JPWO2007086362A1 - ミネラル含有食品及びその製造方法 - Google Patents

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    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/16Inorganic salts, minerals or trace elements

Abstract

亜鉛不足による味覚異常や皮膚障害、銅不足による貧血、カルシウム摂取量の減少による骨粗しょう症、マグネシウム欠乏による厳しい生化学的変化、鉄欠乏による体温調節阻害や慢性疲労、およびマンガン欠乏による成長阻害や胎生期の運動失調などを改善・予防し、生活の質(QOL)の向上させるミネラル含有食品を提供する。本発明は、食用植物の水溶性成分及び/又は水分散性成分に金属成分を500ppm以上含有させ、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガンなどの必須微量元素を0.5%以上含んでなる特定保健用食品、栄養(機能)食品等のミネラル含有食品及びその製造方法である。

Description

本発明は、ミネラル、特に、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガンを食用植物に添加したミネラル含有食品及びその製造方法に関する。
食用植物に含まれている天然のミネラル(亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガンなど)含有量は一般に少ない。また、その食用植物を通常に加工して得られる食材も、前記ミネラルの含有量が少ないことは当然である。
従って、食用植物やその加工食材を自然に食するだけでは、必要なミネラルが不足するため、ミネラル欠乏症が生じることがある。例えば、味覚異常などの症状は、亜鉛欠乏症から生じる。同様に、銅も、生体内で重要な役割を担っているが、欠乏することがしばしば生じるミネラルである。そのようなミネラルの摂取に充分な食品は、ほとんど知られてない。
そこで、天然食品にミネラル成分を強制的に添加したミネラル添加食品が開発されている。特開平8−332083号公報(特許文献1)は、酵母にFeを付加したミネラル酵母であり、特開2004−229656(特許文献2)はパパイヤにZnを付加したミネラル含有パパイヤである。
特許文献1では、鉄を2000ppm以上含有する溶液中で、酵母を懸濁状態で非増殖的にゆっくりと攪拌及び/又は振とうして、鉄分を酵母細胞内に取り込み、溶液から酵母を分離回収する技術が開示されている。酵母として、パン酵母・アルコール酵母・味噌醤油酵母などの食用酵母が利用され、これらの食用酵母で食品を作れば、体内に鉄分を摂取できるわけである。
特許文献2では、硫酸亜鉛の水溶液にパパイヤ粉末を懸濁させ、室温で1−4日間振とうした後、固形分としてパパイヤ粉末を遠心分離し、このパパイヤ粉末を洗浄してパパイヤZnの粉体を回収する技術を開示している。このパパイヤZnをサプリメントとして体内に補給すれば、亜鉛を体内に摂取することができるわけである。
植物細胞膜の主成分は、食物繊維であるペクチン、セルロースやヘミセルロースなどからなることが、真部孝明 著、「ペクチン−その科学と食品のテクスチャー−」、東京:幸書房、2001(非特許文献1)に記載されている。更に、細胞膜内では広くペクチン−ヘミセルロース・コンプレックスなどとなって存在していることが、ZOE A. POPPER and STEPHEN C. FRY,“Widespread Occurrence of a Covalent Linkage Between Xyloglucan and Acidic Polysaccharides in Suspension-cultured Angiosperm Cells.”,Annals of Botany 96:91-99,2005(非特許文献2)に記載されている。後述のように、このような食物繊維は、凝固し易く、食用植物を利用した従来のミネラル含有物は、固形の食材やサプリメントとして提供される場合が殆どであった。
後述するように、本発明の実施例に関する説明では、実験データの検証において、Cescutti,Paola and Rizzo,Roberto,“Divalent Cation Interactions with Oligogalacturonides” Journal of Agricultural and Food Chemistry (2001), 49(7), 3262-3267(非特許文献3)に記載されるデータを引用している。
特開平8−332083号公報 特開2004−229656公報 真部孝明 著、「ペクチン−その科学と食品のテクスチャー−」、東京:幸書房、2001 ZOE A. POPPER and STEPHEN C. FRY,"Widespread Occurrence of a Covalent Linkage Between Xyloglucan and Acidic Polysaccharides in Suspension-cultured Angiosperm Cells.",Annals of Botany 96:91-99,2005 Cescutti, Paola and Rizzo, Roberto,"Divalent Cation Interactions with Oligogalacturonides" Journal of Agricultural and Food Chemistry (2001), 49(7), 3262-3267
上記従来技術は、一方は酵母という微生物にFeを含有させ、他方はパパイヤという食用植物にZnを含有させている点で、優秀な技術を公開している。しかし、Fe酵母とZnパパイヤに共通する弱点は、酵母とパパイヤの両方とも、水に不溶な物質を特徴的に選択していることである。
酵母は微生物であるから、水に溶けることは無く、固形食品として摂取する以外に無い。固形食品の場合には、ドリンク剤と比較して、体内吸収率が極端に低くなる。特許文献1の段落[0067]では、特にその点に付き、酵母の細胞壁を破壊し、内容物を取り出し、これを用いてジュースなどの飲食品を製造できる、と記載している。つまり、この酵母をそのままの形でドリンク剤にすることはできず、細胞壁破壊などの手段を講じなければならないことを記載している。従って、このFe酵母は食べ物ではあるが、飲み物に適用するには、もう一段の工夫を必要とする。
Znパパイヤの場合、パパイヤ粉末を亜鉛溶液中で攪拌し、その固形分を取り出してZnパパイヤとしている点に、ドリンク剤に適用することの困難性がある。このZnパパイヤは、錠剤形態でサプリメントとして食べることを前提にしている。つまり、水に溶けないから、ドリンク剤には利用できない。また、錠剤として食べても、植物繊維を多く含み不溶のため、ドリンク剤に適さない。
前述のように、ペクチン、セルロースおよびヘミセルロースなどは植物細胞膜の主成分であり(非特許文献1)、しかも細胞膜内では広くペクチン−ヘミセルロース・コンプレックスなどとなって存在している(非特許文献2)。そのため、ミネラルが添加された植物組織をスラリーにすると、豆腐状態となって凝固を起こすことがあり、ミネラルを含有するドリンク剤の原料に適しておらず、飲料に混合しても沈殿し、飲み易いミネラル含有飲料を製造することは、困難であった。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、ミネラルを添加した食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分を少なくとも含有するミネラル含有食品である。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記ミネラルが前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に化学結合しているミネラル含有食品である。
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に他の食用成分を混合したミネラル含有食品である。
本発明の第4の形態は、前記第1〜第3の形態のいずれかにおいて、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に対し前記ミネラルを500ppm以上添加したミネラル含有食品である。
本発明の第5の形態は、前記第1〜第4の形態のいずれかにおいて、前記ミネラルが亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄及びマンガンから選択される一種以上の元素であるミネラル含有食品である。
本発明の第6の形態は、前記第1〜第5の形態のいずれかにおいて、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が、パパイヤ、柿、キウィ、りんご、メロン、白菜、トマト、いちご、梨、パプリカ、たまねぎ、大根、きゅうり、オレンジ、かぶら、ピーマン、ぶどう、レタス、にんじん、みかん、金柑、サクランボ、パイナップル、アボカド、ゴーヤ、みょうが、にんにく、アスパラガス、生姜、たけのこ、お茶の旨みであるテアニン、秋ウコン、春ウコン、枇杷、茄子、西瓜、いちじく、桃、ジャガイモ、黒ニンニク、竹茶、ブルーベリー、プルーン、ほうれん草、さつまいも、春菊、えのき、しいたけ、しめじ、わかめ、キャベツ、だいず、マンゴ、グレープフルーツ、ブロッコリー、めかぶ及びもずくから選択される一種以上の食用植物から分離されるミネラル含有食品である。
本発明の第7の形態は、前記第1〜第6の形態のいずれかにおいて、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が粉体であるミネラル含有食品である。
本発明の第8の形態は、前記第1〜第6の形態のいずれかにおいて、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が水溶液の形態であるミネラル含有食品である。
本発明の第9の形態は、食用植物を粉砕してジュース状にし、水を添加又は無添加の条件下で、前記ジュースにミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を前記食用植物に対し500ppm以上の濃度で溶解し、この溶解により前記ジュース中の食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分に前記ミネラルを化学結合させ、このジュースから固形成分を除去して得られた分離液をミネラル含有食品とするミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第10の形態は、食用植物を粉砕してジュース状にし、このジュースから固形成分を除去して分離液を生成し、水を添加又は無添加の条件下で、前記ろ液にミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を前記食用植物に対し500ppm以上の濃度で溶解し、この溶解により前記分離液中の食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分に前記ミネラルを化学結合させ、この分離液をミネラル含有食品とするミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第11の形態は、前記第9又は第10の形態において、前記ジュースを10〜80メッシュに通して前記固形成分が除去されるミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第12の形態は、前記第9又は第10の形態において、前記ジュース又は前記分離液に酵素を加えて酵素処理するミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第13の形態は、前記第12の形態において、前記酵素処理の前段で前記ジュース又は前記分離液を殺菌処理するミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第14の形態は、前記第12又は第13の形態において、前記酵素がペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ及びセルラーゼから選択される一種以上の酵素であるミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第15の形態は、前記第9〜第14の形態のいずれかにおいて、最終的に得られた前記分離液からフィルタリングにより食用植物水溶性成分と食用植物水分散性成分を得るミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第16の形態は、前記第9〜第14の形態のいずれかにおいて、最終的に得られた前記分離液から水を除去して前記ミネラルが化学結合した固形成分を製造するミネラル含有食品の製造方法である。
本発明の第1の形態によれば、ミネラルを添加した食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分を少なくとも含有するミネラル含有食品が提供される。ミネラルとは人体にとって必須な金属成分又は必要な金属成分であり、食用植物に人工的に自然量よりも過剰に添加される。元来、食用植物は自然にミネラルを含有するが、この自然量だけでは人体の生理機能に不足であるから、前記食用植物に人工的に過剰に添加することが本発明により達成される。しかも、本発明では、前記ミネラルが食用植物の水溶性成分及び/又は水分散性成分に添加される。食用植物を粉砕してジュース状にすると、長時間経過して自然に沈殿する固形成分と水中にミクロ粒子として安定に懸濁する水分散性成分と水中に均一に溶解する水溶性成分から構成される。従って、前記ジュースを順次フィルタリングすることにより、まず固形成分を除去し、次に水分散性成分を分離し、最後に水溶性成分を分離すれば、固形成分と水分散性成分と水溶性成分を分離回収することができる。水中に主として前記水溶性成分が存在する場合、比較的透明なジュースが得られる。尚、前述のように、本件明細書では、除去されずに残留する前記固形成分や前記水分散性成分が比較的多量に含まれる分離液を「スラリー」と称している。
固形成分は体内への吸収率が比較的低いが、水分散性成分は水に均一に分散するから、体内に摂取されると酵素分解などにより効率的に体内に吸収される。水溶性成分は前記ジュース中に透明状態で存在する超ミクロ粒子、分子又はイオン成分であり、前記水分散性成分よりも体内摂取により急速に吸収される性質を有する。これらの水溶性成分と水分散性成分にミネラルを強制添加したミネラル含有食品は、固形物として食べても、またドリンク剤として飲用しても、前記水溶性成分と前記水分散性成分の急速吸収とともに、ミネラルを急速に体内吸収することができ、ミネラルの体内補給に画期的なサプリメントを提供することが可能になる。サプリメントとして、ミネラル添加水溶性成分だけでもよいし、ミネラル添加水分散性成分だけでもよいし、両者を混合させてもよい等、サプリメントの構成は多様である。
前記ミネラルには、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)などが含まれる。本発明の食品を飲食することにより、食用植物の水溶性成分及び/又は水分散性成分の急速吸収に連動して前記必須ミネラルを高速に吸収することができる。
前記ミネラルとして用いられる金属源としては、ヒト又は他の動物への投与に好適な金属源であればどのようなものでもよいが、例えば、金属の鉱酸塩や金属有機錯体などが好ましいものとして挙げられる。金属の鉱酸塩としては、例えば、酢酸金属塩、硫酸金属塩、塩化金属塩、硝酸金属塩等が挙げられる。なお、金属源として金属の鉱酸塩を使用した場合には、pH調整剤として、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等の塩基性水溶液や、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液等の緩衝液を併用してもよい。金属有機錯体としては、例えば、グルコン酸類、アミノ酸類、ピコリン酸類、ナイアシン類、ビタミン類、マルトール類、カルボン酸類、オリゴペプチド類、糖類、及びそれらの誘導体を有する有機物類(主に、植物)からなる群より選ばれた化合物を配位子として有する金属有機錯体が好ましいものとして挙げられる。本発明にかかわる食品の形状は、ジュース(液状)、粉末状、顆粒状、錠剤型、カプセル、ゲル状、その他いずれの形状のものでもよい。
本発明の第2の形態によれば、前記ミネラルを前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に化学結合させたミネラル含有食品が提供される。化学結合には、配位結合、イオン結合などの結合が利用できる。ミネラルとして無機金属塩・有機金属塩・金属有機錯体を用い、これらを前記食用植物水溶性成分や前記食用植物水分散性成分と水中で攪拌混合させれば、ミネラルが自然に前記植物成分に化学結合する。水を除去して固形成分を分離し、この固形成分を水洗して不要分を除去すれば、ミネラルが化学結合した水溶性成分及び/又は水分散性成分ができあがる。勿論、水溶性成分だけでもよく、水分散性成分だけでもよく、また両者の混合物でもよい。化学結合しておれば、食用植物の水溶性成分及び/又は水分散性成分の急速吸収性により、ミネラルも急速に体内吸収されることが保証される。
本発明の第3の形態によれば、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に他の食用成分を混合したミネラル含有食品が提供される。本発明の中心はミネラル添加された食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分であるが、味覚剤やボリューム剤などとして他の食用成分を添加すれば、美味しい飲食剤が提供できる。他の食用成分は水溶性でも非水溶性でも構わない。最終製品がドリンク剤として提供される場合には、他の食用成分も水溶性食品の方が適切であるが、他の食用成分の性状や混合形態は目的に応じて任意である。
更に、他の食品類、食品添加物類、ビタミン類及びミネラル類などを含んでもよい。これら他の食品類、食品添加物類、ミネラル類などに関しては、通常、食品などの分野において用いられるもの、或いは将来的にその可能性があるものであれば何れのものでもよい。
本発明の第4の形態によれば、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に対し前記ミネラルを500ppm以上添加したミネラル含有食品が提供される。一般に、アメリカでのミネラルの1日摂取勧告量は、Ca:800mg、K:1800−5600mg、Na:1100−3300mg、Mg:350mg、Fe:10mg、Mn:2.5−5mg、Cu:2−3mg、Zn:15mg、Mo:0.15−0.5mg、である。本発明では、これらの勧告量をできるだけ満足するために、500ppm以上の範囲に設定する。通常の食事と、本発明の固形物又はジュースとして提供されるサプリメントにより、必要なミネラルを体内補給することが可能になる。
本発明の第5の形態によれば、前記ミネラルが亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄又はマンガンの一種以上であるミネラル含有食品が提供される。前記ミネラルには各種の元素が存在するが、特に亜鉛(Zn)、銅(Cu)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)といったミネラルの必要な摂取量を確保し、又は適切な摂取バランスを維持することは、通常の食事だけでは、相当に困難であり、本発明によるサプリメントの飲食が重要になる。その理由は、これらのミネラルが人体の生理活性に極めて重要な機能を演じるからである。具体的に述べると下記の如くである。銅を必須とする酸化還元酵素は多い。例えば、酸素分子を還元して水を生じる末端酸化酵素であるチトクロームCオキシダーゼは、エネルギー代謝において、最も重要な酵素である。また、亜鉛は、生体内で300種類以上の酵素やタンパク質に含まれており、活性部位などで重要な役割を担っている。近年、亜鉛不足による味覚異常や皮膚障害など、亜鉛の欠乏が重大な問題になっている。カルシウムは体内で最も量の多いミネラルでその99%は骨に存在する。残りの少量のカルシウムは体内で種々の働きをしている。長期にわたるカルシウム摂取量や吸収量の減少は、骨粗しょう症のリスクを高める。日本人には、特に、欠乏しがちな栄養素である。マグネシウムは幅広く細胞反応に必須なミネラルである。タンパク質合成、脂肪酸合成など300種以上の酵素反応に関与しており、そのため欠乏は生化学的な変化や症状の変化をもたらす。また、カルシウムと共に骨の健康に必須なミネラルである。鉄の欠乏は世界的に最もよく知られる栄養失調である。特に、新生児や妊娠期の欠乏は重篤な結果をもたらす。マンガンは数多くの酵素の補因子として働く。体内濃度は微量であるが、スーパーオキシドジスムターゼによる抗酸化のほか、糖質、脂質、タンパク質代謝に深く関わる必須栄養素である。
本発明の第6の形態によれば、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が、パパイヤ、柿、キウィ、りんご、メロン、白菜、トマト、いちご、梨、パプリカ、たまねぎ、大根、きゅうり、オレンジ、かぶら、ピーマン、ぶどう、レタス、にんじん、みかん、金柑、サクランボ、パイナップル、アボカド、ゴーヤ、みょうが、にんにく、アスパラガス、生姜、たけのこ、お茶の旨みであるテアニン、秋ウコン、春ウコン、枇杷、茄子、西瓜、いちじく、桃、ジャガイモ、黒ニンニク、竹茶、ブルーベリー、プルーン、ほうれん草、さつまいも、春菊、えのき、しいたけ、しめじ、わかめ、キャベツ、だいず、マンゴ、グレープフルーツ、ブロッコリー、めかぶ及びもずくのうち、一種以上の食用植物から分離されるミネラル含有食品が提供される。これらの食用植物は、日常生活で通常に食される野菜類・果実類・豆類・いも類・きのこ類・藻類などであり、極めて安全な食用植物である。これらの食用植物から不溶性成分を除去して水溶性成分と水分散性成分を分離し、この水溶性成分と水分散性成分にミネラルを化学結合させて本発明のミネラル含有食品を製造する。従って、安全性が保証され、しかもミネラル以外の栄養素が含有され、更に本発明の高濃度のミネラルを同時に吸収できる画期的なミネラル含有食品が供給される。
本発明の第7の形態によれば、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が粉体であるミネラル含有食品である。本発明において提供されるミネラル含有食品の形状は、固形物の中でも特に粉体が効果的である。粉体を原料として、ジュース(液状)化、顆粒化、錠剤化、カプセル化、ゲル化などの加工処理が容易になる。また、粉体をそのまま飲食すれば、水にすぐに溶解して、体内吸収が急速に行われる等の効果がある。
本発明の第8の形態によれば、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が水溶液の形態であるミネラル含有食品である。本発明では、ミネラル含有食品がドリンク剤として提供され、一般の自動販売機により広範囲に低価格のドリンク剤を供給でき、しかも水溶液、即ちジュースであるから急速にミネラルの体内吸収を実現することができる。
本発明の第9の形態によれば、ミネラル含有食品の第1の製造方法が提供される。食用植物を粉砕してジュース状にすると、このジュースの中には、時間経過によるが自然に沈殿する固形成分と、安定に懸濁する水分散性成分と、透明状態で溶解する水溶性成分が混在している。この混在状態のジュースに水を添加して希釈ジュースとしてもよいが、水を添加しない原液ジュースのままでもよい。このジュースにミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を前記食用植物に対し500ppm以上の濃度で溶解させる。混合攪拌を行うと、前記ジュース中の食用植物水溶性成分及び食用植物水分散性成分に前記ミネラルが化学結合し、ミネラルと成分との一体化が行われる。このジュースから固形成分を除去することにより、得られた分離液にはミネラル結合した食用植物水溶性成分とミネラル結合した食用植物水分散性成分が混在する。尚、本件明細書では、除去されずに残留する前記固形成分や前記水分散性成分が比較的多量に含まれる分離液を「スラリー」と称している。
本発明の第10の形態によれば、ミネラル含有食品の第2の製造方法が提供される。食用植物を粉砕してジュース状にし、このジュースから固形成分をフィルタリング(フィルターや遠心分離などの分離技術)により除去すると、分離液には水溶性成分と極めてミクロな水分散性成分が残留する。前述したように、本発明では、水溶性成分は自然光の透視下でジュースが透明液である超ミクロ粒子を意味し、水分散性成分は自然光の透視下でジュースが不透明液である懸濁粒子を意味する。従って、水分散性成分の粒子サイズはフィルターの目の粗さや遠心力の強さに依存する性質を有する。次いで、水を添加又は無添加の条件下で、前記分離液にミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を前記食用植物に対し500ppm以上の濃度で溶解させると、ミネラルが前記水溶性成分及び前記水分散性成分に化学結合し、ミネラルと成分との一体化が行われる。この分離液にはミネラル結合した食用植物水溶性成分とミネラル結合した食用植物水分散性成分が混在する。
本発明の第11の形態によれば、前記ジュースを20〜80メッシュのフィルターに通すから、前記固形成分を高効率に除去して、前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分を主成分とする分離液を得ることができる。本発明者等は、20メッシュ程度のフィルターに前記ジュースを通すことにより前記固形成分の大部分が除去できることを実験的に明らかにしている。20メッシュのフィルターを用いた場合、多量のジュースを短時間に通過させることができ、前記固形成分を高効率に除去することができる。更に、80メッシュ程度のフィルター等を用いた場合、微小な固形成分を除去できると共に、好適な通過流量でスラリーを除去することができる。また、80メッシュ程度のフィルターの場合、前記食用植物水分散性成分の殆どが通過するから、無駄なく前記固形成分を分離することができる。
本発明の第12の形態によれば、前記ジュース又は前記分離液に酵素を加えて酵素処理を行うから、前記食用植物水溶性成分と極めてミクロな食用植物水分散性成分が得られる。植物細胞膜の主成分は、ペクチン、セルロースおよびヘミセルロースなどの食物繊維成分からなり、植物組織をジュース若しくはスラリーにすると、食物繊維成分により豆腐状態となって凝固を起こしたり、高粘度を有する場合があった。しかし、本発明者等は、前記ジュースやその分離液に酵素を加えることにより、食物繊維成分による凝固や粘度の増加を高効率に抑制することができることを明らかにし、本発明を完成するに到った。従って、ミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を溶解させる又はそれらの水溶液を添加しても、前記ジュースやスラリーが凝固することを抑制することができる。
本発明の第13の形態によれば、前記酵素処理の前段で前記ジュース又は前記分離液を殺菌処理するから、高効率に前記酵素を植物繊維成分に作用させて分解することができる。従って、前記ジュースやスラリーの凝固をより確実に抑制することができる。前記殺菌処理としては、加熱殺菌を行うことが好ましく、前記酵素の種類に応じて種々の殺菌方法を利用することができる。
本発明の第14の形態によれば、前記酵素がペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ及びセルラーゼから選択されるから、ペクチン、ペクチン−ヘミセルロース・コンプレックスなどの食物繊維成分を高効率に分解することができる。これらの食物繊維成分には、金属イオンが配位結合することができ、この配位結合による粒子間架橋によって豆腐様凝固が生じる。しかしながら、本発明に係るペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ及びセルラーゼは、前記食物繊維成分を配位力の弱い断片に分解することができる。
本発明の第15の形態によれば、前記分離液をフィルタリングにより食用植物水溶性成分と食用植物水分散性成分に分離することができる。前記分離液にはミネラル添加食用植物水溶性成分とミネラル添加食用植物水分散性成分が混在している。フィルタリングの目の荒さを細かくする若しくは遠心分離における遠心力を増強して、前記分離液を更にフィルタリングすると、ミネラル添加食用植物水溶性成分とミネラル添加食用植物水分散性成分に分離することができる。従って、ミネラル添加食用植物水溶性成分だけを含む食品、ミネラル添加食用植物水分散性成分だけを含む食品、又は両成分の混合物を製造することが可能になる。このようにして、需要者のニーズに合致したミネラル含有食品を提供することができる。
本発明の第16の形態によれば、最終的に得られた前記分離液の食用植物水溶性成分と食用植物水分散性成分から水を分離することにより、ミネラルが化学結合した固形成分を製造することができる。溶液の段階を選択することにより、ミネラル添加食用植物水溶性成分だけの固形物、ミネラル添加食用植物水分散性成分だけの固形物、又は両成分の混合固形物を製造することが可能になる。このようにして、需要者のニーズに合致したミネラル含有食品を提供できる利点を有する。
パパイヤ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、パパイヤに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 柿溶液のCDスペクトル(実線)、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、柿に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 キウィ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、キウィに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 りんご溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、りんごに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 メロン溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、メロンに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 白菜溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、白菜に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 トマト溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、トマトに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 いちご溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、いちごに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 梨溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、梨に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 パプリカ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛を用いて、パプリカ(赤)に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 パプリカ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛を用いて、パプリカ(黄)に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 たまねぎ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、たまねぎに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 大根溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、大根に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及び吸収スペクトルを示す。 きゅうり溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、きゅうりに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 オレンジ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、オレンジに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 かぶら溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、かぶらに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 ピーマン溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、ピーマンに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 ぶどう溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、ぶどうに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 レタス溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、レタスに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 にんじん溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、にんじんに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 みかん溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、みかんに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 金柑溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、金柑に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 サクランボ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、サクランボに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 パイナップル溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、パイナップルに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 アボカド溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、アボカドに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 ゴーヤ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、ゴーヤに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 みょうが溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、みょうがに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 にんにく溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、にんにくに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 アスパラガス溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、アスパラガスに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 しょうが溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、しょうがに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 たけのこ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、たけのこに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 テアニン溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、テアニンに亜鉛を取り込ませた溶液、テアニン亜鉛錯体のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 秋ウコン溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、秋ウコンに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 春ウコン溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、春ウコンに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 枇杷溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、枇杷に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 茄子溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、茄子に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 西瓜溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、西瓜に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 いちじく溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、いちじくに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 桃溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、桃に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 ジャガイモ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、ジャガイモに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 黒ニンニク溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、黒ニンニクに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 竹茶溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、竹茶に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 ブルーベリー溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、ブルーベリーに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 プルーン溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、プルーンに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 ほうれん草溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、ほうれん草に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 さつまいも溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、さつまいもに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 春菊溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、春菊に亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 えのき溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、えのきに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 しいたけ溶液(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、しいたけに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 しめじ(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、しめじに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 わかめ(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、わかめに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 キャベツ(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、キャベツに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 だいず(実線)のCDスペクトル、亜鉛源として硫酸亜鉛(点線)又はグルコン酸亜鉛(一点鎖線)を用いて、だいずに亜鉛を取り込ませた溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 亜鉛源としてグルコン酸亜鉛を用いてマンゴに亜鉛を取り込ませた溶液(一点鎖線)、グルコン酸亜鉛水溶液(点線)及びマンゴ溶液(実線)のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 亜鉛源としてグルコン酸亜鉛を用いてグレープフルーツに亜鉛を取り込ませた溶液(一点鎖線)、グルコン酸亜鉛水溶液(点線)及びグレープフルーツ溶液(実線)のCDスペクトルとこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 亜鉛源としてグルコン酸亜鉛を用いてブロッコリーに亜鉛を取り込ませた溶液(一点鎖線)、グルコン酸亜鉛水溶液(点線)及びブロッコリー溶液(実線)のCDスペクトルとこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 亜鉛源としてグルコン酸亜鉛を用いてめかぶに亜鉛を取り込ませた溶液(一点鎖線)、グルコン酸亜鉛水溶液(点線)、及びめかぶ溶液(実線)のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 亜鉛源としてグルコン酸亜鉛を用いて、もずくに亜鉛を取り込ませた溶液、グルコン酸亜鉛水溶液、及びもずく溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 銅源として硫酸銅及びグルコン酸銅を用い、パパイヤに銅を取り込ませた溶液及びパパイヤ溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。実線、点線、及び一点鎖線は、それぞれパパイヤのみ、パパイヤに硫酸銅を加えたもの、及びパパイヤにグルコン酸銅を加えたもののスペクトルを表す。 銅源として硫酸銅及びグルコン酸銅を用い、パプリカ(黄)に銅を取り込ませた溶液及びパプリカ溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。実線、点線、及び一点鎖線はそれぞれパプリカ(黄)のみ、パプリカ(黄)に硫酸銅を加えたもの、及びパプリカ(黄)にグルコン酸銅を加えたもののスペクトルを表す。 カルシウム源として塩化カルシウムを用い、パパイヤにカルシウムを取り込ませた溶液及びパパイヤ溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。実線及び点線はそれぞれパパイヤのみ及びパパイヤにカルシウム源を加えたもののスペクトルを表す。 マグネシウム源として硫酸マグネシウムを用い、パパイヤにマグネシウムを取り込ませた溶液及びパパイヤ溶液のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。実線及び点線はそれぞれパパイヤのみ及びパパイヤにマグネシウム源を加えたもののスペクトルを表す。 鉄源として硫酸鉄を用い、パパイヤに鉄を取り込ませた溶液(一点鎖線)とパパイヤ溶液(点線)のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 パパイヤ溶液(実線)とマンガン源として硫酸マンガンを用いてパパイヤにマンガンを取り込ませた溶液(一点鎖線)のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 パパイヤのみ(P:実線)、パパイヤをぺクチナーゼで処理したもの(P pec:点線)、パパイヤにグルコン酸亜鉛を加えたもの(P Zn:一点鎖線)及びパパイヤをぺクチナーゼで処理したものにグルコン酸亜鉛を加えたもの(P pec Zn:二点鎖線)のCDスペクトル並びにこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 パパイヤのみ(P:実線)とパパイヤにグルコン酸亜鉛を加えたもの(P Zn:一点鎖線)のCDスペクトル及びこれらのCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧を示す。 血中亜鉛濃度の時間変化(メキシコ産パパイヤ亜鉛(MXpapaya/Zn:●)、中国産パパイヤ亜鉛(papaya/Zn:○)、ミネラル酵母亜鉛(yeast/Zn:◆))を示す。 メキシコ産パパイヤ亜鉛(MXpapaya/Zn)、中国産パパイヤ亜鉛(papaya/Zn)又はミネラル酵母亜鉛(yeast/Zn)からなる被験物質の投与24時間における血中濃度時間曲線下面積(p<0.05)を示す。
以下の実施例は、本発明を説明するために例示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・実施形態を包含することは云うまでもない。
[実施例1:図1〜図58、ZnGlu・ZnSO]
食用植物としてパパイヤ(papaya)、柿(persimmon)、キウィ(kiwi)、りんご(apple)、メロン(melon)、白菜(Chinese cabbage)、トマト(tomato)、いちご(strawberry)、梨(pear)、パプリカ(赤)(paprika(red))、パプリカ(黄)(paprika(yellow))、たまねぎ(onion)、大根(Japanese radish)、きゅうり(cucumber)、オレンジ(orange)、カブラ(turnip)、ピーマン(green pepper)、ぶどう(grape)、レタス(lettuce)、にんじん(carrot)、みかん(Japanese orange)、金柑(kumquat)、サクランボ(cherry)、パイナップル(pineapple)、アボカド(avocado)、ゴーヤ(bitter melon)、みょうが(Japanese ginger)、にんにく(garlic)、アスパラガス(asparagus)、生姜(ginger)、たけのこ(bamboo shoot)、お茶の旨みであるテアニン(theanine)、秋ウコン(turmeric)、春ウコン(wild turmeric)、枇杷(loquat)、茄子(eggplant)、西瓜(watermelon)、いちじく(fig)、桃(peach)、ジャガイモ(potato)、黒ニンニク(black garlic)、竹茶(bamboo tea)、ブルーベリー(blueberry)、プルーン(prune)、ほうれん草(spinach)、さつまいも(sweet potato)、春菊(chrysanthemum coronarium)、えのき(hackberry)、しいたけ(shiitake mushroom)、しめじ(Pleurotus ostreatus)、わかめ(Undaria pinnatifida)、キャベツ(cabbage)、だいず(soy bean)、マンゴ(mango)、グレープフルーツ(grapefruit)、ブロッコリー(broccoli)、めかぶ(mekabu)、又はもずく(Nemacystus decipiens)の58種類を選択した。各食用植物を粉砕してジュースにして、この各ジュースに水を必要量添加して後述するCD(円偏光二色性)スペクトルが得られる程度に希釈した。
尚、一般名称の「しめじ」は、複数種の食用キノコに関する総称であり、生物学的な定義は曖昧である。実施例(図50参照)では、「しめじ」としてヒラタケ科ヒラタケ属のヒラタケ(Pleurotus ostreatus)が用いられている。一般的に、「シメジ」、「ツクリシメジ」又は「味シメジ」の名称で流通するキノコは、前記ヒラタケの栽培品である。しかしながら、広義には、「ヒラタケ」以外にも、担子菌門菌じん綱ハラタケ目キシメジ科シメジ属のホンシメジ、ハタケシメジ及びシャカシメジ(センボンシメジ)並びにシロタモギタケ属のブナシメジ等やキシメジ科の食用キノコを包含する名称として「しめじ」が用いられる。本件明細書では、これらの食用キノコを総称して「しめじ」と呼び、広義の「しめじ」に包含される食用キノコは、本発明に係るミネラル含有食品の食用植物に利用することができる。
更に、ミネラルとして硫酸亜鉛(ZnSO)とグルコン酸亜鉛(ZnGlu)を用意した。上述の各食用植物溶液を二つ用意し、一方には硫酸亜鉛、他方にはグルコン酸亜鉛を加えて混合調製し、室温で約1時間、攪拌した。この混合攪拌により、ミネラルを植物成分に化学結合させた。不溶成分をフィルターによりろ過し、得られたろ液(「分離液」とも云う)には、ミネラルが結合した水溶性成分だけが残留するようにした。この水溶液に対し後述するCDスペクトルと吸収スペクトルが測定された。その後、ろ液を濃縮・凍結乾燥して、ミネラル添加食用植物水溶性成分粉末を得た。具体的には、パパイヤ、柿、キウィ、りんご、メロン、白菜、トマト、いちご、梨、パプリカ(赤)、パプリカ(黄)、きゅうり、たまねぎ、大根、オレンジ、カブラ、ピーマン、ぶどう、レタス、にんじん、みかん、金柑、サクランボ、パイナップル、アボカド、ゴーヤ、みょうが、にんにく、アスパラガス、生姜、たけのこ、お茶の旨みであるテアニン、秋ウコン、春ウコン、枇杷、茄子、西瓜、いちじく、桃、ジャガイモ、黒ニンニク、竹茶、ブルーベリー、プルーン、ほうれん草、さつまいも、春菊、えのき、しいたけ、しめじ、わかめ、キャベツ、だいず、マンゴ、グレープフルーツ、ブロッコリー、めかぶ、又はもずくの亜鉛粉末が得られた。
上記で得られた各食用植物亜鉛粉末水溶液のCD(円偏光二色性)スペクトル及び印加電圧を測定し、図1〜図58に示した。コントロールとして、亜鉛成分を添加していない植物成分だけの水溶液のスペクトルも示している。入射光として200nm、205nm、或いは210nm〜350nmの紫外線領域が選択され、両スペクトルの横軸は紫外線波長(Wavelength[nm])を表している。それぞれの上の図はCDスペクトルを表しており、その縦軸は、円偏光の楕円率(q/mdeg)である。下の図は、CDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧(縦軸:HT[V])を表している。
図1〜図53において、各CDスペクトルと印加電圧は、下の図に示す凡例に対応しており、実線は、植物成分のみの場合を示し、凡例には「植物名」(例:papaya)が記載されている。点線は、硫酸亜鉛を添加した植物成分のCDスペクトル及び印加電圧を示し、凡例には、「植物名+ZnSO」(例:papaya+ZnSO)として記載されている。また、一点鎖線は、グルコン酸亜鉛を添加した植物成分の測定結果を示しており、凡例には、「植物名+ZnGlu」(例:papaya+ZnGlu)として記載されている。図1〜図53のCDスペクトルにおいて、点線(硫酸亜鉛添加)又は一点鎖線(グルコン酸亜鉛添加)が硫酸亜鉛のみ(図示せず)又はグルコン酸亜鉛のみ(図54参照)のCDスペクトルを実線(植物成分のみ)に足し合わせたものより大きく異なっている場合には、亜鉛成分が植物成分に配位結合することにより配位子の構造が変化したことを示している。尚、ZnSOは、全ての波長領域でθが0であり、CDスペクトルを示さない。また、各下の図にみられるように、配位子の構造変化は印加電圧には殆ど影響を与えない。
パパイヤとZnGluを混合しただけでは、図54に示すZnGlu(点線)と図1に示すパパイヤの楕円率(実線)が合わさってプラス側に大きくなるのみである。しかしながら、図1において、パパイヤ+ZnGlu(一点鎖線)は、Znが配位結合して錯体として取り込まれたために、その配位子の構造変化を反映してプラスとマイナス側に複雑に変化したスペクトルを示している。一方、ZnSOは、前述のように、全ての波長領域でθが0であり、CDスペクトルを示さないので、パパイヤと硫酸亜鉛を混合しただけではCDスペクトルは変化しない。ところがパパイヤ+ZnSOを表す点線のCDスペクトルは、パパイヤのみのCDスペクトル(実線)と異なって大きく変化している。このことは、Znが配位結合して錯体として取り込まれたことにより、配位子が構造変化したことを示している。これらの現象は、植物の違いにより成分および構造変化には違いがあるが、図1〜図53を通して共通しており、金属無機塩と金属有機錯体は食用植物成分に化学結合したことを示している。従って、図2〜図53については、食用植物成分がパパイヤと異なるだけで上記結論は共通するから、その詳細な内容は省略する。
[実施例2]
実施例1と同様に、マンゴ、グレープフルーツ、ブロッコリー、めかぶ、及びもずく溶液にグルコン酸亜鉛(ZnGlu)を加えて調製し、室温で約1時間、攪拌した。不溶物質をろ別後、ろ液を濃縮・凍結乾燥して、それぞれマンゴ亜鉛粉末、グレープフルーツ亜鉛粉末、ブロッコリー亜鉛粉末、めかぶ亜鉛粉末、及びもずく亜鉛粉末を得た。
上記で得たマンゴ亜鉛粉末水溶液、グレープフルーツ亜鉛粉末水溶液、ブロッコリー亜鉛粉末水溶液、めかぶ亜鉛粉末水溶液、及びもずく亜鉛粉末水溶液のCDスペクトルを一点鎖線で図54〜図58の上の図に示す。コントロール(もしくは比較例)として、グルコン酸亜鉛だけの水溶液(点線)とマンゴだけの水溶液(実線)を調製し、これらのCDスペクトルを測定したものを図54〜図58の上の図に示す。下の図は、全てCDスペクトルを測定した各波長での光電子増倍管の印加電圧(縦軸:HT[V])を表している。
金属無機塩だけの水溶液は光学活性を持たないため、すべての波長領域でeは0であり、当然それらのCDスペクトル(図示せず)はみられない。光学活性なグルコン酸を配位子とするグルコン酸亜鉛のような金属有機錯体だけの水溶液(点線)では、波長依存性のあるCDスペクトルを示す。勿論、マンゴ水溶液(実線)でもCDスペクトルが観察される。しかし、マンゴ亜鉛水溶液(二点鎖線)のCDスペクトルは、混合しただけではZnGluとマンゴの楕円率(それぞれプラスとマイナス側)が合わさってそれらの中間のCDスペクトルがみられる。けれども、実際には、大きく異なってマイナス側に大きくなっており、明らかにZnが配位結合して錯体として取り込まれたことを示している。これらのスペクトル変化により、亜鉛成分がマンゴに強く化学結合したことが実証されている。これらの現象は、他の食用植物においても共通して確認されたが、その詳細は省略する。
[実施例3]
実施例1と同様にして得られたパパイヤ溶液及び黄色のパプリカ溶液に、銅源として硫酸銅(CuSO)およびグルコン酸銅(CuGlu)を加え、室温で約1時間、攪拌して溶液を調整した。不溶物質をろ別後、ろ液を濃縮・凍結乾燥により、夫々パパイヤ銅およびパプリカ銅粉末を得た。
上記で得たパパイヤ銅水溶液及びパプリカ銅水溶液の夫々のCDスペクトルを図59及び図60に示す。植物だけの水溶液は、実線、グルコン酸銅添加植物水溶液は、点線、硫酸銅添加植物水溶液は、一点鎖線で示す。CDスペクトルの点線及び一点鎖線のCDスペクトルは、実線から見積もられる植物成分と硫酸銅又はグルコン酸銅を混合しただけのCDスペクトルから大きくずれており、銅成分が植物に化学結合していることが確認された。
[実施例4]
パパイヤ溶液にカルシウム源として塩化カルシウム(CaCl)を加えて調製し、室温で約1時間、攪拌した。不溶物質をろ別後、ろ液を濃縮・凍結乾燥して、パパイヤカルシウム粉末を得た。
上記で得たパパイヤカルシウム水溶液のCDスペクトル(一点鎖線)をコントロール(比較例)であるパパイヤ水溶液(実線)と共に図61に示す。カルシウム添加水溶液のスペクトルは、パパイヤ水溶液のスペクトルから大きくずれたので、カルシウム成分がパパイヤに化学結合していることが実証された。
[実施例5]
パパイヤ溶液にマグネシウム源として硫酸マグネシウム(MgSO)を加えて調製し、室温で約1時間、攪拌した。不溶物質をろ別後、ろ液を濃縮・凍結乾燥により、パパイヤマグネシウム粉末を得た。
上記で得たパパイヤマグネシウム水溶液のCDスペクトル(一点鎖線)をコントロール(比較例)であるパパイヤ水溶液(実線)と共に図62に示す。マグネシウム添加水溶液のCDスペクトルは、パパイヤ水溶液のCDスペクトルから大きくずれたので、マグネシウム成分がパパイヤに化学結合していることが実証された。
[実施例6]
パパイヤ溶液に鉄源として硫酸鉄(II)(FeSO)を加えて調製し、室温で約1時間、攪拌した。不溶物質をろ別後、ろ液を濃縮・凍結乾燥により、パパイヤ鉄(II)粉末を得た。
上記で得たパパイヤ鉄水溶液のCDスペクトル(一点鎖線)をコントロール(比較例)であるパパイヤ水溶液(実線)と共に図63に示す。鉄添加水溶液のCDスペクトルは、パパイヤ水溶液のCDスペクトルから大きくずれたので、鉄成分がパパイヤに化学結合していることが実証された。
[実施例7]
パパイヤ溶液にマンガン源として硫酸マンガン(II)(MnSO)を加えて調製し、室温で約1時間、攪拌した。不溶物質をろ別後、ろ液を濃縮・凍結乾燥により、パパイヤマンガン(II)粉末を得た。
上記で得たパパイヤマンガン水溶液のCDスペクトル(一点鎖線)をコントロールであるパパイヤ水溶液(実線)と共に図64に示す。マンガン添加水溶液のCDスペクトルは、パパイヤ水溶液のCDスペクトルから大きくずれたので、マンガン成分がパパイヤに化学結合していることが実証された。
[実施例8:図65、ペクチナーゼを用いた実験]
ハワイアンパパイヤ果肉を一辺2cm長の角切りにし、150gを市販ミキサーを用いて10分間液化し、20メッシュの篩で粗い粒子をのぞいてスラリー状の分離液を得た。表1に示す手順に従って、パパイヤスラリーをペクチナーゼ処理した。
P およびP Zn として、2本のスクリュー栓付き試薬ビンに10mLのスラリーを入れ、そのうちの1本には、1mLの10%グルコン酸亜鉛溶液を(P Zn)、残りには水1mL(P)を加え、加熱殺菌した。また、P Zn pec、P pec Zn およびP pec は溶液を調整して、5時間後にペクチナーゼを反応させたもの。P pecは試薬ビンに10mLのスラリーおよび1mLの水、P Zn pecは10mLのスラリーおよび1mLのグルコン酸亜鉛溶液をいれた。P pec Znはスラリーを予めペクチナーゼ処理したあと、グルコン酸亜鉛を反応させた。結果は表1の最後の欄に示した。
表1において、処理記号「P pec」は、パパイヤスラリー(P)をペクチナーゼ処理(pec)したことを示し、処理記号「P Zn」は、パパイヤスラリー(P)にグルコン酸亜鉛(Zn)を添加したことを示す。処理記号「P pec Zn」は、上述のように、パパイヤスラリーにペクチナーゼ処理した後、グルコン酸亜鉛を反応させたことを示している。また、処理記号「P Zn pec」は、パパイヤスラリーにグルコン酸亜鉛を反応させて得られた水懸濁液を5時間冷蔵した後、ペクチナーゼ処理したことを示している。
Figure 2007086362
パパイヤスラリーをペクチナーゼ処理する(P pec)と粘度が著しく減少した。グルコン酸亜鉛を添加する(P Zn)と豆腐様の凝固を生じた。ペクチナーゼ処理したスラリーにグルコン酸亜鉛を加えて(P pec Zn)も粘度の増加は認められなかった。また、凝固したグルコン酸亜鉛にペクチナーゼ処理して(P Zn pec)もペクチナーゼ処理したスラリーと同程度の低粘度の製品が得られた。
次いで、これらの反応生成物1mLに49mLの水を加え、メンブレンフィルター(0.45μm)を用いて濾過した試料溶液のCDスペクトルを図65に示す。ここで、P Zn pec とP pec Zn は非常に良く似たスペクトルを与えたので、図を簡単にするため、P pec Zn のCDスペクトルのみを掲げた。
P pecは、ペクチナーゼの作用によって、パパイヤスラリーのペクチン部分だけが特異的に加水分解を受け、ガラクツロン酸およびその誘導体が生成したものである。そのCDスペクトルはパパイヤスラリーのものとよく似ているが、ピーク位置が5nm程長波長側に移動し、強度が僅かに増加する。
パパイヤスラリー(P)の吸収最大はグルコン酸亜鉛添加により、約7nm長波長側にシフトし、吸収強度が P に比べて劇的に減少する。この大きな変化はペクチンのクロモフォアであるガラクツロン酸部分が亜鉛イオンに配位し、立体構造および電子密度に大きな変化をきたした為であろう。
P Zn pec は、パパイヤスラリーにグルコン酸亜鉛を反応させて得られた水懸濁液を加熱殺菌し、5時間冷蔵したあと、ペクチナーゼを加えて、冷時に反応させたものである。また、P pec Zn は、パパイヤスラリーに5時間後、ペクチナーゼを冷時に反応させた後、10時間後にペクチナーゼを90℃、15分間加熱して破壊したものにグルコン酸亜鉛を反応させたものである。P Zn pec とP pec Zn は、同一のCDスペクトルを与え、Pに比べて5nm長波長側にシフトし、吸収強度が P Zn よりもさらに減少する。したがって、亜鉛に配位したペクチンは、遊離ペクチンと同様にペクチナーゼによる加水分解を受け、同様のフラグメントを与える事が示された。
ペクチンのCDスペクトルの研究例は殆ど無いが、最近、市販された精製ペクチンは200nm付近にプラスのCDスペクトルを与え、硫酸亜鉛を加えると210nm付近にシフトすることが報告された(非特許文献3)。それらの結果は酷似しており、本件明細書の結果と矛盾しない。
[実施例9:図66、ヘミセルラーゼを用いた実験]
ハワイアンパパイヤ果肉を一辺2cm長の角切りにし、150gを市販ミキサーを用いて10分間液化し、20メッシュの篩で粗い粒子をのぞいてスラリーを得た。2本のスクリュー栓付き試薬ビンに20mLのスラリーおよび1mLの10%グルコン酸亜鉛溶液、3本の試薬ビンには20mLのスラリーおよび1mLの水をを加えた後、100℃、15分間蒸気殺菌し、冷蔵庫に保管した。
P およびP Zn として、2本のスクリュー栓付き試薬ビンに10mLのスラリーを入れ、そのうちの1本には、1mLの10%グルコン酸亜鉛溶液を(P Zn)、残りには水1mL(P)を加え、加熱殺菌した。また、P Zn hem、P hem Zn およびP hem は、溶液を調整して、5時間後にヘミセルラーゼを反応させたものである。P hemは試薬ビンに10mLのスラリーおよび1mLの水、P Zn hemは10mLのスラリーおよび1mLのグルコン酸亜鉛溶液をいれた。P hem Znは、スラリーを予めヘミセルラーゼ処理したあと、グルコン酸亜鉛を反応させた。結果は表2の最後の欄に示した。図66及び表2の処理記号は、図65及び表1のペクチナーゼ処理(pec)をヘミセルラーゼ処理(hem)に置換したものに相当する。
Figure 2007086362
パパイヤスラリーをヘミセルラーゼ処理する(P hem)と粘度が少し減少した。スラリーにグルコン酸亜鉛を添加すると(P Zn)豆腐様の凝固を生じた。ヘミセルラーゼ処理したスラリーにグルコン酸亜鉛を加える(P hem Zn)と、P Znよりも豆腐様凝固が相当少ない製品が得られた。また、凝固したP Znをヘミセルラーゼ処理(P Zn hem)しても、P Znと同程度の凝固が生じた。
次いで、これらの反応生成物1mLに49mLの水を加え、メンブレンフィルター(0.45μm)を用いて濾過した試料溶液のCDスペクトルを図66に示す。ペクチナーゼの場合と異なり、パパイヤスラリーをヘミセルラーゼ処理したCDスペクトルはパパイヤスラリー(P)型と、パパイヤ亜鉛(PZn)型に分かれる。
パパイヤのヘミセルラーゼ処理物、P hem、はP型であり、ヘミセルラーゼによる加水分解で、クロモフォアのガラクツロン酸の周りが殆ど影響を受けていない事を示す。パパイヤのヘミセルラーゼ処理物にグルコン酸亜鉛を反応させて得られた、P hem Zn もP型である。ヘミセルラーゼ処理物のガラクツロン酸基の配位力が小さく、亜鉛イオンに配位したグルコン酸を置換できないのだろう。パパイヤ亜鉛をヘミセルラーゼ処理した生成物 P Zn hem は、パパイヤ亜鉛 P Zn と殆ど同じCDスペクトルを与える。従って、亜鉛イオンに配位したパパイヤの活性物はヘミセルラーゼの作用を殆ど受けないものと思われる。
[実施例10:亜鉛を添加したパパイヤのスラリー製造とその乾燥]
生鮮なマラドール種パパイヤ3個(約6kg)の皮をむき、二つ割りして種を取り去り、角切りにしたものを商業用ミキサーを用いてスラリーにした。
1)スラリー1kgをとり、ミキサーで撹拌しながら200mLの水にスプレイドライ助剤として100gのデキストリンを溶かした溶液をゆっくり加えた。
翌日、スラリー混合物を回転ディスクを使用したニロ社製、実験室型スプレイドライヤーを用いて乾燥し、150gの乾燥粉末を得た。
2)スラリー1kgをとり、200mLの水にスプレイドライ助剤として100gのデキストリンおよび栄養補助剤としてグルコン酸亜鉛20gを溶かした溶液をミキサーで撹拌しながらゆっくり加えた。
一時間後、スラリー混合物が豆腐状に固まり始め、翌日には全体が豆腐状になり、スプレイドライ用試料としては不適であると判断された。2Lの水で薄め、ミキサーで再細分し、そのうち1Lを上記スプレイドライ用の乾燥に供したが回転ディスクの噴出孔に固形物の沈着が起こり、乾燥を中断した。
3)スラリー1.5kgをとり、篩(60メッシュ)の縁を軽く叩きながら漉して粗い粒子を除いた。漉したスラリー1kgをミキサーで撹拌しながら、200mLの水に100gのデキストリンとグルコン酸亜鉛20gを溶かした溶液を、ゆっくり加えた。
翌日、スラリー混合物を回転ディスクを使用したニロ社製、実験室型スプレイドライヤーを用いて乾燥し、150gの乾燥粉末を得た。
4)スラリー1kgをとり、ミキサーで撹拌しながら、200mLの水に100gのデキストリンとグルコン酸亜鉛20gを溶かした溶液を、ゆっくり加えた。
一時間後、スラリー混合物が豆腐状に固まり始めたものにヘミセルラーゼ(Sigma社、H2125)5gを10mLの水に溶かした溶液を加えて一夜冷蔵庫に放置した。豆腐状固化は目立って減少した。
5)スラリー1kgをミキサーで撹拌しながら、200mLの水に100gのデキストリンとグルコン酸亜鉛20gを溶かした溶液を、ゆっくり加えた。
一時間後、スラリー混合物が豆腐状に固まり始めたものにペクチナーゼ(東京化成 P0026)1gを10mLの水に溶かした溶液を加えて一夜冷蔵庫に放置した。豆腐状固化は消失した。
[実施例11]
フジ種の未完熟リンゴ10個(約2kg)の皮をむき、二つ割りして種を取り去り、角切りにしたものを、組織の軟化とリンゴ着色の原因を作る酵素をつぶす事を目的に、5分間マイクロウエーブオーブンで加熱し、商業用ミキサーを用いてスラリーにした。37℃まで冷却したスラリー1kgをミキサーで撹拌しながら、200mLの水に100gのデキストリン、ペクチナーゼ(東京化成 P0026)1gおよび20gのグルコン酸亜鉛を溶かした溶液を、ゆっくり加え冷蔵庫に1夜放置したが豆腐化は起こらなかった。上記スプレイドライヤーにより乾燥し、150gの粉末製品を得た。
[実施例12]
メキシコ産パパイヤ亜鉛(21.76mg Zn/g)、中国産パパイヤ亜鉛(23.21mg Zn/g)およびミネラル酵母亜鉛(23.23mg Zn/g)を、10mg Zn/kg体重となるように秤量し、ミリポア水中(9mL)で攪拌した。溶液が均一になったところで、9.1μCi/mLの65Znを添加し、その後一晩攪拌し、被験物質として用いた。使用動物としては、7週令のWistar ラットの雄(12匹、各群4匹)を用いた。
[実施例13:図67、亜鉛(65Zn)の吸収実験]
図67には、実施例12の被験物質(メキシコ産パパイヤ亜鉛(MXpapaya/Zn:●)、中国産パパイヤ亜鉛(papaya/Zn:○)、ミネラル酵母亜鉛(yeast/Zn:◆))を経口投与したWistarラットの血中亜鉛濃度の時間変化を示す。前記被験物質を体重250gあたり、2mLの投与量となるように、一晩絶食したラット(各群4匹)に経口投与した(1.8μCi 65Zn/250g of rat)。
朝11:00に各被験物質の投与を行い、その後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、および24時間後にヘパリン処理した採血管で、頚静脈から約0.2mLずつ採血を行った。採血終了後、γ線カウンター(Aloka ARC-360 auto well gamma system)を用いて、積算時間60分で血液中の亜鉛量の測定を行った。
図68には、前記各種被験物質の投与24時間における血中濃度時間曲線下面積(AUC:area under curves)を示す。図67に示した血中亜鉛濃度の各時間変化から、メキシコ産パパイヤ亜鉛(MXpapaya/Zn)、中国産パパイヤ亜鉛(papaya/Zn)及びミネラル酵母亜鉛(yeast/Zn)の各AUCが見積もられている。図68の統計処理において、p<0.05;データは一元配置分散分析で解析し、次いでチューキーの多重比較検定により評価した。
[結果と考察]
パパイヤ、柿、キウィ、りんご、メロン、白菜、トマト、いちご、梨、パプリカ(赤)、パプリカ(黄)、きゅうり、たまねぎ、大根、オレンジ、カブラ、ピーマン、ぶどう、レタス、にんじん、みかん、金柑、サクランボ、パイナップル、アボカド、ゴーヤ、みょうが、にんにく、アスパラガス、生姜、たけのこ、お茶の旨みであるテアニン、秋ウコン、春ウコン、枇杷、茄子、西瓜、いちじく、桃、ジャガイモ、黒ニンニク、竹茶、ブルーベリー、プルーン、ほうれん草、さつまいも、春菊、えのき、しいたけ、しめじ、わかめ、キャベツ、だいず、マンゴ、グレープフルーツ、ブロッコリー、めかぶ、又はもずくに硫酸亜鉛及び/又はグルコン酸亜鉛錯体を添加したところ、亜鉛イオンの取り込みにより、CDスペクトルが大きく変化した。
また、パパイヤおよびパプリカ溶液に硫酸銅およびグルコン酸銅錯体を添加したところ、銅イオンの取り込みにより、CDスペクトルが大きく変化した。さらに、パパイヤ溶液に塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸鉄および硫酸マンガンを添加したところ、それぞれの金属イオンの取り込みにより、CDスペクトルが大きく変化した。これらのことから、各種金属成分が食用植物の水溶性成分及び/又は水分散性成分に強力に化学結合していることが確認された。従って、それらの水溶液から得られる粉末などの固形成分にも、金属成分が化学結合していることが実証された。
植物組織をスラリーにすると、豆腐状態となって凝固を起こすこともある。
これらの成分は、
1.バイオマス内に留まったもの
2.バイオマス外に溶出したもの
に分かれる。バイオマス外に溶出したペクチンなどはスラリーにジャム様の粘り気を与えることになる。バイオマス内に留まったペクチンなど可溶物は加熱によりバイオマス外に溶出するのでペクチンやジャムの製造には加熱工程が不可欠である。
一方、ペクチンやペクチン−ヘミセルロース・コンプレックスは分子内にガラクツロン酸などのウロン酸残基があり、金属イオンに配位結合することが出来る。豆腐様凝固は配位結合による粒子間架橋により生じるものであろう。
パパイヤをはじめとする、植物の主な細胞膜成分がガラクツロン酸を多く含むペクチンであり、このガラクツロン酸が亜鉛イオンに配位することが示された。植物組織を粗くすりつぶすと、細胞膜から溶出したペクチンとともに、膜内に留まったペクチンもある。後者に亜鉛イオンが出会うと、2個の細胞断片が1個の極めて小さな亜鉛イオンでつながれた構造ができ、繋がった細胞断片がさらに別の細胞断片とつながることを繰り返して、凝固に至る。
パパイヤスラリーをヘミセルラーゼで処理すると、ペクチンは配位力の弱い断片に分解されるので豆腐化防止に役立つが、一旦生成した架橋には殆ど作用しないので、豆腐化したスラリーは液化できない。
ペクチナーゼは強力にペクチンを断片化する上、亜鉛イオンに配位したペクチンも断片化するので、豆腐化防止としても、豆腐化した凝固体の液化にも使える。
65Zn含有の各被験物質を投与すると、血中の亜鉛濃度は上昇した。上昇の割合は、メキシコ産パパイヤ亜鉛が高く、それに続いて中国産パパイヤ亜鉛であり、ミネラル酵母亜鉛はあまり血中亜鉛濃度を上昇させなかった。
血中濃度時間曲線下面積(AUC)で比較すると、MXパパイヤ亜鉛は、中国産パパイヤ亜鉛やミネラル酵母亜鉛と比較して、有意に血中亜鉛濃度が上昇していることが確かめられた。
本発明の高亜鉛含有物は、亜鉛不足による味覚障害を改善し、生活習慣病である高脂血症や糖尿病患者などの健康状態をよくし、アテロ−ム性動脈硬化症、心臓血管疾患、高血糖症、狭心症、高血圧症、鬱血性心不全、あるいは糖尿病合併症などの治療・予防にも有用である。また、通常の食品として摂取することによりダイエット効果も期待される。
また、本発明の高銅含有物は、赤血球の形成を助け、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける。しかも、銅欠乏による貧血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、赤血球寿命の短縮、鉄欠乏に伴う心肥大、心血管異常などを予防する。更に、本発明の食品は、実質的な副作用を伴わず、ヒトに優しく、安全に、長期間摂取できる。

Claims (16)

  1. ミネラルを添加した食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分を少なくとも含有することを特徴とするミネラル含有食品。
  2. 前記ミネラルが前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に化学結合している請求項1に記載のミネラル含有食品。
  3. 前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に他の食用成分を混合した請求項1又は2に記載のミネラル含有食品。
  4. 前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分に対し前記ミネラルを500ppm以上添加した請求項1〜3のいずれかに記載のミネラル含有食品。
  5. 前記ミネラルが亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、鉄及びマンガンから選択される一種以上の元素である請求項1〜4のいずれかに記載のミネラル含有食品。
  6. 前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が、パパイヤ、柿、キウィ、りんご、メロン、白菜、トマト、いちご、梨、パプリカ、たまねぎ、大根、きゅうり、オレンジ、かぶら、ピーマン、ぶどう、レタス、にんじん、みかん、金柑、サクランボ、パイナップル、アボカド、ゴーヤ、みょうが、にんにく、アスパラガス、生姜、たけのこ、お茶の旨みであるテアニン、秋ウコン、春ウコン、枇杷、茄子、西瓜、いちじく、桃、ジャガイモ、黒ニンニク、竹茶、ブルーベリー、プルーン、ほうれん草、さつまいも、春菊、えのき、しいたけ、しめじ、わかめ、キャベツ、だいず、マンゴ、グレープフルーツ、ブロッコリー、めかぶ及びもずくから選択される一種以上の食用植物から分離される請求項1〜5のいずれかに記載のミネラル含有食品。
  7. 前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が粉体である請求項1〜6のいずれかに記載のミネラル含有食品。
  8. 前記食用植物水溶性成分及び/又は前記食用植物水分散性成分が水溶液の形態である請求項1〜6のいずれかに記載のミネラル含有食品。
  9. 食用植物を粉砕してジュース状にし、水を添加又は無添加の条件下で、前記ジュースにミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を前記食用植物に対し500ppm以上の濃度で溶解し、この溶解により前記ジュース中の食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分に前記ミネラルを化学結合させ、このジュースから固形成分を除去して得られた分離液をミネラル含有食品とすることを特徴とするミネラル含有食品の製造方法。
  10. 食用植物を粉砕してジュース状にし、このジュースから固形成分を除去して分離液を生成し、水を添加又は無添加の条件下で、前記分離液にミネラルの鉱酸塩及び/又は金属有機錯体を前記食用植物に対し500ppm以上の濃度で溶解し、この溶解により前記分離液中の食用植物水溶性成分及び/又は食用植物水分散性成分に前記ミネラルを化学結合させ、この分離液をミネラル含有食品とすることを特徴とするミネラル含有食品の製造方法。
  11. 前記ジュースを10〜80メッシュに通して前記固形成分が除去される請求項9又は10に記載のミネラル含有食品の製造方法。
  12. 前記ジュース又は前記分離液に酵素を加えて酵素処理する請求項9又は10に記載のミネラル含有食品の製造方法。
  13. 前記酵素処理の前段で前記ジュース又は前記分離液を殺菌処理する請求項12に記載のミネラル含有食品の製造方法。
  14. 前記酵素がペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ及びセルラーゼから選択される一種以上の酵素である請求項12又は13に記載のミネラル含有食品の製造方法。
  15. 最終的に得られた前記分離液からフィルタリングにより食用植物水溶性成分と食用植物水分散性成分を得る請求項9〜14のいずれかに記載のミネラル含有食品の製造方法。
  16. 最終的に得られた前記分離液から水を除去して前記ミネラルが化学結合した固形成分を製造する請求項9〜14のいずれかに記載のミネラル含有食品の製造方法。
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