期色度ずれと定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。
各ランプ共に5本ずつ作製した。各々について、初めての点灯から10[分]経過時の輝度(この明細書で初期輝度と定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。また、各々について、初めての点灯から10[分]経過時におけるランプDに対するCIE1931色度図上の相対的な色度差[△x、△y](この明細書で初期色度ずれと定義する)を測定し、5[本]の平均値同士で各ランプ間の比較を行った。
図4に示す結果から、「発明が解決しようとする課題」に記載したように、酸化イットリウムで保護膜を形成したランプB、C間においては、ガラスバルブをソーダガラスで作製したランプCの初期輝度が、ホウ珪酸ガラスで作製したランプBの初期輝度よりも約10[%]低いことが分かる。
これに対し、実施の形態1に係るランプAは、ガラスバルブがソーダガラスでできているにもかかわらず、ホウ珪酸ガラスのランプBと同等の初期輝度が得られる。このことは、保護膜の違いによるものと推察される。保護膜を形成しないランプD,E間において、ガラスバルブ材料の違いによって初期輝度にあまり差が認められないばかりか、逆に、ガラスバルブをソーダガラスで作製したランプEの方の初期輝度が少し高めになっているからである。酸化イットリウム(Y2O3)は、熱伝導性がシリカ(SiO2)に比べて大きいため、製造途中のシンター工程において、加熱による熱の影響を受けやすい。これにより、イットリアの保護膜を設けたランプCでは、保護膜からガラスバルブへと熱が伝わりやすく、ガラスバルブの保護膜に隣接している部分のナトリウムイオンが拡散しやすくなる。特にナトリウムの含有率の高いソーダガラスでは、拡散したナトリウムイオンと水銀イオンとが一部で合金化して着色するため、その影響により、初期輝度が低下しているものと考えられる。
これに対し、実施の形態1に係るランプAは、ガラスバルブがソーダガラスでできているにもかかわらず、ホウ珪酸ガラスのランプBと同等の初期輝度が得られる。このことは、保護膜の違いによるものと推察される。保護膜を形成しないランプD,E間において、ガラスバルブ材料の違いによって初期輝度にあまり差が認められないばかりか、逆に、ガラスバルブをソーダガラスで作製したランプEの方の初期輝度が少し高めになっているからである。酸化イットリウム(Y2O3)は、熱伝導性がシリカ(SiO2)に比べて大きいため、製造途中のシンター工程において、加熱による熱の影響を受けやすい。これにより、イットリアの保護膜を設けたランプCでは、保護膜からガラスバルブへと熱が伝わりやすく、ガラスバルブの保護膜に隣接している部分のナトリウムイオンが拡散しやすくなる。特にナトリウムの含有率の高いソーダガラスでは、拡散したナトリウムイオンと水銀イオンとが一部で合金化して着色するため、その影響により、初期輝度が低下しているものと考えられる。
ランプC,F間で初期輝度に差が生じているのは、青色蛍光体粒子が酸化ランタンで被覆されていない分、ランプFの初期輝度が高めにでているからであると思われる。しかしながら、ランプFは、青色蛍光体粒子を酸化ランタンで被覆しているランプA,B,Cよりも輝度維持率が極端に低下することが確認されているので、青色蛍光体粒子を酸化ランタン(金属酸化物)で被覆することは不可欠である。
初期色度ずれは、△x,△y共に0.005以下であることが実使用上好ましい。図4に示す結果から、色度ずれに関し、実施の形態1に係るランプAは、ランプBおよびランプCとほぼ同等の成績を有し、共に0.005以下であることがわかる。
なお、図5は、ランプA,B,Cのそれぞれについて、点灯後の経過時間[h]と光束維持率[%]との関係について行った実験結果を示すグラフである。同グラフに示すようにランプA,B,Cの各々は、輝度維持率においては略同等であることが確認されている。
なお、図5は、ランプA,B,Cのそれぞれについて、点灯後の経過時間[h]と光束維持率[%]との関係について行った実験結果を示すグラフである。同グラフに示すようにランプA,B,Cの各々は、輝度維持率においては略同等であることが確認されている。
以上の試験結果から、ガラスバルブの材料としてソーダガラスを用いても、保護膜をシリカ(SiO2)で形成することによって(ランプA)、ガラスバルブの材料にホウ珪酸ガラスを用い、保護膜を酸化イットリウム形成したランプ(ランプB)と同等の初期輝度が得られることが分かる。
このように、冷陰極蛍光ランプ10は、初期輝度と輝度維持率に優れるのであるが、紫外線の遮断性の点で、ソーダガラスはホウ珪酸ガラスよりも劣っている。後述するようにバックライトユニットの光源として用いる場合は、以下に記す理由から紫外線対策の必要がある。バックライトユニットの構成部材の一つである拡散板はこれまで主としてアクリル系樹脂で形成されてきた。しかしながら、アクリル系樹脂は機械的強度が比較的低く、温度や湿度等の周囲環境の変動によって伸縮しやすく寸法安定性が良くないといった性質がある。このため、液晶テレビ等に代表される液晶表示装置の近年における大画面化に伴い、拡散板にアクリル系樹脂を用いることが困難になってきている。そこで、アクリル系樹脂に代えて、機械的強度と寸法安定性に優れるポリカーボネート樹脂が用いられるようになってきた。ところが、ポリカーボネート樹脂には、紫外線を受けて劣化し易いという性質があるからである。なお、特に、蛍光ランプから放出される紫外線の内、313[nm]の波長のものが劣化の要因である。
このように、冷陰極蛍光ランプ10は、初期輝度と輝度維持率に優れるのであるが、紫外線の遮断性の点で、ソーダガラスはホウ珪酸ガラスよりも劣っている。後述するようにバックライトユニットの光源として用いる場合は、以下に記す理由から紫外線対策の必要がある。バックライトユニットの構成部材の一つである拡散板はこれまで主としてアクリル系樹脂で形成されてきた。しかしながら、アクリル系樹脂は機械的強度が比較的低く、温度や湿度等の周囲環境の変動によって伸縮しやすく寸法安定性が良くないといった性質がある。このため、液晶テレビ等に代表される液晶表示装置の近年における大画面化に伴い、拡散板にアクリル系樹脂を用いることが困難になってきている。そこで、アクリル系樹脂に代えて、機械的強度と寸法安定性に優れるポリカーボネート樹脂が用いられるようになってきた。ところが、ポリカーボネート樹脂には、紫外線を受けて劣化し易いという性質があるからである。なお、特に、蛍光ランプから放出される紫外線の内、313[nm]の波長のものが劣化の要因である。
ここで、セリウム化合物やチタン化合物が持つ紫外線を吸収する性質を利用し、セリウム化合物やチタン化合物のみからなる紫外線遮断膜をガラスバルブ内面側に形成することが考えられる。しかしながら、セリウム化合物やチタン化合物には可視光も遮断する性質があるので、紫外線遮断効果が十[分]に発揮される膜厚にすると、問題となる程に輝度が低下してしまう。なお、上記紫外線遮断膜を0.2[μm]の膜厚で形成すると、313[nm]の波長の紫外線を完全に遮断することができる。
そこで、本願発明者は、セリウム化合物またはチタン化合物を、シリカ(SiO2)からなる保護膜中に分散させることとした。
具体的には、平均で2[μm]の膜厚を有する保護膜中に、酸化セリウム(CeO)または酸化チタン(TiO2)を1[wt%]〜20[wt%]の範囲で分散させることとした。
具体的には、平均で2[μm]の膜厚を有する保護膜中に、酸化セリウム(CeO)または酸化チタン(TiO2)を1[wt%]〜20[wt%]の範囲で分散させることとした。
続いて、先に言及した蛍光体総重量に対する酸化ランタンの比率と初期輝度との関係を調査した実験結果について説明する。
本願の発明者は、上記ランプAの構成において、蛍光体粒子の総重量に対し酸化ランタンの重量比率(以下、「含有比率」と称する。)の異なるランプを作製し、その各々について初期輝度を調べる実験を実施した。蛍光体粒子の総重量に対する酸化ランタンの含有比率は、0[wt%]、0.1[wt%]、0.3[wt%]、0.5[wt%]、0.6[wt%]、0.9[wt%]、1.2[wt%]、1.5[wt%]、1.8[wt%]の9通りとした。なお、蛍光体粒子は、青色蛍光体粒子(BAM)、赤色蛍光体粒子(YOX)、緑色蛍光体粒子(LAP)を2:1:1の重量比率で用いた。
本願の発明者は、上記ランプAの構成において、蛍光体粒子の総重量に対し酸化ランタンの重量比率(以下、「含有比率」と称する。)の異なるランプを作製し、その各々について初期輝度を調べる実験を実施した。蛍光体粒子の総重量に対する酸化ランタンの含有比率は、0[wt%]、0.1[wt%]、0.3[wt%]、0.5[wt%]、0.6[wt%]、0.9[wt%]、1.2[wt%]、1.5[wt%]、1.8[wt%]の9通りとした。なお、蛍光体粒子は、青色蛍光体粒子(BAM)、赤色蛍光体粒子(YOX)、緑色蛍光体粒子(LAP)を2:1:1の重量比率で用いた。
実験結果を図6に示す。図6は、横軸に酸化ランタンの含有比率をとり、縦軸に酸化ランタンの含有比率が「0」のときの初期輝度を100[%]とした場合の各含有比率における相対初期輝度(初期輝度比)をとった図である。なお、各プロット点の座標値も括弧で囲んで併記している。図6より、酸化ランタンの含有比率は、1.5[wt%]以下であることが好ましい。酸化ランタンの含有比率が1.5[wt%]以下の場合、酸化ランタンを含有していない場合に対する初期輝度を93[%]より高くすることができるからである。さらに、酸化ランタンの含有比率は、0.9[wt%]以下であることがより好ましい。酸化ランタンの含有比率が1.5[wt%]以下の場合、酸化ランタンを含有していない場合に対する初期輝度を96[%]より高くすることができるからである。
図79は、蛍光体層の蛍光体粒子の総重量に対する酸化ランタンの重量比率[wt%]を横軸に、色ずれの度合いを縦軸に表したものである。ここで、色度ずれとは、CIE色度座標(x,y)上において実際のCIE色度座標上の値(x1,y1)に対する目標値(設計値)からのずれの度合いをいう。よって、目標とするCIE色度座標上の値を(x0,y0)とすると、色度ずれは(Δx2+Δy2)1/2(但し、Δx=x0−x1、Δy=y0−y1、である。)で表される。そして、発明者らは色ずれによるランプの光の直接的または間接的な視覚的影響を検討した結果、色度ずれ(Δx2+Δy2)1/2が0.01を越える場合には、ランプの色が黄色味を帯びてしまうため、例えば、液晶表示装置のバックライトとして用いる場合には、液晶表示画面の色再現に悪影響を及ぼし、好ましくないことを見出した。この知見に基づき、図79から明らかなように酸化ランタンの含有比率が0.1[wt%]の時、色ずれの度合い(Δx2+Δy2)1/2は0.009となり、この値においてはランプの光の色ずれを防止できるため、酸化ランタンの含有比率は、0.1[wt%]以上であることが好ましい。さらに、酸化ランタンの含有比率が0.3[wt%]以上の場合、ランプの光の色度ずれをさらに抑制することができるため、より好ましい。
図7は、冷陰極蛍光ランプ10を有するバックライトユニット100の概略構成を示す斜視図である。なお、図7は、後述する拡散板108、拡散シート110、およびレンズシート112を破断した図である。
バックライトユニット100は、長方形をした反射板102と反射板102を囲む側板104とからなる外囲器106を有する。反射板102と側板104は共にPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる板材の一方の主表面(外囲器106として組み立てられた際に内側となる面)に銀などを蒸着した反射膜(不図示)が形成されているものである。
バックライトユニット100は、長方形をした反射板102と反射板102を囲む側板104とからなる外囲器106を有する。反射板102と側板104は共にPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる板材の一方の主表面(外囲器106として組み立てられた際に内側となる面)に銀などを蒸着した反射膜(不図示)が形成されているものである。
前記外囲器106内には、光源として複数本(本例では8[本])の冷陰極蛍光ランプ10が、前記反射板102の長辺と平行に短辺方向に等間隔で収納されている。
また、前記外囲器106の開口部には、ポリカーボネート樹脂からなる拡散板108、アクリル系樹脂からなる拡散シート110、およびポリエステル系樹脂からなるレンズシート112が設けられている。
また、前記外囲器106の開口部には、ポリカーボネート樹脂からなる拡散板108、アクリル系樹脂からなる拡散シート110、およびポリエステル系樹脂からなるレンズシート112が設けられている。
次に、バックライトユニット100を、液晶表示装置の一例として示す液晶テレビに用いた例を示す。
図8は、当該液晶テレビ114を、その前面の一部を切り欠いた状態で示す図である。図8に示す液晶テレビ114は、液晶表示パネル116およびバックライトユニット100等を備える。
図8は、当該液晶テレビ114を、その前面の一部を切り欠いた状態で示す図である。図8に示す液晶テレビ114は、液晶表示パネル116およびバックライトユニット100等を備える。
液晶表示パネル116は、カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等からなり、外部からの画像信号に基づき、駆動モジュール(不図示)で駆動されて、カラー画像を形成する。
バックライトユニット100の外囲器106は、液晶表示パネル116の背面に設けられ、背面から液晶表示パネル116を照射する。
バックライトユニット100の外囲器106は、液晶表示パネル116の背面に設けられ、背面から液晶表示パネル116を照射する。
冷陰極蛍光ランプ10を点灯するためのインバータ118は、液晶テレビ114の筐体120内であって、外囲器106の外に配されている。
以上、本発明を実施の形態1に基づいて説明したが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態1では、蛍光体層において、青色蛍光体粒子だけを金属酸化物(酸化ランタン)で被覆することとしたが、これに限らず、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子も金属酸化物で覆われるように、蛍光体層を形成することとしても構わない。
以上、本発明を実施の形態1に基づいて説明したが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態1では、蛍光体層において、青色蛍光体粒子だけを金属酸化物(酸化ランタン)で被覆することとしたが、これに限らず、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子も金属酸化物で覆われるように、蛍光体層を形成することとしても構わない。
そのような蛍光体層の形成方法は、特再表WO2002/047112号公報に開示されているので、その詳細な説明は省略するが、懸濁液に金属酸化物を加えること以外は、基本的には、上記実施の形態1における蛍光体層の形成方法と同様である。
蛍光体粒子を、酸化イットリウムで被覆する場合の懸濁液は、有機溶媒としての酢酸ブチルの中に、所定量の蛍光体粒子、イットリウム化合物としてカルボン酸イットリウム[
Y(CnH2n+1COO)3]、CBBの粒子、増粘剤としてニトロセルロース(NC)を加えたものを用いる。
蛍光体粒子を、酸化イットリウムで被覆する場合の懸濁液は、有機溶媒としての酢酸ブチルの中に、所定量の蛍光体粒子、イットリウム化合物としてカルボン酸イットリウム[
Y(CnH2n+1COO)3]、CBBの粒子、増粘剤としてニトロセルロース(NC)を加えたものを用いる。
上記懸濁液の塗布・乾燥・焼成によって形成された蛍光体層50を有する冷陰極蛍光ランプの蛍光体層およびその近傍の一部を拡大した断面図を図2(b)に示す。蛍光体粒子26は、どの色の蛍光体粒子も酸化イットリウムからなる被覆52で覆われている。複数個の(無数にある)蛍光体粒子26の内、図2(b)に示すように、被膜52でその表面全体が覆われているものもあれば、図示はしないが、表面の一部が被膜52で覆われ、残りの表面が露出している蛍光体粒子も存在するものと推察されている。しかしながら、いずれの蛍光体粒子も被膜52によって、全体的(完全)にしても部分的にしても、覆われていることには変わりない。また、蛍光体粒子26は、主として、CBBからなる結着剤54で連結されている。
また、本願発明者は、蛍光体粒子の総重量を「100」とした場合における、酸化イットリウムの総重量比「A」およびCBBの総重量比「B」の異なる蛍光ランプを作製して、下記の観点から試験および観察を行い、「A」と「B」の好ましい範囲を画定した。ここでは、詳細なデータは省略し、結果のみを記載することとする。
(i) 蛍光ランプに外から衝撃が加わった際に生じる蛍光体層の脱落の有無について試
験を行った(衝撃試験)。
(i) 蛍光ランプに外から衝撃が加わった際に生じる蛍光体層の脱落の有無について試
験を行った(衝撃試験)。
この結果、「0.1≦A」または「0.1≦B」で、かつ、「0.4≦(A+B)」であれば、蛍光体層の脱落が生じにくいことが判明した。
(ii) ガラス容器を外部から観察した際に薄茶色に変色し、これが原因で輝度が低下することを、本願発明者が見出した。これは以下の原因によるものと推察される。製造工程における焼成(シンター)工程において、一般式CnH2n+2で表される炭化水素が生成される。一方で、CBBが溶融してガラス状になるのであるが、このときに、当該CBBが前記炭化水素を取り込んでしまって茶色に変色するものと思われる。
(ii) ガラス容器を外部から観察した際に薄茶色に変色し、これが原因で輝度が低下することを、本願発明者が見出した。これは以下の原因によるものと推察される。製造工程における焼成(シンター)工程において、一般式CnH2n+2で表される炭化水素が生成される。一方で、CBBが溶融してガラス状になるのであるが、このときに、当該CBBが前記炭化水素を取り込んでしまって茶色に変色するものと思われる。
ここで、結着剤にCBBのみを用いた従来の蛍光ランプに対して3[%]を超えて輝度が低下するものを不合格とし、輝度低下が3[%]以下に止まるものを合格とした。
その結果、輝度低下を防止するといった観点からは、「A≦0.6」または「B≦0.6」で、かつ、「(A+B)≦0.7」であればよいことが判明した。
以上、蛍光体層の脱落防止、輝度低下防止の両観点から、酸化イットリウムとCBBとを「0.1≦A≦0.6」(または、「0.1≦B≦0.6」)かつ、「0.4≦(A+B)≦0.7」となる範囲で混合すればよいこととなる。
(2)また、蛍光体層は、以下のように形成しても構わない。先ず、上記(1)した範囲(「0.1≦B≦0.6」)でCBBを用いるか、あるいは、CBBを用いずに酸化イットリウムと蛍光体粒子だけで、上記した塗布・乾燥・焼成工程を含む製法により層(蛍光体予備層)を形成する。その後、酢酸ブチルとニトロセルロースとCBBの粒子からなる懸濁液を前記蛍光体予備層に塗布・浸透させた後、乾燥・焼成させて蛍光体層を形成する。このようにすることにより、上記着色の問題が生じないことに加え、輝度が低下しない範囲で、CBBを増量することができ、蛍光体層の脱落防止に一層効果を発揮する。
(3)上記実施の形態1では、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を例にとって説明したが、本発明は、これに限らず、いわゆる外部電極型蛍光ランプ(EEFL:ExternalElectrodes Fluorescent Lamp)にも適用可能である。外部電極型蛍光ランプとは、内部電極に代えて、例えば、ガラスバルブの両端部分のガラスバルブ外周に外部電極を設け、ガラス管壁をキャパシタンスとして利用する誘電体バリア放電ランプの一種である。
その結果、輝度低下を防止するといった観点からは、「A≦0.6」または「B≦0.6」で、かつ、「(A+B)≦0.7」であればよいことが判明した。
以上、蛍光体層の脱落防止、輝度低下防止の両観点から、酸化イットリウムとCBBとを「0.1≦A≦0.6」(または、「0.1≦B≦0.6」)かつ、「0.4≦(A+B)≦0.7」となる範囲で混合すればよいこととなる。
(2)また、蛍光体層は、以下のように形成しても構わない。先ず、上記(1)した範囲(「0.1≦B≦0.6」)でCBBを用いるか、あるいは、CBBを用いずに酸化イットリウムと蛍光体粒子だけで、上記した塗布・乾燥・焼成工程を含む製法により層(蛍光体予備層)を形成する。その後、酢酸ブチルとニトロセルロースとCBBの粒子からなる懸濁液を前記蛍光体予備層に塗布・浸透させた後、乾燥・焼成させて蛍光体層を形成する。このようにすることにより、上記着色の問題が生じないことに加え、輝度が低下しない範囲で、CBBを増量することができ、蛍光体層の脱落防止に一層効果を発揮する。
(3)上記実施の形態1では、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を例にとって説明したが、本発明は、これに限らず、いわゆる外部電極型蛍光ランプ(EEFL:ExternalElectrodes Fluorescent Lamp)にも適用可能である。外部電極型蛍光ランプとは、内部電極に代えて、例えば、ガラスバルブの両端部分のガラスバルブ外周に外部電極を設け、ガラス管壁をキャパシタンスとして利用する誘電体バリア放電ランプの一種である。
また、本発明は、内部電極として熱陰極を有する熱陰極蛍光ランプ(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)にも適用可能である。
(4)上記実施の形態1では、保護膜をシリカ(SiO2)で形成したが、アルミナ(Al2O3)で形成しても構わない。
<実施の形態2>
一般に使用されている現行の冷陰極蛍光ランプでは、ガラスバルブ内にネオン(Ne)ガスが95[%]でアルゴン(Ar)ガスが5[%]の分圧比からなる混合ガスが60[Torr]の圧力で封入されている。この混合ガスの圧力を下げれば、発光効率が向上することが知られている。しかしながら、混合ガスの封入圧を単に下げただけでは、輝度維持率が低下して寿命が短くなってしまう。
(4)上記実施の形態1では、保護膜をシリカ(SiO2)で形成したが、アルミナ(Al2O3)で形成しても構わない。
<実施の形態2>
一般に使用されている現行の冷陰極蛍光ランプでは、ガラスバルブ内にネオン(Ne)ガスが95[%]でアルゴン(Ar)ガスが5[%]の分圧比からなる混合ガスが60[Torr]の圧力で封入されている。この混合ガスの圧力を下げれば、発光効率が向上することが知られている。しかしながら、混合ガスの封入圧を単に下げただけでは、輝度維持率が低下して寿命が短くなってしまう。
実施の形態2は、上記した課題に鑑み、現行の冷陰極蛍光ランプと代替させても輝度維持率上問題は無く、かつ発光効率のさらに向上した冷陰極蛍光ランプおよび当該冷陰極蛍光ランプを光源として有するバックライトユニットを提供することを目的とする。
実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態2に係る冷陰極蛍光ランプ10Aは、主として、混合ガスの封入圧および蛍光体層(保護膜)の形成領域が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプ10と同様の構成をしている。また、バックライトユニットも、冷陰極蛍光ランプを除いて、実施の形態1のバックライトユニットと同様の構成である。したがって、実施の形態2において、実施の形態1と実質的に同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明については省略することとする。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
図9は、本実施の形態2に係る直下方式のバックライトユニット100Aの構成を示す概略斜視図であり、図7と同様に描いたものである。
実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態2に係る冷陰極蛍光ランプ10Aは、主として、混合ガスの封入圧および蛍光体層(保護膜)の形成領域が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプ10と同様の構成をしている。また、バックライトユニットも、冷陰極蛍光ランプを除いて、実施の形態1のバックライトユニットと同様の構成である。したがって、実施の形態2において、実施の形態1と実質的に同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明については省略することとする。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
図9は、本実施の形態2に係る直下方式のバックライトユニット100Aの構成を示す概略斜視図であり、図7と同様に描いたものである。
ランプ10Aは直管状をしており、直管の長手方向の軸が外囲器106の長手方向(横方向)に略一致した姿勢の14[本]のランプ10Aが、外囲器106の短手方向(縦方向)に所定間隔を空けて交互に配置されている。なお、「交互に」の意味内容については後述する。
これらのランプ10Aは、バックライトユニット100Aの構成要素の一つである点灯装置200(図17)により点灯される。点灯装置200については後述する。
これらのランプ10Aは、バックライトユニット100Aの構成要素の一つである点灯装置200(図17)により点灯される。点灯装置200については後述する。
2.冷陰極型蛍光ランプおよび点灯装置の構成
つぎに、図10を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ10Aの構成について説明する。図10(a)は、冷陰極蛍光ランプ10Aの概略構成を示す一部切欠図である。図10(b)は、ガラスバルブ16において、蛍光体層24が形成された領域を示す模式図である。なお、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様の保護膜に重ねて、蛍光体層24が形成されているのであるが、実施の形態2では、保護膜の図示は省略し、また保護膜には言及しないこととする。
つぎに、図10を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ10Aの構成について説明する。図10(a)は、冷陰極蛍光ランプ10Aの概略構成を示す一部切欠図である。図10(b)は、ガラスバルブ16において、蛍光体層24が形成された領域を示す模式図である。なお、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様の保護膜に重ねて、蛍光体層24が形成されているのであるが、実施の形態2では、保護膜の図示は省略し、また保護膜には言及しないこととする。
ガラスバルブ16の内部には、水銀がガラスバルブ16の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60([Torr])で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar-5[%]、Ne-95[%])の分圧比の混合ガスが用いられる。
蛍光体層24は、ガラスバルブ16長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ10A点灯時の発光特性に影響することとなる。
蛍光体層24は、ガラスバルブ16長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ10A点灯時の発光特性に影響することとなる。
ここで、前記したように、希ガスの封入圧を下げればランプの効率が向上すると一般的に考えられている。このことを確認すべく、本願発明者は、封入圧が効率に与える影響を調査すべく実験を行った。
実験に供した冷陰極蛍光ランプのガラスバルブの外径は3[mm]、内径は2[mm]、全長は450[mm]である。また、ガラスバルブ内には、分圧比でネオン90[%]、アルゴン10[%]からなる混合ガスが封入されている。
実験に供した冷陰極蛍光ランプのガラスバルブの外径は3[mm]、内径は2[mm]、全長は450[mm]である。また、ガラスバルブ内には、分圧比でネオン90[%]、アルゴン10[%]からなる混合ガスが封入されている。
この混合ガスの25℃における封入圧(全圧)が異なる冷陰極蛍光ランプを作製した。封入圧は10[Torr]、20[Torr]、40[Torr]、60[Torr]、80[Torr]の5通りとした。また、各封入圧において冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流も、4[mA]、6[mA]、8[mA]、10[mA]の4通りに変化させた。点灯の際の周囲温度は、バックライトユニット内の温度環境を考慮して50[℃]に設定した。
実験結果を図11に示す。なお、ここにおける効率の値は、冷陰極蛍光ランプから得られる輝度[cd/m2]を入力電力[W]で除したものである。
図11から、駆動電流が10[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで効率は徐々に向上し、40[Torr]以下では横ばいになることが分かる。
図11から、駆動電流が10[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで効率は徐々に向上し、40[Torr]以下では横ばいになることが分かる。
一方、駆動電流が8[mA],6[mA],4[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで効率は徐々に向上するものの、40[Torr]あたりを境に、効率は低下に転じることが分かる。ここで、封入圧を下げれば効率は向上すると一般的に考えられていたところ、駆動電流によっては、封入圧を下げすぎるとかえって効率が下がってしまうことが見出された。
現行の冷陰極蛍光ランプにおける混合ガスの封入圧が60[Torr]であることから、この60[Torr]に対し、封入圧(および電流)の違いによって効率がどの程度異なってくるのかを分かりやすくするため、図11を基にして図12を作成した。ここで、混合ガスの封入圧が60[Torr]である冷陰極蛍光ランプを、以下、「基準ランプ」と称する。
図12は、封入圧が60[Torr]のときの効率に対する、各封入圧−各駆動電流における効率を百分比で表したグラフである。
図12は、封入圧が60[Torr]のときの効率に対する、各封入圧−各駆動電流における効率を百分比で表したグラフである。
図12から、例えば、駆動電流が10[mA]の場合、基準ランプよりも5[%]以上効率を向上させたいときは、封入圧を50[Torr]以下に設定すればよいことが分かる。また、例えば、封入圧が40[Torr]の場合、基準ランプよりも5[%]以上効率を向上させたい場合は、駆動電流は4[mA]では足らず、6[mA]あれば足りることが分かる。すなわち、封入圧と駆動電流の組み合わせを適当なものとすることにより、基準ランプよりも所定のアップ率で効率を向上させることができる。
ここで、基準ランプよりも効率を所定比率向上させる場合の封入圧と駆動電流との組み合わせが分かりやすようにするため、図12に基づいて図13を作成した。ここで、前記所定比率は、3[%]、5[%]、7[%]、および10[%]とした。
図13は、x−y直交座標系において、x軸上に混合ガスの封入圧[Torr]、y軸上に駆動電流値[mA]をとって、前記所定比率毎に、基準ランプより少なくとも当該所定比率分の効率が向上する範囲を示した図である。
図13は、x−y直交座標系において、x軸上に混合ガスの封入圧[Torr]、y軸上に駆動電流値[mA]をとって、前記所定比率毎に、基準ランプより少なくとも当該所定比率分の効率が向上する範囲を示した図である。
例えば、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1「●」および「◆」で表す点を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも3[%]向上する。すなわち、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点P1〜点P7、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも3[%]向上する。
同じく、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点Q1〜点Q6、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも5[%]向上する。
また、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点R1〜点R4、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも7[%]向上する。
また、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点R1〜点R4、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも7[%]向上する。
さらに、図13において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1と点S2を結ぶ線分上の値に設定すれば、基準ランプよりも効率が少なくとも10[%]向上する。
各点の座標値を図14に示す。
図14に示す座標値を基に、例えば、基準ランプよりも比率7[%]アップさせる場合について説明する。x−y直交座標系において、冷陰極蛍光ランプのガラスバルブに封入される混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流[mA]の値をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点S1(10,10)、点R1(10,9.3)、点R2(27,8)、点R3(39,8)、点R4(46,10)、点S1(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)の点のx座標値とy座標値をそれぞれ封入圧と駆動電流値に設定することにより、基準ランプよりも効率が少なくとも比率7[%]アップした冷陰極蛍光ランプとすることができる。
各点の座標値を図14に示す。
図14に示す座標値を基に、例えば、基準ランプよりも比率7[%]アップさせる場合について説明する。x−y直交座標系において、冷陰極蛍光ランプのガラスバルブに封入される混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流[mA]の値をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点S1(10,10)、点R1(10,9.3)、点R2(27,8)、点R3(39,8)、点R4(46,10)、点S1(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)の点のx座標値とy座標値をそれぞれ封入圧と駆動電流値に設定することにより、基準ランプよりも効率が少なくとも比率7[%]アップした冷陰極蛍光ランプとすることができる。
上述したように、基準ランプ(封入圧60[Torr])よりも適切な範囲で封入圧を下げると効率が向上する。ところが、封入圧を下げると、今度は、輝度維持率が低下することが判明した。そこで、本願発明者は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を適当なものにすることにより、輝度維持率の低下を抑制することができることを実験により見出した。
当該実験は、外径3.4[mm]、内径2.4[mm]、全長450[mm]のガラスバルブを有する冷陰極蛍光ランプを用い周囲温度25℃の環境下、駆動電流8[mA]で行った。
実験結果を図15に示す。
図15において、点「■」を結ぶ曲線M1は、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
実験結果を図15に示す。
図15において、点「■」を結ぶ曲線M1は、アルゴン10[%]、ネオン90[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「◆」を結ぶ曲線M2は、アルゴン20[%]、ネオン80[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「▲」を結ぶ曲線M3は、アルゴン40[%]、ネオン60[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「▲」を結ぶ曲線M3は、アルゴン40[%]、ネオン60[%]の分圧比からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
図15から、アルゴンガスの分圧比によって、輝度維持率が変動することがわかる。
ここで、500時間経過時における輝度維持率が93[%]以上であることが、実用上要求され、[背景技術]の欄で記載した現行ランプは、これを満足している。
したがって、この基準に照らし合わせると、混合ガスに占めるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上にすることによって、換言すれば、封入ガスに少なくとも20[%]の分圧比でアルゴンガスを混合することによって、実用上、満足のいく輝度維持率を得ることができ、輝度維持率に関して、現行のランプと代替しても問題は無い。
ここで、500時間経過時における輝度維持率が93[%]以上であることが、実用上要求され、[背景技術]の欄で記載した現行ランプは、これを満足している。
したがって、この基準に照らし合わせると、混合ガスに占めるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上にすることによって、換言すれば、封入ガスに少なくとも20[%]の分圧比でアルゴンガスを混合することによって、実用上、満足のいく輝度維持率を得ることができ、輝度維持率に関して、現行のランプと代替しても問題は無い。
以上説明したように、基準ランプ(混合ガスの封入圧:60[Torr])よりも所定効率向上させる場合の混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲は、図13に示す実験結果から画定できる。また、輝度維持率の観点から、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上とする。
ここで、図13に示す実験結果は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比が10[%]の冷陰極蛍光ランプに基づくものであるため、上記組み合わせ範囲の有効性が問題となるとも思われる。そこで、アルゴンガスの分圧比が40[%]の冷陰極蛍光ランプについても、効率に関する実験を行った。
ここで、図13に示す実験結果は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比が10[%]の冷陰極蛍光ランプに基づくものであるため、上記組み合わせ範囲の有効性が問題となるとも思われる。そこで、アルゴンガスの分圧比が40[%]の冷陰極蛍光ランプについても、効率に関する実験を行った。
当該実験は、外径3.4[mm]、内径2.4[mm]、全長450[mm]のガラスバルブを有する冷陰極蛍光ランプを用い周囲温度50[℃]の環境下で行った。
実験結果を図16に示す。図16は、先に説明した図12に対応するものである。
図12と図16を比較すると、アルゴンガスの分圧比を10[%](図12)から40[%](図16)に増加させると、封入圧60[Torr]を基準にしたときの効率の百分比が、全体的に向上することが分かる。すなわち、アルゴンの分圧比によっても効率は変動し、アルゴンの混合量が多いほど(分圧比が高いほど)効率も高くなることが、図12および図16から読み取ることができる。
実験結果を図16に示す。図16は、先に説明した図12に対応するものである。
図12と図16を比較すると、アルゴンガスの分圧比を10[%](図12)から40[%](図16)に増加させると、封入圧60[Torr]を基準にしたときの効率の百分比が、全体的に向上することが分かる。すなわち、アルゴンの分圧比によっても効率は変動し、アルゴンの混合量が多いほど(分圧比が高いほど)効率も高くなることが、図12および図16から読み取ることができる。
したがって、アルゴンガスの分圧比が10[%]で効率が低めである図13に基づいて、混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲を画定していれば、アルゴンガスの分圧比がそれ以上の場合(10[%]を超える場合)には、より高い効率が得られることとなる。したがって、図13に基づいて混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲を画定することに問題は無い。
次に、冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯させるための点灯装置について説明する。
図17は、冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯させるための点灯装置200の構成を示すブロック図である。なお、図17では、冷陰極蛍光ランプ10Aを一つしか図示していないが、点灯装置200には、複数本の冷陰極蛍光ランプ10Aが並列接続されている。また、各冷陰極蛍光ランプ10Aの一方のリード線は、冷陰極蛍光ランプ10A毎に設けられたバラストコンデンサ80を介して、点灯装置200に電気的に接続されている。このバラストコンデンサ80により、後述する一台の電子安定器(インバータ)204で、複数の冷陰極蛍光ランプ10Aを並列点灯させることができる。
図17は、冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯させるための点灯装置200の構成を示すブロック図である。なお、図17では、冷陰極蛍光ランプ10Aを一つしか図示していないが、点灯装置200には、複数本の冷陰極蛍光ランプ10Aが並列接続されている。また、各冷陰極蛍光ランプ10Aの一方のリード線は、冷陰極蛍光ランプ10A毎に設けられたバラストコンデンサ80を介して、点灯装置200に電気的に接続されている。このバラストコンデンサ80により、後述する一台の電子安定器(インバータ)204で、複数の冷陰極蛍光ランプ10Aを並列点灯させることができる。
図17に示すように、点灯装置200は、DC電源回路202と電子安定器204とからなる。電子安定器204は、DC/DCコンバータ206、DC/ACインバータ208、高電圧発生回路210、管電流検出回路212、および制御回路214とから構成される。
DC電源回路202は、商用交流電源(100[V])から直流電圧を生成し、電子安定器204に給電する。DC/DCコンバータ206は、前記直流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して、DC/ACインバータ208に供給する。DC/ACインバータ208は、所定の周波数の交流矩形電流を生成して、高電圧発生回路210に送る。高電圧発生回路210はトランス(不図示)を含んでおり、高電圧発生回路210で発生した高電圧は、冷陰極蛍光ランプ10Aに印加される。
DC電源回路202は、商用交流電源(100[V])から直流電圧を生成し、電子安定器204に給電する。DC/DCコンバータ206は、前記直流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して、DC/ACインバータ208に供給する。DC/ACインバータ208は、所定の周波数の交流矩形電流を生成して、高電圧発生回路210に送る。高電圧発生回路210はトランス(不図示)を含んでおり、高電圧発生回路210で発生した高電圧は、冷陰極蛍光ランプ10Aに印加される。
一方、管電流検出回路112は、DC/ACインバータ208の入力側に接続されており、間接的に冷陰極蛍光ランプ10Aのランプ電流(駆動電流)を検出し、その検出信号を制御回路214に送出する。制御回路214は、前記検出信号に基づき、内部メモリ(不図示)に設定された基準電流値を参照して、当該基準電流値の定電流で各冷陰極蛍光ランプ10Aを点灯すべくDC/DCコンバータ206、DC/ACインバータ208を制御する。
したがって、内部メモリの基準電流値を図13に基づいて画定した駆動電流値に設定することにより、当該駆動電流値(基準電流値)で、各冷陰極蛍光ランプ10Aが定電流駆動されることとなる。
図10に戻り、同図(a)、(b)に示すように、ガラスバルブ16の第1封止部側の、
境界部(蛍光体層24が存在する領域と不存在の領域との境界)134から電極18の根元までの距離b1と、境界部136から電極20の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、リード線12(14)に固着されている電極18(20)の付け根部分の意味である。
図10に戻り、同図(a)、(b)に示すように、ガラスバルブ16の第1封止部側の、
境界部(蛍光体層24が存在する領域と不存在の領域との境界)134から電極18の根元までの距離b1と、境界部136から電極20の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、リード線12(14)に固着されている電極18(20)の付け根部分の意味である。
なお、蛍光体層24以外の電極18,20、リード線12,14といった部材の位置は左右対称に設けられているので、結果として、境界部134(136)から外部リード線12B(14B)の外側端部までの距離c1,c2とを比べると、c2はc1より長くなっている(c2>c1)。
また、境界部134から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部136から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
また、境界部134から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部136から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
これらの寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]、b1=5.0[mm]、b2=7.0[mm]、c1=14.0[mm]、c2=16.0[mm]
上記したようにb1とb2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラスバルブの内面には、上記したように蛍光体層が形成されている。ガラスバルブの長手方向において、この蛍光体層の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管内径が1.4[mm]〜7[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体層の厚みが不均一となりやすい。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]、b1=5.0[mm]、b2=7.0[mm]、c1=14.0[mm]、c2=16.0[mm]
上記したようにb1とb2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラスバルブの内面には、上記したように蛍光体層が形成されている。ガラスバルブの長手方向において、この蛍光体層の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管内径が1.4[mm]〜7[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体層の厚みが不均一となりやすい。
すなわち、ガラスバルブの長手方向において、蛍光体層の膜厚が一方側が厚く他方側が薄いという関係となっている。係る膜厚の差は点灯時に輝度差として表出し、輝度ムラの原因となり得る。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
ここで、「交互に」とは、隣り合うランプ10A間で第1封止部と第2封止部とが反対方向になっているという意味である。図9、図10および後掲する図18、図19、図22においては、ランプ10Aの第1封止部と第2封止部とをそれぞれ四角囲みの数字で「1」、「2」と区別している。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
しかしながら、係る従来の識別用マークを用いる方法では、識別用マークを付するための工程やその設備が必要となりコスト高を招くという問題がある。
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記b1とb2の大きさを異ならせることとしたのである。
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記b1とb2の大きさを異ならせることとしたのである。
すなわち、冷陰極蛍光ランプ10Aは、上記したようにb2がb1より大きいため、b2またはb1の一方を対象として所定範囲内に収まっているかをセンサを用いて検出したり、b2及びb1の距離をセンサを用いて検出して両者の差を求めることにより、ランプ10A(ガラスバルブ16)の長手方向の向きを識別することが可能となる。識別マークを付するための工程や設備が不要となり製造コストを抑えることも可能となる。
また、蛍光体層24はガラスバルブ16の全周に形成されているため、ガラスバルブ16の周回方向(回転方向)に関わらず、一方向から検出することができ、センシングの設備構成を簡素化できる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極やリード線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極やリード線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
なお、c1,c2またはa1,a2もそれぞれ距離が異なっているため同様に検出及び識別に利用することが可能である。
3.冷陰極型蛍光ランプの製造方法
次に、上記構成を有する冷陰極蛍光ランプ10Aの製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。
3.冷陰極型蛍光ランプの製造方法
次に、上記構成を有する冷陰極蛍光ランプ10Aの製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。
図18,図19は冷陰極蛍光ランプ10Aの製造工程を示す図である。
まず、準備した直管状のガラス管32を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管32内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管32内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ45により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
まず、準備した直管状のガラス管32を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管32内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管32内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ45により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
次に、ガラス管32内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管32内面にブラシ47を挿入して、ガラス管32端部の不要な蛍光体分を除去する[工程B]。
続いて、ガラス管32を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体層24を得る。
その後、蛍光体層24が形成されたガラス管32に、電極20、ビードガラス23を含む電極ユニット37を挿入した後、仮止めを行う[工程C]。仮止めとは、ビードガラス23が位置するガラス管32の外周部分をバーナー48で加熱して、ビードガラス23の外周の一部をガラス管32内周面に固着することをいう。ビードガラス23の外周の一部しか固着しないので、ガラス管32の管軸方向の通気性は維持される。
続いて、ガラス管32を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体層24を得る。
その後、蛍光体層24が形成されたガラス管32に、電極20、ビードガラス23を含む電極ユニット37を挿入した後、仮止めを行う[工程C]。仮止めとは、ビードガラス23が位置するガラス管32の外周部分をバーナー48で加熱して、ビードガラス23の外周の一部をガラス管32内周面に固着することをいう。ビードガラス23の外周の一部しか固着しないので、ガラス管32の管軸方向の通気性は維持される。
次に、反対側からガラス管32に、電極18、ビードガラス21を含む電極ユニット238を挿入した後、ビードガラス21が位置するガラス管32の外周部分をバーナー250で加熱し、ガラス管32を封着して気密封止(第1封止)する[工程D]。なお、第1封止における封止位置の設定値から誤差は高々0.5[mm]程度である。
工程Cにおける電極ユニット37の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット238の挿入位置は、封止後のガラスバルブ16の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット238は、第2封止部側の電極ユニット37と比べて、蛍光体層24に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
工程Cにおける電極ユニット37の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット238の挿入位置は、封止後のガラスバルブ16の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット238は、第2封止部側の電極ユニット37と比べて、蛍光体層24に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
続いて、ガラス管32の、電極20よりも端部寄りの一部をバーナー252で加熱して、くびれ部分46Aを形成した後、水銀ペレット254をガラス管32に投入する[工程E]。水銀ペレット254は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続く工程Fでは、ガラス管32内の排気とガラス管32内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管32の水銀ペレット254側端部に装着し、先ず、ガラス管32内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管32全体を外周から加熱する。これによって、蛍光体層24に潜入している不純ガスを含めガラス管32内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
続く工程Fでは、ガラス管32内の排気とガラス管32内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管32の水銀ペレット254側端部に装着し、先ず、ガラス管32内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管32全体を外周から加熱する。これによって、蛍光体層24に潜入している不純ガスを含めガラス管32内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
希ガスが充填されると、ガラス管32の水銀ペレット254側端部をバーナー56で加熱して封止する[工程G]。
続いて、図19に示す工程Hでは、水銀ペレット254をガラス管32周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管32を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極18の方へ移動させる。
続いて、図19に示す工程Hでは、水銀ペレット254をガラス管32周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管32を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極18の方へ移動させる。
次に、ビードガラス23が位置するガラス管32外周部分をバーナー58で加熱して、ガラス管32を封着して気密封止(第2封止)する[工程I]。第2封止における封止位置の設定値から誤差は、第1封止と同様に0.5[mm]程度である。
続いて、ガラス管32の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット254側の端部部分を切り離す[工程J]。
4.バックライトユニットの製造方法
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図20を用いて説明する。
続いて、ガラス管32の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット254側の端部部分を切り離す[工程J]。
4.バックライトユニットの製造方法
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図20を用いて説明する。
図20(a)は、ランプフィーダ60を模式的に示す図である。図20(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す図である。図20(c)は、ランプの外囲器106内への設置工程を示す図である。
ランプフィーダ60は、台座66にランプ10Aを1[本]ずつ供給する装置である。
台座66は、ランプ10Aが設置されるための溝66aを有し、また台座を360度回転させる機構を備えている。
ランプフィーダ60は、台座66にランプ10Aを1[本]ずつ供給する装置である。
台座66は、ランプ10Aが設置されるための溝66aを有し、また台座を360度回転させる機構を備えている。
溝66a内には、ランプ10A設置されており、このランプ10Aの両端部に対応する位置の上方には、センサ64a,64bが配置されている。このセンサはランプの一方側の端部にだけ配置しても構わない。
センサ64a,64bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
センサ64a,64bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
センサ64a,64bにより検出されたランプの長手方向の向きに対応して、台座66を回転させることによりランプの向き合わせを行うこととなる。
向き合わせされたランプ10Aは、リード線12(14)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ10A間で長手方向の向きが反対になるようにソケット67に嵌め込まれることとなる。
向き合わせされたランプ10Aは、リード線12(14)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ10A間で長手方向の向きが反対になるようにソケット67に嵌め込まれることとなる。
図20(c)に示すように、外囲器106の反射板102には、ランプ10Aの取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット67が配置されている。
ソケット67は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット67は、挟持板67a,67bとそれら挟持板67a,67bを下端縁で連結する連結片67cと、連結片67cから突出した接続板67dとからなる。
ソケット67は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット67は、挟持板67a,67bとそれら挟持板67a,67bを下端縁で連結する連結片67cと、連結片67cから突出した接続板67dとからなる。
挟持板67a,67bには、ランプ10Aの外径に合わせた凹部が設けられている。
接続板67dは、連結片67cから外囲器106の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び外囲器106の外側方向に延びている。接続板67dの自由端部には、リード線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片67a,67bの凹部内にランプ10Aの端部をはめ込むことにより、挟持板67a,67bの板ばね作用によってランプ10Aがソケット67に保持される。同時に、ランプ10Aのリード線12,14を接続板67d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、リード線12,14が接続板67dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
5.変形例
(変形例1)
より方向合わせの精度を向上させるために、ガラスバルブ16の蛍光体層24が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、実施の形態に係る変形例1として説明する。
接続板67dは、連結片67cから外囲器106の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び外囲器106の外側方向に延びている。接続板67dの自由端部には、リード線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片67a,67bの凹部内にランプ10Aの端部をはめ込むことにより、挟持板67a,67bの板ばね作用によってランプ10Aがソケット67に保持される。同時に、ランプ10Aのリード線12,14を接続板67d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、リード線12,14が接続板67dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
5.変形例
(変形例1)
より方向合わせの精度を向上させるために、ガラスバルブ16の蛍光体層24が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、実施の形態に係る変形例1として説明する。
図21に、識別用のマークが印刷されたガラスバルブ16aを示す。図21(b)は、図21(a)のC−C線における断面図である。
ガラスバルブ16aの端部外周には、識別用の3[個]のマーク70a,70b,70cが形成されている。
マーク70a,70b,70cは、ガラスバルブ16aの長手方向における位置が互いに略等しい。
ガラスバルブ16aの端部外周には、識別用の3[個]のマーク70a,70b,70cが形成されている。
マーク70a,70b,70cは、ガラスバルブ16aの長手方向における位置が互いに略等しい。
なお、マーク70a,70b,70cは、第1封止部側に形成するよりも、より蛍光体層不存在領域の長い第2封止部側の端部外周に形成する方が好ましい。
マーク70a〜70cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク70a〜70cが形成されたガラスバルブ16aを用いれば、例えば、境界部134からマーク70a〜70cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
マーク70a〜70cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク70a〜70cが形成されたガラスバルブ16aを用いれば、例えば、境界部134からマーク70a〜70cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
また、マーク70a〜70cのそれぞれの中心部(要部)は、ガラスバルブ16aの横断面を見た場合において、バルブの中心点Oから略120[度]の等間隔を空けた位置となっている。このように、マーク70a〜70cは、ガラスバルブ16aの周回方向(回転方向)に関わらず、マークの測定対象部位が見える位置関係にあるため、確実に一方向からセンサを用いてマーク70a〜70cのいずれかを検出することが可能である。
なお、マーク70a〜70cとして、文字を印刷しても構わない。その文字の印刷方向はガラスバルブ16aの長手方向であってもよいし、ガラスバルブの周回方向でもよい。また文字として、ロットナンバーを印刷しても構わない。
(変形例2)
また、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態に係る変形例2として説明する。
(変形例2)
また、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態に係る変形例2として説明する。
図22に示すように、ガラスバルブ16bの第2封止部側には、蛍光体層24とは別に、蛍光体層33が形成されている。蛍光体層33は、電極18,20間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体層である。
本変形例では、例えば、境界136と蛍光体層33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
本変形例では、例えば、境界136と蛍光体層33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
(変形例3)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態に係る変形例3として説明する。
図23は、変形例3に係るガラスバルブ16の概略構成を示す模式図であり、図23(a)は、電極、ビードガラス、リード線の外観を示し、図23(b)では、ガラスバルブ16と蛍光体層24を管軸Xを含む断面で示し、リード線12a,電極18は外観を示している。また、図23(c)では、電極18も形状がわかるよう断面で示している。なお、図23においては、図10と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態に係る変形例3として説明する。
図23は、変形例3に係るガラスバルブ16の概略構成を示す模式図であり、図23(a)は、電極、ビードガラス、リード線の外観を示し、図23(b)では、ガラスバルブ16と蛍光体層24を管軸Xを含む断面で示し、リード線12a,電極18は外観を示している。また、図23(c)では、電極18も形状がわかるよう断面で示している。なお、図23においては、図10と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
図23(a)の例では、方向識別に用いるための、ビードガラス21に着色が施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界134とビードガラス21の境界134から遠い側との距離d、境界134とビードガラス21の境界134に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
この場合、境界134とビードガラス21の境界134から遠い側との距離d、境界134とビードガラス21の境界134に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
図23(b)の例では、円筒形をした電極18中央下部の周回方法にマーク71が付されている。この例では、境界134とリング状をしたマーク71との距離fを検出に用いることができる。マーク71は、ガラスバルブ16の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図23(c)の例では、電極18aは、有底筒状の電極18とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
図23(c)の例では、電極18aは、有底筒状の電極18とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
電極18aは、開口部分の端部において、リード線12aの頭部をかしめて固定されている。
また、リード線12aの周回方向にマーク72が付されている。この例では、境界134とマーク72との距離gを検出に用いることができる。マーク72も、マーク71と同様にガラスバルブ16の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
6.その他の事項
(1)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上記実施の形態において説明したように、ランプ10Aの製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5[mm]、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5[mm]程度が見込まれる。
また、リード線12aの周回方向にマーク72が付されている。この例では、境界134とマーク72との距離gを検出に用いることができる。マーク72も、マーク71と同様にガラスバルブ16の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
6.その他の事項
(1)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上記実施の形態において説明したように、ランプ10Aの製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5[mm]、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5[mm]程度が見込まれる。
また、センサとして200万[画素]の画像センサを用いれば、1[画素]を0.1[mm]に設定することが可能であるため、0.1[mm]単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
なお、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも3[mm]以上であれば、より確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。この場合、画像センサは、0.5[mm]単位での測定精度のもので構わない。また、長さの差の上限値は例えば8[mm]程度である。8[mm]より大きくすると、発光に寄与しない蛍光体不存在領域が長くなり、有効発光長が確保しにくくなるからである。
(2)保護層について
本実施の形態においては、ガラスバルブの内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプにも本発明を適用することができる。
具体的には、ガラスバルブの一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラスバルブの長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラスバルブの内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
本実施の形態においては、ガラスバルブの内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプにも本発明を適用することができる。
具体的には、ガラスバルブの一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラスバルブの長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラスバルブの内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
(3)ランプ種類
実施の形態では、冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明したが、本発明は、熱陰極型蛍光ランプや、外部電極型蛍光ランプにも適用することが可能である。
外部電極型蛍光ランプとは、ガラスバルブ内部に電極を有さず、ガラスバルブの両端部外周に電極を有するタイプの蛍光ランプである。係る外部電極型蛍光ランプに本発明を適用する場合には、蛍光体層の形成された領域と蛍光体層の形成されていない領域の境界をセンサにより検出できるようにするため、電極材料として透明電極を用いたり又は蛍光体層を電極と重ならない位置に形成するなどする必要がある。
実施の形態では、冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明したが、本発明は、熱陰極型蛍光ランプや、外部電極型蛍光ランプにも適用することが可能である。
外部電極型蛍光ランプとは、ガラスバルブ内部に電極を有さず、ガラスバルブの両端部外周に電極を有するタイプの蛍光ランプである。係る外部電極型蛍光ランプに本発明を適用する場合には、蛍光体層の形成された領域と蛍光体層の形成されていない領域の境界をセンサにより検出できるようにするため、電極材料として透明電極を用いたり又は蛍光体層を電極と重ならない位置に形成するなどする必要がある。
(4)ランプ形状
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図10)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
<実施の形態3>
蛍光体粒子の表面に酸化ランタンを被覆した場合、同じ蛍光体粒子に酸化ランタンを被覆しない場合と比べて輝度維持率は改善するものの、酸化ランタンの被覆だけでは水銀付着以外の要因による輝度維持率の低下を防ぐことができず、輝度維持率の向上に限度がある。また、輝度維持率の向上のために、酸化ランタンの被覆量を多くすると、酸化ランタンが蛍光体粒子の表面から剥がれ易くなったり、酸化ランタンによって蛍光体粒子から発せられる光が遮られるため、光の量が低減し、初期輝度が低下してしまう。
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図10)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
<実施の形態3>
蛍光体粒子の表面に酸化ランタンを被覆した場合、同じ蛍光体粒子に酸化ランタンを被覆しない場合と比べて輝度維持率は改善するものの、酸化ランタンの被覆だけでは水銀付着以外の要因による輝度維持率の低下を防ぐことができず、輝度維持率の向上に限度がある。また、輝度維持率の向上のために、酸化ランタンの被覆量を多くすると、酸化ランタンが蛍光体粒子の表面から剥がれ易くなったり、酸化ランタンによって蛍光体粒子から発せられる光が遮られるため、光の量が低減し、初期輝度が低下してしまう。
そこで、実施の形態3は、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ輝度維持率を向上した蛍光ランプを提供することを目的とする。
(実施の形態3−1)
本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300(以下、単に「ランプ300」という)の管軸を含む断面図を図24(a)に、図24(a)のA部の拡大断面図を図24(b)にそれぞれ示す。ランプ100は、主として蛍光体層の構成が異なる以外は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10と同様である。したがって、共通部分には、同じ符号を付して、その説明については省略することとする。実施の形態3における全ての図面において、保護膜の図示は省略することとする。
(実施の形態3−1)
本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300(以下、単に「ランプ300」という)の管軸を含む断面図を図24(a)に、図24(a)のA部の拡大断面図を図24(b)にそれぞれ示す。ランプ100は、主として蛍光体層の構成が異なる以外は、実施の形態1に係る冷陰極蛍光ランプ10と同様である。したがって、共通部分には、同じ符号を付して、その説明については省略することとする。実施の形態3における全ての図面において、保護膜の図示は省略することとする。
ガラスバルブ16の内部には、水銀がガラスバルブ16の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様、保護膜(不図示)に重ねて、蛍光体層304が形成されている。蛍光体層304に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)304R、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)304Gおよび青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)304Bからなる希土類蛍光体で形成されている。
また、ガラスバルブ16の内面には、実施の形態1と同様、保護膜(不図示)に重ねて、蛍光体層304が形成されている。蛍光体層304に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)304R、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)304Gおよび青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)304Bからなる希土類蛍光体で形成されている。
ここで、青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)304Bには酸化セリウム
(CeO2)やアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)やアルミン酸バリウム(BaA
l2O4)のような不純物の含有量が0.1[wt%]以下であることが、蛍光ランプの点灯時における初期輝度の低下防止及び輝度維持率の向上の点から好ましい。つまり、不純物の含有量が0.1[wt%]より多い場合には、青色蛍光体粒子304Bの結晶性が悪くなり、特に、蛍光ランプの点灯時における輝度維持率が低下したものと考える。
(CeO2)やアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)やアルミン酸バリウム(BaA
l2O4)のような不純物の含有量が0.1[wt%]以下であることが、蛍光ランプの点灯時における初期輝度の低下防止及び輝度維持率の向上の点から好ましい。つまり、不純物の含有量が0.1[wt%]より多い場合には、青色蛍光体粒子304Bの結晶性が悪くなり、特に、蛍光ランプの点灯時における輝度維持率が低下したものと考える。
また、図24(b)に示すように、蛍光体層304の蛍光体粒子のうち青色蛍光体粒子304Bの表面には、金属酸化物である酸化ランタン(La2O3)304aが被覆されていてもよい。これは、青色蛍光体粒子304Bには、アルミナ(Al2O3)が含まれているため、水銀を吸着しやすく、青色蛍光体粒子304Bの表面に吸着した水銀が青色蛍光体粒子304Bやその他の赤色蛍光体粒子304Rや緑色蛍光体粒子304Gから発せられる光を遮ってしまい、蛍光ランプ300の輝度維持率の低下の要因となるからである。
よって、上記のような青色蛍光体粒子304Bに不純物が少ないこと、特に不純物の含有量が青色蛍光体粒子の総重量に対して0.1[wt%]であることにより、蛍光ランプの点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ輝度維持率を向上することができる。
(実験1)
以下、その一例として異なる青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプの作用効果について詳細に説明する。本発明者らは、比較実験を行うに当たり、発明品1、比較品1および比較品2の青色蛍光体粒子(以下、それぞれ単に「発明品1」、「比較品1」、「比較品2」という。)を用いて単色の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1とした。
(実験1)
以下、その一例として異なる青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプの作用効果について詳細に説明する。本発明者らは、比較実験を行うに当たり、発明品1、比較品1および比較品2の青色蛍光体粒子(以下、それぞれ単に「発明品1」、「比較品1」、「比較品2」という。)を用いて単色の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1とした。
発明品1のSEM写真を図25(a)に、比較品1のSEM写真を図25(b)に、比較品2のSEM写真を図25(c)にそれぞれ示す。なお、SEM写真は、日立製作所製のS4500を用いて倍率20000[倍]で撮影した。
図25(a)に示すように、発明品1の表面は、酸化ランタンによってわずかに被覆されている。なお、図25(a)および図25(b)上、青色蛍光体粒子の表面にわずかに散見できる米粒状の物質が酸化ランタンである。
図25(a)に示すように、発明品1の表面は、酸化ランタンによってわずかに被覆されている。なお、図25(a)および図25(b)上、青色蛍光体粒子の表面にわずかに散見できる米粒状の物質が酸化ランタンである。
図25(b)に示すように、比較品1の表面は、酸化ランタンによってほとんど被覆されている。
図25(c)に示すように、比較品2は、比較品1と同じ青色蛍光体粒子であるが、その表面は酸化ランタンによって被覆されていない。
次に、発明品1、比較品1および比較品2の元素分析結果を図26に示す。なお、元素分析は理学電機工業株式会社製のRIX−3100を用いて行った。
図25(c)に示すように、比較品2は、比較品1と同じ青色蛍光体粒子であるが、その表面は酸化ランタンによって被覆されていない。
次に、発明品1、比較品1および比較品2の元素分析結果を図26に示す。なお、元素分析は理学電機工業株式会社製のRIX−3100を用いて行った。
図26に示すように、発明品1は、比較品1および比較品2のように不純物である酸化セリウム(CeO2)を含んでいないことがわかる。
次に、発明品1のX線回折パターンを図27(a)に、比較品1のX線回折パターンを図27(b)に、比較品2のX線回折パターンを図27(c)にそれぞれ示す。なお、X線回折は、理学電機工業株式会社製のRINT1000を用いて行った。
次に、発明品1のX線回折パターンを図27(a)に、比較品1のX線回折パターンを図27(b)に、比較品2のX線回折パターンを図27(c)にそれぞれ示す。なお、X線回折は、理学電機工業株式会社製のRINT1000を用いて行った。
図27(a)〜(c)に示すように、発明品1は、比較品1および比較品2に比べて不純物であるアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)およびアルミン酸バリウム(BaAl2O4)が少ないことがわかる。なお、図27(a)〜(c)上、▽で示しているのがアルミン酸バリウム・マグネシウムである。
実験試料である発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1は、それぞれ蛍光体層に用いる蛍光体粒子を除いてランプ300と実質的に同じ構成を有している。具体的には、ホウケイ酸ガラス製のガラスバルブを用い、管軸に対して垂直に切った断面が略円形状で、外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]、全長が約340[mm]のガラスバルブの内面に蛍光体層を形成したものを用い、ガラスバルブ内部には、水銀1.5[mg]と60[Torr]でアルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の分圧比となる混合ガスが封入されている。
実験試料である発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1は、それぞれ蛍光体層に用いる蛍光体粒子を除いてランプ300と実質的に同じ構成を有している。具体的には、ホウケイ酸ガラス製のガラスバルブを用い、管軸に対して垂直に切った断面が略円形状で、外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]、全長が約340[mm]のガラスバルブの内面に蛍光体層を形成したものを用い、ガラスバルブ内部には、水銀1.5[mg]と60[Torr]でアルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の分圧比となる混合ガスが封入されている。
上記のような3種類の実験試料を用いて点灯実験を行い、それぞれの点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図28に示す。図28に示すように、点灯時間2600[h]経過時においての輝度維持率が比較品1は79.1[%]、比較品2は77.5[%]であるのに対し、発明品1は92.6[%]である。なお、この場合、初期輝度は、発明品1−1、比較品1−1および比較品2−1とで大きな差異はなかった。
(実験2)
また、発明者は、発明品1、比較品1および比較品2のそれぞれの青色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)および緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+
)を用いて、青色蛍光体粒子、赤色蛍光体粒子および緑色蛍光体粒子の混合比が2:1:1の三波長型の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とした。それぞれの点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図29に示す。
また、発明者は、発明品1、比較品1および比較品2のそれぞれの青色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子(Y2O3:Eu3+)および緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+
)を用いて、青色蛍光体粒子、赤色蛍光体粒子および緑色蛍光体粒子の混合比が2:1:1の三波長型の蛍光ランプを作成し、それぞれ発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とした。それぞれの点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図29に示す。
図29に示すように、点灯時間1380[h]経過時において比較品1−2の輝度維持率が89.1[%]、比較品2−2の輝度維持率が86.2[%]であるのに対して、発明品1−2の輝度維持率は93.8[%]であり、比較品1−2および比較品2−2に比べて発明品1−2の輝度維持率が高いことがわかる。
なお、この場合における初期輝度は、発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とで大きな差異はなかった。
なお、この場合における初期輝度は、発明品1−2、比較品1−2および比較品2−2とで大きな差異はなかった。
つまり、発明品1−2は、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ輝度維持率を向上している。ここで、その理由を以下に説明する。図26および図27(a)〜(c)に示すように、発明品1には、不純物である酸化セリウム(CeO2)、アルミン酸バリウム(BaAl2O4)およびアルミン酸マグネシウム(MgAl2O4)が比較品1および比較品2に比べて少ないことがわかる。
酸化セリウムがアルミン酸バリウム・マグネシウムの結晶中に存在する場合、主となる結晶を構成する原子とは異なる原子が存在することとなり、結晶にひずみが起き、いわゆる結晶性が悪くなるために、輝度維持率が低下するものと思われる。
また、アルミン酸バリウムやアルミン酸マグネシウムは、それぞれアルミン酸バリウム・マグネシウムとは異なる結晶系を形成しているため、アルミン酸バリウム・マグネシウムの結晶中に異なる結晶系が存在することとなり、結晶がもろくなるとともに、結晶性が悪くなるために、輝度維持率が低下するものと思われる。
また、アルミン酸バリウムやアルミン酸マグネシウムは、それぞれアルミン酸バリウム・マグネシウムとは異なる結晶系を形成しているため、アルミン酸バリウム・マグネシウムの結晶中に異なる結晶系が存在することとなり、結晶がもろくなるとともに、結晶性が悪くなるために、輝度維持率が低下するものと思われる。
(実施の形態3−2)
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350(以下、単に「ランプ350」という)の管軸を含む断面図を図30(a)に、図30(a)のB部の拡大断面図を図30(b)にそれぞれ示す。図30(a)に示すように、ランプ350は冷陰極蛍光ランプである。ランプ350は、本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300と蛍光体層を除いて実質的に同じ構成を有している。そこで、蛍光体層について詳細に説明し、その他の構成については、図30(a)および(b)に図24(a)および(b)と同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350(以下、単に「ランプ350」という)の管軸を含む断面図を図30(a)に、図30(a)のB部の拡大断面図を図30(b)にそれぞれ示す。図30(a)に示すように、ランプ350は冷陰極蛍光ランプである。ランプ350は、本発明の実施の形態3−1に係る蛍光ランプ300と蛍光体層を除いて実質的に同じ構成を有している。そこで、蛍光体層について詳細に説明し、その他の構成については、図30(a)および(b)に図24(a)および(b)と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図30(b)に示すように、蛍光体層351の蛍光体粒子304R、304G、304B(以下、単に「蛍光体粒子RGB」という。)同士は金属酸化物を含んだ棒状体304bによって互いに架橋されている。特に、蛍光体粒子RGB間の間隙の狭い部分において、棒状体によって架橋されている。ここで、「棒状体」とは、架橋間距離よりも径の小さな柱状をしたものをいう。棒状体304bの太さは、例えば1.5[μm]以下である。隣接する一対の蛍光体粒子304RGBが複数の棒状体304bによって架橋されている場合もある。この棒状体304bの存在により、蛍光体粒子304RGB間の間隙が狭小化しており、蛍光体層351の内部への水銀の浸入が抑制されている。よって、蛍光体粒子304RGBへ吸着することによる水銀の消費が抑制されている。また、蛍光体粒子304RGB間に配置され、蛍光体粒子304RGB同士を架橋する金属酸化物は棒状であるので、蛍光体層351によって変換された光はガラスバルブ16の外側に透過し易い。以上のことより、本実施形態に係る蛍光ランプ350は、水銀の消費の抑制と高輝度との両立がなされている。
棒状体に含まれる金属酸化物は、具体的には、例えば、Y,La,Hf,Mg,Si,Al,P,B,VおよびZrから選ばれる少なくとも一種を含んでいると好ましい。なかでも、Zr,Y,Hf等は、酸素原子との結合エネルギーが10.7×10-9[J]を超えるので好ましい。10.7×10-9[J]は、水銀の励起に伴って発生する共鳴線のうちの波長185[nm]の紫外線が有する光量子エネルギーに相当する。酸素原子との結合エネルギーが10.7×10-9[J]を超える金属を含む金属酸化物、例えば、ZrO2,Y2O3,HfO2を用いれば、波長185[nm]の紫外線の照射に対する金属酸化物の耐久性が向上する。また、金属酸化物がY2O3を含むと、よりいっそう水銀消費が少なくなり好ましい。
また、棒状体に含まれる金属酸化物として、例えば、SiO2,Ai2O3,HfO2を用いてもよい。これらは波長254[nm]の光の透過率がほぼ100[%]と高い。蛍光体は254[nm]の光を受けて発光する。よって、波長254[nm]の光の透過率が高い金属酸化物を用いれば、発光効率が高くなり好ましい。
なお、波長254[nm]の光の透過率は、ZrO2については約95[%]であり、
V2O5,Y2O3,NbO5については約85[wt%]である。Y2O3、ZrO2については、波長200[nm]以下の光の透過率が低く、それぞれ、30[%]未満、20[%]未満である。そのため、これらは、蛍光体を劣化させる波長185[nm]の光の遮断効果が大きく好ましい。
なお、波長254[nm]の光の透過率は、ZrO2については約95[%]であり、
V2O5,Y2O3,NbO5については約85[wt%]である。Y2O3、ZrO2については、波長200[nm]以下の光の透過率が低く、それぞれ、30[%]未満、20[%]未満である。そのため、これらは、蛍光体を劣化させる波長185[nm]の光の遮断効果が大きく好ましい。
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプは、上記の構成により、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ、さらに輝度維持率を向上することができる。
(実験3)
以下、青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350の作用効果について詳細に説明する。発明者は、実験1の発明品1−1とは、その蛍光体層の蛍光体粒子間に金属酸化物を含む棒状体を架橋している点のみ相違する発明品1−3を作成した。具体的には、棒状体の金属酸化物として蛍光体層の蛍光体粒子の総重量に対して0.3[wt%]の酸化イットリウム(Y2O3)を用いた。発明品1−3の点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図31に示す。なお、比較のために、図31には、実験1で用いた発明品1−1の点灯時間の経過による輝度維持率の変化も図示している。図31に示すように、点灯時間2000[h]経過時の発明品1−1の輝度維持率が93.1[%]であるのに対して、発明品1−3の輝度維持率は97.0[%]である。さらに初期輝度については、発明品1−3と発明品1−1とで大きな差異はなかった。
(実験3)
以下、青色蛍光体粒子(BaMg2Al16O27:Eu2+)を用いた比較実験により上記
本発明の実施の形態3−2に係る蛍光ランプ350の作用効果について詳細に説明する。発明者は、実験1の発明品1−1とは、その蛍光体層の蛍光体粒子間に金属酸化物を含む棒状体を架橋している点のみ相違する発明品1−3を作成した。具体的には、棒状体の金属酸化物として蛍光体層の蛍光体粒子の総重量に対して0.3[wt%]の酸化イットリウム(Y2O3)を用いた。発明品1−3の点灯時間の経過による輝度維持率の変化を示すグラフを図31に示す。なお、比較のために、図31には、実験1で用いた発明品1−1の点灯時間の経過による輝度維持率の変化も図示している。図31に示すように、点灯時間2000[h]経過時の発明品1−1の輝度維持率が93.1[%]であるのに対して、発明品1−3の輝度維持率は97.0[%]である。さらに初期輝度については、発明品1−3と発明品1−1とで大きな差異はなかった。
よって、発明品1−3は、点灯時における初期輝度の低下を防止しつつ、さらに輝度維持率を向上している。
<実施の形態4>
冷陰極蛍光ランプのコスト削減策として、例えば、ニッケル(Ni)陰極を用いる方法がある。ニッケル電極を用いれば、モリブデン(Mo)電極やタングステン(W)電極を
用いるよりも冷陰極部分のコストを低減することができる。しかしながら、ニッケル電極は耐スパッタ性が低く、短寿命であるという問題があり、これを解決すべく、例えば、次のような技術が開示されている。
<実施の形態4>
冷陰極蛍光ランプのコスト削減策として、例えば、ニッケル(Ni)陰極を用いる方法がある。ニッケル電極を用いれば、モリブデン(Mo)電極やタングステン(W)電極を
用いるよりも冷陰極部分のコストを低減することができる。しかしながら、ニッケル電極は耐スパッタ性が低く、短寿命であるという問題があり、これを解決すべく、例えば、次のような技術が開示されている。
すなわち、ニッケル−モリブデン合金やニッケル−モリブデンクラッドを冷陰極に用いる技術である。このようにすれば、冷陰極の耐スパッタ性を向上させて、長寿命化を図ることができる。
しかしながら、耐スパッタ性は向上するものの、ニッケルに較べてモリブデンは高価であるので、ニッケル−モリブデン電極はニッケル電極よりも数倍ものコストがかかり、コストを削減できるというニッケル電極の利点が滅却されてしまうという問題がある。
しかしながら、耐スパッタ性は向上するものの、ニッケルに較べてモリブデンは高価であるので、ニッケル−モリブデン電極はニッケル電極よりも数倍ものコストがかかり、コストを削減できるというニッケル電極の利点が滅却されてしまうという問題がある。
実施の形態4は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、低コストで、かつ、高い耐スパッタ性を有する冷陰極蛍光ランプを提供することを目的とする。
実施の形態4に係る冷陰極蛍光ランプは、主として、電極の材料が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプと同様である。したがって、共通部分の説明については省略し、異なる部分について詳細に説明することとする。
実施の形態4に係る冷陰極蛍光ランプは、主として、電極の材料が異なる以外は、基本的に、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプと同様である。したがって、共通部分の説明については省略し、異なる部分について詳細に説明することとする。
電極18、20は、ニッケル母体に酸化イットリウム(Y2O3)が0.46[wt%]、シリコン(Si)が0.14[wt%]添加(ドープ)されてなる。酸化イットリウムを添加することによって電極18、20の耐スパッタ性を向上させることができる。また、シリコンを添加することによって電極18、20が酸化するのを防止することができる。
[6] 電極18の製造方法
次に、電極18の製造方法について説明する。なお、電極20も電極18と同様にして製造されるので、電極18の製造方法の説明を以って電極20の製造方法の説明に代える。
[6] 電極18の製造方法
次に、電極18の製造方法について説明する。なお、電極20も電極18と同様にして製造されるので、電極18の製造方法の説明を以って電極20の製造方法の説明に代える。
本実施の形態においては、上述のように、ニッケルに酸化イットリウムやシリコンを添加したインゴットを線状に加工した後(線引き)、ヘッダ加工によって圧造する。図32は、電極18の製造方法を示す図である。先ず、線引きしたインゴット701を所定の長さに切断する(図7(a))。
次に、切断したインゴット701をダイス702に格納し(図32(b))、プレス703にてインゴット701を1〜数回圧縮成形する(図32(c)〜(e))。その後、成形されたインゴット701をイジェクトバー(図示省略)にてダイス702から取り出すと、電極18を得ることができる。
次に、切断したインゴット701をダイス702に格納し(図32(b))、プレス703にてインゴット701を1〜数回圧縮成形する(図32(c)〜(e))。その後、成形されたインゴット701をイジェクトバー(図示省略)にてダイス702から取り出すと、電極18を得ることができる。
このようにすれば、冷間鍛造にて電極18を得ることができるので、電極18の製造コストを低減することができる。また、ニッケルはタングステンやニオブよりも軟らかいので、少ない圧縮回数で電極18を成形することができるという意味でも製造コストを低減することができる。
[7] 耐スパッタ性の評価
次に、本発明に係る電極と酸化イットリウムを添加していないニッケル電極とについて耐スパッタ性を評価したので、その評価結果について説明する。
[7] 耐スパッタ性の評価
次に、本発明に係る電極と酸化イットリウムを添加していないニッケル電極とについて耐スパッタ性を評価したので、その評価結果について説明する。
評価に用いた冷陰極蛍光ランプは何れもガラスバルブの外径が2.4[mm]、内径2.0[mm]、ホロー型電極の外径1.7[mm]、内径1.5[mm]、長さ5.5[mm]、電極間距離(電極先端から電極先端までの間隔)が330[mm]であって、ネオン−アルゴン(5[%])混合ガスが8kPa(60Torr)と飽和蒸気圧の水銀が封入されている。また、60kHzの正弦波形の電圧が印加され、電流量は6mAである。
このような条件の下、雰囲気温度が25[℃]で5,000[時間]点灯し続けた後に、電極のスパッタ量について標本数5[本]の平均値を求めたところ、純ニッケル電極では2.8[μg]であったのに対して、本発明に係る電極では1.8[μg]であった。すなわち、本発明を用いることによってスパッタ量を35[%]も低減することができた。
なお、本評価においては、電極開口部付近のガラスバルブ内壁に堆積した金属膜を化学分析にて定量することによってスパッタ量を求めた。
なお、本評価においては、電極開口部付近のガラスバルブ内壁に堆積した金属膜を化学分析にて定量することによってスパッタ量を求めた。
また、純ニオブ電極のスパッタ量を同様にして求めたところ0.8[μg]と、本発明に係る電極よりもスパッタ量が小さいことが確認されたが、コストとスパッタ量を共に低減するという本発明の目的に照らせば、本発明の効果はこの結果によって何ら損なわるものではない。
[8] 変形例
以上、本発明を実施の形態4に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態4に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
[8] 変形例
以上、本発明を実施の形態4に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態4に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態4においては、専らニッケルを母材として酸化イットリウムを0.46[wt%]添加した場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムの添加量が0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内であれば、本発明の同様の効果を得ることができる。
(2) 上記実施の形態4においては、専ら酸化イットリウムを添加する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムに加えて、脱酸剤として、シリコン、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)又はカルシウム(Ca)の何れか1以上を添加してもよい。このようにすれば、電極が酸化するのを防止することができる。
(2) 上記実施の形態4においては、専ら酸化イットリウムを添加する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムに加えて、脱酸剤として、シリコン、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)又はカルシウム(Ca)の何れか1以上を添加してもよい。このようにすれば、電極が酸化するのを防止することができる。
(3) 上記実施の形態4においては、専らヘッダ加工によって電極306を製造する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ヘッダ加工に代えて絞り加工を用いて電極を成形しても良い。
(4) 上記実施の形態4においては、専ら冷陰極としてホロー型電極を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ホロー型電極に代えて棒状の電極を用いても良い。何れの形状の電極を用いても本発明の効果は同じである。
<実施の形態5>
冷陰極蛍光ランプの電極には、始動性及びランプ効率を向上させるために、バリウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタ(電子放射性物質)を被着させる場合がある(例えば、特開2000−331643号公報参照)。このようなエミッタの被着形成プロセスの一例を挙げると、これらのエミッタ成分は、原料段階ではアルカリ土類金属の炭酸塩として準備され、そのアルカリ土類金属の炭酸塩を有機溶媒中に分散させた懸濁液の状態で電極に塗布される。懸濁液中には、エミッタ成分であるアルカリ土類金属の炭酸塩が電極に付着しやすいように、有機バインダが混合されている。その後、エミッタ成分を加熱し、アルカリ土類金属の炭酸塩から酸化物に加熱分解させ、アルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタを形成している。上記加熱の際には、有機バインダも一緒に酸化・分解されて除去される。
(4) 上記実施の形態4においては、専ら冷陰極としてホロー型電極を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ホロー型電極に代えて棒状の電極を用いても良い。何れの形状の電極を用いても本発明の効果は同じである。
<実施の形態5>
冷陰極蛍光ランプの電極には、始動性及びランプ効率を向上させるために、バリウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタ(電子放射性物質)を被着させる場合がある(例えば、特開2000−331643号公報参照)。このようなエミッタの被着形成プロセスの一例を挙げると、これらのエミッタ成分は、原料段階ではアルカリ土類金属の炭酸塩として準備され、そのアルカリ土類金属の炭酸塩を有機溶媒中に分散させた懸濁液の状態で電極に塗布される。懸濁液中には、エミッタ成分であるアルカリ土類金属の炭酸塩が電極に付着しやすいように、有機バインダが混合されている。その後、エミッタ成分を加熱し、アルカリ土類金属の炭酸塩から酸化物に加熱分解させ、アルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタを形成している。上記加熱の際には、有機バインダも一緒に酸化・分解されて除去される。
冷陰極蛍光ランプは、エミッタを用いない場合には輝度低下が寿命を決めるが、上記のように蛍光ランプの始動性や効率を重視する場合には、エミッタを使用するため、エミッタの飛散も寿命を決める要因となる。そのため、エミッタを使用した冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図るには、エミッタの飛散をいかに抑制するかが重要である。しかし、蛍光ランプの長寿命化の要求レベルは年々上昇し、従来のアルカリ土類金属の酸化物からなるエミッタではこの長寿命化の要求には十分に対処することができなくなってきた。
実施の形態5は、上記課題を解決したもので、蛍光ランプの使用中における飛散の少ないエミッタを有する高効率且つ長寿命の蛍光ランプを提供することを目的とするものである。
本実施の形態においては、電極以外の他の部分の構成や材質については、今までの実施の形態とほぼ同じなので、以下では、本実施の形態特有の電極の構成についてのみ説明する。
本実施の形態においては、電極以外の他の部分の構成や材質については、今までの実施の形態とほぼ同じなので、以下では、本実施の形態特有の電極の構成についてのみ説明する。
図33は、本実施の形態に係るの蛍光ランプの一例を示す一部拡大断面図である。なお、図33は、蛍光ランプの一端を示したものであり、他端は、図33に示す一端と同様であるため、図示を省略する。
図33に示すように電極4012は、金属スリーブ4012aと、金属スリーブ4012aの少なくとも一部に設けられたエミッタ4012bとを備える。金属スリーブ4012aの外径S1と内径S2との差、即ち金属スリーブ4012aの厚さは、通常0.1[mm]〜0.2[mm]に設定され、また、金属スリーブ4012aのカップ長L10は、その基部長L20の約3[倍]の長さに設定されるが、これらに限定はされない。
図33に示すように電極4012は、金属スリーブ4012aと、金属スリーブ4012aの少なくとも一部に設けられたエミッタ4012bとを備える。金属スリーブ4012aの外径S1と内径S2との差、即ち金属スリーブ4012aの厚さは、通常0.1[mm]〜0.2[mm]に設定され、また、金属スリーブ4012aのカップ長L10は、その基部長L20の約3[倍]の長さに設定されるが、これらに限定はされない。
なお、図33には、金属スリーブ4012aの内面にエミッタ4012bが形成されている一例を示しているが、金属スリーブ4012aの一部にエミッタ4012bが形成されているものであれば、エミッタ4012bの形成位置について制限はない。但し、エミッタ4012bを金属スリーブ4012aの少なくとも内面に設けることによって、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012bのスパッタリングを防止でき、エミッタ効果を長期間持続させることができる。
また、上記スパッタリングと封入ガス圧とは相関関係があり、封入ガス圧が低圧の場合には、金属スリーブ4012aの比較的底部でスパッタリングが発生しやすくなり、封入ガス圧が高圧の場合には、金属スリーブ4012aの口開部付近でスパッタリングが発生しやすくなる。そこで、封入ガス圧が1[Torr]以下の低圧では、図34に示すように、エミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの低面部と、金属スリーブ4012aの底面部から上方に1/3の高さまでの内側面部とに形成することが好ましい。また、封入ガス圧が10[Torr]以上の高圧では、図35に示すように、エミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの開口部から下方に1/3の深さまでの内側面部に形成することが好ましい。さらに、封入ガス圧が1[Torr]を超え、10[Torr]未満の中圧では、少なくともエミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの低面部及び開口部から上下それぞれ1/3までの内側面部に形成することが好ましい。エミッタ4012bは、スパッタリングそのものに対する耐久性が大きいため、封入ガス圧に応じてエミッタ4012bの形成位置を変更することにより、イオン衝撃による金属スリーブ4012a自体の飛散(スパッタリング)も防止できる。
なお、図33では、カップ状電極を用いた例を示したが、棒状電極を用いることもできる。その場合には、上記スパッタリングと封入ガス圧との関係は、封入ガス圧が高圧(10[Torr]以上)の場合には、棒状電極の先端部及びその先端部から下方に1/3までの側面部にスパッタリングが発生しやすくなり、封入ガス圧が中低圧(10[Torr]未満)の場合には、棒状電極の先端部及びその先端部から下方に2/3までの側面部にスパッタリングが発生しやすくなる。従って、上記カップ状電極の場合と同様に、棒状電極の場合でも封入ガス圧に応じて、スパッタリングが発生しやすい棒状電極の位置にスパッタリングそのものに対する耐久性が大きいエミッタを配置することが好ましい。
金属スリーブ4012aは、エミッタの焼成温度(例えば、550[℃])以上の耐熱性がある金属からなる。金属スリーブ4012aの材料としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、コバルト、鉄等を用いることができる。金属スリーブ4012aの一端は、タングステン等からなる内部リード線4015に挿入されて溶接されており、内部リード線4015はガラスビード4014を通って外部リード線4016に接続されている。
なお、図33では、電極4012として、金属スリーブ4012aの基部を内部リード線4015に挿入して溶接により接合した例を示したが、図36に示すように、電極4012として、金属スリーブ4012aが有底で、その外側底面に内部リード線4015が接合されたものや、金属スリーブ4012aと内部リード線4015、または金属スリーブ4012aと内部リード線4015と外部リード線4016とが一体成形されたもの等を使用することもできる。
また、金属スリーブ4012aの表面の中心線平均粗さ(Ra)は、1[μm]〜10[μm]が好ましい。この範囲内であれば、エミッタ4012bの脱落の抑制効果が大きくなるからである。
エミッタ4012bは、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子から形成されている。この単結晶酸化マグネシウム微粒子は、金属マグネシウムの蒸気と酸素との気相酸化反応で生成でき、例えば、図38の電子顕微鏡写真に示すような立方体の単結晶構造を有している。
エミッタ4012bは、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子から形成されている。この単結晶酸化マグネシウム微粒子は、金属マグネシウムの蒸気と酸素との気相酸化反応で生成でき、例えば、図38の電子顕微鏡写真に示すような立方体の単結晶構造を有している。
エミッタ4012bは、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子とバインダと溶媒とを混合したエミッタ塗布液を、金属スリーブ4012aに塗布した後に熱処理することによって形成できる。上記バインダとしては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が使用できる。また、上記溶媒としては、例えば、酢酸ブチル、化学式CnH2n+1OH(n=1〜4)で表されるアルコール等が使用できる。
また、図33では、直管状の蛍光ランプ4010について説明したが、本発明の蛍光ランプは直管状に限らず、「U」字状又は「コ」の字状等の屈曲管であってもよい。また、蛍光ランプ4010は、その断面が円形である円筒型ランプに限られない。例えば、図37(a)に示すような断面が楕円形を有する偏平型ランプであってもよい。なお、図37(b)は、図37(a)のI−I線の断面図である。
(実施の形態12の実施例)
以下、実施の形態12の一例である冷陰極蛍光ランプについて、実施例を用いて具体的に説明する。
(実施の形態12の実施例)
以下、実施の形態12の一例である冷陰極蛍光ランプについて、実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1では、前述の実施形態で説明した蛍光ランプ10の一例について説明する。図33を参照して、蛍光ランプ4010は、ニッケルからなる外径(S1)1.7[mm]、内径(S2)1.5[mm]、カップ長(L10)5.5[mm]、基部長(L20)1.5[mm]の金属スリーブ4012aの一端にタングステンからなる外径0.6[mm]の内部リード線4015が挿入され、金属スリーブ4012aの一端が圧潰溶接されて両者が接続されている。
実施例1では、前述の実施形態で説明した蛍光ランプ10の一例について説明する。図33を参照して、蛍光ランプ4010は、ニッケルからなる外径(S1)1.7[mm]、内径(S2)1.5[mm]、カップ長(L10)5.5[mm]、基部長(L20)1.5[mm]の金属スリーブ4012aの一端にタングステンからなる外径0.6[mm]の内部リード線4015が挿入され、金属スリーブ4012aの一端が圧潰溶接されて両者が接続されている。
ガラスバルブ4011は外径2.4[mm]、内径2.0[mm]のホウ珪酸ガラスからなり、ガラスバルブ4011の両端部に電極4012が配置されている。電極4012は、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子からなるエミッタ4012bを備える。
また、ガラスバルブ4011の両端部は、ホウ珪酸ガラスからなるガラスビード4014で封止されており、内部リード線4015は、ガラスビード4014を通ってステンレス鋼製の外部リード線4016に接続されている。一対の電極4012の先端間の距離は330[mm]とした。また、ガラスバルブ4011の内面には蛍光体膜4013を形成し、その内部には水銀とともにアルゴンとネオンとの混合ガスを8[kPa]の圧力になるように封入した。
また、ガラスバルブ4011の両端部は、ホウ珪酸ガラスからなるガラスビード4014で封止されており、内部リード線4015は、ガラスビード4014を通ってステンレス鋼製の外部リード線4016に接続されている。一対の電極4012の先端間の距離は330[mm]とした。また、ガラスバルブ4011の内面には蛍光体膜4013を形成し、その内部には水銀とともにアルゴンとネオンとの混合ガスを8[kPa]の圧力になるように封入した。
蛍光体膜4013としては、青色蛍光体がユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム〔BaMg2Al16O27:Eu2+〕(略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウム・テ
ルビウム共付活リン酸ランタン〔LaPO4:Ce3+,Tb3+〕(略号:LAP)及び赤色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム〔Y2O3:Eu3+〕(略号:YOX)を、BAM−B:LAP:YOX=4:3:3の重量比で混合した3波長型の蛍光体を用いた。
ルビウム共付活リン酸ランタン〔LaPO4:Ce3+,Tb3+〕(略号:LAP)及び赤色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム〔Y2O3:Eu3+〕(略号:YOX)を、BAM−B:LAP:YOX=4:3:3の重量比で混合した3波長型の蛍光体を用いた。
実施例1の蛍光ランプは、以下に示す方法で作製した。
最初に、金属スリーブ4012aの内面に、エミッタ4012bを以下の方法で形成した。先ず、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子を準備した。その後、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子10[kg]を、ニトロセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(溶媒)との混合溶液(ニトロセルロース1.5[wt%]の酢酸ブチル溶液)20[リットル]に分散させることによって、エミッタ塗布液を調製した。次に、金属スリーブ4012aの内面にこのエミッタ塗布液をスプレー法により塗布し、これを空気中で自然乾燥させた。
最初に、金属スリーブ4012aの内面に、エミッタ4012bを以下の方法で形成した。先ず、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子を準備した。その後、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子10[kg]を、ニトロセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(溶媒)との混合溶液(ニトロセルロース1.5[wt%]の酢酸ブチル溶液)20[リットル]に分散させることによって、エミッタ塗布液を調製した。次に、金属スリーブ4012aの内面にこのエミッタ塗布液をスプレー法により塗布し、これを空気中で自然乾燥させた。
その後、エミッタ塗布液を塗布した金属スリーブ4012aを、アルゴン雰囲気の還元炉で約550[℃]に加熱することによって、単結晶酸化マグネシウム微粒子を金属スリーブ4012へ固着するとともに、バインダ及び溶媒の除去を行い、エミッタ4012bを備える電極4012を形成した。
続いて、電極4012を、蛍光体膜4013が塗布されたガラスバルブ4011の両端に配置し、一方の電極4012のみを先にアルゴン雰囲気中でガラスビード4014を介して加熱封着した。続いて、ガラスバルブ4011の内部に水銀及びアルゴンとネオンの混合ガスを8kPaになるように導入し、最後に他方の電極4012とガラスバルブ4011とをガラスビード4014を介して加熱封着して、実施例1の蛍光ランプを作製した。
続いて、電極4012を、蛍光体膜4013が塗布されたガラスバルブ4011の両端に配置し、一方の電極4012のみを先にアルゴン雰囲気中でガラスビード4014を介して加熱封着した。続いて、ガラスバルブ4011の内部に水銀及びアルゴンとネオンの混合ガスを8kPaになるように導入し、最後に他方の電極4012とガラスバルブ4011とをガラスビード4014を介して加熱封着して、実施例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例1)
エミッタ4012bを全く形成しなかった金属スリーブ4012aからなる電極4012を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例2)
実施例1で用いた単結晶酸化マグネシウム微粒子に代えて、平均粒径18[μm]の酸化マグネシウム粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の蛍光ランプを作製した。
エミッタ4012bを全く形成しなかった金属スリーブ4012aからなる電極4012を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例2)
実施例1で用いた単結晶酸化マグネシウム微粒子に代えて、平均粒径18[μm]の酸化マグネシウム粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の蛍光ランプを作製した。
<ランプ電圧の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流4[mArms](実効値)、点灯周波数60[kHz]の条件で高周波点灯回路を用いて点灯させ、ランプ電圧(実効値:Vrms)を測定した。また、同様にしてランプ電流を6[mArms]、8[mArms]、10[mArms]にそれぞれ変更してランプ電圧を測定した。その結果を図39に示す。
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流4[mArms](実効値)、点灯周波数60[kHz]の条件で高周波点灯回路を用いて点灯させ、ランプ電圧(実効値:Vrms)を測定した。また、同様にしてランプ電流を6[mArms]、8[mArms]、10[mArms]にそれぞれ変更してランプ電圧を測定した。その結果を図39に示す。
図39から明らかなように、実施例1のランプ電圧は、比較例1及び比較例2のランプ電圧に比べて、32[Vrms]〜43[Vrms]程度低減できた。
<スパッタリング量の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流6[mArms]、点灯周波数60kHzの条件で高周波点灯回路を用いて6000[時間]点灯させ、スパッタリング量を測定した。ここで、スパッタリング量とは、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012b及び金属スリーブ4012aの成分が飛散し、飛散した成分がガラスバルブ4011の内壁に堆積付着した総量をいう。飛散物の採取は、両端の電極4012の周辺のガラスバルブ4011を酸に浸漬して、飛散物を酸に溶解して行った。スパッタリング量は、飛散物を溶解した溶液をICP質量分析法で分析して求めた。
<スパッタリング量の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流6[mArms]、点灯周波数60kHzの条件で高周波点灯回路を用いて6000[時間]点灯させ、スパッタリング量を測定した。ここで、スパッタリング量とは、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012b及び金属スリーブ4012aの成分が飛散し、飛散した成分がガラスバルブ4011の内壁に堆積付着した総量をいう。飛散物の採取は、両端の電極4012の周辺のガラスバルブ4011を酸に浸漬して、飛散物を酸に溶解して行った。スパッタリング量は、飛散物を溶解した溶液をICP質量分析法で分析して求めた。
図40は、スパッタリング量を比較した測定結果を示す表である。
図40から明らかなように、実際例1は、比較例1及び比較例2に比べて、スパッタリング量が少なく、蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。なお、実施例1及び比較例2のスパッタリング量には、エミッタ4012bの飛散によるMgO成分と、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分とが含まれ、比較例1のスパッタリング量には、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分のみが含まれると考えられる。
図40から明らかなように、実際例1は、比較例1及び比較例2に比べて、スパッタリング量が少なく、蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。なお、実施例1及び比較例2のスパッタリング量には、エミッタ4012bの飛散によるMgO成分と、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分とが含まれ、比較例1のスパッタリング量には、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分のみが含まれると考えられる。
上記では、ガラスバルブ4011が、ホウ珪酸ガラスからなる場合について説明したが、ソーダガラスで製造したガラスバルブを使用してその内面にシリカの保護膜を形成した場合であっても、同様な効果が得られるものである。
<実施の形態6>
実施の形態6〜実施の形態9の構成を説明する前に、その構成に到達した経緯について説明する。
<実施の形態6>
実施の形態6〜実施の形態9の構成を説明する前に、その構成に到達した経緯について説明する。
近年、液晶表示装置の需要の伸びに伴い、液晶表示装置の製造メーカーでは生産効率を上げるためにバックライトユニットへの冷陰極蛍光ランプ6901の自動挿入化を進めている。図51に示すような冷陰極蛍光ランプ6901の自動挿入化にあたっては、リード線6905とソケットとの接続作業の容易化が重要になる。そこで、図71に示すようなソケット6006が用いられている。ソケット6006は、ステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、リード線6905が嵌め込まれる嵌込部6006aを有している。そして、リード線6905を嵌込部6006aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部6006aに嵌め込まれたリード線6905は、嵌込部6006aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、リード線6905を嵌込部6006aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
しかし、リード線6905を嵌込部6006aに嵌め込む際、リード線6905のうち、ガラスバルブ6902の管端から突出した部分に対して、リード線6905の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わり、リード線6905におけるガラスバルブ6902への封着部6902aの外側の付け根部分6905b(以下、「リード線の付け根部6905b」という)が支点となり、ガラスバルブ6902の封着部6902aに負荷がかかって、クラックが発生することがある。
そこで、このようなクラックの発生を防止する手段として、図51に示すように封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆うことが提案されている(例えば日本国特開平10−112287号公報等参照)。
ところが、ガラスバルブ6902の封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆ったとしても、ガラスバルブ6902の封着部6902aにクラックが生じる場合がある。
ところが、ガラスバルブ6902の封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆ったとしても、ガラスバルブ6902の封着部6902aにクラックが生じる場合がある。
実施の形態6〜実施の形態7では、上記の課題に鑑み、例えば、リード線をソケットへ嵌め込むときに、ガラスバルブの封止部にクラックが生じるのを十分に防止する蛍光ランプを提供する。
本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプを図41に示す。図41におけるランプの管軸を含む要部拡大断面図を図42に示す。なお、実施の形態6〜実施の形態9に係る蛍光ランプは、実施の形態1の蛍光ランプ10(図1)と同様の保護膜を有しているのであるが、実施の形態6〜実施の形態9の全ての図面においては、当該保護膜の図示を省略することとする。
本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプを図41に示す。図41におけるランプの管軸を含む要部拡大断面図を図42に示す。なお、実施の形態6〜実施の形態9に係る蛍光ランプは、実施の形態1の蛍光ランプ10(図1)と同様の保護膜を有しているのであるが、実施の形態6〜実施の形態9の全ての図面においては、当該保護膜の図示を省略することとする。
実施の形態6に係る蛍光ランプは、図41に示すように、バックライト用の直管状の冷陰極蛍光ランプ6008(以下、単に「ランプ6008」という)であって、ガラスバルブ16と、このガラスバルブ16内の両端部に設けられた電極(図示せず)と、一端部がこの電極に接続され、かつ他端部がガラスバルブ16の管端から外側に導出しているリード線6005とガラスバルブ16の管端の外側に緩衝材6009を介して取り付けられている部材6010とを備えている。なお、実施の形態1と同様にガラスバルブ16の一端部側と他端部側とで、蛍光体層24の不存在領域の長さが異なっている。
ガラスバルブ16は、ソーダガラスを加工したものであって管軸X方向に対して垂直に切った断面が円環形状であって、全長が730[mm]、外径が4[mm]、内径が3[mm]、肉厚が0.5[mm]である。
リード線6005は、例えば、タングステン(W)製の内部リード線6005aと、半田等に付着し易いニッケル(Ni)製の外部リード線6005cとの継線からなり、内部リード線6005aと外部リード線6005cとの接合面が、ガラスバルブ16の外表面とほぼ面一である。すなわち、内部リード線6005aは、その一端部がホロー状の電極20の底部に電気的かつ機械的に接続され、外部リード線6005cと継線されている他端部側の大半がガラスバルブ16に封着されている。外部リード線6005cは、実質的に全体がガラスバルブ16の外部に位置している。内部リード線6005aは、断面が略円形であって、全長が3[mm]、線径が1.0[mm]である。外部リード線6005cは、断面が略円形であって、全長Lが10[mm]、線径が0.8[mm]である。
リード線6005は、例えば、タングステン(W)製の内部リード線6005aと、半田等に付着し易いニッケル(Ni)製の外部リード線6005cとの継線からなり、内部リード線6005aと外部リード線6005cとの接合面が、ガラスバルブ16の外表面とほぼ面一である。すなわち、内部リード線6005aは、その一端部がホロー状の電極20の底部に電気的かつ機械的に接続され、外部リード線6005cと継線されている他端部側の大半がガラスバルブ16に封着されている。外部リード線6005cは、実質的に全体がガラスバルブ16の外部に位置している。内部リード線6005aは、断面が略円形であって、全長が3[mm]、線径が1.0[mm]である。外部リード線6005cは、断面が略円形であって、全長Lが10[mm]、線径が0.8[mm]である。
なお、リード線6005の構成は上記構成に限定されず、例えば、内部リード線6005aと外部リード線6005cが分けられておらず、一本線で構成されていてもよいし、または内部リード線6005aあるいは外部リード線6005cがさらに複数の線を継線したものでもよい。
ガラスバルブ16の管端の外側、すなわち端面には、ガラスバルブ16から突出して真っ直ぐ延びる外部リード線6005cが嵌挿された略円板状の部材6010が、エポキシ系樹脂等の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009を介して取付けられている。部材6010は、例えばニッケル(Ni)製であって、その外径が例えば4[mm]、肉厚mが5[mm]であり、かつその中心部に外部リード線6005cを嵌挿させるための直径0.8[mm]の貫通孔6010cが形成されている。ここで、部材6010の弾性率は、緩衝材6009の弾性率よりも低い。例えばNiの弾性率は約200[GPa]であり、例えばエポキシ系樹脂の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009の弾性率は約10[MPa]である。なお、ここでの弾性率とは、ヤング率のことを指す。
ガラスバルブ16の管端の外側、すなわち端面には、ガラスバルブ16から突出して真っ直ぐ延びる外部リード線6005cが嵌挿された略円板状の部材6010が、エポキシ系樹脂等の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009を介して取付けられている。部材6010は、例えばニッケル(Ni)製であって、その外径が例えば4[mm]、肉厚mが5[mm]であり、かつその中心部に外部リード線6005cを嵌挿させるための直径0.8[mm]の貫通孔6010cが形成されている。ここで、部材6010の弾性率は、緩衝材6009の弾性率よりも低い。例えばNiの弾性率は約200[GPa]であり、例えばエポキシ系樹脂の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009の弾性率は約10[MPa]である。なお、ここでの弾性率とは、ヤング率のことを指す。
部材6010のガラスバルブ16側の端面とガラスバルブ16の管端との間の距離lは、内部リード線6005aと外部リード線6005cとを例えばレーザー溶接で接合され、その接合部分に団子状態の接合痕が形成されている場合、0.5[mm]程度が好ましい。部材6010を緩衝材6009を介してガラスバルブ16の端部の外側に安定して接着させるためである。また、リード線6005のうち、部材6010から突出している部分の長さnは、5[mm]程度が好ましい。ソケット6006(図71参照)との接触の安定性を確保するためである。
なお、緩衝材6009および部材6010は、上記の構成に限定されない。緩衝材6009として、例えばゴム(弾性率:約1.5[MPa]〜5.0[MPa])やポリエチレン(弾性率:約0.7[GPa])等を適用することができる。緩衝材6009は、弾性接着剤等の接着性の高いものの方が好ましいが、緩衝材6009と部材6010との接着性が小さい場合には、部材6010と外部リード線6005cを半田等によって接合することにより部材6010を外部リード線6005cに補助的に固定することが可能である。また、部材6010として、例えばアルミニウム(弾性率:約70[GPa])や銅(弾性率:約130[GPa])等を適用することができる。なお、緩衝材6009と部材6010との弾性率の差は一桁以上あることが好ましい。
以上のとおり、実施の形態6に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6008をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ16の封着部16aに伝わるため、封着部16aにかかる負荷を低減することができる。
ところで、実施の形態1と同様、少なくとも一方の部材6010に適当なマークをするか、各々の部材6010の少なくとも一部の色を変えることによってランプ6008の第一封止側と第二封止側を判別することができる。
図43は、部材6010の周回方向の側面にマーキングを施した場合の例である。図43(a)はランプ6008の一端を示す斜視図であり、図43(b)はそのA−A’断面図である。
図43は、部材6010の周回方向の側面にマーキングを施した場合の例である。図43(a)はランプ6008の一端を示す斜視図であり、図43(b)はそのA−A’断面図である。
また、各々の部材6010の管軸X方向の長さの差が2[mm]以上ある場合には、その長さの差を検出することによっても、ランプ6008の方向を識別することが可能である。
また、各々の部材6010の少なくとも一部で色違いにし、センサーによってその色の違いを認識する場合は、上記のようにセンサーによってマーク6011を認識する場合よりも認識の確実性を高めることができる。
また、各々の部材6010の少なくとも一部で色違いにし、センサーによってその色の違いを認識する場合は、上記のようにセンサーによってマーク6011を認識する場合よりも認識の確実性を高めることができる。
さらに、部材6010におけるガラスバルブ16の管端と反対側の端面や、周回方向の側面にロットナンバーや製造番号等をマーキングすることによってランプの製造元等の識別を行うことも可能となる。
<実施の形態7>
図44は、本発明の実施の形態7に係る蛍光ランプの管軸を含む断面図である。本実施の形態に係る蛍光ランプ6012は、冷陰極管蛍光ランプと外部電極型蛍光ランプとのそれぞれの長所を取って形成された外部内部電極型蛍光ランプ(以下、単に「ランプ6012」という)である。ランプ6012は、その一端に外部電極6013が形成され、他端に本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプの電極20と同様の内部電極20が配置されている他は、実施の形態6に係る蛍光ランプと同じ構成を有している。また、実施の形態1と同様にガラスバルブ16の一端部側と他端部側とで、蛍光体層24の不存在領域の長さが異なっている。よって、ランプ20(図2参照)と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略し、外部電極6013について詳細に説明する。
<実施の形態7>
図44は、本発明の実施の形態7に係る蛍光ランプの管軸を含む断面図である。本実施の形態に係る蛍光ランプ6012は、冷陰極管蛍光ランプと外部電極型蛍光ランプとのそれぞれの長所を取って形成された外部内部電極型蛍光ランプ(以下、単に「ランプ6012」という)である。ランプ6012は、その一端に外部電極6013が形成され、他端に本発明の実施の形態6に係る蛍光ランプの電極20と同様の内部電極20が配置されている他は、実施の形態6に係る蛍光ランプと同じ構成を有している。また、実施の形態1と同様にガラスバルブ16の一端部側と他端部側とで、蛍光体層24の不存在領域の長さが異なっている。よって、ランプ20(図2参照)と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略し、外部電極6013について詳細に説明する。
外部電極6013は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ16の端部の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。また、半田を超音波ディッピングすることにより外部電極6013を形成してもよい。
また、外部電極6013は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ16に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ16の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ16の管端部に被せてもよい。
以上のとおり、実施の形態7に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6012をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ16の封着部16aに伝わるため、封着部16aにかかる負荷を低減することができる。
以上のとおり、実施の形態7に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6012をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ16の封着部16aに伝わるため、封着部16aにかかる負荷を低減することができる。
(実施の形態6〜実施の形態7の変形例)
以上、本発明を上記した実施の形態6〜実施の形態7に示された具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.変形例1
一実施例として、図45に示すように、部材6028においてガラスバルブ16側の面の形状が凹面状でもよい。この場合、部材6028のガラスバルブ16側の端面の面積が、略平面の場合よりも大きくなり、蛍光ランプ6029のリード線6005をソケット6006に嵌め込む際、部材6028に加わって部材6028からガラスバルブ16の管端に伝わる力をより分散することができ、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが発生するおそれをより低減することができる。また、ガラスバルブ16の管端は通常、丸みを帯びた形状であるため、部材6028のガラスバルブ16側の端面が平面である場合よりも、部材6028を安定して固定することができる。さらに、緩衝材6030として樹脂製接着剤を用いた場合には、樹脂製接着剤をより薄く形成することができ、部材6028とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
以上、本発明を上記した実施の形態6〜実施の形態7に示された具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.変形例1
一実施例として、図45に示すように、部材6028においてガラスバルブ16側の面の形状が凹面状でもよい。この場合、部材6028のガラスバルブ16側の端面の面積が、略平面の場合よりも大きくなり、蛍光ランプ6029のリード線6005をソケット6006に嵌め込む際、部材6028に加わって部材6028からガラスバルブ16の管端に伝わる力をより分散することができ、ガラスバルブ16の封着部16aにクラックが発生するおそれをより低減することができる。また、ガラスバルブ16の管端は通常、丸みを帯びた形状であるため、部材6028のガラスバルブ16側の端面が平面である場合よりも、部材6028を安定して固定することができる。さらに、緩衝材6030として樹脂製接着剤を用いた場合には、樹脂製接着剤をより薄く形成することができ、部材6028とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
2.変形例2
また、一実施例として、図46に示すように、部材6031においてガラスバルブ16側の面であって、リード線6005が嵌挿されている部分に、凹部6031aを形成してもよい。一般的に内部リード線6005aと外部リード線6005cは、例えばレーザー溶接によって接合されており、その接合部に団子状態の接合痕6032が形成されてしまう。そこで、図46に示すように、部材6031に凹部6031aを形成することで、接合痕6032をその凹部6031aに収容することができ、緩衝材6033として弾性接着剤を用いた場合に緩衝材6033をより薄く形成できるので、部材6031とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
また、一実施例として、図46に示すように、部材6031においてガラスバルブ16側の面であって、リード線6005が嵌挿されている部分に、凹部6031aを形成してもよい。一般的に内部リード線6005aと外部リード線6005cは、例えばレーザー溶接によって接合されており、その接合部に団子状態の接合痕6032が形成されてしまう。そこで、図46に示すように、部材6031に凹部6031aを形成することで、接合痕6032をその凹部6031aに収容することができ、緩衝材6033として弾性接着剤を用いた場合に緩衝材6033をより薄く形成できるので、部材6031とガラスバルブ16との接着性を高めることができる。
3.変形例3
また、一実施例として、図47に示すように、部材6035の形状を略円錐形状にし、その斜面6035aをガラスバルブ16と反対側なるように部材6035をガラスバルブ16に取り付けてもよい。これにより、部材6035の寸法を大きくすることなく、マーキングの領域を拡大することができ、斜面6035aにマーキングを施すことにより、マークの認識性を高めることができる。また、部材6035が例えば金属製の場合には、部材6035の形状が管軸X方向の厚みが同じ円盤状である場合に比べて、放熱作用が大きくなりすぎるのを抑制することができ、電極20の周辺の温度低下によって引き起こされる電極20の周辺での水銀凝集を防止し、蛍光ランプ6036を長寿命化させることができる。
また、一実施例として、図47に示すように、部材6035の形状を略円錐形状にし、その斜面6035aをガラスバルブ16と反対側なるように部材6035をガラスバルブ16に取り付けてもよい。これにより、部材6035の寸法を大きくすることなく、マーキングの領域を拡大することができ、斜面6035aにマーキングを施すことにより、マークの認識性を高めることができる。また、部材6035が例えば金属製の場合には、部材6035の形状が管軸X方向の厚みが同じ円盤状である場合に比べて、放熱作用が大きくなりすぎるのを抑制することができ、電極20の周辺の温度低下によって引き起こされる電極20の周辺での水銀凝集を防止し、蛍光ランプ6036を長寿命化させることができる。
4.変形例4
また、一実施例として部材6039(図49参照)を導電性の素材で構成し、外部リード線6005cと部材6039とを半田等により電気的に接続させることで、図48に示すような外部電極型蛍光ランプ用ソケット6037に挿入させることもできる。また、導電性素材が金属である場合には、その大きさによっては、放熱作用により、電極20の過剰な温度上昇を抑制することもできる。図49は、蛍光ランプ6038のソケット6006、6037への取り付け状態を示す図である。冷陰極蛍光ランプ6038を外部電極用ソケット6037に挿入した場合の正面図を図49(a)に示し、同じく右側面図を図49(b)に示す。また、冷陰極蛍光ランプ6038を、冷陰極蛍光ランプ用ソケット6006(図71参照)に挿入した場合の正面図を図49(c)に示し、同じく右側面図を図49(d)に示す。図49(a)〜(d)に示すように、部材6039が導電性であることにより、冷陰極蛍光ランプ用および外部電極型蛍光ランプ用の異なるタイプのソケット6006、6037に対応する蛍光ランプ6038を提供することができる。
<実施の形態8>
実施の形態8〜実施の形態13は、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な封着方法を採用した蛍光ランプすることを可能とするものである。
また、一実施例として部材6039(図49参照)を導電性の素材で構成し、外部リード線6005cと部材6039とを半田等により電気的に接続させることで、図48に示すような外部電極型蛍光ランプ用ソケット6037に挿入させることもできる。また、導電性素材が金属である場合には、その大きさによっては、放熱作用により、電極20の過剰な温度上昇を抑制することもできる。図49は、蛍光ランプ6038のソケット6006、6037への取り付け状態を示す図である。冷陰極蛍光ランプ6038を外部電極用ソケット6037に挿入した場合の正面図を図49(a)に示し、同じく右側面図を図49(b)に示す。また、冷陰極蛍光ランプ6038を、冷陰極蛍光ランプ用ソケット6006(図71参照)に挿入した場合の正面図を図49(c)に示し、同じく右側面図を図49(d)に示す。図49(a)〜(d)に示すように、部材6039が導電性であることにより、冷陰極蛍光ランプ用および外部電極型蛍光ランプ用の異なるタイプのソケット6006、6037に対応する蛍光ランプ6038を提供することができる。
<実施の形態8>
実施の形態8〜実施の形態13は、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な封着方法を採用した蛍光ランプすることを可能とするものである。
実施の形態8の構成を説明する前に、構成に到達した経緯について説明する。
従来、液晶表示装置等のバックライトに用いられる蛍光ランプは、液晶表示装置等に対する小型化の要求に応えるべく、小型化の一途を辿ってきた。
従来のバックライト用の小型の蛍光ランプでは、製造工程においてランプの構成部材であるガラスバルブの端部を封止する際に円柱状のビードガラスを用いて封止する、いわゆるビード封止が採用されており、そのビード封止された端部からバルブの外方に延出されたリード線で放電ランプを照明装置の筐体に支持させて放電ランプと筐体とを電気的に接続し(日本国特開2005−183011号公報、日本国特開2005−294019号公報を参照)、このリード線を通じて放電ランプ内の電極に電力を供給して当該放電ランプを点灯させていた。
従来、液晶表示装置等のバックライトに用いられる蛍光ランプは、液晶表示装置等に対する小型化の要求に応えるべく、小型化の一途を辿ってきた。
従来のバックライト用の小型の蛍光ランプでは、製造工程においてランプの構成部材であるガラスバルブの端部を封止する際に円柱状のビードガラスを用いて封止する、いわゆるビード封止が採用されており、そのビード封止された端部からバルブの外方に延出されたリード線で放電ランプを照明装置の筐体に支持させて放電ランプと筐体とを電気的に接続し(日本国特開2005−183011号公報、日本国特開2005−294019号公報を参照)、このリード線を通じて放電ランプ内の電極に電力を供給して当該放電ランプを点灯させていた。
また、いわゆるビード封止された端部を覆うように有底筒状の口金を配設し(日本国特許第3462306号公報,日本国実開昭64−48851号公報,日本国特開平07−262910号公報を参照)、当該口金で筐体に支持されかつ筐体側電気接点と電気的に接続できるものもある。
近年、液晶表示装置の中でも、パーソナルコンピュータ用の液晶モニタや液晶テレビ受像機等に対して大型化の要求があり、この要求に応じてバックライト用の蛍光ランプに対しても大型化、大口径化の要求がある。
近年、液晶表示装置の中でも、パーソナルコンピュータ用の液晶モニタや液晶テレビ受像機等に対して大型化の要求があり、この要求に応じてバックライト用の蛍光ランプに対しても大型化、大口径化の要求がある。
上記のように、大型化の要求に応えるにあたり大口径のガラスバルブの封止工程において、ビード封止を採用すると、ビードガラスにおいて径の大きなものを新たに用意する必要が生じるが、外径が大きく内径の小さなビードガラスは作製が困難であるうえ、ガラスバルブ径の変動に伴って寸法の異なるビードガラスを用意する必要が生じてコスト上昇に繋がることから、ガラスバルブの封止工程において、発明者は、ビード封止に替えて、いわゆる圧潰封止を採用することを検討している。
当該圧潰封止は、上記ビードガラスが必要ないので、上記大口径バルブの封止には、都合が良い。
しかし、圧潰封止をバックライト用の蛍光ランプに採用する際、リード線を圧潰封止後、常圧下でガラスバルブ内を給排気するための給排気管をガラスバルブ端部に封着させる必要があり、そのため、ビード封止の場合に比べて、リード線を配置できる部位が狭くなるため、リード線を細くする必要があり、リード線で支持した場合、負荷によりリード線の屈曲や断線が生じ放電ランプを支持できないおそれがある。
しかし、圧潰封止をバックライト用の蛍光ランプに採用する際、リード線を圧潰封止後、常圧下でガラスバルブ内を給排気するための給排気管をガラスバルブ端部に封着させる必要があり、そのため、ビード封止の場合に比べて、リード線を配置できる部位が狭くなるため、リード線を細くする必要があり、リード線で支持した場合、負荷によりリード線の屈曲や断線が生じ放電ランプを支持できないおそれがある。
そこで、蛍光ランプを支持するため、ガラスバルブ端部を口金で覆ってこの口金で蛍光ランプを支持しかつ筐体側電気接点と電気的に接続すると、上記圧潰封止では、ガラスバルブ端部を圧潰するので、当該端部の加工歪みが上記ビード封止に比べて大きく、そのような加工歪みの大きい端部を口金で覆った場合、ランプ点灯時あるいは消灯時において口金とガラスバルブ端部との間で生じる温度差に起因して発生した応力によって当該端部でクラック(亀裂)が伸展し、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じるおそれがある。
実施の形態8では上記問題点に鑑み、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な蛍光ランプとこれを備えた照明装置とを提供する。
以下、図面を用いて実施の形態8に係る冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット(照明装置)について説明する。本実施の形態では、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
本実施の形態における直下方式のバックライトユニット2005の構成は、図1で説明したバックライトユニット1の構成と基本的には同様であるため概略構成の説明は省略する。
以下、図面を用いて実施の形態8に係る冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット(照明装置)について説明する。本実施の形態では、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
本実施の形態における直下方式のバックライトユニット2005の構成は、図1で説明したバックライトユニット1の構成と基本的には同様であるため概略構成の説明は省略する。
図52はバックライトユニット2005の要部斜視図である。外囲器106内面11の底壁11aのうち、上記光学シート類16の周縁領域相当位置にソケット2084が設けられており、冷陰極蛍光ランプ2007の口金2072がそれぞれソケット2084と嵌合し電気的に接続されると共にこれに保持される。
2.冷陰極蛍光ランプの構成
つぎに、図53を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ2007(以下、単に「ランプ2007」という場合がある。)の構成について説明する。図53(a)は、冷陰極蛍光ランプ2007の概略構成を示す一部切欠図である。図53(b)は、電極2017,2019の断面図である。
2.冷陰極蛍光ランプの構成
つぎに、図53を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ2007(以下、単に「ランプ2007」という場合がある。)の構成について説明する。図53(a)は、冷陰極蛍光ランプ2007の概略構成を示す一部切欠図である。図53(b)は、電極2017,2019の断面図である。
ランプ2007は、略円形横断面で直管状をしたガラスバルブ(ガラス容器)2015を有する。このガラスバルブ2015は、例えば外径6.0[mm]、内径5.0[mm]であって、その材料はソーダガラスである。本実施の形態では、ソーダガラスを用いている。以下に記すランプ2007の寸法は、外径6.0[mm]、内径5.0[mm]のガラスバルブ2015の寸法に対応する値である。言うまでもなくこれらの値は一例であり実施態様が限定されるものではない。
ガラスバルブ2015の内部には、水銀がガラスバルブ2015の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、20[Torr](20×133.32[Pa])で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンガスが用いられる。
また、ガラスバルブ2015の内面には、不図示の保護膜を介して蛍光体層2021が形成されている。蛍光体層2021は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。なお、保護膜の成分は実施の形態1と同じである。
また、ガラスバルブ2015の内面には、不図示の保護膜を介して蛍光体層2021が形成されている。蛍光体層2021は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。なお、保護膜の成分は実施の形態1と同じである。
蛍光体層2021は、ガラスバルブ2015長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ2007点灯時の発光特性に影響することとなる。
さらに、ガラスバルブ2015の端のそれぞれでは、圧潰されて封止部2032,2033が形成されている。ガラスバルブ2015の封止部2032,2033の各々からはリード線2025,2027が2[本]、外部へ向けて導出されている。
さらに、ガラスバルブ2015の端のそれぞれでは、圧潰されて封止部2032,2033が形成されている。ガラスバルブ2015の封止部2032,2033の各々からはリード線2025,2027が2[本]、外部へ向けて導出されている。
このリード線2025,2027は、例えば、ジュメット線からなる内部リード線2025A(2027A)と、ニッケルからなる外部リード線2025B(2027B)とからなる継線である。内部リード線2025A(2027A)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]で、外部リード線2025B(2027B)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]である。
なおかつ例えば外径が2.4[mm]、内径が1.6[mm]の給排気管2031が1[本]、各封止部2032,2033に封着されている。
内部リード線2025A(2027A)の先端部には、ニッケル(Ni)製のホロー型電極2017(2019)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
内部リード線2025A(2027A)の先端部には、ニッケル(Ni)製のホロー型電極2017(2019)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極2017,2019は同じ形状をしており、図53(b)に示す各部の寸法は、電極長L1=12.5[mm]、外径pO=4.70[mm]、内径pi=4.20[mm]、肉厚t=0.10[mm]である。
ランプ2007の点灯時には、有底筒状をした電極2017の筒内面と、同じく有底筒状をした電極2019の筒内面との間で放電が生じることとなる。
ランプ2007の点灯時には、有底筒状をした電極2017の筒内面と、同じく有底筒状をした電極2019の筒内面との間で放電が生じることとなる。
電極2017,2019の形状はこれに限定されず、棒状、板状であってもよい。リード線2025,2027の本数はガラスバルブ2015の封止部2032,2033のそれぞれにおいて、1[本]であってもよいが、2[本]封着させておくと、ビード封止の場合に比べて細くなったリード線2025,2027で電極2017,2019を確実に支持することができ、なおかつ製造時において電極2017,2019の軸位置とガラスバルブ2015の軸位置とを合わせる際、位置決めが容易になって好ましい。
給排気管2031の各々の内方端はガラスバルブ2015内空間に達し、かつリード線2025,2027先端に取り付けられた電極2017,2019よりも当該封止部2032,2033側に位置する。
給排気管2031の各々の外方端は当該封止部2032,2033外側の所定の距離まで、例えば、封止部2032,2033それぞれの外端から8[mm]延出されており、チップオフされて封じられている。
給排気管2031の各々の外方端は当該封止部2032,2033外側の所定の距離まで、例えば、封止部2032,2033それぞれの外端から8[mm]延出されており、チップオフされて封じられている。
なお、既述の「封止部2032,2033」では、ガラスバルブ2015が完全に封止されているわけではなく、封止部2032,2033に封着された給排気管2031から常圧下でガラスバルブ2015の内方空間を給排気した後、給排気管2031の各々の外方端が封止されてガラスバルブ2015が完全に封止される。
そして、給排気管2031のうち当該封止部2032,2033外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2015外部に引き出されたリード線2025,2027が巻回され、これら給排気管2031延出部およびこれらに巻回されたリード線2025,2027を覆うように口金2072が固着され、リード線2025,2027のそれぞれが各口金2072および各給排気管2031延出部と密着している。
そして、給排気管2031のうち当該封止部2032,2033外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2015外部に引き出されたリード線2025,2027が巻回され、これら給排気管2031延出部およびこれらに巻回されたリード線2025,2027を覆うように口金2072が固着され、リード線2025,2027のそれぞれが各口金2072および各給排気管2031延出部と密着している。
各口金2072がリード線2025,2027と接触を保ちながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、リード線のみで冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2025,2027に対して断線するような負荷が加わることを抑制してランプ2007を支持しかつリード線2025,2027と外囲器106側のソケット2084(図52参照)とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2015端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
口金2072は、スリーブ状であり、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2072の固着方法はこれに限らず、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より大きいものを半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。また、口金2072の形状も上記のものに限らず、キャップ状であっても良い。
口金2072は、スリーブ状であり、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2072の固着方法はこれに限らず、固着前においてその内径がリード線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より大きいものを半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。また、口金2072の形状も上記のものに限らず、キャップ状であっても良い。
スリーブ状の口金2072において一方の開口端から他方の開口端にかけてスリーブ軸方向と平行なスリットが形成されていれば、弾性力によって嵌めて固着することが容易となって好ましい。
本実施の形態では、リード線2025,2027を給排気管2031の延出部に巻回しその上から口金2072を固着させたが、これに限定されず、リード線2025,2027を巻回させることなく給排気管2031の延出部にガラスバルブ2015の封止部2032,2033から伸ばしたままその上から口金2072を固着させても良い。
本実施の形態では、リード線2025,2027を給排気管2031の延出部に巻回しその上から口金2072を固着させたが、これに限定されず、リード線2025,2027を巻回させることなく給排気管2031の延出部にガラスバルブ2015の封止部2032,2033から伸ばしたままその上から口金2072を固着させても良い。
リード線2025,2027を給排気管2031延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままのリード線2025,2027の上から口金2072を固着させた場合に比べて、リード線2025,2027のそれぞれと各口金2072との電気的接続を確実にすることができ、特にスリーブ状の口金2072にスリットが入ったものを用いたときに、リード線2025,2027を口金2072で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
口金2072を半田や導電性接着剤で給排気管2031に固着すると、弾性力によって嵌めて固着する場合に比べて給排気管2031への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管2031への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態では、口金2072は、ガラスバルブ2015の各封止部2032,2033から離間されて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着されている。
本実施の形態では、口金2072は、ガラスバルブ2015の各封止部2032,2033から離間されて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着されている。
具体的には、口金2072のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033側の一端がガラスバルブ2015の封止部2032,2033から0.5[mm]以上離されて、口金2072が固着されている。
給排気管2031のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033に被着された部分では、当該封止部2032,2033形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2031とガラスバルブ2015とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、口金2072を当該封止部2032,2033に接触するように給排気管2031に巻回すると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、冷陰極蛍光ランプ2007を外囲器106のソケット2084で支持できず、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障の生じる場合がある。
給排気管2031のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033に被着された部分では、当該封止部2032,2033形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2031とガラスバルブ2015とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、口金2072を当該封止部2032,2033に接触するように給排気管2031に巻回すると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、冷陰極蛍光ランプ2007を外囲器106のソケット2084で支持できず、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障の生じる場合がある。
本実施の形態では、各口金2072は、そのガラスバルブ2015側の端がガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間した状態で固着されているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、冷陰極蛍光ランプ2007を外囲器106のソケット2084で支持することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できるので好ましい。
本実施の形態では、口金2072をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて口金2072が、給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端を覆うことなく取着されるので好ましい。
給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端は、既述のようにガラスバルブ2015の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端に口金2072を被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端は、既述のようにガラスバルブ2015の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端に口金2072を被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
本実施の形態では、スリーブ状の口金2072を用い、これを給排気管2031のガラスバルブ2015外側の先端に被着させずに給排気管2031に固着させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
(実施の形態8のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2072がリード線2025,2027を覆いながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2025,2027に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
(実施の形態8のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2072がリード線2025,2027を覆いながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2025,2027に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、圧潰されてなる封止部2032,2033を避けて口金2072を固着させることができるので、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2015端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2007では、リード線2025,2027およびガラスバルブ2015端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、各口金2072を、ガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間させて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
また、本実施の形態では、各口金2072を、ガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間させて、リード線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状の口金2072を用い、これを給排気管2031のガラスバルブ2015外側の先端を覆わずに給排気管2031に固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態8の変形例)
実施の形態8の変形例について説明する。
(実施の形態8の変形例)
実施の形態8の変形例について説明する。
(変形例1)
変形例1の冷陰極蛍光ランプ5100は、図54に示すように、電極2019の外側の底面におけるリード線5104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線5104を挿入した後に電極2019とリード線5104とをレーザー溶接等により接合している。
変形例1の冷陰極蛍光ランプ5100は、図54に示すように、電極2019の外側の底面におけるリード線5104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線5104を挿入した後に電極2019とリード線5104とをレーザー溶接等により接合している。
こうすることで、電極2019とリード線5104との接合の安定性を高めることができる。
(変形例2)
変形例2の蛍光ランプ2008(以下、単に「ランプ2008」という場合がある。)は、図55に示すように、その一端の外面に外部電極5201を有し、他端の内部に内部電極2019を有する内部外部電極蛍光ランプである。
(変形例2)
変形例2の蛍光ランプ2008(以下、単に「ランプ2008」という場合がある。)は、図55に示すように、その一端の外面に外部電極5201を有し、他端の内部に内部電極2019を有する内部外部電極蛍光ランプである。
ランプ2008は、その一端の外面に外部電極2009を有し、それに伴う構成を除いては図53で説明した冷陰極蛍光ランプ2007と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極2009とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
外部電極2009は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ2015の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
外部電極2009は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ2015の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
また、外部電極2009は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ2015に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ2015の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ2015の端部に被せてもよい。
なお、図55に示す例では、給排気管2031が内部電極2017側のみにあるが、外部電極2009側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
なお、図55に示す例では、給排気管2031が内部電極2017側のみにあるが、外部電極2009側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
(変形例3)
変形例3に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大正面断面図を図56(a)に、そのB−B´断面図を図56(b)にそれぞれ示す。蛍光ランプ5107は、管軸方向に伸びる1[本]のリード線5106の端部が電極2019の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分5106aのほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線5106と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5106と電極2019との接合の安定性を高めることができる。
変形例3に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大正面断面図を図56(a)に、そのB−B´断面図を図56(b)にそれぞれ示す。蛍光ランプ5107は、管軸方向に伸びる1[本]のリード線5106の端部が電極2019の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分5106aのほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線5106と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5106と電極2019との接合の安定性を高めることができる。
(変形例4)
変形例4に係る蛍光ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図57(a)に、そのC−C´断面図を図57(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5108aほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線5108は、中間部5108aにおいて電極2019とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線5108と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5108と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、リード線5108は、中間部5108aを除くその両部分がガラスバルブ2015に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ2015に支持されている電極2019の軸ずれ、すなわちガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
変形例4に係る蛍光ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図57(a)に、そのC−C´断面図を図57(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5108aほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線5108は、中間部5108aにおいて電極2019とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線5108と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5108と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、リード線5108は、中間部5108aを除くその両部分がガラスバルブ2015に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ2015に支持されている電極2019の軸ずれ、すなわちガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
(変形例5)
変形例5は変形例4とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
変形例5に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図58(a)に、そのD−D´断面図を図58(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5110aは、電極2019の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部5110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線5110と電極2019の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線5110と電極2019の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図58(a)および(b)に示すリード線5110は、その折り曲げ部に挟まれた部分5110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部5110aが電極2019の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
変形例5は変形例4とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
変形例5に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図58(a)に、そのD−D´断面図を図58(b)にそれぞれ示す。この場合、1[本]のリード線5110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5110aは、電極2019の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部5110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線5110と電極2019の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線5110と電極2019の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図58(a)および(b)に示すリード線5110は、その折り曲げ部に挟まれた部分5110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部5110aが電極2019の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
(変形例6)
変形例6に係る蛍光ランプは、変形例1に係る蛍光ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
変形例6に係る蛍光ランプは、変形例1に係る蛍光ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
変形例6の蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図59(a)に、そのE−E´断面図を図59(b)にそれぞれ示す。変形例6は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、それぞれ2[本]のリード線5104が凸部2019aの側面に接合されている。この場合、リード線5104と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5104と電極2019との接合の安定性を高めることができる。なお、図59においては、リード線5104が凸部の側面だけでなく、電極の底面にも接合しているように見えるが、リード線5104のガラスバルブ2015内部に位置する一端面が電極の底面と接合されていてもよい。この場合、凸部の側面とのみ接合している場合に比べて、さらにリード線5104と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、凸部2019aの側面にリード線5104の線径と同程度の幅の溝を形成し、その溝にリード線5104を嵌め込んで接合することにより、リード線5104と電極2019との接合の位置ずれを防止することができる。
(変形例7)
蛍光ランプの変形例7は、変形例6とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を図60(a)に、そのF−F´断面図を図60(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、リード線5113がその凸部2019aの側面に巻き付けられるようにして電極2019とリード線5113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線5113と電極2019との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部2019aへのリード線5113の巻き付け回数、方向等については図60(a)および図60(b)に示すものに限定されない。
蛍光ランプの変形例7は、変形例6とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を図60(a)に、そのF−F´断面図を図60(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、リード線5113がその凸部2019aの側面に巻き付けられるようにして電極2019とリード線5113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線5113と電極2019との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部2019aへのリード線5113の巻き付け回数、方向等については図60(a)および図60(b)に示すものに限定されない。
(変形例8)
蛍光ランプの変形例8は、変形例4とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
蛍光ランプの変形例8は、変形例4とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
蛍光ランプの変形例8の管軸を含む要部拡大正面断面図を図61(a)に、そのG−G´断面図を図61(b)にそれぞれ示す。変形例8は、電極2019の外側の底面から突出した直方体状であって、その先端面に溝部2019bが形成された凸部を有している。変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019bに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。溝部2019bの溝の幅は、リード線の線径とほぼ同程度で、例えば0.4[mm]である。
なお、溝部2019bにリード線5108の中間部5108aを挿入した後、凸部を外側からかしめることで、リード線5108と電極2019を簡易的に接合することができる。さらに、かしめた後に溶接することで、リード線5108と電極2019との接合強度をさらに高めることができる。
また、凸部2019aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線5108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
また、凸部2019aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線5108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
(変形例9)
蛍光ランプの変形例9は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図62(a)に、その要部拡大底面断面図を図62(b)に、そのH−H´断面図を図62(c)にそれぞれ示す。変形例9では、変形例8における凸部2019aの先端面に形成された溝部2019bに代えて、凸部2019aの側面に溝部2019cが形成されている。リード線5108は、変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019cに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。
蛍光ランプの変形例9は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図62(a)に、その要部拡大底面断面図を図62(b)に、そのH−H´断面図を図62(c)にそれぞれ示す。変形例9では、変形例8における凸部2019aの先端面に形成された溝部2019bに代えて、凸部2019aの側面に溝部2019cが形成されている。リード線5108は、変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019cに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。
この場合、ガラスバルブ2015の管軸方向における電極2019とリード線5108との接合強度を高めることができる。
(変形例10)
本発明の実施の形態13に係る蛍光ランプの変形例10は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
(変形例10)
本発明の実施の形態13に係る蛍光ランプの変形例10は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例10の管軸を含む要部拡大正面断面図を図63(a)に、その要部拡大底面断面図を図63(b)に、そのI−I´断面図を図63(c)にそれぞれ示す。
変形例10は、変形例8と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの先端面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
変形例10は、変形例8と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの先端面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019dの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
この場合、電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
この場合、電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
(変形例11)
蛍光ランプの変形例11は、変形例9とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例11の管軸を含む要部拡大正面断面図を図64(a)に、その要部拡大底面断面図を図64(b)に、そのJ−J´断面図を図64(c)にそれぞれ示す。
蛍光ランプの変形例11は、変形例9とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例11の管軸を含む要部拡大正面断面図を図64(a)に、その要部拡大底面断面図を図64(b)に、そのJ−J´断面図を図64(c)にそれぞれ示す。
変形例11は、変形例10と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの側面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
この場合、ガラスバルブ2015の管軸方向における電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
<実施の形態9>
本実施の形態は、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプではなく熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態8と異なるので、実施の形態8と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態9>
本実施の形態は、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプではなく熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態8と異なるので、実施の形態8と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
図65は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ2071の要部分解図である。図65に示すように、熱陰極蛍光ランプ2071は、直管形状のガラスバルブ2151に放電媒体が封入され、ガラスバルブ2151端部近傍に電極2171,2191が配されてなる。
本実施の形態では、給排気管2311のうちガラスバルブ2151の封止部2321,2331外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2151外部に引き出されたリード線2251,2271がほぼ直線状に接触しており、これら給排気管2311延出部およびリード線2251,2271を覆うように口金が固着され、リード線2251,2271が口金2721および給排気管2311と密着している。
本実施の形態では、給排気管2311のうちガラスバルブ2151の封止部2321,2331外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2151外部に引き出されたリード線2251,2271がほぼ直線状に接触しており、これら給排気管2311延出部およびリード線2251,2271を覆うように口金が固着され、リード線2251,2271が口金2721および給排気管2311と密着している。
図65の部分拡大図に示すように、口金2721のそれぞれは、導電部2721a,2721bと絶縁部2721cとからなりかつスリット2721dを有し、スリーブ状の口金2721において導電部2721a,2721b同士を絶縁部2721cおよびスリット2721dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、リード線2251は口金2721の導電部2721bおよび給排気管2311と密着し、他方において、リード線2271は口金2721の導電部2721aおよび給排気管2311と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、筐体8側のソケット2084(図52参照)から電力供給するとき、リード線2251,2271同士で短絡させることなく、電極2171(2191)を構成するフィラメント2231に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2171,2191同士での放電を促すことができる。なお、口金2721を固着させた後においても口金2721のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2721がスリット2721dを有している。口金2721が当該構成を採用することにより、当該導電部2721a,2721b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
口金2721の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管2331への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
口金を半田あるいは導電性接着剤で固着する場合、上記導電部2721a,2721b同士を互いに電気的に絶縁性を有する部材で接続してなる口金を用いてもよい。当該口金を用いると、スリットが無いので、スリット2721dの入った口金2721と比べて、口金の機械的強度を向上させることができる。
口金を半田あるいは導電性接着剤で固着する場合、上記導電部2721a,2721b同士を互いに電気的に絶縁性を有する部材で接続してなる口金を用いてもよい。当該口金を用いると、スリットが無いので、スリット2721dの入った口金2721と比べて、口金の機械的強度を向上させることができる。
(実施の形態9のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2071を採用しており、実施の形態8において蛍光ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ7と異なるが、実施の形態8と同様に、口金2721のそれぞれがリード線2251,2271を覆いながら給排気管2311延出部のそれぞれに固着されているので、リード線2251,2271に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2151端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2071を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2071を採用しており、実施の形態8において蛍光ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ7と異なるが、実施の形態8と同様に、口金2721のそれぞれがリード線2251,2271を覆いながら給排気管2311延出部のそれぞれに固着されているので、リード線2251,2271に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2151端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2071を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ2071では、実施の形態8と同様にリード線2251,2271およびガラスバルブ2151端部への付加を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、実施の形態8と同様に、各口金2721を、ガラスバルブ2151の封止部2321,2331から離間させて、リード線2251,2271を覆いながら給排気管2311のそれぞれに固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態8と同様に、各口金2721を、ガラスバルブ2151の封止部2321,2331から離間させて、リード線2251,2271を覆いながら給排気管2311のそれぞれに固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態では、実施の形態8と同様に、スリーブ状の口金2721を用い、これを給排気管2311の外方端を覆わずに給排気管2311に固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
<実施の形態10>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材である口金の配設位置等に大きな特徴があり、その他の構成について実施の形態8における構成と略同一であるので、特徴部分のみ説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態10>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材である口金の配設位置等に大きな特徴があり、その他の構成について実施の形態8における構成と略同一であるので、特徴部分のみ説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
図66は、本実施の形態における冷陰極蛍光ランプ2073(以下、単に「ランプ2073」という場合がある。)の部分分解図である。図66に示すように、冷陰極蛍光ランプ2073では、実施の形態8と比べて、給排気管2312のガラスバルブ2152外側の先端はガラスバルブ2152の封止部2322,2332からの距離が短く、実施の形態8と同様にチップオフされて封止されている。
本実施の形態では、ガラスバルブ2152の外部に引き出されたリード線2252,2272が折り曲げられており、ガラスバルブ2152の封止部2322,2332とその近傍を避けてガラスバルブ2152の胴部、具体的には、ガラスバルブ2152に内包された電極2172,2192を覆う位置で、リード線2252,2272と接触しながら口金2722が固着され、リード線2252,2272が、当該位置でガラスバルブ2152および口金2722と密着している。
口金2722がリード線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつリード線2252,2272と外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2152の端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態8と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態8と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
口金2722のそれぞれが、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているが、当該ガラスバルブ2152の部分では、電極2172,2192とガラスバルブ2152の内面との間隙が極めて小さいために、円筒状の電極2172,2192の外壁と対向するガラスバルブ2152の内面に蛍光体層2212が形成されていても発光しない。
各電極2172,2192のガラスバルブ2152内方側の端よりも、上記口金2722およびリード線2252,2272がガラスバルブ2152の内方側に配置されていると、ランプ73の発光を遮ることになるので、これら口金2722およびリード線2252,2272は、各電極2172,2192のガラスバルブ2152内方端よりもガラスバルブ2152の外方側に配置されていることが好ましい。
口金2722は、スリーブ状であり、固着前においてその内径がリード線2252,2272の線径およびガラスバルブ2152の外径の合計より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2722の固着方法はこれに限らず、半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。
本実施の形態では、リード線2252,2272をその軸方向がガラスバルブ2152の軸方向と同じになるようにして電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持していたが、これに限定されず、リード線2252,2272を、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に巻回させて、当該ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持しても良い。
本実施の形態では、リード線2252,2272をその軸方向がガラスバルブ2152の軸方向と同じになるようにして電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持していたが、これに限定されず、リード線2252,2272を、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に巻回させて、当該ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持しても良い。
リード線2252,2272のそれぞれを上記ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持すると、伸びたままのリード線2252,2272を挟持する場合と比べて、口金2722との電気的接続を確実にすることができ、特に口金2722がスリットの入ったスリーブ状であることから、リード線2252,2272を口金2722で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
口金2722を半田や導電性接着剤でガラスバルブ2152に固着すると、弾性力によって固着する場合に比べてガラスバルブ2152への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてガラスバルブ2152への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態10のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2722がリード線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつリード線2252,2272と外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
(実施の形態10のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2722がリード線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつリード線2252,2272と外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2152の端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2073では、リード線2252,2272およびガラスバルブ2152の端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2073では、リード線2252,2272およびガラスバルブ2152の端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態8と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
<実施の形態11>
本実施の形態は、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態10と異なるので、実施の形態10と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態11>
本実施の形態は、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態10と異なるので、実施の形態10と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
図67は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ2074の要部分解図である。図67に示すように熱陰極蛍光ランプ2074は、直管形状のガラスバルブ2153に放電媒体が封入され、ガラスバルブ2153端部近傍に電極2173,2193が配されてなる。
本実施の形態では、ガラスバルブ2153の外部に引き出されたリード線2253,2273が折り曲げられ、ガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けてガラスバルブ2153の胴部、具体的には、ガラスバルブ2153に内包された電極2172,2192を覆う位置で、リード線2253,2273と接触しながら口金2723が固着され、リード線2253,2273が口金723およびガラスバルブ2153と密着している。
本実施の形態では、ガラスバルブ2153の外部に引き出されたリード線2253,2273が折り曲げられ、ガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けてガラスバルブ2153の胴部、具体的には、ガラスバルブ2153に内包された電極2172,2192を覆う位置で、リード線2253,2273と接触しながら口金2723が固着され、リード線2253,2273が口金723およびガラスバルブ2153と密着している。
電極2173,2193は、それぞれガラスバルブ2153の内包空間にてリード線2253,2273を支持するガラス製のステム2292とリード線2253,2273内方端同士を結ぶフィラメント2233を含んでいるが、口金2723は、ガラスバルブ2153胴部のうち、電極2173,2193を構成するステム2292を覆う位置で固着されているのが好ましい。
なぜなら、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間が実施の形態10に比べて広いので、電極2173,2193と対向するガラスバルブ2153内面に蛍光体層2213が形成されていると、発光に寄与するからである。
発光に寄与する電子は、電極2173,2193のフィラメント2233同士の間で発生するが、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間隙が実施の形態10よりも広いので、当該間隙に発光寄与電子の進入する可能性が高い。したがって、口金2723およびリード線2253,2273のガラスバルブ2153外側端は、ガラスバルブ2153に対して確実に固定できる限度において、できるだけガラスバルブ2153の端(封止部2323,2333)側に配置されていることが好ましい。
発光に寄与する電子は、電極2173,2193のフィラメント2233同士の間で発生するが、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間隙が実施の形態10よりも広いので、当該間隙に発光寄与電子の進入する可能性が高い。したがって、口金2723およびリード線2253,2273のガラスバルブ2153外側端は、ガラスバルブ2153に対して確実に固定できる限度において、できるだけガラスバルブ2153の端(封止部2323,2333)側に配置されていることが好ましい。
本実施の形態では、口金2723の好ましい配設位置を上記のように設定しているが、設計上、ガラスバルブ2153のうち蛍光体層2213が形成されていない領域が口金2723を確実に固定できる限度に存在すれば、その領域にて口金2723を固定することが最も好ましい。
図67の部分拡大図に示すように、口金2723のそれぞれは、導電部2723a,2723bと絶縁部2723cとからなりかつスリット2723dを有し、スリーブ状の口金2723において導電部2723a,2723b同士を絶縁部2723cおよびスリット2723dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、リード線2253は口金2723の導電部2723bおよびガラスバルブ2153と密着し、他方において、リード線273は口金2723の導電部2723aおよびガラスバルブ2153と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、外囲器106側のソケット2084から電力を供給するとき、リード線2253,273同士で短絡させることなく、電極2172(2192)を構成するフィラメント2233に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2172,2192同士での放電を促すことができる。なお、口金2723を固着させた後においても口金2723のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2723がスリット2723dを有している。口金2723が当該構成を採用することにより、導電部2723a,2723b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
図67の部分拡大図に示すように、口金2723のそれぞれは、導電部2723a,2723bと絶縁部2723cとからなりかつスリット2723dを有し、スリーブ状の口金2723において導電部2723a,2723b同士を絶縁部2723cおよびスリット2723dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、リード線2253は口金2723の導電部2723bおよびガラスバルブ2153と密着し、他方において、リード線273は口金2723の導電部2723aおよびガラスバルブ2153と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、外囲器106側のソケット2084から電力を供給するとき、リード線2253,273同士で短絡させることなく、電極2172(2192)を構成するフィラメント2233に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2172,2192同士での放電を促すことができる。なお、口金2723を固着させた後においても口金2723のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2723がスリット2723dを有している。口金2723が当該構成を採用することにより、導電部2723a,2723b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
口金2723の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてガラスバルブ2153への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態11のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2074を採用しており、実施の形態10において蛍光ランプとして採用された冷陰極蛍光ランプ2073と異なるが、実施の形態10と同様に、口金2723のそれぞれがリード線2253,2273と接触しながらガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けて、ガラスバルブ2153の胴部に、具体的にはガラスバルブ2153に内包された電極2173,2193を覆う位置で、固着されているので、リード線2253,2273に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2153端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2074を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
(実施の形態11のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2074を採用しており、実施の形態10において蛍光ランプとして採用された冷陰極蛍光ランプ2073と異なるが、実施の形態10と同様に、口金2723のそれぞれがリード線2253,2273と接触しながらガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けて、ガラスバルブ2153の胴部に、具体的にはガラスバルブ2153に内包された電極2173,2193を覆う位置で、固着されているので、リード線2253,2273に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2153端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2074を支持しかつこれと外囲器106側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ2074では、実施の形態10と同様にリード線2253,2273およびガラスバルブ2153端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
<実施の形態12>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材から口金を廃し、ガラスバルブに内包された電極に電力を供給するためガラスバルブ外方に引き出されたリード線を直接、バックライトユニット側の電気接点であるソケットに接触させた点に特徴があり、その他の構成については実施の形態8の構成と略同一であるので、特徴部分のみ言及し、その他の部分についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態12>
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材から口金を廃し、ガラスバルブに内包された電極に電力を供給するためガラスバルブ外方に引き出されたリード線を直接、バックライトユニット側の電気接点であるソケットに接触させた点に特徴があり、その他の構成については実施の形態8の構成と略同一であるので、特徴部分のみ言及し、その他の部分についてはここでの説明を省略する。
図68は、本実施の形態におけるバックライトユニット2105の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。図68に示すように、バックライトユニット2105の部材である筐体2109の底壁2111aのうち、光学シート類の周縁領域相当位置にソケット2184が設けられている。
そして、冷陰極蛍光ランプ2107の部材であるガラスバルブ2115端部の封止部2324,2334から延出されたリード線2254,2274が、同様に延出された給排気管2314に巻回され、給排気管2314のうちリード線2254,2274巻回済みの延出部分がソケット2184に嵌合して冷陰極蛍光ランプ2107が筐体2109に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
そして、冷陰極蛍光ランプ2107の部材であるガラスバルブ2115端部の封止部2324,2334から延出されたリード線2254,2274が、同様に延出された給排気管2314に巻回され、給排気管2314のうちリード線2254,2274巻回済みの延出部分がソケット2184に嵌合して冷陰極蛍光ランプ2107が筐体2109に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
ソケット2184の各々は、それ1つが同極性に設定されており、ガラスバルブ2115それぞれの各端部から延出された2[本]のリード線2254,2274を同極性に設定することができる。
バックライトユニット2105では、ソケット2184の各々が、リード線2254,2274と接触を保ちながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184をリード線2254,2274と電気的に接続することができる。
バックライトユニット2105では、ソケット2184の各々が、リード線2254,2274と接触を保ちながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184をリード線2254,2274と電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、リード線2254,2274巻回済みの給排気管2314の延出部と筐体2109のソケット2184とを嵌合させたが、これに限定されず、リード線2254,2274をガラスバルブ2115の封止部2324,2334から伸ばしたままソケット2184と嵌合させても良い。その場合、ソケット2184の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2314に巻回してこれにリード線2254,2274を仮止めさせてからソケット2184に差し込むと、リード線2254,2274を確実にソケット2184に差し込むことができて好ましい。
本実施の形態では、リード線2254,2274巻回済みの給排気管2314の延出部と筐体2109のソケット2184とを嵌合させたが、これに限定されず、リード線2254,2274をガラスバルブ2115の封止部2324,2334から伸ばしたままソケット2184と嵌合させても良い。その場合、ソケット2184の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2314に巻回してこれにリード線2254,2274を仮止めさせてからソケット2184に差し込むと、リード線2254,2274を確実にソケット2184に差し込むことができて好ましい。
リード線2254,2274を給排気管2314延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままのリード線2254,2274と給排気管2314とを同時にソケット2184に嵌合させる場合に比べて、ソケット2184との電気的接続を確実にすることができ、特にソケット2184がスリーブ状であるので、リード線2254,2274の取りこぼしを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2184とリード線2254,2274巻回済みの給排気管2314延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2314への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2314への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態において、ソケット2184は、ガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間されて、その内面がリード線2254,2274と接触しながら給排気管2314のそれぞれと嵌合している。
具体的には、ソケット2184のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334側の一端がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から0.5[mm]以上離されて、ソケット2184が給排気管2314と嵌合している。
具体的には、ソケット2184のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334側の一端がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から0.5[mm]以上離されて、ソケット2184が給排気管2314と嵌合している。
給排気管2314のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334に被覆された部分では、当該封止部2324,2334形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2314とガラスバルブ2115とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、ソケット2184を当該封止部2324,2334に接触するように給排気管2314と嵌合させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット2184と給排気管2314との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内の空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
本実施の形態では、ソケット2184がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間しているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて、ソケット2184が給排気管2314それぞれのガラスバルブ2115の外側の先端を覆うことなく取着されて好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて、ソケット2184が給排気管2314それぞれのガラスバルブ2115の外側の先端を覆うことなく取着されて好ましい。
給排気管2314それぞれの外方端は、既述のようにガラスバルブ2115の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端にキャップ状のソケットを被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット2184と給排気管2314との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内の空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
本実施の形態では、スリーブ状のソケット2184を用い、これを給排気管2314のガラスバルブ2115外側の先端を覆わずに給排気管2314と嵌合させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
(実施の形態12のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2184がリード線2254,2274と接触しながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
(実施の形態12のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2184がリード線2254,2274と接触しながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2254,2274に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2105では、リード線2254,2274およびガラスバルブ2115端部への負荷を抑制して冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持を行うことができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2105では、リード線2254,2274およびガラスバルブ2115端部への負荷を抑制して冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持を行うことができる。
また、本実施の形態では、筐体2109のソケット2184を、ガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間させて、リード線2254,2274と接触させながら給排気管2314のそれぞれと嵌合させているので、給排気管2314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2314への負荷を抑制することができて、冷陰極ランプ2107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状のソケット2184を用い、これを給排気管2314のガラスバルブ2115外側の先端を覆わずに給排気管2314と嵌合させているので、給排気管2314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2314への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
<実施の形態13>
本実施の形態では、蛍光ランプに熱陰極蛍光ランプを採用した点で実施の形態12と異なるのみであるので、実施の形態12と共通する部分についてはここでの説明を省略する。
<実施の形態13>
本実施の形態では、蛍光ランプに熱陰極蛍光ランプを採用した点で実施の形態12と異なるのみであるので、実施の形態12と共通する部分についてはここでの説明を省略する。
図69は、本実施の形態におけるバックライトユニット2205の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。
本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプ2207が用いられており、その部材であるガラスバルブ2154端部の封止部2325,2335から延出されたリード線2255,2275が、同様に延出された給排気管2315に沿っており、リード線2255,2275と並行する給排気管2315の延出部分がソケット2284に嵌合して熱陰極蛍光ランプ2207が筐体2209に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプ2207が用いられており、その部材であるガラスバルブ2154端部の封止部2325,2335から延出されたリード線2255,2275が、同様に延出された給排気管2315に沿っており、リード線2255,2275と並行する給排気管2315の延出部分がソケット2284に嵌合して熱陰極蛍光ランプ2207が筐体2209に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
その場合、ソケット2284の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2315に巻回してこれにリード線2255,2275を仮止めさせてからソケット2284に差し込むと、リード線2255,2275の取りこぼしを防いでリード線2255,2275を確実にソケット2284に差し込むことができ、歩留まり向上の観点から好ましい。
本実施の形態では、ソケット2284の各々が2ピース構造になっており、ガラスバルブ2154それぞれの各端部から延出された2[本]のリード線2255,2275とガラスバルブ2154に内包された電極のフィラメント(不図示)とで電流経路を形成することができる。ソケット2284の構成はこれに限定されず、物理的に一体であっても既述の電流経路を形成できるように電気的に絶縁された構造であっても良い。
そして、本実施の形態において、ソケット2284の各ピースのうちリード線2255,2275および給排気管2315を支持する部分では、給排気管2315軸に垂直な断面が屈曲形状を有する。すなわち、ソケット2284の各ピースの当該支持部分では、リード線2255,2275および給排気管2315に臨む内壁が谷折りの状態となっており、給排気管2315の表面に沿うリード線2255,2275がこの谷折りの内壁に嵌っている。本実施の形態では、当該構成を有することにより、ソケット2284を構成する各ピースの当該支持部分における給排気管2315軸に垂直な断面が円弧状のものに比べ、リード線2255,2275がソケット2284を構成する各ピースの間に嵌ってピース同士で短絡が生じることを抑制することができる。
ソケット2284の各々が、リード線2255,2275と接触を保ちながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2255,2275に対して断線するような負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207をソケット2284に支持させかつソケット2284をリード線2255,2275と電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2154端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207をソケット2284に支持させかつソケット2284と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、ソケット2284に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2284とリード線2255,2275および給排気管2315延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2315への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2315への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態では、ソケット2284に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2284とリード線2255,2275および給排気管2315延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2315への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2315への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態13のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2284がリード線2255,2275と接触しながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で熱陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2255,2275に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
既述したように本実施の形態では、ソケット2284がリード線2255,2275と接触しながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、リード線で熱陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、リード線2255,2275に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2154の端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2205では、リード線2255,2275およびガラスバルブ2154端部への負荷を抑制して熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持を行うことができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2205では、リード線2255,2275およびガラスバルブ2154端部への負荷を抑制して熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持を行うことができる。
また、本実施の形態でも実施の形態9と同様に、筐体2209のソケット2284を、ガラスバルブ2154の封止部2325,2335から離間させて、リード線2255,2275と接触ながら給排気管2315のそれぞれと嵌合させているので、給排気管2315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2315への負荷を抑制することができて、熱陰極ランプ2207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
そのうえ、本実施の形態でも実施の形態9と同様に、スリーブ状のソケット2284を用い、これを給排気管2315のガラスバルブ2154外側の先端を覆わずに給排気管2315と嵌合させているので、給排気管2315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2315への負荷を抑制することができて、熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態8〜実施の形態13の補足事項)
<ランプの交互配置について>
図70は、ガラスバルブにおいて蛍光体層が形成された領域を示す模式図である。
(実施の形態8〜実施の形態13の補足事項)
<ランプの交互配置について>
図70は、ガラスバルブにおいて蛍光体層が形成された領域を示す模式図である。
図70では、蛍光体層の形成領域について説明するため、上記各実施の形態で示した他の構成部材、例えば、口金2072(2721,2722)、給排気管2031(2311,2312,2313,2314,2315)、リード線2025,2027などを省略している。
図70に示すように、実施の形態1と同様に、ガラスバルブ2015(2115,2151,2152,2153,2154)の第1封止部側の、境界部(蛍光体層2021(2211,2212,2213)が存在する領域と不存在の領域との境界)2034から第1封止部2032(2321,2322,2323,2324,2325)側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部2036から第2封止部2033(2331,2332,2333)側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
図70に示すように、実施の形態1と同様に、ガラスバルブ2015(2115,2151,2152,2153,2154)の第1封止部側の、境界部(蛍光体層2021(2211,2212,2213)が存在する領域と不存在の領域との境界)2034から第1封止部2032(2321,2322,2323,2324,2325)側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部2036から第2封止部2033(2331,2332,2333)側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
その寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]。
実施の形態1において説明したように、a1とa2との距離を異ならせることで蛍光ランプの方向識別に活用できる。
<冷陰極蛍光ランプの製造方法>
次に、上記構成を有する蛍光ランプ2007(2071,2073,2074,2107,2207)の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。以下の記述においては、冷陰極蛍光ランプを一例に用いて説明するが、同様に熱陰極蛍光ランプにおいても当該製造方法を適用できることは言うまでもない。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]。
実施の形態1において説明したように、a1とa2との距離を異ならせることで蛍光ランプの方向識別に活用できる。
<冷陰極蛍光ランプの製造方法>
次に、上記構成を有する蛍光ランプ2007(2071,2073,2074,2107,2207)の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。以下の記述においては、冷陰極蛍光ランプを一例に用いて説明するが、同様に熱陰極蛍光ランプにおいても当該製造方法を適用できることは言うまでもない。
図71,図72は冷陰極蛍光ランプ2020の製造工程を示す図である。図71,図72で示す製造工程は、図3,図4で示したものと大部分共通している。この共通部分の説明は簡単にし、給排気管2316の挿入、圧潰封止などについては異なる部分について詳しく説明する。
まず、準備した直管状のガラス管2046を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管2046内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管2046内面に蛍光体懸濁液を塗布する(工程A)。
まず、準備した直管状のガラス管2046を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管2046内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管2046内面に蛍光体懸濁液を塗布する(工程A)。
次に、ガラス管2046内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管2046内面にブラシ2047を挿入して、蛍光体層2214のうちガラス管2046端側の不要な部分を除去する(工程B)。
その後、蛍光体層2214が形成されたガラス管2046に電極2174、給排気管2316を挿入した後、給排気管2316の管軸方向の通気性は維持した状態で、当該ガラス管2046の一端(第2封止部側)をバーナー2048で熱して圧潰封止する(工程C)。
その後、蛍光体層2214が形成されたガラス管2046に電極2174、給排気管2316を挿入した後、給排気管2316の管軸方向の通気性は維持した状態で、当該ガラス管2046の一端(第2封止部側)をバーナー2048で熱して圧潰封止する(工程C)。
また、封止位置の設定値からの誤差は0.5[mm]程度である。
次に、反対側の開口端からガラス管2046に、電極2194、給排気管2316を挿入した後、他端を圧潰封止し、その後、管軸方向に通気性が維持された給排気管2316(第1封止部側)の端部を気密にチップオフする(工程D)。
また、封止位置の設定値からの誤差は反対側と同様に0.5[mm]程度である。
次に、反対側の開口端からガラス管2046に、電極2194、給排気管2316を挿入した後、他端を圧潰封止し、その後、管軸方向に通気性が維持された給排気管2316(第1封止部側)の端部を気密にチップオフする(工程D)。
また、封止位置の設定値からの誤差は反対側と同様に0.5[mm]程度である。
工程Cにおける電極2174の挿入位置及び工程Dにおける電極2194の挿入位置は、封止後のガラス管2046の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層2214不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極2194は、第2封止部側の電極2174と比べて、蛍光体層2214に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
続いて、通気性が維持された状態の給排気管2316(第2封止部側)のうち、端部寄りの一部をバーナー2052で加熱してくびれ部分を形成した後、水銀ペレット2054を給排気管2316に投入する(工程E)。水銀ペレット2054は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続いて、ガラス管2046内の排気とガラス管2046内への希ガスの充填を行う(工程F)。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管2046の水銀ペレット2054側端部に装着し、先ず、ガラス管2046内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管2046全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管2046の外周表面において約380[℃]である。これによって、蛍光体層2214に潜入している不純ガスを含めガラス管2046内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
続いて、ガラス管2046内の排気とガラス管2046内への希ガスの充填を行う(工程F)。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管2046の水銀ペレット2054側端部に装着し、先ず、ガラス管2046内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管2046全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管2046の外周表面において約380[℃]である。これによって、蛍光体層2214に潜入している不純ガスを含めガラス管2046内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
希ガスが充填されると、第2封止部側の給排気管316の水銀ペレット2054側端部をバーナー2056で加熱して封止する(工程G)。
続いて、図72に示す工程Hでは、水銀ペレット2054をガラス管2046の周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管2046を加熱炉2057内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極2194の方へ移動させる。
続いて、図72に示す工程Hでは、水銀ペレット2054をガラス管2046の周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管2046を加熱炉2057内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極2194の方へ移動させる。
次に、工程Eにて形成されたくびれ部分よりも電極2174,2194側でかつ必要な長さを残すように給排気管2316をバーナー2058で加熱しチップオフして気密封止する(工程I,J)。封止位置の設定値から誤差は、同様に0.5[mm]程度である。
以上の工程を経ることにより、冷陰極蛍光ランプが完成される。
<識別用マークについて>
(変形例12)
実施の形態8〜実施の形態13のガラスバルブにおいては、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例12として説明する。
以上の工程を経ることにより、冷陰極蛍光ランプが完成される。
<識別用マークについて>
(変形例12)
実施の形態8〜実施の形態13のガラスバルブにおいては、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例12として説明する。
図73に示すように、ガラスバルブ2015bの第2封止部2033b側には、蛍光体層2021bとは別に、蛍光体層2022が形成されている。蛍光体層2022は、電極2017,2019間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体層である。
本変形例では、例えば、境界2036bと蛍光体層2022との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
本変形例では、例えば、境界2036bと蛍光体層2022との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
(変形例13)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例13として説明する。
図74は、変形例13に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図であり、図74(a)(b)では、ガラスバルブ2015c,2015dと蛍光体層2021c,2021dを断面で示し、リード線2025c,2027c,2251d,2271d,電極2017c,2017dは外観を示している。また、図74(c)では、電極2017eも形状がわかるよう断面で示している。なお、図74においては、図65と同様の構成部材についてはその説明を省略する。
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態8〜実施の形態13に係る変形例13として説明する。
図74は、変形例13に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図であり、図74(a)(b)では、ガラスバルブ2015c,2015dと蛍光体層2021c,2021dを断面で示し、リード線2025c,2027c,2251d,2271d,電極2017c,2017dは外観を示している。また、図74(c)では、電極2017eも形状がわかるよう断面で示している。なお、図74においては、図65と同様の構成部材についてはその説明を省略する。
図74(a)の例では、方向識別に用いるためのマーク2075が円筒型電極2017cの中央下部の周回方向に施されている(図中、網線は着色を示している)。
この場合、境界2034cとリング状のマーク2075との距離eを検出に用いることができる。電極2017cへのマーキングは、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
この場合、境界2034cとリング状のマーク2075との距離eを検出に用いることができる。電極2017cへのマーキングは、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
図74(b)の例では、熱陰極蛍光ランプへの適用例を示しており、フィラメント2231dに接続された内部リード線2251dA,2271dAを支持するガラスステム2291dが着色されている。この例では、境界2034とガラスステム2291dとの距離fを検出に用いることができる。ガラスステム2291dは、ガラスバルブ2015dの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図74(c)の例では、口金2072eの周回方向にマーク2076が付されている。この例では、境界2034eとマーク2076との距離gを検出に用いることができる。マーク2076も、マーク2075と同様にガラスバルブ2015eの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
電極17eの形状は有底筒状であるが、これに限らず、両端開口筒状、棒状であっても構わない。
<実施の形態14>
実施の形態14に係る冷陰極蛍光ランプは、ガラスバルブの両端部外周に導電膜を形成し、両導電膜と対応するリード線とを電気的に接続したものである。そして、当該導電膜を給電端子として用いることにより、バックライトユニット(外囲器)内に設けられたソケットへの装着性が向上するものである。
(実施の形態14−1)
実施の形態14−1に係る冷陰極蛍光ランプ500について、図75および図76を参照しながら説明する。
電極17eの形状は有底筒状であるが、これに限らず、両端開口筒状、棒状であっても構わない。
<実施の形態14>
実施の形態14に係る冷陰極蛍光ランプは、ガラスバルブの両端部外周に導電膜を形成し、両導電膜と対応するリード線とを電気的に接続したものである。そして、当該導電膜を給電端子として用いることにより、バックライトユニット(外囲器)内に設けられたソケットへの装着性が向上するものである。
(実施の形態14−1)
実施の形態14−1に係る冷陰極蛍光ランプ500について、図75および図76を参照しながら説明する。
図75は、冷陰極蛍光ランプ500(以下、単に「蛍光ランプ500」と言う。)の一部を切り欠いた斜視図であり、図76は端部部分の縦断面図である。蛍光ランプ500は、給電端子を設けた点、およびこれに合わせてリード線の寸法を変更した点以外は、実施の形態1の冷陰極蛍光ランプ10と実質的に同様の構成である。したがって、共通する部分には、同じ符号を付して、その詳細な説明については省略するか、簡略にするに止める。なお、後述する実施の形態14−2の場合を含め、実施の形態14の説明に用いる図面においては、保護膜22(図1)およびビードガラス21,23(図10)の図示を省略している。
蛍光ランプ500は、実施の形態1と同様。円形断面を有するガラス管の両端部がリード線502で気密封止されてなる管状をしたガラスバルブ16を有する。
リード線502は、実施の形態1と同様、ジュメット線からなる内部リード線502Aとニッケルからなる外部リード線502Bの継線である。ガラス管は、内部リード線502A部分で気密封止されている。内部リード線502A、外部リード線502Bは、共に円形断面を有している。内部リード線502Aの線径は0.8[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線502Bの線径は0.6[mm]、全長は1[mm]である。
リード線502は、実施の形態1と同様、ジュメット線からなる内部リード線502Aとニッケルからなる外部リード線502Bの継線である。ガラス管は、内部リード線502A部分で気密封止されている。内部リード線502A、外部リード線502Bは、共に円形断面を有している。内部リード線502Aの線径は0.8[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線502Bの線径は0.6[mm]、全長は1[mm]である。
ガラスバルブ16の端部外面には、給電端子504が形成されている。給電端子504とリード線502(外部リード線502B)とは接合され、電気的に接続されている。給電端子504は、ガラスバルブ16の外面に塗布された導電性ペーストの焼成体で構成された導電膜からなる。
両給電端子504を介して給電することにより、両電極20間で放電が生じる。
両給電端子504を介して給電することにより、両電極20間で放電が生じる。
給電端子504は、公知のディッピング法で形成することができる(例えば、特開2004−146351号公報)。ディッピング法で給電端子504を形成する方法を簡単に説明すると、例えば、電極20が封着されたガラスバルブ16の封着部を、溶融槽内の溶融半田に浸漬させて行う。溶融半田に封着部を浸漬させる際には、超音波を加えてもよい。このようなディッピング法は、給電端子504を簡単かつ安価に形成することができるため、冷陰極蛍光ランプ1を安価に製造することができる。
なお、給電端子504は、ディッピング法以外の方法で形成しても良い。例えば蒸着、メッキ等の方法によって形成しても良い。
(実施の形態14−2)
図77は、実施の形態14−2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図であり、図78は、給電端子を構成する薄膜部材を示す斜視図である。図77に示す冷陰極蛍光ランプ550の給電端子552は、半田製の接合部分554と、薄膜部分としての鉄・ニッケル合金製の薄膜部材556とからなる。このように、給電端子552は、必ずしもその全体が同じ材料で構成されていなくても良い。
(実施の形態14−2)
図77は、実施の形態14−2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図であり、図78は、給電端子を構成する薄膜部材を示す斜視図である。図77に示す冷陰極蛍光ランプ550の給電端子552は、半田製の接合部分554と、薄膜部分としての鉄・ニッケル合金製の薄膜部材556とからなる。このように、給電端子552は、必ずしもその全体が同じ材料で構成されていなくても良い。
図78に示すように、薄膜部材556は、断面略C字形に形成された肉厚120[μm]の筒体であって、ガラスバルブ16の端部に外嵌されている。薄膜部材556の内径はガラスバルブ16の外径よりもやや小さく、また前記薄膜部材556にはスリット558が設けられている。したがって、薄膜部材556の内径とガラスバルブ16の外径との間に多少の寸法誤差が生じても、前記薄膜部材556の内面が前記ガラスバルブ16の外面に密着するように設計されている。
なお、薄膜部材556は、断面略C字形の筒体に限定されず、断面が略三角形や略四角形等の多角形、或いは楕円の筒体に、スリットを設けたものであっても良い。また、スリットを設けない場合も考えられる。
外部リード線560の全長は2[mm]であり、そのうちの内部リード線562側である薄膜部材556の内部に収まった部分の長さL30は1[mm]であって、残りの前記薄膜部材556から外側に突出している部分の長さL40は1[mm]である。接合部分554は、外部リード線560のうちの薄膜部材556内部に収まった部分と接合している厚肉領域564と、前記外部リード線560のうちの前記薄膜部材556から外側に突出している部分を覆う薄肉領域566とで構成される。
外部リード線560の全長は2[mm]であり、そのうちの内部リード線562側である薄膜部材556の内部に収まった部分の長さL30は1[mm]であって、残りの前記薄膜部材556から外側に突出している部分の長さL40は1[mm]である。接合部分554は、外部リード線560のうちの薄膜部材556内部に収まった部分と接合している厚肉領域564と、前記外部リード線560のうちの前記薄膜部材556から外側に突出している部分を覆う薄肉領域566とで構成される。
給電端子552を上記構成とした場合、外部リード線560が接合部分554の厚肉領域564で固定されているため、前記外部リード線560のうちの薄膜部材556から外側に突出している部分をぶつけてもガラスバルブ16の封着部568に応力が加わりにくく、前記封着部568が破損しにくい。但し、外部リード線560はなるべくならぶつかりにくい方が良いため、前記外部リード線560の薄膜部材556から外側に突出していないか、または突出している場合には突出している部分の長さL40は1[mm]以下であることが好ましい。
なお、給電端子504を形成する材料は半田に限定されず、少なくとも導電性を有する材料であれば良い。但し、給電端子504の放熱作用が大きくならないように、熱伝導率の低い材料であることが好ましい。
一般に半田は、導電性が良く、熱伝導率も低く、その上低価格であるため、給電端子504の材料として好適である。特に、スズ(Sn)、スズ−インジウム(In)合金、スズ−ビスマス(Bi)合金等を主成分とする半田は、機械的強度の高い給電端子504を形成することができるため、より好適である。それらに、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種類を添加した半田は、ガラスとの馴染みが良いために、ガラスバルブ16から剥がれ難い給電端子504を形成することができ、さらに好適である。加えて、鉛を含まない半田は、環境に配慮した冷陰極蛍光ランプ1を作製することができるため好適である。
一般に半田は、導電性が良く、熱伝導率も低く、その上低価格であるため、給電端子504の材料として好適である。特に、スズ(Sn)、スズ−インジウム(In)合金、スズ−ビスマス(Bi)合金等を主成分とする半田は、機械的強度の高い給電端子504を形成することができるため、より好適である。それらに、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種類を添加した半田は、ガラスとの馴染みが良いために、ガラスバルブ16から剥がれ難い給電端子504を形成することができ、さらに好適である。加えて、鉛を含まない半田は、環境に配慮した冷陰極蛍光ランプ1を作製することができるため好適である。
給電端子504を形成する材料がタングステンと馴染みが良い場合、外部リード線560をタングステン製にすることも考えられる。すなわち、リード線22全体をタングステンで形成することが考えられる。このようにすることで、リード線22の断線不良が減少する。
<実施の形態1〜14の補足>
1.蛍光体層の組成について
以上、実施の形態1〜14について説明してきたが、蛍光体層は上記で説明したものに限定されず、蛍光体層の材料として特に次に示す材料を用いることが可能である。
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
<実施の形態1〜14の補足>
1.蛍光体層の組成について
以上、実施の形態1〜14について説明してきたが、蛍光体層は上記で説明したものに限定されず、蛍光体層の材料として特に次に示す材料を用いることが可能である。
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+](略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・ マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
・ マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
ここで、「313(nm)の紫外線を吸収する」とは、254(nm)付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100(%)としたときに、313(nm)の励起波長スペクトルの強度が80(%)以上のものと定義する。すなわち、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体とは、313(nm)の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
なお、以下に記載している蛍光体(粉体)の色度座標値は、大塚電子(株)製の分光分析値装置(MCPD−7000)で測定した値を、小数点以下第4桁で四捨五入したものである。また、この色度座標値は、それぞれの蛍光体材料における代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、若干異なる値を示す場合がある。
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.153、y=0.030
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.153、y=0.030
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.136、y=0.572
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.284、y=0.635
・テルビウム・マンガン共付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+,Mn2+](略号:CAM)、色度座標:x=0.256、y=0.657
・マンガン付活ジンクリリケート[Zn2SiO4:Mn2+](略号:ZSM)、色度座標:x=0.248、y=0.700
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
・BAM−G、色度座標:x=0.136、y=0.572
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.284、y=0.635
・テルビウム・マンガン共付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+,Mn2+](略号:CAM)、色度座標:x=0.256、y=0.657
・マンガン付活ジンクリリケート[Zn2SiO4:Mn2+](略号:ZSM)、色度座標:x=0.248、y=0.700
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.658、y=0.330
・YVO、色度座標:x=0.661、y=0.328
・MFG、色度座標:x=0.708、y=0.288
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YPV、YDSも高色再現用に使用することもできる。
・YOS、色度座標:x=0.658、y=0.330
・YVO、色度座標:x=0.661、y=0.328
・MFG、色度座標:x=0.708、y=0.288
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YPV、YDSも高色再現用に使用することもできる。
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.643、y=0.348)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,055)で構成されている。
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95(%)となり、例1及び2に比べて輝度を10(%)向上させることができる。
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
2.ガラスバルブの材料について
(1)本実施の形態におけるガラスバルブの材料は、ソーダガラスを用いており、暗黒始動性が改善できる。すなわち、ガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラス管内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラス管内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
2.ガラスバルブの材料について
(1)本実施の形態におけるガラスバルブの材料は、ソーダガラスを用いており、暗黒始動性が改善できる。すなわち、ガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラス管内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラス管内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
特に、外部内部電極型蛍光ランプや外部電極型蛍光ランプでは、ガラス管材料におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、3[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が高くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラス管が白色化して輝度の低下を招いたり、ガラス管の強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が高くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラス管が白色化して輝度の低下を招いたり、ガラス管の強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
また、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただ、鉛フリーガラスは、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1[wt%]以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
(2)また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。
(2)また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。
具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、内部リード線がタングステン(W)製である場合に、内部リード線の熱膨張係数(約44×10-7[K-1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、内部リード線がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、その熱膨張係数(約51×10-7[K-1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
なお、ガラスの熱膨張係数を調節することにより、蛍光ランプの封止部における内部リード線の封着強度を高めることができる。例えば、内部リード線がタングステン(W)製の場合には、ガラスの熱膨張係数を36×10−7[K-1]〜45×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
なお、ガラスの熱膨張係数を調節することにより、蛍光ランプの封止部における内部リード線の封着強度を高めることができる。例えば、内部リード線がタングステン(W)製の場合には、ガラスの熱膨張係数を36×10−7[K-1]〜45×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
また、内部リード線がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合にはガラスの熱膨張係数を45×10−7[K-1]〜56×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
また、内部リード線がジュメット製の場合にはガラスの熱膨張係数を94×10-7[K-1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の値とすることができる。
本発明に係る蛍光ランプは、初期輝度が高く、輝度維持率に優れていることが要求される、例えば、液晶表示装置に組み込まれるバックライトユニットの光源として好適に利用可能である。
10 冷陰極蛍光ランプ
16 ガラスバルブ
22 保護膜
24,50 蛍光体層
26 蛍光体粒子
26B 青色蛍光体粒子
30,52 被覆
16 ガラスバルブ
22 保護膜
24,50 蛍光体層
26 蛍光体粒子
26B 青色蛍光体粒子
30,52 被覆
Claims (20)
- ガラスバルブと、前記ガラスバルブ内面に形成された保護膜と、青色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子、および赤色蛍光体粒子を含み、前記保護膜に重ねて形成された蛍光体層とを有する蛍光ランプであって、
前記ガラスバルブはソーダガラスからなり、前記蛍光体粒子の内、少なくとも青色蛍光体粒子が金属酸化物で被覆されていると共に、前記保護膜がシリカ(SiO2)で形成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 - 前記保護膜中に、チタン化合物またはセリウム化合物が分散されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、
蛍光体粒子の総重量に対し、前記酸化ランタンが、0.1[wt%]以上1.5[wt%]以下の割合で前記蛍光体層に含まれていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記金属酸化物が酸化ランタン(La2O3)であり、
前記蛍光体層中に、1.3[wt%]以上3[wt%]以下の割合で、結着剤であるCBBPが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記金属酸化物は、酸化イットリウム(Y2O3)であり、
前記蛍光体層は、結着剤としてCBBを含み、
当該蛍光体層において、
前記蛍光体粒子の総重量100に対する、酸化イットリウムの総重量比をA、CBBの総重量比をBとした場合に、AとBとが、
0.1≦A≦0.6
0.4≦(A+B)≦0.7
の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記青色蛍光体粒子は、ユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウムであり、その不純物の含有量が前記青色蛍光体粒子の総重量に対して0.1[wt%]以下であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記不純物として酸化セリウムが含まれることを特徴とする請求項6に記載の蛍光ランプ。
- 前記不純物としてアルミン酸バリウムおよびアルミン酸マグネシウムが含まれることを特徴とする請求項6に記載の蛍光ランプ。
- 前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極を有し、
少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記電極材料は、シリコン、チタン、ストロンチウム及びカルシウムの何れか1以上が、酸化イットリウムの含有量の半分以下の含有量となるように添加されていることを特徴とする請求項10に記載の蛍光ランプ。
- 前記ガラスバルブ両端部の内側に配設された一対の有底筒状の電極と、
少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一部に設けられたエミッタであって、一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含むエミッタと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記ガラスバルブは、その両端部が圧潰されており、
少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能するリード線と、外方端部が封止された給排気管とが挿通され、
さらに、前記リード線と電気的に接続され、前記圧潰端部以外の部分あるいは前記給排気管に取着されている口金を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記口金は、スリーブ状であって、前記ガラスバルブのうち前記圧潰端部以外の未圧潰部分に取着されていることを特徴とする請求項12に記載の蛍光ランプ。
- 前記給排気管は前記圧潰端部から前記ガラスバルブ外方に向けて延出されており、前記口金は当該延出部に取着されていることを特徴とする請求項12に記載の蛍光ランプ。
- 前記ガラスバルブは、両端部が封着されており、
前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に設けられ、当該端部を貫通するリード線と、
前記リード線の前記ガラスバルブ内側端部に接合された電極と、
前記端部外面および当該端部外面に連続する外周面に形成された導電膜からなり、前記リード線と電気的に接続された給電端子と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 前記ガラスバルブ内の端部に設けられた電極と、一端部がこの電極に接続され、かつ他端部が前記ガラスバルブの端部から外部に導出しているリード線とを備え、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部には、緩衝材を介して、弾性率がこの緩衝材の弾性率よりも高い部材が取り付けられており、前記リード線は前記緩衝材および前記部材にそれぞれ嵌挿していることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、前記ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとの差が、2[mm]以上であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 光源として、請求項1に記載の蛍光ランプを有することを特徴とするバックライトユニット。
- 前記蛍光ランプの前記ガラスバルブには、アルゴンガスとネオンガスとを含む混合ガスが封入されおり、
前記バックライトユニットは、さらに、当該蛍光ランプのための点灯装置を有し、
x−y直交座標系において、混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、駆動電流値[mA]をy軸上にとった場合、
(x,y)座標で表される点(10,10)、点(10,7.6)、点(21,6)、点(31,4)、点(49,4)、点(51,6)、点(52,8)、点(53,10)、点(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)に存するいずれかの点のx座標値が前記混合ガスの封入圧に、y座標値が前記点灯装置による前記蛍光ランプの駆動電流値に設定されており、
かつ、前記混合ガスに前記アルゴンガスが20[%]以上の分圧比で含まれていることを特徴とする請求項18に記載のバックライトユニット。 - 前記バックライトユニットは、前記蛍光ランプを収納する外囲器を有し、
液晶表示パネルと、
前記外囲器が前記液晶表示パネルの背面に配されている請求項18に記載のバックライトユニットと、
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
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