JP5056415B2 - 溶融ガラスの導管構造 - Google Patents
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Description
また、本発明は、溶融ガラスの導管、特に減圧脱泡装置の上昇管または下降管として該導管構造を用いた減圧脱泡装置および減圧脱泡方法に関する。
また、本発明は、溶融ガラスの導管として該導管構造を用いたガラス製造装置に関する。
しかしながら、電鋳レンガを用いて溶融ガラスの導管を作製する場合、電鋳レンガを製造できる大きさに限界があることから、導管の大きさによっては、継ぎ目の無い一体の中空管として作製することは困難である。このため、例えば、中心部に開口部を有するドーナツ形状に形成された電鋳レンガを複数準備し、これを積み重ねることによって中空管とする。ドーナツ形状をした電鋳レンガについても、継ぎ目の無いドーナツ形状の電鋳レンガを用いる場合もあるが、略扇形状または楔形状に形成された複数の電鋳レンガを準備し、これらを円周方向に沿って組み付けてドーナツ形状とするほうが一般的である。
溶融ガラスと直接接触する流路を構成する電鋳レンガ間の目地部を目地材で埋めることも考えられる。しかしながら、一般的に目地材は、電鋳レンガに比べてその稠密度が劣るため、溶融ガラスと直接接触する目地材は電鋳レンガに比べて浸食されやすい。このため、電鋳レンガ自体の浸食は少なくても、電鋳レンガ間の目地部の浸食は選択的に進むという問題がある。その結果、目地部が埋められていない場合よりも、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを遅らせることはできるが、目地材が浸食されてしまうと、目地部から溶融ガラスがしみ出してくることとなる。
バックアップには、通常耐火レンガが使用される。耐火レンガとしては、コスト面および断熱保温性の面から通常焼成レンガ等が用いられる。
焼成レンガは、耐熱性や断熱保温性という点では申し分ないが、電鋳レンガに比べて溶融ガラスに対する耐食性が劣っている。このため、導管を構成する電鋳レンガ間の目地部からしみ出した溶融ガラスがバックアップに到達した場合、バックアップを構成する耐火レンガ(焼成レンガ)が溶融ガラスによって著しく浸食されるおそれがある。バックアップを構成する耐火レンガ(焼成レンガ)が浸食されると、減圧脱泡装置自体の寿命が短くなってしまう。
また、溶融ガラスと直接接触する耐火レンガの目地部の浸食を防止し、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを防止するために、流路の断面を多角形形状に形成し、溶融ガラスの流速の遅い隅部に目地部を形成し、該目地部の外側部に冷却管を配置した溶融ガラスの導管構造が特許文献2に開示されている。
また、特許文献1に記載の発明は、内表面レンガ層のレンガ同士の接触面を精密研磨して、隣接するレンガの隙間を1mm以下にすることにより、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを遅らせ、しみ出した溶融ガラスが目地部を埋めることを期待したものであるが、当初は稠密な構造であった目地部も目地部周囲のレンガが徐々に浸食されることによって、その隙間が徐々に広がる可能性がある。したがって、長期的に見た場合、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを完全に防止することはできない。
一方、特許文献2に記載の発明は、溶融ガラスの流速が遅い隅部に目地部を形成することで、目地部の浸食を最小限に抑え、目地部の外側部に冷却手段を設けることで、目地部からの溶融ガラスのしみ出しを防止するものであるが、溶融ガラスの流速が遅い隅部であっても、目地部周囲のレンガは溶融ガラスによって徐々に浸食される。その結果、目地部の隙間が徐々に広がっていき、最終的には、目地部から溶融ガラスがしみ出す可能性がある。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、減圧脱泡装置の上昇管または下降管として用いることが好ましい。
また、本発明は、溶融ガラスの導管、特に減圧脱泡装置の上昇管または下降管として、本発明の溶融ガラスの導管構造を用いた減圧脱泡装置および減圧脱泡方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、溶融ガラスの導管として、本発明の溶融ガラスの導管構造を用いたガラス製造装置を提供することを目的とする。
前記導管構造は、電鋳レンガ製の中空管からなる導管と、該導管の周囲に配設される耐火レンガ製のバックアップと、を有し、
前記電鋳レンガ製の導管と、前記耐火レンガ製のバックアップ構造と、の間に、耐熱性に優れ、かつ溶融ガラスに対する耐食性に優れた金属材料を用いて作製されたバリア層が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの導管構造(以下、「本発明の導管構造」という。)を提供する。
前記導管構造は、電鋳レンガ製の中空管からなる導管と、該導管の周囲に配設される耐火レンガ製のバックアップと、を有し、
前記電鋳レンガ製の導管と、前記耐火レンガ製のバックアップと、の間に、
NiおよびCoの合計含有量が25質量%以上、かつNi,FeおよびCoの合計含有量が50質量%以上となる量でNi,FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも2つを含み、Crを15〜35質量%含有し、W,Mo,Nb,TaおよびCの合計含有量が12質量%以下である金属材料を用いて作製されたバリア層が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの導管構造を提供する。
本発明の導管構造において、前記金属材料は、W,Mo,Nb,Ta,C,ZrおよびHfの合計含有量が12質量%以下であることが好ましい。
本発明の導管構造において、前記金属材料製のバリア層は、前記電鋳レンガ製の導管および前記耐火レンガ製のバックアップとの熱膨張差を吸収する構造を有することが好ましい。
また、本発明は、溶融ガラスの導管として、本発明の導管構造を用いたガラス製造装置を提供する。
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
前記上昇管および前記下降管のうち少なくとも一方として本発明の導管構造を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。
バリア層は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れた金属材料を用いて作製されているため、バリア層が使用時に溶融するおそれがなく、また、溶融ガラスによって著しく浸食されるおそれがない。
また、冷却手段でバリア層を冷却した場合、電鋳レンガ間の目地部からしみ出し、バリア層に到達した溶融ガラスの温度を下げて固化させることができる。これにより、溶融ガラスのしみ出しを防止する効果をさらに高めることができる。
11:減圧ハウジング
12:減圧脱泡槽
13:上昇管
13a:電鋳レンガ
14:下降管
15:バックアップ
15a:耐火レンガ
18,19:延長管
18a:固定用のフランジ
18b:シール用のフランジ
20:バリア層
20a:環状体
20b:オーバーラップ
21:溶接部
22:定形耐火物
24:冷却管
30:溶解槽
40:処理槽
減圧脱泡装置1は、使用時その内部が減圧状態に保持される減圧ハウジング11を有する。減圧ハウジング11内には、減圧脱泡槽12がその長軸が水平方向に配向するように収納配置されている。減圧脱泡槽12の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管13が、他端の下面には下降管14が取り付けられている。
減圧脱泡装置1において、減圧脱泡槽12、上昇管13および下降管14は、矩形断面を有する電鋳レンガ製の中空管である。上昇管13および下降管14の下端には、それぞれ白金または白金合金製の延長管18,19が設けられている。減圧ハウジング11内において、上昇管13および下降管14の周囲には耐火レンガ製のバックアップ15が配設されている。減圧脱泡槽12の周囲には、断熱材22が配設されている。
本明細書において、耐火レンガと言った場合、一般的に耐火レンガに分類されるレンガのうち、電鋳レンガを除いたもの、すなわち、焼成レンガのことを指す。
電鋳レンガは、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れることから、溶融ガラスと直接接触する上昇管13の構成材料としては好適な材料である。しかしながら、耐火レンガ15aを電鋳レンガで構成することは、コスト面および断熱保温性の面から好ましくない。
また、電鋳レンガは、焼成レンガに比べて高価であるため、バックアップ15を構成する耐火レンガ15aとして、電鋳レンガを使用した場合、減圧脱泡装置1の製造コストが非常に高くなる。なお、バックアップ15の全体が耐火レンガである必要はなく、一部電鋳レンガを含んでいてもよい。
焼成レンガの具体例としては、例えば、粘土質レンガ、ジルコン質レンガ、およびアルミナ質レンガが挙げられる。粘土質レンガとしては、具体的にはRG、CH、TB(旭硝子株式会社製)およびNEOTEX(株式会社ヨータイ製)等が挙げられる。ジルコン質レンガとしては、例えば、ZR、ZM(旭硝子株式会社製)が挙げられる。アルミナ質レンガとしては、SP−13,14,15(株式会社日の丸窯業株式会社製)が挙げられる。
電鋳レンガを用いて減圧脱泡装置の上昇管を作製する場合、組成が同一または組成が異なる電鋳レンガが複数用いられ、それらは上昇管の径方向に沿って、2層以上の層をなすように配設されている。上昇管のバックアップについても同様に、組成が同一または組成が異なる耐火レンガが複数用いられ、それらは上昇管の径方向に沿って、2層以上の層をなすように配設されており、3層以上の層をなすように配設されることもある。本発明の導管構造の場合も、図2における電鋳レンガ13aとして、組成が同一または組成が異なる複数の電鋳レンガを使用し、該電鋳レンガ13aを上昇管13の径方向に沿って2層以上の層をなすように配設してもよい。また、図2における耐火レンガ15aとして、組成が同一または組成が異なる複数の耐火レンガを使用し、該耐火レンガ15aを上昇管13の径方向に沿って3層以上の層をなすように配設してもよい。また、バックアップ15を構成する耐火レンガ15aは、上昇管13の径方向に沿って1層のみ配設してもよい。
減圧脱泡装置1の使用時、上昇管13を構成する電鋳レンガ13a間の目地部からしみ出してきた溶融ガラスは、バリア層20によって阻止される。この結果、電鋳レンガ13a間の目地部からしみ出した溶融ガラスが、バックアップ15を構成する耐火レンガ15aに到達することが防止される。
環状体20aに使用する金属材料としては、600〜1000℃の高温環境に耐え得る耐熱性を有し、溶融ガラスに対する耐食性に優れた金属材料である限り特に限定されない。したがって、白金や白金−ロジウムのような白金合金であってもよい。但し、白金や白金合金は、高価な金属材料であるので、以下に示す金属材料が好ましい。
・Ni、FeまたはCoのうち、少なくとも2つを含む。
・NiおよびCoの合計含有量が25質量%以上。
・Ni,FeおよびCoの合計含有量が50質量%以上。
・Crを15〜35質量%含有する。
・W,Mo,Nb,TaおよびCの合計含有量が12質量%以下。
・NiおよびFeを含む金属材料。
・NiおよびCoを含む金属材料。
・FeおよびCoを含む金属材料。
・Ni,FeおよびCoを含む金属材料。
但し、金属材料は以下の2つの条件を同時に満足することが要求される。
・NiおよびCoの合計含有量が25質量%以上。
・Ni,FeおよびCoの合計含有量が50質量%以上。
Ni,FeおよびCoの合計含有量は、55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
Crの含有量は、20〜35質量%であることが好ましく、25〜35質量%であることがより好ましい。
これにより、金属材料の耐熱性、および溶融ガラスに対する耐食性が向上する。Alの含有量が0.2質量%未満であると、上記の効果を十分発揮することができない。一方、Alの含有量が5質量%超であると、通常の金属板の製造方法では均一な材料が作製できない等の問題点が生じるおそれがある。
Alの含有量は、0.5〜5質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
金属材料は、これらの成分の合計含有量が、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
図2および図3に示すように、バリア層20が金属材料製の環状体20aで構成される場合、環状体20aの厚さは、2〜15mmであることが好ましい。環状体20aの厚さが2mm未満であると、環状体20aの耐熱性、溶融ガラスに対する耐食性、または機械的強度が不足して、減圧脱泡装置1の使用時に環状体20aが破損するおそれがある。一方、環状体20aの厚さが15mm超であると、バックアップ15の機能、例えば、導管押圧機能が阻害されるおそれがあり、コストや加工のしやすさという点でも好ましくない。バリア層の厚さは、2〜8mmが特に好ましい。
このような構成であることにより、上昇管13の長手方向において、環状体20aと耐火レンガ15aとの間で熱膨張差が生じたとしても、各環状体20aの上下端がオーバーラップ20b部分を増大させることによって熱膨張差が吸収される。図2に示すように、環状体20aのオーバーラップ部分の位置は、電鋳レンガ13a間の目地部の位置と一致しない位置に設けられている。この位置関係は、電鋳レンガ13a間の目地部からしみ出してきた溶融ガラスを阻止するのに好ましい。
だが、環状体20aと耐火レンガ15aとの熱膨張差がそれらの合計として作用する上昇管13の長手方向に比べると、環状体20aと耐火レンガ13aの熱膨張差による影響が小さいこと、およびバックアップ15が導管13を中心方向に押圧することによって、熱膨張差による影響が緩和されることから、対策を講じる必要性は低いと考えられる。また、環状体20aを構成する金属材料は、NiおよびCoの合計含有量が25質量%以上であるため、展延性に優れている。このため、上昇管13の周方向の熱膨張差は、環状体20aが変形することによってある程度吸収することができる。
このため、冷却管24は、上昇管13を上方または下方から見た場合、矩形リング形状または井桁形状をなしていることが好ましい。
冷却管24を用いて環状体20aを冷却することによって、環状体20aの温度を下げることができる。これによって、環状体20aの温度上昇による特性低下の程度を小さくすることができる。
また、冷却管24で環状体20aを冷却した場合、電鋳レンガ15a間の目地部からしみ出して、環状体20aに到達した溶融ガラスの温度を下げて固化させることができる。
これにより、溶融ガラスのしみ出しを防止する効果をさらに高めることができる。この効果を効果的に発揮するためには、冷却管24は、環状体20aのオーバーラップ部分に隣接するように配設することが好ましい。
また、導管の周囲にバックアップとして配設する耐火レンガの配置も、導管の断面形状に応じて適宜選択することができる。
また、図2では、略門型に加工した金属材料製の薄板を2枚溶接して、環状体20aとしているが、溶接することなしに、継ぎ目の無い環状体に成形加工したものを使用してもよい。
減圧脱泡方法を実施する際、減圧ハウジングを外部から真空ポンプ等によって真空吸引することによって、減圧ハウジング内に配置された減圧脱泡槽の内部を、所定の減圧状態に保持する。ここで減圧脱泡槽内部は、38〜460mmHg(51〜613hPa)に減圧されていることが好ましく、より好ましくは、減圧脱泡槽内部は60〜253mmHg(80〜338hPa)に減圧されていることが好ましい。
水平方向における長さ:1〜20m
外径(断面矩形):1〜7m
内径(断面矩形):0.2〜3m
上昇管13および下降管14の寸法の具体例は以下の通りである。
長さ:0.2〜6m、好ましくは0.4〜4m
外径(断面矩形):0.5〜7m、好ましくは0.5〜5m
内径(断面円形):0.05〜0.8m、好ましくは0.1〜0.6m
(ガラス浸漬試験)
バリア層として使用可能な金属材料を選定するため、ガラス浸漬試験を実施した。
ヘインズアロイ214、ハステロイX、インコネル601を用いて50×25×3mmの試験片を作製した。また、耐熱性に優れた金属材料として知られるインコネル625およびSUS310Sを用いて、同様の試験片を作製した。ヘインズアロイ214、ハステロイXおよびインコネル601の組成は、既に表1に示してある。インコネル625およびSUS310Sの組成は下記表2に示した。
浸漬後72時間経過してから、試験片を取り出して、試験片の表面の状態を目視で確認し、さらに断面の状態を光学顕微鏡によって確認した。結果を表3に示した。
◎:試験片表面の薄い酸化被膜によって、溶融ガラスと金属材料の反応が防止され、表面にほとんど変化がなく、金属材料の断面積の変化はほとんどない。
○:試験片表面の薄い酸化被膜が部分的に消滅しており、一部では溶融ガラスが金属材料を浸食している。
×:金属材料の溶融ガラスに浸漬された部分は、烈しく侵食され原型を留めていない。
本実施例では、図1に示す減圧脱泡装置1を用いて溶融ガラスの減圧脱泡を実施する。
減圧脱泡装置1において、上昇管13、下降管14およびこれらの周辺部位は、図2に示す構造を有している。
減圧脱泡装置1の各部の構成および構成材料は以下の通りである。
減圧ハウジング11:ステンレス製
減圧脱泡槽12:AZS質電鋳レンガ(ジルコナイト1711)を用いて作製する。
上昇管13,下降管14:電鋳レンガ13a(AZS質電鋳レンガ:ジルコナイト1711)を2個組み合わせて図3に示す形状とし、これを重ねる。
バリア層20:略門型に加工したヘインズアロイ214製の薄板(厚さ3mm)を2枚溶接して、矩形断面の環状体20aを作製する。環状体20aは、外径が異なる2種類のものを作製し、これらを交互に積み重ねることによって、図2および図4に示すオーバーラップ構造とする。
バックアップ15:耐火レンガ15a(焼成レンガ(粘土質レンガ):TB(旭硝子株式会社製))を図3に示すように、環状体20aと減圧ハウジング11との隙間に配設し、これを図2に示すように積み重ねる。
延長管18,19:白金製
減圧脱泡槽12内温度:1300℃
減圧脱泡槽12内圧力:150mmHg
溶融ガラス:無アルカリガラス
流量:50トン/日
減圧脱泡開始から1年後、バックアップ15を構成する耐火レンガ15a(焼成レンガ)には、溶融ガラスによる浸食の兆候は認められない。
電鋳レンガ製の上昇管13、下降管14と、焼成レンガ製のバックアップ15との間にバリア層20が配置されていない点を除くと、実施例と同じ構成の減圧脱泡装置を用いて、溶融ガラスの減圧脱泡を実施する。なお、減圧脱泡の実施条件は実施例と同様である。
減圧脱泡開始から1年後、バックアップ15を構成する耐火レンガ15a(焼成レンガ)には、溶融ガラスによって著しく浸食されているのが確認される。
なお、2005年8月17日に出願された日本特許出願2005−236796号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (13)
- 溶融ガラスの導管構造であって、
前記導管構造は、電鋳レンガ製の中空管からなる導管と、該導管の周囲に配設される耐火レンガ製のバックアップと、を有し、
前記電鋳レンガ製の導管と、前記耐火レンガ製のバックアップと、の間に、耐熱性に優れ、かつ溶融ガラスに対する耐食性に優れた金属材料を用いて作製されたバリア層が設けられており、
前記金属材料は、NiおよびCoの合計含有量が25質量%以上、かつNi,FeおよびCoの合計含有量が50質量%以上となる量でNi,FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも2つを含み、Crを15〜35質量%含有し、W,Mo,Nb,TaおよびCの合計含有量が12質量%以下であることを特徴とする溶融ガラスの導管構造。 - 溶融ガラスの導管構造であって、
前記導管構造は、電鋳レンガ製の中空管からなる導管と、該導管の周囲に配設される耐火レンガ製のバックアップと、を有し、
前記電鋳レンガ製の導管と、前記耐火レンガ製のバックアップと、の間に、
NiおよびCoの合計含有量が25質量%以上、かつNi,FeおよびCoの合計含有量が50質量%以上となる量でNi,FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも2つを含み、Crを15〜35質量%含有し、W,Mo,Nb,TaおよびCの合計含有量が12質量%以下である金属材料を用いて作製されたバリア層が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの導管構造。 - 前記金属材料は、さらにAlを0.2〜5質量%含んでいる請求項1または2に記載の溶融ガラスの導管構造。
- 前記金属材料は、W,Mo,Nb,Ta,C,ZrおよびHfの合計含有量が12質量%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 前記バリア層の厚さが2〜15mmである請求項1ないし4のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 前記バリア層の設置場所の温度が1000〜1300℃である請求項1ないし5のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 前記バリア層は、金属材料製の環状体を積み重ねることによって形成されてなる請求項1ないし6のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 前記金属材料製のバリア層は、前記電鋳レンガ製の中空管からなる導管および前記耐火レンガ製のバックアップとの熱膨張差を吸収する構造を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 前記バリア層の外側部には、冷却手段が配置される請求項1ないし8のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置において、前記上昇管および前記下降管の少なくとも一方として用いられる請求項1ないし9のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
- 溶融ガラスの導管として、請求項1ないし10のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造を用いた減圧脱泡装置。
- 溶融ガラスの導管として、請求項1ないし10のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造を用いたガラス製造装置。
- 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
前記上昇管および前記下降管の少なくとも一方として、請求項1ないし10のいずれかに記載の導管構造を用いる溶融ガラスの減圧脱泡方法。
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