JPWO2007108554A1 - 血圧上昇抑制作用を有するペプチド - Google Patents
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Abstract
ACE(Angiotensin Converting Enzyme)阻害活性(血圧上昇抑制作用)・血管保全作用を有する、コラーゲン酵素分解物及びペプチドを提供する。本発明は、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物であり、特に鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物であって、分子量が3000以下であるペプチドである。本発明の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチドはACE阻害活性及び/又は血管保全作用を有し、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する機能性食品などに有用である。
Description
本発明は血圧上昇抑制作用を有するペプチドに関する。より詳細には、鶏又は豚由来コラーゲンをプロテアーゼで分解した産物であり、血圧上昇抑制作用、血管保全作用などを有するペプチドに関する。
高血圧患者は、アメリカ・ヨーロッパ・日本で約2億人いると言われ、危険域のヒトを含めると10億人に達すると推測されている。高血圧発症のメカニズムは種々存在するが、レニン・アンジオテンシン系とカリクレイン・キニン系が大きく関係するといわれている。アンジオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme、本明細書では、「ACE」とも言う。)は、アンジオテンシンI(inactive form)を強い血管収縮作用をもつアンジオテンシンII(active form)に変換すると共に、血管拡張作用のあるブラジキニンを不活性な3種のペプチドに分解する。そこで、ACE活性(アンジオテンシン変換酵素の酵素活性)を阻害するカプトプリルやエナラプリルなどのACE阻害物質(アンジオテンシン変換酵素の酵素活性を阻害する物質)が高血圧治療薬として、従来から利用されている。
食品又は食品原料から得られるACE阻害物質は低毒性で安全性の高い降圧剤、健康志向食品として期待でき、日常の食生活において摂取可能となる。これまで多くの天然物や食品等の酵素分解物の中からACE阻害物質が報告されている。近年、イワシ、カツオ、ワカメなど食品由来成分に血圧の上昇を抑制する作用が見出されており、一部は血圧が高めの人に適した食品として市販されている(例えば、特開平2−311494公報、特開2000−4799公報など)。しかし、食肉・食肉製品に由来するACE阻害物質は非常に少ない。
また、食品由来のACE阻害物質の中には、消化器官で分解されたりして活性が低下するものもあり、その有効性が疑問視されるものもある。そのため、通常の食事における摂取、つまり消化器官で分解などがされた後でも、十分に高い血圧上昇抑制作用を有する物質(ペプチド)が望まれるが、係る物質はほとんど見出されていなかった。
上述のように、食肉・食肉製品に由来するACE阻害物質はあまり知られておらず、更に消化器官で分解などがされた後でも、十分に高い血圧上昇抑制作用を有する物質(ペプチド)はほとんど見出されていない。このような問題点から、本願発明者らは、食肉・食肉製品に由来するACE阻害物質を研究したところ、鶏及び豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びこの分解物に含有されているペプチドが、in vivoにおいても優れた血圧上昇抑制作用を有することを見出した。
より具体的には、鶏足又は豚皮等から抽出したコラーゲンを各種プロテアーゼで分解し、当該分解物のACE阻害活性を測定したところ、当該分解物はACE阻害活性を有し、更に分子量3000の限外濾過膜で分画したところ、分子量3000以下の画分(Low−Frac.)に強い活性が認められた。
また、Low−Frac.を高血圧自然発症ラット(Spontaneously Hypertensive Rat,SHR)に投与したところ、2時間後から血圧の低下が認められ、4週間の長期投与試験においても、有意に血圧の上昇を抑制することが明らかとなった。次いで、この画分をさらにHPLCで分画し、高いACE阻害活性を有する画分のペプチドを得、それについてプロテインシークエンサーでアミノ酸配列を決定した。
更に、上述の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物は血管保全作用を有することも判明した。
本発明は係る知見に基づくもので、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する、鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチド並びにそれを含有する機能性食品、更に上記のプロテアーゼ分解物及びペプチドを製造する方法を提供するものである。
食品又は食品原料から得られるACE阻害物質は低毒性で安全性の高い降圧剤、健康志向食品として期待でき、日常の食生活において摂取可能となる。これまで多くの天然物や食品等の酵素分解物の中からACE阻害物質が報告されている。近年、イワシ、カツオ、ワカメなど食品由来成分に血圧の上昇を抑制する作用が見出されており、一部は血圧が高めの人に適した食品として市販されている(例えば、特開平2−311494公報、特開2000−4799公報など)。しかし、食肉・食肉製品に由来するACE阻害物質は非常に少ない。
また、食品由来のACE阻害物質の中には、消化器官で分解されたりして活性が低下するものもあり、その有効性が疑問視されるものもある。そのため、通常の食事における摂取、つまり消化器官で分解などがされた後でも、十分に高い血圧上昇抑制作用を有する物質(ペプチド)が望まれるが、係る物質はほとんど見出されていなかった。
上述のように、食肉・食肉製品に由来するACE阻害物質はあまり知られておらず、更に消化器官で分解などがされた後でも、十分に高い血圧上昇抑制作用を有する物質(ペプチド)はほとんど見出されていない。このような問題点から、本願発明者らは、食肉・食肉製品に由来するACE阻害物質を研究したところ、鶏及び豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びこの分解物に含有されているペプチドが、in vivoにおいても優れた血圧上昇抑制作用を有することを見出した。
より具体的には、鶏足又は豚皮等から抽出したコラーゲンを各種プロテアーゼで分解し、当該分解物のACE阻害活性を測定したところ、当該分解物はACE阻害活性を有し、更に分子量3000の限外濾過膜で分画したところ、分子量3000以下の画分(Low−Frac.)に強い活性が認められた。
また、Low−Frac.を高血圧自然発症ラット(Spontaneously Hypertensive Rat,SHR)に投与したところ、2時間後から血圧の低下が認められ、4週間の長期投与試験においても、有意に血圧の上昇を抑制することが明らかとなった。次いで、この画分をさらにHPLCで分画し、高いACE阻害活性を有する画分のペプチドを得、それについてプロテインシークエンサーでアミノ酸配列を決定した。
更に、上述の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物は血管保全作用を有することも判明した。
本発明は係る知見に基づくもので、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する、鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチド並びにそれを含有する機能性食品、更に上記のプロテアーゼ分解物及びペプチドを製造する方法を提供するものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物である。特に、血圧上昇抑制作用及び/又血管保全作用の効果の面から、鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物であって、分子量が3000以下(限外濾過膜法)であるペプチドが好ましい。
また、本発明は、配列番号1〜4で示されるアミノ酸配列からなるペプチドで、係るペプチドは血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する。
更に、本発明は、上述した鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物又はペプチドを含有する、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する機能性食品である。
また、本発明の製造方法は、鶏又は豚由来コラーゲンをプロテアーゼで酵素分解して、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンプロテアーゼ分解物を得ることからなるコラーゲンプロテアーゼ分解物の製造方法であり、また当該コラーゲンプロテアーゼ分解物をプロテアーゼで酵素分解して、また必要に応じて分子量分画に付しして分子量3000以下(限外濾過膜法)の画分を採取し、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンペプチドを得ることからなるコラーゲンペプチドの製造方法である。
また、本発明は、配列番号1〜4で示されるアミノ酸配列からなるペプチドで、係るペプチドは血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する。
更に、本発明は、上述した鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物又はペプチドを含有する、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する機能性食品である。
また、本発明の製造方法は、鶏又は豚由来コラーゲンをプロテアーゼで酵素分解して、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンプロテアーゼ分解物を得ることからなるコラーゲンプロテアーゼ分解物の製造方法であり、また当該コラーゲンプロテアーゼ分解物をプロテアーゼで酵素分解して、また必要に応じて分子量分画に付しして分子量3000以下(限外濾過膜法)の画分を採取し、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンペプチドを得ることからなるコラーゲンペプチドの製造方法である。
図1は、鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物を、各酵素で処理した鶏コラーゲンペプチドのACE阻害活性(終濃度:0.25mg/ml)を示す図である。
図2は、鶏コラーゲンペプチド(C)と豚コラーゲンペプチド(P)のACE阻害活性(終濃度:0.25mg/ml)を示す図である。限外濾過膜を用いて分子量3000で分画し、図中の低分子は分子量3000以下、高分子は分子量3000以上である。
図3は、鶏コラーゲンペプチド(C)と豚コラーゲンペプチド(P)の消化酵素耐性を示す図であり、ACE阻害活性は終濃度0.25mg/mlで測定した。Pはペプシン処理、T/Cはトリプシン/キモトリプシン処理を示す。また限外濾過膜を用いて分子量3000で分画し、図中の低分子画分は分子量3000以下、高分子画分は分子量3000以上である。
図4は、本発明の鶏コラーゲンペプチドを投与したSHRの血圧変動を示す図である。Aは単回投与、Bは長期投与を示す。
図5は、本発明の鶏コラーゲンペプチドを単回摂取した被験者(A及びBの2名)の血圧変動を示す図である。
図6は、本発明の鶏コラーゲンペプチドを長期摂取した被験者(14名)の血圧変動を示す図である。
図7は、実施例6のEPCコロニーアッセイにおけるコロニー数の変化を示す図である。
図8は、実施例6のEPCコロニーアッセイにおける形態の変化を示す図である。
図9は、鶏コラーゲンペプチドから逆相HPLCでペプチドを精製するクロマト図であり、Aは第1フラクション、Bは第2フラクション、Cは第3フラクションである。
図10は、本発明の鶏コラーゲンペプチドの内皮型一酸化窒素合成酵素リン酸化(eNOS リン酸化)活性を示す図である。図中の数値は終濃度(%)である。
図2は、鶏コラーゲンペプチド(C)と豚コラーゲンペプチド(P)のACE阻害活性(終濃度:0.25mg/ml)を示す図である。限外濾過膜を用いて分子量3000で分画し、図中の低分子は分子量3000以下、高分子は分子量3000以上である。
図3は、鶏コラーゲンペプチド(C)と豚コラーゲンペプチド(P)の消化酵素耐性を示す図であり、ACE阻害活性は終濃度0.25mg/mlで測定した。Pはペプシン処理、T/Cはトリプシン/キモトリプシン処理を示す。また限外濾過膜を用いて分子量3000で分画し、図中の低分子画分は分子量3000以下、高分子画分は分子量3000以上である。
図4は、本発明の鶏コラーゲンペプチドを投与したSHRの血圧変動を示す図である。Aは単回投与、Bは長期投与を示す。
図5は、本発明の鶏コラーゲンペプチドを単回摂取した被験者(A及びBの2名)の血圧変動を示す図である。
図6は、本発明の鶏コラーゲンペプチドを長期摂取した被験者(14名)の血圧変動を示す図である。
図7は、実施例6のEPCコロニーアッセイにおけるコロニー数の変化を示す図である。
図8は、実施例6のEPCコロニーアッセイにおける形態の変化を示す図である。
図9は、鶏コラーゲンペプチドから逆相HPLCでペプチドを精製するクロマト図であり、Aは第1フラクション、Bは第2フラクション、Cは第3フラクションである。
図10は、本発明の鶏コラーゲンペプチドの内皮型一酸化窒素合成酵素リン酸化(eNOS リン酸化)活性を示す図である。図中の数値は終濃度(%)である。
本発明は上記の構成からなり、本発明のプロテアーゼ分解物及びペプチドは、鶏又は豚コラーゲンに由来する。
使用されるコラーゲンに関し、コラーゲンのタイプ及び採取部位などは特に限定されず、種々のコラーゲンを使用することができる。好適には、原料が豊富であることから、鶏及び豚の足、皮、骨、腱、腸などに由来するI型コラーゲンが使用される。
上記コラーゲンは常法に準じて調製することができ、例えば、原料を10倍量程度の酸(好ましくは希塩酸)中で、適当な時間(例えば24時間〜30時間程度)撹拌処理し、脱灰と酸膨潤を行い、十分に流水洗浄した後、適当量(例えば、約2倍量)の温水で抽出・濾過し、濾液を必要に応じてイオン交換担体などで処理し、適当な濃度(例えば、10%程度)に濃縮することにより得ることができる。
なお、本発明において、コラーゲンにはコラーゲンの変性物であるゼラチンも包含され、係るゼラチンは常法に準じてコラーゲンより調製することができる。
次いで、上記で調製されたコラーゲン溶液をプロテアーゼで処理する。プロテアーゼとしては、コラーゲンを酵素分解できるプロテアーゼであれば特に限定はされず、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれも使用することができ、例えば、動物由来プロテアーゼ(例えば、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン等)、植物由来プロテアーゼ(例えば、パパイン、プロメリン、フィシン等)、微生物由来のプロテアーゼなどが挙げられ、酵素処理効率の点からコクラーゼP(商品名)が好適に使用される。上記のプロテアーゼは2種以上を併用してもよい。
プロテアーゼ処理は、酵素反応液のpHを各酵素の至適pHに調整した後、30〜80℃、0.5〜3時間程度反応させ、酵素反応終了後加熱などの方法により酵素を失活させることにより行われる。酵素の使用量は所望する分解度に応じて適宜調整することができるが、コラーゲンに対して通常0.01〜2%程度、好ましくは0.2%程度で使用される。
反応終了後、必要に応じて、反応液を慣用の精製手段、例えば、限外濾過、珪藻土濾過、イオン交換樹脂、逆浸透濾過、活性炭処理などにより精製することによりコラーゲンのプロテアーゼ分解物が得られる。更に必要に応じて、エキス分25−30%になるまで濃縮し、スプレードライヤーなどの手段で乾燥して粉末状とすることができる。
かくして得られたプロテアーゼ分解物は、後記実施例に示されるようにACE阻害作用及び/又は血管保全作用を有する。
上記で得られたプロテアーゼ分解物は、更にプロテアーゼで処理して分子量を低減化したコラーゲンペプチドとすることにより、ACE阻害作用及び/又は血管保全作用を強めることができる。より具体的には、上記のプロテアーゼ分解物を、更に前述のプロテアーゼ(原料に対し、1%程度酵素添加)を用いて、酵素の至適pH、至適温度で、1〜24時間、好ましくは2〜6時間、更に好ましくは4時間程度反応させ、コラーゲンペプチドが得られる。
この酵素反応に使用される酵素は、前記の酵素反応に使用された酵素とは異なる酵素、即ち切断部位が異なる酵素を使用するのが好ましい。異なる酵素を使用することにより、低分子化を効率よく行うことができる。
上記で得られたコラーゲンペプチドは、限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、分子量3000以下の画分からなるペプチドとするのが好ましい。
かくして得られるコラーゲンペプチド及びそれの分子量3000以下の画分からなるペプチドは、凍結乾燥などの慣用の方法にて粉末化することができる。また、当該ペプチドは後記実施例に示されるようにACE阻害作用及び/又は血管保全作用を有する。
上記のコラーゲンペプチドの分子量3000以下の画分の中のペプチドは、慣用の精製手段、例えば、ゲル濾過、イオン交換カラムクロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの慣用の方法で精製し、単離することができる。次いで、単離したペプチドの構造をプロテインシーケンサーと質量分析計により決定することができる。
その結果、ACE阻害作用・血管保全作用を有するペプチドとして、下記のペプチドが得られた。
Gly−Ala−Hyp−Gly−Leu−Hyp−Gly−Pro(配列番号1)
Gly−Ala−Hyp−Gly−Pro−Ala−Gly−Pro−Gly−Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly(配列番号2)
Gly−Leu−Hyp−Gly−Ser−Arg−Gly−Glu−Arg−Gly−Leu−Hyp−Gly(配列番号3)
Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly−Glu−Hyp−Gly−Pro−Val−Gly−Pro−Ser−Gly(配列番号4)
上記の配列番号1〜4のペプチドは、前述の方法により、コラーゲンペプチドより精製・単離して取得してもよいが、化学的方法で合成してもよい。化学的合成方法は、慣用のペプチド合成法に準じて行うことができ、例えば固相合成法などが例示できる。
本発明の機能性食品は、前記のコラーゲンプロテアーゼ分解物、コラーゲンペプチド及び/又は配列番号1〜4のペプチドを有効成分として含有することからなる、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する機能性食品である。なお、本明細書において、機能性食品とは、通常の食品、飲料、菓子類、飼料などを含む概念である。
当該機能性食品は、有効成分そのまま、又は種々の栄養分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめて、血圧上昇抑制及び/又は血管保全を目的として、その治療及び予防に有用な機能性食品(又は食品素材)として食される。例えば、適当な助剤(例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、アミノ酸等)を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト等に成形して食用に供してもよく、また種々の食品(例えば、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品、スナック菓子等の菓子類、パン類、バター、粉乳等の乳製品、豆腐、油揚げ等の大豆製品など)に添加して使用されたり、水、果汁、牛乳、清涼飲料等の飲物に添加して使用してもよい。また、動物用の飼料(ペットフードなどを含む)の形態であってもよい。
係る機能性食品の形態における摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、食品の形態等により、適宜選択・決定され、例えば、1日当りペプチドの量として、1.0g〜10.0g程度、好ましくは2.0g〜8.0gとされるが、多量に摂取しても生体に悪影響を与えない利点を有することから、それ以上の量を摂取してもよい。
また、本発明のコラーゲンプロテアーゼ分解物及びペプチドは、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する薬剤としても利用することができ、係る製剤は、コラーゲンプロテアーゼ分解物及びペプチドを有効成分とし、必要に応じて、適宜の生理的に許容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、希釈剤等)などの製剤上必要な成分と混合し、適宜な剤形の形態に調製することにより得られ、係る形態としては錠剤状、粉末状、顆粒状、カプセル剤状などが例示できる。投与量は、患者の症状、年齢、体重などに応じて、上記の摂取量を参考にして適宜決定することができる。
使用されるコラーゲンに関し、コラーゲンのタイプ及び採取部位などは特に限定されず、種々のコラーゲンを使用することができる。好適には、原料が豊富であることから、鶏及び豚の足、皮、骨、腱、腸などに由来するI型コラーゲンが使用される。
上記コラーゲンは常法に準じて調製することができ、例えば、原料を10倍量程度の酸(好ましくは希塩酸)中で、適当な時間(例えば24時間〜30時間程度)撹拌処理し、脱灰と酸膨潤を行い、十分に流水洗浄した後、適当量(例えば、約2倍量)の温水で抽出・濾過し、濾液を必要に応じてイオン交換担体などで処理し、適当な濃度(例えば、10%程度)に濃縮することにより得ることができる。
なお、本発明において、コラーゲンにはコラーゲンの変性物であるゼラチンも包含され、係るゼラチンは常法に準じてコラーゲンより調製することができる。
次いで、上記で調製されたコラーゲン溶液をプロテアーゼで処理する。プロテアーゼとしては、コラーゲンを酵素分解できるプロテアーゼであれば特に限定はされず、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれも使用することができ、例えば、動物由来プロテアーゼ(例えば、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン等)、植物由来プロテアーゼ(例えば、パパイン、プロメリン、フィシン等)、微生物由来のプロテアーゼなどが挙げられ、酵素処理効率の点からコクラーゼP(商品名)が好適に使用される。上記のプロテアーゼは2種以上を併用してもよい。
プロテアーゼ処理は、酵素反応液のpHを各酵素の至適pHに調整した後、30〜80℃、0.5〜3時間程度反応させ、酵素反応終了後加熱などの方法により酵素を失活させることにより行われる。酵素の使用量は所望する分解度に応じて適宜調整することができるが、コラーゲンに対して通常0.01〜2%程度、好ましくは0.2%程度で使用される。
反応終了後、必要に応じて、反応液を慣用の精製手段、例えば、限外濾過、珪藻土濾過、イオン交換樹脂、逆浸透濾過、活性炭処理などにより精製することによりコラーゲンのプロテアーゼ分解物が得られる。更に必要に応じて、エキス分25−30%になるまで濃縮し、スプレードライヤーなどの手段で乾燥して粉末状とすることができる。
かくして得られたプロテアーゼ分解物は、後記実施例に示されるようにACE阻害作用及び/又は血管保全作用を有する。
上記で得られたプロテアーゼ分解物は、更にプロテアーゼで処理して分子量を低減化したコラーゲンペプチドとすることにより、ACE阻害作用及び/又は血管保全作用を強めることができる。より具体的には、上記のプロテアーゼ分解物を、更に前述のプロテアーゼ(原料に対し、1%程度酵素添加)を用いて、酵素の至適pH、至適温度で、1〜24時間、好ましくは2〜6時間、更に好ましくは4時間程度反応させ、コラーゲンペプチドが得られる。
この酵素反応に使用される酵素は、前記の酵素反応に使用された酵素とは異なる酵素、即ち切断部位が異なる酵素を使用するのが好ましい。異なる酵素を使用することにより、低分子化を効率よく行うことができる。
上記で得られたコラーゲンペプチドは、限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、分子量3000以下の画分からなるペプチドとするのが好ましい。
かくして得られるコラーゲンペプチド及びそれの分子量3000以下の画分からなるペプチドは、凍結乾燥などの慣用の方法にて粉末化することができる。また、当該ペプチドは後記実施例に示されるようにACE阻害作用及び/又は血管保全作用を有する。
上記のコラーゲンペプチドの分子量3000以下の画分の中のペプチドは、慣用の精製手段、例えば、ゲル濾過、イオン交換カラムクロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの慣用の方法で精製し、単離することができる。次いで、単離したペプチドの構造をプロテインシーケンサーと質量分析計により決定することができる。
その結果、ACE阻害作用・血管保全作用を有するペプチドとして、下記のペプチドが得られた。
Gly−Ala−Hyp−Gly−Leu−Hyp−Gly−Pro(配列番号1)
Gly−Ala−Hyp−Gly−Pro−Ala−Gly−Pro−Gly−Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly(配列番号2)
Gly−Leu−Hyp−Gly−Ser−Arg−Gly−Glu−Arg−Gly−Leu−Hyp−Gly(配列番号3)
Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly−Glu−Hyp−Gly−Pro−Val−Gly−Pro−Ser−Gly(配列番号4)
上記の配列番号1〜4のペプチドは、前述の方法により、コラーゲンペプチドより精製・単離して取得してもよいが、化学的方法で合成してもよい。化学的合成方法は、慣用のペプチド合成法に準じて行うことができ、例えば固相合成法などが例示できる。
本発明の機能性食品は、前記のコラーゲンプロテアーゼ分解物、コラーゲンペプチド及び/又は配列番号1〜4のペプチドを有効成分として含有することからなる、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する機能性食品である。なお、本明細書において、機能性食品とは、通常の食品、飲料、菓子類、飼料などを含む概念である。
当該機能性食品は、有効成分そのまま、又は種々の栄養分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめて、血圧上昇抑制及び/又は血管保全を目的として、その治療及び予防に有用な機能性食品(又は食品素材)として食される。例えば、適当な助剤(例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、アミノ酸等)を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト等に成形して食用に供してもよく、また種々の食品(例えば、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品、スナック菓子等の菓子類、パン類、バター、粉乳等の乳製品、豆腐、油揚げ等の大豆製品など)に添加して使用されたり、水、果汁、牛乳、清涼飲料等の飲物に添加して使用してもよい。また、動物用の飼料(ペットフードなどを含む)の形態であってもよい。
係る機能性食品の形態における摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、食品の形態等により、適宜選択・決定され、例えば、1日当りペプチドの量として、1.0g〜10.0g程度、好ましくは2.0g〜8.0gとされるが、多量に摂取しても生体に悪影響を与えない利点を有することから、それ以上の量を摂取してもよい。
また、本発明のコラーゲンプロテアーゼ分解物及びペプチドは、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する薬剤としても利用することができ、係る製剤は、コラーゲンプロテアーゼ分解物及びペプチドを有効成分とし、必要に応じて、適宜の生理的に許容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、希釈剤等)などの製剤上必要な成分と混合し、適宜な剤形の形態に調製することにより得られ、係る形態としては錠剤状、粉末状、顆粒状、カプセル剤状などが例示できる。投与量は、患者の症状、年齢、体重などに応じて、上記の摂取量を参考にして適宜決定することができる。
後記実施例に示されるよう、本発明の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチドは強いACE阻害活性を有しており、血圧上昇抑制作用を有する機能性食品又は薬剤として利用することができる。特に生体に吸収された後においても効果を持続することができるという特長を有している。本発明の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチドは、日常的に摂取可能な食品を原料としている。生活習慣病である高血圧は、日常の生活を通して、予防・改善することが重要であり、このような食品由来成分を食事などによりうまく摂取することで、対象者のQOL(Quality of life)を損なうことなく、正常血圧へ導くことができるという特長を有する。
また、本発明の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチドは、血管内皮の修復を担う細胞であるEPC(endothelial progenitor cell)の増殖を促進させる作用を有しており、血管内皮の障害、機能保持などの血管保全を図ることができる。
更に、本発明の製造方法によれば、上記のプロテアーゼ分解物及びペプチドを簡便且つ確実に製造することができる。
また、本発明の鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物及びペプチドは、血管内皮の修復を担う細胞であるEPC(endothelial progenitor cell)の増殖を促進させる作用を有しており、血管内皮の障害、機能保持などの血管保全を図ることができる。
更に、本発明の製造方法によれば、上記のプロテアーゼ分解物及びペプチドを簡便且つ確実に製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、使用した材料及びACE阻害活性測定法は以下のとおりである。
(1)材料
新鮮な鶏足と豚皮は出願人会社の工場から調達した。ウサギ肺ACE、Hip−HL(Bz−Gly−His−Leu)、ペプシン、トリプシン、キモトリプシンはシグマ(St.Louis,MO,USA)から購入した。コクラーゼP(三共ライフテック社製、東京、日本)、アマノN、AアマノG及びプロレザー(いずれも天野エンザイム社製、愛知、日本)、スミチームKP、スミチームFP及びスミチームLP(いずれも新日本化学工業社製、愛知、日本)は市販品を使用した。ペプチド合成試薬は島津(京都、日本)より購入した。その他の試薬は和光純薬(大阪、日本)より購入した。
(2)ACE阻害活性測定
ACEに対する阻害活性の測定はCheungらの方法(Cheung et al.J.Biol.Chem.1980,255,401−407)に従って行った。具体的には、最終容量が0.25mlとなるように100mMホウ酸溶液(pH8.3)、5mM Hip−HL、500mM NaCl、20mU ウサギACE及び試験試料を加え、37℃で30分間インキュベートをおこなった。酵素反応は1N HClの添加で停止させた。Hip−HLの加水分解の程度は放出された馬尿酸(Hippuric acid)量を吸光値228nmで測定した。ACEを50%阻害するときの阻害剤濃度をIC50と定義した。
実施例1
(1)コラーゲンプロテアーゼ分解物及びコラーゲンペプチドの調製
原料の鶏足(ブロイラー由来)を10倍量の希塩酸中で、24時間以上撹拌処理し、脱灰と酸膨潤を行った。そして、十分に流水洗浄した後、約2倍量の温水で抽出し、濾過した。濾液をイオン交換樹脂処理し、更に、エキス分10%以上になるまで濃縮した。この濃縮液にコクラーゼP(コラーゲンに対して0.2%)を加え、50℃,2時間処理した後、加熱して酵素を失活させた。次いで、珪藻土濾過、活性炭処理により精製することにより鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物を得た。
得られた鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物は、更に6種類の酵素(コクラーゼP、アマノN、AアマノG、プロレザー、スミチームKP、スミチームFP、スミチームLP)を用いて酵素分解した。使用した酵素の性状を表1に示す。
この酵素分解反応は、50℃、プロレザーについてはpH10.0、その他の酵素についてはpH6.0で4時間から24時間酵素処理し(原料に対し、1%酵素添加)、各酵素処理は20分間の加熱により酵素を失活させ、遠心処理を行って上清を採取することによりコラーゲンペプチドを得た。
鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物及び上記の各酵素で分解したコラーゲンペプチドのACE阻害活性を図1に示す。
酵素分解前のコラーゲンでは阻害活性が認めらないなかったが、鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物は阻害剤無添加の場合に対し、約30%の阻害活性を示した(図1の処理前)。
鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物を、更に酵素処理を行って得られたコラーゲンペプチドは、2倍近い活性の上昇が認められた。各酵素処理の中でもスミチームFP(以下、単にFPという)酵素処理したものに、高い活性が認められた。
(2)分子量分画した画分のACE阻害作用
上記FP酵素処理したコラーゲンペプチドを、限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、各々の画分のACE阻害活性の強さを比較した。その結果を表2に示した。表2に示されるように、低分子側画分(分子量3000以下)に高い活性が認められた。
実施例2
畜種によるコラーゲンペプチドのACE阻害活性を比較するため、豚皮を原料として、実施例1(1)と同様の方法で豚コラーゲンペプチドを調製し、そのACE阻害活性を測定した。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、豚コラーゲンペプチドもACE阻害活性を有し、高分子側に比べて低分子側の方が強い活性を有していた。鶏と同様にFP酵素処理したものの活性が最も強かった。
しかし、そのACE阻害活性は鶏コラーゲンペプチドの方が強かった。この理由としては、(a)豚コラーゲンの方がプロテアーゼによる分解を受けやすく、ACE阻害活性を示せないほどに低分子化(単体のアミノ酸)しやすいことと、(b)鶏コラーゲンの方が、内因的にACE阻害活性を発現しやすいアミノ酸配列を有していることが推察された。
実施例3(消化酵素処理によるACE阻害活性への影響)
鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)及び豚コラーゲンペプチド(FP処理物)を摂取した際に、体内でもACE阻害活性が維持されるのか、モデル消化系を用いて検討を行った。
即ち、FP酵素処理鶏コラーゲンペプチド及び豚コラーゲンペプチド溶液(pH3.0)に、タンパク質重量に対し1%となるようにし、酵素反応液のpHを各酵素の至適pHに調整した後、ペプシン(pH3.0)又はトリプシン/キモトリプシン(pH7.0)を添加し、37℃で1時間処理を行った。反応終了後、前述と同様に限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、低分子画分(分子量<3000)と高分子画分(分子量>3000)に分離した。
上記の消化酵素処理物及び分画画分について、ACE阻害活性の測定を行った。その結果を図3に示す。
図3に示されるように、FP酵素処理鶏コラーゲンペプチド及び豚コラーゲンペプチドは、消化酵素処理(P:ペプシン処理、T/C:トリプシン/キモトリプシン処理)することによってもACE阻害活性を維持しており、特に鶏コラーゲンペプチドの低分子画分は強い活性を示した。
実施例4(SHRにおける血圧上昇抑制作用)
鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)をSHRに投与し、血圧変動を経時的に測定した。
具体的には、雄SHR(8週齢;チャールズリバー)は市販の非精製餌(ATN−76;オリエンタル酵母)と水で23℃、湿度55%に調整された部屋で飼育した。本試験には、血圧が十分に上昇したことが確認できた週齢のものを使用した。試験時に、生理的食塩水(コントロール群)又は鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)を経口的に投与(3又は6g/kg weight)し、血圧変動を24時間測定した(単回投与系)。
また、同様に雄SHRに、鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)を毎日経口的に投与(6g/kg weight)し、血圧変動を4週間測定した(長期投与系)。
なお、ラット尾動脈圧は非観血式血圧測定器(Softron98A、Softron、東京、日本)で測定を行なった。データの解析はStudent’s t−testにより処理した。その結果を図4に示す。
単回投与系においては、コントロール群SHRに対し、鶏コラーゲンペプチドを投与したSHRは投与後2時間後から血圧が低下し、6時間で最低血圧を記録した(図4A参照)。
また、長期投与を行った場合は、鶏コラーゲンペプチドの投与で、1週目より血圧の低下が認められ、3週目には有意な血圧低下が認められた(p<0.05)(図4B参照)。
ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの血清ミネラル成分は血圧に影響を及ぼすことが知られているが、4週間にわたる長期投与の後でもコントロール群と鶏コラーゲンペプチド投与群に違いは認められなかった(表3参照)。血圧が上昇するメカニズムには種々の理由が存在する。アドレナリン、ノルアドレナリンなどのカテコールアミンは神経性の調圧因子としてよく知られているし、血清ミネラル成分のナトリウム、カリウム、カルシウムも血圧に影響する。今回鶏コラーゲンペプチドを投与したSHRにおいても血清ミネラル成分が多く検出されると予想されたが、4週間にわたる長期投与の後でも血圧に影響すると考えられるこれらの成分に大きな違いは認められなかった。従って、本発明のペプチドの血圧上昇抑制作用の作用機序はACEの阻害作用であると考えられる。
実施例5(ヒトでの臨床試験)
鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)のヒトでの効果を調べるために、被験者の事前の了解を得て、以下の試験条件で単回摂取試験と長期摂取試験を実施した。
(1)単回摂取試験(1日間、被験者:A及びBの2名)
被験者に、試験食(ペプチド量として7.8g)を摂取後、安静時血圧を2時間毎に8時間まで測定した。
前日にプラセボ食を摂取時の値との前後比較で評価した。その結果を図5に示す。
図5に示されるように、摂取4時間後に最高血圧の中央値が低下する傾向を示した。
(2)長期摂取試験(28日間、被験者:14名)
被験者に、試験食(1日当たりのペプチド摂取量として5.2g)を毎日摂取させ、2週間毎に4週間後まで血圧変動を測定した。各人について、摂取前の値との前後比較で評価した。その結果を図6に示す。
図6に示されるように、長期投与試験の結果、本試験食の摂取前と2週後と4週後の測定値の各々に有意差が認められ、本発明の鶏コラーゲンペプチドは、血圧変動を抑制する効果があることが認められた。
本試験の結果より、鶏コラーゲン酵素分解物の1日当たりの望ましい摂取量は、ペプチド量として1〜10g、より好ましくは2〜8gと考えられる。
実施例6(血管修復作用向上への影響:EPCコロニーアッセイ)
本発明のコラーゲンペプチドの摂取が、血圧を下げるだけでなく、血管機能の改善効果があることをEPC(endothelial progenitor cell)コロニーアッセイで確認した。このEPCは骨髄で産生される血管内皮細胞の前駆体で、末梢血中のEPCは炎症や虚血、酸化ストレスなどの組織障害を感知し、細胞の修復を担う。高血圧症や高脂血症、糖尿病の患者ではEPCの機能が低下しており、血管障害の程度と高い相関を示すことが知られている。
より具体的には、上記実施例5の血圧試験の被験者血液を使用した。つまり、本発明のコラーゲンペプチド摂取期間前後の被験者血液を同量(10ml)採取し、1000g、30minで遠心し、沈殿した細胞を細胞培養液を満たしたシャーレに播種し、37℃,5%CO2,1週間培養後、本発明のコラーゲンペプチド摂取期間前後でコロニー数が増加したかどうか、形成されるコロニー形態に違いがないかを調べた。EPCコロニーアッセイにおけるコロニー数の変化を図7に、コロニーの形態の変化を図8に示す。
本試験の結果として、EPCコロニーアッセイにより、本発明のコラーゲンペプチドの摂取後において、形成されるコロニー数が増加し、コロニーの形態が改善されることが判明し、本発明のコラーゲンペプチドは、血圧を下げるだけでなく、血管の状態を改善する作用(血管保全作用)を有することが確認された。
実施例7(ACE阻害ペプチドの単離・精製)
酵素処理によって得られた鶏コラーゲンペプチドからACE阻害ペプチドを単離するため、逆相HPLC(CH3CN;8−40% in 0.1% CF3COOH)によって分画を行った。溶出ピークは220nmで検出を行った。
まず、図9Aに示されるように、溶出時間に従い、すべてのクロマトを6つに分画(Frac.1−Frac.6)し、ACE阻害活性の比較を行った(表4A参照)。
その結果、Frac.4に強い活性が認められたので、画分を濃縮し、アセトニトリルでの溶出条件を穏やかにして(0.4%/min)再度HPLCに供した(図9B参照)。得られたピークを溶出時間毎に分画し(Frac.4−1〜Frac.4−4)、ACE阻害活性を比較した(表4B参照)。
最も高い活性が認められたFrac.4−3は、各ペプチドを単離するため、濃縮を行い、アセトニトリルでの溶出条件を更に穏やかにして(0.16%/min)HPLCに供した(図9C参照)。得られたピークはプロテインシークエンサーによりアミノ酸配列の決定を行った。
アミノ酸配列は常法に準じて、プロテインシークエンサーG1005A(Hewlett Packard Co.Wilmington,DE)で決定した。
図9C得られた各ピークのアミノ酸配列及び質量分析の結果を表5に示した。
表5に示されるように、ピーク8、9、11及び12は、それぞれ下記のアミノ酸配列を有するペプチドであった。
Gly−Ala−Hyp−Gly−Leu−Hyp−Gly−Pro(配列番号1)
Gly−Ala−Hyp−Gly−Pro−Ala−Gly−Pro−Gly−Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly(配列番号2)
Gly−Leu−Hyp−Gly−Ser−Arg−Gly−Glu−Arg−Gly−Leu−Hyp−Gly(配列番号3)
Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly−Glu−Hyp−Gly−Pro−Val−Gly−Pro−Ser−Gly(配列番号4)
上記配列番号1〜4に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを、Fmoc固相法により自動ペプチド合成機(PSSM8 島津)を用いて作製した。脱保護の後、逆相HPLC(PEGASIL−300,20×250mm;Senshu,Tokyo,Japan)及び質量分析計ESI mass spectrometer LC−Q(Thermo Finnigan,San jose,CA)で確認を行った。
合成されたペプチドのACE阻害活性を測定し、その活性(IC50)を表5に示した。表5に示されるように、配列番号1〜4で示されるアミノ酸配列からなるペプチドはACE阻害活性を有していた。特に配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドは強いACE阻害活性を有していた。
実施例8(鶏コラーゲンペプチドの調製)
鶏ゼラチン溶液(pH6.0)を調製し、これにコクラーゼP(ゼラチンに対して0.2%)を加え、50℃,3時間処理した後、加熱して酵素を失活させた。次いで、珪藻土濾過、活性炭処理により精製することにより鶏ゼラチンプロテアーゼ分解物を得た。
得られた鶏ゼラチンプロテアーゼ分解物の溶液(pH6.0)に、スミチームFP(原料に対し、0.5%酵素添加)を添加し、50℃で4時間酵素処理し、20分間の加熱により酵素を失活させ、遠心処理を行って上清を採取することによりゼラチンペプチドを得た。
上記で得られたゼラチンペプチドを、限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、低分子側画分(分子量3000以下)を採取した。以下、分画前のコラーゲンペプチドをA2と称し、低分子側画分(分子量3000以下)をA2Fと称する。
上記のA2及びA2Fについて、ACE阻害活性を測定したところ、それぞれのIC50は0.586mg/ml及び0.326mg/mlであった。
実施例9(コラーゲンペプチドによる血管内皮機能改善作用)
血管内皮細胞においては、種々のサイトカインの作用により、PI3K−プロテインキナーゼAktの活性化が起り、それに続いて内皮型一酸化窒素合成酵素(Endotherial Nitric−oxide synthase,eNOS)が活性化され、NO産生増加を引き起こし、血管新生、血管拡張、単球接着阻害などの血管内皮機能改善をもたらす。eNOSの活性化は、そのスレオニン残基とセリン残基のリン酸化により生じるので、eNOSのリン酸化を促進する物質はNO産生を増加させ、血管内皮機能の改善効果を有することになる。そこで、本発明のコラーゲンペプチドのeNOSリン酸化作用を試験した。
(1)供試材料
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)はタカラバイオから、ウシ大動脈血管内皮細胞(BAEC)は大日本住友製薬から購入した。実験に供したHUVEC及びBAECは継代数4から6代目までのものを用いた。細胞培養に用いた試薬類(DMEM,FBS,Trypsin−EDTA)はインビトロジェンから購入した。phospho−eNOS(Ser1177)抗体はCell Signaling社から購入した。また抗体の検出には、アマシャム・ファルマシアのECLplusを用いた。タンパク定量試薬にはバイオラッドのDC protein assay reagentを使用した。
試験ペプチドであるコラーゲンペプチドとしては、配列番号1に示されるオクタペプチド(合成品、以下CCOPという)並びに上記のA2及びA2Fを試験した。
(2)細胞培養
HUVEC及びBAECは10%FBSを含むDMEM(10%FBS,100μU/mlstreptomycin−penicillin,50μg/ml ヘパリン)にて目的の継代数に至るまで培養を行った。リン酸化試験に供する際は0%FBS−DMEMで12時間培養し、FBSに含まれる成長促進因子などがリン酸化に及ぼす影響を除去した。
(3)リン酸化eNOSの検出
リン酸化eNOSの検出はJuら(J.Biol.chem.1998,273,24025−24029.)の方法に準じて行った。即ち、BEACを0%FBS−DMEMで処理した後、培地に試験ペプチドを0.1%〜0.001%で添加した。また、ポジティブコントロールとして培地に、溶解させた100μMブラジキニン(BK;シグマ)を添加した。一定時間(3分間)刺激を与えた細胞をPBSで洗浄し、Lysis buffer(0.1% triton,20mM Tris−HCl(pH8.0),20mM EDTA,1mM PMSF,1mM sodium orthovanadate,1mMleupeptin−pepstatin)で細胞を溶解させて、細胞溶解液を回収した。15秒間のソニケーション、および10分間の加熱処理を行った細胞溶解液を遠心処理(10,000×g,10min)し、eNOSを含む上清を得た。タンパク質量を揃えたサンプルは7.5%ゲルを用いたSDS−PAGEで展開させた後、PVDF膜に転写した。5%脱脂粉乳を含むTBSバッファーを用いて室温にて2時間ブロッキングした後、phospho−eNOS抗体で4℃、一晩処理した。1次抗体を洗い流した後、HRPを付けた2次抗体で1時間反応させた。1次抗体、2次抗体をマウントさせたPVDF膜はTBS−Tで洗った後、化学発光試薬によりphospho−eNOSを検出しX線フィルムに焼き付けた。
(4)結果
上記の結果を図10に示す。本発明の鶏コラーゲンペプチドは、添加濃度依存的にリン酸化シグナルが強くみとめられたことから、eNOSを活性化させ、血管内皮機能の改善に寄与すると考えられた。合成ペプチドであるCCOPにおいても、添加濃度依存的にeNOSのリン酸化が認められたことから、CCOPが鶏由来コラーゲンプロテアーゼ分解物中の血管内皮機能改善に寄与する成分の一つであると考えられた。
製造例1
天然果汁(濃縮果汁還元)に、当該果汁200ml当り鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)500mgを混合した後、常法に準じて殺菌し、アセプティック包装して、果汁製品を得た。
製造例2
ウインナソーセージ用練り肉に、当該練り肉15g当り鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)500mgを混合した後、常法に準じてソーセージケーシングに充填し、燻煙し、殺菌し、冷却後に包装し、ウインナソーセージを得た。
[配列表]
(1)材料
新鮮な鶏足と豚皮は出願人会社の工場から調達した。ウサギ肺ACE、Hip−HL(Bz−Gly−His−Leu)、ペプシン、トリプシン、キモトリプシンはシグマ(St.Louis,MO,USA)から購入した。コクラーゼP(三共ライフテック社製、東京、日本)、アマノN、AアマノG及びプロレザー(いずれも天野エンザイム社製、愛知、日本)、スミチームKP、スミチームFP及びスミチームLP(いずれも新日本化学工業社製、愛知、日本)は市販品を使用した。ペプチド合成試薬は島津(京都、日本)より購入した。その他の試薬は和光純薬(大阪、日本)より購入した。
(2)ACE阻害活性測定
ACEに対する阻害活性の測定はCheungらの方法(Cheung et al.J.Biol.Chem.1980,255,401−407)に従って行った。具体的には、最終容量が0.25mlとなるように100mMホウ酸溶液(pH8.3)、5mM Hip−HL、500mM NaCl、20mU ウサギACE及び試験試料を加え、37℃で30分間インキュベートをおこなった。酵素反応は1N HClの添加で停止させた。Hip−HLの加水分解の程度は放出された馬尿酸(Hippuric acid)量を吸光値228nmで測定した。ACEを50%阻害するときの阻害剤濃度をIC50と定義した。
実施例1
(1)コラーゲンプロテアーゼ分解物及びコラーゲンペプチドの調製
原料の鶏足(ブロイラー由来)を10倍量の希塩酸中で、24時間以上撹拌処理し、脱灰と酸膨潤を行った。そして、十分に流水洗浄した後、約2倍量の温水で抽出し、濾過した。濾液をイオン交換樹脂処理し、更に、エキス分10%以上になるまで濃縮した。この濃縮液にコクラーゼP(コラーゲンに対して0.2%)を加え、50℃,2時間処理した後、加熱して酵素を失活させた。次いで、珪藻土濾過、活性炭処理により精製することにより鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物を得た。
得られた鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物は、更に6種類の酵素(コクラーゼP、アマノN、AアマノG、プロレザー、スミチームKP、スミチームFP、スミチームLP)を用いて酵素分解した。使用した酵素の性状を表1に示す。
この酵素分解反応は、50℃、プロレザーについてはpH10.0、その他の酵素についてはpH6.0で4時間から24時間酵素処理し(原料に対し、1%酵素添加)、各酵素処理は20分間の加熱により酵素を失活させ、遠心処理を行って上清を採取することによりコラーゲンペプチドを得た。
酵素分解前のコラーゲンでは阻害活性が認めらないなかったが、鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物は阻害剤無添加の場合に対し、約30%の阻害活性を示した(図1の処理前)。
鶏コラーゲンプロテアーゼ分解物を、更に酵素処理を行って得られたコラーゲンペプチドは、2倍近い活性の上昇が認められた。各酵素処理の中でもスミチームFP(以下、単にFPという)酵素処理したものに、高い活性が認められた。
(2)分子量分画した画分のACE阻害作用
上記FP酵素処理したコラーゲンペプチドを、限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、各々の画分のACE阻害活性の強さを比較した。その結果を表2に示した。表2に示されるように、低分子側画分(分子量3000以下)に高い活性が認められた。
畜種によるコラーゲンペプチドのACE阻害活性を比較するため、豚皮を原料として、実施例1(1)と同様の方法で豚コラーゲンペプチドを調製し、そのACE阻害活性を測定した。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、豚コラーゲンペプチドもACE阻害活性を有し、高分子側に比べて低分子側の方が強い活性を有していた。鶏と同様にFP酵素処理したものの活性が最も強かった。
しかし、そのACE阻害活性は鶏コラーゲンペプチドの方が強かった。この理由としては、(a)豚コラーゲンの方がプロテアーゼによる分解を受けやすく、ACE阻害活性を示せないほどに低分子化(単体のアミノ酸)しやすいことと、(b)鶏コラーゲンの方が、内因的にACE阻害活性を発現しやすいアミノ酸配列を有していることが推察された。
実施例3(消化酵素処理によるACE阻害活性への影響)
鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)及び豚コラーゲンペプチド(FP処理物)を摂取した際に、体内でもACE阻害活性が維持されるのか、モデル消化系を用いて検討を行った。
即ち、FP酵素処理鶏コラーゲンペプチド及び豚コラーゲンペプチド溶液(pH3.0)に、タンパク質重量に対し1%となるようにし、酵素反応液のpHを各酵素の至適pHに調整した後、ペプシン(pH3.0)又はトリプシン/キモトリプシン(pH7.0)を添加し、37℃で1時間処理を行った。反応終了後、前述と同様に限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、低分子画分(分子量<3000)と高分子画分(分子量>3000)に分離した。
上記の消化酵素処理物及び分画画分について、ACE阻害活性の測定を行った。その結果を図3に示す。
図3に示されるように、FP酵素処理鶏コラーゲンペプチド及び豚コラーゲンペプチドは、消化酵素処理(P:ペプシン処理、T/C:トリプシン/キモトリプシン処理)することによってもACE阻害活性を維持しており、特に鶏コラーゲンペプチドの低分子画分は強い活性を示した。
実施例4(SHRにおける血圧上昇抑制作用)
鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)をSHRに投与し、血圧変動を経時的に測定した。
具体的には、雄SHR(8週齢;チャールズリバー)は市販の非精製餌(ATN−76;オリエンタル酵母)と水で23℃、湿度55%に調整された部屋で飼育した。本試験には、血圧が十分に上昇したことが確認できた週齢のものを使用した。試験時に、生理的食塩水(コントロール群)又は鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)を経口的に投与(3又は6g/kg weight)し、血圧変動を24時間測定した(単回投与系)。
また、同様に雄SHRに、鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)を毎日経口的に投与(6g/kg weight)し、血圧変動を4週間測定した(長期投与系)。
なお、ラット尾動脈圧は非観血式血圧測定器(Softron98A、Softron、東京、日本)で測定を行なった。データの解析はStudent’s t−testにより処理した。その結果を図4に示す。
単回投与系においては、コントロール群SHRに対し、鶏コラーゲンペプチドを投与したSHRは投与後2時間後から血圧が低下し、6時間で最低血圧を記録した(図4A参照)。
また、長期投与を行った場合は、鶏コラーゲンペプチドの投与で、1週目より血圧の低下が認められ、3週目には有意な血圧低下が認められた(p<0.05)(図4B参照)。
ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの血清ミネラル成分は血圧に影響を及ぼすことが知られているが、4週間にわたる長期投与の後でもコントロール群と鶏コラーゲンペプチド投与群に違いは認められなかった(表3参照)。血圧が上昇するメカニズムには種々の理由が存在する。アドレナリン、ノルアドレナリンなどのカテコールアミンは神経性の調圧因子としてよく知られているし、血清ミネラル成分のナトリウム、カリウム、カルシウムも血圧に影響する。今回鶏コラーゲンペプチドを投与したSHRにおいても血清ミネラル成分が多く検出されると予想されたが、4週間にわたる長期投与の後でも血圧に影響すると考えられるこれらの成分に大きな違いは認められなかった。従って、本発明のペプチドの血圧上昇抑制作用の作用機序はACEの阻害作用であると考えられる。
鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)のヒトでの効果を調べるために、被験者の事前の了解を得て、以下の試験条件で単回摂取試験と長期摂取試験を実施した。
(1)単回摂取試験(1日間、被験者:A及びBの2名)
被験者に、試験食(ペプチド量として7.8g)を摂取後、安静時血圧を2時間毎に8時間まで測定した。
前日にプラセボ食を摂取時の値との前後比較で評価した。その結果を図5に示す。
図5に示されるように、摂取4時間後に最高血圧の中央値が低下する傾向を示した。
(2)長期摂取試験(28日間、被験者:14名)
被験者に、試験食(1日当たりのペプチド摂取量として5.2g)を毎日摂取させ、2週間毎に4週間後まで血圧変動を測定した。各人について、摂取前の値との前後比較で評価した。その結果を図6に示す。
図6に示されるように、長期投与試験の結果、本試験食の摂取前と2週後と4週後の測定値の各々に有意差が認められ、本発明の鶏コラーゲンペプチドは、血圧変動を抑制する効果があることが認められた。
本試験の結果より、鶏コラーゲン酵素分解物の1日当たりの望ましい摂取量は、ペプチド量として1〜10g、より好ましくは2〜8gと考えられる。
実施例6(血管修復作用向上への影響:EPCコロニーアッセイ)
本発明のコラーゲンペプチドの摂取が、血圧を下げるだけでなく、血管機能の改善効果があることをEPC(endothelial progenitor cell)コロニーアッセイで確認した。このEPCは骨髄で産生される血管内皮細胞の前駆体で、末梢血中のEPCは炎症や虚血、酸化ストレスなどの組織障害を感知し、細胞の修復を担う。高血圧症や高脂血症、糖尿病の患者ではEPCの機能が低下しており、血管障害の程度と高い相関を示すことが知られている。
より具体的には、上記実施例5の血圧試験の被験者血液を使用した。つまり、本発明のコラーゲンペプチド摂取期間前後の被験者血液を同量(10ml)採取し、1000g、30minで遠心し、沈殿した細胞を細胞培養液を満たしたシャーレに播種し、37℃,5%CO2,1週間培養後、本発明のコラーゲンペプチド摂取期間前後でコロニー数が増加したかどうか、形成されるコロニー形態に違いがないかを調べた。EPCコロニーアッセイにおけるコロニー数の変化を図7に、コロニーの形態の変化を図8に示す。
本試験の結果として、EPCコロニーアッセイにより、本発明のコラーゲンペプチドの摂取後において、形成されるコロニー数が増加し、コロニーの形態が改善されることが判明し、本発明のコラーゲンペプチドは、血圧を下げるだけでなく、血管の状態を改善する作用(血管保全作用)を有することが確認された。
実施例7(ACE阻害ペプチドの単離・精製)
酵素処理によって得られた鶏コラーゲンペプチドからACE阻害ペプチドを単離するため、逆相HPLC(CH3CN;8−40% in 0.1% CF3COOH)によって分画を行った。溶出ピークは220nmで検出を行った。
まず、図9Aに示されるように、溶出時間に従い、すべてのクロマトを6つに分画(Frac.1−Frac.6)し、ACE阻害活性の比較を行った(表4A参照)。
その結果、Frac.4に強い活性が認められたので、画分を濃縮し、アセトニトリルでの溶出条件を穏やかにして(0.4%/min)再度HPLCに供した(図9B参照)。得られたピークを溶出時間毎に分画し(Frac.4−1〜Frac.4−4)、ACE阻害活性を比較した(表4B参照)。
最も高い活性が認められたFrac.4−3は、各ペプチドを単離するため、濃縮を行い、アセトニトリルでの溶出条件を更に穏やかにして(0.16%/min)HPLCに供した(図9C参照)。得られたピークはプロテインシークエンサーによりアミノ酸配列の決定を行った。
図9C得られた各ピークのアミノ酸配列及び質量分析の結果を表5に示した。
表5に示されるように、ピーク8、9、11及び12は、それぞれ下記のアミノ酸配列を有するペプチドであった。
Gly−Ala−Hyp−Gly−Leu−Hyp−Gly−Pro(配列番号1)
Gly−Ala−Hyp−Gly−Pro−Ala−Gly−Pro−Gly−Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly(配列番号2)
Gly−Leu−Hyp−Gly−Ser−Arg−Gly−Glu−Arg−Gly−Leu−Hyp−Gly(配列番号3)
Gly−Ile−Hyp−Gly−Glu−Arg−Gly−Glu−Hyp−Gly−Pro−Val−Gly−Pro−Ser−Gly(配列番号4)
上記配列番号1〜4に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを、Fmoc固相法により自動ペプチド合成機(PSSM8 島津)を用いて作製した。脱保護の後、逆相HPLC(PEGASIL−300,20×250mm;Senshu,Tokyo,Japan)及び質量分析計ESI mass spectrometer LC−Q(Thermo Finnigan,San jose,CA)で確認を行った。
合成されたペプチドのACE阻害活性を測定し、その活性(IC50)を表5に示した。表5に示されるように、配列番号1〜4で示されるアミノ酸配列からなるペプチドはACE阻害活性を有していた。特に配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドは強いACE阻害活性を有していた。
鶏ゼラチン溶液(pH6.0)を調製し、これにコクラーゼP(ゼラチンに対して0.2%)を加え、50℃,3時間処理した後、加熱して酵素を失活させた。次いで、珪藻土濾過、活性炭処理により精製することにより鶏ゼラチンプロテアーゼ分解物を得た。
得られた鶏ゼラチンプロテアーゼ分解物の溶液(pH6.0)に、スミチームFP(原料に対し、0.5%酵素添加)を添加し、50℃で4時間酵素処理し、20分間の加熱により酵素を失活させ、遠心処理を行って上清を採取することによりゼラチンペプチドを得た。
上記で得られたゼラチンペプチドを、限外濾過膜を用いて分子量3000で分画を行い、低分子側画分(分子量3000以下)を採取した。以下、分画前のコラーゲンペプチドをA2と称し、低分子側画分(分子量3000以下)をA2Fと称する。
上記のA2及びA2Fについて、ACE阻害活性を測定したところ、それぞれのIC50は0.586mg/ml及び0.326mg/mlであった。
実施例9(コラーゲンペプチドによる血管内皮機能改善作用)
血管内皮細胞においては、種々のサイトカインの作用により、PI3K−プロテインキナーゼAktの活性化が起り、それに続いて内皮型一酸化窒素合成酵素(Endotherial Nitric−oxide synthase,eNOS)が活性化され、NO産生増加を引き起こし、血管新生、血管拡張、単球接着阻害などの血管内皮機能改善をもたらす。eNOSの活性化は、そのスレオニン残基とセリン残基のリン酸化により生じるので、eNOSのリン酸化を促進する物質はNO産生を増加させ、血管内皮機能の改善効果を有することになる。そこで、本発明のコラーゲンペプチドのeNOSリン酸化作用を試験した。
(1)供試材料
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)はタカラバイオから、ウシ大動脈血管内皮細胞(BAEC)は大日本住友製薬から購入した。実験に供したHUVEC及びBAECは継代数4から6代目までのものを用いた。細胞培養に用いた試薬類(DMEM,FBS,Trypsin−EDTA)はインビトロジェンから購入した。phospho−eNOS(Ser1177)抗体はCell Signaling社から購入した。また抗体の検出には、アマシャム・ファルマシアのECLplusを用いた。タンパク定量試薬にはバイオラッドのDC protein assay reagentを使用した。
試験ペプチドであるコラーゲンペプチドとしては、配列番号1に示されるオクタペプチド(合成品、以下CCOPという)並びに上記のA2及びA2Fを試験した。
(2)細胞培養
HUVEC及びBAECは10%FBSを含むDMEM(10%FBS,100μU/mlstreptomycin−penicillin,50μg/ml ヘパリン)にて目的の継代数に至るまで培養を行った。リン酸化試験に供する際は0%FBS−DMEMで12時間培養し、FBSに含まれる成長促進因子などがリン酸化に及ぼす影響を除去した。
(3)リン酸化eNOSの検出
リン酸化eNOSの検出はJuら(J.Biol.chem.1998,273,24025−24029.)の方法に準じて行った。即ち、BEACを0%FBS−DMEMで処理した後、培地に試験ペプチドを0.1%〜0.001%で添加した。また、ポジティブコントロールとして培地に、溶解させた100μMブラジキニン(BK;シグマ)を添加した。一定時間(3分間)刺激を与えた細胞をPBSで洗浄し、Lysis buffer(0.1% triton,20mM Tris−HCl(pH8.0),20mM EDTA,1mM PMSF,1mM sodium orthovanadate,1mMleupeptin−pepstatin)で細胞を溶解させて、細胞溶解液を回収した。15秒間のソニケーション、および10分間の加熱処理を行った細胞溶解液を遠心処理(10,000×g,10min)し、eNOSを含む上清を得た。タンパク質量を揃えたサンプルは7.5%ゲルを用いたSDS−PAGEで展開させた後、PVDF膜に転写した。5%脱脂粉乳を含むTBSバッファーを用いて室温にて2時間ブロッキングした後、phospho−eNOS抗体で4℃、一晩処理した。1次抗体を洗い流した後、HRPを付けた2次抗体で1時間反応させた。1次抗体、2次抗体をマウントさせたPVDF膜はTBS−Tで洗った後、化学発光試薬によりphospho−eNOSを検出しX線フィルムに焼き付けた。
(4)結果
上記の結果を図10に示す。本発明の鶏コラーゲンペプチドは、添加濃度依存的にリン酸化シグナルが強くみとめられたことから、eNOSを活性化させ、血管内皮機能の改善に寄与すると考えられた。合成ペプチドであるCCOPにおいても、添加濃度依存的にeNOSのリン酸化が認められたことから、CCOPが鶏由来コラーゲンプロテアーゼ分解物中の血管内皮機能改善に寄与する成分の一つであると考えられた。
製造例1
天然果汁(濃縮果汁還元)に、当該果汁200ml当り鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)500mgを混合した後、常法に準じて殺菌し、アセプティック包装して、果汁製品を得た。
製造例2
ウインナソーセージ用練り肉に、当該練り肉15g当り鶏コラーゲンペプチド(FP処理物)500mgを混合した後、常法に準じてソーセージケーシングに充填し、燻煙し、殺菌し、冷却後に包装し、ウインナソーセージを得た。
[配列表]
Claims (10)
- 血圧上昇抑制作用を有する、鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物。
- 血管保全作用を有する、鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物。
- 鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物であって、分子量が3000以下(限外濾過膜法)である、血圧上昇抑制作用を有するペプチド。
- 鶏又は豚由来コラーゲンのプロテアーゼ分解物であって、分子量が3000以下(限外濾過膜法)である、血管保全作用を有するペプチド。
- 配列番号1〜4で示されるアミノ酸配列からなるペプチド。
- 請求項1〜5の何れかに記載されるプロテアーゼ分解物又はペプチドを含有する、血圧上昇抑制作用及び/又は血管保全作用を有する機能性食品。
- 食品の形態が、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品、スナック菓子等の菓子類、パン類、バター、粉乳等の乳製品、豆腐、油揚げ等の大豆製品、水、果汁、牛乳、清涼飲料等の飲料である請求項6記載の機能性食品。
- 鶏又は豚由来コラーゲンをプロテアーゼで酵素分解して、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンプロテアーゼ分解物を得ることを特徴とするコラーゲンプロテアーゼ分解物の製造方法。
- 請求項8記載のコラーゲンプロテアーゼ分解物を、更にプロテアーゼで酵素分解して、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンペプチドを得ることを特徴とするコラーゲンペプチドの製造方法。
- 請求項9記載のコラーゲンペプチドを、分子量分画に付し、分子量3000以下(限外濾過膜法)の画分を採取し、血圧上昇抑制作用及び血管保全作用を有するコラーゲンペプチドを得ることを特徴とするコラーゲンペプチドの製造方法。
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