JPWO2007060755A1 - イオンガイド装置、イオン反応装置、及び質量分析装置 - Google Patents

イオンガイド装置、イオン反応装置、及び質量分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007060755A1
JPWO2007060755A1 JP2007546349A JP2007546349A JPWO2007060755A1 JP WO2007060755 A1 JPWO2007060755 A1 JP WO2007060755A1 JP 2007546349 A JP2007546349 A JP 2007546349A JP 2007546349 A JP2007546349 A JP 2007546349A JP WO2007060755 A1 JPWO2007060755 A1 JP WO2007060755A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
ion
electrode
electrodes
electrode group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007546349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4621744B2 (ja
Inventor
宏之 佐竹
宏之 佐竹
崇 馬場
崇 馬場
泉 和氣
泉 和氣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Publication of JPWO2007060755A1 publication Critical patent/JPWO2007060755A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4621744B2 publication Critical patent/JP4621744B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/422Two-dimensional RF ion traps
    • H01J49/4235Stacked rings or stacked plates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/062Ion guides
    • H01J49/065Ion guides having stacked electrodes, e.g. ring stack, plate stack

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

本願は、質量分析法を用いた生体高分子の配列構造解析に関するものである。荷電粒子反応は10ミリ秒以上の時間が必要であり、そのため四重極質量フィルターなどの高速な分析部と結合するとスループットや質量分離能の低下する問題があった。そのためイオンの滞在時間を調整し反応時間を確保しつつ、高速な分析部と結合可能な荷電粒子反応を実施することが課題である。本発明の荷電粒子反応セルは、複数のリング電極(1)を連ねた構成で、高周波電圧振幅を変調した高周波電圧を印加し、形成される擬ポテンシャルの起伏の底にイオンが捕捉され、その移動に伴ってイオンを移動させる。荷電粒子反応セルにおいて、荷電粒子反応に必要な時間を確保でき、またスループットや質量分離能の低下の問題を解決でき、測定試料の構造解析の高速化を可能にする。

Description

参照による取り込み
本出願は、2005年11月28日に出願された日本特許出願第2005−341365号の優先権を主張し、その内容を参照することにより本出願に取り込む。
質量分析法を用いた生体高分子の配列構造解析方法と装置に関する。
質量分析法では、試料分子をイオン化して真空中に導入し(または真空中でイオン化し)、電磁場中におけるそのイオンの運動を測定することにより、対象とする分子イオンの電荷と質量の比が測定される。得られる情報が質量と電荷の比という巨視的な量であるため、単に1度の質量分析操作では内部構造情報まで得ることは出来ない。そこで、タンデム質量分析法と呼ばれる方法が用いられる。すなわち、1回目の質量分析操作で試料分子イオンを特定する、もしくは、選択する。このイオンをプリカーサーイオンと呼ぶ。続いて、このプリカーサーイオンを何らかの手法で解離する。解離したイオンをフラグメントイオンと呼ぶ。そのフラグメントイオンをさらに質量分析することにより、フラグメントイオンの生成パターンの情報を得る。解離手法により、解離パターンの法則性があるので、プリカーサーイオンの配列構造を推察することが可能となる。とくに、タンパク質を骨格とする生体分子の分析分野では、解離手法として衝突励起解離(Collision Induced Dissociation:CID)、赤外多光子吸収(Infra Red Multi Photon Dissociation:IRMPD)そして、電子捕獲解離(Electron Capture Dissociation:ECD)、電子移動解離(Electron Transfer Dissociation:ETD)、プロトン移動反応(Proton Transfer charge Reduction:PTR)、高速原子衝突法(First Atomic Bombardment:FAB)を用いた荷電粒子反応など断熱的な反応が使われる。
タンパク質解析分野において、広く使われているイオン解離手法がCIDである。プリカーサーイオンに運動エネルギーを与えてガスと衝突させる。衝突により分子振動が励起されて、分子鎖の切れやすい部分で解離する。また、最近使われるようになった方法がIRMPDである。プリカーサーイオンに赤外レーザ光を照射して、多数の光子を吸収させる。分子振動が励起されて、分子鎖の切れやすい部位で解離する。CIDやIRMPDで切れやすい部位は、アミノ酸配列からなる主鎖のうち、a−x、b−yで命名されている部位である。a−x、b−yの部位であっても、アミノ酸配列パターンの種類により切れにくい場合があるために、CIDやIRMPDのみでは完全な構造解析ができないことが知られている。そのために、酵素などを用いた前処理が必要になり、高速な分析を妨げている。また、翻訳後修飾を受けた生体分子では、CIDやIRMPDを用いると、翻訳後修飾による側鎖が切れやすい傾向がある。側鎖が切れやすいため、失われた質量から修飾分子種と修飾されているかどうかの判定は可能である。ただし、どのアミノ酸部分で修飾されていたかという修飾部位に関する重要な情報は失われる。
一方、他の解離手段として電子を用いた断熱的な解離法であるECD、ETDなどは、アミノ酸配列に依存せず(ただし例外として環状構造であるプロリン残基は切断しない)、アミノ酸配列の主鎖上のc−z部位の1箇所を切断する。そのために、タンパク質分子の主鎖配列を質量分析的手法のみで完全解析出来る。また、側鎖を切断しにくいという特徴をもっていることから、翻訳後修飾の研究・解析の手段として適している。このために、近年特に注目を受けているのがこのECDやETDという解離手法である。CIDとIRMPD、ECDとETDその他はそれぞれ異なる配列情報を与えるために、互いに相補的に利用できる。
イオントラップ型や四重極型などの質量分析計では、高周波電圧を3次元イオントラップや多重極電極に高周波電圧を印加してイオンを軌道収束させている。
非特許文献3には、高周波電圧の印加によってイオンが径方向に軌道収束される原理を、擬ポテンシャルという考え方を使って説明している。擬ポテンシャルは高周波電圧で形成される径方向のポテンシャルを、直流電圧で形成されるようなポテンシャルで表したものである。高周波電圧を用いたイオントラップの特長は正イオン、負イオン関係なくイオンを収束させ捕捉できることである。
非特許文献1には高周波イオントラップ内部におけるETDの方法が記載されている。3連の四重極イオントラップ(LTQ mass spectrometer)に端電極を備えた構成で、左右2つのイオンの出入り口のうち1つから正イオンを導入し、捕捉しておき、続いて反対口から負イオンを導入し、正負イオンともに直流電圧の印加で生成されるポテンシャルに入る。その後四重極と端電極にセカンダリ高周波電圧を印加して、正負イオン同士を反応させETD反応を起こしている。
特許文献1および特許文献2には3次元および線形高周波イオントラップ内部におけるECDの方法が記載されている。3次元イオントラップおよび線形イオントラップのイオン軌道上に磁場を印加し、その磁場により電子の軌道を制限し、電子の加熱を回避するECDの方法が提唱されている。3次元イオントラップを使用した構成では、磁石をリング電極の内部、またはエンドキャップの外側に設置し、電子はイオントラップ外部から導入する方法が提唱されている。また線形イオントラップを使用した構成では、磁場を線形イオントラップ中心軸上に印加し、電子を磁場内からイオン軌道上に導入する方法が記載されている。
非特許文献2には線形高周波イオントラップ内部におけるECDの方法が記載されている。線形四重極電極イオントラップのイオン軌道に磁場を印加し、電子の軌道を制限し、電子の加熱を回避するECDの方法が記載されている。
特許文献3には複数の電極を連ねた構成からなるフラグメント装置において直流電圧を使ってイオンを輸送する方法が開示されている。すなわち直流電圧により電位ポテンシャルの山や谷を作り、その電位ポテンシャル山でイオンを押し出し、また電位ポテンシャル谷に捕捉して、その電位ポテンシャルの山や谷を移動させることによってイオンを輸送している。また直流電圧の印加方法を変えることで電位ポテンシャルの山や谷の速度を調整でき、その結果イオンの輸送速度を調整できる。この手法によりイオンの通過時間を調整することが可能となる。
US Patent No.US 6800851 B1 US Patent Application Publication No.US2004/0155180 A1 US Patent No.US 6884995 B2 John E.P.Syka et al.PNAS vol.101 No.26 9528−9533 Takashi Baba et al.Analytical Chemistry 2004 vol.76,p4263−4266 H.G.Dehmelt et al,Adv.At.Mol Phys 353(1967)p53−72
トリプル四重極型、四重極TOF型の質量分析計はタンパク解析において広く用いられている。なぜならトリプル四重極型ではプリカーサースキャンやニュートラルロススキャンという高スループット解析かつ定量が可能であり、また四重極TOF型でも高スループット解析が可能であるためである。これらの装置ではイオン解離法としてCIDを実施しているが、今後タンパク質の解析効率が向上することを目的として、CIDだけでなくECDやETDといった新しい別のイオン解離法を実施することが十分予想される。しかし現状ではトリプル四重極型、四重極TOF型のイオン解離室でETDやECDを実施するには以下のような問題点がある。
トリプル四重極型、四重極TOF型の構成では、共にイオン解離室の前段に四重極質量フィルターを備えている。四重極質量フィルターは特定の質量対電荷比のイオンのみを通過させ、それ以外のイオンを排除する役割を果たしている。また通過させる質量対電荷比を走査している。その走査速度は1000amu/秒(amu:原子質量単位)またはそれ以上の速度で質量走査している。例えば1000amu/秒の走査速度のとき、1ミリ秒ごとに質量1amu違うイオンが次々と排出される。この場合、1ミリ秒毎に次から次へくるイオンに対応するために、イオン解離室では1ミリ秒以下の短い時間でCIDなどの解離を実施している。同様にイオン解離室においてECDやETDなどを実施するならば、1ミリ秒以下の短い時間でイオン解離させることが要求される。
しかし、トリプル四重極型、四重極TOF型でETDやECDなどを実施するためには、現状2つの問題がある。1つ目の問題はこれまでの報告からECDやETDなどの反応時間が10ミリ秒以上とCIDに比べ1桁程度長い反応時間必要であることである。例えば四重極質量フィルターが1000amu/秒の走査速度では、1amuの質量分離能を維持するためには反応時間を1ミリ秒以下にする必要があるが、ETDやECDなどの反応時間を1ミリ秒以下の短い時間にすると、フラグメントイオン量が少なくて充分にS/Nの良いスペクトルを得ることが困難である。このため現状のETDやECDなどでは10ミリ秒以上の反応時間を確保する必要がある。そのためスループットが低下してしまう。2つ目の問題は四重極イオンガイドをおよそ数百マイクロ秒でイオンが通過してしまうことである。試料イオンのエネルギーが数十電子ボルト程度であるため、10センチメートル程度の長さのイオントラップをおよそ数百マイクロ秒程度で通過する。このようにイオンを素通りさせた状態では反応時間10ミリ秒を確保できない。従来はスループットや質量情報を低下させて反応時間10ミリ秒を確保するために、直流電圧で捕捉する方法を取っていた。
すなわち、構成としては非特許文献2にあるように四重極線形イオントラップとその両端に壁電極を設置し、壁電極に直流電圧を印加して線形イオントラップの両端に電位の壁を作っている。これにより高周波電圧による擬似ポテンシャルにより径方向の収束効果を持たせて四重極の中心軸に収束させ、また端電極の直流電圧ポテンシャルにより軸方向(四重極電極に平行な方向)に収束させることによってイオンを捕捉する手法である。この手法によりイオンを10ミリ秒以上捕捉することができ、反応時間を確保できる。しかし壁電極によって電位の壁を作りイオンを閉じ込めた状態で、ETD・ECDその他の反応を実施し、その後壁電極の電位を下げてイオンを排出する必要があるため、イオンの蓄積、反応、排出という工程が存在する。そのため、イオンの反応、排出の時はイオントラップ内にイオンを導入することができない。そのため従来法では次に述べる2つのように質量分離能かスループットのどちらかを犠牲にしなければならなかった。
1つ目は四重極質量フィルターの後段、かつイオン解離室の前にイオン蓄積用のプレ−イオントラップを置き、四重極質量フィルターから排出されたイオンをプレ−イオントラップで10ミリ秒イオンをイオン蓄積した後、イオン解離室に入射させるという方法である。こうすることでイオンの損失なく、イオン解離室に導入ことができる。しかし質量フィルターの1amu/1ミリ秒である場合では、10ミリ秒イオンを蓄積するので、10amu分の質量のイオンがプレ−イオントラップ内で混ざり合ってしまい、質量分離能の低下を招き、イオンの質量情報が失われてしまう問題が起こる。
2つ目は四重極質量フィルターの走査速度を100amu/秒に低下させることである。しかし同じ質量範囲を走査する際には、試料分析時間は10倍長くなり、スループットの低下という問題が起こる。
一方、特許文献3の方法を用いた場合、ETD反応を実施する場合には困難が予想される。例えば正イオンを電位ポテンシャルの谷に捕捉し輸送している時に、ETD反応を起こさせるために負イオンを入射することを考える。しかし正イオンが捕捉されている直流電圧からなる電位ポテンシャルには負イオンは入ることが出来ない。なぜなら、正イオンと負イオンでは電荷符号が逆のため、直流電圧で生成されたポテンシャルにはどちらかのイオンしか捕捉できずに、すなわち同時に同じ場所に存在できない。別の方法として負イオンに大きなエネルギーを与え、正イオンの存在するポテンシャル部分を通過させ、反応させることは可能であるが、そのような高エネルギーの負イオンではETDの反応効率が低く、反応がほとんど起きないことが予想される。
本発明ではこれらの荷電粒子反応の従来問題を解決し、高速な荷電粒子反応装置およびそれを備えた質量分析装置と操作方法を開示する。
本発明のイオンガイド、イオン反応装置、質量分析装置は、円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群と、電極群に対し印加する電圧の高周波電圧振幅を周期変化させ、周期変化の位相が異なる2つ以上の電源を備え、円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸上に形成される高周波電場によりイオンを捕捉し、移動させることを特徴とする。
このような構成で、高周波電圧振幅を変調した高周波電圧を印加し、この高周波電場の変調によりイオンの移動速度を調整する。高周波電圧振幅を周期変化するように制御し、隣り合う電極同士は位相が一定の値ずつ異なるようにして印加する。高周波電圧により径方向に擬ポテンシャルを生成し、イオンを収束させるのは従来のイオンガイドやイオントラップと同じである。しかし高周波電圧振幅を変調させることで、軸方向にも擬ポテンシャルの起伏を発生させる。さらに擬ポテンシャルの起伏の底が、ある一定の速度で移動するような場が形成され、イオンがその擬ポテンシャルの起伏の底のイオンパケットに捕捉され、イオンパケットが移動することでイオンを輸送する。この擬ポテンシャルによるイオンパケットには正イオン・負イオンを同時に捕捉できる特長がある。また振幅を変調させる周波数によって、イオンパケットの移動速度が決まり、荷電粒子反応セル内におけるイオンの通過時間を調整することが出来る。
また、本発明の装置において、試料イオンの電荷を変化させることが可能なイオンや電子のような媒体粒子を発生させる粒子源を備えることにより、粒子反応をさせる。
特許文献3と同様、本発明でも高周波電圧によりイオンを収束し捕捉させている。しかしイオンの移動速度を調整する方法が異なる。特許文献3の方法では、イオンの直流電圧を用いて、連なった電極に次々と直流電圧を印加し、押し出していく。この時、イオンの電荷符号が異なれば、印加すべき直流電圧の符号が逆になるため、正イオン・負イオンそれぞれに対応した直流電圧を印加する必要がある。そのため、正イオン・負イオンを同時に同一のイオンパケットとして移動させることはできない。
本発明によれば、通常のイオントラップのように端電極などでイオンの出入りを制御しないため、荷電粒子反応セルにはイオンが数ミリ秒から数百マイクロ秒間隔毎に入射可能で、かつイオンの滞在時間を10ミリ秒程度以上長くすることが可能となる。さらに、正イオンと負イオンを同じイオンパケットに入れることで、ETDにおける荷電粒子の反応時間に必要な10ミリ秒以上を確保できる。また入射した正負イオンが入射した順番を保ったままイオントラップ内を通過し、順次排出される方式であるため、輸送中に効率よく反応させることが出来る。
このように高周波イオントラップを用いた荷電粒子反応装置において、荷電粒子反応の高速化を可能にする。荷電粒子反応を実施する際に問題となっていたスループットや質量分離能の低下を解決し、測定試料の構造解析の高速化を可能にする。
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
(実施例1)
図1はイオントラップにおける正イオンと負イオンの荷電粒子反応である電子移動解離(ETD)反応手段を供えた質量分析装置の実施例を説明する図である。まず分析の全体の流れを説明し、続いて本開示の詳細を説明する。
分析対象の試料は、液体クロマトグラフなどで分離された試料が、イオン源8においてイオン化される。イオン化された試料は、真空装置内部の四重極イオンガイド部24−25に入射し、通過して線形イオントラップ部26−28に導入される。イオントラップ部にはHeやArガスなどが導入され、試料イオンはガスとの衝突によりクーリングされる。線形イオントラップ部ではイオンの蓄積、分離、排出を行い、排出されたイオンは電子移動解離セルに入る。電子移動解離を実施する電子移動解離セルは円形の穴の開いた複数個の電極1で構成されている。電子移動解離反応を行うために、負のイオンを生成する負イオン源9が設置され、図のように円形の穴の開いた複数個の電極1の中心軸上に負イオンが導入される。正イオンが電子移動解離セルに入射した直後、負イオンが導入され、電子移動解離反応が起こる。電子移動解離セルを排出されたイオンは、HeやArガスなどを導入した衝突減衰器29−30に入射し軌道収束されて、飛行時間型質量分析部32−34で質量対電荷比が計測される。
本開示は図1の円形の穴の開いた複数個の電極1からなる電子移動解離反応セルにおける電子移動解離反応の実施方法についてである。図2A,2Bには電子移動解離反応セルの詳細を示す図である。円形の穴の開いた複数個の電極1からなる構成で、図の左右2つの導入口のうち、同一側にイオン源8と負のイオン源9を備え、同じ導入口から正イオン・負イオンを導入する。一般的に使われるイオントラップでは3次元イオントラップのリング電極や線形イオントラップの四重極電極などに式1のような高周波電圧Vrfを印加する。
は高周波電圧の振幅、ωは高周波電圧の周波数である。
本発明では、電極群に対し印加する電圧の高周波電圧振幅を正弦波形的に時間変調させ、同一の周波数で正弦波形の位相の異なる2つ以上の電源35を備えている。円形の穴の開いた複数個の電極1には、高周波電圧振幅Vを変調させて印加する。すなわちcosΩtというファクターで時間変化させるように高周波電圧を印加する。また隣り合う電極には、このcosΩtというファクターに関して、2π/m(mは整数)の位相差を持たせるようにして印加することが望ましい。2π/mの位相差にすることで、一定の電極枚数毎に同じ電圧を印加でき、少ない電源で実施でき、効率的である。mは1サイクルの電極枚数であり、m枚毎に同一の電圧を印加する。すなわち、本開示では式2のように高周波電圧を印加する。
は高周波電圧の振幅、ΩはVの周波数、m,nは整数、tは時間である。具体例を図3A−3Dに示す。m=4、n=0,1,2,3、周波数Ω=1kHz、ω=50kHz、を上記の式2に代入することで、図2A,2B,3A−3Dに示すようなV40,V41,V42,V43という4つの異なる位相の電極印加電圧が算出され、電極2にV40、電極3にV41、電極4にV42、電極5にV43を印加する。
次の電極6にはV40、電極7にHV41のように、m=4の時はπ/2ずつ異なった位相で繰り返し4枚毎に同一の電圧が印加される。
図4A,4Bは、図1の円形の穴の開いた複数個の電極1の中心軸を通る断面図であり、m=4の時の具体的なイオンの動き方を示している。また電極の下の数字[1]−[4]は同じ数字の電極には同じ電圧が印加されていることを示す。図4A,4B右側の円は、各電極[1]−[4]の位相をあらわし、m=4の場合では図のようにπ/2ずつずれていることをあらわしている。正イオン・負イオンは図の左側から入射する。ここで正負イオンともに、高周波で形成されるポテンシャルは同じであるため、区別なく扱える。電極2に高周波電圧が最大
に印加された時(図5のt=0秒の時)に、電極3の高周波電圧は約0Vであり、また左側には電極はないが、グランド電極を配置すれば0Vにすることが可能である。この時電極2を中心にした局所的なイオントラップになり、正イオン・負イオンともに電極2付近に同時に捕捉される。同様に考えると、t=0の時、電極4、6付近にもイオンは捕捉される。時間が経過し、円形の穴の開いた複数個の電極1の各電極の高周波電圧の位相がπ/4進んだとき(図5のt=0.125ミリ秒の時)、図4Bのように各電極の高周波電圧が変化する。この時、電極2と電極3の高周波電圧は同位相でほぼ等しい電圧を示し、それに対し電極4と電極5は逆位相になっている。t=0からt=0.125ミリ秒の間に電極2付近のイオンは電極3の方へ引かれ、電極2と電極3を中心とした局所的なイオントラップになり、t=0.125ミリ秒の時、電極2と電極3の中心付近に正イオン・負イオンともに滞在する。t=0の時に電極4付近に捕捉されていたいイオンは同様にt=0.125ミリ秒後に電極4と電極5の間付近に捕捉される。
式2のように電圧を印加することで、このような動作が繰り返し行われ、正負イオンは図の左から右へ順次移動する。
図5には、図3A−3D,4A,4Bに示した条件の時の各電極位置でのポテンシャルを示す。下部には横軸は上部電極図に対応したイオン進行方向(Z軸)の位置、縦軸は正負イオンに対する高周波が形成するポテンシャルを示している。イオンは図のように高周波で作られるポテンシャルの谷に捕捉される。先ほど述べたようにt=0秒の時(図5(a))は、電極2、6付近はポテンシャルが低く谷になり、正負イオンは電極2、6付近に捕捉される。このポテンシャルの谷は時間とともに図の右側へ移動し、それに伴ってイオンも移動する。例えばt=0からt=0.125ミリ秒にかけて、ポテンシャルの谷の移動に伴って正負イオン10は電極2付近から電極3付近へ連続的に移動し、t=0.125ミリ秒の時電極3付近へイオンは移動する。またt=0.5ミリ秒後には電極6付近に達する。
このイオンの移動速度、すなわちポテンシャルの谷の移動速度は、周波数Ωで決まる。また複数電極内のイオンの通過時間は周波数Ωと電極の枚数で決まる。例えばm=4、Ω=1kHz、電極40枚にしたとき、イオンは1ミリ秒/電極4枚の速度で進み、この円形の穴の開いた複数個の電極1内のイオンの滞在時間が10ミリ秒程度になる。またこの時、図5のようにイオンの入射は0.5ミリ秒(2kHz)ごとに可能となる。またm=4、Ω=0.5kHz、電極20枚の構成でも、イオンの滞在時間が10ミリ秒程度にすることが可能である。この場合イオンの入射は1ミリ秒(1kHz)ごとに可能となる。このように電極の枚数を減らすとイオンの入射間隔は広がることになるが、前段にイオントラップなどを設置してイオンを蓄積すればイオンの損失はない。図2A,2Bの例ではイオントラップに用いる高周波電圧周波数ω=50kHzとしているが、実際は100kHzから数十MHz程度で使用することが多い。
これらの操作により正イオンと負イオンが同じ領域に閉じ込められたまま、移動していくため、移動中に正イオンと負イオンの荷電粒子反応が起きる状態にある。このため電子移動解離などの荷電粒子反応が進行する。このようにして反応時間を確保しつつ、質量の違うイオンが混ざり合うことなく、イオンは通過していくことが出来る。
また同様に負イオン源を用いてPTRを行うこともできる。さらには負イオン源をFABイオン源にすることで、FABを用いた粒子反応も実現できる。ただしFABから中性の粒子が出る場合は、光学系を利用できないので直接導入し衝突させる必要がある。
(実施例2)
図6はイオントラップにおける正イオンと電子の荷電粒子反応である電子捕獲解離(ECD)反応手段を供えた質量分析装置の実施例を説明する図である。分析の全体の流れは図1の説明と同様である。電子捕獲解離反応セルでは、円形の穴の開いた複数個の電極1に入射した正イオンを捕獲している間に、電子源15から電子を照射して電子捕獲解離(ECD)反応を起こさせる。
図7には電子捕獲解離反応セルの詳細を示す図である。円形の穴の開いた複数個の電極1からなる構成で、円形の穴の開いた複数個の電極1に高周波電圧を印加する方法は図2Aから図5の例と同じである。円筒磁石14をおきイオントラップの中心軸上に磁場を印加することで、電子を磁場に捕捉させ、効率よく電子が導入できるようにしている。またフィラメントまたはディスペンサーカソードのような電子源15は、円形の穴の開いた複数個の電極1に対し正イオン源8側に設置している。また電子源15は円形の穴の開いた複数個の電極1に対しイオン源8と反対側に設置することも可能である。電子源15の位置に関しては電子の導入効率を上げるように、できるだけ円形の穴の開いた複数個の電極1の中心軸上に近い部分から電子を発生させることが望ましい。しかしこれにより正イオンの透過率が大幅に低下するようならば、電子源15は中心軸上から少し遠ざけて設置する必要がある。電極16、17は端電極であり、電極16には直流電圧を印加することで電子源15から電子を引き出した遮断したりすることで、導入する電子量を制御できる。また電極17は電子の捕捉電極として使用でき、これにより図の荷電粒子反応装置から出て行く電子を遮断できる。
この構成で式2および図1−4Bで示しように、高周波電圧を用いてイオンを移動させる。反応中は、電子を照射する。電子捕獲解離では電子は1電子ボルト(eV)から数電子ボルト程度の値に制御する必要がある。電子のエネルギーは高周波電圧が形成するポテンシャルに応じて変動するが、ポテンシャルの底にいるイオンに電子を当てることが目的であるため、ポテンシャルの底で電子のエネルギーが目的の値に制御できるように、円形の穴の開いた複数個の電極1の電位を調整してやればよい。
上記記載は実施例についてなされたが、本発明はそれに限られず、本発明の精神と添付の請求の範囲の範囲内で種々の変更および修正をすることができることは当業者に明らかである。
本発明は、例えば、質量分析法を用いた生体高分子の配列構造解析方法や装置に利用可能である。
穴の開いた複数の電極からなる電子移動解離(ETD)セルと、線形イオントラップと飛行時間型質量分析部を備えた質量分析装置の実施例を説明する図。 穴の開いた複数の電極からなる電子移動解離(ETD)セルの実施例を説明する図。 穴の開いた複数の電極からなる電子移動解離(ETD)セルの実施例を説明する図。 穴の開いた複数の電極に印加する電圧(V40,n=0)の一例を説明する図。 穴の開いた複数の電極に印加する電圧(V41,n=1)の一例を説明する図。 穴の開いた複数の電極に印加する電圧(V42,n=2)の一例を説明する図。 穴の開いた複数の電極に印加する電圧(V43,n=3)の一例を説明する図。 電子移動解離セルにおける正イオン・負イオンの動きを説明する図。 電子移動解離セルにおける正イオン・負イオンの動きを説明する図。 電子移動解離セルと擬ポテンシャルに捕捉されるイオンの動きを説明する図。 穴の開いた複数の電極からなる電子捕獲解離(ECD)セルと、線形イオントラップと飛行時間型質量分析部を備えた質量分析装置の実施例を説明する図。 穴の開いた複数の電極からなる電子捕獲解離(ECD)セルの実施例を説明する図。
符号の説明
1…円形の穴の開いた複数個の電極、2〜7…円形の穴の開いた電極、8…イオン源、9…負イオン源、10〜13…正・負イオン、14…永久磁石、15…フィラメント線、16〜17…端電極、18…複数の四重極電極、19〜23…四重極電極、24・26・28・29…穴の開いた電極、25・27・30…四重極電極、31…光学レンズ系、32…加速部、33…リフレクトロン、34…検出器、35…電源。
トリプル四重極型、四重極TOF型の構成では、共にイオン解離室の前段に四重極質量フィルターを備えている。四重極質量フィルターは特定の質量対電荷比のイオンのみを通過させ、それ以外のイオンを排除する役割を果たしている。また通過させる質量対電荷比を走査している。その走査速度は1000amu/秒(amu:原子質量単位)またはそれ以上の速度で質量走査可能である。例えば1000amu/秒の走査速度のとき、1ミリ秒ごとに質量1amu違うイオンが次々と排出される。この場合、1ミリ秒毎に次から次へくるイオンに対応するために、イオン解離室では1ミリ秒以下の短い時間でCIDなどの解離を実施する必要がある。同様にイオン解離室においてECDやETDなどを実施するならば、1ミリ秒以下の短い時間でイオン解離させることが要求される。
に印加された時(図5のt=0秒の時)に、電極3の高周波電圧は約0Vであり、また左側には電極はないが、グランド電極を配置すれば0Vにすることが可能である。この時電極2を中心にした局所的なイオントラップになり、正イオン・負イオンともに電極2付近に同時に捕捉される。同様に考えると、t=0の時、電極4、6付近にもイオンは捕捉される(図4A参照)。時間が経過し、円形の穴の開いた複数個の電極1の各電極の高周波電圧の位相がπ/4進んだとき(図5のt=0.125ミリ秒の時)、図4Bのように各電極の高周波電圧が変化する。この時、電極2と電極3の高周波電圧は同位相でほぼ等しい電圧を示し、それに対し電極4と電極5は逆位相になっている。t=0からt=0.125ミリ秒の間に電極2付近のイオンは電極3の方へ引かれ、電極2と電極3を中心とした局所的なイオントラップになり、t=0.125ミリ秒の時、電極2と電極3の中心付近に正イオン・負イオンともに滞在する(図4B参照)。t=0の時に電極4付近に捕捉されていたイオンは同様にt=0.125ミリ秒後に電極4と電極5の間付近に捕捉される。
図5には、図3A−3D,4A,4Bに示した条件の時の各電極位置でのポテンシャルを示す。下部には横軸は上部電極図に対応したイオン進行方向(Z軸)の位置、縦軸は正負イオンに対する高周波が形成するポテンシャルを示している。イオンは図のように高周波で作られるポテンシャルの谷に捕捉される。先ほど述べたようにt=0秒の時(図5(a))は、電極2、4、6付近はポテンシャルが低く谷になり、正負イオンは電極2、4、6付近に捕捉される。このポテンシャルの谷は時間とともに図の右側へ移動し、それに伴ってイオンも移動する。例えばt=0からt=0.25ミリ秒にかけて、ポテンシャルの谷の移動に伴って正負イオン10は電極2付近から電極3付近へ連続的に移動する。またt=0.5ミリ秒後には電極付近に達する。

Claims (13)

  1. 円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群と、前記電極群に対し印加する電圧の高周波電圧振幅を周期変化させ、前記周期変化の位相が異なる2つ以上の電源を備え、
    前記円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸上に形成される高周波電場によりイオンを捕捉し、移動させることを特徴とするイオンガイド装置。
  2. 請求項1に記載のイオンガイド装置において、前記周期変化の位相が、前記複数連ねた電極群の隣り合う電極ごとに2π/m(mは2以上の整数)ずつ異なることを特徴とするイオンガイド装置。
  3. 請求項1に記載のイオンガイド装置において、試料イオンの電荷を変化させることが可能な媒体粒子を発生させる粒子源を備えることにより粒子反応をさせることを特徴とするイオンガイド装置。
  4. 請求項1に記載のイオンガイド装置において、負イオン源を備えることにより電子移動解離をさせることを特徴とするイオンガイド装置。
  5. 請求項1に記載のイオンガイド装置において、電子源を備えることにより電子捕獲解離をさせることを特徴とするイオンガイド装置。
  6. 円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群と、前記電極群に対し印加する電圧の高周波電圧振幅を周期変化させ、前記周期変化の位相が異なる2つ以上の電源と、正イオン源と負イオン源と、前記2つのイオン源を導入する系を備え、
    前記円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸上に形成される高周波電場によりイオンを捕捉し、移動させつつ電子移動解離をさせることを特徴とするイオン反応装置。
  7. 請求項6に記載のイオン反応装置において、前記周期変化の位相が、前記複数連ねた電極群の隣り合う電極ごとに2π/m(mは2以上の整数)ずつ異なることを特徴とするイオン反応装置。
  8. 円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群と、前記電極群に対し印加する電圧の高周波電圧振幅を周期変化させ、前記周期変化の位相が異なる2つ以上の電源と、前記円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸を含む方向に磁場を発生する磁場発生手段と、前記円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸に方向に電子を導入する電子源を備え、
    前記円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸上に形成される高周波電場によりイオンを捕捉し、移動させつつ電子捕獲解離させることを特徴とするイオン反応装置。
  9. 請求項8に記載のイオン反応装置において、前記高周波電圧振幅を周期変化させる際の位相が、前記複数連ねた電極群の隣り合う電極ごとに2π/m(mは2以上の整数)ずつ異なることを特徴とするイオン反応装置。
  10. イオン源と、前記イオン源でイオン化されたイオンをトラップするイオントラップと、イオントラップから排出されたイオンを導入する円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群と、前記電極群に対し印加する電圧の高周波電圧振幅を周期変化させ、前記周期変化の位相が異なる2つ以上の電源と、前記電極群から排出されたイオンを検出する検出部を備え、前記電源によって印加された前記電圧により、前記円形の穴の開いた電極を同軸に複数連ねた電極群の中心軸上に形成される高周波電場によりイオンを捕捉し、移動させることを特徴とする質量分析装置。
  11. 請求項10に記載の質量分析装置において、前記周期変化の位相が、前記複数連ねた電極群の隣り合う電極ごとに2π/m(mは2以上の整数)ずつ異なることを特徴とする質量分析装置。
  12. 請求項10に記載の質量分析装置において、前記イオントラップと前記電極群との間に負のイオン源を設けたことを特徴とする質量分析装置。
  13. 請求項10に記載の質量分析装置において、前記電極群の中心軸を含む方向に磁場を発生させる磁場発生手段と、前記電極群の中心軸方向に電子を導入する電子源とを備えたことを特徴とする質量分析装置。
JP2007546349A 2005-11-28 2006-03-08 イオンガイド装置、イオン反応装置、及び質量分析装置 Expired - Fee Related JP4621744B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005341365 2005-11-28
JP2005341365 2005-11-28
PCT/JP2006/304498 WO2007060755A1 (ja) 2005-11-28 2006-03-08 イオンガイド装置、イオン反応装置、及び質量分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007060755A1 true JPWO2007060755A1 (ja) 2009-05-07
JP4621744B2 JP4621744B2 (ja) 2011-01-26

Family

ID=38066995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007546349A Expired - Fee Related JP4621744B2 (ja) 2005-11-28 2006-03-08 イオンガイド装置、イオン反応装置、及び質量分析装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8049169B2 (ja)
EP (1) EP1956635B1 (ja)
JP (1) JP4621744B2 (ja)
WO (1) WO2007060755A1 (ja)

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0608470D0 (en) 2006-04-28 2006-06-07 Micromass Ltd Mass spectrometer
JP5290960B2 (ja) * 2006-04-28 2013-09-18 マイクロマス ユーケー リミテッド 質量分析計
CN101063672A (zh) * 2006-04-29 2007-10-31 复旦大学 离子阱阵列
GB0705730D0 (en) 2007-03-26 2007-05-02 Micromass Ltd Mass spectrometer
US7557344B2 (en) * 2007-07-09 2009-07-07 Mds Analytical Technologies, A Business Unit Of Mds Inc. Confining ions with fast-oscillating electric fields
GB0723183D0 (en) * 2007-11-23 2008-01-09 Micromass Ltd Mass spectrometer
GB0820308D0 (en) 2008-11-06 2008-12-17 Micromass Ltd Mass spectrometer
WO2010044370A1 (ja) * 2008-10-14 2010-04-22 株式会社日立製作所 質量分析装置および質量分析方法
IT1394829B1 (it) * 2009-07-17 2012-07-20 Fabiani Dispositivo e metodo per la trasmissione di un segnale attraverso un corpo di materiale dielettrico.
JP5362009B2 (ja) * 2009-07-24 2013-12-11 株式会社日立製作所 質量分析方法
CN103718270B (zh) 2011-05-05 2017-10-03 岛津研究实验室(欧洲)有限公司 操纵带电粒子的装置
US8878127B2 (en) 2013-03-15 2014-11-04 The University Of North Carolina Of Chapel Hill Miniature charged particle trap with elongated trapping region for mass spectrometry
US9812311B2 (en) 2013-04-08 2017-11-07 Battelle Memorial Institute Ion manipulation method and device
US8835839B1 (en) 2013-04-08 2014-09-16 Battelle Memorial Institute Ion manipulation device
EP3005399B1 (en) * 2013-05-30 2020-09-30 DH Technologies Development PTE. Ltd. Inline ion reaction device cell and method of operation
US9063086B1 (en) 2014-02-12 2015-06-23 Battelle Memorial Institute Method and apparatus for compressing ions
US9799503B2 (en) 2015-01-20 2017-10-24 Agilent Technologies, Inc. Traveling-well ion guides and related systems and methods
US9330894B1 (en) * 2015-02-03 2016-05-03 Thermo Finnigan Llc Ion transfer method and device
US9704701B2 (en) 2015-09-11 2017-07-11 Battelle Memorial Institute Method and device for ion mobility separations
GB201517068D0 (en) * 2015-09-28 2015-11-11 Micromass Ltd Ion guide
CA3000341C (en) 2015-10-07 2019-04-16 Battelle Memorial Institute Method and apparatus for ion mobility separations utilizing alternating current waveforms
US10018592B2 (en) 2016-05-17 2018-07-10 Battelle Memorial Institute Method and apparatus for spatial compression and increased mobility resolution of ions
US10224194B2 (en) 2016-09-08 2019-03-05 Battelle Memorial Institute Device to manipulate ions of same or different polarities
GB201621587D0 (en) * 2016-12-19 2017-02-01 Shimadzu Corp A transport device for transporting charged particles
US10497552B2 (en) 2017-08-16 2019-12-03 Battelle Memorial Institute Methods and systems for ion manipulation
US10692710B2 (en) * 2017-08-16 2020-06-23 Battelle Memorial Institute Frequency modulated radio frequency electric field for ion manipulation
US10242857B2 (en) * 2017-08-31 2019-03-26 The University Of North Carolina At Chapel Hill Ion traps with Y-directional ion manipulation for mass spectrometry and related mass spectrometry systems and methods
EP3692564A1 (en) 2017-10-04 2020-08-12 Battelle Memorial Institute Methods and systems for integrating ion manipulation devices
US10236168B1 (en) 2017-11-21 2019-03-19 Thermo Finnigan Llc Ion transfer method and device
US10332723B1 (en) 2017-12-20 2019-06-25 Battelle Memorial Institute Ion focusing device
US11219393B2 (en) 2018-07-12 2022-01-11 Trace Matters Scientific Llc Mass spectrometry system and method for analyzing biological samples
US10840077B2 (en) 2018-06-05 2020-11-17 Trace Matters Scientific Llc Reconfigureable sequentially-packed ion (SPION) transfer device
US10720315B2 (en) 2018-06-05 2020-07-21 Trace Matters Scientific Llc Reconfigurable sequentially-packed ion (SPION) transfer device
US10460920B1 (en) 2018-06-26 2019-10-29 Battelle Memorial Institute Flexible ion conduit
CN108363216B (zh) * 2018-06-27 2018-10-09 中国科学院上海高等研究院 利用激光冷却提高原子分子反应动量成像分辨率的方法
GB201819372D0 (en) * 2018-11-28 2019-01-09 Shimadzu Corp Apparatus for analysing ions
CN114446764A (zh) * 2020-11-02 2022-05-06 昆山禾信质谱技术有限公司 离子阀装置、质谱仪、质谱仪动态范围调整方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045372A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Shimadzu Corp イオン蓄積装置におけるイオン選別の方法
US20040031916A1 (en) * 2002-07-03 2004-02-19 Bateman Robert Harold Mass spectrometer
JP2004520685A (ja) * 2000-11-23 2004-07-08 ユニバーシティー オブ ワーウィック イオン集束および伝達素子、並びにイオンの集束および伝達方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19523859C2 (de) * 1995-06-30 2000-04-27 Bruker Daltonik Gmbh Vorrichtung für die Reflektion geladener Teilchen
DE19628179C2 (de) * 1996-07-12 1998-04-23 Bruker Franzen Analytik Gmbh Vorrichtung und Verfahren zum Einschuß von Ionen in eine Ionenfalle
GB2375653B (en) * 2001-02-22 2004-11-10 Bruker Daltonik Gmbh Travelling field for packaging ion beams
WO2002078048A1 (en) 2001-03-22 2002-10-03 Syddansk Universitet Mass spectrometry methods using electron capture by ions
US6762404B2 (en) * 2001-06-25 2004-07-13 Micromass Uk Limited Mass spectrometer
CA2391140C (en) * 2001-06-25 2008-10-07 Micromass Limited Mass spectrometer
US6800851B1 (en) 2003-08-20 2004-10-05 Bruker Daltonik Gmbh Electron-ion fragmentation reactions in multipolar radiofrequency fields
US7026613B2 (en) * 2004-01-23 2006-04-11 Thermo Finnigan Llc Confining positive and negative ions with fast oscillating electric potentials
JP4275545B2 (ja) * 2004-02-17 2009-06-10 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析装置
JP3838516B2 (ja) 2004-05-28 2006-10-25 Kddi株式会社 伝送画質監視装置
DE102004028419B4 (de) * 2004-06-11 2011-06-22 Bruker Daltonik GmbH, 28359 Massenspektrometer und Reaktionszelle für Ionen-Ionen-Reaktionen

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004520685A (ja) * 2000-11-23 2004-07-08 ユニバーシティー オブ ワーウィック イオン集束および伝達素子、並びにイオンの集束および伝達方法
JP2003045372A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Shimadzu Corp イオン蓄積装置におけるイオン選別の方法
US20040031916A1 (en) * 2002-07-03 2004-02-19 Bateman Robert Harold Mass spectrometer

Also Published As

Publication number Publication date
US20090278043A1 (en) 2009-11-12
WO2007060755A1 (ja) 2007-05-31
US8049169B2 (en) 2011-11-01
JP4621744B2 (ja) 2011-01-26
EP1956635A1 (en) 2008-08-13
EP1956635A4 (en) 2011-08-31
EP1956635B1 (en) 2013-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4621744B2 (ja) イオンガイド装置、イオン反応装置、及び質量分析装置
US7872228B1 (en) Stacked well ion trap
US8080786B2 (en) Mass spectrometer
US9607820B2 (en) Ion mobility spectrometer with upstream devices at constant potential
US8969798B2 (en) Abridged ion trap-time of flight mass spectrometer
US6803569B2 (en) Method and device for irradiating ions in an ion cyclotron resonance trap with photons and electrons
US8227748B2 (en) Confining positive and negative ions in a linear RF ion trap
EP3093871A1 (en) Ion analyzer
US10510525B2 (en) Ion beam mass pre-separator
US20110204221A1 (en) Mass spectrometer and method of mass spectrometry
US20050258353A1 (en) Method and apparatus for ion fragmentation in mass spectrometry
US8927940B2 (en) Abridged multipole structure for the transport, selection and trapping of ions in a vacuum system
EP1341205A2 (en) Electric charge adjusting method, device therefor, and mass spectrometer
CN109643632B (zh) 四极装置
EP3510628B1 (en) Quadrupole devices
JP2016507151A (ja) 自動排出イオントラップを用いた質量分析器における、気相反応の改善された効率および精密制御
CA2900739C (en) Device allowing improved reaction monitoring of gas phase reactions in mass spectrometers using an auto ejection ion trap
EP2421023A1 (en) Mass spectrometry with segmented rf multiple ion guides in various pressure regions

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101101

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4621744

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees