JPWO2007007412A1 - 靴底用ゴム組成物 - Google Patents

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泰弘 川上
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Abstract

【課題】 靴底の成形において特別な接着処理や複雑な成形工程を必要とせず、氷雪面や濡れた舗道面での防滑効果が得られ、しかも淡色配合のゴム配合物にも使用でき、低コストな靴底用ゴム組成物を提供する。【解決手段】 火山噴出物である多孔質粒状体を配合したゴム組成物を靴底用として使用することから、靴底に露出する多数の粒状体の空孔による水膜の吸い上げと空孔周囲のエッジによる水膜の掻き取りの効果が得られ、滑りやすい面に対し優れた防滑性が得られる。また、粒状体表面の空孔はゴム状成分に対する接着面積の増大をもたらすと共に、空孔には加圧・加熱による成型時にゴム状成分が封入されてアンカーとして働き、ゴム状成分との間に物理的な結合力を生じさせることから、特別な接着処理なしに粒状体がゴム状成分から脱落するのを防止できる。【選択図】 図2

Description

本発明は、天然ガラス質の粒状体を含有するゴム組成物に関し、特に、氷面や圧雪面に加え、濡れた舗道面に対しても防滑効果を有し、靴底に好適なゴム組成物に関する。
一般に、靴底にはゴム組成物が多く用いられるが、ゴムのみでは氷雪面等で滑りやすいことから、氷雪面での防滑性を付与する粒子等をゴム組成物に含有させるなど、ゴム組成物の特性を改善する試みが従来から数多くなされている。
例えば、人工砥石用の砥粒として使用されるカーボランダム等のセラミック粒子をゴムマトリックスに混合して防滑性を持たせたものが従来から提案されている。これは、高硬度粒子による氷雪面の引っ掻き効果を目的とするものである。一般に、こうした砥粒は、10段階のモース硬度で鉄にあたる8〜8.5という硬度値よりやや硬いモース硬度9程度となっている。
氷雪面に対しては硬い粒子であるほど引っ掻き効果は大きいが、硬い材質ほどゴムマトリックスとの相性(接着強度)は低下する。これらの粒子を配合したゴム組成物を靴底に使用した場合、履用初期には防滑効果があっても、すぐに粒子が脱落し防滑効果を有しなくなる上、粒子の脱落後は靴底の耐磨耗性、耐クラック性が低下するという問題もあった。
これに対し、カーボランダムやコランダムなどのセラミック砥粒を結合剤で結合して形成したチップを、靴底の接地部に埋設したものが提案されている。このような従来の靴底の一例として、日本特許公開公報平4−292102号(以下、特許文献1と呼称)に開示されるものがある。
この従来の靴底では、チップ表面に砥粒の大きさに応じた小凹凸が存在するために、靴底本体の構成材料がチップに絡みついた状態となり、チップは靴底に強力に保持される。また、チップを構成している砥粒は、結合剤で互いに結合しているため、靴底から容易に脱落することもない。
また、従来の他の靴底として、ガラス繊維を未加硫ゴムに混合し、これを圧延することによって、ガラス繊維を圧延方向に配向させ、接地面に対し直角になるように工夫して成形するものが提案されている。このような靴底の一例として、日本特許公開公報平10−337203号(以下、特許文献2と呼称)に開示されるものがある。
この従来の靴底は、繊維の密度を一定以上のレベルに埋設することにより氷雪面での優れた防滑効果を有している。又、濡れた舗道面でも防滑性を有している。これは、ガラス繊維がモース硬度6程度であり、舗道面より柔らかいためと考えられる。
さらに、別の靴底として、米ぬか等の麩糠類にフェノール樹脂を含浸させ、窒素ガス雰囲気中700〜900℃で炭化焼成した多孔性炭素材をゴムに混合して防滑性を持たせたものも提案されている。このような従来の靴底の一例として、日本特許公開公報2002−53700号(以下、特許文献3と呼称)に開示されるものがある。
特開平4−292102号公報 特開平10−337203号公報 特開2002−53700号公報
従来の防滑性を有する靴底等ゴム組成物は、前記各特許文献に示されるものとなっており、いずれもゴムに混合した各種防滑材により防滑性能を得る仕組みである。このうち、前記特許文献1に記載される従来の靴底は、常に砥粒が靴底にあらわれて防滑性能を発揮できるものの、チップが砥石とほぼ同様の構造となるため、製造コスト高となるという課題を有していた。加えて、使用を経てゴムとチップの結合力が弱まり、チップが脱落してしまう危険性もあり、靴底で比較的大きな部位を占めるチップが外れると、歩行に悪影響を与えるなど靴として正常な機能を果さなくなるという課題を有していた。
また、前記特許文献1以外で砥粒等のセラミック粒子を用いるものとして、ゴムから脱落しやすいセラミック粒子を前もって接着処理して脱落防止を図ったものも、従来から使用されていた。しかし、セラミック粒子は、もともとゴムに親和性がなく、また、これらの粒子表面は、総じて滑らかで表面積も小さく、物理的なアンカー効果も得にくいため、処理を経ても接着力が十分に得られないという課題を有していた。
さらに、これらのセラミック粒子を使用した防滑靴は、氷雪面での防滑効果は優れていても、濡れた舗道面では非常に滑り易いという課題を有していた。すなわち、モース硬度が1〜2.5とされる氷面では、セラミック粒子が引っ掻き効果を十分発揮できるのに対し、舗道には一般にモース硬度7程度の硬堅な砕石が使用されているため、セラミック粒子の引っ掻き効果が不足すると共に、セラミック粒子が靴底面より突出しスパイクピン状になっているため、舗道面との接触面積が非常に少なく、摩擦抵抗を得にくい状況にある。
次に、前記特許文献2に記載の従来の靴底は、氷雪面での優れた防滑効果を有すると共に、濡れた舗道面でも防滑性を有している。しかし、この従来の靴底の成形にあたっては、ガラス繊維を未加硫ゴムに混合し、これを圧延することによりガラス繊維を圧延方向に配向させ、未加硫ゴムシートを積層加圧し積層体を形成し、圧延方向と直角となる方向に積層体を切断したものを金型に挿入し、加熱・加圧により加硫を行うという複雑な手順を要する。さらに、金型のキャビティ内の靴底の接地面となる靴底表面近傍においては、ガラス繊維が金型表面に対し平行になり易く、その部分を除去しなければ接地面に対し垂直にガラス繊維が埋設された靴底を得られないことから、成型された靴底の接地面側表面を切削除去するという工程を必要とするなど、製造工程が特殊且つ複雑となり、製造コストが高くなるという課題を有していた。
また、前記特許文献3に記載された従来の靴底は、防滑材となる多孔性炭素材が黒色であり、黒色配合のゴムでは違和感なく混合して使用できるものの、淡色配合のゴムに混合すれば、斑点状となり、外観が損なわれるため、事実上黒色配合のゴムの場合しか使用できないという課題を有していた。加えて、この防滑材も特殊雰囲気下での炭化焼成など複雑な工程を経るため、その製造を低コストで行えないという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、靴底の成形において特別な接着処理や複雑な成形工程を必要とせず、氷雪面や濡れた舗道面での防滑効果が得られ、しかも淡色配合のゴム配合物にも使用でき、低コストな靴底用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る靴底用ゴム組成物は、
(1)天然ゴム及び/又は合成ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーからなるゴム状成分100重量部に対し、火山噴出物由来の多孔質で且つ非晶質である粒状体を、10ないし100重量部配合したものである。
このように本発明によれば、火山噴出物の一種である粒状体を配合したゴム組成物を靴底用として使用することにより、粒状体表面の多数の空孔による水膜の吸い上げと空孔周囲のミクロなエッジによる水膜の掻き取りの効果が得られ、氷雪面や濡れた舗道面での優れた防滑性が得られる。
また、多孔質である粒状体表面の空孔はゴム状成分に対する接着面積の増大をもたらすと共に、空孔には加圧・加熱による成型時にゴム状成分が封入されてアンカーとして働き、ゴム状成分との間に物理的な結合力を生じさせることから、特別な接着処理なしに粒状体がゴム状成分から脱落するのを防止できる。このため、常に磨耗する靴底において、粒状体が常に靴底表面に存在する。
また、本発明に係る靴底用ゴム組成物は必要に応じて、
(2)前記粒状体が、モース硬度4〜6とされるものである。
このように本発明によれば、モース硬度4〜6の粒状体は、硬い舗道面では靴底面からスパイクピン状に突出したその先端部分を適度に崩潰させることにより、接地面積が増加し、摩擦抵抗を増加させ滑りにくくする。
また、本発明に係る靴底用ゴム組成物は必要に応じて、
(3)前記粒状体が、二酸化ケイ素を約63〜75%、酸化アルミニウムを約11〜19%含有する多孔性のガラス質であり、且つ白色の外観を有するものである。
このように本発明によれば、粒状体は、ガラス質をなす主成分としての二酸化ケイ素と酸化アルミニウムをそれぞれ適量含有して、白色の外観を有するものであり、淡色のゴム状成分に練り込んでも、その外観を損なうことがない。また、この粒状体は、火山噴出物として広く存在する白土や軽石等から得られるものであり、大量且つ低コストに入手でき、防滑性を備えたゴム組成物のコストダウンが図れる。
本発明の一実施形態に係る靴底用ゴム組成物における粒状体の表面図である。 本発明の一実施形態に係る靴底用ゴム組成物における粒状体とゴムマトリックスとの界面の拡大図である。 本発明の靴底用ゴム組成物の実施例2における粒状体の累積粒度分布を表すグラフである。 本発明の靴底用ゴム組成物の実施例3における粒状体の累積粒度分布を表すグラフである。 本発明の靴底用ゴム組成物の実施例4における粒状体の累積粒度分布を表すグラフである。 本発明の靴底用ゴム組成物の実施例5における粒状体の累積粒度分布を表すグラフである。 本発明の靴底用ゴム組成物における粒状体Cの添加量とゴム硬さとの関係を表すグラフである。 本発明の靴底用ゴム組成物における粒状体Bの添加量とゴム硬さとの関係を表すグラフである。 本発明の靴底用ゴム組成物における粒状体の添加量と防滑性能との関係を表すグラフである。
符号の説明
10 粒状体
11 空孔
20 ゴム状成分
以下、本発明の一実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。前記各図において本実施形態に係る靴底用ゴム組成物は、天然ゴム、合成ゴム、及び/又は熱可塑性エラストマーからなるゴム状成分100重量部に対し、火山噴出物由来の多孔質で且つ非晶質の平均粒径40〜350μmである粒状体を、10ないし100重量部となる割合で配合したものである。
前記ゴム状成分として使用される天然ゴム及び/又は合成ゴム成分としては、靴底用として通常使用されるものを用いることができ、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴムなどを単独であるいはブレンドで使用可能である。また、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、ジオレフィン系などが単独であるいはブレンドで使用できる。これらの熱可塑性エラストマーは、天然ゴム及び/又は合成ゴムと任意のブレンドで使用できる。
前記粒状体10は、二酸化ケイ素を63〜75%程度含み、他に主として酸化アルミニウムを11〜19%程度含んで、白色の外観を呈し、表面に小さな空孔11が存在すると共に、内部にも小さな中空部が多数存在する天然ガラスである(図1参照)。この粒状体は、ガラス質(非晶質)の火山噴出物を原料とするものであり、これは安山岩質や流紋岩質等のマグマが地表で固まったものである。このガラス質に富む火山噴出物は、空孔の有無に拘らず、ガラス質火山砕屑物と総称され、その産出場所により、白土、火山灰、軽石、シリカなどと呼ばれている。空孔の開いたものは、いわゆる軽石(Pumice)の一種である。この粒状体は二酸化ケイ素を非晶質体として含み、結晶質分をほとんど含まないものであり、前記組成となることで、粒状体は適度の耐圧力を有しつつ崩潰性に優れ、またゴムへの分散性にも優れている。仮に粒状体の表面が崩潰しても、中空部が多数存在することから、ミクロなエッジを有する空孔が新たに表面に形成される。
例えば、路面は、時には乾燥した状態であったり、時には薄い水膜を張った状態であったりし、濡れた面では水膜が潤滑剤の役割を果たすために極めて滑りやすくなっていることがあるが、こうした濡れた路面の水膜を除き去るのに、空孔と空孔周辺のエッジが有効に働く。すなわち、小さな空孔は水膜の吸い上げ効果をもたらす一方、空孔周辺のエッジは水膜の掻き取り効果を発揮する。
また、図2に示すように、この粒状体10の表面の空孔11には、加圧・加熱による成型時にゴム状成分20が封入され、この封入部分がアンカーとして働き、ゴムマトリックスとの間に物理的な結合力を生じさせることとなり、粒状体がゴムマトリックスから離脱するのを防止できる。こうして、使用を経て靴底は磨耗するものの、ゴムに混入された多孔質の粒状体が常に靴底表面に存在する状態を維持できる。
前記粒状体は、ゴム状成分100重量部に対し、10〜100重量部配合されるが、仮に10重量部未満では十分な防滑効果が得られず、また、100重量部を越えるとゴムマトリックスの物理的強度の低下と、これに伴う耐久性の問題が生じる。また、配合割合が100重量部を越えても、防滑性能のさらなる向上は見られない。
前記粒状体の平均粒径は、40μm〜350μmとなっているが、この平均粒径が40μmより更に細かくなると、氷雪面を引っ掻く効果が少なく十分な摩擦力が生じない。一方、平均粒径が350μmを超え、より粗くなると、靴底表面に存在する粒状体の数が少なくなり、路面との摩擦力が低下する上、靴底用ゴム組成物の物理的強度や耐疲労性も低下し、耐久性の問題が生じる。
前記粒状体の硬さは、モース硬度4〜6である。氷面のモース硬度は1〜2.5といわれ、引っ掻き効果を発揮するには、モース硬度が2.5以上必要となる。十分な引っ掻き効果を得ようとする場合には、モース硬度4以上が望ましい。一方、人工大理石などの硬質なタイルを配置した舗道が存在する他、一般的に舗道に使用される砕石は、モース硬度7程度の硬堅な岩石であることなどから、濡れた舗道での接地面積確保のためには、粒状体は舗道より柔らかなモース硬度6以下が望ましい。硬い舗道面では、靴底面からスパイクピン状に突出した粒状体の先端部分が、その適切な硬度により適度に崩潰することとなり、接地面積を増加させて摩擦抵抗に伴う滑りにくさを増大させられる。
なお、前記実施の形態に係る靴底用ゴム組成物において、粒状体として多孔質の天然ガラスを用いる構成としているが、これに限らず、同程度の大きさとなる板状で空孔のない天然ガラスを、粒状体の一部として前記多孔質のものに所定割合混合して用いる構成とすることもでき、濡れた氷面での引っ掻きに伴う防滑性能を強化できる。
以下、本発明に係る靴底用ゴム組成物を所定の配合で製造し、得られた靴底の防滑性能等について評価した結果について説明する。
本発明に係る靴底用ゴム組成物は、基本配合例として、天然ゴム60重量部にブタジエン系熱可塑性エラストマー40重量部をブレンドしたゴム状材料に対し、充填材としてシリカ30重量部、他の添加材としてプロセスオイル10重量部、及び粘着付与剤10重量部を加え、さらに、硫黄2重量部、加硫促進剤1.7重量部、並びに加硫促進助剤5.7重量部を加えたものに対し、前記粒状体をはじめとする各種防滑材を添加した配合内容となっている。これを基に、通常の精練・ロール出しを行い、金型のキャビティ内に未加硫ゴム生地を載置し、圧縮成形にて靴底を作製すると共に、通常の靴底の加硫条件による加硫を経て、トレッドタイヤ状の靴底パターンを有する靴底(ゴム組成物)を作製し、この靴底表面を浅く切削して、成型時の離型剤と表層のゴム分を削除した試験面を得た。このようにして得られた各実施例について防滑性能等の測定を実施する。
まず、第一の試験として、添加する粒状体の粒径を異ならせた試験体を複数用いて滑り性試験を行い、粒状体の粒径が防滑性能に与える影響を評価した。
実施例1として、前記基本配合に添加される防滑材に、美瑛白土工業株式会社製の白土Cを篩い分けして得た粒状体Aを用いてゴム組成物を製造した。粒状体Aの累積50%粒径は約50μm、粒度分布幅は20〜63μm、並びにモース硬度は4〜5となっている。
また、実施例2として、防滑材に共立マテリアル株式会社製の軽石粒体90LHMからなる粒状体Bを用いてゴム組成物を製造した。粒状体Bの累積50%粒径は約100μm、粒度分布幅は75〜150μm、並びにモース硬度は5〜6である。
また、実施例3として、防滑材に美瑛白土工業株式会社製の白土Cからなる粒状体Cを用いてゴム組成物を製造した。粒状体Cの累積50%粒径は約120μm、粒度分布幅は20〜500μm、並びにモース硬度は4〜5である。
また、実施例4として、防滑材に共立マテリアル株式会社製の軽石粒体70LHMからなる粒状体Dを用いてゴム組成物を製造した。粒状体Dの累積50%粒径は約150μm、粒度分布幅は106〜250μm、並びにモース硬度は5〜6である。
また、実施例5として、防滑材に共立マテリアル株式会社製の軽石粒体60LHMからなる粒状体Eを用いてゴム組成物を製造した。粒状体Eの累積50%粒径は約180μm、粒度分布幅は125〜250μm、並びにモース硬度は5〜6である。
さらに、実施例6として、防滑材に美瑛白土工業株式会社製の白土Cを篩い分けして得た粒状体Fを用いてゴム組成物を製造した。粒状体Fの累積50%粒径は約215μm、粒度分布幅は180〜250μm、並びにモース硬度は4〜5である。
図3ないし図6に、前記粒状体B、C、D、Eの各累積粒度分布を示す。
この他、比較例1として、同じ基本配合で防滑材を添加せずにゴム組成物を製造した。また、比較例2として、前記特許文献2(日本特許公開公報平10−337203号)に記載の方法でゴム組成物を製造した。前記各実施例の防滑材をガラス繊維と置換えた以外の、配合割合や基本配合に関する条件は、各実施例と同一である。用いるガラス繊維は直径13μm、長さ3mmである。さらに、前記特許文献3(日本特許公開公報2002−53700号)の内容に基づいて製造され、市販されている製品を、比較例3として前記同様に試験対象とする。
前記各実施例及び比較例の各ゴム組成物について行う滑り性試験は、大きさ80×70mmの鋼製滑り片台座の底面に、試験片であるゴム組成物を取付けた滑り片に対し、765Nの鉛直荷重を載荷し、滑り片を床材に接触させた瞬間に785N/sの引張荷重速度で、水平方向から18°斜め上方となる向きへ引張った時に、得られる最大引張荷重を測定し、滑り抵抗係数(C.S.R)を次式、
C.S.R=Pmax/W
(Pmax:最大引っ張り荷重(N)、W:鉛直荷重(785N))
によって算出するという過程で実施される。
ここで算出される滑り抵抗係数で滑りやすさの度合が表現され、この値が大きいほど滑りにくいことを意味する。靴を履いて歩行する箇所では、この滑り抵抗係数の値として、一般に0.35〜0.9程度が要求される。
前記各実施例及び比較例の各ゴム組成物に対しては、床材として表面ウェット状態の氷、及び表面ウェット状態の人工大理石を用いた二つの場合について、前記滑り性試験を行って得られた結果の評価を行う。
各実施例及び比較例の配合、並びに滑り性試験の結果得られた滑り抵抗係数を、表1に示す。
Figure 2007007412
表1からわかるように、ウェット状態の氷に対しては、粒状体の粒径が大きくなるほど防滑性が向上している。また、実施例1〜6のいずれにおいても、比較例1、3より防滑性が上回っている。比較例2に対しては、平均粒径が180μm以上の実施例5、6において、同等の防滑性となっている。
また、ウェット状態の人工大理石に対する防滑性は、その大小が粒径の関係と対応しておらず、粒径の差異だけでなく粒状体の供給元の違いも影響していると考えられる。ただし、同一供給元の粒状体を用いている場合(実施例1、3、6、あるいは実施例2、4、5)では、粒径が大きくなるほど、防滑性が向上していることがわかる。比較例3に対しては、いずれの実施例においても、防滑性が大きく上回っており、比較例2に対しても、実施例2〜6は、防滑性が上回っている。
次に、粒状体Cの添加量を変えてゴム組成物を製造し、前記同様滑り性試験を行って、粒状体添加量の違いが防滑性能へ及ぼす影響を検証した。
まず、実施例7として、前記基本配合に添加される防滑材に、美瑛白土工業株式会社製の白土Cからなる前記粒状体Cを10重量部配合してゴム組成物を製造した。また、実施例8、9、10、11、12、13として、それぞれ防滑材としての粒状体Cを20重量部、30重量部、50重量部、70重量部、90重量部、110重量部配合して、ゴム組成物をそれぞれ製造した。
前記実施例7ないし13及び前記比較例1について、まず、ゴム硬さ(JIS K 6253:1993に規定される硬さ、タイプAデュロメータによる)を測定し、粒状体Cのゴムマトリックスへの添加量の違いに伴うゴム硬さの変化を調べた。測定結果を、各実施例及び比較例1の配合と合わせて、表2に示す。また、図7に粒状体Cの添加量とゴム硬さとの関係を表すグラフを示す。
Figure 2007007412
表2からわかるように、粒状体C添加によるゴムマトリックスの硬さ変化は、50重量部添加で約10ポイント上昇、100重量部添加で約15ポイント上昇であり、粒状体Cはゴムマトリックス中への分散性に優れ、ゴムマトリックスの柔軟性、屈曲性をそれほど阻害しないことがわかる。
粒状体Cの添加量が40PHRを超すと、添加量に対するゴム硬さの上昇の程度が少なくなるのは、ゴムロールでのゴム状成分と粒状体との混練時に、粒状体C同士の摩擦により粒状体Cの崩潰が一部で生じているためと考えられる。
さらに、前記実施例7ないし13の各ゴム組成物について、前記実施例1ないし6同様に、床材として表面ウェット状態の氷と人工大理石を用いた二つの場合で滑り性試験を実施した。滑り性試験の結果得られたC.S.R値を、比較対象となる前記比較例1、2、3での値と共に表3に示す。
Figure 2007007412
表3からわかるように、ウェット状態の氷に対する防滑性と、ウェット状態の人工大理石に対する防滑性のいずれについても、粒状体Cの添加量が増加するほど防滑性が向上している。比較例3に対しては、実施例7〜13の全てにおいてC.S.R値すなわち防滑性が上回っている。また、比較例2に対しては、添加量が70PHR以上である実施例11〜13で、より優れた防滑性が得られていることがわかる。
続いて、粒状体Bの添加量を変えてゴム組成物を製造し、前記同様滑り性試験を行って、粒状体添加量の違いが防滑性能へ及ぼす影響を検証した。
まず、実施例14として、前記基本配合に添加される防滑材に、共立マテリアル株式会社製の軽石粒体90LHMからなる前記粒状体Bを10重量部配合してゴム組成物を製造した。また、実施例15、16、17、18、19として、それぞれ防滑材としての粒状体Bを20重量部、30重量部、60重量部、80重量部、100重量部配合して、ゴム組成物をそれぞれ製造した。
前記実施例14ないし19について、まず、ゴム硬さ(JIS K 6253:1993に規定される硬さ、タイプAデュロメータによる)を測定し、粒状体Bのゴムマトリックスへの添加量の違いに伴うゴム硬さの変化を調べた。測定結果を、前記比較例1の測定結果、並びに各実施例及び比較例1の配合と合わせて、表4に示す。また、図8に粒状体Bの添加量とゴム硬さとの関係を表すグラフを示す。
Figure 2007007412
表4からわかるように、粒状体B添加によるゴムマトリックスの硬さ変化は、50重量部添加で約11ポイント上昇、100重量部添加で約21ポイント上昇であり、粒状体Bはゴムマトリックス中への分散性に優れ、ゴムマトリックスの柔軟性、屈曲性もそれほど阻害しないことがわかる。
前記実施例7ないし13での粒状体C添加に比べ、今回添加した粒状体Bは、100PHRまでの添加において、添加部数の増加と共にゴム硬さの上昇がほぼ比例的に見られる。これは、前記粒状体Cのモース硬度が4〜5であるのに対し、粒状体Bのモース硬度が5〜6と硬いために、ゴムロールでのゴム状成分と粒状体との混練時における粒状体B同士の摩擦による崩潰が生じていないものと考えられる。
さらに、前記実施例14ないし19の各ゴム組成物について、前記実施例1ないし13同様に、床材として表面ウェット状態の氷と人工大理石を用いた二つの場合で滑り性試験を実施した。滑り性試験の結果得られたC.S.R値を、比較対象となる前記比較例1、2、3での値と共に表5に示す。
Figure 2007007412
表5からわかるように、ウェット状態の氷に対する防滑性と、ウェット状態の人工大理石に対する防滑性のいずれについても、粒状体Bの添加量が増加するほど防滑性が向上している。比較例3に対しては、実施例14〜19の全てにおいてC.S.R値すなわち防滑性が上回っている。比較例2に対しては、添加量が60PHR以上である実施例17〜19で、より優れた防滑性が得られていることがわかる。
実施例7ないし19についての滑り性試験の結果得られたC.S.Rの各値を用いて、図9に粒状体B及び粒状体Cの各添加量と防滑性能との関係のグラフを示す。これによれば、いずれの粒状体においても、添加量が10重量部未満である場合には、C.S.Rの値が一般的に要求される下限値の0.35を下回ることとなり、十分な防滑性能が得られないことがわかる。
これらにより、本発明のゴム組成物では、ゴム状成分100重量部に対し、火山噴出物由来の多孔質で且つ非晶質の平均粒径40〜350μmで且つモース硬度4〜6である粒状体を、10ないし100重量部配合することで、ゴム硬さを過度に増大させることもなく、氷雪面に限らず一般的な舗道面に相当する濡れた硬い面においても粒状体の摩擦抵抗を十分に生じさせて、優れた防滑性能を得られることが確認できた。
本発明は、特別な作業や工程を必要とせずに優れた防滑性能を得られるゴム組成物を提供するものであり、靴底成形において、圧縮成形のみならず、ウレタン靴底や塩化ビニール靴底の成形に用いられる射出成形や注型成形においても利用可能であり、又、履物以外に防滑床材用ゴムシートとして工場や厨房などでも使用できる。

Claims (6)

  1. 天然ゴム、合成ゴム、及び/又は熱可塑性エラストマーからなるゴム状成分100重量部に対し、火山噴出物由来の多孔質で且つ非晶質の粒状体を、10ないし100重量部配合することを
    特徴とする靴底用ゴム組成物。
  2. 前記請求項1に記載の靴底用ゴム組成物において、
    前記粒状体が、平均粒径40〜350μmであることを
    特徴とする靴底用ゴム組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載の靴底用ゴム組成物において、
    前記粒状体が、モース硬度4〜6であることを
    特徴とする靴底用ゴム組成物。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の靴底用ゴム組成物において、
    前記粒状体が、内部に中空部を多数含む軽石状の火山砕屑物を原材料とすることを
    特徴とする靴底用ゴム組成物。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の靴底用ゴム組成物において、
    前記粒状体と大きさを略一致させた、火山噴出物由来の中実で且つ非晶質の板状片が、所定量混合されることを
    特徴とする靴底用ゴム組成物。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の靴底用ゴム組成物において、
    前記粒状体が、二酸化ケイ素を約63〜75%、酸化アルミニウムを約11〜19%含有する多孔性のガラス質であり、且つ白色の外観を有することを
    特徴とする靴底用ゴム組成物。
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