JP2016507151A - 自動排出イオントラップを用いた質量分析器における、気相反応の改善された効率および精密制御 - Google Patents

自動排出イオントラップを用いた質量分析器における、気相反応の改善された効率および精密制御 Download PDF

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Abstract

自動排出イオントラップを用いた質量分析器における、気相反応の改善された効率及び精密制御。第1のイオンを、荷電粒子及び/若しくは中性粒子と衝突若しくは反応させ、又はそうでなければ解離させて第2のイオンを形成するように配置され構成された第1の装置を含む、質量分析器のための衝突又は反応装置が開示されている。衝突又は反応装置はさらに、第1の装置に対し、1又は複数の周波数ノッチ4を有する広帯域励起3を適用して、第1のイオンが第1の装置から実質的に排出されることなく第2のイオン及び/又は第2のイオンから誘導されたイオンを第1の装置から実質的に排出させるように配置及び構成された第2の装置を含む。【選択図】図2A

Description

関連出願の相互参照
本出願は2013年2月18日出願の英国特許出願番号1302783.4及び2013年2月18日出願の欧州特許出願番号13155630.0からの優先権とその利益を主張する。これらの出願の全体が参照によりここに組み込まれる。
本発明は、質量分析器のための衝突又は反応装置、質量分析器、イオンを衝突又は反応させる方法、および質量分析方法に関する。好ましい実施形態は、気相反応イオン生成物の除去を制御によって容易にする気相反応器に関する。気相反応器はイオン―イオン、イオン−電子、イオン−分子、又はイオン−準安定性反応器を含む。
物理的軸支障がなく、印加される電界が2つの動作モード間で切り替えができる高伝送RFイオンガイドについて、GB−2467466(マイクロマス)に開示されている。第一の動作モードでは、該装置は質量範囲のイオンを前方へ伝送し、第二の動作モードでは、該装置はイオンを質量選択的に少なくとも一つの放射状方向に変位しその後一つ以上の放射状方向依存性の軸方向DC障壁を超えて軸方向に断熱的に排出する線状イオントラップとして働く。
質量選択的放射状方向変位は、補助的な時間的に変動する電界の周波数を、イオンガイド内のイオン群の振動の質量に依存する特徴的な周波数に近くなるように整えることで成されることはよく知られている。
特徴的周波数とは、イオンガイド内でのイオンの永年周波数である。装置内のイオンの永年周波数は、イオンの電荷に対する質量比の関数であり、次のRFオンリー四重極用の等式に近似できる(P. H. Dawson, 四重極 Mass Spectrometry and ItsApplications)。

上記において、m/zはイオンの質量電荷比(電荷に対する質量比)であり、eは電子電荷であり、VはピークRF電圧であり、Rはロッドセットの内接半径であり、ωはRF電圧の角周波数である。
イオンの永年周波数あたりの周波数成分が欠けている四重極イオンガイドに広帯域励起が与えられることは知られている。欠けている周波数成分とは通常ノッチと呼ばれる。複数のイオンが、追加のノッチ又は欠落している周波数を印加することによってイオンガイドで単離することができる。
US−7355169(McLuckey)には、ピークパーキング(peak parking)方法が開示されている。この方法は、全ての反応生成物がイオントラップに残ることを許し、既知の生成物のみを排出することに基づいており、特にイオン−イオン反応に特有のものである。
US−5256875(Hoekman)には、イオントラップに印加される最適化され、広帯域の、フィルタリングを受けたノイズ信号を発生させる方法が開示されている。一つ以上のノッチを持つ周波数―振幅の広帯域信号を発生させるため、広帯域信号はノッチフィルターでフィルタリングされる。フィルタリングを受けた異なるノイズ信号の迅速な発生を可能にするための配置が開示されている。
WO2012/051392(Xia)の図2は、広帯域のノッチがつけられた信号が、複数の周波数ノッチを持つ線形イオントラップに印加されそれによって親イオンmが単離されるようにした配置に関する図である。親イオンmは、その後離散周波数成分を印加することにより断片化され断片イオンmを形成する。得られた断片イオンmは、mに対応する周波数ノッチを持つ広帯域のノッチがつけられた信号の効力によりイオントラップ内に保持される。
WO00/33350(Douglas)の図11Bは、587の質量電荷比を持つ三価荷電イオンを単離するために広帯域のノッチがつけられた波形を印加するための配置に関する図である。親イオンは断片化され図11Cに示されているように断片イオンを生成する。726の質量電荷比を持つ優勢な断片イオンがその後図11Dに示されているように、単離される。726の質量電荷比を持つ第一世代断片イオンは続いて断片化され、図11Eに示されているように第二世代断片イオンを形成する。
GB−2455692(Makarov)には、多重反射イオントラップを作動させる方法が開示されている。
US2009/0090860(Furuhashi)には、MS分析用のイオントラップ質量分析計が開示されている。
GB−2421842(Micromass)には、不要なイオンの共鳴排出とともに質量分析計が開示されている。
GB−2452350(Micromass)には、ノッチをつけられた広帯域周波数信号のシーケンスを採用している質量フィルターが開示されている。
US2010/0276583(Senko)には、多重解像度質量分析計システムとイントラ走査方法が開示されている。
質量分析器のための改良された衝突又は反応装置と改良されたイオンを衝突または反応させる方法の提供が望まれている。
本発明の一態様では、質量分析器のための衝突又は反応装置であって、
第1のイオンを、荷電粒子及び/若しくは中性粒子と衝突若しくは反応させ、又はそうでなければ解離させて第2のイオンを形成するように配置され構成された第1の装置と、
第1の装置に対し、1又は複数の周波数ノッチを有する広帯域励起を適用して、第1のイオンが第1の装置から実質的に排出されることなく第2のイオン及び/又は第2のイオンから誘導されたイオンを第1の装置から実質的に排出させるように配置及び構成された第2の装置
を含む衝突又は反応装置が提供される。
本発明の重要な一態様は、新しく生成された生成物イオンが形成された後それは直ちに装置から排出されるが、非断片化又は未反応の親イオンは装置から実質的に排出されない、というものである。
US−5256875(Hoekman)は、装置から断片イオンを排出させるが非断片化又は未反応の親イオンは排出させない周波数ノッチを有する広帯域周波数の提供について、教示することも示唆することもしていない。
WO2012/051391(Xia)は、装置から断片イオンを排出させるが非断片化又は未反応の親イオンは排出させない周波数ノッチを有する広帯域周波数の提供について、教示することも示唆することもしていない。反対に、WO2012/051391(Xia)の教示するところは、断片イオンを排出するのではなくむしろ保持するように周波数ノッチmを提供することである。
WO00/33350(Douglas)は、装置から断片イオンを排出させるが非断片化又は未反応の親イオンは排出させない周波数ノッチを有する広帯域周波数の提供について、教示することも示唆することもしていない。反対に、WO00/33350(Douglas)の教示するところは、目的の断片イオンを保持し、非断片化又は未反応のいずれの親イオンをも排出することである。
GB−2421842(Micromass)とGB−2452350(Micromass)は、装置から断片イオンを排出させるが非断片化又は未反応の親イオンは排出させない周波数ノッチを有する広帯域周波数の提供について、教示することも示唆することもしていない。
本発明が特に有利であるのは、生成物イオン又は断片イオンが形成されるとそれらは直ちに衝突又は反応領域から効果的に除去され、それにより、生成物イオン又は断片イオンがさらなる望ましくない反応を受けること又は中性にされることを防ぐことを本発明の衝突又は反応装置は確実にするという点においてである。
一好適実施形態では、反応生成物イオンは、好ましくは、反応が起こると直ちに衝突又は反応装置から除去されるか又は他の方法で排出され、それにより、例えば、生成物イオンを中性にし得るさらなる反応を反応生成物イオンが受けることを防ぐ。
除去された反応生成物イオンは、次の分析又はさらなる反応のために分析器に移動させてもよい。分析器は、例えば、質量分析器又はイオン移動度分離器若しくは分光計を含んでもよい。反応生成物イオンは、例えば、電子移動解離(「ETD」)又は衝突誘導解離(「CID」)のセルで断片化にかけてもよい。
一実施形態では、反応装置は、線形又は2Dイオントラップ若しくは代わりに3Dイオントラップを含んでもよい。反応生成物イオンは、好ましくは、イオントラップから別の分析分離装置へと径方向又は軸方向に移動させる。
一好適実施形態では、好ましい装置は、径方向依存バリアを備えた4極ロッドセットを含んでもよい。欠損周波数又は欠損ノッチを含む広帯域励起は、複数のイオンを径方向に励起させるために、好ましくは、電極に印加する。イオンは、ロッドに捉われず、軸方向に排出され、例えば、下流の質量分析器へと、先へ運ばれる。
一好適実施形態では、反応する種は、イオン−イオン、イオン−電子、イオン−分子、及びイオン−準安定性反応が起こるように、好ましくは、反応装置の中に一定時間保たれる。反応速度定数は非常に変動性であり得、同じ試薬と反応する異なる種に対して異なってもよい。このため、生成物イオンに対して反応の継続することが起こり得て、断片化スペクトルの不良という結果になりやすい。逆に、時間が短過ぎると、反応が進行できず、そのため親イオン又は前駆体イオンの断片化がほとんど又は全く起こらなくなる。
例えば、電子移動解離実験の場合では、イオン−イオン反応が調節されないまま進行することを可能にすると、一価の生成物イオンが急速に中性にされることがあり、生成物イオンが検出されなくなるということが生じるので、不利である。
本発明は、生成物イオンが形成されると直ちに衝突又は反応領域から効果的に除去されることを確実にすることによって上記の問題に対処する。このことは、生成物イオンがさらなる望ましくない反応を受けること又は中性にされることを防ぐ。
本発明はまた、分析物イオンと試薬イオン又は中性粒子との反応が、最適の方法で制御でき、高強度の生成物イオンを生成させることを確実にするという点において特に有利である。
本発明は、前駆体イオン又は親イオンのことが事前にほとんど又は全く知られていない、標的不明又はデータ非依存的分析(Data Independent Analysis)(「DIA」)における具体的な問題に対処する。
好適実施形態では、荷電粒子はイオンを含む。
衝突又は反応装置は、好ましくは、イオン−イオン衝突又は反応装置を含む。
好ましくは、第1のイオンは、電子移動解離(「ETD」)により試薬イオンと相互作用させられて第2のイオンを形成する。
比較的好適ではない実施形態では、荷電粒子は電子を含む。
衝突又は反応装置は、好ましくは、イオン−電子衝突又は反応装置を含む。
比較的好適ではない実施形態では、衝突又は反応装置はイオン−分子衝突又は反応装置を含む。
第1のイオンは、衝突誘導解離(「CID」)によりガス分子と相互作用させられ断片化されて第2のイオンを形成してもよい。
第1のイオンは、水素−重水素交換(「HDx」)により重水素と相互作用させられて第2のイオンを形成してもよい。
衝突又は反応装置は、イオン−準安定性衝突又は反応装置を含んでもよい。
衝突又は反応装置は、好ましくは、気相衝突又は反応装置を含む。
衝突又は反応装置は、好ましくは、線形又は2Dイオントラップを含む。
衝突又は反応装置は、好ましくは、4極ロッドセットイオンガイド又はイオントラップを含む。
衝突又は反応装置は、好ましくは、3Dのイオントラップを含む。
衝突又は反応装置は、好ましくは、第1の装置の少なくとも一部を横切る、半径依存性トラッピング電位を印加する装置を含む。
好ましくは、衝突又は反応装置は、第1の装置内の1つの方向にイオンを付勢するために、第1の装置に軸方向に直流電圧勾配を維持するように及び/又は1若しくは複数の過渡直流電圧を印加するように配置及び構成された装置をさらに含む。
本発明の一態様では、上に記載の衝突又は反応装置を含む質量分析器が提供される。
本発明の一態様では、イオンを衝突又は反応させる方法であって、
第1の装置を準備し、第1のイオンを、荷電粒子及び/若しくは中性粒子と衝突若しくは反応させ、又はそうでなければ解離させて第2のイオンを形成し、
第1の装置に対し、1又は複数の周波数ノッチを有する広帯域励起を適用して、第1のイオンが第1の装置から実質的に排出されることなく第2のイオン及び/又は第2のイオンから誘導されたイオンを第1の装置から実質的に排出させることを含む、
方法が提供される。
本発明の一態様では、上に記載のイオンの衝突又は反応方法を含む質量分析方法が提供される。
好ましくは、衝突又は反応装置は、親イオンを断片化し、又は反応させて断片又は生成物イオンを形成させ、断片又は生成物イオンの形成後直ちに、親イオンを自動排出させることなく断片又は生成物イオンを装置から自動排出させるように配置及び構成される。
本発明の他の態様では、イオンを衝突又は反応させる方法であって、
親イオンを断片化し、又は反応させて断片又は生成物イオンを形成させ、
断片又は生成物イオンの形成後直ちに、親イオンを自動排出することなく断片又は生成物イオンを装置から自動排出させることを含む、
方法が提供される。
衝突若しくは反応装置又はイオントラップは、好ましくは、
第1の複数の電極を含む第1の電極セットと;
第2の複数の電極を含む第2の電極セットと;
第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1又は複数の直流電圧を印加するように配置され構成された第3の装置であって、
(a)径方向変位を第1の範囲内で有するイオンが、イオンの少なくともいくつかをイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくとも1つの軸方向に制限するよう作用する直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドを経験するよう、及び、
(b)径方向変位を第2の範囲内で有するイオンが、
(i)イオンの少なくともいくつかがイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくとも1つの軸方向に制限されないように、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しを経験し、かつ/又は、
(ii)イオンの少なくともいくつかを上記少なくとも1つの軸方向に、かつ/若しくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から外へ、抽出するか加速させるよう作用する直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドを経験するようになされた、第3の装置と;
イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくともいくつかのイオンの径方向変位を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は変更させるように配置され構成された第4の装置と、
を含む。
第4の装置は、
(i)第1の時には第1の範囲内に入る径方向変位を有する少なくともいくつかのイオンに、続く第2の時には第2の範囲内に入る径方向変位を有するようにさせるよう、及び/又は、
(ii)第1の時には第2の範囲内に入る径方向変位を有する少なくともいくつかのイオンに、続く第2の時には第1の範囲内に入る径方向変位を有するようにさせるよう、
配置されてもよい。
比較的好適ではない実施形態では、
(i)第1の電極セットと第2の電極セットが、同じセットの電極の電気的に絶縁された部分を含み、かつ/若しくは、第1の電極セットと第2の電極セットが、同じセットの電極から機械的に形成され;かつ/又は、
(ii)第1の電極セットが、誘電体コーティングを有する一式の電極の領域を含み、第2の電極セットが、同じ一式の電極の異なる領域を含み;かつ/又は、
(iii)第2の電極セットが、誘電体コーティングを有する一式の電極の領域を含み、第1の電極セットが、同じ一式の電極の異なる領域を含む。
第2の電極セットは、好ましくは、第1の電極セットの下流に配置される。第1の電極セットの下流端部と第2の電極セットの上流端部の間の軸方向分離は、好ましくは、(i)1mm未満;(ii)1〜2mm;(iii)2〜3mm;(iv)3〜4mm;(v)4〜5mm;(vi)5〜6mm;(vii)6〜7mm;(viii)7〜8mm;(ix)8〜9mm;(x)9〜10mm;(xi)10〜15mm;(xii)15〜20mm;(xiii)20〜25mm;(xiv)25〜30mm;(xv)30〜35mm;(xvi)35〜40mm;(xvii)40〜45mm;(xviii)45〜50mm;及び(xix)50mm超からなる群より選択される。
第1の電極セットは、好ましくは、第2の電極セットと、実質的に隣接するよう、及び/又は同軸であるよう配置される。
第1の複数の電極は、好ましくは、多極ロッドセット、4極ロッドセット、6極ロッドセット、8極ロッドセット、又は、9以上のロッドを有するロッドセットを含む。第2の複数の電極は、好ましくは、多極ロッドセット、4極ロッドセット、6極ロッドセット、8極ロッドセット、又は、9以上のロッドを有するロッドセットを含む。
比較的好適ではない実施形態では、第1の複数の電極は、複数の電極を含むか、又は、使用時にイオンを伝送する開口部を有する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、若しくは200の電極を含んでもよい。比較的好適ではない実施形態では、第2の複数の電極は、複数の電極を含むか、又は、使用時にイオンを伝送する開口部を有する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200の電極を含んでもよい。
好適実施形態では、第1の電極セットは第1の軸方向長さを有し、第2の電極セットは第2の軸方向長さを有し、第1の軸方向長さは第2の軸方向長さより実質的に長く、かつ/又は、第2の軸方向長さに対する第1の軸方向長さの比は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、若しくは50である。
好ましくは、第3の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定した第1の径方向の径方向変位とともに増加及び/又は減少及び/又は変動する、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内の電位を、使用中に発生させるために、第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するよう、配置され構成される。好ましくは、第3の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定した第2の径方向の径方向変位とともに増加及び/又は減少及び/又は変動する電位を、使用中に発生させるために、第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するよう、配置され構成される。第2の径方向は、好ましくは、第1の径方向に対して直交する。
好適実施形態では、第3の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定したイオンの径方向変位が第1の値より大きいか小さい場合に、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくともいくつかの正イオン及び/又は負イオンを軸方向に制限するために、第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するよう、配置され構成されてもよい。
好適実施形態では、好ましくは、第3の装置は、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の長さ部に沿って1又は複数の軸方向位置で、1又は複数の半径依存性軸方向直流電位バリアを、使用中に発生させるよう配置され構成される。好ましくは、この1又は複数の半径依存性軸方向直流電位バリアは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中の正イオン及び/又は負イオンの少なくともいくつか又は少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%が1又は複数の軸方向直流電位バリアを軸方向に超過すること及び/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に抽出されることを防ぐ。
好ましくは、第3の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定したイオンの径方向変位が第1の値より大きいか小さい場合に、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から少なくともいくつかの正イオン及び/又は負イオンを抽出するか加速させるよう好ましくは作用する抽出フィールドを、使用中に発生させるために、第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するよう、配置され構成される。
好ましくは、第3の装置は、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の長さ部に沿って1又は複数の軸方向位置で、1又は複数の軸方向直流抽出電気フィールドを、使用中に発生させるよう配置され構成される。好ましくは、1又は複数の軸方向直流抽出電気フィールドは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中の正イオン及び/又は負イオンの少なくともいくつか又は少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%が、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドを軸方向に超過すること及び/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に抽出されること、を引き起こす。
好適実施形態では、第3の装置は、イオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向に制限するよう作用する直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドを、使用中に発生させるよう配置され構成され、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定したイオンの径方向変位が、好ましくは、(i)0〜0.5mm;(ii)0.5〜1.0mm;(iii)1.0〜1.5mm;(iv)1.5〜2.0mm;(v)2.0〜2.5mm;(vi)2.5〜3.0mm;(vii)3.0〜3.5mm;(viii)3.5〜4.0mm;(ix)4.0〜4.5mm;(x)4.5〜5.0mm;(xi)5.0〜5.5mm;(xii)5.5〜6.0mm;(xiii)6.0〜6.5mm;(xiv)6.5〜7.0mm;(xv)7.0〜7.5mm;(xvi)7.5〜8.0mm;(xvii)8.0〜8.5mm;(xviii)8.5〜9.0mm;(xix)9.0〜9.5mm;(xx)9.5〜10.0mm;及び(xxi)10.0mm超からなる群より選択される範囲内にある。
好適実施形態では、第3の装置は、イオンの少なくともいくつかがイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくとも1つの軸方向に制限されないように、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しを少なくとも1つの位置で提供するよう配置され構成され、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定したイオンの径方向変位が、好ましくは、(i)0〜0.5mm;(ii)0.5〜1.0mm;(iii)1.0〜1.5mm;(iv)1.5〜2.0mm;(v)2.0〜2.5mm;(vi)2.5〜3.0mm;(vii)3.0〜3.5mm;(viii)3.5〜4.0mm;(ix)4.0〜4.5mm;(x)4.5〜5.0mm;(xi)5.0〜5.5mm;(xii)5.5〜6.0mm;(xiii)6.0〜6.5mm;(xiv)6.5〜7.0mm;(xv)7.0〜7.5mm;(xvi)7.5〜8.0mm;(xvii)8.0〜8.5mm;(xviii)8.5〜9.0mm;(xix)9.0〜9.5mm;(xx)9.5〜10.0mm;及び(xxi)10.0mm超からなる群より選択される範囲内にある。
好ましくは、第3の装置は、イオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向へ、かつ/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から外へ、抽出するか加速させるよう作用する直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドを、使用中に発生させるよう、配置され構成され、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの中心長手方向軸線から測定したイオンの径方向変位が、好ましくは、(i)0〜0.5mm;(ii)0.5〜1.0mm;(iii)1.0〜1.5mm;(iv)1.5〜2.0mm;(v)2.0〜2.5mm;(vi)2.5〜3.0mm;(vii)3.0〜3.5mm;(viii)3.5〜4.0mm;(ix)4.0〜4.5mm;(x)4.5〜5.0mm;(xi)5.0〜5.5mm;(xii)5.5〜6.0mm;(xiii)6.0〜6.5mm;(xiv)6.5〜7.0mm;(xv)7.0〜7.5mm;(xvi)7.5〜8.0mm;(xvii)8.0〜8.5mm;(xviii)8.5〜9.0mm;(xix)9.0〜9.5mm;(xx)9.5〜10.0mm;及び(xxi)10.0mm超からなる群より選択される範囲内にある。
第1の複数の電極は、好ましくは、r1の内接半径及び第1の長手方向軸線を有し、かつ/又は、第2の複数の電極はr2の内接半径及び第2の長手方向軸線を有する。
好ましくは、第3の装置は、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中でイオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向に制限するよう作用する直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドを、発生させるよう配置され構成され、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドは、半径又は変位が第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線から第1の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にまで増加するとともに増加及び/又は減少及び/又は変動する。
好ましくは、第3の装置は、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中でイオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向に制限するよう作用する直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドを、発生させるよう配置され構成され、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドは、半径又は変位が第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線から第2の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にまで増加するとともに増加及び/又は減少及び/又は変動する。第2の径方向は、好ましくは、第1の径方向に対して直交する。
好ましくは、第3の装置は、イオンの少なくともいくつかがイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくとも1つの軸方向に制限されないように、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しを少なくとも1つの位置で提供するよう配置され構成され、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しは、半径又は変位が第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線から第1の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にまで増加するとともに拡大する。好ましくは、第3の装置は、イオンの少なくともいくつかがイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中で少なくとも1つの軸方向に制限されないように、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しを少なくとも1つの位置で提供するよう配置され構成され、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しは、半径又は変位が第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線から第2の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にまで増加するとともに拡大する。第2の径方向は、好ましくは、第1の径方向に対して直交する。
第3の装置は、イオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向へ、かつ/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から外へ、抽出するか加速させるよう作用する直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドを発生させるよう、配置され構成され、直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドは、半径又は変位が第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線から第1の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にまで増加するとともに増加及び/又は減少及び/又は変動する。好ましくは、第3の装置は、イオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向へ、かつ/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から外へ、抽出するか加速させるよう作用する直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドを発生させるよう、配置され構成され、直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドは、半径又は変位が第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線から第2の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にまで増加するとともに増加及び/又は減少及び/又は変動する。第2の径方向は、好ましくは、第1の径方向に対して直交する。
好適実施形態では、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中でイオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向に制限するよう作用する直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の長さ部に沿って1又は複数の軸方向位置に、かつ、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの軸方向中心から上流及び/又は下流に少なくともxmm離れて、発生され、xは、好ましくは、(i)1未満;(ii)1〜2;(iii)2〜3;(iv)3〜4;(v)4〜5;(vi)5〜6;(vii)6〜7;(viii)7〜8;(ix)8〜9;(x)9〜10;(xi)10〜15;(xii)15〜20;(xiii)20〜25;(xiv)25〜30;(xv)30〜35;(xvi)35〜40;(xvii)40〜45;(xviii)45〜50;及び(xix)50超からなる群より選択される。
好適実施形態では、ゼロ直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の長さ部に沿って1又は複数の軸方向位置に、かつ、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの軸方向中心から上流及び/又は下流に少なくともymm離れて、提供され、yは、好ましくは、(i)1未満;(ii)1〜2;(iii)2〜3;(iv)3〜4;(v)4〜5;(vi)5〜6;(vii)6〜7;(viii)7〜8;(ix)8〜9;(x)9〜10;(xi)10〜15;(xii)15〜20;(xiii)20〜25;(xiv)25〜30;(xv)30〜35;(xvi)35〜40;(xvii)40〜45;(xviii)45〜50;及び(xix)50超からなる群より選択される。
好適実施形態では、イオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向へ、かつ/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から外へ、抽出するか加速させるよう作用する直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の長さ部に沿って1又は複数の軸方向位置に、かつ、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの軸方向中心から上流及び/又は下流に少なくともzmm離れて、発生され、zは、好ましくは、(i)1未満;(ii)1〜2;(iii)2〜3;(iv)3〜4;(v)4〜5;(vi)5〜6;(vii)6〜7;(viii)7〜8;(ix)8〜9;(x)9〜10;(xi)10〜15;(xii)15〜20;(xiii)20〜25;(xiv)25〜30;(xv)30〜35;(xvi)35〜40;(xvii)40〜45;(xviii)45〜50;及び(xix)50超からなる群より選択される。
好ましくは、第3の装置は、
(i)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドの径方向及び/又は軸方向の位置が実質的に一定のままであるよう;及び/又は、
(ii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しの径方向及び/又は軸方向の位置が実質的に一定のままであるよう;及び/又は、
(iii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドの径方向及び/又は軸方向の位置が実質的に一定のままであるよう、
第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するように配置され構成される。
好ましくは、第3の装置は、
(i)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドの径方向及び/又は軸方向の位置を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるよう;及び/又は、
(ii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しの径方向及び/又は軸方向の位置を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるよう;及び/又は、
(iii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドの径方向及び/又は軸方向の位置を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるよう、
第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するように配置され構成される。
好ましくは、第3の装置は、
(i)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドの振幅が実質的に一定のままであるよう;及び/又は、
(ii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、実質的にゼロの直流トラッピングフィールド、直流電位バリア無し、又はバリアフィールド無しが実質的にゼロのままであるよう;及び/又は、
(iii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドの振幅が実質的に一定のままであるよう、
第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するように配置され構成される。
一実施形態では、好ましくは、第3の装置は、
(i)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドの振幅を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるよう;及び/又は、
(ii)運転モードにあるイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向にイオンが排出されている間に、直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドの振幅を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるよう、
第1の複数の電極の1若しくは複数及び/又は第2の複数の電極の1若しくは複数に1若しくは複数の直流電圧を印加するように配置され構成される。
好ましくは、第4の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内の少なくとも1つの径方向に少なくともいくつかのイオンを励起するために、かつ、引き続き少なくともいくつかのイオンを、少なくとも1つの軸方向に付勢し、かつ/又はイオントラップ若しくは衝突若しくは反応装置から軸方向に排出し、かつ/又は直流トラッピングフィールド、直流電位、若しくはバリアフィールドを通過させるために、1又は複数の励起、交流、又は不安定(tickle)電圧の第1の位相及び/又は第2の逆位相を、第1の複数の電極の少なくともいくつか及び/又は第2の複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置され構成される。少なくとも1つの軸方向に付勢し、かつ/又はイオントラップ若しくは衝突若しくは反応装置から軸方向に排出し、かつ/又は直流トラッピングフィールド、直流電位、若しくはバリアフィールドを通過させるイオンは、好ましくは、第2の電極セット内に形成されるイオン経路に沿って移動する。
好ましくは、第4の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内の少なくともいくつかのイオンの径方向運動を質量又は質量電荷比選択的方法で少なくとも1つの径方向に増加させるよう第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内の径方向に少なくともいくつかのイオンを質量又は質量電荷比選択的方法で励起させるために、1又は複数の励起、交流、又は不安定(tickle)電圧の第1の相及び/又は第2の逆位相を、第1の複数の電極の少なくともいくつか及び/又は第2の複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置され構成される。
好ましくは、1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧は、(i)50mV未満ピークトゥピーク;(ii)50〜100mVピークトゥピーク;(iii)100〜150mVピークトゥピーク;(iv)150〜200mVピークトゥピーク;(v)200〜250mVピークトゥピーク;(vi)250〜300mVピークトゥピーク;(vii)300〜350mVピークトゥピーク;(viii)350〜400mVピークトゥピーク;(ix)400〜450mVピークトゥピーク;(x)450〜500mVピークトゥピーク;及び(xi)500mV超ピークトゥピークからなる群より選択される振幅を有する。好ましくは、1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧は、(i)10kHz未満;(ii)10〜20kHz;(iii)20〜30kHz;(iv)30〜40kHz;(v)40〜50kHz;(vi)50〜60kHz;(vii)60〜70kHz;(viii)70〜80kHz;(ix)80〜90kHz;(x)90〜100kHz;(xi)100〜110kHz;(xii)110〜120kHz;(xiii)120〜130kHz;(xiv)130〜140kHz;(xv)140〜150kHz;(xvi)150〜160kHz;(xvii)160〜170kHz;(xviii)170〜180kHz;(xix)180〜190kHz;(xx)190〜200kHz;and(xxi)200〜250kHz;(xxii)250〜300kHz;(xxiii)300〜350kHz;(xxiv)350〜400kHz;(xxv)400〜450kHz;(xxvi)450〜500kHz;(xxvii)500〜600kHz;(xxviii)600〜700kHz;(xxix)700〜800kHz;(xxx)800〜900kHz;(xxxi)900〜1000kHz;及び(xxxii)1MHz超からなる群より選択される周波数を有する。
一好適実施形態では、第4の装置は、第1の複数の電極の少なくともいくつか及び/又は第2の複数の電極の少なくともいくつかに印加される1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は相を実質的に一定に維持するように配置され構成される。
一好適実施形態では、第4の装置は、第1の複数の電極の少なくともいくつか及び/又は第2の複数の電極の少なくともいくつかに印加される1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は相を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるように配置され構成される。
好ましくは、第1の電極セットは、第1の中心長手方向軸線を含み、
(i)第1の中心長手方向軸線に沿って直接的な見通し線があり、かつ/又は、
(ii)第1の中心長手方向軸線に沿って実質的に物理的な軸方向障害がなく、かつ/又は、
(iii)使用中に第1の中心長手方向軸線に沿って伝送されるイオンが実質的に100%のイオン伝送効率で伝送される。
好ましくは、第2の電極セットは、第2の中心長手方向軸線を含み、
(i)第2の中心長手方向軸線に沿って直接的な見通し線があり、かつ/又は、
(ii)第2の中心長手方向軸線に沿って実質的に物理的な軸方向障害がなく、かつ/又は、
(iii)使用中に第2の中心長手方向軸線に沿って伝送されるイオンが実質的に100%のイオン伝送効率で伝送される。
一好適実施形態では、第1の複数の電極は第1の断面積及び/又は形状を個別及び/又は組み合せで有し、第2の複数の電極は第2の断面積及び/又は形状を個別及び/又は組み合せで有し、第1の断面積及び/又は形状は、第1の電極セット及び第2の電極セットの軸方向長さ部に沿って1又は複数の箇所で第2の断面積及び/又は形状と実質的に同じであり、かつ/又は、第1の複数の電極の下流端部における第1の断面積及び/又は形状は、第2の複数の電極の上流端部における第2の断面積及び/又は形状と実質的に同じある。
一好適実施形態では、第1の複数の電極は第1の断面積及び/又は形状を個別及び/又は組み合せで有し、第2の複数の電極は第2の断面積及び/又は形状を個別及び/又は組み合せで有し、第1の電極セット及び第2の電極セットの軸方向長さ部に沿った1又は複数の箇所並びに/又は第1の複数の電極の下流端部及び第2の複数の電極の上流の端部において、第2の断面積及び/又は形状に対する第1の断面積及び/又は形状の比が、(i)0.50未満;(ii)0.50〜0.60;(iii)0.60〜0.70;(iv)0.70〜0.80;(v)0.80〜0.90;(vi)0.90〜1.00;(vii)1.00〜1.10;(viii)1.10〜1.20;(ix)1.20〜1.30;(x)1.30〜1.40;(xi)1.40〜1.50;及び(xii)1.50超からなる群より選択される。
好適実施形態では、好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、第1の電極セットの間に配置された第1の複数の羽根若しくは補助電極及び/又は第2の電極セットの間に配置された第2の複数の羽根若しくは補助電極をさらに含む。
好ましくは、第1の複数の羽根若しくは補助電極及び/又は第2の複数の羽根若しくは補助電極はそれぞれ、第1の平面に配置された羽根若しくは補助電極の第1のグループ及び/又は第2の平面に配置された電極の第2のグループを含む。第2の平面は、好ましくは、第1の平面に対して直交する。
好ましくは、羽根又は補助電極の第1のグループは、第1の電極セットの第1の長手方向軸線及び/又は第2の電極セットの第2の長手方向軸線の1の側に配置された羽根又は補助電極の第1のセットと、第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線の反対の側に配置された羽根又は補助電極の第2のセットとを含む。羽根又は補助電極の第1のセット及び/又は羽根又は補助電極の第2のセットは、好ましくは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100の羽根又は補助電極を含む。
好ましくは、羽根又は補助電極の第2のグループは、第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線の一側面に配置された羽根又は補助電極の第3のセット、並びに、第1の長手方向軸線及び/又は第2の長手方向軸線の反対の側面に配置された羽根又は補助電極の第4のセットを含む。羽根又は補助電極の第3のセット及び/又は羽根又は補助電極の第4のセットは、好ましくは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100の羽根又は補助電極を含む。
好ましくは、羽根若しくは補助電極の第1のセット及び/又は羽根若しくは補助電極の第2のセット及び/又は羽根若しくは補助電極の第3のセット及び/又は羽根若しくは補助電極の第4のセットは、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットを形成する異なる電極対の間に配置される。
好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、1若しくは複数の第1の直流電圧及び/又は1若しくは複数の第2の直流電圧を(i)羽根若しくは補助電極の少なくともいくつか;及び/又は(ii)羽根若しくは補助電極の第1のセット;及び/又は(iii)羽根若しくは補助電極の第2のセット;及び/又は(iv)羽根若しくは補助電極の第3のセット;及び/又は(v)羽根若しくは補助電極の第4のセット、に印加するように配置され構成された第6の装置をさらに含む。
好ましくは、1若しくは複数の第1の直流電圧及び/又は1若しくは複数の第2の直流電圧は、1若しくは複数の過渡直流電圧若しくは電位及び/又は1若しくは複数の過渡直流電圧若しくは電位波形を含む。
好ましくは、1若しくは複数の第1の直流電圧及び/又は1若しくは複数の第2の直流電圧は、
(i)イオンが、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の軸方向長さ部の少なくとも一部に沿って、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の軸方向及び/又は第1の領域の入口の方に付勢、駆動、加速、又は推進されるよう、及び/又は、
(ii)少なくとも1の径方向に励起されたイオンが、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の軸方向長さ部の少なくとも一部に沿って、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の反対の軸方向及び/又は出口若しくは第2の領域の方に付勢、駆動、加速、又は推進されるようにする。
好ましくは、1若しくは複数の第1の直流電圧及び/又は1若しくは複数の第2の直流電圧は、実質的に同じ振幅又は異なる振幅を有する。好ましくは、1若しくは複数の第1の直流電圧及び/又は1若しくは複数の第2の直流電圧の振幅は、(i)1V未満;(ii)1〜2V;(iii)2〜3V;(iv)3〜4V;(v)4〜5V;(vi)5〜6V;(vii)6〜7V;(viii)7〜8V;(ix)8〜9V;(x)9〜10V;(xi)10〜15V;(xii)15〜20V;(xiii)20〜25V;(xiv)25〜30V;(xv)30〜35V;(xvi)35〜40V;(xvii)40〜45V;(xviii)45〜50V;及び(xix)50V超からなる群より選択される。
好ましくは、第4の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内の少なくとも1つの径方向に少なくともいくつかのイオンを励起するために、かつ、引き続き少なくともいくつかのイオンを、少なくとも1つの軸方向に付勢し、かつ/又はイオントラップ若しくは衝突若しくは反応装置から軸方向に排出し、かつ/又は直流トラッピングフィールド、直流電位、若しくはバリアフィールドを通過させるために、
1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の第1の相及び/又は第2の逆位相を、
(i)羽根若しくは補助電極の少なくともいくつか;及び/又は
(ii)羽根若しくは補助電極の第1のセット;及び/又は
(iii)羽根若しくは補助電極の第2のセット;及び/又は
(iv)羽根若しくは補助電極の第3のセット;及び/又は
(v)羽根若しくは補助電極の第4のセット、
に印加するように配置され構成される。
少なくとも1の軸方向に付勢され、かつ/又はイオントラップ若しくは衝突若しくは反応装置から軸方向に排出され、かつ/又は直流トラッピングフィールド、直流電位、若しくはバリアフィールドを通過するイオンは、好ましくは、第2の電極セット内に形成されるイオン経路に沿って移動する。
好適実施形態では、第4の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内の径方向に少なくともいくつかのイオンを質量又は質量電荷比選択的方法で励起させて、第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内の少なくともいくつかのイオンの径方向運動を質量又は質量電荷比選択的方法で少なくとも1つの径方向に増加させるために、
1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の第1の相及び/又は第2の逆位相を、
(i)羽根若しくは補助電極の少なくともいくつか;及び/又は
(ii)羽根若しくは補助電極の第1のセット;及び/又は
(iii)羽根若しくは補助電極の第2のセット;及び/又は
(iv)羽根若しくは補助電極の第3のセット;及び/又は
(v)羽根若しくは補助電極の第4のセット、
に印加するように配置され構成される。
好ましくは、1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧は、(i)50mV未満ピークトゥピーク;(ii)50〜100mVピークトゥピーク;(iii)100〜150mVピークトゥピーク;(iv)150〜200mVピークトゥピーク;(v)200〜250mVピークトゥピーク;(vi)250〜300mVピークトゥピーク;(vii)300〜350mVピークトゥピーク;(viii)350〜400mVピークトゥピーク;(ix)400〜450mVピークトゥピーク;(x)450〜500mVピークトゥピーク;及び(xi)500mV超ピークトゥピークからなる群より選択される振幅を有する。
好ましくは、1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧は、(i)10kHz未満;(ii)10〜20kHz;(iii)20〜30kHz;(iv)30〜40kHz;(v)40〜50kHz;(vi)50〜60kHz;(vii)60〜70kHz;(viii)70〜80kHz;(ix)80〜90kHz;(x)90〜100kHz;(xi)100〜110kHz;(xii)110〜120kHz;(xiii)120〜130kHz;(xiv)130〜140kHz;(xv)140〜150kHz;(xvi)150〜160kHz;(xvii)160〜170kHz;(xviii)170〜180kHz;(xix)180〜190kHz;(xx)190〜200kHz;and(xxi)200〜250kHz;(xxii)250〜300kHz;(xxiii)300〜350kHz;(xxiv)350〜400kHz;(xxv)400〜450kHz;(xxvi)450〜500kHz;(xxvii)500〜600kHz;(xxviii)600〜700kHz;(xxix)700〜800kHz;(xxx)800〜900kHz;(xxxi)900〜1000kHz;及び(xxxii)1MHz超からなる群より選択される周波数を有する。
第4の装置は、複数の羽根若しくは補助電極の少なくともいくつかに印加される1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は相を実質的に一定に維持するように配置され構成されてもよい。
第4の装置は、複数の羽根若しくは補助電極の少なくともいくつかに印加される1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は相を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるように配置され構成されてもよい。
第1の複数の羽根若しくは補助電極は、好ましくは、第1の断面積及び/又は形状を個別及び/又は組み合せで有する。第2の複数の羽根若しくは補助電極は、好ましくは、第2の断面積及び/又は形状を個別及び/又は組み合せで有する。第1の断面積及び/又は形状は、好ましくは、第1の複数の羽根若しくは補助電極及び第2の複数の羽根若しくは補助電極の長さ部に沿って1又は複数の箇所で第2の断面積及び/又は形状と実質的に同じある。
第1の複数の羽根若しくは補助電極は第1の断面積及び/又は形状を個別にかつ/又は組み合せて有しもよく、第2の複数の羽根若しくは補助電極は第2の断面積及び/又は形状を個別にかつ/又は組み合せて有する。第1の複数の羽根若しくは補助電極及び第2の複数の羽根若しくは補助電極の長さ部に沿った1又は複数の箇所において、第2の断面積及び/又は形状に対する第1の断面積及び/又は形状の比が、(i)0.50未満;(ii)0.50〜0.60;(iii)0.60〜0.70;(iv)0.70〜0.80;(v)0.80〜0.90;(vi)0.90〜1.00;(vii)1.00〜1.10;(viii)1.10〜1.20;(ix)1.20〜1.30;(x)1.30〜1.40;(xi)1.40〜1.50;及び(xii)1.50超からなる群より選択される。
好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、第1の交流若しくはRF電圧を第1の電極セットに、かつ/又は、第2の交流若しくはRF電圧を第2の電極セットに、印加するように配置され構成された第5の装置をさらに含む。好ましくは、第1の交流若しくはRF電圧及び/又は第2の交流若しくはRF電圧は、イオントラップ内で径方向にイオンを制限するように作用する擬似電位の井戸を、第1の電極セット及び/又は第2の電極セット内に発生させる。
第1の交流若しくはRF電圧及び/又は第2の交流若しくはRF電圧は、好ましくは、(i)50V未満ピークトゥピーク;(ii)50〜100Vピークトゥピーク;(iii)100〜150Vピークトゥピーク;(iv)150〜200Vピークトゥピーク;(v)200〜250Vピークトゥピーク;(vi)250〜300Vピークトゥピーク;(vii)300〜350Vピークトゥピーク;(viii)350〜400Vピークトゥピーク;(ix)400〜450Vピークトゥピーク;(x)450〜500Vピークトゥピーク;及び(xi)500V超ピークトゥピークからなる群より選択される振幅を有する。
第1の交流若しくはRF電圧及び/又は第2の交流若しくはRF電圧は、好ましくは、(i)100kHz未満;(ii)100〜200kHz;(iii)200〜300kHz;(iv)300〜400kHz;(v)400〜500kHz;(vi)0.5〜1.0MHz;(vii)1.0〜1.5MHz;(viii)1.5〜2.0MHz;(ix)2.0〜2.5MHz;(x)2.5〜3.0MHz;(xi)3.0〜3.5MHz;(xii)3.5〜4.0MHz;(xiii)4.0〜4.5MHz;(xiv)4.5〜5.0MHz;(xv)5.0〜5.5MHz;(xvi)5.5〜6.0MHz;(xvii)6.0〜6.5MHz;(xviii)6.5〜7.0MHz;(xix)7.0〜7.5MHz;(xx)7.5〜8.0MHz;(xxi)8.0〜8.5MHz;(xxii)8.5〜9.0MHz;(xxiii)9.0〜9.5MHz;(xxiv)9.5〜10.0MHz;及び(xxv)10.0MHz超からなる群より選択される周波数を有する。
好適実施形態では、第1の交流若しくはRF電圧及び第2の交流若しくはRF電圧は、実質的に同じ振幅及び/又は同じ周波数及び/又は同じ相を有する。
比較的好適でない実施形態では、第5の装置は、第1の交流又はRF電圧及び/又は第2の交流又はRF電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は相を実質的に一定に維持するように配置され構成されてもよい。
好適実施形態では、第5の装置は、第1の交流若しくはRF電圧及び/又は前記第2の交流若しくはRF電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は相を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるように配置され構成される。
実施形態では、第4の装置は、共鳴排出及び/又は質量選択的不安定性及び/又はパラメトリック励起によってイオンを励起させるように配置され構成される。
好ましくは、第4の装置は、第1の複数の電極及び/又は第2の複数の電極の少なくともいくつかに1又は複数の直流電位を印加することによってイオンの径方向変位を増加させるように配置され構成される。
好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの上流及び/又は下流に配置された1又は複数の電極をさらに含み、運転モード中に、1又は複数の直流及び/又は交流又はRF電圧が、少なくともいくつかのイオンをイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の軸方向に制限するために、1又は複数の電極に印加される。
好ましくは、運転モード中に、少なくともいくつかのイオンは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の1又は複数の上流及び/又は中間及び/又は下流領域にトラップされるか分離されるように配置される。
好ましくは、運転モード中に、少なくともいくつかのイオンは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の1又は複数の上流及び/又は中間及び/又は下流領域に断片化されるように配置される。好ましくは、イオンは、(i)衝突誘導解離(「CID」);(ii)表面誘起解離(「SID」);(iii)電子移動解離;(iv)電子捕獲解離;(v)電子衝突解離;(vi)光誘起解離(「PID」);(vii)レーザー誘起解離;(viii)赤外線誘起解離;(ix)紫外線誘起解離;(x)熱又は温度解離;(xi)電場誘起解離;(xii)磁場誘起解離;(xiii)酵素消化又は酵素分解解離;(xiv)イオン−イオン反応解離;(xv)イオン−分子反応解離;(xvi)イオン−原子反応解離;(xvii)イオン−準安定性イオン反応解離;(xviii)イオン−準安定性分子反応解離;(xix)イオン−準安定性原子反応解離;及び(xx)電子イオン化解離(「EID」)によって断片化されるように配置される。
実施形態では、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、運転モード中、(i)100mbar超;(ii)10mbar超;(iii)1mbar超;(iv)0.1mbar超;(v)10〜2mbar超;(vi)10〜3mbar超;(vii)10〜4mbar超;(viii)10〜5mbar超;(ix)10〜6mbar超;(x)100mbar未満;(xi)10mbar未満;(xii)1mbar未満;(xiii)0.1mbar未満;(xiv)10〜2mbar未満;(xv)10〜3mbar未満;(xvi)10〜4mbar未満;(xvii)10〜5mbar未満;(xviii)10〜6mbar未満;(xix)10〜100mbar;(xx)1〜10mbar;(xxi)0.1〜1mbar;(xxii)10〜2及び10〜1mbarとその間;(xxiii)10〜3及び10〜2mbarとその間;(xxiv)10〜4及び10〜3mbarとその間;及び(xxv)10〜5及び10〜4mbarとその間、からなる群より選択される圧力で維持される。
好ましくは、運転モード中、少なくともいくつかのイオンは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置の長さ部の少なくとも一部に沿って通過する際に、電場強度によってイオン移動度又はイオン移動度の変化速度に時間的に従って分離されるようになされる。
一好適実施形態では、好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、イオンをイオントラップ又は衝突若しくは反応装置の中にパルス化し、かつ/又は実質的に連続的なイオンビームをパルス化されたイオンビームに変換する装置又はイオンゲートをさらに含む。
一実施形態では、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットは、複数の軸方向区分又は少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の軸方向区分に、軸方向区分化される。好ましくは、運転モード中、複数の軸方向区分の少なくともいくつかは、異なる直流電位で維持され、かつ/又は、少なくともいくつかのイオンが1若しくは複数の軸方向直流電位井戸にトラップされるように1若しくは複数の過渡直流電位若しくは電圧又は1若しくは複数の過渡直流電位若しくは電圧波形が複数の軸方向区分の少なくともいくつかに印加され、かつ/又は、少なくともいくつかのイオンが第1の軸方向及び/又は第2の反対の軸方向に付勢される。
運転モード中、
(i)イオンは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に実質的に断熱的に排出され、かつ/又は、軸方向エネルギーをイオンに実質的に付与させることなく排出され、かつ/又は、
(ii)イオンは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に、(i)1eV未満;(ii)1〜2eV;(iii)2〜3eV;(iv)3〜4eV;(v)4〜5eV;(vi)5〜6eV;(vii)6〜7eV;(viii)7〜8eV;(ix)8〜9eV;(x)9〜10eV;(xi)10〜15eV;(xii)15〜20eV;(xiii)20〜25eV;(xiv)25〜30eV;(xv)30〜35eV;(xvi)35〜40eV;及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲の平均軸方向運動エネルギーで軸方向に排出され、かつ/又は、
(iii)イオンは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に、軸方向に排出され、軸方向運動エネルギーの標準偏差は、(i)1eV未満;(ii)1〜2eV;(iii)2〜3eV;(iv)3〜4eV;(v)4〜5eV;(vi)5〜6eV;(vii)6〜7eV;(viii)7〜8eV;(ix)8〜9eV;(x)9〜10eV;(xi)10〜15eV;(xii)15〜20eV;(xiii)20〜25eV;(xiv)25〜30eV;(xv)30〜35eV;(xvi)35〜40eV;(xvii)40〜45eV;及び(xviii)45〜50eVからなる群より選択される範囲にある。
一好適実施形態では、運転モード中、異なる質量電荷比を有する複数の異なる種のイオンは、実質的に同じ軸方向及び/又は実質的に異なる軸方向に、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から同時に軸方向に排出される。
運転モード中、追加的な交流電圧が、第1の複数の電極の少なくともいくつか及び/又は第2の複数の電極の少なくともいくつかに印加されてもよい。好ましくは、1又は複数の直流電圧は、少なくともいくつかの正イオン及び負イオンが、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置内で同時に制限されるよう、及び/又はイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に排出されるよう、追加的交流電圧で変調される。好ましくは、追加的交流電圧は、(i)1V未満ピークトゥピーク;(ii)1〜2Vピークトゥピーク;(iii)2〜3Vピークトゥピーク;(iv)3〜4Vピークトゥピーク;(v)4〜5Vピークトゥピーク;(vi)5〜6Vピークトゥピーク;(vii)6〜7Vピークトゥピーク;(viii)7〜8Vピークトゥピーク;(ix)8〜9Vピークトゥピーク;(x)9〜10Vピークトゥピーク;及び(xi)10V超ピークトゥピークからなる群より選択される振幅を有する。好ましくは、追加的交流電圧は、(i)10kHz未満;(ii)10〜20kHz;(iii)20〜30kHz;(iv)30〜40kHz;(v)40〜50kHz;(vi)50〜60kHz;(vii)60〜70kHz;(viii)70〜80kHz;(ix)80〜90kHz;(x)90〜100kHz;(xi)100〜110kHz;(xii)110〜120kHz;(xiii)120〜130kHz;(xiv)130〜140kHz;(xv)140〜150kHz;(xvi)150〜160kHz;(xvii)160〜170kHz;(xviii)170〜180kHz;(xix)180〜190kHz;(xx)190〜200kHz;and(xxi)200〜250kHz;(xxii)250〜300kHz;(xxiii)300〜350kHz;(xxiv)350〜400kHz;(xxv)400〜450kHz;(xxvi)450〜500kHz;(xxvii)500〜600kHz;(xxviii)600〜700kHz;(xxix)700〜800kHz;(xxx)800〜900kHz;(xxxi)900〜1000kHz;及び(xxxii)1MHz超からなる群より選択される周波数を有する。
好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置はまた、少なくとも1つの非トラッピング運転モードで運転されるように配置され構成され、
(i)直流及び/又は交流又はRF電圧が第1の電極セット及び/又は第2の電極セットに印加され、そうして、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置がRFのみのイオンガイド又はイオンガイドとして働き、そこでイオンはイオンガイド内で軸方向に制限されず、かつ/又は、
(ii)直流及び/又は交流又はRF電圧が第1の電極セット及び/又は第2の電極セットに印加され、そうして、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置がいくつかのイオンを質量選択的に伝送するとともに同時に他のイオンを実質的に減衰させるように、質量フィルター又は質量分析器として働く。
比較的好適でない実施形態では、運転モード中、同時に軸方向に排出されることが望ましくないイオンは径方向に励起されてもよく、かつ/又は、同時に軸方向に排出されることが望ましいイオンはそれ以上径方向に励起されなくなるか又はより低度に径方向に励起される。
イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から同時に軸方向に排出されることが望ましいイオンは、好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から質量選択的に排出され、かつ/又は、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から同時に軸方向に排出されることが望ましくないイオンは、好ましくは、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置から質量選択的に排出されない。
好適実施形態では、好ましくは、第1の電極セットは、第1の多極ロッドセット(例えば、4極ロッドセット)を含み、好ましくは、第2の電極セットは、第2の多極ロッドセット(例えば、4極ロッドセット)を含む。好ましくは、交流又はRF電圧の実質的に同じ振幅及び/又は周波数及び/又は相は、第1の多極ロッドセット及び/又は第2の多極ロッドセット内の径方向にイオンを制限するために、第1の多極ロッドセット及び第2の多極ロッドセットに適用される。
本発明の一態様では、
イオントラップ又は衝突若しくは反応装置内の軸方向に第1の径方向変位を有するイオンを制限するよう作用する第1の直流電気フィールド、及び第2の径方向変位を有するイオンをイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から抽出するか又は軸方向に加速させるよう作用する第2の直流電気フィールドを発生させるように配置され構成された第3の装置と、
イオンがイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に排出されるとともに他のイオンがイオントラップ又は衝突若しくは反応装置内に軸方向に制限されたままであるように、少なくともいくつかのイオンの径方向変位を質量選択的に変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は走査させるように配置され構成された第4の装置と、
を含むイオントラップ又は衝突若しくは反応装置が提供される。
特に好適な一実施形態では、イオントラップ又は衝突若しくは反応装置は、
好ましくは第1の4極ロッドセットを含む第1の複数の電極を含む第1の電極セットと、
好ましくは第2の4極ロッドセットを含む第2の複数の電極を含む、第1の電極セットの下流に配置される第2の電極セットと、
第2の4極ロッドセットに2つの直流電圧を印加するように配置され構成された第1の装置と、
イオントラップ又は衝突若しくは反応装置内の少なくともいくつかのイオンの径方向変位を変動させるか、増加させるか、減少させるか、又は変更させるように配置され構成された第2の装置と、を含み、
好ましくは、第2の装置は、第1の電極セット内の少なくともいくつかのイオンの径方向運動を質量又は質量電荷比選択的方法で少なくとも1つの径方向に増加させるよう、第1の電極セット内の径方向に少なくともいくつかのイオンを質量又は質量電荷比選択的方法で励起させるために、1又は複数の励起、交流、又は不安定電圧の第1の相及び/又は第2の逆位相を、第1の複数の電極の少なくともいくつかに印加するように配置され構成され、
好ましくは、第1の装置は、半径依存性軸方向直流電位バリアを発生させるよう、2つの直流電圧を第2の4極ロッドセットに印加するように配置され構成され、
(a)第1の範囲にある径方向変位を有するイオンは、イオントラップの少なくとも1つの軸方向にイオンの少なくともいくつかを制限するように作用する直流トラッピングフィールド、直流電位バリア、又はバリアフィールドを経験し、
(b)第2の異なる範囲にある径方向変位を有するイオンは、イオンの少なくともいくつかを少なくとも1つの軸方向へ、かつ/又はイオントラップ若しくは衝突若しくは反応装置から外へ、抽出するか加速させるよう作用する直流抽出フィールド、加速直流電位差、又は抽出フィールドを経験するようにしてなる。
好適実施形態では、好ましくは、イオンは、軸方向にイオントラップ又は衝突若しくは反応装置から軸方向に排出され、軸方向運動エネルギーの標準偏差は、好ましくは、(i)1eV未満;(ii)1〜2eV;及び(iii)2〜3eVからなる群より選択される範囲にある。
一実施形態では、質量分析器は、
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源;(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源;(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源;(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)イオン源;(v)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源;(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源;(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源;(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源;(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源;(x)電界イオン化(「FI」)イオン源;(xi)電界脱離(「FD」)イオン源;(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源;(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源;(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源;(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源;(xvi)ニッケル63放射性イオン源;(xvii)大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化イオン源;(xviii)熱スプレーイオン源;(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源;(xx)グロー放電(「GD」)イオン源;(xxi)衝撃子イオン源;(xxii)即時直接分析(「DART」)イオン源;(xxiii)レーザースプレーイオン化(「LSI」)イオン源;(xxiv)ソニックスプレーイオン化(「SSI」)イオン源;(xxv)マトリックス支援入口イオン化(「MAII」)イオン源;及び(xxvi)溶媒支援入口イオン化(「SAII」)イオン源;からなる群より選択されるイオン源;及び/又は、
(b)1若しくは複数の連続的又はパルス化イオン源;及び/又は、
(c)1若しくは複数のイオンガイド;及び/又は、
(d)1若しくは複数のイオン移動度分離装置及び/又は1若しくは複数の電界非対称性イオン移動度分光装置;及び/又は、
(e)1若しくは複数のイオントラップ又は1若しくは複数のイオントラッピング領域;及び/又は、
(f)(i)衝突誘導解離(「CID」)断片化装置;(ii)表面誘起解離(「SID」)断片化装置;(iii)電子移動解離(「ETD」)断片化装置;(iv)電子捕獲解離(「ECD」)断片化装置;(v)電子衝突解離断片化装置;(vi)光誘起解離(「PID」)断片化装置;(vii)レーザー誘起解離断片化装置;(viii)赤外線誘起解離装置;(ix)紫外線誘起解離装置;(x)ノズル−スキマーインターフェース断片化装置;(xi)インソース断片化装置;(xii)インソース衝突誘導解離断片化装置;(xiii)熱又は温度源断片化装置;(xiv)電気フィールド誘起断片化装置;(xv)磁場誘起断片化装置;(xvi)酵素消化又は酵素分解断片化装置;(xvii)イオン−イオン反応断片化装置;(xviii)イオン−分子反応断片化装置;(xix)イオン−原子反応断片化装置;(xx)イオン−準安定性イオン反応断片化装置;(xxi)イオン−準安定性分子反応断片化装置;(xxii)イオン−準安定性原子反応断片化装置;(xxiii)イオンを反応させて付加イオン又は生成物イオンを形成するためのイオン−イオン反応装置;(xxiv)イオンを反応させて付加イオン又は生成物イオンを形成するためのイオン−分子反応装置;(xxv)イオンを反応させて付加イオン又は生成物イオンを形成するためのイオン−原子反応装置;(xxvi)イオンを反応させて付加イオン又は生成物イオンを形成するためのイオン−準安定性イオン反応装置;(xxvii)イオンを反応させて付加イオン又は生成物イオンを形成するためのイオン−準安定性分子反応装置;(xxviii)イオンを反応させて付加イオン又は生成物イオンを形成するためのイオン−準安定性原子反応装置;及び(xxix)電子イオン化解離(「EID」)断片化装置からなる群より選択される1若しくは複数の衝突、断片化又は反応細胞;及び/又は、
(g)(i)4極質量分析器;(ii)2D又は線形4極質量分析器;(iii)ポール(Paul)又は3D4極質量分析器;(iv)ペニングトラップ質量分析器;(v)イオントラップ質量分析器;(vi)磁場形質量分析器;(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析器;(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器;(ix)クアドロ(quadro−)対数電位分布を有する静電フィールドを生成させるように配置された静電質量分析器;(x)フーリエ変換静電質量分析器;(xi)フーリエ変換質量分析器;(xii)飛行時間質量分析器;(xiii)直交する加速飛行時間質量分析器;及び(xiv)線形加速飛行時間質量分析器からなる群より選択される質量分析器;及び/又は
(h)1若しくは複数のエネルギー分析器又は静電エネルギー分析器;及び/又は、
(i)1若しくは複数のイオン検出器;及び/又は、
(j)(i)4極質量フィルター;(ii)2D又は線形4極イオントラップ;(iii)ポール又は3D4極イオントラップ;(iv)ペニングイオントラップ;(v)イオントラップ;(vi)磁場形質量フィルター;(vii)飛行時間質量フィルター;及び(viii)ウィーンフィルターからなる群より選択される1若しくは複数の質量フィルター;及び/又は
(k)イオンをパルス化するための装置又はイオンゲート;及び/又は、
(l)実質的に連続的なイオンビームをパルス化イオンビームへ変換するための装置
をさらに含んでもよい。
質量分析器は、
(i)クアドロ対数(quadro−logarithmic)電位分布をもった静電フィールドを形成する外側樽状電極及び同軸の内側紡錘状電極を含むC−トラップ及び質量分析器であって、第1の運転モードイオンがC−トラップに伝送され、次いで質量分析器の中に注入され、第2の運転モードイオンがC−トラップに伝送され、次いで衝突セル又は電子移動解離装置に伝送されてここで少なくともいくつかのイオンが断片イオンへと断片化され、次いで断片イオンはC−トラップへ伝送された後に質量分析器の中に注入される、C−トラップ及び質量分析器;及び/又は、
(ii)使用中、イオンが通って伝送される開口部をそれぞれ有する複数の電極を含む積層リングイオンガイドであって、電極間の間隔がイオン経路の長さ部に沿って増加し、イオンガイドの上流部分の電極の開口部が第1の直径を有し、イオンガイドの下流部分の電極の開口部が第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、交流又はRF電圧の逆位相が、使用中、連続した電極に印加される、積層リングイオンガイド、
をさらに含んでもよい。
一実施形態では、質量分析器は、交流又はRF電圧を電極に供給するように配置され構成された装置をさらに含む。好ましくは、交流又はRF電圧は、(i)50V未満ピークトゥピーク;(ii)50〜100Vピークトゥピーク;(iii)100〜150Vピークトゥピーク;(iv)150〜200Vピークトゥピーク;(v)200〜250Vピークトゥピーク;(vi)250〜300Vピークトゥピーク;(vii)300〜350Vピークトゥピーク;(viii)350〜400Vピークトゥピーク;(ix)400〜450Vピークトゥピーク;(x)450〜500Vピークトゥピーク;及び(xi)500V超ピークトゥピークからなる群より選択される振幅を有する。
好ましくは、交流又はRF電圧は、(i)100kHz未満;(ii)100〜200kHz;(iii)200〜300kHz;(iv)300〜400kHz;(v)400〜500kHz;(vi)0.5〜1.0MHz;(vii)1.0〜1.5MHz;(viii)1.5〜2.0MHz;(ix)2.0〜2.5MHz;(x)2.5〜3.0MHz;(xi)3.0〜3.5MHz;(xii)3.5〜4.0MHz;(xiii)4.0〜4.5MHz;(xiv)4.5〜5.0MHz;(xv)5.0〜5.5MHz;(xvi)5.5〜6.0MHz;(xvii)6.0〜6.5MHz;(xviii)6.5〜7.0MHz;(xix)7.0〜7.5MHz;(xx)7.5〜8.0MHz;(xxi)8.0〜8.5MHz;(xxii)8.5〜9.0MHz;(xxiii)9.0〜9.5MHz;(xxiv)9.5〜10.0MHz;及び(xxv)10.0MHz超からなる群より選択される周波数を有する。
質量分析器はまた、イオン源の上流にクロマトグラフィー又は他の分離装置を含んでもよい。実施形態では、クロマトグラフィー分離装置は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーを含む。他の実施形態では、分離装置は、(i)キャピラリー電気泳動(「CE」)分離装置;(ii)キャピラリー電気クロマトグラフィー(「CEC」)分離装置;(iii)実質的に硬質なセラミック系多層マイクロ流体基板(「セラミックタイル」)分離装置;又は(iv)超臨界流体クロマトグラフィークロマトグラフィー分離装置を含んでもよい。
好ましくは、イオンガイドは、(i)0.0001mbar未満;(ii)0.0001〜0.001mbar;(iii)0.001〜0.01mbar;(iv)0.01〜0.1mbar;(v)0.1〜1mbar;(vi)1〜10mbar;(vii)10〜100mbar;(viii)100〜1000mbar;及び(ix)1000mbar超からなる群より選択される圧力に維持される。
本発明の種々の実施形態を、単なる例示として、以下の図を参照して説明する。
放射状方向に依存した方法でイオンを閉じ込めるように配置されたトラップ電極と共に四重極ロッドセットを含む、好ましい実施形態による衝突または反応装置を示す。 イオン−イオン反応が四重極イオンガイド内で行われる、本発明の好ましい実施形態を示す。 イオンガイド内で放射状に励起されている発生した断片イオンを示す。 イオンガイドから放射状に排出されている断片イオンを示している。 検体と試薬イオンの間の相互作用時間を徐々に増加させるように、軸方向に分割されたイオンガイドに印加する進行波の振幅を徐々に減少させる効果を示しまた、進行波の強度を種々に変化させた時の全イオン電流を示し、更に進行波の振幅を種々に変化させた時の450の質量電荷比を持つ前駆体イオンの強度も示している。 進行波の強度を種々に変化させた時のc9とc2ETD断片イオンの強度を示す。 イオン−イオン相互作用時間が不十分である、進行波の強度が0.3Vである時またイオン−イオン相互作用時間が最善である、進行波の強度が0.2Vである時に得られた質量スペクトルを表す。 進行波の強度を減少させ結果として、イオン−イオン相互作用時間が増加して生産物イオンの中和化を引き起こした時に得られた質量スペクトルを示す。
本発明の好ましい実施形態を、図1を参照して説明する。
図1は、4つの四重極ロッド電極1を含む四重極ロッドセットを示している。各四重極ロッド電極1は好ましくは放射方向に依存するトラップ電極2を備えている。各トラップ電極2は、好ましくはロッドセットイオンガイドの出口領域に配置されている。トラップ電極2は、好ましくはイオンを放射方向に依存する方法で四重極ロッドセット内に閉じ込めるように配置されている。四重極ロッドセットの中心軸に沿ったイオンは好ましくは閉じ込められるが、より大きな半径を持つイオンは好ましくはトラップ電極2を自由に通過することができる。
親または前駆体イオンは、好ましくは四重極イオンガイドへ導入され、放射方向に依存するトラッピング電位が、好ましくはイオンガイドの出口領域に印加される。広帯域励起3が、好ましくは主四重極ロッド1に印加される。広帯域励起3は、好ましくは、その周波数スペクトルに欠落する特定の周波数成分4を有する。欠落する周波数成分4は、好ましくは、親または前駆体イオンの永年周波数に対応する。
イオンは、上流質量から好ましい装置に連続して入り比フィルター(図示せず)を充電する。 あるいは、イオンは脈動して四重極ロッドセットイオンガイドに入る。
ある実施形態によれば、イオンガイドは試薬分子を含むように配置されそれによって親イオンはイオン−分子反応をおこす。あるいは、試薬イオンがイオンガイドに導入され、追加の周波数ノッチが四重極ロッド電極に印加される励起周波数中に提供され、それによってイオン−イオン反応を可能にする。追加の周波数ノッチは、好ましくは試薬イオンの質量電荷比に一致し、それによって試薬イオンはイオンガイドから排出されない。
図2Aは、イオントラップ内で電子移動解離(ETD)などのイオン−イオン反応が好ましく行われる実施形態の概略を示す。親または前駆体イオンAは、好ましくはイオンガイド内に導入され、好ましくは四重極イオンガイドの中心線上に捕捉される。逆の極性を持つ試薬イオンBは、好ましくはイオンガイド内に導入され、好ましくは親または前駆体イオンAと相互作用を引き起こす。
親または前駆体イオンAが一旦試薬イオンBと反応し、その後前駆体または親イオンAは断片化しそれによって、図2Bに示すように断片イオンCとDを生成する。他の実施形態によると、前駆体または親イオンは付加物イオンを形成してもよく、すなわち前駆体または親イオンは実際には断片化しないが、その質量電荷比が変化する。
図2Bに示されているように、断片(あるいは付加物)イオンCとDは、好ましくは電極に印加される広帯域励起周波数3中に在る周波数ノッチと一致しない永年周波数を持っているので、断片イオンCとDは、好ましくは放射状に励起される。
断片(あるいは付加物)イオンCとDが一旦適切な半径を得ると、その後、図2Cに示されているように、断片あるいは付加物イオンCとDは、好ましくは効率的に除去され軸方向にイオントラップから排出される。
好ましいイオンガイド又はイオントラップから好ましく排出された断片(あるいは付加物)イオンは更なる反応又は相互作用をうけるように配置されていてもよい。
イオンガイドまたはイオントラップは、例えば、解像度や感度に有害な影響をおこさない従来のイオンガイドまたはイオントラップなどのその他の動作モードで操作してもよい。
ある実施形態に依れば、周波数ノッチを持つ広帯域励起をイオンガイドに印加する気相水素−重水素交換(HDx)実験を行うことができる。周波数ノッチ又は欠落した周波数は、好ましくは被検体物イオンの質量電荷比に対応する。事前に定められた回数の交換が起こるまで交換反応が強制的に続けられるように、追加周波数ノッチが含まれていてもよい。これにより、効率的かつ制御された交換部位及び反応の経路の探査が可能になり、例えば、バイオ医薬品の品質管理への応用等、特定の適用性がある。
交換されたイオンはその後好ましくは、例えば、それ以外では得られない交換経路の情報や立体構造をもたらす電子移動解離(ETD)により断片化されてもよい。各整数番号の交換部位(x=1、x=2、・・・)に対する交換部位の分布の統計的研究/比較は立体構造における小さな変化に対して感度の良い指標となる。
あるいは、単周波数又は小帯域周波数を印加して標的の水素−重水素交換(HDx)種の排出を引き起こしてもよい。
同様に、オゾンと親または前駆体イオンにおけるC=C二重結合との反応によって断片化を起こすイオン−分子反応であるオゾン分解を実行してもよい。オゾンは二重結合と反応し急速に分解する一次オゾン化物を形成する。このことは、C=C二重結合の部位を開裂することによって、二重結合の位置のみ異なる同位体が多くの場合存在するリピドミクスにおいて特に応用できる。これにより、
脂質の同定は改善することができる。オゾン分解の反応率は、分子とその立体構造に強く依存し異なる。本発明は、優れて、親および前駆体イオンの反応時間を反応そのものによって設定することができる。
電子移動解離実験において、一価の荷電生成物イオンが迅速に中和されるので、イオン−イオン反応が不規則に続く点で不利である。本発明の好ましい実施形態において、電子移動解離実験は、試薬イオンの質量電荷比および親または前駆体イオンの質量電荷比に対応する欠落した周波数又はノッチを持つ広帯域励起3を装置に印加する。親または前駆体イオンが断片又は生成物イオンを形成するために断片化するや否や、得られた断片又は生成物イオンが続いてイオンガイド又はイオントラップから好ましく自動排出される。このことが、その後に中和化を引き起こす複数の電子移動の可能性を減少させ、特に優れている点である。
更に様々な実施形態も考案されている。典型的な電子移動解離実験において、質量電荷比及び荷電状態(n)は既知である。結果として、実施形態よれば、周波数ノッチは、電荷(n−1)、(n−2)…等を帯びた荷電が減少した生成品に対応するようにプログラムしてもよい。この実施形態は、電荷が減少した生成品が排出されるのを防止し、その電荷が減少した生成品を更なる電子移動解離のために利用できる点で特に優れている。
イオンの質量電荷比が変化する時に、放射状励起だけが好ましく効果がある。実施形態によれば、追加のエネルギーを、結合/相互作用の時点で反応物質に入力することが出来る。このエネルギーは、反応の時点で、イオン−分子に排他的に与えることができる。残りの種は好ましくは影響を受けない。そのような実施形態は、反応の効率及び/若しくは断片化を制御する点で好ましく有用である。
例えば、電子移動解離において、もしこのエネルギーが反応に有益でないなら、ノッチは、前駆体と試薬の組み合わせの質量電荷比で印加してもよい。加えて、試薬イオンとの反応によって形成された生成物イオンはいずれも生成物イオンが形成されるや否や排出され、それによって被検体イオンと反応することができないので、試薬イオンの純度は保つことができる。
他の動作モードにおいて、反応生成物は、多重又は目標の反応が起こった場合にのみ除去される。
他の実施形態によれば、好ましい装置は、電荷状態をはぎ取るための陽子移動反応(PTR)としても利用できる。
本発明は、上記電子移動解離で述べたように、イオンの電荷状態がプロトン付加によって(または、負イオン脱プロトン化において)増加される過帯電反応を容易にするために用いることもできる。
本発明は、例えば、被検体イオンが試薬を含む気相発色団と反応し、2つ以上のノッチが広帯域励起に存在するより複雑なシステムに応用することもできる。周波数ノッチは被験体イオンの質量電荷比と、被験体と発色団の組み合わせの質量電荷比と、また、発色団試薬がイオンである場合、発色団試薬イオンの質量電荷比で提供される。イオンと発色団の組み合わせは、その後適切な波長の放射を用いて光解離により断片化してもよい。
本発明から利を得るイオン―イオン反応のその他の例としては、含アルデヒド試薬陰イオン(すなわち、一価の脱陽子化された4−フォルミル−1,3−ベンゼンジスルホン酸)と多重陽子化ペプチドイオン中の一級アミン基とイオン―イオン反応の結果によるシッフ塩基形成がある。
近年、ポリペプチドイオン中のシッフ塩基形成は電荷の反転に伴ってなされている(HassellKM, Stutzman JR, McLuckey SA Analytical Chemistry: 2010, 82(5):1594-1597)。例えば、一価の陽子化されたペプチドは二価の脱陽子化された4−フォルミル−1,3−ベンゼンジスルホン酸と反応し修飾された陰イオンを得る。衝突誘起解離(CID)と併せて、これらの複合体は、一価の陽子化されたあるいは一価の脱陽子化されたペプチドより、より情報価値のある構造的情報を生み出す。
このイオン―イオン反応を用いたシッフ塩基形成の観察により、気相ペプチドイオンの特定の共有結合修飾が示される。
イオン―イオン反応は、初めにポリペプチドイオンへの試薬イオンの付着とそれに続く衝突誘起解離に誘引された活性化を含んでいる。これが、シッフ塩基が形成される時の水分損失の発生の原因である。しかし、水分損失はポリペプチドイオンにとって、通常の断片化経路である。その結果、イオン―イオン複合体からの水分損失に続いて形成される種の個体数は脱水によって形成される他の主と共にシッフ塩基生成物を含む種の混合物を含んでいる。
加えて、タンパク質とペプチドは、定量化、構造特性解析やときにはイオン化を容易にするため、溶液中で往々にして修飾される。様々な試薬が、ある種のアミノ酸の溶液中での選択的共結合誘導体化に用いられてきており、例えば、リジン残基のN−末端あるいはε−NH基といった、ペプチドやタンパク質中の第一級アミン基は、通常N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)誘導体との反応を用いてアセチル化又は修飾される。NHSエステルのカルボニル炭素は、第一級アミンからの親核攻撃を受けその結果NHS(または、スルフォ―N−ヒドロキシスクシンイミド)の損失とアミド結合の形成をもたらす。現在、これらの試薬は、イオン−分子あるいはイオン―イオン反応用には気相では用いられていない。
図3A〜3Dは、実験の結果を示しているが、この実験では、複数の環状電極を持つイオンガイドに印加される進行波又はT−波のパルス高さが0.5Vから0Vへ降下され、それが被検体イオンと試薬イオンの間の反応/相互作用時間を増加させる効果を持っていた。被検体イオンは450の質量電荷比をもつ物質Pの三価イオンを含み、試薬イオンは1,4−ジシアノベンゼンを含んでいた。
図3Aのトッププロットは、イオン―イオン相互作用時間を増大させるために進行波振幅が徐々に低減された実験のための全イオン電流(TIC)を示している。反応時間が増加するにつれ、全イオン電流が低下し、これにより形成されつつある生成物イオンが中和されていることを明らかに示されている。
図3Aのボトムプロットは、進行波の強度が低減され相互作用時間が増大する時の、450の質量電荷比をもつ物質Pの三価イオンの強度を示している。
図3Bのトッププロットは、進行波の振幅が変化する時の、c9ETD断片化イオンの強度を示している。進行波振幅が0.2Vに設定された時に得られた最小の中和と共に最善の断片化。
図3Bのボトムプロットは、進行波の振幅が変化する時の、c2ETD断片化イオンの強度を示している。反応時間が長すぎる場合、有意な中和の形跡がある。
図3Cのトッププロットは、進行波振幅が0.3Vに保たれている時の、前駆体イオンが効率的に断片化するためには不十分な反応時間しか持っていないことを示す結果と共に、得られた質量スペクトルを示している。
図3Cのボトムプロットは、進行波振幅が0.2Vに保たれている時に得られた質量スペクトルを示し、また最小限の中和化と共に最善の断片化を示している。
図3Dは、進行波振幅が更に0.05Vにまで低減された時に得られた質量スペクトルを示し、反応時間が長すぎる場合で有意な中和の形跡がある状況に対応している。
本発明は、好ましい実施形態を参照に述べられてきたが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく形態及び詳細について様々な変更がなされることは当業者によって理解されるであろう。

Claims (21)

  1. 質量分析器のための衝突又は反応装置であって、
    第1のイオンを、荷電粒子及び/若しくは中性粒子と衝突若しくは反応させ、又はそうでなければ解離させて第2のイオンを形成するように配置され構成された第1の装置と、
    前記第1の装置に対し、1又は複数の周波数ノッチを有する広帯域励起を適用して、前記第1のイオンが前記第1の装置から実質的に排出されることなく前記第2のイオン及び/又は前記第2のイオンから誘導されたイオンを前記第1の装置から実質的に排出させるように配置及び構成された第2の装置
    を含む前記衝突又は反応装置。
  2. 前記荷電粒子がイオンを含む、請求項1記載の衝突又は反応装置。
  3. 前記衝突又は反応装置がイオン−イオン衝突又は反応装置を含む、請求項2記載の衝突又は反応装置。
  4. 前記第1のイオンは、電子移動解離(「ETD」)により試薬イオンと相互作用させられて前記第2のイオンを形成する、請求項3記載の衝突又は反応装置。
  5. 前記荷電粒子が電子を含む、請求項1記載の衝突又は反応装置。
  6. 前記衝突又は反応装置が、イオン−電子衝突又は反応装置を含む、請求項5記載の衝突又は反応装置。
  7. 前記衝突又は反応装置が、イオン−分子衝突又は反応装置を含む、請求項1記載の衝突又は反応装置。
  8. 前記第1のイオンは、衝突誘導解離(「CID」)によりガス分子と相互作用させられ断片化されて前記第2のイオンを形成する、請求項7記載の衝突又は反応装置。
  9. 前記第1のイオンは、水素−重水素交換(「HDx」)により重水素と相互作用させられて前記第2のイオンを形成する、請求項7記載の衝突又は反応装置。
  10. 前記衝突又は反応装置が、イオン−準安定性衝突又は反応装置を含む、請求項1記載の衝突又は反応装置。
  11. 前記衝突又は反応装置が、気相衝突又は反応装置を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の衝突又は反応装置。
  12. 前記衝突又は反応装置が、線形又は2Dイオントラップを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の衝突又は反応装置。
  13. 前記衝突又は反応装置が、4極ロッドセットイオンガイド又はイオントラップを含む、請求項12記載の衝突又は反応装置。
  14. 前記衝突又は反応装置が、3Dイオントラップを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の衝突又は反応装置。
  15. 前記第1の装置の少なくとも一部を横切る、半径依存性トラッピング電位を印加する装置をさらに含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の衝突又は反応装置。
  16. 前記第1の装置内の1つの方向にイオンを付勢するために、前記第1の装置に軸方向に直流電圧勾配を維持するように及び/又は1若しくは複数の過渡直流電圧を印加するように配置及び構成された装置をさらに含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の衝突又は反応装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の衝突又は反応装置を含む質量分析器。
  18. イオンを衝突又は反応させる方法であって、
    第1の装置を準備し、第1のイオンを、荷電粒子及び/若しくは中性粒子と衝突若しくは反応させ、又はそうでなければ解離させて第2のイオンを形成し、
    前記第1の装置に対し、1又は複数の周波数ノッチを有する広帯域励起を適用して、前記第1のイオンが前記第1の装置から実質的に排出されることなく前記第2のイオン及び/又は前記第2のイオンから誘導されたイオンを前記第1の装置から実質的に排出させることを含む、前記方法。
  19. 請求項18記載のイオンの衝突又は反応方法を含む質量分析方法。
  20. 親イオンを断片化し、又は反応させて断片又は生成物イオンを形成させ、該断片又は生成物イオンの形成後直ちに、前記親イオンを自動排出させることなく該断片又は生成物イオンを前記装置から自動排出させるように配置及び構成された衝突又は反応装置。
  21. イオンを衝突又は反応させる方法であって、
    親イオンを断片化し、又は反応させて断片又は生成物イオンを形成させ、
    該断片又は生成物イオンの形成後直ちに、前記親イオンを自動排出することなく該断片又は生成物イオンを前記装置から自動排出させることを含む、前記方法。

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