JPWO2007020754A1 - 溶融ガラスの導管構造、および該導管構造を用いた減圧脱泡装置 - Google Patents

溶融ガラスの導管構造、および該導管構造を用いた減圧脱泡装置 Download PDF

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Abstract

冷却手段を用いることなしに、導管を構成する電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスによって、該導管のバックアップを構成する固形断熱材が浸食されることを防止する溶融ガラスの導管構造、および該導管構造を用いた減圧脱泡装置、ならびに該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。導管と、該導管の周囲に設けられたバックアップと、で構成される溶融ガラスの導管構造であって、前記導管は、その長手方向および周方向に電鋳レンガを配設してなる中空管であり、前記バックアップは、前記導管の外側に設けられた耐火物層と、該耐火物層の外側に設けられた断熱材層と、で構成され、前記耐火物層は、耐火レンガを前記導管の長手方向および周方向に沿って配設してなる耐火レンガ層を含み、前記断熱材層は、固形耐火物を前記導管の長手方向および周方向に沿って配設してなる固形耐火物層を含み、溶融ガラスの通過時において、該ガラスの流動点と等しい温度になる部位が前記耐火物層内に位置するように、前記導管を構成する電鋳レンガおよび前記耐火レンガ層を構成する耐火レンガを選択する。

Description

本発明は、溶融ガラスの導管構造に関する。本発明の溶融ガラスの導管構造は、ガラス製造装置の溶融ガラスの導管として使用することができ、例えば、減圧脱泡装置の上昇管、減圧脱泡槽または下降管として用いることができる。本発明の溶融ガラスの導管構造は、減圧脱泡装置の上昇管、減圧脱泡槽または下降管として好適である。
また、本発明は、溶融ガラスの導管、特に上昇管、減圧脱泡槽または下降管として、該導管構造を用いた減圧脱泡装置および該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法に関する。
減圧脱泡装置のようなガラス製造装置において、中空管からなる溶融ガラスの導管の構成材料として耐火レンガが使用される場合がある。耐火レンガとしては、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れることから、電鋳レンガが通常使用されている。
しかしながら、電鋳レンガを用いて溶融ガラスの導管を作製する場合、継ぎ目の無い一体の中空管として作製することができない。このため、例えば、中心部に開口部を有するドーナツ形状に形成された電鋳レンガを複数準備し、これを積み重ねることによって中空管とする。ドーナツ形状をした電鋳レンガについても、継ぎ目の無いドーナツ形状の電鋳レンガを用いる場合もあるが、略扇形状または楔形状に形成された複数の電鋳レンガを準備し、これらを円周方向に沿って組み付けてドーナツ形状とするほうが一般的である。
したがって、電鋳レンガを用いて溶融ガラスの導管を作製する場合、中空管の内面、すなわち、溶融ガラスと直接接触する流路にも電鋳レンガ間の目地部が不可避的に存在する。電鋳レンガは、気孔率の低い稠密な組織を有するため、焼成レンガに比べると目地部からの溶融ガラスのしみ出しは少ないと考えられる。だが、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを完全に防止することは困難である。
溶融ガラスと直接接触する流路を構成する電鋳レンガ間の目地部を目地材で埋めることも考えられる。しかしながら、一般的に目地材は、電鋳レンガに比べてその稠密度が劣るため、溶融ガラスと直接接触する目地材は電鋳レンガに比べて浸食されやすい。このため、電鋳レンガ自体の浸食は少なくても、電鋳レンガ間の目地部の浸食は選択的に進むという問題がある。その結果、目地部が埋められていない場合よりも、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを遅らせることはできるが、目地材が浸食されてしまうと、目地部から溶融ガラスがしみ出してくることとなる。
溶融ガラスの導管の周囲には、バックアップ(支持構造)が設けられている。バックアップは、導管を中心方向に押圧することにより、ドーナツ形状に組み付けた電鋳レンガ間の目地部を密着させる。また、バックアップは、導管の断熱保温や補強等の機能を有している。
バックアップには、通常耐火レンガや固形断熱材が使用される。耐火レンガとしては、コスト面から通常焼成レンガ等が用いられる。焼成レンガには、様々な種類のものが存在しており、バックアップに要求される機能に応じて、所望の特性を有する焼成レンガが使用される。中でも溶融ガラスに対する耐食性に優れたものが好ましく使用される。また、バックアップに要求される機能のうち、断熱保温機能を発揮させるためには、固形断熱材が好ましく用いられる。
固形断熱材は、断熱保温能力という点では申し分ないが、電鋳レンガや、焼成レンガの中でも溶融ガラスに対する耐食性に優れたものに比べて溶融ガラスに対する耐食性が劣っている。このため、導管を構成する電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスがバックアップを構成する固形断熱材に到達した場合、断熱レンガが溶融ガラスによって著しく浸食されるおそれがある。バックアップを構成する固形断熱材が浸食されると、減圧脱泡装置自体の寿命が短くなるおそれがある。
減圧脱泡装置の減圧脱泡槽、上昇管および下降管において、管路からの溶融ガラスの漏れを防止するため、内表面レンガ層のレンガ同士の接触面を精密研磨して0.5mm以下の平滑度に仕上げ、隣接するレンガの隙間を1mm以下にすることが特許文献1に開示されている。また、特許文献1には、管路からの溶融ガラスの漏れを防止するために、内表面レンガ層とバックアップレンガ層との間の隙間にラミング材を充填することも開示されている。
また、溶融ガラスと直接接触する耐火レンガの目地部の浸食を防止し、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを防止するために、流路の断面を多角形形状に形成し、溶融ガラスの流速の遅い隅部に目地部を形成し、該目地部の外側部に冷却管を配置した溶融ガラスの導管構造が特許文献2に開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明の場合、内表面レンガ層とバックアップレンガ層との間の隙間に充填されるラミング材は、電鋳レンガに比べてその稠密度が劣っている。そのため、目地部からしみ出した溶融ガラスが該ラミング材に達することによって、ラミング材は徐々に浸食される。したがって、ラミング材を使用しない場合に比べて、目地部からしみ出した溶融ガラスがバックアップに到達するのを遅らせることはできるが、ラミング材が浸食されてしまうと、目地部からしみ出した溶融ガラスがバックアップに到達することになる。
また、特許文献1に記載の発明は、内表面レンガ層のレンガ同士の接触面を精密研磨して、隣接するレンガの隙間を1mm以下にすることにより、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを遅らせ、しみ出した溶融ガラスが目地部を埋めることを期待したものであるが、当初は稠密な構造であった目地部も目地部周囲のレンガが徐々に浸食されることによって、その隙間が徐々に広がる可能性がある。したがって、長期的に見た場合、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを防止することは困難である。
一方、特許文献2に記載の発明の場合、耐火レンガの目地部の外側部に冷却管等の冷却手段を設けることが必要であるため、導管構造が複雑になる。また、冷却管から水漏れが発生した場合、ヒートショックにより耐火レンガが割れるおそれがある。また、漏洩した冷却水によって周囲が汚染されるおそれがある。特許文献2では、耐火レンガの厚みを厚くすることなしに目地部の長さを長くするために、目地部を形成するユニットレンガの両端に、外方向に突出する耳部を設けることにより、目地部が流路の中心から放射状に伸びるように形成することを開示している。しかしながら、耐火レンガに耳部を設けた場合、レンガの内側部分と外側部分との温度差が大きくなり、レンガが割れるおそれがある。
特開2000−7346号公報(米国特許第6334336号明細書) 特開2003−128422号公報
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するため、冷却手段を用いなくとも、レンガが割れることなく、導管を構成する電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスによって、該導管のバックアップを構成する固形断熱材が浸食されることを防止する溶融ガラスの導管構造を提供することを目的とする。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、減圧脱泡装置の上昇管、減圧脱泡槽または下降管として用いることが好ましい。
また、本発明は、溶融ガラスの導管、特に上昇管、減圧脱泡槽または下降管として、本発明の溶融ガラスの導管構造を用いた減圧脱泡装置、および該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、導管と、該導管の周囲に設けられたバックアップと、で構成される溶融ガラスの導管構造であって、
前記導管は、その長手方向および周方向に電鋳レンガを配設してなる中空管であり、
前記バックアップは、前記導管の外側に設けられた耐火物層と、該耐火物層の外側に設けられた断熱材層と、で構成され、
前記耐火物層は、耐火レンガを前記導管の長手方向および周方向に沿って配設してなる耐火レンガ層を含み、
前記断熱材層は、固形断熱材を前記導管の長手方向および周方向に沿って配設してなる固形断熱材層を含み、
溶融ガラスの通過時において、該ガラスの流動点と等しい温度になる部位が前記耐火物層内に位置するように、前記導管を構成する電鋳レンガおよび前記耐火レンガ層を構成する耐火レンガが選択されてなることを特徴とする溶融ガラスの導管構造(以下、「本発明の導管構造」という。)を提供する。
本発明の導管構造において、前記耐火レンガは、下記特性のいずれかを有する焼成レンガからなる群から選択されることが好ましい。
かさ比重(JIS R2205(1993年)):1.0超
熱伝導率(1000℃):0.3超(W/mK)
見かけ気孔率(JIS R2205(1993年)):60%未満
本発明の導管構造において、前記固形断熱材は、下記特性のいずれかを有する固形断熱材からなる群から選択されることが好ましい。
かさ比重(JIS R2205(1993年)):1.0以下
熱伝導率(1000℃):0.3以下(W/mK)
見かけ気孔率(JIS R2205(1993年)):60%以上
本発明の導管構造は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置の上昇管、減圧脱泡槽または下降管として用いることが好ましい。
また、本発明は、溶融ガラスの導管として、本発明の導管構造を用いた減圧脱泡装置を提供する。
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
前記上昇管、前記減圧脱泡槽および前記下降管のうち少なくとも一つに、本発明の導管構造を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。
本発明の導管構造では、導管を構成する電鋳レンガ間の目地部から溶融ガラスがしみ出した場合であっても、しみ出した溶融ガラスが耐火レンガ層を通過している間に、溶融ガラスの温度がそのガラスの流動点以下となる。そのため、電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスが、耐火レンガ層よりも外側に位置する断熱材層に到達するおそれがない。したがって、電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスによって、バックアップを構成する固形断熱材が浸食されるおそれがない。
本発明の導管構造は、溶融ガラスのしみ出しを防止するために、冷却管等の冷却手段が不要である。このため、導管構造が複雑にならない。また、冷却管からの水漏れによって、耐火レンガが割れたり、漏洩した冷却水によって周囲が汚染されるおそれがない。
本発明の減圧脱泡装置では、導管を構成する電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスによって、バックアップを構成する固形断熱材が浸食されることが防止されている。このため、装置の寿命を大幅に延長することができる。
図1は、本発明の溶融ガラスの導管構造を備えた減圧脱泡装置の断面図である。 図2は、図1の上昇管13とバックアップ15とを含んだ部位を示した部分拡大図である。 図3は、図2を線a−aで切断した断面図である。 図4は、図3と同様の図である。但し、導管構造の断面形状が図3とは異なっている。
符号の説明
1:減圧脱泡装置
11:減圧ハウジング
12:減圧脱泡槽
13:上昇管
13a:電鋳レンガ
14:下降管
15:バックアップ
16:耐火物層
16a:耐火レンガ
17:断熱材層
17a:固形耐火物
18,19:延長管
18a:固定用のフランジ
18b:シール用のフランジ
22:断熱材
30:溶解槽
40:処理槽
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の溶融ガラスの導管構造を備えた減圧脱泡装置の断面図である。図1に示す減圧脱泡装置1は、溶解槽30中の溶融ガラスGを減圧脱泡して、次の処理槽40に連続的に供給するプロセスに用いられるものである。
減圧脱泡装置1は、使用時その内部が減圧状態に保持される減圧ハウジング11を有する。減圧ハウジング11内には、減圧脱泡槽12がその長軸が水平方向に配向するように収納配置されている。減圧脱泡槽12の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管13が、他端の下面には下降管14が取り付けられている。
減圧脱泡装置1において、減圧脱泡槽12、上昇管13および下降管14は、矩形の断面を有する電鋳レンガ製の中空管である。上昇管13および下降管14の下端には、それぞれ白金または白金合金製の延長管18,19が設けられている。減圧ハウジング11内において、上昇管13および下降管14の周囲にはバックアップ15が配設されている。
減圧脱泡槽12の周囲には断熱材22が配設されている。
図1に示す減圧脱泡装置1において、上昇管13とバックアップ15とを含んだ構造、および下降管14とバックアップ15とを含んだ構造が本発明の導管構造として構成されている。図2は、図1の上昇管13とバックアップ15とを含んだ部位を示した部分拡大図である。図3は、図2を線a−aで切断した断面図である。以下、上昇管13について説明するが、下降管14も同様の構成である。
図2および図3において、上昇管13は、矩形断面を有する中空管であり、溶融ガラスの流路をなす中空部分の断面形状は円形である。上昇管13は、電鋳レンガ13aを積み重ねることによって形成されている。図3に示すように、断面矩形で半円形状の切り欠きを有する電鋳レンガ13aを2個組み合わせることによって、矩形断面を有し、中空部分の断面形状が円形の中空管構造が形成される。上昇管13は、このような中空管構造を積み重ねることによって形成されている。
上昇管13の下端付近を構成する電鋳レンガ13a間には、延長管18の上端部に設けられた固定用のフランジ18aが挿入されている。なお、延長管18は、白金または白金合金製であり、断面円形の筒状体である。また、上昇管13の下端部(減圧ハウジング11の下端開口部)は、延長管18の上端付近に設けられたシール用のフランジ18bによってシールされている。
上昇管13を構成する電鋳レンガ13aの種類は特に限定されず、炉材や溶融ガラスの導管の構成材料として使用される電鋳レンガとして公知のものから適宜選択することができる。具体的には、α−アルミナ質電鋳レンガ、α,β−アルミナ質電鋳レンガ、β−アルミナ質電鋳レンガといったアルミナ質電鋳レンガ、ジルコニア質電鋳レンガ、アルミナ−ジルコニア−シリカ(AZS)質電鋳レンガといった電鋳レンガが挙げられる。
アルミナ質電鋳レンガの具体例としては、α−アルミナ質電鋳レンガとして、マースナイト(登録商標、以下同じ)A(旭硝子株式会社製)、モノフラックスA(サンゴバン ティー エム株式会社製)、α,β−アルミナ質電鋳レンガとして、マースナイトG(旭硝子株式会社製)、モノフラックスM(サンゴバン ティー エム株式会社製)、ジャガーM(ソシエテ・ユーロピアンヌ・デ・プロデュイ・レフラクテール社製)、β−アルミナ質電鋳レンガとして、マースナイトU(旭硝子株式会社製)、モノフラックスH(サンゴバン ティー エム株式会社製)、ジャガーH(ソシエテ・ユーロピアンヌ・デ・プロデュイ・レフラクテール社製)が挙げられる。
ジルコニア質電鋳レンガの具体例としては、X−950(旭硝子株式会社製)が挙げられる。
AZS質電鋳レンガの具体例としては、ジルコナイト(登録商標、以下同じ)1681、ジルコナイト1691、ジルコナイト1711(旭硝子株式会社製)、モノフラックスS3、モノフラックスS4、モノフラックスS5(サンゴバン ティー エム株式会社製)、ユニコール501、ユニコール1(コルハート社製)、FC101、FC4101(ウォルシュ社製)、ZAC1681、ZAC1711(エレクトロレフタルテール社製)が挙げられる。
図2および図3に示すように、バックアップ15は、上昇管13の外側に設けられた耐火物層16と、該耐火物層16の外側に設けられた断熱材層17と、で構成される。図2および図3において、耐火物層16は、耐火レンガ16aを上昇管13の長手方向および周方向に沿って配設してなる耐火レンガ層である。一方、断熱材層17は、固形断熱材17aを上昇管13の長手方向および周方向に沿って配設してなる固形断熱材層である。
ここで、耐火物層といった場合、上記した耐火レンガ層を含んだ層を意味し、耐火レンガ層以外の構成、例えば、不定形耐火物を含んだものであってもよい。一例を挙げると、後述する態様、すなわち、上昇管の径方向に沿って、耐火レンガ層が2層以上の層をなすように配設されたものであって、耐火レンガ層同士の間に不定形耐火物が充填されたもの、上昇管と耐火レンガ層との間に不定形耐火物が充填されたもの、および耐火レンガ層と断熱レンガ層との間に不定形耐火物が充填されたものも耐火物層に含まれる。
同様に、断熱材層といった場合、上記した固形断熱材層を含んだ層を意味し、固形断熱材層以外の構成、例えば、不定形耐火物を含んだものであってもよい。一例を挙げると、後述する態様、すなわち、上昇管の径方向に沿って、固形断熱材層が2層以上の層をなすように配設されたものであって、該固形断熱材層同士の間に不定形耐火物が充填されたもの、および固形断熱材層と減圧ハウジングとの間に不定形耐火物が充填されたものも断熱材層に含まれる。
耐火レンガ16aは、上昇管13と断熱材層17との間に設けられる耐火物層16(耐火レンガ層)の構成要素であるため、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが必要となる。このため、耐火レンガ16aには、焼成レンガの中でも溶融ガラスに対する耐食性に優れるもの(以下、「緻密質焼成レンガ」という。)が用いられる。本明細書において、緻密質焼成レンガとは、以下の特性のいずれかを有する焼成レンガを意味する。
かさ比重(JIS R2205(1993年)):1.0超
熱伝導率(1000℃):0.3超(W/mK)
見かけ気孔率(JIS R2205(1993年)):60%未満
耐火レンガ16aとして使用する緻密質焼成レンガは上記の3特性を全て有することが好ましい。
緻密質焼成レンガの具体例としては、例えば緻密質アルミナ系焼成レンガ、緻密質アルミナ−シリカ系焼成レンガ、緻密質ジルコニア−シリカ系焼成レンガ、緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系焼成レンガ等が挙げられる。緻密質アルミナ−シリカ系焼成レンガの具体例としては、例えばCWS、CWR、CWK、TB、RG、NB、CH、SR(旭硝子株式会社製)等が挙げられる。緻密質アルミナ系焼成レンガの具体例としては、例えばCWR(旭硝子株式会社製)等が挙げられる。緻密質ジルコニア−シリカ系焼成レンガの具体例としては、例えばZR(旭硝子株式会社製)等、緻密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系焼成レンガの具体例としては、例えばZM(旭硝子株式会社製)等が挙げられる。
断熱材層17(固形断熱材層)は、バックアップ15の機能のうち、主として上昇管13を断熱保温する機能を担う。このため、断熱材層17(固形断熱材層)は、断熱保温能力に優れた固形断熱材17aで構成される。本明細書において、固形断熱材とは、以下の特性のいずれかを有する固形断熱材を意味する。
かさ比重(JIS R2205(1993年)):1.0以下
熱伝導率(1000℃):0.3以下(W/mK)
見かけ気孔率(JIS R2205(1993年)):60%以上
上記の特性を満たす固形断熱材の具体例としては、例えば、SP−10,SP−11(日の丸窯業株式会社製)、RA−10,RA−12,RA−13,A−6,A−7,B−6,B−7(日の丸窯業株式会社製)等のレンガや、マイクロサーム成形体(マイクロサーム社)やカオウールボード等の断熱ボードが挙げられる。
断熱材層17に使用する固形断熱材17aは上記の3特性を全て有することが好ましい。
図2および図3において、上昇管13を径方向に見た場合、上昇管13を構成する電鋳レンガ13aは1層配設されており、耐火物層16として1層の耐火レンガ16a(耐火レンガ層)が配設されており、断熱材層17として1層の固形断熱材17a(固形断熱材層)が配設されている。しかし、これらは上昇管13を構成する電鋳レンガ13a、耐火物層16を構成する耐火レンガ16a(耐火レンガ層)および断熱材層17を構成する固形断熱材17a(固形断熱材層)の位置関係を示しているのであって、必ずしも、1層の電鋳レンガ13a、1層の耐火レンガ16a(耐火レンガ層)、および1層の固形断熱材17a(固形断熱材層)を配設することを意味しているのではない。
電鋳レンガを用いて減圧脱泡装置の上昇管13を作製する場合、組成が同一または組成が異なる電鋳レンガ13aを複数用いてもよい。複数の電鋳レンガ13aを使用する場合、それらは上昇管13の径方向に沿って、2層以上の層をなすように配設される。
耐火物層16の場合、組成が同一または組成が異なる耐火レンガ16aを複数用いて、それらを上昇管13の径方向に沿って、2層以上の層をなすように配設することが好ましい。以下、本明細書において、上昇管13の径方向に沿って2層以上の層をなすように耐火レンガ16aを配設することを、「耐火物層16が2層以上の耐火レンガ層を含む」と言う。
断熱材層17の場合、組成が同一または組成が異なる固形断熱材17aを複数用いて、それらを上昇管13の径方向に沿って、2層以上の層をなすように配設することが好ましい。以下、本明細書において、上昇管13の径方向に沿って2層以上の層をなすように固形断熱材17aを配設することを、「断熱材層17が2層以上の固形断熱材層を含む」という。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、溶融ガラスの通過時において、該ガラスの流動点と等しい温度になる部位が耐火物層内に位置するように、導管を構成する電鋳レンガおよび耐火レンガ層を構成する耐火レンガが選択されてなることを特徴とする。
ガラスの流動点とは、ガラスの粘度ηがlogη(ポアズ)=5となる温度であり、ガラスの変形の目安となる温度であって、リリー点(Lillie Point)ともいう。1ポアズ=0.1Pa・s=0.1kg/m・sである。ガラスの流動点は、ガラスの種類によって異なる。例えば無アルカリガラスの場合、900〜1200℃程度であり、ソーダライムガラスの場合、850〜1150℃程度である。
溶融ガラスの温度が、そのガラスの流動点以下になると、ガラスの粘性が高くなるのでそれ以上流れなくなる。そのため、溶融ガラスの通過時に、該ガラスの流動点と等しい温度になる部位が耐火物層内に位置していれば、電鋳レンガの目地部からしみ出してきた溶融ガラスは、該部位付近に到達した際にその流れが停止する。したがって、耐火物層よりも外側に位置する断熱材層には、電鋳レンガの目地部からしみ出してきた溶融ガラスが到達するおそれがない。
図2に当てはめると、上昇管13を溶融ガラスが通過する際に、該溶融ガラスの流動点と等しい温度となる部位が耐火物層16(耐火レンガ層)内に位置するように、上昇管13を構成する電鋳レンガ13aおよび耐火物層16(耐火レンガ層)を構成する耐火レンガ16aが選択されてなる。より具体的には、上昇管13を構成する電鋳レンガ13aおよび耐火物層16(耐火レンガ層)を構成する耐火レンガ16aについて以下の点を選択する。
・電鋳レンガ13aおよび耐火レンガ16aの種類
・上昇管13の径方向における電鋳レンガ13aおよび耐火レンガ16aの厚み
・上昇管13の径方向に沿って配置する電鋳レンガ13aおよび耐火レンガ16aの層数 電鋳レンガ13aおよび耐火レンガ16aについて、上記の点を選択する際の考え方について以下に述べる。
(a)レンガの種類
電鋳レンガには、気孔率が異なることによって熱伝導率が異なるものが存在する。そして、気孔率が高いものほど熱伝導率が低く、断熱保温能力が高いものとなる。したがって、上昇管13を構成する電鋳レンガ13aとして、気孔率が高く熱伝導率が低いレンガを使用した場合、電鋳レンガ13a通過前の溶融ガラスの温度が同一であったとしても、気孔率が低く熱伝導率が高いレンガを使用した場合に比べて、電鋳レンガ13a通過後の温度はより低くなる。
図2に当てはめると、電鋳レンガ13aの内壁面側、すなわち、溶融ガラスと接触するガラス流路側の温度が、電鋳レンガ13a通過前の溶融ガラスの温度となる。一方、電鋳レンガ13aの外壁面側、すなわち、耐火レンガ16aと接する壁面側の温度が電鋳レンガ13a通過後の溶融ガラスの温度となる。これに基づいて上記を言い換えると、気孔率が高く熱伝導率が低い電鋳レンガを使用した場合、電鋳レンガ13aの内壁面側の温度が同一であったとしても、気孔率が低く熱伝導率が高いレンガを使用した場合に比べて、電鋳レンガ13aの外壁面側の温度はより低くなるということができる。電鋳レンガ13aの外壁面側の温度が低くなれば、電鋳レンガ13aの外側に位置する耐火レンガ16aの温度は当然低くなる。
耐火レンガ16aとして用いる緻密質焼成レンガにも、気孔率が異なることによって熱伝導率が異なるものが存在する。したがって、緻密質焼成レンガの中でも、気孔率が高く熱伝導率が低いレンガを使用すれば、耐火レンガ16aの内壁面側の温度が同一であったとしても、気孔率が低く熱伝導率が高いレンガを使用した場合に比べて、耐火レンガ16aの外壁面側の温度はより低くなる。
(b)上昇管の径方向におけるレンガの厚み
電鋳レンガや緻密質焼成レンガといったレンガによる断熱保温効果は、レンガの厚みによって異なり、レンガの厚みが大きくなるほど断熱保温効果が大きくなる。したがって、電鋳レンガ13aとして、上昇管13の径方向における厚みが大きいレンガを使用すれば、電鋳レンガ13aの内壁面側の温度が同一であったとしても、上昇管13の径方向における厚みが小さいレンガを使用した場合に比べて、電鋳レンガ13aの外壁面側における温度はより低くなる。但し、電鋳レンガ13aとして、上昇管13の径方向における厚みが極端に大きなレンガを使用した場合、レンガの内側部分と外側部分との温度差が大きくなるので、レンガが割れるおそれがある。この点については、耐火レンガ16aの場合も同様である。
(c)上昇管の径方向に沿って配置するレンガの層数
上記したように、上昇管13の径方向における電鋳レンガ13aの厚みは、内側部分と外側部分との温度差によってレンガが割れるおそれがあるため、極端に大きくすることができない。但し、レンガの厚みを大きくすることによって得られる断熱保温効果の向上は、上昇管13の径方向に沿って配置する電鋳レンガ13aの層数を増やすことによっても得ることができる。したがって、上昇管13の径方向における厚みが大きい電鋳レンガ13aを使用する代わりに、上昇管13の径方向における厚みが小さい電鋳レンガ13aを複数使用し、これらを上昇管13の径方向に沿って層をなすように配設することによって、径方向における上昇管13の厚みを同程度にしても良い。この点については、耐火レンガ16aの場合も同様である。
上記(b)および(c)は、言い換えると、上昇管13を溶融ガラスが通過する際に、該溶融ガラスの流動点と等しい温度となる部位が耐火物層16内に位置するように、上昇管13の径方向におけるレンガの厚みの合計を選択すればよいということもできる。
すなわち、上昇管13の径方向に沿って2層以上の層をなすように電鋳レンガ13aを配設する場合には、上昇管13の径方向における電鋳レンガの厚みの合計が所定の厚みとなるように選択すればよいことになる。耐火物層16についても同様のことが言え、この場合、2層以上の耐火レンガ層を含む場合、これら耐火レンガ層の合計厚みを所定の厚みに選択すればよいことになる。
上昇管13を構成する電鋳レンガ13aの場合、上昇管13の径方向における厚みの合計は、30〜1000mmであることが好ましく、50〜500mmであることがより好ましい。
一方、耐火物層16の場合、上昇管13の径方向における耐火レンガ層の厚みの合計は、50〜1500mmであることが好ましく、100〜1000mmであることがより好ましい。耐火物層16が不定形耐火物を含有する場合、不定形耐火物がなす層の厚みも含めた厚みの合計が上記の範囲であることが好ましい。
断熱材層17の場合、上昇管13の径方向における固形断熱材層の厚みの合計は50〜1500mmであることが好ましく、100〜1000mmであることがより好ましい。断熱材層17が不定形耐火物を含有する場合、不定形耐火物がなす層の厚みも含めた厚みの合計が上記の範囲であることが好ましい。
本発明の導管構造において、上昇管13と、耐火物層16との間、より正確には、上昇管13と、耐火レンガ層との間には、溶融ガラスのしみ出し防止やバックアップ15の断熱保温能力を高めるために、キャスタブル耐火物、またはプラスチック耐火物またはラミング材といった不定形耐火物を充填してもよい。同様の理由から、耐火物層16と、断熱材層17との間、より正確には、耐火レンガ層と、固形断熱材層との間にも、不定形耐火物を充填してもよい。また、断熱材層17と、減圧ハウジング11との間、より正確には、固形断熱材層と、減圧ハウジング11との間にも、不定形耐火物を充填してもよい。
また、上昇管13を構成する電鋳レンガ13a同士の間、耐火物層16を構成する耐火レンガ層同士の間、または断熱材層17を構成する固形断熱材層同士の間にも、不定形耐火物を充填してもよい。なお、不定形耐火物の割合は、全体で50体積%以下、特に30体積%以下であることが、構造物としての保持という点で好ましい。
以上、本発明の導管構造について図を用いて説明したが、本発明の導管構造は図示した形態に限定されない。例えば、電鋳レンガ製の導管は、少なくとも中空管構造であれば特に限定されず、矩形断面以外のものであってもよい。図4は、本発明の導管構造の別の構成例を示しており、電鋳レンガ製の導管13’が円形断面を有している。図4において、外形が半円弧状で内側に半円形状の切り欠きを有する電鋳レンガ13a’を2個組み合わせることによって、円形断面を有し、中空部分の断面形状が円形の中空管構造が形成される。図4において、導管13’の外側には耐火物層16’が設けられており、耐火物層16’の外側には断熱材層17’が設けられている。耐火物層16’および断熱材層17’は、それぞれ円形断面を有している。また、導管13’およびそのバックアップ(耐火物層16’および断熱材層17’)を収容する減圧ハウジング11’も円形断面を有している。
電鋳レンガ製の導管の断面形状は、矩形または円形以外の形状であってもよく、例えば、楕円形状の中空管であってもよく、断面形状が矩形以外の多角形形状、例えば、六角形、八角形等の中空管であってもよい。溶融ガラスの流路をなす中空部分の断面形状も、円形以外の形状であってもよく、例えば、楕円形状であってもよく、矩形、六角形、八角形等の多角形形状であってもよい。電鋳レンガ製の導管が、これら他の形状の中空管である場合、導管の断面形状およびその中空部分の断面形状に応じて、所望の形状の電鋳レンガを使用すればよい。
また、耐火物層における耐火レンガの配置、および断熱材層における固形耐火物の配置も、導管の断面形状に応じて適宜選択することができる。
本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法では、上昇管、減圧脱泡層または下降管のうち少なくとも一つに、本発明の導管構造を用いた減圧脱泡装置を使用し、溶解槽から供給される溶融ガラスを所定の減圧度に減圧された減圧脱泡槽を通過させて減圧脱泡を行う。
減圧脱泡装置の上昇管および下降管は減圧下におかれているため、溶融ガラスの圧力が上昇管および下降管の管壁にかかり、常圧にある場合と比較してガラスの素地が外部に漏れやすくなっている。よって、本発明においては、上昇管および下降管の少なくとも一方、好ましくはその両方に本発明の導管構造を用いることで、上記ガラスの漏れをより効果的に抑えることができ好ましい。
また、減圧脱泡槽も減圧下におかれているため、上昇管や下降管の場合と同様にガラスが漏れやすくなっている。加えて、減圧脱泡槽は、上昇管や下降管の場合と比較して多くのガラスを蓄えているため、耐火物層や断熱材層の厚さが厚い場合が多い。さらに減圧脱泡槽は、耐火物層や断熱材層に支えられているため、ガラスの素地がもれると減圧脱泡槽が構造的に不安定になる場合がある。本発明においては、減圧脱泡槽に本発明の導管構造を用いることで、上記問題点を解決できることができ好ましい。
本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法において、溶融ガラスは、減圧脱泡槽に連続的に供給・排出されることが好ましい。
溶解槽から供給される溶融ガラスとの温度差が生じることを防止するために、減圧脱泡槽は、内部が1100〜1500℃、特に1250〜1450℃の温度範囲になるように加熱されていることが好ましい。なお、溶融ガラスの流量が1〜1000トン/日であることが生産性の点から好ましい。
減圧脱泡方法を実施する際、減圧ハウジングを外部から真空ポンプ等によって真空吸引することによって、減圧ハウジング内に配置された減圧脱泡槽の内部を、所定の減圧状態に保持する。ここで減圧脱泡槽内部は、38〜460mmHg(51〜613hPa)に減圧されていることが好ましく、より好ましくは、減圧脱泡槽内部は60〜253mmHg(80〜338hPa)に減圧されていることが好ましい。
本発明によって脱泡されるガラスは、加熱溶融法により製造されるガラスである限り、組成的には制約されない。したがって、ソーダライムガラスに代表されるソーダライムシリカ系ガラスやアルカリホウケイ酸ガラスのようなアルカリガラスであってもよい。但し、清澄工程の際に気泡が除去されにくく、しかも、ディスプレイガラス基板等、特に欠点が少ないことが要求される用途に使用されることから、無アルカリガラスが好適である。
また、無アルカリガラスである場合、減圧脱泡時の温度をある程度の温度まで上げることが必要であり、その点を考慮すれば、本発明の効果がより大きく発揮される。
減圧脱泡装置の各構成要素の寸法は、使用する減圧脱泡装置に応じて適宜選択することができる。図1に示す減圧脱泡槽12の場合、その寸法の具体例は以下の通りである。なお、断面矩形における外径および内径は一辺の寸法を示す。
水平方向における長さ:1〜20m
外径(断面矩形):1〜7m
内径(断面矩形):0.2〜3m
上昇管13および下降管14の寸法の具体例は以下の通りである。
長さ:0.2〜6m、好ましくは0.4〜4m
外径(断面矩形):0.5〜7m、好ましくは0.5〜5m
内径(断面円形):0.05〜0.8m、好ましくは0.1〜0.6m
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
本実施例では、図1に示す減圧脱泡装置1を用いて溶融ガラスの減圧脱泡を実施する。
減圧脱泡装置1において、上昇管13、下降管14およびこれらの周辺部位は、図2に示す構造を有している。
減圧脱泡装置1の各部の構成材料は以下の通りである。
減圧ハウジング11:ステンレス
減圧脱泡槽12:電鋳レンガ
上昇管13,下降管14:電鋳レンガ
電鋳レンガ13a(AZS質電鋳レンガ:ジルコナイト1711(旭硝子株式会社製))を2個組み合わせて図3に示す形状とし、これを上昇管13の長手方向に沿って積み重ねる。
延長管18,19:白金
上昇管13、下降管14の周囲には、図2に示す構成のバックアップ15を配設する。
すなわち、上昇管13の外側に耐火物層16を設け、耐火物層16の外側に断熱材層17を設ける。耐火物層16は、上昇管13の周方向に沿って耐火レンガ16a(緻密質焼成レンガ)を配設してなる耐火レンガ層である。断熱材層17は、上昇管13の周方向に沿って、固形断熱材17aを配設してなる固形断熱材層である。耐火レンガ層を構成する耐火レンガ16aおよび固形断熱材層を構成する固形断熱材17aは、各層の長手方向に沿って積み重ねる。断熱材層17において、固形断熱材層と、減圧ハウジング11と、の間には、マイクロサーム(マイクロサーム社製)を充填する。
上昇管13、ならびにバックアップ15を構成する耐火物層16および断熱材層17の具体的な構成を表1に示した。なお、下降管14とそのバックアップ15も同様の構成である。
Figure 2007020754
ZR−UP:緻密質ジルコニア−シリカ系焼成レンガ(旭硝子株式会社製)
CH−SK34:緻密質アルミナ−シリカ系焼成レンガ(旭硝子株式会社製)
TB−P:緻密質アルミナ−シリカ系焼成レンガ(旭硝子株式会社製)
SP−11:固形断熱材(日の丸窯業株式会社製)
溶融ガラスの減圧脱泡を以下の条件で実施する。
減圧脱泡槽12内温度:1400℃
減圧脱泡槽12内圧力:180mmHg(240hPa)
溶融ガラス:ソーダライムガラス(流動点920℃)
流量:50トン/日
減圧脱泡実施時、上昇管13を構成する電鋳レンガ13a、耐火材層16を構成する耐火レンガ16a、および断熱材層17を構成する固形耐火物17aおよびマイクロサームについて、内壁面側の温度(内面温度)および外壁面側の温度(外面温度)を熱電対を用いて測定する。結果を表1に示した。表1から明らかなように、溶融ガラスの通過時において、該溶融ガラスの流動点に等しい温度の部位は、耐火物層16内に位置している。
減圧脱泡開始から6ヶ月後、断熱材層17を構成する固形耐火物17aには、溶融ガラスによる浸食の兆候は認められない。また、レンガの割れも生じない。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、ガラス製造装置の溶融ガラスの導管として使用することができ、特に減圧脱泡装置の上昇管、減圧脱泡槽または下降管として好適である。

なお、2005年8月19日に出願された日本特許出願2005−238715号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. 導管と、該導管の周囲に設けられたバックアップと、で構成される溶融ガラスの導管構造であって、
    前記導管は、その長手方向および周方向に電鋳レンガを配設してなる中空管であり、
    前記バックアップは、前記導管の外側に設けられた耐火物層と、該耐火物層の外側に設けられた断熱材層と、で構成され、
    前記耐火物層は、耐火レンガを前記導管の長手方向および周方向に沿って配設してなる耐火レンガ層を含み、
    前記断熱材層は、固形断熱材を前記導管の長手方向および周方向に沿って配設してなる固形断熱材層を含み、
    溶融ガラスの通過時において、該ガラスの流動点と等しい温度になる部位が前記耐火物層内に位置するように、前記導管を構成する電鋳レンガおよび前記耐火レンガ層を構成する耐火レンガが選択されてなることを特徴とする溶融ガラスの導管構造。
  2. 前記耐火レンガは、下記特性のいずれかを有する焼成レンガからなる群から選択される請求項1に記載の溶融ガラスの導管構造。
    かさ比重(JIS R2205(1993年)):1.0超
    熱伝導率(1000℃):0.3超(W/mK)
    見かけ気孔率(JIS R2205(1993年)):60%未満
  3. 前記固形断熱材は、下記特性のいずれかを有する固形断熱材からなる群から選択される請求項1または2に記載の溶融ガラスの導管構造。
    かさ比重(JIS R2205(1993年)):1.0以下
    熱伝導率(1000℃):0.3以下(W/mK)
    見かけ気孔率(JIS R2205(1993年)):60%以上
  4. 前記導管の径方向における厚みの合計が30〜1000mmである請求項1、2または3に記載の溶融ガラスの導管構造。
  5. 前記耐火物層の径方向における厚みの合計が50〜1500mmである請求項1〜4のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
  6. 前記断熱材層の径方向における厚みの合計が50〜1500mmである請求項1〜5のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
  7. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置の上昇管または下降管として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
  8. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置の減圧脱泡槽として用いられる請求項1〜7のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
  9. 溶融ガラスの導管として、請求項1〜8のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造を用いた減圧脱泡装置。
  10. 減圧脱泡装置の減圧脱泡槽の温度が1100〜1500℃である請求項9に記載の減圧脱泡装置。
  11. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
    前記上昇管、減圧脱泡槽および下降管のうち少なくとも一つに、請求項1〜7のいずれかに記載の導管構造を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法。
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