本発明は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格に規定されるCEC(Consumer Electronics Control)メッセージを無線通信する無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法に関する。
HDMI規格に規定されるCECメッセージを有線で伝送する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1において、一方向データ接続を使用して相互接続されたマスターノードと1つ以上のスレーブノードとを有するネットワークのトポロジを決定する方法が開示される。マスターノードは、後のノードにデータを利用可能にし、スレーブノードは、前のノードからデータを読み取り、その読み取られたデータは、マスターノードからスレーブノードへのパスの情報を有する。ノード間の双方向データ接続を介してスレーブノードからパス上の全てのノードにデータを送信することにより、パスを構成する更なる方法が開示される。好ましい実施例では、HDMIを使用するホームエンターテイメントシステムが適切なネットワークであり、マスターノードとして機能するように動作可能な提示構成要素(例えばテレビジョン受像機)を有し、ネットワークのノードはHDMIコードセットをしようして相互接続されている。HDMI規格は、前述の一方向データ接続に対応するDDCバスと、前述の双方向データ接続に対応するCECバスとを有する。
特開2005−528853号公報。
High−Definition Multimedia Interface Specification,Version1.1,HDMI Licensing,LLC,California in U.S.A.,May 20,2004.
しかしながら、CECメッセージを伝送するために送信側の無線通信装置と受信側の無線通信装置とを有線接続する場合、配線によって外観が乱雑に見えるだけでなく、1台の送信側の無線通信装置に対して、1本の配線につき1台の無線通信装置でしか受信することができず、他の無線通信装置で受信する場合には、いちいちケーブルを繋ぎ替える手間が掛かるという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できる無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法を提供することにある。
第1の発明に係る無線通信装置は、第1及び第2の無線通信装置を含み、HDMI規格に規定されたCECメッセージを送受信する複数の無線通信装置を備えた無線通信システムのための第1の無線通信装置において、CECメッセージを含むCECフレームを生成して出力するCEC制御手段と、前記生成されたCECフレーム内のCECメッセージを含む無線データパケットを生成する制御手段と、前記生成された無線データパケットを含む無線信号を前記第2の無線通信装置に無線送信し、前記無線送信された無線信号内の無線データパケットに応答して前記第2の無線通信装置から無線送信される無線受信応答パケットを含む無線信号を受信する無線送受信手段とを備えたことを特徴とする。
上記無線通信装置において、前記CEC制御手段及び前記制御手段は互いに内部バスを介して接続されてもよい。
また、上記無線通信装置において、前記CEC制御手段及び前記制御手段は互いに内部バス及び有線を介して接続されてもよい。
さらに、上記無線通信装置において、前記制御手段は、所定時間以内に前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信したとき、前記CEC制御手段に所定の受信応答信号を出力する一方、所定時間以内に前記無線データパケットに対する前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信しないとき、前記CEC制御手段に前記受信応答信号を出力すること中止してもよい。ここで、上記無線通信装置において、前記CEC制御手段は、前記CECフレームの出力後所定時間以内に前記制御手段からの受信応答信号を検出しないとき、前記CECフレームを再出力し、前記制御手段は、前記CEC制御手段により再出力された前記CECフレームを入力したとき、前記無線データパケットに対する前記無線受信応答パケットを既に受信している場合、前記無線データパケットを無線送信することを中止し、前記CEC制御手段に前記受信応答信号を出力してもよい。さらにここで、前記無線データパケット内のCECフレームの少なくとも一部と、前記無線データパケットに対する前記無線応答受信パケットを受信したか否かを示す受信状況とを関連付けて格納する送信データ情報テーブルを格納する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記無線データパケットを含む無線信号を無線送信するとき、前記無線データパケット内のCECフレームの少なくとも一部を前記送信データ情報テーブルに格納し、前記無線応答受信パケットを無線受信したとき、前記無線データパケットに対する前記無線応答受信パケットを受信したことを示す前記受信状況を格納してもよい。
取って代わって、前記制御手段は、前記CEC制御手段により生成されたCECフレームを入力したとき、前記CEC制御手段に所定の受信応答信号を出力してもよい。
またさらに、上記無線通信装置において、前記CECフレームは、所定のフォーマットを有する少なくとも1つのブロックを含み、前記制御手段は、前記ブロックが最終ブロックでないとき、前記CEC制御手段に前記受信応答信号を出力し、前記ブロックが最終ブロックであるとき、前記無線データパケットを無線送信してもよい。
また、上記無線通信装置において、前記無線送受信手段が、前記第2の無線通信装置から無線送信される無線受信応答パケットの無線信号を受信したとき、前記制御手段は、前記無線受信応答パケット内のCECフレームに含まれる第2の無線通信装置の送信元論理アドレスをCEC論理アドレスとして設定し、前記無線受信応答パケット内の送信元デバイスIDを無線デバイスIDとして設定し、前記CEC論理アドレスと前記無線デバイスIDとを対として互いに関連付け、前記関連付けされた対に対してCEC物理アドレスを割り当てた後、当該CEC物理アドレスとそれに対応する対をノード情報テーブルとして前記記憶手段に格納してもよい。
第2の発明に係る無線通信システムは、複数の上記無線通信装置を備えたことを特徴とする。
第3の発明に係る無線通信装置の制御方法は、第1及び第2の無線通信装置を含み、HDMI規格に規定されたCECメッセージを送受信する複数の無線通信装置を備えた無線通信システムのための第1の無線通信装置の制御方法において、CECメッセージを含むCECフレームを生成して出力するステップと、前記生成されたCECフレーム内のCECメッセージを含む無線データパケットを生成するステップと、前記生成された無線データパケットを含む無線信号を前記第2の無線通信装置に無線送信し、前記無線送信された無線信号内の無線データパケットに応答して前記第2の無線通信装置から無線送信される無線受信応答パケットを含む無線信号を受信するステップとを含むことを特徴とする。
上記無線通信装置の制御方法において、所定時間以内に前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信したとき、所定の受信応答信号を出力する一方、所定時間以内に前記無線データパケットに対する前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信しないとき、前記受信応答信号を出力すること中止するステップをさらに含んでもよい。ここで、上記無線通信装置の制御方法において、前記CECフレームの出力後所定時間以内に前記制御手段からの受信応答信号を検出しないとき、前記CECフレームを再出力するステップと、前記再出力された前記CECフレームを入力したとき、前記無線データパケットに対する前記無線受信応答パケットを既に受信している場合、前記無線データパケットを無線送信することを中止し、前記受信応答信号を出力するステップとをさらに含んでもよい。
従って、本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法によれば、CECメッセージを無線通信することによって、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、ケーブルを繋ぎ替えることなく容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できるという特有の効果を有する。
また、CEC制御手段及び制御手段が互いに内部バス及び有線を介して接続されることによって、CECメッセージを送受信するための有線インタフェースしか備えていない無線伝送装置においてもCECフレームを無線送受信することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図1のROM11に格納されるノード情報テーブル12bの一例を示すテーブルである。
図1のRAM12に格納される送信データ情報テーブル12aの一例を示すテーブルである。
無線データパケット1000のフォーマットの一例を示す構成図である。
図4のCECフレーム領域700のフォーマットの一例を示す構成図である。
図5のヘッダブロック及びデータブロック800のフォーマットの一例を示す構成図である。
図1のソース装置1のコントローラ10によるアドレス情報登録処理を示すフローチャートである。
図1のソース装置1のコントローラ10によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。
図1のシンク装置2のコントローラ20によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。
CECメッセージの再送処理が行われない場合の図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。
CECメッセージの再送処理が行われる場合の図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。
図1のシンク装置2のコントローラ20によるもう1つのデータ送受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線通信システムの各部の信号を示すもう1つのシーケンス図である。
図1のソース装置1のコントローラ10によるもう1つのデータ送受信処理を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図15の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。
符号の説明
1,1A…ソース装置、
2,2A…シンク装置、
10,20,10A,20A,50,60…コントローラ、
11,21…ROM、
11a,21a…自局ノード情報、
12,27,52,62…RAM、
12a,27a,52a,62a…送信データ情報テーブル、
12b,27b,52b,62b…ノード情報テーブル、
13…DVDプレーヤ、
14,24…CECコントローラ、
15,25,54,64…無線送受信回路、
16,26,56,66…アンテナ、
22…スピーカ、
23…ディスプレイ、
30…音声信号及び映像信号処理回路、
51,55,61,65…有線送受信回路、
57,67…アダプタ装置。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態に係る無線通信システムはソース装置1と、シンク装置2とを有する。ソース装置1は、コントローラ10と、読み取り専用メモリ(以下、ROM(Read Only Memory)という。)11と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAM(Random Access Memory)という。)12と、DVDプレーヤ13と、CECコントローラ14と、無線送受信回路15と、アンテナ16とを備えて構成される。シンク装置2は、コントローラ20と、ROM21と、スピーカ22と、ディスプレイ23と、CECコントローラ24と、無線送受信回路25と、アンテナ26と、RAM27と、音声信号及び映像信号処理回路30とを備えて構成される。
図1のソース装置1において、DVDプレーヤ13は、コントローラ10からの制御に基づいて、DVD等の記録媒体に記録された映像信号及び音声信号を読み出して無線送受信回路15に出力する。ROM11は、ソース装置1の自局論理アドレスと、例えばソース装置1のMACアドレスである自局デバイスIDとを含む自局ノード情報11aを格納する。RAM12は、アンテナ16を介して送受信されるCEC(Consumer Electronics Control)メッセージを含むCECフレームの送信データ情報を含む送信データ情報テーブル12a(図3を参照して後述する。)と、ソース装置1、シンク装置2等の無線通信システムを構成する各装置の物理アドレス、論理アドレス及びデバイスID等のノード情報を含むノード情報テーブル12b(図2を参照して後述する。)とを格納する。CECコントローラ14は、バスB1と接続するためのバスインタフェースを有し、コントローラ10を介してRAM12のノード情報テーブル12bから読み出したノード情報に基づいて、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格に規定されるCECフレームを生成して、生成されたCECフレームを、内部バス(以下、バスという。)B1を介してコントローラ10に出力する一方、コントローラ10により出力されるACK信号と、アンテナ16、無線送受信回路15及びコントローラ10を介してシンク装置2から送信されたCECフレームとを受信し、CECフレーム内に含まれるCECメッセージの制御コードに従って所定の動作を実行する。CECフレームは、「0」又は「1」を示すパルス波形として、バスB1を介してCECコントローラ14からコントローラ10に連続的に出力される。
無線送受信回路15は、DVDプレーヤ13により読み出された映像信号及び音声信号をエンコードし、送信パケットを生成して、例えばミリ波帯又はマイクロ波帯の周波数を有する搬送波を、生成された送信パケットに従って変調することにより、無線AV信号を生成し、アンテナ16を介してシンク装置2に送信する一方、コントローラ10から出力される無線データパケットをエンコードし、例えばミリ波帯又はマイクロ波帯の周波数を有する搬送波を無線データパケットに従って変調することにより、無線データ信号を生成し、生成した無線データ信号を、アンテナ16を介してシンク装置2に送信する。また、無線送受信回路15は、所定の周波数を有する無線データ信号をシンク装置2からアンテナ16を介して受信して、周波数変換処理及びデコード処理を行った後、処理後のデータ信号をコントローラ10に出力する。コントローラ10は、バスB1と接続するためのバスインタフェースを有し、バスB1を介してCECコントローラ14から入力されるCECフレームを含む無線データパケットを生成して無線送受信回路15に出力するとともに、出力したCECフレームの送信データ情報(図3を参照して後述する。)をRAM12の送信データ情報テーブル12aに格納する。また、コントローラ10は、アンテナ16及び無線送受信回路15を介してシンク装置2から受信したデータ信号に対して受信パケット処理を行って無線データパケットを生成し、生成された無線データパケットに基づいて、アドレス情報登録処理及びデータ送受信処理(図7及び図8を参照して後述する。)を実行する。
シンク装置2において、無線送受信回路25は、アンテナ26を介して受信された無線AV信号に対して、周波数変換処理、受信パケット処理及びデコード処理を行った後、処理後の映像信号及び音声信号を含むAV信号を音声信号及び映像信号処理回路30に出力する一方、アンテナ26を介して受信された無線データ信号に対して、周波数変換処理及びデコード処理を行った後、処理後のデータ信号をコントローラ20に出力する。また、無線送受信回路25は、コントローラ20から出力される無線データパケットをエンコードし、所定の周波数を有する搬送波を無線データパケットに従って変調することにより、無線データ信号を生成し、生成した無線データ信号を、アンテナ26を介してソース装置1に送信する。ROM21は、ソース装置1のROM11と同様に構成され、シンク装置2の自局論理アドレス及び自局デバイスIDを含む自局ノード情報21aを格納する。RAM27は、ソース装置1のRAM12と同様に構成され、送信データ情報テーブル27a及びノード情報テーブル27bを格納する。コントローラ20及びCECコントローラ24は、ソース装置1のコントローラ10及びCECコントローラ14と同様に構成されるが、バスB1に代えてバスB2を介して互いに接続され、バスB2と接続するためのバスインタフェースを有し、コントローラ20は、DVDプレーヤ13に代えて音声信号及び映像信号処理回路30を制御する。音声信号及び映像信号処理回路30は、無線送受信回路25から出力される処理後のAV信号を映像信号及び音声信号に分離して、映像信号をディスプレイ23に出力して表示し、音声信号をスピーカ22に出力する。
図2は、図1のRAM12に格納されるノード情報テーブル12bの一例を示すテーブルである。図2のノード情報テーブル12bにおいて、CEC論理アドレスと、CEC物理アドレスと、無線デバイスIDとが互いに対応付けられて格納される。CEC物理アドレスは、ソース装置1自身及びソース装置1と無線接続されるシンク装置2等の他の無線通信装置に対して、CECフレームの送受信のためにソース装置1内で一意に割り当てられる4桁の数値である。例えば、図2において、CEC物理アドレス「0.0.0.0」は、ソース装置1自身に割り当てられ、CEC物理アドレス「1.0.0.0」、「2.0.0.0」、「3.0.0.0」…は、それぞれソース装置1によりアドレス登録処理された他の無線通信装置に順に割り当てられる。また、例えば、ソース装置1が、CEC物理アドレス「1.0.0.0」を有する無線通信装置を介して他の無線通信装置に接続する場合、CEC物理アドレス「1.1.0.0」、「1.2.0.0」、「1.3.0.0」…が当該他の無線通信装置に対して順に割り当てられる。図2のCEC論理アドレスは、ソース装置1及びソース装置1と無線接続される他の無線通信装置のCEC論理アドレスを含む。図2の無線デバイスIDは、ソース装置1及びソース装置1と無線接続される他の無線通信装置の、例えばMACアドレスであるデバイスIDを含む。なお、本実施形態において、ノード情報テーブル12bはCEC論理アドレス及びCEC物理アドレスの両方を含むが、いずれか一方のみを含む構成であってもよい。
図3は、図1のRAM12に格納される送信データ情報テーブル12aの一例を示すテーブルである。図3の送信データ情報テーブル12aにおいて、CECフレームを送信する送信元無線通信装置を示す送信元論理アドレスと、CECフレームを受信すべき宛先無線通信装置を示す宛先論理アドレスと、送信データと、そのCECフレームに対してACK信号を受信したか否かを示すACK受信状況とが互いに対応付けられて格納される。本実施形態において、例えば、ACK受信状況は、「1」であるとき、そのCECフレームに対するACK信号が未受信であることを示す一方、「0」であるとき、そのCECフレームに対するACK信号を受信したことを示す。
図4は、無線データパケット1000のフォーマットの一例を示す構成図である。図4において、無線データパケット1000は、MACヘッダ領域と、CECフレーム領域700とを含む。MACヘッダ領域は、無線データパケット1000を受信すべき宛先無線通信装置のデバイスIDである宛先デバイスIDと、無線データパケット1000を送信する送信元無線通信装置のデバイスIDである送信元デバイスIDとを含む。CECフレーム領域700は、CECコントローラ14,24により生成されるCECフレームを含む。なお、CECフレーム領域が、CECコントローラ14,24により生成されるCECフレームの一部のみを含んでいてもよい。
図5は、図4のCECフレーム領域700のフォーマットの一例を示す構成図である。図5において、CECフレーム領域700は、1ビットのスタートビットと、1つのヘッダブロック800と、ヘッダブロックに後続する0以上の整数N個のデータブロック800とを含む。スタートビットは、CECフレームの始まりを示すビットであり、所定のパルス波形を有する。受信側の無線通信装置は、スタートビットを検出することで、その無線データパケットがCECフレームを含むことを検出し、スタートビットの検出タイミングから所定の周期でパルス波形をサンプリングすることによって、後続のヘッダブロック及びデータブロック800を受信することができる。ヘッダブロック及びデータブロック800は、図6を参照して後述するように、互いに同様の構成を有する。
図6は、図5のヘッダブロック及びデータブロック800のフォーマットの一例を示す構成図である。図6において、ヘッダブロック及びデータブロック800は、8ビットの情報ビット領域と、1ビットのEOM(End of Message)ビットと、1ビットのACK(Acknowledge)ビットとを含む。ヘッダブロックにおいて、情報ビット領域は、CECフレームの送信元無線通信装置の論理アドレスである4ビットの送信元論理アドレスと、CECフレームを受信すべき宛先無線通信装置の論理アドレスである4ビットの宛先論理アドレスとを格納する。データブロックにおいて、情報ビット領域は、CECフレームを送信する宛先無線通信装置に所定の動作を指示する制御コード等を格納する。EOMビットは、そのヘッダブロック又はデータブロックがCECフレームの最後のブロックである場合に「1」をセットされ、そうでない場合には「0」をセットされる。また、ACKビットは、CECフレームを生成するCECコントローラ14,24によりバスインタフェースの送信バッファ内で常に「1」をセットされ、EOMビットが「0」である場合、情報ビット領域及びEOMビットを認識したコントローラ10,20により「0」がセットされ、EOMビットが「1」である場合、無線データパケットに対する無線ACKパケットをシンク装置2から受信したときにコントローラ10,20により「0」がセットされる。CECコントローラ14,24は、EOMビットの出力後、所定時間(例えば2.4ミリ秒)経過後に送信バッファのACKビットをサンプリングし、ACKビットが初期値の「1」のままであれば、そのブロック又はCECフレームの送信に失敗したことを認識する。
以上のように構成された無線通信システムについて、以下、図7、図8、図9及び図10を参照して、その動作を説明する。図7〜図10において、一例として、ソース装置1がシンク装置2のアドレス情報を登録し、ソース装置1がシンク装置2にCECフレームを送信し、シンク装置2がソース装置1からのCECフレームを受信する場合について説明する。しかし、本発明はこの動作に限らず、逆の動作、すなわち、シンク装置2がソース装置1のアドレス情報を登録し、シンク装置2がソース装置1にCECフレームを送信し、ソース装置1がシンク装置2からのCECフレームを受信してもよい。
図7は、図1のソース装置1のコントローラ10によるアドレス情報登録処理を示すフローチャートである。図7のステップS10において、アンテナ16を介して、例えばシンク装置2により例えばブロードキャスト送信されたアドレス登録用の無線データ信号を無線受信したか否かが判断され、YESのときはステップS11に進む一方、NOのときはステップS10に戻って処理を繰り返す。ステップS11において、無線受信された無線データ信号を受信パケット処理することによって得られた無線データパケットがCECフレームを含むか否かが判断され、YESのときはステップS12に進む一方、NOのときは処理を終了する。ステップS12において、CECフレームのヘッダブロックに含まれる送信元論理アドレスをCEC論理アドレスとして設定し、無線データパケットのMACヘッダに含まれる送信元デバイスIDを無線デバイスIDとして設定し、CEC論理アドレスと無線デバイスIDとを対として互いに関連付け、関連付けられた対に対してCEC物理アドレスを割り当てた後、当該CEC論理アドレスとそれに対応する対とをノード情報テーブル12bに格納して登録し、処理を終了する。
図8は、図1のソース装置1のコントローラ10によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。図8のステップ20において、まず、フラグFLAGに0をセットする。次にステップS21において、送信すべきCECフレームのヘッダブロックの情報ビット領域とEOMビットをCECコントローラ14からバスB1を介して入力する。次にステップS22において、ヘッダブロックの情報ビット領域に含まれる宛先論理アドレスがノード情報テーブル12bのCEC論理アドレスとして登録されているか否かが判断され、YESのときはステップS23に進む一方、NOのときはバスB1を介してCECコントローラ14から入力された信号を無視して処理を終了する。次にステップS23において、入力したブロックのEOMビットが「1」であるか否かが判断され、YESのときはステップS26に進む一方、NOのときはステップS24に進む。ステップS24において、コントローラ10により「0」であるACKビットを、バスB1を介してCECコントローラ14に出力し、ステップS25において、CECコントローラ14からバスB1を介して次のデータブロックの情報ビット領域とEOMビットとを入力した後、ステップS23に戻って処理を繰り返す。
ステップS26において、フラグFLAGが1であるか否かが判断され、YESのときはステップS29に進む一方、NOのときはステップS27に進む。ステップS27において、当該CEC論理アドレスに対応する無線デバイスIDを宛先デバイスIDとして設定し、ソース装置1のデバイスIDを送信元デバイスIDとして、無線データパケットのMACヘッダにセットし、CECフレームとともにシンク装置2にユニキャスト無線送信し、送信データ情報テーブル12aに送信データ情報を格納し、ステップS28において、フラグFLAGに1をセットした後、ステップS29に進む。なお、送信されるCECフレームにおいて最後のデータブロックのACKビットにはコントローラ10により「0」がセットされて送信される。ステップS29において、送信された無線データパケットに対する無線ACKパケットを所定時間以内にシンク装置2から無線受信したか否かが判断され、YESのときはステップS30に進む一方、NOのときはステップS31に進む。ステップS30において、「0」であるACKビットを、バスB1を介してCECコントローラ14に出力し、送信データ情報テーブル12aにおいて当該無線送信の送信データ情報に対応するACK受信状況に「0」をセットして処理を終了する。ステップS31において、CECコントローラ14に、CECフレームの再送処理を実行させた後、ステップS21に戻って処理を繰り返す。
図9は、図1のシンク装置2のコントローラ20によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。図9のステップS40において、まず、アンテナ26を介してソース装置1からの無線データ信号を無線受信したか否かが判断され、YESのときはステップS41に進む一方、NOのときはステップS40に戻って処理を繰り返す。ステップS41において、無線受信された無線データ信号を受信パケット処理することによって得られた無線データパケットがCECフレームを含み、かつCECフレームのヘッダブロックに含まれる宛先論理アドレスがROM21の自局ノード情報11aに含まれるシンク装置2の自局の論理アドレスと一致するか否かが判断され、YESのときはステップS42に進む一方、NOのときは処理を終了する。ステップS42において、無線受信された無線データパケットに対する無線ACKパケットをソース装置1に無線送信し、ステップS43において、バスB2を介してCECコントローラ24に無線受信されたCECフレームを出力し、処理を終了する。
図10は、図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。図10において、一例として、ソース装置1が1個のヘッダブロックとN個のデータブロックとを含むCECフレームをシンク装置2に送信する場合について説明する。ソース装置1のノード情報テーブル12bには、既にシンク装置2のアドレス情報が登録されているものとする。
ソース装置1において、まず、CECコントローラ14はバスB1を介してコントローラ10にスタートビット(図示しない)を出力し、その後、ヘッダブロックの情報ビット領域及びEOMビットを出力する。この場合、ヘッダブロックは最後のブロックではないので、ヘッダブロックのEOMビットは「0」である。ACKビットには、CECコントローラ14のバスインタフェースの送信バッファ内で予め「1」がセットされているが、コントローラ10がバスB1を介してCECコントローラ14からヘッダブロックの情報ビット領域とEOMビットとを正常に入力したとき、コントローラ10により「0」であるACKビットが出力されて送信バッファ内のACKビットに「0」がセットされる。これにより、CECコントローラ14は、ヘッダブロックの情報ビット領域及びEOMビットがコントローラ10に正しく入力されたことを認識する。次に、CECコントローラ14はバスB1を介してデータブロック1の情報ビット領域及びEOMビットをコントローラ10に出力する。このデータブロック1も最後のブロックではないので、EOMビットは「0」であり、コントローラ10により「0」であるACKビットが出力される。以降、データブロック(N−1)まで同様の動作を行う。次に、CECコントローラ14は、バスB1を介してデータブロックNの情報ビット領域及びEOMビットをコントローラ10に出力する。このデータブロックは最後のデータブロックであるので、EOMビットは「1」である。「1」であるEOMビットを検出すると、コントローラ10は、それまでのヘッダブロック及びデータブロック1〜Nを含むCECフレームを含む無線データパケットを無線送受信回路15によりシンク装置2に無線送信するとともに、送信データ情報テーブル12aにCECフレームの送信データ情報を格納する。
シンク装置2のコントローラ20は、ソース装置1から送信された無線データパケットを、無線送受信回路25により受信する。コントローラ20は、受信された無線データパケットに含まれる宛先論理アドレスが自局論理アドレスと一致したとき(即ち、その無線データパケットが自局宛であるとき)、ソース装置1に無線ACKパケットを無線送信するとともに、ヘッダブロック及びデータブロック1〜Nを、バスB2を介してCECコントローラ24に出力する。ここで、ヘッダブロック及びデータブロック1〜Nに先立って、スタートビットが出力されてもよい。
ソース装置1のコントローラ10は、無線送受信回路15によりシンク装置2から無線ACKパケットを受信すると、バスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力し、送信データ情報テーブル12aの当該無線送信に対応するACK受信状況に「0」を格納する。この場合、CECコントローラ14によるデータブロックNのEOMビットの出力後、CECコントローラ14が送信バッファ内のデータブロックNのACKビットをサンプリングするよりも前にコントローラ10が「0」であるACKビットをバスB1を介してCECコントローラ14に出力するので、CECコントローラ14は、データブロックNの「0」であるACKビットを検出し、CECフレームがシンク装置2に正常に受信されたことを認識する。もし、CECコントローラ14が送信バッファ内のデータブロックNのACKビットをサンプリングするよりも前にコントローラ10が「0」であるACKビットをバスB1を介してCECコントローラ14に出力しなかった場合は、データブロックNのACKビットは初期値である「1」のままであり、CECコントローラ14は、シンク装置2へのCECフレームの送信が失敗したことを認識する。この場合、CECコントローラ14は所定時間経過後に、同一のヘッダブロック及びデータブロックを生成して再度バスB1を介してコントローラ10に出力して再送処理を行う。
図11は、CECフレームの再送処理が行われる場合の図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。図11において、再送されたデータブロックNのEOMビットがコントローラ10に入力されるとき、コントローラ10は、既にシンク装置2からの無線ACKパケットを受信しているため、無線データパケットをシンク装置2に再度無線送信することなく、「0」であるACKビットをバスB1を介してCECコントローラ14に出力する。シンク装置2からの無線ACKパケットを受信しているか否かは、例えば送信データテーブル18のACK受信状況を参照することによって判断される。なお、再送されたデータブロックNのEOMビットがコントローラ10に入力される時点で、未だシンク装置2から無線ACKパケットを受信していない場合は、データブロックNのACKビットは「1」のままであり、CECコントローラ14は、再度、CECフレームの再送処理を実行する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る無線通信システムによれば、CECメッセージを無線通信することによって、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、ケーブルを繋ぎ替えることなく容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できる。
また、コントローラ10は、送信した無線データパケットに対する無線ACKパケットを受信したか否かを記憶する送信データ情報テーブル12aを有するので、無線ACKパケットを受信しなかった場合には、CECコントローラ14による再送処理を行うことができる。
なお、本実施形態において、ヘッダブロック及びデータブロック1〜(N−1)のACKビットは、コントローラ10に正常に入力されたときに「0」にセットされたが、本発明はこれに限らず、ブロック毎に無線データパケットを生成して送信し、その無線データパケットに対する無線ACKパケットを受信した場合に、各ブロックのACKビットが「0」にセットされてもよい。
また、図8のステップS27において、無線データパケットはユニキャストで無線送信されたが、本発明はこれに限らず、無線データパケットはブロードキャストで無線送信されてもよい。この場合、図8のステップS27において、無線データパケットの宛先デバイスIDにはブロードキャスト無線送信であることを示す所定の値をセットする。また、この場合、図7のソース装置1によるアドレス登録処理を実行しなくてもよく、図12に示すように、シンク装置2によるデータ送受信処理において、ステップS41でNoと判断されたとき、ステップS43を実行してもよい。
またさらに、図4、図5及び図6を用いて詳述された無線データパケット、CECフレーム、ヘッダブロック又はデータブロックを示す各フォーマットは、単なる一例であって、他の構成であってもよい。例えば、ソース装置1及びシンク装置2間で送受信される無線データパケット1000に含まれるCECフレーム領域700は、必ずしもスタートビット、EOMビット及びACKビットを含まなくてもよい。
また、図10及び図11において、シンク装置2は、ソース装置1から無線データパケットを受信した後、受信されたCECフレームに含まれる宛先論理アドレスがシンク装置2の自局論理アドレスと一致する場合、ソース装置1に無線ACKパケットを無線送信した。しかし、本発明はこの構成に限らず、例えば図13に示すように、シンク装置2のコントローラ20は、受信された無線データパケットに含まれるCECフレームを、バスB2を介してCECコントローラ24に全て出力した後に、ソース装置1に無線ACKパケットを無線送信してもよい。
またさらに、ソース装置1において、コントローラ10及びCECコントローラ14は、それぞれバスインタフェースを有し、バスB1により接続された。しかし、本発明はこの構成に限らず、コントローラ10及びCECコントローラ14は、バスインタフェース以外の他のインタフェースを有してもよい。この場合、コントローラ10は、他のインタフェースのフォーマットに従ったCECフレームを含む無線データパケットを入力してもよく、コントローラ10がバスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力することに代えて、他のインタフェースに受信確認応答を行ってもよい。同様に、シンク装置2において、コントローラ20及びCECコントローラ24は、それぞれバスインタフェースを有し、バスB2により接続された。しかし、本発明はこの構成に限らず、コントローラ20とCECコントローラ24は、バスインタフェース以外の他のインタフェースを有してもよい。
また、ソース装置1において、コントローラ10は、無線送信した無線データパケットに対する無線ACKパケットをシンク装置2から受信した後、バスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力した。しかし、本発明はこの構成に限らず、例えば図14に示すように、無線データパケットを無線送信した後、シンク装置2からの無線ACKパケットを待たずにバスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力してもよい。図14のフローチャートは、図8のフローチャートからステップS20,26,28,29,31を除いた点において図8とは異なる。
第2の実施形態.
図15は、本発明に係る第2の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図15において、本実施形態に係る無線通信システムは、ソース装置1Aと、シンク装置2Aと、アダプタ装置57,67とを備えて構成される。ソース装置1Aは、図1に示した第1の実施形態に係るアンテナ16、無線送受信回路15、RAM12及びコントローラ10に代えて有線送受信回路55及びコントローラ10Aを備えた点において、図1に示した第1の実施形態に係るソース装置1とは異なり、シンク装置2Aは、図1に示した第1の実施形態に係るアンテナ26、無線送受信回路25、RAM27及びコントローラ20に代えて有線送受信回路65及びコントローラ20Aを備えた点において、図1に示した第1の実施形態に係るシンク装置2とは異なる。それ以外の点においては、本実施形態に係る無線通信システムは、第1の実施形態に係る無線通信システムと同様であり、同一符号を付した構成要素についての詳細な説明は省略する。
図15において、アダプタ装置57は、コントローラ50と、有線送受信回路51と、RAM52と、無線送受信回路54と、アンテナ56とを備えて構成される。アダプタ装置67は、コントローラ60と、有線送受信回路61と、RAM62と、無線送受信回路64と、アンテナ66とを備えて構成される。ソース装置1Aとアダプタ装置57とは、ケーブルC1を介して互いに接続される。シンク装置2Aとアダプタ装置67とは、ケーブルC2を介して互いに接続される。
ソース装置1Aにおいて、コントローラ10Aは、CECコントローラ14から入力されるCECフレームを有線送受信回路55に出力する一方、有線送受信回路55及びアダプタ装置57を介してシンク装置2Aから受信したCECフレームをCECコントローラ14に出力する。有線送受信回路55は、DVDプレーヤ13から読み出された映像信号及び音声信号、又はコントローラ10Aから入力されたCECフレームを、ケーブルC1を介してアダプタ装置57に送信する一方、ケーブルC1を介してアダプタ装置57からシンク装置2により送信されたCECフレームを受信する。
アダプタ装置57において、有線送受信回路51は、ケーブルC1を介してソース装置1Aから受信される映像信号及び音声信号を無線送受信回路54に出力する一方、ケーブルC1を介してソース装置1Aから受信されるCECフレームをコントローラ50に送信し、若しくはケーブルC1を介してソース装置1Aにシンク装置2Aから送信されたCECフレームを送信する。コントローラ50は、有線送受信回路51から出力されるCECフレームを含む無線データパケットを生成して無線送受信回路54に出力するとともに、出力したCECフレームの送信データ情報をRAM52の送信データ情報テーブル52aに格納する。また、コントローラ50は、無線送受信回路54及びアンテナ56を介してシンク装置2Aから受信した無線データパケットに含まれるCECフレームに基づいて、アドレス情報登録処理及びデータ送受信処理を実行する。RAM52は、図3に示した送信データ情報テーブル12aと同様の構成を有する送信データ情報テーブル52aと、図2に示したノード情報テーブル12bと同様の構成を有するノード情報テーブル52bとを格納する。なお、ノード情報テーブル52bにおいて、ソース装置1A自身のCEC論理アドレス及び無線デバイスIDは、例えば、アダプタ装置57がソース装置1Aと接続されたタイミングで、コントローラ50が有線送受信回路51,55、コントローラ10Aを介してソース装置1AのROM11から読み出された自局ノード情報11aに基づいて生成されてもよい。なお、無線送受信回路54及びアンテナ56は、図1の無線送受信回路15及びアンテナ16と同様に構成されるため詳細な説明は省略する。
シンク装置2Aにおいて、コントローラ20A及び有線送受信回路65は、それぞれソース装置1Aのコントローラ10A及び有線送受信回路55と同様に構成される。但し、有線送受信回路65は、ケーブルC2を介して受信したAV信号を音声信号及び映像信号処理回路30に出力し、コントローラ20Aは、DVDプレーヤ13に代えて音声信号及び映像信号処理回路30を制御する。また、アダプタ装置67において、コントローラ60、有線送受信回路61、RAM62及び無線送受信回路64は、それぞれアダプタ装置57のコントローラ50、有線送受信回路51、RAM52及び無線送受信回路54と同様に構成される。但し、RAM62は、図3に示した送信データ情報テーブル12aと同様の構成を有する送信データ情報テーブル62aと、図2に示したノード情報テーブル12bと同様の構成を有するノード情報テーブル62bとを格納し、無線送受信回路64は、AV信号を有線送受信回路61に出力する。
以上のように構成された無線通信システムについて、以下、図16を参照して、その動作を説明する。図16は、図15の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。図16において、一例として、ソース装置1A及びアダプタ装置57がシンク装置2A及びアダプタ装置67にCECフレームを送信し、シンク装置2A及びアダプタ装置67がソース装置1A及びアダプタ装置57からのCECフレームを受信する場合について説明する。しかし、本発明はこの動作に限らず、逆の動作、すなわち、シンク装置2A及びアダプタ装置67がソース装置1A及びアダプタ装置57にCECフレームを送信し、ソース装置1A及びアダプタ装置57がシンク装置2A及びアダプタ装置67からのCECフレームを受信してもよい。なお、アダプタ装置57のノード情報テーブル52bには、既にシンク装置2Aのアドレス情報が登録されているものとする。
図16において、ソース装置1AのCECコントローラ14により生成されたCECフレームは、バスB1を介してコントローラ10Aに出力された後、コントローラ10A、有線送受信回路55及びケーブルC1を介してアダプタ装置57に送信される。アダプタ装置57のコントローラ50は、有線送受信回路51を介してソース装置1Aから受信したCECフレームを第1の実施形態に係る無線通信システムと同様に処理して、無線データパケットを生成し、生成した無線データパケットを無線送受信回路54によりアンテナ56を介して無線データ信号としてアダプタ装置67に無線送信する。アダプタ装置57によりアンテナ56を介して無線送信された無線データ信号は、アダプタ装置67の無線送受信回路64によりアンテナ66を介して無線受信される。アダプタ装置67のコントローラ60は、無線受信された無線データパケットがCECフレームを含み、かつその宛先論理アドレスがシンク装置2Aの自局論理アドレスと一致する場合に、有線送受信回路61及びケーブルC2を介してCECフレームを全てシンク装置2Aに送信した後、無線ACKパケットを、無線送受信回路64及びアンテナ66を介してアダプタ装置57に送信する。アダプタ装置57において、無線データパケットの送信後所定時間以内に無線ACKパケットを受信しなかったので、CECコントローラ14によりCECフレームの再送処理が行われるが、コントローラ50は、再送されたCECフレームのデータブロックNのEOMビットをCECコントローラ14から受信した時点で、既にアダプタ装置67から無線ACKパケットを受信しているので、無線データパケットを再度無線送信することなく、データブロックNに対して「0」であるACKビットをCECコントローラ14に送信する。従って、CECコントローラ14は、CECフレームが正常にアダプタ装置67に受信されたことを認識することができる。
以上説明したように、第2の実施形態に係る無線通信システムによれば、CECフレームを生成するCECコントローラ14と、コントローラ50とがバスB1及びケーブルC1介して互いに接続され、CECコントローラ24と、コントローラ60とがバスB2及びケーブルC2介して互いに接続されるので、CECメッセージを送受信するための有線インタフェースしか備えていないソース装置1A又はシンク装置2Aにおいても、それぞれアダプタ装置57及び67を装着することで、CECフレームを無線送受信することが可能となる。
本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法によれば、CECメッセージを無線通信することによって、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、ケーブルを繋ぎ替えることなく容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できる。
本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法は、例えば、DVDプレーヤ及びテレビジョン受像機等のAVシステムにおいて、HDMI規格に規定されるCECメッセージを無線通信する場合に利用することができる。
本発明は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に規定されるCEC(Consumer Electronics Control)メッセージを無線通信する無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法に関する。
HDMI規格に規定されるCECメッセージを有線で伝送する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1において、一方向データ接続を使用して相互接続されたマスターノードと1つ以上のスレーブノードとを有するネットワークのトポロジを決定する方法が開示される。マスターノードは、後のノードにデータを利用可能にし、スレーブノードは、前のノードからデータを読み取り、その読み取られたデータは、マスターノードからスレーブノードへのパスの情報を有する。ノード間の双方向データ接続を介してスレーブノードからパス上の全てのノードにデータを送信することにより、パスを構成する更なる方法が開示される。好ましい実施例では、HDMIを使用するホームエンターテイメントシステムが適切なネットワークであり、マスターノードとして機能するように動作可能な提示構成要素(例えばテレビジョン受像機)を有し、ネットワークのノードはHDMIコードセットをしようして相互接続されている。HDMI規格は、前述の一方向データ接続に対応するDDCバスと、前述の双方向データ接続に対応するCECバスとを有する。
特開2005−528853号公報。
High-Definition Multimedia Interface Specification, Version1.1,
しかしながら、CECメッセージを伝送するために送信側の無線通信装置と受信側の無線通信装置とを有線接続する場合、配線によって外観が乱雑に見えるだけでなく、1台の送信側の無線通信装置に対して、1本の配線につき1台の無線通信装置でしか受信することができず、他の無線通信装置で受信する場合には、いちいちケーブルを繋ぎ替える手間が掛かるという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できる無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法を提供することにある。
第1の発明に係る無線通信装置は、第1及び第2の無線通信装置を含み、HDMI規格に規定されたCECメッセージを送受信する複数の無線通信装置を備えた無線通信システムのための第1の無線通信装置において、CECメッセージを含むCECフレームを生成して出力するCEC制御手段と、前記生成されたCECフレーム内のCECメッセージを含む無線データパケットを生成する制御手段と、前記生成された無線データパケットを含む無線信号を前記第2の無線通信装置に無線送信し、前記無線送信された無線信号内の無線データパケットに応答して前記第2の無線通信装置から無線送信される無線受信応答パケットを含む無線信号を受信する無線送受信手段とを備えたことを特徴とする。
上記無線通信装置において、前記CEC制御手段及び前記制御手段は互いに内部バスを介して接続されてもよい。
また、上記無線通信装置において、前記CEC制御手段及び前記制御手段は互いに内部バス及び有線を介して接続されてもよい。
さらに、上記無線通信装置において、前記制御手段は、所定時間以内に前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信したとき、前記CEC制御手段に所定の受信応答信号を出力する一方、所定時間以内に前記無線データパケットに対する前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信しないとき、前記CEC制御手段に前記受信応答信号を出力すること中止してもよい。ここで、上記無線通信装置において、前記CEC制御手段は、前記CECフレームの出力後所定時間以内に前記制御手段からの受信応答信号を検出しないとき、前記CECフレームを再出力し、前記制御手段は、前記CEC制御手段により再出力された前記CECフレームを入力したとき、前記無線データパケットに対する前記無線受信応答パケットを既に受信している場合、前記無線データパケットを無線送信することを中止し、前記CEC制御手段に前記受信応答信号を出力してもよい。さらにここで、前記無線データパケット内のCECフレームの少なくとも一部と、前記無線データパケットに対する前記無線応答受信パケットを受信したか否かを示す受信状況とを関連付けて格納する送信データ情報テーブルを格納する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記無線データパケットを含む無線信号を無線送信するとき、前記無線データパケット内のCECフレームの少なくとも一部を前記送信データ情報テーブルに格納し、前記無線応答受信パケットを無線受信したとき、前記無線データパケットに対する前記無線応答受信パケットを受信したことを示す前記受信状況を格納してもよい。
取って代わって、前記制御手段は、前記CEC制御手段により生成されたCECフレームを入力したとき、前記CEC制御手段に所定の受信応答信号を出力してもよい。
またさらに、上記無線通信装置において、前記CECフレームは、所定のフォーマットを有する少なくとも1つのブロックを含み、前記制御手段は、前記ブロックが最終ブロックでないとき、前記CEC制御手段に前記受信応答信号を出力し、前記ブロックが最終ブロックであるとき、前記無線データパケットを無線送信してもよい。
また、上記無線通信装置において、前記無線送受信手段が、前記第2の無線通信装置から無線送信される無線受信応答パケットの無線信号を受信したとき、前記制御手段は、前記無線受信応答パケット内のCECフレームに含まれる第2の無線通信装置の送信元論理アドレスをCEC論理アドレスとして設定し、前記無線受信応答パケット内の送信元デバイスIDを無線デバイスIDとして設定し、前記CEC論理アドレスと前記無線デバイスIDとを対として互いに関連付け、前記関連付けされた対に対してCEC物理アドレスを割り当てた後、当該CEC物理アドレスとそれに対応する対をノード情報テーブルとして前記記憶手段に格納してもよい。
第2の発明に係る無線通信システムは、複数の上記無線通信装置を備えたことを特徴とする。
第3の発明に係る無線通信装置の制御方法は、第1及び第2の無線通信装置を含み、HDMI規格に規定されたCECメッセージを送受信する複数の無線通信装置を備えた無線通信システムのための第1の無線通信装置の制御方法において、CECメッセージを含むCECフレームを生成して出力するステップと、前記生成されたCECフレーム内のCECメッセージを含む無線データパケットを生成するステップと、前記生成された無線データパケットを含む無線信号を前記第2の無線通信装置に無線送信し、前記無線送信された無線信号内の無線データパケットに応答して前記第2の無線通信装置から無線送信される無線受信応答パケットを含む無線信号を受信するステップとを含むことを特徴とする。
上記無線通信装置の制御方法において、所定時間以内に前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信したとき、所定の受信応答信号を出力する一方、所定時間以内に前記無線データパケットに対する前記第2の無線通信装置からの無線受信応答パケットを受信しないとき、前記受信応答信号を出力すること中止するステップをさらに含んでもよい。ここで、上記無線通信装置の制御方法において、前記CECフレームの出力後所定時間以内に前記制御手段からの受信応答信号を検出しないとき、前記CECフレームを再出力するステップと、前記再出力された前記CECフレームを入力したとき、前記無線データパケットに対する前記無線受信応答パケットを既に受信している場合、前記無線データパケットを無線送信することを中止し、前記受信応答信号を出力するステップとをさらに含んでもよい。
従って、本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法によれば、CECメッセージを無線通信することによって、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、ケーブルを繋ぎ替えることなく容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できるという特有の効果を有する。
また、CEC制御手段及び制御手段が互いに内部バス及び有線を介して接続されることによって、CECメッセージを送受信するための有線インタフェースしか備えていない無線伝送装置においてもCECフレームを無線送受信することが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態に係る無線通信システムはソース装置1と、シンク装置2とを有する。ソース装置1は、コントローラ10と、読み取り専用メモリ(以下、ROM(Read Only Memory)という。)11と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAM(Random Access Memory)という。)12と、DVDプレーヤ13と、CECコントローラ14と、無線送受信回路15と、アンテナ16とを備えて構成される。シンク装置2は、コントローラ20と、ROM21と、スピーカ22と、ディスプレイ23と、CECコントローラ24と、無線送受信回路25と、アンテナ26と、RAM27と、音声信号及び映像信号処理回路30とを備えて構成される。
図1のソース装置1において、DVDプレーヤ13は、コントローラ10からの制御に基づいて、DVD等の記録媒体に記録された映像信号及び音声信号を読み出して無線送受信回路15に出力する。ROM11は、ソース装置1の自局論理アドレスと、例えばソース装置1のMACアドレス等の自局デバイスIDとを含む自局ノード情報11aを格納する。RAM12は、アンテナ16を介して送受信されるCEC(Consumer Electronics Control)メッセージを含むCECフレームの送信データ情報を含む送信データ情報テーブル12a(図3を参照して後述する。)と、ソース装置1、シンク装置2等の無線通信システムを構成する各装置の物理アドレス、論理アドレス及びデバイスID等のノード情報を含むノード情報テーブル12b(図2を参照して後述する。)とを格納する。CECコントローラ14は、バスB1と接続するためのバスインタフェースを有し、コントローラ10を介してRAM12のノード情報テーブル12bから読み出したノード情報に基づいて、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に規定されるCECフレームを生成して、生成されたCECフレームを、内部バス(以下、バスという。)B1を介してコントローラ10に出力する一方、コントローラ10により出力されるACK信号と、アンテナ16、無線送受信回路15及びコントローラ10を介してシンク装置2から送信されたCECフレームとを受信し、CECフレーム内に含まれるCECメッセージの制御コードに従って所定の動作を実行する。CECフレームは、「0」又は「1」を示すパルス波形として、バスB1を介してCECコントローラ14からコントローラ10に連続的に出力される。
無線送受信回路15は、DVDプレーヤ13により読み出された映像信号及び音声信号をエンコードし、送信パケットを生成して、例えばミリ波帯又はマイクロ波帯の周波数を有する搬送波を、生成された送信パケットに従って変調することにより、無線AV信号を生成し、アンテナ16を介してシンク装置2に送信する一方、コントローラ10から出力される無線データパケットをエンコードし、例えばミリ波帯又はマイクロ波帯の周波数を有する搬送波を無線データパケットに従って変調することにより、無線データ信号を生成し、生成した無線データ信号を、アンテナ16を介してシンク装置2に送信する。また、無線送受信回路15は、所定の周波数を有する無線データ信号をシンク装置2からアンテナ16を介して受信して、周波数変換処理及びデコード処理を行った後、処理後のデータ信号をコントローラ10に出力する。コントローラ10は、バスB1と接続するためのバスインタフェースを有し、バスB1を介してCECコントローラ14から入力されるCECフレームを含む無線データパケットを生成して無線送受信回路15に出力するとともに、出力したCECフレームの送信データ情報(図3を参照して後述する。)をRAM12の送信データ情報テーブル12aに格納する。また、コントローラ10は、アンテナ16及び無線送受信回路15を介してシンク装置2から受信したデータ信号に対して受信パケット処理を行って無線データパケットを生成し、生成された無線データパケットに基づいて、アドレス情報登録処理及びデータ送受信処理(図7及び図8を参照して後述する。)を実行する。
シンク装置2において、無線送受信回路25は、アンテナ26を介して受信された無線AV信号に対して、周波数変換処理、受信パケット処理及びデコード処理を行った後、処理後の映像信号及び音声信号を含むAV信号を音声信号及び映像信号処理回路30に出力する一方、アンテナ26を介して受信された無線データ信号に対して、周波数変換処理及びデコード処理を行った後、処理後のデータ信号をコントローラ20に出力する。また、無線送受信回路25は、コントローラ20から出力される無線データパケットをエンコードし、所定の周波数を有する搬送波を無線データパケットに従って変調することにより、無線データ信号を生成し、生成した無線データ信号を、アンテナ26を介してソース装置1に送信する。ROM21は、ソース装置1のROM11と同様に構成され、シンク装置2の自局論理アドレス及び自局デバイスIDを含む自局ノード情報21aを格納する。RAM27は、ソース装置1のRAM12と同様に構成され、送信データ情報テーブル27a及びノード情報テーブル27bを格納する。コントローラ20及びCECコントローラ24は、ソース装置1のコントローラ10及びCECコントローラ14と同様に構成されるが、バスB1に代えてバスB2を介して互いに接続され、バスB2と接続するためのバスインタフェースを有し、コントローラ20は、DVDプレーヤ13に代えて音声信号及び映像信号処理回路30を制御する。音声信号及び映像信号処理回路30は、無線送受信回路25から出力される処理後のAV信号を映像信号及び音声信号に分離して、映像信号をディスプレイ23に出力して表示し、音声信号をスピーカ22に出力する。
図2は、図1のRAM12に格納されるノード情報テーブル12bの一例を示すテーブルである。図2のノード情報テーブル12bにおいて、CEC論理アドレスと、CEC物理アドレスと、無線デバイスIDとが互いに対応付けられて格納される。CEC物理アドレスは、ソース装置1自身及びソース装置1と無線接続されるシンク装置2等の他の無線通信装置に対して、CECフレームの送受信のためにソース装置1内で一意に割り当てられる4桁の数値である。例えば、図2において、CEC物理アドレス「0.0.0.0」は、ソース装置1自身に割り当てられ、CEC物理アドレス「1.0.0.0」、「2.0.0.0」、「3.0.0.0」…は、それぞれソース装置1によりアドレス登録処理された他の無線通信装置に順に割り当てられる。また、例えば、ソース装置1が、CEC物理アドレス「1.0.0.0」を有する無線通信装置を介して他の無線通信装置に接続する場合、「1.1.0.0」、「1.2.0.0」、「1.3.0.0」…が順に割り当てられる。CEC論理アドレスは、ソース装置1及びソース装置1と無線接続される他の無線通信装置の論理アドレスに対応する。無線デバイスIDは、ソース装置1及びソース装置1と無線接続される他の無線通信装置のデバイスIDに対応する。なお、本実施形態において、ノード情報テーブル12bはCEC論理アドレス及びCEC物理アドレスの両方を含むが、いずれか一方のみを含む構成であってもよい。
図3は、図1のRAM12に格納される送信データ情報テーブル12aの一例を示すテーブルである。図3の送信データ情報テーブル12aにおいて、CECフレームを送信する送信元無線通信装置を示す送信元論理アドレスと、CECフレームを受信すべき宛先無線通信装置を示す宛先論理アドレスと、送信データと、そのCECフレームに対してACK信号を受信したか否かを示すACK受信状況とが互いに対応付けられて格納される。本実施形態において、例えば、ACK受信状況は、「1」であるとき、そのCECフレームに対するACK信号が未受信であることを示す一方、「0」であるとき、そのCECフレームに対するACK信号を受信したことを示す。
図4は、無線データパケット1000のフォーマットの一例を示す構成図である。図4において、無線データパケット1000は、MACヘッダ領域と、CECフレーム領域700とを含む。MACヘッダ領域は、無線データパケット1000を受信すべき宛先無線通信装置のデバイスIDである宛先デバイスIDと、無線データパケット1000を送信する送信元無線通信装置のデバイスIDである送信元デバイスIDとを含む。CECフレーム領域700は、CECコントローラ14,24により生成されるCECフレームを含む。なお、CECフレーム領域が、CECコントローラ14,24により生成されるCECフレームの一部のみを含んでいてもよい。
図5は、図4のCECフレーム領域700のフォーマットの一例を示す構成図である。図5において、CECフレーム領域700は、1ビットのスタートビットと、1つのヘッダブロック800と、ヘッダブロックに後続する0以上の整数N個のデータブロック800とを含む。スタートビットは、CECフレームの始まりを示すビットであり、所定のパルス波形を有する。受信側の無線通信装置は、スタートビットを検出することで、その無線データパケットがCECフレームを含むことを検出し、スタートビットの検出タイミングから所定の周期でパルス波形をサンプリングすることによって、後続のヘッダブロック及びデータブロック800を受信することができる。ヘッダブロック及びデータブロック800は、図6を参照して後述するように、互いに同様の構成を有する。
図6は、図5のヘッダブロック及びデータブロック800のフォーマットの一例を示す構成図である。図6において、ヘッダブロック及びデータブロック800は、8ビットの情報ビット領域と、1ビットのEOM(End of Message)ビットと、1ビットのACK(Acknowledge)ビットとを含む。ヘッダブロックにおいて、情報ビット領域は、CECフレームの送信元無線通信装置の論理アドレスである4ビットの送信元論理アドレスと、CECフレームを受信すべき宛先無線通信装置の論理アドレスである4ビットの宛先論理アドレスとを格納する。データブロックにおいて、情報ビット領域は、CECフレームを送信する宛先無線通信装置に所定の動作を指示する制御コード等を格納する。EOMビットは、そのヘッダブロック又はデータブロックがCECフレームの最後のブロックである場合に「1」をセットされ、そうでない場合には「0」をセットされる。また、ACKビットは、CECフレームを生成するCECコントローラ14,24によりバスインタフェースの送信バッファ内で常に「1」をセットされ、EOMビットが「0」である場合、情報ビット領域及びEOMビットを認識したコントローラ10,20により「0」がセットされ、EOMビットが「1」である場合、無線データパケットに対する無線ACKパケットをシンク装置2から受信したときにコントローラ10,20により「0」がセットされる。CECコントローラ14,24は、EOMビットの出力後、所定時間(例えば2.4ミリ秒)経過後に送信バッファのACKビットをサンプリングし、ACKビットが初期値の「1」のままであれば、そのブロック又はCECフレームの送信に失敗したことを認識する。
以上のように構成された無線通信システムについて、以下、図7、図8、図9及び図10を参照して、その動作を説明する。図7〜図10において、一例として、ソース装置1がシンク装置2のアドレス情報を登録し、ソース装置1がシンク装置2にCECフレームを送信し、シンク装置2がソース装置1からのCECフレームを受信する場合について説明する。しかし、本発明はこの動作に限らず、逆の動作、すなわち、シンク装置2がソース装置1のアドレス情報を登録し、シンク装置2がソース装置1にCECフレームを送信し、ソース装置1がシンク装置2からのCECフレームを受信してもよい。
図7は、図1のソース装置1のコントローラ10によるアドレス情報登録処理を示すフローチャートである。図7のステップS10において、アンテナ16を介して、例えばシンク装置2により例えばブロードキャスト送信されたアドレス登録用の無線データ信号を無線受信したか否かが判断され、YESのときはステップS11に進む一方、NOのときはステップS10に戻って処理を繰り返す。ステップS11において、無線受信された無線データ信号を受信パケット処理することによって得られた無線データパケットがCECフレームを含むか否かが判断され、YESのときはステップS12に進む一方、NOのときは処理を終了する。ステップS12において、CECフレームのヘッダブロックに含まれる送信元論理アドレスをCEC論理アドレスとして設定し、無線データパケットのMACヘッダに含まれる送信元デバイスIDを無線デバイスIDとして設定し、CEC論理アドレスと無線デバイスIDとを対として互いに関連付け、関連付けられた対に対してCEC物理アドレスを割り当てた後、当該CEC論理アドレスとそれに対応する対とをノード情報テーブル12bに格納して登録し、処理を終了する。
図8は、図1のソース装置1のコントローラ10によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。図8のステップ20において、まず、フラグFLAGに0をセットする。次にステップS21において、送信すべきCECフレームのヘッダブロックの情報ビット領域とEOMビットをCECコントローラ14からバスB1を介して入力する。次にステップS22において、ヘッダブロックの情報ビット領域に含まれる宛先論理アドレスがノード情報テーブル12bのCEC論理アドレスとして登録されているか否かが判断され、YESのときはステップS23に進む一方、NOのときはバスB1を介してCECコントローラ14から入力された信号を無視して処理を終了する。次にステップS23において、入力したブロックのEOMビットが「1」であるか否かが判断され、YESのときはステップS26に進む一方、NOのときはステップS24に進む。ステップS24において、コントローラ10により「0」であるACKビットを、バスB1を介してCECコントローラ14に出力し、ステップS25において、CECコントローラ14からバスB1を介して次のデータブロックの情報ビット領域とEOMビットとを入力した後、ステップS23に戻って処理を繰り返す。
ステップS26において、フラグFLAGが1であるか否かが判断され、YESのときはステップS29に進む一方、NOのときはステップS27に進む。ステップS27において、当該CEC論理アドレスに対応する無線デバイスIDを宛先デバイスIDとして設定し、ソース装置1のデバイスIDを送信元デバイスIDとして、無線データパケットのMACヘッダにセットし、CECフレームとともにシンク装置2にユニキャスト無線送信し、送信データ情報テーブル12aに送信データ情報を格納し、ステップS28において、フラグFLAGに1をセットした後、ステップS29に進む。なお、送信されるCECフレームにおいて最後のデータブロックのACKビットにはコントローラ10により「0」がセットされて送信される。ステップS29において、送信された無線データパケットに対する無線ACKパケットを所定時間以内にシンク装置2から無線受信したか否かが判断され、YESのときはステップS30に進む一方、NOのときはステップS31に進む。ステップS30において、「0」であるACKビットを、バスB1を介してCECコントローラ14に出力し、送信データ情報テーブル12aにおいて当該無線送信の送信データ情報に対応するACK受信状況に「0」をセットして処理を終了する。ステップS31において、CECコントローラ14に、CECフレームの再送処理を実行させた後、ステップS21に戻って処理を繰り返す。
図9は、図1のシンク装置2のコントローラ20によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。図9のステップS40において、まず、アンテナ26を介してソース装置1からの無線データ信号を無線受信したか否かが判断され、YESのときはステップS41に進む一方、NOのときはステップS40に戻って処理を繰り返す。ステップS41において、無線受信された無線データ信号を受信パケット処理することによって得られた無線データパケットがCECフレームを含み、かつCECフレームのヘッダブロックに含まれる宛先論理アドレスがROM21の自局ノード情報11aに含まれるシンク装置2の自局の論理アドレスと一致するか否かが判断され、YESのときはステップS42に進む一方、NOのときは処理を終了する。ステップS42において、無線受信された無線データパケットに対する無線ACKパケットをソース装置1に無線送信し、ステップS43において、バスB2を介してCECコントローラ24に無線受信されたCECフレームを出力し、処理を終了する。
図10は、図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。図10において、一例として、ソース装置1が1個のヘッダブロックとN個のデータブロックとを含むCECフレームをシンク装置2に送信する場合について説明する。ソース装置1のノード情報テーブル12bには、既にシンク装置2のアドレス情報が登録されているものとする。
ソース装置1において、まず、CECコントローラ14はバスB1を介してコントローラ10にスタートビット(図示しない)を出力し、その後、ヘッダブロックの情報ビット領域及びEOMビットを出力する。この場合、ヘッダブロックは最後のブロックではないので、ヘッダブロックのEOMビットは「0」である。ACKビットには、CECコントローラ14のバスインタフェースの送信バッファ内で予め「1」がセットされているが、コントローラ10がバスB1を介してCECコントローラ14からヘッダブロックの情報ビット領域とEOMビットとを正常に入力したとき、コントローラ10により「0」であるACKビットが出力されて送信バッファ内のACKビットに「0」がセットされる。これにより、CECコントローラ14は、ヘッダブロックの情報ビット領域及びEOMビットがコントローラ10に正しく入力されたことを認識する。次に、CECコントローラ14はバスB1を介してデータブロック1の情報ビット領域及びEOMビットをコントローラ10に出力する。このデータブロック1も最後のブロックではないので、EOMビットは「0」であり、コントローラ10により「0」であるACKビットが出力される。以降、データブロック(N−1)まで同様の動作を行う。次に、CECコントローラ14は、バスB1を介してデータブロックNの情報ビット領域及びEOMビットをコントローラ10に出力する。このデータブロックは最後のデータブロックであるので、EOMビットは「1」である。「1」であるEOMビットを検出すると、コントローラ10は、それまでのヘッダブロック及びデータブロック1〜Nを含むCECフレームを含む無線データパケットを無線送受信回路15によりシンク装置2に無線送信するとともに、送信データ情報テーブル12aにCECフレームの送信データ情報を格納する。
シンク装置2のコントローラ20は、ソース装置1から送信された無線データパケットを、無線送受信回路25により受信する。コントローラ20は、受信された無線データパケットに含まれる宛先論理アドレスが自局論理アドレスと一致したとき(即ち、その無線データパケットが自局宛であるとき)、ソース装置1に無線ACKパケットを無線送信するとともに、ヘッダブロック及びデータブロック1〜Nを、バスB2を介してCECコントローラ24に出力する。ここで、ヘッダブロック及びデータブロック1〜Nに先立って、スタートビットが出力されてもよい。
ソース装置1のコントローラ10は、無線送受信回路15によりシンク装置2から無線ACKパケットを受信すると、バスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力し、送信データ情報テーブル12aの当該無線送信に対応するACK受信状況に「0」を格納する。この場合、CECコントローラ14によるデータブロックNのEOMビットの出力後、CECコントローラ14が送信バッファ内のデータブロックNのACKビットをサンプリングするよりも前にコントローラ10が「0」であるACKビットをバスB1を介してCECコントローラ14に出力するので、CECコントローラ14は、データブロックNの「0」であるACKビットを検出し、CECフレームがシンク装置2に正常に受信されたことを認識する。もし、CECコントローラ14が送信バッファ内のデータブロックNのACKビットをサンプリングするよりも前にコントローラ10が「0」であるACKビットをバスB1を介してCECコントローラ14に出力しなかった場合は、データブロックNのACKビットは初期値である「1」のままであり、CECコントローラ14は、シンク装置2へのCECフレームの送信が失敗したことを認識する。この場合、CECコントローラ14は所定時間経過後に、同一のヘッダブロック及びデータブロックを生成して再度バスB1を介してコントローラ10に出力して再送処理を行う。
図11は、CECフレームの再送処理が行われる場合の図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。図11において、再送されたデータブロックNのEOMビットがコントローラ10に入力されるとき、コントローラ10は、既にシンク装置2からの無線ACKパケットを受信しているため、無線データパケットをシンク装置2に再度無線送信することなく、「0」であるACKビットをバスB1を介してCECコントローラ14に出力する。シンク装置2からの無線ACKパケットを受信しているか否かは、例えば送信データテーブル18のACK受信状況を参照することによって判断される。なお、再送されたデータブロックNのEOMビットがコントローラ10に入力される時点で、未だシンク装置2から無線ACKパケットを受信していない場合は、データブロックNのACKビットは「1」のままであり、CECコントローラ14は、再度、CECフレームの再送処理を実行する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る無線通信システムによれば、CECメッセージを無線通信することによって、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、ケーブルを繋ぎ替えることなく容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できる。
また、コントローラ10は、送信した無線データパケットに対する無線ACKパケットを受信したか否かを記憶する送信データ情報テーブル12aを有するので、無線ACKパケットを受信しなかった場合には、CECコントローラ14による再送処理を行うことができる。
なお、本実施形態において、ヘッダブロック及びデータブロック1〜(N−1)のACKビットは、コントローラ10に正常に入力されたときに「0」にセットされたが、本発明はこれに限らず、ブロック毎に無線データパケットを生成して送信し、その無線データパケットに対する無線ACKパケットを受信した場合に、各ブロックのACKビットが「0」にセットされてもよい。
また、図8のステップS27において、無線データパケットはユニキャストで無線送信されたが、本発明はこれに限らず、無線データパケットはブロードキャストで無線送信されてもよい。この場合、図8のステップS27において、無線データパケットの宛先デバイスIDにはブロードキャスト無線送信であることを示す所定の値をセットする。また、この場合、図7のソース装置1によるアドレス登録処理を実行しなくてもよく、図12に示すように、シンク装置2によるデータ送受信処理において、ステップS41でNoと判断されたとき、ステップS43を実行してもよい。
またさらに、図4、図5及び図6を用いて詳述された無線データパケット、CECフレーム、ヘッダブロック又はデータブロックを示す各フォーマットは、単なる一例であって、他の構成であってもよい。例えば、ソース装置1及びシンク装置2間で送受信される無線データパケット1000に含まれるCECフレーム領域700は、必ずしもスタートビット、EOMビット及びACKビットを含まなくてもよい。
また、図10及び図11において、シンク装置2は、ソース装置1から無線データパケットを受信した後、受信されたCECフレームに含まれる宛先論理アドレスがシンク装置2の自局論理アドレスと一致する場合、ソース装置1に無線ACKパケットを無線送信した。しかし、本発明はこの構成に限らず、例えば図13に示すように、シンク装置2のコントローラ20は、受信された無線データパケットに含まれるCECフレームを、バスB2を介してCECコントローラ24に全て出力した後に、ソース装置1に無線ACKパケットを無線送信してもよい。
またさらに、ソース装置1において、コントローラ10及びCECコントローラ14は、それぞれバスインタフェースを有し、バスB1により接続された。しかし、本発明はこの構成に限らず、コントローラ10及びCECコントローラ14は、バスインタフェース以外の他のインタフェースを有してもよい。この場合、コントローラ10は、他のインタフェースのフォーマットに従ったCECフレームを含む無線データパケットを入力してもよく、コントローラ10がバスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力することに代えて、他のインタフェースに受信確認応答を行ってもよい。同様に、シンク装置2において、コントローラ20及びCECコントローラ24は、それぞれバスインタフェースを有し、バスB2により接続された。しかし、本発明はこの構成に限らず、コントローラ20とCECコントローラ24は、バスインタフェース以外の他のインタフェースを有してもよい。
また、ソース装置1において、コントローラ10は、無線送信した無線データパケットに対する無線ACKパケットをシンク装置2から受信した後、バスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力した。しかし、本発明はこの構成に限らず、例えば図14に示すように、無線データパケットを無線送信した後、シンク装置2からの無線ACKパケットを待たずにバスB1を介してCECコントローラ14に「0」であるACKビットを出力してもよい。図14のフローチャートは、図8のフローチャートからステップS20,26,28,29,31を除いた点において図8とは異なる。
第2の実施形態.
図15は、本発明に係る第2の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。図15において、本実施形態に係る無線通信システムは、ソース装置1Aと、シンク装置2Aと、アダプタ装置57,67とを備えて構成される。ソース装置1Aは、図1に示した第1の実施形態に係るアンテナ16、無線送受信回路15、RAM12及びコントローラ10に代えて有線送受信回路55及びコントローラ10Aを備えた点において、図1に示した第1の実施形態に係るソース装置1とは異なり、シンク装置2Aは、図1に示した第1の実施形態に係るアンテナ26、無線送受信回路25、RAM27及びコントローラ20に代えて有線送受信回路65及びコントローラ20Aを備えた点において、図1に示した第1の実施形態に係るシンク装置2とは異なる。それ以外の点においては、本実施形態に係る無線通信システムは、第1の実施形態に係る無線通信システムと同様であり、同一符号を付した構成要素についての詳細な説明は省略する。
図15において、アダプタ装置57は、コントローラ50と、有線送受信回路51と、RAM52と、無線送受信回路54と、アンテナ56とを備えて構成される。アダプタ装置67は、コントローラ60と、有線送受信回路61と、RAM62と、無線送受信回路64と、アンテナ66とを備えて構成される。ソース装置1Aとアダプタ装置57とは、ケーブルC1を介して互いに接続される。シンク装置2Aとアダプタ装置67とは、ケーブルC2を介して互いに接続される。
ソース装置1Aにおいて、コントローラ10Aは、CECコントローラ14から入力されるCECフレームを有線送受信回路55に出力する一方、有線送受信回路55及びアダプタ装置57を介してシンク装置2Aから受信したCECフレームをCECコントローラ14に出力する。有線送受信回路55は、DVDプレーヤ13から読み出された映像信号及び音声信号、又はコントローラ10Aから入力されたCECフレームを、ケーブルC1を介してアダプタ装置57に送信する一方、ケーブルC1を介してアダプタ装置57からシンク装置2により送信されたCECフレームを受信する。
アダプタ装置57において、有線送受信回路51は、ケーブルC1を介してソース装置1Aから受信される映像信号及び音声信号を無線送受信回路54に出力する一方、ケーブルC1を介してソース装置1Aから受信されるCECフレームをコントローラ50に送信し、若しくはケーブルC1を介してソース装置1Aにシンク装置2Aから送信されたCECフレームを送信する。コントローラ50は、有線送受信回路51から出力されるCECフレームを含む無線データパケットを生成して無線送受信回路54に出力するとともに、出力したCECフレームの送信データ情報をRAM52の送信データ情報テーブル52aに格納する。また、コントローラ50は、無線送受信回路54及びアンテナ56を介してシンク装置2Aから受信した無線データパケットに含まれるCECフレームに基づいて、アドレス情報登録処理及びデータ送受信処理を実行する。RAM52は、図3に示した送信データ情報テーブル12aと同様の構成を有する送信データ情報テーブル52aと、図2に示したノード情報テーブル12bと同様の構成を有するノード情報テーブル52bとを格納する。なお、ノード情報テーブル52bにおいて、ソース装置1A自身のCEC論理アドレス及び無線デバイスIDは、例えば、アダプタ装置57がソース装置1Aと接続されたタイミングで、コントローラ50が有線送受信回路51,55、コントローラ10Aを介してソース装置1AのROM11から読み出された自局ノード情報11aに基づいて生成されてもよい。なお、無線送受信回路54及びアンテナ56は、図1の無線送受信回路15及びアンテナ16と同様に構成されるため詳細な説明は省略する。
シンク装置2Aにおいて、コントローラ20A及び有線送受信回路65は、それぞれソース装置1Aのコントローラ10A及び有線送受信回路55と同様に構成される。但し、有線送受信回路65は、ケーブルC2を介して受信したAV信号を音声信号及び映像信号処理回路30に出力し、コントローラ20Aは、DVDプレーヤ13に代えて音声信号及び映像信号処理回路30を制御する。また、アダプタ装置67において、コントローラ60、有線送受信回路61、RAM62及び無線送受信回路64は、それぞれアダプタ装置57のコントローラ50、有線送受信回路51、RAM52及び無線送受信回路54と同様に構成される。但し、RAM62は、図3に示した送信データ情報テーブル12aと同様の構成を有する送信データ情報テーブル62aと、図2に示したノード情報テーブル12bと同様の構成を有するノード情報テーブル62bとを格納し、無線送受信回路64は、AV信号を有線送受信回路61に出力する。
以上のように構成された無線通信システムについて、以下、図16を参照して、その動作を説明する。図16は、図15の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。図16において、一例として、ソース装置1A及びアダプタ装置57がシンク装置2A及びアダプタ装置67にCECフレームを送信し、シンク装置2A及びアダプタ装置67がソース装置1A及びアダプタ装置57からのCECフレームを受信する場合について説明する。しかし、本発明はこの動作に限らず、逆の動作、すなわち、シンク装置2A及びアダプタ装置67がソース装置1A及びアダプタ装置57にCECフレームを送信し、ソース装置1A及びアダプタ装置57がシンク装置2A及びアダプタ装置67からのCECフレームを受信してもよい。なお、アダプタ装置57のノード情報テーブル52bには、既にシンク装置2Aのアドレス情報が登録されているものとする。
図16において、ソース装置1AのCECコントローラ14により生成されたCECフレームは、バスB1を介してコントローラ10Aに出力された後、コントローラ10A、有線送受信回路55及びケーブルC1を介してアダプタ装置57に送信される。アダプタ装置57のコントローラ50は、有線送受信回路51を介してソース装置1Aから受信したCECフレームを第1の実施形態に係る無線通信システムと同様に処理して、無線データパケットを生成し、生成した無線データパケットを無線送受信回路54によりアンテナ56を介して無線データ信号としてアダプタ装置67に無線送信する。アダプタ装置57によりアンテナ56を介して無線送信された無線データ信号は、アダプタ装置67の無線送受信回路64によりアンテナ66を介して無線受信される。アダプタ装置67のコントローラ60は、無線受信された無線データパケットがCECフレームを含み、かつその宛先論理アドレスがシンク装置2Aの自局論理アドレスと一致する場合に、有線送受信回路61及びケーブルC2を介してCECフレームを全てシンク装置2Aに送信した後、無線ACKパケットを、無線送受信回路64及びアンテナ66を介してアダプタ装置57に送信する。アダプタ装置57において、無線データパケットの送信後所定時間以内に無線ACKパケットを受信しなかったので、CECコントローラ14によりCECフレームの再送処理が行われるが、コントローラ50は、再送されたCECフレームのデータブロックNのEOMビットをCECコントローラ14から受信した時点で、既にアダプタ装置67から無線ACKパケットを受信しているので、無線データパケットを再度無線送信することなく、データブロックNに対して「0」であるACKビットをCECコントローラ14に送信する。従って、CECコントローラ14は、CECフレームが正常にアダプタ装置67に受信されたことを認識することができる。
以上説明したように、第2の実施形態に係る無線通信システムによれば、CECフレームを生成するCECコントローラ14と、コントローラ50とがバスB1及びケーブルC1介して互いに接続され、CECコントローラ24と、コントローラ60とがバスB2及びケーブルC2介して互いに接続されるので、CECメッセージを送受信するための有線インタフェースしか備えていないソース装置1A又はシンク装置2Aにおいても、それぞれアダプタ装置57及び67を装着することで、CECフレームを無線送受信することが可能となる。
本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法によれば、CECメッセージを無線通信することによって、CECメッセージを送受信するための配線を無くして外観を整然とさせるとともに、ケーブルを繋ぎ替えることなく容易に1台の無線通信装置から複数の無線通信装置へCECメッセージを送信できる。
本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信装置の制御方法は、例えば、DVDプレーヤ及びテレビジョン受像機等のAVシステムにおいて、HDMI規格に規定されるCECメッセージを無線通信する場合に利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図1のROM11に格納されるノード情報テーブル12bの一例を示すテーブルである。
図1のRAM12に格納される送信データ情報テーブル12aの一例を示すテーブルである。
無線データパケット1000のフォーマットの一例を示す構成図である。
図4のCECフレーム領域700のフォーマットの一例を示す構成図である。
図5のヘッダブロック及びデータブロック800のフォーマットの一例を示す構成図である。
図1のソース装置1のコントローラ10によるアドレス情報登録処理を示すフローチャートである。
図1のソース装置1のコントローラ10によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。
図1のシンク装置2のコントローラ20によるデータ送受信処理を示すフローチャートである。
CECメッセージの再送処理が行われない場合の図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。
CECメッセージの再送処理が行われる場合の図1の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。
図1のシンク装置2のコントローラ20によるもう1つのデータ送受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線通信システムの各部の信号を示すもう1つのシーケンス図である。
図1のソース装置1のコントローラ10によるもう1つのデータ送受信処理を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図15の無線通信システムの各部の信号を示すシーケンス図である。
符号の説明
1,1A…ソース装置、
2,2A…シンク装置、
10,20,10A,20A,50,60…コントローラ、
11,21…ROM、
11a,21a…自局ノード情報、
12,27,52,62…RAM、
12a,27a,52a,62a…送信データ情報テーブル、
12b,27b,52b,62b…ノード情報テーブル、
13…DVDプレーヤ、
14,24…CECコントローラ、
15,25,54,64…無線送受信回路、
16,26,56,66…アンテナ、
22…スピーカ、
23…ディスプレイ、
30…音声信号及び映像信号処理回路、
51,55,61,65…有線送受信回路、
57,67…アダプタ装置。