JP5583379B2 - 顔料分散物及びそれを用いたインク組成物 - Google Patents
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詳細には、顔料誘導体骨格として有機色素残基、又は複素環残基を有する分散助剤を含有する顔料分散物(例えば、特許文献7〜特許文献9参照、)、顔料誘導体としてフタロシアニン骨格を有する分散助剤を含有する顔料分散物(例えば、特許文献10参照)、顔料誘導体としてキナクリドン骨格を有する分散助剤を含有する顔料分散物(例えば、特許文献11参照)、顔料誘導体としてベンズイミダゾロン骨格を有する分散助剤を含有する顔料分散物(例えば、特許文献12参照)等が提案されている。
また、本発明の他の目的は、顔料が微細に分散され、かつ、長期間保存或いは繰り返し温度変化を経た後であっても顔料の分散安定性に優れ、特に高い顔料濃度における分散安定性に優れたインク組成物、特に、インクジェット記録用として用いた場合においても、吐出安定性に優れたインク組成物を提供することにある。
さらに、該顔料分散物を用いることにより、長期の保存、或いは、繰り返し温度変化を経た後であっても、分散安定性の低下が効果的に抑制され、鮮明な色調と高い着色力を有し、高画質の画像を形成することが可能なインク組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
<1>(a)顔料と、(b)下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体と、(c)下記一般式(1)で表される顔料誘導体と、を含む顔料分散物。
[一般式(2)中、R 1 は、水素原子又はメチル基を表す。Wは、−CO−、−COO−、−CONR 2 −、−OCO−、又はフェニレン基を表し、R 2 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。Xは、単結合又は2価の連結基を表す。Bは、下記のいずれか1つの水素結合性基を表す。]
[一般式(6)中、X 61 は、−SO 2 −、−CO−、−CH 2 NHCOCH 2 −、−CH 2 −、又は単結合を表す。n6は、1〜10の整数を表す。R a6 及びR b6 は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又は複素環を表す。この複素環は、R a6 とR b6 とが、窒素、酸素、又は硫黄原子を含んで結合してなる置換されていてもよい複素環を表す。]
[一般式(7)中、R a7 及びR b7 は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又は複素環を表す。この複素環とは、R a7 とR b7 とが、窒素、酸素、又は硫黄原子を含んで結合してなる置換されていてもよい複素環を表す。]
[一般式(8)中、X 81 は、−SO 2 −、−CO−、−CH 2 NHCOCH 2 −、−CH 2 −、又は単結合を表す。R a8 は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R b7 、R c7 、R d7 、及びR e7 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。]
[一般式(9)中、X 91 は、−SO 2 −、−CO−、−CH 2 NHCOCH 2 −、−CH 2 −、又は単結合を表す。Y 9 は、−NR a9 −Z 9 −NR b9 −、または単結合を表す。R a9 及びR b9 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。Z 9 は、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、又は置換されていてもよいフェニレン基を表す。P 9 は、下記一般式(9a)で示される置換基、又は下記一般式(9b)で示される置換基を表す。Q 9 は、水酸基、アルコキシル基、前記一般式(7)で示される置換基、又は前記一般式(8)で示される置換基を表す。]
[一般式(9a)中、n9は、1〜10の整数を表す。R c9 及びR d9 は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又は複素環を表す。この複素環は、一般式(9a)中、R c9 とR d9 とが、窒素、酸素、又は硫黄原子を含んで結合してなる置換されていてもよい複素環を表す。]
[一般式(9b)中、R e9 は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R f9 、R g9 、R h9 、及びR i9 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。]
[一般式(10)中、M 10 は、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子、又はアルミニウム原子を表す。一般式(10)中、lは、M 10 の価数を表す。]
[一般式(11)中、R a11 、R b11 、R c11 、及びR d11 は、水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す(但し、全てが水素原子である場合は除く)。]
[一般式(12)中、A 12 は、水素原子、ハロゲン原子、−NO 2 、−NH 2 、又はSO 3 Hを表す。k12は、1〜4の整数を表す。]
<3>前記(b)一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体が、前記一般式(2)で表される繰り返し単位、及び末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーに由来する繰り返し単位を含むグラフト共重合体である<1>または<2>に記載の顔料分散物。
<4>前記(b)一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体が、前記一般式(2)で表される繰り返し単位と、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーに由来する繰り返し単位とからなる共重合体、又は、前記一般式(2)で表される繰り返し単位と、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーに由来する繰り返し単位と、窒素原子を有するモノマーに由来する繰り返し単位とからなる共重合体である、<1>から<3>の何れか1つに記載の顔料分散物。
<7> <1>から<6>のいずれか1つに記載の顔料分散物を含むインク組成物。
<8> さらに(d)重合性化合物を含む<7>に記載のインク組成物。
<9> さらに、(e)光重合開始剤を含む<7>または<8>に記載のインク組成物。
<10>インクジェット用である<7>から<9>の何れか1つに記載のインク組成物。
また、本発明によれば、顔料が微細に分散され、かつ、長期間保存或いは繰り返し温度変化を経た後であっても顔料の分散安定性、特に高い顔料濃度における分散安定性に優れたインク組成物、特に、インクジェット記録用として用いた場合においても、吐出安定性に優れ、高画質の画像を形成することが可能なインク組成物を提供することができる。
本発明の顔料分散物は、少なくとも、(a)顔料と、(b)2以上の水素結合を形成しうる水素結合性基を有する重合体(以下、特定重合体と称する場合がある)と、(c)下記一般式(1)で表される顔料誘導体(以下、特定顔料誘導体と称する場合がある)と、を含むことを特徴とする。また、本発明の顔料分散物は、さらに、(d)重合性化合物を含有することで、インク組成物に好適に使用しうる。
本発明の顔料分散物は、(a)顔料を必須成分として含む。本発明の顔料分散物においては、この(a)顔料に、後述する(b)特定重合体と、後述する(c)特定顔料誘導体と、を併用することによって、これらの作用により、粒径が小さい顔料粒子であっても、顔料分散物中に顔料が均一且つ安定に分散される。
例えば、色相からは、イエロー顔料、マゼンタ顔料、青、シアン顔料、緑色顔料、オレンジ顔料、茶色顔料、バイオレット顔料、黒色顔料、白色顔料、などが挙げられる。
また、前記有機顔料の有する色素骨格からは、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、など一般的に挙げられる。
緑色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)、C.I.ピグメントグリーン10等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
黒色を呈する顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、C.I.ピグメントブラック1(アニリンブラック)等の如きインダジン顔料、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32の如きペリレン顔料等が挙げられる。
本発明の特定重合体は、2以上の水素結合を形成しうる水素結合性基を有する重合体である。
また、詳細は後述するが、この(b)特定重合体と共に、後述する(c)特定顔料誘導体を併用することで、(a)顔料の分散安定性の効果が一層著しくなると考えられる。
さらに、一般式(I−1)に示す部分構造を有する水素結合性基は、下記反応式(I―1’)の如き、水素結合を形成する。また、一般式(I−2)に示す部分構造を有する水素結合性基と、一般式(I−3)に示す部分構造を有する水素結合性基とは、下記反応式(I―2’)の如き、水素結合を形成する。
なお、アクセプター部位とドナー部位とを有する一般式(I−1)で表される部分構造を有する水素結合性基どうしによって形成される水素結合の方が、一般式(I−2)に示されるアクセプター部位のみを有する水素結合性基と、一般式(I―3)に示されるドナー部位のみを有する水素結合性基と、によって形成される水素結合に比べて、互い違いに噛合う特徴的な水素結合が形成され、より強固な結合となることから好ましい。
同様に、下記一般式(III−1)及び一般式(III−2)は、前記水素結合を3つ形成しうる水素結合性基の部分構造を表し、反応式(III−1’)は、一般式(III−1)で表される部分構造を有する水素結合性基と、一般式(III−2)で表される部分構造を有する水素結合性基と、が3つの水素結合を形成した例である。
同様に、下記一般式(IV−1)及び一般式(IV−2)は、前記水素結合を3つ形成しうる水素結合性基の部分構造を表し、反応式(IV−1’)は、一般式(IV−1)で表される部分構造を有する水素結合性基と、一般式(IV−2)で表される部分構造を有する水素結合性基と、が3つの水素結合を形成した例である。
R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。R2としては、水素原子、メチル基、又は、エチル基が好ましい。
Xで表される2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基、アラルキレン基等が挙げられ、これらは置換基を有してもよい。
Xが2価の連結基を表す場合の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基が挙げられ、さらに、これらの基を2以上組み合わせた連結基も挙げられる。
ここで、連結基Xに導入可能な置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、又はヒドロキシル基、又はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル基、又はアミノ基、又はニトロ基、又はハロゲン基、又はチオエーテル基、又はトリアルキルシリル基、アルコキシシリル基等の含シリル元素官能基などが挙げられ、これらの中でもアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基が好ましい。
前記Xがアラルキレン基を表わす場合のアラルキレン基としては、炭素数7〜13のアラルキレン基が好ましく、具体的には、例えば、ベンジリデン基、シンナミリデン基等が挙げられる。
前記Xがアリーレン基を表わす場合のアリーレン基としては、炭素数6〜12のアリーレン基が好ましく、具体的には、例えば、フェニレン基、クメニレン基、メシチレン基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられ、なかでもフェニレン基は特に好ましい。
ここで、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、水素原子、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等が好適に挙げられる。
前記Xで表される連結基の中でも、単結合、炭素数1〜8個のアルキレン基、−COO−、−O−、−NHCOO−、−OCONH−、若しくは−NHCONH−が結合基として介在した炭素数1〜8個のアルキレン基、又は2−ヒドロキシプロピレン基が好ましく、単結合、炭素数1〜8個のアルキレン基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基が特に好ましい。
なお、このような末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーは、所定
の分子量を有する化合物であることからマクロモノマーとも呼ばれる。
前記エチレン性不飽和二重結合を有する重合可能な官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基などが好適に挙げられ、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)の分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)で、1000〜10000が好ましく、2000〜9000がより好ましい。
Uは、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するフェニル基、又は−COORa(但し、Raは、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜10のアリールアルキル基を表す。)を表し、フェニル基、又は−COORa(但し、Raは、炭素数1〜12のアルキル基を表す。)であることが好ましい。nは、20〜200の整数である。
このような重合性オリゴマーの市販品としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)などが挙げられる。
R10は、炭素数1〜8のアルキレン基を表し、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。
X3は、−OR11、又はOCOR12を表す。R11、及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜18のアルキル基が好ましい)、又はアリール基(炭素数1〜18のアルキル基で置換されたフェニル基が好ましい)を表す。
oは、2〜200の整数を表し、5〜100の整数が好ましく、10〜100の整数がより好ましい。
前記窒素原子を有するモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1、1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−i−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート(以上(メタ)アクリレート類);
2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド及び6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド(以上アミノアルキル(メタ)アクリルアミド類);
p−ビニルベンジル−N,N−ジメチルアミン、p−ビニルベンジル−N,N−ジエチルアミン、p−ビニルベンジル−N,N−ジヘキシルアミン(以上ビニルベンジルアミン類);2− ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾールを挙げることができる。これらのうち、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、などが好適に挙げられる。
前記他のモノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸(例、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及びフマル酸)、芳香族ビニル化合物(例、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾールなど)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル(例、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど)、カルボン酸ビニルエステル(例、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、脂肪族共役ジエン(例、1、3−ブタジエン及びイソプレン)などが挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル、カルボン酸ビニルエステルなどが好ましい。
前記(b)特定重合体において、全繰返し単位に占める、前記一般式(2)で表されるモノマーに由来する繰返し単位の比率としては、5〜70質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)に由来する繰返し単位の比率としては、30〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、前記窒素含有基を有するモノマーに由来する繰返し単位の比率としては、5〜80質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
前記(b)特定重合体が更に、これらと共重合可能な前記他のモノマーを構成成分として含む場合、全繰返し単位に占める、該他のモノマーに由来する繰返し単位の比率としては、5〜30質量%が好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定することができ、ポリスチレン換算重量平均分子量として算出される。
2)前記例示化合物M−6/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
3)前記例示化合物M−10/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
4)前記例示化合物M−14/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
5)前記例示化合物M−16/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
6)前記例示化合物M−20/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
7)前記例示化合物M−23/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
8)前記例示化合物M−10/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体、
9)前記例示化合物M−16/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体、
10)前記例示化合物M−5/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
11)前記例示化合物M−6/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
12)前記例示化合物M−10/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体、
13)前記例示化合物M−12/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
14)前記例示化合物M−13/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
15)前記例示化合物M−14/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
16)前記例示化合物M−16/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体、
17)前記例示化合物M−10/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
18)前記例示化合物M−10/末端メタクリロイル化ポリカプロラクトン共重合体、
19)前記例示化合物M−10/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体、
20)前記例示化合物M−10/2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
21)前記例示化合物M−14/2−ビニルピリジン/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
22)前記例示化合物M−14/p−ビニルベンジル−N,N−ジメチルアミン/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
23)前記例示化合物M−12/2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリn−ブチルメタクリレート共重合体、
24)前記例示化合物M−12/スチレン/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
25)前記例示化合物M−12/N,N−ジメチルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
26)前記例示化合物M−20/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
27)前記例示化合物M−23/2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
28)前記例示化合物M−14/4−ビニルピリジン/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
29)前記例示化合物M−24/2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
30)前記例示化合物M−24/2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、
31)前記例示化合物M−1/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体
32)前記例示化合物M−2/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体、などが好適に挙げられる。
において、前記(b)特定重合体に加えて、公知の顔料分散剤を併用することができる。この場合の公知の顔料分散剤の前記粒子分散物又はインク組成物における含有量としては、前記特定重合体の添加量に対し、50質量%以下であるのが好ましい。
本発明の顔料分散物は、顔料誘導体として、(c)特定顔料誘導体を必須成分として含む。
本発明においては、この(c)特定顔料誘導体は、(b)特定重合体の分散助剤として機能する。その作用機構は明確ではないが、(c)顔料誘導体は、(a)顔料、及び顔料分散剤に対する吸着性が良好である部分構造を有している。このため、(a)顔料と、(b)特定重合体との親和性を大きくすることができる。また、(b)特定重合体は、水素結合性基を有することから、顔料分散物中において、(a)顔料及び(c)特定顔料誘導体と会合体を形成し、(a)顔料及び(c)特定顔料誘導体と水素結合を介して効果的に相互作用できるので、(b)特定重合体が(a)顔料の表面に更に高濃度に存在することができると考えられる。
このため、この(b)特定重合体と、(c)特定顔料誘導体と、を併用することで、(b)特定重合体が(a)顔料の表面に更に高濃度に存在することとなり、(a)顔料の分散安定性の効果が一層著しくなると考えられる。
Z9は、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、又は置換されていてもよいフェニレン基を表す。これらのアルキレン基及びアルケニレン基の炭素数は1〜8が好ましい。
一般式(9)中、P9は、下記一般式(9a)で示される置換基、又は下記一般式(9b)で示される置換基を表す。一般式(9)中、Q9は、水酸基、アルコキシル基、前記一般式(7)で示される置換基、又は前記一般式(8)で示される置換基を表す。
なお、Pで表されるアントラキノン残基とは、アントラキノンの分子中の水素原子が少なくとも1つ引き抜かれた、一般式(1)中のAに結合可能な構造の基をいう。また、一般式(1)中、Pで表されるアクリドン残基とは、アクリドンの分子中の水素原子が少なくとも1つ引き抜かれた、一般式(1)中のAに結合可能な構造の基をいう。また、一般式(1)中、Pで表されるトリアジン残基とは、トリアジンの分子中の水素原子が少なくとも1つ引き抜かれた、一般式(1)中のAに結合可能な構造の基をいう。
本発明の顔料分散物又はインク組成物における(c)特定顔料誘導体の含有量としては、(a)顔料の添加量に対し、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
前記(c)特定顔料誘導体の含有量が、上記範囲内であると、(a)顔料の分散性が十分となり、また、(a)顔料同士、(c)顔料誘導体同士、又は(a)顔料と(c)顔料誘導体間での相互作用が抑制され、粘度上昇が抑制される。
本発明の顔料分散物において、顔料などの諸成分を分散させる際に使用する分散媒としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、低分子量の重合性化合物を該分散媒としてもよいし、溶媒を分散媒としてもよい。
分散媒として溶剤を用いる場合、該溶剤としては、公知のアルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが好ましく用いられる。具体的には、アルキレンオキシドモノアルキルエーテル、アルキレンオキシドモノアルキルエーテルアセテート、アルキレングリコールジアセテート、ジカルボン酸ジエアルキルエステル、(メタ)アクリレート類、ジビニルエーテル類などが好ましい。
ただし、本発明の顔料分散物を後述する放射線硬化性のインク組成物等の着色硬化性組成物に適用する場合には、例えば、インクを組成物は、被記録媒体上に適用後、硬化させるため、前記非硬化性溶媒を含まないことが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、画像の耐溶剤性が劣化する懸念が生じるためである。このため、インク組成物においては、分散媒として、後述する(d)重合性化合物を用い、その中でも、最も粘度が低い重合性化合物を選択して分散媒として用いることが、分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の点で好ましい。
本発明の顔料分散物をインク組成物に適用する場合は、揮発性溶媒を含まないことが好ましいのは上述の通りであるが、沸点が180℃以上の高沸点溶剤であれば、少量を添加してもよい。
本発明のインク組成物は、前述した本発明の顔料分散物、即ち、(b)特定重合体、(c)特定顔料誘導体、及び(a)顔料を含む顔料分散物を含有することを特徴とする。
このようなインク組成物においては、(a)顔料が色材として機能するものであり、また、粒径の微細な顔料が、(b)特定重合体及び(c)特定顔料誘導体の機能によりインク組成物中に、均一、且つ、安定に分散される。その結果、本発明のインク組成物は、発色性に優れ、鮮明な色調を有すると共に、高い着色力を有し、高画質の画像を得ることが可能となる。
中でも、微細顔料の分散性及び分散安定性に優れることから、硬化型インクに適用することが好ましく、特に、硬化型インクの中でもインクジェット用途に適用することが好ましい。
即ち、顔料が有機顔料である場合には、インク組成物中の有機顔料の含有量は、固形分換算で、1質量%〜20質量%が好ましく、2質量〜15質量%がより好ましい。
また、顔料が無機顔料である場合には、インク組成物中の無機顔料の含有量は、固形分換算で、1質量%〜30質量%が好ましく、2質量%〜25質量%がより好ましい。
本発明のインク組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、その照射によりインク組成物中で硬化反応の開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などが挙げられる。本発明においては、これらの中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。
以下、本発明におけるインク組成物を硬化型インクに適用した場合の構成成分について説明する。
本発明のインク組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、何らかのエネルギー付与により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、所望により添加される(e)重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、ラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知の重合性のモノマーが好ましい。
本発明において用いうるカチオン重合性化合物は、後述する、放射線の照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、特定重合性化合物に含まれない他のオキセタン化合物などが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。また、芳香族エポキシドとしてはスチレン類を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、スチレンオキサイド類も使用することができる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
本発明の重合性組成物に用いることのできるエポキシドの種類、具体的化合物、好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0037〕〜〔0040〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
上記エポキシ化合物に加えて多官能エポキシ化合物の例として、エポリードGT−300(商品名、3官能、ダイセル化学工業(株)社製)、エポリードGT―400(商品名、4官能、ダイセル化学工業(株)社製)、エポリードPB―3600(商品名、ダイセル化学工業(株)社製)等も好ましく挙げられる。
本発明の重合性組成物に用いることのできるビニルエーテルの種類、具体的化合物、及び好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0042〕〜〔0044〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
このなかでも、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
(d)重合性化合物として使用可能な光ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類などが挙げられる。 なお、本明細書において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
単官能(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグルコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
また、(d)重合性化合物としては、単官能化合物であってもよいし、多官能化合物であってもよい。
本発明のインク組成物において、(d)重合性化合物の含有量としては、硬化性の観点から、インク組成物全質量に対し、50質量%〜95質量%が好ましく、60質量%〜92質量%がより好ましく、70質量%〜90質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、硬化感度向上の観点から、(e)重合開始剤を加えることができる。
重合開始剤としては、(d)重合性化合物に応じて、選択されればよく、ラジカル重合又はカチオン重合の重合開始剤であるのが好ましく、(d−1)光重合開始剤が特に好ましい。
前記光重合開始剤としては、照射される活性光線、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、イオンビームなどに感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
本発明の硬化性組成物においては、先に述べたように、紫外線照射が好適なことから、紫外線に感応性を有する重合開始剤を選択することが好ましい。
本発明において、好ましいラジカル開始剤としては、( a ) 芳香族ケトン類、( b ) オニウム塩化合物、( c ) 有機過酸化物、( d ) チオ化合物、( e ) ヘキサアリールビイミダゾール化合物、( f ) ケトオキシムエステル化合物、( g ) ボレート化合物、( h ) アジニウム化合物、( i ) メタロセン化合物、( j ) 活性エステル化合物、( k ) 炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アシルホスフィン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(l)の化合物を単独もしくは組み合わせて使用してもよい。本発明におけるラジカル重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
上述した重合開始剤の(a)〜(l)の化合物例としては、例えば、特開2006−085049号公報の明細書の段落番号[0135]〜[0207]に記載された重合開始剤を挙げることができる。好適に用いることのできる重合開始剤としては、( a ) 芳香族ケトン類( f ) ケトオキシムエステル化合物、(l)アシルホスフィン化合物からなる群より選択されるものが挙げられる。
本発明のインク組成物中の(e)光重合開始剤の含有量としては、インク組成物全質量に対し、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましく、1質量%〜7質量%が更に好ましい。
本発明のインク組成物は、(a)顔料、(b)特定重合体、(c)特定顔料誘導体、(d)重合性化合物および(e)重合開始剤の他、目的に応じて、適宜選択したその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、例えば、増感色素、共増感剤、安定剤、樹脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、吐出安定剤、密着性向上剤、レベリング添加剤、マット剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物には、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加してもよい。増感色素としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものが好ましい。
さらに、本発明のインク組成物の硬化感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてよい。
共増感剤としては、アミン類、例えば、M. R. Sanderら著「Wournal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号に記載の化合物等が挙げられ、より具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、経時安定性の向上を目的として安定化剤を含有していても良い。安定化剤としては、カチオン重合性化合物を含有する場合にはアミン化合物等の塩基性化合物、ラジカル重合性化合物を含有する場合にはフェノール化合物、ニトロキシド化合物、ヒドロキノン化合物、金属含有化合物等が挙げられる。特に、カチオン重合性化合物を含有する場合には、経時安定性の向上に加え、吐出不良の原因となるヘッド内およびノズルプレート上などでの硬化の抑制を目的として塩基性化合物を添加してもよい。用いることのできる塩基性化合物の例としては、特開2003−341217号に記載の化合物などが挙げられる。また特開2008−189776号に記載のヒンダードアミン化合物は、高感度を維持しながら安定性を向上させることができるため、特に好ましく用いることができる。
本発明のインク組成物は、記録した画像の膜物性を調整する目的で、(b)特定重合体とは異なる樹脂を含有していてもよい。
この樹脂としては、例えば、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、本発明においては、樹脂に代えて公知のワックス類を使用してもよい。
することができる。以下に、本発明のインク組成物に用いうる添加剤を挙げる。
本発明のインク組成物は、インク組成物の液物性を調整する目的で、界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン性界面活性剤などが挙げられ、また、有機フルオロ化合物なども挙げられる。
本発明のインク組成物は、記録画像の耐候性向上、退色防止の観点からは、紫外線吸収剤を含有していることが好ましく、また、インク組成物の安定性向上の観点からは、酸化防止剤を含有しているのが好ましく、また、記録画像の退色防止の観点からは、退色防止剤(例えば、各種の有機系及び金属錯体系化合物)を含有しているのが好ましく、また、インクジェット記録用途の場合には吐出安定性の観点から、吐出安定剤(例えば、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類)を含有しているのが好ましく、また、被記録媒体との密着性を向上させる観点からは、密着性向上剤(例えば、極微量の有機溶剤や重合を阻害しないタッキファイヤー)を含有していてもよく、更に必要に応じて、レベリング添加剤、マット剤などを含有していてもよい。
本発明のインク組成物の好ましい態様の一つは、インクジェット用インク組成物である。本発明のインクジェット用インク組成物は、活性エネルギー線硬化型のインク組成物として調製することができ、この場合、インク組成物を被記録媒体上に適用後、放射線を照射して硬化させるため、溶剤を含まないか、或いは、含んでも極少量であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性の劣化、ブロッキング性の低下、硬化不良、残留する溶剤によるインク画像の経時的な物性の変化が懸念されるためである。このような観点から、分散媒として、重合性化合物を用い、なかでも、粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上及びインクジェット吐出適性の観点から好ましい。前記顔料分散物を適用してなるインク組成物は、活性放射線により高感度で硬化するとともに、顔料の分散安定性の低下に起因する増粘や着色性の低下の懸念がないため、後述するように、粘度安定性を要求されるインクジェット記録方法に適用されるインクジェット用インクに好適に使用される。
−粘度−
本発明のインク組成物の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性を考慮すると、吐出時の温度において、2mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
また、本発明のインク組成物の室温(25℃)における粘度としては、10mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましい。
前記室温(25℃)における粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、該被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更に、インク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として高画質が得られる点で有利である。
一方、前記室温(25℃)における粘度が、200mPa・sを超えると、インク組成物のデリバリーに問題が生じることがある。
なお、前記粘度は、例えば、円錐平板型回転粘度計(E型粘度計)を用いて測定することができる。
本発明のインク組成物の表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、20〜30mN/mが好ましく、23〜28mN/mがより好ましい。
また、本発明のインク組成物を、ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙等の各種被記録媒体に記録する場合には、滲み及び浸透の点で20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点で30mN/m以下が好ましい。
なお、表面張力は、例えば、Xilhelmy法の表面張力計やDu Nouyの表面張力計を用いて測定することができる。
本発明のインク組成物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の各成分を混合することにより製造することができる。なお、混合は、公知の混合器等を使用して公知の方法に従って行うことができる。
本発明のインク組成物は、各種の画像記録のためのインクとして好適に使用することができ、硬化型インクである場合にはインクジェット用途に特に好適である。
この場合、本発明のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、印字されたインク組成物に活性放射線を照射することにより、これを硬化して画像記録が行われる。
本発明のインク組成物をインクジェット方式に適用することで、非吸収性の被記録媒体上にも高品質の画像をデジタルデータに基づき直接形成し得ることから、本発明のインク組成物は大面積の印刷物の作製にも好適に使用される。
例えば、本発明のインク組成物は、通常の印刷に使用して、発色性に優れた鮮鋭な画像を形成しうるため、高品位な印刷物が得られるのみならず、レジスト、カラーフィルター、光ディスクの製造にも好適に使用することができ、光造形材料としても有用である。
ここで、本発明の前記インク組成物を用いたインクジェット記録について説明する。
インクジェット記録の方法、条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明の前記インク組成物を40〜80℃に加熱して、該インク組成物の粘度を30mPa・s以下に調整した後、インクノズルヘッドから吐出することが、吐出安定性に優れる点で好ましい。
一般に、本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物では、概して一般の水性インクよりも高粘度であるため、画像記録時(印字時)の温度変動による粘度変動幅が大きい。そして、このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に対して大きな影響を与えるため、画質劣化を引き起こす原因となる。このため、画像記録時(印字時)のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。インク組成物の温度の制御幅としては、設定温度±5℃が好ましく、設定温度±2℃がより好ましく、設定温度±1℃が特に好ましい。
本発明のインク組成物をインクジェット記録に用いる場合、本発明のインク組成物を一定温度に加温するとともに、インク組成物の吐出から活性放射線の照射までの時間を短時間とすることが好ましい。
インク組成物の吐出から活性放射線の照射までの時間(以下、「照射前時間」と称することがある)としては、例えば、0.01〜0.5秒間が好ましく、0.01〜0.3秒間がより好ましく、0.01〜0.15秒間が特に好ましい。
照射前時間を上述の範囲内に制御することにより、吐出されたインク組成物が硬化前に滲むことを効果的に防止することができ、また、多孔質の被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に活性放射線の照射を行うことができ、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として、臭気を低減することができる、などの点で有利である。
なお、カラー画像を得るためには、本発明のインク組成物の明度の低い色のものから順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで活性放射線が到達し難く、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加、臭気の発生、密着性の劣化などが生じ易くなることがある。また、活性放射線の照射は、全色のインクを総て吐出した後で、一括して行ってもよいが、硬化促進の観点からは、1色毎に行われるのが好ましい。
本発明のインク組成物は、画像記録がされた後、活性放射線の照射を受けて硬化するが、この場合の活性放射線の照射条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
活性放射線の照射方法としては、例えば、特開昭60−132767号公報に記載されており、具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。また、国際公開99/54415号パンフレットには、活性放射線の照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が記載されている。本発明においては、これらの照射方法を採用することができる。
活性放射線の照射量としては、紫外線の場合は10〜10000mW/cm2の範囲が使用できる。この範囲であれば光硬化性が良好である。
本発明のインク組成物が吐出されて画像が記録される被記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料、或いは、その各種非吸収性樹脂材料をフィルム状に成形した樹脂フィルム、などが挙げられる。なお、前記樹脂フィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ABSフィルム、ポリアセタールフィルム、PVAフィルム、ゴム類フィルム、などが挙げられる。また、前記被記録媒体として、金属類、ガラス類なども使用可能である。
本発明のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、好ましくは、印字されたインク組成物に活性エネルギーを照射又は加熱して硬化することで、印刷物を得ることができる。本発明のインク組成物により作製された印刷物は、画像形成に用いられるインクが微細な顔料粒子を均一、且つ、安定に分散して含むため、発色性と鮮鋭度に優れた高品質な画像を有し、画像の耐候性にも優れることから、広汎な分野に適用しうる。
――モノマーの合成――
−モノマー(M−1)の合成−
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール26.2gのテトラヒドロフラン100mL溶液を0℃に冷却し、二炭酸ジ−t−ブチル115.3gのテトラヒドロフラン200mL溶液を1時間かけて滴下し、その後、室温で20時間攪拌した。得られた反応混合物に水150gを加え、酢酸エチル200mLで2度抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾別し、減圧下で溶媒を留去した。
得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−300HG、(株)和光純薬工業製、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製することにより、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールの窒素上Boc保護体を油状物として61.2g得た。
得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲル(R)C−300HG、(株)和光純薬工業製、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)により精製することにより、目的のモノマー(M−1)の窒素上Boc保護体を油状物として67.4g得た。
2−(2−N,Nジメチルアミノエチル−Nメチルアミノ)エタノール27.2gとトリエチルアミン22.3gとのアセトニトリル1500mL溶液に、室温にて、メタクリル酸クロリド21.0gとアセトニトリル200mLとの混合溶液を、内温が40℃を超えないように滴下し、その後、室温で8時間攪拌した。得られた反応混合物を濾別後、酢酸エチル300mLで洗浄し、濾液から溶媒を減圧下で留去することにより、前記モノマー(M−2)25.0gを合成した。
水素化ナトリウム15gをDMF200mLに加えて攪拌し、ここへウラシル22.4gを数回に分けて添加した。30分間室温で攪拌し、クロロメチルスチレン38.2gを滴下した。滴下終了後、反応液を50℃に昇温し、6時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製し、前記モノマー(M−6)を合成した。
塩化シアヌル368.0gと炭酸水素ナトリウム336gをアセトン1500mLに加え、氷冷下にてアニリン372.0gを内温が20℃を超えないように滴下した。滴下終了後、室温で30分攪拌し、続いて内温を50℃に昇温し4時間攪拌した。この反応液を水3Lにあけ、冷却しながら攪拌した。得られた析出物を濾別し、水洗した。白色固体594.0gを得た。
得られた白色固体125gをトルエン3Lに加え、室温にて3−アミノプロパノール34.6g及び水酸化ナトリウム18.4gを水0.6Lに溶解した溶液を順次添加し、100℃で8時間加熱攪拌した。水層を廃棄し、有機層を水及び食塩水で洗浄した後、トルエンを留去した。得られた残渣に酢酸エチル4Lを加えて溶解し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート62g及びスタノクト0.5gを加えて60℃で10時間加熱攪拌した。反応液を水及び食塩水で洗浄した後、酢酸エチルを留去した。前記モノマー(M−16)は油状物として182g合成された。
−特定重合体1<上記31)として例示したグラフト共重合体:M−1で表されるモノマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体>の合成−
メチルエチルケトン10gを窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して78℃まで昇温した。別に調製した、下記のモノマー溶液と開始剤溶液とをそれぞれ2時間かけて同時に滴下した。滴下後、さらにV−65(和光純薬(株)製)を0.04g添加し、78℃にて3時間加熱攪拌を行った。得られた反応液をヘキサン1500gに攪拌しながら注ぎ、生じた沈殿を加熱乾燥させることにより、特定重合体1<上記31)として例示したグラフト共重合体:M−1で表されるモノマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体>を合成した。
<モノマー溶液>
前記M−1(50wt%メチルエチルケトン溶液)・・・・4.0g
末端にメタクリロイル基を有するポリメチルメタクリレート(数平均分子量6000、東亜合成化学(株)製AA−6)・・・・・・・・14.0g
3−(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)・2.0g
メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20g
<開始剤溶液>
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65
sw・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.04g
メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g
上記特定重合体1の合成例において、前記モノマー(M−1)を前記モノマー(M−2)に変更した以外は、上記特定重合体1の合成例と同様にして、特定重合体2<上記32)として例示したグラフト共重合体:M−2で表されるモノマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体>を合成した。
上記特定重合体1の合成例において、前記モノマー(M−1)を前記モノマー(M−6)に変更した以外は、上記特定重合体1の合成例と同様にして、特定重合体3<上記2)として例示したグラフト共重合体:M−6で表されるモノマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体>を合成した。
上記特定重合体1の合成例において、前記モノマー(M−1)を前記モノマー(M−16)に変更した以外は、上記特定重合体1の合成例と同様にして、特定重合体4<上記5)として例示したグラフト共重合体:M−16で表されるモノマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体>を合成した。
メチルエチルケトン10gを窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して78℃まで昇温した。別に調製した、下記のモノマー溶液と開始剤溶液をそれぞれ2時間かけて同時に滴下した。滴下後、さらにV−65を0.04g添加し、78℃にて3時間加熱攪拌を行った。得られた反応液をヘキサン1500gに攪拌しながら注ぎ、生じた沈殿を加熱乾燥させることで特定重合体5<上記16)として例示したグラフト共重合体:M−16で表されるモノマー/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート共重合体を合成した。
<モノマー溶液>
前記M−16(50wt%メチルエチルケトン溶液)・・・・2.0g
末端にメタクリロイル基を有するポリメチルメタクリレート(数平均分子量6000、東亜合成化学(株)製AA−6)・・・・・・・・18.0g
メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20g
<開始剤溶液>
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.04g
メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g
無水DMSO(500mL)にNaOH26.4g(0.66mol)を加え、室温でカルバゾール85.3g(0.51mol)を加えた。30分攪拌した後、クロロメチルスチレン 85.5g(0.56mol)を1時間かけて滴下し、その後60℃で12時間攪拌した。メタノール/水=1/1 200mLを加え、ろ過することにより、スチレンモノマー 101.0g(0.36mol、収率71%)の粗生成物を得た。
前記特定重合体1の合成例において、前記モノマー(M−1)を下記スチレンモノマー(S−1)に変更した以外は、前記特定共重合体1の合成例と同様にして、比較特定重合体1として、例示したグラフト共重合体:上記スチレンモノマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体]を合成した。
―特定顔料誘導体1―
特定顔料誘導体1として、前記一般式(1)中のAが塩基性置換基である下記化合物(Q−1)を用意した。
特定顔料誘導体2として、前記一般式(1)中のAが酸性置換基である下記化合物(Q−2)を用意した。
特定顔料誘導体3として、前記一般式(1)中のAが中性置換基である下記化合物(Q−3)を用意した。
特定顔料誘導体4として、前記一般式(1)中のAが塩基性置換基である下記化合物(Q−4)を用意した。
(比較例1)
合成した特定重合体1、4.0gを、重合性化合物:プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGPODA:サートマー(株)製)76gへ溶解させ、キナクリドン顔料(PR122)20gと共に、モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで2時間分散を行い、比較顔料分散物2−1を得た。
比較例1において、特定重合体1を、特定重合体2に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の比較顔料分散物2−2を得た。
比較例1において、特定重合体1を、特定重合体3に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例3の顔料分散物2−3を得た。
比較例1において、特定重合体1を、特定重合体4に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例4の顔比較料分散物2−4を得た。
比較例1において、特定重合体1を、特定重合体5に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例5の比較顔料分散物2−5を得た。
比較例1において、特定重合体1を、比較特定重合体1に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例6の顔料分散物2−6を得た。
合成した特定重合体1 4.0g、前記特定顔料誘導体1 0.6gを、重合性化合物:プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGPODA:サートマー(株)製)75.4gへ溶解させ、キナクリドン顔料(PR122)20gと共に、モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで2時間分散を行い、顔料分散物1−1を得た。
実施例1において、特定重合体1を、特定重合体2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の顔料分散物1−2を得た。
実施例1において、特定重合体1を、特定重合体3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の顔料分散物1−3を得た。
実施例1において、特定重合体1を、特定重合体4に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の顔料分散物1−4を得た。
実施例1において、特定重合体1を、特定重合体5に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の顔料分散物1−5を得た。
実施例1において、特定顔料誘導体1を、特定顔料誘導体2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の顔料分散物1−6を得た。
実施例1において、特定顔料誘導体1を、特定顔料誘導体3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の顔料分散物1−7を得た。
実施例1において、特定重合体1を、比較特定重合体1に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の比較顔料分散物2−7を得た。
合成した特定重合体1、6.0gを、重合性化合物:プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGPODA:サートマー(株)製)64gへ溶解させ、キナクリドン顔料(PR122)30gと共に、モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで2時間分散を行い、比較顔料分散物2−8を得た。
比較例8において使用した特定重合体1を、それぞれ特定重合体2、3、4、5、及び比較特定重合体1に変更した以外は、比較例8と同様にして、比較例9〜比較例13の比較顔料分散物2−9〜比較顔料分散物2−13の各々を調製した。
合成した特定重合体1 6.0g、前記特定顔料誘導体1 1.5gを、重合性化合物:プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGPODA:サートマー(株)製)62.5gへ溶解させ、キナクリドン顔料(PR122)30gと共に、モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで2時間分散を行い、顔料分散物1−8を得た。
実施例8において使用した特定重合体1を、それぞれ特定重合体2、3、4、5、に変更した以外は、実施例8と同様にして、実施例9〜実施例12の顔料分散物1−9〜顔料分散物1−12の各々を調製した。
実施例8において、特定顔料誘導体1を、それぞれ特定顔料誘導体2、特定顔料誘導体3に変更した以外は、実施例8と同様にして、実施例13の顔料分散物1−13、実施例14の顔料分散物1−14を得た。
実施例8において、特定重合体1を、比較特定重合体1に変更した以外は、実施例8と同様にして、比較例14の顔料分散物2−14を得た。
比較例1、比較例4、及び比較例6において使用した「キナクリドン顔料(PR122)」を「縮合アゾ顔料(PY128)」に変更した以外は、各々比較例1、比較例4、及び比較例6と同様にして、比較例15〜比較例17の比較顔料分散物2−15〜比較顔料分散物2−17の各々を調製した。
実施例1、4、及び比較例7において使用した「キナクリドン顔料(PR122)」を「縮合アゾ顔料(PY128)」に、特定顔料誘導体1を特定顔料誘導体4に変更した以外は、各々実施例1、4、及び比較例7の各々と同様にして、実施例15の顔料分散物1−15、実施例16の顔料分散物1−16、及び比較例18の顔料分散物2−18を調製した。
比較例8、比較例11、及び比較例13において使用した「キナクリドン顔料(PR122)」を「縮合アゾ顔料(PY128)」に変更した以外は、各々比較例8、比較例11、及び比較例13と同様にして、比較例19〜比較例21の比較顔料分散物2−19〜比較顔料分散物2−21の各々を調製した。
実施例8、11、及び比較例14において使用した「キナクリドン顔料(PR122)」を「縮合アゾ顔料(PY128)」に、特定顔料誘導体1を特定顔料誘導体4に変更した以外は、各々実施例8、11、及び比較例14と同様にして、実施例17の顔料分散物1−17、実施例18の顔料分散物1−18、及び比較例22の顔料分散物2−22を調製した。
比較例1、比較例4、及び比較例6において使用した重合性化合物:NPGPODA 76.0gを、重合性化合物:オキセタン化合物(OXT−221:東亜合成(株)製) 76.0gに変更した以外は、比較例1、比較例4、及び比較例6とそれぞれ同様にして、比較例23〜比較例25の各々の比較顔料分散物2−23〜比較顔料分散物25の各々を調製した。
実施例1、実施例4、実施例6、実施例7、及び比較例7において使用した重合性化合物:NPGPODA 75.4gを、重合性化合物:オキセタン化合物(OXT−221:東亜合成(株)製) 75.4gに変更した以外は、実施例1、実施例4、実施例6、実施例7、及び比較例7とそれぞれ同様にして、実施例19〜実施例22の顔料分散物1−19〜顔料分散物1−22、及び比較例26の比較顔料分散物2−26の各々を調製した。
比較例8、比較例11、及び比較例13において使用した重合性化合物:NPGPODA 64.0gを、重合性化合物:オキセタン化合物(OXT−221:東亜合成(株)製) 64.0gに変更した以外は、比較例8、比較例11、及び比較例13とそれぞれ同様にして、比較例27〜比較例29の各々の比較顔料分散物2−27〜比較顔料分散物2−29の各々を調製した。
実施例8、実施例11、実施例13、実施例14、及び比較例14において使用した重合性化合物:NPGPODA 64.0gを、重合性化合物:オキセタン化合物(OXT−221:東亜合成(株)製) 64.0gに変更した以外は、実施例8、実施例11、実施例13、実施例14、及び比較例14とそれぞれ同様にして、実施例23〜実施例26の顔料分散物1−23〜顔料分散物1−26、及び比較例30の比較顔料分散物2−30の各々を調製した。
比較例27〜比較例29において使用した「キナクリドン顔料(PR122)」を「縮合アゾ顔料(PY128)」に変更した以外は、各々比較例27〜比較例29と同様にして、比較例31〜比較例33の各々の比較顔料分散物2−31〜比較顔料分散物2−33の各々を調製した。
実施例23、実施例24、及び比較例30において使用した「キナクリドン顔料(PR122)」を「縮合アゾ顔料(PY128)」に、特定顔料誘導体1を特定顔料誘導体4に変更した以外は、各々実施例23、実施例24、及び比較例30と同様にして、実施例27、実施例28、及び比較例34の各々の、顔料分散物1−27、顔料分散物1−28、及び比較顔料分散物2−34を調製した。
得られた各顔料分散物を下記の方法に従って評価した。結果を表1及び表2に示した。
各顔料分散物の40℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定した。該粘度の評価を以下の基準に従って行った。顔料の凝集が生じると粘度が上昇するため、粘度が低いほど、顔料分散性に優れると評価する。
A:300mPa・s未満
B:300mPa・s以上、700mPa・s未満
C:700mPa・s以上
各顔料分散物について、光散乱回折式の粒度分布測定装置(LA910、(株)堀場製作所製)を用いて体積基準平均粒径D50を測定し、以下の基準に従って評価した。顔料が凝集体を形成すると、平均粒径が大きくなるため、平均粒径が小さいほど、顔料分散性に優れると評価する。
A:D50が200nm未満
B:D50が200nm以上、300nm未満
C:D50が300nm以上
(比較例35)
比較例1で得られた顔料分散物2−1に、下記の重合性化合物および下記の重合開始剤を加え、穏やかに混合した後、これをメンブランフィルターで加圧ろ過することで硬化型インクジェット用インク組成物2−1’を得た。顔料分散物2−1、重合性化合物および重合開始剤の量を以下に示す。
・重合性化合物:
(1)プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート 10.6g
(NPGPODA:サートマー(株)製)
(2)ジプロピレングリコールジアクリレート 30.0g
(DPGDA:ダイセルサイテック(株)製)
(3)フェノキシエチルアクリレート 28.9g
(AMP−10G:新中村化学(株)製)
・重合開始剤:アシルフォスフィンオキサイド化合物 5.0g
(LucirinTPO−L:BASFジャパン(株)製)
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物2−2、顔料分散物2−3、顔料分散物2−4、顔料分散物2−5、及び顔料分散物2−6に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、比較例36〜比較例40の各々の硬化型インクジェット用インク組成物2−2’〜硬化型インクジェット用インク組成物2−6’を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物1−1、顔料分散物1−2、顔料分散物1−3、顔料分散物1−4、顔料分散物1−5、顔料分散物1−6、顔料分散物1−7、及び顔料分散物2−7に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、実施例29〜実施例35の硬化型インクジェット用インク組成物1−1’硬化型インクジェット用インク組成物1−7’、及び比較例41の硬化型インクジェット用インク組成物2−7’を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物2−8、顔料分散物2−9、顔料分散物2−10、顔料分散物2−11、顔料分散物2−12及び顔料分散物2−13に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、比較例42〜比較例47の、硬化型インクジェット用インク組成物2−8’〜硬化型インクジェット用インク組成物2−13’の各々を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物1−8、顔料分散物1−9、顔料分散物1−10、顔料分散物1−11、顔料分散物1−12、顔料分散物1−13、顔料分散物1−14、及び顔料分散物2−14に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、実施例36〜実施例42の硬化型インクジェット用インク組成物1−8’〜 硬化型インクジェット用インク組成物1−14’、及び比較例4の硬化型インクジェット用インク組成物2−14’を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物2−15、顔料分散物2−16、及び顔料分散物2−17に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、比較例49〜比較例51の硬化型インクジェット用インク組成物2−15’〜硬化型インクジェット用インク組成物2−17’の各々を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物1−15、顔料分散物1−16、及び顔料分散物2−18に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、実施例43の硬化型インクジェット用インク組成物1−15’、実施例44の硬化型インクジェット用インク組成物1−16’、比較例52の硬化型インクジェット用インク組成物2−18’を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物2−19、顔料分散物2−20、及び顔料分散物2−21に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、比較例53〜比較例55の各々の、硬化型インクジェット用インク組成物2−19’〜硬化型インクジェット用インク組成物2−21’を得た。
比較例35において使用した顔料分散物2−1をそれぞれ、顔料分散物1−17、顔料分散物1−18、及び顔料分散物2−22に変更した以外は、比較例35とそれぞれ同様にして、実施例45の硬化型インクジェット用インク組成物1−17’、実施例46の硬化型インクジェット用インク組成物1−18’、比較例56の硬化型インクジェット用インク組成物2−22’を得た。
比較例23で得られた顔料分散物2−23に、下記重合性化合物および下記重合開始剤を加え、穏やかに混合した後、これをメンブランフィルターで加圧ろ過することで硬化型インクジェット用インク組成物2−23’を得た。顔料分散物2−23、重合性化合物および重合開始剤の量を以下に示す。
・重合性化合物:
(A)オキセタン化合物(OXT−221:東亜合成(株)製) 50.6g
(B)エポキシ化合物 18.9g
(セロキサイド3000:ダイセル化学(株)製)
・重合開始剤:トリフェニルスルホニウム塩 5.0g
(UVI−6992、ダウケミカル社製)
比較例57において使用した顔料分散物2−23をそれぞれ、顔料分散物2−24、及び顔料分散物2−25に変更した以外は、比較例57とそれぞれ同様にして、比較例58の硬化型インクジェット用インク組成物2−24’、比較例59の硬化型インクジェット用インク組成物2−25’を得た。
比較例57において使用した顔料分散物2−23をそれぞれ、顔料分散物1−19、顔料分散物1−20、顔料分散物1−21、顔料分散物1−22、及び顔料分散物2−26に変更した以外は、比較例57とそれぞれ同様にして、実施例47〜実施例50の硬化型インクジェット用インク組成物1−19’〜硬化型インクジェット用インク組成物1−22’、及び比較例60の硬化型インクジェット用インク組成物2−26’を得た。
比較例57において使用した顔料分散物2−23をそれぞれ、顔料分散物2−27、顔料分散物2−28、及び顔料分散物2−29に変更した以外は、比較例57とそれぞれ同様にして、比較例61〜比較例63の硬化型インクジェット用インク組成物2−27’〜硬化型インクジェット用インク組成物2−29’を得た。
比較例57において使用した顔料分散物2−23をそれぞれ、顔料分散物1−23、顔料分散物1−24、顔料分散物1−25、顔料分散物1−26、及び顔料分散物2−30に変更した以外は、比較例57とそれぞれ同様にして、実施例51〜実施例54の硬化型インクジェット用インク組成物1−23’〜硬化型インクジェット用インク組成物1−26’、及び比較例64の硬化型インクジェット用インク組成物2−30’を得た。
比較例57において使用した顔料分散物2−23をそれぞれ、顔料分散物2−31〜顔料分散物2−33に変更した以外は、比較例57とそれぞれ同様にして、比較例65〜比較例67の硬化型インクジェット用インク組成物2−31’〜硬化型インクジェット用インク組成物2−33’を得た。
比較例57において使用した顔料分散物2−23をそれぞれ、顔料分散物1−27、顔料分散物1−28、及び顔料分散物2−34に変更した以外は、比較例57とそれぞれ同様にして、実施例55の硬化型インクジェット用インク組成物1−27’、 実施例56の硬化型インクジェット用インク組成物1−28’、比較例68の硬化型インクジェット用インク組成物2−34’を得た。
得られた各インク組成物(硬化型インクジェット用インク組成物)を下記の方法に従って評価した。結果を表3及び表4に示した。
各インク組成物の40℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定した。該粘度の評価を以下の基準に従って行った。
A:30mPa・s未満
B:30mPa・s以上、70mPa・s未満
C:70mPa・s以上
各インク組成物を室温(25℃)で1ヶ月保存し、その後、目視及び粘度変化により以下の基準に従って評価した。また、各インク組成物を70℃で24時間保存後に、同様に分散状態を目視及び粘度変化により、以下の基準に従って評価した。
◎:沈殿物の発生がなく、粘度の増加がない。
○:沈殿物の発生がなく、粘度が若干増加するが、吐出性に問題ないレベル。
△:沈殿物の発生はないが、粘度が増加し、吐出性が低下し、実用上問題になるレベル。
×:沈殿物の発生が認められる。吐出が問題となるレベル。
各インク組成物について、光散乱回折式の粒度分布測定装置(LA910、(株)堀場製作所製)を用いて体積基準平均粒径D50を測定し、以下の基準に従って評価した。
A:D50が200nm未満
B:D50が200nm以上、300nm未満
C:D50が300nm以上
得られた各インク組成物をインクジェットプリンター(印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)を用いてアート紙上に画像記録(印字)した後、Deep UVランプ(ウシオ電機製、SP−7)を用いて、記録画像に100mW/cm2のエネルギーとなる条件で、活性放射線としての紫外線を照射し、画像記録物を得た。
得られた画像記録物を指で触れて、べたつきの有無につき、以下の基準に従って評価した。
A:べたつきがない
B:僅かにべたつきがある
C:著しくべたつく
対して本発明の特定重合体及び本発明の特定顔料誘導体の何れか一方を用いないインク組成物は、粘度が高く、顔料の粒子径も大きく、特に70℃で保存したときの分散安定性が劣ることがわかる。
また、本発明によれば、長期間保存或いは繰り返し温度変化を経た後であっても顔料の分散安定性に優れ、インクジェット記録用として用いた場合においても、吐出時にノズルつまりを起こすことがない、高画質の画像を形成することが可能なインク組成物を提供することができる。
Claims (10)
- (a)顔料と、(b)下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体と、(c)下記一般式(1)で表される顔料誘導体と、を含む顔料分散物。
[一般式(1)中、Pは、q価のジケトピロロピロール系色素残基、アゾ系色素残基、フタロシアニン系色素残基、アントラキノン系色素残基、キナクリドン系色素残基、ジオキサジン系色素残基、ペリノン系色素残基、ペリレン系色素残基、チオインジゴ系色素残基、イソインドリン系色素残基、イソインドリノン系色素残基、キノフタロン系色素残基、スレン系色素残基、金属錯体系色素残基、アントラキノン残基、又はトリアジン残基を表し、Aが一般式(6)、(7)、(8)若しくは(9)で示される塩基性置換基、又は一般式(10)、(11)、若しくは(12)で示される酸性置換基を表す。qは、1〜4の整数を表す。]
[一般式(2)中、R 1 は、水素原子又はメチル基を表す。Wは、−CO−、−COO−、−CONR 2 −、−OCO−、又はフェニレン基を表し、R 2 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。Xは、単結合又は2価の連結基を表す。Bは、下記のいずれか1つの水素結合性基を表す。]
[一般式(6)中、X 61 は、−SO 2 −、−CO−、−CH 2 NHCOCH 2 −、−CH 2 −、又は単結合を表す。n6は、1〜10の整数を表す。R a6 及びR b6 は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又は複素環を表す。この複素環は、R a6 とR b6 とが、窒素、酸素、又は硫黄原子を含んで結合してなる置換されていてもよい複素環を表す。]
[一般式(7)中、R a7 及びR b7 は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又は複素環を表す。この複素環とは、R a7 とR b7 とが、窒素、酸素、又は硫黄原子を含んで結合してなる置換されていてもよい複素環を表す。]
[一般式(8)中、X 81 は、−SO 2 −、−CO−、−CH 2 NHCOCH 2 −、−CH 2 −、又は単結合を表す。R a8 は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R b7 、R c7 、R d7 、及びR e7 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。]
[一般式(9)中、X 91 は、−SO 2 −、−CO−、−CH 2 NHCOCH 2 −、−CH 2 −、又は単結合を表す。Y 9 は、−NR a9 −Z 9 −NR b9 −、または単結合を表す。R a9 及びR b9 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。Z 9 は、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、又は置換されていてもよいフェニレン基を表す。P 9 は、下記一般式(9a)で示される置換基、又は下記一般式(9b)で示される置換基を表す。Q 9 は、水酸基、アルコキシル基、前記一般式(7)で示される置換基、又は前記一般式(8)で示される置換基を表す。]
[一般式(9a)中、n9は、1〜10の整数を表す。R c9 及びR d9 は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又は複素環を表す。この複素環は、一般式(9a)中、R c9 とR d9 とが、窒素、酸素、又は硫黄原子を含んで結合してなる置換されていてもよい複素環を表す。]
[一般式(9b)中、R e9 は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R f9 、R g9 、R h9 、及びR i9 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいフェニル基を表す。]
[一般式(10)中、M 10 は、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子、又はアルミニウム原子を表す。一般式(10)中、lは、M 10 の価数を表す。]
[一般式(11)中、R a11 、R b11 、R c11 、及びR d11 は、水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す(但し、全てが水素原子である場合は除く)。]
[一般式(12)中、A 12 は、水素原子、ハロゲン原子、−NO 2 、−NH 2 、又はSO 3 Hを表す。k12は、1〜4の整数を表す。] - 前記一般式(1)において、Pがq価のアゾ系色素残基又はキナクリドン系色素残基を表す、請求項1に記載の顔料分散物。
- 前記(b)一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体が、前記一般式(2)で表される繰り返し単位、及び末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーに由来する繰り返し単位を含むグラフト共重合体である請求項1または請求項2に記載の顔料分散物。
- 前記(b)一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体が、前記一般式(2)で表される繰り返し単位と、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーに由来する繰り返し単位とからなる共重合体、又は、前記一般式(2)で表される繰り返し単位と、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーに由来する繰り返し単位と、窒素原子を有するモノマーに由来する繰り返し単位とからなる共重合体である、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の顔料分散物。
- 前記一般式(1)において、Pがq価のアゾ系色素残基又はキナクリドン系色素残基を表し、Aが前記一般式(6)で示される塩基性置換基、又は前記一般式(10)で示される酸性置換基である請求項1から請求項4の何れか1項に記載の顔料分散物。
- 前記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体の重量平均分子量が、1,000〜200,000の範囲であり、該一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体の含有量が、前記(a)顔料100質量部に対して2質量部〜100質量部であり、且つ、前記(c)一般式(1)で表される顔料誘導体の含有量が、前記(a)顔料100質量部に対して1質量部〜50質量部である請求項1から請求項5の何れか1項に記載の顔料分散物。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の顔料分散物を含むインク組成物。
- さらに、(d)重合性化合物を含む請求項7に記載のインク組成物。
- さらに、(e)光重合開始剤を含む請求項7または請求項8に記載のインク組成物。
- インクジェット用である請求項7から請求項9の何れか1項に記載のインク組成物。
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