JPWO2007026755A1 - 舌苔除去用タブレット - Google Patents

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Abstract

舌苔除去用タブレットであって、該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、該高溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、該低溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、タブレット。

Description

本発明は、舌苔除去用のタブレットおよびその製造方法に関する。
口臭の原因物質は硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)、ジメチルサルファイド((CHS)などの揮発性硫化物(volatile sulfur compounds;以下VSCと略す)である(非特許文献1)。HSの通常の口臭濃度である0.3ppmでも、長時間暴露されると悪心、不眠、呼吸障害が発生する。生理的口臭の主体は、舌背後方に付着した脱落上皮細胞、細菌、食品残渣、血球などから構成される舌苔に由来し(非特許文献2〜4)、主に同部における細菌の腐敗作用により産生されるVSCである。一方、歯周病由来の病的口臭の原因も原則的には生理的口臭に一致し(非特許文献5)、全VSCの6割が舌苔から産生される(非特許文献6)。口臭を有する者に対して人々は忌避行動をとることが多いため、口臭は健康な社会生活の阻害因子となる。このように、口臭症は人々の心身両面を侵す疾患であるといえる。
口腔に由来する口臭の治療においては、舌清掃による舌苔の除去が不可欠であり、舌ブラシなどの器具を用いる舌清掃が指導されている。しかし、これらの器具では舌への機械的刺激に十分注意する必要があり、繊細な使用法が要求される。
そのため、器具を用いず、繊細な使用法も必要とせず、舌苔の除去効果に優れ、簡便で、かつ使用感に優れた舌苔除去方法が望まれている。
本発明者らは、以前に、口臭除去作用を有する化合物を口臭除去有効量で含有する口臭除去用または口臭予防用組成物、および植物体由来調製物を含有する舌苔除去用組成物であって、該植物体由来調製物が、舌苔除去作用を有する化合物を含有する、組成物に関する発明を行った(特許文献1)。この発明においては、舌苔除去作用を有する化合物を用いることによって舌苔除去効果を得ており、化学的方法に基づく。一方、本発明は、タブレットの表面の起伏による物理的除去に基づいており、原理が全く異なる。また、特許文献1の実施例4および5に記載のトローチでは、1種類の糖類しかベースに用いていない。そのため、舐めた場合にタブレットの表面に生じる起伏は舌苔除去作用を発揮するには不十分である。
WO03090704号公報明細書 Tonzetich J.著「Direct gas chromatographic analysis of sulphur compounds in mouth air in man.」,Archs.Oral Biol.,16:587−597,1971 Tonzetich J.,Coil J.M.およびNg W.著、「Gas chromatographic method for trapping and detection of volatile organic compounds from human mouth air.」,J.Clin.Dent.11:79−82,1991 Tonzetich J.,Eigan E.,King W.J.ら著「Volatility as a factor in the inability of certain amines and indole to increase the odour of saliva.」,Archs.Oral Biol.12:1167−1175,1967 Tonzetich J.およびMcBride B.C.著「Characterization of volatile sulfur production by pathogenic and non−pathogenic strains of oral Bacteroides.」,Archs.Oral Biol.26:963−969,1981 八重垣健、宮崎秀夫、川口陽子著「臨床家のための口臭治療のガイドライン」,クインテッセンス出版株式会社、東京、2000 Yaegaki K.およびSanaga K.著「Biochemical and clinical factors influencing oral malodor in periodontal patients.」,J.Periodontol.63:783−789,1992 森谷俊樹、岸光男、相澤文恵他著「舌苔スコアによる口臭スクリーニングの有効性に関する研究」,口腔衛生会誌52:12−21,2002
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、舌苔の除去効果に優れ、簡便で、かつ使用感に優れた舌苔除去用タブレットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、タブレット、キャンディーなどを舐めて摂取する際に、その表面に起伏があり、凸凹になっていれば、タブレット、キャンディーなどと舌背との接触により舌苔が削り取られて除去されると考えた。本発明者らはさらに、タブレット、キャンディーなどを舐めることにより、唾液分泌が促進されて洗い流し作用が得られ、舌苔除去効果が得られると考えた。それゆえ、本発明者らは、舐めて摂取する際に表面に凹凸が形成されるタブレットを開発した。詳細には、本発明者らは、舐めて摂取することにより物理的に舌苔を除去することを企図して、シュガーレスタイプの大粒タブレットを開発した。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、舐めて摂取する際に表面に凹凸が形成されるタブレットを舐めることにより、舌苔除去効果および口臭減少効果が得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。
本発明のタブレットは、舌苔除去用タブレットであって、
該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、
該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
該高溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
該低溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
本発明のタブレットは、舌苔除去用タブレットであって、
該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、
該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
該高溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
該低溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
本発明のタブレットは、舌苔除去用タブレットであって、
該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、
該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
該高溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
該低溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
1つの実施形態では、上記差は、15重量%以上である。
1つの実施形態では、上記差は、20重量%以上である。
1つの実施形態では、上記差は、25重量%以上である。
1つの実施形態では、上記差は、30重量%以上である。
1つの実施形態では、上記差は、35重量%以上である。
1つの実施形態では、上記高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度は、50重量%以上である。
1つの実施形態では、上記高溶解度糖類は、ブドウ糖、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、麦芽糖、ショ糖、果糖およびセロビトールからなる群より選択される。
1つの実施形態では、上記低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度は、5重量%以上40重量%以下である。
1つの実施形態では、上記低溶解度糖類は、パラチニット、マンニトール、乳糖およびパラチノースからなる群より選択される。
1つの実施形態では、上記高溶解度糖類および上記低溶解度糖類以外に他の水溶性糖類をさらに含む。
1つの実施形態では、上記高溶解度糖類は、ソルビトールであり、上記低溶解度糖類は、パラチニットであり、上記他の水溶性糖類はマルチトールである。
1つの実施形態では、上記タブレットは、口腔内での溶解に5分間以上を要する。
1つの実施形態では、上記タブレットの硬度は、15kgf以上である。
1つの実施形態では、上記タブレットは、結合剤をさらに含む。
1つの実施形態では、上記タブレットは、酵素をさらに含む。
1つの実施形態では、上記酵素は、プロテアーゼである。
1つの実施形態では、上記酵素は、ブロメラインまたはパパインである。
本発明の製造方法は、舌苔除去用タブレットの製造方法であって、
高溶解度糖類および低溶解度糖類を混合して混合物を得る工程、
該混合物を打錠してタブレットを得る工程
を包含し、
該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性糖類であり、
該高溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃
の水中での溶解度が最も高いものであり、
該低溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
本発明の製造方法は、舌苔除去用タブレットの製造方法であって、
高溶解度糖類および低溶解度糖類を混合して混合物を得る工程、
該混合物を打錠してタブレットを得る工程
を包含し、
該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性糖類であり、
該高溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
該低溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
本発明の製造方法は、舌苔除去用タブレットの製造方法であって、
高溶解度糖類および低溶解度糖類を混合して混合物を得る工程、
該混合物を打錠してタブレットを得る工程
を包含し、
該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性糖類であり、
該高溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
該低溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
本発明のタブレットを舐めて摂取することによって、舌苔付着量が低減される。すなわち、タブレットと舌背との接触、および唾液分泌が促進されることによる洗い流し作用により、物理的な舌苔除去効果が得られる。それゆえ、本発明のタブレットを舐めて摂取することにより、口臭減少効果が得られる。
図1は、代表的な水溶性糖類の各種温度での溶解度に基づく溶解度曲線を示す。 図2は、舌苔量判定評価基準図を示す。 図3(A)は、水中に浸漬して3分後の実施例1のタブレットの表面の写真を示し、図3(B)は、水中に浸漬して7分後の実施例1のタブレットの表面の写真を示す。 図4(A)は、水中に浸漬して3分後の比較例1のタブレットの表面の写真を示し、図4(B)は、水中に浸漬して7分後の比較例1のタブレットの表面の写真を示す。 図5(A)は、水中に浸漬して3分後の比較例2のタブレットの表面の写真を示し、図5(B)は、水中に浸漬して7分後の比較例2のタブレットの表面の写真を示す。 図6(A)は、水中に浸漬して3分後の比較例3のタブレットの表面の写真を示し、図6(B)は、水中に浸漬して7分後の比較例3のタブレットの表面の写真を示す。 図7(A)は、水中に浸漬して3分後の比較例4のタブレットの表面の写真を示し、図7(B)は、水中に浸漬して7分後の比較例4のタブレットの表面の写真を示す。 図8は、タブレット摂取による舌苔評点の変化を示すグラフである。「*」はp<0.01であったことを示す。舌苔評点は、視診評価によって決定された。 図9(A)は、実施例3〜実施例6のいずれかのタブレット摂取による舌苔評点の減少率を示すグラフである。図9(B)は、比較例1〜比較例4のいずれかのタブレット摂取による舌苔評点の減少率を示すグラフである。舌苔評点は、視診評価によって決定された。 図10は、実施例7または実施例8のタブレット摂取によるHS濃度の変化率を示すグラフである。 図11は、実施例7または実施例8のタブレット摂取によるCHSH濃度の変化率を示すグラフである。 図12は、実施例9または実施例10のタブレット摂取後の舌苔評点の変化率を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明により、舌苔除去用タブレットおよびその製造方法が提供される。
本明細書では、「舌苔」とは、舌の上表面(すなわち、舌背)に付着した物質のことをいい、上皮残屑、食物粒子、細菌などを含む。舌苔は、歯垢、歯周ポケットおよび唾液と同様に口臭の主な原因となる。
本明細書では、「舌苔除去用」とは、主に舌苔の除去を目的として用いられるものをいう。
本明細書では、「タブレット」とは、タブレット材料を一定の形状に圧縮して製造したものをいう。このようなタブレットは、その製法にちなんで、圧縮錠剤ともいわれる。本明細書中では、タブレットは、食品用途のタブレットであっても、医薬品用途のタブレット(すなわち、錠剤)であってもよい。食品用途のタブレットの例としては、錠菓と呼ばれる菓子としてのタブレットおよび健康食品(例えば、サプリメント)としてのタブレットが挙げられる。本明細書では、タブレットの中でも特に、中心部に空洞のあるものをトローチという。
(1.舌苔除去用タブレットの材料)
(1.1 糖類)
本明細書では、「糖類」とは、炭素と水素と酸素から構成される化合物をいう。糖類は、サッカリドおよび炭水化物を含む。糖類は好ましくは甘味のある化合物である。糖類は、好ましくは単糖、二糖、オリゴ糖、糖アルコール、水飴、澱粉分解物および水溶性食物繊維からなる群より選択され、より好ましくは単糖、二糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択される。糖類としては、当該分野で市販される任意の糖類が使用され得る。
本発明のタブレットで用いられる糖類は、水溶性である。本明細書では、「水溶性」とは、37℃の水中での溶解度が、1重量%以上の物質をいう。本発明で用いられる糖類の溶解度は、好ましくは約2重量%以上であり、より好ましくは約3重量%以上であり、さらに好ましくは約4重量%以上であり、特に好ましくは約5重量%以上である。
水溶性の糖類の例としては、果糖、ブドウ糖、キシロースなどの単糖類;ショ糖、麦芽糖、乳糖、パラチノース、トレハロースなどの二糖類;パラチニット(還元パラチノースともいう)、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトールなどの糖アルコール;水飴、デキストリン、オリゴ糖などの澱粉分解物が挙げられる。
水溶性糖類の中でも特に、非齲蝕性糖類が好ましく、パラチニット、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、ラクチトールおよびマンニトールが好ましい。
例えば、パラチニットの味質はショ糖に似ており、異味(異常な味)は全くない。また、パラチニットは、賦形剤としてパラチニットのみを用いてキャンディーを製造しても、べとつかないキャンディーとなるという特徴を有する。
パラチノースの味質はショ糖に似ており、異味は全くない。また、パラチノースは、以下の特徴を有する:非齲蝕性である;体内で穏やかに消化吸収されてエネルギーとなり、血糖値もインシュリン分泌も急激に変化させない;酸に強いおよび味質の優れた低甘味素材である。
マルチトールの味質はショ糖に比べてやや「ぼやけた感じ」であり、ごくわずかに喉を刺激する異味がある。マルチトールは、ショ糖と同等に非吸湿性である。
ソルビトールの味質はショ糖に比べて「ぼやけた感じ」であり、わずかに喉を刺激する異味がある。ソルビトールは浸透性、保湿性および日持ち効果に優れている。
エリスリトールは特有な甘味を有し、甘味の発現が早い。エリスリトールは溶解時の吸熱作用が極めて高い(−43cal/g)ため冷涼感が大きい。エリスリトールは、他の糖アルコールと比較して下痢しにくいという特徴も有する。
キシリトールは特有な甘味を有する。キシリトールもまた、溶解時の吸熱作用が極めて高い(−37cal/g)ため冷涼感が大きい。キシリトールは、エリスリトールよりも味質が良いと評価されている。キシリトールはまた、他の糖アルコールよりも唾液の分泌を促す効果が強い。
ラクチトールの味質は甘味があるが、異味はない。
水溶性糖類は好ましくは、口腔内細菌によって資化されない賦形剤である。口腔内細菌によって資化されない水溶性糖類の例としては、パラチニット、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、ラクチトールおよびマンニトールが挙げられる。水溶性糖類が口腔内細菌によって資化されてしまうと、この水溶性糖類を含むタブレットを摂取することによって、口腔内細菌が増加してしまう要因を与える。このような水溶性糖類は、舌苔除去作用に負に作用し得る。そのため、水溶性糖類は、口腔内細菌によって資化されないことが好ましい。水溶性糖類は、1種類のものを単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。複数種類の水溶性糖類を用いる場合、口腔内細菌によって資化されない水溶性糖類(非齲蝕性糖類)が、水溶性糖類全体の重量の約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上そして約90重量%以上を占めることが好ましい。トローチの配合は、当該分野で公知の配合に従い得る。
代表的な水溶性糖類の37℃の水中での溶解度を以下の表1に示す。
Figure 2007026755
さらに、代表的な水溶性糖類の各種温度での溶解度を図1に示す。
(1.1.1 高溶解度糖類および低溶解度糖類)
本発明の舌苔除去用タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含む。
高溶解度糖類および低溶解度糖類は、いずれも、水溶性糖類である。高溶解度糖類は、低溶解度糖類よりも溶解度が高いため、「高溶解度」糖類と呼ばれる。低溶解度糖類は、高溶解度糖類よりも溶解度が低いため、「低溶解度」糖類と呼ばれる。
高溶解度糖類は、本発明の舌苔除去用タブレット中に主成分として、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものである。低溶解度糖類は、本発明の舌苔除去用タブレット中に主成分として、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものである。
本明細書中で「主成分として含まれる」とは、好ましくは約5重量%以上、より好ましくは約10重量%以上、さらに好ましくは約15重量%以上、最も好ましくは約20重量%以上含まれることをいう。
高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差は、約10重量%以上であり、好ましくは約15重量%以上であり、より好ましくは約20重量%以上であり、さらに好ましくは約25重量%以上であり、さらに好ましくは約30重量%以上であり、最も好ましくは約35重量%以上である。この差が大きいほど、タブレットの表面に起伏が形成されやすいので好ましい。高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差に特に上限はなく、通常は、約90重量%以下であるが、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、約65重量%以下、約60重量%以下、約55重量%以下、約50重量%以下などであり得る。
例えば、本発明の舌苔除去用タブレットが、37℃の水中での溶解度が約50重量%の水溶性糖類Xを約50重量%、および37℃の水中での溶解度が約30重量%の水溶性糖類Xを約50重量%含み、他には水溶性糖類を含まない場合、Xが高溶解度糖類であり、Xが低溶解度糖類である。
例えば、本発明の舌苔除去用タブレットが、37℃の水中での溶解度が約50重量%の水溶性糖類Xを約30重量%、37℃の水中での溶解度が約40重量%の水溶性糖類Xを約30重量%、および37℃の水中での溶解度が約30重量%の水溶性糖類Xを約30重量%含み、他には水溶性糖類を含まない場合、Xが高溶解度糖類であり、Xが低溶解度糖類である。
例えば、本発明の舌苔除去用タブレットが、37℃の水中での溶解度が約50重量%の水溶性糖類Xを約25重量%、37℃の水中での溶解度が約40重量%の水溶性糖類Xを約25重量%、37℃の水中での溶解度が約30重量%の水溶性糖類Xを約25重量%、および37℃の水中での溶解度が約20重量%の水溶性糖類Xを約25重量%含み、他には水溶性糖類を含まない場合、Xが高溶解度糖類であり、Xが低溶解度糖類である。
舌苔除去用タブレット中に含まれる水溶性糖類であっても、タブレット中でのその成分の含有量が10重量%未満であるものは、ここでいう高溶解度糖類にも、低溶解度糖類にも該当しない。例えば、本発明の舌苔除去用タブレットが、37℃の水中での溶解度が約50重量%の水溶性糖類X10を約5重量%、37℃の水中での溶解度が約40重量%の水溶性糖類X11を約35重量%、37℃の水中での溶解度が約30重量%の水溶性糖類X12を約35重量%、および37℃の水中での溶解度が約20重量%の水溶性糖類X13を約5重量%含み、他には水溶性糖類を含まない場合、X11が高溶解度糖類であり、X12が低溶解度糖類である。
なお、例えば、37℃の水中での溶解度が約50重量%〜約60重量%の糖類Y〜Y20を各々約2重量%含み、37℃の水中での溶解度が約30重量%の糖類Y21を約40重量%含むタブレットの場合、文言上は本発明のタブレットに該当しない。しかし、このようなタブレットが本発明のタブレットと同等の性能を発揮するであろうことは、当業者によって容易に理解される。この例以外の複数種類の水溶性糖類を用いた場合についても、同様に考えられる。
高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が10重量%以上あれば、高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度は、例えば、約30重量%と低くてもよい。高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が10重量%以上あれば、高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度は、例えば、約60重量%と高くてもよい。
口腔中でタブレットを舐めた場合の起伏の形成されやすさ、タブレットの口腔内での滞留時間などを考えると、高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度は、好ましくは約50重量%以上であり、より好ましくは約55重量%以上であり、さらに好ましくは約60重量%以上であり、好ましくは約90重量%以下であり、より好ましくは約85重量%以下であり、さらに好ましくは約80重量%以下である。高溶解度糖類は、好ましくはブドウ糖、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、麦芽糖、ショ糖、果糖およびセロビトールからなる群より選択され、より好ましくはマルチトール、ソルビトール、キシリトールおよびエリスリトールからなる群より選択され、さらに好ましくはマルチトールおよびソルビトールからなる群より選択される。
口腔中でタブレットを舐めた場合の起伏の形成されやすさ、タブレットの口腔内での滞留時間などを考えると、低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度は、好ましくは約5重量%以上であり、より好ましくは約10重量%以上であり、さらに好ましくは約15重量%以上であり、好ましくは約40重量%以下であり、より好ましくは約35重量%以下であり、さらに好ましくは約30重量%以下である。低溶解度糖類は、好ましくはパラチニット、マンニトール、乳糖およびパラチノースからなる群より選択され、より好ましくはパラチニットおよびマンニトールからなる群より選択される。
本明細書では、「37℃の水中での溶解度」とは、特定の溶質を37℃の水中に最大限に溶解させたときのその溶質の濃度である。溶解度は、当業者に周知の方法によって決定され得る。例えば、溶解度(重量%)は、37℃の重さWの水に溶質を溶かしていき、水にその溶質を最大に溶解させたときのその溶液の重さWで、溶解した溶質の重さW(=W−W)を除算して100倍する(百分率に換算する)ことによって決定され得る。
本明細書で37℃の水中での溶解度を基準として発明を説明しているのは、タブレットを摂取して舌苔を除去する対象である人間の体温が約37℃であり、水中での溶解度と口腔中での溶解度とに格段の差がないので、口腔内での糖類の溶解特性に近い挙動をみることができるからである。
本発明において用いられる高溶解度糖類の重量および低溶解度糖類の重量は、タブレットの重量を基準として、いずれも、約20重量%以上であり、それぞれ独立して、より好ましくは約25重量%以上であり、さらに好ましくは約30重量%以上であり、なお好ましくは約35重量%以上、ことさら好ましくは約40重量%以上、特に好ましくは約45重量%以上、最も好ましくは約50重量%以上である。
高溶解度糖類の重量と低溶解度糖類の重量との比率に特に制限はないが、通常、1:4〜4:1の範囲内である。高溶解度糖類の重量が低溶解度糖類の重量よりも少ない場合もあれば、高溶解度糖類の重量が低溶解度糖類の重量よりも多い場合もある。特定の場合には、高溶解度糖類の重量が低溶解度糖類の重量よりも多い方が好ましい。
(1.1.2 他の水溶性糖類)
本発明のタブレットには、上記の高溶解度糖類および低溶解度糖類以外に、他の水溶性糖類を含み得る。本発明の舌苔除去用タブレット中に主成分として(好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上)存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いもの(高溶解度糖類)および最も低いもの(低溶解度糖類)以外の水溶性糖類は便宜上、他の水溶性糖類と呼ばれる。本発明のタブレットは、水溶性糖類として、高溶解度糖類および低溶解度糖類という2種の水溶性糖類のみを含んでもよく、さらに多くの水溶性糖類(例えば、全部で3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種またはそれより多くの水溶性糖類)を含んでもよい。
他の水溶性糖類は、好ましくは、37℃の水中での溶解度が低溶解度糖類よりも5重量%以上高く、より好ましくは、10重量%以上高く、さらに好ましくは、15重量%以上高い。
本発明のタブレットでは例えば、高溶解度糖類としてソルビトールを、低溶解度糖類としてパラチニットを、そして他の水溶性糖アルコールとしてマルチトールを含み得る。
他の水溶性糖類は、本発明のタブレットにおいて、高溶解度糖類および低溶解度糖類以外の成分が占め得る重量の範囲内で任意量にて用いられ得る。他の水溶性糖類の重量の合計は、高溶解度用類の重量と低溶解度糖類の重量との合計を超えないことが好ましい。本発明のタブレットにおいて用いられ得る他の水溶性糖類の重量は、各々、例えば、約60重量%以下、約55重量%以下、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下などであり得る。
(1.2 他の成分)
本発明のタブレットは、水溶性糖類の溶解に悪影響を与えない限り、必要に応じて、舌苔除去に有用な他の成分を含み得る。舌苔除去に有用な他の成分の例としては、舌苔除去作用を有する化合物、舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素、静菌剤およびpH調整剤が挙げられる。
舌苔除去作用を有する化合物は舌苔除去作用を有する。舌苔除去作用を有する化合物は好ましくは舌苔除去作用を有する酵素であり、好ましくは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼであり、より好ましくはプロテアーゼであり、さらに好ましくはシステインプロテアーゼであり、さらに好ましくはパパインファミリーのシステインプロテアーゼである。この酵素は好ましくはブロメライン、パパインまたはアクチニジンであり、より好ましくはブロメラインまたはパパインである。
舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素は、舌苔除去作用を向上させる効果を有する。このような酵素は好ましくは、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、デキストラナーゼ、トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、ブロメライン、ペクチナーゼ、ペプシン、ペプチダーゼ、ホスホリパーゼ、ムラミダーゼ、リゾチームおよびリパーゼからなる群より選択され、より好ましくはプロテアーゼであり、より好ましくはシステインプロテアーゼであり、より好ましくはパパインファミリーのシステインプロテアーゼである。この酵素は好ましくはブロメライン、パパインまたはアクチニジンであり、より好ましくはブロメラインまたはパパインである。
本発明のタブレットがブロメラインを含む場合、ブロメラインの量は、好ましくは約0.1重量%以上であり、より好ましくは約0.2重量%以上であり、最も好ましくは約0.5重量%以上である。ブロメラインの量は、好ましくは約3重量%以下であり、より好ましくは約2重量%以下であり、さらに好ましくは約1.5重量%以下であり、最も好ましくは約1.0重量%以下である。この量は特に、タブレットが口腔内で約5分間〜約10分間かけてとける場合に好適である。タブレットがより早く溶ける場合には、ブロメラインの量はより少ないことが好ましい。タブレットがよりゆっくりと溶ける場合には、ブロメラインの量はより多いことが好ましい。
本発明のタブレットがパパインを含む場合、パパインの量は、好ましくは約0.15重量%以上であり、より好ましくは約0.3重量%以上であり、最も好ましくは約0.75重量%以上である。パパインの量は、好ましくは約4.5重量%以下であり、より好ましくは約3重量%以下であり、さらに好ましくは約2.25重量%以下であり、最も好ましくは約1.5重量%以下である。この量は特に、タブレットが口腔内で約5分間〜約10分間かけてとける場合に好適である。タブレットがより早く溶ける場合には、パパインの量はより少ないことが好ましい。タブレットがよりゆっくりと溶ける場合には、パパインの量はより多いことが好ましい。
本発明のタブレットがアクチニジンを含む場合、アクチニジンの量は、好ましくは約0.3.5重量%以上であり、より好ましくは約0.7重量%以上であり、最も好ましくは約1.75重量%以上である。アクチニジンの量は、好ましくは約10.5重量%以下であり、より好ましくは約7重量%以下であり、さらに好ましくは約5.25重量%以下であり、最も好ましくは約3.5重量%以下である。この量は特に、タブレットが口腔内で約5分間〜約10分間かけてとける場合に好適である。タブレットがより早く溶ける場合には、アクチニジンの量はより少ないことが好ましい。タブレットがよりゆっくりと溶ける場合には、アクチニジンの量はより多いことが好ましい。
「静菌剤」とは、細菌の増殖を抑制または阻止する物質をいう。静菌剤は特に、連鎖球菌またはブドウ球菌の増殖を抑制または阻止することが好ましい。静菌剤の例としては、ポリフェノール類(例えば、カテキン)が挙げられる。静菌剤は好ましくは、カテキンである。
pH調整剤の例としては、クエン酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、酢酸などの酸およびこれらの塩類が挙げられる。pH調整剤は好ましくは、クエン酸である。
本発明のタブレットはまた、水溶性糖類の溶解に悪影響を与えない限り、必要に応じて、タブレットに通常含まれる添加剤を含み得る。添加物の例としては、結合剤、香料、甘味料、着色料、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤などが挙げられる。これらの添加剤は当該分野で周知である。タブレットが食品用途である場合、このような添加剤は、例えば、食品添加物公定書に記載される。タブレットが医薬品用途である場合、このような添加剤は、例えば、日本薬局方に記載される。
用語「結合剤」とは、本明細書中で用いられる場合、成分粉末の混合物に結合力を与え安定なタブレットまたは顆粒を製造するために用いられる添加剤をいう。本発明のタブレットは、必ずしも結合剤を含む必要はないが、タブレットの硬度が不十分である場合に添加することができる。
結合剤は、好ましくはセルロース、アラビアガム、ゼラチンなどである。
結合剤はタブレットに含まれる物質間を結合することによってタブレットの硬度を向上させる。特定の物質のみを用いて打錠して得られるタブレットの硬度は、その物質の結合剤としての特性の指標である。硬度が高いほど結合力が強い。
(2.本発明のタブレットの製造方法)
本発明のタブレットは、従来のタブレット製造に用いられている手法および設備をそのまま利用して製造することができる。例えば、タブレット材料(例えば、水溶性糖類と他の成分と)を混合して直接打錠する方法、タブレット材料を別々にまたは混合して湿式または乾式で顆粒化した後に打錠する方法などが採用できる。
1つの実施形態では、本発明のタブレットは、粉末状のタブレット材料を混合し、直接打錠することによって製造されることが好ましい。
別の実施形態では、本発明のタブレットは、顆粒状のタブレット材料を混合した後に打錠することによって製造されることが好ましい。特に、高溶解度糖類と低溶解度糖類とは別々の顆粒にされた後で打錠されることが好ましい。高溶解度糖類と低溶解度糖類とが別々の顆粒にされることにより、本発明のタブレットを舐めた場合に形成される起伏が大きくなる。高溶解度糖類の顆粒の大きさは任意であるが、好ましくは直径約50μm以上であり、より好ましくは約75μm以上であり、最も好ましくは約90μm以上である。高溶解度糖類の顆粒は好ましくは約500μm以下であり、より好ましくは約350μm以下であり、最も好ましくは約250μm以下である。低溶解度糖類の顆粒の大きさは任意であるが、好ましくは粒径が約50μm以上であり、より好ましくは約75μm以上であり、最も好ましくは約90μm以上である。低溶解度糖類の顆粒の粒径は好ましくは約500μm以下であり、より好ましくは約350μm以下であり、最も好ましくは約250μm以下である。適切な粒径を用いれば、タブレットを口腔内で舐めたときに適切な大きさの凹凸ができる。
(3.本発明のタブレット)
このようにして製造された本発明のタブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、該高溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、該低溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である。
本発明のタブレット中で、高溶解度糖類、低溶解度糖類および他の成分は、均一に分散していてもよいし、局在していてもよい。
本発明のタブレットの崩壊時間は、日本薬局方に記載の崩壊試験法に従って測定される。この崩壊時間は、約5分間以上であることが好ましく、約6分間以上であることがより好ましく、約7分間以上であることがさらに好ましく、約8分間以上であることがなおさらに好ましく、約9分間以上であることが特に好ましく、約10分間以上であることが最も好ましい。崩壊時間が短すぎると、舌苔除去効果が十分に発揮されない場合がある。
本発明のタブレットの崩壊時間に特に上限はないが、約30分間以下であることが好ましく、約25分間以下であることがより好ましく、約20分間以下であることが特に好ましく、約15分間以下であることが最も好ましい。崩壊時間が長すぎると、簡便ではないからである。
本発明のタブレットの硬度は、木屋式硬度計を用い、タブレットの直径方向に荷重をかけ、破壊する時の荷重を各試料について5錠測定して平均値を求めた場合、約15kgf以上であることが好ましく、約20kgf以上であることがより好ましく、約25kgf以上であることが最も好ましい。タブレットの硬度が低すぎると、口腔内での崩壊が早すぎて舌苔除去効果が十分に得られない場合がある。タブレットの硬度に特に上限はないが、例えば、60kgfまで、50kgfまで、40kgfまでの硬度が好適に選択され得る。
本発明のタブレットの重量は、好ましくは約0.05g〜約10g、より好ましくは約0.1g〜約5gであり、さらに好ましくは約0.2g〜約3gである。本発明のタブレットは、1回に1粒ずつ舐めてもよく、1回に複数個(例えば、2個〜10個)舐めてもよい。1回に複数個を舐める場合、いっぺんに複数個を口に入れて舐めてもよく、1個ずつ順々に複数個を舐めてもよい。
本発明のタブレットは、任意の形状であり得る。例えば、円盤状、球状、ラグビーボール状、ハート型などであり得る。
本発明のタブレットは、舌苔除去作用を有する。「舌苔除去作用を有する」とは、以下の手順で舌苔除去作用が確認されることをいう。具体的には、まず、摂取者の舌背の写真を、実施例2の方法に従って撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着率を算出する。次いで、実施例2のタブレットの代わりに、舌苔除去作用を確認したいタブレット(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約3粒)をこの摂取者に対して実施例2と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例2と同じサイズおよび材質のタブレットは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着率を算出する。タブレット摂取前の舌苔付着率よりもタブレット摂取後の舌苔付着率が減少した場合、このタブレットを、舌苔除去作用を有するタブレットという。
舌苔付着率とは、実施例2で説明するように、舌苔付着部分の面積の、舌背の面積に対する割合である。舌苔付着部分の面積および舌背の面積は、舌背の写真を撮影し、各々の面積を測定することにより得られる。面積の測定方法の例としては、例えば、画像解析を行うことのできるコンピューターソフトを使用する方法が挙げられる。画像解析を行うことのできるコンピューターソフトとしては、Adobe社製Photoshop Elements 2.0が挙げられる。Adobe社製Photoshop Elements 2.0を使用する場合、写真撮影した舌背の輪郭を手動でスキャンし、その輪郭内部の面積をピクセル数として測定することによって、舌背の面積を測定する。撮影時に被写体の横に色調補正用カラーチャート(CasMatch、大日本印刷社製)を並べて撮影し、これを用いて写真の輝度を補正する。舌背輪郭内の輝度150以上のピクセル数を合計することによって、舌苔付着部分の面積を測定する。
好ましくは、タブレット摂取後の舌苔付着ピクセル数は、タブレット摂取前の舌苔付着ピクセル数と比較して約1%以上低く、より好ましくは約2%以上低く、さらに好ましくは約3%以上低く、さらにより好ましくは約4%以上低く、さらにより好ましくは約5%以上低く、さらにより好ましくは約10%以上低く、さらにより好ましくは約15%以上低い。例えば、タブレット摂取前の舌苔付着率が60%であれば、タブレット摂取後の舌苔付着率は好ましくは約59.4%以下、より好ましくは約58.8%以下、さらに好ましくは約58.2%以下、さらに好ましくは約57.6%以下、さらに好ましくは約57.0%以下、さらに好ましくは約54.0%以下、さらに好ましくは約51.0%以下である。
本発明のタブレットの舌苔除去作用は、舌苔評点を評価することによっても評価され得る。舌苔評点とは、実施例2で説明するように、図2に示す舌苔量判定評価基準図の「1」〜「4」の各舌背部位に付着した舌苔量を、それぞれの舌背部位について(舌苔面積評点)×(舌苔厚さ評点)として評価したときの、「1」〜「4」の部位の舌苔量の合計である。舌苔評点は、最大が36であり、最低が0である。舌苔評点は低いほど好ましいが、舌苔がない状態(4箇所の評価部位のうちいずれかが無苔、4箇所合計の苔舌評点0〜3点)は好ましくない。なお、口臭のない正常な範囲は、好ましくは4〜8点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点〜2点)であり、最も好ましくは4点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点)である。各部位の舌苔量の判断基準は以下の通りである。
Figure 2007026755
Figure 2007026755
好ましくは、タブレット摂取後の舌苔評点は、タブレット摂取前の舌苔評点と比較して約1点以上低く、より好ましくは約2点以上低く、さらに好ましくは約3点以上低く、さらにより好ましくは約4点以上低く、なおさらに好ましくは約5点以上低く、なおさらに好ましくは約10点以上低く、なおさらに好ましくは約15点以上低い。
本発明のタブレットを口腔内で舐めると、高溶解度糖類が迅速に溶け、低溶解度糖類は溶解が遅いため、タブレットの表面に凹凸が形成される。この凹凸と舌苔とが接触することにより、舌苔が物理的に削り取られて除去される。凹凸が大きいほど、物理的除去効果は大きくなると考えられる。タブレットの表面での凹凸の形成しやすさは、例えば、以下の方法で確認され得る。まず、100ccの水(任意の温度であり得るが、好ましくは約37℃)を入れたビーカーにタブレットを投入し、所定の時間(例えば、約3分間、約5分間、約7分間など)ゆるやかに(例えば、ロータリーシェーカーにて振幅20mm、60rpmの条件で)振盪する。その後、タブレットをビーカーから取り出して水分を除去した後、レーザー顕微鏡で適切な倍率にて観察する。凹凸の起伏の程度は、凹凸の谷と山との落差を何箇所か(例えば、3箇所)測定し、平均値を得ることによって決定され得る。凹凸の谷と山との落差は、起伏の大きさともいわれる。起伏の大きさは、好ましくは約30μm以上であり、より好ましくは約50μm以上であり、さらに好ましくは約70μm以上である。凹凸の起伏の程度は、表面粗さによっても示され得る。表面粗さは、好ましくは、日本工業規格(JIS)のB0601−1994に定義される算術平均粗さ(R)によって示される。Rは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ局面をy=f(x)で表したときに、次の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2007026755
ここで、l:基準長さ。
を求める場合のカットオフ値は、一般に次の6種類から選ぶ:0.08、0.25、0.8、2.5、8、25(単位mm)。
カットオフ値の標準値。Rを求める場合の、Rの範囲に対応するカットオフ値および評価長さの標準値は、一般に以下の表Aの区分による。
Figure 2007026755
は、タブレット表面の微細な凹凸を反映する数値である。Rが大きいほど凹凸が大きく、舌苔除去効果が高い。タブレットの溶解試験において、3分後のRが15μm以上であり、7分後のRが20μm以上あれば、舌苔除去作用が得られる。人間の舌で感知可能な粒子の大きさの下限は20μmであるといわれているので、7分後のRが20μm以上あれば、十分に凹凸を感じる。Rは、当該分野で公知の装置で測定され得る。例えば、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−8500)によって測定され得る。
タブレットの溶解試験において、3分後のRは好ましくは約15μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、最も好ましくは約30μm以上である。タブレットの溶解試験において3分後のRに特に上限はなく、例えば、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下などであり得る。タブレットの溶解試験において、7分後のRは好ましくは約20μm以上であり、より好ましくは約25μm以上であり、より好ましくは約30μm以上であり、より好ましくは約40μm以上であり、最も好ましくは約50μm以上である。タブレットの溶解試験において7分後のRに特に上限はなく、例えば、約200μm以下、約150μm以下、約140μm以下、約130μm以下、約120μm以下、約110μm以下などであり得る。
本発明の舌苔除去用タブレットは、舌苔除去を必要とする任意の用途に用いられ得る。例えば、舌苔評点が10点以上の人間に対して好ましく用いられる。本発明の舌苔除去用タブレットは、例えば、脳卒中患者用に用いられ得る。脳卒中患者では、舌苔が過剰に堆積することによって肺炎を誘発することが公知であるので、本発明の舌苔除去用タブレットは、肺炎防止用に用いられ得る。舌苔は、口臭の主な原因であることが公知であるので、本発明の舌苔除去用タブレットは、口臭除去用または口臭防止用に用いられ得る。
本明細書では、「口臭」があるとは、呼気が不快な臭いを有することをいう。より詳細には、口臭があるとは、呼気の中に不快な臭いの原因物質が閾値以上存在することをいう。より特定の場合には、口臭があるとは、呼気の中に揮発性硫化物が閾値以上存在することをいい、より特定の場合には、揮発性硫化物は、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドからなる群より選択される。これらの揮発性硫化物が呼気中に存在した場合に悪臭を感じる閾値は、硫化水素について1.5ng/10ml呼気、メチルメルカプタンについて0.5ng/10ml呼気、そしてジメチルスルフィドについて0.2ng/10ml呼気である。
口臭を有する摂取者に口臭除去の処置を施す場合、好ましくは、タブレット摂取後の呼気の中の少なくとも1つの揮発性硫化物の量が、悪臭を感じる閾値を下回るように、すなわち、1.5ng/10ml呼気未満の硫化水素、0.5ng/10ml呼気未満のメチルメルカプタン、または0.2ng/10ml呼気未満のジメチルスルフィドとなるように処置される。より好ましくは、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドのいずれについても悪臭を感じる閾値を下回るように処置される。
好ましくは、タブレット摂取後の呼気中のいずれかの揮発性硫化物の量は、タブレット摂取前の呼気中のその揮発性硫化物の量と比較して約5%以上低く、より好ましくは約10%以上低く、さらに好ましくは約15%以上低く、さらにより好ましくは約20%以上低く、さらにより好ましくは約25%以上低く、さらにより好ましくは約30%以上低く、さらにより好ましくは約45%以上低く、さらにより好ましくは約50%以上低い。
詳細なメカニズムはわからないが、舌苔除去作用を有するタブレットは好ましくは、口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させる作用を有する。それゆえ、このタブレットを摂取させると、摂取時にすでに存在する口臭を除去するだけでなく、摂取後の口臭の発生を一定期間防ぎ得る。それゆえ、本発明のタブレットは、口臭除去用および口臭予防用の両方に使用できる。
本発明のタブレットは、口臭除去または口臭予防を必要とする任意の用途に用いられ得る。例えば、揮発性硫化物が閾値以上(すなわち、硫化水素について1.5ng/10ml呼気、メチルメルカプタンについて0.5ng/10ml呼気、またはジメチルスルフィドについて0.2ng/10ml呼気)の人間に対して好ましく用いられる。本発明のタブレットは、主に舌苔に作用することによって口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させると考えられる。
(4.本発明のタブレットの使用方法)
本発明のタブレットの摂取量、摂取頻度および摂取期間は、摂取者の状態、摂取者の舌苔評点などに応じて決められる。本発明のタブレットの摂取量は、好ましくは1回あたり、約0.1g以上であり、より好ましくは約0.2g以上であり、さらに好ましくは約0.5g以上であり、さらにより好ましくは約1g以上である。本発明のタブレットの摂取量に特に上限はないが、例えば、1回あたり、約1000g以下、約750g以下、約500g以下、約250g以下、約100g以下、約50g以下、約40g以下、約30g以下、約20g以下、約10g以下、約7.5g以下、約5g以下、約4g以下、約3g以下、約2g以下、約1g以下などである。
本発明のタブレットの摂取頻度は、任意に設定され得る。例えば、1週間に1回以上、1週間に2回以上、1週間に3回以上、1週間に4回以上、1週間に5回以上、1週間に6回以上、1週間に7回以上、1日1回以上、1日2回以上、1日3回以上などであり得る。本発明のタブレットの摂取頻度に上限はなく、例えば、1日3回以下、1日2回以下、1日1回以下、1週間に7回以下、1週間に6回以下、1週間に5回以下、1週間に4回以下、1週間に3回以下、1週間に2回以下、1週間に1回以下などであり得る。
本発明のタブレットの摂取のタイミングは、食前であっても食後であっても食間であってもよいが、食後が好ましい。食前とは、食事の直前から食事を取る約30分前までをいい、食後とは、食事の直後から食事を取った約30分後までをいい、食間とは、食事を取ってから約2時間以上経過した後から次の食事まで約2時間以上前の時間をいう。
本発明のタブレットの摂取期間は、任意に決定され得る。本発明のタブレットは、好ましくは約1日以上、より好ましくは約3日間以上、最も好ましくは約5日間以上摂取され得る。本発明のタブレットは、好ましくは約1ヶ月以下、より好ましくは約2週間以下、最も好ましくは約10日間以下摂取され得る。必要な場合、本発明のタブレットは、ほぼ永続的に摂取されてもよい。
本発明のタブレットは、摂取の際に嚥下せずに口腔内に滞留させることが好ましい。本発明のタブレットを口腔内に滞留させる時間は、好ましくは約10秒間以上、より好ましくは約1分間以上、さらに好ましくは約3分間以上である。本発明のタブレットを口腔内に滞留させる時間は、好ましくは約30分間以下、より好ましくは約20分間以下、さらに好ましくは約10分間以下である。滞留時間が短すぎる場合には、舌苔除去効果が得られにくい。
本発明のタブレットは、噛まずに最後まで舐められることが好ましい。
本発明のタブレットによって、舌苔が除去されて口腔の衛生状態が向上する効果だけでなく、味覚感受性を向上する効果が期待できる。この効果は、舌の表面を被覆している舌苔を除去することにより、舌乳頭に食品が接触しやすくなることによる。
(実施例1および比較例1〜4:種々の水溶性糖類を用いたタブレットの製造および溶解試験)
(A.製造)
以下表4に示す組成となるように各成分を混合し、この混合物を直径13mmの円形の打錠型を用い、吸い込み深度10mm、打錠圧3tの条件で打錠してタブレットを得た。得られたタブレット1粒の重量は1.0gであり、直径は13mmであり、厚さは6.7mmであった。
Figure 2007026755
(B.溶解試験)
実施例1のタブレットおよび比較例1〜4のタブレットをそれぞれ、100ccの水を入れたビーカーに2粒ずつ投入し、ロータリーシェーカーにて振幅20mm、60rpmの条件で振盪した。水の温度は約37℃であった。投入の3分後および7分後にタブレットを取り出し、水分を除去した後、肉眼観察およびレーザー顕微鏡(キーエンス製VK−8500)による拡大観察でタブレットの表面を確認した。レーザー顕微鏡ではタブレット表面の任意の3点を観察し、その表面形状を観察するとともに、プロファイル計測モードにて起伏の大きさを測定した。
実施例1の複数の糖類ベースのタブレットでは、3分後から凹凸が観察され、表面のざらつきが多く見られた。また溶解による形状の変化も少なく、凹凸が長時間にわたって持続することがわかった。
3分後の実施例1のタブレットの表面の写真を図3(A)に示し、7分後の実施例1のタブレットの表面の写真を図3(B)に示す。3分後の比較例1のタブレットの表面の写真を図4(A)に示し、7分後の比較例1のタブレットの表面の写真を図4(B)に示す。3分後の比較例2のタブレットの表面の写真を図5(A)に示し、7分後の比較例2のタブレットの表面の写真を図5(B)に示す。3分後の比較例3のタブレットの表面の写真を図6(A)に示し、7分後の比較例1のタブレットの表面の写真を図6(B)に示す。3分後の比較例4のタブレットの表面の写真を図7(A)に示し、7分後の比較例4のタブレットの表面の写真を図7(B)に示す。
3分後および7分後の肉眼での表面観察の結果、単一の糖原料を使用した比較例1〜4のタブレットよりも、複数の糖原料を使用した実施例1のタブレットの方が、表面のざらつきは多く観察された。そのため、実施例1のタブレットは、比較例1〜4のタブレットよりも大きな物理的舌苔除去効果を有しているものと考えられる。比較例1のブドウ糖ベースのタブレットでは、表面が滑らかに溶け、エッジから溶ける傾向が見られた。比較例2のマルチトールベースのタブレットは、やや表面にざらつきが見られるものの、その凹凸は少なめであった。比較例3のソルビトールベースのタブレットは、7分後には表面にややざらつきが見られるようになったが、小さくなるのが早く、溶解速度が速かった。比較例4のパラチニットベースのタブレットは、一番溶解性が悪く、固形としての変化が遅かった。7分後には表面に小さな凹凸が観察された。
3分後および7分後のタブレットのレーザー顕微鏡観察の結果、単一の糖原料を使用した比較例1〜4のタブレットよりも、複数の糖原料を使用した実施例1のタブレットの方が、表面に大きな起伏が観察された。複数の糖原料を使用した実施例1のタブレットでは、火山岩様の明瞭な起伏が観察され、その大きさは70〜80μm程度であった。比較例1のブドウ糖ベースのタブレットでは、表面は滑らかで光沢があり、細かいシワが多数観察されたが、その起伏は10μm程度であった。比較例2のマルチトールベースのタブレットは、比較的なだらかな起伏の中に小さいながらも岩状の起伏が随所に観察され、起伏の大きさは40〜60μm程度であった。比較例3のソルビトールベースのタブレットは、細かいシワが多い中にやや大きなシワが混在しており、その起伏は50μm前後であった。比較例4のパラチニットベースのタブレットでは、やや滑らかな岩石様の起伏が観察され、その起伏の大きさは60μm前後であった。なお実施例1および比較例1〜4のタブレットにおいて、3分後および7分後タブレットの表面の観察結果はそれぞれほぼ同様であった。
各タブレットの溶解性の速さは、比較例3(ソルビトールベース)、比較例1(ブドウ糖ベース)、比較例2(マルチトールベース)、実施例1(複数の糖類ベース)、比較例4(パラチニットベース)の順であった。物理的舌苔除去効果は、口腔内でのタブレットの存在時間が長いほど効果的であると考えられるため、その点でも実施例1のタブレットは好ましい結果が得られた。さらに、実施例1のタブレットでは、3分後という早い段階でタブレットの表面に凹凸が発生したので、舌苔除去に最も理想的であると考えられた。
通常、タブレットを使用する際は単一の糖原料を使用する場合が多く、数種の糖原料を配合するケースは珍しく、他の市販のタブレットに比べても舌苔除去効果をより有しているタブレットであると考えられる。
(比較例5:不溶性物質を用いたタブレットの製造およびその評価)
実施例1で用いたマルチトール、ソルビトールおよびパラチニットの代わりに炭酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてタブレットを製造した。このタブレットを、研究内容についての十分な説明を行って研究参加の同意が得られた30歳から45歳の5名の男性ボランティアに、実施例2と同様の条件で舐めさせ、その舐め終えた後の評価を得た。
タブレットのベースの溶解度を変えるという観点では不溶性の物質(例えば、炭酸Caなど)を添加することでも目的を果たすことができるが、タブレットをなめた場合に、不溶性物質で舌が必要以上に削られ、出血が報告された。そのため、なめ溶かすタイプのタブレットにおいては水溶性の物質のみで構成することが望ましいと考える。
(実施例2:タブレットの製造およびその舌苔除去効果の試験)
(A.タブレットの製造)
以下の表5に示す組成比になるように原料を混合した。混合物を直径13mmの円形の打錠型を用い、吸い込み深度10mm、打錠圧3tの条件で打錠してタブレットを得た。得られたタブレット1粒の重量は1.0gであり、直径は13mmであり、厚さは6.7mmであった。
Figure 2007026755
(B.試験対象者)
研究内容についての十分な説明を行い、研究参加の同意が得られた28歳から49歳の11名の男性ボランティアを対象とした。なお本試験はタブレットの摂取による舌苔除去効果について検討するものであるため、事前調査により舌苔の有無を確認し、舌苔のほとんど無い人は対象者から除外した。対象者は、実験3日前より実験当日までの舌清掃の禁止および実験当日の起床時より実験終了までの口腔清掃、飲食、喫煙などすべての口腔活動の禁止を指示された。
(C.タブレット摂取試験)
対象者に試験タブレットを1粒ずつ計3粒摂取させ、その前後の舌苔の付着量を評価した。タブレット摂取時には、タブレットを噛まずに、主に舌背上でゆっくり舐め溶かして摂取させた。本発明のタブレットは、基材としてパラチニットとマルチトールを使用した、シュガーレス(糖類含有量0.5%未満)タイプのタブレットである。パラチニットとマルチトールとは口中での溶解速度が異なるため、舐めて溶かしているうちにタブレット表面に凹凸が生じる。また大粒のタブレットであるため、舐め終えるまでに5分〜10分程度の時間を要する。
タブレットの摂取直前、1粒摂取直後、2粒摂取直後、3粒摂取直後に舌背の写真をデジタルカメラで撮影した。撮影した舌背の写真を「C.1 舌苔量の評価方法」で述べる方法で評価した。
(C.1 舌苔量の評価方法)
(1)写真撮影方法
リングフラッシュ(14RDX、YUZO社)を装着したデジタルカメラ(FinePix S602、フジフィルム社)を用いて対象者の舌背を撮影した。被写体の横に色調補正用カラーチャート(CasMatch、大日本印刷社)を並べて撮影し、これを用いて写真の輝度を補正した。
(2)視診による評価方法
視診による舌苔量の評価は、森谷らの方法7)に舌苔の厚みを加味して行った。すなわち、写真撮影した舌背を4つのエリアに分割し、各エリアの舌苔付着量を(舌苔付着面積評点)×(舌苔厚さ評点)として評価し、これらの合計を舌苔評点とすることにより行った。舌苔付着面積評点および舌苔厚さ評点は、ともに0〜3の4段階とした。
1)舌背を4つのエリアに分割する;
2)各エリアに付着した舌苔の面積と厚さより舌苔の付着量を評価する
(舌苔付着面積評点)×(舌苔厚さ評点);
3)各エリアの評点の合計を舌苔評点とする。
舌苔付着面積評点の基準は、以下の通りであった:
Figure 2007026755
舌苔厚さ評点の基準は、以下の通りであった:
Figure 2007026755
(3)画像解析による評価方法
画像解析による舌苔量の評価は、Adobe社製のソフトウェアPhotoshop Elements 2.0を用いて以下のように行った。写真撮影した舌背の輪郭をスキャンし、輪郭内部の総ピクセル数を舌背面積とした。また、舌背のうち輝度150以上の総ピクセル数を舌苔付着面積とした。舌苔付着率は舌苔付着面積を舌背面積で割ったものとした。画像解析による評価を、p9対象者についてのみ行った。
(4)統計学的解析
視診および画像解析による評価方法により得られた結果は、タブレットの摂取前および1粒〜3粒摂取直後について対応のあるt検定で評価した。
(C.2 試験結果)
(C.2.1 視診による評価結果)
11人のそれぞれの結果は以下の通りであった。その結果、7人の摂取者では、摂取前に比べて1粒摂取後で舌苔が減少した。2粒摂取後は、摂取前と比較して8人の摂取者において舌苔が減少した。3粒摂取後は、摂取前と比較して9人の摂取者において舌苔が減少した。
Figure 2007026755
タブレット摂取前の舌苔評点は24.1±9.0であったが、1粒摂取後で22.1±9.2、2粒摂取後で20.2±8.7、3粒摂取後で19.2±8.2とタブレット摂取量に応じて減少した。またタブレット1粒摂取後の舌苔評点は、摂取前より有意(p<0.01)に減少していた、結果を図8に示す。摂取前と1粒摂取後、摂取前と2粒摂取後、摂取前と3粒摂取後の結果はそれぞれ有意差があった。
(C.2.2 画像解析による評価結果)
上記p9対象者について画像解析を行った。その結果は以下の通りであった。その結果、1粒摂取後、2粒摂取後、および3粒摂取後のいずれにおいても、摂取前に比べて舌苔が減少し、かつ、1粒摂取する毎に舌苔量が減少した。
Figure 2007026755
(C.3 まとめ)
以上の試験結果より、タブレットを摂取することによって舌苔付着量が低減されることが確認された。タブレット摂取による舌苔除去は、その手軽さと安全性からも、日常の口腔ケアの一つとして有用であると考えられる。
(実施例3〜実施例6:酵素なしタブレットおよび酵素入りタブレットの製造、ならびにそれらの舌苔除去効果の試験)
(A.タブレットの製造)
以下の表10に示す組成比になるように原料を混合した。混合物を直径13mmの円形の打錠型を用い、吸い込み深度10mm、打錠圧3tの条件で打錠してタブレットを得た。得られたタブレット1粒の重量は1.0gであり、直径は13mmであり、厚さは6.7mmであった。
Figure 2007026755
(B.試験対象者)
実施例3〜実施例6のいずれについても、研究内容についての十分な説明を行い、研究参加の同意が得られた32歳から54歳の9名の男性ボランティアを対象とした。なお本試験はタブレットの摂取による舌苔除去効果について検討するものであるため、事前調査により舌苔の有無を確認し、舌苔のほとんど無い人は対象者から除外した。対象者は、実験3日前より実験当日までの舌清掃の禁止および実験当日の起床時より実験終了までの口腔清掃、飲食、喫煙などすべての口腔活動の禁止を指示された。
(C.タブレット摂取試験)
対象者に試験タブレットを1粒ずつ計3粒摂取させ、その前後の舌苔の付着量を評価した。タブレット摂取時には、タブレットを噛まずに、主に舌背上でゆっくり舐め溶かして摂取させた。本発明のタブレットは、基材としてパラチニットとマルチトールを使用した、シュガーレス(糖類含有量0.5%未満)タイプのタブレットである。パラチニットとマルチトールとは口中での溶解速度が異なるため、舐めて溶かしているうちにタブレット表面に凹凸が生じる。また大粒のタブレットであるため、舐め終えるまでに5分〜10分程度の時間を要する。酵素非含有タブレット(実施例3)を1粒舐め終わるのに要した時間は平均6分42秒であった。パパイン含有タブレット(実施例5および実施例6)を1粒舐め終わるのに要した時間は平均6分43秒であった。
タブレットの摂取直前、1粒摂取直後、2粒摂取直後、3粒摂取直後に舌背の写真をデジタルカメラで撮影した。撮影した舌背の写真を実施例2の「C.1 舌苔量の評価方法」の(2)視診による評価方法で述べる方法によって評価した。
舌苔評点の減少率としての結果を以下の表11および図9(A)に示す。ここで、舌苔評点の減少率は、タブレット摂取前の舌苔評点を100%としたとき、舌苔評点が何%減少したかを示す。
Figure 2007026755
この結果、本発明のタブレットを摂取することにより、舌苔評点が低下することがわかった。本発明のタブレットは、酵素を含まなくても舌苔を除去する効果を有した。本発明のタブレットが酵素を含むと、舌苔除去効果がさらに高まった。酵素としては、パパインもブロメラインもいずれも有効であり、特に、ブロメラインの効果が高かった。酵素の作用は、酵素の濃度にほぼ比例した。酵素を含まないタブレットを摂取すると、1粒あたり約10%の舌苔を減少させることができた。ブロメラインを含有するタブレットの場合、ブロメラインの濃度1%あたり35%の舌苔を減少させた。パパインを含有するタブレットの場合、パパインの濃度1%あたり25%の舌苔を減少させた。
(実施例7〜実施例8:酵素なしタブレットおよびアクチニジン入りタブレットの製造、ならびにそれらの揮発性硫化物低減効果の試験)
(A.タブレットの製造)
以下の表12に示す組成比になるように原料を混合した。混合物を直径13mmの円形の打錠型を用い、吸い込み深度10mm、打錠圧3tの条件で打錠してタブレットを得た。得られたタブレット1粒の重量は1.0gであり、直径は13mmであり、厚さは6.7mmであった。アクチニジン(EC 3.4.22.14)は、Hayward種キウイフルーツ由来で、酵素活性9000 unit/g(食品添加物公定書第7版のパパインに準拠し、カゼインを基質とした方法で測定)のものをアサヒフードアンドヘルスケア株式会社より入手した。
Figure 2007026755
(B.試験対象者)
本実施例は本発明のタブレットの、揮発性硫化物(Volatile sulfur compounds ; 以下VSCと略す)に対する効果について検討するものであるため、以下の(1)〜(3)の条件をみたす成人男性を対象とした:
(1)実験に先立って口腔内気体中に閾値以上のVSCが検出される;
(2)口腔内検査の結果において、4mm以上の歯周ポケットが8箇所以下、6mm以上の歯周ポケットがなく、出血箇所は10箇所以下である;
(3)X線検査の結果、歯槽骨吸収が観察されない。
研究内容についての十分な説明を行い、研究参加の同意が得られた31歳から46歳の14名のボランティアに対して、実験3日前より実験当日までの舌清掃の禁止および実験当日の起床時より実験終了までの口腔清掃、飲食、喫煙などすべての口腔活動の禁止を指示した。
なお、試験はヘルシンキ宣言の精神に則り、江崎グリコ株式会社研究倫理審査委員会の承認のもとに実施した。
(C.タブレット摂取試験)
(C.1 タブレットの摂取方法)
すべての対象者を、実施例7のタブレット(酵素なし)および実施例8のタブレット(アクチニジン含有)の両方の対象者とする交差試験を行った。対象者11名を無作為に6名と5名の群に分け、一方を先に実施例7のタブレットを使用する群とし、他方を先に実施例8のタブレットを使用する群とした。
対象者に試験タブレットを1粒摂取させ、タブレット使用直前、使用直後、30分後、60分後、90分後の口気中のVSC濃度を測定した。タブレット摂取時には、タブレットを噛まずに、主に舌背上でゆっくり舐め溶かして摂取させた。本発明のタブレットは、基材としてパラチニットとマルチトールを使用した、シュガーレス(糖類含有量0.5%未満)タイプのタブレットである。パラチニットとマルチトールとは口中での溶解速度が異なるため、舐めて溶かしているうちにタブレット表面に凹凸が生じる。また大粒のタブレットであるため、舐め終えるまでに5分〜10分程度の時間を要する。1粒舐め終わるのに要した時間は、酵素非含有タブレット(実施例7)群およびアクチニジン含有タブレット(実施例8)群を合わせた平均として、6分44秒であった。
次に、少なくとも2週間の洗い流し期間をおき、使用するタブレットを交代して同様の試験を行った。試験方法は二重盲検法を採用し、被験者および測定者はタブレットの種類を知らされなかった。口気中のVSC濃度は「C.2 口臭の評価方法」で述べる方法で測定した。
(C.2 口臭の評価方法)
VSCとして、HSおよびCHSHに着目した。HSおよびCHSHは、口臭に対する寄与度が高いからである。自動試料注入装置を使用した炎光光度検出器付きガスクロマトグラフ(島津製作所、京都)を用いて、HSおよびCHSHの濃度を測定した。対象者に、1回の深呼吸後、自動試料注入装置につないだチューブを口気が漏れない様くわえたまま、60秒間安静に鼻呼吸する様に指示した。その後25mlの口気を採取し、そのうちの10mlを自動試料注入装置からガスクロマトグラフに注入した。ガスクロマトグラフに接続したパーソナルコンピューターの解析ソフトGC−Solution(島津製作所、京都)により、口気10ml中の重量(ng/10ml)としてHSおよびCHSHの濃度を算出した。サンプルの採取、ならびにHSおよびCHSHの濃度の測定は、試験を通じて午前9時から9時30分の間に開始し、同一測定者が行った。
(C.3 統計学的解析)
得られた結果について、それぞれ、タブレット使用直前のHSおよびCHSHの濃度を100%として、タブレット使用後のHSおよびCHSHの相対濃度についてt検定を行った。p<0.05以下を有意差ありとした。統計処理にはSPSS 10.0J for Windows(登録商標) (SPSS Inc.、 USA)を使用した。
(C.4 結果)
S濃度の相対変化(%)についての結果を以下の表13および図10に示す。
Figure 2007026755
CHSH濃度の相対変化(%)についての結果を以下の表14および図11に示す。
Figure 2007026755
タブレット使用直前では、対象者全員に閾値以上のHSおよびCHSHが検出された。
実施例7または実施例8のいずれのタブレットを用いた場合も、タブレット使用直後、使用30分後および使用60分後のいずれにおいても、HSおよびCHSHの濃度は、タブレット使用直前と比較して減少した。特に、アクチニジンを含有するタブレットを使用した場合、HSおよびCHSHの減少効果がより長時間持続した。
実験開始直前における舌背の視診の結果、すべての被験者に舌苔の付着が認められた。上記実施例2〜6に示されるように、本発明のタブレットの使用により舌苔が減少すること、および本発明のタブレットに酵素を含むことによりさらに多量の舌苔が除去されることが明らかにされている。そのため、実施例7および実施例8のいずれにおいてもタブレット使用直後から60分後までの間にHS濃度およびCHSH濃度が減少した要因は、本発明のタブレットの使用によって、HSおよびCHSHの発生源である舌苔が除去または分解された結果、ならびにタブレットの平均使用時間である6分45秒の間に唾液の分泌が促進され、腐敗した唾液が洗い流されたことであると考えられる。これらの結果から、本発明のタブレットが生理的口臭および病的口臭の軽減に有効な手段であることが示唆された。特に、酵素を含む本発明のタブレットは、生理的口臭および病的口臭の軽減に非常に有効な手段であることが示唆された。
本発明のタブレットを使用した舌苔の化学的舌清掃法は、器具を使用した機械的舌清掃法と比較して、使用方法が簡便であり、口腔内に機械的刺激を与える危険性が少ない。そのため、舌清掃を習慣として継続するために有効な手段であると考えられる。また、使用方法の簡便性および高い安全性は、高齢者、病者などの身体機能が低下した患者が舌清掃を独力で行う際に特に有効であると考えられる。本実施例により、本発明のタブレットを使用した舌苔の化学的清掃は口臭軽減に有効な手段であることが示唆された。
(実施例9および10:酵素なしトローチおよびアクチニジン入りトローチの製造、ならびにそれらの舌苔除去効果の試験)
要介護高齢者の舌苔除去に関する簡便な化学的清掃法の開発を目的に、キウイフルーツ由来のたんぱく質分解酵素含有トローチの継続摂取による、舌苔付着量の変化について検討を行った。
(A.トローチの製造)
以下の表15に示す組成比になるように原料を混合した。混合物を直径19mmで中心部が8mmのドーナツ形の打錠型を用い、打錠圧2tの条件で打錠してトローチを得た。得られたタブレット1粒の重量は1.5gであり、直径は19mmであり、中心部に8mmの穴が開いており、厚さは4.5mmであった。アクチニジン(EC 3.4.22.14)は、Hayward種キウイフルーツ由来で、酵素活性9000 unit/g(食品添加物公定書第7版のパパインに準拠し、カゼインを基質とした方法で測定)のものをアサヒフードアンドヘルスケア株式会社より入手した。
Figure 2007026755
(B.試験対象者)
特別養護老人ホーム利用者で、舌苔の付着を認める者のうち、研究への参加に同意の得られたのべ8名(女性5名、平均年齢85.6±7.6歳)を対象とした。なお本試験はトローチの摂取による舌苔除去効果について検討するものであるため、事前調査により舌苔の有無を確認し、舌苔のほとんど無い人は対象者から除外した。
(C.トローチ摂取試験)
3名の対象者に、実施例9のトローチ(酵素非含有トローチ)を摂取させた。5名の対象者に実施例10のアクチニジン含有トローチ(酵素含有トローチ)を摂取させた。トローチの摂取頻度は1日2回(朝食後および夕食後)、各1錠とした。トローチ摂取時には、トローチを噛まずに、主に舌背上でゆっくり舐め溶かして摂取させた。本発明のトローチは、基材としてパラチニットとマルチトールを使用した、シュガーレス(糖類含有量0.5%未満)タイプのトローチである。パラチニットとマルチトールとは口中での溶解速度が異なるため、舐めて溶かしているうちにトローチ表面に凹凸が生じる。また大粒のトローチであるため、舐め終えるまでに5分〜10分程度の時間を要する。
トローチの摂取期間中、トローチ摂取前、3日目、および7日目の起床後朝食摂取前に、舌背面の写真撮影を行った。舌苔量を、実施例2のC.1 舌苔量の評価方法の(2)視診による評価方法に従い、十分なキャリブレーションを行った3人の評価者により評価した。
舌苔評点の減少率としての結果を以下の表16および図12に示す。ここで、舌苔評点の減少率は、タブレット摂取前の舌苔評点を100%としたとき、舌苔評点が何%減少したかを示す。
Figure 2007026755
この結果、実施例9および実施例10のいずれのトローチを用いた場合も、舌苔評点の減少が認められた。これにより、本発明のトローチが舌苔の化学的清掃法として有効な手段であることが示唆された。本発明のトローチとしては、酵素含有トローチが特に優れていることも示唆された。
トローチを使用した化学的清掃法は、器具を使用した物理的清掃法と比較して、口腔内に機械的刺激を与える危険性が少なく、使用方法が簡便であることから、要介護高齢者が舌清掃を独力で行う際に有効であると考えられる。
(比較試験例1〜4:単独の糖類を用いたタブレットの舌苔除去効果)
比較例1〜4で製造したタブレットの舌苔除去効果を、以下の手順で確認した。
(B.試験対象者)
比較試験例1〜比較試験例4のいずれについても、研究内容についての十分な説明を行い、研究参加の同意が得られた32歳から54歳の5名の男性ボランティアを対象とした。なお本試験はタブレットの摂取による舌苔除去効果について検討するものであるため、事前調査により舌苔の有無を確認し、舌苔のほとんど無い人は対象者から除外した。対象者は、実験3日前より実験当日までの舌清掃の禁止および実験当日の起床時より実験終了までの口腔清掃、飲食、喫煙などすべての口腔活動の禁止を指示された。
(C.タブレット摂取試験)
対象者に試験タブレットを1粒ずつ計3粒摂取させ、その前後の舌苔の付着量を評価した。タブレット摂取時には、タブレットを噛まずに、主に舌背上でゆっくり舐め溶かして摂取させた。大粒のタブレットであるため、舐め終えるまでに5分〜10分程度の時間を要する。
タブレットの摂取直前、1粒摂取直後、2粒摂取直後、3粒摂取直後に舌背の写真をデジタルカメラで撮影した。撮影した舌背の写真を実施例2の「C.1 舌苔量の評価方法」の(2)視診による評価方法で述べる方法によって評価した。
舌苔評点の減少率としての結果を以下の表17および図9(B)に示す。ここで、舌苔評点の減少率は、タブレット摂取前の舌苔評点を100%としたとき、舌苔評点が何%減少したかを示す。
Figure 2007026755
この結果、単独の糖類を用いたタブレットでは、舌苔評点の減少はほとんど見られないことがわかった。これに対して、上記実施例2のタブレットでは、1粒摂取する毎に約0%の舌苔評点の減少が見られた。これらのことを総合すると、本発明のタブレットは、極めて顕著な効果を有することがわかる。
(試験例:タブレットの製造および溶解試験による表面粗さの評価)
(A.製造)
上記で製造した実施例1、実施例9および比較例1〜4のタブレットについては、それぞれの実施例または比較例で製造したものを用いた。
本試験例では、さらに、シュガーエステルB−370F(2重量部)に対して、以下の表18に示される重量比の糖類を合計100重量部用いたこと以外は、実施例1と同じ手順および条件で実施例11〜17および比較例6のタブレットを製造した。
(B.溶解試験)
上記実施例1、実施例9および比較例1〜4のタブレットをそれぞれ、100ccの水を入れたビーカーに2粒ずつ投入し、ロータリーシェーカーにて振幅20mm、60rpmの条件で振盪した。水の温度は約37℃であった。投入の3分後および7分後にタブレットを取り出し、水分を除去した後、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−8500)の表面粗さ測定モードで、タブレット表面の表面粗さR(μm)を測定した。
Figure 2007026755
これらの結果、糖類の37℃での溶解度の差が10重量%以上であれば、十分な表面粗さが得られることがわかった。
実施例1および11〜17のタブレットについては、実際の舌苔評点の測定を行っていない。しかし、舌苔除去効果が実証された実施例9のタブレットとほぼ同等の表面粗さを有するので、これらのタブレットも舌苔除去効果を有すると理解される。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明の舌苔除去用タブレットを用いれば、舌ブラシなどの物理的手段にのみによらず、優れた舌苔除去効果が得られる。本発明の舌苔除去用タブレットは、舌表面を傷付けず、吐き気を催すことがないという利点を有する。本発明の舌苔除去用タブレットはまた、食べることができるので、口腔内での使用に適切である。本発明の舌苔除去用タブレットはまた、十分な舌苔除去作用を有し、そして使用が簡便であるという利点を有する。

Claims (23)

  1. 舌苔除去用タブレットであって、
    該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、
    該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
    該高溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
    該低溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
    該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、タブレット。
  2. 舌苔除去用タブレットであって、
    該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、
    該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
    該高溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
    該低溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
    該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、タブレット。
  3. 舌苔除去用タブレットであって、
    該タブレットは、高溶解度糖類および低溶解度糖類を含み、
    該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
    該高溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
    該低溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
    該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、タブレット。
  4. 前記差が、15重量%以上である、請求項3に記載のタブレット。
  5. 前記差が、20重量%以上である、請求項3に記載のタブレット。
  6. 前記差が、25重量%以上である、請求項3に記載のタブレット。
  7. 前記差が、30重量%以上である、請求項3に記載のタブレット。
  8. 前記差が、35重量%以上である、請求項3に記載のタブレット。
  9. 前記高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度が、50重量%以上である、請求項3に記載のタブレット。
  10. 前記高溶解度糖類が、ブドウ糖、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、麦芽糖、ショ糖、果糖およびセロビトールからなる群より選択される、請求項9に記載のタブレット。
  11. 前記低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度が、5重量%以上40重量%以下である、請求項3に記載のタブレット。
  12. 前記低溶解度糖類が、パラチニット、マンニトール、乳糖およびパラチノースからなる群より選択される、請求項11に記載のタブレット。
  13. 前記高溶解度糖類および前記低溶解度糖類以外に他の水溶性糖類をさらに含む、請求項3に記載のタブレット。
  14. 前記高溶解度糖類が、ソルビトールであり、前記低溶解度糖類が、パラチニットであり、前記他の水溶性糖類が、マルチトールである、請求項3に記載のタブレット。
  15. 崩壊時間が5分間以上である、請求項3に記載のタブレット。
  16. 硬度が15kgf以上である、請求項3に記載のタブレット。
  17. 結合剤をさらに含む、請求項3に記載のタブレット。
  18. 酵素をさらに含む、請求項3に記載のタブレット。
  19. 前記酵素がプロテアーゼである、請求項18に記載のタブレット。
  20. 前記酵素がブロメラインまたはパパインである、請求項18に記載のタブレット。
  21. 舌苔除去用タブレットの製造方法であって、
    高溶解度糖類および低溶解度糖類を混合して混合物を得る工程、
    該混合物を打錠してタブレットを得る工程
    を包含し、
    該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
    該高溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
    該低溶解度糖類は、該タブレット中に主成分として含まれる水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
    該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、製造方法。
  22. 舌苔除去用タブレットの製造方法であって、
    高溶解度糖類および低溶解度糖類を混合して混合物を得る工程、
    該混合物を打錠してタブレットを得る工程
    を包含し、
    該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
    該高溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
    該低溶解度糖類は、該タブレット中に10重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
    該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、製造方法。
  23. 舌苔除去用タブレットの製造方法であって、
    高溶解度糖類および低溶解度糖類を混合して混合物を得る工程、
    該混合物を打錠してタブレットを得る工程
    を包含し、
    該高溶解度糖類および該低溶解度糖類は、水溶性であり、
    該高溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も高いものであり、
    該低溶解度糖類は、該タブレット中に20重量%以上存在する水溶性糖類のうちで37℃の水中での溶解度が最も低いものであり、
    該高溶解度糖類の37℃の水中での溶解度と該低溶解度糖類の37℃の水中での溶解度との差が、10重量%以上である、製造方法。
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