JPWO2007094290A1 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

パネル構造部材前駆体を形成したガラス基板を支持台に載置して焼成固化するPDPの製造方法において、支持台が炭化珪素を窒化珪素で結合した材料を主成分とし、その線膨張係数とガラス基板の線膨張係数との差が5×10−6/K以下である。

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法とプラズマディスプレイパネルの製造に用いる基板の支持台に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)は、対向配置された前面パネルと背面パネルのそれぞれの周縁部を封着部材によって封着した構造を有する。前面パネルと背面パネルとの間に形成された放電空間にはネオンやキセノンなどの放電ガスが封入されている。前面パネルは、ガラス基板の片面にストライプ状に形成された走査電極と維持電極とからなる複数の表示電極対と、これらの表示電極対を覆う誘電体層と保護層とを備えている。表示電極対は、それぞれ透明電極と、その透明電極上に形成された金属材料からなる補助電極とによって構成されている。背面パネルは、ガラス基板とアドレス電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層を有する。ガラス基板の片面には、複数のアドレス電極とこれらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と隔壁と3種類の蛍光体層が設けられている。アドレス電極は、表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成されている。隔壁は、アドレス電極ごとに放電空間を区画するように設けられている。蛍光体層はそれぞれ赤色、緑色、青色に発光し、隔壁の間の隣り合う各溝に順次塗布されている。
表示電極対とアドレス電極とは直交していて、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列され、表示電極対の方向に並ぶ赤色、緑色、青色の蛍光体層を有する3個の放電セルがカラー表示のための画素になる。PDPでは、走査電極とアドレス電極との間、および走査電極と維持電極との間に電圧を印加してガス放電を発生させる。そして、そのガス放電で生じる紫外線で蛍光体層が励起し発光する。このようにしてPDPはカラー画像を表示している。
前面ガラス基板上には、表示電極対、誘電体層などのパネル構造部材が形成されている。背面ガラス基板上には、アドレス電極、下地誘電体層、隔壁、蛍光体層などのパネル構造部材が形成されている。
これら前面パネル、背面パネルの製造方法を説明する。まずガラス基板上に上記のパネル構造部材の前駆体を塗布した後、必要に応じてフォトリソグラフィ法やサンドブラスト法などによりパターニングを行う。ここでパネル構造部材前駆体とは、焼成固化するとパネル構造部材になる材料を言い、セラミック、ガラス等の無機材料と樹脂等の有機材料からなる。パネル構造部材前駆体が形成されたガラス基板は支持台上に載せられ、支持台とともに焼成炉に搬入される。これにより、パネル構造前駆体は焼成固化され、ガラス基板上にパネル構造部材が形成される。このようなパネル構造部材前駆体のパターニングと焼成固化を繰り返すことで、複数のパネル構造部材を順次形成して前面パネル、背面パネルを製造する。なお、焼成炉内の温度は、パネル構造部材に応じて異なるが、多くの場合は500℃〜600℃という高い温度に設定されている。したがって、通常は、低膨張率結晶化ガラスが支持台として用いられ、高歪点ガラスがガラス基板として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような低膨張率結晶化ガラスを材料とする支持台は、焼成固化ステップを繰り返し経ることで、核形成剤の結晶が核として徐々に析出する。例えば、LiO−Al−SiO系の低膨張率結晶化ガラスでは、AlTi、ZrO等が核として析出する。結晶が核として析出した部分は、それ以外の部分より密度が大きくなる。この密度差により、支持台は微細に変形する。その結果、焼成固化ステップにおいて、微細に変形した支持台でガラス基板が擦られて傷が付くことがある。
そこで、焼成固化ステップが一定回数を越えると、支持台を交換しなければならず、そのために生産性が低下する。
特開2003−346657号公報
本発明は、パネル構造部材前駆体を形成したガラス基板を支持台に載置して焼成固化するPDPの製造方法であって、支持台は炭化珪素を窒化珪素で結合した材料を主成分とする。また支持台の線膨張係数とガラス基板の線膨張係数との差が5×10−6/K以下である。このようにしてPDPを製造することで、支持台は焼成固化ステップで微細な変形を引き起こすこともない。さらに線膨張係数との差が小さいため、支持台とガラス基板とが擦られて傷が付くこともない。そのため、高品質なPDPを提供することができる。また、支持台の交換頻度が減るため、生産性が向上する。
図1は本発明の実施の形態における製造方法で作製したPDPの構造を示す斜視図である。 図2は本発明の実施の形態の支持台を構成する複合珪素材料における炭化珪素と窒化珪素の結合状態を示す模式図である。 図3Aは本実施の形態で用いる焼成固化装置を正面から見た概略説明図である。 図3Bは図3Aにおいて焼成固化前の状態を示す概略説明図である。 図3Cは図3Aにおいて焼成固化後の状態を示す概略説明図である。 図4は本発明の実施の形態の支持台を構成する複合珪素材料における炭化珪素の含有量と熱膨張係数および熱伝導率との関係を示す特性図である。
符号の説明
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4A,5A 透明電極
4B,5B 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 遮光層
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
17 炭化珪素
18 窒化珪素
19 複合珪素材料
20 支持台
21 基板
22 パネル構造部材前駆体
23 パネル構造部材
40 焼成固化装置
41 回転ローラ
42 パネル搬入台
43 焼成固化炉
44 パネル搬出台
図1は本発明の実施の形態における製造方法で作製したPDPの構造を示す斜視図である。PDP1の基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。前面ガラス基板3を含む前面板2と、背面ガラス基板11を含む背面板10とが対向して配置され、それらの外周部はガラスフリットなどからなる封着部材(図示せず)によって互いに気密封着されている。封着されたPDP1の内部の放電空間16には、ネオン、キセノンなどの放電ガスが400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。
前面ガラス基板3の片面上には、走査電極4と維持電極5よりなるストライプ状の表示電極6と遮光層(ブラックストライプ)7とが互いに平行に複数列配置されている。誘電体層8は表示電極6と遮光層7とを覆うように形成されている。走査電極4は、透明電極4A、金属バス電極4Bから構成されている。維持電極5は、透明電極5A、金属バス電極5Bから構成されている。誘電体層8はホウ酸鉛系ガラスなどからなりコンデンサとして機能する。誘電体層8の表面には酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
背面ガラス基板11の片面上には、走査電極4と直交する方向に、ストライプ状のアドレス電極12が配置されている。下地誘電体層13はアドレス電極12を被覆している。アドレス電極12の間隙部の下地誘電体層13上には、放電空間16を区切る隔壁14が形成されている。隔壁14の間の溝には、紫外線によって赤色、緑色、および青色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布されている。アドレス電極12と一対の走査電極4、維持電極5とが交差する位置には放電セルが形成されている。
次に、PDP1の製造方法について説明する。前面板2は以下のようにして形成する。まず、前面ガラス基板3の片面に、走査電極4、維持電極5、遮光層7を形成する。走査電極4と維持電極5は、インジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO)などからなる透明電極4A、5Aと、銀などからなる金属バス電極4B、5Bとによって構成されている。金属バス電極4B、5Bは、透明電極4A、5A上にパターニングして形成する金属バス電極前駆体を高温で焼成固化して形成する。その際、銀などを含むペーストをガラス基板の前面に形成した後にフォトリソグラフィ法を用いる方法やスクリーン印刷法等で金属バス電極前駆体をパターニングする。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法でパターニングして形成した遮光層前駆体を焼成固化することで形成する。
次に、走査電極4、維持電極5、遮光層7を覆うように誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体前駆体を形成する。その後、前面ガラス基板3を静置することによって、誘電体前駆体の表面をレベリングする。静置後に誘電体前駆体を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5、遮光層7を覆うように誘電体層8を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層8上にMgOからなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上のステップにより前面ガラス基板3上に所定の前面パネル構造部材(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成され、前面板2が完成する。
一方、背面板10は以下のようにして形成される。背面ガラス基板11の片面に、銀ペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極前駆体を形成する。その後、焼成固化することによりアドレス電極12を形成する。次に、ダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように下地誘電体ペーストを塗布して下地誘電体前駆体を形成する。その後、下地誘電体前駆体を焼成固化することにより下地誘電体13を形成する。なお、下地誘電体ぺーストはガラス粉末などの下地誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体13上に隔壁材料を含む隔壁ペーストを塗布してパターニングすることにより、隔壁前駆体を形成し、焼成固化することにより隔壁14を形成する。隔壁ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法等がある。
次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体13上と隔壁14側面とに蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布して蛍光体前駆体を形成する。そしてこの蛍光体前駆体を焼成固化して蛍光体層15を形成する。以上のステップにより、背面ガラス基板11上に所定の背面パネル構造部材(アドレス電極12、下地誘電体13、隔壁14、蛍光体層15)を有する背面板10が完成する。
以上のようにして作製された前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置して、その周囲をガラスフリット(図示せず)で封着する。そして前面板2と背面板10とで挟まれた放電空間16にネオン、キセノンなどを含む放電ガスを封入する。このようにしてPDP1が完成する。
上述のように、PDP1を製造する際にはパネル構造部材毎に少なくとも前面板2で2回、背面板10で4回の焼成固化ステップが必要となる。なお、この焼成固化は多くの場合、500℃〜600℃の温度で行う。
次に、焼成固化ステップで使用するPDP用基板(以降、基板と記す)の支持台について説明する。支持台には、前面ガラス基板3を載置して焼成固化を行う第1支持台と、背面ガラス基板11を載置して焼成固化を行う第2支持台とがある。両者は焼成固化するガラスのサイズの違いからくる大きさの違いがあるだけで、同様の製造方法によって製造され、同様の使用形態で使用される。以下、支持台20と基板21の説明は、第1支持台と前面ガラス基板3あるいは第2支持台と背面ガラス基板11の組み合わせを意味する。
支持台20は、炭化珪素(SiC)構造と窒化珪素(Si)構造を有する複合珪素材料19を主成分とし、以下のようにして製造する。まず0.05〜300μmの炭化珪素粉末を70重量%と、0.05μm〜30μmの珪素粉末30重量%とを水に分散、混合してスラリー状とする。そして前面ガラス基板3、あるいは背面ガラス基板11より大きい面積の平板形状成形型内にスラリーを流し込み、乾燥する。乾燥した成形体を窒素雰囲気中にて1000℃以上、望ましくは1400℃で10〜20時間焼成する。この焼成によって、珪素粉末は雰囲気中の窒素と結合して窒化珪素に変化し、図2に示すような複合珪素材料19が生成する。なお、炭化水素粉末と珪素粉末の配合比率を変えることで、炭化珪素17の含有量が異なった複合珪素材料19による支持台20を製造することも可能である。
図2は、複合珪素材料19における炭化珪素17と窒化珪素18の結合状態を示す模式図である。窒化珪素18は炭化珪素17の間に入り込んで結合している。すなわち複合珪素材料19は、窒化珪素18を媒介として炭化珪素17同士が結びついた構造を有する。
このようにして製造した支持台20の熱膨張係数は4.5×10−6/K、熱伝導率は30W/m・K、ヤング率は150GPa、曲げ強度は100MPaである。
図3Aは本実施の形態で用いる焼成固化装置を正面から見た概略説明図である。図3Bは、図3Aにおいて、支持台を用いたパネル部材前駆体の焼成固化ステップにおける焼成固化前の状態を示す概略説明図であり、図3Cは、焼成固化後の状態を示す概略説明図である。
図3Aに示すように焼成固化装置40は、パネル搬入台42、焼成固化炉43、パネル搬出台44、回転ローラ41を有する。回転ローラ41は、パネル搬入台42の上の支持台20を焼成固化炉43内に搬入し、パネル搬出台44へ搬出する。焼成固化炉43は、回転ローラ41によって搬入された支持台20を加熱ヒータ等によって加熱する。
図3Bにおいて、基板21は前面ガラス基板3、あるいは背面ガラス基板11を示し、パネル構造部材前駆体22は、基板21が前面ガラス基板3の場合は、焼成固化前の金属バス電極4Bあるいは5B、遮光層7、誘電体層8、保護層9のいずれかである前面パネル構造部材前駆体を示す。また、基板21が背面ガラス基板11の場合は、焼成固化前のアドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14、蛍光体層15のいずれかのいずれかである背面パネル構造部材前駆体を示す。図3Bに示すように、パネル構造部材前駆体22が形成された基板21を支持台20上に載置する。載置後に回転ロール41を作動させ、支持台20を焼成固化炉43内に搬入する。
図3Cにおいて、パネル構造部材23は基板21が前面ガラス基板3の場合、金属バス電極4Bあるいは5B、遮光層7、誘電体層8、保護層9を示す。また、基板21が背面ガラス基板11の場合は、アドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14、蛍光体層15のいずれかを示す。図3Cに示すように、焼成固化炉43を通過することで基板21上に形成されたパネル構造部材前駆体22は焼成固化され、パネル構造部材23になる。
支持台20、基板21は、焼成固化炉43の前段で加熱、後段で冷却され、それぞれの熱膨張係数に応じて膨張したり収縮したりする。基板21の熱膨張係数と支持台20の熱膨張係数とは、異なるため、加熱、あるいは冷却によって互いの表面が擦れ合う。基板21や支持台20の表面はミクロな凹凸がある場合、表面が擦れ合うと、それらが原因で、基板21と支持台20の表面に傷が生じる。基板21上の傷は、基板21の割れを引き起こしたり、基板21が前面ガラス基板3である場合は、表示面での乱反射により、発光が妨げられたりする等の不都合が生じる。
図4は、支持台20を構成する複合珪素材料19を焼成する際の炭化珪素粉末の配合比率と熱膨張係数および熱伝導率との関係を示した特性図である。まず、炭化珪素17の含有率と熱膨張係数との関係について説明する。炭化珪素17の含有率が大きいほど複合珪素材料19の熱膨張係数は低下する。上述したように支持台20の熱膨張係数と基板21の熱膨張係数である8.3×10−6/Kとの差が大きいほど、基板21上に傷が生じやすい。傷の長さは短いほど望ましいが、1mm未満であると、容易に視認できないレベルであるので、実用上問題ない。傷を1mm未満とするためには基板21の熱膨張係数との差が5×10−6/K以下とする必要がある。したがって図4より、炭化珪素粉末の配合比率が80重量%以下であれば、傷の長さが1mm以下となり、好ましい。ただし、複合珪素材料19の生成には少なくとも0重量%を超える炭化珪素粉末を配合させる必要がある。炭化珪素粉末を配合させないと、支持台20としての十分な強度を確保することができない。
配合する珪素粉末は、ほとんど窒化珪素に変化するので、炭化珪素粉末の配合比率が80重量%の場合、焼成後の複合珪素材料19に占める炭化珪素17の含有率は44.4重量%となる。
なお、複合珪素材料19を主成分とする支持台20の製造時には、前述したように、低膨張率結晶化ガラスのような核形成剤を使わない。したがって600℃程度の焼成固化ステップを繰り返し通っても、結晶が核として析出することはなく、基板21を載せる支持台20の面の微細な変形が起こりにくい。したがって、長期間の使用においても、基板21に傷が発生するのを抑制する効果は持続する。
上記の効果は基板21として前面ガラス基板3を用いて実施した場合に特に顕著であるが、複合珪素材料19からなる支持台20を第2支持台とし、背面ガラス基板11を用いて実施した場合においても同様の効果を奏する。すなわち、第2支持台と背面ガラス基板11との熱膨張係数との差を5×10−6/K以下、すなわち炭化珪素17の含有率を44.4重量%以下とすることで背面ガラス基板11の傷の発生を抑制することができる。
以上のように、炭化珪素17の含有率を44.4重量%以下とすることで、ガラスの傷が少なく割れにくいプラズマディスプレイの製造が可能な支持台20の提供することができる。さらにこの支持台20は、繰り返して利用しても、傷を抑制する効果は持続するため、支持台20の交換頻度が減り、生産性が向上する。
次に、図4において、炭化珪素17の含有率と熱膨張率の関係について説明する。炭化珪素17の含有率が小さいほど複合珪素材料19の熱伝導率は低下する。支持台20の熱伝導率が低い場合には、焼成固化炉43の後段で基板21と支持台20が冷却されるとき、基板21に温度分布が生じ、高温部分と低温部分との温度差により、基板21に反りが生じる。この反りは基板21の割れという課題の原因となる。一方、熱伝導率が高い支持台20を用いて基板21を焼成固化した場合、支持台20の内部に温度分布が生じても、短時間のうちに支持台20の面内の温度が均一になる。そのため基板21の反りが小さくなる。具体的には反りを基板21の厚さの2倍以下に抑えることが好ましい。
そのためには支持台20の熱伝導率を20W/mK以上にすればよい。すなわち図4より、炭化珪素粉末の配合比率が64重量%以上であればよい。炭化珪素粉末の配合比率が64重量%の場合、焼成後の複合珪素材料19に占める炭化珪素17の含有率は26.3重量%となる。なお、炭化珪素17の含有率が小さくなると熱伝導率が小さくなるのは、焼結性が下がり複合珪素材料19の緻密性が低下することが原因であると考えられる。
したがって、炭化珪素17の含有率を26.3重量%以上とすることで、焼成固化ステップでの基板21の反りを抑制することができ、品質の高いプラズマディスプレイの製造が可能な支持台20の提供することができる。すなわち、炭化珪素17の含有率を26.3重量%以上44.4重量%以下とすることで基板21の傷の発生を抑制しつつ、基板21の反りを抑制することができる。
上記の効果は基板21として前面ガラス基板3を用いて実施した場合に特に顕著であるが、支持台20を第2支持台とし、基板21として背面ガラス基板11を用いて実施した場合においても同様の効果を奏する。すなわち、第2支持台の熱伝導率を20W/mK以上、すなわち炭化珪素17の含有率を26.3重量%以上とすることでガラスの反りを抑制することができる。
なお、焼成固化ステップでは、基板21と同時に支持台20も加熱されるため、支持台20の熱容量は、小さいことが望ましい。支持台20を構成する複合珪素材料19は、ポーラス構造のセラミック材料である。そのため、その熱容量は、従来の低膨張率結晶化ガラスの熱容量に比べ20%前後小さい。さらに、熱伝導率も従来に比べ、約30倍高く、焼成固化ステップ時の温度変化にも速やかに対応できる。その結果、支持台20を使用すると、焼成固化ステップでの投入エネルギーは、従来に比べ約10%少なくすることができる。
なお、本実施の形態では支持台20を炭化珪素17と窒化珪素18とからなる複合珪素材料19で形成している。しかしながら基板21との熱膨張係数の差か5×10−6/K以下であれば他の材料を用いても傷を1mm未満とすることができる。また熱伝導率が20W/mK以上であれば他の材料を用いても、基板21の反りを抑制することができる。
本発明によれば、支持台の交換回数が抑制されることによる製造コストの低いPDPの製造方法を提供することができる。
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法とプラズマディスプレイパネルの製造に用いる基板の支持台に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)は、対向配置された前面パネルと背面パネルのそれぞれの周縁部を封着部材によって封着した構造を有する。前面パネルと背面パネルとの間に形成された放電空間にはネオンやキセノンなどの放電ガスが封入されている。前面パネルは、ガラス基板の片面にストライプ状に形成された走査電極と維持電極とからなる複数の表示電極対と、これらの表示電極対を覆う誘電体層と保護層とを備えている。表示電極対は、それぞれ透明電極と、その透明電極上に形成された金属材料からなる補助電極とによって構成されている。背面パネルは、ガラス基板とアドレス電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層を有する。ガラス基板の片面には、複数のアドレス電極とこれらのアドレス電極を覆う下地誘電体層と隔壁と3種類の蛍光体層が設けられている。アドレス電極は、表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成されている。隔壁は、アドレス電極ごとに放電空間を区画するように設けられている。蛍光体層はそれぞれ赤色、緑色、青色に発光し、隔壁の間の隣り合う各溝に順次塗布されている。
表示電極対とアドレス電極とは直交していて、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列され、表示電極対の方向に並ぶ赤色、緑色、青色の蛍光体層を有する3個の放電セルがカラー表示のための画素になる。PDPでは、走査電極とアドレス電極との間、および走査電極と維持電極との間に電圧を印加してガス放電を発生させる。そして、そのガス放電で生じる紫外線で蛍光体層が励起し発光する。このようにしてPDPはカラー画像を表示している。
前面ガラス基板上には、表示電極対、誘電体層などのパネル構造部材が形成されている。背面ガラス基板上には、アドレス電極、下地誘電体層、隔壁、蛍光体層などのパネル構造部材が形成されている。
これら前面パネル、背面パネルの製造方法を説明する。まずガラス基板上に上記のパネル構造部材の前駆体を塗布した後、必要に応じてフォトリソグラフィ法やサンドブラスト法などによりパターニングを行う。ここでパネル構造部材前駆体とは、焼成固化するとパネル構造部材になる材料を言い、セラミック、ガラス等の無機材料と樹脂等の有機材料からなる。パネル構造部材前駆体が形成されたガラス基板は支持台上に載せられ、支持台とともに焼成炉に搬入される。これにより、パネル構造前駆体は焼成固化され、ガラス基板上にパネル構造部材が形成される。このようなパネル構造部材前駆体のパターニングと焼成固化を繰り返すことで、複数のパネル構造部材を順次形成して前面パネル、背面パネルを製造する。なお、焼成炉内の温度は、パネル構造部材に応じて異なるが、多くの場合は500℃〜600℃という高い温度に設定されている。したがって、通常は、低膨張率結晶化ガラスが支持台として用いられ、高歪点ガラスがガラス基板として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような低膨張率結晶化ガラスを材料とする支持台は、焼成固化ステップを繰り返し経ることで、核形成剤の結晶が核として徐々に析出する。例えば、LiO−Al−SiO系の低膨張率結晶化ガラスでは、AlTi、ZrO等が核として析出する。結晶が核として析出した部分は、それ以外の部分より密度が大きくなる。この密度差により、支持台は微細に変形する。その結果、焼成固化ステップにおいて、微細に変形した支持台でガラス基板が擦られて傷が付くことがある。
そこで、焼成固化ステップが一定回数を越えると、支持台を交換しなければならず、そのために生産性が低下する。
特開2003−346657号公報
本発明は、パネル構造部材前駆体を形成したガラス基板を支持台に載置して焼成固化するPDPの製造方法であって、支持台は炭化珪素を窒化珪素で結合した材料を主成分とする。また支持台の線膨張係数とガラス基板の線膨張係数との差が5×10−6/K以下である。このようにしてPDPを製造することで、支持台は焼成固化ステップで微細な変形を引き起こすこともない。さらに線膨張係数との差が小さいため、支持台とガラス基板とが擦られて傷が付くこともない。そのため、高品質なPDPを提供することができる。また、支持台の交換頻度が減るため、生産性が向上する。
図1は本発明の実施の形態における製造方法で作製したPDPの構造を示す斜視図である。PDP1の基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。前面ガラス基板3を含む前面板2と、背面ガラス基板11を含む背面板10とが対向して配置され、それらの外周部はガラスフリットなどからなる封着部材(図示せず)によって互いに気密封着されている。封着されたPDP1の内部の放電空間16には、ネオン、キセノンなどの放電ガスが400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。
前面ガラス基板3の片面上には、走査電極4と維持電極5よりなるストライプ状の表示電極6と遮光層(ブラックストライプ)7とが互いに平行に複数列配置されている。誘電体層8は表示電極6と遮光層7とを覆うように形成されている。走査電極4は、透明電極4A、金属バス電極4Bから構成されている。維持電極5は、透明電極5A、金属バス電極5Bから構成されている。誘電体層8はホウ酸鉛系ガラスなどからなりコンデンサとして機能する。誘電体層8の表面には酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
背面ガラス基板11の片面上には、走査電極4と直交する方向に、ストライプ状のアドレス電極12が配置されている。下地誘電体層13はアドレス電極12を被覆している。アドレス電極12の間隙部の下地誘電体層13上には、放電空間16を区切る隔壁14が形成されている。隔壁14の間の溝には、紫外線によって赤色、緑色、および青色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布されている。アドレス電極12と一対の走査電極4、維持電極5とが交差する位置には放電セルが形成されている。
次に、PDP1の製造方法について説明する。前面板2は以下のようにして形成する。まず、前面ガラス基板3の片面に、走査電極4、維持電極5、遮光層7を形成する。走査電極4と維持電極5は、インジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO)などからなる透明電極4A、5Aと、銀などからなる金属バス電極4B、5Bとによって構成されている。金属バス電極4B、5Bは、透明電極4A、5A上にパターニングして形成する金属バス電極前駆体を高温で焼成固化して形成する。その際、銀などを含むペーストをガラス基板の前面に形成した後にフォトリソグラフィ法を用いる方法やスクリーン印刷法等で金属バス電極前駆体をパターニングする。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法でパターニングして形成した遮光層前駆体を焼成固化することで形成する。
次に、走査電極4、維持電極5、遮光層7を覆うように誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体前駆体を形成する。その後、前面ガラス基板3を静置することによって、誘電体前駆体の表面をレベリングする。静置後に誘電体前駆体を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5、遮光層7を覆うように誘電体層8を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層8上にMgOからなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上のステップにより前面ガラス基板3上に所定の前面パネル構造部材(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成され、前面板2が完成する。
一方、背面板10は以下のようにして形成される。背面ガラス基板11の片面に、銀ペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極前駆体を形成する。その後、焼成固化することによりアドレス電極12を形成する。次に、ダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように下地誘電体ペーストを塗布して下地誘電体前駆体を形成する。その後、下地誘電体前駆体を焼成固化することにより下地誘電体13を形成する。なお、下地誘電体ペーストはガラス粉末などの下地誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体13上に隔壁材料を含む隔壁ペーストを塗布してパターニングすることにより、隔壁前駆体を形成し、焼成固化することにより隔壁14を形成する。隔壁ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法等がある。
次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体13上と隔壁14側面とに蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布して蛍光体前駆体を形成する。そしてこの蛍光体前駆体を焼成固化して蛍光体層15を形成する。以上のステップにより、背面ガラス基板11上に所定の背面パネル構造部材(アドレス電極12、下地誘電体13、隔壁14、蛍光体層15)を有する背面板10が完成する。
以上のようにして作製された前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置して、その周囲をガラスフリット(図示せず)で封着する。そして前面板2と背面板10とで挟まれた放電空間16にネオン、キセノンなどを含む放電ガスを封入する。このようにしてPDP1が完成する。
上述のように、PDP1を製造する際にはパネル構造部材毎に少なくとも前面板2で2回、背面板10で4回の焼成固化ステップが必要となる。なお、この焼成固化は多くの場合、500℃〜600℃の温度で行う。
次に、焼成固化ステップで使用するPDP用基板(以降、基板と記す)の支持台について説明する。支持台には、前面ガラス基板3を載置して焼成固化を行う第1支持台と、背面ガラス基板11を載置して焼成固化を行う第2支持台とがある。両者は焼成固化するガラスのサイズの違いからくる大きさの違いがあるだけで、同様の製造方法によって製造され、同様の使用形態で使用される。以下、支持台20と基板21の説明は、第1支持台と前面ガラス基板3あるいは第2支持台と背面ガラス基板11の組み合わせを意味する。
支持台20は、炭化珪素(SiC)構造と窒化珪素(Si)構造を有する複合珪素材料19を主成分とし、以下のようにして製造する。まず0.05〜300μmの炭化珪素粉末を70重量%と、0.05μm〜30μmの珪素粉末30重量%とを水に分散、混合してスラリー状とする。そして前面ガラス基板3、あるいは背面ガラス基板11より大きい面積の平板形状成形型内にスラリーを流し込み、乾燥する。乾燥した成形体を窒素雰囲気中にて1000℃以上、望ましくは1400℃で10〜20時間焼成する。この焼成によって、珪素粉末は雰囲気中の窒素と結合して窒化珪素に変化し、図2に示すような複合珪素材料19が生成する。なお、炭化水素粉末と珪素粉末の配合比率を変えることで、炭化珪素17の含有量が異なった複合珪素材料19による支持台20を製造することも可能である。
図2は、複合珪素材料19における炭化珪素17と窒化珪素18の結合状態を示す模式図である。窒化珪素18は炭化珪素17の間に入り込んで結合している。すなわち複合珪素材料19は、窒化珪素18を媒介として炭化珪素17同士が結びついた構造を有する。
このようにして製造した支持台20の熱膨張係数は4.5×10−6/K、熱伝導率は30W/m・K、ヤング率は150GPa、曲げ強度は100MPaである。
図3Aは本実施の形態で用いる焼成固化装置を正面から見た概略説明図である。図3Bは、図3Aにおいて、支持台を用いたパネル部材前駆体の焼成固化ステップにおける焼成固化前の状態を示す概略説明図であり、図3Cは、焼成固化後の状態を示す概略説明図である。
図3Aに示すように焼成固化装置40は、パネル搬入台42、焼成固化炉43、パネル搬出台44、回転ローラ41を有する。回転ローラ41は、パネル搬入台42の上の支持台20を焼成固化炉43内に搬入し、パネル搬出台44へ搬出する。焼成固化炉43は、回転ローラ41によって搬入された支持台20を加熱ヒータ等によって加熱する。
図3Bにおいて、基板21は前面ガラス基板3、あるいは背面ガラス基板11を示し、パネル構造部材前駆体22は、基板21が前面ガラス基板3の場合は、焼成固化前の金属バス電極4Bあるいは5B、遮光層7、誘電体層8、保護層9のいずれかである前面パネル構造部材前駆体を示す。また、基板21が背面ガラス基板11の場合は、焼成固化前のアドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14、蛍光体層15のいずれかのいずれかである背面パネル構造部材前駆体を示す。図3Bに示すように、パネル構造部材前駆体22が形成された基板21を支持台20上に載置する。載置後に回転ロール41を作動させ、支持台20を焼成固化炉43内に搬入する。
図3Cにおいて、パネル構造部材23は基板21が前面ガラス基板3の場合、金属バス電極4Bあるいは5B、遮光層7、誘電体層8、保護層9を示す。また、基板21が背面ガラス基板11の場合は、アドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14、蛍光体層15のいずれかを示す。図3Cに示すように、焼成固化炉43を通過することで基板21上に形成されたパネル構造部材前駆体22は焼成固化され、パネル構造部材23になる。
支持台20、基板21は、焼成固化炉43の前段で加熱、後段で冷却され、それぞれの熱膨張係数に応じて膨張したり収縮したりする。基板21の熱膨張係数と支持台20の熱膨張係数とは、異なるため、加熱、あるいは冷却によって互いの表面が擦れ合う。基板21や支持台20の表面はミクロな凹凸がある場合、表面が擦れ合うと、それらが原因で、基板21と支持台20の表面に傷が生じる。基板21上の傷は、基板21の割れを引き起こしたり、基板21が前面ガラス基板3である場合は、表示面での乱反射により、発光が妨げられたりする等の不都合が生じる。
図4は、支持台20を構成する複合珪素材料19を焼成する際の炭化珪素粉末の配合比率と熱膨張係数および熱伝導率との関係を示した特性図である。まず、炭化珪素17の含有率と熱膨張係数との関係について説明する。炭化珪素17の含有率が大きいほど複合珪素材料19の熱膨張係数は低下する。上述したように支持台20の熱膨張係数と基板21の熱膨張係数である8.3×10−6/Kとの差が大きいほど、基板21上に傷が生じやすい。傷の長さは短いほど望ましいが、1mm未満であると、容易に視認できないレベルであるので、実用上問題ない。傷を1mm未満とするためには基板21の熱膨張係数との差が5×10−6/K以下とする必要がある。したがって図4より、炭化珪素粉末の配合比率が80重量%以下であれば、傷の長さが1mm以下となり、好ましい。ただし、複合珪素材料19の生成には少なくとも0重量%を超える炭化珪素粉末を配合させる必要がある。炭化珪素粉末を配合させないと、支持台20としての十分な強度を確保することができない。
配合する珪素粉末は、ほとんど窒化珪素に変化するので、炭化珪素粉末の配合比率が80重量%の場合、焼成後の複合珪素材料19に占める炭化珪素17の含有率は44.4重量%となる。
なお、複合珪素材料19を主成分とする支持台20の製造時には、前述したように、低膨張率結晶化ガラスのような核形成剤を使わない。したがって600℃程度の焼成固化ステップを繰り返し通っても、結晶が核として析出することはなく、基板21を載せる支持台20の面の微細な変形が起こりにくい。したがって、長期間の使用においても、基板21に傷が発生するのを抑制する効果は持続する。
上記の効果は基板21として前面ガラス基板3を用いて実施した場合に特に顕著であるが、複合珪素材料19からなる支持台20を第2支持台とし、背面ガラス基板11を用いて実施した場合においても同様の効果を奏する。すなわち、第2支持台と背面ガラス基板11との熱膨張係数との差を5×10−6/K以下、すなわち炭化珪素17の含有率を44.4重量%以下とすることで背面ガラス基板11の傷の発生を抑制することができる。
以上のように、炭化珪素17の含有率を44.4重量%以下とすることで、ガラスの傷が少なく割れにくいプラズマディスプレイの製造が可能な支持台20の提供することができる。さらにこの支持台20は、繰り返して利用しても、傷を抑制する効果は持続するため、支持台20の交換頻度が減り、生産性が向上する。
次に、図4において、炭化珪素17の含有率と熱膨張率の関係について説明する。炭化珪素17の含有率が小さいほど複合珪素材料19の熱伝導率は低下する。支持台20の熱伝導率が低い場合には、焼成固化炉43の後段で基板21と支持台20が冷却されるとき、基板21に温度分布が生じ、高温部分と低温部分との温度差により、基板21に反りが生じる。この反りは基板21の割れという課題の原因となる。一方、熱伝導率が高い支持台20を用いて基板21を焼成固化した場合、支持台20の内部に温度分布が生じても、短時間のうちに支持台20の面内の温度が均一になる。そのため基板21の反りが小さくなる。具体的には反りを基板21の厚さの2倍以下に抑えることが好ましい。
そのためには支持台20の熱伝導率を20W/mK以上にすればよい。すなわち図4より、炭化珪素粉末の配合比率が64重量%以上であればよい。炭化珪素粉末の配合比率が64重量%の場合、焼成後の複合珪素材料19に占める炭化珪素17の含有率は26.3重量%となる。なお、炭化珪素17の含有率が小さくなると熱伝導率が小さくなるのは、焼結性が下がり複合珪素材料19の緻密性が低下することが原因であると考えられる。
したがって、炭化珪素17の含有率を26.3重量%以上とすることで、焼成固化ステップでの基板21の反りを抑制することができ、品質の高いプラズマディスプレイの製造が可能な支持台20の提供することができる。すなわち、炭化珪素17の含有率を26.3重量%以上44.4重量%以下とすることで基板21の傷の発生を抑制しつつ、基板21の反りを抑制することができる。
上記の効果は基板21として前面ガラス基板3を用いて実施した場合に特に顕著であるが、支持台20を第2支持台とし、基板21として背面ガラス基板11を用いて実施した場合においても同様の効果を奏する。すなわち、第2支持台の熱伝導率を20W/mK以上、すなわち炭化珪素17の含有率を26.3重量%以上とすることでガラスの反りを抑制することができる。
なお、焼成固化ステップでは、基板21と同時に支持台20も加熱されるため、支持台20の熱容量は、小さいことが望ましい。支持台20を構成する複合珪素材料19は、ポーラス構造のセラミック材料である。そのため、その熱容量は、従来の低膨張率結晶化ガラスの熱容量に比べ20%前後小さい。さらに、熱伝導率も従来に比べ、約30倍高く、焼成固化ステップ時の温度変化にも速やかに対応できる。その結果、支持台20を使用すると、焼成固化ステップでの投入エネルギーは、従来に比べ約10%少なくすることができる。
なお、本実施の形態では支持台20を炭化珪素17と窒化珪素18とからなる複合珪素材料19で形成している。しかしながら基板21との熱膨張係数の差が5×10−6/K以下であれば他の材料を用いても傷を1mm未満とすることができる。また熱伝導率が20W/mK以上であれば他の材料を用いても、基板21の反りを抑制することができる。
本発明によれば、支持台の交換回数が抑制されることによる製造コストの低いPDPの製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態における製造方法で作製したPDPの構造を示す斜視図 本発明の実施の形態の支持台を構成する複合珪素材料における炭化珪素と窒化珪素の結合状態を示す模式図 本実施の形態で用いる焼成固化装置を正面から見た概略説明図 図3Aにおいて焼成固化前の状態を示す概略説明図 図3Aにおいて焼成固化後の状態を示す概略説明図 本発明の実施の形態の支持台を構成する複合珪素材料における炭化珪素の含有量と熱膨張係数および熱伝導率との関係を示す特性図
符号の説明
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4A,5A 透明電極
4B,5B 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 遮光層
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
17 炭化珪素
18 窒化珪素
19 複合珪素材料
20 支持台
21 基板
22 パネル構造部材前駆体
23 パネル構造部材
40 焼成固化装置
41 回転ローラ
42 パネル搬入台
43 焼成固化炉
44 パネル搬出台
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
本発明は、パネル構造部材前駆体を形成したガラス基板を支持台に載置して焼成固化するPDPの製造方法であって、支持台は炭化珪素を窒化珪素で結合した材料を主成分とする。また支持台の熱膨張係数とガラス基板の熱膨張係数との差が5×10−6/K以下である。このようにしてPDPを製造することで、支持台は焼成固化ステップで微細な変形を引き起こすこともない。さらに熱膨張係数との差が小さいため、支持台とガラス基板とが擦られて傷が付くこともない。そのため、高品質なPDPを提供することができる。また、支持台の交換頻度が減るため、生産性が向上する。

Claims (12)

  1. 表面に前面パネル構造部材前駆体を形成された前面ガラス基板を第1支持台に載置し、前記前面パネル構造部材前駆体を焼成固化して前面板構造部材を作製するステップと、
    表面に背面パネル構造部材前駆体を形成された背面ガラス基板を第2支持台に載置し、前記背面パネル構造部材前駆体を焼成固化して背面板構造部材を作製するステップと、
    前記前面パネル構造部材と前記背面パネル構造部材とを対向させて前記前面ガラス基板の周辺部と前記背面ガラス基板の周辺部とを封着するステップと、
    前記前面ガラス基板と前記背面ガラス基板とで挟まれた空間に放電ガスを封入するステップと、を備え、
    前記第1支持台が炭化珪素を窒化珪素で結合した複合珪素材料を主成分とし、かつ前記第1支持台の線膨張係数と前記前面ガラス基板の線膨張係数との差が5×10−6/K以下である、
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記第1支持台中の炭化珪素含有量が0重量%を越え、44.4重量%以下である、
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記第1支持台の熱伝導率が20W/mK以上である、
    請求項1、2のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記第1支持台中の炭化珪素含有量が26.3重量%以上44.4重量%以下である、
    請求項3記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記第2支持台が炭化珪素を窒化珪素で結合した材料を主成分とし、かつ前記第2支持台の線膨張係数と前記背面ガラス基板の線膨張係数との差が5×10−6/K以下である、
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前記第2支持台中の炭化珪素含有量が0重量%を越え、44.4重量%以下である、
    請求項5記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記第2支持台の熱伝導率が20W/mK以上である、
    請求項5、6のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 前記第2支持台中の炭化珪素含有量が26.3重量%以上44.4重量%以下である、
    請求項7記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. パネル構造部材前駆体を形成したガラス基板を焼成固化する際に前記ガラス基板を載置するプラズマディスプレイパネル用基板の支持台であって、
    前記支持台は炭化珪素を窒化珪素で結合した材料を主成分とし、かつ線膨張係数と前記ガラス基板の線膨張係数との差が5×10−6/K以下である、
    プラズマディスプレイパネル用基板の支持台。
  10. 炭化珪素含有量が0重量%を越え、44.4重量%以下である、
    請求項9記載のプラズマディスプレイパネル用基板の支持台。
  11. 熱伝導率が20W/mK以上である、
    請求項9、10のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネル用基板の支持台。
  12. 炭化珪素含有量が26.3重量%以上44.4重量%以下である、
    請求項11記載のプラズマディスプレイパネル用基板の支持台。
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