JPWO2007055295A1 - Idカードホルダー及びカードのスキミング防止構造 - Google Patents

Idカードホルダー及びカードのスキミング防止構造 Download PDF

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Abstract

IDカードホルダー1にIDカード20を入れて携行する場合は、IDカード20と遮蔽部材21とが大部分で重なりあっている。そのためIDカード20は電磁波を発することができない。IDカード20をスキミングすることはできない。IDカード20から情報を読み取らせる場合には、IDカード20をずらして遮蔽部材21との重なり部分を少なくする。情報記憶媒体23が搭載されたカード11に重なる部材に、前記情報記憶媒体23に記憶された情報の読み取りを許容する読取許容部32aと、前記情報記憶媒体23に記憶された情報の読み取りを不可に遮蔽する遮蔽部32とを備えた。

Description

本発明は、特にICチップが埋め込まれたIDカードを挿入するのに適したIDカードホルダーと、非接触型IC媒体や磁気ストライプなどの情報記憶媒体が搭載されたカードからのスキミング(不正読み取り)を防止するためのカードのスキミング防止構造に関するものである。
放送局や官庁等の第三者が出入りする機会が多い施設や、大手企業の様に従業員が多い企業では、従業員等と第三者等とを識別するために従業員等にIDカードを発行する場合が多い。IDカードには本人の写真の他、氏名、所属部署、役職等が記入されている。そして従業員等は、IDカードを透明なIDカードホルダーに入れて常時携行する。
IDカードホルダーは、透明な樹脂で成形されたものであり、IDカードを挿入する袋部を有している。
そして従業員等は、IDカードホルダーに紐を通して首から下げる。
身分の照会が必要な場合は、IDカードホルダーを警備員等に示す。IDカードホルダーは透明であるから、警備員等はIDカードホルダーに挿入されたIDカードを目視することができ、身分の確認を行うことができる。
特開2005−121684号
IDカードは、従来、写真等によって本人であるか否かを確認するものに過ぎなかったが、近年、IDカードの高機能化が求められている。例えば、IDカードにICチップや磁気記録媒体を内蔵させ、機密書類が保管されている部屋の鍵として機能させたり、特定のデータにアクセスするためのキーとしての機能を付加することが考えられる。
またIDカードにクレジットカードや銀行カード(キャッシュカード)の機能を付加することも考えられる。この様なIDカードのICチップ等には口座情報や暗証番号等の重要な情報が記録されることとなる。
すなわち、個人を識別して金銭を電子的に取り扱う媒体として、キャッシュカードやクレジットカード、デビットカードなどが利用されている。このようなカードには、個人を識別するIDや、チャージされている金額などの情報を記憶する情報記憶媒体として磁気ストライプが備えられ、該磁気ストライプに記憶した情報に基づいて取引が行われる。
ところで、近年、スキミングと称される不正行為が問題となっている。スキミングは、他人のカードから口座情報や暗証番号等を読み出し、預金を引き出したり物品を購入する行為である。すなわち、スキミングにより取得された情報は、カードの偽造に利用され、偽造されたカ一ドによって商品の購入や預金の引き出し等が勝手に行われてしまうことになる。
上記磁気ストライプ以外にも情報記憶媒体として、接触型や非接触型のIC媒体が存在する。このIC媒体は、ICチップ内に制御部と記億部を備えたもので、その記憶部には、磁気ストライプと比較して大量の情報を記憶することができる。このため、情報を暗号化して記憶しておくことも可能となり、磁気ストライプに比べて高度なセキュリティレベルを確保することができる。
このようなIC媒体のうち特に非接触型のIC媒体は、磁気ストライプや接触型IC媒体のように読取装置にカードを挿入せずとも、財布やカードケース等に入れたままで読取装置と通信できるため、非常に利便性が高く、注目されている。
しかし、非接触で通信できるがために、非接触型IC媒体を搭載したカードでは、上述したスキミングの如き不正行為の可能な場面が、磁気ストライプを搭載したカードの場合に比べて多い。
本出願時において、スキミング犯の検挙数は少なく、その手口は定かではない。しかしながら、ICチップが埋め込まれたカードには非接触形のものもあり、当該非接触形のカードについては、通勤途上の混雑に紛れてのスキミングが可能ではないかと言われている。即ち非接触形のカードは、樹脂カードにコイルとICチップが埋め込まれており、コイルに磁界を与えることで誘導電流を起こしてICチップのデータを読みだすことができる。そのため所定の機能を備えたカードリーダを近づけるだけでICチップに記録された口座情報や暗証番号等を読み取ることができる。
従って満員電車の中の様に他人と近接した状態にある場合、近接した位置に居る者がカードリーダを保持しておれば、カードの口座番号等を盗み取られる可能性がある。また近年、カードリーダの性能が向上し、カードと同等サイズのカードリーダも市販されている。この様な現状から、IDカード所持者のスキミングに対する不安が高く、スキミングを防止する対策が望まれている。
従ってIDカードにクレジットカードや銀行カードの機能を付加する場合には、スキミングに対する対策をとることが望ましい。
これまで、アルミなどの金属が電磁波を遮断する性質を利用した技術が提案されている。たとえば下記特許文献2の収納ケースや、特許文献3のスキミング防止封筒などである。
特開2004−188215号公報 登録実用新案第3116345号公報
しかし、これまで提案されているものは、カードをスキミングから守るために、電磁波を遮断する手段を備えたケースでカードを覆うというものである。カードの全体を電磁波遮断手段で覆うので、スキミングは防止できるものの、カードを正当に使用するときはカードをケースから取り出さなければならず不便である。
また、カード自体に電磁波遮断手段が講じられたものは存在しない。
一方、IDカードは、業務上使用するものであるから、他のカードに比べて使用する頻度が高く、正規の使用時においては、迅速、且つ簡便に情報の読み出しを行うことができることが必要である。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、正規の使用時においては、迅速、且つ簡便に情報の読み出しを行うことができ、且つスキミングされる危険性も少ないIDカードホルダーを提供することと、カードのスキミング防止構造を提供することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための本発明のIDカードホルダーは、袋部を有し、当該袋部にIDカードが配されるIDカードホルダーにおいて、前記袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が同封され、袋部の表面側又は裏面側の少なくともいずれかに開口又は溝が設けられたことを特徴とするものである。
本発明のIDカードホルダーは袋部を有し、この袋部にIDカードが挿入されるが、本発明では、同じ袋部に遮蔽部材や金属層を有する部材が同封される。遮蔽部材は、電磁波や磁気を遮蔽する部材である。また金属層を有する部材も同様の遮蔽機能があるが、特に金属層を有する部材は、IDカードが内蔵するICチップ等のアンテナの機能を阻害することができる場合がある。
そのためIDカード及び遮蔽部材等が正規の位置にある場合にはスキミングされることはない。
また本発明のIDカードホルダーは袋部の表面側又は裏面側の少なくともいずれかに開口又は溝が設けられている。そのため開口又は溝の部位は、IDカード又は遮蔽部材等が外部に露出しており、外部から手指によって中のIDカードや遮蔽部材等に触れることができる。
そして本発明のIDカードホルダーでは、IDカードの情報を読み出させる場合、手指によって中のIDカード又は遮蔽部材等を移動させ、両者を相対的にずらす。その結果、IDカードの一部が遮蔽部材等と重ならない状態となり、情報の読み出しが可能となる。
また、本発明のIDカードホルダーは、袋部を有し、当該袋部にIDカードが配されるIDカードホルダーにおいて、複数の袋部を有し、その内の少なくとも一つの袋部に前記IDカードを挿入し、他の少なくとも一つの袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が挿入され、折り畳み可能であって、折り畳まれた状態の時にIDカードと遮蔽部材が重なることを特徴とするものである。
本発明のIDカードホルダーについても袋部を有し、この袋部にIDカードが挿入される。また本発明のIDカードホルダーは、複数の袋部を有し、他の少なくとも一つの袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が挿入する。そして携行時においては、IDカードホルダーを折り畳み、IDカードと遮蔽部材等を重ねる。そのためIDカードがスキミングされることはない。
IDカードの情報を読み出させる場合は、IDカードホルダーを開き、IDカードを遮蔽部材等から離す。
本発明のIDカードホルダーは、遮蔽部材は、ラミネートシートの間に金属層と樹脂層を有するフィルムが挿入されて成るものである。
本発明では、遮蔽部材としてラミネートシートの間に金属層と樹脂層を有するフィルムが挿入されてなるものが使用されているので、IDカードと遮蔽部材の相互間の滑りがよい。そのためIDカード又は遮蔽部材を容易に移動させることができる。
本発明のIDカードホルダーは、袋部の内面側に凸部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明のIDカードホルダーでは、袋部の内面側に凸部が設けられているので、袋部の内面側がIDカードや遮蔽部材等と密着せず、滑りがよい。
本発明のIDカードホルダーは、袋部の内面側にガイドが設けられていることを特徴とするものである。
本発明のIDカードホルダーでは、袋部の内面側にガイドが設けられているので、IDカードや遮蔽部材のスライド移動が円滑である。
本発明のIDカードホルダーは、袋部を有し、当該袋部にIDカードが配されるIDカードホルダーにおいて、前記袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が同封され、前記袋部の内部には仕切が設けてあり、袋部の表面側又は裏面側の少なくともいずれかに開口又は溝が設けられている。
本発明のIDカードホルダーでは、遮蔽部材又は金属層を有する部材とIDカードとは、仕切を隔てて袋部に収容されるので、遮蔽部材又は金属層を有する部材とIDカードとは接触していない。よって、いずれか一方を袋部に対して摺動させても、他方は袋部に対して摺動することがない。その結果、遮蔽部材又は金属層を有する部材とIDカードは、確実に相対移動させることができる。よって、IDカードの使用時には、遮蔽部材又は金属層を有する部材とIDカードとを確実にずらすことができ、IDカードの不使用時には、遮蔽部材又は金属層を有する部材とIDカードとを重ね合わせておき、スキミングを阻止することができる。すなわち、袋部に仕切を設けることによって、IDカードの使用時と不使用時とを円滑に切り替えることができるようになる。
本発明のIDカードホルダーは、前記遮蔽部材又は金属層を有する部材には突出部が設けてあり、前記突出部は袋部に設けた前記開口又は溝に沿って摺動可能である。
本発明のIDカードホルダーでは、遮蔽部材又は金属層を有する部材には突出部が設けていることにより、突出部を押し出すことによって遮蔽部材又は金属層を有する部材を袋部及びIDカードに対して容易に摺動させることができるようになる。
本発明は、情報記憶媒体が搭載されたカードに重なる部材に、前記情報記憶媒体に記憶された情報の読み取りを許容する読取許容部と、前記情報記憶媒体に記憶された情報の読み取りを不可に遮蔽する遮蔽部とを備えたことを特徴とするカードのスキミング防止構造である。
本発明を実施すると、読取許容部によって情報記憶媒体の情報の読み取りが可能になり、遮蔽部によって情報の読み取りを不可能にすることができる。
本発明のカードのスキミング防止構造は、読取許容部を、前記部材の一部を切り欠いて形成した切欠部で構成した。
本発明を実施すると、読取許容部を容易に構成することができる。
本発明のカードのスキミング防止構造は、前記部材が、情報の読み取りを不可能にする遮蔽状態と、情報の読み取りを可能にする読取許容状態とを切り替え可能にした。
本発明を実施すると、情報の読み取りを不可能にする遮蔽状態と、情報の読み取りを可能にする読取許容状態とを容易に切り替えることができる。
本発明のカードのスキミング防止構造は、前記読取許容部に、移動遮蔽部材を移動可能に配置した。
本発明を実施すると、移動遮蔽部材を設けることにより、前記カードに重なる部材自体を移動させずに済む。よって、より簡単に情報記憶媒体の情報の読み取りを不可能にする遮蔽状態と、情報の読み取りを可能にする読取許容状態とを切り替えることができる。
本発明のカードのスキミング防止構造は、前記遮蔽部を、カードの厚み内における情報記憶媒体部分の一方側に層状に形成した。
本発明を実施すると、スキミング防止構造を簡素化することができる。
本発明は、カードのスキミング防止構造を備えたIDカードホルダーである。
本発明のIDカードホルダーは、前述の各構成を備えることにより、スキミングを良好に防止することができると共に、使用時には、容易に情報記憶媒体の情報を読み取り可能な状態にすることができる。
本発明のIDカードホルダーは、正規の使用時においては、迅速、且つ簡便に情報の読み出しを行うことができる。その一方で、本発明のIDカードホルダーは、スキミングされる危険性が少ない。
また、この発明によれば、読取許容部の存在により情報の正当な読み取りが可能でありながらも、遮蔽部によってカードをスキミングから保護することができる。
本発明の実施形態のIDカードホルダーの斜視図である。 図1のIDカードホルダーの分解斜視図である。 図1のIDカードホルダーにIDカードと遮蔽部材を同封した状態を示しており、(a)はその正面図であり、(b)は断面図である。 本実施形態で採用する遮蔽部材の斜視図である。 図4の遮蔽部材の断面図である。 図4の遮蔽部材で使用する積層フィルムの拡大断面図である。 図1のIDカードホルダー1にIDカード20と遮蔽部材21を同封し、情報を読み取らせる際におけるIDカードホルダーを示しており、(a)はその正面図であり、(b)は断面図である。 本発明の第二実施形態のIDカードホルダーの分解斜視図である。 図8のIDカードホルダーにIDカードと遮蔽部材を同封し、情報を読み取らせる際におけるIDカードホルダーを示しており、(a)はその裏面図であり、(b)は断面図である。 本発明の第三実施形態のIDカードホルダーを示しており、(a)はその裏面図であり、(b)は断面図である。 本発明の第四実施形態のIDカードホルダーの分解斜視図である。 本発明の第五実施形態のIDカードホルダーの分解斜視図である。 本発明の第六実施形態のIDカードホルダーの斜視図である。 図13のIDカードホルダーの分解斜視図である。 本発明の第七実施形態のIDカードホルダーの斜視図である。 図15のIDカードホルダーにIDカードと遮蔽部材を同封し、情報を読み取らせる際におけるIDカードホルダーの正面図である。 積層フィルムの変形例の拡大断面図である。 積層フィルムの他の変形例の拡大断面図である。 積層フィルムのさらに他の変形例の拡大断面図である。 積層フィルムのさらに他の変形例の拡大断面図である。 積層フィルムのさらに他の変形例の拡大断面図である。 積層フィルムのさらに他の変形例の拡大断面図である。 カードの斜視図であり、(A)は遮蔽状態、(B)は読取許容状態を示す。 カードの分解斜視図である。 (A)〜(C)は、各々カードの断面図である。 (A)〜(C)は、各々遮蔽部材の構造を示す断面図である。 (A)は遮蔽状態、(B)は読取許容状態の説明図である。 カードの斜視図であり、(A)は遮蔽状態、(B)は読取許容状態を示す。 (A),(B)は、各々カードの断面図である。 実施例3のカードの取出し状態の斜視図と装着状態の斜視図である。 (A),(B)は、各々カード保護具の断面図である。 実施例4のカード及びカードケースの斜視図である。 カードケースの作用状態を示す斜視図である。 (A)は、実施例5のカードケースの斜視図、(B)は、同断面図である。 実施例6のカード及びカードケースの斜視図である。 カードとカードケースの作用状態を示す斜視図である。 (A)は、実施例7のカードの斜視図、(B)は、同断面図である。 内部に仕切を備えたIDカードホルダーの斜視図であり、(a)は情報の読み取りが不可能な状態を示しており、(b)は、情報の読み取りが可能な状態を示している。 (a)は、図38(a)のA−A矢視図であり、(b)は、図38(a)のB−B矢視断面図であり、(c)は図38(b)のC−C矢視断面図である。 図39の変形例を示しており、(a)は、内部に仕切を備えたIDカードホルダーの平面図であり、(b)は、(a)のb−b断面図であり、(c)は、(b)の状態から遮蔽部材をスライドさせた状態を示す断面図である。 別のIDカードホルダーの斜視図であり、(a)は、情報の読み取りが不可能な状態を示しており、(b)は、情報の読み取りが可能な状態を示している。 図41のIDカードホルダーの変形例を示しており、(a)は、情報の読み取りが不可能な状態を示しており、(b)は、情報の読み取りが可能な状態を示している。 図38のIDカードホルダーに対して、異なる形状の遮蔽部材を収容した状態のIDカードホルダーの斜視図である。 図38のIDカードホルダーに対して、異なる形状の遮蔽部材を収容した状態のIDカードホルダーの斜視図である。 IDカードホルダーの構造の変形例を示す斜視図である。
符号の説明
1,25,27,32,33,38 IDカードホルダー
9 熱融着シート(ラミネートシート)
10 積層フィルム(情報漏洩防護フィルム)
11 カード
20 IDカード
21 遮蔽部材
22 開口
23 非接触型1C媒体
28,30 凸部
27 溝
34 移動遮蔽部材
35 ガイド
51 重合部分
52 芯部材
52a 読取許容孔
61,62 シート部材
61a 切欠部
63 芯部材
63a 読取許容孔
71 カード側遮蔽部材
71a 読取許容孔
72,73 シート部材
72b ケース側遮蔽部
112 カード保護具
113 カードケース
125 磁気ストライプ
132 第1固定遮蔽部材
132a 読取許容孔
136 第2固定遮蔽部材
138 読取許容面
181 遮蔽層
182 読取許容面
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態のIDカードホルダーの斜視図である。図2は、図1のIDカードホルダーの分解斜視図である。図3は、図1のIDカードホルダーにIDカードと遮蔽部材を同封した状態を示しており、(a)はその正面図であり、(b)は断面図である。
本実施形態のIDカードホルダー1は、ビニール等の透明な樹脂で作られたものであり、裏面側の一部が二重構造となって袋部2が形成されている。袋部2は上部が開口し、当該開口からIDカード20及び遮蔽部材21を挿入することができる。
IDカードホルダー1の表面側の上部には、孔7が二個設けられ、下げ紐8が取り付けられている。
またIDカードホルダー1の表面側であって、袋部2の表面壁を構成する部位に開口22が設けられている。本実施形態では、開口22は長孔であり、袋部2の深さ方向に長い。
IDカード20は、表面に図示しない写真が添付されていると共に氏名、所属部署、役職等が記入されている。またIDカード20には図示しないICチップが埋め込まれており、個人情報等が記憶されている。
遮蔽部材21は、ラミネートシートの間に積層フィルム10が挟み込まれて挿入されたものである。
図4は、本実施形態で採用する遮蔽部材の斜視図である。図5は、図4の遮蔽部材の断面図である。図6は、図4の遮蔽部材で使用する積層フィルムの拡大断面図である。
即ち遮蔽部材21は、図の様に二枚の熱融着シート(ラミネートシート)9の間に積層フィルム10等を挟み込み、三者を熱融着したものである。なお挟み込まれる積層フィルム10は、複数枚であってもよい。即ち同一厚さの積層フィルム10を大量に製造しておき、必要に応じた厚さとするために複数枚を重ねて使用する。遮蔽部材21の形状及び大きさは、IDカード20に合わせて作られており、本実施形態では長方形である。
積層フィルム10は、例えばスナック菓子の袋の素材と同等のものであり、図6の様にアルミニウム箔層12と樹脂層13が積層されたものである。
ここでアルミニウム箔層12の厚さは、8μm以上であることが望ましく、さらに18μm以上であることが推奨される。即ちアルミニウム箔層12の厚さが、8μm未満である場合は、電磁波を遮蔽する機能が十分ではない。アルミニウム箔層12の厚さが、18μm以上であれば、相当の強度を有する電磁波であっても遮蔽することができ、信頼性が高い。
上記した積層フィルム10は、2層構造であるが、3層以上の構成であってもよい。3層以上の構成を持つ例については後記する。
樹脂層の素材は任意であり、公知の樹脂であってフィルム化が可能なものであれば良い。例えばセロハン、ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニリデンコート二軸延伸ポリプロピレン、Kコートポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコール共重合体等の樹脂を使用することができる。
次に本実施形態のIDカードホルダー1の使用方法について説明する。
即ち本実施形態のIDカードホルダー1にIDカード20を入れて携行する場合は、前記した図3の様にIDカード20と遮蔽部材21とが大部分で重なりあっている。そのためIDカード20は電磁波を発することができない。またIDカード20は外部から磁気等を受けることができない。そのためIDカード20をスキミングすることはできない。
これに対してIDカード20から情報を読み取らせる場合には、IDカード20をずらして遮蔽部材21との重なり部分を少なくする。即ち図7は、図1のIDカードホルダー1にIDカード20と遮蔽部材21を同封し、情報を読み取らせる際におけるIDカードホルダーを示しており、(a)はその正面図であり、(b)は断面図である。
本実施形態のIDカードホルダー1では、表面側に開口22が設けられているので、IDカード20の一部が開口22から露出している。そのため使用者は、外部から手指で直接的にIDカード20に触れることができ、IDカード20を容易にずらすことができる。
その結果、IDカード20の一部が遮蔽部材21から露出し、IDカード20は外部に電磁波を発することができる。またIDカード20は外部から磁気等を受けることができる状態となる。
次に本発明の他の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第二実施形態のIDカードホルダーの分解斜視図である。図9は、図8のIDカードホルダーにIDカードと遮蔽部材を同封し、情報を読み取らせる際におけるIDカードホルダーを示しており、(a)はその裏面図であり、(b)は断面図である。図10は、本発明の第三実施形態のIDカードホルダーを示しており、(a)はその裏面図であり、(b)は断面図である。図11は、本発明の第四実施形態のIDカードホルダーの分解斜視図である。図12は、本発明の第五実施形態のIDカードホルダーの分解斜視図である。図13は、本発明の第六実施形態のIDカードホルダーの斜視図である。図14は、図13のIDカードホルダーの分解斜視図である。図15は、本発明の第七実施形態のIDカードホルダーの斜視図である。図16は、図15のIDカードホルダーにIDカードと遮蔽部材を同封し、情報を読み取らせる際におけるIDカードホルダーの正面図である。
上記した第一の実施形態では、IDカードホルダー1の表面側に開口22を設けたが、図8、図9の様にIDカードホルダー25の裏面側に開口26を設け、遮蔽部材21をずらしても同様の作用効果が期待できる。
また孔状の開口に代わって、図10の様な溝27を設ける構成を採用することもできる。
さらに図11,図12の様にIDカードホルダー24,32の様に内面に突条(凸部)28や粒状の突起(凸部)30を設けることも推奨される。凸部28,30を設けることによってIDカードホルダー24,32の内面側とIDカード20や遮蔽部材21との間に隙間ができ、IDカード20や遮蔽部材21の滑りが良くなる。
また図13、図14に示すIDカードホルダー33の様に袋部2内にガイド35を設ける構成も推奨される。ガイド35の設置間隔は、移動させようとするIDカード又は遮蔽部材の幅と略合致している。そのためIDカード20又は遮蔽部材21の移動が円滑である。
また上記した実施形態は、いずれも一つの袋部にIDカード20と遮蔽部材21とを同封する構成であるが、図15、図16の様に二つの袋部36,37を設けた構成を採用することもできる。即ち図15、図16に示すIDカードホルダー38は、二つの袋部36,37を有し、その一方にIDカード20が挿入され、他方に遮蔽部材21が挿入される。
そして携行時には、図15の様にIDカードホルダー38を二つ折りにしてIDカード20と遮蔽部材21を重ねる。
即ち本実施形態のIDカードホルダー38にIDカード20を入れて携行する場合は、IDカード20と遮蔽部材21とが大部分で重なりあっている。そのためIDカード20は電磁波を発することができない。またIDカード20は外部から磁気等を受けることができない。そのためIDカード20をスキミングすることはできない。
これに対してIDカード20から情報を読み取らせる場合には、図16の様にIDカードホルダー38を開く。その結果、IDカード20が遮蔽部材21から離れ、IDカード20は外部に電磁波を発することができる。またIDカード20は外部から磁気等を受けることができる状態となる。
次に積層フィルム(情報漏洩防護フィルム)10の変形例について説明する。図17乃至22は、積層フィルムの変形例の拡大断面図である。
積層フィルム10は3層以上の構成であってもよいという点については前記したが、具体的には図17乃至22に示す様な層構成のものが推奨される。
即ち図17に示す積層フィルム10は、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン等の樹脂層13を挟んで2層のアルミニウム蒸着層12が設けられ、さらにその外側に樹脂層13が積層され、最も外層の二面にカーボン層80が積層されたものである。樹脂層13の厚さは、20〜30μmであり、アルミニウム蒸着層12は100〜500オングストローム程度である。
なおアルミニウム蒸着層12に代わってアルミニウム箔を採用し、アルミニウム箔と樹脂層13とを、接着剤等で貼り合わせてもよい。
両面のカーボン層80は、いずれも共役二重結合の炭素化合物を含む。
共役二重結合の炭素化合物には電磁波を吸収する機能があり、カードから漏洩する電磁波を吸収する。
図18に示す積層フィルム10は、異種の金属層を有するものであり、アルミニウム箔層12に銅又は銀の層85が積層されている。銅又は銀の層85は、蒸着によって接合されてもよく、また予め金属箔化した後に、接着剤等で張り合わせてもよい。本実施形態では、アルミニウム箔層12と銅又は銀の層85は接着剤(図示せず)で貼り合わされている。
本実施形態では、異種金属の層を有するものであり、いずれの周波数であっても高い電磁波遮蔽機能を有する。即ち電磁波を遮蔽する能力は、遮蔽しようとする電磁波の周波数の影響を受けるが、周波数と遮蔽能力との関係は、金属ごとに異なる。例えばアルミニウムは、周波数の上昇と共に遮蔽能力も上昇するが、周波数がある一定値以上となると、遮蔽能力が極端に低下する。これに対して、銀では大きな能力低下が見られない。一方、アルミニウムは安価であり、銀は高価である。
本実施形態では、アルミニウムの層と銀の層とを設けたので、周波数の影響が軽減され、いずれの周波数領域においても安定した遮蔽機能を発揮する。
図19に示す積層フィルム10は、さらに鉄の層82を設けたものである。即ち図19に示す積層フィルム10は、アルミニウム箔層12、銀層81及び鉄層82が設けられている。これらの金属層12,81,82の間には、ポリエチレンテフタレート等の樹脂層13が設けられ、さらに最も外面には、ポリエチレンテフタレート等の樹脂層13を介してカーボン層80が設けられている。
本実施形態の積層フィルム10は、鉄層82が設けられているので、磁気を遮蔽することもできる。さらに鉛の層を追加してもよい。また鉄層82や銀層81に代わって鉛層を設けてもよい。
上記した例は、いずれも複雑な積層構造を有するものであるが、図20に示す様なアルミニウム箔層12の片面にカーボン層80を積層し、他面に樹脂層13を積層した様なものであってもよい。また図21の様にアルミニウム箔層12に代わって銀や銅の層85を設け、片面にカーボン層80を積層し、他面に樹脂層13を積層した様なものでもよい。さらに図22の様にアルミニウム箔層12に代わって鉄層82を設け、片面にカーボン層80を積層し他面に樹脂層13を積層した様なものであってもよい。銀や銅の層85、鉄層82に代わって鉛層を設けてもよい。
以上説明した実施形態では、遮蔽部材としてラミネートされた積層フィルムを使用したが、アルミや銅等の金属フィルムをラミネートしたものであってもよく、アルミや銅等の金属板を遮蔽部材として使用することもできる。
また上記した実施形態では、袋部2が上部に開口を持ち、この開口からIDカード20を出し入れするものを例示したが、袋部の中にIDカード20が封入されていて出し入れすることができないものであってもよい。即ち袋部2の容積がIDカード20や遮蔽部材21よりも大きく、内部でこのいずれかを移動させることができれば、袋部2は密閉されていても構わない。
IDカード20は、遮蔽部材21との非重合部が、IDカード20の面積を基準として1/3程度あれば読み出しを行うことができる。従って袋部2の中でIDカード20又は遮蔽部材21をIDカード20の幅の1/3以上移動させることができればIDカード20から情報を読み取ることができる。
スキミングの防止を図る一方で、正当な読み取りを可能にするという目的を、情報記憶媒体が搭載されたカード、及び/又は該カードに重なり合う重合部分を有したカード付属部材に、上記情報記憶媒体に記憶された情報を読み取り不可に遮蔽する遮蔽部を、上記情報記憶媒体に記憶された情報を読み取るときにその読み取りを許容する読取許容部とともに備えるという構成にて実現した。
上記遮蔽部は、磁界遮断のための材料を、カードの情報記憶媒体部分を覆い隠すように積層等して配置することで得られる。上記読取許容部は、上記遮蔽部が存在しない部分を形成することや形成された遮蔽部を移動可能にすることによって得られる。遮蔽部が存在しない切り欠き等によって読取許容部を備えた場合には、読取許容部を形成する遮蔽部とは別の遮蔽部によって読取許容部を開閉可能に覆い隠すとよい。この場合、上記読取許容部をカードに備え、上記別の遮蔽部をカード付属部材に備えて、カードとカード付属部材の相対移動で読取許容部を開閉可能にすることもできる。
この発明の一実施例を、以下図面を用いて説明する。
図23は、カード11を示す斜視図であり、図24はその分解斜視図、図25は断面図である。
これらの図に示したように、カード11は、ICチップ121とループアンテナ122とで構成される非接触型IC媒体23が搭載された非接触型ICカードである。非接触型IC媒体23は、一般にRF−ID (Radio Frequency Identification) タグと呼ばれるものであり、電波または電磁波を用いて非接触の通信を行う機能、および情報を記憶する機能を有する。
カード11は、キャッシュカード、クレジットカード、定期券、プリペイドカード、社員証、学生証などとして利用されるもので、長方形板状をなし、複数の部材を積層して構成され、情報記憶媒体としての上記非接触型IC媒体23に記憶された情報を読み取り不可に遮蔽する遮蔽部と、非接触型IC媒体23に記憶された情報を読み取るときにその読み取り(通信)を許容する読取許容部とを備える。
上記複数の部材は、上記非接触型IC媒体23を有する本体部材31の上面側に備えられる、第1固定遮蔽部材32、スペーサ部材133、移動遮蔽部材34および第1ラミネート部材135と、本体部材31の下面側に備えられる、第2固定遮蔽部材136および第2ラミネート部材137である。これらのうち第1固定遮蔽部材32、第2固定遮蔽部材136および移動遮蔽部材34(遮蔽部材)は、いずれも、通信波(電波や電磁波など非接触通信に用いられる波)を遮断、吸収または干渉する(以下、遮断という)性質の材料の被覆、混合、積層、塗布などで形成される。材料には、アルミニウム、銅、銀などの金属からなる反射材、あるいは炭素、珪素などといった吸収材など様々なものが適宜使用できる。またその形態についても、箔や繊維状、粉体状、シート状など適宜のものを使用し得る。
図26は遮蔽部材32,36,34の構成態様の一例を示す断面図である。図26(A)は、箔やシート状に形成された遮断材料41を基材42に積層した例、または基材42の表面に遮断材料41を塗布した例を示す。図26(B)は、積層や塗布などで形成された遮断材料41の表面に遮断材料41を保護するフィルム等からなる保護層43が設けられた例を示している。図26(C)は、合成樹脂等の基材42に所望の遮断作用が得られる量の遮断材料41を混合して、遮断材料41を含有する薄い板状に成形した例である。また、遮蔽部材32,36,34自体に剛性が必要でない場合には、上記本体部材31に対して遮断材料41を直接塗布したりコーティングしたりして遮蔽部材32,36に相当する部分を形成することもできる。
上記本体部材31は、カード大のシート状に形成される。
上記第1固定遮蔽部材32は、外形がカード大のシート状に形成され、その内側の上記非接触型IC媒体23のICチップ121部分とその周囲に対応する部分に、上記読取許容部としての読取許容孔32aが形成される。読取許容孔32aは、ICチップ121周辺のループアンテナ122の内側L1から外側L2に到る大きさの方形状である(図27参照)。
上記スペーサ部材133は、外形がカード大のシート状に形成され、上記移動遮蔽部材34を囲むように設けられる。移動遮蔽部材34をスペーサ部材133の長さ方向に移動可能に保持するため、内側には、移動遮蔽部材34を収容可能であるとともにその移動を許容する打ち抜き孔133aが形成されている。上記移動は、移動遮蔽部材34がICチップ121部分を被覆して読み取りを不可能にする遮蔽位置[図27(A),図23(A)参照]と、該遮蔽位置から離れて読み取りを可能にする読取許容位置[図27(B),図23(B)参照]との間で行われるように打ち抜き孔133aの大きさが設定される。
上記移動遮蔽部材34は、上記読取許容孔32aの上面側を塞ぐもので、読取許容孔33aよりも大きめで一部に力を作用させての移動を可能とする剛性を有した方形シート状に形成されている。そして、この移動遮蔽部材34の一部には、平面視方形状で表面側に突出する移動用の操作部34aが形成されている。
上記上面側の第1ラミネート部材135は、適宜の合成樹脂シート等からなり、外形がカード大に形成される。そして、その内側には、上記操作部34aをスライドさせるために上記操作部34aを露出させるスライド溝135aと、該スライド溝135aに連続する方形状の窓部135bが設けられている。
一方、本体部材31の下側に備えられる上記第2固定遮蔽部材136と第2ラミネート部材137は、カード大で切り欠きのないシート状に形成される。
また、上記第1ラミネート部材135と第2ラミネート部材137には、印刷等が適宜施され、カードとしての外観が形成される。
これら各部材31,32,33,34,35,36,37は、上述の順序で本体部材31を挟むように積層一体化される。一体化されると、図25(A)に示したように、本体部材31の上面側の一部を除いて第1固定遮蔽部材32が位置し、この第1固定遮蔽部材32が存在しない読取許容孔32aの上面側に移動遮蔽部材34が位置する状態となる。移動遮蔽部材34は、第1固定遮蔽部材32上を移動可能であるので、移動遮蔽部材34を後退させると、図23(B)、図27(B)に示したように、本体部材31における読取許容孔32aに対応する部分を開放できる。一方、本体部材31の下面側は、その全面が第2固定遮蔽部材136で覆われている。
以上のような構成を有するので、図23(A)および図27(B)に示した読み取り不可能状態と、図23(B)および図27(B)に示した読み取り許容状態との切り替えは、移動遮蔽部材34をスライドさせるだけで、簡単に行える。
カード11の非接触型IC媒体23を使用しない場合、つまり読み取りを行わせずスキミングからカード11を保護する場合には、移動遮蔽部材34を読取許容孔32aに被さるように遮蔽位置にスライドさせておく。この状態では、非接触型IC媒体23の上下両面は、非接触通信に必要な磁界が遮断(完全遮断、減衰、ループアンテナとの干渉による効率低下)されるため、物理的に非接触通信を行うことができず、スキミングなどの不正なデータ通信を防止することができる。
カード11の非接触型IC媒体23を使用する場合、つまり読み取りを行わせてカードの機能を利用する場合には、移動遮蔽部材34を読取許容孔32aに被さらない読取許容位置にスライドさせる。このスライド操作は、指の腹を当ててずらすだけで簡単に行える。移動遮蔽部材34を読取許容位置に位置させた状態では、非接触型IC媒体23の上面側の読取許容孔32aが開放されるので、非接触通信に必要な磁界の通過を許容することができる。このため、読み取り器とのデータ通信を問題なく実行できる。
このように、移動遮蔽部材34を移動するという簡単な動作で、非接触型IC媒体23に対する非接触通信の可否を確実に切替えることができる。この結果、記憶した情報の正当な読み取りを可能にしつつも、スキミングの防止を図ることができる。
しかも、読取許容孔32aを開放する動作は、指先で簡単に行える。ケースに収納したカード11を取り出す動作に比して極簡単である。このため、スキミングの防止を図りながらも、カード11が便利に使用できるという効果を達成できる。
また、スキミング防止を図る状態と読み取りを許容する状態との切り替えは、カード所持者の手による物理的操作で行うため、現在の状態がスキミング防止状態か読み取り許容状態かを目で見て容易に認識できる。また、目で見なくとも、操作部34aの位置により触っただけでいずれに配置されているかを認識できる。このため、簡単で確実性の高いスキミング防止が可能である。
なお、上述例では、読み取り許容状態において、移動遮蔽部材34が読取許容孔32aを完全に塞ぐ構成としたが、スキミング防止状態で読取許容孔32aの全体を覆わずにある程度(たとえば全体の2/3)ループアンテナ122を覆う状態としてもよい。この場合でも、通信波の通過を抑制でき、読み取りを許容する通信波の強さが非接触通信を実現するために必要な強さに至らないようにして、通信波を遮断することができる。また、読み取り許容状態でループアンテナ122を覆う範囲を、読み取りを許容する境界付近の範囲に設定すれば、移動遮蔽部材34の移動距離を短くすることができ、操作の利便性を高めることができる。
また、上述例では読取許容孔32aを、ICチップ121周辺のループアンテナ122の内側L1から外側L2に到る大きさの方形状に形成した例を示したが、必ずしもICチップ121部分に形成してICチップ121を露出可能にする必要はなく、ループアンテナ122をまたがる状態であればよい。
さらに、カード11の構成について、上述例では本体部材31の下面側に、その全面を覆う第2固定遮蔽部材136を積層したが、図25(B)に示したように、上記第2固定遮蔽部材136を省略することもできる。この場合には、カード11を所持するときカード11の上面側がスキミングの危険性のある外側に向くようにすればよい。また、上記遮蔽部材32,36,34と同様の作用をするシート状をなす別体の遮蔽シート(図示せず)をカード11(本体部材31)に添えておくもよい。
図25(C)は、本体部材31の上下両面側に読取許容孔32aが形成された例を示している。このように両面に読取許容孔32aを有する場合には、その2個の読取許容孔を同時に開閉する移動遮蔽部材34を備える。すなわち、本体部材31の上下両面に、読取許容孔32aを有した第1固定遮蔽部材32を積層し、これら第1固定遮蔽部材32の読取許容孔32aを塞ぐ位置に、離間配置させた二枚の遮蔽部分34b,34bを有する移動遮蔽部材34が移動可能に設けられる。移動遮蔽部材34には上面側の第1ラミネート部材135から露出する操作部34aが形成され、移動遮蔽部材34が、本体部材31、第1固定遮蔽部材32,32、上面側の第1ラミネート部材135に各々形成されたスライド溝31a,32b,35aとスペーサ部材133の打ち抜き孔133a内を移動可能に構成されている。
このような構成によれば、読取許容孔32aを開放すると非接触通信に必要な磁界の通過がカード11の両面から許容されるので、データ通信の実行性が高まる。
また、図23に示した上述例では、第1ラミネート部材135に窓部135bを設けた例を示したが、この窓部135bを省略してもよい。異物の侵入を抑制して移動遮蔽部材34のスライド動作を確保できる。
図28は、実施例2に係るカード11の斜視図であり、図29はその断面図である。
なお、この実施例2を含む以下の実施例において、上記実施例1の構成要素と同一または同等の部位については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
上記各図に示したように、カード11は第1実施例の場合と同様に非接触型ICカードであるが、第1実施例の場合とはその読取許容部の構造を異にする。すなわち、読取許容部がカード11の上面側全体に設けられるとともに、この上面側に、非接触型IC媒体23の全体を覆い隠す大きさの略長方形状の移動遮蔽部材34が移動可能に設けられている。
図29(A)に示したように、非接触型IC媒体23を有する本体部材31の上面側が読取許容面138であり、この読取許容面138の上側には、移動遮蔽部材34が備えられる。この移動遮蔽部材34の周囲には、カード11の3辺を囲む細幅のスペーサ部材133が設けられている。移動遮蔽部材34は、スペーサ部材133に沿ってスライド移動することができる。移動遮蔽部材34の長さは、カード11内に収容可能な長さである。そして、移動遮蔽部材34の一方の端部には、上面側に向けてL字状に屈曲する操作部34aが一体に形成されている。その結果、移動遮蔽部材34がカード11内に収容される際には、操作部34aがカード11の端部に当接してスライド移動が停止する。よって、このときには操作部34aはカード11から突出している。また、スペーサ部材133の表面には、カード11大に形成され切り欠きを有しない第1ラミネート部材135が設けられる。
一方、本体部材31の下面側には、本体部材31の全面を覆う第2固定遮蔽部材136と、第2ラミネート部材137とが設けられる。第2ラミネート部材137は、第2固定遮蔽部材136と同程度の大きさを備えている。図29(A)に示す第2固定遮蔽部材136は、図29(B)に示すように省略することもできる。
このように構成されたカード11では、操作部34aがカード11(第1ラミネート部材135)の端部に当接する位置が情報の読み取りを不可能にする遮蔽位置になる。すなわち、移動遮蔽部材34の操作部34aが、本体部材31の上面側を覆う遮蔽位置にスライド移動すると、非接触型IC媒体23に記録された情報の読み取りを不可能にすることができる。また、移動遮蔽部材34を適宜の長さだけカード11から引き出して読み取り許容位置にスライド移動させると、非接触型IC媒体23に記録された情報を読み取り許容状態にすることができる。
読み取り不可能状態であるか、又は、読み取り許容状態であるかの判断は、移動遮蔽部材34が突出しているか否かによって外観によっても、触感によっても容易に判断できる。また、移動遮蔽部材34が突出しないように押し込んでおけば必ず読み取り不可能状態になり、読み取りが不要なときには移動遮蔽部材34を突出させておく必要性がないので、スキミング防止の効果を確実に得ることができる。
図30は、情報記憶媒体を搭載したカード11に取り付けて使用されるカード保護具112の斜視図で、図31はその断面図である。
カード保護具112は、カード11に重なり合う重合部分51を有した板状で、長辺側の2辺に、カード11に対して着脱可能に取り付けるために断面コ字形をなす係止部112aが形成されている。このカード保護具112は、全体として可撓性を有する薄い合成樹脂等で構成され、情報記憶媒体としての非接触型IC媒体に記憶された情報を読み取り不可にするべく磁界を遮断する性質を有する。読み取り不可能状態と読み取り許容状態とを切替えるための構成は、上記実施例1に示した構成と同様である。
すなわち、カード保護具112の重合部分51は複数の部材が積層されて構成されている。この重合部分51の芯部材52が、通信波を遮断する性質の材料を用いて形成された遮蔽部である。そしてこの芯部材52の一部に、読取許容孔52aが形成され、読取許容孔52aの上面側には、読取許容孔52aを塞ぐ大きさの移動遮蔽部材34が移動可能に設けられる。また移動遮蔽部材34の周囲には、移動遮蔽部材34のスライドを可能にするためのスペーサ部材133が設けられるとともに、スペーサ部材133の上面側にはラミネート部材53が積層されている。
図中53aは、操作部34aをスライド可能にするためのスライド溝、53bは読取許容大52aと略同形の窓部である。
このように構成されたカード保護具112に、スキミング防止のための手段が何ら講じられていない既存のカードを入れると、必要な情報を読み取ることができる状態と、不正なスキミングを防止してカードに記録された情報を保護することができる状態とを極めて簡単な操作で切り替えることができるようになる。
本実施例における読み取り不可能状態と読み取り許容状態とを切替える操作は、実施例1の場合と同様であって、操作がきわめて簡単で実効性の高いスキミング防止が行える。しかも、カード保護具112に対するカード11の取り付けは、二辺の係止部112aにカード11の端を係止させ、係止部112aに沿ってカード11をスライド移動させるだけの簡単な動作で行えて便利である。
また、カード保護具112の表面に適宜の模様などを施しておけば、自分独自のカードに化粧することができる。すなわち、着せ替えのように楽しむこともできる。
なお、図31(B)に示したように、カード保護具112は、係止部112a(図30)の代わりに芯部材52の下側に間隔を置いて下面板部112bが鞘状に一体形成された構成にすることもできる。この間隔は、カード11を差し込むことができる大きさに設定する。下面板部112bは、非接触型IC媒体23に記憶された情報を読み取り不可能に遮断する素材で形成されており、上記芯部材52と一体に形成されるのが好ましい。
下面板部112bと芯部材52の間にカード11を差し込むことにより、カード11をカード保護具112に取り付ける。下面板部112bも磁界を遮断する素材で構成すれば、下面飯給12bも遮蔽部として作用させることができる。よって、下面側からのスキミングも積極的に防止できる。
図32は、情報記憶媒体である非接触型IC媒体23を搭載したカード11を収納するカードケース113の斜視図である。
カードケース113は、非接触型IC媒体23に記憶された情報を読み取り不可能にすることができる素材(磁界を遮断する性質を有するシート材)で構成されている。具体的には、遮蔽部材として機能する二枚の四辺形のシート部材61,62を重合し、その3辺を接合する。残りの一辺には、カード11を出し入れする差込口113aが形成され、シート部材61,62の間には、ポケット状の収納部113bが形成される。二枚のシート部材61,62、すなわちカード11に重なり合う重合部分で形成される収納部113bは、カード11を完全に被覆することができる大きさである。しかし、上側のシート部材61は、下側のシート部材62よりも若干小さく設定されており、下側のシート部材62が若干露出している。これにより、カード11はシート部材62に沿って差込口113aからカードケース113内に収納し易くなる。さらに、上側シート部材61の差込口113a側の端部には、略半円弧状の切欠部61aが形成されている。切欠部61aは、差込口113aの幅方向の中間部に設けるのが好ましい。この切欠部61aは、収納したカード11の一部を露出させるが、非接触型IC媒体23に記憶された情報の読み取りは阻止する大きさであり、その上、カード11を上記下側シート部材62の差込口113a側の端部に合わせたときに、情報の読み取りを許容する大きさに設定されている。
このように構成されたカードケース113では、情報の読み取りを許容する読取許容部としての切欠部61aが存在するものの、カード11を収納部113bに収納した状態では遮蔽部としてのシート部材61,62でその略全体が覆われるため、スキミングを阻止することができる。カード11を使用する場合には、図33に示したように、切欠部61aを通してカード11に指先を押し当て、カード11の端が下側のシート部材62の端に当たるまでカード11をずらせばよい。切欠部61aによってカード11の非接触型IC媒体23を読み取り可能な状態にすることができる。
このように、カードケース113からのカード11の出し入れで非接触型IC媒体23に対する非接触通信の可否を確実に切替えることができる。この結果、必要時における記憶した情報の正当な読み取りを可能にしながら、不要時におけるスキミングの防止を図ることができる。
しかもそのための操作は、指先でカード11をずらすだけなので簡単である。また、カード11をカードケース113内に正しく収納することで自動的にスキミング防止が図れるので、通常の使用状態においてカード11を中途半端に引き出した不自然な状態にしておく必然性はなく、上記切り替えは正確に行え、誤操作を回避できる。
図34は、実施例4のようなカードケース113に対して、実施例3の場合と同様に、実施例1で説明した非接触型IC媒体23に対する非接触通信の可否を切替える構成を採用した例を示している。
すなわち、カードケース113は、図34(B)に示したように、カード11に重なり合う重合部分の一部としての上側のシート部材61が、複数の部材を積層して構成されている。この上側のシート部材61の本体としての芯部材63の一部に、読取許容孔63aが形成され、読取許容孔63aの上面側には、読取許容孔63aを塞ぐ大きさの移動遮蔽部材34が移動可能に設けられる。移動遮蔽部材34の周囲には移動遮蔽部材34のスライド移動を可能にするためのスペーサ部材133が設けられるとともに、スペーサ部材133の上面側にはラミネート部材64が積層される。
図中64aは、操作部34aをスライド可能にするためのスライド溝、64bは窓部53bと略同形の窓部である。
このように構成されたカードケース113では、収納部113bにカード11を収納すればその状態のまま、上側のシート部材61の上から操作部34aを動かして移動遮蔽部材34をスライドさせるだけで、非接触型IC媒体23に対する非接触通信の可否を切替えることができる。
よって、既存のカード11に対して簡易にスキミング防止を行えるので、便利である。
図35は、カード11と該カード11を収納するカードケース113の双方に、協働するように設けられたスキミング防止構造を示す斜視図である。
すなわち、カード11には遮蔽部と、該遮蔽部の一部を切り欠いて形成した読取許容孔が設けられ、カードケース113には、カード11に形成した読取許容孔を塞ぎ、カード11の遮蔽部とは別の遮蔽部を備えており、カード11とカードケース113との相対移動で読取許容孔を開閉可能にする構成である。
具体的には、カード11の非接触型IC媒体23の上面側には、実施例1の第1固定遮蔽部材32と同様に読取許容孔71aを有したカード側遮蔽部材71が設けられる。しかし、実施例1の場合と異なり、移動遮蔽部材は不要である。移動遮蔽部材が不要であるので、それに伴って各部材のスライド溝等の切欠部分は不要となるが、その他の基本的な構成は実施例1の構成と同様である。
カードケース113は、非接触型IC媒体23に記憶された情報を読み取り不可能にすることができる素材(磁界を遮断する性質を有するシート材)で構成されている。具体的には、遮蔽部材として機能する二枚の四辺形のシート部材72,73を重合し、その3辺を接合する。残りの一辺には、カード11を出し入れする差込口113aが形成され、シート部材61,62の間には、ポケット状の収納部113bが形成される。二枚のシート部材72,73、すなわちカード11に重なり合う重合部分で形成される収納部113bは、カード11を完全に被覆することができる大きさである。しかし、上側のシート部材72は、下側のシート部材73よりも若干小さく設定されており、下側のシート部材73が若干露出している。これにより、カード11はシート部材73に沿って差込口113aからカードケース113内に収納し易くなる。さらに、上側シート部材72の差込口113a側の端部には、略半円弧状の切欠部72aが形成されている。
そして、カード11を収納した時に上記読取許容孔71aに対応する上側のシート材72の一部には、情報の読み取りを不可能に磁界を遮断するケース側遮蔽部72bが形成されている。このケース側遮蔽部72bの大きさは、カード11を収納した時に図35に示したように、カード11の読取許容孔71aを覆う大きさである。また、図36に示したように、カード11を収納部113bから引き出すようにずらしてカード11の端をカードケース113の下側のシート部材73の端に合わせる。この時に読取許容孔71aがカードケース113のケース側遮蔽部72bから外れて、情報の読み取りが可能になるように各部材の大きさが設定されている。
このように構成されたカード11とカードケース113では、カード11自体が情報の読み取りを許容する読取許容孔71aを有する。しかし、カード11をカードケース113の収納部113bに収納した状態では、上記読取許容孔71aがカードケース113のケース側遮蔽部72bで覆われるため、スキミングはできない。カード11を使用する場合には、図36に示したように、切欠部72aを通してカード11に指先等を当てて、カード11の端が下側のシート部材73の端に一致するまでカード11をずらせばよい。カード11がずれることによってカード11の読取許容孔71aがカードケース113のケース側遮蔽部72bから外れて、読取許容孔71aが開放される。この結果、カード11の非接触型IC媒体23から情報を読み取ることが可能になる。
このように、カードケース113からカード11を出し入れするだけで非接触型IC媒体23に対する非接触通信の可否を確実に切替えることができる。この結果、記憶した情報の正当な読み取りを可能にしつつも、スキミングの防止を図ることができる。
しかもそのための操作は、指先等でカード11をずらすだけであり簡単である。また、カード11を正しく収納すると自動的にスキミング防止が図れる構造であるので、通常の使用状態においてカード11を中途半端に引き出した不自然な状態にしておく必然性はなく、上記切り替えは正確に行え、誤操作やカードケース113からのカード11の脱落を回避できる。
また、カード11とカードケース113とに構成を分割したので、各々の構成を簡素化できる。このため、製造の簡単化やコストの低減等を図ることもできる。
なお、カード11の下面側に設けられる全面を覆う遮蔽部を省略して、カードケース113の下面側のシート部材73に遮蔽部を設けてもよい。
図37は、情報記憶媒体して磁気ストライプ125を搭載したカード11の構造説明図である。
このカード11は、一方側の面の一部に、帯状の磁気ストライプ125が形成されている。
そして、スキミング防止構造として、カード11の厚み方向の中間部に、カード大の遮蔽層181が形成されている。遮蔽層181は、箔状やシート状の金属材料を積層して形成される。他方側の表面に形成されるもよい。
遮蔽層181が磁気ストライプ125の他方側を覆うべくカード11の厚み方向の中間部に設けられ、磁気ストライプ125は一方側の面に露出している構造であるため、磁気ストライプ125を有する一方側の面が、磁気ストライプ125に記憶された情報の読み取りを可能にするべく磁界の通過を許容する読取許容面182である。
このように構成されたカード11では、カード11における磁気ストライプ125を有しない他方側の面からのスキミングが防止できる。その一方で、読取許容面182を有するので、必要な情報の読み取り等は可能である。
また、磁気ストライプ125はアルミニウム等の金属材料から構成されているので、図37(B)に仮想線で示したように、外観上にも支障を来たすこともなく、エンボス加エを容易に行うことができる。
この発明の構成と、上述の各実施例との対応において、この発明の情報記憶媒体は、各実施例の非接触型IC媒体23および磁気ストライプ125に対応している。
重台部分は、実施例3(図30)の重合部分51、実施例4、5(図33,図34)のシート部材61,62、実施例6(図36)のシート部材72,73に対応している。
カード付属部材は、実施例3(図30)のカード保護具112、実施例4、5、6(図32、図34、図35)のカードケース113に対応している。
遮蔽部は、実施例1、2(図23,図28)の第1固定遮蔽部材32と移動遮蔽部材34と第2固定遮蔽部材136、実施例3(図31)の芯部材52と移動遮蔽部材34、実施例4(図32)のシート部材61,62、実施例5(図34)の芯部材63と移動遮蔽部材34、実施例6(図35)のカード側遮蔽部材71とケース側遮蔽部72b、実施例7(図37)の遮蔽層181に対応している。
読取許容部は、実施例1(図23)の読取許容孔32a、実施例2(図29)の読取許容面138、実施例3(図30)の読取許容孔52a、実施例4(図32)の切欠部61a、実施例5(図34)の読取許容孔63a、実施例6(図35)の読取許容孔71a、実施例7(図37)の読取許容部82に対応している。
固定遮蔽部は、実施例1(図24)の第1固定遮蔽部材32、実施例3(図31)の芯部材52、実施例5(図34)の芯部材63、実施例6(図35)のカード側遮蔽部材71またはケース側遮蔽部72bに対応している。
移動遮蔽部は、実施例1(図23)の移動遮蔽部材34、実施例3(図30)の移動遮蔽部材34、実施例5(図34)の移動遮蔽部材34、実施例6(図35)のケース側遮蔽部72bまたはカード側遮蔽部材71に対応している。
この発明は、上述の各実施例の構成のみに限定されるものではなく他の様々な形態に応用して採用することができる。
以下では、本発明の様々な実施形態を示す。すなわち、図38〜図45は、上述した実施例の変形例を示している。特に図38及び図39に示すIDカードホルダー3は、実用性の高いものである。図38は、内部(袋部)に仕切3a,3bを備えたIDカードホルダー3の斜視図であり、(a)は情報の読み取りが不可能な状態を示しており、(b)は、情報の読み取りが可能な状態を示している。また、図39(a)は、図38(a)のA−A矢視図であり、図39(b)は、図38のB−B矢視断面図であり、図39(c)は図38(b)のC−C矢視断面図である。
図38(a)及び図39(a)等に示すようにIDカードホルダー3内には、仕切3a及び3bが設けてある。仕切3a及び3bは、IDカードホルダー3の収容空間(袋部)の両側に、互いに対向するように配置されている。そして、IDカードホルダー3の収容空間内には、仕切3a及び3bを間に挟んで遮蔽部材4とIDカード5とが装填される。IDカードホルダー3は、例えばプラスチックのような硬い素材で形成されており、ある程度の剛性を有している。なお、IDカードホルダー3は、透明な素材で形成されているため、内部の仕切3a,3bを実線で描写した。しかし、収容した遮蔽部材4とIDカード5まで実線で描写すると、非常に理解しにくい図となるため、IDカードホルダー3と重なる部分の遮蔽部材4とIDカード5は、敢えて破線で描写した。
遮蔽部材4とIDカード5は、各々IDカードホルダー3の内周壁と仕切3a及び3bに沿って摺動することができる。また、仕切3a及び3bがあるために、遮蔽部材4とIDカード5とがIDカードホルダー3内で接することはない。図38(a)、図39(b)等に示すように、IDカードホルダー3の外壁には、遮蔽部材4及びIDカード5の移動方向に延びる長孔3c(開口)が設けてある。IDカードホルダー3の所有者は、この長孔3cを介して遮蔽部材4に触れることができる。長孔3cを介して遮蔽部材4に指で触れた状態で、指を長孔3cに沿って移動させると、図38(b)及び図39(c)に示すように遮蔽部材4は指(図示せず)と共に移動する。その結果、IDカード5のICチップ5a及びICチップ5aに接続されたループアンテナ5bの一部が遮蔽部材4から露出する。そして、IDカード5は、IDカードホルダー3内に残るが、ICチップ5aに記録された情報が読み取り可能な状態となる。指を逆方向に移動させると、遮蔽部材4は、図38(b)に示す位置から図38(a)に示す位置まで移動し、IDカード5のICチップ5a及びループアンテナ5bは、遮蔽部材4によって遮蔽され、ICチップ5aに記録された情報の読み取りは不可能になり、スキミングを防止することができる。
すなわち、IDカード5の所有者は、IDカードホルダー3を片手で持ち、例えば親指で長孔3cを介して遮蔽部材4に触れ、親指を長孔3cに沿って移動させることにより、遮蔽部材4を移動させ、情報の読み取りを可能にしたり、逆に不可能にしたりすることができる。この操作は片手で行うことができる。
図40に示すIDカードホルダー3は、図39に示すIDカードホルダー3の構成と同じであり、遮蔽部材4に突出部材6を設けた点のみが相違している。突出部材6は、例えば、IDカードホルダー3内に遮蔽部材4を収容した後に、長孔3cを介して突出部材6を遮蔽部材4に接着する。その結果、遮蔽部材4は、長孔3cに沿った移動以外は制限され、IDカードホルダー3から脱落することがなくなる。また、突出部材6が長孔3cから外側へ突出することにより、IDカードホルダー3の所有者は、指等を突出部材6に引っ掛け、楽に遮蔽部材4をスライド移動させることができるようになる。
図39及び図40に示す例では、仕切3a及び3bを設ける例を示したが、仕切3aと仕切3bとを連続させ、遮蔽部材4を収容する空間とIDカード5を収容する空間とを完全に遮断してもよい。
続いて、別の実施形態を説明する。
図41は、別のIDカードホルダー14の斜視図であり、(a)は、情報の読み取りが不可能な状態を示しており、(b)は、情報の読み取りが可能な状態を示している。IDカードホルダー14は、例えばビニールのような透明で柔らかい素材で形成されている。図41に示すように、IDカードホルダー14には、遮蔽部材15を収容する遮蔽部材収容空間16と、IDカード40を装填するための開口14bとが設けてある。遮蔽部材収容空間16は、遮蔽部材15を取り出し不能に収容している。すなわち、遮蔽部材収容空間16には遮蔽部材15の出口がない。遮蔽部材収容空間16を区画するIDカードホルダー14の外壁には、長孔14aが設けられている。この長孔14aを介して遮蔽部材15の一部は、外部に露出している。
遮蔽部材15には突出部材17が固着されている。突出部材17は、長孔14aから外部に突出している。そして、突出部材17が長孔14aに沿ってスライド移動することができる範囲で、遮蔽部材15は、遮蔽部材収容空間16内を移動することができるようになっている。一方、IDカードホルダー14には、開口14bを出入口とする別の収容空間が設けられている。この収容空間内には、IDカード40が収容される。
この開口14bを出入口とする収容空間と、遮蔽部材収容空間16とは仕切で完全に遮断されている。ただし、図41では、図面の描写が複雑となるので、仕切の描写は省略している。よって、突出部材17をスライド移動させても、IDカード40はIDカードホルダー14に対して移動しない。その結果、図41(b)に示すICチップ等の情報記録部に記録された情報の読み取りの可能な状態と、図41(a)に示す情報の読み取りが不可能な状態(すなわち、スキミングを防止可能な状態)とを、突出部材17の往復移動によって容易に切り替えることができる。また、遮蔽部材15はIDカードホルダー14から取り外す必要はないため、遮蔽部材収容空間16内に閉じ込めたが、IDカード40は、必要に応じて別のIDカードと取り替え可能である。例えば、会社員が出勤する際には、IDカードホルダー14には定期券を入れ、会社に到着すると、定期券の代わりに社員用のセキュリティカードを入れるというような使用の仕方が可能である。
図42は、図41のIDカードホルダーの変形例を示しており、(a)は、情報の読み取りが不可能な状態を示しており、(b)は、情報の読み取りが可能な状態を示している。すなわち、図41に示すIDカードホルダー14では、遮蔽部材15は、短辺と平行にスライド移動するが、図42に示すIDカードホルダー18では、遮蔽部材19は、長辺と平行にスライド移動する。すなわち、IDカードホルダー18には、四辺形の遮蔽部材19の長辺と平行に延びる長孔18a(開口)が設けられている。遮蔽部材19に固着した突出部材29が、長孔18aに沿って移動可能となっている。その結果、突出部材29を長孔18aに沿って移動させることにより、図42(b)に示すように遮蔽部材19をIDカードホルダー18の長手方向に移動させることができ、IDカード39に記録された情報の読み取りを可能にすることができる。また、図42(a)に示すように遮蔽部材19をスライド移動させることにより、情報の読み取りを不可能にし、スキミングを防止することができる。なお、図42においても、図41と同様に仕切の描写は省略している。図41に示すIDカードホルダー14及び図42に示すIDカードホルダー18には、各々図示しない紐を通すための孔46、47が設けてある。孔46に紐を通してIDカードホルダー14を吊すことにより、IDカード40の出入口である開口14bが、IDカード40の収容空間(袋部)の上側に配置される。よって、開口14bからIDカード40が落下することはない。図42に示すIDカードホルダー18についても同様である。
図43及び図44は、図38のIDカードホルダー3に対して、異なる形状の遮蔽部材を収容した状態のIDカードホルダー3の斜視図である。図43に示すIDカードホルダー3では、遮蔽部材48に把手48aが設けてある。図43に示すように、把手48aは、情報の読み取りが不可能な状態においてもIDカードホルダー3から露出している。そのため、情報の読み取りを可能にするには、把手48aを引っ張ることにより遮蔽部材48をスライド移動させることができる。また、遮蔽部材48には、IDカードホルダー3の長孔3cと同様の長孔48bが設けてある。長孔3cと長孔48bは重なっており、図43に示すようにIDカード5が露出している。よって、遮蔽部材48はIDカードホルダー3内に残し、長孔3cと長孔48bを介して指を挿入し、指でIDカード5をIDカードホルダー3に対してスライド移動させ、情報の読み取りを可能にすることができる。図44に示す遮蔽部材49は、IDカードホルダー3内に収容した部分の形状が若干異なるが、主要な構成は図43の遮蔽部材48の構成と同じである。
図45は、IDカードホルダーの構造の変形例を示す斜視図である。すなわち、図45に示すIDカードホルダー50の表面側には長孔50a(開口)が設けてあり、裏面側には長孔50b(開口)が設けてある。長孔50aと長孔50bは、平面視で重ならないように配置されている。遮蔽部材4をずらす場合には、長孔50aから指を挿入し、遮蔽部材4を押圧してIDカードホルダー50の外部へスライド移動させる。逆にIDカード5をずらす場合には、裏面側の長孔50bから指を挿入し、IDカード5を押圧してIDカードホルダー50の外側へスライド移動させる。遮蔽部材4とIDカード5のどちらを移動させるかは、任意である。
本発明は、ICチップが埋め込まれたIDカードを挿入するのに適したIDカードホルダーと、非接触型IC媒体や磁気ストライプなどの情報記憶媒体が搭載されたカードからのスキミングを防止するスキミング防止構造に利用可能である。

Claims (13)

  1. 袋部を有し、当該袋部にIDカードが配されるIDカードホルダーにおいて、前記袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が同封され、袋部の表面側又は裏面側の少なくともいずれかに開口又は溝が設けられたことを特徴とするIDカードホルダー。
  2. 袋部を有し、当該袋部にIDカードが配されるIDカードホルダーにおいて、複数の袋部を有し、その内の少なくとも一つの袋部に前記IDカードを挿入し、他の少なくとも一つの袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が挿入され、折り畳み可能であって、折り畳まれた状態の時にIDカードと遮蔽部材が重なることを特徴とするIDカードホルダー。
  3. 遮蔽部材は、ラミネートシートの間に金属層と樹脂層を有するフィルムが挿入されて成るものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIDカードホルダー。
  4. 袋部の内面側に凸部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のIDカードホルダー。
  5. 袋部の内面側にガイドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のIDカードホルダー。
  6. 袋部を有し、当該袋部にIDカードが配されるIDカードホルダーにおいて、前記袋部に遮蔽部材又は金属層を有する部材が同封され、前記袋部の内部には仕切が設けてあり、袋部の表面側又は裏面側の少なくともいずれかに開口又は溝が設けられたことを特徴とするIDカードホルダー。
  7. 前記遮蔽部材又は金属層を有する部材には突出部が設けてあり、前記突出部は袋部に設けた前記開口又は溝に沿って摺動可能であることを特徴とする請求項6に記載のIDカードホルダー。
  8. 情報記憶媒体が搭載されたカードに重なる部材に、前記情報記憶媒体に記憶された情報の読み取りを許容する読取許容部と、前記情報記憶媒体に記憶された情報の読み取りを不可に遮蔽する遮蔽部とを備えたことを特徴とするカードのスキミング防止構造。
  9. 前記読取許容部を、前記部材の一部を切り欠いて形成した切欠部で構成したことを特徴とする請求項8に記載のカードのスキミング防止構造。
  10. 前記部材は、情報の読み取りを不可能にする遮蔽状態と、情報の読み取りを可能にする読取許容状態とを切り替え可能であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のカードのスキミング防止構造。
  11. 前記読取許容部には、移動遮蔽部材が移動可能に配置されることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のカードのスキミング防止構造。
  12. 前記遮蔽部が、カードの厚み内における情報記憶媒体部分の一方側に層状に形成されたことを特徴とする請求項8乃至請求項11のうちのいずれかに記載のカードのスキミング防止構造。
  13. 請求項8乃至12のカードのうちのいずれかのスキミング防止構造を備えたことを特徴とするIDカードホルダー。
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