JPWO2007069718A1 - 液状媒体等の気化分離装置 - Google Patents

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勝己 是友
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Abstract

大型化に対応可能な全自動式液状媒体の気化分離装置を提供することにある。液状媒体の、又は前記液状媒体と非揮発性物質とを含む混合液の、うちのいずれか一方の液体が貯留されることによって液体の液面が形成される気化手段であって、前記液状媒体を気化させて気化媒体とする気化手段と、前記気化手段から排出された気体と前記気化媒体とを冷却して、前記気化媒体を凝縮した凝縮媒体にすることによって前記気体から分離する分離手段と、を含む液状媒体及び混合液の気化分離装置において、前記気体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記気化手段内の所定位置における圧力と前記気体の圧力との差圧を検出する差圧検出手段と、前記気体の圧力と前記差圧とに基づいて、前記所定位置を基準とした前記液体の液面位置を、算出液面位置として算出する算出手段と、を含む、液状媒体及び混合液の気化分離装置である。

Description

本発明は、液状媒体等の気化分離装置であって、変動する液状媒体等の液面位置を高精度で測定可能である大型化に対応可能な全自動式装置に関する。
近年、環境問題に関する関心が高まっており、また、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質等を管理するためのISOといった国際規格及びPRTR(Pollutant Release and Transfer Register)のような法制度が一段と整備されてきている。このような動きを受けて、溶媒の排出量を削減するため、使用済み液状媒体等を再利用することに関心が高まっており、この目的に供する装置として、最近、有機溶媒蒸留装置、溶媒再生装置、自動溶剤回収装置等の名称で各種の分離装置が市販されている。
しかし、従来の装置は、いずれも大気圧または減圧での蒸留(溶媒を沸点まで加熱して飽和蒸気を作り、この飽和蒸気を分け取る方法)を媒体分離の原理としており、それらの装置の概念図を図1及び図2に示す。図中の符号は、11:蒸発用丸底フラスコであり、12:加温浴であり、13:温度計であり、14:凝縮用冷却コンデンサーであり、15:回収受器であり、16:冷媒接続口であり、17:カラム塔であり、18:電磁弁である。図1は、汎用されている有機溶媒の単蒸留装置であり、沸騰させた溶媒蒸気を凝縮部(凝縮用冷却コンデンサー14)に導き、ここで凝縮させて溶媒を分離精製する。図2の蒸留装置は、2種類以上の溶媒が混合された混合溶媒を、単成分の溶媒に分離精製する装置であって、この装置の蒸発部に溶媒を満たし、蒸発部の蒸発用丸底フラスコ11は垂直に延びた分留部(カラム塔17)に連結され、このカラムの上部に凝縮部(凝縮用冷却コンデンサー14)が連結され、そこから枝管が延びて回収受器15に接続されており、この枝管は上部でさらに分岐して分留カラム塔17の上部へ凝縮液の一部が還流するように工夫されている。そのため、回収と還流とは電磁弁18、19等で制御する等して溶媒の分別蒸留を可能としている。要するに、有機溶媒を沸騰させて還流と分取を適当に切換えながら混合溶媒を精製する装置である。そして、蒸留精製の終点は目視または計器等を目安とする手動作業により確認している。
例えば、n−ブタノール、酢酸ブチル、水、2−ブトキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタノールからなる使用済みの廃液から高純度のn−ブタノール及び水を、水相と溶剤相を沈降分離し、減圧下で精留を繰り返して回収する方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この精製方法も、溶剤を沸騰蒸留する経験的な手法による精製方法に準拠しており、上述と同様に手動による方法である。
これらの装置の欠点としては、(1)溶媒蒸気圧の力を利用するために、溶媒を沸点以上に加熱する必要があり、したがって、引火点の低い液状媒体等では安全操作の観点から恒常的に人的注意が不可欠であること、さらに、(2)循環システム系でない従来の装置では、連続運転に際し、その構造上の制約から、溶媒の追加、精製溶媒の取り出し、濃縮母液の排出等を自動化するための装置上の機構が複雑になること、さらに、(3)装置が複雑であること、操作が煩雑であること、等の解決すべき問題が多い。他方、液状媒体等を多量に精製する従来技術では、回分式に操作するものが殆どで、強制的に液状媒体等に接触させる気体を液状媒体等回収装置内で循環させて、該媒体を回収分離する方式の、いわゆる液状媒体等の完全自動回収型の生産設備は見当たらない。また、多くの市販装置は、液状媒体等の注入、受器の回収液の排出、蒸発釜中の残査を排出する等の操作等のいずれかが部分的に自動化されたものの実用化に過ぎない。そこで、突沸現象防止制御機構を搭載した大型の溶媒回収装置が強く待望されている。
そこで、従来は突沸現象対策として、未処理精製液が回収液へ混入するのを防止する隔壁を設けていたが、気化器の形状が複雑になること、そのような加工を可能とする材料が限られることという問題点があった。
また、気化部分の液面位置を精密に制御して運転し、突沸現象を含めた上述の問題点を制御することが検討されている。液面位置をセンシングする方法として、静電容量式、フロートスイッチ式、電極式、超音波式、振動式、光センサー式等が使われている。静電容量式、電極式及び超音波式等の液面計では、例えば、コンデンサー容量や伝導度の変化及び超音波波形等での液面位置のセンシングは、固溶体溶液系での測定が不正確になる等、いずれも濃縮釜中での直接測定には解決すべき問題を残しており、大型装置での応用展開には至っていない。また、ロータリーエバポレーターのような回転容器内では、液体の液面が変動するためにフロートスイッチを機能させるのは困難である。他方、密閉されたステンレス製の蒸発釜の中では、外部から光が液相を通過させられない等の問題があり、自動センシングには本質的に向かないという欠点がある。
例えば、送風手段を介して気体に流れを生じさせた循環路が通じる貯留器中に蒸発促進手段(回転盤)を備え、貯留器の液面位置を検出する方法が知られている(特許文献2)。しかし、気化器の形状が複雑になるという問題点があった。
傾斜させた気化器を回転させて液面積を増加させて気化を促進させた方法では、3次元で変化する液面位置の検出は光センサ、CCDセンサ等によって行うことが知られている。光センサを用いる場合(特許文献3)、容器が透明である必要があり、材料が限られるため、装置の自動化、大型化ができないという問題があった。また、CCDセンサを用いる場合(特許文献4)、連続的に流動する液面の画像処理が複雑であるので、装置の大型化が困難であるという問題があった。
また、差圧計と、重量計を組み合わせた方法が知られている(特許文献5)。差圧計で液面位置を検出するには、容器内の液相の圧力と、容器内気相の圧力の差を検出し、その差圧が液相に設けられた検出管のヘッド圧によるものであることを利用し、この差圧から液面位置を特定している。差圧計のみでは、液面位置の測定精度が低いために、重量計を併用して、較正することにより、測定精度を要求水準まで改善させている。
しかし、このような差圧計・重量計の併用では、変動している液面(たとえば、撹拌・混合されている液体の液面)を測定することは困難である。まず液面位置を検出する精度が要求水準を満たさないほど低くなる。そして、重量計により較正するとしても、変動する液体また、差圧計と重量計測等の手段を併用したとしても液面位置を特定することは困難であった。
上記のいずれの方法も、蒸留器への被精製液の注入、精製液の排出、残査の排出等のような一連の気化分離操作を要求される水準あるいはコスト内での、変動する液体の液面位置を測定できなかった。そこで、液状媒体等を連続的に蒸発回収を行うことを可能とする程度に、変動する液面位置を連続的に測定することを可能とする機構を有する気化分離装置が求められていた。
特許平4−86978号公報 特開2000−202201号公報 実用新案公開平5−7301号公報 特開2004−148169号公報 特開平10−328548号公報
本発明の目的は、上記の従来装置の欠点を解決し、液状媒体、混合液のような処理対象を、液状媒体等の変動する液面位置を測定することを通じて、あらゆる圧力条件で、自動制御により気化分離できる新規な装置を提供することにある。
本発明は、液状媒体の、又は前記液状媒体と非揮発性物質とを含む混合液の、うちのいずれか一方の液体が貯留されることによって液体の液面が形成される気化手段であって、前記液状媒体を気化させて気化媒体とする気化手段と、
前記気化手段から排出された気体と前記気化媒体とを冷却して、前記気化媒体を凝縮した凝縮媒体にすることによって前記気体から分離する分離手段と、を含む液状媒体及び混合液の気化分離装置において、
前記気体の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記気化手段内の所定位置における圧力と前記気体の圧力との差圧を検出する差圧検出手段と、
前記気体の圧力と前記差圧とに基づいて、前記所定位置を基準とした前記液体の液面位置を、算出液面位置として算出する算出手段と、を含み、
前記液体の液面位置は、前記液体の気化により変動し、
前記算出液面位置は、前記液体の液面位置が静止しているときに対応した液面位置である、液状媒体及び混合液の気化分離装置である。
本発明は、変動する液体の液面位置を測定し、単に被精製溶液の注入量を確認するのみでなく、突沸現象防止等を自動的に行う装置である。オペレーターによる人為的な操作や監視をする部分を必要とする部分自動化とは異なり自動化された制御系を達成する装置である。
本発明の装置は、液状媒体等の気化分離装置であって、変動する液状媒体等の液面位置を高精度で測定可能である大型化に対応可能な装置である。さらには、処理対象及び操作条件の対応範囲が広範であること、制御機構も自動化可能であるので、従来の安全対策機構が不要であることから、信頼性及び安全性が高く、また低コストな装置である。
従来の有機溶媒単蒸留装置を示す概略図である。 従来の有機溶媒分別蒸留装置を示す概略図である。 本発明の液状媒体等の気化分離装置の機能ブロック図である。 本発明の液状媒体等の気化分離装置を示す概略図である。 本発明の液状媒体等の気化分離装置を用いて、低沸点と高沸点液状媒体を分ける際の、容器110内の液温の経時グラフを図5に示す。
図3は、本発明の装置の構成を示す構成ブロック図である。
図3に示すように、本発明の気化分離装置10は、気化手段2と、分離手段4と、圧力検出手段6と、差圧検出手段7と、算出手段8とからなる。尚、図3において、圧力検出手段6からは、気体の圧力を示す信号が算出手段8に発せられ、差圧検出手段7からは、気化手段2内の所定位置における圧力と気体の圧力との差圧を示す信号が算出手段8に発せられ、算出手段8は算出液面位置を算出する。
気化手段2は、液状媒体の、又は液状媒体と非揮発性物質とを含む混合液の、うちのいずれか一方の液体が貯留されることによって液体の液面が形成される気化手段2であって、前記液状媒体を気化させて気化媒体とする。
また、分離手段4は、気化手段2から排出された気体と気化媒体とを冷却して、気化媒体を凝縮した凝縮媒体にすることによって気体から分離する。
さらに、圧力検出手段6は、気体の圧力を検出する。
差圧検出手段7は、気化手段2内の所定位置における圧力と気体の圧力との差圧を検出する。ここで、所定位置とは、気化手段2内に設けられた所定の位置であって、第一〜第三の液面位置よりも下の位置である。所定位置が液面位置より上にあるとき、差圧は生じないので0を示す。所定位置が液面位置より下にあるとき、差圧が生じる。所定位置が液面位置より下にあり、その深さが深いほど差圧は増大する。
算出手段8は、圧力検出手段6が検出した気体の圧力と、差圧検出手段7が検出した差圧とに基づいて、気化手段内の所定位置を基準とした液体の液面位置を、算出液面位置として算出する。差圧は、液体の深さに比例するので、容器の形状から決定される液体の面積で差圧を割ることにより、所定位置の液面位置からの深さが求められる。上述のとおり差圧の値から、所定位置からの静止しているときに対応する液面位置を求め、それに気体の圧力の時間変化率を加えて、液体の液面位置を算出することが好ましい。実際の液体の液面位置は、液体の気化により変動するため、上述した算出液面位置を算出することは、液体の液面位置が静止しているときに対応する液面位置を算出することを意味する。
これは数式で以下のように示される。
所定の液体の液面位置からの気化手段2内の所定位置の深さをH(mm)としたとき、所定位置における圧力と気体の圧力との差圧を測定し、このときの差圧値ΔPを得る。得られたH/ΔPを係数として定義する。液体の算出液面位置をY(mm)とし、制御開始からの所要時間t(秒)後における、差圧をΔP(kPa)とし、気体の圧力をp(t)とするとき:
p(t)の時間変化率であるdp(t)/dt<0.5(kPa/秒)である場合、
算出液面位置Y=(H/ΔP)×ΔP
として示される。
p(t)の時間変化率であるdp(t)/dt≧0.5(kPa/秒)である場合、
算出液面位置Y=1.5H
として示される。
「液状媒体」とは、液状である限り特に限定されない。単独の媒体でも二種以上の混合媒体でもよく、有機溶媒でも無機溶媒でもよく、極性溶媒でも無極性溶媒でもよい。常温・大気圧で液体である媒体であることが好ましい。液状媒体として、例えば、沸点50℃以下の低沸点媒体、例えば、エーテル類、塩化メチレン、ペンタンが挙げられる。沸点50〜100℃の中沸点媒体、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、アセトニトリル、エタノール、若しくはメタノールのようなアルコールが挙げられる。沸点100℃以上の高沸点媒体、例えば、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)が挙げられる。
「混合液」は、非揮発性物質と液状媒体とを含み、懸濁液及び乳化液等のような均一物質系でも、不均一物質系の状態にある混合液でもよい。混合液としては、具体的には、液状媒体を、合成溶剤、抽出剤、洗浄剤、溶出剤、展開剤、吸収剤、分散溶剤等、希釈剤として用いた後の状態を挙げることができる。例えば、精密化学薬品合成の溶剤、電子基板及び液晶フィルム等の洗浄、生薬等の抽出及びそれらの分離精製、カラム及び逆相クロマトグラフィー等に使用した液状媒体又は各種洗浄液等の再生処理等が挙げられる。
ここで、「液体」は、液状媒体、及び液状媒体と非揮発性物質とを含む混合液の両方の意味を包含する。
「非揮発性物質」は、混合液中に、液状媒体と共に液相に存在する、非揮発性の液体、固体又はそれらの混合物である。具体的には、液状媒体を希釈剤、抽出剤等として用いた、検体、抽出物等が挙げられる。
「気体」は、処理される液状媒体等に対して不活性であり、かつ、冷媒で冷却されたときにも気体状態を維持する気体であれば、特に制限されない。尚、処理に付される液状媒体を考慮して決定される条件(例えば、気化条件や凝縮条件)に応じて、それに適した気体(例えば、キャリアーガス、検出用ガス)を選択する。具体的には、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及びそれらの乾燥気体等を挙げることができるが、コスト面から窒素又は空気が好ましい。
「分離気体」は、分離手段を通過した気体であり、液状媒体が気化した媒体(以下、気化媒体と略す)は気体と混合されて混合気体を形成するが、分離手段を通過すると、気化媒体は凝縮されて液状媒体となり、気体と分離されるため、本質的に気化媒体を含んでいない気体である。したがって、分離気体内の気化媒体の分圧は非常に小さく、気体と媒体とを接触させた時に、媒体を気化させやすい。但し、分離条件に依存して、分離気体が気化媒体をある程度含む場合、気化条件に依存して分離気体が気化媒体を含む場合もある。
「液体の液面」は、上述の液体が貯留されることによって形成される液体の液面である。液体の貯留は、例えば気化手段2を構成する容器に液体を貯留させることであり、そのときに容器内で形成される液体の表面が液面である。
以下においては、上述した気化手段2と、分離手段4と、圧力検出手段6と、差圧検出手段7と、算出手段8とについて説明する。
<気化手段2>
上述したように、気化手段2は、液状媒体(例えば溶媒)の、又は液状媒体と非揮発性物質とを含む混合液の、うちのいずれか一方の液体が貯留されることによって液体の液面が形成される気化手段であって、液状媒体を気化させて気化媒体とする。気化手段2においては、液体の液面は液体の気化により変動しており、例えば突沸現象のような泡立ちを伴う急激な気化により大きく変動する場合がある。このような突沸現象が生じた場合であっても、算出手段8によって、気化手段2内の所定位置における圧力と気体の圧力とから、気化手段内の所定位置を基準とした液体の液面位置を、算出液面位置として算出することができる。そして、気化手段2においては、液状媒体の気化速度を調整するために、後述の気−液界面の面積を増大させる手段、補助的な加熱手段を用いることができる。
また、気化手段2において、混合液に含まれる非揮発性物質は気化されず、液状媒体のみが気化されるため、液状媒体が気化されるにつれ、混合液は濃縮される。そこで、本発明の気化手段2として、通常、液体の媒体の濃縮手段として知られる手段(例えば、後述する図4の気化装置100)を用いることができる。
気化手段の形状は、減圧及び加圧に耐える形状であり、液体の液面が形成されるものであれば特に限定されない。後述する液面変動手段を備えることが好ましい。
<分離手段4>
上述したように、分離手段4は、気化手段2から排出された気体(例えば、キャリアーガス)と気化媒体とを冷却して、気化媒体を凝縮した凝縮媒体にすることによって気体から分離する。
この分離手段4においては、気化手段2で液状媒体を気化した気化媒体のうちの一部を凝縮して、凝縮された媒体と気化媒体の一部と分離気体とに分離する部分分離手段、あるいは気化手段で液状媒体を気化した気化媒体のうちの全部を凝縮して、凝縮された媒体と分離気体とに分離する完全分離手段、あるいは部分分離手段及び完全分離手段の組み合わせを用いることができる。分離手段4における分離速度は、気化手段2における液状媒体の蒸気圧曲線と気体の圧力とから算出し、後述する気体供給手段により供給される気体の供給量により調整することができる。分離速度及び混合液中の非揮発性物質の濃縮率は、取り扱い性、経済性及び得られる非揮発性物質の形態を考慮して、決定することが好ましい。
例えば、気化手段2内の圧力が大気圧よりも低い状態で気化させるとき(減圧下)、経済性の面から、部分分離手段を用いることが好ましい。そして、減圧下に部分分離手段を用いる場合、部分分離手段で分離されなかった気化媒体を、場合により、更なる別個の分離手段に供給し、大気圧下に分離することができる。
分離手段4における分離条件に関しては、気化させた液状媒体が凝縮されて液体の状態となる温度条件であれば特に限定されない。
気化分離(回収)効率を高めるためには、媒体の凝縮温度をより低い温度に設定することが好適である。低沸点媒体の場合、0〜−40℃が好ましく、−10〜−40℃がより好ましい。中沸点媒体の場合、10〜−30℃が好ましく、0〜−30℃がより好ましい。高沸点媒体の場合、20〜−20℃が好ましく、10〜−20℃がより好ましい。
あるいは、経済性を高めるためには、上述のように、減圧下に部分分離手段を用いる場合と大気圧下の更なる分離手段の併用により、気化分離媒体の凝縮温度をより高い温度に設定することできる。低沸点媒体の場合、0〜−25℃が好ましく、−5〜−15℃がより好ましい。中沸点媒体の場合、5〜−20℃が好ましく、5〜−10℃がより好ましい。高沸点媒体の場合、20〜0℃が好ましく、種類により高沸点媒体が凍結する場合を考慮すると20〜10℃がより好ましい。
また、分離手段4を通る気化媒体の流速は、特に制限されないが、気化媒体自体の凝縮に影響を与えない流速が好ましい。
本発明の分離手段4として、溶媒蒸気を凝縮させるコンデンサーの形状を用いることができる。効率を考慮すると、本発明者らの有機溶媒精製回収装置(特許3244639)をコンデンサーとして使用することが最も好ましい。
<圧力検出手段6>
上述したように、気体の圧力を検出する。圧力検出手段6(例えば、図4の連成計160を用いることが好ましい)は、気体の圧力を検出し、その測定の範囲は正圧領域から負圧領域にわたることが好ましい。圧力検出手段6は、例えば、−100kPa〜+100kPaの測定範囲を、DC4〜20mA、又はDC1〜5Vでアナログ出力可能な計器であることが好ましい。ここで、気体の圧力は、上述のように部分分離手段及び混合気体供給手段を用いる場合は、気体及び気化された媒体の混合気体の圧力である。圧力検出手段6からは算出手段8へ気体の圧力を示す信号が発せられる。
<差圧検出手段7>
上述のように、気化手段2内の所定位置における圧力と気体の圧力との差圧を、例えば差圧計(後述する図4の差圧計180を用いることが好ましい)により検出する。気化手段2内の所定位置における圧力は、気化手段2内の液体の液面下に設けられた(後述する図4の検出管112を用いることが好ましい)の出口における圧力(液頭圧)であり、液体の液面位置が静止しているときに対応する液面位置からの検出管の液面下の深度で表した液頭圧に相当する。検出管の液頭圧は、検出管に満たされた気体(例えば、検出用ガス)の出口圧力であり、検出管に所定の流量の気体を流すことにより、液頭圧と、検出管出口の液体の圧力とはほぼ平衡とされ、液頭圧は検出管出口の液体の圧力と同じとみなすことができる。差圧検出手段7からは算出手段8へ気化手段2内の所定位置における圧力と気体の圧力との差圧を示す信号が発せられる。
差圧計は、0〜反応器内における液面位置の2倍程度の液頭圧を測定できることが好ましい。
<算出手段8>
上述のように、圧力検出手段6からは算出手段8へ気体の圧力を示す信号が発せられ、差圧検出手段7からは算出手段8へ気化手段2内の所定位置における圧力と気体の圧力との差圧を示す信号が発せられる。発せられたこれらの信号は算出手段8に供給される。算出手段8は、気体の圧力と差圧とから、気化手段2内の所定位置を基準とした液体の液面位置を、算出液面位置として算出する。気体の圧力と差圧から、例えば上述の式によって液面位置を算出することが好ましい。上述の差圧検出手段から得られた差圧を、気体の圧力で較正し、正確な差圧を得て、その値を、気化手段2における液体の容積(面積と深さ)に基づき、液体の液面位置が静止しているときに対応する液面位置からの気化手段2内の所定位置の距離を求めることにより、算出液面位置を算出する。ここで、算出液面位置は、液体の液面位置が静止しているときに対応する液面位置である。
本発明に係る気化分離装置は、例えば、溶媒の濃縮回収装置に用いることができる。このようにした場合には、液体の気化分離装置は、以下の液面変動手段、液体供給手段、気体供給手段、停止手段、非揮発性物質排出手段及び気体調整手段を有するものが好ましい。
<液面変動手段>
液体の液面を機械的に変動させることができる。それにより、気体と液体とが接触する面積を積極的に増大させ、気化速度を調整することができる。
気体と液体とが接触する面積を増大させる手段としては、流動機能を容器に備える手段、あるいは流動気体を利用する手段が挙げられる。
液体の液面を機械的に変動させる手段としては、電気モータを備えた容器回転型変動手段あるいは容器固定型変動手段を用いることができる。電気モータを備えた容器回転型変動手段は、容器自体を電動モータによって回転させる容器回転型である。容器回転型として、回転軸が水平又は傾斜する2種類のタイプについて、例えば水平円筒型、V型、ダブルコーン型、立方体型、丸底フラスコ型が挙げられる。あるいは電気モータを備えた容器固定型変動手段は、容器内に電動モータによって回転する羽根を設けて、羽根によって容器内の流体を流動させる容器固定型である。容器固定型として、混合羽根の回転軸が水平又は傾斜する2種類のタイプについて、例えばリボン型、スクリュー型、パドル型が挙げられる。
また、流動気体を利用する手段としては、液体と気体の境膜部に気体を積極的に接触させることにより気体と液体とが接触する面積を増大させることもできる。境膜部に気体を接触させ、ポンプ等を使って気体に流れを与えて、気流に変え、この気流を液体に吹きつけるか、混合液中をバブリングする等して行うことができる。このように、液体と気体の界面に形成される境膜部に気流を接触させることにより、気化された媒体を境膜部から移動させ、常時境膜部を更新させて気化の効率を高めることができる。
液面変動手段を備えた気化手段2としては、例えば、小規模の場合は、単蒸留装置が好ましく、200L前後の規模までは、大型のロータリーエバポレーターが好ましく、また、200〜10000Lの大型装置では、撹拌型の耐圧製の反応釜、回転式コニカル型の濃縮噐のような装置内に気化分離された溶媒の液溜を有する気化分離装置10が挙げられる。
<液体供給手段>
液体供給手段は、気体循環手段と、気体調整手段と、液体を貯留する容器とを含む。
算出液面位置が、第一の液面位置となるまで、気化手段2に液体を供給する。気化手段内の気体の圧力を低くし、その状態で気化手段2(後述する図4の容器110)に液体を貯留する容器(後述する図4の精製前原液タンク156)への接続を通にすることにより(後述する図4の配管22に設けられた自動弁(図示せず)を用いることが好ましい)、液体を供給する。
<気体供給手段>
気体供給手段は、気体循環手段と、気体調整手段とを含む。
気体を上述の気化手段2に気体(例えばキャリアーガス)として供給する気体循環手段(後述する図4のポンプ200)により、気化分離装置10内に気体を循環させる。気体調整手段(後述する図4の給気口52、供給口56、排気口54)は、気体を供給又は排出する。気体循環手段と共に気体調整手段を用いることにより、気体の圧力を変化させて、気化分離装置10内に気体を供給することができる。
気化分離装置10内の気体を装置外に排出するか、又は気体を気化分離装置10外から供給する気体調整手段(後述する図4の給気口52、排出口54)により、気体を気化分離装置10外に排出する場合には、気体の圧力は低下(減圧)され、あるいは気体を気化分離装置10外から供給する場合には、気体の圧力は増加(加圧)される。また、気体供給手段として、気化媒体の一部と分離気体の混合気体を供給する混合気体供給手段とすることができる。
上述したポンプ(例えば後述する図4のポンプ200)は、耐薬品性を備えたポンプであればよい。例えば、気体循環用のポンプが好ましく、特に、内部がフッ素樹脂製のダイヤフラムポンプが好ましい。蒸気ミストが発生しない条件下でポンプを使用することにより、気化手段2内で緩やかに気体を循環させることができる。
ポンプは、気体を気化分離装置10内に循環させる機能を有していればよい。ポンプの気体供給能力、言い換えると排出量は、後述のとおり装置の全容積に依存して選択される。
また、ポンプの気体移動能力として、1分間に本発明の気化手段と分離手段を構成する装置での全内容積に対して0.1〜10倍の範囲の気体を移動させる能力が必要であるが、好ましくは、1分間に0.3〜5倍の範囲の気体を排気させる能力のあるポンプを使用する。例えば、当該気化手段と分離手段を構成する装置の内容積の総和が30Lであるならば、排気量が10〜100L/minの排気能力のあるフッ素樹脂製のダイヤフラムポンプを使用できるが、好ましくは、排気量が20〜40L/minのダイヤフラムポンプを使用するとよい。
気体調整手段(後述する図4の給気口52、供給口56、排出口54)の供給口或いは排出口には自動弁を設ける。自動弁は、流量制御計、オリフィス付き自動弁、流量調整弁、圧力調整弁等である。自動弁を供給、排出のいずれかの機能及び所定の流量に合わせて任意に選択する。
場合により、気化手段2への供給口に分岐(図示せず)を設けてもよい。分岐を介して、更なる気化分離装置に接続することができる。このような場合、気化分離装置の一つを減圧下の部分凝縮条件とし、他の一つを大気圧下の(通常)凝縮条件として、気化分離率を向上させることができる。
<停止手段>
算出手段8によって算出された算出液面位置が、第二の液面位置を超えたときに、あるいは算出液面位置が、第三の液面位置と同じとなったときに、気体供給手段(後述する図4のポンプ200、給気口52、供給口56、排気口54)による気体の供給を停止させる。
第二の液面位置は、気体の供給を一時停止する位置であり、突沸現象とする泡立ちの高さに相当する。突沸現象は、液面位置に大きな変動(例えば、液面位置の1.5倍程度の泡立ち)として検出される。変動が常態に戻るまで(例えば、数秒)、気体の供給が停止される。
第二の液面位置よりも低い第三の液面位置は、気化分離を停止する位置であり、容器110内の残液量に基づき設定する。
<非揮発性物質排出手段>
気化手段2内の圧力を気体の供給により高めて、非揮発性物質を気化手段2から排出させる。気化分離の停止後、気体の圧力を気体の供給により高め、濃縮液を排出する容器(後述する図4の残渣タンク158)に接続し、非揮発性物質を排出する。
以下においては、本発明の気化分離装置、例えば溶媒の濃縮回収装置に、任意に設けることができる手段、例えば加熱手段、気体浄化手段について説明する(図示せず)。
また、本発明においては、気化手段2において液体の気化を促進するために、補助的な加熱手段(図示せず)を用いることができる。好適には液体の温度を沸点以下の温度で気化させることが好ましい。例えば、沸点が100℃を超える高沸点の液状媒体に関しては、圧力を調節することにより100℃以下で蒸発させる温度に調節するとよい。また、低沸点有機溶媒に関しては、沸点より5〜10℃低い温度に調節することが好適である。但し、沸点以上の温度で気化させてもよい。
また、液体を液状媒体の沸点以下の温度まで加熱するために、気化手段2において、液体が貯留される容器を保持する部分と加熱部を兼用させることができる(図示せず)。また、気化手段2が閉鎖された装置である場合、加熱手段をその装置の外側に設けて、その装置全体を加熱することができる。
<気体浄化手段>
本発明においては、気体浄化手段(図示せず)を更に含むことができる。気体浄化手段は、微細な粒状物、酸、アルカリ等を除くための手段(例えば、吸着フィルター、洗浄トラップ)である。気体浄化手段は、本発明の気化分離装置10において、設けることが可能ないずれの経路に設けてもよい。例えば、気化手段2からの導出経路(例えば、図4の配管28、30)に設けることが好ましく、あるいは気化手段2に気体(キャリアーガス)を供給するための供給口(後述する図4の気体供給口114)に設けることが好ましい。
なお、本発明の好適なものとしては、閉鎖系にして気体を循環させる態様をあげることができる。大気圧の装置内で気体が循環することで高い気化分離率を維持することが可能となる。また、閉鎖系で大半の液状媒体を気化分離し、その後一部開放系にしてリークさせる態様も選択することができる。後者の場合、一部大気圧系にリークさせる態様となるが、大気圧系への放出する前に気体浄化手段でトラップすることにより、外部に媒体が放散する機会を最低限に押さえることができる。
本発明の装置に用いる材料は、気体及び液体に対し非透過性で耐薬品性を備えた材料である。本発明の気化部を含めた装置は、外部から見える必要はなく、不透明とすることができる。材料の例として、炭素材料、ガラス、ほうろう、ステンレス鋼、GL鋼、GLステンレス鋼、セラミックスのような無機材料;ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂、過フッ化アルコキシ樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、フッ素樹脂のような有機材料;金属、遷移金属、貴金属、それらの合金、例えばAl−Mg合金、Cu合金(例えば、Cu−Sn合金、Sn−Zn合金、Cu−AL合金、Cu−Ni合金)、Ni合金(例えば、Ni−Cu合金、Ni−Mo合金、Ni−Cr合金)のような金属材料;又は複合材料;或いはそれ自体は気体及び液体に対し非透過性で耐薬品性を備えた材料ではないが、気体及び液体に対し非透過性で耐薬品性を備えた材料で被覆された材料等が挙げられる。装置に用いる材料は、ガラス、フッ素樹脂、ステンレス、GLステンレスが好ましい。
本発明は、例えば有機合成化学工業における反応釜等で用いる溶剤の濃縮、生薬等のような天然物の抽出液の濃縮、環境化学分析での微量成分の濃縮、蒸留装置での濃縮回収、液状の検体の濃縮;あるいは、機械装置、機構部品、基板、金型、フォトレジスト等の洗浄液の回収等に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の好ましい実施態様の液状媒体及び混合液の気化分離装置の概念図を、図4に示す。
図4に示すように、液状媒体及び混合液の気化分離装置は、気化手段である気化装置100と、分離手段である分離装置140と、圧力検出手段である連成計160と、差圧検出手段である差圧計180と、算出手段と、検出制御装置300、及びその他の付属装置を含む。
<気化装置100>
気化装置100は、容器110を含み、容器110は、容器110内の所定位置における圧力を検出するための検出管112と、容器110に気体を供給するための供給口114と、容器110内に精製前原液を供給するか、又は濃縮液を排出する移送口116と、容器110内の溶媒の温度を測定するための温度センサを有する温度管118とを備えている。また、場合により熱源部を兼用する保持台、液体の液面を機械的に変動させる電動モータを備えた液面変動制御手段(いずれも図示せず)を含めてもよい。ここで、検出管112の所定位置は、第一〜第三の液面位置のいずれよりも低くすることが好ましい。
容器110は、その一端に冷却用コンデンサー144及び濃縮(気化分離)液受け器150への可動性の連結部が形成された長尺な形状、例えば、フラスコ状、試験管状の形状を有することが好ましい。
容器110内に設けられた導管は、目的や用途に従って使い分けられる。気体、液体及び気化した媒体の移動の導管(例えば、図4の供給口114及び導管116)には口径サイズの大きな導管が用いる。液面位置の検出管(例えば、図4の検出管112)にはやや細目の導管が用いられる。また、気化手段2内の容器110に挿入する導管の材質は、耐蝕金属製、ガラス製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製等の耐溶媒性能のあるものを使用することができるが、好ましくはフッ素樹脂製を使用することが好ましい。
温度管118は、備えられた温度センサにより容器110内の温度を検出する。温度管118に設けられた温度センサ(図4中では符号「T」で示す)と、後述する検出制御手段300とは、配線314により電気的に接続されている。図4の温度センサ(符号「T」)の下部に示した白抜き四角は、温度センサから信号を出力する出力部を示す。温度センサの出力部は、検出された温度の値を示す信号を検出制御手段300に発する。
低沸点の液状媒体と高沸点の液状媒体とを含む液体を気化分離する場合に、温度センサにより、低沸点の液状媒体の気化終了を示す液体の変曲点を検出する(例えば、図5のグラフ)。変曲点以前に気化分離する溶媒は低沸点の溶媒であり、変曲点以降に気化分離する溶媒は高沸点の溶媒である。変曲点に到達した時、気化分離装置10内の気体の循環を停止させる。濃縮(回収)液受器150を交換するか、濃縮(回収)液受器150から精製済み溶媒を低沸点用とした精製回収媒液タンク154に排出する。その後、気化分離を再開し、高沸点の溶媒を濃縮(回収)液受器150に分離し、高沸点とした精製回収媒液タンク154に排出することができる。
容器110を保持台(図示せず)で保持することができ、保持台と熱源部(図示せず)を兼用させ、容器110の温度を調整させることができる。熱源部は、検出制御手段300に、配線312により電気的に接続されている。図4の容器110の下部に設けられた熱源部の下部に示した白抜き四角は、熱源部を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この熱源部を駆動するための信号に基づき、容器110を加熱する。熱源部としては、液体の沸点を考慮して、湯浴、オイル浴、加熱台等を用いることができる。安全性の点から、湯浴が好ましい。
容器110には、上述のように液体の液面を機械的に変動させる、電気モータを備えた容器回転型変動手段あるいは容器固定型変動手段を備えることができる。電気モータを備えた容器回転型変動手段は、容器自体を電動モータによって回転させて、液体の液面を機械的に変動させる(例えば、ロータリーエバポレーターが好ましい)。電気モータを備えた容器固定型変動手段は、容器内に設けた羽根を回転させて、液体の液面を機械的に変動させる。これらの変動手段の電動モータは検出制御手段300に、配線310により電気的に接続されている。図4の容器入口の下部に示した白抜き四角は、変動手段の電動モータを駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この変動手段の電動モータを駆動するための制御信号に基づき、電動モータは作動して、液体の液面を変動させる。
上述したように、容器110の上部には、気体供給口114が形成されている。気体供給口114のノズル下端部は開放されており、気体供給口114を通じて供給された気体をノズルから下方に向かって排出することができる。気体供給口114のノズルの下端部が、容器110に注入されている液体の液面位置よりも上に(例えば、第二の液面位置よりも上に)設ける場合、上述した、気流を液体に吹きつけることができる。
容器110に注入されている溶媒の液面位置より上に設けた気体供給口114のノズル下端部から気体を排出することによって、溶媒は気化が促進される。上述したように、容器110の上部には、分離装置140への導出口142が形成されており、気化された媒体は、分離装置140への導出口122を介して容器110から排出される。
また、気体供給口114のノズルの下端部が、容器110に注入されている液体の液面位置よりも下に(例えば、第二の液面位置よりも下に)設ける場合、上述した、気流で混合液中をバブリングすることができる。
容器110に注入されている溶媒の液面位置より下に設けた気体供給口114のノズル下端部から気体を排出することによって、溶媒は気化が促進される。
上述したように容器110の上部には、容器110内に精製前原液を供給するか、又は濃縮液を排出する移送口116が形成されている。移送口116は、配管22を介して精製前原液タンク156に接続され、また配管26を介して濃縮液タンク158と接続されている。
精製前原液を移送する配管22に設けられた自動弁(図示せず)は、検出制御手段300に、配線332により、電気的に接続されている。図4の配管22の左側に示した白抜き四角は、配管22の自動弁を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この配管22の自動弁を駆動するための制御信号に基づき、自動弁は作動する。
濃縮液を移送する配管26に設けられた自動弁(図示せず)は、検出制御手段300に、配線334により、電気的に接続されている。図4の配管26の左側に示した白抜き四角は、配管26の自動弁を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この配管26の自動弁を駆動するための制御信号に基づき、自動弁は作動する。
<分離装置140>
分離装置140は、濃縮(回収)液受け器150と、その上部に接続された凝縮部(冷却用コンデンサー)144とを含む。
冷却用コンデンサー144の下端部の近傍に形成された溶媒蒸気導入口142は、分岐して、一方は気化された媒体を供給する容器110に接続され、もう一方は凝縮された媒体を貯留する濃縮(回収)液受け器150に接続されている。冷却用コンデンサー144上部に形成された、分離されたキャリアーガスを導出するための気体導出口148は、配管28を介して、差圧計180と接続されている。凝縮用冷却コンデンサー144内の螺旋状に形成された凝縮冷却コイル146は、供給ポンプを備えた冷媒溜め(図示せず)に接続されている。
冷媒溜めの供給ポンプは、凝縮冷却コイル146に冷媒を供給する。冷媒の種類及び冷媒温度は所望する冷却温度に応じて選択することができる。冷媒溜めの供給ポンプは検出制御手段300に配線320により電気的に接続されている。図4の分離装置140の左側に示した白抜き四角は、冷媒溜めの供給ポンプを駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この冷媒溜めの供給ポンプを駆動するための制御信号は検出制御手段300から冷媒溜めの供給ポンプに発せられる。この制御信号により、冷媒溜めの供給ポンプは、冷媒を凝縮冷却コイル146に供給する。
濃縮(回収)液受け器150は、配管24を介して精製回収媒液タンク154に接続されている。精製回収媒液を移送する配管24に設けられた自動弁(図示せず)は、検出制御手段300に、配線330により、電気的に接続されている。図4の配管24の左側に示した白抜き四角は、配管24の自動弁を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この配管24の自動弁を駆動するための制御信号に基づき、自動弁は作動する。
<連成計160>
分離装置140から分離されたキャリアーガスを導出するための気体導出口148は、配管28に接続されている。分離されたキャリアーガスは、配管28を通って、連成計160に供給される。
連成計160は、配管28を介して、その一端に接続される分離装置140と、その反対の端に接続されるポンプ200と接続されている。また、連成計160は、配管28の分離装置140と連成計160の間に設けられた分岐接続を介して、配管30を通じて、差圧計180に接続されている。
連成計160を用いて、気体の圧力を検出する。連成計160(図4中では符号「S2」で示す)は、検出制御手段300に配線370により電気的に接続されている。図4の連成計160(符号「S2」)の横に示した白抜き四角は、連成計160から信号を出力する出力部を示す。連成計160の出力部は、検出された圧力の値を示す信号を、検出制御手段300に発する。
<差圧計180>
差圧計180は、上述した容器110内の所定位置(第一の液面よりも下の位置)に設けられた検出管112と、上述した凝縮用冷却コンデンサー144の上部に形成された気体導出口148とに、接続されている。検出管112は、検出管112にキャリアーガスを供給する供給口56が設けられた配管30に接続し、供給口56は流量制御計あるいは数種のオリフィス付き自動弁(図示せず)を有している。
差圧計180は、検出管112出口の液体の圧力(検出管112の出口圧力)と気体の圧力との差圧を検出する。差圧計180(図4中では符号「S1」で示す)は、検出制御手段300に、配線360により電気的に接続されている。図4の差圧計180(符号「S1」)の横に示した白抜き四角は、差圧計180から信号を出力する出力部を示す。差圧計180の出力部は、差圧計180が検出した差圧の値を示す信号を、検出制御手段300に発する。
供給口56は、流量制御計あるいは任意の複数のオリフィス付き自動弁(図示せず)を備える。供給口56の自動弁は、検出管112に供給されるキャリアーガスの流量を制御する。供給口56の自動弁は、検出制御手段300に、配線354により電気的に接続されている。図4の供給口56の右側に示した白抜き四角は、供給口56の自動弁を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この供給口56の自動弁を駆動するための制御信号に基づいて、自動弁のオリフィスの大小を切り替え、流量を調整する。供給口56には検出ガスが供給される(図4の吸気矢印)。
<ポンプ200>
上述した凝縮用冷却コンデンサー144の上部に形成されている気体導出口148からは分離されたキャリアーガスが導出される。この気体導出口148には、配管28の一端が接続されている。この配管28の他端は、ポンプ200の吸込口202に接続されている。ポンプ200には、供給されたキャリアーガスを排出するための排出口204が形成されている。また、ポンプ200には、給気口52、排気口54が接続されている。
ポンプ200には、ポンプ200に給電するための電源(図示せず)が電気的に接続されている。吸込口202に供給されたキャリアーガスを排出口204から導出して、気化装置100の供給口114にキャリアーガスを供給する。
ポンプ200は、検出制御手段300に、配線340により、電気的に接続されている。図4のポンプ200の下部に示した白抜き四角は、配管24のポンプ200を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。このポンプ200の自動弁を駆動するための制御信号に基づき、ポンプ200は作動する。
ポンプ200は、気体循環用減圧ポンプが好ましく、ポンプは耐薬品性を備えていることが好ましい。例えばポンプはフッ素樹脂製の減圧ポンプが好ましい。
<給気口52>
給気口52は、流量制御計あるいは任意の複数のオリフィス付き自動弁(図示せず)を備える。給気口52は、気化分離装置10内にキャリアーガスを給気する。(図4の給気矢印)
給気口52の自動弁は、検出制御手段300に、配線350により、電気的に接続されている。図4の給気口52の右側に示した白抜き四角は、給気口52の自動弁を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この給気口52の自動弁を駆動するための制御信号に基づき、自動弁は開閉する。流量制御計、或いはニードル弁またはオリフィスの大小で流量調整されることが好ましい。価格と信頼性の点から、ニードル弁またはオリフィスが好ましい。
<排気口54>
排気口54は、流量制御計あるいは任意の複数のオリフィス付き自動弁(図示せず)を備える。排気口54は、気化分離装置10内からキャリアーガスを排気する(図4の排気矢印)。
場合により、配管20に排気口54と供給口114の間に分岐(図示せず)を設けてもよい。配管20の分岐は、一方は流量調節弁(図示せず)を通じて気化装置100の供給口114に接続され、他方は一端が開放された配管であって、分岐側の端部に自動弁が設けられ、開放された端部に圧力調整弁が設けられた配管(いずれも図示せず)を含めてもよい。圧力調整弁は、弁の中の停止機構が、気体の圧力により押し開ける機構を有し、圧力に依存して開閉される弁である。圧力調整弁は、気化分離装置10内の圧力が大気圧を超えると開放される。この一方が開放された配管は、さらなる気化分離用の装置に接続することができ、あるいは配管30に接続することもできる。このような分岐を介して、気化分離用の装置を2つ以上接続することができる。
排気口54の自動弁は、検出制御手段300に、配線352により、電気的に接続されている。図4の排気口54の右側に示した白抜き四角は、排気口54の自動弁を駆動させるための駆動系であり、例えば電動モータやソレノイドからなる。この排気口54の自動弁を駆動するための制御信号に基づき、自動弁は開閉する。好ましい形状は上述の給気口52の自動弁と同様である。
<検出制御手段300>
検出制御手段(装置)300は、算出手段(装置)と、温度制御手段(装置)と、液面変動制御手段(装置)と、凝縮器制御手段(装置)と、圧力調整制御手段(装置)と、残存揮発性物質の排出制御手段(装置)と、液体の供給制御手段(装置)と、気化分離制御手段(装置)と、停止終了制御手段(装置)と、残渣濃縮液の排出制御手段(装置)と、精製回収液の排出制御手段(装置)とを含む。算出手段は、算出液面位置として、各制御手段において予め算出された値(例えば、圧力、差圧)を用いることができる。
気化分離装置10において、残存揮発性物質の排出制御手段と、液体の供給制御手段と、気化分離制御手段と、停止終了制御手段と、残渣濃縮液の排出制御手段と、精製回収液の排出制御手段と、場合により他の制御手段とを後述するように一連の流れで組み合わせることにより、気化分離装置10を自動制御することができる。検出制御手段300は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリー)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等の演算処理を行うものを含むのが好ましい。
<温度制御手段>
温度制御手段は、温度センサが検出した温度の値を示す信号に基づき、温度が所定の温度よりも低いか高いか判断し、低いと判別したときは、加熱を開始する信号を熱源部に発し、容器110が加熱され、高いと判別したときは、加熱を停止する信号を熱源部に発し、容器110の加熱は停止される。これによって、容器110の温度は所定の温度に制御される。
<液面変動制御手段>
液面変動制御手段は、容器110内の液体の液面を機械的に変動させるための制御信号を、容器回転型変動手段(ロータリーエバポレーター)の電動モータ(図示せず)に発する。この制御信号により、電動モータがロータリーエバポレーターを回転させる。これによって、液体の液面を機械的に変動させる。
<凝縮器制御手段>
凝縮器制御手段は、凝縮器140を作動させるための制御信号を、冷媒溜めの供給ポンプに発する。この制御信号により、冷媒溜めの供給ポンプを作動させる。これによって、凝縮冷却コイル146に冷媒を供給する。
<圧力調整制御手段>
圧力調整制御手段は、気化分離装置10内を減圧、あるいは大気圧、加圧に制御するものであれば、制限されることはない。一例として、次に述べるような構成をとることができる。
気化分離装置10内を減圧にするための制御信号を、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。この制御信号により、給気口52の自動弁を閉じ、排気口54の自動弁を開放するとともに、ポンプ200を作動させる。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力を低下(減圧)させる。
気化分離装置10内を大気圧にするための制御信号を、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。この制御信号により、給気口52の自動弁を開放し、排気口54の自動弁を開放するとともに、ポンプ200を作動させる。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力を大気圧と同じ(大気圧)にさせる。
気化分離装置10内を加圧にするための制御信号を、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。この制御信号により、給気口52の自動弁を開放し、排気口54の自動弁を閉じるとともに、ポンプ200を作動させる。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力を増加(加圧)させる。
<残存揮発性物質の排出制御手段>
(i) 残存揮発性物質の排出制御手段は、ポンプ200内の揮発性物質を排出するための制御信号を、給気口52の自動弁及び排気口54の自動弁(いずれも図示せず)に発する。この制御信号により、給気口52の自動弁を開放し、排気口54の自動弁を開放するとともに、ポンプ200を作動させる。これによって、ポンプ200内に残存する揮発性物質を排出させ、ポンプ200内を清浄化させる。
(ii) さらに、残存揮発性物質の排出制御手段は、ポンプ200内の揮発性物質を排出するための制御信号を受けたとき、ポンプ200の作動時間の値が(例えば、5分間)、所定の揮発性物質を排出ポンプ時間の値と同じであるか否かを判断し、同じであると判別したときは、給気口52の自動弁を閉じ、排気口54の自動弁を閉じるとともに、ポンプ200を作動停止する制御信号を発し、それとともに残存揮発性物質を排出終了したとする制御信号を発する。これによって、残存揮発性物質を排出終了する。
<液体の供給制御手段>
液体の供給制御手段は、算出手段を含む。
(i) 液体の供給制御手段は、残存揮発性物質を排出終了したとする制御信号を、残存揮発性物質の排出制御手段から受けたとき、あるいは算出手段から液体の液面位置が所定の算出液面位置であるとの信号(液体の供給を開始するための制御信号)を受けたとき、気化分離装置10内を減圧にするための制御信号を、上述したように、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。
(ii) 液体の供給制御手段は、連成計160が検出した気体の圧力が、所定の液体注入時の値と同じであるか否かを判断し、同じであると判別したときは、ポンプ200を作動停止する制御信号を発し、かつ排気口54の自動弁を閉じる制御信号を発する。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力が所定の液体注入時の値(例えば、−80kPa)とされる。
(iii) 液体の供給制御手段は、差圧計180の検出管112の出口圧力を液体注入時の圧力と同じ圧力にするための制御信号を、供給口56の自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、供給口56の自動弁のオリフィスを、所定の液体注入時用に適合する所定のオリフィスに変更する。次いで、検出管112の出口圧力と検出管112出口の液体の圧力とが平衡にとなるように差圧計180の検出管112に検出用ガスを流すための制御信号を、供給口56の自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、検出管112に検出用ガスが所定の流量で流入される。これによって、検出管112の出口圧力と検出管112出口の液体の圧力とが平衡になる。
(iv) 液体の供給制御手段は、液体(精製前原液)を容器110に供給させるための制御信号を、配線332により配管22に設けられた自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、配管22に設けられた自動弁を開放する。これによって、精製前原液溶媒タンク156から液体が容器110に移送される。
(v) 液体の供給制御手段は、差圧計180が検出した差圧が、第一の液面位置に相当する値であるか否かを判断し、同じであると判別したときは、液体の供給・制御手段に所定の信号を与え、配管22に設けられた自動弁を閉じるとともに、液体供給を終了したとする制御信号を発する。これによって、容器110内に液体が第一の液面位置まで供給される。
<気化分離制御手段>
(i) 気化分離制御手段は、液体供給を終了したとする制御信号を受けたとき、あるいは気化分離を開始するための制御信号を受けたとき、気化分離装置10内にキャリアーガスを循環させて、気化分離を開始するための制御信号を、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。この制御信号により、給気口52の自動弁を閉じ、排気口54の自動弁を閉じるとともに、ポンプ200を作動させる。これによって、気化分離装置10内にキャリアーガスが循環され、供給口114からキャリアーガスが供給される。
<停止終了制御手段>
停止終了制御手段は、気化分離を開始するための制御信号を受けたとき、差圧計180の検出管112の出口圧力を気化分離時の圧力に調整するための制御信号を、供給口56の自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、供給口56の自動弁のオリフィスを所定の気化分離時用に変更する。次いで、検出管112の出口圧力と検出管112出口の液体の圧力とが平衡になるように差圧計180の検出管112に検出用ガスを流すための制御信号を、供給口56の自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、検出管112に検出用ガスが所定の流量で流される。これによって、検出管112の出口圧力がと検出管112出口の液体の圧力とが平衡になる。
停止終了制御手段は、差圧計180が検出した差圧が、第二の液面位置を超える値であるか否かを判断し、超えると判別したときは、ポンプ200を停止させる制御信号を発する。これによって、気化分離が停止される。
停止終了制御手段は、差圧計180が検出した差圧が、第三の液面位置に相当する値であるか否かを判断し、相当すると判別したときは、ポンプ200を停止させるとともに、気化分離を停止終了したとする制御信号を発する。これによって、気化分離が停止終了される。
<残渣濃縮液の排出制御手段>
残渣濃縮液の排出制御手段は、気化分離を停止終了したとする制御信号を受けたとき、あるいは残渣濃縮液の排出を開始するための制御信号を受けたとき、気化分離装置10内を加圧にするための制御信号を、上述したように、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。
残渣濃縮液の排出制御手段は、連成計160が検出した気体の圧力が、所定の残渣濃縮液の排出時の値と同じであるか否かを判断し、同じであると判別したときは、給気口52の自動弁を閉じ、排気口54の自動弁を閉じるとともに、ポンプ200を作動停止する制御信号を発する。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力が所定の残渣濃縮液の排出時の値(例えば、+20kPa)となる。
残渣濃縮液の排出制御手段は、濃縮(回収)液を濃縮液タンク158に排出させるための制御信号を、配線334を介して配管26に設けられた自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、配管26に設けられた自動弁を開放する。これによって、容器110から濃縮液が濃縮液タンク158に移送される。
残渣濃縮液の排出制御手段は、連成計160が検出した気体の圧力が、所定の残渣濃縮液の排出終了時の値と同じであるか否かを判断し、同じであると判別したときは、配管26に設けられた自動弁を閉じるとともに、残渣濃縮液を排出終了したとする制御信号を発する。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力が所定の残渣濃縮液の排出終了時の値(例えば、1.0kPa)となり、残渣濃縮液を排出終了する。
<精製回収液の排出制御手段>
精製回収液の排出制御手段は、残渣濃縮液を排出終了したとする制御信号を受けたとき、あるいは精製回収液の排出を開始するための制御信号を受けたとき、気化分離装置10内を加圧にするための制御信号を、上述したように、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。
精製回収液の排出制御手段は、連成計160が検出した気体の圧力が、所定の精製回収液の排出時の値と同じであるか否かを判断し、同じであると判別したときは、給気口52の自動弁を閉じ、排気口54の自動弁を閉じるとともに、ポンプ200を作動停止する制御信号を発する。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力が所定の精製回収液の排出時の値(例えば、+20kPa)となる。
精製回収液の排出制御手段は、精製回収液を精製回収液タンク154に排出させるための制御信号を、配線330により配管24に設けられた自動弁(図示せず)に発する。この制御信号により、配管24に設けられた自動弁を開放する。これによって、濃縮(回収)液受器150から精製液が精製回収液タンク154に移送される。
連成計160が検出した気体の圧力が、所定の精製回収液の排出終了時の値と同じであるか否かを判断し、同じであると判別したときは、配管24に設けられた自動弁を閉じるとともに、精製回収液を排出終了したとする制御信号を発する。これによって、気化分離装置10内の気体の圧力が所定の精製回収液の排出終了時の値(例えば、1.0kPa)となり、精製回収液を排出終了する。
気化分離制御手段において、次のような変形態様を行うことができる。
気化分離装置10において液体を部分凝縮する場合
気化分離制御手段は、圧力調整弁を作動可能とするための制御信号を、配管20の分岐に設けられた自動弁(図示せず)に発する。気化分離制御手段は、この制御信号により、配管20の分岐に設けられた自動弁を開放する。これによって、圧力調整弁が作動可能となる。次いで、気化分離制御手段は、流量調節弁の流量を小さくするための制御信号を、配管20に設けられた流量調節弁(図示せず)に発する。この制御信号により、配管20に設けられた流量調節弁を通じて供給口114に供給されるキャリアーガス及び気化媒体の流量は小さくなる。これによって、容器110内は減圧状態に留まり、配管20内は加圧状態となる。配管20内の圧力は上述の圧力調整弁により大気圧とされる。
気化分離装置10において、低沸点の液状媒体と高沸点の液状媒体とを含む液体を気化分離する場合(大気圧から減圧下)
気化分離制御手段は、液体の温度変化における変曲点を検出する制御信号を、温度管118の温度センサに(図示せず)に発する。温度センサが検出した変曲点が、所定の液体の変曲点であるか否かを判断し、変曲点であると判別したときは、気化分離装置10を大気圧にするための制御信号を、上述のように給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。次いで、気化分離制御手段は、精製回収液の排出を開始するための制御信号を、上述するように給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。上述のように、気化分離制御手段は、精製回収液を精製回収液タンク154(低沸点液状媒体用のタンク)に排出させるための制御信号を、配線330により配管24に設けられた自動弁(図示せず)に発する。上述のように、気化分離制御手段は、気化分離を開始するための制御信号を受けたとき、気化分離装置10内にキャリアーガスを循環させて、気化分離を開始するための制御信号を、給気口52の自動弁、排気口54の自動弁(いずれも図示せず)及びポンプ200に発する。これによって、気化分離が低沸点の液状媒体は大気圧下に行われ、高沸点の液状媒体は減圧下に行われる。場合により、精製回収液が排出される精製回収液タンク154を切換えることにより、低沸点の液状媒体と高沸点の液状媒体とを分取することができる。
気化分離の制御における各設定値の種類A〜H毎の実施設定値kPaと設定目的を表1に示す。設定値は、上述する算出手段に基づき、気化手段2における容器110の容積、第一〜第三の液面位置における液体の容積、液体の粘度、液体の沸点等の因子により、適宜設定することができる。
Figure 2007069718
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する。これらの実施例は、本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
減圧条件での溶媒の回収
実施例1
本発明の液状媒体及び混合液の気化分離装置10において、始めに容器110(フラスコ型10L容)を湯浴で35℃に加温を始めるとともに、凝縮用冷却コンデンサー140への冷媒(−10℃)を供給し、次いで溶媒蒸発用の大型ロータリーエバポレーターを用いて容器110の回転(かきまぜ)を始め、運転準備のための検出制御を行った。
次に、ポンプ200を約5分間稼動させてポンプ内の残存揮発性物質の排出をした。
次いで、装置内(気化分離装置10)を連成計S2の設定値A−1(−80.0kPa)に減圧にした。つぎに、メタノール溶液を精製前原液タンク156から注入した。
次いで容器内の液面位置を測定した。即ち、差圧計S1の設定値B−1(0.5kPa)との比較を行い、設定値B−1より低い場合、再度メタノール溶液を精製前原液タンク156から注入した。この制御を繰り返し、設定値B−1より差圧計S1の値が高くなったときにメタノール溶液注入の終点とした。
続けて気化分離制御を行った。気化分離制御は、連成計S2の設定値C−1(−96.0kPa)に到達する迄減圧して行った。その間に、差圧計の設定値D−1(0.7kPa)以上に液面位置が高くなった場合(第二の液面位置を超えた場合)には、突沸現象を防止するためにダイヤフラムポンプ200を一時停止させ、続けて気化分離制御を行い、差圧計の設定値E−1(0.2kPa)に到達した点を、気化分離の終点とした。
その後、装置内に気体を流入させ、連成計の設定値F−1(−1.0kPa)になるまで大気圧まで加圧した。次に、連成計の設定値G−1(+20.0kPa)になるまで容器110内を加圧し、容器110の底に溜った濃縮液(残渣)を濃縮液タンク158に排出し、連成計の設定値H−1(1.0kPa)になるまでそのまま持続した。設定値H−1になった時に、再度、連成計の設定値G−1(+20.0kPa)になるまで容器110内を加圧した。続いて、溶媒受け器150から精製回収液タンク154へ回収液を排出させ、連成計の設定値Hになるまでそのまま放置した。上記の一連の制御が終わり次第、ダイヤフラムポンプ200内の残存揮発性物質を排出させた。
上記の一連の検出制御を繰返し、精製前原液の全量について気化分離を行った。溶媒受け器150に精製メタノールが約120ml/minの割合で、ほぼ全量(>99%)が回収された。
実施例2〜9
回収溶媒の種類、並びに加温浴を、表2の通りに代えた以外は、実施例1と同様にして行った。
表2に、実施例1〜9の結果を示す。
Figure 2007069718
大気圧条件での溶媒の回収
実施例10
本発明の装置において、始めの運転準備のための検出制御による残存揮発性物質の排出、精製前原液タンクからの液体の供給の検出制御までは、「実施例1」と同様にして行ったが、加温浴の温度を65℃とした。
その後、連成計の設定値F−2(−1.0kPa)になるまで気体を流入させ、気体の圧力を、大気圧とした。
続けて、気化分離制御に移った。この制御は、気体を気化容器内に供給しながら、連成計S2の設定値C−2(約−5kPa)を保つようにダイヤフラムポンプを稼動させた。同時に液面位置の検出及び回収を行った。差圧計の設定値E−2(0.2kPa)に到達時を、気化分離の終点とした。
以降の大気開放、濃縮液の排出、回収液の移動等の検出制御は、「実施例1」と同様にして行った。精製メタノールが約37ml/minの割合で、ほぼ全量(>99%)が回収された。
実施例11〜17
回収される有機溶媒の種類、並びに加温浴温度、ダイヤフラムポンプ流量を、表3の通りに代えた以外は、実施例10と同様にして行った。
結果を、表3に示す。
Figure 2007069718
大気圧及び減圧条件を併用した混合溶媒の回収
実施例18
本発明の装置において、始めの運転準備のための検出制御による残存揮発性物質の排出、精製前原液タンクからの液体の供給の検出制御までは、「実施例1」と同様にして行った。
連成計の設定値F−3(−1.0kPa)になるまで気体を流入させ、気体の圧力を、大気圧とした。
気化分離の制御を行いつつ、連成計S2の設定値C−3(約−5kPa)を保つようにダイヤフラムポンプを稼動させて液面位置を検出した。この間、容器110内の液温の経時変化を追跡した。溶媒の回収後〜変曲点以前は、より沸点の低い溶媒が回収された。変曲点を検出した時、一旦装置内における気体の循環を停止させた。その後気化分離装置10を減圧にして再度開始させ、高沸点の溶媒の回収を始めた。差圧計の設定値E−3(0.2kPa)に到達するまでこの制御を続け気化分離の終点とする。
その他の大気開放、濃縮液の排出、回収液の移動等の検出制御は、「実施例1」と同様にして行った。精製メタノールが約30ml/min、高沸点の溶媒約65ml/minの割合で、ほぼ全量(>99%)が回収された。
低沸点の溶媒と高沸点溶媒を分取する容器110内の液温の経時グラフを図5に示す。液温の経時グラフにおけるピークは、液温の変曲点である。
高温の凝縮器及び圧力調節弁を用いる例
実施例19
この実施例の装置には、減圧ポンプ200と容器110とを結ぶ導管20の途中にある自動弁(図示せず)の手前に更に流量調節弁(ニードル弁)(図示せず)を設けている。また、このニードル弁の手前にある分岐の一方の導管(図示せず)は減圧ポンプ200と接続し、もう一方の導管は大気側に導かれている。この大気圧雰囲気に開放されている導管の出口には逆止弁となる圧力調節弁(リリーフバルブ)(図示せず)を取り付けられている。この圧力調節弁は、配管内の圧力が大気圧を超えると開き、大気圧未満では閉ざされる。
本発明の気化分離装置10において、始めの運転準備のための検出制御による残存揮発性物質の排出の検出制御までは、「実施例1」と同様にして行った。
連成計の設定値F−4(−1.0kPa)になるまで気体を流入させ、気体の圧力を、大気圧とした。
始めに、制御機器に運転条件の初期値及びジオキサンを回収する所定の減圧度(−75kPa)を設定し、全容器内を減圧状態にする。気化分離装置10内部が設定した減圧値に達した後、配管22の途中に設けられた自動弁(図示せず)を開き、未精製のジオキサン(約500ml)を、容器110に移し、80℃に温める。
次に減圧ポンプ200を運転して容器110内を減圧度(−75kPa)にしたのち、ジオキサンの蒸発回収運転を開始する。即ち、蒸発したジオキサンは、15℃の冷媒が循環する冷却用コンデンサー144で凝縮されて回収される。その制御は、まず時間計測を始め、一定時間のジオキサンの回収量を測定しつつ減圧ポンプ200の運転を続け、この間、ニードル弁と圧力調節弁が適度に作動して減圧度(−75kPa)に調整させながら行われる。このとき、減圧ポンプ200より排気される少量の気体は、ニードル弁(図示せず)を経由して容器110へ戻されて循環するため、この状態での大気側へのジオキサン蒸気の放出はなくなる。この間に容器110から蒸発したジオキサン蒸気は、15℃に冷された冷却用コンデンサー144で液化し回収された。8分間の気化分離装置10の運転後、減圧ポンプ200の運転を停止し、給気口52を開放して、気体の圧力を大気圧に戻して、蒸発回収運転を停止したところ、溶媒受け器150にジオキサンが470ml回収された。続いて始めの検出制御に戻る。これらの一連の回収作業を自動的に検出制御することにより所定量の溶媒の精製が終わる迄自動的に反復する。上記の溶媒回収工程では、15℃の凝縮器で液化しなかった溶媒蒸気が循環気体として利用されるため、同じ減圧度で循環させない場合に比べて、回収効率は35〜45%改善される。
表4に、結果を示す。
実施例20
回収される有機溶媒の種類を酢酸エチルとし、加温浴を60℃に代えた以外は、実施例19と同様にして、実施例20を行った。
表4に、結果を示す。
高温の凝縮器を用いる、外気側への開放系でのジオキサンの回収例
実施例21
本発明の気化分離装置10において、始めの運転準備のための検出制御による残存揮発性物質の排出の検出制御までは、「実施例1」と同様にして行った。
その後、連成計の設定値F−5(−1.0kPa)になるまで気体を流入させ、気体の圧力を、大気圧とした。
上記の実施例19に記載の気化分離装置10を用いて、減圧ポンプ200と容器110とを結ぶ導管20の途中にある自動弁(図示せず)を閉じ、ニードル弁(図示せず)は開放したままで減圧ポンプ200を運転する。この際、制御機器に運転初期値及びジオキサンを回収する所定の減圧度(−75kPa)を入力する。この様にして気化分離装置10内を減圧状態にしたのち、ジオキサンの蒸発回収運転を開始する。
この運転では、配管20にある自動弁を閉じ、次に自動弁54を開いて減圧ポンプ200を運転することにより、気化分離装置10内部の気体は外部に排出され、減圧状態となる。気化分離装置10内部が入力した減圧値に達した後、配管22の途中に設置された自動弁を開き、未精製のジオキサン(約500ml)を、容器110に移動させる。次に、容器110は所定の減圧度で80℃に加温し、減圧ポンプ200を連続運転しながら、ジオキサンの蒸発回収運転を始めた。蒸発したジオキサンは、15℃の冷媒が循環する冷却用コンデンサー144で凝縮し回収された。この制御では、15℃の冷却用コンデンサーで凝縮されなかったジオキサン蒸気の一部が減圧ポンプ200の排気口から大気側へ放出されるが、それらは気化分離装置10に接続された、さらなる気化分離装置(大気圧条件)により気化分離される。
表4に、酢酸エチル及びジオキサンの精製回収条件と時間あたりの回収効率を示す。
実施例22
回収される有機溶媒の種類を酢酸エチルとし、加温浴を60℃に代えた以外は、実施例21と同様にして、実施例20を行った。
表4に、結果を示す。
Figure 2007069718
大気圧条件下での溶媒回収(浄化処理への応用)
実施例23
本願発明による溶媒回収は、有機溶媒を含んだ廃水(原液)から、大部分の有機溶媒を除去した大量の水(残渣濃縮液)と、有機溶媒濃度の高い少量の有機溶媒水溶液(精製回収液)とに分離すると位置づけることにより、廃水浄化処理を行う目的で本発明の装置を利用することができる。
本発明の装置において、始めの運転準備のための検出制御による残存揮発性物質の排出、精製前原液タンクからの液体の供給の検出制御、気化分離制御を、「実施例10」と同様にして行ったが、加温浴の温度を40℃とし、さらに気体を供給する気体供給口114を容器110内の原液内の液面位置よりも下に設けて、気化効率を高めるバブリングを行った。
液中のアセトンは処理前の15.0%から6.0%に浄化され、蒸発したアセトン、すなわち回収される有機溶媒はほぼ全量(>99%)回収された。
表5に結果を示す。
実施例24及び25
加温浴を、実施例24においては40℃から57℃に変更、実施例25においては40℃から70℃に変更した以外は、実施例23と同様にして行った。
表5に結果を示す。
実施例26
回収する有機溶媒をアセトンからアクリルニトリルに変更した以外は、実施例25と同様にして行った。
表5に結果を示す。
Figure 2007069718
液中のアクリロニトリルは処理前の2.0%から0.03%に浄化され、アセトンは15%から1.1%に浄化され、蒸発した溶媒はほぼ全量(>99%)回収された。
本発明の方法及び装置は、液状媒体、混合液のような処理対象を、変動する液状媒体の液面位置を測定することを通じて、あらゆる圧力操作条件で、自動制御により気化分離できる新規な装置である。
本発明の装置は、変動する液状媒体の液面位置を高精度に測定可能であるため、気化させる容器に隔壁を設けずに液状媒体の突沸現象防止が可能であり、気化・分離部の構造を簡易化させることができる。また、高精度であるために、大規模生産設備においても高い信頼性、安全性を満たす装置である。
さらに、本発明の装置の処理対象は、低沸点から高沸点の液状媒体を含むあらゆる液状媒体、さらに非揮発性物質と液状媒体との混合液にも適合する。本発明の装置は、中沸点、低沸点の溶媒が効率良く蒸発回収できるだけではなく、産業での生産工程で頻繁に使用される高沸点の液状媒体にも最適である。
また、本発明の装置は、大気圧下での気体循環方法のみならず、減圧下での気化分離や微加圧下で蒸気密度を高めた条件下での気化分離等を装置の条件を任意に選択でき、所望により回収条件の組み合わせの選択枝が広い。そのために、多目的に応用でき、かつ処理規模の制約がない。
より詳細には、本発明の装置は、
(1)自動化可能であるので、連続操業することができる。その利点として、オンオフによる電力の消費量を低減させるだけでなく、リレーのオンオフによる故障やトラブルを防止することができ、経済性及び設備の維持管理上で好ましい。
(2)変動する液状媒体の液面位置を高精度に測定可能であるので、分離条件の温度が一般的な分離条件よりも高くすることが可能である。その利点として、冷却機のコンプレッサーの能力を最大に発揮させる条件で稼動でき、経済性と気化分離率を両立させることができる。特に、事業所の既存の冷却水設備を利用した装置化が可能であるので、新規投資が不要であり、また、冷却能力に合わせて気化分離効率とのバランスが取り易い、という利点がある。
符号の説明
2:気化手段
4:分離手段
6:圧力検出手段
7:差圧検出手段
8:算出手段
10:気化分離装置
11:蒸発用丸底フラスコ
12:加温浴
13:温度計
14:凝縮用冷却コンデンサー
15:回収受器
16:冷媒接続口
17:カラム塔
18:自動弁
19:自動弁
20:導管
22:導管
24:導管
26:導管
28:導管
52:給気口
54:排気口
56:供給口、気体供給口
100:気化装置
110:容器
112:検出管
114:気体供給口
116:移送口
118:温度管
140:分離装置
142:溶媒蒸気導入口(下部蒸気入口)、溶媒導出口
144:冷却用コンデンサー
146:凝縮冷却コイル
148:気体導出口
150:溶媒受け器、濃縮(回収)液受器
152:濃縮(回収)液受器導入口
154:精製回収媒液タンク
156:精製前原液溶媒タンク
158:濃縮液タンク、残渣タンク
160:S1 連成計
180:S2 差圧計
200:ポンプ200
202:吸込口
204:排出口
300:検出制御手段
310:配線
312:配線
314:配線
320:配線
330:配線
332:配線
334:配線
340:配線
350:配線
352:配線
354:配線
360:配線
370:配線

Claims (6)

  1. 液状媒体の、又は前記液状媒体と非揮発性物質とを含む混合液の、うちのいずれか一方の液体が貯留されることによって液体の液面が形成される気化手段であって、前記液状媒体を気化させて気化媒体とする気化手段と、
    前記気化手段から排出された気体と前記気化媒体とを冷却して、前記気化媒体を凝縮した凝縮媒体にすることによって前記気体から分離する分離手段と、を含む液状媒体及び混合液の気化分離装置において、
    前記気体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記気化手段内の所定位置における圧力と前記気体の圧力との差圧を検出する差圧検出手段と、
    前記気体の圧力と前記差圧とに基づいて、前記所定位置を基準とした前記液体の液面位置を、算出液面位置として算出する算出手段と、を含み、
    前記液体の液面位置は、前記液体の気化により変動し、
    前記算出液面位置は、前記液体の液面位置が静止しているときに対応した液面位置である、液状媒体及び混合液の気化分離装置。
  2. 前記液体の液面を機械的に変動させる液面変動手段を更に含み、
    前記液体の液面が静止しているときは、前記気化手段への気体の供給を停止し、かつ前記液面変動手段を停止させているときである、請求項1記載の装置。
  3. 前記算出液面位置が、第一の液面位置となるまで、前記気化手段に前記液体を供給する液体供給手段を更に含む、請求項1又は2記載の装置。
  4. 前記気化手段において前記液体に前記気体を供給する気体供給手段と、
    前記算出液面位置が、所定の第二の液面位置を超えたときに、あるいは前記算出液面位置が、前記第二の液面位置よりも低い第三の液面位置と同じとなったときに、前記気体供給手段による前記気体の供給を停止させる停止手段と、
    を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
  5. 前記気化手段内の圧力を、前記気化手段に気体を供給することにより高めて、前記非揮発性物質を前記気化手段から排出させる非揮発性物質排出手段を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
  6. 前記気化手段内の圧力が大気圧よりも低い状態で気化させるときに、
    前記分離手段は、前記気化媒体のうちの一部を凝縮した凝縮媒体を、前記気化媒体の一部及び気体から分離する部分分離手段であり、
    前記気体供給手段は、前記気化媒体のうちの一部と前記気体の混合気体を供給する混合気体供給手段である、請求項1〜5のいずれか1項記載の装置。
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