JP2006147289A - 冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置 - Google Patents

冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置 Download PDF

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由雄 真鍋
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Abstract

【課題】 光束維持率の高い冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置を提供する。
【解決手段】 蛍光体粒子40からなる蛍光体層34がガラスバルブの内面に形成され、ガラスバルブ30内に水銀が封入されている冷陰極蛍光ランプ20であって、少なくとも励起されることにより青色の光を放射する蛍光体粒子40の表面に、酸化マグネシウムの粒子42がまばらに付着されており、酸化マグネシウムの粒子42は、蛍光体粒子40の表面全域にわたって、ほぼ均一な割合で分布している。
酸化マグネシウムの粒子42による蛍光体粒子40表面の被覆率P(%)は、0<P<76であって、酸化マグネシウムの粒子42は、平均粒径が0.01μm以上0.1μm以下である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、冷陰極蛍光ランプに関し、特に、蛍光体粒子の表面に金属酸化物を付着させる技術に関する。
蛍光ランプは、発光管内部に水銀が封入されており、電子からエネルギーを得て水銀が励起されて紫外線を放射し、当該紫外線が蛍光体層によって可視光線に変換されることによって発光する。
ところで、ランプ寿命中において、発光管内に封入された水銀が蛍光体層を構成する蛍光体粒子に付着して、蛍光体粒子への紫外線入射量が減少することにより光束維持率が低下することが知られている。そこで、光束維持率の低下を抑制するために、蛍光体粒子に金属酸化物からなる被膜をコーティングする技術が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。例えば、公知のゾル‐ゲル法により蛍光体粒子の表面を金属酸化物からなる被膜でコーティングすることによって、蛍光体粒子に水銀が付着する現象が抑制され、蛍光ランプの光束維持率の低下を抑制することができる。
特許2653576号公報 特開平07−316551号公報 特開平05−320636号公報
しかし、本発明者らが、上記の特許文献1〜3の技術を適用した各種の蛍光ランプについて特性試験を実施してみたところ、冷陰極蛍光ランプでは、若干の改善はみられるものの、十分な光束維持率が得られないことが判明した。
そこで、本発明は、光束維持率の高い冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、放電管の内面に蛍光体層を備える冷陰極蛍光ランプであって、前記蛍光体層を構成する少なくとも一部の蛍光体粒子の表面に、金属酸化物の粒子が分散して付着されていることを特徴としている。
上記構成とすることにより、従来構成の冷陰極蛍光ランプよりも光束維持率が改善されることが実験により確認された。特許文献1〜3のように、金属酸化物によって蛍光体粒子を完全に被覆すると、蛍光体粒子に水銀が付着しにくくなって光束維持率が改善されるものの、ランプ点灯による何らかの原因によって金属酸化物自体が変質して紫外線の透過率が低下し、次第に蛍光体粒子に紫外線が到達しにくくなり光束維持率が低下するものと考えられる。
すなわち、本発明では、蛍光体粒子を金属酸化物で完全に被覆することなく、金属酸化物の粒子を蛍光体粒子の表面にまばらに分散して付着させることによって、蛍光体粒子への水銀の付着による光束維持率の低下を抑制するとともに、金属酸化物の変質による光束維持率の低下が生じにくい構成とすることができるので、特許文献1〜3の技術を適用した場合よりも光束維持率が改善されるものと考えられる。以上、本発明によれば、光束維持率の高い冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
また、上記構成において、前記金属酸化物の粒子は、前記蛍光体粒子の表面全域にわたって、ほぼ均一に分布していることが望ましいと考えられる。
蛍光体粒子の表面において、金属酸化物の粒子分布に偏りがある場合には、金属酸化物の粒子がほとんど存在しない領域に水銀が付着しやすくなり光束維持率も低下するが、蛍光体粒子の表面全域にわたって、粒子分布の偏りなくほぼ均一に金属酸化物の粒子を付着させることによって、蛍光体粒子の表面全域において水銀が付着しにくくなるので、光束維持率の低下を抑制することができると考えられる。
ここで、上記構成において、前記金属酸化物の粒子による前記蛍光体粒子表面の被覆率P(%)は、0<P<76であることが望ましい。
被覆率P(%)が0<P<76であると、金属酸化物の粒子による蛍光体粒子の被覆率が0%あるいは100%の従来構成の冷陰極蛍光ランプよりも、光束維持率が改善されることが実験により確認された。なお、被覆率とは、蛍光体粒子の表面における金属酸化物粒子による面積占有率をいう。
また、上記構成において、前記金属酸化物の粒子は、平均粒径が0.01μm以上0.1μm以下であることが望ましい。
これは、蛍光体粒子に付着させる金属酸化物粒子の平均粒径が0.1μmよりも大きいと、蛍光体粒子に到達する紫外線の量が低下することにより光束が低下すると考えられるからであり、粒径が0.01μm未満のものは製造することが困難だからである。
ここで、前記金属酸化物は、酸化マグネシウムであることが望ましい。
上記構成において、金属酸化物として酸化マグネシウム(MgO)を用いると、光束維持率の改善がはかられることが実験により確認された。
また、上記構成において、前記少なくとも一部の蛍光体粒子には、励起されることにより、青色の光を放射するものが含まれていることが好適である。
蛍光体層には、励起されることにより赤、緑、青の各色の光を放射する蛍光体粒子がそれぞれ用いられるが、中でも、青色の光を放射する蛍光体粒子に最も水銀が付着しやすく、このことが光束維持率が低下することの主要因であることが本発明者らにより見出された。そこで、少なくとも青色の光を放射する蛍光体粒子の表面に、金属酸化物の粒子を上記構成で付着することにより、光束維持率の改善がはかられる。
本発明に係るバックライト装置は、上記のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプを備えていることを特徴としている。これにより、光束維持率の高いバックライト装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置について説明する。
<バックライト装置の構成>
はじめに、本実施の形態に係るバックライト装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイ用バックライト装置1の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造を示すために前面パネル16の一部を切り欠いて示している。
バックライト装置1は、図1に示すように、冷陰極蛍光ランプ(以下、「ランプ」と表記する。)20と、開口部を有しこれらのランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う前面パネル16とを備える。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。
ランプ20は直管状をしており、本実施の形態では、14本のランプ20が筐体10内に直下方式で配設され、電気的に並列に接続されている。なお、ランプ20の構成については後述する。
筐体10の開口部は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。
前面パネル16における拡散板13及び拡散シート14は、ランプ20から放射された光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
<ランプの構成>
つぎに、図2を参照しながらランプ20の構造について説明する。図2は、ランプ20の概略構成を示す一部切欠図である。
ランプ20は、円形断面で直管状をしたガラスバルブ(放電管)30を有する。ガラスバルブ30は、ホウケイ酸ガラスからなる。なおガラスバルブ30のサイズは、長さ720mm、外径4.0mm、内径3.0mmである。
リード線21は、タングステンからなる内部リード線とニッケルからなる外部リード線の継線であり、ガラスバルブ30は両端部とも、内部リード線に対応する部分で気密封止されている。
内部リード線のガラスバルブ30内部の端部には、電極22がレーザ溶接等によって接合されている。電極22は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニオブ棒又はニッケル棒を加工したものである。電極22として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効だからである。
また、ガラスバルブ30内には、例えば、水銀及びガス圧60Torrの希ガス(Ar:5%、Ne:95%)が所定量封入されている。そしてガラスバルブ30内面には、保護膜32が形成されており、保護膜32には蛍光体層34が被着されている。
保護膜32は、例えばイットリア(Y23)等の金属酸化物からなり、ガラスバルブ30内に封入されている水銀とガラスバルブ30とが反応するのを抑制する機能を有している。
蛍光体層34は、赤色発光のY23:Eu、緑色発光のLaPO4:Ce,Tbおよび青色発光のBaMg2Al1627:Euといった3種類の希土類蛍光体粒子を含む。つぎに、蛍光体層34を構成する蛍光体粒子40の詳細について説明する。
<蛍光体粒子40の構成>
図3は、走査電子顕微鏡(SEM)で本実施の形態に係る蛍光体粒子40を拡大撮影した写真である。また図4は、図3よりも倍率を上げて蛍光体粒子40を拡大撮影した写真である。
図4に示すように、蛍光体粒子40の表面には、酸化マグネシウム(MgO)の粒子42が、まばらに分散して付着されている。これにより、光束維持率の低下が抑制されることが後述する実験により確認された。
従来のように、表面に金属酸化物を全く被覆させない蛍光体粒子を用いた場合には、ランプ点灯中に水銀が蛍光体粒子に付着して、蛍光体粒子への紫外線の入射量が低減するので、次第に光束維持率が低下していく。
また、背景技術の項で挙げた特許文献1〜3のように、金属酸化物によって蛍光体粒子を完全に被覆すると、蛍光体粒子に水銀が付着しにくくなって光束維持率が改善されるものの、ランプ点灯による何らかの原因によって金属酸化物自体が変質して紫外線の透過率が低下し、次第に蛍光体粒子に紫外線が到達しにくくなることが主要因となって光束維持率が低下するものと考えられる。
本実施の形態に係るランプ20において、酸化マグネシウムの粒子42を蛍光体粒子40の表面にまばらに分散して付着させることによって光束維持率が改善するのは、次のような2つの要因によるものと考えられる。
一つは、蛍光体粒子の表面に酸化マグネシウム粒子42が存在するので、金属酸化物を全く被覆させない蛍光体粒子を用いた場合よりも、蛍光体粒子に水銀が付着する現象を抑制することができるということである。
もう一つは、金属酸化物によって完全に被覆した蛍光体粒子を用いた場合よりも、蛍光体粒子の表面に存在する金属酸化物の量が少ないので、金属酸化物の変質に起因する光束維持率の低下が生じにくいということである。
本実施の形態に係るランプ20は、これら2つの要因が伴って、公知技術を適用したランプよりも光束維持率が改善されるものと考えられる。
さらに、蛍光体粒子40の表面全域にわたって、ほぼ均一な割合で酸化マグネシウムの粒子42が分布していることが好ましいと考えられる。蛍光体粒子の表面において、酸化マグネシウムの粒子分布に偏りがある場合には、酸化マグネシウムの粒子がほとんど存在しない領域に水銀が付着しやすくなり光束維持率が低下する要因となるが、蛍光体粒子の表面において、粒子分布に偏りがなくほぼ均一に酸化マグネシウムの粒子を付着することによって、蛍光体粒子の表面全域において水銀が付着しにくくなるので、光束維持率の低下を抑制することができる。
なお、図3及び図4における、酸化マグネシウムの粒子42による蛍光体粒子40の被覆率は、約40%である。被覆率は、蛍光体粒子40の表面における酸化マグネシウム粒子42による面積占有率を測定することにより求められる。
蛍光体粒子40の粒径は、5μmから10μm程度である。ここで、酸化マグネシウム粒子42の平均粒径は0.01μmから0.1μmであることが好適である。平均粒径が0.1μmよりも大きいと、蛍光体粒子に到達する紫外線の量が低減することにより、光束が低下すると考えられるからであり、0.01μm未満のものは製造することが困難だからである。
<蛍光体粒子の製造方法>
つぎに、図5を参照しながら、上記形態の蛍光体粒子40を製造する方法について述べる。図5は、蛍光体粒子の表面に酸化マグネシウムの粒子を付着する方法を示す模式図である。
はじめに、図5(a)のように、蛍光体粒子41を、蒸留水50の入ったビーカー52内に投入し、攪拌することによって均一に分散させる。なお、ここで用いる溶媒は蒸留水とアルコールの混合溶媒であってもよい。
つぎに、図5(b)のように、酸化マグネシウムの粒子42をこの水溶液51に投入する。その後攪拌することによって、図3(c)のように、蛍光体粒子41とともに、酸化マグネシウムの粒子42も水溶液54中に分散させる。
そして、酸もしくはアルカリ溶液56を滴下して、この水溶液54のpHを調整する。ここで、この水溶液54のpHを蛍光体粒子41と酸化マグネシウムの粒子42との等電点の中間値の近傍に調整する。その後、所定時間攪拌を続けることによって、図5(d)に示すように、静電的引力によって各蛍光体粒子41の表面に酸化マグネシウムの粒子42が分散して付着する。このとき、酸化マグネシウムの粒子42は、蛍光体粒子41の表面全域にわたって、ほぼ均一に分布する。
なお、水溶液54中のpHを蛍光体粒子41と酸化マグネシウムの粒子42との等電点の中間値の近傍に調整するのは、例えば、蛍光体粒子41の等電点の近傍のpHで反応させると、蛍光体粒子41の表面電位が非常に小さくなるので、蛍光体粒子41と酸化マグネシウム粒子42との吸着が起こりにくくなるからであり、一方、酸化マグネシウムの等電点の近傍のpHで反応させると、酸化マグネシウム粒子42が凝集して、蛍光体粒子41に付着しにくくなるからである。
水溶液54中のpHを蛍光体粒子41と酸化マグネシウムの粒子42との等電点の中間値の近傍に調整することによって、図3及び図4に示すように、蛍光体粒子40の表面に酸化マグネシウムの粒子42を分散して付着させることができる。
なお、酸化マグネシウムの粒子42による蛍光体粒子41表面の被覆率は、水溶液のpH、酸化マグネシウムの粒子42の水溶液中の濃度、および反応時間等を調節することにより調整できる。
そして、吸引ろ過によって蛍光体粒子40と溶媒とを分離する。分離した蛍光体粒子40をアルコールで洗浄し、常温乾燥によりアルコールを蒸発させた後、高温で所定時間乾燥させる。
続いて、この蛍光体を結着剤やバインダーを含む溶媒と混合・攪拌して蛍光体懸濁液を作成し、その後、この懸濁液を内面に保護膜32を形成したガラスバルブ30に塗布し、乾燥、焼成(シンター)することによって、ガラスバルブ30内面に形成された保護膜32に被着した蛍光体層34が形成される。
<ランプの特性比較>
本発明者らは、本実施の形態に係るランプと従来構成に係るランプについてそれぞれ特性試験を実施した。具体的には、実施例として本実施の形態に係る被覆率40%のランプ20、比較例1としてゾル‐ゲル法により作成した被覆率100%の蛍光体粒子を用いたランプ(特許文献2)、比較例2として何も処理を施していない(被覆率0%の)蛍光体粒子を用いたランプを用意し、これらのランプの光束維持率を測定した。
図6は、実施例及び比較例1,2の特性試験の結果を示すグラフであって、光束維持率とライフ時間との関係を示している。グラフの縦軸は光束維持率(%)であり、横軸はライフ時間(h)である。グラフの実線は実施例、破線は比較例1、一点鎖線は比較例2のデータである。
グラフから分かるように、ゾル‐ゲル法により100%被覆した比較例1は、何も処理を施していない比較例2よりも光束維持率は若干改善されてはいるものの、十分な光束維持率が得られているとは言い難い。
一方、実施例では、光束維持率が大きく改善されていることがわかる。また、比較例1、2は、点灯開始後、急速に光束維持率が低下しているが、実施例では、光束維持率の低下率が比較例1、2と比べて非常に緩やかであるという利点も兼ね備えている。
さらに、点灯開始時(ライフ時間:0時間)の輝度についても、以下のような結果が得られた。ゾル‐ゲル法により100%被覆した比較例1は、点灯開始時の輝度は約4200cd/m2であり、何も処理を施していない比較例2は、点灯開始時の輝度は約4400cd/m2だった。これは、ゾル‐ゲル法により蛍光体粒子を金属酸化物で100%被覆したことにより、紫外線が蛍光体粒子を励起しにくくなったことに起因していると考えられる。
一方、実施例では、点灯開始時の輝度は約4520cd/m2であり、比較例2よりも大きくなることが確認された。これは、酸化マグネシウムの粒子42が蛍光体粒子40の表面に存在することによって、屈折率の関係で蛍光体粒子40の表面における紫外線の反射量が低減する一方で、紫外線の入射量が増大して蛍光体粒子が励起されやすくなったことに起因していると考えられる。
以上の特性試験により、実施例に係るランプでは光束維持率が改善され、比較例1、2よりも光束維持率が高いことが確認された。
<被覆率の最適範囲>
上述の特性試験では、実施例として、酸化マグネシウム粒子42による被覆率が40%
の蛍光体粒子40を用いたが、本発明者らは、被覆率が異なる蛍光体粒子を数種類作成し、これらの蛍光体粒子を備える各ランプの光束維持率を測定することによって、被覆率の最適な範囲を調べる実験をさらに実施した。
図7は、点灯開始から1000時間経過した時の光束維持率と、蛍光体粒子40表面における酸化マグネシウム粒子42による被覆率との関係を示すグラフである。グラフの縦軸は光束維持率(%)であり、横軸は酸化マグネシウム粒子42による蛍光体粒子40表面の被覆率(%)である。
なお、酸化マグネシウム粒子42による蛍光体粒子40表面の被覆率は、蛍光体粒子40を走査電子顕微鏡(SEM)等によって撮影し、一方向から見たときの蛍光体粒子40の表面積における酸化マグネシウム粒子42の面積占有率を測定することにより求められる。
図7に示すグラフより、酸化マグネシウム粒子42による蛍光体粒子40表面の被覆率によって、光束維持率が変化することが分かる。
グラフより、被覆率P(%)が0<P<76のときは、酸化マグネシウムの粒子42による蛍光体粒子40の被覆率が0%あるいは100%の従来構成のランプよりも、光束維持率が改善されていることが見て取れる。すなわち、酸化マグネシウムの粒子42による蛍光体粒子40の被覆率P(%)を0<P<76に調整することにより、従来構成のものよりも光束維持率の高いランプを提供することができる。
ここで、被覆率P(%)は、23≦P≦67であることが好ましい。この範囲では、被覆率が0%あるいは100%の従来構成のランプよりも、1000時間点灯時における光束維持率が1%以上も改善される。
さらには、被覆率P(%)は、37≦P≦57であることが好ましい。この範囲では、被覆率が0%あるいは100%の従来構成のランプよりも、1000時間点灯時における光束維持率が2%以上も改善される。
<まとめ>
本実施の形態に係るランプでは、蛍光体粒子40の表面に酸化マグネシウムの粒子42がまばらに付着しているために、光束維持率が改善されることが実験により確かめられた。すなわち、本実施の形態に係るランプは、光束維持率が高いので、例えば液晶ディスプレイのバックライト装置の光源として用いることにより、高品質のバックライト装置を提供することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、蛍光体粒子の表面に酸化マグネシウムの粒子をまばらに付着させた構成について説明した。蛍光体層34には、励起されることにより赤、緑、青の各色の光を放射する蛍光体粒子がそれぞれ用いられるが、中でも、青色の光を放射する蛍光体粒子(BaMg2Al1627:Eu)に最も水銀が付着しやすく、このことが光束維持率が低下する要因となっていることが本発明者らにより見出された。
そこで、少なくとも青色の光を放射する蛍光体粒子40の表面に、酸化マグネシウムの粒子42を上記構成で付着することにより、光束維持率の改善がはかられる。赤、緑、青の各色蛍光体粒子の表面に酸化マグネシウムの粒子を付着させた構成であっても光束維持率の改善がはかられ、また、赤色及び緑色の光を放射する蛍光体粒子の表面には酸化マグネシウムの粒子を全く付着させずに、青色の光を放射する蛍光体粒子の表面のみに酸化マグネシウムの粒子42を付着させた構成でも、十分に光束維持率の改善がはかられることが実験により確認された。
また、赤色又は緑色の光を放射する蛍光体粒子の表面のみに酸化マグネシウムを上記構成で付着させたランプでも光束維持率の改善がはかられ、さらにそれらを混合させた場合でも光束維持率の改善がはかられることが実験により確認された。
(2)上記においては、蛍光体粒子の表面に付着させる金属酸化物として、酸化マグネシウム(MgO)を用いた場合について説明したが、金属酸化物として、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y23)、又は酸化ジルコニウム(ZrO2)を用いてもよいと考えられる。
(3)上記においては、ガラスバルブ30と蛍光体層34との間に保護膜32を形成する構成について説明したが、保護膜32を形成することなく、ガラスバルブ30の内面に蛍光体層34が直接形成されている構成であってもよい。
本発明は、冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置に広く適用することができる。また、本発明は、光束維持率の高い冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置を提供することができるので、その産業的利用価値は極めて高い。
本実施の形態に係る液晶ディスプレイ用バックライト装置の構成を示す概略斜視図である。 本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す一部切欠斜視図である。 走査電子顕微鏡(SEM)で本実施の形態に係る蛍光体粒子40を拡大撮影した写真である。 図3よりも倍率を上げて蛍光体粒子40を拡大撮影した写真である。 蛍光体粒子40の表面に金属酸化物の粒子42を付着する方法を示す模式図である。 実施例及び比較例1,2の特性試験の結果を示すグラフであって、光束維持率とライフ時間との関係を示している。 点灯開始から1000時間経過した時の光束維持率と、蛍光体粒子40表面の酸化マグネシウム粒子42による被覆率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 バックライト装置
10 筐体
13 拡散板
14 拡散シート
15 レンズシート
16 前面パネル
20 冷陰極蛍光ランプ
30 ガラスバルブ
32 保護膜
34 蛍光体層
40 蛍光体粒子
42 酸化マグネシウム粒子

Claims (7)

  1. 放電管の内面に蛍光体層を備える冷陰極蛍光ランプであって、
    前記蛍光体層を構成する少なくとも一部の蛍光体粒子の表面に、金属酸化物の粒子が分散して付着されていることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
  2. 前記金属酸化物の粒子は、前記蛍光体粒子の表面全域にわたって、ほぼ均一に分布していることを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
  3. 前記金属酸化物の粒子による前記蛍光体粒子表面の被覆率P(%)は、0<P<76であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷陰極蛍光ランプ。
  4. 前記金属酸化物の粒子は、平均粒径が0.01μm以上0.1μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷陰極蛍光ランプ。
  5. 前記金属酸化物は、酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷陰極蛍光ランプ。
  6. 前記少なくとも一部の蛍光体粒子には、励起されることにより、青色の光を放射するものが含まれていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷陰極蛍光ランプ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の冷陰極蛍光ランプを備えることを特徴とするバックライト装置。
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