JP2001057690A - 無線通信装置、通信システム - Google Patents

無線通信装置、通信システム

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JP2001057690A
JP2001057690A JP11231618A JP23161899A JP2001057690A JP 2001057690 A JP2001057690 A JP 2001057690A JP 11231618 A JP11231618 A JP 11231618A JP 23161899 A JP23161899 A JP 23161899A JP 2001057690 A JP2001057690 A JP 2001057690A
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terminal
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JP11231618A
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Masaaki Kikuchi
正哲 菊地
Masahiro Tsunoda
昌大 角田
Kimiyasu Mifuji
仁保 美藤
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】端末の使用環境の自由度を損なうことなく、無
線の品質低下、あるいは電源不良に対処できる安定した
通信を可能にする。 【解決手段】無線装置内蔵モデム12は、無線内蔵端末
10と無線通信を行なう無線通信I/F34を持ち、無
線通信によって無線内蔵端末10から通信回線を介した
サーバとの回線接続要求があった場合には、回線I/F
33を介して回線を接続する。無線装置内蔵モデム12
は、無線内蔵端末10とサーバとの間のデータ通信を中
継するが、その時に無線内蔵端末10との無線通信がで
きない状態となった場合(電波状態不良、無線内蔵端末
10の電池残量少)に、無線内蔵端末10に代わってサ
ーバから送信されたデータを保持すると共にサーバに対
して応答信号を出力し、無線内蔵端末10との無線通信
ができるようになった場合に、保持されていたサーバか
ら送信されたデータを無線内蔵端末10に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公衆回線を介して
データ通信を行なうための無線通信装置、及び装置間で
通信を行なう通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】(1)一般家庭においてパーソナルコン
ピュータ(PC)等の端末を用いてインターネットやパ
ソコン通信を行う際、電話回線のコネクタ(モジュラー
ジャック)と有線によって端末(モデム)の電話回線用
いる事が多い。この場合、電話回線のコネクタと端末の
設置位置が近くなければ、部屋や廊下などに渡ってコネ
クタと端末とを接続するための線を這わす必要が出てく
る。また、事業所においても各端末をネットワークに接
続する際は、事業所中に例えばイーサネット回線を引き
回す事によって外部のネットワークの接続を実現してい
た。
【0003】しかしながら、近年では使い勝手の向上の
ために、PHS(personal handyphone system)や携帯
電話等を用いて無線により直接公衆回線網と接続した
り、一般加入回線やイーサネットなどのLANを用いて
も、その端末と回線端までとの間を赤外線や特定小電力
無線を使用して無線通信を行う無線通信装置を介して接
続するものも増えている。
【0004】また、最近ではノート型PCやPDA(pe
rsonal digital assistant)等の携帯端末の発展により
携帯性の向上、省電力化により、電池駆動が可能な小型
端末が多く登場してきており、ますますその携帯性を犠
牲にする有線回線を排除し、さらにはAC電源の未接続
化が望まれるようになってきた。
【0005】(2)ところで、従来の無線データ通信装
置は、ビットレートの高いものは全二重であったり構成
が複雑で高価であり家庭用の製品には利用できなかっ
た。
【0006】一方、低ビットレートのものは安価ではあ
るがその多くが全二重では無く、送受信が同時にできな
い、また送信と受信の切り替え時にはPLLロックなど
のために数十msecの時間を要してしまうという問題
があった。そのため、例えばインターネットを利用する
際に用いられる「TCP/IP(transmission control
protocol/internet protocol)」プロトコルの様な随
時双方から発信する必要がある場合には、従来の方式で
は衝突(同時送信)が起こってしまい、再送を繰り返し
てビットレートの極端な低下を起こし破綻してしまう。
そのため、インターネット用の製品には低ビットレート
のものを使用できなかった。
【0007】従来の低ビットレートの通信を行なうシス
テムでは、一方がマスタ、他方がスレーブと決められて
おり、スレーブはマスタからの命令がこない限り受信待
機状態にあり、マスタ側から命令が来たらその命令に従
って決まった応答を返すのみとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】(1)一般的に無線を
用いたデータ通信では、その無線ゆえの特質により、有
線回線に比べデータが欠落する事が多かった。このよう
な場合ある程度の無線回線の悪化に対して、エラー検
出、エラー訂正を行う事により回避できるが、ある程度
を超えた場合はPHSや携帯電話等を用いた無線通信で
は回線そのものが切断されるという事態に陥っていた。
【0009】また、無線通信装置を介して接続する構成
においては、無線通信装置内にある程度のバッファを設
けることにより、空中線が安定し無線送受信できるまで
データを蓄積、再送する事によって回避してきたが、こ
のシステムにおいても、一般的に用いられている階層化
されたTCP/IP等のプロトコルでは、データの送信
元では回線切断なのか、回線品質の低下なのかなどの原
因が把握できず、受信確認信号が返信されるまで同じデ
ータの再送を繰り返すことになり、ネットワークそのも
のの負荷の増大、電送効率の低下につながってしまって
いた。また、使い勝手の面に関しても、近年低消費電力
化され電池駆動されているノート型PCや携帯端末でも
通信時は特に電力消費が激く、通信中での電池切れを起
こすことが非常に多く不便であった。
【0010】このことは、無線通信を利用すればさら増
え、少量のデータ通信であれば一度回線を切断して、電
池交換等を行えば良いが、大きなファイルのダウンロー
ドや、通信を使った対戦ゲーム等を行っている際の回線
切断は致命的であり、一般にこのような使い方をすると
きは、携帯性を犠牲にしてもAC電源等に接続する必要
が有った。この様な端末の電池切れによる回線切断は、
端末−モデム間の通信が有線であっても起こっている。
【0011】(2)また、低ビットレートにより無線通
信を行なう場合には、スレーブ側の送受信も全てマスタ
側が制御・管理しており、スレーブ側から自発的に発信
したりマスタの指示以外の動作をすることができなかっ
た。また、応答時間などの時間的な制限がゆるいことが
前提で成り立っており、「TCP/IP」プロトコルの
ような双方から発信したり短時間に応答がない場合は再
要求が来るような通信には使えなかった。
【0012】本発明は、前記のような問題に鑑みなされ
たもので、端末の使用環境の自由度を損なうことなく、
無線の品質低下、あるいは電源不良に対処できる安定し
た通信が可能な無線通信装置を提供することを目的とす
る。
【0013】また本発明は、無線通信に安価な低ビット
レート(全二重ではない)のものを使用しても、効率的
に双方向の通信が可能な無線通信装置、及び通信システ
ムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、端末と無線通
信する無線通信手段と、前記無線通信手段による無線通
信によって接続された前記端末からの要求に応じて、通
信回線を介したサーバとの回線を接続し、前記端末と前
記サーバとの間のデータ通信を中継するデータ通信手段
と、前記データ通信手段によってデータ通信を中継して
いる時に前記無線通信手段による前記端末との無線通信
ができない状態となった場合に、前記サーバから送信さ
れたデータを保持すると共に、前記端末に代わってサー
バに対して応答信号を出力する応答手段と、前記無線通
信手段による前記端末との無線通信ができるようになっ
た場合に、前記応答手段によって保持されていたサーバ
から送信されたデータを前記端末に出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする。
【0015】また本発明は、無線通信によりデータの送
受信を行なうデータ送受信手段と、前記データ送受信手
段によってデータを送信した後、データ送信相手の送信
状態を検知して、データ送信の衝突が発生していたか否
かを確認する衝突確認手段と、前記衝突確認手段によっ
てデータ送信が衝突していたことが確認された場合に、
データを再送信する再送信手段とを具備したことを特徴
とする。
【0016】また本発明は、無線通信によりデータの送
受信を行なうデータ送受信手段と、前記データ送受信手
段によってデータを送信した後、データ送信相手の送信
状態を検知して、データ送信の衝突が発生していたか否
かを確認する衝突確認手段と、前記衝突確認手段によっ
てデータ送信が衝突していたことが確認された場合に、
データ送信相手からのデータ再送信によってデータを受
信した後に、データを再送信する再送信手段とを具備し
たことを特徴とする。
【0017】また本発明は、第1無線通信装置と第2無
線通信装置との間でデータ通信を行なう通信システムで
あって、前記第1無線通信装置は、無線通信により前記
第2無線通信装置との間でデータの送受信を行なう第1
データ送受信手段と、前記第1データ送受信手段によっ
てデータを送信した後、前記第2無線通信装置のデータ
送信状態を検知して、データ送信の衝突が発生していた
か否かを確認する第1衝突確認手段と、前記第1衝突確
認手段によってデータ送信が衝突していたことが確認さ
れた場合に、データを再送信する第1再送信手段と、前
記第1衝突確認手段によってデータ送信が衝突していな
いことが確認された際に、データ送信が正常にできたこ
とを示す応答が前記第2無線通信装置からなかった場合
に、一定時間経過した後に前記応答の再送要求を前記第
2無線通信装置に対して送信する第1再送要求手段とを
具備し、前記第2無線通信装置は、無線通信により前記
第1無線通信装置との間でデータの送受信を行なう第2
データ送受信手段と、前記第2データ送受信手段によっ
てデータを送信した後、前記第1無線通信装置のデータ
送信状態を検知して、データ送信の衝突が発生していた
か否かを確認する第2衝突確認手段と、前記第2衝突確
認手段によってデータ送信が衝突していたことが確認さ
れた場合に、前記第1無線通信装置からのデータ再送信
によってデータを受信した後に、データを再送信する第
2再送信手段と、前記第2衝突確認手段によってデータ
送信が衝突していないことが確認された際に、データ送
信が正常にできたことを示す応答が前記第1無線通信装
置からなかった場合に、前記一定時間よりも所定時間長
い時間が経過した後に前記応答の再送要求を前記第1無
線通信装置に対して送信する第2再送要求手段とを具備
したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態
に係わる無線内蔵端末10と無線通信装置としても機能
する無線装置内蔵モデム12の電子回路の構成を示すブ
ロック図である。無線内蔵端末10は、各種の記録媒体
に記録されたプログラムを読み込み、この読み込んだプ
ログラムによって動作が制御されるコンピュータによっ
て構成される。
【0019】図1及び図2に示すように、無線内蔵端末
10と無線装置内蔵モデム12とは無線通信を行なうも
ので、無線内蔵端末10は無線装置内蔵モデム12を介
して電話回線(公衆回線網)と接続され、さらにインタ
ーネットに接続することができる。これにより、無線内
蔵端末10では、インターネットに接続されたサーバに
よって提供されているサービス、例えばネットワークを
介した相手と囲碁あるいは将棋の対局を行なう対局サー
ビスを受けることができる。図2に示す例では、無線装
置内蔵モデム12はモジュラージャックと有線によって
接続され、また電源コンセントと接続されて電力の供給
を受けている。また、無線装置内蔵モデム12と無線内
蔵端末10との間を無線で接続することにより、無線内
蔵端末10をコードレス(任意に使用場所を替えて)で
使用可能としている。
【0020】図1に示すように、無線内蔵端末10は、
CPU20、ROM21、RAM22、液晶表示装置2
3、LCDドライバ24、無線通信I/F25、変復調
IC26、タッチ・パネル27、及び電池28などが設
けられている。
【0021】CPU20は、ROM21に格納された各
種制御プログラムやデータに従って各種機能を実現する
もので、インターネットに接続されたサーバによって提
供される、通信回線を介した相手との囲碁あるいは将棋
などの対局を行なう対局サービスを受けるための機能な
どを実現する。ROM21は、CPU20によって実行
される各種制御プログラムやデータ等が格納されるもの
であり、通信回線を介した相手との囲碁などの対局を行
なうための囲碁ゲーム対局制御用プログラムなどを含ん
でいる。RAM22は、CPU20によって各種機能を
実行する際の作業領域として使用され、例えば進行中の
囲碁の対局の状況(各石の置かれた位置など)に関する
データが格納される。
【0022】液晶表示装置23は、各種情報についての
表示を行なうもので、例えば対局サービスの提供を受け
る場合には囲碁の対局を行なう上で必要な各種の情報な
どを表示する。LCDドライバ24は、CPU20の制
御のもとで、液晶表示装置23における表示を制御す
る。無線通信I/F25は、通信回線を介した相手と囲
碁などの対局を行なう場合に、CPU20の制御のもと
で無線装置内蔵モデム12との無線通信制御を行ない、
無線装置内蔵モデム12を介して電話回線(公衆回線
網)との接続を行なう。
【0023】変復調IC26は、無線装置内蔵モデム1
2との間で無線通信を行なうために、送受信されるデー
タに対して変復調を実行する。タッチ・パネル27は、
装置に対する動作を規定するためのボタンや、囲碁ゲー
ム実行中の石を置くべき位置を指定をする座標データを
入力するために使用される。タッチ・パネル27は、液
晶表示装置23の表示面と積層一体型に形成されてお
り、液晶表示装置23によって表示された対象物に対し
て直接的に位置を指定することができる。電池28は、
無線内蔵端末10を屋外等に持ち出して携帯することが
できるように、各構成部に電力を供給するために使用さ
れる。一方、無線装置内蔵モデム12は、無線通信装置
としての機能も設けられたもので、CPU30、RAM
31、モデム・チップセット32、回線I/F33、無
線通信I/F34、変復調IC35、及び電源部36な
どが設けられている。
【0024】CPU30は、無線装置内蔵モデム12全
体の制御を司るもので、例えば内蔵されたROM(図示
せず)に格納された制御プログラムに従って、無線内蔵
端末10と電話回線(インターネット等のネットワー
ク)との間で通信を行なうための制御を行なう。また、
CPU30は、無線内蔵端末10との間の無線通信に障
害が発生した場合などにおいて、無線内蔵端末10に代
わって電話回線を介した通信相手に対して応答信号を送
出する通信プロトコルを実行する。無線装置内蔵モデム
12に内蔵される通信プロトコルとしては、例えば、イ
ンターネットプロバイダに接続できるようにTCP/I
PやPPP(point‐to‐point protocol)といった一
般的なプロトコルを使用するものとする。なお、無線内
蔵端末10と無線装置内蔵モデム12との間の通信プロ
トコルにはTCP/IPプロトコルではなく、よりエラ
ー訂正機能を強化した無線通信を行なうものとする。無
線装置内蔵モデム12に通信プロトコルを内蔵すること
で、無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12との間
の電波状況が悪くなった時でも、ネットワーク側からの
データを確実に受信でき、データ受信確認をネットワー
ク側に対しても送信できるので、ネットワーク側に無駄
な再送をさせる負荷をかけなくて済むようにする。
【0025】RAM31は、電話回線と無線内蔵端末1
0との間で送受信されるデータを一時的に記憶するたる
めの作業領域として使用される。無線内蔵端末10との
間の無線通信に障害が発生した場合などでは、無線内蔵
端末10に送信すべき電話回線を通じて得られたデータ
を記憶する。従って、例えば無線内蔵端末10に実装さ
れるメモリの記憶容量と同程度の比較的容量の大きな記
憶容量が確保されるものとする。
【0026】モデム・チップセット32は、モデムの基
本的な機能を実行するもので、電話回線と無線内蔵端末
10との間で送受信されるデータに対する変復調等を実
行する。回線I/F33は、電話回線(公衆回線網)と
接続するためのインタフェースであり、モデム・チップ
セット32に接続されている。無線通信I/F34は、
CPU30の制御のもとで無線内蔵端末10との無線通
信制御を行ない、無線内蔵端末10と電話回線(公衆回
線網)との接続を行なう。変復調IC35は、無線内蔵
端末10との間で無線通信を行なうために、送受信され
るデータに対して変復調を実行する。電源部36は、電
源コンセント(AC電源)から得られる電力を、無線装
置内蔵モデム12を構成する各部に対して供給する。な
お、AC電源から電力の提供を受けるのではなく、電池
を用いることも勿論可能である。
【0027】無線装置内蔵モデム12は、無線通信方式
として、配線を引き回す事無く一般的な家庭内の全ての
部屋で端末が操作でき、免許の取得の必要が無い特定小
電力の無線通信を使用する。例えば、通信速度は半2重
2400bpsとすることで、低速ではあるが低価格で
実現することができる。すなわち、インターネットに接
続されたサーバによって提供されているサービス、例え
ばネットワークを介した相手と囲碁あるいは将棋の対局
を行なう対局サービスを受ける場合には、比較的リアル
タイムに必要なデータ量が少ないので、無線内蔵端末1
0と無線装置内蔵モデム12との通信速度を抑えても全
体のシステムの性能には影響が少なく低コスト化が実現
できるからである。また、電話回線側の通信速度を、例
えば一般的な33.6kbps程度の比較的高速なもの
とする。これにより、無線装置内蔵モデム12を安価に
実現することができる。電話回線側の通信速度を比較的
高速とすることで、電話回線を通じてインターネットに
接続されたサーバ等から各種のデータ、例えば囲碁の棋
譜や囲碁情報、画像データなどをダウンロードする場合
でも、短時間で完了させて電話料金を節約できる。
【0028】次に、本実施形態における動作について、
以下に示す(1)(2)のそれぞれについて説明する。
ここでは、(1)無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデ
ム12との間の電波の状況が悪くなった場合などの無線
装置内蔵モデム12に搭載された通信プロトコルの機能
による動作と、(2)無線内蔵端末10と無線装置内蔵
モデム12との無線通信を低ビットレート(半二重)に
していることにより両者からの同時送信により衝突が発
生した場合の動作について説明する。
【0029】まず、(1)無線装置内蔵モデム12に搭
載された通信プロトコルの機能による動作について説明
する。図3は、電話回線(インターネット)を通じて接
続されたサーバからデータをダウンロードする場合の手
順を示す図である。図3(a)には一般的なモデムと無
線通信装置の組合わせによって構成した場合の手順を示
し、図3(b)には本実施形態における無線装置内蔵モ
デム12を用いた場合の手順を示している。
【0030】一般的な構成では、図3(a)に示すよう
に、サーバから電話回線(インターネット)を介してデ
ータAが受信されると、モデムによって復調されたデー
タが無線通信装置によって端末に対して無線により送信
される。端末は、データAの受信に対して、正しく受信
できたことを示す応答信号「ACK」を、無線通信装
置、モデム、電話回線を介してサーバに通知する。
【0031】サーバは、端末から「ACK」が通知され
ると、次のデータBを送信する。この時、無線通信装置
と端末との間の電波の状態が悪くデータBが端末に送信
されなかった場合、サーバには所定の時間内に「AC
K」が通知されなくなる。このため、サーバは、データ
Bを再送することになる。以下、サーバからのデータB
が端末に受信され、このデータBに対して「ACK」が
サーバに通知された場合には、次のデータCがサーバか
ら端末に対して送信されることになる。
【0032】これに対して、本実施形態における無線装
置内蔵モデム12を用いた場合、図3(b)に示すよう
に、無線装置内蔵モデム12は、データAをサーバから
受信するとRAM31にバッファリングすると共に、通
信プロトコルの機能によってデータを正しく受信したこ
とを示す「ACK」をサーバに通知する。また、無線装
置内蔵モデム12は、無線通信I/F34を通じて、無
線内蔵端末10に対して受信したデータAを送信する。
無線内蔵端末10は、データAの受信に対して、正しく
受信できたことを示す「ACK」を無線装置内蔵モデム
12に返す。
【0033】しかし、無線装置内蔵モデム12は、サー
バに対してデータAを受信したことを示す「ACK」を
通知しているので、ここで再度「ACK」を通知する必
要がない。
【0034】サーバからは無線装置内蔵モデム12から
の「ACK」に応じて次のデータBが送信されるので、
無線装置内蔵モデム12は、前述と同様にして、電話回
線を介して受信したデータBをRAM31にバッファリ
ングすると共に、通信プロトコルの機能によってデータ
を正しく受信したことを示す「ACK」をサーバに通知
する。
【0035】この時、無線通信装置と端末との間の電波
の状態が悪くデータBを端末に送信できなかった場合、
無線装置内蔵モデム12は、RAM31に一時記憶して
いるデータBの無線内蔵端末10に対する再送を繰り返
し行なう。
【0036】一方、サーバは、無線装置内蔵モデム12
からデータBが正しく受信されたことを示す「ACK」
が通知されているので次のデータCを送信する。無線装
置内蔵モデム12は、サーバからのデータCを受信する
と、データBを無線内蔵端末10に送信完了しているか
否かに関係なく、前述と同様にして、受信したデータC
をRAM31にバッファリングすると共に、データを正
しく受信したことを示す「ACK」をサーバに通知す
る。こうして、ダウンロードすべきデータの受信が完了
すると、無線装置内蔵モデム12は、サーバとの回線を
切断する。
【0037】無線装置内蔵モデム12は、サーバから受
信したデータBを無線内蔵端末10に送信できるまで再
送を繰り返して行っているが、無線内蔵端末10との通
信状態が改善されるなどして、データBを送信すること
ができると、無線内蔵端末10からデータBを正しく受
信できたことを示す「ACK」の通知を受ける。これに
より、無線装置内蔵モデム12は、次にサーバから受信
したデータCを無線内蔵端末10に送信して、このデー
タCの送信に対する「ACK」の通知を受ける。
【0038】こうして、無線装置内蔵モデム12に独自
の通信プロトコルを実装することにより、無線内蔵端末
10との無線通信の状態が悪化した場合であっても、サ
ーバからのデータを受信してバッファリングしておくこ
とができるため、サーバに対してデータを再送させる必
要なく、無線内蔵端末10との通信状態が改善された時
点で無線装置内蔵モデム12から無線内蔵端末10に対
して、サーバから受信しているデータを送信することが
できる。
【0039】なお、図3を用いた説明では、無線内蔵端
末10と無線装置内蔵モデム12との間の無線通信の品
質が劣化した場合を対象としているが、無線内蔵端末1
0の電池28が切れた場合にも対処することができる。
図4には、電話回線(インターネット)を通じて接続さ
れたサーバからデータをダウンロードしている間に端末
の電池が切れる場合の手順を示す図である。図3と同様
に、図4(a)は一般的なモデムと無線通信装置の組合
わせによって構成した場合の手順を示し、図4(b)に
は本実施形態における無線装置内蔵モデム12を用いた
場合の手順を示している。
【0040】一般的な構成では、図4(a)に示すよう
に、端末からサーバとの回線接続開始要求が送信される
と、無線通信装置、モデム、電話回線(インターネッ
ト)を介してサーバに通知され、サーバからは回線接続
の了解を示す「ACK」が送信されて、電話回線、モデ
ム、無線通信装置を介して端末に通知される。
【0041】サーバとの回線が接続された後、端末から
データダウンロードの要求があると、同様にしてサーバ
に通知され、サーバからはダウンロードの対象とするデ
ータAの送信が開始される。端末は、サーバから送信さ
れたデータAを受信すると、正しく受信できたことを示
す「ACK」を、無線通信装置、モデム、電話回線を介
してサーバに通知する。サーバは、端末から「ACK」
が通知されると、次のデータBを送信する。同様にして
端末は、データBの受信に対して「ACK」をサーバに
通知する。
【0042】ところが、端末は、電池残量が予め設定さ
れた所定値よりも少なくなり、ダウンロードの継続がで
きない状態になると回線切断要求を送信する。この回線
接続要求は、無線通信装置、モデム、電話回線(インタ
ーネット)を介してサーバに通知され、これによりサー
バと端末との間の回線が切断されてダウンロードが中止
される。
【0043】これに対して、本実施形態における無線装
置内蔵モデム12を用いた場合、図4(b)に示すよう
にしてダウンロードが行われる。図4(b)に示すよう
に、サーバと無線内蔵端末10との回線が接続されて、
無線内蔵端末10からのデータダウンロードの要求に対
して、サーバからダウンロードの対象とするデータAの
送信が開始されるまでは、前述した図4(a)と同様に
して行われる。ただし、無線装置内蔵モデム12は、デ
ータAをサーバから受信するとRAM31にバッファリ
ングすると共に、通信プロトコルの機能によってデータ
を正しく受信したことを示す「ACK」をサーバに通知
する。また、無線装置内蔵モデム12は、無線内蔵端末
10に対して受信したデータAを送信する。無線内蔵端
末10は、データAの受信に対して、正しく受信できた
ことを示す「ACK」を無線装置内蔵モデム12に返
す。しかし、無線装置内蔵モデム12は、サーバに対し
てデータAを受信したことを示す「ACK」を通知して
いるので、ここで再度「ACK」を通知する必要がな
い。
【0044】サーバからは無線装置内蔵モデム12から
の「ACK」に応じて次のデータBが送信されるので、
無線装置内蔵モデム12は、前述と同様にして、電話回
線を介して受信したデータBをRAM31にバッファリ
ングすると共に、通信プロトコルの機能によってデータ
を正しく受信したことを示す「ACK」をサーバに通知
する。
【0045】これにより、サーバからは次のデータCが
送信されてくるが、無線内蔵端末10の電池残量が予め
設定された所定値よりも少なくなり、ダウンロードの継
続ができない状態になった場合には、無線装置内蔵モデ
ム12は、無線内蔵端末10に対してデータCを送信で
きなくなる。
【0046】無線内蔵端末10は、電池残量が少なくな
ると回線維持要求を無線装置内蔵モデム12に送信す
る。無線装置内蔵モデム12は、無線内蔵端末10から
の回線維持要求に応じて、そのままサーバとの回線接続
状態を維持することによって、サーバから送信されてく
るデータDを受信して、RAM31にバッファリングす
ると共に、データを正しく受信したことを示す「AC
K」をサーバに通知する。
【0047】こうして、ダウンロードすべきデータの送
信が完了すると、サーバは、無線装置内蔵モデム12に
対してデータ終了を通知する。無線装置内蔵モデム12
は、この通知に対して「ACK」を返して回線を切断す
る。
【0048】一方、無線内蔵端末10では、無線装置内
蔵モデム12によってサーバからのデータが継続してダ
ウンロードされている間に電池28を交換することがで
きる。無線内蔵端末10は、電池交換が完了した後に、
端末復帰を無線装置内蔵モデム12に通知する。
【0049】無線装置内蔵モデム12は、端末復帰の通
知に応じて無線内蔵端末10に対してRAM31にバッ
ファリングされている未送信のデータC,Dを順次送信
する。
【0050】このように、無線装置内蔵モデム12は無
線内蔵端末10とは独自に通信プロトコルを内蔵し、電
話回線を介したサーバとの接続、切断を行えるので、仮
に無線内蔵端末10がネットワーク接続してデータのダ
ウンロード中であっても、無線内蔵端末10側から無線
装置内蔵モデム12に対して回線維持命令を送るだけ
で、回線接続状態を維持したままで、無線内蔵端末10
において電源を落として電池交換が可能となる。このた
め、無線内蔵端末10には、主の電源部36の電池残量
が少なかった場合のための予備電池を内蔵しなくてもよ
くなる。
【0051】なお、前述した説明では、無線内蔵端末1
0と無線装置内蔵モデム12との無線通信に障害が発生
した場合を対象として説明しているが、無線装置内蔵モ
デム12に電話回線を介したネットワーク(サーバ)に
対するオートパイロット機能を設けることで、無線内蔵
端末10から指示された予約内容に応じて無線装置内蔵
モデム12単体でデータのアップロード、ダウンロード
を実行することができる。これにより、例えばダウンロ
ードを行なう場合であれば、インターネットプロバイダ
などのサーバとの間では高速にデータを受信すると共に
RAM31へのバッファリングを行い、回線を切断した
後に、無線装置内蔵モデム12から無線内蔵端末10に
対してデータの転送を行うことにより、時間課金である
電話回線の通信費用を低減させることもできる。なお、
アップロードを行なう場合には、無線内蔵端末10から
無線装置内蔵モデム12に対してデータの送信を完了し
た後に、無線装置内蔵モデム12から高速に電話回線を
介してデータを送信することになる。
【0052】次に、(2)無線内蔵端末10と無線装置
内蔵モデム12との無線通信を低ビットレート(半二
重)にした通信システムにおける両者からの同時送信に
より衝突が発生した場合の動作について説明する。図5
は、無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12に設け
られた無線通信I/F25,34のメインルーチンの処
理を示すフローチャートである。ここでは、無線内蔵端
末10側と無線装置内蔵モデム12側とは同一の処理を
実行するが、データ送信の衝突があった場合には、無線
内蔵端末10側からのデータ送信が優先され、無線装置
内蔵モデム12側からのデータ送信が非優先となるよう
に設定されている。
【0053】通常状態では、無線内蔵端末10と無線装
置内蔵モデム12では、無線通信I/F25,34をそ
れぞれ受信待機状態にして、相手からの送信を待ってい
る(ステップA1)。無線通信I/F25,34は、何
らかの受信があった場合(ステップA4)、その受信し
た信号を復調して、各機器を識別するために付された固
有の「ID」を判定して、通信相手とする機器からの送
信であれば取り込む。
【0054】ここで、無線通信I/F25,34は、通
信相手からの受信が「ACK再送要求」であった場合は
(ステップA3)、後述するように現在データを受信し
ていないので、正しくデータ受信を行っていないことを
示す「NACK」を直ちに送信し(ステップA6)、デ
ータの再送信を要求して受信待機状態となる(ステップ
A7)。
【0055】一方、無線通信I/F25,34は、通信
相手からの受信がデータであった時はエラー訂正を行な
い、その結果、データが正しければ(ステップA5)、
正しく受信できたことを示す「ACK」を送信する(ス
テップA11)。無線内蔵端末10あるいは無線装置内
蔵モデム12は、受信したデータに対する処理を実行す
る(ステップA12)。例えば、無線内蔵端末10が無
線装置内蔵モデム12からのデータを受信した場合に
は、そのデータに対するアプリケーション処理などを実
行する。また、無線装置内蔵モデム12が無線内蔵端末
10からのデータを受信した場合には、モデム・チップ
セット32の動作を制御したり、データを電話回線を介
してサーバに送信するなどの処理を実行する。
【0056】その後、通信相手の機器に対して送信する
データがある場合には(ステップA8)、無線通信I/
F25,34は、送信ルーチンに行ってデータ送信を行
い(ステップA9)、送信するデータが無い場合は受信
待機状態となる。
【0057】なお、何らかの受信があった際に、受信し
た信号を復調して得た「ID」は合っているものの、受
信する予定の無いデータやコマンドであった場合には
(ステップA4)、エラー処理を実行するものとする
(ステップA10)。
【0058】次に、無線内蔵端末10(優先)側のデー
タ送信の処理について、図6に示すフローチャートを参
照しながら説明する。無線内蔵端末10では、データ送
信の処理ルーチンがメインルーチンからコールされた
ら、まず無線通信I/F25を送信に切り替えデータを
送信する(ステップB1)。そしてすぐに無線通信I/
F25を受信に切り替えてモデム側が送信中になってい
ないことをチェックすることで、無線装置内蔵モデム1
2からのデータ送信と衝突していなかったかを確認する
(ステップB2)。モデム側が送信状態になっていなけ
ればデータ送信の衝突が発生していなかったものとし
て、「ACK再送要求」を送信するまでの時間を計測す
る「ACKタイマー」をオンして(ステップB5)、時
間の計測を行いながら一定時間内に「ACK」が返って
くるのを待つ。すなわち、正常にデータの送信が完了し
たことを確認する。この間に「NACK」または「衝
突」を受信して、正常なデータ送信が完了できなかった
ことが判別できた場合には(ステップB6,B7)、直
ちにステップB1において送信したデータの再送信を行
う(ステップB1)。
【0059】また、「ACKタイマー」によって計測さ
れている時間が予め設定されている所定の時間をオーバ
ーしても何の応答も返ってこない時は(ステップB
9)、「ACK再送要求」を送信し(ステップB1
0)、もう一度「ACKタイマー」をスタートさせて
「ACK」が返ってくるのを待つ(ステップB5)。
【0060】一方、正常に「ACK」が返ってきた時
は、今度は無線装置内蔵モデム12側からのデータ送信
を優先させるために「送信待ちタイマー」をオンさせ
て、予め設定されている一定時間、無線内蔵端末10か
らのデータ送信を停止する。
【0061】無線内蔵端末10は、通信相手からのデー
タ送信が開始された時(ステップB12)、または「送
信待ちタイマー」によって計測されている時間が予め設
定されている一定時間を過ぎた時は(ステップB1
3)、メインルーチンに戻る。
【0062】なお、上述した処理は、無線内蔵端末10
側から衝突(同時送信)が検出されなかった場合の説明
であるが、無線内蔵端末10からの送信の直後の相手側
が送信中であることが検出された場合(ステップB2)
には、無線装置内蔵モデム12側のデータ送信が終了す
るのを待って(ステップB3)、「衝突」を送信し(ス
テップB4)、データの再送信を行う(ステップB
1)。
【0063】次に、無線装置内蔵モデム12(非優先)
側のデータ送信の処理について、図7に示すフローチャ
ートを参照しながら説明する。なお、無線装置内蔵モデ
ム12の処理は、前述した無線内蔵端末10側とほぼ同
じであり次の3点が異なっている。
【0064】1点目は、無線装置内蔵モデム12側から
のデータ送信後に無線内蔵端末10側の送信が確認され
た時には(ステップC2)、無線内蔵端末10側のデー
タ送信終了後に「衝突」を送信し(ステップC4)、直
ちにデータの再送が必要であることを示す「再送フラ
グ」を設定して(ステップC5)メインルーチンに戻り
受信待機状態となる(図5、ステップA7)。
【0065】2点目は、「ACK」待ちの間に無線内蔵
端末10側から「衝突」が送られてきた場合(ステップ
C9)、この時も前述と同様にして「再送フラグ」を設
定してメインルーチンに戻って受信待機状態となる(ス
テップC5,A7)。こうして、データ送信の衝突が起
きても直ちに検出して受信待機状態とすることで、再衝
突を回避でき、かつ「衝突」が送られてきたということ
は相手がデータの送信中ではないので「ACK」待ちを
行うことなく再送信を行なうことができ伝送速度の向上
が図れる。
【0066】なお、無線内蔵端末10側から送信された
データの受信が完了した後に、「再送フラグ」が設定さ
れている場合には、無線装置内蔵モデム12は、先のデ
ータ送信の際に衝突が発生した、RAM31(送信バッ
ファ)に記憶されている送信データを再送信する(ステ
ップC1)。
【0067】3点目は、「ACKタイマー」の時間設定
を端末側より長め(+α)に設定している事である。こ
れはデータ送信後に相手の送信が無いかを確認している
が(ステップC2)、送信から受信に切り替えるのにあ
る程度の時間(例えば数十msec)かかるため、双方
がほぼ同時にデータ送信を開始し、ほぼ同時に終了した
場合は、データ送信の衝突が検出できなくなってしま
う。この場合、双方とも「ACK」待ちの状態に入って
しまうが、この時「ACK再送要求」までの時間が同位
で有ると、「ACK再要求」も同時と成りその後も同時
となり通信ができなくなってしまう。これを回避するべ
く、無線装置内蔵モデム12側の「ACK再送要求まで
の時間」を無線内蔵端末10(優先)側より「送信受信
切り替え時間+受信送信切り替え時間+ACK再送要求
送信時間」分長く設定しておく。これにより「ACK再
要求」が衝突しても、次の時には衝突が避けられる。
【0068】無線装置内蔵モデム12側は「ACK」待
ちの時に無線内蔵端末10側から「ACK再送要求」が
来たら(ステップC8)、衝突が発生したものと判断し
て「衝突」を送信し(ステップC4)、以下、前述と同
様に「再送フラグ」を設定してメインルーチンに戻りデ
ータの受信待機状態となる。
【0069】図8は、前述した無線内蔵端末10と無線
装置内蔵モデム12とのデータ送受信のタイミングを模
式的に表した図である。図8(a1)(a2)は、デー
タ送信の衝突が発生していない平常状態を示したもので
あり、(a1)が無線内蔵端末10の動作、(a2)は
無線装置内蔵モデム12の動作タイミングを示してい
る。無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12の双方
が受信待機状態にある時に、無線内蔵端末10側がデー
タ送信を行い、無線装置内蔵モデム12側がそれを受信
して「ACK」を返している(「ACK送」)。無線内
蔵端末10は、「ACK」を送信した後、受信待機状態
となる。一方、無線内蔵端末10は、無線装置内蔵モデ
ム12からの「ACK」を受信すると受信待機状態に入
る。
【0070】その後、無線装置内蔵モデム12側が「デ
ータ送信」を行い、無線内蔵端末10側がこれを受信し
「ACK」を送信すると共に、送信データが有ったので
そのまま続けてデータ送信を行っている。さらに、この
データを受信した無線装置内蔵モデム12側も送信デー
タが有ったので、「ACK」に続けて「データ送信」を
行い、無線内蔵端末10側はそれらのデータを受信した
後、受信待機状態となる。
【0071】このように、衝突の無い時でも、送信する
データが有る場合は「ACK」送出後、受信状態に戻る
ことなく続けてデータを送信することにより、送受信切
替に伴う時間ロスを無くして伝送レートの向上を図って
いる。
【0072】図8(b1)(b2)は衝突が発生してそ
れを無線内蔵端末10側が検出した時の状態を示したも
のである。この例では無線内蔵端末10と無線装置内蔵
モデム12とがほぼ同時に送信を開始してしまい衝突が
起きている。無線内蔵端末10側の方が先に送信を終了
することで受信待機状態に切り替わり、無線装置内蔵モ
デム12側が送信状態であり衝突が起きたことを検出す
る。無線内蔵端末10は無線装置内蔵モデム12側が送
信を終了して受信待機状態になるのを待って「衝突」を
送信し、つづけてデータを再送信する。
【0073】無線装置内蔵モデム12は「衝突」を受信
したら「再送フラグ」を設定してメインルーチンに戻っ
てデータを受信し、データ受信の終了により「ACK」
を送信した後に、「再送フラグ」が設定されていること
から続けて先に送信したデータを再送信する。これによ
り双方の衝突したデータが再衝突することなく伝送する
ことができる。
【0074】図8(c1)(c2)は衝突が発生してそ
れを無線装置内蔵モデム12側が検出した時の状態を示
したものである。この例では無線装置内蔵モデム12の
方が先に送信を終了することで受信待機状態に切り替わ
り、無線内蔵端末10側が送信状態であり衝突が起きた
ことを検出する。無線装置内蔵モデム12は無線内蔵端
末10側が送信を終了して受信状態になるのを待って
「衝突」信号を送信し、受信待機状態となる。無線内蔵
端末10は「衝突」を受信すると先に送信したデータを
再送信し、その後、受信待機状態となる。無線装置内蔵
モデム12はデータを受信したら「ACK」を送信し、
続けて先に送信したデータを再送信する。このように、
無線装置内蔵モデム12側がデータ送信の衝突を検出し
た場合についても、衝突したデータが再衝突することな
くデータ送信することができる。
【0075】図8(d1)(d2)は衝突が発生したに
もかかわらずほぼ同時に送信を終了したため、双方とも
衝突を検出できなかった状態を示したものである。無線
内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12は、それぞれデ
ータ送信した後、受信待機状態となり相手側が送信中で
あるか否かをチェックすることで衝突が発生していたか
を検出するが、ここでは既に両者とも送信を終了してい
るので実際には衝突していても検出することができな
い。無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12は、双
方ともデータ送信の衝突が無かったものとして「AC
K」待ちの状態に入る。
【0076】この場合、何れも「ACK」を受信するこ
とができず、無線内蔵端末10は、無線装置内蔵モデム
12側より早く「ACK再送要求」(「A再」)を送信
する。無線装置内蔵モデム12は、「ACK再送要求」
の送信までの時間が無線内蔵端末10よりも+α長いた
めに受信待機状態にあり、無線内蔵端末10からの「A
CK再送要求」を受信する。無線装置内蔵モデム12
は、「ACK再送要求」の受信により衝突が発生したも
のとして「衝突」信号を送信するとともに「再送フラ
グ」を立てて受信待機状態となる。
【0077】無線内蔵端末10は、「衝突」を受信する
と直ちに先に送信したデータを再送信する。無線装置内
蔵モデム12は、データを受信したら「ACK」を送信
し、その後、「再送フラグ」が設定されているので、続
けて先に送信したデータを再送信する。こうして、デー
タ送信後のチェックで検出できなかった衝突も、無線内
蔵端末10と無線装置内蔵モデム12とで時間差をつけ
て「ACK再送要求」を送信することで衝突があったこ
とを検出し、その後、再衝突することなくデータ送信す
ることができる。
【0078】このようにして、データ送信をした後、直
ちに受信待機状態にして相手からのデータ送信と衝突し
ていなかったかチェックし、衝突していた時は相手の送
信終了後に「衝突」信号を送信し、優先側である無線内
蔵端末10ではデータを再送信し、非優先側である無線
装置内蔵モデム12では受信待機状態となることにより
再衝突を防止することができると共に、データ伝送をス
ムーズにかつ高速に実行することができる。
【0079】また、データ送信した後に「ACK」が返
ってくるはずの時間が過ぎても「ACK」あるいは「N
ACK」の何れも返ってこない時には、データの再送信
をするのではなく「ACK再要求」を送信することによ
り伝送レートを向上させることができる。また、優先順
位の低い側の「ACK再送要求」を送信するまでの時間
を長く設定することで、衝突した時のデータ再送信の優
先度を付けるとともに、たとえ「ACK再送要求」が衝
突しても次の時には衝突が避けられるようにしている。
【0080】また、受信側は「ACK」を送信した後、
直ちにデータの送信が可能だが、送信側では「ACK」
受信後一定時間相手からの送信が無いことを確認してか
ら送信することで、交互にデータ送信できるようにする
と共に、送受信切り替えによる時間ロスを減らしてい
る。
【0081】なお、図1に示す構成では、無線通信とし
て特定小電力の電波を用いていたが、ある程度限られた
範囲内もしくは中継器を設置する事により、赤外線を利
用することも可能である。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わる無線通信
装置によれば、端末とサーバとのデータ通信を中継する
無線通信装置に、端末との無線通信ができない状態とな
った場合に、サーバから送信されたデータを保持すると
共に、端末に代わってサーバに対して応答信号を出力す
る機能を設けることで、端末の使用環境の自由度を損な
うことなく、無線の品質低下、あるいは電源不良に対処
できる安定した通信が可能な無線通信装置を提供するこ
とができる。
【0083】また本発明は、データを送信した後、デー
タ送信相手の送信状態を検知して、データ送信の衝突が
発生していたか否かを確認し、衝突が発生していた場合
にはデータを再送信することで、無線通信に安価な低ビ
ットレート(全二重ではない)のものを使用しても、効
率的に双方向の通信を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる無線内蔵端末10
と無線通信装置としても機能する無線装置内蔵モデム1
2の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12と
による通信システムの概略構成を示す図。
【図3】電話回線(インターネット)を通じて接続され
たサーバからデータをダウンロードする場合の手順を示
す図。
【図4】電話回線(インターネット)を通じて接続され
たサーバからデータをダウンロードしている間に端末の
電池が切れる場合の手順を示す図。
【図5】無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12に
設けられた無線通信I/F25,34のメインルーチン
の処理を示すフローチャート。
【図6】無線内蔵端末10(優先)側のデータ送信の処
理について説明するためのフローチャート。
【図7】無線装置内蔵モデム12(非優先)側のデータ
送信の処理について説明するためのフローチャート。
【図8】無線内蔵端末10と無線装置内蔵モデム12と
のデータ送受信のタイミングを模式的に表した図。
【符号の説明】
10…無線内蔵端末 12…無線装置内蔵モデム 20,30…CPU 21…ROM 22,31…RAM 23…液晶表示装置(LCD) 24…LCDドライバ 25,34…無線通信I/F 26,35…変復調IC 27…タッチ・パネル 28…電池 32…モデム・チップセット 33…回線I/F 36…電源部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 仁保 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 Fターム(参考) 5B089 GA11 GA25 GA35 GB04 HA10 HA11 JB17 KA12 KB04 MD00 ME08 5K033 CA08 CB04 DA17 5K067 AA26 AA27 BB21 DD24 EE02 EE10 GG11 HH23 HH28 5K101 KK02 LL11 NN21 PP03 PP06 QQ08 RR01 RR14 RR16 TT06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端末と無線通信する無線通信手段と、 前記無線通信手段による無線通信によって接続された前
    記端末からの要求に応じて、通信回線を介したサーバと
    の回線を接続し、前記端末と前記サーバとの間のデータ
    通信を中継するデータ通信手段と、 前記データ通信手段によってデータ通信を中継している
    時に前記無線通信手段による前記端末との無線通信がで
    きない状態となった場合に、前記サーバから送信された
    データを保持すると共に、前記端末に代わってサーバに
    対して応答信号を出力する応答手段と、 前記無線通信手段による前記端末との無線通信ができる
    ようになった場合に、前記応答手段によって保持されて
    いたサーバから送信されたデータを前記端末に出力する
    出力手段とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】 無線通信によりデータの送受信を行なう
    データ送受信手段と、 前記データ送受信手段によってデータを送信した後、デ
    ータ送信相手の送信状態を検知して、データ送信の衝突
    が発生していたか否かを確認する衝突確認手段と、 前記衝突確認手段によってデータ送信が衝突していたこ
    とが確認された場合に、データを再送信する再送信手段
    とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
  3. 【請求項3】 無線通信によりデータの送受信を行なう
    データ送受信手段と、 前記データ送受信手段によってデータを送信した後、デ
    ータ送信相手の送信状態を検知して、データ送信の衝突
    が発生していたか否かを確認する衝突確認手段と、 前記衝突確認手段によってデータ送信が衝突していたこ
    とが確認された場合に、データ送信相手からのデータ再
    送信によってデータを受信した後に、データを再送信す
    る再送信手段とを具備したことを特徴とする無線通信装
    置。
  4. 【請求項4】 第1無線通信装置と第2無線通信装置と
    の間でデータ通信を行なう通信システムであって、 前記第1無線通信装置は、 無線通信により前記第2無線通信装置との間でデータの
    送受信を行なう第1データ送受信手段と、 前記第1データ送受信手段によってデータを送信した
    後、前記第2無線通信装置のデータ送信状態を検知し
    て、データ送信の衝突が発生していたか否かを確認する
    第1衝突確認手段と、 前記第1衝突確認手段によってデータ送信が衝突してい
    たことが確認された場合に、データを再送信する第1再
    送信手段と、 前記第1衝突確認手段によってデータ送信が衝突してい
    ないことが確認された際に、データ送信が正常にできた
    ことを示す応答が前記第2無線通信装置からなかった場
    合に、一定時間経過した後に前記応答の再送要求を前記
    第2無線通信装置に対して送信する第1再送要求手段と
    を具備し、 前記第2無線通信装置は、 無線通信により前記第1無線通信装置との間でデータの
    送受信を行なう第2データ送受信手段と、 前記第2データ送受信手段によってデータを送信した
    後、前記第1無線通信装置のデータ送信状態を検知し
    て、データ送信の衝突が発生していたか否かを確認する
    第2衝突確認手段と、 前記第2衝突確認手段によってデータ送信が衝突してい
    たことが確認された場合に、前記第1無線通信装置から
    のデータ再送信によってデータを受信した後に、データ
    を再送信する第2再送信手段と、 前記第2衝突確認手段によってデータ送信が衝突してい
    ないことが確認された際に、データ送信が正常にできた
    ことを示す応答が前記第1無線通信装置からなかった場
    合に、前記一定時間よりも所定時間長い時間が経過した
    後に前記応答の再送要求を前記第1無線通信装置に対し
    て送信する第2再送要求手段とを具備したことを特徴と
    する通信システム。
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Cited By (3)

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