JPWO2006134783A1 - 巻き糸パッケージの巻取り管および巻き糸パッケージの管理装置 - Google Patents
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Abstract
紙管にバーコードを貼着したり日付を直接印字する構成では、パッケージの受渡しなどが行なわれるうちに、バーコードが剥がれたり、印字がかすれて見えにくくなったりする不具合があった。一方、パッケージと別体のトレイ等にバーコード等の識別情報の記憶手段を設ける構成とすると、パッケージの管理が複雑化してしまう。本発明による巻き糸パッケージ8の芯管となるボビン10は、紙を巻回して筒状の紙積層体に形成される紙管であり、中間層10bと外層10cとの間に、薄片状(ラベル型)の記憶媒体13が埋め込まれたものである。
Description
本発明は、巻き糸パッケージの巻取り管および、巻き糸パッケージを複数の工程を経て加工する加工工場における巻き糸パッケージの管理装置に関する。
従来より、巻き糸パッケージを加工する設備において、バーコードを利用して、巻き糸パッケージを個別管理するシステムが知られている。例えば、特公平5−5744号公報に開示される管理装置では、ボビンの受け皿(トレイ)に、ワインダーを構成するワインディングユニットの符号がコード化されたバーコードを貼着し、各ボビンのパッケージが、どのワインディングユニットで加工されたかが特定可能とされる構成である。つまり、どのような加工を受けたかに関する情報(糸質情報)が、各パッケージに対応して得られるものとなっている。
また、パッケージの管理においては、バーコードのような識別情報の記憶手段をトレイに貼着する構成に限られず、巻き糸パッケージの紙管の内側に、バーコードを貼り付けたり、日付を印字したり、することも行なわれている。このように構成することで、パッケージがトレイ等の搬送手段から分離されて単体で扱われる状態でも、パッケージの生産日や生産計画Noなどの情報を管理することが可能である。つまり、紙管にパッケージの識別情報を記憶させる構成とすると、パッケージの受渡しが複数の工程で行なわれる場合のパッケージ管理が容易となる。
また、パッケージの管理においては、バーコードのような識別情報の記憶手段をトレイに貼着する構成に限られず、巻き糸パッケージの紙管の内側に、バーコードを貼り付けたり、日付を印字したり、することも行なわれている。このように構成することで、パッケージがトレイ等の搬送手段から分離されて単体で扱われる状態でも、パッケージの生産日や生産計画Noなどの情報を管理することが可能である。つまり、紙管にパッケージの識別情報を記憶させる構成とすると、パッケージの受渡しが複数の工程で行なわれる場合のパッケージ管理が容易となる。
ところが、紙管にバーコードを貼着したり日付を直接印字する構成では、パッケージの受渡しなどが行なわれるうちに、バーコードが剥がれたり、印字がかすれて見えにくくなったりする不具合があった。一方、特許文献1に開示されるように、パッケージと別体のトレイ等にバーコード等の識別情報の記憶手段を設ける構成とすると、パッケージの管理が複雑化してしまう。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、内部に記憶媒体が埋め込まれている、ものである。
請求項2においては、前記巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ入力装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記処理設備により処理を受けた前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージが前記処理設備で受けた処理結果の入力を前記データ入力装置に許可すると共に、入力された前記処理結果を前記識別情報に対応させて前記データ記憶装置に記憶させる、ものである。
請求項3においては、前記処理設備の少なくとも一つにおいては、この処理設備の信号出力部を前記データ入力装置とし、この信号出力部より、前記パッケージの処理結果に関わる信号を自動的に出力させて、前記データ記憶装置に入力させる、ものである。
請求項4においては、前記巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶され、前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報と、その巻き糸パッケージを処理する処理設備による処理内容と、が対応するかどうかを判定し、対応していない場合には、前記処理設備による前記巻き糸パッケージの処理を中断させる、及び/又は、警告出力装置を介して警告させる、ものである。
請求項5においては、前記巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、データ出力装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶され、前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報の少なくとも一部を前記データ記憶装置より引き出して、前記データ出力装置に表示出力させる、ものである。
請求項6においては、前記記憶媒体はデータの読取りおよび書き込みが可能に構成されると共に、前記記憶媒体にデータを書き込む記憶媒体書込み装置を備える、ものである。
即ち、請求項1においては、内部に記憶媒体が埋め込まれている、ものである。
請求項2においては、前記巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ入力装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記処理設備により処理を受けた前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージが前記処理設備で受けた処理結果の入力を前記データ入力装置に許可すると共に、入力された前記処理結果を前記識別情報に対応させて前記データ記憶装置に記憶させる、ものである。
請求項3においては、前記処理設備の少なくとも一つにおいては、この処理設備の信号出力部を前記データ入力装置とし、この信号出力部より、前記パッケージの処理結果に関わる信号を自動的に出力させて、前記データ記憶装置に入力させる、ものである。
請求項4においては、前記巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶され、前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報と、その巻き糸パッケージを処理する処理設備による処理内容と、が対応するかどうかを判定し、対応していない場合には、前記処理設備による前記巻き糸パッケージの処理を中断させる、及び/又は、警告出力装置を介して警告させる、ものである。
請求項5においては、前記巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、データ出力装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶され、前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報の少なくとも一部を前記データ記憶装置より引き出して、前記データ出力装置に表示出力させる、ものである。
請求項6においては、前記記憶媒体はデータの読取りおよび書き込みが可能に構成されると共に、前記記憶媒体にデータを書き込む記憶媒体書込み装置を備える、ものである。
図1は、パッケージ加工工場の概略構成を示す図である。
図2は、記憶媒体の埋め込まれた紙管であるボビンを示す図であり、特に(a)図は斜視図、(b)図は横断面図である。
図3は、パッケージの処理工程手順を示す手順図である。
図4は、巻き返し工程における照合処理に係わる装置構成を示す図である。
図5は、巻き返し工程におけるデータ登録処理に係わる装置構成を示す図である。
図6は、検査工程におけるデータ登録処理に係わる装置構成を示す図である。
図7は、スチームセット工程における照合処理に係わる装置構成を示す図である。
図8は、染色工程における表示処理に関わる装置構成を示す図である。
図9は、入庫管理工程における照合処理に係わる装置構成を示す図である。
図2は、記憶媒体の埋め込まれた紙管であるボビンを示す図であり、特に(a)図は斜視図、(b)図は横断面図である。
図3は、パッケージの処理工程手順を示す手順図である。
図4は、巻き返し工程における照合処理に係わる装置構成を示す図である。
図5は、巻き返し工程におけるデータ登録処理に係わる装置構成を示す図である。
図6は、検査工程におけるデータ登録処理に係わる装置構成を示す図である。
図7は、スチームセット工程における照合処理に係わる装置構成を示す図である。
図8は、染色工程における表示処理に関わる装置構成を示す図である。
図9は、入庫管理工程における照合処理に係わる装置構成を示す図である。
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図2等に示すボビン10は、本発明の巻き糸パッケージの巻取り管の一実施の形態である。図1等に示すパッケージ加工工場1には、本発明の巻き糸パッケージの管理装置の実施の形態が備えられている。
まず、図1を用いて、パッケージ加工工場1の概略構成を説明する。パッケージ加工工場1には、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、が備えられている。設備2・3・4・5・6は、巻き糸パッケージ(以下、単にパッケージ)8の処理に係わる処理設備であり、サーバ9はこれらの処理設備に備える入出力装置を管理するホストコンピュータである。また、パッケージ加工工場1の外部には、精紡設備11と、織布設備12と、が設けられている。
図1に示す精紡設備11は、精紡により紡績糸を製造すると共に、この紡績糸をボビン上に巻き取って原料パッケージ7を製造する設備である。原料パッケージ7は、糸欠点等を含む未完成のパッケージであり、この原料パッケージ7がパッケージ加工工場1の巻き返し設備2に供給される。
図1、図4に示す巻き返し設備2は、精紡設備11で製造された原料パッケージ7を、糸欠点の除去された状態で巻き返して、完成品のパッケージ8を製造する設備であり、巻き返し装置(ワインダー)20が備えられている。
図4に示すように、各巻き返し装置20には、一錘のパッケージ8を製造する巻き返しユニット(ワインディングユニット)21が多数備えられると共に、各巻き返しユニット21間で兼用の玉揚げ装置22が備えられている。各巻き返しユニット21は、糸欠点の検出装置23や、糸切断装置24や、糸継ぎ装置25を備えており、糸欠点を除去しながら、パッケージの巻き返しを行なう。玉揚げ装置22は、各巻き返しユニット21に、巻き返し作業の開始に際して空のボビン10を供給すると共に、巻き返し作業の終了に際して満巻のパッケージ8を回収(玉揚げ)する。
図1、図6に示す検査設備3は、パッケージ8の検査を行なうための設備である。検査設備3において行なわれるパッケージ8の検査は、重量計測検査と、作業者の目視検査と、である。この検査設備3には、パッケージ8の重量を計測する重量計31や、必要に応じてパッケージ8の表面を拡大する拡大鏡33、などが備えられている。
図1、図7に示すスチームセット設備4は、パッケージ8にスチームセットを行う設備である。スチームセット設備4には、パッケージ8を収容して蒸気による加熱を行なう蒸気室41が備えられている。パッケージ8は、蒸気室内での蒸気加熱を受けて、スチームセットされる。
図1、図8に示す染色設備5は、パッケージ8を染色する設備である。染色設備5には、パッケージ8を浸して染色するための染色槽51が備えられている。
図1、図9に示す入庫管理設備6は、パッケージ8を梱包し、梱包されたパッケージ8を倉庫64内に仕分けする設備である。入庫管理設備6には、パッケージ8を複数個単位で梱包する装置(梱包装置61)、梱包物18(梱包されたパッケージ8)18を収容する倉庫64、倉庫64内に梱包物18を仕分けする装置(仕分け装置63)、などが備えられている。なお、パッケージ8の梱包は、例えばダンボールにより行なう。
図1に示す織布設備11は、パッケージ加工装置1において加工されたパッケージ8を利用して布を製造する設備である。この織布設備11には、入庫管理設備6で仕分けされた梱包物18が、前記倉庫64から出庫されて、受け渡される。なお、本実施の形態では、織布設備12を、パッケージ加工工場1の外部の設備としたが、パッケージ加工工場の内部の設備として、織布処理までもパッケージ加工工場において行なわれる処理としても良い。
次に、図2を用いて、パッケージ8が巻回されるボビン10を説明する。パッケージ8の芯管となるボビン10は、紙を巻回して筒状の紙積層体に形成される紙管である。具体的には、マンドレル上に左右からテープ状の原紙をスパイラル状に巻きつけて、長い紙管を形成し、この長い紙管を軸方向の適宜長さで切断することで、パッケージ8の芯管となるボビン10が製造される。このボビン10には、記憶媒体13が埋め込まれている。この記憶媒体13は、ボビン10上に形成されるパッケージ8の識別情報や、その他パッケージ8に係わる情報を記憶させるための手段である。
図2(b)に示すように、紙管であるボビン10は、複数(本実施形態は3層)の紙層、内層10a、中間層10b、外層10c、より構成されている。中間層10bと外層10cとの間には、薄片状(ラベル型)の記憶媒体13が埋め込まれている。記憶媒体13のボビン10内への埋め込みは、マンドレル上に内層10a、中間層10bを巻きつけた後、中間層10bの外側に外層10cを巻きつけるのに先立って、中間層10bの外表面に記憶媒体13を貼り付けることで、行なわれる。記憶媒体の埋め込み部位は、紙管であるボビン10を構成する複数の紙層間であれば、中間層10bと外層10cとの間に限定されず、他の紙層間であってもよい。
記憶媒体13は、外部の記憶媒体の読取装置のアンテナ側からの非接触電力伝送により、記憶媒体13自体に電池を有することなく、半永久的に利用可能なタグに構成されている。このため、記憶媒体13の電池交換のために、ボビン10を構成する紙管を破壊する必要は無く、ボビン10(その内部の記憶媒体13を含む)が破損しない限り、記憶媒体13付きのボビン10の使用を継続できる。
図1、図3を用いて、パッケージ加工工場1におけるパッケージ8の処理工程手順を説明する。図3に示すように、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。また、パッケージ8の処理工程手順は、必ずしも、図3に示す手順に限定されるものではない。例えば、検査工程300とスチームセット工程400とは逆であっても良い。
ここで、巻き返し工程200は巻き返し設備2で行なわれる処理である。検査工程300は検査設備3で行なわれる処理である。スチームセット工程400はスチームセット設備4で行なわれる処理である。染色工程500は染色設備5で行なわれる処理である。入庫管理工程600は、入庫管理設備6において行なわれる処理である。
図3を用いて、各処理工程において行なわれるパッケージ8の管理処理を説明する。パッケージ8の各処理工程においては、後述する管理装置(本実施の形態)により、パッケージ8の管理に係わる処理として、照合処理、表示処理、データ登録処理が行なわれる。これらの各処理は、以下で、個別に具体的に説明するが、次のようなものである。照合処理とは、各処理工程において、パッケージ8の管理情報と各処理工程での処理内容とが、対応するかどうかを照合する処理である。表示処理とは、パッケージ8に関連する情報(管理情報)を、各処理工程において、ディスプレイ等の出力装置に表示出力させる処理である。データ登録処理とは、各処理工程において、処理を受けた後のパッケージ8の処理結果に関するデータを、前記サーバ9の記憶装置9aに登録する処理である。なお、パッケージ8の各処理工程において、必ずしも、照合処理、表示処理、データ登録処理のすべてが行なわれる必要はない。
本実施の形態である、パッケージ8の管理装置の構成を説明する。この管理装置は、前述したように、前記各処理工程において、パッケージ8の管理に係わる処理(管理処理)である、照合処理、表示処理、データ登録処理を行なう装置である。このため、この管理装置には、前記各管理処理においてパッケージ8の識別情報を読取るための記憶媒体読取装置、データ登録処理用のデータ入力装置、照合処理や表示処理におけるデータ参照先やデータ登録処理における登録先としてのデータ記憶装置(記憶装置9a)、各処理の指令塔となる制御装置、表示処理用のデータ出力装置、が備えられている。以下においては、この管理装置に備えるハード資源のうち、各処理工程において行なわれる各管理処理において必要なハード(装置)のみを列挙して、説明を行なう。
図4、図5を用いて、巻き返し工程200における管理処理について説明する。巻き返し工程200においては、前記管理処理として、照合処理およびデータ登録処理が行なわれる。巻き返し工程200においては、各巻き返しユニット21に、巻き出し用の原料パッケージ7が供給されると共に、巻き返しの芯管となる空のボビン10が供給される。そして、各巻き返しユニット21は、原料パッケージ7を巻き返してパッケージ8を製造する。なお、満巻状態のパッケージ8の糸量に応じて、一又は複数の原料パッケージ7が必要となる。
ここで、各巻き返しユニット21には、玉揚げ装置22により空のボビン10が供給されて、巻き返しユニット21のボビンホルダに装着される。このボビンホルダへの装着時に、ボビン10に巻取る予定のパッケージ8の品種(糸種および番手)と、各巻き返しユニット21での処理内容(どの品種の原料パッケージ7を巻き返すか)と、が対応しているか否か、を照合する照合処理が行われる。
前記照合処理は、例えば、玉揚げ装置が空ボビンを把持するタイミングで照合を行い、異品種用の空ボビンが混在していたら、玉揚げ動作を中断して、警報を出してオペレータを呼ぶか、あるいは、把持した異品種用空ボビンを落とし、次の正規の空ボビンを把持して巻き返しユニットにセットするように玉揚げ動作を制御することが好ましい。なお、上記警報の表示は、玉揚げ装置、巻き返しユニット、あるいは機台端部の機台コントローラ等に表示することができる。
なお、ボビン10には、品種に応じて異なる色(紙管色)が塗られており、作業者が目視で、どの品種のパッケージ8を巻取るためのボビンであるかを特定可能である。
図4に示すように、前記管理装置に備える装置のうち、巻き返し工程200における照合処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。記憶媒体リーダ22aと制御装置20aとの間、制御装置20aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。
玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22aは、ボビン10内の記憶媒体13に記憶される情報の読取りが可能な装置であり、前記管理処理において、ボビン10に巻き取られるパッケージ8の識別情報を読取る。
サーバ9の記憶装置9aには、パッケージ8の管理に係わる情報(以下、管理情報)として、糸種、加工条件、生産計画、等に関する情報が、前記各処理工程の実行に先立って予め記憶されている。糸種に関する情報とは、糸の種類だけでなく糸の番手に関する情報をも含む。加工条件に関わる情報とは、各処理工程においてパッケージ8(糸)を加工処理する条件のことであり、例えば、巻き返し工程200における巻取条件(巻取速度など)や染色工程500における染色条件を意味する。生産計画に関する情報とは、各パッケージ8が、どのロット(糸種や加工条件を同一とする単位)の何番目に位置するか等、全体の生産計画における各パッケージ8の位置付けに関する情報である。
巻き返し装置20に備える制御装置20aは、基本的には、各巻き返しユニット21を制御する装置であるが、巻き返し工程200における照合処理の指令部としても機能する。なお、巻き返し工程200における照合処理の指令部を、本実施の形態では、巻き返し装置20に備える制御装置20aに兼用させる構成であるが、この指令部をサーバ9に備える制御装置や、専用の制御装置に担当させる構成としても良い。
巻き返し工程200における照合処理は、次のようにして行なわれる。まず、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aにより、巻き返しユニット21に装着されたボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報(ボビン10に巻取る予定のパッケージ8の識別情報)が、読取られる。巻き返し工程200においては、この記憶媒体リーダ22aによる読取りも、制御装置20aによる指令に基づいて行なわれる。
次いで、制御装置20aは、パッケージ8の管理情報と、そのパッケージ8を処理する巻き返しユニット21による処理内容と、が対応するかどうかを判定する。具体的には、制御装置20aは、パッケージ8の品種(糸種および番手)と、そのパッケージ8を処理する巻き返しユニット21で巻き出し用とする原料パッケージ7の品種と、が対応しているかどうか、を判定する。ここで、巻き返しユニット21による処理内容とは、どのような品種の原料パッケージ7を用いて巻き返し処理を行なうか、ということを意味している。
上記原料パッケージの品種判別は、原料パッケージの芯(ボビン)に埋め込まれた11Cチップ等の記憶媒体や、ボビンを個々に載置して搬送する搬送媒体(トレイ)に埋め込まれた記憶媒体を読み取ることにより知り得る。そして誤って異品種の原料パッケージを人為的ミスで投入した場合に巻取りを中断してアラームを出すことができる。
なお、パッケージ8の品種に関わる管理情報だけでなく、加工条件や生産計画を含めた管理情報と、巻き返しユニット21による処理内容と、が対応するか否かを、制御装置20aで判定させるものとしても良い。この場合、巻き返しユニット21におけるパッケージ8の製造が、品種(糸種および番手)の一致する原料パッケージ7の巻き返しであって、巻き返しユニット21における加工条件が一致し、生産計画に沿った(一致する)ものである場合に、制御装置20aは、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応する、と判定する。
制御装置20aは、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応しない、と判定すると、巻き返しユニット21による巻き返し処理を中断させる。
又、巻き返しユニット21による処理内容と制御装置20aに登録された生産計画との照合が一致しない場合は、巻取りユニットの運転をスタートせずにオペレータ又は管理者の注意を促すようにアラームを出すような対応も可能である。
また、各巻き返しユニット21には、異常状態を作業者に警告する警告出力装置として、警報ランプ26が備えられている。制御装置20aは、前記対応しない場合には、巻き返しユニット21による巻き返し処理を中断させるだけでなく、警報ランプ26を赤色(異常状態の表示色の一例)に点灯させる。警告出力装置の構成は、音声出力であってもよく限定しない。一方、制御装置20aは、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応している、と判定した場合、そのまま巻き返しユニット21による巻き返し処理を実行させる。
図5を用いて、巻き返し工程200におけるデータ登録処理を説明する。巻き返し工程200において、各巻き返しユニット21での巻き返し処理が終了すると、満巻のパッケージ8が製造され、このパッケージ8は玉揚げ装置22により巻き返しユニット21より回収(玉揚げ)される。この巻き返し処理の終了時に、各巻き返しユニット21で製造されたパッケージ8の加工結果を、サーバ9の記憶装置9aに記憶させるデータ登録処理が行なわれる。
前記管理装置に備える装置のうち、巻き返し工程200におけるデータ登録処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返しユニット21の信号出力部21a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。記憶媒体リーダ22aと制御装置20aとの間、信号出力部21aと制御装置20aとの間、制御装置20aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。
巻き返しユニット21の信号出力部21aからは、巻き返しユニット21での巻き返し処理によるパッケージ8の処理結果が自動的に出力され、サーバ9の記憶装置9aへと入力(送信)される。巻き返しユニット21の信号出力部21aとは、巻き返しユニット21に備えるセンサやアクチュエータの駆動信号出力部を意味している。例えば、糸欠点検出装置23はセンサであり、糸切断装置24はカッターを駆動するアクチュエータを備え、糸継ぎ装置25は糸継ぎ用のノズルよりエアを噴射させるアクチュエータなどを備えている。そして、この信号出力部21aより出力される信号を解析すれば、前記各アクチュエータの作動状態(つまり各装置の作動状態、例えば糸切れに応じた糸継ぎ装置の駆動回数など)が把握される。
そして、巻き返しユニット21におけるパッケージ8の処理結果とは、例えば、あるパッケージ8の製造において、そのパッケージ8を製造した巻き返しユニット21で、糸切れが何回発生したか、に関する情報である。糸切れの回数に限らず、糸欠点検出装置で検出された糸質に関する情報一般も、パッケージ8の処理結果に当然含めることができる。
サーバ9の記憶装置9aには、パッケージ8の管理情報(糸種、加工条件、生産計画、等)が予め記憶されているが、これに加えて、前記各処理工程の実施によるパッケージ8の処理結果が、パッケージ8に係わる情報としてデータ登録される。例えば、巻き返し工程200においては、パッケージ8の処理結果の一つは、前述した糸継ぎの回数に関わる情報が該当する。
また、巻き返し装置20に備える制御装置20aは、巻き返し工程200におけるデータ登録処理の指令部としても機能する。同じく、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22aは、データ登録処理等においても、ボビン10に巻き取られるパッケージ8の識別情報を読取る。
巻き返し工程200におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。まず、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aにより、満巻となったパッケージ8のボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報が、読取られる。この記憶媒体リーダ22aによる読取りも、制御装置20aによる指令に基づいて行なわれる。
次いで、制御装置20aは、満巻となったパッケージ8を製造した巻き返しユニット21の信号出力部21aに、そのパッケージ8の処理結果の出力を許可する。信号出力部21aよりパッケージ8の処理結果が出力されると、その処理結果は、サーバ9の記憶装置9aへ入力される。ここで、制御装置20aは、パッケージ8の処理結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。このようにして、パッケージ8の処理結果が、サーバ9の記憶装置9aにデータ登録される。
なお、玉揚げ装置が記憶媒体にデータを書き込むライタ装置を搭載しておけば、満巻きとなったパッケージの品質情報を直接ボビン10に書き込むこともできる。
図6を用いて、検査工程300における管理処理について説明する。検査工程300においては、前記管理処理として、データ登録処理が行なわれる。検査工程300においては、パッケージ8の重量計測検査と、パッケージ8の目視検査と、が行なわれる。これらの検査後には、これらの検査で得られた結果を、サーバ9の記憶装置9aに記憶させるデータ登録処理が行なわれる。
前記管理装置に備える装置のうち、検査工程300におけるデータ登録処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ31、端末装置30の制御装置30a、端末装置30に備えるキーボード等の入力装置30b、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ31と制御装置30aとの間、入力装置30bと制御装置30aとの間、制御装置30aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。
ハンド式記憶媒体リーダ31は、作業者が手に持って移動させることが可能な記憶媒体13の読取装置であり、検査設備3に備えられている。作業者は、ハンド式記憶媒体リーダ31を、検査対象のパッケージ8に接近させることで、このパッケージ8内のボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報を読取る。
端末装置30は、汎用のコンピュータ装置であり、端末装置30の演算回路等を主として構成される制御装置30a、データの入力装置30b、ディスプレイ等の出力装置30c、を備えている。この端末装置30は、検査設備3に備えられている。
検査工程300におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ31を、検査対象のパッケージ8に接近させて、そのパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ31により読取らせる。パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置30aは、入力装置30bに、パッケージ8の処理結果(検査工程300の場合、検査結果)の入力を許可する。作業者が入力装置30bを利用してパッケージ8の検査結果を入力すると、制御装置30aは、その入力された検査結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。このようにして、パッケージ8の処理結果(検査結果)が、サーバ9の記憶装置9aにデータ登録される。
図7を用いて、スチームセット工程400における管理処理について説明する。スチームセット工程400においては、前記管理処理として、照合処理が行なわれる。スチームセット工程400においては、パッケージ8のスチームセットが行なわれる。このスチームセット処理に先立って、処理対象のパッケージ8の品種(糸種および番手)と、スチームセット設備4における処理内容(セット条件)とが対応しているか、を照合する照合処理が行われる。
図7に示すように、前記管理装置に備える装置のうち、スチームセット工程400における照合処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ42、制御装置40a、端末装置40に備えるディスプレイ等の出力装置40c、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ42と制御装置40aとの間、出力装置40cと制御装置40aとの間、制御装置40aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。なお、ハンド式記憶媒体リーダ31・42、端末装置31・42は同様の構成であるので、これらに関する説明は省略する。
スチームセット工程400における照合処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ42を、スチームセット対象のパッケージ8に接近させて、そのパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ42により読取らせる。パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置40aは、パッケージ8の管理情報(品種(糸種および番手))と、そのパッケージ8を処理するスチームセット設備4による処理内容(セット条件)と、が対応するかどうかを判定する。管理情報(品種)と処理内容(セット条件)とが対応していない場合、制御装置40aは、画像の表示出力装置である出力装置40cに、異常状態を作業者に報知するための警告表示を行なわせる。このようにして、作業者は、スチームセット工程400におけるスチームセット処理の実行に先立って、パッケージ8に適正な処理が行なわれるか否かを、確認することができる。
図8を用いて、染色工程500における管理処理について説明する。染色工程500においては、前記管理処理として、表示処理が行なわれる。染色工程500においては、パッケージ8を染色する染色処理が行なわれるが、この処理に先立って、染色処理の対象とするパッケージ8の管理情報(糸種および、糸種に応じた推奨染色条件)を、サーバ9の記憶装置9aより引き出して表示出力させる表示処理が行なわれる。
前記管理装置に備える装置のうち、染色工程500における表示処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ52、端末装置50の制御装置50a、端末装置50に備えるキーボード等の入力装置50b、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ52と制御装置50aとの間、入力装置50bと制御装置50aとの間、制御装置50aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。なお、ハンド式記憶媒体リーダ31・52、端末装置31・52は同様の構成であるので、これらに関する説明は省略する。
染色工程500における表示処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ52を、染色処理対象のパッケージ8に接近させて、そのパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ52により読取らせる。パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置50aは、パッケージ8の管理情報のうち、糸種と、その糸種における推奨染色条件と、をサーバ9の記憶装置9aより引き出して、画像の表示出力装置である出力装置50cに、表示出力させる。ここで、糸種における推奨染色条件は、前記加工条件に関する情報の一つであり、パッケージ8の管理情報に含まれる情報である。このようにして、作業者は、染色工程500における染色処理の実行に先立って、それに必要な情報(糸種および推奨染色条件)を、確認することができる。
図9を用いて、入庫管理工程600における管理処理について説明する。入庫管理工程600においては、前記管理処理として、照合処理が行なわれる。入庫管理工程600においては、パッケージ8の複数個単位での梱包処理と、パッケージ8の梱包物18(梱包されたパッケージ8)を、入庫管理設備6に備える倉庫64に仕分けする仕分け処理と、が行なわれる。ここで、仕分け処理に先立って、梱包物18内のパッケージ8の管理情報と、梱包処理が対応しているか、を照合する照合処理が行なわれる。ここで、管理情報と梱包処理とが対応するとは、パッケージ8の品種(糸種および番手)や生産計画(ロット)に応じた梱包が行なわれていることを意味する。例えば、同一の梱包物18の中に、異なる品種のパッケージ8や、異なるロットのパッケージ8が混じっている場合は、管理情報と梱包処理とが対応していない場合である。
図9に示すように、前記管理装置に備える装置のうち、入庫管理工程600における照合処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ62、制御装置60a、端末装置60に備えるディスプレイ等の出力装置60c、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ62と制御装置60aとの間、出力装置60cと制御装置60aとの間、制御装置60aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。なお、ハンド式記憶媒体リーダ31・62、端末装置31・62は同様の構成であるので、これらに関する説明は省略する。
入庫管理工程600における照合処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ62を、パッケージ8の梱包物18に接近させて、その梱包物18内に収容されるパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ42により読取らせる。同一の梱包物18内に複数のパッケージ8が収容されている場合であっても、ハンド式記憶媒体リーダ62により、個別にそれぞれのパッケージ8の識別情報が読取られる。
パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置60aは、パッケージ8の管理情報と、そのパッケージ8を処理する入庫管理設備6による処理内容(梱包処理の結果)と、が対応するかどうかを判定する。管理情報と処理内容(梱包処理の結果)とが対応していない場合、制御装置60aは、画像の表示出力装置である出力装置60cに、異常状態を作業者に報知するための警告表示を行なわせる。このようにして、作業者は、入庫管理工程600における梱包処理の結果が適正に行なわれたか否かを、確認することができる。
前記各処理工程が終了した段階では、サーバ9の記憶装置9aに、各処理工程でのデータ登録処理により登録された情報が、パッケージ8に関連する情報として追加されている。本実施の形態では、巻き返し工程200でのパッケージ8の処理結果(糸切れ回数等)と、検査工程300でのパッケージ8の処理結果(重量や目視の検査結果)とが、データ登録処理により追加される情報である。また、これらのパッケージ8に関連する情報は、記憶装置9a内において、パッケージ8の識別情報に対応して、記憶される構成である。
このため、パッケージ加工設備1よりパッケージ8が搬出されて、織布設備12等の後工程の処理設備に受け渡される際に、パッケージ8の原料(糸種)に関する情報のみではなく、パッケージ8の加工処理結果(仕上がり具合)の情報をも、同時に受け渡すことが可能となる。
また、以上の説明においては、パッケージ8に関連する情報の記憶先は、サーバ9の記憶装置9aとしていたが、記憶媒体13に備える記憶装置を、前記情報の記憶先としても良い。この場合、前記各記憶媒体リーダ22a・32・42・52・62に代えて、記憶媒体内の記憶装置の読取りと、この記憶装置への書き込みと、が可能なリーダ/ライタ装置とする。また、これに対応して、書き込むべきデータ量に対応した記憶容量を有する記憶媒体を、用いるものとする。このように構成することで、作業者は、ネットワーク接続を介して接続されるサーバ9等に一々アクセスすることなく、パッケージ8にリーダ/ライタ装置を用いて、データの照合や表示、データの登録などを行なうことが可能となる。
本発明をまとめる。第一の発明たる巻き糸パッケージの巻取り管は、内部に記憶媒体が埋め込まれているものである。
本実施の形態では、巻き糸パッケージの巻取り管は、巻き糸パッケージ8の芯管となるボビン10である。このボビン10は、紙を巻回して筒状の紙積層体に形成される紙管であり、中間層10bと外層10cとの間に、薄片状(ラベル型)の記憶媒体13が埋め込まれている。巻き糸パッケージの巻取り管は、紙管に限定されるものではなく、樹脂等その他の素材で形成される巻取り管であってもよい。
以上構成により、記憶媒体は、巻取り管により保護される。このため、識別情報の記憶手段として機能する記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもない。
第二の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、次の構成である。この巻き糸パッケージの管理装置は、第一の発明たる巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置である。この巻き糸パッケージの管理装置は、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ入力装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備えている。前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶される。前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記処理設備により処理を受けた前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージが前記処理設備で受けた処理結果の入力を前記データ入力装置に許可すると共に、入力された前記処理結果を前記識別情報に対応させて前記データ記憶装置に記憶させる、ものである。
本実施の形態に関わるパッケージ加工工場1は、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、を備えている。そして、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。
本実施の形態では、巻き返し工程200と、検査工程300とで、データ登録処理が行なわれる。本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、検査工程300におけるデータ登録処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ31(記憶媒体読取装置)、端末装置30の制御装置30a、端末装置30に備えるキーボード等の入力装置30b(データ入力装置)、サーバ9の記憶装置9a(データ記憶装置)、である。検査工程300におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。制御装置30aは、パッケージ8の識別情報の読取りがハンド式記憶媒体リーダ31により行なわれると、入力装置30bに、パッケージ8の処理結果(検査工程300の場合、検査結果)の入力を許可し、入力装置30bによりパッケージ8の検査結果が入力されると、その入力された検査結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
第三の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、第二の発明において、次の構成としたものである。前記処理設備の少なくとも一つにおいては、この処理設備の信号出力部を前記データ入力装置とし、この信号出力部より、前記パッケージの処理結果に関わる信号を自動的に出力させて、前記データ記憶装置に入力させる、ものである。
本実施の形態では、巻き返し工程200と、検査工程300とで、データ登録処理が行なわれる。他の処理工程においても、データ登録処理が行なわれるものとしても良い。
本実施の形態では、巻き返し設備2の信号出力部21aが、前記データ入力装置として利用される。加えて、巻き返し工程200においても、データ登録処理が行なわれる。
本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、巻き返し工程200におけるデータ登録処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返しユニット21の信号出力部21a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。巻き返し工程200におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。制御装置20aは、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aによりパッケージ8の識別情報が読取られると、満巻となったパッケージ8を製造した巻き返しユニット21の信号出力部21aに、そのパッケージ8の処理結果の出力を許可する。信号出力部21aよりパッケージ8の処理結果が出力されると、その処理結果は、サーバ9の記憶装置9aへ入力される。ここで、制御装置20aは、パッケージ8の処理結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が自動的に可能である。
第四の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、次の構成である。この巻き糸パッケージの管理装置は、第一の発明である巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置である。この巻き糸パッケージの管理装置は、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備えている。前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されている。前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶される。前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報と、その巻き糸パッケージを処理する処理設備による処理内容と、が対応するかどうかを判定し、対応していない場合には、前記処理設備による前記巻き糸パッケージの処理を中断させる、及び/又は、警告出力装置を介して警告させる。
本実施の形態におけるパッケージ加工工場1は、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、を備えている。そして、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。
本実施の形態では、巻き返し工程200と、スチームセット工程400と、入庫管理工程600とで、照合処理が行なわれる。他の処理工程においても、照合処理が行なわれるものとしても良い。
本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、巻き返し工程200における照合処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。制御装置20aは、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aにより、巻き返しユニット21に装着されたボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報が読取られると、パッケージ8の管理情報と、そのパッケージ8を処理する巻き返しユニット21による処理内容と、が対応するかどうかを判定する。そして、制御装置20aが、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応しない、と判定すると、巻き返しユニット21による巻き返し処理を中断させると共に、警告出力装置である警報ランプ26を赤色(異常状態の表示色の一例)に点灯させる。警告出力装置の構成は、音声出力であってもよく限定しない。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の照合が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
第五の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、次の構成である。この巻き糸パッケージの管理装置は、第一の発明たる巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置である。この巻き糸パッケージの管理装置は、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、データ出力装置と、制御装置と、を備えている。前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されている。前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶される。前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報の少なくとも一部を前記データ記憶装置より引き出して、前記データ出力装置に表示出力させる。
本実施の形態に関わるパッケージ加工工場1は、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、を備えている。そして、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。
本実施の形態では、染色工程500で、表示処理が行なわれる。他の処理工程においても、表示処理が行なわれるものとしても良い。
本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、染色工程500における表示処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ52、端末装置50の制御装置50a、端末装置50に備えるキーボード等の入力装置50b、サーバ9の記憶装置9a、である。制御装置50aは、ハンド式記憶媒体リーダ52によりパッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、パッケージ8の管理情報のうち、糸種と、その糸種における推奨染色条件と、をサーバ9の記憶装置9aより引き出して、画像の表示出力装置である出力装置50cに、表示出力させる。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の表示が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
第六の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、第二から第五の発明において、次の構成としたものである。前記記憶媒体はデータの読取りおよび書き込みが可能に構成されると共に、前記記憶媒体にデータを書き込む記憶媒体書込み装置を備えるものである。
このため、パッケージの巻取り管内の記憶媒体に、パッケージに関する情報を直接書き込んだり読取ったりすることができ、パッケージの管理がより一層容易となる。
[発明の効果]
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、識別情報の記憶手段として機能する記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもない。
請求項2においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
請求項3においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が自動的に可能である。
請求項4においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の照合が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
請求項5においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の表示が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
請求項6においては、パッケージの巻取り管内の記憶媒体に、パッケージに関する情報を直接書き込んだり読取ったりすることができ、パッケージの管理がより一層容易となる。
まず、図1を用いて、パッケージ加工工場1の概略構成を説明する。パッケージ加工工場1には、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、が備えられている。設備2・3・4・5・6は、巻き糸パッケージ(以下、単にパッケージ)8の処理に係わる処理設備であり、サーバ9はこれらの処理設備に備える入出力装置を管理するホストコンピュータである。また、パッケージ加工工場1の外部には、精紡設備11と、織布設備12と、が設けられている。
図1に示す精紡設備11は、精紡により紡績糸を製造すると共に、この紡績糸をボビン上に巻き取って原料パッケージ7を製造する設備である。原料パッケージ7は、糸欠点等を含む未完成のパッケージであり、この原料パッケージ7がパッケージ加工工場1の巻き返し設備2に供給される。
図1、図4に示す巻き返し設備2は、精紡設備11で製造された原料パッケージ7を、糸欠点の除去された状態で巻き返して、完成品のパッケージ8を製造する設備であり、巻き返し装置(ワインダー)20が備えられている。
図4に示すように、各巻き返し装置20には、一錘のパッケージ8を製造する巻き返しユニット(ワインディングユニット)21が多数備えられると共に、各巻き返しユニット21間で兼用の玉揚げ装置22が備えられている。各巻き返しユニット21は、糸欠点の検出装置23や、糸切断装置24や、糸継ぎ装置25を備えており、糸欠点を除去しながら、パッケージの巻き返しを行なう。玉揚げ装置22は、各巻き返しユニット21に、巻き返し作業の開始に際して空のボビン10を供給すると共に、巻き返し作業の終了に際して満巻のパッケージ8を回収(玉揚げ)する。
図1、図6に示す検査設備3は、パッケージ8の検査を行なうための設備である。検査設備3において行なわれるパッケージ8の検査は、重量計測検査と、作業者の目視検査と、である。この検査設備3には、パッケージ8の重量を計測する重量計31や、必要に応じてパッケージ8の表面を拡大する拡大鏡33、などが備えられている。
図1、図7に示すスチームセット設備4は、パッケージ8にスチームセットを行う設備である。スチームセット設備4には、パッケージ8を収容して蒸気による加熱を行なう蒸気室41が備えられている。パッケージ8は、蒸気室内での蒸気加熱を受けて、スチームセットされる。
図1、図8に示す染色設備5は、パッケージ8を染色する設備である。染色設備5には、パッケージ8を浸して染色するための染色槽51が備えられている。
図1、図9に示す入庫管理設備6は、パッケージ8を梱包し、梱包されたパッケージ8を倉庫64内に仕分けする設備である。入庫管理設備6には、パッケージ8を複数個単位で梱包する装置(梱包装置61)、梱包物18(梱包されたパッケージ8)18を収容する倉庫64、倉庫64内に梱包物18を仕分けする装置(仕分け装置63)、などが備えられている。なお、パッケージ8の梱包は、例えばダンボールにより行なう。
図1に示す織布設備11は、パッケージ加工装置1において加工されたパッケージ8を利用して布を製造する設備である。この織布設備11には、入庫管理設備6で仕分けされた梱包物18が、前記倉庫64から出庫されて、受け渡される。なお、本実施の形態では、織布設備12を、パッケージ加工工場1の外部の設備としたが、パッケージ加工工場の内部の設備として、織布処理までもパッケージ加工工場において行なわれる処理としても良い。
次に、図2を用いて、パッケージ8が巻回されるボビン10を説明する。パッケージ8の芯管となるボビン10は、紙を巻回して筒状の紙積層体に形成される紙管である。具体的には、マンドレル上に左右からテープ状の原紙をスパイラル状に巻きつけて、長い紙管を形成し、この長い紙管を軸方向の適宜長さで切断することで、パッケージ8の芯管となるボビン10が製造される。このボビン10には、記憶媒体13が埋め込まれている。この記憶媒体13は、ボビン10上に形成されるパッケージ8の識別情報や、その他パッケージ8に係わる情報を記憶させるための手段である。
図2(b)に示すように、紙管であるボビン10は、複数(本実施形態は3層)の紙層、内層10a、中間層10b、外層10c、より構成されている。中間層10bと外層10cとの間には、薄片状(ラベル型)の記憶媒体13が埋め込まれている。記憶媒体13のボビン10内への埋め込みは、マンドレル上に内層10a、中間層10bを巻きつけた後、中間層10bの外側に外層10cを巻きつけるのに先立って、中間層10bの外表面に記憶媒体13を貼り付けることで、行なわれる。記憶媒体の埋め込み部位は、紙管であるボビン10を構成する複数の紙層間であれば、中間層10bと外層10cとの間に限定されず、他の紙層間であってもよい。
記憶媒体13は、外部の記憶媒体の読取装置のアンテナ側からの非接触電力伝送により、記憶媒体13自体に電池を有することなく、半永久的に利用可能なタグに構成されている。このため、記憶媒体13の電池交換のために、ボビン10を構成する紙管を破壊する必要は無く、ボビン10(その内部の記憶媒体13を含む)が破損しない限り、記憶媒体13付きのボビン10の使用を継続できる。
図1、図3を用いて、パッケージ加工工場1におけるパッケージ8の処理工程手順を説明する。図3に示すように、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。また、パッケージ8の処理工程手順は、必ずしも、図3に示す手順に限定されるものではない。例えば、検査工程300とスチームセット工程400とは逆であっても良い。
ここで、巻き返し工程200は巻き返し設備2で行なわれる処理である。検査工程300は検査設備3で行なわれる処理である。スチームセット工程400はスチームセット設備4で行なわれる処理である。染色工程500は染色設備5で行なわれる処理である。入庫管理工程600は、入庫管理設備6において行なわれる処理である。
図3を用いて、各処理工程において行なわれるパッケージ8の管理処理を説明する。パッケージ8の各処理工程においては、後述する管理装置(本実施の形態)により、パッケージ8の管理に係わる処理として、照合処理、表示処理、データ登録処理が行なわれる。これらの各処理は、以下で、個別に具体的に説明するが、次のようなものである。照合処理とは、各処理工程において、パッケージ8の管理情報と各処理工程での処理内容とが、対応するかどうかを照合する処理である。表示処理とは、パッケージ8に関連する情報(管理情報)を、各処理工程において、ディスプレイ等の出力装置に表示出力させる処理である。データ登録処理とは、各処理工程において、処理を受けた後のパッケージ8の処理結果に関するデータを、前記サーバ9の記憶装置9aに登録する処理である。なお、パッケージ8の各処理工程において、必ずしも、照合処理、表示処理、データ登録処理のすべてが行なわれる必要はない。
本実施の形態である、パッケージ8の管理装置の構成を説明する。この管理装置は、前述したように、前記各処理工程において、パッケージ8の管理に係わる処理(管理処理)である、照合処理、表示処理、データ登録処理を行なう装置である。このため、この管理装置には、前記各管理処理においてパッケージ8の識別情報を読取るための記憶媒体読取装置、データ登録処理用のデータ入力装置、照合処理や表示処理におけるデータ参照先やデータ登録処理における登録先としてのデータ記憶装置(記憶装置9a)、各処理の指令塔となる制御装置、表示処理用のデータ出力装置、が備えられている。以下においては、この管理装置に備えるハード資源のうち、各処理工程において行なわれる各管理処理において必要なハード(装置)のみを列挙して、説明を行なう。
図4、図5を用いて、巻き返し工程200における管理処理について説明する。巻き返し工程200においては、前記管理処理として、照合処理およびデータ登録処理が行なわれる。巻き返し工程200においては、各巻き返しユニット21に、巻き出し用の原料パッケージ7が供給されると共に、巻き返しの芯管となる空のボビン10が供給される。そして、各巻き返しユニット21は、原料パッケージ7を巻き返してパッケージ8を製造する。なお、満巻状態のパッケージ8の糸量に応じて、一又は複数の原料パッケージ7が必要となる。
ここで、各巻き返しユニット21には、玉揚げ装置22により空のボビン10が供給されて、巻き返しユニット21のボビンホルダに装着される。このボビンホルダへの装着時に、ボビン10に巻取る予定のパッケージ8の品種(糸種および番手)と、各巻き返しユニット21での処理内容(どの品種の原料パッケージ7を巻き返すか)と、が対応しているか否か、を照合する照合処理が行われる。
前記照合処理は、例えば、玉揚げ装置が空ボビンを把持するタイミングで照合を行い、異品種用の空ボビンが混在していたら、玉揚げ動作を中断して、警報を出してオペレータを呼ぶか、あるいは、把持した異品種用空ボビンを落とし、次の正規の空ボビンを把持して巻き返しユニットにセットするように玉揚げ動作を制御することが好ましい。なお、上記警報の表示は、玉揚げ装置、巻き返しユニット、あるいは機台端部の機台コントローラ等に表示することができる。
なお、ボビン10には、品種に応じて異なる色(紙管色)が塗られており、作業者が目視で、どの品種のパッケージ8を巻取るためのボビンであるかを特定可能である。
図4に示すように、前記管理装置に備える装置のうち、巻き返し工程200における照合処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。記憶媒体リーダ22aと制御装置20aとの間、制御装置20aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。
玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22aは、ボビン10内の記憶媒体13に記憶される情報の読取りが可能な装置であり、前記管理処理において、ボビン10に巻き取られるパッケージ8の識別情報を読取る。
サーバ9の記憶装置9aには、パッケージ8の管理に係わる情報(以下、管理情報)として、糸種、加工条件、生産計画、等に関する情報が、前記各処理工程の実行に先立って予め記憶されている。糸種に関する情報とは、糸の種類だけでなく糸の番手に関する情報をも含む。加工条件に関わる情報とは、各処理工程においてパッケージ8(糸)を加工処理する条件のことであり、例えば、巻き返し工程200における巻取条件(巻取速度など)や染色工程500における染色条件を意味する。生産計画に関する情報とは、各パッケージ8が、どのロット(糸種や加工条件を同一とする単位)の何番目に位置するか等、全体の生産計画における各パッケージ8の位置付けに関する情報である。
巻き返し装置20に備える制御装置20aは、基本的には、各巻き返しユニット21を制御する装置であるが、巻き返し工程200における照合処理の指令部としても機能する。なお、巻き返し工程200における照合処理の指令部を、本実施の形態では、巻き返し装置20に備える制御装置20aに兼用させる構成であるが、この指令部をサーバ9に備える制御装置や、専用の制御装置に担当させる構成としても良い。
巻き返し工程200における照合処理は、次のようにして行なわれる。まず、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aにより、巻き返しユニット21に装着されたボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報(ボビン10に巻取る予定のパッケージ8の識別情報)が、読取られる。巻き返し工程200においては、この記憶媒体リーダ22aによる読取りも、制御装置20aによる指令に基づいて行なわれる。
次いで、制御装置20aは、パッケージ8の管理情報と、そのパッケージ8を処理する巻き返しユニット21による処理内容と、が対応するかどうかを判定する。具体的には、制御装置20aは、パッケージ8の品種(糸種および番手)と、そのパッケージ8を処理する巻き返しユニット21で巻き出し用とする原料パッケージ7の品種と、が対応しているかどうか、を判定する。ここで、巻き返しユニット21による処理内容とは、どのような品種の原料パッケージ7を用いて巻き返し処理を行なうか、ということを意味している。
上記原料パッケージの品種判別は、原料パッケージの芯(ボビン)に埋め込まれた11Cチップ等の記憶媒体や、ボビンを個々に載置して搬送する搬送媒体(トレイ)に埋め込まれた記憶媒体を読み取ることにより知り得る。そして誤って異品種の原料パッケージを人為的ミスで投入した場合に巻取りを中断してアラームを出すことができる。
なお、パッケージ8の品種に関わる管理情報だけでなく、加工条件や生産計画を含めた管理情報と、巻き返しユニット21による処理内容と、が対応するか否かを、制御装置20aで判定させるものとしても良い。この場合、巻き返しユニット21におけるパッケージ8の製造が、品種(糸種および番手)の一致する原料パッケージ7の巻き返しであって、巻き返しユニット21における加工条件が一致し、生産計画に沿った(一致する)ものである場合に、制御装置20aは、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応する、と判定する。
制御装置20aは、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応しない、と判定すると、巻き返しユニット21による巻き返し処理を中断させる。
又、巻き返しユニット21による処理内容と制御装置20aに登録された生産計画との照合が一致しない場合は、巻取りユニットの運転をスタートせずにオペレータ又は管理者の注意を促すようにアラームを出すような対応も可能である。
また、各巻き返しユニット21には、異常状態を作業者に警告する警告出力装置として、警報ランプ26が備えられている。制御装置20aは、前記対応しない場合には、巻き返しユニット21による巻き返し処理を中断させるだけでなく、警報ランプ26を赤色(異常状態の表示色の一例)に点灯させる。警告出力装置の構成は、音声出力であってもよく限定しない。一方、制御装置20aは、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応している、と判定した場合、そのまま巻き返しユニット21による巻き返し処理を実行させる。
図5を用いて、巻き返し工程200におけるデータ登録処理を説明する。巻き返し工程200において、各巻き返しユニット21での巻き返し処理が終了すると、満巻のパッケージ8が製造され、このパッケージ8は玉揚げ装置22により巻き返しユニット21より回収(玉揚げ)される。この巻き返し処理の終了時に、各巻き返しユニット21で製造されたパッケージ8の加工結果を、サーバ9の記憶装置9aに記憶させるデータ登録処理が行なわれる。
前記管理装置に備える装置のうち、巻き返し工程200におけるデータ登録処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返しユニット21の信号出力部21a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。記憶媒体リーダ22aと制御装置20aとの間、信号出力部21aと制御装置20aとの間、制御装置20aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。
巻き返しユニット21の信号出力部21aからは、巻き返しユニット21での巻き返し処理によるパッケージ8の処理結果が自動的に出力され、サーバ9の記憶装置9aへと入力(送信)される。巻き返しユニット21の信号出力部21aとは、巻き返しユニット21に備えるセンサやアクチュエータの駆動信号出力部を意味している。例えば、糸欠点検出装置23はセンサであり、糸切断装置24はカッターを駆動するアクチュエータを備え、糸継ぎ装置25は糸継ぎ用のノズルよりエアを噴射させるアクチュエータなどを備えている。そして、この信号出力部21aより出力される信号を解析すれば、前記各アクチュエータの作動状態(つまり各装置の作動状態、例えば糸切れに応じた糸継ぎ装置の駆動回数など)が把握される。
そして、巻き返しユニット21におけるパッケージ8の処理結果とは、例えば、あるパッケージ8の製造において、そのパッケージ8を製造した巻き返しユニット21で、糸切れが何回発生したか、に関する情報である。糸切れの回数に限らず、糸欠点検出装置で検出された糸質に関する情報一般も、パッケージ8の処理結果に当然含めることができる。
サーバ9の記憶装置9aには、パッケージ8の管理情報(糸種、加工条件、生産計画、等)が予め記憶されているが、これに加えて、前記各処理工程の実施によるパッケージ8の処理結果が、パッケージ8に係わる情報としてデータ登録される。例えば、巻き返し工程200においては、パッケージ8の処理結果の一つは、前述した糸継ぎの回数に関わる情報が該当する。
また、巻き返し装置20に備える制御装置20aは、巻き返し工程200におけるデータ登録処理の指令部としても機能する。同じく、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22aは、データ登録処理等においても、ボビン10に巻き取られるパッケージ8の識別情報を読取る。
巻き返し工程200におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。まず、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aにより、満巻となったパッケージ8のボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報が、読取られる。この記憶媒体リーダ22aによる読取りも、制御装置20aによる指令に基づいて行なわれる。
次いで、制御装置20aは、満巻となったパッケージ8を製造した巻き返しユニット21の信号出力部21aに、そのパッケージ8の処理結果の出力を許可する。信号出力部21aよりパッケージ8の処理結果が出力されると、その処理結果は、サーバ9の記憶装置9aへ入力される。ここで、制御装置20aは、パッケージ8の処理結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。このようにして、パッケージ8の処理結果が、サーバ9の記憶装置9aにデータ登録される。
なお、玉揚げ装置が記憶媒体にデータを書き込むライタ装置を搭載しておけば、満巻きとなったパッケージの品質情報を直接ボビン10に書き込むこともできる。
図6を用いて、検査工程300における管理処理について説明する。検査工程300においては、前記管理処理として、データ登録処理が行なわれる。検査工程300においては、パッケージ8の重量計測検査と、パッケージ8の目視検査と、が行なわれる。これらの検査後には、これらの検査で得られた結果を、サーバ9の記憶装置9aに記憶させるデータ登録処理が行なわれる。
前記管理装置に備える装置のうち、検査工程300におけるデータ登録処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ31、端末装置30の制御装置30a、端末装置30に備えるキーボード等の入力装置30b、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ31と制御装置30aとの間、入力装置30bと制御装置30aとの間、制御装置30aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。
ハンド式記憶媒体リーダ31は、作業者が手に持って移動させることが可能な記憶媒体13の読取装置であり、検査設備3に備えられている。作業者は、ハンド式記憶媒体リーダ31を、検査対象のパッケージ8に接近させることで、このパッケージ8内のボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報を読取る。
端末装置30は、汎用のコンピュータ装置であり、端末装置30の演算回路等を主として構成される制御装置30a、データの入力装置30b、ディスプレイ等の出力装置30c、を備えている。この端末装置30は、検査設備3に備えられている。
検査工程300におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ31を、検査対象のパッケージ8に接近させて、そのパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ31により読取らせる。パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置30aは、入力装置30bに、パッケージ8の処理結果(検査工程300の場合、検査結果)の入力を許可する。作業者が入力装置30bを利用してパッケージ8の検査結果を入力すると、制御装置30aは、その入力された検査結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。このようにして、パッケージ8の処理結果(検査結果)が、サーバ9の記憶装置9aにデータ登録される。
図7を用いて、スチームセット工程400における管理処理について説明する。スチームセット工程400においては、前記管理処理として、照合処理が行なわれる。スチームセット工程400においては、パッケージ8のスチームセットが行なわれる。このスチームセット処理に先立って、処理対象のパッケージ8の品種(糸種および番手)と、スチームセット設備4における処理内容(セット条件)とが対応しているか、を照合する照合処理が行われる。
図7に示すように、前記管理装置に備える装置のうち、スチームセット工程400における照合処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ42、制御装置40a、端末装置40に備えるディスプレイ等の出力装置40c、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ42と制御装置40aとの間、出力装置40cと制御装置40aとの間、制御装置40aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。なお、ハンド式記憶媒体リーダ31・42、端末装置31・42は同様の構成であるので、これらに関する説明は省略する。
スチームセット工程400における照合処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ42を、スチームセット対象のパッケージ8に接近させて、そのパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ42により読取らせる。パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置40aは、パッケージ8の管理情報(品種(糸種および番手))と、そのパッケージ8を処理するスチームセット設備4による処理内容(セット条件)と、が対応するかどうかを判定する。管理情報(品種)と処理内容(セット条件)とが対応していない場合、制御装置40aは、画像の表示出力装置である出力装置40cに、異常状態を作業者に報知するための警告表示を行なわせる。このようにして、作業者は、スチームセット工程400におけるスチームセット処理の実行に先立って、パッケージ8に適正な処理が行なわれるか否かを、確認することができる。
図8を用いて、染色工程500における管理処理について説明する。染色工程500においては、前記管理処理として、表示処理が行なわれる。染色工程500においては、パッケージ8を染色する染色処理が行なわれるが、この処理に先立って、染色処理の対象とするパッケージ8の管理情報(糸種および、糸種に応じた推奨染色条件)を、サーバ9の記憶装置9aより引き出して表示出力させる表示処理が行なわれる。
前記管理装置に備える装置のうち、染色工程500における表示処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ52、端末装置50の制御装置50a、端末装置50に備えるキーボード等の入力装置50b、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ52と制御装置50aとの間、入力装置50bと制御装置50aとの間、制御装置50aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。なお、ハンド式記憶媒体リーダ31・52、端末装置31・52は同様の構成であるので、これらに関する説明は省略する。
染色工程500における表示処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ52を、染色処理対象のパッケージ8に接近させて、そのパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ52により読取らせる。パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置50aは、パッケージ8の管理情報のうち、糸種と、その糸種における推奨染色条件と、をサーバ9の記憶装置9aより引き出して、画像の表示出力装置である出力装置50cに、表示出力させる。ここで、糸種における推奨染色条件は、前記加工条件に関する情報の一つであり、パッケージ8の管理情報に含まれる情報である。このようにして、作業者は、染色工程500における染色処理の実行に先立って、それに必要な情報(糸種および推奨染色条件)を、確認することができる。
図9を用いて、入庫管理工程600における管理処理について説明する。入庫管理工程600においては、前記管理処理として、照合処理が行なわれる。入庫管理工程600においては、パッケージ8の複数個単位での梱包処理と、パッケージ8の梱包物18(梱包されたパッケージ8)を、入庫管理設備6に備える倉庫64に仕分けする仕分け処理と、が行なわれる。ここで、仕分け処理に先立って、梱包物18内のパッケージ8の管理情報と、梱包処理が対応しているか、を照合する照合処理が行なわれる。ここで、管理情報と梱包処理とが対応するとは、パッケージ8の品種(糸種および番手)や生産計画(ロット)に応じた梱包が行なわれていることを意味する。例えば、同一の梱包物18の中に、異なる品種のパッケージ8や、異なるロットのパッケージ8が混じっている場合は、管理情報と梱包処理とが対応していない場合である。
図9に示すように、前記管理装置に備える装置のうち、入庫管理工程600における照合処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ62、制御装置60a、端末装置60に備えるディスプレイ等の出力装置60c、サーバ9の記憶装置9a、である。ハンド式記憶媒体リーダ62と制御装置60aとの間、出力装置60cと制御装置60aとの間、制御装置60aと記憶装置9aとの間は、信号線を介して通信可能に接続されている。なお、ハンド式記憶媒体リーダ31・62、端末装置31・62は同様の構成であるので、これらに関する説明は省略する。
入庫管理工程600における照合処理は、次のようにして行なわれる。まず、作業者がハンド式記憶媒体リーダ62を、パッケージ8の梱包物18に接近させて、その梱包物18内に収容されるパッケージ8のボビン10に記憶される識別情報を、ハンド式記憶媒体リーダ42により読取らせる。同一の梱包物18内に複数のパッケージ8が収容されている場合であっても、ハンド式記憶媒体リーダ62により、個別にそれぞれのパッケージ8の識別情報が読取られる。
パッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、制御装置60aは、パッケージ8の管理情報と、そのパッケージ8を処理する入庫管理設備6による処理内容(梱包処理の結果)と、が対応するかどうかを判定する。管理情報と処理内容(梱包処理の結果)とが対応していない場合、制御装置60aは、画像の表示出力装置である出力装置60cに、異常状態を作業者に報知するための警告表示を行なわせる。このようにして、作業者は、入庫管理工程600における梱包処理の結果が適正に行なわれたか否かを、確認することができる。
前記各処理工程が終了した段階では、サーバ9の記憶装置9aに、各処理工程でのデータ登録処理により登録された情報が、パッケージ8に関連する情報として追加されている。本実施の形態では、巻き返し工程200でのパッケージ8の処理結果(糸切れ回数等)と、検査工程300でのパッケージ8の処理結果(重量や目視の検査結果)とが、データ登録処理により追加される情報である。また、これらのパッケージ8に関連する情報は、記憶装置9a内において、パッケージ8の識別情報に対応して、記憶される構成である。
このため、パッケージ加工設備1よりパッケージ8が搬出されて、織布設備12等の後工程の処理設備に受け渡される際に、パッケージ8の原料(糸種)に関する情報のみではなく、パッケージ8の加工処理結果(仕上がり具合)の情報をも、同時に受け渡すことが可能となる。
また、以上の説明においては、パッケージ8に関連する情報の記憶先は、サーバ9の記憶装置9aとしていたが、記憶媒体13に備える記憶装置を、前記情報の記憶先としても良い。この場合、前記各記憶媒体リーダ22a・32・42・52・62に代えて、記憶媒体内の記憶装置の読取りと、この記憶装置への書き込みと、が可能なリーダ/ライタ装置とする。また、これに対応して、書き込むべきデータ量に対応した記憶容量を有する記憶媒体を、用いるものとする。このように構成することで、作業者は、ネットワーク接続を介して接続されるサーバ9等に一々アクセスすることなく、パッケージ8にリーダ/ライタ装置を用いて、データの照合や表示、データの登録などを行なうことが可能となる。
本発明をまとめる。第一の発明たる巻き糸パッケージの巻取り管は、内部に記憶媒体が埋め込まれているものである。
本実施の形態では、巻き糸パッケージの巻取り管は、巻き糸パッケージ8の芯管となるボビン10である。このボビン10は、紙を巻回して筒状の紙積層体に形成される紙管であり、中間層10bと外層10cとの間に、薄片状(ラベル型)の記憶媒体13が埋め込まれている。巻き糸パッケージの巻取り管は、紙管に限定されるものではなく、樹脂等その他の素材で形成される巻取り管であってもよい。
以上構成により、記憶媒体は、巻取り管により保護される。このため、識別情報の記憶手段として機能する記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもない。
第二の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、次の構成である。この巻き糸パッケージの管理装置は、第一の発明たる巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置である。この巻き糸パッケージの管理装置は、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ入力装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備えている。前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶される。前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記処理設備により処理を受けた前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージが前記処理設備で受けた処理結果の入力を前記データ入力装置に許可すると共に、入力された前記処理結果を前記識別情報に対応させて前記データ記憶装置に記憶させる、ものである。
本実施の形態に関わるパッケージ加工工場1は、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、を備えている。そして、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。
本実施の形態では、巻き返し工程200と、検査工程300とで、データ登録処理が行なわれる。本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、検査工程300におけるデータ登録処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ31(記憶媒体読取装置)、端末装置30の制御装置30a、端末装置30に備えるキーボード等の入力装置30b(データ入力装置)、サーバ9の記憶装置9a(データ記憶装置)、である。検査工程300におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。制御装置30aは、パッケージ8の識別情報の読取りがハンド式記憶媒体リーダ31により行なわれると、入力装置30bに、パッケージ8の処理結果(検査工程300の場合、検査結果)の入力を許可し、入力装置30bによりパッケージ8の検査結果が入力されると、その入力された検査結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
第三の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、第二の発明において、次の構成としたものである。前記処理設備の少なくとも一つにおいては、この処理設備の信号出力部を前記データ入力装置とし、この信号出力部より、前記パッケージの処理結果に関わる信号を自動的に出力させて、前記データ記憶装置に入力させる、ものである。
本実施の形態では、巻き返し工程200と、検査工程300とで、データ登録処理が行なわれる。他の処理工程においても、データ登録処理が行なわれるものとしても良い。
本実施の形態では、巻き返し設備2の信号出力部21aが、前記データ入力装置として利用される。加えて、巻き返し工程200においても、データ登録処理が行なわれる。
本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、巻き返し工程200におけるデータ登録処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返しユニット21の信号出力部21a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。巻き返し工程200におけるデータ登録処理は、次のようにして行なわれる。制御装置20aは、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aによりパッケージ8の識別情報が読取られると、満巻となったパッケージ8を製造した巻き返しユニット21の信号出力部21aに、そのパッケージ8の処理結果の出力を許可する。信号出力部21aよりパッケージ8の処理結果が出力されると、その処理結果は、サーバ9の記憶装置9aへ入力される。ここで、制御装置20aは、パッケージ8の処理結果を、そのパッケージ8の識別情報に対応させて、記憶装置9aに記憶させる。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が自動的に可能である。
第四の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、次の構成である。この巻き糸パッケージの管理装置は、第一の発明である巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置である。この巻き糸パッケージの管理装置は、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備えている。前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されている。前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶される。前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報と、その巻き糸パッケージを処理する処理設備による処理内容と、が対応するかどうかを判定し、対応していない場合には、前記処理設備による前記巻き糸パッケージの処理を中断させる、及び/又は、警告出力装置を介して警告させる。
本実施の形態におけるパッケージ加工工場1は、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、を備えている。そして、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。
本実施の形態では、巻き返し工程200と、スチームセット工程400と、入庫管理工程600とで、照合処理が行なわれる。他の処理工程においても、照合処理が行なわれるものとしても良い。
本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、巻き返し工程200における照合処理に係わる装置は、玉揚げ装置22に備える記憶媒体リーダ22a、巻き返し装置20に備える制御装置20a、サーバ9の記憶装置9a、である。制御装置20aは、玉揚げ装置22の記憶媒体リーダ22aにより、巻き返しユニット21に装着されたボビン10に記憶されるパッケージ8の識別情報が読取られると、パッケージ8の管理情報と、そのパッケージ8を処理する巻き返しユニット21による処理内容と、が対応するかどうかを判定する。そして、制御装置20aが、管理情報と巻き返しユニット21による処理内容とが対応しない、と判定すると、巻き返しユニット21による巻き返し処理を中断させると共に、警告出力装置である警報ランプ26を赤色(異常状態の表示色の一例)に点灯させる。警告出力装置の構成は、音声出力であってもよく限定しない。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の照合が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
第五の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、次の構成である。この巻き糸パッケージの管理装置は、第一の発明たる巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置である。この巻き糸パッケージの管理装置は、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、データ出力装置と、制御装置と、を備えている。前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されている。前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶される。前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報の少なくとも一部を前記データ記憶装置より引き出して、前記データ出力装置に表示出力させる。
本実施の形態に関わるパッケージ加工工場1は、巻き返し設備2、検査設備3、スチームセット設備4、染色設備5、入庫管理設備6、サーバ9、を備えている。そして、パッケージ8は、巻き返し工程(パッケージ形成工程)200、検査工程300、スチームセット工程400、染色工程500、入庫管理工程600、の各処理工程を経て加工される。
本実施の形態では、染色工程500で、表示処理が行なわれる。他の処理工程においても、表示処理が行なわれるものとしても良い。
本実施の形態である管理設備に備える装置のうち、染色工程500における表示処理に係わる装置は、ハンド式記憶媒体リーダ52、端末装置50の制御装置50a、端末装置50に備えるキーボード等の入力装置50b、サーバ9の記憶装置9a、である。制御装置50aは、ハンド式記憶媒体リーダ52によりパッケージ8の識別情報の読取りが行なわれると、パッケージ8の管理情報のうち、糸種と、その糸種における推奨染色条件と、をサーバ9の記憶装置9aより引き出して、画像の表示出力装置である出力装置50cに、表示出力させる。
このため、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の表示が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
第六の発明たる巻き糸パッケージの管理装置は、第二から第五の発明において、次の構成としたものである。前記記憶媒体はデータの読取りおよび書き込みが可能に構成されると共に、前記記憶媒体にデータを書き込む記憶媒体書込み装置を備えるものである。
このため、パッケージの巻取り管内の記憶媒体に、パッケージに関する情報を直接書き込んだり読取ったりすることができ、パッケージの管理がより一層容易となる。
[発明の効果]
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、識別情報の記憶手段として機能する記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもない。
請求項2においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
請求項3においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報のデータ登録が自動的に可能である。
請求項4においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の照合が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に、巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
請求項5においては、記憶媒体に記憶させた識別情報に基づいて、パッケージに関する情報の表示が可能である。特に、記憶媒体を、巻取り管から剥離する恐れなく一体化できると共に巻取り管上へのパッケージの巻取りや巻取り管の搬送等の通常の作業によって記憶内容が劣化することもないので、パッケージの管理が確実となる。
請求項6においては、パッケージの巻取り管内の記憶媒体に、パッケージに関する情報を直接書き込んだり読取ったりすることができ、パッケージの管理がより一層容易となる。
Claims (6)
- 内部に情報の読み書き可能な記憶媒体が埋め込まれていることを特徴とする巻き糸パッケージの巻取り管。
- 請求項1に記載の巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ入力装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記処理設備により処理を受けた前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージが前記処理設備で受けた処理結果の入力を前記データ入力装置に許可すると共に、入力された前記処理結果を前記識別情報に対応させて前記データ記憶装置に記憶させる、ことを特徴とする、巻き糸パッケージの管理装置。
- 前記処理設備の少なくとも一つにおいては、この処理設備の信号出力部を前記データ入力装置とし、この信号出力部より、前記パッケージの処理結果に関わる信号を自動的に出力させて、前記データ記憶装置に入力させる、ことを特徴とする、請求項2に記載の巻き糸パッケージの管理装置。
- 請求項1に記載の巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶され、前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報と、その巻き糸パッケージを処理する処理設備による処理内容と、が対応するかどうかを判定し、対応していない場合には、前記処理設備による前記巻き糸パッケージの処理を中断させる、及び/又は、警告出力装置を介して警告させる、ことを特徴とする、巻き糸パッケージの管理装置。
- 請求項1に記載の巻き糸パッケージの巻取り管を芯とする巻き糸パッケージを一又は複数段階の処理工程を経て加工すべく、前記各処理工程を担当する処理設備をそれぞれ備える加工工場における巻き糸パッケージの管理装置であって、前記記憶媒体内に記憶されるデータを読取る記憶媒体読取装置と、データ記憶装置と、データ出力装置と、制御装置と、を備え、前記巻取り管内の前記記憶媒体には、この巻取り管に巻き取られる巻き糸パッケージの識別情報が記憶され、前記データ記憶装置には、前記各巻き糸パッケージの糸種、加工条件、生産計画、に関連する情報が、管理情報として、前記各識別情報に対応して記憶されると共に、前記制御装置は、少なくとも一つの前記各処理工程において、前記巻き糸パッケージの前記識別情報が前記記憶媒体読取装置により読取られると、その巻き糸パッケージの前記管理情報の少なくとも一部を前記データ記憶装置より引き出して、前記データ出力装置に表示出力させる、ことを特徴とする、巻き糸パッケージの管理装置。
- 前記記憶媒体はデータの読取りおよび書き込みが可能に構成されると共に、前記記憶媒体にデータを書き込む記憶媒体書込み装置を備える、ことを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれかに記載の巻き糸パッケージの管理装置。
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