JPWO2007013475A1 - 有機粒子分散組成物の製造方法 - Google Patents

有機粒子分散組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

良溶媒に溶解した有機材料の溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料をナノサイズの有機粒子として生成させ、これを濃縮するにあたり、前記有機粒子を含む分散液を限外ろ過によって濃縮することを特徴とする有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。

Description

本発明は、有機粒子析出法により作製した有機粒子を効率よく濃縮して有機粒子分散組成物を製造する方法に関し、さらに詳しくは、脱塩した上記有機粒子分散組成物の製造方法に関する。さらには上記の製造方法において、その濃縮工程での有機粒子の粒径および単分散性の変化を抑え、また濃縮により凝集したときにも容易に再分散化できる有機粒子分散組成物の製造方法に関する。
近年、粒子を小サイズ化する取り組みが進められている。特に、粉砕法、析出法などでは製造することが困難なナノメートルサイズ(例えば、10〜100nmの範囲)にまで小サイズ化する研究が進められている。さらに、ナノメートルサイズに小サイズ化した上で、しかも単分散性(本発明において、単分散性とは粒径が揃っている度合いをいう。)の高い粒子とすることが試みられている。
このようなナノメートルサイズの微粒子の大きさは、より大きなバルク粒子や、より小さな分子や原子と異なり、その中間に位置する。したがって、従来予想できなかった新たな特性を引き出しうることが指摘されている。例えば、ナノメートル(nm)スケールの微結晶は、特異な表面構造に基づく触媒効果、サイズ効果による光物性、非線形光学特性等の極めて興味深い様々な性質を発現する。しかも、この単分散性を高くできれば、その特性を安定化することも可能である。このようなナノ粒子のもつ可能性はさまざまな分野で期待され、生化学、新規材料、電子素子、発光表示素子、印刷、医療などの広い分野で研究が盛んになりつつある。
特に、有機化合物からなる有機ナノ粒子は、有機化合物自体が多様性を有するため、機能性材料としてのそのポテンシャルは高い。例えば、ポリイミド等の電気絶縁性に優れた物質を微粒子化して組み合わせればより大きな電気絶縁性が期待できる。
有機ナノ粒子のなかでも有機顔料についてみると、例えば、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットインク、カラーフィルター等を用途として挙げることができ、今や、生活上欠くことができない重要な材料となっている。なかでも高性能が要求され、実用上特に重要なものとしては、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルター用顔料が挙げられる。
インクジェット用インクの色材については、従来、染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で問題があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきている。顔料インクにより得られた画像は、染料系のインクによる画像に較べて耐光性、耐水性に優れるという利点を有する。しかしながら、紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズで単分散性を高くすることは難しく、紙への密着性に劣る。
また、デジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーなどの光学素子や表示素子に用いるカラーフィルターの薄層化が望まれている。カラーフィルターには有機顔料が用いられているが、フィルターの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズレベルで、しかも単分散で安定な微粒子の製造が望まれている。
有機粒子の製造に関しては、気相法(不活性ガス雰囲気下で試料を昇華させ、粒子を基板上に回収する方法)、液相法(例えば、良溶媒に溶解した試料を攪拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入することにより、微粒子を得る再沈法)、レーザーアブレーション法(溶液中に分散させた試料に、レーザーを照射しアブレーションさせることにより粒子を微細化する方法)などが研究されている。また、これらの方法により、所望のサイズで単分散化を試みた製造例が報告されている。(特許文献1〜3など参照)。
中でも再沈法は、簡易性および生産性に優れた有機粒子の製造法であるが、工業利用性の高い粒子製法としては未だ十分ではない。例えば、再沈法により調製した有機粒子をどのように分離回収するか、十分な研究がなされていない。再沈法では調製した有機粒子は希薄な溶媒中に分散した状態で得られる。また、不要な塩が有機粒子に対して多く含まれ、例えばカラーフィルター用途においては液晶汚染物質となる可能性がある。そのため、不要な塩を除去し,有機粒子をいかに分離回収するかが問題となる。またせっかく所望の粒子を分散液中で調製できたとしても、分離回収する工程において、粒子サイズが変化し、粒子の単分散性が悪化してしまったり、その回収に多大なコストを要したりするのでは実用化することはできない。
分散液中の有機粒子を濃縮して回収する方法が、いくつか開示されているものの、工業的な生産規模まで見据えたときに現実的な技術はいまだ確立されていない。
例えば、特許文献4には粒子含有水分散液に蒸発促進液を添加し、蒸留することにより濃縮する方法が開示されている。しかし、この方法を再沈法で作製した有機粒子含有水分散液に適用することを考えると、有機材料の良溶媒の沸点が水より高い場合、水のみが蒸発してしまうことにより良溶媒濃度が増加し、濃縮中に有機粒子の粒径が大きくなってしまう懸念がある。
特許文献5には、微粒子を含有する分散液に、その分散媒と実質的に溶解しないイオン性液体を添加して、当該イオン性液体中に微粒子を濃縮する方法が開示されている。しかしながら、この方法のみでは有機粒子分散液を十分に所望の濃度まで濃縮できない。
特許文献6には、有機顔料と分散剤を一緒に溶解させ、貧溶媒中で粒子を析出させることで微細な有機粒子を得る方法が開示されている。この方法では、その後酸の添加により有機粒子を凝集させることで、濃縮、脱塩を行えば、再分散による粒子サイズの変化が比較的小さくなるとされている。しかし、この手法により得られた再分散液は、含まれる粒子の相当量が粒径の大きなものであり、例えばCCDのカラーフィルターに適用する場合には特定の画素の濃度を下げてしまう。
特表2002−092700号公報 特開平6−79168号公報 特開2004−91560号公報 特開2004−181312号公報 特開2004−292632号公報 特開2004−43776号公報
本発明は、有機粒子析出法により作製した有機粒子を効率よく濃縮して有機粒子分散組成物を製造する方法の提供を課題とし、特に脱塩して有機粒子分散組成物を得る製造方法の提供を課題とする。また上記の製造方法において、その濃縮工程での有機粒子の粒径および単分散性の変化を抑え、また濃縮により凝集したときにも容易に再分散化できる有機粒子分散組成物の製造方法の提供を課題とする。
本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)良溶媒に溶解した有機材料の溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料をナノサイズの有機粒子として生成させ、これを濃縮するにあたり、前記有機粒子を含む分散液を限外ろ過によって濃縮することを特徴とする有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(2)前記有機材料溶液が、有機顔料を超臨界流体もしくは亜臨界流体に溶解した顔料含有流体であることを特徴とする、(1)に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(3)酸性基を持つ高分子化合物を含有する事を特徴とする(1)又は(2)に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(4)酸性基を持つ高分子化合物の存在下、前記有機材料液と貧溶媒の混合を行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(5)前記有機粒子の数平均粒径が1μm以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(6)前記限外ろ過の後さらに凍結乾燥を行うことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(7)前記有機材料が、有機顔料であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(8)酸性基を有する高分子化合物を含む有機溶媒中で再分散化することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(9)一般式(1)で表される高分子化合物を含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
Figure 2007013475
〔式中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合あるいは2価の連結基を表す。Aは、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。ただし、n個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8の数を表し、nは2〜9の数を表し、m+nは3〜10を満たす。Pは高分子骨格を表す。〕
(10)前記一般式(1)で表される高分子化合物を有機ナノ粒子の形成時、抽出または濃縮時、濃縮後の凝集有機粒子の分散時、これらの工程が終了したのちのいずれかの工程において含有させることを特徴とする(9)に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
(11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の製造方法で製造された有機ナノ粒子分散組成物よりカラーフィルタ用インクジェットインクを調製することを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインクの製造方法。
(12)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の製造方法で製造された有機ナノ粒子分散組成物中の有機粒子と、バインダーと、多官能モノマーと、光重合開始剤または光重合開始剤系とを少なくとも含むことを特徴とする着色感光性樹脂組成物。
(13)仮支持体上に、少なくとも、(12)に記載の着色感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を設けたことを特徴とする感光性転写材料。
(14)(12)記載の着色感光性樹脂組成物または(13)記載の感光性転写材料を用いて作製したことを特徴とするカラーフィルタ。
(15)基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた複数の凹部を設け、インクジェット方式によりR(赤)インク、G(緑)インク、およびB(青)インクのそれぞれを前記凹部に吹き付けて堆積させ、各凹部に各色の着色樹脂層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、前記Rインク、Gインク、およびBインクの少なくとも1種に(11)に記載の製造方法で得られるインクジェットインクを用いることを特徴とするカラーフィルタ。
(16)(14)または(15)に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
(17)前記液晶表示装置が、VA方式であることを特徴とする(16)に記載の液晶表示装置。
(18)(14)または(15)に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とするCCDデバイス。
本発明の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法によれば、有機粒子析出法により有機粒子を生成させ、その分散液の分散溶媒および不要な塩を除去して、有機粒子を効率よく所望の濃度に濃縮することができる。また本発明の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法によれば、有機粒子析出法による有機粒子作製時、貧溶媒に対する良溶媒の量を増やした際や、製造スケールを上げた際にも、粒子サイズの増加、単分散性の悪化を実質的に生じることなく濃縮脱塩することができ、また濃縮により凝集させた有機粒子を容易に再分散することができ、高効率な有機粒子の作製が可能となる。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法で製造された濃縮有機粒子ペーストおよびそこから得られる有機粒子は、好適なインクジェットインクもしくはその原料微粒子、またはカラーフィルター塗布液もしくはその原料微粒子として利用可能である。
また、本発明のカラーフィルタ、液晶表示装置、及びCCDデバイスは高い表示・撮像特性を発揮するという優れた効果を奏する。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる製造装置の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 図1−1の製造装置の一実施態様として混合室を一部断面により概略的に示す拡大部分断面図である。 図1−1の製造装置の別の実施態様として混合室を一部断面により概略的に示す拡大部分断面図である。 本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる製造装置の別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる製造装置のさらに別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられるディゾルバー撹拌羽根の1例を概略的に示す正面図である。 図4−1に示したディゾルバー撹拌羽根の図面代用写真である。 本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の1例を概略的に示す断面図である。 本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる限外ろ過装置の一構成例を示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置の好ましい実施態様の一例を概略的に示す装置説明図である。
図中、主要な符号は以下のとおりである。
11 容器
11a 液槽(溶媒)、11b 液面
12 撹拌羽根
13 混合室
14 供給管、14a 供給管開口部
15 シャフト
16 モーター
17 ケーシング(混合室壁)
18 孔(円形孔)
19a,19b 撹拌羽根
21 容器(攪拌槽外壁)
21a 攪拌槽
22 撹拌羽根
23 排出管
24a、24b 供給管
25 シャフト
50 撹拌装置
32,33 供給口
36 排出口
38 撹拌槽
39 槽本体
40 シールプレート
41,42 撹拌羽根
46 外部磁石
48,49 モータ
(X) 撹拌流
(Y) 撹拌流
61 円盤部
62 羽根
63 シャフト
74 回転し得るタービン部
75 固定化されたステータ部
81 分散物を収納する容器
82 循環用ポンプ
83 限外ろ過モジュール
84 補充純粋計測用流量計
85 透過水計測用流量計
86 逆方向洗浄用ポンプ
101 超臨界流体もしくは亜臨界流体とする溶媒
102 析出用溶媒
103 顔料等の試料
104a、104b ポンプ
106 ヒーター
107 試料管
108 ハステロイ配管
109a、109b メッシュ(2μm)
111 ミキサー
112 冷却管
114 背圧弁
115 顔料ナノ粒子分散液
B 送液の方向
本発明は、良溶媒に溶解した有機材料を好ましくは攪拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入することにより、有機粒子を得る有機粒子析出法に関するものであり、有機粒子析出法により作製した有機粒子を効率よく濃縮する方法、特に不要なイオンを除去して有機粒子分散組成物を製造する方法に関する。また、濃縮工程において有機粒子の粒径および単分散性が変化せず、また濃縮により有機粒子が凝集したときにも容易に再分散化できる有機粒子分散組成物の製造方法に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
[有機粒子として用いられる材料]
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法において、有機粒子とする有機材料は従来の再沈法で作製することができるものであれば特に制約はない。例えば、有機顔料、有機色素、フラーレン、ポリジアセチレン、ポリイミドなどの高分子化合物、芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素(例えば、配向性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素、または昇華性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素)などからなる粒子が挙げられ、有機顔料、有機色素、または高分子化合物が好ましく、有機顔料が特に好ましい。また、これらを組み合わせたものでもよい。
有機顔料は、色相的に限定されるものではない。詳しくは、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン系顔料、またはそれらの混合物などが挙げられる。
更に詳しくは、たとえば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントイエロー150(C.I.番号48545)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法において、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。
有機色素としては、例えば、アゾ色素、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン系色素などが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリジアセチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
[有機粒子形成時の良溶媒]
次に、有機粒子作製時の好ましい良溶媒について説明する。
良溶媒は用いる有機顔料を溶解することが可能で、有機顔料粒子作製時に用いる貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に制限はない。有機顔料の良溶媒への溶解性は有機材料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この溶解度は酸性またはアルカリ性で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解度が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
良溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が好ましく、水系溶媒、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒がより好ましく、スルホキシド系溶媒またはアミド系溶媒が特に好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF との塩などが挙げられる。
また、良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液の濃度としては、溶解時の条件における有機材料の良溶媒に対する飽和濃度乃至これの1/100程度の範囲が望ましい。
有機材料溶液の調製条件は、有機材料溶液の調製条件に特に制約はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法において、有機材料は良溶媒中に均一に溶解するが、酸性でもしくはアルカリ性で溶解することも好ましい。一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリ性が、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子を分子内に多く有するときは酸性が用いられる。例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合系顔料はアルカリ性で、フタロシアニン系顔料は酸性で溶解される。
アルカリ性で溶解させる場合に用いられる塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、もしくは水酸化バリウムなどの無機塩基、またはトリアルキルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、金属アルコキシドなどの有機塩基であるが、好ましくは無機塩基である。
使用される塩基の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、無機塩基の場合、好ましくは有機材料に対して1.0〜30モル当量であり、より好ましくは1.0〜25モル当量であり、さらに好ましくは1.0〜20モル当量である。有機塩基の場合、好ましくは有機材料に対して1.0〜100モル当量であり、より好ましくは5.0〜100モル当量であり、さらに好ましくは20〜100モル当量である。
酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、もしくは燐酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸であるが好ましくは無機酸である。特に好ましくは硫酸である。
使用される酸の量は、有機材料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは有機材料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
[有機粒子形成時の貧溶媒]
次に、有機粒子作製時の好ましい貧溶媒について説明する。
貧溶媒は用いる有機顔料を溶解せず、有機顔料粒子作製時に用いる良溶媒と相溶する、あるいは均一に混ざるものであれば特に制約はない。本発明の製造方法においては、このように貧溶媒が有機材料溶液に相溶することにより、有機材料溶液中の有機材料分子に作用し、有機材料が析出生成する。有機材料の貧溶媒に対する溶解度は0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。貧溶媒と良溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述のとおりである。
貧溶媒としては、例えば、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水系溶媒、アルコール系溶媒またはエステル系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF6 との塩などが挙げられる。
[超臨界流体]
上記(2)の実施態様の製造方法において好ましく用いられる超臨界流体もしくは亜臨界流体とする溶媒としては、例えば、水、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性溶液、またはこれら2種以上の混合溶媒が挙げられ、水、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物、ニトリル化合物溶媒が好ましく、水、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒がより好ましい。
溶媒を超臨界流体もしくは亜臨界流体とする条件(圧力/温度)は、用いる溶媒により適宜定めればよい(本発明において、「超臨界流体」とは臨界温度以上でかつ臨界圧力以上の状態の流体をいう。亜臨界流体とは、温度及び圧力の一方のみが臨界状態に達しているが、他方は臨界状態に達していない状態、あるいは、温度及び圧力の両方が臨界状態に達していないが、温度及び圧力の少なくとも一方が常温常圧より十分高く臨界状態に近い状態をいう。)。例えば、溶媒としてアセトンを用いる場合、圧力は2〜30MPaとすることが好ましく、3〜25MPaとすることがより好ましく、4〜20MPaとすることが特に好ましい。温度は150〜400℃とすることが好ましく、180℃〜350℃とすることがより好ましく、200〜300℃とすることが特に好ましい。
超臨界流体もしくは亜臨界流体に顔料を溶解する量は、用いられる溶媒や顔料の種類等にもよるが、例えば、1kgの超臨界流体または亜臨界流体に0.1mg以上100g以下の顔料を溶解することが好ましく、1mg〜50gの顔料を溶解することがより好ましい。
[析出用溶媒]
上記(2)の実施態様の製造方法においては、貧溶媒として析出用溶媒を用いる。好ましく用いられる析出用溶媒は、例えば、水、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性溶液、またはこれら2種以上の混合溶媒が挙げられ、水、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒が好ましく、水、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒がより好ましい。
本発明の製造方法においては、析出溶媒に分散剤を含有させることも好ましい。このときに用いられる分散剤については、後記「分散剤」の項において詳しく述べる。
[高分子化合物]
次に、本発明の製造方法に好ましく用いることができる高分子化合物(本発明において「高分子化合物」とは質量平均分子量1000以上の有機化合物をいい、特に上限はないが、質量平均分子量500,000以下であることが実際的であり、好ましくは100,000以下であり、より好ましくは50,000以下である。)について詳細に説明する。
本発明の製造方法に好ましく用いることができる高分子化合物は質量平均分子量1000以上であり、下記一般式(1)で表される高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(1)中、Aは、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。n個のAは同一であっても、異なっていてもよい。
具体的には、Aは特に制限されるものではないが、前記「酸性基を有する1価の有機基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基などを有する1価の有機基が挙げられる。また、前記「塩基性窒素原子を有する基を有する1価の有機基」として、例えば、アミノ基(−NH)を有する1価の有機基、置換イミノ基(−NHR、−NR10)を有する1価の有機基(ここで、R、R、およびR10は各々独立に、炭素数1〜20までのアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。)、下記一般式(a1)で表されるグアニジル基を有する1価の有機基〔一般式(a1)中、Ra1およびRa2は各々独立に、炭素数1〜20までのアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。〕、下記一般式(a2)で表されるアミジニル基を有する1価の有機基〔一般式(a2)中、Ra3およびRa4は各々独立に、炭素数1〜20までのアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。〕などが挙げられる。
Figure 2007013475
前記「ウレア基を有する1価の有機基」として、例えば、−NHCONHR15(ここで、R15は、水素原子あるいは、炭素数1〜20までのアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。)などが挙げられる。
前記「ウレタン基を有する1価の有機基」として、例えば、−NHCOOR16、−OCONHR17(ここで、R16およびR17は各々独立に、炭素数1〜20までのアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。)などが挙げられる。
前記「‘配位性酸素原子を有する基’を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基を有する基、クラウンエーテルを有する基などが挙げられる。
前記「炭素数4以上の炭化水素基を有する基」としては、炭素数4以上のアルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基など)、炭素数6以上のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、炭素数7以上のアラルキル基(例えばベンジル基など)などが挙げられる。このとき炭素数に上限はないが、30以下であることが好ましい。
前記「アルコキシシリル基を有する基」としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などを有する基が挙げられる。
前記「エポキシ基を有する基」としては、例えば、グリシジル基などを有する基が挙げられる。
前記「イソシアネート基を有する基」としては、例えば、3−イソシアナトプロピル基などが挙げられる。
前記「水酸基を有する基」としては、例えば、3−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
上記の中では、前記Aとして、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、および炭素数4以上の炭化水素基から選択される基を有する1価の有機基であることが好ましい。
また、前記有機色素構造または複素環としては、特に限定されないが、より具体的には、有機色素構造としては、例えば、フタロシアニン化合物、不溶性アゾ化合物、アゾレーキ化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ジオキサジン化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラピリジン化合物、アンサンスロン化合物、インダンスロン化合物、フラバンスロン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、チオインジゴ化合物等が挙げられる。また、複素環としては、例えばチオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等が挙げられる。
また、前記有機色素構造または複素環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
また、前記Aとしては、下記一般式(4)で表される1価の有機基であることが好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(4)において、Bは、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される基、または置換基を有してもよい有機色素構造または複素環を表し、R18は単結合あるいはa1価の有機もしくは無機の連結基を表す。a1は、1〜5を表し、a1個のBは同一であっても、異なっていてもよい。
は、一般式(4)における前記Aと同義であり、好ましい態様も同様であるが、前記有機色素構造または複素環としては、例えばフタロシアニン化合物、不溶性アゾ化合物、アゾレーキ化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ジオキサジン化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラピリジン化合物、アンサンスロン化合物、インダンスロン化合物、フラバンスロン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、チオインジゴ化合物等の有機色素構造、例えばチオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等の複素環が挙げられる。
また、前記有機色素構造または複素環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
18は、単結合あるいはa1+1価の連結基を表し、a1は1〜5を表す。連結基R18としては、1〜100個までの炭素原子、0個〜10個までの窒素原子、0個〜50個までの酸素原子、1個〜200個までの水素原子、および0個〜20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。R18は、有機連結基であることが好ましい。
18の具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位を組み合わせて構成される基を挙げることができる。
Figure 2007013475
18が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(1)中、Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
前記Rで表される(m+n)価の連結基としては、1〜100個までの炭素原子、0個〜10個までの窒素原子、0個〜50個までの酸素原子、1個〜200個までの水素原子、および0個〜20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。Rは有機連結基であることが好ましい。
の具体的な例としては、前記(t−1)〜(t−34)の構造単位又は該構造単位を組み合わせて構成される基(環構造を形成していてもよい。)を挙げることができる。
が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
は、単結合あるいは2価の連結基を表す。Rとしては、1〜100個までの炭素原子、0個〜10個までの窒素原子、0個〜50個までの酸素原子、1個〜200個までの水素原子、および0個〜20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。Rは有機連結基であることが好ましい。
の具体的な例として、前記t−3、4、7〜18、22〜26、32、34の構造単位又は該構造単位を組み合わせて構成される基を挙げることができる。
が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(1)中、mは1〜8を表す。mとしては、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
また、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
前記一般式(1)中、Pは高分子骨格を表し、通常のポリマーなどから目的等に応じ
て選択することができる。
ポリマーの中でも、高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、およびこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
更には、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、例えば、顔料分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
前記一般式(1)で表される高分子化合物の中でも、下記一般式(2)で表される高分子化合物がより好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(2)において、Aは前記一般式(1)におけるAと同義であり、その具体的な好ましい態様も同様であるが、有機色素構造の具体的な例として、フタロシアニン化合物、アゾレーキ化合物、アントラキノン化合物、ジオキサジン化合物、ジケトピロロピロール化合物等がより好ましく、複素環としては、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等がより好ましい。
また、Aと同様に置換基を有していてもよく、該置換基については、Aにおける場合と同様であり、好ましい態様も同様である。
更に、Aとして、前記一般式(4)で表される1価の有機基が好ましく、該有機基の詳細および具体的な例、好ましい態様については同様である。
前記一般式(2)において、Rは、(x+y)価の連結基を表す。前記Rで表される(x+y)価の連結基としては、1〜60個までの炭素原子、0個〜10個までの窒素原子、0個〜50個までの酸素原子、1個〜100個までの水素原子、及び0個〜20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記Rで表される(x+y)価の連結基としては、前記Rにおける(m+n)価の連結基と同義であり、その好ましい態様も同様である。また、具体的な例として、前記同様の構造単位又は該構造単位を組み合わせて構成される基が挙げられる。
これらのうち、Rで表される連結基は有機連結基であることが好ましく、その有機連結基の好ましい具体的な例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、上記(r−1)、(r−2)、(r−10)、(r−11)、(r−16)、(r−17)の基が好ましい。
また、上記のRが置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(2)において、RおよびRは、各々独立に、単結合あるいは2価の連結基を表す。
前記R、Rで表される「2価の連結基」としては、無置換でも置換基を有していてもよく、直鎖、分岐、もしくは環状のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R19)−、−SO−、−SO−、−CO−、−N(R20)SO−、又はこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基を好ましい例として挙げることができる(前記R19およびR20は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を表す。)。なかでも有機連結基であることが好ましい。
前記Rとしては、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−SO−、−CO−、−N(R20)SO−、又はこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基がより好ましく、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−CO−、又はこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基が特に好ましい。
前記Rとしては、単結合、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−SO−、−CO−、−N(R20)SO−、又はこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基がより好ましく、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−CO−、又はこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基が特に好ましい。
また、前記R、Rが置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(2)中、yは1〜8を表し、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。また、xは2〜9を表し、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
また、一般式(2)中のPは、高分子骨格を表し、通常のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。ポリマーの好ましい態様については、前記一般式(1)におけるPと同義であり、その好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)で表される高分子化合物のうち、特に、Rが前記具体例(r−1)、(r−2)、(r−10)、(r−11)、(r−16)、又は(r−17)であって、Rが、単結合、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−CO−、またはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の有機基であって、Rが単結合、エチレン基、プロピレン基、又は下記一般式(s−a)もしくは(s−b)で表される連結基であって、Pがビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、又はこれらの変性物であって、yが1〜2であって、xが3〜6である高分子化合物が特に好ましい。なお、下記基中、R21は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
Figure 2007013475
高分子化合物の質量平均分子量は1000以上であるが、質量平均分子量で1000〜500,000が好ましく、3000〜100000がより好ましく、5000〜80000がさらに好ましく、7000〜60000が特に好ましい。質量平均分子量が前記範囲内であると、ポリマーの末端に導入された複数の官能基の効果が十分に発揮され、固体表面への吸着性、ミセル形成能、界面活性性に優れた性能を発揮する。特にそのような高分子化合物を顔料分散剤として用いた場合に、良好な分散性と分散安定性を達成することができる。
前記一般式(1)で表される高分子化合物(一般式(2)で表されるものを含む)は、特に制限されないが、下記方法などにより合成することができる。下記合成方法のうち、合成上の容易さから、下記2、3、4、5等の合成方法がより好ましく、下記3、4、5等の合成方法が特に好ましい。
1.カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等から選択される官能基を末端に導入したポリマーと、複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有する酸ハライド、あるいは複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するアルキルハライド、あるいは複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するイソシアネート等とを高分子反応させる方法。
2.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するメルカプタンとをマイケル付加反応させる方法。
3.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するメルカプタンとをラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
4.末端に複数のメルカプタンを導入したポリマーと、炭素−炭素二重結合を導入した官能基(前記一般式中のA又はA)とをラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
5.複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するメルカプタン化合物を連鎖移動剤として、ビニルモノマーをラジカル重合する方法。
上記のうち、本発明の製造方法に用いられる高分子化合物(好ましくは一般式(2)で表される高分子化合物)は、例えば、上記2、3、4、5のいずれかの方法で合成することができるが、合成上の容易さから、上記5の方法で合成することがより好ましい。
より具体的には、下記一般式(3)で表される化合物を連鎖移動剤として用いて、ラジカル重合させることが好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(3)において、R、R、A、g、およびhは、それぞれ前記一般式(2)におけるR、R、A、x、およびyと同義であり、その好ましい態様も同様である。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このような例としては、下記のような化合物が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
前記ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記の化合物以外にも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
また、上記の化合物以外に、例えばウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えばイソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物または1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマーまたは1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
上記のビニルモノマーは一種のみで重合させてもよいし、二種以上を併用して共重合させてもよく、このようなラジカル重合体は、それぞれ相当するビニルモノマーを通常の方法で常法に従って重合させることで得られる。
例えばこれらのビニルモノマー、および連鎖移動剤を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して、約50℃〜220℃で、溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる単量体、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
前記一般式(3)で表される化合物は、以下の方法等で合成することができるが、合成上の容易さから、下記7の方法がより好ましい。
6.複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するハライド化合物からメルカプタン化合物に変換する方法(チオ尿素と反応させ、加水分解する方法、NaSHと直接反応させる方法、CHCOSNaと反応させ、加水分解させる方法などが挙げられる)
7.一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物と、官能基(前記一般式中のA又はA)を有し、かつメルカプト基と反応可能な官能基を有する化合物、とを付加反応させる方法
前記方法7における「メルカプト基と反応可能な官能基」としては、酸ハライド、アルキルハライド、イソシアネート、炭素−炭素二重結合などが好適に挙げられる。
「メルカプト基と反応可能な官能基」が炭素−炭素二重結合であり、付加反応がラジカル付加反応で合成することが特に好ましい。炭素−炭素二重結合としては、メルカプト基との反応性の点で、1置換もしくは2置換のビニル基がより好ましい。
前記「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」の具体的な例として、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、(u−1)、(u−2)、(u−10)、(u−11)、(u−16)、(u−17)が好ましい。
官能基(前記一般式中のA又はA)を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、特に制限されないが、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
例えば、前記「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」と、前記「酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される少なくとも1種の官能基を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」とのラジカル付加反応生成物は、例えば、上記の「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」および「酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される少なくとも1種の官能基を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル発生剤を添加して、約50℃〜100℃で、付加させる方法(チオール−エン反応法)を利用して得られる。
前記方法で用いられる好ましい溶媒の例としては、用いる「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」、「酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される少なくとも1種の官能基を有し、かつメルカプト基と反応可能な官能基(例えば炭素−炭素二重結合)を有する化合物」、および生成するラジカル付加反応生成物の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル発生剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
本発明の製造方法に好ましく用いられる一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。但し本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
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Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
またこの高分子化合物は、酸性基を有する高分子化合物であることが好ましく、カルボキシル基を有する高分子化合物であることがより好ましく、(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含有する共重合化合物が特に好ましい。
前記(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位として、下記一般式(I)で表される繰り返し単位であることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸から導かれた繰り返し単位であることがより好ましく、前記(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位として、下記一般式(II)で表される繰り返し単位であることが好ましく、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位であることがより好ましく、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、3−フェニルプロピルアクリレート、または3−フェニルプロピルメタクリレートから導かれた繰り返し単位であることが特に好ましい。
Figure 2007013475
(Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
Figure 2007013475
(Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。Rは下記一般式(III)で表される基を表す。)
Figure 2007013475
(Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。R及びRはそれぞれ水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。iは1〜5の数を表す。)
Figure 2007013475
(Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。Rは下記一般式(V)で表される基を表す。)
Figure 2007013475
(Rは炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。R10及びR11は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。jは1〜5の数を表す。)
また、(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位と、前記(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位との重合比率としていえば、繰り返し単位(A)の全繰り返し単位数に対する数量比%が3〜40であることが好ましく、5〜35であることがより好ましい。
本発明の製造方法において高分子の分子量とは、特に断らない限り、質量平均分子量をいう。高分子の分子量の測定方法としては、クロマトグラフィー法、粘度法、光散乱法、沈降速度法等が挙げられる。本発明では、特に断らない限りクロマトグラフィー法により測定した質量平均分子量を用いる。
高分子化合物は、水溶性、油溶性いずれでもよく、水溶性かつ油溶性でもよい。
高分子化合物の添加方法は、水性溶媒または有機溶媒に溶解した溶液でも、固体状態でもよく、また、これらの組み合わせでもよい。溶媒に溶解した溶液で添加する方法としては、例えば、凝集有機粒子液に、凝集有機粒子液の溶媒と同様の溶媒に溶解した状態で添加する方法、凝集有機粒子液の溶媒と相溶する、異なる溶媒に溶解した状態で添加する方法が挙げられる。溶媒に溶解した溶液で添加する場合の、高分子化合物の濃度は、特に制限されないが、1〜70質量%が好ましく、2〜65質量%がより好ましく、3〜60質量%が特に好ましい。
高分子化合物の添加は、有機粒子析出法による有機ナノ粒子の形成時(またはその前後)、抽出または濃縮時(またはその前後)、濃縮後の凝集有機粒子の分散時(またはその前後)、それらの工程が終了したのち、のいずれに添加してもよく、また、これらの組み合わせでもよい。本発明の製造方法において、質量平均分子量1000以上の高分子化合物は後述するバインダーとして組成物中に含有させてもよく、例えば有機粒子析出液を濃縮した後、凝集有機粒子の微細分散化のときに添加することが好ましい。
本発明の上記(4)の有機粒子分散組成物の製造方法においては、酸性基をもつ高分子化合物の存在下で有機粒子形成を行う。この場合、有機材料溶液および有機材料溶液を添加して有機粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方に、酸性基をもつ高分子化合物を添加することができる。または酸性基をもつ高分子化合物の溶液を別系統で有機粒子形成時に添加することも好ましい。
高分子化合物の添加量は、凝集有機粒子に含まれる有機粒子を100質量部としたときに、好ましくは0.1〜1000質量部が好ましく、5〜500質量部がより好ましく、10〜300質量部が特に好ましい。
分子量1000以上の高分子化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアミド、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子化合物類も使用できる。
酸性基を有する高分子化合物としては、ポリビニル硫酸、縮合ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を有する高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、側鎖にカルボキシル基を有するセルロース誘導体等があげられる。(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含む共重合化合物としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体や、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、他のビニル化合物の多元共重合体を挙げることができる。
ビニル化合物の例としては、スチレン又は置換されたスチレン(例えばビニルトルエン、ビニルエチルベンゼン)、ビニルナフタリン又は置換されたビニルナフタリン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられ、スチレンが好ましい。
これらの高分子化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよく、分子量1000未満の化合物と併用してもよい。
本発明の製造方法においては、有機ナノ粒子分散物が60質量%以上の有機溶剤を含有することが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。有機溶剤としては、特に制限はなく、通常のものの中から適宜選択することができる。例えば、エステル化合物溶媒、アルコール化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒、ケトン化合物溶媒が好ましく、エステル化合物溶媒、ケトン化合物溶媒が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
エステル化合物溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール化合物溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。ケトン化合物溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
[分散剤]
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法では、有機材料溶液および有機材料溶液を添加して有機粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方に分散剤を添加することができる。または分散剤溶液を別系統で有機粒子形成時に添加することも好ましい。分散剤は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細な顔料粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。
本発明では、このような分散剤として、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の、低分子または高分子分散剤を使用することができる。なお、高分子分散剤の分子量は溶液に均一に溶解できるものであれば制限なく用いることができるが、好ましくは分子量1,000〜2,000,000であり、5,000〜1,000,000がより好ましく、10,000〜500,000がさらに好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい。(本発明においては、特に断りのない限り、分子量とは質量平均分子量を意味する。高分子化合物は多分散系であり、必ずしも同一の分子量または粒子量を持たない。したがって、分子量を測定すると得られた値はなんらかの形で平均された平均分子量になる。その主なものは次の3種類である。すなわち、1)数平均分子量Mn、2)質量平均分子量Mw、3)Z平均分子量Mzであり、Mn<Mw<Mzの関係が成立する。)高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これらの分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料性分散剤とは、親物質としての有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される顔料性分散剤と定義する。例えば、糖含有顔料分散剤、ピペリジル含有顔料分散剤、ナフタレンまたはペリレン誘導顔料分散剤、メチレン基を介して顔料親構造に連結された官能基を有する顔料分散剤、ポリマーで化学修飾された顔料親構造、スルホン酸基を有する顔料分散剤、スルホンアミド基を有する顔料分散剤、エーテル基を有する顔料分散剤、あるいはカルボン酸基、カルボン酸エステル基またはカルボキサミド基を有する顔料分散剤などがある。
また、特開2000−239554に記載の一般式(I)で表される化合物も非常に好ましく用いられる。
本発明の製造方法においては、分散剤として、アミノ基を含有する顔料分散剤を用いることも好ましい。ここで、アミノ基とは一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基を含み、アミノ基の数は一つでも複数でもよい。顔料骨格にアミノ基を有する置換基を導入した顔料誘導体化合物でも、アミノ基を有するモノマーを重合成分としたポリマー化合物でもよい。これらの例として、例えば、特開2000−239554号公報、2003−96329号公報、2001−31885号公報、特開平10−339949号公報、特公平5−72943号公報に記載の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の製造方法に用いられるアミノ基を有する分散剤としては、それに限定されるものではないが、下記の一般式(D1)、(D3)、および式(D4)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
<1.一般式(D1)で表される化合物>
Figure 2007013475
一般式(D1)中、AはX−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。前記Aは、ジアゾニウム化合物とカップリングしてアゾ色素を形成しうる化合物であれば任意に選択することができる。前記Aの具体例を以下に示すが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
一般式(D1)中、Xは単結合又は下記式(i)〜(v)の構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。
Figure 2007013475
一般式(D1)中、Yは下記一般式(D2)で表される基を表す。
Figure 2007013475
一般式(D2)中、Zは、低級アルキレン基を表す。Zは、−(CH−と表されるが、該bは1〜5の整数を表し、好ましくは2又は3を表す。一般式(D2)中、−NR21は、低級アルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環基を表す。該−NR21は、低級アルキルアミノ基を表す場合、−N(C2r+1と表され、rは1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表す。−NR21が、窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環基を表す場合、下記構造式で表されるいずれかのヘテロ環基が好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(D2)における、Z及び−NR21は、それぞれ、低級アルキル基、アルコキシ基を置換基として有していてもよい。前記一般式(D2)中、aは、1又は2を表し、好ましくは2を表す。
以下に、前記一般式(D1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
Figure 2007013475
一般式(D1)で表される化合物は例えば特開2000−239554号公報に記載された方法により合成することができる。
<2.一般式(D3)で表される化合物>
Figure 2007013475
一般式(D3)中、
Qは、アントラキノン化合物色素、アゾ化合物色素、フタロシアニン化合物色素、キナクリドン化合物色素、ジオキサジン化合物色素、アントラピリミジン化合物色素、アンサンスロン化合物色素、インダンスロン化合物色素、フラバンスロン化合物色素、ピランスロン化合物色素、ペリノン化合物色素、ペリレン化合物色素、及びチオインジゴ化合物色素から選ばれる有機色素残基を表し、なかでもアゾ化合物色素、またはジオキサジン化合物色素であることが好ましく、アゾ化合物色素であることがより好ましい。
は、−CO−、−CONH−Y−、−SONH−Y−、又は−CHNHCOCHNH−Y−を表し、−CO−、−CONH−Y−であることが好ましい。
は置換基を有してもよいアルキレン基又はアリーレン基を表し、なかでもフェニレン、トルイレン、またはヘキシレンであることが好ましく、フェニレンであることがより好ましい。
11およびR12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基またはR11とR12とで少なくとも窒素原子を含むヘテロ環基を形成してもよい。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基、または窒素原子を含めたピロリジニル基であることが好ましく、エチル基であることがより好ましい。
は−NH−又は−O−を表す。
は水酸基又は一般式(D3a)で表される基を表し、あるいはn1が1の場合−NH−X−Qでもよい。m1は1〜6の整数を表し、2〜3が好ましい。n1は1〜4の整数を表し、1〜2が好ましい。
Figure 2007013475
一般式(D3a)中、Yは−NH−又は−O−を表し、m1、R11、およびR12は一般式(D3)におけるそれらと同じ意味である。
一般式(D3)で表される化合物はより具体的には例えば下記一般式により表される。
Figure 2007013475
なお一般式(D3−1)〜(D3−6)において、Q、m1、n1、R11、R12は一般式(D3)におけるそれらと同じ意味である。以下に一般式(D3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、式中Cu−Pcは銅フタロシアニンを表す。
Figure 2007013475
Figure 2007013475
一般式(D3)で表される化合物は、例えばR11およびR12を有するアミン化合物とR11およびR12を有するアルコール化合物とをハロゲン化トリアジン化合物と反応させ、得られた中間体に色素化合物を反応させて得ることができる。また、特公平5−72943号明細書の記載も参考にすることができる。
<3.グラフト共重合体を含有する顔料分散剤>
本発明の製造方法においては、アミノ基及びエーテル基を有するグラフト共重合体を含有し、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する分散剤を用いることも好ましい。
前記グラフト共重合体は、アミノ基及びエーテル基を少なくとも有してなり、その他のモノマー等を共重合体単位として含んでいてもよい。
前記グラフト共重合体の質量平均分子量(Mw)としては、3000〜100000が好ましく、5000〜50000がより好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が、3000未満であると、顔料ナノ粒子の凝集を防ぐことができず、粘度が上昇してしまうことがあり、100000を超えると有機溶剤への溶解性が不足し、粘度が上昇してしまうことがある。なお、該質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定されるポリスチレン換算質量平均分子量である。
前記グラフト共重合体は、(i)末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、(ii)アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーと、(iii)エーテル基を有する重合性モノマーとを共重合体単位として少なくとも含み、必要に応じて(iv)その他のモノマーを共重合単位として含むことが好ましい。
これらの共重合体単位の、前記グラフト共重合体における含有量としては、(i)前記重合性オリゴマーが15〜98質量%であることが好ましく、25〜90質量%であることがより好ましく、(ii)アミノ基含有モノマーが1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、(iii)前記エーテル基を有する重合性モノマーが1〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
前記重合性オリゴマーの含有量が、15質量%未満であると、分散剤としての立体反発効果が得られず、顔料ナノ粒子の凝集が防止できないことがあり、98質量%を超えると、前記窒素含有モノマーの割合が減り顔料粒子に対する吸着能力が低下し、分散性が十分でないことがある。前記窒素含有モノマーの含有量が、1質量%未満であると、有機粒子に対する吸着能力が低下し、分散性が十分でないことがあり、40質量%を超えると、前記重合性オリゴマーの割合が減ることから、分散剤としての立体反発効果が得られず、顔料粒子の凝集を十分に防止できないことがある。前記エーテル基を有する重合性モノマーの含有量が、1質量%未満であると、カラーフィルタ等の製造の際の現像適性が十分でないことがあり、70質量%を超えると、分散剤としての能力が低下することがある。
(i) 重合性オリゴマー
前記重合性オリゴマー(以下、「マクロモノマー」と称することがある。)は、エチレン性不飽和二重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。本発明においては、前記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両末端の内の一方にのみ前記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有するのが好ましい。
前記オリゴマーとしては、一般的には、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、及びブタジエンから選択された少なくとも一種のモノマーから形成された単独重合体又は共重合体などが挙げられ、これらの中でも、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体、ポリスチレンなどが好ましい。本発明において、これらのオリゴマーは、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、などが好適に挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
本発明においては、前記重合性オリゴマーの中でも、下記一般式(E6)で表されるオリゴマーが好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(E6)において、R61及びR63は、水素原子又はメチル基を表す。R62は、炭素数1〜8のアルコール性水酸基で置換されてもよいアルキレン基を表し、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。Yは、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するフェニル基、又は−COOR64(ここで、R64は、炭素数1〜6のアルコール性水酸基、ハロゲンで置換されてもよいアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜10のアリールアルキル基を表す。)を表し、フェニル基又は−COOR64(ここで、R64は、炭素数1〜4のアルコール性水酸基で置換されてもよいアルキル基を表す。)が好ましい。qは、20〜200を表す。
前記重合性オリゴマーの具体例としては、ポリ−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、それらの共重合体であって、分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーが好ましい。
前記重合性オリゴマーは、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよく、該市販品としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:AA−714,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:707S,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:AY−707S、AY−714S,東亜合成化学工業(株)社製)、などが挙げられる。
本発明における前記重合性オリゴマーの好ましい具体例としては、アルキル(メタ)アクリレートの重合体、及び、アルキル(メタ)アクリレートとポリスチレンとの共重合体から選択される少なくとも1種のオリゴマーであって、数平均分子量が1000〜20000であり、末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。
(ii) アミノ基含有モノマー
前記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(E2)で表される化合物より選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
Figure 2007013475
前記一般式(E2)において、R21は、水素原子又はメチル基を表す。R22は、炭素数1〜8のアルキレン基を表し、これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基が特に好ましい。
は、−N(R23)(R24)、−R25N(R26)(R27)を表す。ここで、R23及びR24は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。R25は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R26及びR27は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
上記のうち、−N(R23)(R24)のR23及びR24は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基が好ましく、−R25−N(R26)(R27)のR25は、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、R26及びR27は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。m2及びn2は、1又は0を表し、m2=1かつn2=1、又は、m2=1かつn2=0が好ましい(即ち、下記一般式(E3)、(E4)で表されるモノマーに対応する)。
本発明においては、前記一般式(E2)で表されるモノマーの中でも、下記一般式(E3)及び(E4)のいずれかで表されるモノマーから選択される少なくとも1種が好ましい。
Figure 2007013475
前記一般式(E3)において、R31は、R21と同義である。R32は、R22と同義である。Xは、Xと同義である。
Figure 2007013475
前記一般式(E4)において、R41は、R21と同義である。Xは、Xと同義であり、−N(R43)(R44)(ここで、R43及びR44は、R23及びR24と同義である。)、又は、−R45−N(R46)(R47)(ここで、R45、R46及びR47は、それぞれR25、R26及びR27と同義である。)が好ましい。
前記一般式(E2)で表されるモノマーの具体例としては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジ−i−ブチル(メタ)アクリルアミド、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミド及びN,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド(以上(メタ)アクリルアミド類);2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド、6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド(以上アミノアルキル(メタ)アクリルアミド類)などが好ましいものとして挙げられる。
(iii) エーテル基を有する重合性モノマー
前記エーテル基を有する重合性モノマーとしては、例えば、下記一般式(E1)で表されるモノマーより選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
Figure 2007013475
前記一般式(E1)において、R11は、水素原子又はメチル基を表す。R12は、炭素数1〜8のアルキレン基を表し、中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。Xは、−OR13又は−OCOR14を表す。ここで、R13は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜18のアルキル基で置換されたフェニル基を表す。R14は、炭素数1〜18のアルキル基を表す。また、m3は、2〜200を表し、5〜100が好ましく、10〜100が特に好ましい。
前記エーテル基を有する重合性モノマーとしては、エーテル基を有し、且つ重合性のものであれば特に制限はなく、通常のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられ、これらは市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。該市販品としては、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:NKエステルM−40G,M−90G,M−230G(以上、東亜合成化学工業(株)社製);商品名:ブレンマーPME−100,PME−200,PME−400,PME−1000,PME−2000、PME−4000(以上、日本油脂(株)社製))、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350,日本油脂(株)社製)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPP−500、PP−800、PP−1000,日本油脂(株)社製)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマー70PEP−370B,日本油脂(株)社製)、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマー55PET−800,日本油脂(株)社製)、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーNHK−5050,日本油脂(株)社製)などが挙げられる。
(iv) その他のモノマー
前記グラフト共重合体は、前記その他のモノマーを更に共重合体単位として含有していてもよく、該その他のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、芳香族ビニル化合物(例、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びi−ブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例、ベンジル(メタ)アクリレート)、グリシジル(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステル(例、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、及び脂肪族共役ジエン(例、1,3−ブタジエン及びイソプレン)、(メタ)アクリル酸、などが挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル及びカルボン酸ビニルエステルが好ましい。
前記グラフト共重合体における該その他のモノマーの含有量としては、例えば、5〜70質量%が好ましい。前記含有率が、5質量%未満であると、塗布膜の物性の制御ができなくなることがあり、70質量%を超えると、分散剤としての能力が十分に発揮されないことがある。
前記グラフト共重合体の好ましい具体例としては、
(11) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(12) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、
(13) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、
(14) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化メチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体の共重合体、
(15) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化メチルメタアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体の共重合体、
(16) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化メチルメタアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体の共重合体、
(17) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(18) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(19) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(20) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、などが挙げられる。
なかでも、(11)、(14)、(18)が好ましく、下記式(D4)で表される化合物がより好ましい。式(D4)中、Meはメチル基を表す。
Figure 2007013475
前記グラフト共重合体は、前記各共重合体単位となる成分を、例えば、溶媒中でラジカル重合させることにより得ることができる。該ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、更に連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。グラフト共重合体を含有する顔料分散剤については特開2001−31885号公報の記載を参考にすることもできる。
分散剤の含有量は、顔料粒子の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、さらに好ましくは5〜20質量部の範囲である。0.1質量部未満であると有機ナノ粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。また、分散剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
[有機粒子形成時の条件]
本発明の有機粒子は、有機材料を良溶媒に溶解した有機材料溶液と、有機材料に対する貧溶媒(以下、単に「有機粒子の貧溶媒」ともいう。)とを混合して有機粒子を得る工程を経て形成される(以下、この方法を「有機粒子析出法」ともいい、これにより得られた有機粒子液を「有機粒子分散液」という。)。
有機材料を有機粒子として生成させる際の条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。
有機材料溶液と貧溶媒との混合方法に特に制約はないが、一方を撹拌しておき、そこに他方を添加することが好ましく、有機材料溶液を撹拌された貧溶媒に添加することが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。液中添加の際の添加口は1つでもよいし、複数用いてもよい。添加口径は20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
一方を撹拌する際の撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。
有機材料溶液と貧溶媒の比(良溶媒/貧溶媒)は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機粒子として調製したのちの分散液の濃度は有機粒子を分散させることができれば特に制限されないが、分散溶媒1000mlに対して粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
[超臨界流体を用いた有機粒子の析出時の条件]
次に、有機顔料含有流体と析出溶媒とを混合するときの条件について説明する。
本発明の製造方法において、有機顔料含有流体と析出溶媒とを混合するときの条件は特に限定されないが、有機顔料含有流体を超臨界状態もしくは亜臨界流体状態でない状態として顔料の溶解度を下げ、顔料を析出させる条件であることが好ましい。具体的には、混合時の温度は、用いる溶媒の超臨界温度より低くすることが好ましい。例えば、アセトンを用いる場合、15℃〜180℃の範囲とすることが好ましく、40℃〜180℃とすることがより好ましく、60℃〜150℃とすることが特に好ましい。
混合時の圧力は、用いる溶媒の超臨界圧付近または超臨界圧以上の圧力とすることが好ましい。例えば、溶媒としてアセトンを用いる場合、圧力を2〜30MPaとすることが好ましく、3〜25MPaとすることがより好ましく、4〜20MPaとすることが特に好ましい。ただし装置の構成によって、装置内の圧力が一定のため任意に調製することはできない場合もあり、圧力一定条件としてもよい。
有機顔料含有流体と析出溶媒との混合比は体積比で20:1〜1:20が好ましく、10:1〜1:10がより好ましく、5:1〜1:5が特に好ましい。
有機顔料を析出させた混合液の粒子濃度は特に限定されないが、0.01〜500mg/mlの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜100mg/mlの範囲であり、特に好ましくは0.5〜10mg/mlの範囲である。
本発明の製造方法において、有機顔料を溶解するために超臨界流体もしくは亜臨界流体を用いる場合には、常温・常圧での溶解とは異なる性質を示す。例えば、顔料など難溶性材料を溶解する能力が高まる。このような性質を活かすことにより、析出現象を利用して、これまで顔料を溶解する好ましい良溶媒がなく、その溶解が困難であった難溶性の材料であってもナノ粒子化が可能となる。また、アセトンや水のように安価で環境負荷が小さい溶媒を用いてナノ粒子を調製できるという利点を有する。
[有機粒子の粒径、単分散性]
有機粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、粒径とは数平均径をいう。本発明の有機粒子の濃縮方法に用いられる有機粒子分散液に含まれる有機粒子(一次粒子)の平均粒径はナノメートルサイズであり、該粒径は1nm〜1μmであることが好ましく、1〜200nmであることがより好ましく、2〜100nmであることがさらに好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。なお本発明の製造方法において、形成される粒子は結晶質粒子でも非結晶質粒子でもよく、またこれらの混合物でもよい。
また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明の有機粒子の濃縮方法に用いられる有機粒子分散液に含まれる粒子(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
有機粒子の粒径の測定方法としては、顕微鏡法、質量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズなどが挙げられる。
[有機粒子形成法(製造装置)]
本発明の有機粒子分散組成物の製造の際、有機粒子の形成に用いられる製造装置の好ましい実施態様を図面を参照して説明するが、これにより本発明が限定的に解釈されるものではない。
(製造装置例1)
図1−1は本発明において、一実施態様として用いられる製造装置の概略図である。図1−1において有機材料溶液は供給管14により容器11内に設けられた混合室13内へ連続的に供給される。ここに容器11内には貧溶媒11aが容れられており、該混合室13は貧溶媒の液面下に設けられ、その内部は該貧溶媒により満たされている。また反応容器11内のバルク貧溶媒は該混合室13内での攪拌の作用により、該混合室13内を下方から上方へ(図中矢印の方向へ)横切るようにつねに対流せしめられている。
図1−2は、図1−1の製造装置の一実施態様として混合室13を拡大して概略的に示した拡大部分断面図である。有機材料溶液は供給管14より混合室13内へ供給される。該混合室13は断面積一定の直四角筒よりなるケーシング17により形成され、ケーシング17の上端は開放端とされ、下端には円形孔18が設けられて該混合器13内の貧溶媒がバルク貧溶媒と互いに連結するようになっている。ここに有機材料溶液供給管14はケーシング17の下端を構成する壁内に設けられ、前記円形孔に向けて開口している。また前記混合器13内には撹拌羽根12が設けられており、撹拌羽根はシャフト15に取り付けられ、モーター(図示せず)により回転せしめられる。この攪拌羽根12の回転により、貧溶媒は円形孔18を通り混合器13内を下方から上方へ向かってつねに循環運動せしめられている。
上記の混合室13に設けられた撹拌羽根12は、混合室内に所望の混合強さをつくり出すものでなければならない。この混合強さは、有機材料溶液が混入した際の液滴(ドロップレット)の大きさに対する重要な操作因子であることが推定される。
また、撹拌羽根12は、混合空間内で生成した有機粒子が混合室13にとどまることにより、他の有機粒子と結合して更に大きな粒子となったり、混合室13に供給される有機材料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機粒子を迅速に引き出し、迅速に混合室13外へ排出する能力を有するものが選ばれることが好ましい。
撹拌羽根12としては上記目的が達成されれば、いかなる形式のものでもよく、例えばタービン型、ファンタービン型等が用いられうる。
またケーシング17は、前述のごとく四角筒により構成されていることが好ましい。このようにすることで、撹拌羽根12によりつくられた流れをケーシング17の角が乱し、邪魔板のごとき付加物を要することなく、混合効果を一層高めることができる。
図1−3は、図1−1の製造装置の別の実施態様として混合室内の撹拌羽根を二つ(混合用撹拌羽根19a、排出用撹拌羽根19b)にした混合器の拡大部分断面図である。このように撹拌羽根を二つ設けることによって、混合強さをコントロールする能力と、生成した有機粒子を混合器外へ排出する能力を独立に選択することができるようにし、混合の強さ、循環量を独立に所望の値に設定して操作することが可能となる。
(製造装置例2)
図2は、本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる、製造装置の別の実施態様を概略的に示す断面図である。図2において有機材料溶液および貧溶媒はそれぞれ供給管24a、24bにより撹拌槽21a内に連続的に供給される。撹拌槽21a内で生成した有機粒子が撹拌槽21a内にとどまることにより、他の有機粒子と結合して更に大きな粒子となったり、供給管24a、24bより供給される有機材料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機粒子分散液は排出管23より迅速に引き出される。
図3は、本発明の有機粒子分散組成物の製造方法に用いられる装置の、さらに別の実施態様を概略的に示す断面図である。図3の製造装置においては、撹拌装置50は、有機材料溶液および貧溶媒をそれぞれ流入させる2つの液供給口32,33と撹拌処理を終えた混合液体を排出する液排出口36とを備えた円筒状の撹拌槽38と、該撹拌槽38内で回転駆動されることで該撹拌槽38内の液体の撹拌状態を制御する撹拌手段である一対の撹拌羽根41,42とを備えてなる。
撹拌槽38は、上下方向に中心軸を向けた円筒状の槽本体39と、該槽本体39の上下の開口端を塞ぐ槽壁となるシールプレート40とで構成されている。また、撹拌槽38および槽本体39は、透磁性に優れた非磁性材料で形成されている。2つの液供給口32,33は槽本体39の下端寄りの位置に装備されており、液排出口36は槽本体39の上端寄りの位置に装備されている。
そして、一対の撹拌羽根41,42は、撹拌槽38内の相対向する上下端に離間して配置されて、互いに逆向きに回転駆動される。各撹拌羽根41,42は、それぞれの撹拌羽根41,42が近接する槽壁(シールプレート40)の外側に配置された外部磁石46と磁気カップリングCを構成している。即ち、各、撹拌羽根41,42は、磁力でそれぞれの外部磁石46に連結されており、各外部磁石46を独立したモーター48,49で回転駆動することで、互いに逆向きに回転操作される。
槽38内に対向配置された一対の撹拌羽根41,42は、図3中に波線の矢印(X)及び実線の矢印(Y)で示すように、それぞれ向きの異なる撹拌流を槽38内に形成する。そして、それぞれの撹拌羽根41,42の形成する撹拌流は、流れ方向が異なるために互いに衝突して槽38内における撹拌を促進する高速の乱流を槽38内に生成して、槽38内の流れが定常化することを防止し、撹拌羽根41,42の回転を高速化した場合にも撹拌羽根41,42の回転軸回りに空洞が形成されることを阻止すると同時に、撹拌作用を十分に受けずに撹拌槽38の内周面に沿って槽38内を流れる定常流が形成されるという不都合の発生を阻止することができる。したがって、撹拌羽根41,42の回転の高速化により、容易に処理速度を向上させることができ、さらに、その際に、槽38内の液体の流れが定常化して撹拌混合が不十分の液体が排出されることを阻止して、処理品位の低下を防止することができる。
また、撹拌槽38内の各撹拌羽根41,42は、磁気カップリングCによって撹拌槽38の外部に配置されたモーター48,49に連結されているため、撹拌槽38の槽壁に回転軸を挿通させる必要がなくなり、撹拌槽38を回転軸の挿通部のない密閉容器構造にすることができるため、撹拌混合した液の槽外への漏出を防止すると同時に、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽38内の液に混入することによる処理品位の低下を防止することができる。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法において、これらの構成を有する製造装置を用いて、バッチ方式だけでなく連続フロー方式でも有機顔料粒子の製造をすることができ、大量生産にも対応できる。また生成した有機粒子分散液が迅速に排出されることにより、撹拌槽内に供給される有機材料溶液と貧溶媒液の比を常に一定にすることが可能になる。このため、製造開始時から製造終了時まで、分散液の有機材料の溶解度を一定にすることが可能になり、単分散な有機粒子を安定に製造することができる。
さらに槽内の液体の流れが定常化して撹拌混合が不十分の有機粒子分散液が排出されることを阻止し、また、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽内の液に混入することを防止することで、単分散な有機粒子をさらに安定に製造することができる。
(製造装置例3)
本発明の有機粒子分散組成物の製造に用いられる装置として、さらに別の実施態様である、剪断力を持つ羽根を用いて攪拌する製造方法について説明する。
本発明でいう剪断力とは撹拌羽根が、有機顔料溶液が貧溶媒に混入後に生成する液滴(ドロップレット)に及ぼすズリ力のことである。
本発明で使用可能な撹拌部の形状は、高剪断力を施し得る形態であれば特に限定されないが、一般にパドル羽根、タービン羽根、スクリュー羽根、ファウドラー羽根、等が挙げられ、好ましくはディゾルバー羽根、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の、撹拌、乳化、分散機が好ましい。
ディゾルバー羽根は、高剪断力形成できる機能を持った特殊な撹拌羽根であり、図4−1にその1例を概略的に正面図により示し、その図面代用写真を図4−2に示す。
また図5に示すような回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部を有する装置も好ましく用いられ、その撹拌、乳化、分散機としては、例えば、マイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロン、特殊機化工業社製T.Kホモミクサー、IKA社製ULTRA-TURRAXが挙げられる。
本発明の効果が発現し得る撹拌速度は、貧溶媒の粘度、温度、界面活性剤の種類や添加量によって異なった値をとるが、100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。この範囲未満の回転数であれば本発明の効果は充分発揮されず、逆にこの範囲を超えると、貧溶媒中に気泡を巻き込み、好ましくない。
(製造装置例4)
本発明の上記(2)の実施態様の製造方法に用いられる製造装置は、超臨界流体あるいは亜臨界流体に顔料を溶解した顔料溶解流体と析出用溶媒とを混合し、粒子を析出することができる装置であれば特に限定されないが、その好ましい実施態様の一例について図7により説明する。
超臨界流体または亜臨界流体とする溶媒101を容器にいれ、これをポンプ104aで送液しヒーター106で加熱し、背圧弁114で圧力を調整することにより、超臨界流体または亜臨界流体がハステロイ配管108を通じてメッシュ109aを通り抜けて試料管107に注入される。注入された超臨界流体または亜臨界流体に、あらかじめ試料管107に仕込んでおいた顔料等の試料103が溶解し、顔料溶解流体がメッシュ109bを通り抜けミキサー111へ送られる。ミキサー部で、ポンプ104aで送液された顔料溶解流体とポンプ104bで送液された析出用溶媒102の混合が起こり、溶媒組成と溶媒温度が急激に変化する。この時、試料溶解度が急激に下がり、析出現象によりナノ粒子が生成する。ミキサー部で生成したナノ粒子分散液を冷却管112で室温付近まで冷却し、常温・常圧のナノ粒子分散液115として系外へ取り出すことができる(なお、図7中の矢印Bは送液の方向を示す。)。
[有機粒子分散液の濃縮]
本発明の有機顔料分散液の製造方法においては、有機粒子分散液を、脱塩濃縮することによって、カラーフィルター塗布液やインクジェット用インクに適した濃度の有機粒子分散液を工業的な規模で生産することが可能である。
以下に、分散液を濃縮する方法について説明する。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法においては、分散液の濃縮を限外ろ過により行う。単に有機粒子析出法により形成した粒子含有液を限外ろ過により濃縮したのでは濃縮過程において粒径分布が大きく変化してしまう。本発明の有機粒子分散組成物の製造方法は、そのような粒径分布の変化を抑え、しかも不要な塩を効率的に除去し濃縮することを可能とするものである。また限外ろ過の後、さらに真空凍結乾燥により溶媒を昇華させて、濃縮、乾燥する方法を組み合わせることも非常に好ましい。さらには、限外ろ過以外の濃縮方法と組み合わせてもよい。例えば、有機粒子分散液に、抽出溶媒を添加混合し、有機粒子を該抽出溶媒相に濃縮抽出して、その濃縮抽出液をフィルターなどによりろ過して濃縮粒子液とする方法、遠心分離によって有機粒子を沈降させて濃縮する方法、加熱ないし減圧による溶媒を乾燥させて濃縮する方法等が好ましい。またはこれらの組合せなどが非常に好ましく用いられる。
濃縮後の有機粒子濃度に関しては、1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましく、10〜100質量%が特に好ましい。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法において、具体的な限外ろ過方法は、例えばハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することができる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10208(1972)、No.13122(1975)およびNo.16 351(1977)が知られている。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978)、p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、目的の有機粒子分散物を処理する上では、粒子の凝集を抑えるために最適条件を見いだすことが好ましい。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。こうして補充する溶媒には、イオン交換または蒸留して得られた純水を用いるが、純水の中に分散剤、分散剤の貧溶媒を混合してもよいし、有機粒子分散物に直接添加してもよい。
図6に、限外ろ過を行うための装置の一構成例を示す。図6に示されるように、この装置は有機粒子分散物を収納するタンク81、このタンク81内の分散物を循環させる循環用ポンプ82、および循環用ポンプ82によって導入された分散物中の副生成無機塩を透過水として除去する限外ろ過モジュール83を有する。透過水が分離された分散物は再度タンク81内に戻され、同様の操作が、副生成無機塩の除去の所定の目的が達成されるまで、繰り返し行われる。さらに、この装置には、透過水によって失われる溶媒を純水として一定量補充するために使用される補充純水計測用流量計84が設置されており、純水補充量を決定するのに用いられる透過水計測用流量計85が設置されている。また、透過水を希薄にするための水を導入するための逆方向洗浄用ポンプ86が設置されている。
限外ろ過膜は、すでにモジュールとして組み込まれた平板型、スパイラル型、円筒型、中空糸型、ホローファイバー型などが旭化成(株)、ダイセル化学(株)、(株)東レ、(株)日東電工などから市販されているが、総膜面積や洗浄性の観点より、スパイラル型もしくは中空糸型が好ましい。また、膜を透過することができる成分のしきい値の指標となる分画分子量は、用いられる分散剤の分子量より決定する必要があるが、5,000以上50,000以下のものが好ましく、5,000以上15,000以下のものがより好ましい。
凍結乾燥の方法は特に限定されず、当業者が利用可能な方法であればいかなるものを採用してもよい。例えば、冷媒直膨方法、重複冷凍方法、熱媒循環方法、三重熱交換方法、間接加熱凍結方法が挙げられるが、好ましくは冷媒直膨方法、間接加熱凍結方法、より好ましくは間接加熱凍結方法を用いるのがよい。いずれの方法においても、予備凍結を行なった後凍結乾燥を行なうことが好ましい。予備凍結の条件は特に限定されないが、凍結乾燥を行なう試料がまんべんなく凍結されている必要がある。
間接加熱凍結方法の装置としては、小型凍結乾燥機、FTS凍結乾燥機、LYOVAC凍結乾燥機、実験用凍結乾燥機、研究用凍結乾燥機、三重熱交換真空凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機、HULL凍結乾燥機が挙げられるが、好ましくは小型凍結乾燥機、実験用凍結乾燥機、研究用凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機、より好ましくは小型凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機を用いるのがよい。
凍結乾燥の温度は特に限定されないが、例えば−190〜−4℃、好ましくは−120〜−20℃、より好ましくは−80〜−60℃程度である。凍結乾燥の圧力も特に限定されず、当業者が適宜選択可能であるが、例えば、0.1〜35Pa、好ましくは1〜15Pa、さらに好ましくは、5〜10Pa程度で行なうのがよい。凍結乾燥時間は、例えば2〜48時間、好ましくは6〜36時間、より好ましくは16〜26時間程度である。もっとも、これらの条件は当業者に適宜選択可能である。凍結乾燥方法については、例えば、製剤機械技術ハンドブック:製剤機械技術研究会編、地人書館、p.120−129(2000年9月);真空ハンドブック:日本真空技術株式会社編、オーム社、p.328−331(1992年);凍結及び乾燥研究会会誌:伊藤孝治他、No.15、p.82(1965)などを参照することができる。
以下に、濃縮抽出する方法について説明する。この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に制約されないが、有機粒子分散液の分散溶媒(例えば、水系溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、有機粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集(ミリングまたは高速攪拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能である)を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的の有機粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルターろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。
抽出溶媒としてはエステル系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、芳香族系溶媒または脂肪族系溶媒がより好ましく、エステル系溶媒が特に好ましい。
エステル系溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、抽出溶媒は上記の好ましい溶媒による純溶媒であっても、複数の溶媒による混合溶媒であってもよい。
抽出溶媒の量は有機粒子を抽出できれば特に制約されないが、濃縮して抽出することを考慮して有機粒子分散液より少量であることが好ましい。これを体積比で示すと、有機粒子分散液を100としたとき、添加される抽出溶媒は1〜100の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜90の範囲であり、20〜80の範囲が特に好ましい。多すぎると濃縮化に多大な時間を要し、少なすぎると抽出が不十分で分散溶媒中に粒子が残存する。
抽出溶媒を添加した後、分散液と十分に接触するように攪拌混合することが好ましい。攪拌混合は常用の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
有機粒子分散液の分散溶媒と濃縮抽出液を分離するため、フィルターろ過することが好ましい。フィルターろ過の装置は、例えば、加圧ろ過のような装置を用いることができる。好ましいフィルターとしては、ナノフィルター、ウルトラフィルターなどが挙げられる。フィルターろ過により、残された分散溶媒の除去を行い、濃縮抽出液中の有機粒子をさらに濃縮して濃縮粒子液とすることが好ましい。
以下に遠心分離について説明する。遠心分離による有機粒子の濃縮に用いられる遠心分離機は有機粒子分散液(または有機粒子濃縮抽出液)中の有機粒子を沈降させることができればどのような装置を用いてもよい。遠心分離機としては、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜10000が好ましく、100〜8000がより好ましく、150〜6000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、分散液の溶剤種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
以下に乾燥について説明する。減圧乾燥による有機粒子の濃縮に用いられる装置は有機粒子分散液(または有機粒子濃縮抽出液)の溶媒を蒸発させることができれば特に制限はない。例えば、汎用の真空乾燥器およびロータリーポンプや、液を撹拌しながら加熱減圧乾燥できる装置、液を加熱減圧した管中に通すことによって連続的に乾燥ができる装置等が挙げられる。
加熱減圧乾燥温度は30〜230℃が好ましく、35〜200℃がより好ましく、40〜180℃が特に好ましい。減圧時の圧力は、100〜100000Paが好ましく、300〜90000Paがより好ましく、500〜80000Paが特に好ましい。
本発明の有機粒子分散組成物の製造において、限外ろ過または上述のような濃縮方法との組み合わせにより、有機粒子分散液から効率よく有機粒子を濃縮することができる。濃縮倍率に関しては、例えば、原料となる有機粒子分散液中の粒子の濃度を1とすると、濃縮有機粒子ペーストにおける濃度を好ましくは100〜3000倍程度、より好ましくは500〜2000倍程度まで濃縮することができる。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法によれば、有機粒子分散物から不要なイオンを除去することができる。除去されるイオンは、特に限定されないが、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、塩素(Cl)等の分子量の小さいものを除去することが好ましい。例えばカラーフィルター用途においては分子量が小さく動きやすいイオンが多いと必要な電圧が保持できず障害となる。除去後のイオンのトータル量は有機材料に対して、1質量%以下が好ましく、さらに0.1質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下が特に好ましい。
[有機粒子分散液の再分散]
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法においては、濃縮した有機粒子をカラーフィルター、インクジェットのインク等の用途に合わせて適当な溶媒中に再び微細分散化することが好ましい(本発明において、微細分散化とは、分散液中の粒子の凝集を解き分散度を高めることをいう)。
例えばカラーフィルター用途においてはビヒクルに添加して分散させることができる。前記ビビクルとは、液体状態にあるときに有機粒子を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記有機粒子と作用して固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。
本発明においては、上述の高分子化合物または酸性基を有する高分子化合物を含む有機溶媒中で再分散を行うことが好ましい。このとき、該高分子化合物または酸性基を有する高分子化合物については、有機粒子形成時に用いたもののうち再分散時に残留しているものを利用してもよいが、それに加えて有機粒子形成時に用いたものと同種または別種のものを再分散時に添加することが好ましく、同種のものを追添加することがより好ましい。
再分散化後の有機粒子分散組成物の有機粒子濃度は目的に応じて適宜定められるが、好ましくは分散組成物全量に対して2〜30質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。バインダーおよび溶解希釈成分の量は有機材料の種類などにより適宜定められるが、有機粒子分散組成物全量に対して、バインダーは1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。溶解希釈成分は5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
上述の濃縮抽出した粒子液において、速やかなフィルターろ過を可能とする状態では、有機粒子は、通常、濃縮化により凝集を起こしている。また、遠心分離または乾燥により濃縮化した有機粒子も濃縮化による凝集をおこしている。
このような凝集有機粒子(本発明において、凝集有機粒子とは、凝集体など粒子が二次的な力で集まっているものをいう。)を分散する方法として、例えば超音波による分散方法や物理的なエネルギーを加える方法を用いることができる。
超音波照射装置は10kHz以上の超音波を印加できる機能を有することが好ましく、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射中に液温が上昇すると、粒子の熱凝集が起こるため(顔料分散技術−表面処理と分散剤の使い方および分散性評価−技術情報協会 1999参照)、液温を1〜100℃とすることが好ましく、5〜60℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整層の温度制御などによって行うことができる。
物理的なエネルギーを加えて濃縮した有機粒子を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバー、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。
再分散時に有機粒子形成時に用いる分散剤として本文中に示した化合物を再度用いることも好ましい。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法によれば、再分散後の有機粒子(一次粒子)を微細分散化した粒子とすることができる。特開2004−43776号公報では、再分散後の粒径変化が小さい微細な粒子を得る方法が記載されているが、これを詳細に評価にすると、0.50μmを超える粒子が相当量(例えば0.1%程度)観察され、CCDのカラーフィルター等において性能の低下の原因となりうる。この方法では酸の添加により貧溶媒中で急激に凝集を生じさせる工程を含むが、このために顔料粒子の会合が生じるものと推測される。
一方本願発明の有機粒子分散組成物の製造方法によれば、平均粒径をナノメートルサイズにすることができ、好ましくは1〜200nmとすることができ、2〜100nmがより好ましく、5〜50nmが特に好ましい。また、再分散後の粒子のMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
本発明の有機粒子分散組成物の製造方法によれば、ナノメートルサイズ(例えば、10〜100nm)という微小な粒径にもかかわらず、目的とした粒子サイズで有機粒子を濃縮再分散することができる。このため、インクジェット用のインクとしたとき、光学濃度が高く、画像表面の均一性に優れ、彩度が高く鮮明なインクとすることができる。さらに、カラーフィルターに用いたときには、光学濃度が高く、フィルター表面の均一性に優れ、コントラストが高く、かつ画像のノイズを少なくすることができる。
[着色感光性樹脂組成物]
本発明の着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(a)有機ナノ粒子、(b)バインダー、(c)多官能モノマー(モノマーもしくはオリゴマー)、および(d)光重合開始剤もしくは光重合開始剤系を含む。以下、本発明の着色感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
(a)有機ナノ粒子
有機ナノ粒子を作製する方法については既に詳細に述べた。有機ナノ粒子の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分(本発明において、全固形分とは、有機溶媒を除く組成物合計をいう。)に対し、3〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましい。この量が多すぎると分散液の粘度が上昇し製造適性上問題になることがある。少なすぎると着色力が十分でない。着色剤として機能する有機ナノ粒子(顔料粒子)としては、粒径0.1μm以下、特には粒径0.08μm以下であることが好ましい。また、調色のために通常の顔料と組み合わせて用いてもよい。顔料は上記で記述したものを用いることができる。
(b)バインダー
着色感光性樹脂組成物中のバインダーとしては、先に述べた質量平均分子量1000以上の高分子化合物を好ましく用いることができる。バインダーの含有量は、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して15〜50質量%が一般的であり、20〜45質量%が好ましい。この量が多すぎると組成物の粘度が高くなりすぎ製造適性上問題となる。少なすぎると塗布膜の形成上問題がある。
(c)多官能モノマー
本発明の着色感光性樹脂組成物に含有させる多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合する多官能モノマーであることが好ましい。そのような多官能モノマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。また、特開平10−62986号公報に一般式(1)および(2)に記載のように、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化した化合物も好適なものとして挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらの多官能モノマーは(多官能モノマーとしては、分子量200〜1000のものが好ましい。)、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。この量が多すぎると現像性の制御が困難になり製造適性上問題となる。少なすぎると露光時の硬化力が不足する。
(d)光重合開始剤又は光重合開始剤系
本発明の着色感光性樹脂組成物に含有させる光重合開始剤又は光重合開始剤系(本発明において、光重合開始剤系とは複数の化合物の組み合わせで光重合開始の機能を発現する混合物をいう。)としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」や、オキシム系として、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。この量が多すぎると感度が高くなりすぎ制御が困難になる。少なすぎると露光感度が低くなりすぎる。
(その他の添加剤)
〔溶媒〕
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。これら溶剤のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が本発明における溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
また沸点が180℃〜250℃である溶剤を必要によって使用することができる。これらの高沸点溶剤としては、次のものが例示される。ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、ブチルラクテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−エチルヘキシルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γブチルラクトン、トリプロピレングリコールメチルエチルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート。
溶媒の含有量は、樹脂組成物全量に対して10〜95質量%が好ましい。
〔界面活性剤〕
従来用いられてきたカラーフィルタにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の膜厚のムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の膜厚に直接影響する、感光性樹脂層の形成(塗布)時の、膜厚変動の良化が求められていた。
本発明のカラーフィルタ又は本発明の感光性樹脂転写材料においては、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
〔熱重合防止剤〕
本発明の着色感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。熱重合防止剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して1質量%以下が好ましい。
〔補助的に使用する染料、顔料〕
本発明の着色感光性樹脂組成物には、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、着色剤(染料、顔料)を添加することができる。着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
染料ないし顔料としては、具体的には、前記顔料として、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。補助的に使用する染料もしくは顔料の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
本発明の着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
また、本発明の着色感光性樹脂組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
[着色感光性樹脂組成物の塗布膜]
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた塗布膜における含有成分については、既に[着色感光性樹脂組成物]の項において記載したものと同様である。また、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた塗布膜の厚さは、その用途により適宜定めることができるが、0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。この本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた塗布膜においては、そこに含まれる(c)モノマー又はオリゴマーを重合させて着色感光性樹脂組成物の重合膜とし、それを有するカラーフィルタを作製することができる(カラーフィルタの作製については後述する。)。重合性モノマー又は重合性オリゴマーの重合は、光照射により(d)光重合開始剤又は光重合開始剤系を作用させて行うことができる。
(スリット状ノズル)
尚、上記塗布膜は、着色感光性樹脂組成物を、通常の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
着色感光性樹脂組成物の基板への塗布方法は、1〜3μmの薄膜を均一に高精度に塗布できるという点からスピン塗布が優れており、カラーフィルタの作製に広く一般的に用いることができる。しかし、近年においては、液晶表示装置の大型化および量産化に伴って、製造効率および製造コストをより高めるために、スピン塗布よりも広幅で大面積な基板の塗布に適したスリット塗布がカラーフィルタの作製に採用されるようになってきている。尚、省液性という観点からもスリット塗布はスピン塗布よりも優れており、より少ない塗布液量で均一な塗膜を得ることができる。
スリット塗布は、先端に幅数十ミクロンのスリット(間隙)を有し且つ矩形基板の塗布幅に対応する長さの塗布ヘッドを、基板とのクリアランス(間隙)を数10〜数100ミクロンに保持しながら、基板と塗布ヘッドとに一定の相対速度を持たせて、所定の吐出量でスリットから供給される塗布液を基板に塗布する塗布方式である。このスリット塗布は、(1)スピン塗布に比して液ロスが少ない、(2)塗布液の飛びちりがないため洗浄処理が軽減される、(3)飛び散った液成分の塗布膜への再混入がない、(4)回転の立ち上げ停止時間がないのでタクトタイムが短縮化できる、(5)大型の基板への塗布が容易である、等の利点を有する。これらの利点から、スリット塗布は大型画面液晶表示装置用のカラーフィルタの作製に好適であり、塗布液量の削減にとっても有利な塗布方式として期待されている。
スリット塗布は、スピン塗布よりも遥かに大面積の塗布膜を形成するため、幅の広いスリット出口から塗布液を吐出する際、コーターと被塗布物との間にある程度の相対速度を保つ必要がある。このため、スリット塗布方式に用いる塗布液には良好な流動性が求められる。また、スリット塗布には、塗布ヘッドのスリットから基板に供給される塗布液の諸条件を、塗布幅全般に渡って一定に保持することが特に求められる。塗布液の流動性や粘弾性特性等の液物性が不充分であると、塗布ムラが生じやすく、塗布幅方向に塗布厚を一定に保つのが困難になり、均一な塗布膜を得ることができないという問題が生じてしまう。
これらのことから、ムラがなく均一な塗布膜を得るために塗布液の流動性や粘弾性特性を改良しようとする試みが多くなされている。しかし、上述したようにポリマーの分子量を低下させたり、溶剤への溶解性に優れたポリマーを選択したり、蒸発速度をコントロールするために溶剤を種々選択したり、界面活性剤を利用するなどの手段が提案されているが、いずれも上記の諸問題を改良するには充分ではなかった。
[感光性転写材料]
次に、本発明の感光性転写材料について説明する。
本発明の感光性転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフイルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フイルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フイルムを、この順に積層した構成が挙げられ、本発明の感光性転写材料としては、前述の本発明の着色感光性樹脂組成物を用いることによって感光性樹脂を設けたものである。
(仮支持体)
本発明の感光性転写材料において、仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないものであることが必要である。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
(中間層)
本発明の感光性転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、通常のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
(保護フイルム)
感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
(感光性転写材料の作製方法)
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
本発明の感光性転写材料において、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、仮支持体は15〜100μm、熱可塑性樹脂層は2〜30μm、中間層は0.5〜3.0μm、保護フイルムは4〜40μmが、一般的に好ましい。
尚、上記作製方法における塗布は、通常の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、既に[着色感光性樹脂組成物の塗布膜]の項において説明した、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、コントラストに優れたものとして用いることができる。本発明においてコントラストとは、2枚の偏光板の間において、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量の比を表す(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。
カラーフィルタのコントラストが高いということは液晶と組み合わせたときの明暗のディスクリミネーションが大きくできるということを意味しており、液晶ディスプレイがCRTに置き換わるためには非常に重要な性能である。
本発明のカラーフィルタは、テレビ用として用いる場合は、F10光源による、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)のそれぞれ全ての単色の色度が、下表に記載の値(以下、本発明において「目標色度」という。)との差(ΔE)で5以内の範囲であることが好ましく、更に3以内であることがより好ましく、2以内であることが特に好ましい。
x y Y
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R 0.656 0.336 21.4
G 0.293 0.634 52.1
B 0.146 0.088 6.90
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La表色系の色差で表す。
(感光性樹脂層)
本発明のカラーフィルタは、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などの方法によって製造することができる。尚、必要に応じて、その境界をブラックマトリックスで区分した構造とすることもできる。
上記の製造方法において、基板上に上記感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)上記の各着色感光性樹脂組成物を通常の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)前述の感光性転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
(a)塗布装置による塗布
本発明のカラーフィルタを製造する際、着色感光性樹脂組成物の塗布には、通常の塗布装置を用いることができるが、中でも特に、既に[着色感光性樹脂組成物の塗布膜]の項において説明した、スリットコータを好適に用いることができる。尚、スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。感光性樹脂層を塗布により形成する場合、その膜厚としては、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
(b)ラミネーターによる貼り付け
本発明の感光性転写材料を用い、フイルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に、加熱及び/又は加圧した、ローラー又は平板で、圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。尚、感光性樹脂層を前記本発明の感光性転写材料により形成する場合の、その好ましい膜厚は、[感光性樹脂転写材料]の項において記載した好ましい膜厚と同様である。
(基板)
本発明において、カラーフィルタが形成される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、着色感光性樹脂組成物、又は感光性転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましく、500〜1100μmが特に好ましい。
(酸素遮断膜)
本発明のカラーフィルタは、感光性樹脂層を、着色感光性樹脂組成物の塗布によって形成する場合において、該感光性樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができ、これにより、露光感度をアップすることができる。該酸素遮断膜としては、既に[感光性樹脂転写材料]の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。尚、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが一般的に好ましい。
(露光及び現像)
上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、及び中間層を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を色の数だけ繰り返すことにより、本発明のカラーフィルタを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、通常の現像液を使用することができる。尚、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に通常の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
尚、本発明のカラーフィルタを製造する際、特開平11−248921号公報、特許3255107号公報に記載のように、カラーフィルタを形成する着色感光性樹脂組成物を重ねることで土台を形成し、その上に透明電極を形成し、更に分割配向用の突起を重ねることでスペーサを形成することが、コストダウンの観点で好ましい。
着色感光性樹脂組成物を順次塗布して重ねる場合は、塗布液のレベリングのため重ねるごとに膜厚が薄くなってしまう。このため、K(ブラック)・R・G・Bの4色を重ね、更に分割配向用突起を重ねることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂層を有する転写材料を用いる場合は、厚みが一定に保たれるため、重ねる色は3又は2色とすることが好ましい。
また上記土台のサイズは、転写材料を重ねてラミネートする際の感光性樹脂層の変形を防止し一定の厚みを保持する観点から、25μm以上が好ましく、30μm以上が特に好ましい。
[CCDデバイス]
本発明のCCDデバイスは、本発明の製造方法により得た顔料ナノ粒子を用いて作製したカラーフィルタを備えてなる。以下、本発明のCCDデバイスについて詳しく説明する。
アルカリ可溶性樹脂
CCDデバイスに用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等であり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなども有用である。特にこれらのなかでベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/および他のモノマーとの多元共重合体が好適である。この他に水溶性ポリマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
また、特開平7−140654号に記載の2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。上記アルカリ可溶性樹脂の硬化性組成物中の添加量としては、組成物全質量に対して5〜90質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
重合性モノマー
重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物であることが好ましい。
少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基をもち、沸点が常圧で100℃以上の化合物としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることが出来る。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、下記一般式(B−1)あるいは(B−2)で示される化合物も使用することができる。
Figure 2007013475
{式(B−1)、(B−2)中、Bは、各々独立に、−(CHCHO)−及び−(CHCH(CH)O)−のいずれかを表し;Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基及び水素原子のいずれかを表し、しかも、式(B−1)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、式(B−2)中のそれは3個又は4個であり;nは,各々独立に0〜6の整数を表し、しかも各nの合計は3〜24であり;mは、各々独立に0〜6の整数を表し、しかも各mの合計は2〜16である。}
これらの重合性モノマーは、放射線の照射を得て接着性を有する塗膜を形成し得るならば、任意の割合で使用できる。使用量は組成物の全固形分に対し通常5〜90質量%、好ましくは10〜50質量%である。
着色剤
着色剤としては、従来公知の種々の染料、無機顔料または有機顔料を一種又は二種以上混合して用いることができる。
染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料が使用できる。特に、硬化性組成物は比較的低温での硬化が可能なので、顔料に比較して耐熱性に劣る染料であっても硬化膜に耐久性を付与するためのポスト・ベークの際の高温度下にさらされても分解等の問題を軽減することができる。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物であり、具体的には鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、C. I. Pigment Yellow 11, 24, 31, 53, 83, 85, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 185、C. I. Pigment Orange 36,38, 43, 71、C. I. Pigment Red 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177, 209, 224, 242, 254、C. I. Pigment Violet 19, 23, 32, 39、C. I. Pigment Blue 1, 2, 15, 16, 22, 60, 66, 15:3, 15:6、C. I. Pigment Green 7, 36,37、C. I. Pigment Brown 25, 28、C. I. Pigment Black 1, 7、カーボンブラック等を挙げることができる。
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。具体例を以下に示す。赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料単独または、それらの少なくとも一種とジスアゾ系黄色顔料またはイソインドリン系黄色顔料との混合が用いられる。例えばアントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー83またはC.I.ピグメントイエロー139との混合が良好である。赤色顔料と黄色顔料の質量比は、100:5から100:50が良好である。この範囲において、400nmから500nmの光透過率を抑え、色純度を上げることができ、好ましい。
緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料単独又は、ジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色染料またはイソインドリン系黄色顔料との混合が用いられ、例えばC.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、138、139との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料の質量比は、100:5〜100:100が好ましい。この範囲内において、400nmから450nmの光透過率を抑え、良好な色純度を得ることができる。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料単独又は、ジオキサジン系紫色顔料との混合が用いられ、例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料の質量比は、100:0〜100:50が好ましい。この範囲内において、400nmから420nmの光透過率を抑え、色純度を上げることができる。
更に上記の顔料をアクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー及びエチルセルロース樹脂等に微分散させた粉末状加工顔料を用いることにより分散性及び分散安定性の良好な顔料含有感光樹脂を得ることが出来る。
また、ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、単独又は、混合が用いられカーボンと酸化チタンの場合が好ましい。質量比は、100:5から100:40の範囲が好ましい。この範囲内において長波長の光透過率が小さく、また分散安定性も良好である。
溶剤
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等:エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好ましく用いられる。溶剤の添加量は、組成物中通常60〜90質量%、好ましくは70〜90質量%である。
これら溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
更に増感剤を併用することができる。その具体例として、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物が挙げられる。
上記主要成分、さらに必要に応じて用いられるその他の添加剤を各種の混合機、分散機を使用して混合分散することによって調製することができる。
CCDデバイスに用いられるカラーフィルタの一般的な製造法は次の通りである。本発明の組成物(カラーレジスト液)を基板上に塗布・乾燥する工程、得られた乾燥塗布膜にi線ステッパー等でパターン露光する工程、露光後にアルカリ現像する工程、次に加熱処理する工程を順次行い、各色(3色あるいは4色)に前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を作製することによりカラーフィルタが得られる。
より具体的には、上記の硬化性組成物を、スピンナー等により、適当な基板上に乾燥時の膜厚が一般的に0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2μmになるように塗布し、85℃のオーブンに2分間放置し平滑な塗膜を得る。
基板としては、特に限定されないが、ガラス板、プラスチックス板、アルミ板、撮像素子用シリコンウエハ等の電子部品の基材、さらには透明樹脂板、樹脂フィルム、ブラウン管表示面、撮像感の受光面、CCD、BBD、CID、BASIS等の固体撮像素子が形成されたウエハー、薄膜半導体を用いた密着型イメージセンサー、液晶ディスプレイ面、カラー電子写真用感光体、エレクトロクロミィー(EC)表示装置の基板等が挙げられる。また、基板にカラーフィルタ層との接着性を向上させるために高密着処理を施すことが好ましい。具体的には、基板上に予めシランカップリング剤等で薄く塗布した後に硬化性組成物のパターンを形成するか、あるいは予め硬化性組成物中にシランカップリング剤を含有させてもよい。
尚、基板上に段差がある場合は、その段差を解消し塗設面を平滑にするための平坦化膜を基板上に塗設した後、本発明の硬化性組成物を塗布することができる。例えば、CCDなどのイメージセンサーはシリコン基板上に受光量に応じて電子を発生させる光電子変換部(フォトダイオード)とその発生した電子を出力する為の読み出しゲート部とで構成されているが、読み出しゲート部に光が当たるとノイズの原因となり正確なデータが出力されないため、読み出しゲート部の上部には遮光膜層が形成されており、遮光膜層を持たないフォトダイオード部との間で段差が生じている場合がある。このような段差上にカラーレジストを塗布し、直接カラーフィルタを形成すると光路長が長くなるため画像が暗く、また集光性も劣るようになる。これを改善する為、その段差を埋める目的で透明な平坦化膜をCCDとカラーフィルタとの間に形成することが好ましい。この平坦化膜の材料としては、本発明におけるような光硬化性レジスト液、アクリル系、エポキシ系等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
光硬化性組成物を塗布した後、溶媒を蒸発させ乾燥塗布膜を得るため通常プリベークを行う。このプリベークの方法としては、減圧乾燥、高温の空気などによる間接加熱乾燥、ホットプレート等による直接加熱乾燥(約80〜140℃、50〜200秒)等がある。また、現像後に得られたパターンを、十分硬化させて機械強度を高め永久膜とするためにポストベークが行われる。例えば、3色のカラーフィルタの製造に際しては、最初に形成されたパターンは、その後、他色のレジスト液の塗布、露光、現像を2度受ける。この際に、塗布されたレジスト液との混色、露光、現像によるパターンの欠落が生じないようにポストベークを行うものである。このポストベークはプリベーク同様の方法が用いられるが、プリベークの条件よりも、高温、長時間で行われる。例えば、オーブンによる間接加熱の場合、約180〜250℃、約0.5〜2時間、ホットプレートによる直接加熱の場合、約180〜250℃、約2〜10分間行われる。
露光のための光源は特に限定されないが、パターン形成性に関して顕著な効果がもたらされる光源として水銀灯のi線を挙げることができる。本発明の特徴は工程の適正の面から水銀灯の線スペクトルの一つであるi線が使用されるイメージセンサー用カラーフィルタの製造において、特にその特徴が顕著となるが、LCD用においても使用できることは勿論である。
硬化性組成物の現像に使用する現像液は特に制限はなく、従来公知の現像液を使用することができる。中でも、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド(TMAH)などの4級アンモニウム塩類の有機アルカリ系の現像液が本発明の目的を達成する上で好ましい。
重合開始剤
重合開始剤としては、通常の光重合開始剤を用いることができる。具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
光重合開始剤(前記の通常の光重合開始剤を含む)の染料含有ネガ型硬化性組成物中における含有量は、ラジカル重合性モノマーの固形分(質量)に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該含有量が上記範囲にあると、充分な重合硬化が行なえ、重合が進み難くなったり、重合率は大きくなるが分子量が低くなって膜強度が弱くなったりすることもない。
また、上記の光重合開始剤には増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物等、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、コントラストに優れる本発明のカラーフィルタを用い、黒のしまり等の描写力に優れる。なかでも、本発明のカラーフィルタはVA方式であることが好ましい。ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等としても好適に用いることができる。また、本発明のカラーフィルタはCCDデバイスに用いることができ、優れた性能を発揮する。
本発明の別の好ましい実施態様としては、以下の例が挙げられる。
(A)酸性基をもつ高分子化合物存在下において、良溶媒に溶解した有機材料の溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料を有機粒子として生成させ、これを濃縮するにあたり、前記有機粒子を含む分散液を限外ろ過によって濃縮することを特徴とする有機粒子分散組成物の製造方法。
(B)前記有機粒子の数平均粒径が1μm以下であることを特徴とする(A)に記載の有機粒子分散組成物の製造方法。
(C)前記限外ろ過の後さらに凍結乾燥を行うことを特徴とする(A)または(B)に記載の有機粒子分散組成物の製造方法。
(D)前記有機材料が、有機顔料であることを特徴とする(A)〜(C)のいずれか1項に記載の有機粒子分散組成物の製造方法。
(E)酸性基を有する高分子化合物を含む有機溶媒中で再分散化することを特徴とする(A)〜(D)のいずれか1項に記載の有機粒子分散組成物の製造方法。
以下に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
顔料(ピグメントレッド254)0.6gを、1−メチル−2−ピロリドンと1mol/L-水酸化ナトリウム水溶液を6:1で混合した溶液に、15mmol/Lとなるよう溶解した顔料溶液を調製した。また、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 0.75g(モル比28/72、質量平均分子量:3万、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液)、顔料分散剤A 0.3g、分散剤ポリビニルピロリドン 0.6g(和光純薬(株)製、K30、分子量40,000)を上記の溶液に溶解させた。これとは別に、貧溶媒として水を準備した。
ここで、25℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速50ml/minで220ml注入することにより、有機顔料粒子分散液を調製した。
調製した有機粒子分散液を、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定し、粒径、単分散度を評価したところ、数平均粒径32nm、Mv/Mn1.35であった。調製した有機顔料粒子分散液(顔料粒子濃度約0.05質量%)を日東電工の限外ろ過機C10−T/RUM−2を用いることにより脱塩、濃縮を行った。条件は、送液流量1L/min、送液圧0.2MPa、限外ろ過フィルターの分画分子量50万で行った。その結果、400mlの有機顔料粒子分散液(顔料粒子濃度約1.5質量%)を得た。これに500mlの2−(1−メトキシ)プロピルアセテートを加えて25℃で10分間、500rpmで攪拌した後1時間静置し、有機顔料粒子を2−(1−メトキシ)プロピルアセテート相に抽出し、濃縮抽出液とした。
有機顔料粒子を抽出した濃縮抽出液を、住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルタを用いて、ろ過することにより、ぺースト状の濃縮顔料液(顔料粒子濃度35質量%)を得た。このとき、ナトリウム(Na)イオン濃度は対顔料で0.01質量%であった。
前記ペーストを使い、下記組成の顔料分散組成物を調製した。
前記ペースト 21.3g
顔料分散剤A 0.6g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 15.8g
1−メトキシ-2-プロピルアセテート 42.3g
*モル比28/72、質量平均分子量:3万、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液
Figure 2007013475
上記組成の顔料組成物をモーターミルM-50(アイガー社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで分散した。
このようにして作製した顔料組成物を、顔料分散組成物Aとして日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定し、粒径、単分散度を評価した。
(実施例2)
顔料分散組成物Aにおいて、ペーストを用いて顔料分散組成物Aを調製する際に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体をメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/スチレン共重合体 15.8g(モル比27:60:13、質量平均分子量:2万8千、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液)とした以外は、顔料分散組成物Aと同様にして顔料分散組成物Bを作製した。
(実施例3)
顔料分散組成物Aにおいて、ペーストを用いて顔料分散組成物Aを調製する際に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体をポリアクリル酸 15.8g(質量平均分子量:3万3千、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液)とした以外は、顔料分散組成物Aと同様にして顔料分散組成物Cを作製した。
(実施例4)
顔料分散組成物Bにおいて、有機顔料粒子分散液調製時に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を用いなかった以外は、顔料分散組成物Bと同様にして顔料分散組成物Dを作製した。
(実施例5)
顔料分散組成物Bにおいて、有機顔料粒子分散液調製時に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を用いず、0.75gのメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を顔料分散組成物調製時に追加した以外は、顔料分散組成物Bと同様にして顔料分散組成物Eを作製した。
(比較例1)
実施例1と同様にして有機顔料粒子分散液を調液した。
ついでこの水性分散液に10%塩酸を滴下してpHを4.0に調製し、顔料粒子を凝集させた。その後、この凝集物を住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルターを用いて減圧濾過し、500mlのメタノールで5回洗いして、脱塩および脱水されたぺースト状の濃縮顔料液(顔料粒子濃度30質量%)を得た。このとき、ナトリウム(Na)イオン濃度は対顔料で0.02質量%であった。
このペーストを用いて実施例1と同様に顔料分散物を調製し,顔料分散組成物Fを作製した。
得られた顔料分散組成物A〜Fを、それぞれガラス基板上に厚みが2μmになるように塗布し、サンプルを作製した。このサンプルを光学顕微鏡により観察し、1mmにおける直径が0.5μm以上の粒子の個数(粗大粒子数)を評価し、粒子サイズ及び粒子サイズ分布Mv/Mnとともに表1に示す。
Figure 2007013475
上記の結果より、塩を除去する目的で限外ろ過を行った後再分散した粒子サイズ分布は、本発明の酸性基をもつ高分子化合物存在下で有機粒子を調製した場合(顔料分散組成物A〜E)はほとんど変化しなかった。有機粒子を調製時に酸性基をもつ高分子化合物が存在する場合(顔料分散組成物A〜C)は特に、粒子サイズおよび粒子サイズ分布の変化が小さく好ましい。一方、濃縮時に酸による凝集を行った場合は(顔料分散組成物F)粒子サイズはほとんど本発明と同じであったが粗大粒子数が多く実用上問題であることが分かった。
(実施例6)
顔料(ピグメントレッド254)0.6gを、1−メチル−2−ピロリドンと1mol/L-水酸化ナトリウム水溶液を6:1で混合した溶液に、15mmol/Lとなるよう溶解した顔料溶液を調製した。また、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 0.75g(モル比28/72、質量平均分子量:3万、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液)、顔料分散剤A 0.3g、分散剤ポリビニルピロリドン 0.6g(和光純薬(株)製、K30、分子量40,000)を上記の溶液に溶解させた。これとは別に、貧溶媒として水を準備した。
ここで、25℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液を、日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速50ml/minで220ml注入することにより、有機顔料粒子分散液を調製した。
調製した有機粒子分散液を、日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定し、粒径、単分散度を評価したところ、数平均粒径32nm、Mv/Mn1.35であった。調製した有機顔料粒子分散液(顔料粒子濃度約0.05質量%)を限外ろ過機を用いることにより、濃縮顔料液(顔料粒子濃度10質量%)を得た。このとき、ナトリウム(Na)イオン濃度は0.02質量%であった。
さらに、アドバンテック東洋株式会社社製VF35を用い、−35℃で凍結させた後、6×10torrで16時間、凍結乾燥を行い、顆粒状の顔料にした。
前記顆粒状の顔料を使い、下記組成の顔料分散組成物を調製した。
前記顔料 6.3g
顔料分散剤A 0.6g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 15.8g
1−メトキシ-2-プロピルアセテート 42.3g
*モル比28/72、質量平均分子量:3万、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液
上記組成の顔料組成物をモーターミルM-50(アイガー社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで分散した。
このようにして作製した顔料組成物を、顔料分散組成物A1として日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定し、粒径、単分散度を評価した。
(実施例7)
顔料分散組成物A1において、ペーストを用いて顔料分散組成物A1を調製する際に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体をメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル/スチレン共重合体 15.8g(モル比27:60:13、質量平均分子量:2万8千、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液)とした以外は、顔料分散組成物A1と同様にして顔料分散組成物B1を作製した。
(実施例8)
顔料分散組成物A1において、ペーストを用いて顔料分散組成物A1を調製する際に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体をポリアクリル酸 15.8g(質量平均分子量:3万3千、40%1-メトキシ-2-プロピルアセテート溶液)とした以外は、顔料分散組成物A1と同様にして顔料分散組成物C1を作製した。
(実施例9)
顔料分散組成物B1において、有機顔料粒子分散液調製時にもちいたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を用いなかった以外は、顔料分散組成物A1と同様にして顔料分散組成物D1を作製した。
(実施例10)
顔料分散組成物B1において、有機顔料粒子分散液調製時に用いたメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を用いず、0.75gのメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を顔料分散組成物調製時に追加した以外は、顔料分散組成物A1と同様にして顔料分散組成物E1を作製した。
顔料分散組成物A1〜E1の粒子サイズ分布Mv/Mnを表2に示す。
Figure 2007013475
上記の結果より、塩を除去する目的で限外ろ過を行いさらに凍結乾燥を行った後に再分散した粒子サイズ分布は、本発明の酸性基をもつ高分子化合物存在下で有機粒子を調製した場合(顔料分散組成物A1〜C1)はほとんど変化しなかった。有機粒子を調製時に酸性基をもつ高分子化合物が存在しない場合(顔料分散組成物D1)、あるいは有機粒子を調製時に酸性基をもつ高分子化合物が存在せず、かつ顔料分散組成物調製時にその分の酸性基をもつ高分子化合物追加した場合(顔料分散組成物E1)において粒子サイズ分布Mv/Mnの変化は若干見られたものの、実用上は殆ど問題の無いレベルであるといえる。
なお、用いた試薬の詳細は下記のとおりである。
試薬 製造元
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ピグメントレッド254(イルガフォアレッド) チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ社製
1−メチル−2−ピロリドン 和光純薬社製
2−(1−メトキシ)プロピルアセテート 和光純薬社製
1mol/l 水酸化ナトリウム水溶液 和光純薬社製
1mol/l 塩酸水溶液 和光純薬社製
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(実施例11)
ジオキサジン構造を有する有機顔料(C.I.Pigment Violet 23、大日精化(株)社製、商品名 バイオレットRE)1gを図7の構成を有する装置の試料管107に仕込んだ。超臨界流体とする溶媒1として準備したアセトンを試料管107に供給して、顔料溶解流体としてミキサー111に供給した。これとは別に1質量%のポリビニルピロリドン(和光純薬社製、商品名 ポリビニルピロリドンK−30、質量平均分子量40,000)を含有する水を析出溶媒2として準備し、ミキサー111に供給した。ミキサーで上記顔料溶解流体と析出溶媒とを混合することによって顔料ナノ粒子分散液115を調製し収集した。
このとき、アセトンと析出溶媒との質量比が1:1となるようにして供給した。顔料溶解用アセトンの温度(試料管107内の温度)を245℃とし、圧力は15MPaとなるようにした。析出溶媒と混合した後の温度は90℃であった(ミキサー111の出口温度)。
調製した顔料粒子分散液を実施例1同様に評価したところ顔料粒子濃度約0.05質量%であった。調製した顔料粒子を実施例1同様に観察したところ、数平均粒径は約36nm、Mv/Mnは1.40であった。
調製した有機顔料粒子分散液から実施例1と同様の方法により、ペースト状の濃縮顔料分散液(顔料粒子濃度33質量%)を得た。このペーストを用いて、下記組成の顔料分散組成物を調製した。このときナトリウム(Na)イオン濃度は対顔料で0.01質量%であった。
ペースト 22.6g
顔料分散剤A 0.8g
質量平均分子量13,000の高分子化合物 18.0g
(例示化合物C−1)
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 41.0g
上記組成の顔料分散組成物から実施例1と同様にモーターミルを用いて顔料分散組成物Gを作製した。
(実施例12)
実施例11において一般式(1)で表される高分子化合物C−1に代えてメタクリル酸・メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比28/72、質量平均分子量30000、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)を用いた他は、顔料分散組成物Gと同様に顔料分散組成物Hを作製した。
(比較例2)
実施例11と同様にして有機顔料粒子分散液を調製した。
ついでこの水性分散液を比較例1と同様の方法で凝集および洗浄、濾過を行い、脱塩および脱水されたペースト状の濃縮顔料液(顔料粒子濃度31質量%)を得た。このときナトリウム(Na)イオン濃度は対顔料で0.03質量%であった。
このペーストを用いて実施例11と同様に顔料分散物を調製し、顔料分散組成物Iを作製した。
実施例1他と同様に測定した、顔料分散組成物G〜Iの粒子サイズ、粒子サイズ分布および粗大粒子数、さらにコントラストを表3に示す。
(コントラストの測定方法)
得られた顔料分散組成物G〜Iを、それぞれガラス基板上に厚みが2μmになるように塗布し、サンプルを作製した。バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板((株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518)の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。
Figure 2007013475
上記のように、超臨界流体を用いて粒子を形成し、限外濾過を行った本発明の組成物では粒子サイズ、サイズ分布とも粒子形成時からの変化が小さく好ましい。また限外濾過を行った後、一般式(1)の化合物の存在下で再分散した本発明の顔料分散組成物は特に高いコントラスト値を示し、更に好ましい結果となっているが、比較例では粒子形成時からの変化が大きく、特に粗大粒子が多くなっておりコントラスト値も低く、実用上本発明のものに大きく劣ることは明らかである。
(実施例13)
〔感光性転写材料の作製〕
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表4に記載の組成よりなる遮光性を有する樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの遮光性を有する樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と遮光性を有する樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を感光性樹脂転写材料K1とした。
*熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1
・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.4質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 3.6質量部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]
プロパン(新中村化学工業(株)社製) 9.1質量部
・界面活性剤1 0.54質量部
*界面活性剤1(メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製))の組成は、
・C13CHCHOCOCH=CH:40質量部と
H(OCH(CH)CHOCOCH=CH:55質量部と
H(OCHCHOCOCH=CH:5質量部との
共重合体(分子量3万) 30質量部
・メチルエチルケトン 70質量部
*中間層(酸素遮断層)用塗布液処方:P1
・ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32.2質量部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ社製)
・ポリビニルピロリドン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.9質量部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・429質量部
・蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・524質量部
Figure 2007013475
ここで、上記表4に記載の遮光性を有する樹脂組成物K1の調製について説明する。
遮光性を有する樹脂組成物K1は、まず表4に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表4に記載の量のシクロヘキサノン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌することによって得られた。
尚、表4に記載の組成物の内、
*K顔料分散物1の組成は、
・カーボンブラック
(デグッサ社製、商品名Special Black250) 13.1質量部
・前記顔料分散剤A 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
*バインダー1の組成は、
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量4万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
*DPHA液の組成は、
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、
日本化薬(株)社製、商品名:KAYARAD DPHA) 76質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24質量部
尚、界面活性剤1は、前記熱可塑性樹脂層用塗布液H1に用いた界面活性剤1と同様である。
〔遮光性を有する隔壁の形成〕
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記感光性樹脂転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ社製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量100mJ/cmでパターン露光した。マスク形状は格子状で、画素と遮光性を有する隔壁との境界線に該当する部分における、遮光性を有する隔壁側に凸な角の曲率半径は0.6μmとした。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン性界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム株式会社製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断層)を除去した。
引き続き炭酸ナトリウム系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し遮光性を有する樹脂層を現像しパターニング離画壁(遮光性を有する隔壁パターン)を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン性界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム株式会社製)」)を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、遮光性を有する隔壁を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cmの光でポスト露光後、240℃、50分熱処理した。
〔プラズマ撥水化処理〕
その後、下記方法によりプラズマ撥水化処理を行った。
遮光性を有する隔壁を形成した前記基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス :CF4 ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー :50W
処理時間 :30sec
〔カラーフィルタ用インクジェットインクの調製〕
特開2002−201387号公報の実施例1を参考に以下の処方でインクを調製した。
Figure 2007013475
上記表5の各成分の混合については、先ず、顔料及び高分子分散剤を溶剤の一部に投入、混合し、3本ロールとビーズミルを用いて攪拌して顔料分散液を得た。一方、他の配合成分を溶剤の残部に投入、攪拌して溶解分散し、バインダー溶液を得た。そして、顔料分散液を少量ずつバインダー溶液中に添加しながらディソルバーで十分に攪拌し、カラーフィルタ用インクジェットインクを調製した。
ピグメントバイオレット23に代えて、ピグメントレッド254、ピグメントグリーン36、又はピグメントブルー15:6を用いた以外実施例11と同様にして、顔料分散組成物J、KおよびL、をそれぞれ作製した。
調製した顔料分散組成物J、K、Lを用いて表5に示す組成で調製し、R1、G1、B1〜3インクを作製した。
[カラーフィルタ及び液晶表示装置の作製]
〔画素形成〕
上記で得られたRインク1、Gインク1、Bインク1をピエゾ方式のヘッドを用いて、まず以下のようにして遮光性隔壁に囲まれた凹部にインクを打滴した。そして下記のようにして、本発明のカラーフィルタ1を得た。
ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、基板上にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。
ヘッドおよびインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部分近辺が50±0.5℃となるように制御されている。
ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42plの吐出が可能であって、本実施例ではヘッドの下1mmの位置でガラス基板が搬送されながらヘッドより打滴される。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。またピエゾ駆動周波数は最大4.6KHzまでが可能であって、これらの設定により打滴量を制御することができる。
R、G、Bそれぞれ、顔料の塗設量が、1.1、1.8、0.75g/mになるように、搬送速度、駆動周波数を制御し、所望するR、G、Bに対応する凹部にR、G、Bのインクを打滴した。
打滴されたインクは、露光部に搬送され、紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光される。UV−LEDは日亜化学社製NCCU033を用いた。本LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、表面で0.3W/cmのパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、および露光時間はメディアの搬送速度およびヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。着弾後、100度で10分間乾燥させ、その後露光した。
距離および搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cmの間で調整することができる。搬送速度により露光エネルギーを調整した。
これら露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40Dを用い、波長220nmから400nmの間を積分した値を用いた。
打滴後のガラス基板を230℃オーブン中で30分ベークすることで、遮光性隔壁、各画素共に完全に硬化させた。
(ITO電極の形成)
カラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmでプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクス
マテリアルズ(株)社製FH−2413F) : 53.3質量部
・メチルエチルケトン : 46.7質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)社製):0.04質量部
(液晶表示装置の作成)
上記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた遮光性を有する隔壁の外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、本発明の液晶表示装置1とした。
カラーフィルタ1のB1インクをB2〜3インクに変える以外は全く同様にして、カラーフィルタ2〜3をそれぞれ作製した。次いで、カラーフィルタ1に代え、カラーフィルタ2〜3をそれぞれ用いてMVA方式の液晶表示装置2〜3を作製した。
各液晶表示装置の表示性能の評価を行った結果、液晶表示装置3(比較例)に対して本発明のカラーフィルタを有する液晶表示装置1〜2は黒のしまりと青の描写力に優れることを確認した。
[IPSモード、PVAモードの液晶表示装置の作製]
上記のカラーフィルタ1〜3を用いて以下の方式の、液晶表示装置を作製した。
・PVAモード用液晶表示装置の作製
カラーフィルタ1〜3について、それぞれ、R画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1に従い、前記で形成したITO膜上のブラックマトリクス上部に相当する部分にスペーサを形成した。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー(株)社製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー(株)社製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー(株)社製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
これらの表示装置を用いて表示性能の評価を行ったところ、比較例の液晶表示装置3に対して、本発明の液晶表示装置1〜2は優れた表示性能を発揮した。
・IPSモード用液晶表示装置の作製
カラーフィルタ1〜3について、それぞれ、R画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1に従い、前記で形成したITO膜上のブラックマトリクス上部に相当する部分にスペーサを形成した。
上記で得られたスペーサ付カラーフィルタ基板に、ポリイミドを塗布し、ラビング処理し、配向膜を形成した。
更に、前記より得られたカラーフィルタ基板に対して、駆動側基板及び液晶材料を組合せることによって液晶表示素子を作製した。即ち、駆動側基板として、TFTとくし型の画素電極(導電層)とが配列形成されたIPS用TFT基板を準備し、該TFT基板の画素電極等が設けられた側の表面と、前記より得た、カラーフィルタ基板の着色画素層が形成された側の表面とが対向するように配置し、前記で形成したスペーサによる間隙を有して固定した。この間隙に液晶材料を封入し、画像表示を担う液晶層を設けた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
これらの表示装置を用いて表示性能の評価を行ったところ、PVAモードのときよりも程度は小さくなるものの、比較例の液晶表示装置3に対して、本発明の液晶表示装置1〜2は優れた表示性能を発揮した。
(実施例14)
[1]CCDデバイスの作製
以下のような処方で顔料分散液(1)〜(3)を作製した。
顔料分散液(1)・・・緑色G
・C.I.P.G.36 90質量部
・C.I.P.G.7 25質量部
・C.I.P.Y.139 40質量部
・PLAAD ED151 20質量部
(楠本化成(株)社製)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 25質量部
(共重合モル比70:30、質量平均分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 625質量部
顔料分散液(2)・・・青色B
・C.I.P.B.15:6 125質量部
・顔料分散組成物G 90質量部
・PLAAD ED211(楠本化成(株)製) 45質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 25質量部
(共重合モル比70:30、質量平均分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 730質量部
顔料分散液(3)・・・赤色R
・C.I.P.R.254 80質量部
・C.I.P.Y.139 20質量部
・PLAAD ED472 45質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 25質量部
(共重合モル比70:30、質量平均分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 720質量部
(着色樹脂組成物の調製)
上記から得られた各色の顔料分散液の各々200質量部当たりにつき、下記組成物をそれぞれ攪拌機にて均一に混合し、各色用のカラーフィルター用着色樹脂組成物を調製した。
<組成>
・ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体 35質量部
(共重合モル比=70/30、質量平均分子量3万)
・ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレート 38質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 120質量部
・エチル−3−エトキシプロピオネート 40質量部
・ハロメチルトリアジン系開始剤 4質量部
(光重合開始剤 製品名 TAZ107 みどり化学(株)製)
(カラーフィルタおよびCCDデバイスの作製)
下記組成物を攪拌機で混合し、平坦化膜用レジスト液を調製した。
〔組成〕
・ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体 165質量部
(共重合モル比=70/30、質量平均分子量3万)
・ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレート 65質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 138質量部
・エチル−3−エトキシプロピオネート 123質量部
・ハロメチルトリアジン系開始剤 3質量部
(光重合開始剤 製品名 TAZ107 みどり化学(株)社製)
得られた平坦化用レジスト液を、フォトダイオードを形成した6インチシリコンウエハ上にスピンコートで均一に塗布した。尚、スピンコートは、塗布後に塗布膜の表面温度を100℃×120秒の条件でホットプレートを用いて加熱処理した際に膜厚が約1.5μmになるように塗布回転数を調節した。
その後220℃で1時間オーブン中に置いて、塗布膜を硬化させ、シリコンウエハ上に形成されたフォトダイオード表面を一様に覆うように平坦化膜を形成した。
次いで、各色についてG、R、Bの順に、平坦化膜上に上述のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を、上記平坦化膜用レジスト液調整処方に対し100質量部を塗布、乾燥(プリベーク)、パターン露光、アルカリ現像、リンス、硬化乾燥(ポストベーク)を行って着色樹脂被膜を形成し、フォトダイオード付シリコンウエハ上にカラーフィルタを作製した。
尚、パターン露光は2μmマスクパターンを介して、i線ステッパー(商品名:FPA−3000i5+、キャノン(株)社製)を用いて500mJ/cmで行った。
また、アルカリ現像には、有機アルカリ性現像液(商品名:CD−2000、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製)の40質量%水溶液を用いて、室温にて60秒間パドル現像を行った後、20秒スピンシャワーにて純水でリンスを行い、更に純水で水洗を行った。その後、水滴を高温のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させてパターンを得た後、ホットプレート上で表面温度200℃・5分間の条件でポストベーク処理を施した。以上のようにして本発明のCCDデバイスを作製した。
上記CCDデバイスに対して、顔料分散液(2)について、顔料分散組成物Gを顔料分散組成物H〜Iに代えた以外同様にして、CCDデバイスを作製した。
得られた各CCDデバイスをデジタルカメラに搭載し、同一光源下でKodak社製グレースケール付きカラ−チャートを撮影した画像をモニター上で観察した。その結果、本発明の製造方法で得た顔料ナノ粒子を用いて作製したCCDデバイスは、なめらかで均一性の高い再現画像が得られ、優れた撮像特性を発揮した。一方、比較例の顔料分散組成物を用いたものは、ややざらつき感があり色ムラがみられた。
産業上の利用の可能性
本発明の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法は、有機粒子作製時、貧溶媒に対する良溶媒の量を増やした際や、製造スケールを上げた際にも、粒子サイズの増加、単分散性の悪化を実質的に生じることなく濃縮脱塩することができ、また濃縮により凝集させた有機粒子を容易に再分散することができ、高効率な有機粒子の作製が可能である。
本発明の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法で製造された濃縮有機粒子ペーストおよびそこから得られる有機粒子は、好適なインクジェットインクもしくはその原料微粒子、またはカラーフィルター塗布液もしくはその原料微粒子として好適に利用可能である。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。

Claims (18)

  1. 良溶媒に溶解した有機材料の溶液と、該溶媒と相溶する前記有機材料の貧溶媒とを混合し、該有機材料をナノサイズの有機粒子として生成させ、これを濃縮するにあたり、前記有機粒子を含む分散液を限外ろ過によって濃縮することを特徴とする有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  2. 前記有機材料溶液が、有機顔料を超臨界流体もしくは亜臨界流体に溶解した顔料含有流体であることを特徴とする、請求項1に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  3. 酸性基を持つ高分子化合物を含有する事を特徴とする請求項1又は2に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  4. 酸性基を持つ高分子化合物の存在下、前記有機材料液と貧溶媒の混合を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  5. 前記有機粒子の数平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  6. 前記限外ろ過の後さらに凍結乾燥を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  7. 前記有機材料が、有機顔料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  8. 酸性基を有する高分子化合物を含む有機溶媒中で再分散化することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  9. 一般式(1)で表される高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
    Figure 2007013475
    〔式中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合あるいは2価の連結基を表す。Aは、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。ただし、n個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8の数を表し、nは2〜9の数を表し、m+nは3〜10を満たす。Pは高分子骨格を表す。〕
  10. 前記一般式(1)で表される高分子化合物を有機ナノ粒子の形成時、抽出または濃縮時、濃縮後の凝集有機粒子の分散時、これらの工程が終了したのちのいずれかの工程において含有させることを特徴とする請求項9に記載の有機ナノ粒子分散組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造された有機ナノ粒子分散組成物よりカラーフィルタ用インクジェットインクを調製することを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインクの製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造された有機ナノ粒子分散組成物中の有機粒子と、バインダーと、多官能モノマーと、光重合開始剤または光重合開始剤系とを少なくとも含むことを特徴とする着色感光性樹脂組成物。
  13. 仮支持体上に、少なくとも、請求項12に記載の着色感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を設けたことを特徴とする感光性転写材料。
  14. 請求項12記載の着色感光性樹脂組成物または請求項13記載の感光性転写材料を用いて作製したことを特徴とするカラーフィルタ。
  15. 基板上に遮光性を有する隔壁を形成し、該隔壁により区切られた複数の凹部を設け、インクジェット方式によりR(赤)インク、G(緑)インク、およびB(青)インクのそれぞれを前記凹部に吹き付けて堆積させ、各凹部に各色の着色樹脂層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、前記Rインク、Gインク、およびBインクの少なくとも1種に請求項11に記載の製造方法で得られるインクジェットインクを用いることを特徴とするカラーフィルタ。
  16. 請求項14または請求項15に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  17. 前記液晶表示装置が、VA方式であることを特徴とする請求項16に記載の液晶表示装置。
  18. 請求項14または請求項15に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とするCCDデバイス。
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