JPWO2006137473A1 - 芳香族スルホン酸化合物の製造法 - Google Patents

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卓司 吉本
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Abstract

式(1)で表される化合物をスルホン化剤として使用し、少なくとも1つの芳香環を含む化合物をスルホン化する芳香族スルホン酸化合物の製造法。これにより、電子デバイス用途の薄膜に使用できる芳香族スルホン酸化合物の製造法を提供できる。〔式中Aは、式(2)又は(3)(式中、Qはヒドロキシル基等を表し、R1〜R4及びR5〜R10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基等を表す。R1〜R4及びR5〜R10の置換基において、隣り合う2つ置換基が−CH2CH2CH2−,−CH2CH2O−等を形成することにより、それぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)を表す。〕

Description

本発明は、芳香族スルホン酸化合物の製造法に関する。
芳香族スルホン酸化合物は、低極性の有機溶媒に対して難溶性を示す場合が多いため、有機溶媒に溶解させて種々の用途に使用する場合、使用可能な溶媒が限られることが課題の一つである。
例として、電子デバイス用途が挙げられる。電荷輸送性材料として、スルホン酸基で置換されたセルフドープ型のポリアニリンが知られているが、このポリアニリンは分子量が大きいことに加え、スルホン酸基を有しているので、有機溶剤への溶解性がほとんどなく、電子デバイス用途の薄膜を作製し難いという問題を抱えている。
芳香族スルホン酸化合物の製造法としては、芳香族化合物をスルホン化する方法が主流である。具体的には、濃硫酸を用いた方法(非特許文献1参照)、発煙硫酸を用いた方法(非特許文献2参照)、クロロ硫酸を用いた方法(非特許文献3参照)等の無機試薬を使用した例が広く知られている。
これらの無機物を用いた芳香族化合物のスルホン化では、試薬として用いた無機物の溶解性と、製造された芳香族スルホン酸化合物の溶解性とが類似しているため、無機物の除去が困難である。また、得られた芳香族スルホン酸化合物は高極性を有するためクロマトグラフィーによる分離も難しく、再結晶以外の方法による無機物の除去には複雑な操作が必要である場合が多い。
一方、有機試薬を用いた例としては、N−アルキルスルファミド酸を用いた例(非特許文献4参照)、アルキルベンゼンスルホン酸を用いた例(特許文献1参照)がある。
アルキルベンゼンスルホン酸の例では、100℃以下で反応が進行している。しかし、電子デバイス用途の薄膜は、100℃を超える温度で焼成して作製されることが多く、低温で反応が進行すると薄膜が形成される前に生成した芳香族スルホン酸化合物が析出してしまうことが考えられる。また、薄膜内でスルホン化反応を行う場合、高沸点溶媒が留去される前に溶媒と反応するなど副反応が生じる場合がある。
このように従来の芳香族スルホン酸化合物の製造方法にはいくつかの問題があり、特に電子デバイス用途の薄膜に使用できる芳香族スルホン酸化合物の製造方法が望まれている。
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、米国、1931年、53巻、p.1114 非特許文献2:ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ、英国、1915年、107巻、p.1815 ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、米国、1940年、62巻、p.2105 ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ・パーキン・トランザクションI、英国、1972年、p.2663 国際公開第92/06935号パンフレット
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電子デバイス用途の薄膜に使用できる芳香族スルホン酸化合物の製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で示される芳香族スルホン酸化合物が、芳香環のスルホン化に好適であり、電子デバイス用途の薄膜作製に使用可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1] 式(1)で表される化合物をスルホン化剤として使用し、少なくとも1つの芳香環を含む化合物をスルホン化することを特徴とする芳香族スルホン酸化合物の製造法、
Figure 2006137473
〔式中Aは、式(2)又は(3)
Figure 2006137473
(式中、Qは、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、C1〜C10アルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ基又はC1〜C10アルキルアミノ基を表し、
1〜R4及びR5〜R10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ基又はC1〜C10アルキルアミノ基を表す。
ただし、R1〜R4及びR5〜R10の置換基において、隣り合う2つ置換基が−CH2CH2CH2−,−CH2CH2O−,−CH2OCH2−,−OCH2O−,−CH2CH2S−,−CH2SCH2−,−CH2CH2CH2CH2−,−CH2CH2CH2O−,−CH2CH2OCH2−,−CH2OCH2O−,−OCH2CH2O−又は−OCH2CH2S−を形成することにより、それぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)を表す。〕
[2] 前記Qが、ヒドロキシル基である[1]の芳香族スルホン酸化合物の製造法
を提供する。
本発明の方法を用いることにより、様々な芳香族スルホン酸化合物を容易に製造することができる。また、電子デバイス用途の材料を反応基質に用い、薄膜形成時にスルホン化を行うことができ、これにより、均一性が高く凹凸が発生しにくい、芳香族スルホン酸化合物の薄膜を形成することができる。
芳香族スルホン酸化合物は、通常極性が高く、これを溶解させて使用する場合には、通常の有機溶媒を混入させることが困難であり、液の粘度、表面張力等の物性をコントロールすることが難しい。反応基質である芳香環を有する化合物は、芳香族スルホン酸化合物と比べて低極性の有機溶媒に対して溶解性が高いため、有機溶媒に溶解させてワニスとして使用する場合、予めスルホン化してある芳香族化合物と比べて多くの有機溶媒を使用することが可能である。さらに、基板上で焼成することにより、スルホン化を行って電子受容性や陽イオン伝導性などの種々の機能を発現させることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る芳香族スルホン酸化合物の製造法は、反応基質である少なくとも一つの芳香環を含む化合物に対し、上記式(1)で表される化合物をスルホン化剤として反応させる方法である。
式(1)において、C1〜C10アルコキシ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシ、1−エチル−2−メチルプロポキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、1−エチルブトキシ、2−エチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ、1−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ及び4−メチルペンチルオキシ等が挙げられる。
1〜C10アルキルチオ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、1,1−ジメチルプロピルチオ、1,2−ジメチルプロピルチオ、2,2−ジメチルプロピルチオ、1−エチルプロピルチオ、1,1,2−トリメチルプロピルチオ、1,2,2−トリメチルプロピルチオ、1−エチル−1−メチルプロピルチオ、1−エチル−2−メチルプロピルチオ、1−メチルブチルチオ、2−メチルブチルチオ、3−メチルブチルチオ、1−エチルブチルチオ、2−エチルブチルチオ、1,1−ジメチルブチルチオ、1,2−ジメチルブチルチオ、1,3−ジメチルブチルチオ、2,2−ジメチルブチルチオ、2,3−ジメチルブチルチオ、3,3−ジメチルブチルチオ、1−メチルペンチルチオ、2−メチルペンチルチオ、3−メチルペンチルチオ及び4−メチルペンチルチオ等が挙げられる。
1〜C10アルキルアミノ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、i−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、1,1−ジメチルプロピルアミノ、1,2−ジメチルプロピルアミノ、2,2−ジメチルプロピルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、1,1,2−トリメチルプロピルアミノ、1,2,2−トリメチルプロピルアミノ、1−エチル−1−メチルプロピルアミノ、1−エチル−2−メチルプロピルアミノ、1−メチルブチルアミノ、2−メチルブチルアミノ、3−メチルブチルアミノ、1−エチルブチルアミノ、2−エチルブチルアミノ、1,1−ジメチルブチルアミノ、1,2−ジメチルブチルアミノ、1,3−ジメチルブチルアミノ、2,2−ジメチルブチルアミノ、2,3−ジメチルブチルアミノ、3,3−ジメチルブチルアミノ、1−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルアミノ、3−メチルペンチルアミノ及び4−メチルペンチルアミノ等が挙げられる。
1〜C10アルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−エチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル及び4−メチルペンチル等が挙げられる。
上記において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーをそれぞれ表す。
Qはヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、C1〜C10アルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ基又はC1〜C10アルキルアミノ基を表すが、スルホン酸基の脱離をより促進させるという点から、ヒドロキシル基が好ましく、さらにこのヒドロキシル基はスルホン酸基に対してオルト位またはパラ位にあることが好ましい。
さらに、よりスルホン酸基の脱離を促進させることを考慮すると、R1〜R4及びR5〜R10の置換基において、1つまたは2つの置換基がヒドロキシル基であることが好ましい。
好ましい化合物例としては,5−スルホサリチル酸(以下5−SSAと略す)、2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、4−ヘキシロキシベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシナフタレンスルホン酸、タイロン、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−チオフェノールスルホン酸、4−アニリノスルホン酸、N−ヘキシル−4−アニリノスルホン酸などが挙げられる。
本発明における反応基質は少なくとも1つの芳香環を含む化合物であれば特に限定されない。
ここで芳香環とは、置換もしくは非置換のアニリン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゼン(フェニレン)、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、イミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、キノキザリン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、シロール、ピレン、ペリレン、フェナントロリン、フェナントリジン、キノキサリン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、アクリジン、フルオレン、カルバゾール、トリアリールアミン、金属−もしくは無金属−フタロシアニン、及び金属−もしくは無金属−ポルフィリンから選ばれる少なくとも1つ以上の芳香環であり、同種あるいは異種の芳香環を2つ以上含んでもよい。
反応基質の具体例としては、ポリアニリン、オリゴアニリン、アニリン、トリフェニルアミノオリゴアニリン、ポリチオフェン、オリゴチオフェン、チオフェン、ポリフラン、オリゴフラン、フラン、ピレン、キノリノールなどが挙げられる。
なお、芳香環を含む化合物は、溶媒への溶解性を考慮すると、分子量5000以下の化合物が好ましく、式(1)で表されるスルホン化試薬とともに、任意の溶媒に溶解することが好ましい。
本発明の製造法は、好ましくは溶媒を用いて行われる。
使用可能な溶媒としては、不活性で目的とする反応を妨げないものであれば特に制限されないが、水、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、トルエン及びメタノール等が挙げられる。
また、本発明のスルホン化剤を用いると薄膜作製時にスルホン化を行うこともでき、この場合は、ガラス基板、シリコンウェハー、ITO基板又は石英基板等の基板上で反応が行われる。すなわち、反応基質と式(1)のスルホン化剤を含有する溶媒(以下、反応基質とスルホン化剤とを含有する溶液をワニスと呼ぶ。)を、基板上に滴下あるいは任意の塗布法により塗布した後、これを焼成することにより、溶媒の揮発過程、基板上でのスルホン化試薬の熱分解過程及びスルホン酸基の芳香環を含む化合物への移行過程を経てスルホン化と薄膜形成がほぼ同時に進行する。
この際、基板への塗布法としては、例えば、直接滴下、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法等が挙げられる。
溶媒の蒸発法としては、例えば、ホットプレートやオーブンを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で蒸発させる方法が挙げられ、焼成法としても、同様に、ホットプレートやオーブンを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で溶媒の揮発及びスルホン化反応を進行させる手法が採用できる。
式(1)のスルホン化剤の使用量は、特に限定されるものではないが、反応を生じさせようとする芳香環単位に対して、0.1〜10当量とすることが好ましく、1〜5当量とすることがより好ましい。
反応温度は、スルホン化剤のスルホン酸基が解離される必要があるため、100℃以上300℃以下であることが好ましく、150℃以上200℃以下であることがより好ましい。
なお、薄膜作製時にスルホン化を行う場合、効率よくスルホン化反応を進行させるために、基板上での焼成時にスルホン化剤が油状であることが望まれる。そのため、式(1)のスルホン化剤の融点は、200℃以下であることが好ましく、沸点は300℃以上であることが好ましい。
また、薄膜を作製する場合は、溶液の粘度調整、基板への濡れ性を向上、溶剤の表面張力の調整、極性の調整、沸点の調整等の目的で焼成時に膜の平坦性を付与するその他の溶媒を1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%の割合で混合してもよい。
その他の溶媒の具体例としては、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールジクリシジルエーテル、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルカルビトール、ジアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン及び乳酸エチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応終了後は、水等の極性溶媒を用いた固−液抽出操作、水と有機溶媒とを用いた液−液抽出操作等により粗物を得ることができる。
さらに、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂を用いたイオン交換操作、再結晶または再沈殿等の常法による精製を行うことで、純粋な目的物を得ることができる。
また、基板上に薄膜を形成した場合、そのまま電子デバイス用途に使用することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ピレン100mg(0.4944mmol)に対し、5−SSA503mg(1.978mmol)及びDMF4.78gを加えて溶解し、ワニスを調製した(固形分濃度10重量%)。得られたワニス1mlを50mm四方のガラス基板上に滴下し、ホットプレート上180℃で1時間、さらに200℃で1時間焼成した。得られた膜を採取し、マススペクトル(イオン化法:MALDI−TOF及びFAB)測定を行ったところ、ピレンスルホン酸が検出された。得られた膜は水に対して完全に溶解した。
Figure 2006137473
分子量(以下Mwと略す):282
MALDI−TOF−:m/z 281[M−H]-,(以下5−SSA由来)173,253,297,333(ピレンのMw:202ピークなし)
FAB−: m/z 281[M−H]-,(以下5−SSA由来)173,253,297,333(ピレンのMw:202ピークなし)
[実施例2]
4,4’−ビフェノール100mg(0.537mmol)に対し、5−SSA546mg(1.98mmol)及びDMF5.12gを加えて溶解し、ワニスを調製した(固形分濃度10重量%)。実施例1に記載の方法により焼成を行って得られた膜を採取し、マススペクトル(イオン化法:MALDI−TOF及びFAB)測定を行ったところ、4,4’−ビフェノールスルホン酸が検出された。得られた膜は水に対して完全に溶解した。
Figure 2006137473
Mw(n=0):186;(n=1),266;(n=2),346;(n=3),426;(n=4),506:(n=5),586
MALDI−TOF−:m/z 265[M−H]-(n=1),345[M−H]-(n=2),425[M−H]-(n=3),505[M−H]-(n=4)(4,4’−ビフェノールのMw:186ピークなし)
FAB−: m/z 265[M−H]-(n=1),345[M−H]-(n=2),425[M−H]-(n=3)(4,4’−ビフェノールのMw:186ピークなし)
[実施例3]
8−キノリノール100mg(0.689)112mmol)に対し、5−SSA700mg(2.76mmol)及びDMF6.31gを加えて溶解し、ワニスを調製した(固形分濃度10重量%)。実施例1に記載の方法により焼成を行って得られた膜を採取し、マススペクトル(イオン化法:MALDI−TOF及びFAB)測定を行ったところ、8−キノリノールスルホン酸が検出された。得られた膜は水に対して完全に溶解した。
Figure 2006137473
Mw(n=0):145;(n=1),225;(n=2),305;(n=3),385
MALDI−TOF−:m/z 224[M−H]-(n=1),304[M−H]-(n=2),(以下5−SSA由来)173,217,253,297,333
FAB−: m/z 224[M−H]-(n=1),304[M−H]-(n=2),(以下SSA由来)173,217,253,297,333

Claims (2)

  1. 式(1)で表される化合物をスルホン化剤として使用し、少なくとも1つの芳香環を含む化合物をスルホン化することを特徴とする芳香族スルホン酸化合物の製造法。
    Figure 2006137473
    〔式中Aは、式(2)又は(3)
    Figure 2006137473
    (式中、Qは、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、C1〜C10アルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ基又はC1〜C10アルキルアミノ基を表し、
    1〜R4及びR5〜R10は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、C1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ基又はC1〜C10アルキルアミノ基を表す。
    ただし、R1〜R4及びR5〜R10の置換基において、隣り合う2つ置換基が−CH2CH2CH2−,−CH2CH2O−,−CH2OCH2−,−OCH2O−,−CH2CH2S−,−CH2SCH2−,−CH2CH2CH2CH2−,−CH2CH2CH2O−,−CH2CH2OCH2−,−CH2OCH2O−,−OCH2CH2O−又は−OCH2CH2S−を形成することにより、それぞれが結合する炭素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)を表す。〕
  2. 前記Qが、ヒドロキシル基である請求項1記載の芳香族スルホン酸化合物の製造法。
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