JPH07292529A - 巻糸体の処理装置と品質管理装置と出荷検索装置 - Google Patents

巻糸体の処理装置と品質管理装置と出荷検索装置

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JPH07292529A
JPH07292529A JP10480594A JP10480594A JPH07292529A JP H07292529 A JPH07292529 A JP H07292529A JP 10480594 A JP10480594 A JP 10480594A JP 10480594 A JP10480594 A JP 10480594A JP H07292529 A JPH07292529 A JP H07292529A
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JP
Japan
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winding
data
quality
bobbin
tray
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Application number
JP10480594A
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English (en)
Inventor
Tadashi Muto
正 武藤
Shigeki Honda
繁喜 本田
Mikio Horie
幹夫 堀江
Tatsuo Ito
龍男 伊藤
Nobutaka Miyamoto
信孝 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H63/00Warning or safety devices, e.g. automatic fault detectors, stop-motions ; Quality control of the package
    • B65H63/006Warning or safety devices, e.g. automatic fault detectors, stop-motions ; Quality control of the package quality control of the package
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments

Abstract

(57)【要約】 【目的】巻糸体の良否選別及び品質分析を容易にし、出
荷後の追跡調査を可能とする装置を提供する。 【構成】糸条の巻取り装置と、巻取った巻糸体を排出若
しくは梱包または保管する各位置まで搬送する搬送手段
と、巻糸体を保管若しくは排出又は梱包する各位置に振
り分ける分岐手段とを備えた装置において、巻糸体個々
の品質関係データを巻糸体個々の識別コードとの対応関
係をもって入力する入力手段(301)と、品質関係デ
ータを識別コードとの対応関係をもって記憶する記憶手
段(310)と、記憶した品質関係データを基に巻糸体
の良否を判断し、良品である場合には巻糸体を梱包位置
若しくは保管位置に導くように分岐手段を制御する一
方、不良品である場合には巻糸体を排出若しくは保管位
置に導くように分岐手段を制御する制御手段とを設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紡糸装置で紡糸され巻
取り装置でボビンに巻き取られた合繊繊維等の巻糸体を
製品として保管、梱包するための処理システム及び当該
巻糸体についての品質管理,出荷検索用の装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】スピンドロー等の紡糸装置で紡糸された
合成繊維糸条は、一般的に、連続した何十本かの長繊維
(フィラメント)が集まって1本の糸を構成しており、
定められた太さ,構成フィラメント数になるように紡糸
し、付属の巻取り装置(ワインダ)でボビン(紙管)に
巻き取られる。所定量の糸条が巻き取られた巻糸体(満
管ボビン)は、巻取り装置の巻取り軸から取り外して検
査,包装等の後続工程に送られる。ところで、糸条を巻
取り装置で巻き取るに際して、織屋等のユーザーの要望
に応じて数種の幅のボビンに巻き取ることがなされる。
1錘当たりN個のボビンに巻き取った場合、一般にこれ
をN分繊と呼び、Nの数が2倍になると、紙管幅及び巻
取幅が1/2倍となる。一般的なNの値としては、2,
4,6,8等とされるが巻取り装置の機械的制限,玉揚
げ頻度,織屋における縦糸の長さ等から、4分繊または
8分繊のものが多く用いられている。また、紡糸装置の
計量ポンプ,巻取り装置のオイリングローラーや延伸ロ
ーラー等の主要機器を各錘毎に1系統ずつ構成すること
が多い。このような機械的な構成より、製品の糸条の品
質である糸の太さ,水分率,強度,伸度等は、錘単位で
その傾向が顕著に現れ、また糸切れは錘単位で発生す
る。さらに、何十本かのうちの1本のフィラメントが同
じ錘の隣のボビンに巻き込まれ、構成本数が所定より1
本少ないボビンと1本多いボビンとが同じ錘のなかで発
生するトラブルもある。一方、紡糸装置は例えば5組の
錘ごとに巻取り銘柄が設定されており、各錘にて4分繊
または8分繊の糸条を巻き取るようになっているので、
例えば5×4=20本または5×8=40本の巻糸体を
一度に取り外して処理する必要があり、取り外した個々
の巻糸体が製品に至るまで、どの錘またはポジションの
ものか識別し、さらに錘毎に品質を管理できるようにし
ておくことが好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
は、巻取り装置からの取り外し,搬送,検査等の処理を
作業員が人手で行っていたため、作業効率が悪く、しか
も多大の労力を必要としていた。これを改良するため、
巻取り装置(ワインダ)からの巻糸体(満管ボビン)の
取り外しを自動的に行うことのできる玉揚装置が開発さ
れている(特願平1−110199号)。この装置は,
複数の錘に巻き取られた複数の巻糸体を一度に自動的に
取り外して専用の台車に移し替えることのできるすぐれ
たものであり、巻糸体の取り外しを自動化することので
きるものであるが、取り外した巻糸体の後続工程におけ
る取扱いは依然として作業員が行わなければならないの
で、非能率的である。
【0004】また、後続工程の自動化を図る際には、巻
糸体個々の検査結果等に基づいて良品として出荷するも
のと、不良品として排出するものとに、搬送先を区別す
る必要がある。これらを自動的に実現できるものとし
て、例えば、公知の重量計とその直後の振り分け装置を
用い、予め排出する基準としての最低重量値を重量計に
設定しておいて測定した結果が前記最低重量値を下回っ
ているものについては、振り分け装置により振り分け排
出側へ巻糸体を搬送するものがある。この場合には、測
定直後に振り分ける必要があり、更に巻糸体は検査が多
岐にわたるため工程の数ヶ所に振り分け装置と排出部を
設ける必要があり、排出された巻糸体を処理する作業員
が複数箇所にわたり作業を行わねばならないため、非能
率的であった。
【0005】さらに、巻糸体の検査が多岐にわたりかつ
巻取り装置の台数が多くなれば、玉揚装置から取り外し
た巻糸体個々がどの巻取り装置,錘またはポジションの
ものかを自動的に識別することが困難となる。また、巻
糸体の品質は錘単位でその傾向が顕著に現れるため錘毎
に品質を管理できるようにしておくことが好ましいが、
前述の通り巻糸体個々の識別が困難であるため、錘別の
品質管理も困難である。
【0006】また、各ユーザーの要望に応じてユーザー
別に形成する出荷形態と、玉揚げ装置における玉揚げ形
態は異なるため、必ずしも同じ錘の巻糸体が同じ出荷ケ
ースに梱包されない。このため、あるユーザーに出荷し
た巻糸体の品質に問題が生じた際には、同じ錘の巻糸体
の品質にも問題が発生する可能性が高いため即座に出荷
先を検索し回収等の措置を取る必要があるが、前述の通
り巻糸体個々の識別が困難であるため、出荷先の検索も
非常に困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1番目の発明は、糸条をボビンに巻き取る
巻取り装置と、該巻取り装置により巻取り形成した巻糸
体を排出若しくは梱包又は保管する各位置まで搬送する
搬送手段と、該搬送手段に設けられ、前記巻糸体を保管
若しくは排出または梱包する各位置に振り分ける分岐手
段とを備えた巻糸体の処理装置において、前記巻糸体個
々の品質関係データを該巻糸体個々の識別コードとの対
応関係をもって入力する入力手段と、該入力手段により
入力される品質関係データを前記識別コードとの対応関
係をもって記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶され
た品質関係データを基に前記巻糸体の良否を判断し、良
品である場合には該巻糸体を梱包位置若しくは保管位置
に導くように前記分岐手段を制御する一方、不良品であ
る場合には該巻糸体を排出若しくは保管位置に導くよう
に前記分岐手段を制御する制御手段とを設けたことを要
旨とするものである。
【0008】また、第2番目の発明は、巻取り装置識別
コード、該巻取り装置における巻取り位置データ,巻取
り年月日,玉揚げ番号よりなる巻取りドッフデータと、
糸切れの有無,糸切れ原因コード,重量,水分率よりな
る品質データとを、該巻糸体個々の識別コードとの対応
関係をもたせて入力する入力手段と、入力された巻取り
ドッフデータおよび品質データを基に、前記品質データ
を前記巻取り位置毎に集約して記憶する記憶手段と、集
約後の品質データを基に前記各巻取り位置の製造品質の
傾向を分析する品質分析手段と、該品質分析手段の分析
結果を表示する表示手段とを備えたことを要旨とするも
のである。
【0009】また、第3番目の発明は、出荷形態を形成
する一群の巻糸体個々の巻取り装置識別コード,該巻取
り装置における巻取り位置データ,巻取り年月日,玉揚
げ番号よりなる巻取りドッフデータを、該一群の巻糸体
の出荷識別コードとの対応関係をもたせて入力する入力
手段と、入力された前記巻取りドッフデータおよび出荷
識別コードを基に、前記巻取り装置識別コード,巻取り
年月日,玉揚げ番号,出荷識別コードを、前記巻取り位
置毎に集約して記憶する記憶手段と、集約後のデータを
基にひとつの巻糸体の巻取りドッフデータから、これに
関連する巻取り位置の巻糸体の出荷識別コードを検索す
る検索手段と、該巻取り手段の検索結果を表示する表示
手段とを備えたことを要旨とするものである。
【0010】
【作用】以下、本発明の作用について述べる。まず、第
1番目の発明によれば、巻取り装置により巻き取られた
巻糸体は搬送手段により各種の品質関係のデータの入力
位置まで順次搬送される。そして、入力手段により巻糸
体個々に設けられた識別コード毎に品質関係のデータを
入力される。そして、記憶手段により巻糸体個々の識別
コードと対応させて品質関係データを記憶させ、記憶し
た品質関係データより良品か不良品であるかの判断をし
て、該識別コードと対応させて糸切れフラグ,梱包フラ
グ等の各種のフラグを立てる。搬送途中の分岐手段に到
達した巻糸体は、記憶手段の識別コードと各種フラグの
データを基にして、制御手段により保管若しくは排出又
は、梱包する各位置への分岐制御がなされる。その後、
搬送手段により各位置まで巻糸体が搬送される。
【0011】また、第2番目の発明によれば、巻取り装
置により巻き取られた巻糸体は入力手段により巻取りド
ッフデータと品質データとを、巻糸体個々の識別コード
に対応関係をもたせて入力される。そして、記憶手段に
より前記品質データを巻取りドッフデータの巻取り位置
データ毎に集約、例えば巻取り錘の同じ順に品質データ
を並び替えした後に記憶させ、品質分析手段により記憶
した巻取り位置毎の製造品質の分析、例えば錘毎の一日
あたりの重量異常回数を測定重量別に算出させる。そし
て、表示手段であるCRTまたはプリンタ等により品質
分析結果を表示させる。
【0012】また、第3番目の発明によれば、巻取り装
置により巻き取られ出荷形態を形成した一群の巻糸体
は、入力手段により巻取りドッフデータを、一群の巻糸
体の出荷識別コードに対応関係をもたせて入力される。
そして、記憶手段により前記出荷識別コードを巻取りド
ッフデータの巻取り位置データ毎に集約、例えば巻取り
錘の同じ順に出荷識別コードを並び替えした後に記憶さ
せ、検索手段により、あるひとつの巻糸体の巻取りドッ
フデータに関連する巻取り位置の巻糸体、例えば同じ日
に同じ錘で製造された巻糸体に該当する全ての巻糸体の
出荷識別コードを検索する。そして、表示手段であるC
RTまたはプリンタ等により検索結果を表示させる。
【0013】
【実施例】以下、図面に表された本発明の実施例につい
て具体的に説明する。まず、処理システムの全体につい
て説明する。図1は本発明の処理システムを模式的に表
すもので、1,…は紡糸装置(SPD)であり、1台に
つき5個の錘1a,…と、それに対応する巻取り軸1
b,…を備え、各錘から8本に分錘して巻き取るように
なっている。図示例のように8分繊とせず、例えば4分
繊とすることもある。紡糸装置の列の手前側には該列に
沿って玉揚げ装置2用の軌道3が設けられており、紡糸
装置の巻取り軸の数に相当するハンガーを有する玉揚げ
装置2が該軌道に沿って往復移動しつつ、満管となった
巻糸体10を紡糸装置1の巻取り軸から取り外して、そ
のハンガーに受け取るようになっている。玉揚げ装置2
は、例えば特願平1−110199号に記載されている
ように、紡糸装置の巻取り軸にハンガーをつき合わせて
満管ボビン(巻糸体10)を受け取るとともに、該受け
取った巻糸体を後述の中継台車に移載する機能を有する
自動玉揚げ装置である。巻糸体を取り外した紡糸装置1
の空ボビン供給位置4には、自動供給機6が簡易自動倉
庫5から空ボビン(紙管)7を取り出して適宜供給す
る。
【0014】紙管7は銘柄を示すバーコードを添付した
箱に入れた紙管カートンの状態でトラックから受け入れ
られ、コンベアによって簡易自動倉庫5に運び込まれ
る。自動倉庫5は紙管カートンに貼られた前記バーコー
ドをバーコードリーダーで読み取って銘柄を認識し、割
り付ける自動割り付け方式の倉庫である。一方、紡糸機
の機台側には、紙管カートンを保持するステーションが
設けられており、紡糸機側でこのステーションから紙管
カートンを取り外すと、新たなカートンの要求信号が集
中制御装置に入力され、自動倉庫5から所定のステーシ
ョンまで自動的に補給が行われる。各ステーションの指
定銘柄は、前記集中制御装置にて設定される。なお、ス
テーションからの紙管カートンの取り外しがあった時
は、チャタリングを防止するため、タイマーで一定時間
(例えば5分間)空であることを確認した後要求信号を
出すようになっている。
【0015】上記紡糸装置から玉揚げ装置2に巻糸体を
移載する際に、巻取り温度調節装置の風等の影響で移載
された巻糸体の端糸が解けて飛散し、紡糸装置の巻取り
軸等に巻き付くというトラブルが発生することがある。
これを防ぐには、図24,図25に示すように、玉揚げ
装置2に巻糸体の前面を覆う開閉自在なシャッターを設
けておくのが望ましい。このシャッター200は合成ゴ
ム等のフレキシブルなシートで形成され、玉揚げ装置の
左右両側に設けたモータ付きの巻き取り装置201,2
02によってシートロール203から繰りだしたり巻き
戻したりすることにより開閉される。繰り出されたシャ
ッターをセンサ204,…で検出して制御装置でその検
出量を制御することにより、巻糸体を受け取った順に自
動的にその前面を覆って行くことができる。
【0016】中継台車11には玉揚げ装置2のハンガー
の数に相当する棒状のハンガー11a,…が設けられて
いる。そして、前記玉揚げ装置2のハンガーから、対応
するハンガーに巻糸体を受け取り、第1の移載装置の位
置まで搬送する。運搬用の中継台車11と玉揚げ装置2
の高さにかなりの差がある場合は、巻糸体の移載が困難
になるので、中継台車側にリフタ等の昇降装置を付設し
て両者の高さを合わせるようにするのが好ましい。第1
の移載装置15は中継台車11から最前列の巻糸体1
0,…を取り出し、第1のトレイ16に移載するもの
で、図3,図4に示すように、中継台車11を所定の高
さまで持ち上げ、所定の位置に保持するコンベア17と
チャック装置19と、プッシャ20とを備えている。
【0017】チャック装置19は枠体21に指示した移
動枠22に設けられている。該移動枠22には、枠体2
1に設けたラック21aに噛み合うピニオン22aが設
けられ、モータ24でこのピニオンを回転させることに
より、前後に移動するようになっている。24は前記移
動枠22に支持されシリンダ26によって昇降する昇降
フレームで、この昇降フレームにチャック27が取り付
けられている。チャック27は、巻糸体10の紙管7内
に挿入される拡縮式の複数の爪27aを備え、該爪を拡
径することにより巻糸体をつかむようになっている。台
車11上の巻糸体を掴んだチャック27は移動枠22の
移動により第1のトレイ16の前まで移動し、昇降フレ
ーム25の下降により第1のトレイのハンガー16aの
レベルまで下降し、該ハンガーに紙管を嵌合させたの
ち、爪を収縮させて該ハンガーに巻糸体を移載する。
【0018】プッシャ20は枠体21に回転自在に支持
されたねじ棒30に螺合する雌螺子部材31と、該雌螺
子部材31に取り付けられたフレーム33を備え、モー
タ32で前記ねじ棒を回転させることにより、該フレー
ムが前後に移動する。このフレーム33には台車11の
ハンガーの数に相当する数の下方へ垂下する押し板34
が設けられ、台車11のハンガー11aに保持されてい
る巻糸体10,…を1個分ずつ前方に押し出すようにな
っており、押し出された最前列の巻糸体が前記チャック
27に引き取られる。
【0019】図5、図6に示すように、前記第1のトレ
イ16はハンガー16aと基盤16bを備えている。ハ
ンガー16aは先端部が若干高くなるように、角α(2
〜3度)だけ傾斜させて縦方向の支持板16cに固定さ
れている。基盤16b上面には識別用のバーコード16
cが添付されている。前記支持板16cの前面に図26
に示すような衝撃吸収用のゴムシート16dを取りつけ
ておけば、ハンガーに支持されている巻糸体が支持板1
6cに当接する時に衝撃が吸収される。このため、搬送
ラインでのストッパ等による衝撃を吸収することができ
るので、衝撃を受けた巻糸体の糸がズレるいわゆる輪抜
け事故を防止する上で効果的である。
【0020】第1のトレイ16は第1のコンベア37に
よって移送される。コンベア37は両側部に浮き上がり
防止用の抑え板39が設けられたローラコンベアであ
り、その終端部には、第1のトレイを防止装置の垂別に
並び替える並替え装置40が接続されている。なお、第
1のトレイに保持される巻糸体は、その糸端固定部が必
ず外側に位置するように保持される。また、第1のトレ
イの移送に際して、方向転換等で該トレイを停止させる
ときは、慣性による巻糸体の脱落を防止するため、スト
ッパーが背面側(ハンガーの付根側)に当たるように停
止させられる。
【0021】錘別並替え装置40は、前記第1のコンベ
アに直行する複数列(5列)のコンベア41,…と、送
られてきたトレイ16を所定の位置で停止させるストッ
パ42と、停止したトレイを上記コンベア41に引き込
む引き込み装置43からなる。ストッパ42は図7、図
8に示すような天秤式のストッパであり、シリンダ45
が伸縮することにより、軸46で支持されたフレーム4
7が揺動し、前後のストッパ部材49,49を交互にコ
ンベアのローラ50,…な間隔部から上方へ突出させ
る。停止動作を行わない時は、フレーム47が水平に保
たれ、両方のストッパ部材49,49がローラの上面よ
りも下方に位置する。このストッパにより、トレイが1
個ずつ取り出される。
【0022】所定の位置で停止したトレイ16は、錘別
並替え装置40の該当するコンベア41に移し替えら
れ、その端部まで順に運ばれる。第1のコンベアから錘
別並替え装置40のコンベア41への引き込みは、図
9、図10に示すような引き込み装置43によって行わ
れる。この引き込み装置43はシリンダ53のロッド先
端部にフローティングジョイント54を介して接続され
たブラケット55を備え、該ブラケットから引き込み部
材57がローラの間を通してコンベアの上方に突出して
いる。常時は、引き込み部材57がコンベアの押え板3
9の下に隠れているが、シリンダ53を収縮させること
によって第1のコンベアと直角に移動し、第1のコンベ
ア上のトレイ16を1個ずつ錘別並替え装置のコンベア
41上に移し替える。
【0023】錘別並替え装置40で錘別に並べられたト
レイ16,…は、各錘ごとに所定数(図示例では4個)
ずつ第2のコンベア60に送り出される。この送り出し
に際しては、第2のコンベア60のローラ50,50の
間隔部から該ローラと平行な板状のガイド部材がシリン
ダで上昇させられ、錘別並替え装置40から送り出され
るトレイの下面に接してこれを案内する。
【0024】第2のコンベア60の途中には、公知の重
量測定装置61と水分率測定装置62が設置され、各巻
糸体10の重量と水分率が測定される。重量の測定によ
り、巻かれている糸条のデニールとフィラメント数が求
められる。また、水分率の測定により、糸条への油剤の
付着量をチェックすることができる。水分率測定は電極
を接触させて導電性を測定することにより行われる。な
お、この水分率の測定は、巻糸体2個ずつ同時に行われ
る。
【0025】重量と水分率のチェックを終えた巻糸体は
第2のコンベア60で4列の表層処理及び外観検査ライ
ン65,…に分配供給され、表層処理装置67による表
層の解除と、シールによる新たな糸端の固定が行われる
とともに、目視観察による表層のケバ汚れ等の検査が行
われる。新たな糸端は、第1のトレイに保持されている
巻糸体10の手前側(トレイのハンガーの先端側)の外
周部にシールで固定される。これにより、巻糸体10を
その軸が垂直になるようにしても、糸端から巻糸が解け
てボビン表層が崩れることはなくなる。
【0026】表層処理と外観検査を終えた巻糸体は、引
き続き第2のコンベア60で第2の移載装置70の位置
に送られる。なお、何らかの事情で糸条が巻き取られて
いない空ボビンや、巻き取り量が規定量より少ないもの
は、コンベアの途中に設けられたシリンダ式の排出プッ
シャで排出コンベアに押し出され、該コンベアで排出さ
れる。
【0027】第2の移載装置70は、図11及び図12
に示すように、門型の機枠71にシリンダ72によって
左右に水平移動する移動枠73を設け、該移動枠にチャ
ック装置75を取り付けている。チャック装置75は、
シリンダ76によって昇降するブラケット77にチャッ
ク80の支持部材81を軸79で取り付け、該支持部材
の反対側の端部を回動シリンダ83で押し引きすること
により、チャック80を軸79を中心として約90度回
動できるようになっている。チャック80は前記第1の
移載装置15のチャックと同様な拡縮式のものであり、
このチャックをほぼ水平状態に保った状態で、コンベア
60上の第1のトレイ16に保持されている巻糸体の位
置に移動させ、該巻糸体の紙管を掴んで第3のコンベア
85上で待機している第2のトレイ86上に移送する。
【0028】次に、シリンダ81を伸長させてチャック
80を下向きに回動させるとともに、シリンダ76で下
降させて、掴んでいる巻糸体の紙管を第2のトレイ86
の縦軸86aに嵌合させる。これにより、巻糸体が第1
のトレイ16から第2のトレイ86に移載される。な
お、図13、図14に示すように、第2のトレイ86は
円形の基盤86bの中央部に軸86aを立設したもの
で、巻糸体10をその軸が垂直になるように1個ずつ保
持する。空になった第1のトレイは回収コンベア88で
前記第1の移載装置15に返され、再使用される。
【0029】第2のトレイ86に移載された巻糸体は第
3のコンベア85によってストレージ位置90に送られ
るが、その途中で、ラベル貼着装置87によって巻糸体
の紙管内部に識別ラベルが貼着される。ラベル貼着装置
87は予め貯蔵しているラベルを1枚ずつ取り出して所
定の位置に貼着ける公知のものである。
【0030】ストレージ位置90には巻糸体を保管する
保管庫として二つのロータリーラック91(ボビンスト
レージ部1,ボビンストレージ部2)が設けられてお
り、巻糸体の出し入れがコンピュータ管理される。検査
結果A格合格品は必要に応じて上下反転され梱包され
る。上下反転するのは、巻糸体から糸条を取り出す場合
の糸端の向きを変えるためである。このA格品のうち梱
包数に足りないものは、ボビンストレージ部2にA格品
として保持され、次の該当品種の梱包不足が生じた時に
補充用に払い出される。梱包されたA格品は製品として
所定の自動倉庫に保管されるか、または出荷される。
【0031】また、チェックドッフ品,初検品,A格品
以外のもの、例えば外観異常品,格付け保留品等につい
ては、ボビンストレージ部1に保持され、必要に応じて
初検,チェックドッフに供される。チェックドッフ,外
観異常品,初検格落品,分玉,格付保留品,指定ボビン
の巻糸体等は、ここから必要に応じて分玉台車93等で
払い出される。また、初検,チェックドッフで合格した
ものはA格品としてボビンストレージ部2に送られる。
更に、重量異常品等は緊急払い出しされる。これらの流
れは、図15に示されている。
【0032】図16及び図17は第2のトレイ86に保
持されている巻糸体を上下反転する反転装置100を表
す。この反転装置は基台101に回転自在に保持された
回転枠102を備え、該回転枠の内側に上下一対のフレ
ーム103,103が取り付けられている。このフレー
ムにはそれぞれローラコンベア105が上下移動可能に
取り付けられている。これら上下のローラコンベア10
5,105はフレーム103,103に取り付けた上下
一対のシリンダ107,107によって所定の距離だけ
上下動する。回転枠102はギアードモータ108によ
ってチェーン109を介して180度回転させられ、上
下反転する。これは、ユーザーの要望で糸端固定部を下
側にするものである。
【0033】梱包品用コンベア110によって反転装置
100の位置まで運ばれてきた第2のトレイ86は、該
反転装置の下側のコンベア105に移され、抑え板とロ
ーラの間で保持される。また、上側のコンベアには、同
時に反転する巻糸体の数と同じ数の空トレイを下側の実
トレイに対向させてセットしておく。この状態で、上下
のシリンダ107,107を伸長させて下側のトレイに
保持されている巻糸体の紙管に上側の空トレイの軸86
aを嵌合させる。これにより、巻糸体は回転枠内で上下
のトレイによって支持された状態となる。次に、モータ
108を起動し、回転枠102を180度回転させる
と、巻糸体は上下反転し反対側のトレイに移し替えられ
るので、上になったトレイを引き上げ、下側のコンベア
を梱包用コンベア110と同レベルにする。そして、回
転枠のコンベアに設けられているモータローラ111,
…を回転させて、巻糸体を保持するトレイを送り出す。
空になった上側のトレイは、そのまま次の反転に使用す
る。
【0034】図18及び図19は梱包装置120を表す
もので、コンベア110によって送られてきたA格品
は、整列コンベア121上で所定数(図示例では3個)
ずつ列状に並べられる。
【0035】整列コンベアの隣には積層化装置123
と、仕切り板保持装置125が互いに並列に設けられて
いる。これら各装置の上方には機枠127が設けられ、
この機枠に設けたレール129によって移動枠130が
往復移動自在に支持されている。移動枠130にはラッ
ク131が移動方向に沿って設けられ、駆動モータ13
2のピニオンがこれに噛み合っている。モータ132を
回転させれば、移動枠130が所定の距離だけ往復移動
する。
【0036】移動枠130には、巻糸体用チャック装置
140と、仕切り板用チャック装置141が設けられて
いる。巻糸体用チャック装置140は9個(3行3列)
のチャック143,…を備え、該チャックは巻糸体の紙
管内に挿入されて拡径し、拡巻糸体を保持するようにな
っている。そして、チャック装置140全体がシリンダ
145で昇降する。
【0037】仕切り板用チャック装置141は上記巻糸
体用チャック装置140と同様な構成であるが、チャッ
ク147が若干異なっており、仕切り板150に穿設さ
れている紙管嵌合用の穴151,…に挿入されて位置決
めするコア152と、仕切り板を吸引保持する吸引具1
53を備えている。これらにより、仕切り板150を位
置決めして保持する。なお、仕切り板150は後述の仕
切り板被覆装置によりポリエチレンフィルムで被覆さ
れ、巻糸体の数に相当する9個の穴151,…が開けら
れている。仕切り板用チャック装置141にもシリンダ
154が設けられており、所定の距離だけ昇降する。
【0038】積層化装置123には払い出しコンベア1
55が設けられ、その上にパレット156が載せられて
いる。パレット156がチャック装置140の直下位置
に位置決めされ、その上に仕切り板150と巻糸体10
が交互に積層される。
【0039】仕切り板保持装置125にはリフタ160
が設けられ、その上に仕切り板150が積み上げられて
いる。リフタ160は仕切り板1枚分ずつ上昇する。1
61は仕切り板の高さを検出するセンサである。
【0040】梱包単位(9個)の巻糸体10,…が整列
コンベア状に整列すると、仕切り板用チャック装置14
1が下降し、仕切り板150を1枚掴んで上昇する。次
に、移動枠130が矢印X方向に移動して、巻糸体チャ
ック用装置140が整列コンベア上の巻糸体の直上部に
来るとともに、仕切り板用チャック装置141が前記積
層化装置123のパレットの直上部に来る。この位置で
両チャック装置140,141が下降し、巻糸体用チャ
ック装置140が9個の巻糸体を掴んで上昇するととも
に、仕切り板用チャック装置141が掴んでいた仕切り
板150をパレット156上に載置し、上昇する。
【0041】引き続き移動枠130が反矢印方向に移動
し、元の位置に復帰する。そして、再度両チャック装置
140,141が下降して、運んできた巻糸体をパレッ
ト上の仕切り板上に載せるとともに、巻糸体用チャック
装置140が新たな仕切り板を掴み取る。以下、同様な
動作を繰り返し、パレット上に巻糸体と仕切り板を積層
して行く。所定量の積層体が得られたら、該積層体が払
い出しコンベア155により送り出され、天板移載装置
170で天板171が被せられた後、ストレッチ包装機
で外周部にストレッチテープが巻付けられ、製品とな
る。図20及び図21はこの様子を示すものである。
【0042】図22は前記仕切り板150に合成樹脂フ
ィルムを被覆する被覆装置180を表す。この装置は2
段になっており、ダンボール製の仕切り板150を移送
する上段のチェーンコンベアの供給ライン190と、仕
切り板150を載置するパレット188を移送する下段
のチェーンコンベアの供給ライン181とからなる。上
段の供給コンベア190の上手側端部にはリフタ185
が設けられ、仕切り板150を乗せたパレット188を
保持するとともに上段にまで持ち上げる。持ち上げられ
た最上段の仕切り板は吸引チャック186を有するロー
ダ187により上段の供給コンベア190に移載され、
矢印Z方向に送られる。このコンベアの途中には、上下
にフィルムロール191,191を保持する保持部が設
けられるとともに、該保持部から繰り出したフィルムの
端部を溶着接合する熱溶着装置193と切断装置が設け
られている。図27に示すように、上側のフィルムロー
ル保持部192をフィルムロール取付け作業時の手前側
に長めに突出させておけば、重量の大きいフィルムロー
ルの着脱が容易である。最下段の仕切り板150を上段
の供給コンベア190に移載した後に、下段の供給コン
ベア181が仕切り板を載置していたパレット188を
矢印Y方向に移送するが、その途中で、エアノズル18
2からエアが吹きつけられ、パレット188が洗浄され
る。また、供給コンベア190の手前側端部にはリフタ
198が設けられ、送られてきたパレット188を保持
するとともに上段まで持ち上げる。
【0043】熱溶着装置193の下手側には穴開け装置
195が設けられている。穴開け装置195は予め仕切
り板に開けられた所定数(9個)の穴151の部分に、
十字のパンチ196,…により、フィルムFに十字の切
れ目を開けるものである。外面がフィルムFで被覆され
た仕切り板150は、この穴開け装置によって所定位置
に穴が開けられ、前記ローダ187と同様な吸引チャッ
ク付きのローダ197によってリフタ198上に移され
る。リフタ198は、仕切り板を積み込むごとに徐々に
下降し、所定の高さに積層されたら、コンベアで送り出
す。
【0044】図23はこの処理装置の全体平面図であ
る。この巻糸体の処理装置は一連の動作がコンピュータ
によって制御され、トラッキングデータに基づき、工程
内でのトレイの流れが制御される。工程の途中には、必
要によりバーコードリーダBが設けられ、例えばトレイ
のバーコードを読み取って制御装置にデータを送る。こ
のため、各巻糸体が完全に識別され、例えば、梱包装置
からの梱包要求に従い、指示銘柄の巻糸体を確実に梱包
装置まで送り届ける。また、工程内で品質データを収集
し、品質トレンドを分析するとともに、異常が生じた
時、または異常が生じる恐れがある時は、警報を発して
重大トラブルを防止する。同時に、品質トラブルによっ
ては、トラッキングデータを変更する。例えば、紡糸機
の同一錘で同じ理由で3回/日の糸切れが発生すると警
報を発する。また、例えば、外観検査で異常が発見され
た巻糸体は、梱包不可のフラグを立て、物流制御で工程
外へ排出する。更に、梱包された巻糸体の追跡品質管理
も行われる。例えば、あるユーザーからの品質クレーム
に対し、次に玉揚げされた同錘の巻糸体も品質トラブル
を起こしている可能性が高いため、該当する巻糸体がど
のケースの何段目に梱包され、何処へ出荷されたか検索
する必要があるが、この検索も容易に行うことができ
る。これらを具体的に実現させるデータ処理の装置及び
方法について、以下に詳細に説明する。
【0045】図28は、本データ処理装置の全体構成を
表すもので、300は本装置の中心となるコンピュータ
である。処理対象であるボビンの銘柄名称,デニール,
フィラメント数,重量正常範囲,水分率正常範囲,ボビ
ン反転有無から構成される銘柄コードのデータは、マス
ターファイル305に多数記憶されている。また、図2
9は本実施例のボビン管理ファイル310内のファイル
構造の一例を示すものであり、1つのレコードは1個の
ボビンに対応し、ボビンアイデンティティ(以降ボビン
IDと呼ぶ),巻取りドッフデータ(銘柄コード,紡糸
機番号,錘番号,ポジション番号,巻取月日,ドッフ番
号),糸切れデータ,検査データ,搬送制御データ,在
庫管理データ,出荷品管理データによって構成されてい
る。ここで、ボビンIDとは、中継台車、第1のトレイ
及び第2のトレイに載置した巻糸体を、1個ずつ識別が
且つ簡易に検索ができるように用いるものであり、梱包
装置120の巻糸体用チャック装置140が第2のトレ
イから巻糸体を掴んで上昇すると、そのボビンIDは消
去されるため繰り返し使用できる。本実施例において
は、ボビンIDは6桁程度の数字または英数字を用い
た。また、巻糸体個々の製造時間である巻取り時間は4
〜8時間程度であるため巻取り装置の巻取り位置1ヶ所
について1日24時間あたり3〜6個の巻糸体が製造さ
れるが、ドッフ番号とは、これを識別するため日毎に玉
揚げした時刻順に従って割り当てる番号をいう。
【0046】巻取りドッフデータ入力手段301は、紡
糸装置(SPD)1,…の機台横に設けられ、作業員が
キーボードにより紡糸機番号,錘番号を、また糸切れが
発生した際には糸切れ理由等を入力するものであり、入
力されたデータをコンピュータ300の巻取りドッフデ
ータファイル306または糸切れデータファイル307
に送信するものである。データを受信したコンピュータ
300内部では、錘番号,ポジション番号,巻取月日,
ドッフ番号が中継台車に載置した全てのボビンについて
自動的に割り付けられる。
【0047】中継台車識別手段302及びトレイ識別手
段303は例えば公知のバーコードリーダーであり、台
車またはトレイのバーコードを読み取って、コンピュー
タ300の搬送データファイル308に台車番号または
トレイ番号を送信するものである。
【0048】重量測定装置61及び水分率測定装置62
は前述の通りの公知の装置であり、コンピュータ300
の検査データファイル309に測定重量または測定水分
率を送信するものである。
【0049】外観検査表示手段324及び外観検査結果
入力手段304は第2のコンベア60の4列の表層処理
及び外観検査ライン65,…の機台横に各々設けられ
る。外観検査表示手段324はコンピュータ300の検
査データファイル309から到着した巻糸体10の巻取
りドッフデータ等を受信するものであり、受信したデー
タを検査員に表示するものである。また、入力手段30
4は検査員がキーボードにより検査格付けと検査格落ち
理由等を入力するものであり、入力されたデータをコン
ピュータ300の検査データファイル309に送信する
ものである。
【0050】図29に示すように、搬送制御ファイル3
11は前述のボビン管理ファイル310のうちのトレイ
搬送に関するデータ部分であり、出力手段313を介し
てコンベアの制御機器321に、搬送制御データである
各種フラグを送信するものである。また、在庫管理ファ
イル312はボビン管理ファイル310のうちのストレ
ージ内の在庫に関するデータ部分であり、出力手段31
4を介してストレージの制御機器322に、在庫データ
であるストレージの号機,棚番号−段データを送信する
ものである。
【0051】出荷品管理ファイル315はボビン管理フ
ァイル310のうちの梱包が完了したボビンに関するデ
ータ部分であり、巻取りドッフデータと出荷品データで
ある梱包ケース番号,梱包年月日,梱包した段数,出荷
先からなる。また、検索手段317は前述の出荷品管理
ファイル315に対して、紡糸機番号,錘番号,ポジシ
ョン番号及び検索期間を検索キーワードとして指定する
ことにより、該当するボビンを梱包したケース番号,梱
包段数等を表示手段319に表示するものである。
【0052】また、異常品管理ファイル316はボビン
管理ファイル310のうちの糸切れ,重量,水分率また
は外観検査により異常品と判定されたボビンに関するデ
ータ部分であり、巻取りドッフデータと糸切れデータま
たは検査データからなる。また、分析手段318は前述
の異常品管理ファイル316に対して、紡糸機番号,錘
番号,ポジション番号及び分析期間を分析キーワードと
して指定することにより、該当する異常ボビンの異常理
由等を表示手段320に表示するものである。
【0053】図30,図31及び図32は、前述のデー
タ処理装置を用いて、巻糸体の検査,梱包をする際の処
理のフローチャートである。この図を用いて、玉揚げか
ら検査,梱包に至る処理を順次説明する。まず、紡糸装
置1から玉揚げ装置2により玉揚げされ、さらに玉揚げ
装置2から4分繊20個または8分繊40個の巻糸体1
0が中継台車11に移載された後に、作業員により玉揚
げしたボビンの紡糸機番号と錘番号が巻取りドッフデー
タとして巻取りドッフデータ入力手段301に入力され
ると(ステップ400)、入力手段301により、この
巻取りドッフデータがコンピュータ300の巻取りドッ
フデータファイル306に送信され、ボビンIDが作成
される(ステップ401)。次に、中継台車識別手段3
02の第1のバーコードリーダーにより中継台車11の
バーコードが読み取られ、識別手段302により、この
データが台車番号としてコンピュータ300の搬送デー
タファイル308に送信される。そして、図29に示す
データ構成で、前記ボビンID,巻取りドッフデータ,
台車番号が対応関係をもってコンピュータ300のボビ
ン管理ファイル310内に格納される(ステップ40
2)。
【0054】中継台車への移載以前に巻取り装置におけ
る巻取り中に糸切れが発生した場合には、巻取りデータ
入力手段が糸切れ錘を自動的に認識し、作業員に糸切れ
理由の入力を要求する。作業員により糸切れ理由が巻取
りドッフデータ入力手段301により入力されると、巻
取りドッフデータ入力手段301により、糸切れフラグ
及び糸切れ理由がコンピュータ300の糸切れデータフ
ァイル307に送信される。この後、コンピュータ30
0内部で、該当する巻取りドッフデータに糸切れデータ
(糸切れフラグと糸切れ理由)を連結する。なお、糸切
れフラグは糸切れありでONになる。
【0055】次に、中継台車11が搬送作業員により第
1の移載装置15まで搬送されると、中継台車識別手段
302の第2のバーコードリーダーにより、中継台車1
1のバーコードが読み取られ(ステップ403)、識別
手段302により、台車番号がコンピュータ300の搬
送データファイル308に送信される。これにより、搬
送されてきた中継台車11に載置されたボビンの生産履
歴等が識別できる。一方、第1のコンベア37におい
て、第1の移載機15の上流側に設けられたトレイ識別
手段303の第3のバーコードリーダーにより第1のト
レイ16のバーコードが読み取られ、識別手段303に
より、第1のトレイ番号がコンピュータ300の搬送デ
ータファイル308に送信される。この後、第1の移載
機15により、中継台車11から第1のトレイ16に巻
糸体10が移載されると、コンピュータ300内部で、
ボビン管理ファイル310内の該当するボビンIDを有
するボビン管理データの搬送制御データに、第1のトレ
イ番号が格納される(ステップ404)。
【0056】巻糸体10を載置した第1のトレイ16
は、第1のコンベア37により第1の移載機15から錘
別並替え装置40に移送され、錘別に並べられた後に第
2のコンベア60により移送され、その搬送途中にて重
量測定装置61及び水分率測定装置62により、各々ト
レイ16に載置した巻糸体10の重量及び水分率が自動
的に測定され、コンピュータ300にて測定データが分
析される。
【0057】重量測定装置においては、トレイ16が重
量測定装置61に到着し重量が測定されると、重量測定
装置61により、トレイ番号及び測定重量データがコン
ピュータ300の検査データファイル309に送信され
る。データを受信したコンピュータ300内部では、受
信したトレイ番号を検索して、ボビン管理ファイル31
0内の該当するボビンIDを引き当てて、ボビン管理デ
ータの検査データの測定重量格納エリアに、受信した重
量データからトレイ16の風袋重量を差し引いた重量デ
ータを書き込む。さらに、デニールとフィラメント数を
算出するとともに、引き当てたボビンIDの巻取りドッ
フデータの銘柄コードの重量正常範囲(デニールとフィ
ラメント数により定義)と重量測定結果とを比較し、正
常範囲内にない場合には、搬送制御データの重量異常フ
ラグをONさせる(ステップ405)。
【0058】水分率測定装置においては、重量測定装置
と同様に、トレイ16が水分率測定装置62に到着し水
分率が測定されると、水分率測定装置62により、トレ
イ番号及び測定水分率データがコンピュータ300の検
査データファイル309に送信される。データを受信し
たコンピュータ300内部では、受信したトレイ番号を
検索して、ボビン管理ファイル310内の該当するボビ
ンIDを引き当てて、ボビン管理データの検査データの
測定水分率格納エリアに、受信した水分率データを書き
込む。さらに、引き当てたボビンIDの巻取りドッフデ
ータの銘柄コードの水分率正常範囲と水分率測定結果と
を比較し、正常範囲内にない場合には搬送制御データの
水分率異常フラグをONさせる(ステップ406)。
【0059】重量と水分率のチェックを終えた巻糸体は
第2のコンベア60により外観検査ライン65に移送さ
れ、検査員の目視観察による外観検査が行われる。外観
検査ライン65においては、第1のトレイ16の所定数
(本実施例では4個)が検査場所に到着すると、バーコ
ードリーダー等を用いて到着したトレイ番号を認識し、
これをコンピュータ300の搬送データファイル308
に送信する。データを受信したコンピュータ300内部
では、受信したトレイ番号を検索して、ボビン管理ファ
イル310内の該当するボビンIDを引き当てて、ボビ
ン管理データの巻取りドッフデータと検査データを、外
観検査表示手段324に送信する。データを受信した外
観検査表示手段324はCRT等に所定数の巻糸体の銘
柄名称,紡糸機番号,錘番号,ポジション番号,巻取月
日,ドッフ番号,測定重量,測定水分率を表示する。さ
らに、コンピュータ300内部で異常品管理ファイル3
16を検索し、同じ錘の同じポジションの前ドッフでの
異常品データが見つかった場合には、そのデータもCR
T等に表示する。
【0060】ここでは、錘別並替え装置40により各錘
ごとに所定数ずつ外観検査場所に到着しているため、例
えば、重量測定値が正常範囲になかった場合には構成本
数が所定より1本少ないボビンと1本多いボビンとが同
じ錘のなかで発生している可能性が高いため、同じ錘の
隣合った2個の巻糸体の構成本数を確認する必要がある
が、これを実施しやすい。このほかにも先に述べたよう
に機械的な構成より製品の糸条の品質は錘単位でその傾
向が顕著に現れるため、錘別に到着することにより各種
品質の傾向を確認しやすい。また、前ドッフでの異常デ
ータが表示されているため、例えば、ケバ立ち等の外観
異常が前ドッフで検出された錘では続けて異常となる可
能性が高いため、特に注意を促した観察を実施すること
ができる。
【0061】前述のように検査員による外観検査が終了
し、外観検査結果(A格合格品の場合は検査格付けの
み、格落ちの場合は検査格付け及び検査格落ち理由)が
外観検査結果入力手段304に入力されると、入力手段
304により、トレイ番号及び外観検査結果がコンピュ
ータ300の検査データファイル309に送信される。
データを受信したコンピュータ300内部では、受信し
たトレイ番号を検索して、ボビン管理ファイル310内
の該当するボビンIDを引き当て、ボビン管理データの
検査データの検査格付け及び検査格落ち理由格納エリア
に、受信した外観検査結果データを書き込む。さらに、
検査格付けがA格合格品でない場合には、搬送制御デー
タの検査異常フラグをONさせる(ステップ407)。
【0062】重量測定,水分率測定,外観検査の終了し
た巻糸体については、コンピュータ300内部にて、ボ
ビン管理ファイル310のボビン管理データにおける、
糸切れフラグ,重量異常フラグ,水分率異常フラグ,検
査異常フラグの全てがOFFであると、梱包フラグをO
Nさせる処理を行う(ステップ408,410)。この
フラグがON状態でないと梱包装置による梱包がなされ
ない(ステップ409,413)。
【0063】表層処理と外観検査を終えた巻糸体を載置
した第1のトレイ16は、引き続き第2のコンベア60
により第2の移載装置70の位置に送られる。ここで
は、バーコードリーダー等を用いて移載装置70に到着
した第1のトレイ番号を認識し、これをコンピュータ3
00の搬送データファイル308に送信する。一方、第
3のコンベア85においては、第2の移載機70の上流
側に設けられたトレイ識別手段303の第4のバーコー
ドリーダーにより第2のトレイ86のバーコードが読み
取られ、識別手段303により第2のトレイ番号がコン
ピュータ300の搬送データファイル308に送信され
る。この後、第2の移載機70により第1のトレイから
第2のトレイに巻糸体が移載されると、コンピュータ3
00内部で、受信した第1のトレイ番号を検索して、ボ
ビン管理ファイル310内の該当するボビンIDを引き
当て、ボビン管理データの搬送制御データの第2のトレ
イ番号格納エリアに、受信した第2のトレイ番号を書き
込む(ステップ411)。
【0064】次に、第2のトレイは第3のコンベア85
によってストレージ位置90に送られ、ボビンストレー
ジ部1とボビンストレージ部2との分岐である第1の分
岐点に到着する。ここでは、前述と同様に、バーコード
リーダー等を用いて分岐点に到着した第2のトレイ番号
を認識し、これをコンピュータ300に送信し、コンピ
ュータ300内部では、受信した第2のトレイ番号を検
索して、ボビン管理ファイル310内の該当するボビン
IDを引き当てて、ボビン管理データの搬送制御データ
の梱包フラグがONしているもののみに対して、出力手
段313を用いてボビンストレージ部2への進行を、コ
ンベアの制御装置321に指示する(ステップ412,
413)。
【0065】第1の分岐点でボビンストレージ部2の位
置への進行指示を受けたトレイは、次にボビンストレー
ジ部2と反転機との分岐である第2の分岐点に到着す
る。ここでも前述と同様に、バーコードリーダー等を用
いて分岐点に到着した第2のトレイ番号を認識しコンピ
ュータ300に送信し、コンピュータ300内部では、
受信した第2のトレイ番号を検索して、ボビン管理ファ
イル310内の該当するボビンIDを引き当て、ボビン
管理データの搬送制御データの梱包数充足フラグがON
しているものに対しては、出力手段313を用いて反転
機への進行を、コンベアの制御装置321に指示する
(ステップ429,435)。一方、梱包数充足フラグ
がOFFしているものに対しては、出力手段313を用
いてボビンストレージ部2への進行を、コンベアの制御
装置321に指示する(ステップ430)。
【0066】そして、ボビンストレージ部2への進行を
指示した巻糸体については、コンピュータ300が在庫
管理ファイル312に適宜空いているストレージの号機
(ここでは2号),棚番号,段データを書き込み、出力
手段314を用いてストレージの制御装置322へ送信
し、該当するストレージの棚−段への入庫を指示する
(ステップ431)。
【0067】ここで、梱包数充足フラグについて説明す
る。本実施例においては、同じ銘柄の巻糸体9個×10
段に積み上げて梱包して出荷するため、一回の玉揚げ単
位である4分繊20個、8分繊40個では梱包単位に足
りない。そこで、梱包数に足りない銘柄はボビンストレ
ージ部2に一旦入庫しておき梱包単位に達するまで保管
する。先の第2の分岐制御においては、各銘柄について
ボビンストレージ部2内のボビン数と、外観検査が終了
し梱包フラグがON状態にある第2または第3のコンベ
ア上のボビン数との合算数が梱包玉数を越えていれば、
コンベア上のものを優先的に選択しながら、梱包玉数分
だけコンベア上とボビンストレージ部2内のボビンの梱
包数充足フラグをON状態にする。こうすることによ
り、ボビンストレージ部2のなかで90玉溜める必要は
ないため、ボビンストレージ部2を有効的に使える。
【0068】一方、ボビンストレージ部2内で梱包数充
足フラグがOFF状態で保管されていてON状態にフラ
グが変化した巻糸体については、コンピュータ300内
部で、ボビン管理データの搬送制御データの梱包数充足
フラグがONしているボビンIDを引き当てて、在庫管
理ファイル312のストレージの号機(ここでは2
号),棚番号,段データを出力手段314を用いてスト
レージの制御装置322へ送信し、ストレージからの出
庫を指示する(ステップ433)。
【0069】第2の分岐点で反転機への進行指示を受け
反転機に到着したトレイは、前述と同様に、バーコード
リーダー等を用いて反転機に到着した第2のトレイ番号
を認識し、これをコンピュータ300に送信し、コンピ
ュータ300内部では、受信した第2のトレイ番号を検
索して、ボビン管理ファイル310内の該当するボビン
IDを引き当てて、ボビン管理データの巻取りドッフデ
ータのボビン反転有無フラグがONしているもののみに
対して、出力手段313を用いて反転機での反転を、コ
ンベアの制御装置321に指示する(ステップ436,
437)。
【0070】その後、コンベア110によって梱包装置
120まで送られてきたトレイは、前述と同様に、バー
コードリーダー等を用いて梱包装置に到着した第2のト
レイ番号を認識し、これをコンピュータ300に送信
し、コンピュータ300内部では、受信したトレイ番号
を検索して、ボビン管理ファイル310内の該当するボ
ビンIDを引き当て、ボビン管理データの出荷品管理デ
ータの梱包ケース番号,梱包年月日,梱包段数,出荷先
格納エリアに各々のデータを書き込む。その後、巻取り
ドッフデータと出荷品管理データとを連結させて、その
データを出荷品管理ファイルに保存した後、ボビンID
を消去する。
【0071】第1の分岐点でボビンストレージ部1の位
置への進行指示を受けたトレイは、次にボビンストレー
ジ部1と緊急払出との分岐である第3の分岐点に到着す
る。ここでも前述と同様に、バーコードリーダー等を用
いて分岐点に到着した第2のトレイ番号を認識し、これ
をコンピュータ300に送信し、コンピュータ300内
部では、受信した第2のトレイ番号を検索して、ボビン
管理ファイル310内の該当するボビンIDを引き当
て、ボビン管理データの搬送制御データの重量異常フラ
グまたは水分率異常フラグがONしているものに対して
は、出力手段313を用いて緊急払出ラインへの進行
を、コンベアの制御装置321に指示する(ステップ4
15,416)。そして、第3のコンベアによって緊急
払出ラインまで送られてきたトレイは、前述と同様に、
バーコードリーダー等を用いて緊急払出ラインに到着し
た第2のトレイ番号を認識しコンピュータ300に送信
し、コンピュータ300内部では、受信したトレイ番号
を検索して、ボビン管理ファイル310内の該当するボ
ビンIDを引き当て、巻取りドッフデータと糸切れデー
タと検査データとを連結させて、そのデータを異常品管
理ファイルに保存した後に、ボビンIDを消去する。こ
の後、作業員により第2のトレイから巻糸体が取り外さ
れ、分玉台車93等に載せ替えられる。
【0072】一方、重量異常フラグ、水分率異常フラグ
がともにONしていないものに対しては、出力手段31
3を用いてボビンストレージ部1への進行を、コンベア
の制御装置321に指示する。また、ボビンストレージ
部1への進行を指示した巻糸体については、コンピュー
タ300が在庫管理ファイル312に適宜空いているス
トレージの号機(ここでは1号),棚番号,段データを
書き込み,出力手段314を用いてストレージの制御装
置322へ送信し、該当するストレージの棚−段への入
庫を指示する(ステップ419)。
【0073】ボビンストレージ部1内で梱包フラグがO
FF状態で保管されている巻糸体については、1日に3
〜4回程度、銘柄別に出庫して払出ラインに搬送され
る。これは、コンピュータ300内部でボビン管理デー
タの搬送制御データの梱包フラグがOFFであるボビン
IDを引き当て、さらに銘柄コードの小さい順にボビン
管理データを並び替えてから、在庫管理ファイル312
のストレージの号機(ここでは1号),棚番号,段デー
タを出力手段314を用いてストレージの制御装置32
2へ順次送信し、ストレージからの出庫を指示する(ス
テップ421)。そして、第3のコンベアによって払出
ラインまで送られてきたトレイは、前述の緊急払出ボビ
ンと同様に、バーコードリーダー等を用いて払出ライン
に到着した第2のトレイ番号を認識し、これをコンピュ
ータ300に送信し、コンピュータ300内部では受信
したトレイ番号を検索して、ボビン管理ファイル310
内の該当するボビンIDを引き当て、巻取りドッフデー
タと糸切れデータと検査データとを連結させて、そのデ
ータを異常品管理ファイルに保存した後に、ボビンID
を消去する。この後、作業員により第2のトレイから巻
糸体が取り外され、分玉台車93等に載せ替えられる。
【0074】ボビンストレージ部1内には、一旦検査異
常等で梱包フラグがOFFで入庫され保管されたもの
の、出庫払い出して再検査の結果A格合格品に格上げさ
れたり、チェックドッフや初検と呼ばれるコンベア以
外、例えば検査室での検査のために、一旦払い出して検
査室での検査の結果A格合格品になり、梱包フラグがO
N状態に替わるものもある。これらの巻糸体については
梱包可能であるため、再度第2のトレイに人手で移載し
て、一旦ボビンストレージ部1に入庫しその後ボビンス
トレージ部2へ移し替え、梱包充足フラグがONするま
でボビンストレージ部2で保管しておく(ステップ42
8,431)。
【0075】なお、各分岐点等に到着したトレイの識別
方法は、前述のように各分岐点にバーコードリーダーを
設置し到着トレイのバーコードを読み取るほかに、以下
に示すような方法もある。図33は、コンピュータ30
0の搬送制御ファイル311内でのトレイトラッキング
方法を説明する図である。85が第3のコンベア,34
0が第1の分岐点,350が第2の分岐点であり、トレ
イ86が矢示Aの方向に搬送される。まず、コンベアに
設けたトレイ検知センサ330によりトレイの到着を検
知し、第4のバーコードリーダーBによりバーコードに
て記したトレイの識別記号であるトレイ番号、例えば1
234を読み取り、コンピュータ300の搬送制御ファ
イル309に送信する。この後、このトレイは、コンベ
ア85により搬送され、分岐点340のストッパー42
に設けたトレイ検知センサ331により、その到着がコ
ンピュータの搬送制御ファイル311に送信され、コン
ピュータはその信号により、分岐点340に到着したト
レイが1234であることを識別できる。そして、前述
のとおり、トレイ番号1234よりボビンIDを検索
し、該当するボビンIDの搬送制御データ(ここでは、
第1の分岐点であるので梱包フラグ)により分岐制御
(ここではボビンストレージ部1、ボビンストレージ部
2への分岐)がなされる。次の分岐点である第2の分岐
点350においても、先ほどと同様に到着したトレイを
識別し分岐制御を行う。このようにすることにより、バ
ーコードリーダーを各分岐点に設置することなく、到着
したトレイの識別ができる。
【0076】次に、巻取られた巻糸体の品質管理装置お
よびその方法について説明する。前述のように、図30
〜図32に示したフローチャートに基づいて処理がなさ
れる途中において、巻糸体は各工程にて各種の品質デー
タが順次書き込まれ、品質が正常な範囲にない場合には
該当する異常フラグをONさせていく。例えば、前述の
ように重量測定装置61により検査データファイル30
9に測定重量が書き込まれ、トレイ16の風袋重量を差
し引いた重量データと重量正常範囲とを比較し、正常範
囲内にない場合には、搬送制御データの重量異常フラグ
をONさせる(ステップ405)。この後、搬送手段に
より異常フラグがONした巻糸体は緊急払出ラインに搬
送され、巻取りドッフデータと糸切れデータと検査デー
タとを連結させて、そのデータを異常品管理ファイル3
16に保存する。保存された異常品管理データは、その
巻取りドッフデータの同じ紡糸機番号,同じ錘番号,同
じポジション番号,同じ巻取月日毎に集約した上、異常
品管理ファイル316内に記憶する。
【0077】次に、分析手段318を用いて、前述の異
常品管理ファイル316に対して、紡糸機番号,錘番
号,ポジション番号及び分析期間を分析キーワードとし
て指定することにより、該当する異常ボビンの異常理由
等を表示手段320に表示する。
【0078】本実施例では、前述のような人手による分
析方法以外にも、以下のような方法により、自動的に製
造品質の分析および管理を実施している。コンピュータ
300が分析手段318を用いて、前述の異常品管理フ
ァイル316に対して、同じ紡糸機の同じ錘で同じ糸切
れ理由で3回/日の糸切れが発生したり、同じ紡糸機の
同じ錘で重量異常または水分率異常が2ドッフ連続で発
生したり、同じ銘柄で同じ理由で2回/日の外観検査異
常が発生したり、ある紡糸機のある錘において糸切れに
より巻取り稼働率が60%を下回ると、自動的に検知
し、表示手段320に警報を発する。
【0079】次に、巻取り装置で巻取られ梱包装置で出
荷形態に梱包された、一群の巻糸体の出荷検索装置およ
び方法について説明する。前述のように、コンベア11
0によって梱包装置120まで送られてきたトレイの番
号をバーコードリーダー等により認識し、これをコンピ
ュータ300に送信する。コンピュータ300内部で
は、受信したトレイ番号を検索して、ボビン管理ファイ
ル310内の該当するボビンIDを引き当て、ボビン管
理データの出荷品管理データにおける梱包ケース番号,
梱包年月日,梱包段数,出荷先格納についての各エリア
に各々のデータを書き込む。その後、巻取りドッフデー
タと出荷品管理データとを連結させてこれを出荷品管理
ファイル315に保存するとともに、保存した出荷品管
理データを、巻取りドッフデータにおける同じ紡糸機番
号,同じ錘番号,同じポジション番号,同じ巻取月日毎
に集約し、これを出荷品管理ファイル315内に記憶す
る。
【0080】次に、検索手段317を用いて、前述の出
荷品管理ファイル315に対して、紡糸機番号,錘番
号,ポジション番号及び検索期間を検索キーワードとし
て指定することにより、該当するボビンを梱包したケー
ス番号,梱包段数等を表示手段319に表示する。例え
ば、出荷先のユーザーで1個の巻糸体に品質異常が発見
された場合、先に述べたように紡糸装置および巻取り装
置の機械的な問題から製品たる糸条の品質の傾向は錘単
位で顕著に現れるため、品質異常が発見された巻糸体と
同じ錘の巻糸体も品質異常の可能性が高い。このため、
品質異常が発見された巻糸体の紙管内部に貼着された識
別ラベルから紡糸機番号,錘番号等を識別した後検索キ
ーワードを入力して同じ巻取月日であり,同じ紡糸機で
あり,同じ番号である巻糸体の出荷先,ケース番号,梱
包段数を検索し、品質サービス部門の担当者が当該出荷
先であるユーザーに出向き、該当巻糸体の品質チェック
を実施する。
【0081】このようにして、一連の動作がコンピュー
タによって制御され、コンベア上を搬送されるトレイの
制御データ及びボビンの品質データが自動的にコンピュ
ータ内に蓄積されてゆき、梱包可否に応じたトレイの分
岐制御、梱包数の過不足に応じたストレージへの入出庫
制御、銘柄によるボビン反転制御、梱包し出荷したボビ
ンの追跡品質管理、工程内で発生した糸切れ,重量異
常,水分率異常,外観検査異常等のトラブルに対する分
析管理等が実現できる。
【0082】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる巻
糸体処理装置は、紡糸装置から梱包に至るまでの巻糸体
の流れを殆ど自動的に処理し、必要な検査や、ラベル添
付等の処理を行うことが可能となった。また、巻糸体の
流れがコンピュータで制御されるので、各巻糸体個々の
経歴を一貫して管理することができるとともに、工程中
で収集された品質データを自動的に分析し、異常を検知
し警報を発生することにより、異常の発生を事前に止め
たり最小限に止めることができ、高品質の製品を送り出
すことが可能となった。また、万一出荷された製品に品
質異常が発見された場合にも、関連のある巻糸体を容易
に検索することができ、品質保証の強化が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を模式的に表す説明図であ
る。
【図2】その工程図である。
【図3】第1の移載装置の正面図である。
【図4】その側面図である。
【図5】第1のトレイの平面図である。
【図6】その側面図である。
【図7】ストッパの正面図である。
【図8】その下面図である。
【図9】引き込み装置の平面図である。
【図10】その側面図である。
【図11】第2の移載装置の正面図である。
【図12】その側面図である。
【図13】第2のトレイの平面図である。
【図14】その側面図である。
【図15】巻糸体の流れを表すフローチャートである。
【図16】反転装置の正面図である。
【図17】その側面図である。
【図18】梱包装置の正面図である。
【図19】その側面図である。
【図20】梱包方法の説明図である。
【図21】梱包状態の説明図である。
【図22】被覆装置の正面図である。
【図23】全体配置を表す平面図である。
【図24】シャッター付き玉揚げ装置の平面図である。
【図25】その正面図である。
【図26】衝撃吸収シートを設けた第1のトレイの側面
図である。
【図27】フィルムロール保持部の正面図である。
【図28】データ処理装置全体を表すブロック図であ
る。
【図29】本実施例のボビン管理ファイルのファイル構
造である。
【図30】データ処理の流れを表すフローチャート(前
半)である。
【図31】データ処理の流れを表すフローチャート(後
半:梱包)である。
【図32】データ処理の流れを表すフローチャート(後
半:排出)である。
【図33】トレイのトラッキング方法を表す図である。
【符号の説明】 1 紡糸装置 2 玉揚げ装置 10 巻糸体 11 中継台車 15 第1の移載装置 16 第1のトレイ 19 チャック装置 22 移動枠 37 第1のコンベア 40 錘別並替え装置 43 引き込み装置 50 ローラ 60 第2のコンベア 61 重量測定装置 62 水分率測定装置 65 外観検査ライン 67 表層処理装置 70 第2の移載装置 85 第3のコンベア 86 第2のトレイ 87 ラベル貼着装置 90 ストレージ装置 100 反転装置 110 梱包用コンベア 120 梱包装置 170 天板移載装置 180 被覆装置 300 コンピュータ 310 ボビン管理ファイル 311 搬送制御ファイル 312 在庫管理ファイル 315 出荷品管理ファイル 316 異常品管理ファイル
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】削除
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図33
【補正方法】削除

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸条をボビンに巻き取る巻取り装置と、該
    巻取り装置により巻取り形成した巻糸体を排出若しくは
    梱包または保管する各位置まで搬送する搬送手段と、該
    搬送手段に設けられ、前記巻糸体を保管若しくは排出又
    は梱包する各位置に振り分ける分岐手段とを備えた巻糸
    体の処理装置において、 前記巻糸体個々の品質関係データを該巻糸体個々の識別
    コードとの対応関係をもって入力する入力手段と、該入
    力手段により入力される品質関係データを前記識別コー
    ドとの対応関係をもって記憶する記憶手段と、該記憶手
    段に記憶された品質関係データを基に前記巻糸体の良否
    を判断し、良品である場合には該巻糸体を梱包位置若し
    くは保管位置に導くように前記分岐手段を制御する一
    方、不良品である場合には該巻糸体を排出若しくは保管
    位置に導くように前記分岐手段を制御する制御手段とを
    設けたことを特徴とする巻糸体処理装置。
  2. 【請求項2】巻取り装置識別コード,該巻取り装置にお
    ける巻取り位置データ,巻取り年月日,玉揚げ番号より
    なる巻取りドッフデータと、糸切れの有無,糸切れ原因
    コード,重量,水分率よりなる品質データとを、該巻糸
    体個々の識別コードとの対応関係をもたせて入力する入
    力手段と、入力された巻取りドッフデータおよび品質デ
    ータを基に、前記品質データを前記巻取り位置毎に集約
    して記憶する記憶手段と、集約後の品質データを基に前
    記各巻取り位置の製造品質の傾向を分析する品質分析手
    段と、該品質分析手段の分析結果を表示する表示手段と
    を備えてなる巻糸体品質管理装置。
  3. 【請求項3】出荷形態を形成する一群の巻糸体個々の巻
    取り装置識別コード,該巻取り装置における巻取り位置
    データ,巻取り年月日,玉揚げ番号よりなる巻取りドッ
    フデータを、該一群の巻糸体の出荷識別コードとの対応
    関係をもたせて入力する入力手段と、入力された前記巻
    取りドッフデータおよび出荷識別コードを基に、前記巻
    取り装置識別コード,巻取り年月日,玉揚げ番号,出荷
    識別コードを、前記巻取り位置毎に集約して記憶する記
    憶手段と、集約後のデータを基にひとつの巻糸体の巻取
    りドッフデータから、これに関連する巻取り位置の巻糸
    体の出荷識別コードを検索する検索手段と、該巻取り手
    段の検索結果を表示する表示手段とを備えてなる巻糸体
    出荷検索装置。
JP10480594A 1994-04-18 1994-04-18 巻糸体の処理装置と品質管理装置と出荷検索装置 Pending JPH07292529A (ja)

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