JPH10125282A - 水銀放電ランプとその製造方法 - Google Patents

水銀放電ランプとその製造方法

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JPH10125282A
JPH10125282A JP27318796A JP27318796A JPH10125282A JP H10125282 A JPH10125282 A JP H10125282A JP 27318796 A JP27318796 A JP 27318796A JP 27318796 A JP27318796 A JP 27318796A JP H10125282 A JPH10125282 A JP H10125282A
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mercury
silicon dioxide
discharge lamp
protective layer
glass bulb
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Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
Toshifumi Kondo
利文 近藤
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Matsushita Electronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水銀消費が少なく、長寿命の水銀放電ランプ
を提供する。 【解決手段】 アルカリ金属を含むガラスよりなるガラ
スバルブ1の内壁に、分子状二酸化ケイ素を析出・成長
させた厚さ100[nm]以下の透明な二酸化ケイ素の
保護層2を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水銀消費が少な
く、長寿命の水銀放電ランプとその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、水銀放電ランプには、低圧蒸気の
蛍光ランプと、高圧水銀蒸気の二重管構造の高圧水銀放
電ランプとがある。蛍光ランプは、内側に蛍光体膜を形
成したガラスバルブ内に水銀とアルゴンガスとが封入さ
れており、簡単な構造で効率が高く明るい蛍光発光が得
られるという特徴を持っている。一方、二重管構造の高
圧水銀放電ランプは、可視光〜紫外線を発生する内管が
高温度になることから二重構造を取り、その外の外管に
は一部蛍光体膜を形成したものもある。低圧水銀放電ラ
ンプすなわち蛍光ランプは、水銀蒸気からの紫外線のほ
とんどを蛍光体層によって可視光に変換するのに対し、
高圧水銀放電ランプでは、水銀蒸気から発光した可視光
線を直接光源として用い、蛍光体層からの蛍光は補助的
であるという差異がある。本発明は上記低圧水銀ランプ
の改良に関するものである。
【0003】このような水銀放電ランプのガラスバルブ
には、低コストで加工のしやすいアルカリ金属を含むガ
ラス、主にソーダライムガラスが用いられているが、ガ
ラスバルブの内壁よりしみだすナトリウムイオンが使用
中に水銀蒸気と反応して水銀を消費し、水銀蒸気圧を低
下させてランプの光束を低下させる。それ故、従来は上
記水銀消費を上回る過剰の水銀が封入されていたが、ラ
ンプ廃棄時の水銀の環境汚染の問題から、水銀の封入量
を削減することが望まれている。
【0004】この水銀消費を解決する方法として、ソー
ダガラスバルブ内壁にアルミナやシリカなどの金属酸化
物粒子をコーティングしてナトリウムイオンの保護膜を
形成する構成が、特開昭62−229752号公報を代
表とする多くの公報に開示されている。
【0005】また一方、水銀蒸気や水銀蒸気の発する波
長185[nm]の紫外線による蛍光体の劣化を防ぐた
めに、ガラスバルブ内壁の蛍光体粒子に予め金属酸化物
層を表面被覆する構成が、特開平7−316551号公
報に開示されている。
【0006】また、蛍光体粒子と金属酸化物粒子を混合
状態でガラスバルブ内壁に形成する構成が、特開平6−
267511号公報に開示されている。
【0007】また、このようなガラスバルブの内壁に金
属酸化物層を形成する方法としては、コーティング法、
スプレー法、ゾル・ゲル法などがあったが、コーティン
グ法、スプレー法では、金属酸化物粒子を分散したサス
ペンション塗料により層を形成するため、焼成しても融
点が高いため粒子凝集体で粒子間に空隙があり、緻密な
良質の薄膜が得られなかった。また、ゾル・ゲル法は金
属アルコキシドを主に原料として薄膜形成後、加水分解
と縮合反応によって金属酸化物を生成する方法であり、
最初にバルキーな有機成分を含んでいるため、膜成長が
緻密に成長し難く、ピンホールやクラックの多い薄膜に
なってしまうという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記水銀放電ランプで
は、上記のいずれの保護膜もピンホールやクラックや偏
析が多く、ナトリウムイオンと水銀蒸気との反応を防ぐ
ことができず、水銀消費量が多く、またランプ光束の耐
久性も充分でないという問題点があった。
【0009】また、シリカの保護層はそれ自身の電気陰
性度が高く水銀蒸気を吸着し易く、水銀消費を減少させ
ることができないという問題点もあった。
【0010】そこで、本発明は、ガラスバルブからの金
属イオンを透過させない緻密で透明な保護層を形成した
水銀放電ランプを得ることを第1の目的としている。
【0011】第2の目的は、上記の第1の目的の保護層
に加えて、水銀蒸気との相互作用をなくする保護膜を形
成した水銀放電ランプを得ることにある。
【0012】第3の目的は、上記第1の目的の水銀放電
ランプの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は、アルカリ金属を含むガラスよりな
るガラスバルブ中に水銀蒸気を有する水銀放電ランプで
あって、前記ガラスバルブの内壁に、分子状二酸化ケイ
素から析出・成長した厚み100[nm]以下の透明な
二酸化ケイ素の保護層を形成したものである。これによ
り、ガラスバルブからの可動なアルカリ金属イオンを透
過させない緻密で透明な保護層を有する水銀放電ランプ
が得られる。
【0014】また、第2の目的を達成するために、本発
明は、二酸化ケイ素の保護層上に、電気陰性度1.4以
下の金属元素の金属酸化物層を積層したものである。こ
れにより、緻密で透明な二酸化ケイ素の保護層がガラス
バルブからの可動な金属イオンの透過を完全に防ぎ、そ
の上の金属酸化物層は水銀蒸気を吸着しないという作用
を有するため、ガラスバルブからの金属イオンも透過さ
せず、また水銀蒸気との相互作用もないきわめて優れた
複合保護膜が得られ、水銀消費がきわめて少なく、長寿
命の優れた水銀放電ランプが得られる。
【0015】また、第3の目的を達成するために、本発
明は、アルカリ金属を含むガラスよりなるガラスバルブ
中に水銀蒸気を有する水銀放電ランプの製造方法であっ
て、前記ガラスバルブの内壁に、二酸化ケイ素を分子状
に溶解させたフッ化ケイ酸水溶液から析出・成長させた
厚み100[nm]以下の透明な二酸化ケイ素の保護層
を形成する工程を有するものである。これにより、ガラ
スバルブからの金属イオンを透過させない緻密で透明な
保護層が容易に形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1は、本発明の第1の実施形態の
(請求項1に係る)水銀放電ランプ(直管形蛍光ラン
プ)を示し、図2は、ガラスバルブ内壁の拡大断面を示
す。
【0017】図1及び図2において、アルカリ金属を含
むガラス(この場合はソーダライムガラス)よりなるガ
ラスバルブ1の内壁に、分子状二酸化ケイ素から析出・
成長した厚み100[nm]以下の緻密で透明な二酸化
ケイ素の保護層2と、蛍光体粒子層4とが積層されて形
成されている。
【0018】保護層2は、分子状二酸化ケイ素から析出
・成長した厚み100[nm]以下の緻密な保護層であ
るため、エピタクシャル成長膜のごとく欠陥が少なく、
ガラスバルブからのナトリウムの透過を完全に防ぐとい
う優れた作用を有する。
【0019】また、保護層2は、厚みが100[nm]
以下で光の波長より小さいため、光に対して透明であ
り、またこの厚みで充分アルカリ金属イオンを隠ぺいす
ることができる。さらに、厚みが薄いため後工程の蛍光
体層を形成する熱処理工程などの際にも、ガラスバルブ
の熱膨張率の差によるクラックや剥離現象を発生し難い
という優れた特徴を持つ。
【0020】なお、従来の粒子の層からなる二酸化ケイ
素保護層における水銀消費は、以下のような機構により
生じるものと考えられる。すなわち、ケイ素の電気陰性
度が高いため、直接放電プラズマにさらされると二次電
子放射や陽イオンの付着などによりプラスにチャージさ
れるケースがあり、これが放電電子を呼び込んでケイ素
と酸素の結合が解離し、これに水銀が作用しケイ酸塩を
形成して水銀を消費するものと考えられる。
【0021】これに対して、本発明の二酸化ケイ素保護
層は、エピタクシャル成長膜のごとく緻密で欠陥が少な
く、薄膜であっても安定であり、水銀消費を減少させる
作用を有するものである。
【0022】(実施の形態2)図3は、本発明の第2の
実施形態の(請求項2に係る)水銀放電ランプのガラス
バルブ内壁の拡大断面を示す。
【0023】図3において、アルカリ金属を含むガラス
(この場合はソーダライムガラス)よりなるガラスバル
ブ1の内壁に、分子状二酸化ケイ素から析出・成長した
厚み100[nm]以下の緻密で透明な二酸化ケイ素の
保護層2と、電気陰性度1.4以下の金属元素の金属酸
化物層3と、蛍光体粒子層4とが積層されて構成されて
いる。
【0024】上記のとおり、二酸化ケイ素の保護層2
は、分子状二酸化ケイ素から析出・成長した厚み100
[nm]以下の緻密な保護層であるため、エピタクシャ
ル成長膜のごとく欠陥が少なく、ガラスバルブからのナ
トリウムの透過を完全に防ぐという優れた作用を有す
る。
【0025】また、金属酸化物層3は、電気陰性度が低
く水銀蒸気を吸着しないという作用を有する。
【0026】なお、水銀蒸気は放電プラズマにより陽イ
オンになるため、水銀(電気陰性度が1.44)より電
気陰性度の低い元素でバルブ内を構成した方がよく、ア
ルカリ金属元素を除く電気陰性度1.4以下の金属元素
の金属酸化物層が適している。電気陰性度には、種々の
方法により異なった値があるが、ここではAllred
&Rochowの方法(A.L.Allred and E.G.Rochow,
J. Inor. Nucl. Chem.,5巻、264頁、1958年)
による最もよく知られた値を用いる。
【0027】具体的な金属元素として、YやScやラン
タニドなどの希土類元素、Mg、Ca、Sr、Ba、T
i、Zr、Hf、Nb、Taなどがある。これらの金属
元素の金属酸化物層の形成方法としては、上記の金属酸
化物微粒子を分散したサスペンションをコーティングし
た後、熱処理(焼成)して金属酸化物層を形成させる方
法がある。
【0028】(実施の形態3)図4は、本発明の第3の
実施形態の(請求項3に係る)水銀放電ランプのガラス
バルブ内壁の拡大断面を示す。
【0029】図4において、ガラスバルブ1の内壁に、
分子状二酸化ケイ素から析出・成長した厚み100[n
m]以下の緻密で透明な二酸化ケイ素の保護層2と、電
気陰性度1.4以下の金属元素の金属酸化物層3で被覆
した蛍光体粒子層4とが積層されて構成されており、上
記の実施の形態2の構成と同様に、ガラスバルブからの
アルカリ金属イオンも透過させず、また水銀蒸気との相
互作用もないという作用を有するため、水銀消費が少な
く長寿命の優れた水銀放電ランプが得られる。
【0030】蛍光体粒子を被覆する金属酸化物層の材料
としては、上記の実施の形態2において例示したものと
同一のものでよい。ただし、水銀ランプの場合には水銀
蒸気からの波長254[nm]の紫外線による蛍光体粒
子の発光を妨げない材料が望ましい。
【0031】金属酸化物層の形態としては、数[μm]
径の蛍光体粒子に微粒状の金属酸化物を付着させる構成
や、金属酸化物の連続被膜を形成させる構成などがあ
り、各々に対して種々の具体的な方法がよく知られてい
る。
【0032】また、蛍光体によって水銀の吸着性は異な
るが、電気陰性度の低い化合物の方が水銀吸着量は少な
く、ハロ燐酸カルシウム系蛍光体よりも希土類蛍光体の
方が吸着が少ない。金属酸化物の連続被膜を形成させれ
ば、粒子内部の蛍光体材料が異なっても水銀に対し同様
の保護効果を有する。
【0033】(実施の形態4)本発明の請求項4に係る
水銀放電ランプの製造方法は、請求項1に係る水銀放電
ランプを製造する方法であり、図2において、ガラスバ
ルブ1の内壁に、二酸化ケイ素を分子状に溶解させたフ
ッ化ケイ酸水溶液から析出・成長させた厚み100[n
m]以下の透明な二酸化ケイ素の保護層2を形成するも
のである。
【0034】二酸化ケイ素を分子状に溶解させたフッ化
ケイ酸水溶液からの、分子状二酸化ケイ素の析出・成長
は、下記の(化1)、(化2)の平衡反応の平衡移動に
よって行われるものであり、エピタクシャル成長のごと
く欠陥が少ない緻密で透明な二酸化ケイ素の薄膜が得ら
れるという特徴がある。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】ここでは、H3BO3の添加によってHFを
消費して平衡反応を平衡移動させているが、加える酸と
しては(化2)のような類似の反応が起これば、他の酸
であってもよい。H2SiF6水溶液中にSiO2を飽和
溶解させて用いるのが好ましく、H2SiF6水溶液中の
SiO2は、H2SiO3ゾルとして存在すると考えられ
る。
【0038】二酸化ケイ素膜の製膜速度は、遅いほど緻
密な膜が得られるが、およそ20〜60[nm/h]程
度がよい。この反応は平衡反応であるため、H3BO3
希薄溶液を少しずつ加えて、少しずつ平衡移動させるの
が好ましい。
【0039】また、基板材質によらず薄膜形成できると
いう特徴を有するが、本発明ではソーダライムガラスを
代表とするアルカリ金属を含有するガラスバルブを基板
とするため、基板が類似のシリカ材料で密着性も良くき
れいに成長し易い。また、熱膨張率も比較的同じである
ため、本発明の緻密で透明な二酸化ケイ素保護膜は熱処
理に対しても耐久性があり、クラックや剥離を発生し難
い。
【0040】(実施の形態5)本発明の請求項5に係る
水銀放電ランプの製造方法は、請求項4に係る水銀放電
ランプの製造方法の構成に加えて、フッ化ケイ酸水溶液
中に、粒径100[nm]以下の色素または蛍光体微粒
子を分散したものである。
【0041】本発明は、フッ化ケイ酸水溶液中に分散し
た分子・粒子を二酸化ケイ素保護層2中に取り込むとい
う作用を有し、各種ハイブリッド膜を形成できるという
フレキシビリティがある。分散する粒子としては微粒子
の蛍光体、いわゆるナノ結晶蛍光体粒子が適している。
【0042】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
【0043】(実施例1)濃度2[mol/l]のフッ
化ケイ酸水溶液に二酸化ケイ素を分子状に飽和溶解させ
た水溶液2[l]を調製した。ソーダライムガラスより
なる水銀放電ランプ用の内径25[mm]、長さ330
[mm]のガラスバルブをその水溶液に浸漬し、濃度
0.05[mol/l]の希薄なホウ酸水溶液を滴下し
ながら40分放置し、ガラスバルブの壁面に26[n
m]厚の緻密で透明な二酸化ケイ素薄膜を保護層として
形成させた。こうして得た緻密で透明な二酸化ケイ素薄
膜2上に、次いで平均粒径260[nm]の酸化バリウ
ム粒子を分散したサスペンションをコーティング・熱処
理して酸化バリウム粒子よりなる金属酸化物層3を図1
のように形成した。さらに粒径数[μm]の三波長型蛍
光体粒子層4を同様に蛍光体のサスペンションより形成
した。
【0044】これに一対の放電電極を配置し水銀とアル
ゴンガスを封入しながら減圧しガラスバルブを封止し
た。こうして得た水銀放電ランプを点灯して、2000
時間までの光束の変化(寿命特性)を測定したところ、
従来の光束の低下に比べ、1/3の低下で寿命特性のよ
い蛍光ランプが得られた。
【0045】試験後ランプを分解してガラスバルブ内壁
を電子顕微鏡により観察したところ、エピタクシャル成
長膜のごとく欠陥の少ない緻密な二酸化ケイ素の保護層
が観察された。
【0046】(実施例2)実施例1と同様に、ソーダラ
イムガラスよりなる水銀放電ランプ用の内径28[m
m]、長さ330[mm]のガラスバルブの壁面に34
[nm]厚の緻密で透明な二酸化ケイ素薄膜を保護層と
して形成させた。こうして得た緻密で透明な二酸化ケイ
素薄膜2上に、次いで平均粒径80[nm]の酸化バリ
ウム粒子層を表面に被覆した粒径数[μm]の三波長型
蛍光体粒子をポリエチレンオキシド水溶液中に分散した
蛍光体のサスペンションを調製し、それをコーティング
・熱処理して金属酸化物被覆蛍光体粒子層を図2のよう
に形成した。
【0047】これに一対の放電電極を配置し水銀とアル
ゴンガスを封入しながら減圧しガラスバルブを封止し
た。こうして得た水銀放電ランプを点灯して、2000
時間までの光束の変化(寿命特性)を測定したところ、
従来の光束の低下に比べ、約1/4の低下できわめて長
寿命の蛍光ランプが得られた。
【0048】試験後ランプを分解してガラスバルブ内壁
を電子顕微鏡により観察したところ、実施例1と同様に
エピタクシャル成長膜のごとく欠陥の少ない緻密な二酸
化ケイ素の保護層が観察された。
【0049】(実施例3)濃度2[mol/l]のフッ
化ケイ酸水溶液に、二酸化ケイ素を分子状に飽和溶解さ
せ、さらに平均粒径40[nm]の黄色顔料を分散して
水溶液1[l]を調製した。ソーダライムガラスよりな
る水銀放電ランプ用の内径28[mm]、長さ330
[mm]のガラスバルブをその水溶液に浸漬し、濃度
0.05[mol/l]の希薄なホウ酸水溶液を滴下し
ながら40分放置し、ガラスバルブの壁面に48[n
m]厚の緻密で透明な黄色の二酸化ケイ素薄膜を保護層
として形成させた。こうして得た緻密な二酸化ケイ素薄
膜2上に、次いで平均粒径60[nm]の酸化イットリ
ウム粒子層を表面に被覆した粒径数ミクロンの三波長型
蛍光体粒子をポリエチレンオキシド水溶液中に分散した
蛍光体のサスペンションを調製し、それをコーティング
・熱処理して金属酸化物被覆蛍光体粒子層を図2のよう
に形成した。
【0050】これに一対の放電電極を配置し水銀とアル
ゴンガスを封入しながら減圧しガラスバルブを封止し
た。こうして得た黄色の水銀放電ランプを点灯して、2
000時間までの光束の変化(寿命特性)を測定したと
ころ、従来のランプの光束の低下に比べ、約1/3の低
下で寿命特性のよい蛍光ランプが得られた。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、緻密で透明な二
酸化ケイ素の保護層を形成することにより、アルカリ金
属と水銀との相互作用による光束低下や水銀消費を防い
で、寿命特性に優れる水銀放電ランプとその製造方法を
提供するものである。
【0052】また、上記の緻密で透明な二酸化ケイ素の
保護膜に加えて、電気陰性度1.4以下の金属元素の金
属酸化物層を積層して形成することにより、水銀蒸気と
の吸着相互作用が少なく水銀消費を少なくすることがで
きるという特徴を持ち、本発明によれば、寿命特性が向
上するという有利な効果が得られる。
【0053】このように本発明は工業的価値の大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の水銀放電ランプの正
面図
【図2】同じくガラスバルブ内壁の拡大断面図
【図3】本発明の第2の実施形態のガラスバルブ内壁の
拡大断面図
【図4】本発明の第3の実施形態のガラスバルブ内壁の
拡大断面図
【符号の説明】
1 ガラスバルブ 2 二酸化ケイ素保護層 3 金属酸化物層 4 蛍光体粒子層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】
【化1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【化2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属を含むガラスよりなるガラ
    スバルブ中に水銀蒸気を有する水銀放電ランプであっ
    て、前記ガラスバルブの内壁に、分子状二酸化ケイ素を
    析出・成長させた厚さ100[nm]以下の透明な二酸
    化ケイ素の保護層が形成されていることを特徴とする水
    銀放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記保護層上に、電気陰性度が1.4以
    下の金属元素の金属酸化物層が積層されていることを特
    徴とする請求項1に記載の水銀放電ランプ。
  3. 【請求項3】 前記保護層上に、電気陰性度が1.4以
    下の金属元素の金属酸化物層を粒子表面に被覆した蛍光
    体粒子の層が形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の水銀放電ランプ。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属を含むガラスよりなるガラ
    スバルブ中に水銀蒸気を有する水銀放電ランプの製造方
    法であって、前記ガラスバルブの内壁に、二酸化ケイ素
    を分子状に溶解させたフッ化ケイ酸水溶液から析出・成
    長させた厚さ100[nm]以下の透明な二酸化ケイ素
    の保護層を形成する工程を有することを特徴とする水銀
    放電ランプの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フッ化ケイ酸水溶液中に、粒径10
    0[nm]以下の色素または蛍光体微粒子が分散されて
    いることを特徴とする請求項4に記載の水銀放電ランプ
    の製造方法。
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