JPWO2007015502A1 - 往復循環クロマトグラフィーを用いた生体高分子の単離方法 - Google Patents

往復循環クロマトグラフィーを用いた生体高分子の単離方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、多種類の生体高分子を同一の生体試料から同時に同じ条件で単離することを可能とする生体高分子の単離方法を提供することである。本発明によれば、(1)標的生体高分子と親和性を有する物質を保持した担体を含む容器を少なくとも2個以上用意し、標的生体高分子を含有する1つの試料溶液を上記少なくとも2個以上の容器内に同時に導入して、上記担体に上記試料溶液を接触させることによって標的生体高分子を上記担体に吸着させる工程;(2)上記容器から上記試料溶液を排出する工程;及び(3)排出した試料溶液を攪拌する工程;から成る工程を少なくとも2回以上繰り返すことを含む、生体高分子の単離方法が提供される。

Description

本発明は、往復循環クロマトグラフィーを用いた生体高分子の単離方法に関する。
細胞内にはDNA、RNA及びタンパク質などの多数の生体高分子が存在し、生命活動を維持するための様々な役割を担っている。複雑な生命現象はこれらの生体高分子間の相互作用や情報交換によって生み出されている。ヒトゲノム配列の解析が完了し、タンパク質をコードする遺伝子の総数が約22000個と見積もられた。この数は、従来の予測数である30000〜35000個を大幅に下回るものであり、ショウジョウバエの遺伝子数(20000個)と大差ないものであった。また、ヒトゲノムの98%を占めるタンパク質をコードしない非コーディング領域から大量の転写産物が見つかったことは、ヒトゲノム解析のもう一つの成果である。実にこれらの領域の2/3からRNAが転写されていることが判明している(Cawley S, Bekiranov S, Ng HH, Kapranov P, Sekinger EA, Kampa D, Piccolboni A, Sementchenko V, Cheng J, Williams AJ, Wheeler R, Wong B, Drenkow J, Yamanaka M, Patel S, Brubaker S, Tammana H, Helt G, Struhl K, Gingeras TR. Cell. 2004 Feb 20;116(4):499-509.)。これらの非コーディングRNA(ncRNA)は、タンパク質に翻訳されることなく存在し、機能性RNAとして振舞うことが、最近の研究で明らかになりつつある。生命の複雑さとゲノムに存在する非コーディング領域の増加には明確な相関が見られ(Taft, R.J. and Mattick, J.S. (2003) [online]http://arXiv.org/abs/q-bio/0401020)、高度な生命現象の源はncRNAが担っている可能性が指摘されている。マイクロRNA (miRNA)は、ncRNAの中で最も解析が進んでいる機能性RNAである。miRNAは特定のmRNAの3’非翻訳領域に相補的に結合し、mRNAの翻訳抑制とRNA干渉(RNAi; RNA interference)による分解を誘導し、発生のタイミングや分化の方向性を決定する重要な分子として注目されている(He L, Hannon GJ. MicroRNAs: small RNAs with a big role in gene regulation. Nat Rev Genet. 2004 Jul;5(7):522-31.)。また、核内に存在するncRNAがDNAのメチル化やクロマチン修飾を誘導し、エピジェネティックな遺伝子発現の制御に大きな役割を果たしていることが明らかになりつつある(Matzke MA, Birchler JA. RNAi-mediated pathways in the nucleus. Nat Rev Genet. 2005 Jan;6(1):24-35.)。このように、ncRNAは、遺伝子発現において翻訳制御のみならず、転写レベルでの制御にも積極的に関与していることが明らかとなり、DNA→RNA→タンパク質という古典的なセントラルドグマが大きく塗り替えられようとしている。大量に存在するncRNAの中には未知の機能性RNAが存在している。複雑な生命活動を分子レベルで理解するためには、これら新規な機能性RNAの探索とその解析が重要な鍵を握っているはずである。RNA研究は今や、次世代の生命科学におけるパラダイムの形成に根幹的な役割を担いつつある。
機能性RNAの研究には、RNAを単なる配列情報として解析する従来型の研究手法では不十分である。RNAは転写後に、様々な転写後修飾が施されて成熟し始めてその本来の機能を発揮することが知られている。現在までに約100種類のRNA修飾が報告されており(http://medstat.med.utah.edu/RNAmods/)、RNAが機能する上でこれらのRNA修飾は見過ごすことのできない重要な質的情報である。RNA修飾の果たす役割としては、細胞内局在の決定、立体構造の安定化、RNA結合タンパク質との相互作用、遺伝情報の修飾と解読などが知られている(Suzuki, T. (2005) Biosynthesis and function of tRNA wobble modifications. In Fine-tuning of RNA functions by modification and editing Topics in Current Genetics, vol. 12, Springer-Verlag, NY pg 24-69)が、その機能と生合成は未解明な部分が多く残されている。RNAの機能を正しく理解するためには、RNAを“情報”として捉える従来型の解析手法では不十分であり、RNA分子をタンパク質と同様に“もの”として捉える新しい方法論の確立が不可欠である。
ポストゲノム時代を迎え、タンパク質やRNAなどの生体高分子の網羅的な解析が生命科学や医療・診断などの幅広い分野において重要な研究対象になりつつある。これら生体高分子の機能を明らかにするためには、生体内に存在する微量なタンパク質やRNAを全自動で単離精製するための手法の確立が不可欠である。しかしながら、微量のRNAの単離精製は難易度が高く、一般的な手法は存在しない。本発明は、多種類の生体高分子を同一の生体試料から同時に同じ条件で単離することを可能とする生体高分子の単離方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、往復循環クロマトグラフィーという新しい概念に想到し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、(1)標的生体高分子と親和性を有する物質を保持した担体を含む容器を少なくとも2個以上用意し、標的生体高分子を含有する1つの試料溶液を上記少なくとも2個以上の容器内に同時に導入して、上記担体に上記試料溶液を接触させることによって標的生体高分子を上記担体に吸着させる工程;
(2)上記容器から上記試料溶液を排出する工程;及び
(3)排出した試料溶液を攪拌する工程;
から成る工程を少なくとも2回以上繰り返すことを含む、生体高分子の単離方法が提供される。
好ましくは、本発明の生体高分子の単離方法は、上記(1)〜(3)の工程を少なくとも2回以上繰り返した後に、上記担体を洗浄液で洗浄し、さらに溶出液を流すことによって標的生体高分子を回収することを含む。
好ましくは、少なくとも8個以上の容器を使用する。
好ましくは、標的生体高分子と親和性を有する物質として複数種の異なる物質を使用する。
好ましくは、標的生体高分子は、核酸又はタンパク質である。
好ましくは、上記(1)〜(3)の工程を少なくとも10回以上繰り返す。
好ましくは、上記工程(3)において、ピペッティング、攪拌子の使用、又は容器の振盪の何れかの手段により排出した試料溶液を攪拌する。
好ましくは、ピペッティングにより、上記工程(2)と(3)を同時に行う。
好ましくは、容器はチップ又はカラムである。
本発明の別の側面によれば、標的生体高分子と親和性を有する物質を保持した担体を収容するための少なくとも2個以上の担体収容容器;
標的生体高分子を含有する1つの試料溶液を収容するための試料収容容器;
試料溶液を担体収容容器内に導入するための手段;
担体収容容器内に導入された試料溶液を担体収容容器外に排出するための手段;及び試料収容容器内の試料溶液を攪拌する手段;
を含む、本発明の方法によって生体高分子を単離するための装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
(1)往復循環クロマトグラフィー
本発明による生体高分子の単離方法は、(1)標的生体高分子と親和性を有する物質を保持した担体を含む容器を少なくとも2個以上用意し、標的生体高分子を含有する1つの試料溶液を上記少なくとも2個以上の容器内に同時に導入して、上記担体に上記試料溶液を接触させることによって標的生体高分子を上記担体に吸着させる工程;
(2)上記容器から上記試料溶液を排出する工程;及び
(3)排出した試料溶液を攪拌する工程;
から成る工程を少なくとも2回以上繰り返すことを含むことを特徴とする。
本発明の方法は、往復循環クロマトグラフィーに基づくものである。往復循環クロマトグラフィーの概要を図1に示す。本発明の往復循環クロマトグラフィーは、マルチピペッターが搭載された自動分注機を用い、試料を多検体のアフィニティーチップで同時に吸引、吐出、攪拌を繰り返すことで、全ての試料溶液を全てのアフィニティーチップに均一に循環させることを基本原理としている。異なる標的分子に対する複数のアフィニティーチップ(RNAの精製にはDNA固相化樹脂)をマルチピペッターに装着することで、試料溶液を同時に複数のアフィニティーチップに導入することが可能である。また、吸引と吐出後に試料溶液を撹拌させることで、原理的に吸引吐出量の数十倍の試料溶液からの精製が可能となる。また、本発明の方法は、アフィニティーチップの作成が容易である点、吸着、洗浄、溶出の全工程の自動化が可能である点が特に優れている。さらに、マルチピペッターの本数を増やすことで同時に精製する検体数の拡張が容易である点が挙げられる。本明細書中後記する実施例では、8検体用自動分注機をベースとし、DNA固相化樹脂を詰めたチップカラムを用いることにより、全自動RNA精製装置を用いている。モデルを立てて往復循環クロマトグラフィーの理論式(本明細書中において後述する)を構築したところ、カラムに固相化したリガンド(DNAや抗体)と標的分子(RNAやタンパク質)とのアフィニティー(平衡定数)により、最終的な収率と充分な精製に必要な往復循環の回数を見積もることが可能である。一度に吸引する量やチップカラムの本数などを変化させた場合でも必要回数などの算出が容易である。このモデルの妥当性は実験的に確かめられている。
本発明で用いる標的生体高分子と親和性を有する物質とは、標的生体高分子が特異的に結合する物質である。例えば、核酸の塩基配列、タンパク質サブユニット、酵素阻害剤、ホルモン、神経伝達物質等の種々の薬剤等が挙げられる。標的生体高分子と親和性を有する物質の担体への結合は、アフィニティークロマトグラフィーの担体の作成に関して通常行われる方法によって行うことができる。
本発明の方法は、アフィニティークロマトグラフィーに基づいている。アフィニティークロマトグラフィーは、通常には、試料中の標的生体高分子を、親和性による結合が生じる条件で、担体に結合させたリガンド(即ち、標的生体高分子と親和性を有する物質)に接触させ、担体を洗浄して夾雑物を除去した後、リガンドに結合した標的生体高分子を溶出(脱離)させることによって行うことができる。ここで、洗浄および溶出は、通常、カラムに担体を充填して洗浄液および溶出液をカラムに流すことによって行われる。洗浄液および溶出液を流すことによりカラムから流出する液を分取し、各画分に含まれる標的生体高分子を定量することによりクロマトグラムが作成される。クロマトグラムは、通常、縦軸に標的生体高分子量(相対量であってもよい)、横軸に溶出液量(溶出液量が時間に依存する場合には溶出時間であってもよい)をとって作成することができる。
生体高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛋白質、リポ蛋白、糖蛋白、ポリペプチド、脂質、多糖類、リポ多糖類、核酸又はこれらの複合体などが挙げられる。
標的生体高分子を含有する試料溶液の種類は特に限定されないが、例えば、生体から分離された体液(例えば、血液、唾液など)、生体組織の抽出液、細胞抽出液、又はこれらの処理物などが挙げられる。
(2)往復循環クロマトグラフィーの理論式の説明
往復循環の回数と最終的な収率との関係を調べるために、往復循環クロマトグラフィーのモデルを立て、理論式を構築した。必要なピペッティング回数の見積を行うために、「物理的に液が循環する効率」+「結合の速さ、効率」を考慮した理論式をたてた。最終的に、n回ピペッティングした後のチップへの結合量Nn、(あるいはチップの被覆率θn)に関する漸化式が得られた。各パラメーターは以下のように設定した。
L : 全サンプルの液量(リザーバーに入れた量)
l : 1回の操作で1つのチップが吸う液量
n : ピペッティングの回数
Nn : n回後のチップへの結合量
Nmax : チップの最大結合量
Cn : n回後の溶液の濃度(取りたい物質の濃度)
Cn'(t) : n回目のピペッティング中、吸引された溶液の濃度
(時間変化する Cn'(0)=Cn-1)
θn : n回後の被覆率 チップの結合可能サイトのうち、結合している割合 (θn = Nn / Nmax, θ0 = 0)
ka, kd : 速度定数, K:平衡定数
理論式1;迅速に平衡に達することを仮定した場合
図2に示したように、リザーバーに濃度Cn,液量Lの液があり、チップにはすでにθnの割合で目的物が結合している。そこから、液量lをチップに吸引する。実際にはチップの吸引速度、所要時間等も結合率に影響すると考えられるが、数式化が難しいため、樹脂と吸引した液が均一に混ざっている状態に置き換えて近似した。液量lの液中に濃度Cn'の目的物と結合率がθnの樹脂があり、目的物の結合反応が進行していく。Cn'とθnは時間により変化する値である。このまま、反応速度式をたてて計算していくことも可能であるが、ここでは迅速に平衡に達することを仮定し、簡便に式を導出する。液量λを吸引し樹脂の中で平衡に達した後、液量lで濃度Cn’の溶液を吐出すると、吐出された溶液とリザーバーに残った液が混合し、最終的に濃度Cn、液量Lの溶液ができる(式1)。
次にCnとCn-1、またはθnとθn-1の関係式を求める。まず、吸引中の樹脂と液が混合した状態について、平衡を仮定して反応式をたてると(式2)のようになる。平衡定数をKとすると式3が得られる。また、チップ中に吸引された液に関する収支からCn’の式(式4)が得られ、全体の収支からCnとθnの関係式5が得られる。また、最初は何も結合していないのでθ0=0である(式6)。
式3に式4と5を代入すると2次方程式になり、θnについて解くと最終的に次のような式になる(式7)。2解のうち大きい方は、1より大なので1つの解に定まる。Bnを以下のように定義した(式8)。(これはn回目の吸引中にチップ中に存在する目的物の合計量を表している)
チップの最大結合量(Nmax)と平衡定数Kがわかれば、θn-1からθnが計算できるので、各回の結合量が計算できる。
K→∞とすると、吸った物が100%結合する場合のθnの式が得られる(結合の最大値)
平衡定数Kにより必要な回数、取れる量が変化する。図3はチップ結合量とサンプル中の目的物の量が等しい場合のKによる変化である。(サンプルの量を過剰にして、チップの結合最大量Nmaxを見積もったあと、サンプル量を適当な値にして操作を行えばKの値を求めることができる)平衡定数Kは操作の条件等も含めた見かけの値であり、厳密な平衡定数とは異なるが、チップへの結合力を見積もることは可能である。
理論式2;反応速度を考慮した場合
反応速度を考慮する場合(モデルは同じ)
平衡ではなく反応速度を考慮する場合は、以下のような反応式になる。(式9)
式9から反応速度式をたてると式10が得られる。
以下は収支と初期条件に関する式
式10の微分方程式をn回目の吸引中について解く。収支の関係式を代入し、θについて解くと次のような式になる。
an、bn、Bnは以下のように定義した。
Bnはn回目の吸引中にチップ中に存在する目的物の合計量を表している。
bnはn回目中に達成できる最大のθを表している。
(3)本発明の利用
本発明によれば、単一検体あるいは多検体を用いて全自動アフィニティカラム精製を行うことが可能である。抗体やリガンドをカラムに固定化することにより、タンパク質(転写因子、ガン遺伝子産物、アポトーシス関連タンパク質など)の多検体の同時精製が可能である。相補的なDNAやRNAをカラムに固定化することにより、RNA(non-coding RNA, mRNA)やDNAの多検体同時精製が可能である。また、チップカラム先端をアレイ化することにより、大量なサンプルを用いたマイクロアレイ解析が可能である。また、タンパク質、RNA、DNAをカラムに固定化することにより相互作用するタンパク質複合体、RNA結合タンパク質、DNA結合タンパク質を多検体同時に精製することが可能である。あるいは、各種レクチンタンパク質をカラムに固定化することにより、糖鎖、糖タンパク質、糖脂質の多検体同時精製が可能である。各種糖鎖をカラムに固定化することにより相互作用するタンパク質を多検体同時に精製することも可能である。以上の方法を用いることにより、疾患、組織、発生や分化で変動する細胞の時系列的な解析が可能である。
さらに、化合物ライブラリーを固定化することにより相互作用するタンパク質を解析する(ケミカルターゲティングプロテオーム)ことができる。また、修飾ヒストン、転写因子、核内タンパク質などに対する抗体を固定化することにより、多検体同時クロマチン免疫沈降(マルチChIP)が可能であり、それを応用したエピジェネティックアレイも可能である。また、RNA結合タンパク質に対する抗体を固定化し、精製したタンパク質に結合しているRNAを解析することができる。また、単一タンパク質に結合する抗体やリガンドを固相化することによりリガンド間の結合能比較解析が可能である。
(4)往復循環クロマトグラフィーを利用したマルチChIP法
本発明のもう一つのアプリケーションは、往復循環クロマトグラフィーの利点を生かし、ゲノムワイドなエピジェネティックス制御系を解析するための新しい手法(エピジェネティックアレイ)を開発することにある。個体を形成するすべての細胞が同一の遺伝情報を保持しながら、いかにして異なった形質を獲得するかを明らかにすることは、ポストゲノム時代における最重要課題の一つである。エピジェネティックスとはDNA配列の変化を伴わない遺伝子機能の変化を研究する学問領域である。主にDNAのメチル化とヒストン修飾によるクロマチンの構造変化がゲノムワイドな遺伝子の発現制御をコントロールすることが知られている。クロマチンは、ヌクレオソームの繰り返し構造がらせん状につながったものである。ヌクレオソームは4種類のヒストンタンパク質(H2A, H2B, H3, H4)がそれぞれ2分子からなるヒストンオクタマーに146塩基対のDNAが約2回転巻き付いた構造をとっている。ヒストンはヌクレオソームの中心部を形成するコアヒストンとN末端のヒストンテールから成っており、ヒストンテール部分に様々な翻訳後修飾を受けることでクロマチンの構造変化を誘起し、遺伝子発現を制御していることが知られている(図4)。例えば、ヒストンH3のK9とK14のアセチル化は、転写誘導と密接な相関があることが知られており、逆にK9のメチル化は遺伝子のサイレンシングに関わっている。さらに、ヒストンはアセチル化以外にもメチル化やリン酸化さらにはユビキチン化などの様々な修飾を受け、転写の制御、サイレンシング、クロマチン凝縮などに関わっている。現在までに、ヒストンテール部分に約30種類の修飾が報告されている(図4)。また最近、コアヒストン部分にもさらに30種類程度の修飾が見出されている。どのヒストンのどのアミノ酸残基がどのような修飾を受けているか、さらにその組み合わせによって、複雑な遺伝子の発現制御が発揮されると考えられている(ヒストン暗号仮説)。また最近の研究で、RNAiがヒストン修飾に深く関わっていることが明らかになりつつあり、拡大するRNA研究とエピジェネティックス制御系が融合しつつある。
クロマチン免疫沈降法 (ChIP法; chromatin immunoprecipitation)は、様々なヒストン修飾を指標にヌクレオソームを免疫沈降法で精製し、巻きついているDNAを解析する手法であり、遺伝子発現調節やクロマチンの構造変換などを解析する上で不可欠な方法である。抗修飾ヒストン抗体に加え、様々なDNA結合性転写因子や非結合性タンパク質に対する抗体も用いることができ、クロマチン上でのヒストンの修飾状態の変化や局在するタンパク質の解析が可能である。現在は、抗修飾ヒストン抗体を樹脂に固定化し、断片化したヌクレオソームをバッチ法で精製する手法が一般的である。この方法は簡便ではあるものの、原理的に吸着や洗浄の条件を一定に保つことが難しく高い再現性や定量性を重視した解析には不向きである。そこで我々は、往復循環クロマトグラフィーを用いた、全自動多検体クロマチン免疫沈降法(マルチChIP法)(図5)の開発を目指している。ChIP法を自動化することで温度や時間の制御が容易になり、高い再現性と定量性が期待できる。さらに、同一試料から複数種類の標的分子を単離できるという往復循環クロマトグラフィーの特徴を生かし、異なる抗修飾ヒストン抗体を固相化したアフィニティーチップを用い、同一の試料から複数種類の修飾ヌクレオソームを単離できるという大きなメリットがある。例えば、48検体用の往復循環クロマトグラフィーを用い、48種類の抗修飾ヒストン抗体のアフィニティーチップを搭載すれば、ほぼ全種類の修飾ヌクレオソームが同時にかつ同条件で精製できることが期待できる。患者由来の細胞や組織など限られた試料から多種類のヌクレオソームが全自動で精製可能である点はこの手法の最大のメリットである。単離した各ヌクレオソームから巻きついているDNAを引き離し、疾患関連遺伝子や発生・分化に関与する遺伝子のプロモーター領域を増幅するプライマーセットでPCRを行えば、ゲノムワイドにクロマチンの修飾状態や対象遺伝子の発現変動をモニターすることができる(図5)。あるいは、精製したヌクレオソームのDNAを増幅後に蛍光標識を行うことで、ゲノムタイリングアレイなどDNAチップ上での検出も可能である。マルチChIP法とアレイを組み合わせるこの新しい方法は、エピジェネティックアレイとも称する。
(5)本発明の特徴
ゲノムプロジェクトの成果により、全遺伝子の発現変動を網羅的に解析するための新しい手法やツールが開発されている。DNAチップに代表されるトランスクリプトーム解析は全mRNAの発現変動解析を行う手段として有効である。ncRNAについても網羅的な発現変動解析を行うためのマイクロアレイ技術(ゲノムタイリングアレイも含む)が開発されつつある。しかし、これらの手法は、それぞれmRNAやncRNAの発現量を解析する手法であり、あくまでも「量的な変化」を捉えるものある。ところが、前述したように機能性RNAは修飾により機能を獲得することがしられており、「質的な変化」を捉える新しい手法の開発が必要である。RNA分子を精製することは質的な解析を行うための第一歩であるが、微量なRNAを精製するための方法は存在しない。本発明の方法によれば、微量なRNAを単離精製し、解析することができる。本発明による往復循環クロマトグラフィーに基づいた生体高分子の単離方法によれば、全自動機能性RNA精製装置を実現することができる。また、ChIP法はすでに確立された技術であるが、同一の試料から多種類のヌクレオソームを単離精製する技術は存在しない。本発明による往復循環クロマトグラフィーを応用したマルチChIP法とエピジェネティックアレイは、ゲノムワイドなクロマチンの構造変化を捉える完全に新規な技術であり、研究ツールのみならず医療の分野における診断装置などの開発につながるものである。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:往復循環クロマトグラフィーによる3種類の大腸菌トランスファーRNA(tRNA)の同時精製
(1)チップの作成
各tRNAの配列に相補的な3'末ビオチン化DNAプローブをStreptavidin Sepharose HP(アマシャム)樹脂に定法に従い結合させた。
用いたプローブの配列
tRNALys用:TGGGTCGTGCAGGATTCGAACCTGCGACCA (配列番号1)
tRNAGlu用:CGTCCCCTAGGGGATTCGAACCCCTGTTA (配列番号2)
tRNAAsp用:CGGAACGGACGGGACTCGAACCCGCGACCC (配列番号3)
tRNALys用: 1.20 A260unit / 50μl 樹脂
tRNAGlu用: 1.13 A260unit / 50μl 樹脂
tRNAAsp用: 0.40 A260unit / 50μl 樹脂
それぞれ300μlチップにフィルターを詰め、それぞれのプローブが結合済みの樹脂を50μl詰めた。その上にもう1枚上部用のフィルターをやや隙間がある程度にはめた。
(2)樹脂への結合
試料溶液として、大腸菌のtotal RNAをイオン交換クロマトグラフィーで部分精製したRNA混合溶液を用いた。3つのチップを8連の手動ピペットに装着し、6xNHE buffer(20xNHEの組成は、100mM HEPES-KOH (pH7.5)、50mM EDTA、4M NaClである)に漬けて数回ピペッティングを行い、平衡化した。試料溶液は金属製の恒温槽に入れ70℃に加熱した。チップを70℃に保った試料溶液中に漬け、15回、200μlの吸引、吐出を繰り返した。1サイクルごとに容器を振り攪拌を行った。
(3)洗浄
0.1xNHE buffer 4mlを入れた容器にチップを漬け、手動で5回吸引、吐出を繰り返した。更に、丸底プレートに0.1xNHE buffer 200μlを各チップに対し、それぞれ8ウェル分ずつ用意し、各チップ個別の液にてwashを行った。各ウェルごとに2回のピペッティングを行った。
(4)溶出
溶出は各チップ別々に行った。金属製の恒温槽で65℃に保たれた0.1xNHE buffer 1mlにチップを漬け、6回吸引、吐出を繰り返した。更に300μlの0.1xNHE bufferで洗い、溶出液に合わせた。溶出後は、Mgイオン存在下でアニーリングを行って構造の巻き戻しを行い、エタノール沈澱で精製物を回収した。
(5)精製できた量
tRNALys: 0.226 Au
tRNAGlu: 0.421 Au
tRNAAsp: 0.324 Au
それぞれの精製度をポリアクリルアミドゲル電気泳動(図6)とアミノアシル化の活性で確認し、ほぼ単一に精製できていることが確認できた。
実施例2:大腸菌の8種のtRNAの同時自動単離精製
往復循環クロマトグラフィー装置を用いて、大腸菌のtRNAの8種について同時自動単離精製を行った。大腸菌tRNAMet、tRNAfMet、tRNAPhe、tRNAPro1、tRNAPro2、tRNAPro3、tRNASec、tRNATrpをターゲットとした。
(1)往復循環クロマトグラフィー装置の作成について
往復循環クロマトグラフィー装置は、8連マルチチャンネル分注機NSP-mini(ニチリョー)を元に、以下の部品を組み合わせて作成した。
サンプル攪拌用ポンプ:PSP170AA ペリスタルティックポンプ(ADVANTEC)
水補給用ポンプ:QVG50-H1CTC-LF型FMIポンプ(山善)
温度制御装置:バイオセル温度制御装置 BSTC-1型およびBSTC-2型(インテックス、坂口技研)
プログラム作成用パソコン(Windows)
PSP170AAは、外部からの信号でON、OFFの制御が可能である。I/OターミナルをNSP-miniのI/Oコネクタと接続し、分注機側のプログラムでポンプの送液方向およびON、OFFを制御できるようにした。
バイオセル温度制御装置は、96穴のヒートブロック2個(坂口技研)、2ml往復循環恒温槽(坂口技研)1個を温度制御装置に接続できるようになっている。96穴ヒートブロックには1.1mlチューブ、往復循環恒温槽にはプラスチック製2mlリザーバーを装着できるようになっている。
FMIポンプは、蒸発した水を補うためのポンプで、往復循環槽に水を供給する。必要に応じて手動で動作させた。
動作プログラムはパソコン上でNSS-miniエディター(ニチリョー)を用いて作成し、分注機側に転送した。
使用したbuffer:
20×NHE Buffer
4M NaCl
100mM HEPES-KOH (pH7.5)
50mM EDTA (pH8.0)
6×NHE、2×NHE、0.5×NHE、0.1×NHEは、上記20×NHEを希釈して使用した。tRNAを含む溶液には、ジチオスレイトール(DTT)を0.5%になるように加えた。また、チップを保存する場合は、アジ化ナトリウムを濃度が0.1%になるように加えて保存した。
(2)チップカラムの作成
RNAを結合させるチップは、市販の樹脂を詰めて作成した。
300μl チップ(Axygen)の先に石英綿を少し詰め、水を通した後、Streptavidin Sepharose HP (アマシャム) の50%懸濁液70μlを入れた。しばらく静置し、樹脂が沈んだ後、チップに液が満ちるようにbufferを入れ、更に空気が入らないように石英綿を少量乗せ、棒で軽く押し込み樹脂の上下を石英綿ではさむ形にした。樹脂や石英綿が上方に抜けないようにシリコンチューブ(内径2mm、外径4mm)を長さ1〜2mmに切ったものを上から詰め、石英綿に密着させた。チップに6×NHEを通してbufferを置換し、液が枯れないよう適当な量のbufferが常にチップの上方にある状態にして次の段階に進んだ。
(3)プローブの固定化
プローブは、3'-ビオチン修飾された30merのオリゴDNA(北海道システムサイエンス)を用い、アビジンとビオチンの相互作用を利用して樹脂と結合した。配列は各tRNAに相補的なものを、それぞれのtRNAにできるだけ特異的なものとなるようにデザインした。
<用いたプローブの配列>
Met TGGCTACGACGGGATTCGAACCTGTGACCC (配列番号4)
fMet GTTATGAGCCCGACGAGCTACCAGGCTGCT (配列番号5)
Phe TGCCCGGACTCGGAATCGAACCAAGGACAC (配列番号6)
Pro1 CCTTCGTCCCGAACGAAGTGCGCTACCAGG (配列番号7)
Pro2 CCCGACACCCCATGACGGTGCGCTACCAGG (配列番号8)
Pro3 CACTGGTCCCAAACCAGTTGCGCTACCAAG (配列番号9)
Sec CGGAAGATCACAGGAGTCGAACCTGCCCGG (配列番号10)
Trp CAGGGGCGGAGAGACTCGAACTCCCAACAC (配列番号11)
チップへのプローブの結合は分注機で行った。
分注機上に、96穴丸底プレートを置き、1列目にそれぞれのプローブ2 OD unitを終濃度2×NHE、液量240μl となるように調製した。また、洗浄用に96穴ヒートブロックに、2×NHE を400μlずつ分注し、40℃に加熱しておく。(チップ1本あたり12本の2×NHEを使用する。)平衡化用リザーバーに2×NHEを入れた。
次に、次のようなプログラムを作成し、分注機に実行させた。
(i)平衡化:リザーバーで2×NHEを3回ピペッティング
(ii)結合:プレートのプローブ溶液を20回ピペッティング
(iii)洗浄:40℃で400μl の2×NHEを3回ピペッティング(洗浄は、新しいチューブに移動して全部で12回繰り返し)
各画分につき、吸光度を測定し洗浄が十分かを確認するとともに、プローブの結合量を算出した。結果を以下に示す。
(4)往復循環によるtRNAの精製
往復循環槽には大腸菌tRNA(ロシュ)400 OD unitを終濃度6×NHE 0.5%DTT、液量2mlになるように調製した。片方のヒートブロックには、洗浄用の0.5×NHE 0.5%DTTを400μlずつ96本、もう片方には溶出用の0.1×NHE 0.5%DTTを400μlずつ48本分注した。リザーバーには6×NHE 0.5%DTTを用意した。往復循環槽は70℃、洗浄用のヒートブロックは40℃、溶出用は68℃に設定した。攪拌用のペリスタポンプ、チューブを設置し、チューブの片側を往復循環槽に、もう片側を溶液を一時的に貯める容器につないだ。攪拌時には往復循環槽の溶液を一度もう一方の容器に全て移し、溶液を均一化させる。その後、ペリスタポンプを逆回転させ溶液を元の往復循環槽へ戻す。また、水補給用のポンプを攪拌時に使用する容器に水を供給するように接続した。往復循環槽にtRNA溶液がある間、なるべく液量が変化しないように適当な速度でポンプを運転させた。
次に、次のようなプログラムを作成し分注機に実行させた。
(i)平衡化:リザーバーで6×NHEを3回ピペッティング
(ii)往復循環:tRNA溶液を40回ピペッティング、1回ピペッティングするごとに溶液をペリスタポンプで吸って戻し、攪拌する。溶液温度が66℃程度を維持するように待ち時間を設定した。
(iii)洗浄:40℃で400μl の0.5×NHEを3回ずつピペッティング(順次新しいチューブに移動し、全部で12回繰り返す)
(iv)溶出:68℃で400μl の0.1×NHEを3回ずつピペッティング(順次新しいチューブに移動し、全部で6回繰り返す)
各画分につき、吸光度を測定し洗浄が十分かを確認した後、溶出された各RNAをエタノール沈殿を行って回収し、吸光度を測定した。結果を以下に示す。
ポリアクリルアミド電気泳動を行い、tRNASecを除きほぼ単一に近い精製度で各RNAが得られていることを確認した。さらにポリアクリルアミドゲルから切り出し精製し、RNase T1消化を行った物をLC/MSで解析し、目的物であることを確認した。
実施例3:出芽酵母の8種の非コードRNAの同時自動単離精製
往復循環クロマトグラフィー装置を用いて、出芽酵母(S. cerevisiae)の非コードRNA(non-coding RNA)の8種について同時自動単離精製を行った。U4 RNA、U6 RNA、7SL RNA(SCR1)、SNR5、SNR9、SNR128、SNR190、ミトコンドリアtRNAMetをターゲットとした。
<用いたプローブの配列>
U4 RNA CACTGATATGCGTATTTCCCGTGCATAAGG (配列番号12)
U6 RNA CATCCTTATGCAGGGGAACTGCTGATCATC (配列番号13)
SCR1 ACGCTGGATAAAACTCCCCTAACAGCGGTG (配列番号14)
SNR5 TATAGACATATGGAGGCGTGATGTCTTAAG (配列番号15)
SNR9 GACTAATGATAGGTGGGTCAGGATATCAGC (配列番号16)
SNR128 CCGTGGAAACTGCGAATGTTAAGGAACCAG (配列番号17)
SNR190 GCTCAGATCTGCATGTGTTGTATAACACTG (配列番号18)
mt tRNAMet TTATTTATTTATGAGACAAATGTTTTAACC (配列番号19)
(1)チップカラムの作成
実施例2と同様に作成した。
(2)プローブの固定化
実施例2と同様にチップにプローブを固定化した。結合量の測定結果を以下に示す。
(3)往復循環によるtRNAの精製
RNA溶液は酵母を培養し、フェノール抽出した後、陰イオン交換カラムクロマトグラフィーで粗精製したものを用いた。往復循環槽に、200 OD unitを終濃度3×NHE 0.5mM DTT、液量2mlになるように調製し、温度は50℃に設定した。その他の設定は実施例2と同様である。
次に、次のようなプログラムを作成し分注機に実行させた。
(i)平衡化:リザーバーで6×NHEを3回ピペッティング
(ii)往復循環:3×NHE、50℃、tRNA溶液を50回ピペッティング、1回ピペッティングするごとに溶液をペリスタポンプで吸って戻し、攪拌する。溶液温度が設定温度に戻るように待ち時間を設定した。
(iii)洗浄:40℃で400μl の0.5×NHEを3回ずつピペッティング(順次新しいチューブに移動し、全部で12回繰り返す)
(iv)溶出:68℃で400μl の0.1×NHEを3回ずつピペッティング(順次新しいチューブに移動し、全部で6回繰り返す)
各画分につき、吸光度を測定し洗浄が十分かを確認した後、溶出された各RNAをエタノール沈殿法で回収した。ポリアクリルアミド電気泳動を行い、各RNAが精製されていることを確認した(図7)。さらにポリアクリルアミドゲルから切り出し精製し、RNase T1消化を行った物をLC/MSで解析し、目的物であることを確認した。
実施例4:往復循環クロマトグラフィーを利用したマルチChIP法
往復循環クロマトグラフィー装置に、5種類の抗修飾ヒストン抗体及び抗RNAポリメラーゼII抗体を固相化したチップカラムを搭載し、HeLa細胞由来のクロマチンを精製した。精製後の評価は、GAPDH遺伝子のプロモーター領域をリアルタイムPCRで定量することで行った。
(1)HeLa 細胞の培養
HeLa 細胞は 10% Fatal Bovine Serum を含む DMEM 培地で、37℃、 5%CO2 の条件で培養したものを用いた。
(2)抗体
ChIPに用いた全ての抗体は Upstate から購入した。Anti-RNA polymerase II (05-623) は 2μl を、 Anti-monomethyl-Histone H3 (Lys4) (07-436), Anti-dimethyl-Histone H3 (Lys4) (07-441), Anti-trimethyl-Histone H3 (Lys4) (07-473), Anti-phospho-Histone H3 (Ser10) (05-817), Anti-trimethyl-Histone H3 (Lys27) (07-449), Normal mouse IgG (12-371) はそれぞれ 5μl を、使用した。
(3)クロマチン溶液の調製
4.5x 107 個のHeLa細胞に終濃度1%になるようにホルムアルデヒドを加え 10 分間室温で静置した後、終濃度 0.125M になるようにグリシン溶液を加え 5 分間室温で処理した。PBSで洗った後、PBS / 1 mM PMSF を1 ml を加え、セルスクレイパーで掻き取り、1,000 g, 4 分間遠心した。得られた細胞に 1,800μl の Lysis buffer (50 mM Tris-HCl (pH 8.0), 10 mM EDTA (pH 8.0), 1% SDS) / 1mM PMSF / 1μg/ml aprotinin を加え、氷上で 10 分間静置した後、300μl ずつ 1.5 ml エッペンに分注しソニケーションを行った。ソニケーションは Branson のSonifier を使い、出力3、 5 sec、 33 %、 2 min の条件で行い、ゲノム DNA 断片が EtBr 染色で 200−800 bpに最も多く見られるようにした。これを 20,000 g, 15 min, 8℃ で遠心し、その上清の 9 倍量になる 16.2 ml の ChIP dilution buffer (16.7mM Tris-HCl (pH8.0), 1.2 mM EDTA (pH 8.0), 167 mM NaCl, 0.01 % SDS, 1.1 % Triton X-100) を加え、さらに 500μl の Protein G Agarose/salmon sperm DNA (upstate 16-201) でプレクリアしたものをクロマチン溶液とした。ChIPをエッペンで行う場合は、まず 500μl のクロマチン溶液に抗体を加え、一晩、4℃でインキュベートした後、40μl の Protein G Agarose/salmon sperm DNA を加え1時間、4℃でインキュベーションする。次いで、このProtein G Agarose/salmon sperm DNA を 1 ml の Low salt buffer、 High salt buffer、 LiCl buffer で1回ずつ洗い、 TE buffer で2回洗う。そして、300 ml のElution buffer を加え、室温で30分間強く攪拌し、溶出する。続きは、後記の(7)免沈画分の精製、を参照。
(4)チップカラムの作成
シリコナイズした石英綿をTE buffer または PBS (架橋する場合)に浸しておき、300μl tip (AXYGEN T-350-C-L-R) に詰め、その上に 40μl のProtein G Agarose/salmon sperm DNA 、さらにその上に石英綿を重層し、最後にシリコンチューブ (2mm x 4mm) を乗せ固定した。また、樹脂が乾かないように TE buffer あるいは PBS で tip を満たしておく。
(5)往復循環とセパレイトの比較
チップカラムを往復循環装置の8連ピペットにつけ、プログラムを実行した。セパレイトおよび往復循環のプログラムを以下に記す。セパレイトとは往復循環クロマトグラフィーとの比較対象のため、それぞれのチップカラムには別々のチューブにクロマチン溶液をセットし、操作の過程でお互いの溶液が混じらないように行う操作を指す。また、往復循環ではクロマチン溶液をピペッティングする度にペリスタポンプによる攪拌を行った。セパレイトではチップあたり 500μl 、往復循環では全体で 2.0 ml のクロマチン溶液を使用した。プログラムで使用するバッファーの組成をプログラムの次に記す。
(6)抗体と樹脂の架橋効果
先のセパレイトや往復循環と異なりDSSによる架橋反応を行う操作が加わっている。架橋により抗体と樹脂をより強固に結合させ、抗体がチップから流出することを防ぐ。
(7)免沈画分の精製
得られた 300μl の免沈画分に 12μl の5 M NaCl を加え、65℃で6 時間以上インキュベートした。また、インプットとして 30μl のクロマチン溶液をとり、これに 270μl のElution buffer を加え同様の処理を行った。次に、10 mg/ ml のRNase Aを 1.5μl 加え 37℃ で 1 時間処理した後、proteinase K 処理(1.5μl の 10 mg/ ml proteinase K、12μl Tris-HCl (pH6.5)、6μl 0.5M EDTA を加える)を 45℃で 1 時間行った。得られた溶液からDNAをQIAquick spin column (QIAGEN) により精製、 50μl の milliQ で溶出し、これをPCR用の鋳型とした。
(8)定量 PCR
定量 PCR はTAKARA の SYBR premix を用いて Roche のLightCycler480で行った。反応プログラムと反応組成は以下に記す。 プライマーは GAPDH 遺伝子のプロモーター及び転写開始点を含む約 120 bp の領域に設計したものを用いた。それらプライマーの配列は、Fw は CGT AGC TCA GGC CTC AAG AC(配列番号20) 、 Rv は GCT GCG GGC TCA ATT TAT AG(配列番号21)である。抗体による回収率は、免疫沈降画分と Input のCp 値の差から算出した。 算出は Cp 値が 1 違うと量的に2倍の差があるとした上で行った。
反応プログラム
変性 96℃、20秒
増幅反応 95℃、6秒⇔60℃、40秒を45サイクル
反応組成
2x SYBR premix 10.0μl
20μM primer Fw 0.4μl
20μM primer Rv 0.4μl
milliQ 4.6μl
template 5.0μl
total 20.0μl
(9)結果
セパレイト、往復循環、そして架橋剤を用いた往復循環で ChIP を行い、各免沈画分あるいはインプットから精製したゲノム DNA を鋳型とし GAPDH 遺伝子のプロモーター領域についてそれぞれ定量 PCR を行いインプットと比較したのが以下の表と図8である。
架橋剤処理することで往復循環クロマトグラフィーによるマルチChIP法でも従来法とほぼ変わらない結果を得ることができた。
本発明による生体高分子の単離方法は、往復循環クロマトグラフィーという全く新しい概念に基づいた生体高分子の精製法である。本発明の方法によれば、多種類の生体高分子を同一の生体試料から同時に同じ条件で単離することが可能である。また、本発明の方法は、精製行程が煩雑で条件設定の難しいアフィニティークロマトグラフィーの自動化が可能であるという利点を有している。本発明の応用例としては、機能性RNAの自動精製装置、自動マルチIP(イムノプレシピテーション)装置、ゲノム全体の網羅的な発現制御を計測するマルチChIP(クロマチン免疫沈降法)とそれを活用したエピジェネティックアレイなどが可能である。
図1は、本発明の往復循環クロマトグラフィーの模式図を示す。アフィニティーチップには、異なる種類のDNAプローブ、抗体などを各担体に結合しておく。 図2は、n回目のピペッティングの直前の状態を示す。Cn’は吸引中の溶液の濃度を示し、Cnは、吐出され、他の液と混合された後の濃度(リザーバー濃度)を示す。 図3は、平衡定数による、必要な回数及び結合率の変化を示す。 図4は、ヒストンテールの修飾を示す。ヒストンテールの修飾は細胞ごとに時間的及び空間的に制御されている。 図5は、マルチChIP法とエピジェネティックアレイを示す。往復循環クロマトグラフィーによるマルチChIPにより複数の修飾ヌクレオソームを精製し、発生・分化や疾患によって変動する各遺伝子におけるヒストンの修飾状態を網羅的に解析する(エピジェネティックアレイ)。 図6は、本発明によって同時に精製したtRNA を示す。1,素通り画分、2,洗浄画分、3,溶出したtRNALys、4, 溶出したtRNAGlu、5, 溶出したtRNAAsp ;2,バンドに分離しているがコンフォーマーであり同一分子である。 図7は、往復循環クロマトによる酵母ncRNAの精製例を示す。全RNA画分より核内および核小体内の低分子RNAなどマイナーなncRNAを8種類単離精製した。アフィニティーチップの作成から全て全自動で行った。 図8は、往復循環クロマトによるマルチChIP法の解析例を示す。5種類の抗修飾ヒストン抗体、抗RNAポリメラーゼII抗体、未感作マウスIgG(コントロール)で精製したクロマチンを、GAPDH遺伝子プロモーター領域における定量PCRで評価した。縦軸は免沈されたゲノム量をインプットに対する割合(%)で表したもの。横は ChIP に用いた各抗体を表している。セパレイト(黒)、往復循環(灰)、往復循環+架橋(白)。

Claims (10)

  1. (1)標的生体高分子と親和性を有する物質を保持した担体を含む容器を少なくとも2個以上用意し、標的生体高分子を含有する1つの試料溶液を上記少なくとも2個以上の容器内に同時に導入して、上記担体に上記試料溶液を接触させることによって標的生体高分子を上記担体に吸着させる工程;
    (2)上記容器から上記試料溶液を排出する工程;及び
    (3)排出した試料溶液を攪拌する工程;
    から成る工程を少なくとも2回以上繰り返すことを含む、生体高分子の単離方法。
  2. 上記(1)〜(3)の工程を少なくとも2回以上繰り返した後に、上記担体を洗浄液で洗浄し、さらに溶出液を流すことによって標的生体高分子を回収することを含む、請求項1に記載の生体高分子の単離方法。
  3. 少なくとも8個以上の容器を使用する、請求項1又は2に記載の生体高分子の単離方法。
  4. 標的生体高分子と親和性を有する物質として複数種の異なる物質を使用する、請求項1から3の何れかに記載の生体高分子の単離方法。
  5. 標的生体高分子が、核酸又はタンパク質である、請求項1から4の何れかに記載の生体高分子の単離方法。
  6. 上記(1)〜(3)の工程を少なくとも10回以上繰り返す、請求項1から5の何れかに記載の生体高分子の単離方法。
  7. 上記工程(3)において、ピペッティング、攪拌子の使用、又は容器の振盪の何れかの手段により排出した試料溶液を攪拌する、請求項1から6の何れかに記載の生体高分子の単離方法。
  8. ピペッティングにより、上記工程(2)と(3)を同時に行う、請求項1から7の何れかに記載の生体高分子の単離方法。
  9. 容器がチップ又はカラムである、請求項1から8の何れかに記載の生体高分子の単離方法。
  10. 標的生体高分子と親和性を有する物質を保持した担体を収容するための少なくとも2個以上の担体収容容器;
    標的生体高分子を含有する1つの試料溶液を収容するための試料収容容器;
    試料溶液を担体収容容器内に導入するための手段;
    担体収容容器内に導入された試料溶液を担体収容容器外に排出するための手段;及び試料収容容器内の試料溶液を攪拌する手段;
    を含む、請求項1から9の何れかに記載の方法によって生体高分子を単離するための装置。
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